説明

空調システム、及び建物

【課題】低温火傷を防止するための暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分の温度と継続時間との関係を明確に考慮し、十分な理論的裏付けのうえで、低温火傷を確実に防止することができる低温火傷防止装置を提供する。
【解決手段】エアコンディショナの屋内機3による暖房時に接触可能性部分としての給気口7の温度Tを計測する温度センサー14と、エアコンディショナの屋内機3による暖房時に給気口7内が所定温度に達した後の継続時間Xを計測するタイマー15と、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶する記憶部16と、温度センサー14、タイマー15、及び記憶部16が接続され、エアコンディショナの屋内機3を制御する制御部17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分における低温火傷を防止する低温火傷防止装置、この低温火傷防止装置を備えた空調システム、及びこの空調システムを備えた建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な暖房手段において、低温火傷を防止する対策が講じられているものがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、定常運転モードでの暖房を、長時間にわたり継続するときに、所定時間経過した時点で、通電率を低減して、床表面温度の異常上昇を抑制する電気式床暖房システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−46844号公報
【特許文献2】特許第3440409号公報
【特許文献3】特開2005−42958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1をはじめとした従来技術では、低温火傷の防止は考慮しているものの、低温火傷を防止するための暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分の温度と継続時間との関係を明確に考慮したものは見聞されず、十分な理論的な裏付けを欠いていたのが実情である。
【0006】
さらに、従来において、建物の床下空間に空調装置が設置された空調システムでは、低温火傷を防止する対策すら講じられていない実情もある(特許文献2,3等を参照)。
【0007】
そこで、本発明は、低温火傷を防止するための暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分の温度と継続時間との関係を明確に考慮し、十分な理論的裏付けのうえで、低温火傷を確実に防止することができる低温火傷防止装置、この低温火傷防止装置を備えた空調システム、及びこの空調システムを備えた建物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の低温火傷防止装置は、暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分における低温火傷を防止する低温火傷防止装置であって、前記暖房手段による暖房時に前記接触可能性部分の温度Tを計測する温度計測手段と、前記暖房手段による暖房時に前記接触可能性部分が所定温度に達した後の継続時間Xを計測する継続時間計測手段と、前記温度Tと当該温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶する記憶手段と、前記温度計測手段、前記継続時間計測手段、及び前記記憶手段が接続され、前記暖房手段を制御する制御手段とを備え、前記暖房手段による暖房時において、前記制御手段は、所定時間経過後であって、前記温度Tと前記継続時間Xとが低温火傷がおきる条件を満たす前に、前記温度Tを低下させるように、当該暖房手段を制御することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記低温火傷がおきる条件とは、Σ((1/X)×X)≧1の式1を満たすときであるとよい。
【0010】
本発明の空調システムは、上記した低温火傷防止装置を備えた建物の空調システムであって、前記暖房手段は、前記建物の床下空間に設置された空調装置であり、前記接触可能性部分は、前記空調装置の床上用吹出部とダクトを介して接続された前記建物の床に設けられた給気口であることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されているとよい。
【0012】
本発明の建物は、上記した空調システムを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明の低温火傷防止装置は、暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分における低温火傷を防止する低温火傷防止装置である。
【0014】
そして、暖房手段による暖房時に接触可能性部分の温度Tを計測する温度計測手段と、暖房手段による暖房時に接触可能性部分が所定温度に達した後の継続時間Xを計測する継続時間計測手段と、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶する記憶手段と、温度計測手段、継続時間計測手段、及び記憶手段が接続され、暖房手段を制御する制御手段とを備えている。
【0015】
そのうえで、暖房手段による暖房時において、制御手段は、所定時間経過後であって、温度Tと継続時間Xとが低温火傷がおきる条件を満たす前に、温度Tを低下させるように、暖房手段を制御する構成とされている。
【0016】
こうした構成なので、低温火傷を防止するための暖房手段による暖房時に接触可能性部分の温度Tと継続時間Xとの関係を明確に考慮しているため、十分な理論的裏付けのうえで、低温火傷を確実に防止することができる。
【0017】
ここで、低温火傷がおきる条件とは、Σ((1/X)×X)≧1の式1を満たすときである。これにより、比較的単純な式1で、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係を定義することができる。
【0018】
このような本発明の空調システムは、上記した低温火傷防止装置を備えた建物の空調システムである。
【0019】
そして、暖房手段は、建物の床下空間に設置された空調装置であり、接触可能性部分は、空調装置の床上用吹出部とダクトを介して接続された建物の床に設けられた給気口である構成とされている。
【0020】
こうした構成なので、例えば、給気口の近くで、居住者が長時間寝入ってしまったときなどの不測の事態にも、低温火傷をおこさなくて済む。
【0021】
ここで、空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されている場合は、ヒートポンプを用いるため、省エネルギー性能に優れたものとすることができる。
【0022】
このような本発明の建物は、上記した空調システムを備えた構成とされているので、上記した効果を奏する建物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例の空調システムを備えた建物の概略構成を説明する説明図である。
【図2】実施例の低温火傷防止装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】温度Tと低温火傷がおきる継続時間Xとの関係を示すグラフである。
【図4】実施例の空調システムにおいて、即効性を有する暖房又は冷房を行った状態を示す説明図である。
【図5】実施例の空調システムにおいて、床下暖房を行った状態を示す説明図である。
【図6】実施例の空調システムにおいて、即効性を有する暖房及び床下暖房の両方を行った状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0025】
先ず、実施例の構成について説明する。
【0026】
図1は、実施例の空調システムを備えた建物1の概略構成を示している。
【0027】
まず、このような建物1は、基礎断熱として構築された基礎底盤コンクリート1bと、その側縁に立設された基礎側壁コンクリート1cと、さらにその上に立設された外壁部1dと、その外壁部1dの上端開口を塞ぐ天井部1eとから主に構成されている。
【0028】
そして、この天井部1eと外壁部1dとに囲まれる空間は、床としての床部1aによって床下空間4と居室などの床上空間5とが区切られている。この床部1aは、特に床下空間4側からの床下暖房を考慮して、床下空間4と床上空間5との間の熱の伝達を許容し、断熱材が貼り付けられていない構成となっている。
【0029】
また、側壁コンクリート1cの床下空間4側には、グラスウールなどの基礎断熱材10が貼り付けられており、床下空間4内の暖気の熱が屋外に極力漏れない断熱構造となっている。
【0030】
そして、実施例1の空調システムは、床下空間4に空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3が設置されている。
【0031】
ここで、この空調装置としてのエアコンディショナは、ヒートポンプ式であり、屋内機3は、屋外に設置された屋外機2と接続されている。
【0032】
また、エアコンディショナの屋内機3の内部には、屋外機2に繋がっている熱媒循環管路21が接続されている。
【0033】
さらに、このエアコンディショナの屋内機3には、除湿機能を有するものが用いられており、床下空間4から屋外へ貫通する排水用のドレイン12が設けられている。
【0034】
また、このエアコンディショナの屋内機3は、吸込部31と床上用吹出部32と床下用吹出部33とを有している。
【0035】
さらに、このエアコンディショナの屋内機3には、床上用吹出部32及び床下用吹出部33から空気を様々な強さで吹き出させることが可能なファン(図示せず)が内蔵されている。
【0036】
また、床上用吹出部32と床下用吹出部33とには、電動ダンパーなどから成る開閉弁32a,33aがそれぞれ設けられている。
【0037】
さらに、床部1aには、グリル付きの排気口6と2種類の給気口7,9とが設けられている。
【0038】
ここで、給気口7は、ダクト82によりエアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32と接続されており、別の給気口9は、ダクトを介さず、床下空間4と直接連通している。
【0039】
また、ダクトを介さない別の給気口9には、回転可能な複数枚の羽板11a,・・・から成る開閉可能なガラリ11が設けられている。
【0040】
そして、エアコンディショナの屋内機3の吸込部31と排気口6との間もダクト81で接続されている。
【0041】
さらに、この実施例の空調システムは、図2に示したように、低温火傷防止装置Sを備えている。
【0042】
この実施例の低温火傷防止装置Sは、人体が接触する可能性がある接触可能性部分としての給気口7に設けられた温度計測手段としての温度センサー14と、空調装置(暖房手段)としてのエアコンディショナの屋内機3内に設けられた継続時間計測手段としてのタイマー15、記憶手段としての記憶部16、及び制御手段としての制御部17とから成る。
【0043】
ここで、制御部17には、温度センサー14、タイマー15、及び記憶部16が有線又は無線で接続されている。
【0044】
まず、温度センサー14は、給気口7内の温度Tを計測するものである。ここでは、この温度センサー14による計測精度は、0.1℃刻みとした。
【0045】
また、タイマー15は、エアコンディショナの屋内機3による暖房時に給気口7内の温度Tが所定温度の43℃に達した後の継続時間Xを計測するものである。
【0046】
さらに、記憶部16は、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶するROMなどの記憶媒体である。
【0047】
ここで、低温火傷がおきる条件とは、次の[式1]を満たすときである。
【0048】
[式1]Σ((1/X)×X)≧1
ここで、次の[式2]が成り立つことが従来の実証試験で知られている。
【0049】
[式2]X=1052×T−31.185
この[式2]をグラフで表すと、図3に示したようになる。
【0050】
例えば、温度T=44℃のとき、継続時間X=約6時間で火傷がおこる。
【0051】
そして、制御部17は、エアコンディショナの屋内機3による暖房時において、所定時間経過後であって、温度Tと継続時間Xとが低温火傷がおきる条件を満たす(すなわち、Σ((1/X)×X)=1)前に、温度Tを低下させるように、エアコンディショナの屋内機3に信号を送り、制御する。
【0052】
例えば、厳寒期などで床上空間5がなかなか設定温度に暖まらず、温度Tが約44℃のまま続いた場合は、継続時間Xが5時間50分の時点で、温度Tを43℃以下まで低下させる制御を行う。
【0053】
ここで、図3のグラフから、温度Tが1℃高いと、低温火傷がおきる時間Xが略半減されることが分かる。
【0054】
よって、温度Tが高いときほど、上記した[式1]の関係を満たさないように、より早めに温度Tを低下させる設定にするとよい。
【0055】
ここで、温度Tを低下させる方法としては、エアコンディショナの屋外機2に内蔵された圧縮機の回転数を下げて供給する熱量全体を小さくしたり、エアコンディショナの屋内機3に内蔵されたファンの回転数を上げ、風量を増やして供給する空気の単位体積当りの熱量を小さくしたりする方法などがある。
【0056】
なお、床上空間5には、所望の運転パターンに設定するためのコントローラ13が設けられている。
【0057】
次に、実施例の空調システムの運転パターンについて説明する。
【0058】
まず、暖房運転時のパターンについて説明する。
【0059】
(1)床上空間5を、即効性を有する暖房のみで暖めたいときは、エアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32の開閉弁32aを開状態とし、床下用吹出部33の開閉弁33aは閉状態とする。
【0060】
また、床部1aのダクトを介さない給気口9は、ガラリ11の羽板11a,・・・を互いに重なり合うまで回転して閉状態とする。
【0061】
そして、エアコンディショナの屋内機3を稼動させると、図4に示したように、床上空間5のみで暖気が対流して、床上空間5が即座に暖まる。
【0062】
(2)床上空間5を、床下暖房のみで暖めたいときは、エアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32の開閉弁32aを閉状態とし、床下用吹出部33の開閉弁33aは開状態とする。
【0063】
また、床部1aのダクトを介さない給気口9は、ガラリ11の羽板11a,・・・を略垂直状態に維持して開状態とする。
【0064】
そして、エアコンディショナの屋内機3を稼動させると、図5に示したように、床下空間4が即座に暖められ、その熱が主に床部1aを介して床上空間5へ伝達され、床上空間5が均一にムラなく暖まる。
【0065】
(3)厳寒期などに、床上空間5を、即効性を有する暖房及び床下暖房の両者で暖めたいときは、エアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32の開閉弁32aを開状態とし、床下用吹出部33の開閉弁33aも開状態とする。
【0066】
また、床部1aのダクトを介さない別の給気口9も、ガラリ11の羽板11a,・・・を略垂直状態に維持して開状態とする。
【0067】
そして、エアコンディショナの屋内機3を稼動させると、図6に示したように、床上空間5のみで対流する暖気と、主に床部1aを介して床上空間5へ伝達され、床上空間5を均一にムラなく暖める熱とで、床上空間5が即座に且つ均一にムラなく暖まる。
【0068】
次に、冷房運転時のパターンについて説明する。
【0069】
(4)床上空間5を冷房で冷やしたいときは、エアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32の開閉弁32aを開状態とし、床下用吹出部33の開閉弁33aは閉状態とする。
【0070】
また、床部1aのダクトを介さない別の給気口9は、ガラリ11の羽板11a,・・・を互いに重なり合うまで回転して閉状態とする。
【0071】
そして、エアコンディショナの屋内機3を稼動させると、図4に示したように、床上空間5のみで冷気が対流して、床上空間5が即座に冷やされる。
【0072】
なお、この冷房運転時には、コントローラ13で所望の湿度を設定することにより、エアコンディショナの屋内機3の除湿機能で除湿することもできる。
【0073】
つまり、上記した(1)と(3)の運転時において、この実施例1の低温火傷防止装置Sが作動する場合がある。
【0074】
次に、実施例の作用効果について説明する。
【0075】
このような実施例の低温火傷防止装置Sは、暖房手段としてのエアコンディショナの屋内機3による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分としての給気口7における低温火傷を防止する低温火傷防止装置である。
【0076】
そして、エアコンディショナの屋内機3による暖房時に給気口7の温度Tを計測する温度計測手段としての温度センサー14と、エアコンディショナの屋内機3による暖房時に給気口7内が例えば43℃などの所定温度に達した後の継続時間Xを計測する継続時間計測手段としてのタイマー15と、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶する記憶手段としての記憶部16と、温度センサー14、タイマー15、及び記憶部16が接続され、エアコンディショナの屋内機3を制御する制御手段としての制御部17とを備えている。
【0077】
そのうえで、エアコンディショナの屋内機3による暖房時において、制御部17は、所定時間経過後であって、温度Tと継続時間Xとが低温火傷がおきる条件を満たす前に、温度Tを低下させるように、エアコンディショナの屋内機3を制御する構成とされている。
【0078】
こうした構成なので、低温火傷を防止するための暖房手段としてのエアコンディショナの屋内機3による接触可能性部分としての給気口7の温度Tと継続時間Xとの関係を明確に考慮しているため、十分な理論的裏付けのうえで、低温火傷を確実に防止することができる。
【0079】
ここで、低温火傷がおきる条件とは、Σ((1/X)×X)≧1の[式1]を満たすときである。
【0080】
このため、比較的単純な[式1]で、温度Tと温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係を定義することができる。
【0081】
このような実施例の空調システムは、上記した低温火傷防止装置Sを備えた建物の空調システムである。
【0082】
そして、暖房手段は、建物1の床下空間4に設置された空調装置としてのエアコンディショナの屋内機3であり、接触可能性部分は、エアコンディショナの屋内機3の床上用吹出部32とダクト82を介して接続された建物1の床としての床部1aに設けられた給気口7である構成とされている。
【0083】
こうした構成なので、例えば、給気口7の近くで、居住者が長時間寝入ってしまったときなどの不測の事態にも、低温火傷をおこさなくて済む。
【0084】
ここで、空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機3であり、屋外に設置された屋外機2と接続されている。
【0085】
このため、ヒートポンプを用いるので、省エネルギー性能に優れたものとすることができる。
【0086】
このような実施例の建物1は、上記した空調システムを備えた構成とされているので、上記した作用効果を奏する建物とすることができる。
【0087】
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の低温火傷防止装置は、上記した実施例の空調システムに限定されず、様々な暖房手段に適用して実施することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 建物
1a 床部(床)
2 エアコンディショナの屋外機
3 エアコンディショナの屋内機(空調装置(暖房手段))
32 床上用吹出部
4 床下空間
5 床上空間
6 排気口
7 給気口(接触可能性部分)
81 ダクト
82 ダクト
9 別の給気口
14 温度センサー(温度計測手段)
15 タイマー(継続時間計測手段)
16 記憶部(記憶手段)
17 制御部(制御手段)
S 低温火傷防止装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房手段による暖房時に人体が接触する可能性がある接触可能性部分における低温火傷を防止する低温火傷防止装置であって、
前記暖房手段による暖房時に前記接触可能性部分の温度Tを計測する温度計測手段と、前記暖房手段による暖房時に前記接触可能性部分が所定温度に達した後の継続時間Xを計測する継続時間計測手段と、前記温度Tと当該温度Tのときに低温火傷がおきる継続時間Xとの関係のデータを予め記憶する記憶手段と、前記温度計測手段、前記継続時間計測手段、及び前記記憶手段が接続され、前記暖房手段を制御する制御手段とを備え、
前記暖房手段による暖房時において、前記制御手段は、所定時間経過後であって、前記温度Tと前記継続時間Xとが低温火傷がおきる条件を満たす前に、前記温度Tを低下させるように、当該暖房手段を制御することを特徴とする低温火傷防止装置。
【請求項2】
前記低温火傷がおきる条件とは、Σ((1/X)×X)≧1の式1を満たすときであることを特徴とする請求項1に記載の低温火傷防止装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の低温火傷防止装置を備えた建物の空調システムであって、
前記暖房手段は、前記建物の床下空間に設置された空調装置であり、
前記接触可能性部分は、前記空調装置の床上用吹出部とダクトを介して接続された前記建物の床に設けられた給気口であることを特徴とする空調システム。
【請求項4】
前記空調装置は、ヒートポンプ式のエアコンディショナの屋内機であり、屋外に設置された屋外機と接続されていることを特徴とする請求項3に記載の空調システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の空調システムを備えていることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−149574(P2011−149574A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9125(P2010−9125)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【特許番号】特許第4701303号(P4701303)
【特許公報発行日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【出願人】(390002886)株式会社長府製作所 (197)
【Fターム(参考)】