穿孔形成装置および画像形成装置
【課題】媒体の姿勢に応じて精度良く媒体に穿孔を形成すること。
【解決手段】搬送路(SH6)と、第1と第2の穿孔部材(12,13)と、穿孔部材(12,13)の第1と第2の移動機構(17+31〜34+22,17+31〜34+23)と、媒体(S)姿勢に基づく傾斜量(Sk)の取得手段(CB3B)と、穿孔が形成される媒体(S)上の所定の第1と第2の被穿孔位置(S2′,S3′)に関し、基準に対するずれ量(ΔL2,ΔL3)を傾斜量(Sk)に基づき算出する第1と第2の算出手段(CB3C2,CB3C3)と、ずれ量(ΔL2,ΔL3)に基づき被穿孔位置(S2′,S3′)を穿孔部材(12,13)の位置(P1)に停止させる搬送部材(Ra3,Ra4)の制御手段(CB3D)と、媒体(S)停止時に穿孔部材(12,13)を移動させる制御手段(CB3E)と、を備えた穿孔形成装置(PU)。
【解決手段】搬送路(SH6)と、第1と第2の穿孔部材(12,13)と、穿孔部材(12,13)の第1と第2の移動機構(17+31〜34+22,17+31〜34+23)と、媒体(S)姿勢に基づく傾斜量(Sk)の取得手段(CB3B)と、穿孔が形成される媒体(S)上の所定の第1と第2の被穿孔位置(S2′,S3′)に関し、基準に対するずれ量(ΔL2,ΔL3)を傾斜量(Sk)に基づき算出する第1と第2の算出手段(CB3C2,CB3C3)と、ずれ量(ΔL2,ΔL3)に基づき被穿孔位置(S2′,S3′)を穿孔部材(12,13)の位置(P1)に停止させる搬送部材(Ra3,Ra4)の制御手段(CB3D)と、媒体(S)停止時に穿孔部材(12,13)を移動させる制御手段(CB3E)と、を備えた穿孔形成装置(PU)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔形成装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に、穿孔、いわゆる、パンチ孔を形成する穿孔形成装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2002−68577号公報には、画像形成装置(F)の搬送方向下流側に配置され且つシート搬送方向に直交する方向に予め設定された間隔を開けて配置された二つの穿孔刃(112)が、カム機構により、同時に、搬送路内に進入、退避して、搬送路内のシート(S)に二つの穴(128)を形成する穿孔処理装置(44)が記載されている。
したがって、特許文献1では、シート(S)を綴じる場合に同一頁となる部分に形成される複数の穴(128)については、一度に、シート(S)に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−68577号公報(「0057」〜「0059」、図9、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体の姿勢に応じて媒体に精度良く穿孔を形成することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の穿孔形成装置は、
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に配置され且つ媒体の搬送方向に交差する方向である交差方向において予め設定された位置に配置された第1の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第1の穿孔を形成する前記第1の穿孔部材と、
前記搬送路に配置され且つ前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して予め設定された間隔を空けて配置された第2の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第2の穿孔を形成する前記第2の穿孔部材と、
前記第1の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第1の移動機構と、
前記第2の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第2の移動機構と、
前記各穿孔部材の媒体の搬送方向の上流側に配置されて搬送される媒体の姿勢を検出する検出部材の検出結果に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第1の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第1の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第1の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第1の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第1の被穿孔位置のずれ量である第1のずれ量を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第2の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第2の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第2の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第2の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第2の被穿孔位置のずれ量である第2のずれ量を算出する第2の算出手段と、
媒体を搬送する搬送部材の駆動を制御する搬送部材の制御手段であって、前記第1のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させると共に、前記第2のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第1の移動機構を介して、前記第1の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第2の移動機構を介して、前記第2の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させる穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の穿孔形成装置において、
駆動源と、
前記駆動源から動力が伝達されて移動する移動部材であって、予め設定された第1の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第2の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置と前記第2の貫通移動位置とに対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第1の穿孔部材を案内する第1の案内部であって、前記離間移動位置および前記第2の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第2の穿孔部材を案内する第2の案内部であって、前記離間移動位置および前記第1の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記駆動源の駆動を制御して、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の穿孔形成装置において、
前記搬送路に配置され、且つ、前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して前記第2の穿孔部材を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第3の穿孔を形成する前記第3の穿孔部材と、
予め設定された第3の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第4の貫通移動位置と、前記第4の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第5の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第4の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第5の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記離間移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第4の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置および前記第3の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第3の穿孔部材を案内する第3の案内部であって、前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第5の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第3の案内部、を有し、前記第3の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第3の移動機構と、
媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するかについて予め設定された設定情報に基づいて、媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するか、を判別する判別手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第3の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第3の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第3の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第3の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第3の被穿孔位置のずれ量である第3のずれ量を算出する第3の算出手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記第3のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記判別手段により、媒体に、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記判別手段により媒体に、前記第1ないし第3の穿孔を形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第3の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第4の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第5の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録部に画像を記録された媒体に穿孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の穿孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,4に記載の発明によれば、媒体の傾斜量に基づいて第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とが別々に移動しない場合に比べて、媒体の姿勢に応じて媒体に精度良く穿孔を形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、移動部材を介して第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とを別々に移動させない場合に比べて、構成を簡素化することができる。
請求項3に記載の発明によれば、異なる数の穿孔が形成される場合に第1の穿孔部材と第2の穿孔部材が共通化されており、穿孔部材が共通化されない場合に比べて構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は実施例1のスキューセンサの配置位置とスキュー量の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1のパンチユニットの説明図であり、図4Aはパンチユニット本体の斜視図、図4Bは図4Aの要部拡大図である。
【図5】図5は実施例1のスライダ本体部の説明図である。
【図6】図6は実施例1のガイドどうしの下方湾曲部の位置関係の説明図であり、スライダの移動位置に対応させて並べた説明図である。
【図7】図7はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図7Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図7Bはスライダが2孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Cはスライダが2孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Dはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図8Aはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図8Bはスライダが4孔前端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Cはスライダが4孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Dはスライダが4孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Eはスライダが4孔後端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Fはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
【図9】図9は離間移動位置に移動したスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図9Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図9Bはスライダが2孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Cはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図9Dはスライダが4孔前端のパンチ位置と4孔用の前パンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Eはスライダが4孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Fはスライダが4孔用の後パンチ位置と4孔後端のパンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Gはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図である。
【図11】図11は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、後処理制御部の説明図である。
【図12】図12は実施例1の記録シート上の被パンチ位置の説明図であり、図12Aは基準の姿勢の場合の説明図、図12Bはスキュー量を有する場合の説明図である。
【図13】図13は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図である。
【図14】図14は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13の続きの説明図である。
【図15】図15は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13、図14の続きの説明図である。
【図16】図16は4孔パンチを形成する場合でスキュー量が正の場合の実施例1の作用説明図であり、図16Aは記録シートの後端がプレパンチセンサを通過する際の説明図、図16Bは図16Aの続きの説明図であり4孔前端被パンチ位置が4孔前端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bの続きの説明図であり兼用前方被パンチ位置が兼用前方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Dは図16Cの続きの説明図であり兼用後方被パンチ位置が兼用後方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Eは図16Dの続きの説明図であり4孔後端被パンチ位置が4孔後端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Fは図16Eの続きの説明図であり4孔パンチが形成されて下流側に搬送される記録シートの説明図である。
【図17】図17は複数のパンチが一度に作動する従来の構成の説明図であり、図17Aは記録シートが傾斜していない場合の説明図、図17Bは記録シートSが傾斜している場合の説明図である。
【図18】図18は本発明の実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
【図19】図19は実施例2のシート搬送ユニットの連絡用搬送路の説明図である。
【図20】図20は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図であって実施例1の図10に対応する図である。
【図21】図21は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、後処理制御部の説明図であって実施例1の図11に対応する説明図である。
【図22】図22は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図13に対応する説明図である。
【図23】図23は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図22の続きの説明図であって実施例1の図15に対応する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、画像形成装置本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、予め設定された時期に潜像形成用の黄色Y、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成装置駆動回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0014】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、前記プリンタUの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記黄色Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電装置の一例としての帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像器Gy、1次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U1に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記黄色Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0015】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光により、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkで現像剤が消費されると、現像剤補給容器Ky,Km,Kc,Kkから、それぞれ現像剤が補給される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0016】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0017】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0018】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0019】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、収容容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、送り出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体の搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0020】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0021】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fのシート搬送方向下流側である上方には、記録シートSを排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから排紙ロールRhにより搬送される。
【0022】
図1において、前記給紙路SH1には、媒体検知部材の一例として、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSを検出するための第1給紙路センサSN1、第2給紙路センサSN2、第3給紙路センサSN3、第4給紙路センサSN4が配置されている。
前記各搬送路SH1〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送装置SH+Rp〜Rhが構成されている。
【0023】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の左方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の左方の給紙路SH1の左側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放される。
【0024】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着される画像記録済みの媒体の媒体搬送装置の一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記画像形成装置本体U1のシート排出口SH3aに接続される一方の側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される媒体搬送装置の搬入口の一例としてのシート搬入口U2aが設けられている。前記シート搬入口U2aから搬入された記録シートSは、シート搬送ユニットU2内部に配置された媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRa2により、媒体搬送路の一例としての連絡用搬送路SH5を搬送される。前記連絡用搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他方の側面に形成された媒体搬送装置の排出口の一例としてのシート排出口U2bから、媒体搬送装置の排出部材の一例としての排出ロールRh2により排出される。
【0025】
(スキューセンサSN11の説明)
図3は実施例1のスキューセンサの配置位置とスキュー量の説明図である。
図2、図3において、前記排出ロールRh2のシート搬送方向上流側には、連絡用搬送路SH5を搬送される記録シートSの姿勢、いわゆる、スキュー量Skを検出する検出部材の一例としてのスキューセンサSN11が配置されている。前記スキューセンサSN11は、記録シートSの搬送方向に交差する方向の一例として、記録シートSの搬送方向に直交する用紙幅方向、すなわち、前後方向に沿って、予め設定された間隔W1を空けて配置された前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとを有する。前記前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとは、連絡用搬送路SH5の用紙幅方向中央部に対して前後対称に配置されており、各センサ部SN11a,SN11bにより、スキューセンサSN11の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁が検出される。
【0026】
実施例1のスキューセンサSN11では、記録シートSのシート搬送方向の上流端縁Saの傾斜に基づいてスキュー量Skが検出される。すなわち、実施例1では、予め設定された基準の姿勢の一例として、上流端縁Saが前後方向に沿った場合の姿勢に対して、上流端縁Saが角度θ傾斜した姿勢の記録シートSのスキュー量Skは、前側センサ部SN11aの検出時期に対する後側センサ部SN11bの検出時期の時期の時期ずれ量Δtと、搬送ロールRa2に基づく記録シートSの搬送速度Vと、センサ部SN11a,SN11bの間隔W1とに基づいて、Sk=tanθ=(V・Δt)/W1として検出される。
なお、スキュー量Skが正の場合、上流端縁Saの幅方向前方が幅方向後方に比べてシート搬送方向下流側に搬送された状態で、記録シートSが傾斜している。また、スキュー量Skが負の場合、上流端縁Saの幅方向後方が幅方向前方に比べてシート搬送方向下流側に搬送された状態で、記録シートSが傾斜している。
【0027】
図1において、実施例1のシート搬送ユニットU2は、シート搬送方向の長さである左右方向の長さが、排紙トレイTRhの媒体搬送方向の長さに比べて短く形成されている。したがって、プリンタUは、前記シート搬送ユニットU2の右端部と画像形成装置本体U1の右端部とにより右上端部が段差状に構成され、前記排紙トレイTRhの上方且つシート排出口U2bの排出方向下流側には、後処理装置の連結空間U2cが形成されている。
【0028】
(後処理装置U3の説明)
図1において、実施例1のプリンタUは、前記シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口U2bから排出された記録シートSに、後処理を行う後処理装置U3を有する。実施例1の後処理装置U3は、画像形成装置本体U1の右側壁に対向して配置される左側壁H1と、左側壁H1の上端部に配置され且つ左側壁H1に対して画像形成装置本体U1側に突出して形成された後処理装置の搬入部の一例としての搬入凸部H2とを有する。
前記搬入凸部H2には、シート搬送ユニットU2のシート排出口U2bに接続される後処理装置の搬入口の一例としてのシート搬入口U3aが形成されており、後処理装置U3が画像形成装置本体U1に連結される際に、画像形成装置本体U1の右上端の前記後処理装置の連結空間U2cに食い込むように配置される。したがって、食い込むように配置されていない場合に比べて、後処理装置U3装着後のプリンタU全体の大きさが小型化される。
【0029】
また、前記搬入凸部H2の内部には、前記シート搬入口U3aから搬入された記録シートSが搬送される媒体の搬送路の一例としてのパンチ処理路SH6が形成されている。前記パンチ処理路SH6のシート搬入口U3a近傍には、媒体の搬送部材の一例としての後処理装置U3の搬入ロールRa3が配置されている。前記搬入ロールRa3は、搬入される記録シートSを下流側に搬送したり、予め設定された位置で一時停止させたりする。前記搬入ロールRa3のシート搬送方向の下流側には、媒体の検出部材の一例としてのプレパンチセンサSN12が、記録シートSの用紙幅方向中央部に配置されている。前記プレパンチセンサのシート搬送方向の下流側近傍には、穿孔形成装置の一例としてのパンチユニットPUが配置されている。前記パンチユニットPUは、パンチ処理路SH6を搬送される記録シートSに穿孔の一例としてのパンチ孔を形成する。なお、パンチユニットPUについては、後述する。
【0030】
前記パンチユニットPUのシート搬送方向の下流側のパンチ処理路SH6には、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRa4が配置されている。実施例1の搬送ロールRa4は、前記搬入ロールRa3と駆動時期を合わせて駆動される。前記搬入ロールRa3と、前記搬送ロールRa4により、実施例1のパンチ処理路SH6の搬送ロールRa3,Ra4が構成されている。
前記パンチ処理路SH6のシート搬送方向の下流側に搬送された記録シートSは、第1切替部材U3dの切替えにより、右上に延びる上端排出路SH7または下方に延びる第1後処理搬送路SH8のいずれかに搬送される。また、第1後処理搬送路SH8には第2後処理搬送路SH9が接続されており、その接続部に配置された第2切替部材U3eにより記録シートSは第1後処理搬送路SH8または第2後処理搬送路SH9のいずれかに搬送される。
【0031】
前記上端排出路SH7に搬送された記録紙Sはそのまま、後処理を行われることなく、上端排出口P0から上端排出部TH0に排出される。
第1後処理搬送路SH8の下流側には、端綴じ装置HTSが配置されている。前記端綴じ装置HTSは、複数の記録シートSを積載して揃え、記録シートSの束の端部にコの字形の針を打ち込んで綴じたり、綴じずに揃えて端綴じ排出部TH1に排出する端綴じ処理を実行する。
第2後処理搬送路SH9の下流側には、中綴じ装置NTSが配置されている。前記中綴じ装置NTSは、複数の記録シートSを積載して揃え、記録シートSの束の中央部をコの字形の針で綴じた後2つ折りにして中綴じ排出部TH2に排出したり、あるいは綴じずに二つ折りにして排出する中綴じ処理を実行する。
なお、前記端綴じ装置HTSや中綴じ装置NTSは、従来公知であり、例えば、特開2003−89462号公報、特開2003−89463号公報等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
【0032】
(パンチユニットPUの説明)
図4は本発明の実施例1のパンチユニットの説明図であり、図4Aはパンチユニット本体の斜視図、図4Bは図4Aの要部拡大図である。
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、パンチユニット本体PU1と、パンチユニット本体PU1により記録シートSにパンチ孔が形成される際に発生する孔屑を受ける屑受け容器PU2とを有する。
図4Aにおいて、パンチユニット本体PU1は、下側枠体の一例として、屑受け容器PU2の上方に配置され、且つ前後方向に延びる下側フレーム1を有する。前記下側フレーム1は、記録シートSの下側の案内部の一例として、前後方向に延び且つ左右方向に延びる板状に形成された下ガイド部2を有する。前記下ガイド部2には、上下方向に貫通する4つの貫通孔2a,2b,2c,2dが形成されている。
【0033】
前記貫通孔2a,2b,2c,2dは、シート搬送方向に交差する交差方向の一例としての前後方向に予め設定された間隔を空けて形成されており、前方から後方に順に形成されている。また、前記貫通孔2a,2b,2c,2dは、パンチ処理路SH6を搬送される記録シートSの用紙幅方向中央部に対して前後対称に形成されている。実施例1では、図3に示すように、前記貫通孔2a〜2dは、それぞれ、間隔W2を空けて配置されている。前記下ガイド部2の左端部には、左方に行くほど下方に傾斜するシート導入部2eが形成されている。
前記下ガイド部2の左端には、前後方向に延び且つ前記シート導入部2eの左端から下方に向かって延びる板状に形成された左側壁部3が支持されている。また、前記下ガイド部2の右端には、前後方向に延び且つ前記下ガイド部2の右端から下方に向かって延びる板状に形成された被支持部4が支持されている。前記被支持部4は、後処理装置U3の図示しない枠体に支持される。これにより、下側フレーム1全体が後処理装置U3に支持される。
前記下ガイド部2、被支持部3、左側壁部4により、実施例1の下側フレーム1が構成されている。
【0034】
前記下側フレーム1の上方には、上側枠体の一例として、前後方向に延びる上側フレーム6が配置されている。実施例1の上側フレーム6は、下側フレーム1に対して後方に長く構成されている。
前記上側フレーム6は、記録シートSの上側の案内部の一例としての上ガイド部7を有する。前記上ガイド部7は、前後方向に延び且つ左右方向に延びる板状に形成されている。前記上ガイド部7は、前記下ガイド部2に対して間隔を空けて対向して配置され、下ガイド部2との間に、パンチ処理路SH6の一部を構成する記録シートSの通過可能な空間を形成する。前記上ガイド部7には、前記下ガイド部2の貫通孔2a,2b,2c,2dに対応して、上下方向に貫通する貫通孔7a,7b,7c,7dが形成されている。前記上ガイド部7の左端部には、左方に行くほど上方に傾斜するシート導入部7eが形成されている。
【0035】
前記上ガイド部7の右端には、前後方向に延び且つ前記上ガイド部7の右端から上方に向かって延びる板状に形成された被支持部8が支持されている。前記被支持部8は後処理装置U3の図示しない枠体に支持される。これにより、上側フレーム6全体が後処理装置U3に支持される。
前記被支持部8の上端には、前後方向に延び且つ前記被支持部8の上端から左方に向かって延びる板状に形成された頂壁部9が支持されている。前記頂壁部9には、上ガイド部7の貫通孔7a,7b,7c,7dに対応して、上下方向に貫通する貫通孔9a,9b,9c,9dが形成されている。
前記上ガイド部7、被支持部8、頂壁部9により、実施例1の上側フレーム6が構成されている。
【0036】
前記上側フレーム6には、穿孔部材の一例として、柱状に形成された4つのパンチ11,12,13,14が支持されている。すなわち、4孔前端パンチ11が、貫通孔7aと貫通孔9aに沿って移動可能に支持され、兼用前方パンチ12が、貫通孔7bと貫通孔9bに沿って移動可能に支持され、兼用後方パンチ13が、貫通孔7cと貫通孔9cに沿って移動可能に支持され、4孔後端パンチ14が、貫通孔7dと貫通孔9dに沿って移動可能に支持されている。前記パンチ11〜14の下端には、記録シートSにパンチ孔を形成する刃が形成されており、パンチ11〜14が記録シートSを厚み方向に貫通すると、記録シートSにパンチ孔が形成される。
前記パンチ11〜14には、穿孔部材の被案内部の一例として、パンチ11〜14を左右方向に貫通して右方に突出する円柱状のピン11a,12a,13a,14aが支持されている。実施例1では、4孔前端パンチ11のピン11aと、兼用後方パンチ13のピン13aとが、パンチ11,13の上下方向中央部に支持され、兼用前方パンチ12のピン12aと、4孔後端パンチ14のピン14aとが、パンチ12,14の上部に支持されている。
【0037】
(スライダ17の説明)
図4において、前記上側フレーム6には、前記上ガイド部7と、被支持部8と、頂壁部9と、各パンチ11〜14とに囲まれた空間により、移動部材の移動空間の一例としてのスライダ収容空間16が形成されている。前記スライダ収容空間16には、移動部材の一例として、前後方向に延び且つ上下方向に延びる板状のスライダ17が前後方向に移動可能に支持されている。実施例1のスライダ17は、上側フレーム6に比べて前後方向の長さが短く形成されている。
前記スライダ17は、移動部材の本体部の一例として、4孔前端パンチ11と4孔後端パンチ14との間隔に比べて前後方向に長い板状のスライダ本体部18と、被伝達部の一例として、前記スライダ本体部18の後方に支持されたラック部19とを有する。前記ラック部19の左面には、平板状の歯車の一例としてのラック歯19aが形成されている。
【0038】
図5は実施例1のスライダ本体部のガイドの説明図である。
図6は実施例1のガイドどうしの下方湾曲部の位置関係の説明図であり、スライダの移動位置に対応させて並べた説明図である。
図4〜図6において、前記スライダ本体部18には、穿孔部材を案内する案内部の一例として、前後方向に延び且つ左右方向に貫通する溝状のガイド21,22,23,24が形成されている。前記各ガイド21〜24は、パンチ11〜14の各ピン11a〜14aの配置位置に対応して形成されている。したがって、実施例1では、4孔前端パンチ11に対応する4孔前端ガイド21と、兼用前方パンチ12に対応する兼用前方ガイド22と、兼用後方パンチ13に対応する兼用後方ガイド23と、4孔後端パンチ14に対応する4孔後端ガイド24とが、前方から後方に順に形成されると共に、4孔前端ガイド21と兼用後方ガイド23とが、スライダ本体部18の上下方向中央部に形成され、兼用前方ガイド22と4孔後端ガイド24とが、スライダ本体部18の上部に形成される。
【0039】
図4〜図6において、実施例1のガイド21〜24は、ピン11a〜14aの外径に対応する溝幅で形成されており、図4Bに示すように、ガイド溝21〜24にピン11a〜14aが貫通して支持されて、ガイド溝21〜24に沿ってピン11a〜14aが相対的に移動可能に支持される。
ここで、前記4孔前端ガイド21は、前端部から後方に直線状に延びる4孔前端の前側直線部21aと、前記4孔前端の前側直線部21aの後端から後方に向かって延び且つ下方に湾曲してから元の高さに戻る前後対称の形状を有する4孔前端の下方湾曲部21bと、前記4孔前端の下方湾曲部21bの後端から後方に直線状に延びる4孔前端の後側直線部21cとを有する。実施例1の4孔前端ガイド21では、前後方向中央の中央位置P11から予め設定された長さW11だけ前側の位置に、4孔前端の下方湾曲部21bの湾曲の下端である4孔前端の下端位置P12が設定されている。
【0040】
また、前記兼用前方ガイド22は、前端部から後方に直線状に延びる兼用前方の前側直線部22aと、前記兼用前方の前側直線部22aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用前方の4孔用下方湾曲部22bと、前記兼用前方の4孔用下方湾曲部22bの後端から後方に直線状に延びる兼用前方の中間直線部22cと、前記兼用前方の中間直線部22cの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用前方の2孔用下方湾曲部22dと、前記兼用前方の2孔用下方湾曲部22dの後端から後方に直線状に延びる兼用前方の後側直線部22eと、を有する。実施例1の兼用前方ガイド22では、前後方向中央の中央位置P21から前記長さW11の2倍分だけ前側の位置に、兼用前方の4孔用下方湾曲部22bの湾曲の下端である兼用前方の4孔用下端位置P22が設定されている。また、実施例1の兼用前方ガイド22では、前後方向中央の中央位置P21から予め設定された長さW12だけ後側の位置に、兼用前方の2孔用下方湾曲部22dの湾曲の下端である兼用前方の2孔用下端位置P23が設定されている。
【0041】
さらに、前記兼用後方ガイド23は、前端部から後方に直線状に延びる兼用後方の前側直線部23aと、前記兼用後方の前側直線部23aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用後方の4孔用下方湾曲部23bと、前記兼用後方の4孔用下方湾曲部23bの後端から後方に直線状に延びる兼用後方の中間直線部23cと、前記兼用後方の中間直線部23cの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用後方の2孔用下方湾曲部23dと、前記兼用後方の2孔用下方湾曲部23dの後端から後方に直線状に延びる兼用後方の後側直線部23eと、を有する。実施例1の兼用後方ガイド23では、前後方向中央の中央位置P31から前記長さW11の3倍分だけ前側の位置に、兼用後方の4孔用下方湾曲部23bの湾曲の下端である兼用後方の4孔用下端位置P32が設定されている。また、実施例1の兼用後方ガイド23では、前後方向中央の中央位置P31から予め設定された長さW13だけ後側の位置に、兼用後方の2孔用下方湾曲部23dの湾曲の下端である兼用後方の2孔用下端位置P33が設定されている。
【0042】
また、前記4孔後端ガイド24は、前端部から後方に直線状に延びる4孔後端の前側直線部24aと、前記4孔後端の前側直線部24aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する4孔後端の下方湾曲部24bと、前記4孔後端の下方湾曲部24bの後端から後方に直線状に延びる4孔後端の後側直線部24cとを有する。実施例1の4孔後端ガイド24では、前後方向中央の中央位置P41から前記長さW11の4倍分だけ前側の位置に、4孔後端の下方湾曲部24bの湾曲の下端である4孔後端の下端位置P42が設定されている。
なお、実施例1のガイド21〜24は、前後方向に長さW11の10倍分の長さで形成されており、各下方湾曲部21b〜24bは、前後方向に長さW11で形成されている。また、実施例1では、各長さW12,W13が、W12=3.5×W11,W13=1.5×W11として形成されている。
【0043】
(スライダモータ31の説明)
図4において、前記上側フレーム6の後端部には、駆動源の一例として、正逆駆動可能なスライダモータ31が支持されている。前記スライダモータ31は、上下方向に延びる駆動軸31aを有する。前記駆動軸31aの上端部には、動力の伝達部材の一例としての駆動ギア32が支持されている。前記駆動ギア32には、中間伝達部材の一例としての中間ギア33が噛み合っている。前記中間ギア33の上部には、第2の中間伝達部材の一例として、前記中間ギア33と一体且つ同軸で形成され、前記中間ギア33に比べて小径の第2中間ギア34が支持されている。前記第2中間ギア34は、スライダ17に支持されたラック部19のラック歯19aと噛み合っている。
【0044】
したがって、前記スライダモータ31が駆動すると、ギア32〜34やラック歯19aを介して、スライダモータ31からスライダ17に動力が伝達されて、スライダ17が前後方向に移動する。すなわち、実施例1では、前記スライダモータ31が正駆動をすると、スライダ17が後方に移動し、前記スライダモータ31が逆駆動をするとスライダ17が前方に移動する。
なお、前記スライダモータ31の駆動軸31aの下端部には、被検出部材の一例としての回転盤36が支持されている。前記回転盤36には、径方向に延びる溝の一例としての図示しないスリットが、周方向に予め設定された間隔で形成されており、回転検出器の一例としてのスリットセンサ37により回転盤36のスリットの検出回数が検出され、駆動軸31aの回転量が検出される。また、前記スライダ収容空間16の後方部には、移動部材の検出部材の一例としてのホームポジションセンサ41が配置されており、スライダ17が初期化位置の一例としてのホームポジションに移動しているか否かが検出される。したがって、スリットセンサ37とホームポジションセンサ41とにより、スライダ17の移動位置が検出される。
【0045】
(スライダ17とパンチ11〜14との関係についての説明)
図7はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図7Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図7Bはスライダが2孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Cはスライダが2孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Dはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図である。
前記スライダ17が、離間移動位置の一例であり、第1の2孔用の開始位置の一例としての予め設定された前側開始位置Ps1に移動している場合、図7Aに示すように、4孔前端ガイド21では、ピン11aが4孔前端の後側直線部21cの後端に保持され、兼用前方ガイド22では、ピン12aが兼用前方の後側直線部22eの後端に保持され、兼用後方ガイド23では、ピン13aが兼用後方の後側直線部23eの後端に保持され、4孔後端ガイド24では、ピン14aが4孔後端の後側直線部24cの後端に保持される。よって、各パンチ11〜14は、パンチ処理路SH6から退避して記録シートSから離間する離間位置の一例としての上昇位置に保持される。
【0046】
また、図6において、兼用前方ガイド22では、後端部から、長さW11の1.5倍分だけ前側の位置に対応して、兼用前方の2孔用下方湾曲部22dが形成されている。これに対して、他のガイド溝21,23,24では、後端部から、長さW11の1.5倍分だけ前側の位置には、直線部21c,23e,24cがそれぞれ形成されている。よって、前記スライダ17が、兼用前方の2孔用の貫通移動位置の一例として、前側開始位置Ps1から、スライダモータ31の正駆動に伴って長さW11の1.5倍分だけ移動した図7Bに示す2孔用の前パンチ位置Ps2に、移動した場合、兼用前方パンチ12のピン12aのみが下方に移動して、他のパンチ11,13,14のピン11a,13a,14aは各直線部21c,23e,24c内に保持される。すなわち、スライダ17が2孔用の前パンチ位置Ps2に移動した場合には、兼用前方パンチ12のみが、パンチ処理路SH6に進入して記録シートSを厚み方向に貫通可能な貫通位置の一例としてのパンチ下降位置に移動し、他のパンチ11,13,14は上昇位置に保持される。
【0047】
同様に、図6において、兼用後方ガイド23では、後端部から、長さW11の3.5倍分だけ前側の位置に対応して、兼用後方の2孔用下方湾曲部23dが形成されている。これに対して、他のガイド21,22,24では、後端部から、長さW11の3.5倍分だけ前側の位置には、直線部21c,23c,24cがそれぞれ形成されている。よって、前記スライダ17が、兼用後方の2孔用の貫通移動位置の一例として、前側開始位置Ps1から長さW11の3.5倍分後方の図7Cに示す2孔用の後パンチ位置Ps3に移動した場合、兼用後方パンチ13のみが下方のパンチ下降位置に移動して、他のパンチ11,13,14は上昇位置に保持される。
そして、図6において、各ガイド21〜24では、後端部から、長さW11の5倍分だけ前側の位置、すなわち、各ガイド21〜24の中央位置P11,P21,P31,P41に、直線部21c〜24cが形成されている。よって、前記スライダ17が、離間移動位置の一例であって、第2の2孔用の開始位置の一例であり、第1の4孔用の開始位置の一例として、前側開始位置Ps1から長さW11の5倍分後方の図7Dに示す中央開始位置Ps4に移動した場合、各パンチ11〜14は上昇位置に保持される。
【0048】
図8はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図8Aはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図8Bはスライダが4孔前端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Cはスライダが4孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Dはスライダが4孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Eはスライダが4孔後端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Fはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
また、図6において、各ガイド21〜24では、中央位置P11〜P41から、長さW11だけ前側の位置には、4孔前端ガイド21にのみ下方湾曲部21bが形成されて、他のガイド22,23,24には直線部22c,23c,24cが形成されている。よって、前記スライダ17が、4孔前の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11後方に移動した図8Bに示す4孔前端のパンチ位置Ps5に移動した場合、4孔前端パンチ11のみが下方に移動し、他のパンチ12,13,14は上昇位置に保持される。
【0049】
同様に、図6において、中央位置P11〜P41から、長さW11の2倍分だけ前側の位置には、兼用前方ガイド22にのみ下方湾曲部22bが形成され、中央位置P11〜P41から、長さW11の3倍分だけ前側の位置には、兼用後方ガイド23にのみ下方湾曲部23bが形成され、中央位置P11〜P41から、長さW11の4倍分だけ前側の位置には、4孔後端ガイド24にのみ下方湾曲部24bが形成されている。
よって、前記スライダ17が、兼用前方の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の2倍分後方の図8Cに示す4孔用の前パンチ位置Ps6に移動した場合、兼用前方パンチ12のみがパンチ下方位置に移動する。また、前記スライダ17が、兼用後方の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の3倍分後方の図8Dに示す4孔用の後パンチ位置Ps7に移動した場合、兼用後方パンチ13のみがパンチ下方位置に移動する。さらに、前記スライダ17が、4孔後端の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の4倍分後方の図8Eに示す4孔後端のパンチ位置Ps8に移動した場合、4孔後端パンチ14のみがパンチ下方位置に移動する。
【0050】
そして、図6において、各ガイド21〜24では、中央位置P11〜P41から、長さW11の5倍分だけ前側の位置、すなわち、各ガイド21〜24の前端部に、前側の各直線部21a〜24aが形成されている。よって、前記スライダ17が、離間移動位置の一例であって、第2の4孔用の開始位置の一例として、前側中央開始位置Ps4から長さW11の5倍分だけ後方の図8Fに示す後側開始位置Ps9に移動した場合、各パンチ11〜14は上昇位置に保持される。
【0051】
したがって、前記スライダ17が、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動する場合には、兼用前方パンチ12と兼用後方パンチ13とが、上昇位置と、パンチ下降位置との間を順に移動し、4孔前端パンチ11と4孔後端パンチ14とは、上昇位置に保持される。
また、前記スライダ17が、2孔用の前パンチ位置Ps2と2孔用の後パンチ位置Ps3との間の領域の外側の領域、すなわち、後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps4との間を移動する場合には、各パンチ11〜14が、上昇位置と、パンチ下降位置との間を順に移動する。
【0052】
前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、4孔前端ガイド21により、実施例1の4孔前端パンチ11を移動させる4孔前端の移動機構17+31〜34+21が構成される。また、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、兼用前方ガイド22により、実施例1の兼用前方パンチ12を移動させる兼用前方の移動機構17+31〜34+22が構成される。さらに、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、兼用後方ガイド23により、実施例1の兼用後方パンチ13を移動させる兼用後方の移動機構17+31〜34+23が構成される。また、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、4孔後端ガイド24により、実施例1の4孔後端パンチ14を移動させる4孔後端の移動機構17+31〜34+24が構成される。
【0053】
ここで、実施例1では、スライダモータ17の正駆動に伴って、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動する場合には、兼用前方パンチ12、兼用後方パンチ13、4孔後端パンチ14の順に、パンチ12,13,14がパンチ下方位置に移動する。
よって、実施例1では、スライダモータ17が正駆動する場合には、兼用前方パンチ12により第1の穿孔部材12が構成され、兼用後方パンチ13により第2の穿孔部材13が構成され、さらに、4孔後端パンチ14により、前後方向において前記兼用前方パンチ12に対して前記兼用後方パンチ13を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材14が構成される。また、この場合、前記兼用前方の移動機構17+31〜34+22により第1の移動機構17+31〜34+22が構成され、兼用後方の移動機構17+31〜34+23により第2の移動機構17+31〜34+23が構成され、4孔後端の移動機構17+31〜34+24により第3の移動機構17+31〜34+24が構成される。さらに、この場合、スライダ17の貫通移動位置Ps2,Ps3,Ps5〜Ps8について、2孔用の前パンチ位置Ps2により第1の貫通移動位置Ps2が構成され、2孔用の後パンチ位置Ps3により第2の貫通移動位置Ps3が構成される。そして、4孔用の前パンチ位置Ps6により第3の貫通移動位置Ps6が構成され、4孔用の後パンチ位置Ps7により第4の貫通移動位置Ps7が構成され、4孔後端のパンチ移動位置Ps8により第5の貫通移動位置Ps8が構成される。
【0054】
また、スライダモータ17の逆駆動に伴って、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動する場合には、兼用後方パンチ13、兼用前方パンチ12、4孔前端パンチ11の順に、パンチ13,12,11がパンチ下方位置に移動する。
よって、実施例1では、スライダモータ17が逆駆動する場合には、兼用後方パンチ13により第1の穿孔部材13が構成され、兼用前方パンチ12により第2の穿孔部材12が構成され、さらに、4孔前端パンチ11により、前後方向において前記兼用後方パンチ13に対して前記兼用前方パンチ12を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材11が構成される。また、この場合、前記兼用後方の移動機構17+31〜34+23により第1の移動機構17+31〜34+23が構成され、兼用前方の移動機構17+31〜34+22により第2の移動機構17+31〜34+22が構成され、4孔前端の移動機構17+31〜34+21により、第3の移動機構17+31〜34+21が構成される。さらに、この場合、スライダ17の貫通移動位置Ps2,Ps3,Ps5〜Ps8について、2孔用の後パンチ位置Ps3により第1の貫通移動位置Ps3が構成され、2孔用の前パンチ位置Ps2により第2の貫通移動位置Ps2が構成される。また、4孔用の後パンチ位置Ps7により第3の貫通移動位置Ps7が構成され、4孔用の前パンチ位置Ps6により第4の貫通移動位置Ps6が構成され、4孔前端のパンチ位置Ps5により第5の貫通移動位置Ps5が構成される。
【0055】
図9は離間移動位置に移動したスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図9Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図9Bはスライダが2孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Cはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図9Dはスライダが4孔前端のパンチ位置と4孔用の前パンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Eはスライダが4孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Fはスライダが4孔用の後パンチ位置と4孔後端のパンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Gはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
また、実施例1では、スライダ17が、パンチ位置Ps2〜Ps8から隣接するパンチ位置Ps2〜Ps8に移動する途中で、パンチ11〜14が全て上昇位置に保持される位置を通過する。すなわち、実施例1では、2孔用の前パンチ位置Ps2からW11後方に移動した図9Bに示す位置Ps11や、4孔前端のパンチ位置Ps5からW11/2後方に移動した図9Dに示す位置Ps12、4孔用の前パンチ位置Ps6からW11/2後方に移動した図9Eに示す位置Ps13、4孔用の後パンチ位置Ps7からW11/2後方に移動した図9Fに示す位置Ps14にも、離間移動位置Ps11〜Ps14が設定されている。
【0056】
前記下側フレーム1、上側フレーム6、パンチ11〜14、スライダ17、パンチモータ31、ギア32〜34、スリットセンサ37、ホームポジションセンサ41等により、実施例1のパンチユニット本体PU1が構成され、前記パンチユニット本体PU1、屑受け容器PU2により、実施例1のパンチユニットPUが構成される。
また、前記スキューセンサSN11、プレパンチセンサSN12、パンチ処理路SH6、搬送ロールRa3,Ra4、パンチユニットPU等により、実施例1の穿孔処理機構の一例としてのパンチ処理機構PSKが構成される。
【0057】
(実施例1のプリンタUの制御部の説明)
図10は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図である。
図11は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、後処理制御部の説明図である。
図10、図11において、画像形成装置本体U1の本体側制御部C、シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAおよび後処理装置U3の後処理制御部CBは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置、ならびに発振器等を有する小型情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0058】
(本体側制御部Cに接続された信号出力要素)
本体側制御部Cは、操作部UIや給紙路センサSN1〜SN4等の信号出力要素、ユニット制御部CA、後処理制御部CB等からの出力信号が入力されている。
UI:操作部
前記操作部UIは、電源釦UI1、表示部UI2、数字入力釦UI3、矢印入力釦UI4、媒体種類設定釦UI5等を備えている。
SN1〜SN4:給紙路センサ
各給紙路センサSN1〜SN4は、給紙路センサSN1〜SN4が配置された位置における記録シートSの有無を検出する。
【0059】
(本体側制御部Cに接続された被制御要素)
本体側制御部Cは、主駆動源の駆動回路D1、電源回路E、給紙装置の駆動回路D2、搬送部材の駆動回路D3、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記本体側制御部Cは、ユニット制御部CA、後処理制御部CBに、制御の時期を合わせる制御信号等を出力している。
D1:主駆動源の駆動回路
主駆動源の駆動回路D1は、主駆動源M1を介して像保持体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
D2:給紙装置の駆動回路
給紙装置の駆動回路D2は、給紙用駆動源M2を介して給紙装置Rp+Rsを駆動する。
D3:搬送部材の駆動回路
搬送部材の駆動回路D3は、搬送用駆動源M3を介して搬送ロールRaや排紙ロールRhを駆動する。
【0060】
E:電源回路
前記電源回路Eは現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着用電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gy〜Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源回路Ebは、帯電器CRy〜CRkそれぞれに像保持体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、1次転写器T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用電源回路
定着用電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
【0061】
(本体側制御部Cの機能)
本体側制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に、制御信号を出力する機能を有している。すなわち、本体側制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成動作制御手段
画像形成動作制御手段C1は、情報処理装置PCから入力された画像情報に応じて、プリンタUの各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。なお、実施例1の前記画像情報には、「4孔パンチ」や、「2孔パンチ」、「パンチ無し」を特定するパンチ処理情報や、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ無し整合処理」等の有無を特定する綴じ処理情報を含む後処理装置U3で実行される後処理設定情報や、使用する記録シートSについての大きさや、シート送り出し方向などの媒体の種類についての媒体情報の一例としてのシート情報等が含まれている。
C2:主駆動源制御手段
主駆動源制御手段C2は、主駆動源駆動回路D1を介して主駆動源M1の駆動を制御し、像保持体PRy〜PRk等の駆動を制御する。
【0062】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3Aと、帯電用電源回路制御手段C3Bと、転写用電源回路制御手段C3Cと、定着用電源回路制御手段C3Dとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧印加や電源供給を制御する。
C3A:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像装置Gy〜Gkの現像ロールに印加する現像電圧を制御する。
C3B:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電器CRy〜CRkに印加する帯電電圧を制御する。
【0063】
C3C:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、1次転写器T1y〜T1kに印加する1次転写電圧や、2次転写ロールT2bに印加する2次転写電圧を制御する。
C3D:定着用電源回路制御手段
定着用電源回路制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータの温度制御、すなわち、定着温度の制御を行う。
【0064】
C4:収容シート記憶手段
収容部媒体の記憶手段の一例としての収容シート記憶手段C4は、前記媒体種類設定釦UI5等の入力に基づいて、給紙トレイTR1〜TR4に収容された記録シートS、及び、手差しトレイTR0から給紙される記録シートSの種類を記憶する。
実施例1では、収容シート記憶手段C4は、記録シートSの種類の一例として、A4SEF,B4LEF等の大きさ及びシート送出方向と、普通紙や、厚紙、透明媒体の一例としてのOHPシート、封筒等のいずれであるか等の紙種とを、各トレイTR0〜TR4毎に記憶する。なお、実施例1では、給紙トレイTR1〜TR4については、媒体種類設定釦UI5により、予め入力され、手差しトレイTR0については、使用する度に、媒体種類設定釦UI5により、その都度入力される。
【0065】
C5:本体の搬送装置の制御手段
本体の搬送装置の制御手段C5は、給紙制御手段C5Aと、搬送制御手段C5Bとを有し、画像形成動作時に、本体の媒体搬送装置SH+Rp〜Rhの作動を制御して、搬送部材Rp,Rs,Ra,Rr,Rhを制御して、記録シートSの搬送を制御する。
C5A:給紙制御手段
給紙制御手段C5Aは、前記給紙装置の駆動回路D2を介して給紙用駆動源M2の駆動を制御し、給紙装置Rp+Rsによる記録シートSの給紙を制御する。
C5B:搬送制御手段
搬送制御手段C5Bは、前記搬送部材の駆動回路D3を介して搬送用駆動源M3の駆動を制御し、搬送ロールRaや、レジロールRr、排紙ロールRhによる記録シートSの搬送を制御する。
【0066】
(シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAについて)
(ユニット制御部CAに接続された信号出力要素)
シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAは、本体側制御部Cや後処理制御部CBからの制御信号や、スキューセンサSN11などの信号出力要素からの出力信号が入力されている。
SN11:スキューセンサ
スキューセンサSN11は、前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとを有し、スキューセンサSN11の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁を検出する。
【0067】
(ユニット制御部CAに接続された被制御要素)
ユニット制御部CAは、ユニット搬送部材の駆動回路DA1、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記ユニット制御部CAは、本体側制御部C、後処理制御部CBに、制御の時期を調節する制御信号等を出力している。
DA1: ユニット搬送部材の駆動回路
画像記録済の媒体の搬送部材の駆動回路の一例としてのユニット搬送部材の駆動回路DA1は、ユニット搬送部材の駆動源MA1を介して、シート搬送ユニットU2の搬送ロールRa2や排出ロールRh2を駆動する。
【0068】
(ユニット制御部CAの機能)
ユニット制御部CAは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、ユニット制御部CAは次の機能を有している。
CA1:ユニットの搬送制御手段
画像記録済の媒体の搬送制御手段の一例としてのユニットの搬送制御手段CA1は、前記ユニット搬送部材の駆動回路DA1を介して、ユニット搬送部材の駆動源MA1の駆動を制御し、搬送ロールRa2、排出ロールRh2による画像記録済の記録シートSの搬送を制御する。
【0069】
CA2:スキュー演算手段
姿勢の傾斜量の演算手段の一例としてのスキュー演算手段CA2は、前記スキューセンサSN11の検出信号に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量の一例としてのスキュー量Skを演算する。図3において、実施例1のスキュー演算手段CA2は、記録シートSのシート搬送方向の上流端縁、いわゆる、記録シートSの搬送方向後端Saの傾斜に基づいてスキュー量Skを演算する。すなわち、実施例1のスキュー演算手段CA2は、スキューセンサSN11の前側センサ部SN11aの検出信号が、記録シートSを検出している有り信号から、記録シートSを検出していない無し信号に、切り替わった時期と、スキューセンサSN11の後側センサ部SN11bの検出信号が、有り信号から無し信号に切り替わった時期と、の時期ズレ量Δtに基いて、スキュー量SkをSk=tanθ=(V・Δt)/W1として演算する。なお、実施例1では、前記搬送速度V、センサ部の間隔W1は、予め設定、測定された値が使用される。
【0070】
(後処理装置U3の後処理制御部CBについて)
(後処理制御部CBに接続された信号出力要素)
後処理装置U3の後処理制御部CBは、本体側制御部Cやユニット制御部CAからの制御信号や、プレパンチセンサSN12、スリットセンサ37、ホームポジションセンサ41等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
SN12:プレパンチセンサ
プレパンチセンサSN12は、パンチ処理路SH6において、プレパンチセンサSN12の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁を検出する。
37:スリットセンサ
スリットセンサ37は、スライダモータ31に支持された回転盤36のスリットを検出して、スライダモータ31の駆動軸31aの回転量を検出する。
41:ホームポジションセンサ
ホームポジションセンサ41は、スライダ17がホームポジションに移動しているか否かを検出する。なお、実施例1では、ホームポジションセンサ41は、スライダ17の後側開始位置Ps9に対応して配置されており、スライダ17が、ホームポジションとしての後側開始位置Ps9に移動しているか否かを検出する。
【0071】
(後処理制御部CBに接続された被制御要素)
後処理制御部CBは、パンチ搬送部材の駆動回路DB1、綴じ用搬送部材の駆動回路DB2、スライダの駆動回路DB3、端綴じ装置の制御回路DB4、中綴じ装置の制御回路DB5、端綴じ排出部の昇降回路DB6、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記後処理制御部CBは、本体側制御部C、ユニット制御部CAに、制御の時期を調節する制御信号等を出力している。
DB1:パンチ搬送部材の駆動回路
第1の後処理装置の搬送部材の駆動回路の一例であって、穿孔処理の搬送部材の駆動回路の一例としてのパンチ搬送部材の駆動回路DB1は、後処理装置U3の第1の駆動源MB1を介して、パンチ処理路SH6の搬送ロールRa3,Ra4を駆動する。
DB2:綴じ用搬送部材の駆動回路
第2の後処理装置の搬送部材の駆動回路の一例であって、綴じ処理の搬送部材の駆動回路の一例としての綴じ用搬送部材の駆動回路DB2は、後処理装置U3の第2の駆動源MB2を介して、上端排出路SH7,第1後処理搬送路SH8、第2後処理搬送路SH9の搬送部材の一例としての搬送ロールRa5を駆動する。
【0072】
DB3:スライダの駆動回路
移動部材の駆動回路の一例としてのスライダの駆動回路DB3は、スライダモータ31を介して、スライダ17を移動させる。
DB4:端綴じ装置の制御回路
端綴じ装置の制御回路D8は、端綴じ装置HTSを制御して、記録シートSの束の整合やステープル等の端綴じを行う。
DB5:中綴じ装置の制御回路
中綴じ装置の制御回路DB5は、中綴じ装置NTSを制御して、記録シートSの束の中綴じを行う。
DB6:端綴じ排出部の昇降回路
媒体排出部の昇降回路の一例としての端綴じ排出部の昇降回路DB6は、媒体排出部の昇降用の駆動源の一例としての昇降モータMB3を介して、端綴じ排出部TH1を昇降させる。
【0073】
(後処理制御部CBの機能)
後処理制御部CBは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、後処理制御部CBは次の機能を有している。
CB1:設定情報の取得手段
設定情報の取得手段CB1は、本体側制御部Cを介して、情報処理装置PCから入力された設定情報を取得する。すなわち、実施例1の設定情報の取得手段CB1は、4孔前端パンチ11、兼用前方パンチ12、兼用後方パンチ13及び4孔後端パンチ14が、記録シートSに4つの孔を形成する処理の一例としての「4孔パンチ」を実行するか、前記兼用パンチ12,13で2つの孔のみを形成する処理の一例としての「2孔パンチ」を実行するか、「4孔パンチ」も「2孔パンチ」も実行しない処理の一例としての「パンチ無し」を実行するか、を特定する設定情報の一例としてのパンチ処理情報を取得する。なお、実施例1の設定情報の取得手段CB1は、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ処理無し」等の綴じ処理情報や、シート情報も取得する。
【0074】
CB2:後処理の判別手段
後処理の判別手段CB2は、前記設定情報の取得手段CB2により「4孔パンチ」のパンチ処理情報が取得された場合には、4孔パンチの処理を実行すると判別し、「2孔パンチ」のパンチ処理情報が取得された場合には、2孔パンチの処理を実行すると判別し、「パンチ無し」のパンチ処理情報が取得された場合には、パンチ無しの処理を実行、すなわち、パンチの処理を実行しないと判別する。なお、実施例1の後処理の判別手段CB2では、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ無し整合処理」等を実行するか否かについても判別される。
【0075】
CB3:パンチ処理の制御手段
穿孔処理の制御手段の一例としてのパンチ処理の制御手段CB3は、スキュー量の取得手段CB3Aと、スキュー量の正負判別手段CB3Bと、ずれ量の演算手段CB3Cと、パンチの搬送手段CB3Dと、スライダの制御手段CB3Eとを有し、前記設定情報の取得手段CB1により取得されたパンチ処理情報に基づいて、パンチ11〜14や、搬送ロールRa3,Ra4の駆動制御を行う。
CB3A:スキュー量の取得手段
傾斜量の取得手段の一例としてのスキュー量の取得手段CB3Aは、ユニット制御部CAのスキュー演算手段CA2により演算されたスキュー量Skを取得する。実施例1のスキュー量の取得手段CB3Aは、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」又は「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スキュー量Skを取得する。
CB3B:スキュー量の正負判別手段
傾斜方向の判別手段の一例としてのスキュー量の正負判別手段CB3Bは、前記スキュー量の取得手段CB3Aにより取得されたスキュー量Skが、正であるか、負であるか、0であるかを判別する。
【0076】
CB3C:ずれ量の演算手段
ずれ量の算出手段の一例としてのずれ量の演算手段CB3Cは、4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1と、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2と、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3と、4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4と、を有し、前記スキュー量の取得手段CB3Aにより取得されたスキュー量Skに基づいて、パンチ11〜14によりパンチ孔が形成される記録シートS上の位置として予め設定された被穿孔位置の一例としての被パンチ位置S1,S2,S3,S4に関し、基準の姿勢の場合と、スキュー量Skを有する場合との間のずれ量ΔL1,ΔL2,ΔL3,ΔL4を演算する。
【0077】
図12は実施例1の記録シート上の被パンチ位置の説明図であり、図12Aは基準の姿勢の場合の説明図、図12Bはスキュー量を有する場合の説明図である。
なお、以降の説明においては、基準の姿勢、すなわち、傾斜していない場合の記録シートに関連する説明においては、符号S,Sa等で表し、スキュー量を有する姿勢、すなわち、傾斜時の記録シートに関連する説明においては、対応する符号をS′,Sa′等、符号「′」を付け加えて表す。
CB3C1:4孔前端ずれ量の演算手段
4孔前端のずれ量の算出手段の一例としての4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、4孔前端の被穿孔位置のずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。すなわち、図12において、前記4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、4孔前端の被穿孔位置の一例としての4孔前端被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の4孔前端被パンチ位置S1と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′と、の間のシート搬送方向に沿った4孔前端被パンチ位置のずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
【0078】
具体的には、実施例1では、傾斜していない状態の各被パンチ位置S1〜S4を結ぶ仮想線A1と、スキュー量Skの分だけ傾斜した仮想線A1′とに基づいて、4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。このとき、プレパンチセンサSN12のシート搬送方向下流側に対応する用紙幅方向の中央線A2と基準の仮想線A1と傾斜時の仮想線A1′とが交差する交点位置B1を基準として、シート搬送方向に沿った基準の4孔前端被パンチ位置S1と傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′とのずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。したがって、実施例1の4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、以下の式(1)に基づいて4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
ΔL1=(3/2)×W2×tanθ=(3/2)×W2×Sk …式(1)
なお、前記4孔前端ずれ量ΔL1が正の場合には、傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′が、基準の4孔前端被パンチ位置S1に対して、4孔前端ずれ量ΔL1の大きさ分だけシート搬送方向下流側にずれ、前記4孔前端ずれ量ΔL1が負の場合には、傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′が、基準の4孔前端被パンチ位置S1に対して、4孔前端ずれ量ΔL1の大きさ分だけシート搬送方向上流側にずれる。
【0079】
CB3C2:兼用前方ずれ量の演算手段
兼用前方のずれ量の算出手段の一例としての兼用前方ずれ量の演算手段CB3C1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」または「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、兼用前方の被穿孔位置のずれ量である兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。すなわち、図12において、前記兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2は、兼用前方の被穿孔位置の一例としての兼用前方被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の兼用前方被パンチ位置S2と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用前方被パンチ位置のずれ量である兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
なお、実施例1の兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(2)に基づいて兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
ΔL2=(1/2)×W2×tanθ=(1/2)×W2×Sk …式(2)
【0080】
CB3C3:兼用後方ずれ量の演算手段
兼用後方のずれ量の算出手段の一例としての兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」または「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、兼用後方の被穿孔位置のずれ量である兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。すなわち、図12において、前記兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、兼用後方の被穿孔位置の一例としての兼用後方被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の兼用後方被パンチ位置S3と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用後方被パンチ位置のずれ量である兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
なお、実施例1の兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(3)に基づいて兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。なお、兼用後方ずれ量ΔL3では、兼用後方被パンチ位置S3′が4孔前端被パンチ位置S1′とはシート搬送方向で逆にずれており、実施例1では、負号、すなわち、マイナスが付く。
ΔL3=−(1/2)×W2×tanθ=−(1/2)×W2×Sk …式(3)
【0081】
CB3C4:4孔後端ずれ量の演算手段
4孔後端のずれ量の算出手段の一例としての4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、4孔後端の被穿孔位置のずれ量である4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。すなわち、図12において、前記4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、4孔後端の被穿孔位置の一例としての4孔後端被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の4孔後端被パンチ位置S4と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の4孔後端被パンチ位置S4′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用後方被パンチ位置のずれ量である4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。
なお、実施例1の4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(4)に基づいて4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。なお、4孔後端ずれ量ΔL4では、4孔後端被パンチ位置S4′が4孔前端被パンチ位置S1′とはシート搬送方向で逆にずれており、マイナスが付く。
ΔL4=−(3/2)×W2×tanθ=−(3/2)×W2×Sk …式(4)
【0082】
CB3D:パンチの搬送手段
第1の後処理の搬送部材の制御手段の一例であって、穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としてのパンチの搬送手段CB3Dは、4孔搬送手段CB3D1と、2孔搬送手段CB3D2と、パンチ無し搬送手段CB3D3と、を有し、前記パンチ搬送部材の駆動回路DB1を介して、第1の駆動源MB2の駆動を制御し、搬送ロールRa3,Ra4による記録シートSの搬送を制御する。
CB3D1:4孔搬送手段
4孔穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としての4孔搬送手段CB3D1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記ずれ量の演算手段CB3Cにより演算された各ずれ量ΔL1〜ΔL4に基づいて、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動させて記録シートS,S′を搬送して、各被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′が前記パンチ11〜14の配置位置P1に移動した場合に搬送ロールRa3,Ra4を停止させる。
【0083】
具体的には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、以下の制御を行う。
図3、図12において、実施例1では、プレパンチセンサSN12は、パンチ11〜14の配置位置P1に対して予め設定された長さLaだけシート搬送方向上流側の位置P2に配置されている。また、前記被パンチ位置S1,S2,S3,S4は、実施例1では、記録シートS上の搬送方向後端Saから長さLbだけ離れた位置に設定されている。
したがって、実施例1の4孔搬送手段CB3D1では、スキュー量Skが0の場合、すなわち、ずれ量ΔL1〜ΔL4が0の場合には、記録シートSの後端Saが、プレパンチセンサSN12の配置位置P2に対して長さ(La−Lb)分だけシート搬送方向下流側に搬送される位置で、記録シートSを停止させる。
すなわち、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、スキュー量Skが0の場合には、プレパンチセンサSN12により記録シートSの後端Saが検出された後、長さ(La−Lb)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSにパンチ11〜14によりパンチ孔が形成されると、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を再開して記録シートSを下流側に搬送させる。
【0084】
これに対して、スキュー量Skを有する場合には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、記録シートS′の後端Sa′が、プレパンチセンサSN12の配置位置P2に対して長さ{(La−Lb)−ΔL1},{(La−Lb)−ΔL2},{(La−Lb)−ΔL3},{(La−Lb)−ΔL4}分だけシート搬送方向下流側に搬送される各位置で、記録シートSを停止させる。
すなわち、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、スキュー量Skが正の場合には、プレパンチセンサSN12により記録シートS′の後端Sa′が検出された後、長さ{(La−Lb)−ΔL1}分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに4孔前端パンチ11によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL1−ΔL2)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。
【0085】
そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに兼用前方パンチ12によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL2−ΔL3)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに兼用後方パンチ13によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL3−ΔL4)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに4孔後端パンチ14によりパンチ孔が形成されると、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を再開して記録シートSを下流側に搬送させる。
【0086】
同様にして、スキュー量Skが負の場合には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、プレパンチセンサSN12により記録シートS′の後端Sa′が検出された後、長さ{(La−Lb)−ΔL4},(ΔL4−ΔL3),(ΔL3−ΔL2),(ΔL2−ΔL1)分ずつ順に、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させて、記録シートSを下流側に搬送させる。なお、記録シートS′には、停止する位置に応じて、パンチ14〜11により、順に、パンチ孔が形成される。
【0087】
CB3D2:2孔搬送手段
2孔穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としての2孔搬送手段CB3D2は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記ずれ量の演算手段CB3Cにより演算されたずれ量ΔL2,ΔL3に基づいて、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動させて記録シートS,S′を搬送して、各被パンチ位置S2,S3,S2′,S3′が前記パンチ12,13の配置位置P1に移動した場合に搬送ロールRa3,Ra4を停止させる。なお、実施例1の2孔搬送手段CB3D2では、4孔ずれ量ΔL1,ΔL4に基づく制御が省略され、兼用パンチ12,13の配置位置P1に被パンチ位置S2〜S3′が移動した場合にのみ、搬送ロールRa3,Ra4を停止させる点以外は、前記4孔搬送制御手段CB3D2と同様の制御が行われるので、詳細な説明は省略する。
CB3D3:パンチ無し搬送手段
穿孔無し処理の搬送部材の制御手段の一例としてのパンチ無し搬送手段CB3D3は、前記後処理の判別手段CB2により「パンチ無し」の処理を実行すると判別された場合に、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動して記録シートS,S′を下流側に搬送する。
【0088】
CB3E:スライダの制御手段
穿孔部材の制御手段の一例であって、移動部材の制御手段の一例としてのスライダの制御手段CB3Eは、4孔パンチ手段CB3E1と、2孔パンチ手段CB3E2とを有し、前記スリットセンサ37とホームポジションセンサ41の検出信号に基づいて、前記スライダの駆動回路DB3を介してスライダモータ31の駆動を制御する。これにより、前記スライダの制御手段CB3Eは、スライダ17の移動を制御して、パンチ11〜14の移動を制御する。
【0089】
CB3E1:4孔パンチ手段
4孔の穿孔部材の制御手段の一例としての4孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スライダ17を後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps4との間で移動させて、4つのパンチ11〜14を上昇位置とパンチ下降位置との間で移動させる。
具体的には、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、離間移動位置の一例であって、4孔の準備位置の一例として、後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps9との中間の位置、すなわち、4孔用の前パンチ位置Ps6から(W11/2)後方に移動した図9Eに示す4孔準備位置Ps13に移動させる。
【0090】
そして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが正と判別された場合には、スライダ17を4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、4孔前端被パンチ位置S1′が4孔前端パンチ11の配置位置P1に移動して記録シートSが停止した場合、すなわち、前記4孔搬送手段CB3D1により搬送ロールRa3,Ra4が1度目に停止された場合に、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて前記4孔前端のパンチ位置Ps5よりも後方に移動した離間移動位置Ps12まで移動させる。これにより、4孔前端パンチ11が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、4孔前端被パンチ位置S1′にパンチ孔が形成される。
【0091】
同様にして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、各被パンチ位置S2′〜S4′が各パンチ12〜14の配置位置P1に移動して記録シートSが停止した場合、すなわち、前記4孔搬送手段CB3D1により搬送ロールRa3,Ra4が2度目〜4度目に停止された各場合に、スライダ17を、各離間移動位置Ps12,Ps13,Ps14から、各パンチ位置Ps6,Ps7,PS8を通過させて各パンチ位置Ps6,Ps7,PS8よりも後方に移動した離間移動位置Ps13,Ps14,Ps9まで移動させる。これにより、各パンチ12〜14が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S2′〜S4′にパンチ孔が形成される。
【0092】
また、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが負と判別された場合には、スライダ17を4孔準備位置Ps11から後側開始位置Ps9に移動させる。そして、その後は、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1では、移動させる方向が前後逆になる点以外は、スキュー量Skが正の場合と同様に、搬送ロールRa3,Ra4が停止する毎に、前記スライダ17を、各離間移動位置Ps9,Ps14,Ps13,Ps12から、各パンチ位置Ps8,Ps7,Ps6,Ps5を通過させて各パンチ位置Ps8,Ps7,Ps6,Ps5よりも前方に移動した各離間移動位置Ps14,Ps13,Ps12,Ps4まで移動させる。
なお、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1では、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bにより、スキュー量が0と判別された場合には、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止した場合に、スライダ17を、中央開始位置Ps4から後側開始位置Ps9まで移動させる。
したがって、これらにより、4つのパンチ11〜14が順に上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′にパンチ孔が形成される。
【0093】
CB3E2:2孔パンチ手段
2孔の穿孔部材の制御手段の一例としての2孔パンチ手段CB3E2は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スライダ17を前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間で移動させて、2つのパンチ12,13を上昇位置とパンチ下降位置との間で移動させる。
具体的には、実施例1の2孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、離間移動位置の一例であって、2孔の準備位置の一例として、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との中間の位置、すなわち、2孔用の前パンチ位置Ps2からW11後方に移動した図9Bに示す2孔準備位置Ps11に移動させる。
【0094】
そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが正と判別された場合には、スライダ17を2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E1は、記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′が兼用前方パンチ12の配置位置P1に移動して、記録シートSが停止した場合、すなわち、前記2孔搬送手段CB3D2により搬送ロールRa3,Ra4が1度目に停止された場合に、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、2孔用の前パンチ位置Ps1を通過させて前記2孔準備位置Ps11まで移動させる。これにより、兼用前方パンチ12が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、兼用前方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。
【0095】
そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′が兼用後方パンチ13の配置位置P1に移動して、記録シートS′が停止した場合、すなわち、前記2孔搬送手段CB3D2により搬送ロールRa3,Ra4が2度目に停止された場合に、スライダ17を、2孔準備位置Ps12から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて前記中央開始位置Ps4まで移動させる。これにより、兼用後方パンチ13が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、兼用後方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。
【0096】
また、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが負と判別された場合には、スライダ17を2孔準備位置Ps11から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、その後は、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2では、移動させる方向が前後逆になる点以外は、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止する毎に、前記スライダ17を、各離間移動位置Ps4,Ps12から、各パンチ移動位置Ps3,Ps2を通過させて離間移動位置Ps12、Ps1に移動させる。
なお、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2では、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bにより、スキュー量が0と判別された場合には、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止した場合に、前側開始位置Ps1から中央開始位置Ps1に移動させる。
したがって、これらにより、2つのパンチ12,13が順に上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S2,S3,S2′,S3′にパンチ孔が形成される。
【0097】
ここで、実施例1では、スライダモータ17が正駆動する場合には、兼用前方パンチ12により第1の穿孔部材12が構成され、兼用後方パンチ13により第2の穿孔部材13が構成され、4孔後端パンチ14により第3の穿孔部材14が構成される。
したがって、この場合、兼用前方パンチ12により第1の穿孔が形成されると共に、兼用前方被パンチ位置S2,S2′により第1の被穿孔位置S2,S2′が構成され、兼用前方ずれ量ΔL2により第1のずれ量ΔL2が構成され、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2により第1の算出手段CB3C2が構成される。また、この場合、兼用後方パンチ13により第2の穿孔が形成されると共に、兼用後方被パンチ位置S3,S3′により第2の被穿孔位置S3,S3′が構成され、兼用後方ずれ量ΔL3により第2のずれ量ΔL3が構成され、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3により第2の算出手段CB3C3が構成される。さらに、この場合、4孔後端パンチ14により第3の穿孔が形成されると共に、4孔後端被パンチ位置S4,S4′により第3の被穿孔位置S4,S4′が構成され、4孔後端ずれ量ΔL4により第3のずれ量ΔL4が構成され、4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4により第3の算出手段CB3C4が構成される。
【0098】
また、実施例1では、スライダモータ17が逆駆動する場合には、兼用後方パンチ13により第1の穿孔部材13が構成され、兼用前方パンチ12により第2の穿孔部材12が構成され、4孔前端パンチ11により第3の穿孔部材11が構成される。
したがって、この場合、兼用後方パンチ13により第1の穿孔が形成されると共に、兼用後方被パンチ位置S3,S3′により第1の被穿孔位置S3,S3′が構成され、兼用後方ずれ量ΔL3により第1のずれ量ΔL3が構成され、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3により第1の算出手段CB3C3が構成される。また、この場合、兼用前方パンチ12により第2の穿孔が形成されると共に、兼用前方被パンチ位置S2,S2′により第2の被穿孔位置S2,S2′が構成され、兼用前方ずれ量ΔL2により第2のずれ量ΔL2が構成され、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2により第2の算出手段CB3C2が構成される。さらに、この場合、4孔前端パンチ11により第3の穿孔が形成されると共に、4孔前端被パンチ位置S1,S1′により第3の被穿孔位置S1,S1′が構成され、4孔前端ずれ量ΔL1により第3のずれ量ΔL1が構成され、4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1により第3の算出手段CB3C1が構成される。
【0099】
CB4:綴じ用搬送部材の制御手段
第2の後処理装置の搬送部材の一例であって、綴じ処理の搬送部材の制御手段の一例としての綴じ用搬送部材の制御手段CB4は、前記綴じ用搬送部材の駆動回路DB2を介して、第2の駆動源MB2の駆動を制御し、上端排出路SH7,第1後処理搬送路SH8、第2後処理搬送路SH9の搬送ロールRa5による記録シートSの搬送を制御する。
CB5:端綴じ装置の制御手段
端綴じ装置の制御手段CB5は、前記後処理の判別手段CB2により「端綴じ処理」が設定されていると判別された場合に、端綴じ装置の制御回路DB4を介して、端綴じ装置HTSを制御して、記録シートSの束の整合やステープル等の端綴じの処理を行う。
【0100】
CB6:中綴じ装置の制御手段
中綴じ装置の制御手段CB6は、前記後処理の判別手段CB2により「中綴じ処理」が設定されていると判別された場合に、中綴じ装置の制御回路DB5を介して、中綴じ装置NTSを制御して、記録シートSの束の中綴じを行う。
CB7:端綴じ排出部の昇降制御手段
媒体排出部の移動制御手段の一例としての昇降制御手段CB7は、昇降制御回路DBを介して、昇降モータMB3を制御して、端綴じ排出部TH1を昇降させる。
【0101】
(プリンタUのフローチャートの説明)
次に、実施例1のプリンタUにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。なお、実施例1におけるスキュー量の検出処理や、端閉じ装置の制御処理、中綴じ装置の制御処理、綴じ用搬送部材の制御処理等については、従来公知の構成であり、簡単のため、図示及び詳細な説明を省略する。
(実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明)
図13は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図である。
図14は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13の続きの説明図である。
図15は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13、図14の続きの説明図である。
図13〜図15のフローチャートの各ステップSTの処理は、後処理装置U3の後処理制御部CB等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して実行される。
図13〜図15に示すフローチャートはプリンタUの電源投入により開始される。
【0102】
図13のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、パンチ処理情報などの設定情報を取得して、ST3に移る。
ST3において、4孔パンチが設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合は図15に示すST41に移る。
ST4において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始する。そして、ST5に移る。
ST5において、スライダ17を4孔準備位置Ps13に移動させる。そして、ST6に移る。
【0103】
ST6において、スキュー量演算手段CA2により演算されたスキュー量Skが取得されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に移り、ノー(N)の場合はST6を繰り返す。
ST7において、次の(1)〜(4)の処理を実行する。そして、ST8に移る。
(1)4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
(2)兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
(3)兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
(4)4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。
ST8において、スキュー量Skが正か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合は図14に示すST19に移る。
ST9において、スライダ17を、4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST10に移る。
【0104】
ST10において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に移り、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
ST11において、長さ{(La−Lb)−ΔL1}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST12に移る。
ST12において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて離間移動位置Ps12まで移動させる。そして、ST13に移る。
ST13において、長さ(ΔL1−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST14に移る。
ST14において、スライダ17を、離間移動位置Ps12から、4孔用の前パンチ位置Ps6を通過させて、4孔準備位置Ps13、すなわち、離間移動位置Ps13まで移動させる。そして、ST15に移る。
【0105】
ST15において、長さ(ΔL2−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST16に移る。
ST16において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔用の後パンチ位置Ps7を通過させて離間移動位置Ps14まで移動させる。そして、ST17に移る。
ST17において、長さ(ΔL3−ΔL4)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST18に移る。
ST18において、スライダ17を、離間移動位置Ps14から、4孔後端のパンチ位置Ps8を通過させて後側開始位置Ps9まで移動させる。そして、ST34に移る。
【0106】
図14のST19において、スキュー量Skが負か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST20に移り、ノー(N)の場合はST30に移る。
ST20において、スライダ17を、4孔準備位置Ps11から後側開始位置Ps9に移動させる。そして、ST21に移る。
ST21において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、長さ{(La−Lb)−ΔL4}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST23に移る。
ST23において、スライダ17を、後側開始位置Ps9から、4孔後端のパンチ位置Ps8を通過させて離間移動位置Ps14まで移動させる。そして、ST24に移る。
ST24において、長さ(ΔL4−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST25に移る。
ST25において、スライダ17を、離間移動位置Ps14から、4孔用の後パンチ位置Ps7を通過させて、4孔準備位置Ps13、すなわち、離間移動位置Ps13まで移動させる。そして、ST26に移る。
【0107】
ST26において、長さ(ΔL3−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST27に移る。
ST27において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔用の前パンチ位置Ps6を通過させて離間移動位置Ps12まで移動させる。そして、ST28に移る。
ST28において、長さ(ΔL2−ΔL1)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST29に移る。
ST29において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、図13に示すST34に移る。
【0108】
図14のST30において、スライダ17を、4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST31に移る。
ST31において、記録シートSの後端SaがプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に移り、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、長さ(La−Lb)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST33に移る。
ST33において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、パンチ位置Ps5〜Ps8を通過させて後側開始位置Ps9まで移動させる。そして、図13に示すST34に移る。
図13のST34において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成された記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST35に移る。
ST35において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST5に戻る。
【0109】
図15のST41において、2孔パンチが設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST42において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始する。そして、ST43に移る。
ST43において、スライダ17を2孔準備位置Ps11に移動させる。そして、ST44に移る。
【0110】
ST44において、スキュー量演算手段CA2により演算されたスキュー量Skが取得されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST45に移り、ノー(N)の場合はST44を繰り返す。
ST45において、次の(1),(2)の処理を実行する。そして、ST46に移る。
(1)兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
(2)兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
ST46において、スキュー量Skが正か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST47に移り、ノー(N)の場合はST53に移る。
ST47において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、ST48に移る。
【0111】
ST48において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST49に移り、ノー(N)の場合はST48を繰り返す。
ST49において、長さ{(La−Lb)−ΔL2}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST50に移る。
ST50において、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、2孔用の前パンチ位置Ps2を通過させて、2孔準備位置Ps11、すなわち、離間移動位置Ps11まで移動させる。そして、ST51に移る。
ST51において、長さ(ΔL2−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST52に移る。
ST52において、スライダ17を、離間移動位置Ps11から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0112】
ST53において、スキュー量Skが負か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST54に移り、ノー(N)の場合はST60に移る。
ST54において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST55に移る。
ST55において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST56に移り、ノー(N)の場合はST55を繰り返す。
ST56において、長さ{(La−Lb)−ΔL3}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST57に移る。
ST57において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて、2孔準備位置Ps11、すなわち、離間移動位置Ps11まで移動させる。そして、ST58に移る。
ST58において、長さ(ΔL3−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST59に移る。
ST59において、スライダ17を、離間移動位置Ps11から、2孔用の前パンチ位置Ps2を通過させて前側開始位置Ps1まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0113】
ST60において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、ST61に移る。
ST61において、記録シートSの後端SaがプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST62に移り、ノー(N)の場合はST61を繰り返す。
ST62において、長さ(La−Lb)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST63に移る。
ST63において、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、パンチ位置Ps2,Ps3を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0114】
ST64において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成された記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST65に移る。
ST65において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図13に示すST1に戻り、ノー(N)の場合はST43に移る。
ST66において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成されない記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST67に移る。
ST67において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図13のST1に戻り、ノー(N)の場合はST67を繰り返す。
【0115】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、情報処理装置PCから、パンチ処理情報などの後処理設定情報と共に画像情報が送信されると、ジョブが実行される。ジョブが実行されたプリンタUでは、給紙トレイTR1〜TR4から記録シートSが搬送路SH1に供給され、レジロールRrで湾曲、いわゆる、ループが形成されて記録シートSの姿勢が揃えられる。姿勢が揃えられた記録シートSは、二次転写領域Q4に搬送されて画像が転写され、定着領域Q5で画像が定着された後、シート搬送ユニットU2に搬送されて、シート搬送ユニットU2の連絡用搬送路SH5を搬送される。
連絡用搬送路SH5に搬送された記録シートSは、後処理装置U3に搬送されて、後処理設定情報に応じた後処理が行われると、媒体排出部TH1などに排出される。
【0116】
ここで、レジロールRrで姿勢が揃えられた記録シートSは、後処理装置U3に搬入されるまでの間に、記録シートSの固体差や、搬送部材Ra,Rh,Ra2の磨耗、搬送路の内壁との接触などで、基準の姿勢に対して傾斜する場合がある。したがって、実施例1では、スキューセンサSN11によりスキュー量Skが検出された後に、後処理が行われる。
実施例1の後処理装置U3では、4孔パンチの処理が設定されている場合、パンチ孔形成処理のST3〜ST8が実行されて、スライダ17が4孔準備位置Ps13に移動する。そして、シートユニットU2の連絡用搬送路SH5を記録シートSが搬送されて、ユニット制御部CAにおいてスキュー量Skが検出、演算されると、後処理制御部CBに前記スキュー量Skが取得され、ずれ量ΔL1〜ΔL4が演算されると共に、スキュー量Skの正負が判別される。
【0117】
図16は4孔パンチを形成する場合でスキュー量が正の場合の実施例1の作用説明図であり、図16Aは記録シートの後端がプレパンチセンサを通過する際の説明図、図16Bは図16Aの続きの説明図であり4孔前端被パンチ位置が4孔前端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bの続きの説明図であり兼用前方被パンチ位置が兼用前方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Dは図16Cの続きの説明図であり兼用後方被パンチ位置が兼用後方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Eは図16Dの続きの説明図であり4孔後端被パンチ位置が4孔後端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Fは図16Eの続きの説明図であり4孔パンチが形成されて下流側に搬送される記録シートの説明図である。
【0118】
スキュー量Skが正の場合には、パンチ孔形成処理のST9が実行されて、スライダ17が中央開始位置Ps4に移動する。そして、図16Aに示すように、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12により検出されると、パンチ孔形成処理のST11が実行されて、長さ{(La−Lb)−Δ1}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4が駆動して記録シートS′が搬送される。すなわち、パンチ孔形成処理のST11が実行されると、記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′が4孔前端パンチ11の配置位置P1に移動した図16Bに示す場合に、搬送ロールRa3,Ra4が停止して、記録シートS′が停止する。
【0119】
搬送ロールRa3,Ra4が停止すると、パンチ孔形成処理のST12が実行されて、スライダ17が、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過して離間移動位置Ps12まで移動する。したがって、このとき、パンチ11〜14のうちの4孔前端パンチ11のみが、上昇位置から下降した後に上昇位置まで戻る。すなわち、4孔前端パンチ11のみが作動して、記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′にパンチ孔が形成される。
そして、スライダ17が離間移動位置Ps12に移動すると、パンチ孔形成処理のST13,ST14が実行されて、長さ(Δ1−Δ2)の分だけ搬送ロールRa3,Ra4が駆動して停止し、記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′が兼用前方パンチ12の配置位置P1に移動した図16Cに示す場合に、スライダ17が、離間移動位置Ps12から離間移動位置Ps13まで移動する。よって、このとき、兼用前方パンチ12のみが作動して、兼用前方被パンチ位置S2′にパンチ孔が形成される。
【0120】
同様に、パンチ孔形成処理のST15,ST16が実行されて、記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′が兼用後方パンチ13の配置位置P1に移動した図16Dに示す場合に、兼用後方パンチ13のみが作動して、兼用後方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。また、パンチ孔形成処理のST17,ST18が実行されて、記録シートS′上の4孔後端被パンチ位置S4′が4孔後端パンチ14の配置位置P1に移動した図16Eに示す場合に、4孔後端パンチ14のみが作動して、4孔後端被パンチ位置S4′にパンチ孔が形成される。
そして、記録シートS′上に4つのパンチ孔が形成されると、パンチ孔形成処理のST34が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が駆動を再開し、図16Fに示すように、パンチ孔が形成された記録シートS′が下流側に搬送される。
【0121】
また、スキュー量Skが負の場合には、パンチ孔形成処理のST20〜ST29が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S4′〜S1′がパンチ14〜11の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ14,13,12,11の順に、パンチ14〜11が作動して、被パンチ位置P4′〜P1′にパンチ孔が順に形成される。
そして、スキュー量Skが0の場合には、パンチ孔形成処理のST33〜ST36が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が1度停止して、スライダ17が中央開始位置Ps4から後側開始位置Ps9に移動して、各パンチ11〜14が作動して、各被パンチ位置P1〜P4に一度にパンチ孔が形成される。
【0122】
さらに、2孔パンチの処理が設定されている場合には、パンチ孔形成処理のST42〜ST45が実行されて、スライダ17が2孔準備位置Ps11に移動し、ずれ量ΔL2,ΔL3が演算されると共に、スキュー量Skの正負が判別される。そして、パンチ孔形成処理のST46〜ST63が実行されて、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動して、記録シートS,S′にパンチ孔が形成される。
すなわち、スキュー量Skが正の場合には、パンチ孔形成処理のST47〜ST52が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S2′,S3′がパンチ12,13の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ12,13の順に、パンチ12,13が作動し、被パンチ位置P2′,P3′にパンチ孔が順に形成される。
【0123】
また、スキュー量Skが負の場合には、パンチ孔形成処理のST54〜ST59が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S3′,S2′がパンチ13,12の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ13,12の順にパンチ13、12が作動して、被パンチ位置P3′,P2′にパンチ孔が順に形成される。
そして、スキュー量Skが0の場合には、パンチ孔形成処理のST33〜ST36が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が1度停止して、スライダ17が前側開始位置Ps1から中央開始位置Ps4に移動して、各パンチ11〜14が作動し、各被パンチ位置P1〜P4にパンチ孔が一度に形成される。
【0124】
図17は複数のパンチが一度に作動する従来の構成の説明図であり、図17Aは記録シートが傾斜していない場合の説明図、図17Bは記録シートSが傾斜している場合の説明図である。
図17において、複数のパンチが一度に作動する従来の構成では、各パンチ11〜14の配置位置P1に各被パンチ位置S1〜S4が移動する場合に限り、パンチ孔が被パンチ位置S1〜S4に形成される。
すなわち、プレパンチセンサSN12により記録シートSの後端Saが検出されてから、長さ(La−Lb)の分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる場合に、傾斜していない記録シートSでは、図17Aに示すように、被パンチ位置S1〜S4がパンチ11〜14の配置位置P1に移動して停止する。したがって、傾斜していない記録シートSの場合、パンチ11〜14が一度に作動しても、被パンチ位置S1〜S4にパンチ孔が形成され、後端Saに沿ってパンチ孔が形成される。
【0125】
一方で、傾斜した記録シートS′の場合に、傾斜していない記録シートSと同様にして搬送されると、図17Bに示すように、被パンチ位置S1′〜S4′が、パンチ11〜14の配置位置P1から、ずれ量ΔL1〜ΔL4の分ずれた状態で停止してしまう。よって、傾斜した記録シートS′の場合には、パンチ11〜14が一度に作動すると、被パンチ位置S1′〜S4′から、ずれ量ΔL1〜ΔL4の分ずれた位置にパンチ孔が形成されてしまい、後端Sa′に対して傾斜した状態でパンチ孔が形成されてしまう。また、パンチ孔がシート後端Sa′に対して傾斜して形成されると、事務用品の一例としてのファイルやバインダー、綴じ紐などで、記録シートS,S′のパンチ孔を綴じる場合に、傾斜せずに形成されたパンチ孔や、様々な角度で傾斜して形成されたパンチ孔が混在して、記録シートS,S′の綴じ束の整合性が悪化する。
【0126】
これに対して、実施例1では、前方から後方に順に配置された各パンチ11〜14が、スライダ17の移動に伴って、正順、逆順に、時期をずらして作動可能な構成である。すなわち、実施例1では、スキュー量Skに応じて、搬送ロールRa3,Ra4の駆動が制御されると共に、パンチ11〜14の作動が制御されることで、記録シートS′上の被パンチ位置S1′〜S4′がパンチ11〜14の配置位置P1に停止する度に、パンチ11〜14が正順、逆順に作動して、被パンチ位置S1′〜S4′にパンチ孔が順に形成される。
よって、実施例1では、複数のパンチが一度に作動する構成とは異なり、記録シートS′の姿勢に応じて記録シートS′に精度良くパンチ孔が形成されており、傾斜した記録シートS′であっても、後端Sa′に沿って精度良くパンチ孔が形成される。なお、これにより、パンチ孔を綴じる場合にも、複数のパンチが一度に作動する構成に比べて、記録シートS,S′の綴じ束の整合性が向上する。
【0127】
また、実施例1のパンチユニットPUでは、スライダ17が前後に移動して、スライダ17のガイド21〜24の下方湾曲部21b〜24bが、パンチ11〜14のピン11a〜14aを下方に案内することで、パンチ11〜14が作動する。
ここで、実施例1では、4孔前端ガイド21及び4孔後端ガイド24には、各ガイド21,24の中央位置P11,P41よりも前方にのみ下方湾曲部21b,24bを設ける一方で、兼用前方ガイド22及び兼用後方ガイド23には、中央位置P21,P31の前後両側に下方湾曲部22b,22d,23b,23dを、それぞれ、設けている。
したがって、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動した場合に、2つパンチ12,13のみが作動し、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動した場合に、4つのパンチ11〜14が作動する。
すなわち、実施例1では、2孔のパンチと、4孔内側の2つのパンチとを共通化しており、2孔の各パンチと4孔の各パンチとを、シート搬送方向上流側と下流側とに別々に設ける構成に比べて、構成が簡素化されている。
【0128】
さらに、実施例1では、定着領域Q5のシート搬送方向下流側であって、パンチユニットPUのシート搬送方向上流側に、記録シートS,S′の姿勢を揃える構成を設けることなく、記録シートS′の姿勢に応じてパンチ孔を形成している。すなわち、実施例1では、記録シートS,S′の姿勢を揃え直すことなく、記録シートS,S′の姿勢に応じてパンチ孔を形成しており、記録シートS,S′を揃え直す構成を設ける場合に比べて、パンチ処理機構PSK全体の構成が簡素化され易い。
【0129】
なお、従来、記録シートSの姿勢を揃え直してパンチ孔を形成する構成としては、記録シートS,S′をスイッチバックさせて、シート後端Sa,Sa′を被突き当て部材に突き当てて姿勢を揃えた後に、記録シートS,S′にパンチ孔を形成する構成があった。この従来の構成では、姿勢を揃える工程に時間がかかり易く、また、スイッチバック時の記録シートと搬送路の内壁との摺擦音や、突き当て時の衝突音などが騒音となることもあった。
これに対して、実施例1では、スイッチバックさせて姿勢を揃え直さなくても、精度良くパンチ孔が形成されており、スイッチバックさせて姿勢を揃え直す構成に比べて、単位時間当たりにパンチ孔が形成される記録シートの枚数が多くなり、生産性が向上すると共に、スイッチバック時の摺擦音や衝突音などの騒音も発生し難くなっている。
【実施例2】
【0130】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0131】
(実施例2のプリンタUの説明)
(実施例2のシート搬送ユニットU2の説明)
図18は本発明の実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
図19は実施例2のシート搬送ユニットの連絡用搬送路の説明図である。
図18、図19において、実施例2の連絡用搬送路SH5のシート搬送方向中央部には、姿勢傾斜用の搬送部材の一例としてのスキューロール61が配置されている。図19において、前記スキューロール61は、用紙幅方向、すなわち、前後方向に一対配置された前側ロール62と後側ロール63とを有する。前記前側ロール62と後側ロール63とは、同一の回転軸に支持されており、ユニット搬送部材の駆動源MA1から動力が伝達されて駆動する。ここで、実施例2の後側ロール63は、前側ロール62に比べて小径に形成されており、後側ロール63の搬送速度は、前側ロール62に比べて遅い。したがって、記録シートS,S′がスキューロール61に搬送される場合、記録シートS,S′には、図19において反時計回り方向に回転する方向の搬送力が加わっており、記録シートS,S′は傾斜しながら搬送されると共に、後方に寄せられながら搬送される。なお、実施例2のスキューロール61では、前側ロール62と、後側ロール63との径の差は、予め実験、測定された結果に基づいて設定されている。すなわち、スキューロール61が無い場合のスキュー量Skが予め検出、測定されており、前記測定結果に基づいて、負のスキュー量Skを打ち消し可能な程度の傾斜が加わるようにロール62,63が構成されている。
【0132】
図19において、前記スキューロール61の後方には、過傾斜制限壁の一例として、連絡用搬送路SH5に沿って左右方向に延びるストッパ壁64が支持されている。前記ストッパ壁64は、スキューロール61により傾斜される記録シートS′の用紙幅方向の後端縁に接触可能に構成されており、記録シートS′がスキューロール61により過大に傾斜されて、シート搬送方向下流側の後端縁がサイドガイド61に寄せられる場合に接触する。なお、実施例2のストッパ壁64は、図示しない制御手段で前後方向に移動可能に構成されており、短辺送り、長辺送り等のシート送出方向や、記録シートSの大きさ等に基づいて、前後方向の位置が予め設定されている。
【0133】
よって、実施例2では、スキュー量Skが負、0の姿勢の記録シートS′,Sがスキューロール61に進入した場合には、スキューロール61により反時計回り方向の傾斜が加えられて、スキュー量Skが正の姿勢に傾斜する。また、スキュー量Skが正の姿勢の記録シートS′がスキューロール61に進入した場合には、スキューロール61により反時計回り方向の傾斜が加えられて、進入前よりも大きなスキュー量Skの姿勢に傾斜したり、記録シートS′のシート搬送方向下流側の後端縁が、傾斜ストッパ64に接触して傾斜が制限されたりする。
すなわち、スキューロール61とストッパ壁64を備えた実施例2では、記録シートS,S′がスキューロール61を通過する際にスキュー量Skが正の姿勢となり、スキューセンサSN11により検出されるスキュー量Skは、大き過ぎない正の値として検出される。
【0134】
(実施例2のプリンタUの制御部の説明)
図20は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図であって実施例1の図10に対応する図である。
図21は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、後処理制御部の説明図であって実施例1の図11に対応する説明図である。
図20、図21において、実施例2の制御部C,CA,CBでは、シート搬送ユニットU2にスキューロール61が追加されている点と、後処理制御部C3のパンチ処理の制御手段CB3″が変更されている点と以外は、実施例1と同様に構成される。
【0135】
(実施例2の後処理装置U3の後処理制御部CBについて)
実施例2のパンチ処理の制御手段CB3″では、実施例1のスキュー量の正負判別手段CB3Bが省略されている。また、実施例2のパンチ処理の制御手段CB3″では、実施例1の各手段CB3C〜CB3Eに替えて、実施例2の各手段CB3C″〜CB3E″を有する。ここで、実施例2のパンチ処理の制御手段CB3における前記各手段CB3C″〜CB3E″は、4孔パンチ手段CB3E1″と2孔パンチ手段CB3E2″以外は、対応する実施例1の手段CB3C〜CB3Eにおけるスキュー量Skが正の場合の制御のみを行う。よって、以下では、4孔パンチ手段CB3E1″と2孔パンチ手段CB3E2″についてのみ説明し、これら以外の手段CB3C″〜CB3E″の説明は省略する。
【0136】
CB3E1″:4孔パンチ手段
実施例2の4孔パンチ手段CB3E1″では、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、4孔準備位置Ps13に移動させずに、直接、中央開始位置Ps4に移動させて、その後は、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1におけるスキュー量Skが正の場合の制御と同様の制御を行う。
CB3E2″:2孔パンチ手段
実施例2の2孔パンチ手段CB3E2″では、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、2孔準備位置Ps11に移動させずに、直接、前側開始位置Ps1に移動させて、その後は、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2におけるスキュー量Skが正の場合の制御と同様の制御を行う。
【0137】
(実施例2のプリンタUのフローチャートの説明)
(実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明)
図22は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図13に対応する説明図である。
図23は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図22の続きの説明図であって実施例1の図15に対応する説明図である。
図22、図23において、実施例2のフローチャートでは、実施例1のフローチャートに対して、スキュー量Skが正の場合に対応する処理のみが実行され、スキュー量Skが負や0の場合の処理は省略される。
【0138】
すなわち、図22に示す実施例2のフローチャートでは、図13、図14における4孔準備位置に関するST5と、スキュー量の正負を判別するST8,ST19と、スキュー量Skが負の場合のST20〜ST29と、スキュー量Skが0の場合のST30〜ST33とが省略される。また、図23に示す実施例2のフローチャートでは、図15における2孔準備位置に関するST43と、スキュー量の正負を判別するST46,ST53と、スキュー量Skが負の場合のST54〜ST59と、スキュー量Skが0の場合のST60〜ST63とが省略される。これらのステップが省略される点以外は、実施例2では、実施例1のフローチャートと同様の処理が実行されるので詳細な説明は省略する。
【0139】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、記録シートS,S′がスキューロール61で傾斜された後に、スキュー量Skが検出、演算される。そして、実施例1と同様に、スキュー量Skに基づいて演算されたずれ量ΔL1〜ΔL4に基づき搬送ロールRa3,Ra4が順次停止され、これに応じて、パンチ11〜14が順に作動して記録シートS′上の被パンチ位置S1′〜S4′にパンチ孔が形成される。したがって、実施例2でも、実施例1と同様に、記録シートS′の姿勢に応じて記録シートS′に精度良くパンチ孔が形成されている。
なお、実施例2では、スキューロール61が記録シートS,S′を予め設定された方向に傾斜させており、スキューセンサSN11に検出される記録シートS′のスキュー量Skが、常に、正となる。よって、実施例2では、実施例1のように、パンチ11〜14の配置方向に対して記録シートS,S′が傾斜しているか否か、すなわち、スキュー量Skが正か負かなどを判別する必要がなく、パンチ11〜14の作動する順番が予め決定されており、実施例1に比べて、スライダ17を移動させる制御などが単純化されている。
【0140】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
(H02)前記各実施例において、単独のスライダモータ36から動力が伝達されて、パンチ11〜14が作動する構成が望ましいが、これに限定されない。例えば、各パンチ11〜14に対応して、別々に、モータやソレノイドなどの駆動源を設けて、各パンチ11〜14を別々に作動させる構成が可能である。なお、この場合には、それぞれのパンチ11〜14をシート搬送方向において離間させて配置することも可能である。
【0141】
(H03)前記各実施例において、2孔パンチと4孔パンチを形成可能なパンチユニットPUの構成を例示し、2孔用の2つのパンチ12,13と、4孔用の内側の2つのパンチ12,13が共通化されて兼用された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、2孔パンチと3孔パンチとを形成可能にしたり、2孔パンチと6孔パンチとを形成可能にしたり、あるいは、2孔パンチと3孔パンチと4孔パンチとを形成可能にするなど、複数孔パンチを任意に組み合わせた構成が可能である。また、2孔パンチのみ、4孔パンチのみ、あるいは、3孔パンチのみ等、一種類の複数孔パンチのみを形成可能な構成も可能である。
なお、例えば、2孔パンチと3孔パンチとを形成可能な構成において、2孔パンチの位置と、3孔パンチの位置とがいずれも異なる場合、2孔用の2つのパンチと、3孔用の3つのパンチとは、いずれも共通化されず、合計5つのパンチが設けられる。そして、5つのパンチに対応して、5つのガイドや、5つのずれ量算出手段などが設けられる。
【0142】
(H04)前記各実施例において、4孔パンチを形成する場合には、スライダ17が、中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動して、4つのパンチ11〜14を作動させ、2孔パンチを形成する場合には、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps9との間を移動して、2つのパンチ12,13を作動させる構成が望ましく、形成するパンチ孔の数に応じて、スライダ17を異なる領域で移動させてパンチを作動させる構成が、制御が簡便になり易く望ましいが、これに限定されない。
例えば、パンチが共通化されて兼用された構成においては、共通化されているパンチが隣接して順に配置されていれば、スライダ17の移動する領域を一部共通化してスライダ17の構成を簡素化する構成も可能である。したがって、実施例1,2において、2孔パンチを形成する場合に、スライダ17を、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間で移動させる構成に替えて、4孔パンチの場合に移動する領域の一部、すなわち、離間移動位置Ps12と離間移動位置Ps14との間の領域で移動させて、2つのパンチ12,13のみを作動させる構成が可能である。なお、この場合には、第1の貫通移動位置は第3の貫通移動位置に一致し、また、第2の貫通移動位置は第4の貫通移動位置に一致することになる。
【0143】
(H05)前記各実施例において、記録シートS,S′の後端Sa,Sa′をプレパンチセンサSN12により検出して、記録シートS,S′の後端Sa,Sa′から予め設定された長さLb離れた位置にパンチ孔を形成する構成を例示し、記録シートS,S′に形成される被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′が、記録シートS,S′一枚につき、それぞれ1箇所のみ設定されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、特許文献1に記載されているように、折り曲げて綴じる場合の折り曲げ線に対称に形成されるパンチ孔など、記録シートS,S′一枚につき、被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′がそれぞれ複数設定される構成の場合に、綴じて同一頁となるパンチ孔毎に、本願の構成を適用してパンチ孔を形成する構成が可能である。
(H06)前記実施例1において、スライダ17を、準備位置Ps11,Ps13に移動させてから、スキュー量Skの正、負、0に応じて、対応する開始位置Ps1,Ps4,Ps9に移動させる構成を例示した。この構成は、スキュー量Sk取得後におけるスライダ17の開始位置Ps1,Ps4,Ps9までの移動時間が、スキュー量Skの正、負、0に関わらず変動し難くて望ましいが、この構成に限定されず、例えば、準備位置Ps11,Ps13に移動させる構成を省略して、スライダ17を、直接、開始位置Ps1,Ps4,Ps9に移動させる構成も可能である。
【0144】
(H07)前記実施例2において、ストッパ壁64が設けられている構成が、記録シートS′が傾斜し過ぎることが制限されて望ましいが、これに限定されず、ストッパ壁64を省略する構成が可能である。
(H08)前記実施例2において、スキューロール61では、前側ロール62と、前側ロール62に比べて小径の後側ロール63とにより、用紙幅方向に搬送速度差を設けて記録シートS,S′を常に特定の方向に傾斜させる構成を例示したが、記録シートS′を傾斜させる構成は、これに限定されない。例えば、前側ロールと、後側ロールとを、個別に回転可能に構成し、且つ、個別に駆動源を設けたり、あるいは、いわゆるギア比を変えたりして、径が共通に構成された構成で、搬送速度差を設けて記録シートS,S′を傾斜させる構成が可能である。また、例えば、前側ロールと、後側ロールとが個別に回転可能にした構成において、一方のロールの回転軸を他方のロールの回転軸に傾斜させて配置して、記録シートSを傾斜させる構成も可能である。
【0145】
(H09)前記実施例2において、スキューロール61とストッパ壁64とにより記録シートS,S′を常に特定の方向に傾斜させて、パンチ11〜14の配置方向に対して傾斜させて搬送する構成を例示したが、パンチ11〜14の配置方向に対して記録シートS,S′を傾斜させて搬送する構成は、これに限定されず、例えば、各パンチ11〜14を、交差方向の一例として、用紙幅方向に対して傾斜する傾斜方向に沿って配置して、記録シートをパンチ11〜14の配置方向に対して相対的に傾斜させて搬送する構成が可能であり、これにより、パンチ11〜14の作動する順番を固定することも可能である。
【符号の説明】
【0146】
12,13…第1の穿孔部材、
13,12…第2の穿孔部材、
14,11…第3の穿孔部材、
17…移動部材、
17+31〜34+22,17+31〜34+23…第1の移動機構、
17+31〜34+23,17+31〜34+22…第2の移動機構、
17+31〜34+24,17+31〜34+21…第3の移動機構、
22,23…第1の案内部、
23,22…第2の案内部、
24,21…第3の案内部、
31…駆動源、
CB2…判別手段、
CB3A…傾斜量を取得する取得手段、
CB3C2,CB3C2″,CB3C3,CB3C3″…第1の算出手段、
CB3C3,CB3C3″,CB3C2,CB3C2″…第2の算出手段、
CB3C4,CB3C4″,CB3C1,CB3C1″…第3の算出手段、
CB3D,CB3D″…搬送部材の制御手段、
CB3E,CB3E″…穿孔部材の制御手段、
Ps1,Ps4,Ps11,Ps12,Ps13,Ps14…離間移動位置、
Ps2,Ps3…第1の貫通移動位置、
Ps3,Ps2…第2の貫通移動位置、
Ps6,Ps7…第3の貫通移動位置、
Ps7,Ps6…第4の貫通移動位置、
Ps8,Ps5…第5の貫通移動位置、
PU…穿孔形成装置、
Ra3,Ra4…搬送部材、
S…媒体、
S2,S3…基準の姿勢の媒体上における第1の被穿孔位置、
S3,S2…基準の姿勢の媒体上における第2の被穿孔位置、
S4,S1…基準の姿勢の媒体上における第3の被穿孔位置、
S2′,S3′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第1の被穿孔位置、
S3′,S2′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第2の被穿孔位置、
S4′,S1′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第3の被穿孔位置、
SH6…搬送路、
SN11…媒体の姿勢を検出する検出部材、
Sk…傾斜量、
U…画像形成装置、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像記録部、
ΔL2,ΔL3…第1のずれ量、
ΔL3,ΔL2…第2のずれ量、
ΔL4,ΔL1…第3のずれ量。
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿孔形成装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に、穿孔、いわゆる、パンチ孔を形成する穿孔形成装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2002−68577号公報には、画像形成装置(F)の搬送方向下流側に配置され且つシート搬送方向に直交する方向に予め設定された間隔を開けて配置された二つの穿孔刃(112)が、カム機構により、同時に、搬送路内に進入、退避して、搬送路内のシート(S)に二つの穴(128)を形成する穿孔処理装置(44)が記載されている。
したがって、特許文献1では、シート(S)を綴じる場合に同一頁となる部分に形成される複数の穴(128)については、一度に、シート(S)に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−68577号公報(「0057」〜「0059」、図9、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体の姿勢に応じて媒体に精度良く穿孔を形成することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の穿孔形成装置は、
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に配置され且つ媒体の搬送方向に交差する方向である交差方向において予め設定された位置に配置された第1の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第1の穿孔を形成する前記第1の穿孔部材と、
前記搬送路に配置され且つ前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して予め設定された間隔を空けて配置された第2の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第2の穿孔を形成する前記第2の穿孔部材と、
前記第1の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第1の移動機構と、
前記第2の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第2の移動機構と、
前記各穿孔部材の媒体の搬送方向の上流側に配置されて搬送される媒体の姿勢を検出する検出部材の検出結果に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第1の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第1の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第1の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第1の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第1の被穿孔位置のずれ量である第1のずれ量を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第2の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第2の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第2の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第2の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第2の被穿孔位置のずれ量である第2のずれ量を算出する第2の算出手段と、
媒体を搬送する搬送部材の駆動を制御する搬送部材の制御手段であって、前記第1のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させると共に、前記第2のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第1の移動機構を介して、前記第1の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第2の移動機構を介して、前記第2の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させる穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の穿孔形成装置において、
駆動源と、
前記駆動源から動力が伝達されて移動する移動部材であって、予め設定された第1の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第2の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置と前記第2の貫通移動位置とに対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第1の穿孔部材を案内する第1の案内部であって、前記離間移動位置および前記第2の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第2の穿孔部材を案内する第2の案内部であって、前記離間移動位置および前記第1の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記駆動源の駆動を制御して、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の穿孔形成装置において、
前記搬送路に配置され、且つ、前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して前記第2の穿孔部材を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第3の穿孔を形成する前記第3の穿孔部材と、
予め設定された第3の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第4の貫通移動位置と、前記第4の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第5の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第4の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第5の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記離間移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第4の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置および前記第3の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第3の穿孔部材を案内する第3の案内部であって、前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第5の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第3の案内部、を有し、前記第3の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第3の移動機構と、
媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するかについて予め設定された設定情報に基づいて、媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するか、を判別する判別手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第3の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第3の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第3の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第3の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第3の被穿孔位置のずれ量である第3のずれ量を算出する第3の算出手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記第3のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記判別手段により、媒体に、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記判別手段により媒体に、前記第1ないし第3の穿孔を形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第3の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第4の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第5の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録部に画像を記録された媒体に穿孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の穿孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,4に記載の発明によれば、媒体の傾斜量に基づいて第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とが別々に移動しない場合に比べて、媒体の姿勢に応じて媒体に精度良く穿孔を形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、移動部材を介して第1の穿孔部材と第2の穿孔部材とを別々に移動させない場合に比べて、構成を簡素化することができる。
請求項3に記載の発明によれば、異なる数の穿孔が形成される場合に第1の穿孔部材と第2の穿孔部材が共通化されており、穿孔部材が共通化されない場合に比べて構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は実施例1のスキューセンサの配置位置とスキュー量の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例1のパンチユニットの説明図であり、図4Aはパンチユニット本体の斜視図、図4Bは図4Aの要部拡大図である。
【図5】図5は実施例1のスライダ本体部の説明図である。
【図6】図6は実施例1のガイドどうしの下方湾曲部の位置関係の説明図であり、スライダの移動位置に対応させて並べた説明図である。
【図7】図7はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図7Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図7Bはスライダが2孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Cはスライダが2孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Dはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図である。
【図8】図8はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図8Aはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図8Bはスライダが4孔前端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Cはスライダが4孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Dはスライダが4孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Eはスライダが4孔後端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Fはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
【図9】図9は離間移動位置に移動したスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図9Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図9Bはスライダが2孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Cはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図9Dはスライダが4孔前端のパンチ位置と4孔用の前パンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Eはスライダが4孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Fはスライダが4孔用の後パンチ位置と4孔後端のパンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Gはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図である。
【図11】図11は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、後処理制御部の説明図である。
【図12】図12は実施例1の記録シート上の被パンチ位置の説明図であり、図12Aは基準の姿勢の場合の説明図、図12Bはスキュー量を有する場合の説明図である。
【図13】図13は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図である。
【図14】図14は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13の続きの説明図である。
【図15】図15は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13、図14の続きの説明図である。
【図16】図16は4孔パンチを形成する場合でスキュー量が正の場合の実施例1の作用説明図であり、図16Aは記録シートの後端がプレパンチセンサを通過する際の説明図、図16Bは図16Aの続きの説明図であり4孔前端被パンチ位置が4孔前端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bの続きの説明図であり兼用前方被パンチ位置が兼用前方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Dは図16Cの続きの説明図であり兼用後方被パンチ位置が兼用後方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Eは図16Dの続きの説明図であり4孔後端被パンチ位置が4孔後端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Fは図16Eの続きの説明図であり4孔パンチが形成されて下流側に搬送される記録シートの説明図である。
【図17】図17は複数のパンチが一度に作動する従来の構成の説明図であり、図17Aは記録シートが傾斜していない場合の説明図、図17Bは記録シートSが傾斜している場合の説明図である。
【図18】図18は本発明の実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
【図19】図19は実施例2のシート搬送ユニットの連絡用搬送路の説明図である。
【図20】図20は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図であって実施例1の図10に対応する図である。
【図21】図21は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、後処理制御部の説明図であって実施例1の図11に対応する説明図である。
【図22】図22は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図13に対応する説明図である。
【図23】図23は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図22の続きの説明図であって実施例1の図15に対応する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、画像形成装置本体U1を備えている。前記プリンタUに電気的に接続された画像情報送信装置の一例としての情報処理装置PCから送信された画像情報は、制御部Cに入力される。前記制御部Cに入力された画像情報は、予め設定された時期に潜像形成用の黄色Y、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換され、潜像形成装置駆動回路DLに出力される。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0014】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1、図2において、前記プリンタUの重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C、およびKの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記黄色Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電装置の一例としての帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像器Gy、1次転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記像保持体PRy、帯電器CRy、像保持体清掃器CLyが、画像形成装置本体U1に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記黄色Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0015】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記潜像書込光により、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkで現像剤が消費されると、現像剤補給容器Ky,Km,Kc,Kkから、それぞれ現像剤が補給される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0016】
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留物、付着物は、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0017】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび2次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0018】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、前記可視像形成装置Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0019】
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、ガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、収容容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4に収容された媒体の一例としての記録シートSは、搬送部材の一例であって、送り出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートSは、媒体の搬送路の一例である給紙路SH1に沿って、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。
前記ピックアップロールRp、さばきロールRs等により、実施例1の給紙装置Rp+Rsが構成されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0に支持された記録シートSは、手差し給紙部材の一例としての手差し給紙ロールRp0により給紙され、手差し搬送路SH0を搬送され、レジロールRrに送られる。
【0020】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記記録シートSを前記給紙路SH1の下流側の搬送路の一例としての主搬送路SH2に搬送し、記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2により記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0021】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fのシート搬送方向下流側である上方には、記録シートSを排出媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに向けて搬送する搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。したがって、排紙トレイTRhに向けて搬送される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、媒体排出口の一例としてのシート排出口SH3aから排紙ロールRhにより搬送される。
【0022】
図1において、前記給紙路SH1には、媒体検知部材の一例として、各給紙トレイTR1〜TR4から給紙された記録シートSを検出するための第1給紙路センサSN1、第2給紙路センサSN2、第3給紙路センサSN3、第4給紙路センサSN4が配置されている。
前記各搬送路SH1〜SH3により実施例1の搬送路SHが構成されており、前記搬送路SH、給紙装置Rp+Rs、シート搬送ロールRa、レジロールRr、排紙ロールRh等により媒体搬送装置SH+Rp〜Rhが構成されている。
【0023】
図1において、実施例1では、下側の3段分の給紙トレイTR2〜TR4の左方には、上流側開放部材の一例としての下カバーU1aが、図1の実線で示す通常位置と、図1の破線で示す開放位置との間で開閉可能に支持されている。前記下カバーU1aには、給紙トレイTR2〜TR4の左方の給紙路SH1の左側の案内、いわゆるガイドや、一対の搬送ロールRaの外側が支持されている。したがって、下カバーU1aを開放位置に移動させることで、給紙路SH1の下部、すなわち、搬送方向上流側の上流側給紙路SH1aが開放される。
【0024】
(シート搬送ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUは、前記排紙トレイTRhに着脱可能に装着される画像記録済みの媒体の媒体搬送装置の一例としてのシート搬送ユニットU2を有する。前記シート搬送ユニットU2は、前記画像形成装置本体U1のシート排出口SH3aに接続される一方の側面に、前記排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される媒体搬送装置の搬入口の一例としてのシート搬入口U2aが設けられている。前記シート搬入口U2aから搬入された記録シートSは、シート搬送ユニットU2内部に配置された媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRa2により、媒体搬送路の一例としての連絡用搬送路SH5を搬送される。前記連絡用搬送路SH5を搬送された記録シートSは、シート搬送ユニットU2の他方の側面に形成された媒体搬送装置の排出口の一例としてのシート排出口U2bから、媒体搬送装置の排出部材の一例としての排出ロールRh2により排出される。
【0025】
(スキューセンサSN11の説明)
図3は実施例1のスキューセンサの配置位置とスキュー量の説明図である。
図2、図3において、前記排出ロールRh2のシート搬送方向上流側には、連絡用搬送路SH5を搬送される記録シートSの姿勢、いわゆる、スキュー量Skを検出する検出部材の一例としてのスキューセンサSN11が配置されている。前記スキューセンサSN11は、記録シートSの搬送方向に交差する方向の一例として、記録シートSの搬送方向に直交する用紙幅方向、すなわち、前後方向に沿って、予め設定された間隔W1を空けて配置された前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとを有する。前記前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとは、連絡用搬送路SH5の用紙幅方向中央部に対して前後対称に配置されており、各センサ部SN11a,SN11bにより、スキューセンサSN11の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁が検出される。
【0026】
実施例1のスキューセンサSN11では、記録シートSのシート搬送方向の上流端縁Saの傾斜に基づいてスキュー量Skが検出される。すなわち、実施例1では、予め設定された基準の姿勢の一例として、上流端縁Saが前後方向に沿った場合の姿勢に対して、上流端縁Saが角度θ傾斜した姿勢の記録シートSのスキュー量Skは、前側センサ部SN11aの検出時期に対する後側センサ部SN11bの検出時期の時期の時期ずれ量Δtと、搬送ロールRa2に基づく記録シートSの搬送速度Vと、センサ部SN11a,SN11bの間隔W1とに基づいて、Sk=tanθ=(V・Δt)/W1として検出される。
なお、スキュー量Skが正の場合、上流端縁Saの幅方向前方が幅方向後方に比べてシート搬送方向下流側に搬送された状態で、記録シートSが傾斜している。また、スキュー量Skが負の場合、上流端縁Saの幅方向後方が幅方向前方に比べてシート搬送方向下流側に搬送された状態で、記録シートSが傾斜している。
【0027】
図1において、実施例1のシート搬送ユニットU2は、シート搬送方向の長さである左右方向の長さが、排紙トレイTRhの媒体搬送方向の長さに比べて短く形成されている。したがって、プリンタUは、前記シート搬送ユニットU2の右端部と画像形成装置本体U1の右端部とにより右上端部が段差状に構成され、前記排紙トレイTRhの上方且つシート排出口U2bの排出方向下流側には、後処理装置の連結空間U2cが形成されている。
【0028】
(後処理装置U3の説明)
図1において、実施例1のプリンタUは、前記シート搬送ユニットU2に接続され、前記シート排出口U2bから排出された記録シートSに、後処理を行う後処理装置U3を有する。実施例1の後処理装置U3は、画像形成装置本体U1の右側壁に対向して配置される左側壁H1と、左側壁H1の上端部に配置され且つ左側壁H1に対して画像形成装置本体U1側に突出して形成された後処理装置の搬入部の一例としての搬入凸部H2とを有する。
前記搬入凸部H2には、シート搬送ユニットU2のシート排出口U2bに接続される後処理装置の搬入口の一例としてのシート搬入口U3aが形成されており、後処理装置U3が画像形成装置本体U1に連結される際に、画像形成装置本体U1の右上端の前記後処理装置の連結空間U2cに食い込むように配置される。したがって、食い込むように配置されていない場合に比べて、後処理装置U3装着後のプリンタU全体の大きさが小型化される。
【0029】
また、前記搬入凸部H2の内部には、前記シート搬入口U3aから搬入された記録シートSが搬送される媒体の搬送路の一例としてのパンチ処理路SH6が形成されている。前記パンチ処理路SH6のシート搬入口U3a近傍には、媒体の搬送部材の一例としての後処理装置U3の搬入ロールRa3が配置されている。前記搬入ロールRa3は、搬入される記録シートSを下流側に搬送したり、予め設定された位置で一時停止させたりする。前記搬入ロールRa3のシート搬送方向の下流側には、媒体の検出部材の一例としてのプレパンチセンサSN12が、記録シートSの用紙幅方向中央部に配置されている。前記プレパンチセンサのシート搬送方向の下流側近傍には、穿孔形成装置の一例としてのパンチユニットPUが配置されている。前記パンチユニットPUは、パンチ処理路SH6を搬送される記録シートSに穿孔の一例としてのパンチ孔を形成する。なお、パンチユニットPUについては、後述する。
【0030】
前記パンチユニットPUのシート搬送方向の下流側のパンチ処理路SH6には、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRa4が配置されている。実施例1の搬送ロールRa4は、前記搬入ロールRa3と駆動時期を合わせて駆動される。前記搬入ロールRa3と、前記搬送ロールRa4により、実施例1のパンチ処理路SH6の搬送ロールRa3,Ra4が構成されている。
前記パンチ処理路SH6のシート搬送方向の下流側に搬送された記録シートSは、第1切替部材U3dの切替えにより、右上に延びる上端排出路SH7または下方に延びる第1後処理搬送路SH8のいずれかに搬送される。また、第1後処理搬送路SH8には第2後処理搬送路SH9が接続されており、その接続部に配置された第2切替部材U3eにより記録シートSは第1後処理搬送路SH8または第2後処理搬送路SH9のいずれかに搬送される。
【0031】
前記上端排出路SH7に搬送された記録紙Sはそのまま、後処理を行われることなく、上端排出口P0から上端排出部TH0に排出される。
第1後処理搬送路SH8の下流側には、端綴じ装置HTSが配置されている。前記端綴じ装置HTSは、複数の記録シートSを積載して揃え、記録シートSの束の端部にコの字形の針を打ち込んで綴じたり、綴じずに揃えて端綴じ排出部TH1に排出する端綴じ処理を実行する。
第2後処理搬送路SH9の下流側には、中綴じ装置NTSが配置されている。前記中綴じ装置NTSは、複数の記録シートSを積載して揃え、記録シートSの束の中央部をコの字形の針で綴じた後2つ折りにして中綴じ排出部TH2に排出したり、あるいは綴じずに二つ折りにして排出する中綴じ処理を実行する。
なお、前記端綴じ装置HTSや中綴じ装置NTSは、従来公知であり、例えば、特開2003−89462号公報、特開2003−89463号公報等に記載されているため、詳細な説明は省略する。
【0032】
(パンチユニットPUの説明)
図4は本発明の実施例1のパンチユニットの説明図であり、図4Aはパンチユニット本体の斜視図、図4Bは図4Aの要部拡大図である。
図1において、実施例1のパンチユニットPUは、パンチユニット本体PU1と、パンチユニット本体PU1により記録シートSにパンチ孔が形成される際に発生する孔屑を受ける屑受け容器PU2とを有する。
図4Aにおいて、パンチユニット本体PU1は、下側枠体の一例として、屑受け容器PU2の上方に配置され、且つ前後方向に延びる下側フレーム1を有する。前記下側フレーム1は、記録シートSの下側の案内部の一例として、前後方向に延び且つ左右方向に延びる板状に形成された下ガイド部2を有する。前記下ガイド部2には、上下方向に貫通する4つの貫通孔2a,2b,2c,2dが形成されている。
【0033】
前記貫通孔2a,2b,2c,2dは、シート搬送方向に交差する交差方向の一例としての前後方向に予め設定された間隔を空けて形成されており、前方から後方に順に形成されている。また、前記貫通孔2a,2b,2c,2dは、パンチ処理路SH6を搬送される記録シートSの用紙幅方向中央部に対して前後対称に形成されている。実施例1では、図3に示すように、前記貫通孔2a〜2dは、それぞれ、間隔W2を空けて配置されている。前記下ガイド部2の左端部には、左方に行くほど下方に傾斜するシート導入部2eが形成されている。
前記下ガイド部2の左端には、前後方向に延び且つ前記シート導入部2eの左端から下方に向かって延びる板状に形成された左側壁部3が支持されている。また、前記下ガイド部2の右端には、前後方向に延び且つ前記下ガイド部2の右端から下方に向かって延びる板状に形成された被支持部4が支持されている。前記被支持部4は、後処理装置U3の図示しない枠体に支持される。これにより、下側フレーム1全体が後処理装置U3に支持される。
前記下ガイド部2、被支持部3、左側壁部4により、実施例1の下側フレーム1が構成されている。
【0034】
前記下側フレーム1の上方には、上側枠体の一例として、前後方向に延びる上側フレーム6が配置されている。実施例1の上側フレーム6は、下側フレーム1に対して後方に長く構成されている。
前記上側フレーム6は、記録シートSの上側の案内部の一例としての上ガイド部7を有する。前記上ガイド部7は、前後方向に延び且つ左右方向に延びる板状に形成されている。前記上ガイド部7は、前記下ガイド部2に対して間隔を空けて対向して配置され、下ガイド部2との間に、パンチ処理路SH6の一部を構成する記録シートSの通過可能な空間を形成する。前記上ガイド部7には、前記下ガイド部2の貫通孔2a,2b,2c,2dに対応して、上下方向に貫通する貫通孔7a,7b,7c,7dが形成されている。前記上ガイド部7の左端部には、左方に行くほど上方に傾斜するシート導入部7eが形成されている。
【0035】
前記上ガイド部7の右端には、前後方向に延び且つ前記上ガイド部7の右端から上方に向かって延びる板状に形成された被支持部8が支持されている。前記被支持部8は後処理装置U3の図示しない枠体に支持される。これにより、上側フレーム6全体が後処理装置U3に支持される。
前記被支持部8の上端には、前後方向に延び且つ前記被支持部8の上端から左方に向かって延びる板状に形成された頂壁部9が支持されている。前記頂壁部9には、上ガイド部7の貫通孔7a,7b,7c,7dに対応して、上下方向に貫通する貫通孔9a,9b,9c,9dが形成されている。
前記上ガイド部7、被支持部8、頂壁部9により、実施例1の上側フレーム6が構成されている。
【0036】
前記上側フレーム6には、穿孔部材の一例として、柱状に形成された4つのパンチ11,12,13,14が支持されている。すなわち、4孔前端パンチ11が、貫通孔7aと貫通孔9aに沿って移動可能に支持され、兼用前方パンチ12が、貫通孔7bと貫通孔9bに沿って移動可能に支持され、兼用後方パンチ13が、貫通孔7cと貫通孔9cに沿って移動可能に支持され、4孔後端パンチ14が、貫通孔7dと貫通孔9dに沿って移動可能に支持されている。前記パンチ11〜14の下端には、記録シートSにパンチ孔を形成する刃が形成されており、パンチ11〜14が記録シートSを厚み方向に貫通すると、記録シートSにパンチ孔が形成される。
前記パンチ11〜14には、穿孔部材の被案内部の一例として、パンチ11〜14を左右方向に貫通して右方に突出する円柱状のピン11a,12a,13a,14aが支持されている。実施例1では、4孔前端パンチ11のピン11aと、兼用後方パンチ13のピン13aとが、パンチ11,13の上下方向中央部に支持され、兼用前方パンチ12のピン12aと、4孔後端パンチ14のピン14aとが、パンチ12,14の上部に支持されている。
【0037】
(スライダ17の説明)
図4において、前記上側フレーム6には、前記上ガイド部7と、被支持部8と、頂壁部9と、各パンチ11〜14とに囲まれた空間により、移動部材の移動空間の一例としてのスライダ収容空間16が形成されている。前記スライダ収容空間16には、移動部材の一例として、前後方向に延び且つ上下方向に延びる板状のスライダ17が前後方向に移動可能に支持されている。実施例1のスライダ17は、上側フレーム6に比べて前後方向の長さが短く形成されている。
前記スライダ17は、移動部材の本体部の一例として、4孔前端パンチ11と4孔後端パンチ14との間隔に比べて前後方向に長い板状のスライダ本体部18と、被伝達部の一例として、前記スライダ本体部18の後方に支持されたラック部19とを有する。前記ラック部19の左面には、平板状の歯車の一例としてのラック歯19aが形成されている。
【0038】
図5は実施例1のスライダ本体部のガイドの説明図である。
図6は実施例1のガイドどうしの下方湾曲部の位置関係の説明図であり、スライダの移動位置に対応させて並べた説明図である。
図4〜図6において、前記スライダ本体部18には、穿孔部材を案内する案内部の一例として、前後方向に延び且つ左右方向に貫通する溝状のガイド21,22,23,24が形成されている。前記各ガイド21〜24は、パンチ11〜14の各ピン11a〜14aの配置位置に対応して形成されている。したがって、実施例1では、4孔前端パンチ11に対応する4孔前端ガイド21と、兼用前方パンチ12に対応する兼用前方ガイド22と、兼用後方パンチ13に対応する兼用後方ガイド23と、4孔後端パンチ14に対応する4孔後端ガイド24とが、前方から後方に順に形成されると共に、4孔前端ガイド21と兼用後方ガイド23とが、スライダ本体部18の上下方向中央部に形成され、兼用前方ガイド22と4孔後端ガイド24とが、スライダ本体部18の上部に形成される。
【0039】
図4〜図6において、実施例1のガイド21〜24は、ピン11a〜14aの外径に対応する溝幅で形成されており、図4Bに示すように、ガイド溝21〜24にピン11a〜14aが貫通して支持されて、ガイド溝21〜24に沿ってピン11a〜14aが相対的に移動可能に支持される。
ここで、前記4孔前端ガイド21は、前端部から後方に直線状に延びる4孔前端の前側直線部21aと、前記4孔前端の前側直線部21aの後端から後方に向かって延び且つ下方に湾曲してから元の高さに戻る前後対称の形状を有する4孔前端の下方湾曲部21bと、前記4孔前端の下方湾曲部21bの後端から後方に直線状に延びる4孔前端の後側直線部21cとを有する。実施例1の4孔前端ガイド21では、前後方向中央の中央位置P11から予め設定された長さW11だけ前側の位置に、4孔前端の下方湾曲部21bの湾曲の下端である4孔前端の下端位置P12が設定されている。
【0040】
また、前記兼用前方ガイド22は、前端部から後方に直線状に延びる兼用前方の前側直線部22aと、前記兼用前方の前側直線部22aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用前方の4孔用下方湾曲部22bと、前記兼用前方の4孔用下方湾曲部22bの後端から後方に直線状に延びる兼用前方の中間直線部22cと、前記兼用前方の中間直線部22cの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用前方の2孔用下方湾曲部22dと、前記兼用前方の2孔用下方湾曲部22dの後端から後方に直線状に延びる兼用前方の後側直線部22eと、を有する。実施例1の兼用前方ガイド22では、前後方向中央の中央位置P21から前記長さW11の2倍分だけ前側の位置に、兼用前方の4孔用下方湾曲部22bの湾曲の下端である兼用前方の4孔用下端位置P22が設定されている。また、実施例1の兼用前方ガイド22では、前後方向中央の中央位置P21から予め設定された長さW12だけ後側の位置に、兼用前方の2孔用下方湾曲部22dの湾曲の下端である兼用前方の2孔用下端位置P23が設定されている。
【0041】
さらに、前記兼用後方ガイド23は、前端部から後方に直線状に延びる兼用後方の前側直線部23aと、前記兼用後方の前側直線部23aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用後方の4孔用下方湾曲部23bと、前記兼用後方の4孔用下方湾曲部23bの後端から後方に直線状に延びる兼用後方の中間直線部23cと、前記兼用後方の中間直線部23cの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する兼用後方の2孔用下方湾曲部23dと、前記兼用後方の2孔用下方湾曲部23dの後端から後方に直線状に延びる兼用後方の後側直線部23eと、を有する。実施例1の兼用後方ガイド23では、前後方向中央の中央位置P31から前記長さW11の3倍分だけ前側の位置に、兼用後方の4孔用下方湾曲部23bの湾曲の下端である兼用後方の4孔用下端位置P32が設定されている。また、実施例1の兼用後方ガイド23では、前後方向中央の中央位置P31から予め設定された長さW13だけ後側の位置に、兼用後方の2孔用下方湾曲部23dの湾曲の下端である兼用後方の2孔用下端位置P33が設定されている。
【0042】
また、前記4孔後端ガイド24は、前端部から後方に直線状に延びる4孔後端の前側直線部24aと、前記4孔後端の前側直線部24aの後端から後方に向かって延び且つ前記4孔前端の下方湾曲部21bと同様の形状を有する4孔後端の下方湾曲部24bと、前記4孔後端の下方湾曲部24bの後端から後方に直線状に延びる4孔後端の後側直線部24cとを有する。実施例1の4孔後端ガイド24では、前後方向中央の中央位置P41から前記長さW11の4倍分だけ前側の位置に、4孔後端の下方湾曲部24bの湾曲の下端である4孔後端の下端位置P42が設定されている。
なお、実施例1のガイド21〜24は、前後方向に長さW11の10倍分の長さで形成されており、各下方湾曲部21b〜24bは、前後方向に長さW11で形成されている。また、実施例1では、各長さW12,W13が、W12=3.5×W11,W13=1.5×W11として形成されている。
【0043】
(スライダモータ31の説明)
図4において、前記上側フレーム6の後端部には、駆動源の一例として、正逆駆動可能なスライダモータ31が支持されている。前記スライダモータ31は、上下方向に延びる駆動軸31aを有する。前記駆動軸31aの上端部には、動力の伝達部材の一例としての駆動ギア32が支持されている。前記駆動ギア32には、中間伝達部材の一例としての中間ギア33が噛み合っている。前記中間ギア33の上部には、第2の中間伝達部材の一例として、前記中間ギア33と一体且つ同軸で形成され、前記中間ギア33に比べて小径の第2中間ギア34が支持されている。前記第2中間ギア34は、スライダ17に支持されたラック部19のラック歯19aと噛み合っている。
【0044】
したがって、前記スライダモータ31が駆動すると、ギア32〜34やラック歯19aを介して、スライダモータ31からスライダ17に動力が伝達されて、スライダ17が前後方向に移動する。すなわち、実施例1では、前記スライダモータ31が正駆動をすると、スライダ17が後方に移動し、前記スライダモータ31が逆駆動をするとスライダ17が前方に移動する。
なお、前記スライダモータ31の駆動軸31aの下端部には、被検出部材の一例としての回転盤36が支持されている。前記回転盤36には、径方向に延びる溝の一例としての図示しないスリットが、周方向に予め設定された間隔で形成されており、回転検出器の一例としてのスリットセンサ37により回転盤36のスリットの検出回数が検出され、駆動軸31aの回転量が検出される。また、前記スライダ収容空間16の後方部には、移動部材の検出部材の一例としてのホームポジションセンサ41が配置されており、スライダ17が初期化位置の一例としてのホームポジションに移動しているか否かが検出される。したがって、スリットセンサ37とホームポジションセンサ41とにより、スライダ17の移動位置が検出される。
【0045】
(スライダ17とパンチ11〜14との関係についての説明)
図7はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図7Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図7Bはスライダが2孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Cはスライダが2孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図7Dはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図である。
前記スライダ17が、離間移動位置の一例であり、第1の2孔用の開始位置の一例としての予め設定された前側開始位置Ps1に移動している場合、図7Aに示すように、4孔前端ガイド21では、ピン11aが4孔前端の後側直線部21cの後端に保持され、兼用前方ガイド22では、ピン12aが兼用前方の後側直線部22eの後端に保持され、兼用後方ガイド23では、ピン13aが兼用後方の後側直線部23eの後端に保持され、4孔後端ガイド24では、ピン14aが4孔後端の後側直線部24cの後端に保持される。よって、各パンチ11〜14は、パンチ処理路SH6から退避して記録シートSから離間する離間位置の一例としての上昇位置に保持される。
【0046】
また、図6において、兼用前方ガイド22では、後端部から、長さW11の1.5倍分だけ前側の位置に対応して、兼用前方の2孔用下方湾曲部22dが形成されている。これに対して、他のガイド溝21,23,24では、後端部から、長さW11の1.5倍分だけ前側の位置には、直線部21c,23e,24cがそれぞれ形成されている。よって、前記スライダ17が、兼用前方の2孔用の貫通移動位置の一例として、前側開始位置Ps1から、スライダモータ31の正駆動に伴って長さW11の1.5倍分だけ移動した図7Bに示す2孔用の前パンチ位置Ps2に、移動した場合、兼用前方パンチ12のピン12aのみが下方に移動して、他のパンチ11,13,14のピン11a,13a,14aは各直線部21c,23e,24c内に保持される。すなわち、スライダ17が2孔用の前パンチ位置Ps2に移動した場合には、兼用前方パンチ12のみが、パンチ処理路SH6に進入して記録シートSを厚み方向に貫通可能な貫通位置の一例としてのパンチ下降位置に移動し、他のパンチ11,13,14は上昇位置に保持される。
【0047】
同様に、図6において、兼用後方ガイド23では、後端部から、長さW11の3.5倍分だけ前側の位置に対応して、兼用後方の2孔用下方湾曲部23dが形成されている。これに対して、他のガイド21,22,24では、後端部から、長さW11の3.5倍分だけ前側の位置には、直線部21c,23c,24cがそれぞれ形成されている。よって、前記スライダ17が、兼用後方の2孔用の貫通移動位置の一例として、前側開始位置Ps1から長さW11の3.5倍分後方の図7Cに示す2孔用の後パンチ位置Ps3に移動した場合、兼用後方パンチ13のみが下方のパンチ下降位置に移動して、他のパンチ11,13,14は上昇位置に保持される。
そして、図6において、各ガイド21〜24では、後端部から、長さW11の5倍分だけ前側の位置、すなわち、各ガイド21〜24の中央位置P11,P21,P31,P41に、直線部21c〜24cが形成されている。よって、前記スライダ17が、離間移動位置の一例であって、第2の2孔用の開始位置の一例であり、第1の4孔用の開始位置の一例として、前側開始位置Ps1から長さW11の5倍分後方の図7Dに示す中央開始位置Ps4に移動した場合、各パンチ11〜14は上昇位置に保持される。
【0048】
図8はスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図8Aはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図8Bはスライダが4孔前端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Cはスライダが4孔用の前パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Dはスライダが4孔用の後パンチ位置に移動した状態の説明図、図8Eはスライダが4孔後端のパンチ位置に移動した状態の説明図、図8Fはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
また、図6において、各ガイド21〜24では、中央位置P11〜P41から、長さW11だけ前側の位置には、4孔前端ガイド21にのみ下方湾曲部21bが形成されて、他のガイド22,23,24には直線部22c,23c,24cが形成されている。よって、前記スライダ17が、4孔前の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11後方に移動した図8Bに示す4孔前端のパンチ位置Ps5に移動した場合、4孔前端パンチ11のみが下方に移動し、他のパンチ12,13,14は上昇位置に保持される。
【0049】
同様に、図6において、中央位置P11〜P41から、長さW11の2倍分だけ前側の位置には、兼用前方ガイド22にのみ下方湾曲部22bが形成され、中央位置P11〜P41から、長さW11の3倍分だけ前側の位置には、兼用後方ガイド23にのみ下方湾曲部23bが形成され、中央位置P11〜P41から、長さW11の4倍分だけ前側の位置には、4孔後端ガイド24にのみ下方湾曲部24bが形成されている。
よって、前記スライダ17が、兼用前方の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の2倍分後方の図8Cに示す4孔用の前パンチ位置Ps6に移動した場合、兼用前方パンチ12のみがパンチ下方位置に移動する。また、前記スライダ17が、兼用後方の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の3倍分後方の図8Dに示す4孔用の後パンチ位置Ps7に移動した場合、兼用後方パンチ13のみがパンチ下方位置に移動する。さらに、前記スライダ17が、4孔後端の4孔用の貫通移動位置の一例として、中央開始位置Ps4から長さW11の4倍分後方の図8Eに示す4孔後端のパンチ位置Ps8に移動した場合、4孔後端パンチ14のみがパンチ下方位置に移動する。
【0050】
そして、図6において、各ガイド21〜24では、中央位置P11〜P41から、長さW11の5倍分だけ前側の位置、すなわち、各ガイド21〜24の前端部に、前側の各直線部21a〜24aが形成されている。よって、前記スライダ17が、離間移動位置の一例であって、第2の4孔用の開始位置の一例として、前側中央開始位置Ps4から長さW11の5倍分だけ後方の図8Fに示す後側開始位置Ps9に移動した場合、各パンチ11〜14は上昇位置に保持される。
【0051】
したがって、前記スライダ17が、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動する場合には、兼用前方パンチ12と兼用後方パンチ13とが、上昇位置と、パンチ下降位置との間を順に移動し、4孔前端パンチ11と4孔後端パンチ14とは、上昇位置に保持される。
また、前記スライダ17が、2孔用の前パンチ位置Ps2と2孔用の後パンチ位置Ps3との間の領域の外側の領域、すなわち、後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps4との間を移動する場合には、各パンチ11〜14が、上昇位置と、パンチ下降位置との間を順に移動する。
【0052】
前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、4孔前端ガイド21により、実施例1の4孔前端パンチ11を移動させる4孔前端の移動機構17+31〜34+21が構成される。また、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、兼用前方ガイド22により、実施例1の兼用前方パンチ12を移動させる兼用前方の移動機構17+31〜34+22が構成される。さらに、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、兼用後方ガイド23により、実施例1の兼用後方パンチ13を移動させる兼用後方の移動機構17+31〜34+23が構成される。また、前記サイドガイド17、スライダモータ31、ギア32〜34、4孔後端ガイド24により、実施例1の4孔後端パンチ14を移動させる4孔後端の移動機構17+31〜34+24が構成される。
【0053】
ここで、実施例1では、スライダモータ17の正駆動に伴って、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動する場合には、兼用前方パンチ12、兼用後方パンチ13、4孔後端パンチ14の順に、パンチ12,13,14がパンチ下方位置に移動する。
よって、実施例1では、スライダモータ17が正駆動する場合には、兼用前方パンチ12により第1の穿孔部材12が構成され、兼用後方パンチ13により第2の穿孔部材13が構成され、さらに、4孔後端パンチ14により、前後方向において前記兼用前方パンチ12に対して前記兼用後方パンチ13を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材14が構成される。また、この場合、前記兼用前方の移動機構17+31〜34+22により第1の移動機構17+31〜34+22が構成され、兼用後方の移動機構17+31〜34+23により第2の移動機構17+31〜34+23が構成され、4孔後端の移動機構17+31〜34+24により第3の移動機構17+31〜34+24が構成される。さらに、この場合、スライダ17の貫通移動位置Ps2,Ps3,Ps5〜Ps8について、2孔用の前パンチ位置Ps2により第1の貫通移動位置Ps2が構成され、2孔用の後パンチ位置Ps3により第2の貫通移動位置Ps3が構成される。そして、4孔用の前パンチ位置Ps6により第3の貫通移動位置Ps6が構成され、4孔用の後パンチ位置Ps7により第4の貫通移動位置Ps7が構成され、4孔後端のパンチ移動位置Ps8により第5の貫通移動位置Ps8が構成される。
【0054】
また、スライダモータ17の逆駆動に伴って、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動する場合には、兼用後方パンチ13、兼用前方パンチ12、4孔前端パンチ11の順に、パンチ13,12,11がパンチ下方位置に移動する。
よって、実施例1では、スライダモータ17が逆駆動する場合には、兼用後方パンチ13により第1の穿孔部材13が構成され、兼用前方パンチ12により第2の穿孔部材12が構成され、さらに、4孔前端パンチ11により、前後方向において前記兼用後方パンチ13に対して前記兼用前方パンチ12を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材11が構成される。また、この場合、前記兼用後方の移動機構17+31〜34+23により第1の移動機構17+31〜34+23が構成され、兼用前方の移動機構17+31〜34+22により第2の移動機構17+31〜34+22が構成され、4孔前端の移動機構17+31〜34+21により、第3の移動機構17+31〜34+21が構成される。さらに、この場合、スライダ17の貫通移動位置Ps2,Ps3,Ps5〜Ps8について、2孔用の後パンチ位置Ps3により第1の貫通移動位置Ps3が構成され、2孔用の前パンチ位置Ps2により第2の貫通移動位置Ps2が構成される。また、4孔用の後パンチ位置Ps7により第3の貫通移動位置Ps7が構成され、4孔用の前パンチ位置Ps6により第4の貫通移動位置Ps6が構成され、4孔前端のパンチ位置Ps5により第5の貫通移動位置Ps5が構成される。
【0055】
図9は離間移動位置に移動したスライダとパンチのピンの位置との関係を表す図であり、図9Aはスライダが前側開始位置に移動した状態の説明図、図9Bはスライダが2孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Cはスライダが中央開始位置に移動した状態の説明図、図9Dはスライダが4孔前端のパンチ位置と4孔用の前パンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Eはスライダが4孔準備位置に移動した状態の説明図、図9Fはスライダが4孔用の後パンチ位置と4孔後端のパンチ位置との間の離間移動位置に移動した状態の説明図、図9Gはスライダが後側開始位置に移動した状態の説明図である。
また、実施例1では、スライダ17が、パンチ位置Ps2〜Ps8から隣接するパンチ位置Ps2〜Ps8に移動する途中で、パンチ11〜14が全て上昇位置に保持される位置を通過する。すなわち、実施例1では、2孔用の前パンチ位置Ps2からW11後方に移動した図9Bに示す位置Ps11や、4孔前端のパンチ位置Ps5からW11/2後方に移動した図9Dに示す位置Ps12、4孔用の前パンチ位置Ps6からW11/2後方に移動した図9Eに示す位置Ps13、4孔用の後パンチ位置Ps7からW11/2後方に移動した図9Fに示す位置Ps14にも、離間移動位置Ps11〜Ps14が設定されている。
【0056】
前記下側フレーム1、上側フレーム6、パンチ11〜14、スライダ17、パンチモータ31、ギア32〜34、スリットセンサ37、ホームポジションセンサ41等により、実施例1のパンチユニット本体PU1が構成され、前記パンチユニット本体PU1、屑受け容器PU2により、実施例1のパンチユニットPUが構成される。
また、前記スキューセンサSN11、プレパンチセンサSN12、パンチ処理路SH6、搬送ロールRa3,Ra4、パンチユニットPU等により、実施例1の穿孔処理機構の一例としてのパンチ処理機構PSKが構成される。
【0057】
(実施例1のプリンタUの制御部の説明)
図10は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図である。
図11は実施例1のプリンタの制御部分が備えている各機能をブロック図で示した図であり、後処理制御部の説明図である。
図10、図11において、画像形成装置本体U1の本体側制御部C、シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAおよび後処理装置U3の後処理制御部CBは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/O、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置、ならびに発振器等を有する小型情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0058】
(本体側制御部Cに接続された信号出力要素)
本体側制御部Cは、操作部UIや給紙路センサSN1〜SN4等の信号出力要素、ユニット制御部CA、後処理制御部CB等からの出力信号が入力されている。
UI:操作部
前記操作部UIは、電源釦UI1、表示部UI2、数字入力釦UI3、矢印入力釦UI4、媒体種類設定釦UI5等を備えている。
SN1〜SN4:給紙路センサ
各給紙路センサSN1〜SN4は、給紙路センサSN1〜SN4が配置された位置における記録シートSの有無を検出する。
【0059】
(本体側制御部Cに接続された被制御要素)
本体側制御部Cは、主駆動源の駆動回路D1、電源回路E、給紙装置の駆動回路D2、搬送部材の駆動回路D3、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記本体側制御部Cは、ユニット制御部CA、後処理制御部CBに、制御の時期を合わせる制御信号等を出力している。
D1:主駆動源の駆動回路
主駆動源の駆動回路D1は、主駆動源M1を介して像保持体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
D2:給紙装置の駆動回路
給紙装置の駆動回路D2は、給紙用駆動源M2を介して給紙装置Rp+Rsを駆動する。
D3:搬送部材の駆動回路
搬送部材の駆動回路D3は、搬送用駆動源M3を介して搬送ロールRaや排紙ロールRhを駆動する。
【0060】
E:電源回路
前記電源回路Eは現像用電源回路Ea、帯電用電源回路Eb、転写用電源回路Ec、定着用電源回路Ed等を有している。
Ea:現像用電源回路
現像用電源回路Eaは、現像装置Gy〜Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Eb:帯電用電源回路
帯電用電源回路Ebは、帯電器CRy〜CRkそれぞれに像保持体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Ec:転写用電源回路
転写用電源回路Ecは、1次転写器T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用電源回路
定着用電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電源を供給する。
【0061】
(本体側制御部Cの機能)
本体側制御部Cは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に、制御信号を出力する機能を有している。すなわち、本体側制御部Cは次の機能を有している。
C1:画像形成動作制御手段
画像形成動作制御手段C1は、情報処理装置PCから入力された画像情報に応じて、プリンタUの各部材の駆動や各電圧の印加時期等を制御して、画像形成動作であるジョブを実行する。なお、実施例1の前記画像情報には、「4孔パンチ」や、「2孔パンチ」、「パンチ無し」を特定するパンチ処理情報や、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ無し整合処理」等の有無を特定する綴じ処理情報を含む後処理装置U3で実行される後処理設定情報や、使用する記録シートSについての大きさや、シート送り出し方向などの媒体の種類についての媒体情報の一例としてのシート情報等が含まれている。
C2:主駆動源制御手段
主駆動源制御手段C2は、主駆動源駆動回路D1を介して主駆動源M1の駆動を制御し、像保持体PRy〜PRk等の駆動を制御する。
【0062】
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、現像用電源回路制御手段C3Aと、帯電用電源回路制御手段C3Bと、転写用電源回路制御手段C3Cと、定着用電源回路制御手段C3Dとを有し、電源回路Eの作動を制御して、各部材への電圧印加や電源供給を制御する。
C3A:現像用電源回路制御手段
現像用電源回路制御手段C3Aは、現像用電源回路Eaを制御して現像装置Gy〜Gkの現像ロールに印加する現像電圧を制御する。
C3B:帯電用電源回路制御手段
帯電用電源回路制御手段C3Bは、帯電用電源回路Ebを制御して、帯電器CRy〜CRkに印加する帯電電圧を制御する。
【0063】
C3C:転写用電源回路制御手段
転写用電源回路制御手段C3Cは、転写用電源回路Ecを制御して、1次転写器T1y〜T1kに印加する1次転写電圧や、2次転写ロールT2bに印加する2次転写電圧を制御する。
C3D:定着用電源回路制御手段
定着用電源回路制御手段C3Dは、定着用電源回路Edを制御して、定着装置Fの加熱ロールFhのヒータの温度制御、すなわち、定着温度の制御を行う。
【0064】
C4:収容シート記憶手段
収容部媒体の記憶手段の一例としての収容シート記憶手段C4は、前記媒体種類設定釦UI5等の入力に基づいて、給紙トレイTR1〜TR4に収容された記録シートS、及び、手差しトレイTR0から給紙される記録シートSの種類を記憶する。
実施例1では、収容シート記憶手段C4は、記録シートSの種類の一例として、A4SEF,B4LEF等の大きさ及びシート送出方向と、普通紙や、厚紙、透明媒体の一例としてのOHPシート、封筒等のいずれであるか等の紙種とを、各トレイTR0〜TR4毎に記憶する。なお、実施例1では、給紙トレイTR1〜TR4については、媒体種類設定釦UI5により、予め入力され、手差しトレイTR0については、使用する度に、媒体種類設定釦UI5により、その都度入力される。
【0065】
C5:本体の搬送装置の制御手段
本体の搬送装置の制御手段C5は、給紙制御手段C5Aと、搬送制御手段C5Bとを有し、画像形成動作時に、本体の媒体搬送装置SH+Rp〜Rhの作動を制御して、搬送部材Rp,Rs,Ra,Rr,Rhを制御して、記録シートSの搬送を制御する。
C5A:給紙制御手段
給紙制御手段C5Aは、前記給紙装置の駆動回路D2を介して給紙用駆動源M2の駆動を制御し、給紙装置Rp+Rsによる記録シートSの給紙を制御する。
C5B:搬送制御手段
搬送制御手段C5Bは、前記搬送部材の駆動回路D3を介して搬送用駆動源M3の駆動を制御し、搬送ロールRaや、レジロールRr、排紙ロールRhによる記録シートSの搬送を制御する。
【0066】
(シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAについて)
(ユニット制御部CAに接続された信号出力要素)
シート搬送ユニットU2のユニット制御部CAは、本体側制御部Cや後処理制御部CBからの制御信号や、スキューセンサSN11などの信号出力要素からの出力信号が入力されている。
SN11:スキューセンサ
スキューセンサSN11は、前側センサ部SN11aと後側センサ部SN11bとを有し、スキューセンサSN11の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁を検出する。
【0067】
(ユニット制御部CAに接続された被制御要素)
ユニット制御部CAは、ユニット搬送部材の駆動回路DA1、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記ユニット制御部CAは、本体側制御部C、後処理制御部CBに、制御の時期を調節する制御信号等を出力している。
DA1: ユニット搬送部材の駆動回路
画像記録済の媒体の搬送部材の駆動回路の一例としてのユニット搬送部材の駆動回路DA1は、ユニット搬送部材の駆動源MA1を介して、シート搬送ユニットU2の搬送ロールRa2や排出ロールRh2を駆動する。
【0068】
(ユニット制御部CAの機能)
ユニット制御部CAは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、ユニット制御部CAは次の機能を有している。
CA1:ユニットの搬送制御手段
画像記録済の媒体の搬送制御手段の一例としてのユニットの搬送制御手段CA1は、前記ユニット搬送部材の駆動回路DA1を介して、ユニット搬送部材の駆動源MA1の駆動を制御し、搬送ロールRa2、排出ロールRh2による画像記録済の記録シートSの搬送を制御する。
【0069】
CA2:スキュー演算手段
姿勢の傾斜量の演算手段の一例としてのスキュー演算手段CA2は、前記スキューセンサSN11の検出信号に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量の一例としてのスキュー量Skを演算する。図3において、実施例1のスキュー演算手段CA2は、記録シートSのシート搬送方向の上流端縁、いわゆる、記録シートSの搬送方向後端Saの傾斜に基づいてスキュー量Skを演算する。すなわち、実施例1のスキュー演算手段CA2は、スキューセンサSN11の前側センサ部SN11aの検出信号が、記録シートSを検出している有り信号から、記録シートSを検出していない無し信号に、切り替わった時期と、スキューセンサSN11の後側センサ部SN11bの検出信号が、有り信号から無し信号に切り替わった時期と、の時期ズレ量Δtに基いて、スキュー量SkをSk=tanθ=(V・Δt)/W1として演算する。なお、実施例1では、前記搬送速度V、センサ部の間隔W1は、予め設定、測定された値が使用される。
【0070】
(後処理装置U3の後処理制御部CBについて)
(後処理制御部CBに接続された信号出力要素)
後処理装置U3の後処理制御部CBは、本体側制御部Cやユニット制御部CAからの制御信号や、プレパンチセンサSN12、スリットセンサ37、ホームポジションセンサ41等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
SN12:プレパンチセンサ
プレパンチセンサSN12は、パンチ処理路SH6において、プレパンチセンサSN12の配置位置を通過する記録シートSのシート搬送方向の端縁を検出する。
37:スリットセンサ
スリットセンサ37は、スライダモータ31に支持された回転盤36のスリットを検出して、スライダモータ31の駆動軸31aの回転量を検出する。
41:ホームポジションセンサ
ホームポジションセンサ41は、スライダ17がホームポジションに移動しているか否かを検出する。なお、実施例1では、ホームポジションセンサ41は、スライダ17の後側開始位置Ps9に対応して配置されており、スライダ17が、ホームポジションとしての後側開始位置Ps9に移動しているか否かを検出する。
【0071】
(後処理制御部CBに接続された被制御要素)
後処理制御部CBは、パンチ搬送部材の駆動回路DB1、綴じ用搬送部材の駆動回路DB2、スライダの駆動回路DB3、端綴じ装置の制御回路DB4、中綴じ装置の制御回路DB5、端綴じ排出部の昇降回路DB6、その他の図示しない制御要素に接続されており、それらの作動制御信号を出力している。また、前記後処理制御部CBは、本体側制御部C、ユニット制御部CAに、制御の時期を調節する制御信号等を出力している。
DB1:パンチ搬送部材の駆動回路
第1の後処理装置の搬送部材の駆動回路の一例であって、穿孔処理の搬送部材の駆動回路の一例としてのパンチ搬送部材の駆動回路DB1は、後処理装置U3の第1の駆動源MB1を介して、パンチ処理路SH6の搬送ロールRa3,Ra4を駆動する。
DB2:綴じ用搬送部材の駆動回路
第2の後処理装置の搬送部材の駆動回路の一例であって、綴じ処理の搬送部材の駆動回路の一例としての綴じ用搬送部材の駆動回路DB2は、後処理装置U3の第2の駆動源MB2を介して、上端排出路SH7,第1後処理搬送路SH8、第2後処理搬送路SH9の搬送部材の一例としての搬送ロールRa5を駆動する。
【0072】
DB3:スライダの駆動回路
移動部材の駆動回路の一例としてのスライダの駆動回路DB3は、スライダモータ31を介して、スライダ17を移動させる。
DB4:端綴じ装置の制御回路
端綴じ装置の制御回路D8は、端綴じ装置HTSを制御して、記録シートSの束の整合やステープル等の端綴じを行う。
DB5:中綴じ装置の制御回路
中綴じ装置の制御回路DB5は、中綴じ装置NTSを制御して、記録シートSの束の中綴じを行う。
DB6:端綴じ排出部の昇降回路
媒体排出部の昇降回路の一例としての端綴じ排出部の昇降回路DB6は、媒体排出部の昇降用の駆動源の一例としての昇降モータMB3を介して、端綴じ排出部TH1を昇降させる。
【0073】
(後処理制御部CBの機能)
後処理制御部CBは、前記信号出力要素からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素に制御信号を出力する機能を有している。すなわち、後処理制御部CBは次の機能を有している。
CB1:設定情報の取得手段
設定情報の取得手段CB1は、本体側制御部Cを介して、情報処理装置PCから入力された設定情報を取得する。すなわち、実施例1の設定情報の取得手段CB1は、4孔前端パンチ11、兼用前方パンチ12、兼用後方パンチ13及び4孔後端パンチ14が、記録シートSに4つの孔を形成する処理の一例としての「4孔パンチ」を実行するか、前記兼用パンチ12,13で2つの孔のみを形成する処理の一例としての「2孔パンチ」を実行するか、「4孔パンチ」も「2孔パンチ」も実行しない処理の一例としての「パンチ無し」を実行するか、を特定する設定情報の一例としてのパンチ処理情報を取得する。なお、実施例1の設定情報の取得手段CB1は、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ処理無し」等の綴じ処理情報や、シート情報も取得する。
【0074】
CB2:後処理の判別手段
後処理の判別手段CB2は、前記設定情報の取得手段CB2により「4孔パンチ」のパンチ処理情報が取得された場合には、4孔パンチの処理を実行すると判別し、「2孔パンチ」のパンチ処理情報が取得された場合には、2孔パンチの処理を実行すると判別し、「パンチ無し」のパンチ処理情報が取得された場合には、パンチ無しの処理を実行、すなわち、パンチの処理を実行しないと判別する。なお、実施例1の後処理の判別手段CB2では、「端綴じ処理」、「中綴じ処理」、「綴じ無し整合処理」等を実行するか否かについても判別される。
【0075】
CB3:パンチ処理の制御手段
穿孔処理の制御手段の一例としてのパンチ処理の制御手段CB3は、スキュー量の取得手段CB3Aと、スキュー量の正負判別手段CB3Bと、ずれ量の演算手段CB3Cと、パンチの搬送手段CB3Dと、スライダの制御手段CB3Eとを有し、前記設定情報の取得手段CB1により取得されたパンチ処理情報に基づいて、パンチ11〜14や、搬送ロールRa3,Ra4の駆動制御を行う。
CB3A:スキュー量の取得手段
傾斜量の取得手段の一例としてのスキュー量の取得手段CB3Aは、ユニット制御部CAのスキュー演算手段CA2により演算されたスキュー量Skを取得する。実施例1のスキュー量の取得手段CB3Aは、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」又は「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スキュー量Skを取得する。
CB3B:スキュー量の正負判別手段
傾斜方向の判別手段の一例としてのスキュー量の正負判別手段CB3Bは、前記スキュー量の取得手段CB3Aにより取得されたスキュー量Skが、正であるか、負であるか、0であるかを判別する。
【0076】
CB3C:ずれ量の演算手段
ずれ量の算出手段の一例としてのずれ量の演算手段CB3Cは、4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1と、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2と、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3と、4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4と、を有し、前記スキュー量の取得手段CB3Aにより取得されたスキュー量Skに基づいて、パンチ11〜14によりパンチ孔が形成される記録シートS上の位置として予め設定された被穿孔位置の一例としての被パンチ位置S1,S2,S3,S4に関し、基準の姿勢の場合と、スキュー量Skを有する場合との間のずれ量ΔL1,ΔL2,ΔL3,ΔL4を演算する。
【0077】
図12は実施例1の記録シート上の被パンチ位置の説明図であり、図12Aは基準の姿勢の場合の説明図、図12Bはスキュー量を有する場合の説明図である。
なお、以降の説明においては、基準の姿勢、すなわち、傾斜していない場合の記録シートに関連する説明においては、符号S,Sa等で表し、スキュー量を有する姿勢、すなわち、傾斜時の記録シートに関連する説明においては、対応する符号をS′,Sa′等、符号「′」を付け加えて表す。
CB3C1:4孔前端ずれ量の演算手段
4孔前端のずれ量の算出手段の一例としての4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、4孔前端の被穿孔位置のずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。すなわち、図12において、前記4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、4孔前端の被穿孔位置の一例としての4孔前端被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の4孔前端被パンチ位置S1と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′と、の間のシート搬送方向に沿った4孔前端被パンチ位置のずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
【0078】
具体的には、実施例1では、傾斜していない状態の各被パンチ位置S1〜S4を結ぶ仮想線A1と、スキュー量Skの分だけ傾斜した仮想線A1′とに基づいて、4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。このとき、プレパンチセンサSN12のシート搬送方向下流側に対応する用紙幅方向の中央線A2と基準の仮想線A1と傾斜時の仮想線A1′とが交差する交点位置B1を基準として、シート搬送方向に沿った基準の4孔前端被パンチ位置S1と傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′とのずれ量である4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。したがって、実施例1の4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1は、以下の式(1)に基づいて4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
ΔL1=(3/2)×W2×tanθ=(3/2)×W2×Sk …式(1)
なお、前記4孔前端ずれ量ΔL1が正の場合には、傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′が、基準の4孔前端被パンチ位置S1に対して、4孔前端ずれ量ΔL1の大きさ分だけシート搬送方向下流側にずれ、前記4孔前端ずれ量ΔL1が負の場合には、傾斜時の4孔前端被パンチ位置S1′が、基準の4孔前端被パンチ位置S1に対して、4孔前端ずれ量ΔL1の大きさ分だけシート搬送方向上流側にずれる。
【0079】
CB3C2:兼用前方ずれ量の演算手段
兼用前方のずれ量の算出手段の一例としての兼用前方ずれ量の演算手段CB3C1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」または「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、兼用前方の被穿孔位置のずれ量である兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。すなわち、図12において、前記兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2は、兼用前方の被穿孔位置の一例としての兼用前方被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の兼用前方被パンチ位置S2と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用前方被パンチ位置のずれ量である兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
なお、実施例1の兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(2)に基づいて兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
ΔL2=(1/2)×W2×tanθ=(1/2)×W2×Sk …式(2)
【0080】
CB3C3:兼用後方ずれ量の演算手段
兼用後方のずれ量の算出手段の一例としての兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」または「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、兼用後方の被穿孔位置のずれ量である兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。すなわち、図12において、前記兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、兼用後方の被穿孔位置の一例としての兼用後方被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の兼用後方被パンチ位置S3と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用後方被パンチ位置のずれ量である兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
なお、実施例1の兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(3)に基づいて兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。なお、兼用後方ずれ量ΔL3では、兼用後方被パンチ位置S3′が4孔前端被パンチ位置S1′とはシート搬送方向で逆にずれており、実施例1では、負号、すなわち、マイナスが付く。
ΔL3=−(1/2)×W2×tanθ=−(1/2)×W2×Sk …式(3)
【0081】
CB3C4:4孔後端ずれ量の演算手段
4孔後端のずれ量の算出手段の一例としての4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スキュー量Skに基づいて、4孔後端の被穿孔位置のずれ量である4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。すなわち、図12において、前記4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、4孔後端の被穿孔位置の一例としての4孔後端被パンチ位置に関し、基準の姿勢の記録シートS上の4孔後端被パンチ位置S4と、スキュー量Skを有する姿勢の記録シートS′上の4孔後端被パンチ位置S4′と、の間のシート搬送方向に沿った兼用後方被パンチ位置のずれ量である4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。
なお、実施例1の4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4は、4孔前端被パンチ位置S1′の場合と同様にして、以下の式(4)に基づいて4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。なお、4孔後端ずれ量ΔL4では、4孔後端被パンチ位置S4′が4孔前端被パンチ位置S1′とはシート搬送方向で逆にずれており、マイナスが付く。
ΔL4=−(3/2)×W2×tanθ=−(3/2)×W2×Sk …式(4)
【0082】
CB3D:パンチの搬送手段
第1の後処理の搬送部材の制御手段の一例であって、穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としてのパンチの搬送手段CB3Dは、4孔搬送手段CB3D1と、2孔搬送手段CB3D2と、パンチ無し搬送手段CB3D3と、を有し、前記パンチ搬送部材の駆動回路DB1を介して、第1の駆動源MB2の駆動を制御し、搬送ロールRa3,Ra4による記録シートSの搬送を制御する。
CB3D1:4孔搬送手段
4孔穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としての4孔搬送手段CB3D1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記ずれ量の演算手段CB3Cにより演算された各ずれ量ΔL1〜ΔL4に基づいて、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動させて記録シートS,S′を搬送して、各被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′が前記パンチ11〜14の配置位置P1に移動した場合に搬送ロールRa3,Ra4を停止させる。
【0083】
具体的には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、以下の制御を行う。
図3、図12において、実施例1では、プレパンチセンサSN12は、パンチ11〜14の配置位置P1に対して予め設定された長さLaだけシート搬送方向上流側の位置P2に配置されている。また、前記被パンチ位置S1,S2,S3,S4は、実施例1では、記録シートS上の搬送方向後端Saから長さLbだけ離れた位置に設定されている。
したがって、実施例1の4孔搬送手段CB3D1では、スキュー量Skが0の場合、すなわち、ずれ量ΔL1〜ΔL4が0の場合には、記録シートSの後端Saが、プレパンチセンサSN12の配置位置P2に対して長さ(La−Lb)分だけシート搬送方向下流側に搬送される位置で、記録シートSを停止させる。
すなわち、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、スキュー量Skが0の場合には、プレパンチセンサSN12により記録シートSの後端Saが検出された後、長さ(La−Lb)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSにパンチ11〜14によりパンチ孔が形成されると、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を再開して記録シートSを下流側に搬送させる。
【0084】
これに対して、スキュー量Skを有する場合には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、記録シートS′の後端Sa′が、プレパンチセンサSN12の配置位置P2に対して長さ{(La−Lb)−ΔL1},{(La−Lb)−ΔL2},{(La−Lb)−ΔL3},{(La−Lb)−ΔL4}分だけシート搬送方向下流側に搬送される各位置で、記録シートSを停止させる。
すなわち、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、スキュー量Skが正の場合には、プレパンチセンサSN12により記録シートS′の後端Sa′が検出された後、長さ{(La−Lb)−ΔL1}分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに4孔前端パンチ11によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL1−ΔL2)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。
【0085】
そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに兼用前方パンチ12によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL2−ΔL3)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに兼用後方パンチ13によりパンチ孔が形成されると、駆動を再開して、長さ(ΔL3−ΔL4)分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、停止させた記録シートSに4孔後端パンチ14によりパンチ孔が形成されると、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を再開して記録シートSを下流側に搬送させる。
【0086】
同様にして、スキュー量Skが負の場合には、実施例1の4孔搬送手段CB3D1は、プレパンチセンサSN12により記録シートS′の後端Sa′が検出された後、長さ{(La−Lb)−ΔL4},(ΔL4−ΔL3),(ΔL3−ΔL2),(ΔL2−ΔL1)分ずつ順に、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させて、記録シートSを下流側に搬送させる。なお、記録シートS′には、停止する位置に応じて、パンチ14〜11により、順に、パンチ孔が形成される。
【0087】
CB3D2:2孔搬送手段
2孔穿孔処理の搬送部材の制御手段の一例としての2孔搬送手段CB3D2は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記ずれ量の演算手段CB3Cにより演算されたずれ量ΔL2,ΔL3に基づいて、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動させて記録シートS,S′を搬送して、各被パンチ位置S2,S3,S2′,S3′が前記パンチ12,13の配置位置P1に移動した場合に搬送ロールRa3,Ra4を停止させる。なお、実施例1の2孔搬送手段CB3D2では、4孔ずれ量ΔL1,ΔL4に基づく制御が省略され、兼用パンチ12,13の配置位置P1に被パンチ位置S2〜S3′が移動した場合にのみ、搬送ロールRa3,Ra4を停止させる点以外は、前記4孔搬送制御手段CB3D2と同様の制御が行われるので、詳細な説明は省略する。
CB3D3:パンチ無し搬送手段
穿孔無し処理の搬送部材の制御手段の一例としてのパンチ無し搬送手段CB3D3は、前記後処理の判別手段CB2により「パンチ無し」の処理を実行すると判別された場合に、前記搬送ロールRa3,Ra4を駆動して記録シートS,S′を下流側に搬送する。
【0088】
CB3E:スライダの制御手段
穿孔部材の制御手段の一例であって、移動部材の制御手段の一例としてのスライダの制御手段CB3Eは、4孔パンチ手段CB3E1と、2孔パンチ手段CB3E2とを有し、前記スリットセンサ37とホームポジションセンサ41の検出信号に基づいて、前記スライダの駆動回路DB3を介してスライダモータ31の駆動を制御する。これにより、前記スライダの制御手段CB3Eは、スライダ17の移動を制御して、パンチ11〜14の移動を制御する。
【0089】
CB3E1:4孔パンチ手段
4孔の穿孔部材の制御手段の一例としての4孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スライダ17を後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps4との間で移動させて、4つのパンチ11〜14を上昇位置とパンチ下降位置との間で移動させる。
具体的には、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、離間移動位置の一例であって、4孔の準備位置の一例として、後側開始位置Ps9と中央開始位置Ps9との中間の位置、すなわち、4孔用の前パンチ位置Ps6から(W11/2)後方に移動した図9Eに示す4孔準備位置Ps13に移動させる。
【0090】
そして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが正と判別された場合には、スライダ17を4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、4孔前端被パンチ位置S1′が4孔前端パンチ11の配置位置P1に移動して記録シートSが停止した場合、すなわち、前記4孔搬送手段CB3D1により搬送ロールRa3,Ra4が1度目に停止された場合に、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて前記4孔前端のパンチ位置Ps5よりも後方に移動した離間移動位置Ps12まで移動させる。これにより、4孔前端パンチ11が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、4孔前端被パンチ位置S1′にパンチ孔が形成される。
【0091】
同様にして、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、各被パンチ位置S2′〜S4′が各パンチ12〜14の配置位置P1に移動して記録シートSが停止した場合、すなわち、前記4孔搬送手段CB3D1により搬送ロールRa3,Ra4が2度目〜4度目に停止された各場合に、スライダ17を、各離間移動位置Ps12,Ps13,Ps14から、各パンチ位置Ps6,Ps7,PS8を通過させて各パンチ位置Ps6,Ps7,PS8よりも後方に移動した離間移動位置Ps13,Ps14,Ps9まで移動させる。これにより、各パンチ12〜14が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S2′〜S4′にパンチ孔が形成される。
【0092】
また、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが負と判別された場合には、スライダ17を4孔準備位置Ps11から後側開始位置Ps9に移動させる。そして、その後は、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1では、移動させる方向が前後逆になる点以外は、スキュー量Skが正の場合と同様に、搬送ロールRa3,Ra4が停止する毎に、前記スライダ17を、各離間移動位置Ps9,Ps14,Ps13,Ps12から、各パンチ位置Ps8,Ps7,Ps6,Ps5を通過させて各パンチ位置Ps8,Ps7,Ps6,Ps5よりも前方に移動した各離間移動位置Ps14,Ps13,Ps12,Ps4まで移動させる。
なお、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1では、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bにより、スキュー量が0と判別された場合には、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止した場合に、スライダ17を、中央開始位置Ps4から後側開始位置Ps9まで移動させる。
したがって、これらにより、4つのパンチ11〜14が順に上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′にパンチ孔が形成される。
【0093】
CB3E2:2孔パンチ手段
2孔の穿孔部材の制御手段の一例としての2孔パンチ手段CB3E2は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、前記スライダ17を前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間で移動させて、2つのパンチ12,13を上昇位置とパンチ下降位置との間で移動させる。
具体的には、実施例1の2孔パンチ手段CB3E1は、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、離間移動位置の一例であって、2孔の準備位置の一例として、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との中間の位置、すなわち、2孔用の前パンチ位置Ps2からW11後方に移動した図9Bに示す2孔準備位置Ps11に移動させる。
【0094】
そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが正と判別された場合には、スライダ17を2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E1は、記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′が兼用前方パンチ12の配置位置P1に移動して、記録シートSが停止した場合、すなわち、前記2孔搬送手段CB3D2により搬送ロールRa3,Ra4が1度目に停止された場合に、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、2孔用の前パンチ位置Ps1を通過させて前記2孔準備位置Ps11まで移動させる。これにより、兼用前方パンチ12が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、兼用前方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。
【0095】
そして、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′が兼用後方パンチ13の配置位置P1に移動して、記録シートS′が停止した場合、すなわち、前記2孔搬送手段CB3D2により搬送ロールRa3,Ra4が2度目に停止された場合に、スライダ17を、2孔準備位置Ps12から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて前記中央開始位置Ps4まで移動させる。これにより、兼用後方パンチ13が、上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、兼用後方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。
【0096】
また、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2は、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bによりスキュー量Skが負と判別された場合には、スライダ17を2孔準備位置Ps11から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、その後は、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2では、移動させる方向が前後逆になる点以外は、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止する毎に、前記スライダ17を、各離間移動位置Ps4,Ps12から、各パンチ移動位置Ps3,Ps2を通過させて離間移動位置Ps12、Ps1に移動させる。
なお、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2では、前記スキュー量の正負判別手段CB3Bにより、スキュー量が0と判別された場合には、スキュー量Skが正の場合と同様にして、搬送ロールRa3,Ra4が停止した場合に、前側開始位置Ps1から中央開始位置Ps1に移動させる。
したがって、これらにより、2つのパンチ12,13が順に上昇位置から下降した後、上昇位置に戻り、各被パンチ位置S2,S3,S2′,S3′にパンチ孔が形成される。
【0097】
ここで、実施例1では、スライダモータ17が正駆動する場合には、兼用前方パンチ12により第1の穿孔部材12が構成され、兼用後方パンチ13により第2の穿孔部材13が構成され、4孔後端パンチ14により第3の穿孔部材14が構成される。
したがって、この場合、兼用前方パンチ12により第1の穿孔が形成されると共に、兼用前方被パンチ位置S2,S2′により第1の被穿孔位置S2,S2′が構成され、兼用前方ずれ量ΔL2により第1のずれ量ΔL2が構成され、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2により第1の算出手段CB3C2が構成される。また、この場合、兼用後方パンチ13により第2の穿孔が形成されると共に、兼用後方被パンチ位置S3,S3′により第2の被穿孔位置S3,S3′が構成され、兼用後方ずれ量ΔL3により第2のずれ量ΔL3が構成され、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3により第2の算出手段CB3C3が構成される。さらに、この場合、4孔後端パンチ14により第3の穿孔が形成されると共に、4孔後端被パンチ位置S4,S4′により第3の被穿孔位置S4,S4′が構成され、4孔後端ずれ量ΔL4により第3のずれ量ΔL4が構成され、4孔後端ずれ量の演算手段CB3C4により第3の算出手段CB3C4が構成される。
【0098】
また、実施例1では、スライダモータ17が逆駆動する場合には、兼用後方パンチ13により第1の穿孔部材13が構成され、兼用前方パンチ12により第2の穿孔部材12が構成され、4孔前端パンチ11により第3の穿孔部材11が構成される。
したがって、この場合、兼用後方パンチ13により第1の穿孔が形成されると共に、兼用後方被パンチ位置S3,S3′により第1の被穿孔位置S3,S3′が構成され、兼用後方ずれ量ΔL3により第1のずれ量ΔL3が構成され、兼用後方ずれ量の演算手段CB3C3により第1の算出手段CB3C3が構成される。また、この場合、兼用前方パンチ12により第2の穿孔が形成されると共に、兼用前方被パンチ位置S2,S2′により第2の被穿孔位置S2,S2′が構成され、兼用前方ずれ量ΔL2により第2のずれ量ΔL2が構成され、兼用前方ずれ量の演算手段CB3C2により第2の算出手段CB3C2が構成される。さらに、この場合、4孔前端パンチ11により第3の穿孔が形成されると共に、4孔前端被パンチ位置S1,S1′により第3の被穿孔位置S1,S1′が構成され、4孔前端ずれ量ΔL1により第3のずれ量ΔL1が構成され、4孔前端ずれ量の演算手段CB3C1により第3の算出手段CB3C1が構成される。
【0099】
CB4:綴じ用搬送部材の制御手段
第2の後処理装置の搬送部材の一例であって、綴じ処理の搬送部材の制御手段の一例としての綴じ用搬送部材の制御手段CB4は、前記綴じ用搬送部材の駆動回路DB2を介して、第2の駆動源MB2の駆動を制御し、上端排出路SH7,第1後処理搬送路SH8、第2後処理搬送路SH9の搬送ロールRa5による記録シートSの搬送を制御する。
CB5:端綴じ装置の制御手段
端綴じ装置の制御手段CB5は、前記後処理の判別手段CB2により「端綴じ処理」が設定されていると判別された場合に、端綴じ装置の制御回路DB4を介して、端綴じ装置HTSを制御して、記録シートSの束の整合やステープル等の端綴じの処理を行う。
【0100】
CB6:中綴じ装置の制御手段
中綴じ装置の制御手段CB6は、前記後処理の判別手段CB2により「中綴じ処理」が設定されていると判別された場合に、中綴じ装置の制御回路DB5を介して、中綴じ装置NTSを制御して、記録シートSの束の中綴じを行う。
CB7:端綴じ排出部の昇降制御手段
媒体排出部の移動制御手段の一例としての昇降制御手段CB7は、昇降制御回路DBを介して、昇降モータMB3を制御して、端綴じ排出部TH1を昇降させる。
【0101】
(プリンタUのフローチャートの説明)
次に、実施例1のプリンタUにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。なお、実施例1におけるスキュー量の検出処理や、端閉じ装置の制御処理、中綴じ装置の制御処理、綴じ用搬送部材の制御処理等については、従来公知の構成であり、簡単のため、図示及び詳細な説明を省略する。
(実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明)
図13は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図である。
図14は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13の続きの説明図である。
図15は実施例1のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図13、図14の続きの説明図である。
図13〜図15のフローチャートの各ステップSTの処理は、後処理装置U3の後処理制御部CB等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して実行される。
図13〜図15に示すフローチャートはプリンタUの電源投入により開始される。
【0102】
図13のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、パンチ処理情報などの設定情報を取得して、ST3に移る。
ST3において、4孔パンチが設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合は図15に示すST41に移る。
ST4において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始する。そして、ST5に移る。
ST5において、スライダ17を4孔準備位置Ps13に移動させる。そして、ST6に移る。
【0103】
ST6において、スキュー量演算手段CA2により演算されたスキュー量Skが取得されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に移り、ノー(N)の場合はST6を繰り返す。
ST7において、次の(1)〜(4)の処理を実行する。そして、ST8に移る。
(1)4孔前端ずれ量ΔL1を演算する。
(2)兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
(3)兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
(4)4孔後端ずれ量ΔL4を演算する。
ST8において、スキュー量Skが正か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合は図14に示すST19に移る。
ST9において、スライダ17を、4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST10に移る。
【0104】
ST10において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に移り、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
ST11において、長さ{(La−Lb)−ΔL1}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST12に移る。
ST12において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて離間移動位置Ps12まで移動させる。そして、ST13に移る。
ST13において、長さ(ΔL1−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST14に移る。
ST14において、スライダ17を、離間移動位置Ps12から、4孔用の前パンチ位置Ps6を通過させて、4孔準備位置Ps13、すなわち、離間移動位置Ps13まで移動させる。そして、ST15に移る。
【0105】
ST15において、長さ(ΔL2−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST16に移る。
ST16において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔用の後パンチ位置Ps7を通過させて離間移動位置Ps14まで移動させる。そして、ST17に移る。
ST17において、長さ(ΔL3−ΔL4)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST18に移る。
ST18において、スライダ17を、離間移動位置Ps14から、4孔後端のパンチ位置Ps8を通過させて後側開始位置Ps9まで移動させる。そして、ST34に移る。
【0106】
図14のST19において、スキュー量Skが負か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST20に移り、ノー(N)の場合はST30に移る。
ST20において、スライダ17を、4孔準備位置Ps11から後側開始位置Ps9に移動させる。そして、ST21に移る。
ST21において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に移り、ノー(N)の場合はST21を繰り返す。
ST22において、長さ{(La−Lb)−ΔL4}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST23に移る。
ST23において、スライダ17を、後側開始位置Ps9から、4孔後端のパンチ位置Ps8を通過させて離間移動位置Ps14まで移動させる。そして、ST24に移る。
ST24において、長さ(ΔL4−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST25に移る。
ST25において、スライダ17を、離間移動位置Ps14から、4孔用の後パンチ位置Ps7を通過させて、4孔準備位置Ps13、すなわち、離間移動位置Ps13まで移動させる。そして、ST26に移る。
【0107】
ST26において、長さ(ΔL3−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST27に移る。
ST27において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔用の前パンチ位置Ps6を通過させて離間移動位置Ps12まで移動させる。そして、ST28に移る。
ST28において、長さ(ΔL2−ΔL1)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST29に移る。
ST29において、スライダ17を、離間移動位置Ps13から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、図13に示すST34に移る。
【0108】
図14のST30において、スライダ17を、4孔準備位置Ps13から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST31に移る。
ST31において、記録シートSの後端SaがプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に移り、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、長さ(La−Lb)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST33に移る。
ST33において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、パンチ位置Ps5〜Ps8を通過させて後側開始位置Ps9まで移動させる。そして、図13に示すST34に移る。
図13のST34において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成された記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST35に移る。
ST35において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST5に戻る。
【0109】
図15のST41において、2孔パンチが設定されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST42に移り、ノー(N)の場合はST66に移る。
ST42において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始する。そして、ST43に移る。
ST43において、スライダ17を2孔準備位置Ps11に移動させる。そして、ST44に移る。
【0110】
ST44において、スキュー量演算手段CA2により演算されたスキュー量Skが取得されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST45に移り、ノー(N)の場合はST44を繰り返す。
ST45において、次の(1),(2)の処理を実行する。そして、ST46に移る。
(1)兼用前方ずれ量ΔL2を演算する。
(2)兼用後方ずれ量ΔL3を演算する。
ST46において、スキュー量Skが正か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST47に移り、ノー(N)の場合はST53に移る。
ST47において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、ST48に移る。
【0111】
ST48において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST49に移り、ノー(N)の場合はST48を繰り返す。
ST49において、長さ{(La−Lb)−ΔL2}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST50に移る。
ST50において、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、2孔用の前パンチ位置Ps2を通過させて、2孔準備位置Ps11、すなわち、離間移動位置Ps11まで移動させる。そして、ST51に移る。
ST51において、長さ(ΔL2−ΔL3)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST52に移る。
ST52において、スライダ17を、離間移動位置Ps11から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0112】
ST53において、スキュー量Skが負か否かを判別する。イエス(Y)の場合はST54に移り、ノー(N)の場合はST60に移る。
ST54において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から中央開始位置Ps4に移動させる。そして、ST55に移る。
ST55において、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST56に移り、ノー(N)の場合はST55を繰り返す。
ST56において、長さ{(La−Lb)−ΔL3}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST57に移る。
ST57において、スライダ17を、中央開始位置Ps4から、2孔用の後パンチ位置Ps3を通過させて、2孔準備位置Ps11、すなわち、離間移動位置Ps11まで移動させる。そして、ST58に移る。
ST58において、長さ(ΔL3−ΔL2)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST59に移る。
ST59において、スライダ17を、離間移動位置Ps11から、2孔用の前パンチ位置Ps2を通過させて前側開始位置Ps1まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0113】
ST60において、スライダ17を、2孔準備位置Ps11から前側開始位置Ps1に移動させる。そして、ST61に移る。
ST61において、記録シートSの後端SaがプレパンチセンサSN12を通過したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST62に移り、ノー(N)の場合はST61を繰り返す。
ST62において、長さ(La−Lb)の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる。そして、ST63に移る。
ST63において、スライダ17を、前側開始位置Ps1から、パンチ位置Ps2,Ps3を通過させて中央開始位置Ps4まで移動させる。そして、ST64に移る。
【0114】
ST64において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成された記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST65に移る。
ST65において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図13に示すST1に戻り、ノー(N)の場合はST43に移る。
ST66において、搬送ロールRa3,Ra4の駆動を開始して、パンチ孔の形成されない記録シートS,S′を下流側に搬送する。そして、ST67に移る。
ST67において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合は図13のST1に戻り、ノー(N)の場合はST67を繰り返す。
【0115】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、情報処理装置PCから、パンチ処理情報などの後処理設定情報と共に画像情報が送信されると、ジョブが実行される。ジョブが実行されたプリンタUでは、給紙トレイTR1〜TR4から記録シートSが搬送路SH1に供給され、レジロールRrで湾曲、いわゆる、ループが形成されて記録シートSの姿勢が揃えられる。姿勢が揃えられた記録シートSは、二次転写領域Q4に搬送されて画像が転写され、定着領域Q5で画像が定着された後、シート搬送ユニットU2に搬送されて、シート搬送ユニットU2の連絡用搬送路SH5を搬送される。
連絡用搬送路SH5に搬送された記録シートSは、後処理装置U3に搬送されて、後処理設定情報に応じた後処理が行われると、媒体排出部TH1などに排出される。
【0116】
ここで、レジロールRrで姿勢が揃えられた記録シートSは、後処理装置U3に搬入されるまでの間に、記録シートSの固体差や、搬送部材Ra,Rh,Ra2の磨耗、搬送路の内壁との接触などで、基準の姿勢に対して傾斜する場合がある。したがって、実施例1では、スキューセンサSN11によりスキュー量Skが検出された後に、後処理が行われる。
実施例1の後処理装置U3では、4孔パンチの処理が設定されている場合、パンチ孔形成処理のST3〜ST8が実行されて、スライダ17が4孔準備位置Ps13に移動する。そして、シートユニットU2の連絡用搬送路SH5を記録シートSが搬送されて、ユニット制御部CAにおいてスキュー量Skが検出、演算されると、後処理制御部CBに前記スキュー量Skが取得され、ずれ量ΔL1〜ΔL4が演算されると共に、スキュー量Skの正負が判別される。
【0117】
図16は4孔パンチを形成する場合でスキュー量が正の場合の実施例1の作用説明図であり、図16Aは記録シートの後端がプレパンチセンサを通過する際の説明図、図16Bは図16Aの続きの説明図であり4孔前端被パンチ位置が4孔前端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Cは図16Bの続きの説明図であり兼用前方被パンチ位置が兼用前方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Dは図16Cの続きの説明図であり兼用後方被パンチ位置が兼用後方パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Eは図16Dの続きの説明図であり4孔後端被パンチ位置が4孔後端パンチの配置位置に移動した状態の説明図、図16Fは図16Eの続きの説明図であり4孔パンチが形成されて下流側に搬送される記録シートの説明図である。
【0118】
スキュー量Skが正の場合には、パンチ孔形成処理のST9が実行されて、スライダ17が中央開始位置Ps4に移動する。そして、図16Aに示すように、記録シートS′の後端Sa′がプレパンチセンサSN12により検出されると、パンチ孔形成処理のST11が実行されて、長さ{(La−Lb)−Δ1}の分だけ、搬送ロールRa3,Ra4が駆動して記録シートS′が搬送される。すなわち、パンチ孔形成処理のST11が実行されると、記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′が4孔前端パンチ11の配置位置P1に移動した図16Bに示す場合に、搬送ロールRa3,Ra4が停止して、記録シートS′が停止する。
【0119】
搬送ロールRa3,Ra4が停止すると、パンチ孔形成処理のST12が実行されて、スライダ17が、中央開始位置Ps4から、4孔前端のパンチ位置Ps5を通過して離間移動位置Ps12まで移動する。したがって、このとき、パンチ11〜14のうちの4孔前端パンチ11のみが、上昇位置から下降した後に上昇位置まで戻る。すなわち、4孔前端パンチ11のみが作動して、記録シートS′上の4孔前端被パンチ位置S1′にパンチ孔が形成される。
そして、スライダ17が離間移動位置Ps12に移動すると、パンチ孔形成処理のST13,ST14が実行されて、長さ(Δ1−Δ2)の分だけ搬送ロールRa3,Ra4が駆動して停止し、記録シートS′上の兼用前方被パンチ位置S2′が兼用前方パンチ12の配置位置P1に移動した図16Cに示す場合に、スライダ17が、離間移動位置Ps12から離間移動位置Ps13まで移動する。よって、このとき、兼用前方パンチ12のみが作動して、兼用前方被パンチ位置S2′にパンチ孔が形成される。
【0120】
同様に、パンチ孔形成処理のST15,ST16が実行されて、記録シートS′上の兼用後方被パンチ位置S3′が兼用後方パンチ13の配置位置P1に移動した図16Dに示す場合に、兼用後方パンチ13のみが作動して、兼用後方被パンチ位置S3′にパンチ孔が形成される。また、パンチ孔形成処理のST17,ST18が実行されて、記録シートS′上の4孔後端被パンチ位置S4′が4孔後端パンチ14の配置位置P1に移動した図16Eに示す場合に、4孔後端パンチ14のみが作動して、4孔後端被パンチ位置S4′にパンチ孔が形成される。
そして、記録シートS′上に4つのパンチ孔が形成されると、パンチ孔形成処理のST34が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が駆動を再開し、図16Fに示すように、パンチ孔が形成された記録シートS′が下流側に搬送される。
【0121】
また、スキュー量Skが負の場合には、パンチ孔形成処理のST20〜ST29が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S4′〜S1′がパンチ14〜11の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ14,13,12,11の順に、パンチ14〜11が作動して、被パンチ位置P4′〜P1′にパンチ孔が順に形成される。
そして、スキュー量Skが0の場合には、パンチ孔形成処理のST33〜ST36が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が1度停止して、スライダ17が中央開始位置Ps4から後側開始位置Ps9に移動して、各パンチ11〜14が作動して、各被パンチ位置P1〜P4に一度にパンチ孔が形成される。
【0122】
さらに、2孔パンチの処理が設定されている場合には、パンチ孔形成処理のST42〜ST45が実行されて、スライダ17が2孔準備位置Ps11に移動し、ずれ量ΔL2,ΔL3が演算されると共に、スキュー量Skの正負が判別される。そして、パンチ孔形成処理のST46〜ST63が実行されて、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動して、記録シートS,S′にパンチ孔が形成される。
すなわち、スキュー量Skが正の場合には、パンチ孔形成処理のST47〜ST52が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S2′,S3′がパンチ12,13の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ12,13の順に、パンチ12,13が作動し、被パンチ位置P2′,P3′にパンチ孔が順に形成される。
【0123】
また、スキュー量Skが負の場合には、パンチ孔形成処理のST54〜ST59が実行されて、記録シートS′上の各被パンチ位置S3′,S2′がパンチ13,12の配置位置P1に移動する度に搬送ロールRa3,Ra4が停止し、これに応じて、パンチ13,12の順にパンチ13、12が作動して、被パンチ位置P3′,P2′にパンチ孔が順に形成される。
そして、スキュー量Skが0の場合には、パンチ孔形成処理のST33〜ST36が実行されて、搬送ロールRa3,Ra4が1度停止して、スライダ17が前側開始位置Ps1から中央開始位置Ps4に移動して、各パンチ11〜14が作動し、各被パンチ位置P1〜P4にパンチ孔が一度に形成される。
【0124】
図17は複数のパンチが一度に作動する従来の構成の説明図であり、図17Aは記録シートが傾斜していない場合の説明図、図17Bは記録シートSが傾斜している場合の説明図である。
図17において、複数のパンチが一度に作動する従来の構成では、各パンチ11〜14の配置位置P1に各被パンチ位置S1〜S4が移動する場合に限り、パンチ孔が被パンチ位置S1〜S4に形成される。
すなわち、プレパンチセンサSN12により記録シートSの後端Saが検出されてから、長さ(La−Lb)の分だけ搬送ロールRa3,Ra4を駆動して停止させる場合に、傾斜していない記録シートSでは、図17Aに示すように、被パンチ位置S1〜S4がパンチ11〜14の配置位置P1に移動して停止する。したがって、傾斜していない記録シートSの場合、パンチ11〜14が一度に作動しても、被パンチ位置S1〜S4にパンチ孔が形成され、後端Saに沿ってパンチ孔が形成される。
【0125】
一方で、傾斜した記録シートS′の場合に、傾斜していない記録シートSと同様にして搬送されると、図17Bに示すように、被パンチ位置S1′〜S4′が、パンチ11〜14の配置位置P1から、ずれ量ΔL1〜ΔL4の分ずれた状態で停止してしまう。よって、傾斜した記録シートS′の場合には、パンチ11〜14が一度に作動すると、被パンチ位置S1′〜S4′から、ずれ量ΔL1〜ΔL4の分ずれた位置にパンチ孔が形成されてしまい、後端Sa′に対して傾斜した状態でパンチ孔が形成されてしまう。また、パンチ孔がシート後端Sa′に対して傾斜して形成されると、事務用品の一例としてのファイルやバインダー、綴じ紐などで、記録シートS,S′のパンチ孔を綴じる場合に、傾斜せずに形成されたパンチ孔や、様々な角度で傾斜して形成されたパンチ孔が混在して、記録シートS,S′の綴じ束の整合性が悪化する。
【0126】
これに対して、実施例1では、前方から後方に順に配置された各パンチ11〜14が、スライダ17の移動に伴って、正順、逆順に、時期をずらして作動可能な構成である。すなわち、実施例1では、スキュー量Skに応じて、搬送ロールRa3,Ra4の駆動が制御されると共に、パンチ11〜14の作動が制御されることで、記録シートS′上の被パンチ位置S1′〜S4′がパンチ11〜14の配置位置P1に停止する度に、パンチ11〜14が正順、逆順に作動して、被パンチ位置S1′〜S4′にパンチ孔が順に形成される。
よって、実施例1では、複数のパンチが一度に作動する構成とは異なり、記録シートS′の姿勢に応じて記録シートS′に精度良くパンチ孔が形成されており、傾斜した記録シートS′であっても、後端Sa′に沿って精度良くパンチ孔が形成される。なお、これにより、パンチ孔を綴じる場合にも、複数のパンチが一度に作動する構成に比べて、記録シートS,S′の綴じ束の整合性が向上する。
【0127】
また、実施例1のパンチユニットPUでは、スライダ17が前後に移動して、スライダ17のガイド21〜24の下方湾曲部21b〜24bが、パンチ11〜14のピン11a〜14aを下方に案内することで、パンチ11〜14が作動する。
ここで、実施例1では、4孔前端ガイド21及び4孔後端ガイド24には、各ガイド21,24の中央位置P11,P41よりも前方にのみ下方湾曲部21b,24bを設ける一方で、兼用前方ガイド22及び兼用後方ガイド23には、中央位置P21,P31の前後両側に下方湾曲部22b,22d,23b,23dを、それぞれ、設けている。
したがって、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間を移動した場合に、2つパンチ12,13のみが作動し、スライダ17が中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動した場合に、4つのパンチ11〜14が作動する。
すなわち、実施例1では、2孔のパンチと、4孔内側の2つのパンチとを共通化しており、2孔の各パンチと4孔の各パンチとを、シート搬送方向上流側と下流側とに別々に設ける構成に比べて、構成が簡素化されている。
【0128】
さらに、実施例1では、定着領域Q5のシート搬送方向下流側であって、パンチユニットPUのシート搬送方向上流側に、記録シートS,S′の姿勢を揃える構成を設けることなく、記録シートS′の姿勢に応じてパンチ孔を形成している。すなわち、実施例1では、記録シートS,S′の姿勢を揃え直すことなく、記録シートS,S′の姿勢に応じてパンチ孔を形成しており、記録シートS,S′を揃え直す構成を設ける場合に比べて、パンチ処理機構PSK全体の構成が簡素化され易い。
【0129】
なお、従来、記録シートSの姿勢を揃え直してパンチ孔を形成する構成としては、記録シートS,S′をスイッチバックさせて、シート後端Sa,Sa′を被突き当て部材に突き当てて姿勢を揃えた後に、記録シートS,S′にパンチ孔を形成する構成があった。この従来の構成では、姿勢を揃える工程に時間がかかり易く、また、スイッチバック時の記録シートと搬送路の内壁との摺擦音や、突き当て時の衝突音などが騒音となることもあった。
これに対して、実施例1では、スイッチバックさせて姿勢を揃え直さなくても、精度良くパンチ孔が形成されており、スイッチバックさせて姿勢を揃え直す構成に比べて、単位時間当たりにパンチ孔が形成される記録シートの枚数が多くなり、生産性が向上すると共に、スイッチバック時の摺擦音や衝突音などの騒音も発生し難くなっている。
【実施例2】
【0130】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0131】
(実施例2のプリンタUの説明)
(実施例2のシート搬送ユニットU2の説明)
図18は本発明の実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図1に対応する図である。
図19は実施例2のシート搬送ユニットの連絡用搬送路の説明図である。
図18、図19において、実施例2の連絡用搬送路SH5のシート搬送方向中央部には、姿勢傾斜用の搬送部材の一例としてのスキューロール61が配置されている。図19において、前記スキューロール61は、用紙幅方向、すなわち、前後方向に一対配置された前側ロール62と後側ロール63とを有する。前記前側ロール62と後側ロール63とは、同一の回転軸に支持されており、ユニット搬送部材の駆動源MA1から動力が伝達されて駆動する。ここで、実施例2の後側ロール63は、前側ロール62に比べて小径に形成されており、後側ロール63の搬送速度は、前側ロール62に比べて遅い。したがって、記録シートS,S′がスキューロール61に搬送される場合、記録シートS,S′には、図19において反時計回り方向に回転する方向の搬送力が加わっており、記録シートS,S′は傾斜しながら搬送されると共に、後方に寄せられながら搬送される。なお、実施例2のスキューロール61では、前側ロール62と、後側ロール63との径の差は、予め実験、測定された結果に基づいて設定されている。すなわち、スキューロール61が無い場合のスキュー量Skが予め検出、測定されており、前記測定結果に基づいて、負のスキュー量Skを打ち消し可能な程度の傾斜が加わるようにロール62,63が構成されている。
【0132】
図19において、前記スキューロール61の後方には、過傾斜制限壁の一例として、連絡用搬送路SH5に沿って左右方向に延びるストッパ壁64が支持されている。前記ストッパ壁64は、スキューロール61により傾斜される記録シートS′の用紙幅方向の後端縁に接触可能に構成されており、記録シートS′がスキューロール61により過大に傾斜されて、シート搬送方向下流側の後端縁がサイドガイド61に寄せられる場合に接触する。なお、実施例2のストッパ壁64は、図示しない制御手段で前後方向に移動可能に構成されており、短辺送り、長辺送り等のシート送出方向や、記録シートSの大きさ等に基づいて、前後方向の位置が予め設定されている。
【0133】
よって、実施例2では、スキュー量Skが負、0の姿勢の記録シートS′,Sがスキューロール61に進入した場合には、スキューロール61により反時計回り方向の傾斜が加えられて、スキュー量Skが正の姿勢に傾斜する。また、スキュー量Skが正の姿勢の記録シートS′がスキューロール61に進入した場合には、スキューロール61により反時計回り方向の傾斜が加えられて、進入前よりも大きなスキュー量Skの姿勢に傾斜したり、記録シートS′のシート搬送方向下流側の後端縁が、傾斜ストッパ64に接触して傾斜が制限されたりする。
すなわち、スキューロール61とストッパ壁64を備えた実施例2では、記録シートS,S′がスキューロール61を通過する際にスキュー量Skが正の姿勢となり、スキューセンサSN11により検出されるスキュー量Skは、大き過ぎない正の値として検出される。
【0134】
(実施例2のプリンタUの制御部の説明)
図20は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、本体側制御部とユニット制御部の説明図であって実施例1の図10に対応する図である。
図21は実施例2のプリンタの制御部のブロック図であり、後処理制御部の説明図であって実施例1の図11に対応する説明図である。
図20、図21において、実施例2の制御部C,CA,CBでは、シート搬送ユニットU2にスキューロール61が追加されている点と、後処理制御部C3のパンチ処理の制御手段CB3″が変更されている点と以外は、実施例1と同様に構成される。
【0135】
(実施例2の後処理装置U3の後処理制御部CBについて)
実施例2のパンチ処理の制御手段CB3″では、実施例1のスキュー量の正負判別手段CB3Bが省略されている。また、実施例2のパンチ処理の制御手段CB3″では、実施例1の各手段CB3C〜CB3Eに替えて、実施例2の各手段CB3C″〜CB3E″を有する。ここで、実施例2のパンチ処理の制御手段CB3における前記各手段CB3C″〜CB3E″は、4孔パンチ手段CB3E1″と2孔パンチ手段CB3E2″以外は、対応する実施例1の手段CB3C〜CB3Eにおけるスキュー量Skが正の場合の制御のみを行う。よって、以下では、4孔パンチ手段CB3E1″と2孔パンチ手段CB3E2″についてのみ説明し、これら以外の手段CB3C″〜CB3E″の説明は省略する。
【0136】
CB3E1″:4孔パンチ手段
実施例2の4孔パンチ手段CB3E1″では、前記後処理の判別手段CB2により「4孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、4孔準備位置Ps13に移動させずに、直接、中央開始位置Ps4に移動させて、その後は、実施例1の4孔パンチ手段CB3E1におけるスキュー量Skが正の場合の制御と同様の制御を行う。
CB3E2″:2孔パンチ手段
実施例2の2孔パンチ手段CB3E2″では、前記後処理の判別手段CB2により「2孔パンチ」の処理を実行すると判別された場合に、スライダ17を、2孔準備位置Ps11に移動させずに、直接、前側開始位置Ps1に移動させて、その後は、実施例1の2孔パンチ手段CB3E2におけるスキュー量Skが正の場合の制御と同様の制御を行う。
【0137】
(実施例2のプリンタUのフローチャートの説明)
(実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明)
図22は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、実施例1の図13に対応する説明図である。
図23は実施例2のパンチ孔形成処理のフローチャートの説明図であり、図22の続きの説明図であって実施例1の図15に対応する説明図である。
図22、図23において、実施例2のフローチャートでは、実施例1のフローチャートに対して、スキュー量Skが正の場合に対応する処理のみが実行され、スキュー量Skが負や0の場合の処理は省略される。
【0138】
すなわち、図22に示す実施例2のフローチャートでは、図13、図14における4孔準備位置に関するST5と、スキュー量の正負を判別するST8,ST19と、スキュー量Skが負の場合のST20〜ST29と、スキュー量Skが0の場合のST30〜ST33とが省略される。また、図23に示す実施例2のフローチャートでは、図15における2孔準備位置に関するST43と、スキュー量の正負を判別するST46,ST53と、スキュー量Skが負の場合のST54〜ST59と、スキュー量Skが0の場合のST60〜ST63とが省略される。これらのステップが省略される点以外は、実施例2では、実施例1のフローチャートと同様の処理が実行されるので詳細な説明は省略する。
【0139】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、記録シートS,S′がスキューロール61で傾斜された後に、スキュー量Skが検出、演算される。そして、実施例1と同様に、スキュー量Skに基づいて演算されたずれ量ΔL1〜ΔL4に基づき搬送ロールRa3,Ra4が順次停止され、これに応じて、パンチ11〜14が順に作動して記録シートS′上の被パンチ位置S1′〜S4′にパンチ孔が形成される。したがって、実施例2でも、実施例1と同様に、記録シートS′の姿勢に応じて記録シートS′に精度良くパンチ孔が形成されている。
なお、実施例2では、スキューロール61が記録シートS,S′を予め設定された方向に傾斜させており、スキューセンサSN11に検出される記録シートS′のスキュー量Skが、常に、正となる。よって、実施例2では、実施例1のように、パンチ11〜14の配置方向に対して記録シートS,S′が傾斜しているか否か、すなわち、スキュー量Skが正か負かなどを判別する必要がなく、パンチ11〜14の作動する順番が予め決定されており、実施例1に比べて、スライダ17を移動させる制御などが単純化されている。
【0140】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H09)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。
(H02)前記各実施例において、単独のスライダモータ36から動力が伝達されて、パンチ11〜14が作動する構成が望ましいが、これに限定されない。例えば、各パンチ11〜14に対応して、別々に、モータやソレノイドなどの駆動源を設けて、各パンチ11〜14を別々に作動させる構成が可能である。なお、この場合には、それぞれのパンチ11〜14をシート搬送方向において離間させて配置することも可能である。
【0141】
(H03)前記各実施例において、2孔パンチと4孔パンチを形成可能なパンチユニットPUの構成を例示し、2孔用の2つのパンチ12,13と、4孔用の内側の2つのパンチ12,13が共通化されて兼用された構成を例示したが、これに限定されない。例えば、2孔パンチと3孔パンチとを形成可能にしたり、2孔パンチと6孔パンチとを形成可能にしたり、あるいは、2孔パンチと3孔パンチと4孔パンチとを形成可能にするなど、複数孔パンチを任意に組み合わせた構成が可能である。また、2孔パンチのみ、4孔パンチのみ、あるいは、3孔パンチのみ等、一種類の複数孔パンチのみを形成可能な構成も可能である。
なお、例えば、2孔パンチと3孔パンチとを形成可能な構成において、2孔パンチの位置と、3孔パンチの位置とがいずれも異なる場合、2孔用の2つのパンチと、3孔用の3つのパンチとは、いずれも共通化されず、合計5つのパンチが設けられる。そして、5つのパンチに対応して、5つのガイドや、5つのずれ量算出手段などが設けられる。
【0142】
(H04)前記各実施例において、4孔パンチを形成する場合には、スライダ17が、中央開始位置Ps4と後側開始位置Ps9との間を移動して、4つのパンチ11〜14を作動させ、2孔パンチを形成する場合には、スライダ17が前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps9との間を移動して、2つのパンチ12,13を作動させる構成が望ましく、形成するパンチ孔の数に応じて、スライダ17を異なる領域で移動させてパンチを作動させる構成が、制御が簡便になり易く望ましいが、これに限定されない。
例えば、パンチが共通化されて兼用された構成においては、共通化されているパンチが隣接して順に配置されていれば、スライダ17の移動する領域を一部共通化してスライダ17の構成を簡素化する構成も可能である。したがって、実施例1,2において、2孔パンチを形成する場合に、スライダ17を、前側開始位置Ps1と中央開始位置Ps4との間で移動させる構成に替えて、4孔パンチの場合に移動する領域の一部、すなわち、離間移動位置Ps12と離間移動位置Ps14との間の領域で移動させて、2つのパンチ12,13のみを作動させる構成が可能である。なお、この場合には、第1の貫通移動位置は第3の貫通移動位置に一致し、また、第2の貫通移動位置は第4の貫通移動位置に一致することになる。
【0143】
(H05)前記各実施例において、記録シートS,S′の後端Sa,Sa′をプレパンチセンサSN12により検出して、記録シートS,S′の後端Sa,Sa′から予め設定された長さLb離れた位置にパンチ孔を形成する構成を例示し、記録シートS,S′に形成される被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′が、記録シートS,S′一枚につき、それぞれ1箇所のみ設定されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、特許文献1に記載されているように、折り曲げて綴じる場合の折り曲げ線に対称に形成されるパンチ孔など、記録シートS,S′一枚につき、被パンチ位置S1〜S4,S1′〜S4′がそれぞれ複数設定される構成の場合に、綴じて同一頁となるパンチ孔毎に、本願の構成を適用してパンチ孔を形成する構成が可能である。
(H06)前記実施例1において、スライダ17を、準備位置Ps11,Ps13に移動させてから、スキュー量Skの正、負、0に応じて、対応する開始位置Ps1,Ps4,Ps9に移動させる構成を例示した。この構成は、スキュー量Sk取得後におけるスライダ17の開始位置Ps1,Ps4,Ps9までの移動時間が、スキュー量Skの正、負、0に関わらず変動し難くて望ましいが、この構成に限定されず、例えば、準備位置Ps11,Ps13に移動させる構成を省略して、スライダ17を、直接、開始位置Ps1,Ps4,Ps9に移動させる構成も可能である。
【0144】
(H07)前記実施例2において、ストッパ壁64が設けられている構成が、記録シートS′が傾斜し過ぎることが制限されて望ましいが、これに限定されず、ストッパ壁64を省略する構成が可能である。
(H08)前記実施例2において、スキューロール61では、前側ロール62と、前側ロール62に比べて小径の後側ロール63とにより、用紙幅方向に搬送速度差を設けて記録シートS,S′を常に特定の方向に傾斜させる構成を例示したが、記録シートS′を傾斜させる構成は、これに限定されない。例えば、前側ロールと、後側ロールとを、個別に回転可能に構成し、且つ、個別に駆動源を設けたり、あるいは、いわゆるギア比を変えたりして、径が共通に構成された構成で、搬送速度差を設けて記録シートS,S′を傾斜させる構成が可能である。また、例えば、前側ロールと、後側ロールとが個別に回転可能にした構成において、一方のロールの回転軸を他方のロールの回転軸に傾斜させて配置して、記録シートSを傾斜させる構成も可能である。
【0145】
(H09)前記実施例2において、スキューロール61とストッパ壁64とにより記録シートS,S′を常に特定の方向に傾斜させて、パンチ11〜14の配置方向に対して傾斜させて搬送する構成を例示したが、パンチ11〜14の配置方向に対して記録シートS,S′を傾斜させて搬送する構成は、これに限定されず、例えば、各パンチ11〜14を、交差方向の一例として、用紙幅方向に対して傾斜する傾斜方向に沿って配置して、記録シートをパンチ11〜14の配置方向に対して相対的に傾斜させて搬送する構成が可能であり、これにより、パンチ11〜14の作動する順番を固定することも可能である。
【符号の説明】
【0146】
12,13…第1の穿孔部材、
13,12…第2の穿孔部材、
14,11…第3の穿孔部材、
17…移動部材、
17+31〜34+22,17+31〜34+23…第1の移動機構、
17+31〜34+23,17+31〜34+22…第2の移動機構、
17+31〜34+24,17+31〜34+21…第3の移動機構、
22,23…第1の案内部、
23,22…第2の案内部、
24,21…第3の案内部、
31…駆動源、
CB2…判別手段、
CB3A…傾斜量を取得する取得手段、
CB3C2,CB3C2″,CB3C3,CB3C3″…第1の算出手段、
CB3C3,CB3C3″,CB3C2,CB3C2″…第2の算出手段、
CB3C4,CB3C4″,CB3C1,CB3C1″…第3の算出手段、
CB3D,CB3D″…搬送部材の制御手段、
CB3E,CB3E″…穿孔部材の制御手段、
Ps1,Ps4,Ps11,Ps12,Ps13,Ps14…離間移動位置、
Ps2,Ps3…第1の貫通移動位置、
Ps3,Ps2…第2の貫通移動位置、
Ps6,Ps7…第3の貫通移動位置、
Ps7,Ps6…第4の貫通移動位置、
Ps8,Ps5…第5の貫通移動位置、
PU…穿孔形成装置、
Ra3,Ra4…搬送部材、
S…媒体、
S2,S3…基準の姿勢の媒体上における第1の被穿孔位置、
S3,S2…基準の姿勢の媒体上における第2の被穿孔位置、
S4,S1…基準の姿勢の媒体上における第3の被穿孔位置、
S2′,S3′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第1の被穿孔位置、
S3′,S2′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第2の被穿孔位置、
S4′,S1′…傾斜量を有する姿勢の媒体上の第3の被穿孔位置、
SH6…搬送路、
SN11…媒体の姿勢を検出する検出部材、
Sk…傾斜量、
U…画像形成装置、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像記録部、
ΔL2,ΔL3…第1のずれ量、
ΔL3,ΔL2…第2のずれ量、
ΔL4,ΔL1…第3のずれ量。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に配置され且つ媒体の搬送方向に交差する方向である交差方向において予め設定された位置に配置された第1の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第1の穿孔を形成する前記第1の穿孔部材と、
前記搬送路に配置され且つ前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して予め設定された間隔を空けて配置された第2の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第2の穿孔を形成する前記第2の穿孔部材と、
前記第1の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第1の移動機構と、
前記第2の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第2の移動機構と、
前記各穿孔部材の媒体の搬送方向の上流側に配置されて搬送される媒体の姿勢を検出する検出部材の検出結果に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第1の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第1の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第1の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第1の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第1の被穿孔位置のずれ量である第1のずれ量を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第2の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第2の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第2の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第2の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第2の被穿孔位置のずれ量である第2のずれ量を算出する第2の算出手段と、
媒体を搬送する搬送部材の駆動を制御する搬送部材の制御手段であって、前記第1のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させると共に、前記第2のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第1の移動機構を介して、前記第1の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第2の移動機構を介して、前記第2の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させる穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする穿孔形成装置。
【請求項2】
駆動源と、
前記駆動源から動力が伝達されて移動する移動部材であって、予め設定された第1の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第2の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置と前記第2の貫通移動位置とに対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第1の穿孔部材を案内する第1の案内部であって、前記離間移動位置および前記第2の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第2の穿孔部材を案内する第2の案内部であって、前記離間移動位置および前記第1の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記駆動源の駆動を制御して、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の穿孔形成装置。
【請求項3】
前記搬送路に配置され、且つ、前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して前記第2の穿孔部材を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第3の穿孔を形成する前記第3の穿孔部材と、
予め設定された第3の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第4の貫通移動位置と、前記第4の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第5の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第4の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第5の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記離間移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第4の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置および前記第3の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第3の穿孔部材を案内する第3の案内部であって、前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第5の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第3の案内部、を有し、前記第3の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第3の移動機構と、
媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するかについて予め設定された設定情報に基づいて、媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するか、を判別する判別手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第3の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第3の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第3の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第3の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第3の被穿孔位置のずれ量である第3のずれ量を算出する第3の算出手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記第3のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記判別手段により、媒体に、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記判別手段により媒体に、前記第1ないし第3の穿孔を形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第3の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第4の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第5の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の穿孔形成装置。
【請求項4】
媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録部に画像を記録された媒体に穿孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の穿孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路に配置され且つ媒体の搬送方向に交差する方向である交差方向において予め設定された位置に配置された第1の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第1の穿孔を形成する前記第1の穿孔部材と、
前記搬送路に配置され且つ前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して予め設定された間隔を空けて配置された第2の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第2の穿孔を形成する前記第2の穿孔部材と、
前記第1の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第1の移動機構と、
前記第2の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第2の移動機構と、
前記各穿孔部材の媒体の搬送方向の上流側に配置されて搬送される媒体の姿勢を検出する検出部材の検出結果に基づいて、予め設定された基準の姿勢に対する傾斜量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第1の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第1の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第1の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第1の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第1の被穿孔位置のずれ量である第1のずれ量を算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第2の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第2の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第2の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第2の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第2の被穿孔位置のずれ量である第2のずれ量を算出する第2の算出手段と、
媒体を搬送する搬送部材の駆動を制御する搬送部材の制御手段であって、前記第1のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させると共に、前記第2のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第1の移動機構を介して、前記第1の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記第2の移動機構を介して、前記第2の穿孔部材を、前記離間位置から前記貫通位置に移動させ且つ前記貫通位置から前記離間位置に移動させる穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする穿孔形成装置。
【請求項2】
駆動源と、
前記駆動源から動力が伝達されて移動する移動部材であって、予め設定された第1の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第2の貫通移動位置と、前記第1の貫通移動位置と前記第2の貫通移動位置とに対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第1の穿孔部材を案内する第1の案内部であって、前記離間移動位置および前記第2の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第2の穿孔部材を案内する第2の案内部であって、前記離間移動位置および前記第1の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記駆動源の駆動を制御して、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の穿孔形成装置。
【請求項3】
前記搬送路に配置され、且つ、前記交差方向において前記第1の穿孔部材に対して前記第2の穿孔部材を挟んで反対側に予め設定された間隔を空けて配置された第3の穿孔部材であって、前記搬送路に進入して媒体を厚み方向に貫通する貫通位置と、前記搬送路から退避して媒体から離間する離間位置と、の間を移動可能に支持されて、媒体に第3の穿孔を形成する前記第3の穿孔部材と、
予め設定された第3の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第4の貫通移動位置と、前記第4の貫通移動位置から前記駆動源の駆動に伴って予め設定された量移動した第5の貫通移動位置と、前記第3の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第4の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、前記第5の貫通移動位置に対して予め設定された量移動した離間移動位置と、の間を移動可能に支持された前記移動部材と、
前記離間移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第4の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第1の貫通移動位置および前記第3の貫通移動位置において前記第1の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第1の案内部、を有する前記第1の移動機構と、
前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第5の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第2の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第2の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第2の案内部、を有する前記第2の移動機構と、
前記移動部材に設けられ且つ前記第3の穿孔部材を案内する第3の案内部であって、前記離間移動位置、前記第1の貫通移動位置、前記第2の貫通移動位置、前記第3の貫通移動位置および前記第4の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記離間位置に保持し且つ前記第5の貫通移動位置において前記第3の穿孔部材を前記貫通位置に案内する形状の前記第3の案内部、を有し、前記第3の穿孔部材を前記貫通位置と前記離間位置との間で移動させる第3の移動機構と、
媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するかについて予め設定された設定情報に基づいて、媒体に、前記第1の穿孔、前記第2の穿孔および前記第3の穿孔を形成するか、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成するか、を判別する判別手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記取得手段により取得された前記傾斜量に基づいて、前記第3の穿孔が形成される媒体上の位置として予め設定された第3の被穿孔位置に関し、前記基準の姿勢の媒体上における前記第3の被穿孔位置と、前記傾斜量を有する姿勢の媒体上の前記第3の被穿孔位置と、の間の媒体の搬送方向に沿った前記第3の被穿孔位置のずれ量である第3のずれ量を算出する第3の算出手段と、
前記判別手段により媒体に前記第3の穿孔を形成すると判別された場合に、前記第3のずれ量に基づいて、前記搬送部材を駆動させて媒体を搬送して前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動した場合に前記搬送部材を停止させる前記搬送部材の制御手段と、
前記判別手段により、媒体に、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔のみを形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第1の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第2の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させると共に、前記判別手段により媒体に、前記第1ないし第3の穿孔を形成すると判別された場合には、前記第1の被穿孔位置が前記第1の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第3の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第2の被穿孔位置が前記第2の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第4の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させ、且つ、前記第3の被穿孔位置が前記第3の穿孔部材の配置位置に移動して媒体が停止した場合に、前記移動部材を前記第5の貫通移動位置に移動させた後、前記離間移動位置に移動させる前記穿孔部材の制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の穿孔形成装置。
【請求項4】
媒体に画像を記録する画像記録部と、
前記画像記録部に画像を記録された媒体に穿孔を形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の穿孔形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図4】
【公開番号】特開2013−63829(P2013−63829A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204189(P2011−204189)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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