説明

窒化物ベースの蛍光体の製造

本発明は窒化物ベースの蛍光体、特に希土類元素を含有する蛍光体の製造のための新規の方法に関する。該蛍光体を例えば、光源、特に発光素子(LED)内で使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は窒化物ベースの蛍光体、好ましくは結晶性窒化物ベースの蛍光体、特に希土類元素を含有する蛍光体の製造のための新規の方法に関する。該蛍光体を例えば、光源、特に発光素子(LED)内で使用できる。
【0002】
従来の照明技術、例えば白熱灯および蛍光灯との比較において、LEDベースの固体発光素子は、長寿命、コンパクトさ、設計性、環境へのやさしさ、および最も重要なことにエネルギー効率の点で、際立った改善を示す。マルチチップ発光ダイオード(mc−LED)および蛍光体変換LED(pc−LED)は、白色光を生成するための2つの基本的な考えである。照明技術におけるこの変革は世界中に広がり、且つ、我々の日々の暮らしを改善している。mc−LEDは、少なくとも3つの、最も頻繁には赤色、緑色および青色(RGB)のLEDを組み合わせることによって得られる。pc−LEDは、蛍光体を使用して、UVまたは青色LEDの光線を変換する。mc−LEDが潜在的により高い効率および色の電子制御の利点を有しているにもかかわらず、それらはより複雑な設計を必要とする、即ち、各LED用の電源が劇的にコストを増加させ、且つ、小さいサイズについては適用できない。さらに悪いことには、各LEDの個々の照明特性が、不均一な色の混合をみちびき、そして不充分な照度をもたらす。従って、疑いなく、この変革において、波長変換蛍光体は決定的な役割を果たす(C.Ronda: Luminescence, WILEY−VCH Verlag, Weinheim, 2008)。
【0003】
中村による効率的な青色LEDの発見後、最初の白色LEDが、465nmで発光するInGaNベースの青色LEDと、広帯域の黄色蛍光体、例えば(Y1-xGdx3(Al1-yGay512:Ce3+(セリウムドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce))とを組み合わせることによって直ちに商業化された(S.Nakamura: The Blue Laser Diode, Springer−Verlag, Berlin, 1997およびUS5998925号)。この種の白色LEDが未だに市場で大きなシェアを持っているにもかかわらず、それらは緑色および赤色成分の欠如により、不充分な演色特性を有する。従って、近年、新規の蛍光体系、特に赤色のものを開発する研究者の間で、莫大な努力がなされている。
【0004】
最近、JansenらがDE102006051757号A1において、アモルファスSi337セラミックスに基づく新規の類の蛍光体を報告し、それは顕著な熱的、機械的、および化学的安定性と共に、主に一般的な照明の目的のために非常に有望なフォトルミネッセンス特性を示す。それらの蛍光体がアモルファスのネットワークを有するので、発光スペクトルにおいて不均質な線の広がりがあり、例えばEu2+およびCe3+ドープされたアモルファスSi337セラミックスはスペクトルの可視領域中で非常に広い発光帯を有する。従って、いくつかの特定の用途について重大であることがある、より狭い発光帯、特に可視スペクトルの橙〜赤色部分を得ることは、それらの非晶質のルミネッセンスSi337セラミックスにおいては見込みが薄い。この点において、ニトリドシリケート型の結晶性蛍光体は、優れたフォトルミネッセンス特性(例えば比較的鋭く且つ非常に強い橙〜赤色発光)を、際立った熱的、化学的および機械的安定性、および他の蛍光体系、例えば酸化物、硫化物およびハロゲン化物と比べた構造の多様性と共に有している。従って、新規の結晶性ニトリドシリケート型蛍光体を合成し、且つ、特にそれらの材料の量産のための上質な方法を見出すために、広範な研究が産業界と学術界との両方で続けられている。
【0005】
ニトリドシリケート型の新規のホスト格子、M2Si58(M=Ca、Sr、Ba)は、架橋したSiN4四面体の三次元ネットワークからなり、そこにアルカリ土類イオンCa、SrおよびBaが組み込まれている。かかる格子は、Schnickおよび共同研究者らによって初めて合成され、例はCa2Si58 (Schlieper and Schnick,Z.anorg.Allg.Chem.621,(1995),1037)、Sr2Si58およびBa2Si58 (Schlieper, Millus and Schnick,Z.anorg.Allg.Chem.621,(1995),1380)、およびBaSi710 (Huppertz and Schnick,Chem.Eur.J.3(1997),249)である。彼らは化学量論組成量の金属M(M=Ca、Sr、Ba)およびユーロピウム金属(Eu)と、シリコンジイミド(Si(NH)2)との反応を、タングステンるつぼ内で高周波炉を使用して、極端な温度および時間(例えばBa2Si58:Euについては、Wるつぼを窒素下、30分以内で800度に加熱し、800℃で1時間保ち、その後、25時間以内で1600℃に加熱し、且つ、この温度で40時間保持し、さらに2時間以内で1650℃に加熱し、そして最終的には30分以内で室温に冷却した)で以下の反応(H.A. Hoeppe, H.Lutz, P. Morys, W. Schnick, A. Seilmeier J. Phys. Chem. Solids 61 ,(2000),2001):
【化1】

に従って適用した。
【0006】
それによって製造された蛍光体は、橙〜赤色の発光を示し、且つ、高い量子効率および非常に低い熱消光を有し、そのことでそれらは白色LEDにおいて演色特性を改善するための非常に有望な赤色蛍光体となる。それらの橙から赤色の蛍光体が、これまで達成された最高の特性を示すにもかかわらず、元の合成方法は産業規模に適用されなかった。第一に、原料の粉末Si(NH)2が市販されておらず、別途合成しなければならない。さらには、それは他の作用物質と共に、酸素および湿気に対して非常に敏感であり、且つ、ドライボックス中で粉砕されなければならず、そのことでそれらの処理が難しくなる。さらに悪いことには、熱分解は高周波炉内のタングステンるつぼ内で、極端な温度および時間で行われ、そのことで費用が非常に高くなり、且つ収率が非常に低くなる。従って、この多段式で且つ複雑な手順は産業規模の製造としてみなされていない。
【0007】
この先駆的な研究の後、違うグループがそれらの化合物を合成するためのより妥当な方法を見つけようとした。Hintzenのグループによって、選択的な道筋が提案された(Li,Y.Q.;van Steen,J.E.J.;van Krevel J.W.H.;Botty,G.;Delsing,A.C.A.;DiSalvo,FJ.;de With,G.;Hintzen,H.T.J.Alloy&Comp.2006,417273号およびEP1104799号)。彼らは金属窒化物
【化2】

およびユーロピウム窒化物
【化3】

と、シリコン窒化物(α−Si34)とを、水平な管またはグラファイト炉内のMoるつぼ内で、(それぞれ、適切な量の出発材料をめのう乳鉢内で粉砕し、且つ、中程度の粉砕で、1300〜1400℃で12〜16時間、2回焼成した)、窒素雰囲気下で以下の反応
【化4】

に従って、反応させた。
【0008】
Eu、BaおよびSrの窒化物形成は別々に行われ、且つ、他の作用物質と共に、ドライボックス内のめのう乳鉢内で粉砕され、そのことでまた、処理が困難且つ冗長になる。この方法もまた、量産に関してあまり困難ではない、多段式で且つ複雑な手順であり、従って、それは先行技術に対して優れた方法としてみなされている。
【0009】
その後、Machidaおよび共同研究者らは、炭素熱還元および窒化物形成(CRN)法を提案し、高周波炉内のグラファイトるつぼ内で、2段階加熱(初めに2時間で1200℃にし、MCO3をMOに分解し、その後、6時間で1550℃に)を使用し、N2流の下で、以下の化学反応(Piao,X.;Horikawa,T.;Hanzawa,H.;Machida,K. Appl.Phys.Lett.2006,88,161908、およびPiao,X.;Horikawa,T.;Hanzawa,H.;Machida,K.J. of Electrochemical Soc.2006,153(12)H232):
【化5】

に基づき、M2Si58:Eu2+(M=Ca、Sr)を製造した。
【0010】
同一の著者らは最近、CaSr1-xEuxSi58を、同一の手順で、グラファイト粉末の代わりにCaCN2を使用して合成した (Piao,X.;Machida,K;Horikawa,T.;Hanzawa,H.J.of Electrochemical Soc.2008,155(1)J17)。
【化6】

【0011】
所定の方法の大きな欠点は、蛍光体中で残留炭素が避けられないことであり、それが吸収および発光を著しく減少させる。600℃より高い温度で、空気中、2時間、または酸素雰囲気でのアニールを適用して、残留炭素を除去できるが、しかし、Krevelら(van Krevel, J.W.H. 博士学位論文, Eindhoven University of Technology,2000)は、600℃で、空気中、2時間の熱処理が、Eu2+のEu3+への酸化のために、Sr2Si58:Eu2+の赤色発光を完全に殺すことを報告した。従って、最終的な蛍光体中の残留炭素の完全な除去の問題が、この方法を量産に使用し難くする。
【0012】
他の出版物の幾人かの著者らは、CDN法がBa類似物について適用できないことに言及しており、なぜなら、炭素が、酸素に対してよりもバリウムイオンに対して高い親和力を有しているので、効果的な還元剤としてはたらかないからである(Piao,X.;Machida,K.;Horikawa,T.;Hanzawa,H.;Appl.Phys.Lett.2007,91,041908)。従って彼らは、Ba2Si58:Eu2+について、いわゆる自己伝搬高温合成(SHS)法を提案し、それが合金化合物、ホウ化物、および窒化物の製造において広く使用されている。その前駆体は、Si、BaおよびEu金属ショットから合成された、名称Ba2-xEuxSi5合金粉末であった。それらの原材料が数回、アーク溶融されて、微細粉末へと粉砕される均質な合金インゴットが形成された。合金粉末をBNるつぼ内に装入し、且つ、高周波炉内、純粋なN2を流しながら加熱した。SHSが1060℃で生じた後、温度を1350〜1450℃に上げ、さらなる窒化物形成のために8時間、維持する。非常に明らかに、この方法も量産のために便利ではない。
【0013】
最終的に、Rong−Junおよび共同研究者らは、グラファイトヒーターを有するガス圧焼結炉内で、1600℃で2時間、0.5MPaのN2下で、以下の反応に従う金属カーボネート(MCO3、M=Ca、Sr)、Eu23、およびSi34の間での直接的な固相反応を提案した(Xie,R.−J.;Hirosaki,N.;Suehiro,T;Sakuma,K.;Xu,F.−F.;Mitomo,M,Chem.Matter.2006,18,5578):
【化7】

【0014】
しかしながら、この方法の問題は、望ましくない副反応が、上記で提案された反応と共に進行することである:
【化8】

【0015】
従って、合成された蛍光体は、M2Si58:Eu2+(〜64質量%)とM2SiO4:Eu2+(〜36質量%)との複合酸化物である。この著者らは、後者が青色光励起下で発光をもたらさず、該複合蛍光体は単独のM2Si58:Eu2+蛍光体と似ていることを主張している。それにもかかわらず、この方法で、純粋で単一相の蛍光体を得ることはできない。
【0016】
従って、本発明の課題は、窒化物ベースの蛍光体、特に希土類元素含有ニトリドシリケート蛍光体の、特にポリマーの経路に基づく、改善された製造方法を提供することであった。
【0017】
この全ての予め記載された方法は、従来の全固相反応に基づいており、且つ、困難な中間処理工程をもたらす、長い反応時間を有する複雑な合成技術および出発材料のための追加的な合成工程を必要とするか、または不純な最終生成物をもたらすかのいずれかである。本発明の新規性は、窒化物ベースの結晶性蛍光体の製造が、通常の水平炉内で比較的短い反応時間で直接的に熱分解され得るポリマー中間生成物をもたらす市販の液体状態の反応物の1段階の反応に基づいていることである。出発反応物のほとんどが液体なので、単純な蒸留技術によって高純度を容易に達成でき、いかなる未反応の反応物または中間の塩生成物も容易に再利用できる。
【0018】
従って、本発明は、ポリマーの経路に基づくニトリドシリケート型の蛍光体の製造のための選択的な方法を提供する。本発明は、既に使用可能な全固相合成法と比較して、以下の利点を有する:
1) 全ての出発反応物が市販であり(出発化合物のための追加的な合成工程がなく、従って、追加的な処理および粉砕工程が必要とされない−本当の1ポット合成)、且つ、単純な蒸留(例えば液体)または昇華(例えば金属錯体)技術によって容易に精製できる。従って、全固相反応において主な問題である、最終的な結晶性化合物における高純度が容易に達成される。2) この方法は液相中での反応に基づいており、そのことで最終的な結晶性化合物においてより良好な均質性が可能になる。3) いかなる未反応または過剰な反応物も、およびいかなる副生成物も、単純な蒸留または昇華技術によって容易に再利用でき、それは環境にやさしく、且つ経済的に非常に重要である。4) 製造の間、ポリマーの中間生成物があり、そのことで、いかなる追加的な樹脂も必要とせずに、様々なポリマー加工技術、例えば、レーザー光線を介した熱分解を用いたLED上への直接被覆を適用することが可能になる。
【0019】
本発明によれば、この課題は、(i) ハロゲン化物と、アンモニアNH3および金属源Mとを反応させる工程、即ちハロゲン化物と金属源Mとのアンモニア分解(ammonlysis)を含む、窒素含有蛍光体、特に結晶性の窒素含有蛍光体の製造方法によって解決される。
【0020】
本発明者らは、窒化物ベースの蛍光体、好ましくは結晶性窒化物ベースの蛍光体が、アンモニアを使用することによって、すぐに使用可能な出発材料、例えばハロゲン化物並びに元素の金属または金属化合物から出発する単純な反応で、容易に製造できることを見出した。これは、非常に興味深い類の物質、即ち窒化物ベースの蛍光体材料を利用し易くする。
【0021】
本発明によれば、金属源Mが使用される。前記の金属源Mは、活性剤(A)、電荷補償剤(C)および/または増感剤(B)を含有してよい。
【0022】
活性剤は特に希土類元素であり、好ましくはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Scおよび/またはYの群から選択される。最も好ましくは、活性剤はEuおよび/またはYbから選択される。金属源Mは、金属の形態の活性剤、例えば元素のEuおよび/または元素のYbを含んでよい。しかしながら、金属源Mは活性剤イオンの形態の活性剤を含有してもよい。好ましい実施態様において、金属源Mは活性剤イオンを含有する錯体(RE錯体)、例えばCe、Mn、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Scおよび/またはYの錯体を含む。
【0023】
しかしながら、いくつかの希土類元素がアンモニアに容易に溶解し、従ってしばしば、単純に、アンモニア中に金属源Mとして溶解された希土類元素、例えばEuおよび/またはYb金属を使用することが好ましいことが見出された。
【0024】
Eu、Yb、アルカリおよびアルカリ土類金属は、液体のNH3中で可溶であり、且つ、溶媒和電子を形成する:
M→M2++2e- (液体のNH3中のEu、Ybおよびアルカリ土類金属について)
M→M++e- (液体のNH3中のアルカリ金属について)。
【0025】
従って、反応の間、それらはイオンの形態である。他方で、提供されたいかなる金属もNH3中で可溶性ではない場合、それらを分子錯体化合物として使用できる。
【0026】
特に好ましい実施態様において、金属源Mは活性剤のみを含有するが、増感剤および/または電荷補償剤は含有しない。
【0027】
本発明のさらなる実施態様において、金属源Mは電荷補償剤を含有する。適した電荷補償剤は、例えばアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Ca、Srおよび/またはBaである。好ましくは、電荷補償剤はCa、Srおよび/またはBaから選択される。
【0028】
金属源は増感剤を含有してもよい。適した増感剤は、例えば、Sn、Mn、Zn、Sb、Pbおよび/またはBiである。
【0029】
本発明によれば、電荷補償剤および増感剤も、金属の形態またはイオンとして使用できる。
【0030】
1つの実施態様において、金属源は活性剤のみを含有し、いかなる増感剤または電荷補償剤も含有しない。さらなる実施態様において、金属源は電荷補償剤イオンおよび/または増感剤のみを含有し、いかなる活性剤も含有しない。前記の実施態様において、窒化物ベースのマトリックス材料が得られる。
【0031】
さらなる実施態様において、金属源Mは電荷補償剤または増感剤のいずれか、および活性剤を含有する。これによって、活性剤をドープされた窒化物ベースの格子が得られる。それぞれ、補償剤または増感剤に対する活性剤のモルパーセントは、好ましくは0.1〜99.9、特に1〜20である。
【0032】
最終的に、金属源は活性剤、電荷補償剤および増感剤を含むことができる。活性剤に対する増感剤のモルパーセントは、好ましくは0.1〜99.9、特に40〜60である。
【0033】
さらなる出発材料として、本発明によれば、ハロゲン化物を使用できる。該ハロゲン化物は、好ましくは二元系のハロゲン化物、特に式DXn (式中、Dは元素周期律表のXIII族、XIV族、またはXV族の元素を示し、Xはハロゲンを示し、且つ、n=3、4または5である)を有するハロゲン化物である。
【0034】
Dは形成される蛍光体中でも見出される元素である。従って、ニトリドシリケート蛍光体を製造するために、使用されるハロゲン化物は、例えばケイ素含有化合物である。特に、DはB、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sbおよび/またはBiから選択される元素である。好ましくは、Dは元素周期律表のXIII族またはXIV族の元素から選択される。特に好ましくは、DはSi、Ge、Bおよび/またはAlから選択される。
【0035】
Xはハロゲン、特にF、Cl、Br、Iを示し、好ましくはClを示す。本発明の反応の副生成物として、NH4Xが形成され、それは所望の生成物から容易に分離できる。
【0036】
本発明の反応は、アンモニア、NH3中で行われる。反応を、純粋な液体のアンモニア中で実施して、それにハロゲン化物および金属源を添加する。上述の金属源はNH3中で素晴らしく可溶性であり、従って、NH3の存在中でハロゲン化物との反応が可能であることが判明した。
【0037】
ここで、純粋な液体のアンモニアは特に、≧95質量%、好ましくは≧98質量%の純度を有するアンモニアを意味する。
【0038】
しかしながら、アンモニアと溶剤との混合物中で反応を行うことも可能である。適した溶剤は、例えば炭化水素溶剤、特にC1〜C10−、より好ましくはC6〜C10−アルカンである。補助溶剤としてヘキサンが特に好ましい。
【0039】
工程(i)の反応が終了した時、望まれるのであれば、副生成物を所望の化合物から容易に分離でき、且つ再利用できる。過剰なアンモニアを例えば、大気条件下で、コールドトラップ中で分離でき、且つ再利用できる。使用される任意の溶剤、例えばヘキサンを、真空下でコールドトラップ中で分離できる。さらに、NH4X、特に昇華によって容易に分離できるNH4Clが、反応において形成される。その結果、ポリマー中間生成物が得られ、それをさらなる樹脂の必要性なく、LED上に直接的に被覆できる。さらには、このポリマーを任意の所望の形状に容易に加工できる。さらに好ましい実施態様によれば、ポリマー中間生成物は粉末の形態で得られる。
【0040】
さらなる工程(ii)において、そのとき得られる生成物を熱処理に供し、特に残留水素を除去し、且つ、最終的な化合物を得る。
【0041】
該熱処理は好ましくは2段階からなる。第一の段階において、600℃〜1000℃への、好ましくは800〜900℃への加熱を、1時間〜5時間、特に2.5時間〜3.5時間行う。熱処理を例えばBNるつぼ内で行うことができる。前記の第一の段階の間、材料を好ましくはHN3流中で処理する。
【0042】
第一の加熱段階の後、好ましくは第二の加熱段階が続く。そこで、熱処理を1100〜2500℃で、好ましくは1200〜2000℃で、より好ましくは1400〜1600℃で実施する。特に好ましい実施態様において、第二の加熱段階における熱処理を1100〜1500℃で実施する。第二の加熱段階を好ましくは、2〜10時間、特に5〜7時間行う。第二の加熱段階を好ましくは不活性雰囲気、例えばヘリウム、窒素および/またはアルゴン中、特にN2を流しながら行う。熱処理のために、例えば標準的な水平炉を使用できる。
【0043】
好ましくは、重合反応の後、追加的な熱処理をポリマーに適用し、その間にさらなる重縮合が起きる。温度を上げる際、揮発性成分、主に有機フラグメントが除去される。ポリマーの性質に依存して、例えば900℃までの第一段階の熱処理において、通常、低分子量の有機フラグメント、例えば水素、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、メタン、シアン化水素、アセトニトリル、トリメチルシリル等が放出される。熱分解の間のアンモニア流が、炭素含有前駆体からの純粋な窒化物の合成において非常に決定的であり、なぜなら、それが炭素を非常に効率的に除去し、且つ、アミノ化(aminizing)剤またはトランスアミノ化剤として作用し、アルキルアミンを置換して且つ架橋を強化するからである。通常、約1100〜1200℃での、第二の段階の熱処理において、残留水素および少量の窒素が放出される。全ての熱処理の後、純粋な無機固体の残留物が得られ、従って最終生成物はセラミックスである。
【0044】
本発明によれば、最終的に蛍光体材料は特に、粉末の形態で得られる。加熱工程(ii)の後、好ましくはセラミックス材料が得られる。
【0045】
好ましい実施態様において、加熱を、第一の加熱段階においては酸素を含有しない雰囲気中、例えばNH3雰囲気中で、且つ、第二の加熱段階においては不活性ガス雰囲気中で実施する。従って、活性剤イオンの望ましくない酸化が起きない。
【0046】
本発明によって得られる蛍光体の発光波長は、好ましくは赤色の範囲、特に500nm〜800nmである。該材料はさらに、青色領域で励起波長を示すので、それらは蛍光体変換LED内での波長変換のための材料として特に有用である。
【0047】
本発明によって製造される蛍光体は好ましくは式(I)
xzyqp
[式中、
Aは活性剤を示し、
Bは増感剤を示し、
Cは電荷補償剤を示し、
Dは元素周期律表のXIII族、XIV族、またはXV族の元素を示し、
Nは窒素を示し、その際、
0≦x≦2、
0≦z≦2、
0≦y≦4、
1≦q≦8、特に3≦q≦6、および好ましくはq=5、且つ、
1≦p≦10、特に3≦p≦9、および好ましくはp=8である]
を有する。
【0048】
x、zおよびyは、金属イオンがDqpによって供給される負電荷と釣り合うように選択される。
【0049】
特に好ましい実施態様において、(オキソ)ニトリドシリケートである、式AxzySi58の蛍光体が形成される。(オキソ)ニトリドアルミノシリケートも好ましい。水を反応媒体に添加し、且つ、重合の間、部分加水分解を実施して、酸素を材料中、特にセラミックス中に導入できる。好ましくは、制御された量で水を添加する。
【0050】
本発明は、窒化物ベースの蛍光体の製造のための新規の合成方法に関する。本発明は、窒化物ベースの蛍光体の製造のために容易で且つ融通のきく方法を提供する。本発明の方法は、活性剤イオン、例えばEuおよびYb金属およびRE錯体(ここでREはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Y、Snおよびそれらの組み合わせの群から選択される少なくとも1つの希土類金属である)、増感剤イオン、例えばSn、Mn、Zn、Sb、Pb、Biおよびそれらの組み合わせ、および/または電荷補償剤イオン、例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Ca、SrおよびBaおよびそれらの組み合わせの、純粋な液体のアンモニアまたは溶剤と混合されたアンモニア中での可溶性、および二元系のハロゲン化物、例えばSiCl4、GeCl4、BCl3、AlCl3およびそれらの組み合わせとの反応に基づいている。従来の固相反応と比較して、溶液中での反応に基づく本発明は、最終的なセラミックス中でのより均質な元素の分布を可能にする。
【0051】
好ましい実施態様において、本発明は、SiCl4と金属M(M=Ca、Sr、Ba)、および/または溶剤、例えばヘキサンで随意に希釈されている液体のアンモニア中に溶解されたEuとの直接反応に基づく、M2Si58:Eu2+ベースのニトリドシリケート蛍光体への新規の合成経路を報告する。提案された反応は以下の通りである:
【化9】

【0052】
Eu[N(Si(CH3323をEu金属の代わりに使用することによって、以下の反応に従って同一の合成経路を適用できる:
【化10】

【0053】
さらなる実施態様において、本発明は、SiCl4と金属MIおよびMII(MI=Li、Na、K、Rb、Cs、好ましくはMI=Li、Na、K、且つ、MII=Ca、Sr、Ba)および金属錯体R[N(Si(CH3323 (R=Ce、Tb、Pr、Nd、Sm、 、Dy、Mn、Er、Tm、Ho、Eu、Gd、Yb、Lu、Scおよび/またはY、好ましくはR=Ce、 、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho)との、随意に溶剤、例えばヘキサンで希釈された液体のアンモニア中での直接反応に基づく、蛍光体MII2-2xxIxSi58の合成を報告する。提案された反応は以下の通りである:
【化11】

【0054】
さらなる実施態様において、本発明は、SiCl4と金属MI(MI=Li、Na、K、Rb、Cs、好ましくはMI=Li、Na、K)および金属錯体R[N(Si(CH3323 (R=Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよび/またはMn、好ましくはR=Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho)との、溶剤、例えばヘキサンで随意に希釈された液体のアンモニア中での直接反応に基づく、新規蛍光体Ba1-2xxIxSi710の合成を報告する。提案された反応は以下の通りである:
【化12】

【0055】
反応完了後、副生成物を、例えば過剰なNH3を大気条件、コールドトラップ内で、ヘキサンを真空下、コールドトラップ内で、およびNH4Clを昇華によって、容易に再利用できる。残留している粉末混合物をBNるつぼ内で、900℃で3時間、石英管内でNH3を流しながら、加熱し、且つ、最終的には1500℃で6時間、アルミナ管内でN2を流しながら加熱する。
【0056】
本発明のさらなる態様は、蛍光体、好ましくは式(II) EmaaSiqp
[式中、
EはCa、Ba、またはSrであり、且つ、
mは1−2aまたは2−2aであり、
0≦a≦1、m=2−2aの場合、好ましくは0<a≦1、
0≦a≦0.5、m=1−2aの場合、好ましくは0<a≦0.5、
1≦q≦8、特にq=5または7、
1≦p≦10、特にp=8または10]
を有する緑色蛍光体に関する。GはLi、Na、K、RbまたはCsであり、好ましくはLiであり、FはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよび/またはMnであり、好ましくはCeまたはTbである。
【0057】
特に好ましい実施態様によれば、m+a+aは好ましくは2または1である。
【0058】
本発明によれば、上で定義された変数FおよびGによって表される元素を、ホストマトリックスにドープするために使用する。前記のノンドープのホストマトリックスは、a=0の時に存在する。本発明の好ましいホストマトリックスは、E2Si58およびE1Si710である。本発明によれば、前記のホストマトリックスを、上で定義された変数FおよびGによって表される元素でドープする。相応するドーピングで、式E2-2aaaSi58を有する化合物が、ホストマトリックスE2Si58についての本発明の好ましい実施態様として得られる。本発明の化合物のさらに好ましい実施態様として、式E1-2aaaSi710を有する化合物が、ホストマトリックスE1Si710への相応するドーピングによって得られる。
【0059】
特に好ましい実施態様は、Sr2-2aTbaLiaSi58、Ca2-2aTbaLiaSi58、Ba1-2aTbaLiaSi710および/またはBa1-2aCeaLiaSi710からなる群から選択される蛍光体に関する。
【0060】
本発明はさらに、一次光発光素子、特に青色光発光素子を含む光源、およびここで記載される方法によって得られる材料に関する。前記の蛍光体材料は特に、波長変換のためにはたらく。好ましくは、本発明の方法によって得られる赤色発光ルミセッセンス材料を、緑色発光蛍光体と組み合わせて、白色の二次光を発する光源を得る。従って、得られる蛍光体を好ましくはLED中で使用する。得られる材料を好ましくは、光の変換のため、特により高波長へと変換するための蛍光体として使用する。
【0061】
以下の文において、本発明を複数の例示的な実施態様を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、Eu2Si58のa)実験、b)理論上の粉末X線回折を示す
【図2】図2は、340nm励起でのEu2Si58の発光スペクトルを示す
【図3】図3は、622nm発光でのEu2Si58の励起スペクトルを示す
【図4】図4は、340nm励起でのCa2Si58:Euの発光スペクトルを示す
【図5】図5は591nm発光でのCa2Si58:Euの励起スペクトルを示す
【図6】図6は、340nm励起でのSr2Si58:Euの発光スペクトルを示す
【図7】図7は、604nm発光でのSr2Si58:Euの励起スペクトルを示す
【図8】図8は、462nm励起でのSr2Si58:Euの発光スペクトルを示す
【図9】図9は、365nm励起でのSr2-2aTbaLiaSi58の発光スペクトルを示す
【図10】図10は、365nm励起でのBa1-2aCeaLiaSi710の発光スペクトルを示す。
【0063】
実施例
本発明のそれらの実施態様および他の実施態様の機能および利点は、以下の実施例から、より完全に理解される。以下の実施例は、本発明の利益を説明するためであり、本発明の全ての範囲を例示しているわけではない。
【0064】
全ての反応を、標準的なシュレンク(Schlenck)技術を使用するか、またはグローブボックス内で、精製されたAr雰囲気中で実施した。最終的なセラミックスは酸素または湿気に敏感ではない。
【0065】
実施例1: Eu2Si58
30mlのヘキサン中の1.6576ml(0.0145モル)のSiCl4を、−76℃で、220mlのヘキサンで希釈された100mlの液体HN3中で溶解された0.8797g(0.0058モル)のEu金属とゆっくりと反応させた。その後、室温にゆっくりと到達させ、且つ、過剰なNH3をアルゴン流で除去した。ヘキサンを真空下、コールドトラップ中で除去した。残留固体を210℃且つ10-3mbarで昇華させて、NH4Cl塩を除去した。ほとんど塩を含まないポリマーを900℃に加熱し、そして3時間、NH3を流しながら、BNるつぼ内で保持した。その後、それを1500℃にさらに加熱し、そして6時間、N2を流しながら保持した。最終的に、橙赤色粉末のEu2Si58が得られた。Eu2Si58の粉末X線回折、340nm励起での発光スペクトル、および622nm発光での励起スペクトルを図1〜3に示す。
【0066】
実施例2: Ca2Si58:Eu
30mlのヘキサン中の2.89ml(0.0252モル)のSiCl4を、0.4035g(0.01モル)のCa、および、220mlのヘキサンで希釈された100mlの液体のNH3中に溶解された0.0302g(0.0002モル)のEu金属と、−76℃でゆっくりと反応させた。その後、室温にゆっくりと到達させ、且つ、過剰なNH3をアルゴン流で除去した。ヘキサンを真空下、コールドトラップ中で除去した。残留固体を210℃且つ10-3mbarで昇華させて、NH4Cl塩を除去した。ほとんど塩を含まないポリマーを900℃に加熱し、そして3時間、NH3を流しながら、BNるつぼ内で保持した。その後、それを1500℃にさらに加熱し、そして6時間、N2を流しながら保持した。最終的に、橙赤色粉末のCa2Si58:Euが得られた。Ca2Si58:Euの340nm励起での発光スペクトルおよび591nm発光での励起スペクトルを図4および5に示す。
【0067】
実施例3: Sr2Si58:Eu
30mlのヘキサン中の3.27ml(0.0285モル)のSiCl4を、1.007g(0.0115モル)のSr、および、220mlのヘキサンで希釈された100mlの液体のNH3中に溶解された0.0312g(0.0002モル)のEu金属と、−76℃でゆっくりと反応させた。その後、室温にゆっくりと到達させ、且つ、過剰なNH3をアルゴン流で除去した。ヘキサンを真空下、コールドトラップ中で除去した。残留固体を210℃且つ10-3mbarで昇華させて、NH4Cl塩を除去した。ほとんど塩を含まないポリマーを900℃に加熱し、そして3時間、NH3を流しながら、BNるつぼ内で保持した。その後、それを1500℃にさらに加熱し、そして6時間、N2を流しながら保持した。最終的に、橙赤色粉末のSr2Si58:Euが得られた。340nmおよび462nm励起での発光スペクトルおよび604nm発光での励起スペクトルを図6〜8に示す。
【0068】
実施例4: Sr2-2aTbaLiaSi58
30mlのヘキサン中の3.44ml(0.03モル)のSiCl4を、1g(0.01モル)のSr金属、0.0020g(0.0003モル)のLi金属、および、220mlのヘキサンで希釈された100mlの液体NH3中の0.193g(0.0003モル)のTb[N(Si(CH3323と、−76℃でゆっくりと反応させた。その後、室温にゆっくりと到達させ、且つ、過剰なNH3をアルゴン流で除去した。ヘキサンを真空下、コールドトラップ中で除去した。残留固体を210℃且つ10-3mbarで昇華させて、NH4Cl塩を除去した。ほとんど塩を含まないポリマーを900℃に加熱し、そして3時間、NH3を流しながら、BNるつぼ内で保持した。その後、それを1500℃にさらに加熱し、そして5時間、N2を流しながら保持した。最終的に、白色粉末のSr2-2aTbaLiaSi58が得られた。365nm励起でのSr2-2aTbaLiaSi58の発光スペクトルを図9に示す。
【0069】
実施例5: Ba1-2aCeaLiaSi710
30mlのヘキサン中の3.3ml(0.029モル)のSiCl4を、1.5g(0.01モル)のBa金属、0.0020g(0.0003モル)のLi金属、および、220mlのヘキサンで希釈された100mlの液体NH3中の0.179g(0.0003モル)のCe[N(Si(CH3323と、−76℃でゆっくりと反応させた。その後、室温にゆっくりと到達させ、且つ、過剰なNH3をアルゴン流で除去した。ヘキサンを真空下、コールドトラップ中で除去した。残留固体を210℃且つ10-3mbarで昇華させて、NH4Cl塩を除去した。ほとんど塩を含まないポリマーを900℃に加熱し、そして3時間、NH3を流しながら、BNるつぼ内で保持した。その後、それを1500℃にさらに加熱し、そして5時間、N2を流しながら保持した。最終的に、白色粉末のBa1-2aCeaLiaSi710が得られた。365nm励起でのBa1-2aCeaLiaSi710の発光スペクトルを図10に示す。
【0070】
本発明の方法は、量産に非常に便利であり、なぜなら、全ての出発材料が市販で且つ、既に提供された方法と比較して比較的安価であり、且つ、多段階および複雑な系を必要としないからである。且つ、さらに良いことには、全ての過剰量および副生成物を容易に再利用でき、そのことは環境問題にとって非常に重要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素含有蛍光体、好ましくは結晶性窒化物蛍光体の製造方法であって、
(i) ハロゲン化物を、アンモニアNH3、および金属源Mと反応させる工程
を含む製造方法。
【請求項2】
金属源Mが活性剤元素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性剤元素が、希土類元素、特にCe、Pr、Nd、Mn、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ScおよびYの群から、且つ、特にEuおよび/またはYbから選択される、請求項1あるいは2に記載の方法。
【請求項4】
金属源が電荷補償剤を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
電荷補償剤が、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、特にLi、Na、K、Rb、Cs、Ca、Srおよび/またはBaから、特に、Ba、Caおよび/またはSrから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
金属源がさらに、特にSn、Mn、Zn、Sb、Pbおよび/またはBiから選択される増感剤を含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
金属源Mが、元素の金属および/または金属イオンを含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ハロゲン化物が、二元系のハロゲン化物、特にDXn
[式中、
Dは元素周期律表のXIII族、XIV族またはXV族の元素を示し、
Xはハロゲン、特にF、Cl、Brおよび/またはI、好ましくはClを示し、且つ
n=3、4または5]
である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
アンモニアが純粋な液体のアンモニアとして用いられる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
アンモニアが、溶剤、特に炭化水素溶剤と混合されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
さらに、
(ii) 工程(i)の反応生成物を500〜2500℃の温度で加熱する工程
を含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
式(I)
xzyqp (I)
[式中、
Aは活性剤を示し、特に希土類元素、好ましくはCe、Mn、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Scおよび/またはYの群から選択され、
Bは増感剤を示し、特にSn、Mn、Zn、Sb、Pbおよび/またはBiから選択され、
Cは電荷補償剤を示し、特にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、好ましくはLi、Na、K、Rb、Cs、Ca、Srおよび/またはBaからなる群から選択され、
Dは元素周期律表のXIII群、XIV群、またはXV群の元素を示し、特にB、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sbおよび/またはBiから、特にSi、Ge、Bおよび/またはAlから選択され、
Nは窒素を示し、且つ、
x、z、y、qおよびpは、式(I)の化合物中に含まれる元素の化学量論組成を示し、ここで特に
0≦x≦2
0≦z≦2
0≦y≦4
1≦q≦8、特にq=5、且つ、
1≦p≦10、特にp=8]
を有する蛍光体が形成される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
式(II)
maaSiqp
[式中、
EはSr、Ca、またはBaであり;
GはLi、Na、K、RbまたはCsであり、好ましくはLiであり;
FはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yおよび/またはMnであり、好ましくはCeまたはTbであり;
mは1−2aまたは2−2aであり、
0≦a≦1、m=2−2aの場合、好ましくは0<a≦1
0≦a≦0.5、m=1−2aの場合、好ましくは0<a≦0.5
1≦q≦8、特にq=5または7
1≦p≦10、特にp=8または10]
を有する蛍光体。
【請求項14】
Sr2-2aTbaLiaSi58、Ca2-2aTbaLiaSi58、Ba1-2aCeaLiaSi710および/またはBa1-2aTbaLiaSi7Si710からなる群から選択される、請求項13に記載の蛍光体。
【請求項15】
(a) 一次光発光素子、特に一次青色光発光素子、および
(b) 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法によって得られる、または請求項13または14に記載の蛍光体材料
を含む光源
【請求項16】
さらに、緑色発光蛍光体材料を含む、請求項15に記載の光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−503034(P2012−503034A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526511(P2011−526511)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061969
【国際公開番号】WO2010/029184
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【Fターム(参考)】