窒素及び/又は二酸化炭素を使用する石炭品質向上プロセス
石炭が二酸化炭素及び/又は窒素を用いて品質向上され、任意に、燃焼プロセスと統合される。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
背景
石炭は、採掘時には、多量の不純物が付随している。採掘した石炭の品質向上プロセスは長きに亘って行われており、主として、水分及び他の容易に除去可能な不純物を除去している。蒸気及び或る不活性ガスがこのプロセスのために以前に使用されたことが分かった。このプロセスは、成分の入手が困難であることと経済的理由とによって、常時実施されていた訳ではない。
【0002】
要約
本発明は、石炭を、その使用前に品質向上/清浄化する革新的なプロセスを提案する。石炭の品質向上は、採掘した又は未精製の石炭中に存在している各種不純物を減少させて、その石炭をより清浄にすること、そして、石炭の単位重量当りのエネルギー含量を増加させることを意味している。ここに提案するプロセスは、目標とする不純物及び使用目的に応じて二酸化炭素(CO2)及び/又は窒素(N2)を用いて石炭を清浄化するか又は品質向上させる。品質向上させた石炭の燃焼は、より少ない環境汚染物質放出及び高められた燃焼効率をもたらす。未精製の条件では燃焼し得ない或る石炭は、ここに提案する品質向上プロセスを用いて燃焼可能とすることができる。
【0003】
石炭の燃焼から得られる煙道ガスの精製は、しばしば、非常に高価である。燃焼前の石炭を精製する如何なる努力も、顕著な節約をもたらし得る。典型的/伝統的な燃焼器では燃焼し得ないランクがより低い或る石炭も、ここに提案する品質向上プロセスを用いて燃焼可能とすることができる。
【0004】
図面の簡単な説明
本発明の本質及び目的の更なる理解のために、添付の図面と共に以下の詳細な説明への参照が為されるべきである。これら図面では、同様の要素には同一又は類似した参照番号を付しており、
図1は、二酸化炭素と窒素とを用いて石炭を品質向上させる統合プロセスの概略図であり、
図2は、二酸化炭素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図3は、窒素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図4は、二酸化炭素と窒素清浄化ユニットとを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図5は、煙道ガスの再循環を利用した図1のプロセスの概略図であり、
図6は、二酸化炭素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図7は、窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図8は、二酸化炭素清浄化ユニットと窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図である。
【0005】
好ましい態様の説明
本プロセス及びシステムは、石炭を品質向上させるプロセスへの二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)との統合された使用を提案する。CO2は非非極性(non-non-polar)化合物にとってより良好な溶媒であるので、石炭中に存在し、自然界では非非極性である不純物(例えば硫黄系)は、蒸気よりもむしろCO2を用いてより良好に除去される。主に石炭中の水分を減少させるための高温N2の使用は、石炭の燃焼性能を、従って、プロセスの効率を向上させる。この品質向上プロセスの結果、燃焼熱がより高く、不純物がより少ない石炭が得られる。
【0006】
開示するプロセスの一側面は、以下の工程を含んだ石炭品質向上及び燃焼統合プロセスへと向けられている。空気を、酸素富化(rich)空気流と窒素富化空気流とに分離する。この窒素富化空気流を加熱する。加熱した窒素富化空気流は、石炭を収容した石炭品質向上装置内へと導入する。加熱した窒素富化空気は、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。酸素富化空気流と石炭品質向上装置からの石炭とは、燃焼チャンバへと導入する。石炭及び酸素富化空気を燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する。この煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、二酸化炭素リッチ(rich)流を生成する。二酸化炭素リッチ流は、石炭品質向上装置へと導入する。二酸化炭素リッチ流は、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。
【0007】
このシステムの一側面は、a)酸素富化ガス流出口と窒素富化ガス流出口とを有している空気分離ユニットと、b)窒素富化空気流出口と操作可能に関連付けられた(operably associated with)加熱デバイスと、c)窒素供給ラインを介して加熱デバイスと作用可能に関連付けられ(operatively associated with)、石炭を収容した石炭品質向上装置と、d)酸素富化空気流出口と流体的に連絡した(fluidly communicating with)燃焼チャンバであって、煙道ガス出口を有し、石炭品質向上装置からの石炭と空気分離ユニットからの酸素富化ガスとを燃焼させるように構成及び適合された燃焼チャンバと、e)煙道ガス出口と流体的に連絡した煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイスと、f)二酸化炭素リッチ流供給ラインとを含み、
i)乾燥、精製及び加圧デバイスは、煙道ガス出口から受け取った煙道ガスを乾燥させ、精製し、加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成するように構成及び適合され、
ii)乾燥、精製及び加圧デバイスは、二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して石炭品質向上装置と流体的に連絡している、
石炭品質向上及び燃焼統合システムへと向けられている。
【0008】
ここに開示するプロセスの他の側面は、以下の工程を含んだ、加熱した窒素を用いて石炭を品質向上させるプロセスへと向けられている。空気よりも高い窒素濃度を有している窒素含有ガスを加熱する。加熱した窒素含有ガスを、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。この加熱した窒素含有ガスを石炭品質向上装置から排出させ、これにより、石炭からの少なくとも幾分かの水分とS及びN含有化合物とを除去する。
【0009】
ここに開示するプロセスの他の側面は、以下の工程を含んだ、二酸化炭素を用いて石炭を品質向上させるプロセスへと向けられている。空気よりも高い二酸化炭素濃度を有している二酸化炭素含有流体を提供する。二酸化炭素含有流体を、石炭品質向上装置内で、或る時間に亘って石炭と接触させる。ここでは、石炭は、水スラリー中にはない。二酸化炭素含有流体を石炭品質向上装置から排出させ、これにより、石炭から少なくとも幾分かの非極性成分を除去する。
【0010】
ここに開示するプロセスは、以下の側面の1つ以上を更に含み得る。
− 前記乾燥、精製及び加圧工程の前に燃焼チャンバからの煙道ガスの幾分かの収集を行い、収集した煙道ガスを、燃焼チャンバに導入した酸素富化ガス流と混ぜ合わせること。
【0011】
− 二酸化炭素リッチ流体を石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させることであって、石炭品質向上装置内での二酸化炭素リッチ流体と石炭との接触は石炭の幾分かの非極性成分の二酸化炭素リッチ流体中への溶媒和をもたらすこと、及び、混ぜ合わせた二酸化炭素リッチ流体及び非極性成分から二酸化炭素の幾分かを第1清浄化ユニットにおいて分離すること、及び、分離した二酸化炭素を石炭品質向上装置内へと戻すこと、及び、非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去すること、及び、分離した揮発分を燃焼チャンバへと導入すること。
【0012】
− 二酸化炭素リッチ流体を接触させる工程の間、石炭品質向上装置は封止され、周囲(ambient)よりも高い圧力を有していること。
− 二酸化炭素リッチ流体は液体であること。
− 二酸化炭素リッチ流体は気体であること。
− 二酸化炭素リッチ流体は1,000psia未満の圧力を有していること。
【0013】
− 窒素富化空気を石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させることであって、石炭品質向上装置内での窒素富化空気と石炭との接触は石炭中の幾分かの水分の除去をもたらすこと、及び、窒素富化空気から水分を第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成すること、及び、乾燥させた窒素富化空気を石炭品質向上装置へと導入すること。
【0014】
− 加熱した窒素富化空気を接触させる工程の間、石炭品質向上装置はベント(vent)されること。
− 窒素富化空気流を、燃焼させる工程によって生成した熱を用いて加熱すること。
− 窒素富化空気流を、前記燃焼工程から離れた炎によって生成した熱を用いて加熱すること。
− 窒素富化空気流を、100℃を超える温度まで加熱すること。
【0015】
− 酸素富化ガスは、21%乃至99.5%の範囲内の酸素濃度を有していること。
− 窒素富化ガスは、79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有していること。
【0016】
− 石炭は、水を用いたスラリー内にないこと。
− 燃焼チャンバは、ボイラの一部であること。
【0017】
ここに開示する統合システムは、以下の側面の1つ以上を含み得る。
− この統合システムは、酸素富化ガス流出口と燃焼チャンバとの間の流体連絡を促進するように適合され且つ構成された酸化剤ライン、及び、乾燥、精製及び加圧デバイスと酸化剤ラインとに流体的に連絡した煙道ガス再循環ライン、及び、煙道ガス再循環ラインと酸化剤ラインとが流体的に連絡した位置に設置され、煙道ガス再循環ラインから受け取った煙道ガスを酸素富化ガス流出口からの酸化剤と混合するように適合され且つ構成された混合素子を更に含んでいること。
【0018】
− 統合システムは、二酸化炭素ベントラインと二酸化炭素リッチ流体供給ラインとを介して石炭品質向上装置と流体的に連絡した第1清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、更に揮発分ラインを介して燃焼チャンバと流体的に連絡し、この第1清浄化ユニットは、二酸化炭素とそれからの非極性成分との混合物を収容した前記石炭品質向上装置から二酸化炭素リッチ流体を受け取るように、及び、二酸化炭素と非極性成分との混合物から少なくとも幾分かの二酸化炭素を分離するように、及び、分離した二酸化炭素を、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置へと導くように、及び、非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分を非極性成分から分離するように、及び、分離した揮発分を、前記揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバへと導くように構成され且つ適合されたこと。
【0019】
− このシステムは、窒素ベントライン及び窒素戻りラインを介して石炭品質向上ユニットと流体的に連絡した第2清浄化ユニットを更に含み、第1清浄化ユニットは、窒素富化空気と水分との混合物を、前記石炭品質向上装置から前記窒素ベントラインを介して受け取り、窒素富化空気と水分との混合物から少なくとも幾分かの水分を分離して、乾燥した窒素富化空気を生成し、乾燥させた窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導くように構成され且つ適合されたこと。
【0020】
− このシステムは、前記窒素富化空気流出口からの窒素富化空気を、石炭と酸素富化空気との前記燃焼チャンバにおける燃焼から生成される熱を用いて加熱するように適合され且つ構成された熱交換器を更に含んでいること。
【0021】
図1に最もよく示されているように、供給空気5は、空気分離ユニット(ASU)7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8から出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6から出て、加熱デバイスへと、そして、石炭品質向上装置3へと導かれる。典型的な酸素及び窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。石炭供給源1からの石炭も、石炭品質向上装置3内へと配置される。
【0022】
石炭及び酸素富化空気は燃焼チャンバ内で燃焼され、それにより、煙道ガスを生成する。任意に、空気が燃焼チャンバに供給されてもよい。この場合、燃焼チャンバに入る混合した酸素富化空気と空気との合計酸素濃度は21体積%以上である。このシステム及びプロセスは、特には、ボイラである燃焼チャンバに適用可能である。煙道ガスは、任意の煙道ガス清浄化ユニット13へと導かれ、既知の方法で不純物を除去する。清浄化していない煙道ガス又は清浄化した煙道ガス(ユニット13が選択された場合)は、次いで、煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイス17へと導かれる。清浄化され、乾燥させ、精製し(必要に応じて)、加圧した煙道ガスは、次いで、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。任意に、清浄化し、乾燥させ、精製し、加圧したガスは、乾燥、精製及び加圧デバイスから使用又は貯蔵デバイス19へと導かれてもよい。
【0023】
運転中、石炭は、窒素富化空気又は二酸化炭素リッチ流体によって交互に品質向上させる。
【0024】
窒素富化空気による処理の間、窒素富化空気は、加熱デバイスにおいて加熱する。加熱デバイスは燃焼チャンバ及びその中の燃焼プロセスの外部にあってもよいが、好ましくは、熱は、燃焼プロセスによって、加熱デバイス15を介して窒素富化空気へと付与される。これらシステム及びプロセスは、このようにしてより完全に投稿され、これにより、運転及び資本コストを低減させる。窒素の温度は、石炭からの揮発分の放出が最小であるか又は全くなく、所望のレベルの水分が除去され得るように選択される。これら揮発分は、好ましくは、燃焼の観点から、石炭によって保持される。また、窒素が、幾分かの硫黄含有化合物及び窒素含有化合物を除去してもよい。石炭から水分を除去すると、石炭の燃焼熱(Btu/重量に基づいて)が増加するため、燃焼特性が改善する。換言すれば、未乾燥の石炭と同じ燃焼によるエネルギーを生成するのに、より少量の乾燥させた石炭が必要であろう。当業者は、より高い温度は石炭から水分を除去する効率を高めることを認識するであろう。加熱された窒素富化空気は、ベントライン2を介して幾分かの水分を運び去る。石炭品質向上装置3は、窒素富化空気による石炭の処理の間、封止されていてもよく、任意に加圧されていてもよいが、好ましくは、処理の間、少なくとも部分的にベントされる。
【0025】
二酸化炭素リッチ流体による処理の間、石炭品質向上装置3は、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20からの二酸化炭素リッチ流体を用いて加圧され、次いで、封止される。加圧された二酸化炭素リッチ柱体は、次いで、石炭中の非極性成分(硫黄含有化合物及び窒素含有化合物など)を溶解させるために、所望の時間に亘って石炭に接触させられる。また、加圧された二酸化炭素は、重金属を溶解させ得る。その非制限的な例は、砒素及びナトリウムを含んでいる。相対的に高い圧力では、二酸化炭素は、優れた溶媒特性を示す。二酸化炭素リッチ流体は、気体又は液体として導入されてもよい。二酸化炭素リッチ流体は、しばしば、二酸化炭素、酸素、窒素及びNOxを含む複数の成分を含んでいるが、二酸化炭素リッチ流体は、潜在的に、超臨界状態にあってもよい。当業者は、二酸化炭素リッチ流体の圧力及び温度は目標とする石炭及び不純物のタイプに応じて選択されてもよいことを認識するであろう。好ましくは、二酸化炭素リッチ流体は、1000psia以上の圧力を有している。処理後、石炭品質向上装置は、二酸化炭素ベントライン4を介してベントされる。なお、ベントライン2及び4には単一のラインを使用してもよい。
【0026】
図2に最もよく示されているように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素は、任意に、清浄化及び再循環されてもよい。本態様では、石炭由来の非極性成分を含んだ二酸化炭素は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して第1清浄化ユニット11へと導入される。次に、二酸化炭素の少なくとも幾分かは、既知の方法によって非極性成分から分離される。次いで、分離した二酸化炭素は、石炭品質向上装置3へと再び入れるために、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれる。次に、非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分が分離され、揮発分ライン18を介して燃焼チャンバ15へと導かれ、そこで、それらは、酸素富化空気及び石炭と共に燃焼させられる。重金属などの低二酸化炭素及び低不揮発分(carbon dioxide-depleted and volatile-depleted content)の残りは、ベント22を介してベントされてもよい。
【0027】
図3において最もよく例証されているように、石炭品質向上装置3を出る窒素は、任意に、清浄化及び再循環されてもよい。窒素ベント2を介して石炭品質向上装置3を出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へと戻されてリサイクルされてもよい。
【0028】
図4に最もよく示されているように、石炭品質向上装置3を出る窒素及び二酸化炭素は、任意に、図2及び図3の態様において上述したように清浄化及び再循環されてもよい。
【0029】
図5において最もよく例証されているように、煙道ガスの一部は、燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、次いで、煙道ガス再循環ライン24によって三木さ12へと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導入されてもよい。
【0030】
図6に最もよく示されているように、図2及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0031】
図7に最もよく示されているように、図3及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る窒素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0032】
図8に最もよく示されているように、図4及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素及び窒素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0033】
この方法及びシステムは、燃焼プロセス/システムと統合されている必要はなく、二酸化炭素リッチ流体及び窒素富化空気の双方による処理を必要ともしない。実際、石炭は、燃焼プロセス/システムから切り離して、二酸化炭素リッチ流体のみによって又は窒素富化空気のみによって品質向上されてもよい。
【0034】
図9において最もよく例証されているように、石炭は、窒素なしで、二酸化炭素によって品質向上されてもよい。何れかの供給源からの二酸化炭素リッチ流体は、二酸化炭素リッチ流体供給源20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。この場合、二酸化炭素リッチ流体は、煙道ガスに由来している必要はない。二酸化炭素リッチ流体による処理の間、石炭品質向上装置3は、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20からの二酸化炭素リッチ流体によって加圧され、次いで、封止される。加圧した二酸化炭素リッチ流体は、次いで、石炭中の非極性成分を溶媒和するために、所望の期間に亘って石炭と接触させられる。相対的により高い温度及び圧力では、二酸化炭素は、優れた溶媒特性を示す。二酸化炭素リッチ流体は、気体又は液体として導入されてもよい。二酸化炭素リッチ流体は、しばしば、二酸化炭素、酸素、窒素及びNOxを含む複数の成分を含んでいるが、二酸化炭素リッチ流体は、潜在的に、超臨界状態にあってもよい。当業者は、二酸化炭素リッチ流体の圧力及び温度は石炭のタイプ及び目標とする不純物に基づいて選択されてもよいことを認識するであろう。好ましくは、二酸化炭素リッチ流体は、1000psia以上の圧力を有している。処理後、石炭品質向上装置は、二酸化炭素ベントライン4を介してベントされる。
【0035】
図10に最もよく示されているように、図9の態様は、二酸化炭素の清浄化を含んでいてもよい。この態様では、石炭からの二酸化炭素含有非極性成分は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して、第1清浄化ユニット11へと導入される。二酸化炭素の少なくとも幾分かは、次いで、既知の方法によって非極性成分から分離される。分離した二酸化炭素は、次いで、使用のために二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれるか、使用及び/又は貯蔵のためにベント22へと導かれる。
【0036】
図11において最もよく例証されているように、図9の態様は、燃焼プロセス/システムと統合されていてもよい。石炭品質向上と石炭及び酸素富化空気の燃焼との統合された性質は、運転及び資本コストを低減させる。供給空気5は、空気分離ユニット(ASU)7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8を出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6を出て、加熱デバイス14へと導かれ、ついで、石炭品質向上装置3へと導かれる。典型的な酸素及び窒素濃度は、80体積%乃至99.5体積%の範囲内にある。石炭供給源1からの石炭も、石炭品質向上装置3内へと配置させられる。
【0037】
石炭及び酸素富化空気は、燃焼チャンバ15内で燃焼させられ、それにより、煙道ガスを生成する。任意に、空気が、燃焼チャンバへと供給されてもよい。この場合、酸素富化空気と燃焼チャンバ15へと入る空気との組み合わせの合計酸素濃度は、21%以上である。このシステム及びプロセスは、特には、ボイラである燃焼チャンバ15に適用可能である。煙道ガスは、任意の煙道ガス清浄化ユニット13へと導かれ、既知の方法で不純物を除去する。清浄化していない煙道ガス又は清浄化した煙道ガス(ユニット13が選択された場合)は、次いで、煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイス17へと導かれる。清浄化され、乾燥され、精製され、加圧された煙道ガスは、次いで、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。任意に、清浄化され、乾燥され、精製され、加圧された煙道ガスは、乾燥、精製及び加圧デバイスから使用又は貯蔵デバイス19へと導かれてもよい。
【0038】
図12に最もよく示されているように、図11の態様は、二酸化炭素の清浄化を含んでいてもよい。この態様では、石炭からの二酸化炭素含有非極性成分は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して、第1清浄化ユニット11へと導入される。二酸化炭素の少なくとも幾分かは、次いで、既知の方法によって非極性成分から分離される。分離した二酸化炭素は、次いで、石炭品質向上装置3への再導入のために二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれる。次いで、非極性成分の揮発分の幾分かが分離され、揮発分ライン18を介して燃焼チャンバ15へと導かれ、そこで、それらは酸素富化空気及び石炭と共に燃焼させられる。重金属などの低二酸化炭素及び低不揮発分の残りは、ベント22を介してベントされてもよい。
【0039】
図13に最もよく示されているように、図11の態様は、煙道ガスの再循環を含んでいてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、煙道ガス再循環ライン24によってミキサ12へと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導入されてもよい。
【0040】
図14において最もよく例証されているように、図12の態様は、煙道ガスの再循環を含んでいてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、煙道ガス再循環ライン24によってミキサへと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導かれてもよい。
【0041】
図15に最もよく示されているように、石炭は、石炭品質向上装置3内で、二酸化炭素を用いることなしに、窒素を用いて品質向上されてもよい。何れかの供給源からの窒素又は窒素富化空気は、加熱デバイス14へと導かれ、次いで、石炭品質向上装置3へと導かれる。本態様において使用する典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。窒素富化空気による処理の間、窒素富化空気は、加熱デバイスにおいて加熱される。窒素の温度は、石炭からの揮発分の放出が最小であるか又は全くなく、所望のレベルの水分が除去され得るように選択される。これら不揮発分は、好ましくは、燃焼の観点から、石炭によって保持される。加熱した窒素は、幾つかの硫黄含有化合物及び窒素含有化合物を除去してもよい。石炭からの水分の除去は、石炭の燃焼熱が増加するので、燃焼特性を向上させる。換言すれば、未乾燥の石炭と同じ燃焼によるエネルギーを生成するのに、より少量の乾燥させた石炭が必要であろう。当業者は、より高い温度は石炭から水分を除去する効率を高めることを認識するであろう。加熱した窒素富化空気は、ベントライン2を介して幾分かの水分を運び去る。石炭品質向上装置3は、窒素富化空気による石炭の処理の間、封止されていてもよく、任意に加圧されていてもよいが、好ましくは、処理の間、少なくとも部分的にベントされる。
【0042】
図16において最もよく例証されているように、図15の態様は、窒素の清浄化及び再循環を含んでいてもよい。石炭品質向上装置3から窒素ベント2を介して出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へと再循環させてもよい。
【0043】
図17に最もよく示されているように、図15の態様は、空気分離ユニット(ASU)と統合されていてもよい。供給空気5は、空気分離ユニット7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8を出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6を出て、加熱デバイス14へと導かれ、ついで、石炭品質向上装置3へと導かれる。本態様で使用する典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。ASUからの酸素富化空気における典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。
【0044】
図18において最もよく例証されているように、図17の態様は、窒素の清浄化及び再循環を含んでいてもよい。石炭品質向上装置3を窒素ベント2を介して出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へとリサイクルされてもよい。
【0045】
本発明の実施に好適なプロセス及び装置を説明した。上述した態様には、本方法の真意及び範囲から逸脱することなしに多くの変更及び修正が為されてもよいことが理解されるであろうし、これは、当業者には明らかであろう。先の記載は単に例証的なものであって、複数の側面が請求の範囲に記載された本発明の真の範囲から逸脱することなしに統合化したプロセス及び装置の他の態様が用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】二酸化炭素と窒素とを用いて石炭を品質向上させる統合プロセスの概略図。
【図2】二酸化炭素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図。
【図3】窒素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図。
【図4】二酸化炭素と窒素清浄化ユニットとを利用した図1のプロセスの概略図。
【図5】煙道ガスの再循環を利用した図1のプロセスの概略図。
【図6】二酸化炭素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図7】窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図8】二酸化炭素清浄化ユニットと窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図9】石炭を窒素なしで二酸化炭素によって品質向上させるプロセスの例を示す概略図。
【図10】に最もよく示されているように、二酸化炭素の清浄化を含んだ図9のプロセスの概略図。
【図11】燃焼プロセスと統合された図9のプロセスの概略図。
【図12】二酸化炭素の清浄化を含んだ図11のプロセスの概略図。
【図13】煙道ガスの再循環を含んだ図11のプロセスの概略図。
【図14】煙道ガスの再循環を含んだ図12のプロセスの概略図。
【図15】石炭を石炭品質向上装置内で二酸化炭素を用いることなしに窒素を用いて品質向上させるプロセスの例を示す概略図。
【図16】窒素の清浄化及び再循環を含んだ図15のプロセスの概略図。
【図17】空気分離ユニットと統合された図15のプロセスの概略図。
【図18】窒素の清浄化及び再循環を含んだ図17のプロセスの概略図。
【発明の開示】
【0001】
背景
石炭は、採掘時には、多量の不純物が付随している。採掘した石炭の品質向上プロセスは長きに亘って行われており、主として、水分及び他の容易に除去可能な不純物を除去している。蒸気及び或る不活性ガスがこのプロセスのために以前に使用されたことが分かった。このプロセスは、成分の入手が困難であることと経済的理由とによって、常時実施されていた訳ではない。
【0002】
要約
本発明は、石炭を、その使用前に品質向上/清浄化する革新的なプロセスを提案する。石炭の品質向上は、採掘した又は未精製の石炭中に存在している各種不純物を減少させて、その石炭をより清浄にすること、そして、石炭の単位重量当りのエネルギー含量を増加させることを意味している。ここに提案するプロセスは、目標とする不純物及び使用目的に応じて二酸化炭素(CO2)及び/又は窒素(N2)を用いて石炭を清浄化するか又は品質向上させる。品質向上させた石炭の燃焼は、より少ない環境汚染物質放出及び高められた燃焼効率をもたらす。未精製の条件では燃焼し得ない或る石炭は、ここに提案する品質向上プロセスを用いて燃焼可能とすることができる。
【0003】
石炭の燃焼から得られる煙道ガスの精製は、しばしば、非常に高価である。燃焼前の石炭を精製する如何なる努力も、顕著な節約をもたらし得る。典型的/伝統的な燃焼器では燃焼し得ないランクがより低い或る石炭も、ここに提案する品質向上プロセスを用いて燃焼可能とすることができる。
【0004】
図面の簡単な説明
本発明の本質及び目的の更なる理解のために、添付の図面と共に以下の詳細な説明への参照が為されるべきである。これら図面では、同様の要素には同一又は類似した参照番号を付しており、
図1は、二酸化炭素と窒素とを用いて石炭を品質向上させる統合プロセスの概略図であり、
図2は、二酸化炭素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図3は、窒素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図4は、二酸化炭素と窒素清浄化ユニットとを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図5は、煙道ガスの再循環を利用した図1のプロセスの概略図であり、
図6は、二酸化炭素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図7は、窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図であり、
図8は、二酸化炭素清浄化ユニットと窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図である。
【0005】
好ましい態様の説明
本プロセス及びシステムは、石炭を品質向上させるプロセスへの二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)との統合された使用を提案する。CO2は非非極性(non-non-polar)化合物にとってより良好な溶媒であるので、石炭中に存在し、自然界では非非極性である不純物(例えば硫黄系)は、蒸気よりもむしろCO2を用いてより良好に除去される。主に石炭中の水分を減少させるための高温N2の使用は、石炭の燃焼性能を、従って、プロセスの効率を向上させる。この品質向上プロセスの結果、燃焼熱がより高く、不純物がより少ない石炭が得られる。
【0006】
開示するプロセスの一側面は、以下の工程を含んだ石炭品質向上及び燃焼統合プロセスへと向けられている。空気を、酸素富化(rich)空気流と窒素富化空気流とに分離する。この窒素富化空気流を加熱する。加熱した窒素富化空気流は、石炭を収容した石炭品質向上装置内へと導入する。加熱した窒素富化空気は、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。酸素富化空気流と石炭品質向上装置からの石炭とは、燃焼チャンバへと導入する。石炭及び酸素富化空気を燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する。この煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、二酸化炭素リッチ(rich)流を生成する。二酸化炭素リッチ流は、石炭品質向上装置へと導入する。二酸化炭素リッチ流は、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。
【0007】
このシステムの一側面は、a)酸素富化ガス流出口と窒素富化ガス流出口とを有している空気分離ユニットと、b)窒素富化空気流出口と操作可能に関連付けられた(operably associated with)加熱デバイスと、c)窒素供給ラインを介して加熱デバイスと作用可能に関連付けられ(operatively associated with)、石炭を収容した石炭品質向上装置と、d)酸素富化空気流出口と流体的に連絡した(fluidly communicating with)燃焼チャンバであって、煙道ガス出口を有し、石炭品質向上装置からの石炭と空気分離ユニットからの酸素富化ガスとを燃焼させるように構成及び適合された燃焼チャンバと、e)煙道ガス出口と流体的に連絡した煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイスと、f)二酸化炭素リッチ流供給ラインとを含み、
i)乾燥、精製及び加圧デバイスは、煙道ガス出口から受け取った煙道ガスを乾燥させ、精製し、加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成するように構成及び適合され、
ii)乾燥、精製及び加圧デバイスは、二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して石炭品質向上装置と流体的に連絡している、
石炭品質向上及び燃焼統合システムへと向けられている。
【0008】
ここに開示するプロセスの他の側面は、以下の工程を含んだ、加熱した窒素を用いて石炭を品質向上させるプロセスへと向けられている。空気よりも高い窒素濃度を有している窒素含有ガスを加熱する。加熱した窒素含有ガスを、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる。この加熱した窒素含有ガスを石炭品質向上装置から排出させ、これにより、石炭からの少なくとも幾分かの水分とS及びN含有化合物とを除去する。
【0009】
ここに開示するプロセスの他の側面は、以下の工程を含んだ、二酸化炭素を用いて石炭を品質向上させるプロセスへと向けられている。空気よりも高い二酸化炭素濃度を有している二酸化炭素含有流体を提供する。二酸化炭素含有流体を、石炭品質向上装置内で、或る時間に亘って石炭と接触させる。ここでは、石炭は、水スラリー中にはない。二酸化炭素含有流体を石炭品質向上装置から排出させ、これにより、石炭から少なくとも幾分かの非極性成分を除去する。
【0010】
ここに開示するプロセスは、以下の側面の1つ以上を更に含み得る。
− 前記乾燥、精製及び加圧工程の前に燃焼チャンバからの煙道ガスの幾分かの収集を行い、収集した煙道ガスを、燃焼チャンバに導入した酸素富化ガス流と混ぜ合わせること。
【0011】
− 二酸化炭素リッチ流体を石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させることであって、石炭品質向上装置内での二酸化炭素リッチ流体と石炭との接触は石炭の幾分かの非極性成分の二酸化炭素リッチ流体中への溶媒和をもたらすこと、及び、混ぜ合わせた二酸化炭素リッチ流体及び非極性成分から二酸化炭素の幾分かを第1清浄化ユニットにおいて分離すること、及び、分離した二酸化炭素を石炭品質向上装置内へと戻すこと、及び、非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去すること、及び、分離した揮発分を燃焼チャンバへと導入すること。
【0012】
− 二酸化炭素リッチ流体を接触させる工程の間、石炭品質向上装置は封止され、周囲(ambient)よりも高い圧力を有していること。
− 二酸化炭素リッチ流体は液体であること。
− 二酸化炭素リッチ流体は気体であること。
− 二酸化炭素リッチ流体は1,000psia未満の圧力を有していること。
【0013】
− 窒素富化空気を石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させることであって、石炭品質向上装置内での窒素富化空気と石炭との接触は石炭中の幾分かの水分の除去をもたらすこと、及び、窒素富化空気から水分を第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成すること、及び、乾燥させた窒素富化空気を石炭品質向上装置へと導入すること。
【0014】
− 加熱した窒素富化空気を接触させる工程の間、石炭品質向上装置はベント(vent)されること。
− 窒素富化空気流を、燃焼させる工程によって生成した熱を用いて加熱すること。
− 窒素富化空気流を、前記燃焼工程から離れた炎によって生成した熱を用いて加熱すること。
− 窒素富化空気流を、100℃を超える温度まで加熱すること。
【0015】
− 酸素富化ガスは、21%乃至99.5%の範囲内の酸素濃度を有していること。
− 窒素富化ガスは、79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有していること。
【0016】
− 石炭は、水を用いたスラリー内にないこと。
− 燃焼チャンバは、ボイラの一部であること。
【0017】
ここに開示する統合システムは、以下の側面の1つ以上を含み得る。
− この統合システムは、酸素富化ガス流出口と燃焼チャンバとの間の流体連絡を促進するように適合され且つ構成された酸化剤ライン、及び、乾燥、精製及び加圧デバイスと酸化剤ラインとに流体的に連絡した煙道ガス再循環ライン、及び、煙道ガス再循環ラインと酸化剤ラインとが流体的に連絡した位置に設置され、煙道ガス再循環ラインから受け取った煙道ガスを酸素富化ガス流出口からの酸化剤と混合するように適合され且つ構成された混合素子を更に含んでいること。
【0018】
− 統合システムは、二酸化炭素ベントラインと二酸化炭素リッチ流体供給ラインとを介して石炭品質向上装置と流体的に連絡した第1清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、更に揮発分ラインを介して燃焼チャンバと流体的に連絡し、この第1清浄化ユニットは、二酸化炭素とそれからの非極性成分との混合物を収容した前記石炭品質向上装置から二酸化炭素リッチ流体を受け取るように、及び、二酸化炭素と非極性成分との混合物から少なくとも幾分かの二酸化炭素を分離するように、及び、分離した二酸化炭素を、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置へと導くように、及び、非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分を非極性成分から分離するように、及び、分離した揮発分を、前記揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバへと導くように構成され且つ適合されたこと。
【0019】
− このシステムは、窒素ベントライン及び窒素戻りラインを介して石炭品質向上ユニットと流体的に連絡した第2清浄化ユニットを更に含み、第1清浄化ユニットは、窒素富化空気と水分との混合物を、前記石炭品質向上装置から前記窒素ベントラインを介して受け取り、窒素富化空気と水分との混合物から少なくとも幾分かの水分を分離して、乾燥した窒素富化空気を生成し、乾燥させた窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導くように構成され且つ適合されたこと。
【0020】
− このシステムは、前記窒素富化空気流出口からの窒素富化空気を、石炭と酸素富化空気との前記燃焼チャンバにおける燃焼から生成される熱を用いて加熱するように適合され且つ構成された熱交換器を更に含んでいること。
【0021】
図1に最もよく示されているように、供給空気5は、空気分離ユニット(ASU)7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8から出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6から出て、加熱デバイスへと、そして、石炭品質向上装置3へと導かれる。典型的な酸素及び窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。石炭供給源1からの石炭も、石炭品質向上装置3内へと配置される。
【0022】
石炭及び酸素富化空気は燃焼チャンバ内で燃焼され、それにより、煙道ガスを生成する。任意に、空気が燃焼チャンバに供給されてもよい。この場合、燃焼チャンバに入る混合した酸素富化空気と空気との合計酸素濃度は21体積%以上である。このシステム及びプロセスは、特には、ボイラである燃焼チャンバに適用可能である。煙道ガスは、任意の煙道ガス清浄化ユニット13へと導かれ、既知の方法で不純物を除去する。清浄化していない煙道ガス又は清浄化した煙道ガス(ユニット13が選択された場合)は、次いで、煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイス17へと導かれる。清浄化され、乾燥させ、精製し(必要に応じて)、加圧した煙道ガスは、次いで、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。任意に、清浄化し、乾燥させ、精製し、加圧したガスは、乾燥、精製及び加圧デバイスから使用又は貯蔵デバイス19へと導かれてもよい。
【0023】
運転中、石炭は、窒素富化空気又は二酸化炭素リッチ流体によって交互に品質向上させる。
【0024】
窒素富化空気による処理の間、窒素富化空気は、加熱デバイスにおいて加熱する。加熱デバイスは燃焼チャンバ及びその中の燃焼プロセスの外部にあってもよいが、好ましくは、熱は、燃焼プロセスによって、加熱デバイス15を介して窒素富化空気へと付与される。これらシステム及びプロセスは、このようにしてより完全に投稿され、これにより、運転及び資本コストを低減させる。窒素の温度は、石炭からの揮発分の放出が最小であるか又は全くなく、所望のレベルの水分が除去され得るように選択される。これら揮発分は、好ましくは、燃焼の観点から、石炭によって保持される。また、窒素が、幾分かの硫黄含有化合物及び窒素含有化合物を除去してもよい。石炭から水分を除去すると、石炭の燃焼熱(Btu/重量に基づいて)が増加するため、燃焼特性が改善する。換言すれば、未乾燥の石炭と同じ燃焼によるエネルギーを生成するのに、より少量の乾燥させた石炭が必要であろう。当業者は、より高い温度は石炭から水分を除去する効率を高めることを認識するであろう。加熱された窒素富化空気は、ベントライン2を介して幾分かの水分を運び去る。石炭品質向上装置3は、窒素富化空気による石炭の処理の間、封止されていてもよく、任意に加圧されていてもよいが、好ましくは、処理の間、少なくとも部分的にベントされる。
【0025】
二酸化炭素リッチ流体による処理の間、石炭品質向上装置3は、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20からの二酸化炭素リッチ流体を用いて加圧され、次いで、封止される。加圧された二酸化炭素リッチ柱体は、次いで、石炭中の非極性成分(硫黄含有化合物及び窒素含有化合物など)を溶解させるために、所望の時間に亘って石炭に接触させられる。また、加圧された二酸化炭素は、重金属を溶解させ得る。その非制限的な例は、砒素及びナトリウムを含んでいる。相対的に高い圧力では、二酸化炭素は、優れた溶媒特性を示す。二酸化炭素リッチ流体は、気体又は液体として導入されてもよい。二酸化炭素リッチ流体は、しばしば、二酸化炭素、酸素、窒素及びNOxを含む複数の成分を含んでいるが、二酸化炭素リッチ流体は、潜在的に、超臨界状態にあってもよい。当業者は、二酸化炭素リッチ流体の圧力及び温度は目標とする石炭及び不純物のタイプに応じて選択されてもよいことを認識するであろう。好ましくは、二酸化炭素リッチ流体は、1000psia以上の圧力を有している。処理後、石炭品質向上装置は、二酸化炭素ベントライン4を介してベントされる。なお、ベントライン2及び4には単一のラインを使用してもよい。
【0026】
図2に最もよく示されているように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素は、任意に、清浄化及び再循環されてもよい。本態様では、石炭由来の非極性成分を含んだ二酸化炭素は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して第1清浄化ユニット11へと導入される。次に、二酸化炭素の少なくとも幾分かは、既知の方法によって非極性成分から分離される。次いで、分離した二酸化炭素は、石炭品質向上装置3へと再び入れるために、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれる。次に、非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分が分離され、揮発分ライン18を介して燃焼チャンバ15へと導かれ、そこで、それらは、酸素富化空気及び石炭と共に燃焼させられる。重金属などの低二酸化炭素及び低不揮発分(carbon dioxide-depleted and volatile-depleted content)の残りは、ベント22を介してベントされてもよい。
【0027】
図3において最もよく例証されているように、石炭品質向上装置3を出る窒素は、任意に、清浄化及び再循環されてもよい。窒素ベント2を介して石炭品質向上装置3を出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へと戻されてリサイクルされてもよい。
【0028】
図4に最もよく示されているように、石炭品質向上装置3を出る窒素及び二酸化炭素は、任意に、図2及び図3の態様において上述したように清浄化及び再循環されてもよい。
【0029】
図5において最もよく例証されているように、煙道ガスの一部は、燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、次いで、煙道ガス再循環ライン24によって三木さ12へと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導入されてもよい。
【0030】
図6に最もよく示されているように、図2及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0031】
図7に最もよく示されているように、図3及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る窒素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0032】
図8に最もよく示されているように、図4及び5の態様において上述したように、石炭品質向上装置3を出る二酸化炭素及び窒素が清浄化されてもよく、煙道ガスの一部が燃焼チャンバ15へと再循環されてもよい。
【0033】
この方法及びシステムは、燃焼プロセス/システムと統合されている必要はなく、二酸化炭素リッチ流体及び窒素富化空気の双方による処理を必要ともしない。実際、石炭は、燃焼プロセス/システムから切り離して、二酸化炭素リッチ流体のみによって又は窒素富化空気のみによって品質向上されてもよい。
【0034】
図9において最もよく例証されているように、石炭は、窒素なしで、二酸化炭素によって品質向上されてもよい。何れかの供給源からの二酸化炭素リッチ流体は、二酸化炭素リッチ流体供給源20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。この場合、二酸化炭素リッチ流体は、煙道ガスに由来している必要はない。二酸化炭素リッチ流体による処理の間、石炭品質向上装置3は、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20からの二酸化炭素リッチ流体によって加圧され、次いで、封止される。加圧した二酸化炭素リッチ流体は、次いで、石炭中の非極性成分を溶媒和するために、所望の期間に亘って石炭と接触させられる。相対的により高い温度及び圧力では、二酸化炭素は、優れた溶媒特性を示す。二酸化炭素リッチ流体は、気体又は液体として導入されてもよい。二酸化炭素リッチ流体は、しばしば、二酸化炭素、酸素、窒素及びNOxを含む複数の成分を含んでいるが、二酸化炭素リッチ流体は、潜在的に、超臨界状態にあってもよい。当業者は、二酸化炭素リッチ流体の圧力及び温度は石炭のタイプ及び目標とする不純物に基づいて選択されてもよいことを認識するであろう。好ましくは、二酸化炭素リッチ流体は、1000psia以上の圧力を有している。処理後、石炭品質向上装置は、二酸化炭素ベントライン4を介してベントされる。
【0035】
図10に最もよく示されているように、図9の態様は、二酸化炭素の清浄化を含んでいてもよい。この態様では、石炭からの二酸化炭素含有非極性成分は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して、第1清浄化ユニット11へと導入される。二酸化炭素の少なくとも幾分かは、次いで、既知の方法によって非極性成分から分離される。分離した二酸化炭素は、次いで、使用のために二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれるか、使用及び/又は貯蔵のためにベント22へと導かれる。
【0036】
図11において最もよく例証されているように、図9の態様は、燃焼プロセス/システムと統合されていてもよい。石炭品質向上と石炭及び酸素富化空気の燃焼との統合された性質は、運転及び資本コストを低減させる。供給空気5は、空気分離ユニット(ASU)7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8を出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6を出て、加熱デバイス14へと導かれ、ついで、石炭品質向上装置3へと導かれる。典型的な酸素及び窒素濃度は、80体積%乃至99.5体積%の範囲内にある。石炭供給源1からの石炭も、石炭品質向上装置3内へと配置させられる。
【0037】
石炭及び酸素富化空気は、燃焼チャンバ15内で燃焼させられ、それにより、煙道ガスを生成する。任意に、空気が、燃焼チャンバへと供給されてもよい。この場合、酸素富化空気と燃焼チャンバ15へと入る空気との組み合わせの合計酸素濃度は、21%以上である。このシステム及びプロセスは、特には、ボイラである燃焼チャンバ15に適用可能である。煙道ガスは、任意の煙道ガス清浄化ユニット13へと導かれ、既知の方法で不純物を除去する。清浄化していない煙道ガス又は清浄化した煙道ガス(ユニット13が選択された場合)は、次いで、煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイス17へと導かれる。清浄化され、乾燥され、精製され、加圧された煙道ガスは、次いで、二酸化炭素リッチ流体供給ライン20を介して石炭品質向上装置3へと導かれる。任意に、清浄化され、乾燥され、精製され、加圧された煙道ガスは、乾燥、精製及び加圧デバイスから使用又は貯蔵デバイス19へと導かれてもよい。
【0038】
図12に最もよく示されているように、図11の態様は、二酸化炭素の清浄化を含んでいてもよい。この態様では、石炭からの二酸化炭素含有非極性成分は、石炭品質向上装置3を出て、二酸化炭素ベントライン4を介して、第1清浄化ユニット11へと導入される。二酸化炭素の少なくとも幾分かは、次いで、既知の方法によって非極性成分から分離される。分離した二酸化炭素は、次いで、石炭品質向上装置3への再導入のために二酸化炭素リッチ流体供給ライン20へと導かれる。次いで、非極性成分の揮発分の幾分かが分離され、揮発分ライン18を介して燃焼チャンバ15へと導かれ、そこで、それらは酸素富化空気及び石炭と共に燃焼させられる。重金属などの低二酸化炭素及び低不揮発分の残りは、ベント22を介してベントされてもよい。
【0039】
図13に最もよく示されているように、図11の態様は、煙道ガスの再循環を含んでいてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、煙道ガス再循環ライン24によってミキサ12へと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導入されてもよい。
【0040】
図14において最もよく例証されているように、図12の態様は、煙道ガスの再循環を含んでいてもよい。煙道ガスが任意の煙道ガス清浄化ユニット13において清浄化された後、清浄化した煙道ガスの一部は、煙道ガス再循環ライン24によってミキサへと導かれ、そこで、酸素富化ガスと混合され、酸化剤ライン10を介して燃焼チャンバ15へと導かれてもよい。
【0041】
図15に最もよく示されているように、石炭は、石炭品質向上装置3内で、二酸化炭素を用いることなしに、窒素を用いて品質向上されてもよい。何れかの供給源からの窒素又は窒素富化空気は、加熱デバイス14へと導かれ、次いで、石炭品質向上装置3へと導かれる。本態様において使用する典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。窒素富化空気による処理の間、窒素富化空気は、加熱デバイスにおいて加熱される。窒素の温度は、石炭からの揮発分の放出が最小であるか又は全くなく、所望のレベルの水分が除去され得るように選択される。これら不揮発分は、好ましくは、燃焼の観点から、石炭によって保持される。加熱した窒素は、幾つかの硫黄含有化合物及び窒素含有化合物を除去してもよい。石炭からの水分の除去は、石炭の燃焼熱が増加するので、燃焼特性を向上させる。換言すれば、未乾燥の石炭と同じ燃焼によるエネルギーを生成するのに、より少量の乾燥させた石炭が必要であろう。当業者は、より高い温度は石炭から水分を除去する効率を高めることを認識するであろう。加熱した窒素富化空気は、ベントライン2を介して幾分かの水分を運び去る。石炭品質向上装置3は、窒素富化空気による石炭の処理の間、封止されていてもよく、任意に加圧されていてもよいが、好ましくは、処理の間、少なくとも部分的にベントされる。
【0042】
図16において最もよく例証されているように、図15の態様は、窒素の清浄化及び再循環を含んでいてもよい。石炭品質向上装置3から窒素ベント2を介して出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へと再循環させてもよい。
【0043】
図17に最もよく示されているように、図15の態様は、空気分離ユニット(ASU)と統合されていてもよい。供給空気5は、空気分離ユニット7において、酸素富化空気と窒素富化空気とに分離される。酸素富化空気は、酸素富化空気出口8を出て、酸化剤ライン10によって燃焼チャンバ15へと導かれる。窒素富化空気は、窒素富化空気出口6を出て、加熱デバイス14へと導かれ、ついで、石炭品質向上装置3へと導かれる。本態様で使用する典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。ASUからの酸素富化空気における典型的な窒素濃度は、80%乃至99.5%の範囲内にある。
【0044】
図18において最もよく例証されているように、図17の態様は、窒素の清浄化及び再循環を含んでいてもよい。石炭品質向上装置3を窒素ベント2を介して出る窒素及び水分は、第2清浄化ユニット9において乾燥させられ、乾燥させた窒素は石炭品質向上装置3へとリサイクルされてもよい。
【0045】
本発明の実施に好適なプロセス及び装置を説明した。上述した態様には、本方法の真意及び範囲から逸脱することなしに多くの変更及び修正が為されてもよいことが理解されるであろうし、これは、当業者には明らかであろう。先の記載は単に例証的なものであって、複数の側面が請求の範囲に記載された本発明の真の範囲から逸脱することなしに統合化したプロセス及び装置の他の態様が用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】二酸化炭素と窒素とを用いて石炭を品質向上させる統合プロセスの概略図。
【図2】二酸化炭素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図。
【図3】窒素清浄化ユニットを利用した図1のプロセスの概略図。
【図4】二酸化炭素と窒素清浄化ユニットとを利用した図1のプロセスの概略図。
【図5】煙道ガスの再循環を利用した図1のプロセスの概略図。
【図6】二酸化炭素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図7】窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図8】二酸化炭素清浄化ユニットと窒素清浄化ユニットと煙道ガスの再循環とを利用した図1のプロセスの概略図。
【図9】石炭を窒素なしで二酸化炭素によって品質向上させるプロセスの例を示す概略図。
【図10】に最もよく示されているように、二酸化炭素の清浄化を含んだ図9のプロセスの概略図。
【図11】燃焼プロセスと統合された図9のプロセスの概略図。
【図12】二酸化炭素の清浄化を含んだ図11のプロセスの概略図。
【図13】煙道ガスの再循環を含んだ図11のプロセスの概略図。
【図14】煙道ガスの再循環を含んだ図12のプロセスの概略図。
【図15】石炭を石炭品質向上装置内で二酸化炭素を用いることなしに窒素を用いて品質向上させるプロセスの例を示す概略図。
【図16】窒素の清浄化及び再循環を含んだ図15のプロセスの概略図。
【図17】空気分離ユニットと統合された図15のプロセスの概略図。
【図18】窒素の清浄化及び再循環を含んだ図17のプロセスの概略図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭品質向上及び燃焼統合プロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程と、
前記窒素富化空気流を加熱する工程と、
加熱した前記窒素富化空気流を、石炭を収容した石炭品質向上装置内へと導入する工程と、
加熱した前記窒素富化空気を、前記石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って前記石炭と接触させる工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する工程と、
前記煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成する工程と、
前記二酸化炭素リッチ流を前記石炭品質向上装置へと導入する工程と、
前記二酸化炭素リッチ流を、前記石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って前記石炭と接触させる工程と
を含んだプロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記乾燥、精製及び加圧工程を実行する前に前記燃焼チャンバからの前記煙道ガスの幾分かを収集する工程と、
収集した前記煙道ガスを、前記燃焼チャンバに導入した前記酸素富化ガス流と混ぜ合わせる工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記二酸化炭素リッチ流体を前記石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記二酸化炭素リッチ流体と前記石炭との接触は前記石炭の幾分かの非極性成分の前記二酸化炭素リッチ流体中への溶媒和をもたらす工程と、
前記二酸化炭素リッチ流体と前記非極性成分との組み合わせから二酸化炭素の幾分かを前記第1清浄化ユニットにおいて分離する工程と、
分離した前記二酸化炭素を前記石炭品質向上装置内へと戻す工程と、
前記非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去する工程と、
分離した前記揮発分を前記燃焼チャンバへと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項4】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体を接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置は、封止され且つ周囲よりも高い圧力を有しているプロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は液体であるプロセス。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は気体であるプロセス。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は1,000psia以上の圧力を有しているプロセス。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記窒素富化空気と前記石炭との接触は前記石炭中の幾分かの前記水分の除去をもたらす工程と、
前記窒素富化空気から水分を前記第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成する工程と、
乾燥させた前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項9】
請求項1に記載のプロセスであって、加熱した前記窒素富化空気を接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置はベントされるプロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流を、前記燃焼させる工程によって生成した熱を用いて加熱するプロセス。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流を、前記燃焼工程から離れた炎によって生成した熱を用いて加熱するプロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流は100℃を超える温度まで加熱されるプロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスであって、前記酸素富化ガスは21%乃至99.5%の範囲内の酸素濃度を有しているプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化ガスは79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有しているプロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスであって、前記石炭は水を用いたスラリー内にないプロセス。
【請求項16】
石炭品質向上及び燃焼統合システムであって、
a)酸素富化ガス流出口と窒素富化ガス流出口とを有している空気分離ユニットと、
b)前記窒素富化空気流出口と操作可能に関連付けられた加熱デバイスと、
c)窒素供給ラインを介して前記加熱デバイスと作用可能に関連付けられ、石炭を収容した石炭品質向上装置と、
d)前記酸素富化空気流出口と流体的に連絡した燃焼チャンバであって、煙道ガス出口を有し、前記石炭品質向上装置からの石炭と前記空気分離ユニットからの酸素富化ガスとを燃焼させるように構成及び適合された燃焼チャンバと、
e)前記煙道ガス出口と流体的に連絡した煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイスと、
f)二酸化炭素リッチ流供給ラインと
を含み、
i)前記乾燥、精製及び加圧デバイスは、前記煙道ガス出口から受け取った煙道ガスを乾燥させ、精製し、加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成するように構成及び適合され、
ii)前記乾燥、精製及び加圧デバイスは、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置と流体的に連絡しているシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記酸素富化ガス流出口と前記燃焼チャンバとの間の流体連絡を促進するように適合され且つ構成された酸化剤ラインと、
前記乾燥、精製及び加圧デバイスと前記酸化剤ラインとに流体的に連絡した煙道ガス再循環ラインと、
前記煙道ガス再循環ラインと前記酸化剤ラインとが流体的に連絡した位置に設置され、前記煙道ガス再循環ラインから受け取った煙道ガスを前記酸素富化ガス流出口からの酸化剤と混合するように適合され且つ構成された混合素子と
を更に含んだシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、二酸化炭素ベントラインと前記二酸化炭素リッチ流体供給ラインとを介して前記石炭品質向上装置と流体的に連絡した第1清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、更に揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバと流体的に連絡し、前記第1清浄化ユニットは、
二酸化炭素とそれからの非極性成分との混合物を収容した前記石炭品質向上装置から二酸化炭素リッチ流体を受け取り、
二酸化炭素と非極性成分との前記混合物から少なくとも幾分かの二酸化炭素を分離し、
分離した前記二酸化炭素を、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置へと導き、
前記非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分を前記非極性成分から分離し、
分離した前記揮発分を、前記揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバへと導く
ように構成され且つ適合されたシステム。
【請求項19】
請求項16に記載のシステムであって、窒素ベントライン及び窒素戻りラインを介して前記石炭品質向上ユニットと流体的に連絡した第2清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、
窒素富化空気と水分との混合物を、前記石炭品質向上装置から前記窒素ベントラインを介して受け取り、
窒素富化空気と水分との前記混合物から少なくとも幾分かの水分を分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成し、
乾燥させた前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導く
ように構成され且つ適合されたシステム。
【請求項20】
請求項16に記載のシステムであって、前記窒素富化空気流出口からの窒素富化空気を、石炭と酸素富化空気との前記燃焼チャンバにおける燃焼から生成される熱を用いて加熱するように適合され且つ構成された熱交換器を更に含んでいるシステム。
【請求項21】
加熱した窒素を用いて石炭を品質向上させるプロセスであって、
空気よりも高い窒素濃度を有している窒素含有ガスを加熱する工程と、
加熱した前記窒素含有ガスを、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる工程と、
加熱した前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置からベントさせ、これにより、前記石炭からの少なくとも幾分かの水分とS及びN含有化合物とを除去する工程と
を含んだプロセス。
【請求項22】
請求項21に記載のプロセスであって、
前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記窒素含有ガスと前記石炭との接触は前記石炭中の幾分かの前記水分の除去をもたらす工程と、
前記窒素含有ガスから水分を前記第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成する工程と、
乾燥させた前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置へと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項23】
請求項21に記載のプロセスであって、加熱した前記窒素含有ガスを接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置はベントされるプロセス。
【請求項24】
請求項21に記載のプロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程であって、前記窒素含有ガスは前記窒素富化空気を含んだ工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより熱を精製する工程と
を更に含み、前記窒素含有ガスを加熱する工程は、前記燃焼チャンバからの熱を前記窒素富化空気に与えることによって達成されるプロセス。
【請求項25】
請求項24に記載のプロセスであって、前記燃焼チャンバはボイラの一部であるプロセス。
【請求項26】
請求項21に記載のプロセスであって、前記窒素含有ガスは100℃を超える温度まで加熱されるプロセス。
【請求項27】
請求項21に記載のプロセスであって、前記窒素含有ガスは79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有しているプロセス。
【請求項28】
二酸化炭素を用いて石炭を品質向上させるプロセスであって、
空気よりも高い二酸化炭素濃度を有している二酸化炭素含有流体を提供する工程と、
前記二酸化炭素含有流体を、石炭品質向上装置内で、或る時間に亘って石炭と接触させる工程であって、前記石炭は水スラリー中にはない工程と、
前記二酸化炭素含有流体を前記石炭品質向上装置から排出させ、これにより、前記石炭から少なくとも幾分かの非極性成分を除去する工程と
を含んだプロセス。
【請求項29】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体及び石炭を接触させている間、前記石炭品質向上装置は封止され且つ周囲よりも高い圧力を有しているプロセス。
【請求項30】
請求項28に記載のプロセスであって、前記石炭は水を用いたスラリー内にないプロセス。
【請求項31】
請求項28に記載のプロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する工程と、
前記煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、前記二酸化炭素含有流体を生成する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項32】
請求項31に記載のプロセスであって、
前記乾燥、精製及び加圧工程を実行する前に前記燃焼チャンバからの前記煙道ガスの幾分かを収集する工程と、
収集した前記煙道ガスを、前記燃焼チャンバに導入した前記酸素富化ガス流と混ぜ合わせる工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項33】
請求項32に記載のプロセスであって、
前記二酸化炭素含有流体を前記石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記二酸化炭素含有流体と前記石炭との接触は前記石炭の幾分かの非極性成分の前記二酸化炭素含有流体中への溶媒和をもたらす工程と、
前記二酸化炭素含有流体と前記非極性成分との組み合わせから二酸化炭素の幾分かを前記第1清浄化ユニットにおいて分離する工程と、
分離した前記二酸化炭素を前記石炭品質向上装置内へと戻す工程と、
前記非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去する工程と、
分離した前記揮発分を前記燃焼チャンバへと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項34】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は液体であるプロセス。
【請求項35】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は気体であるプロセス。
【請求項36】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は1,000psia以上の圧力を有しているプロセス。
【請求項1】
石炭品質向上及び燃焼統合プロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程と、
前記窒素富化空気流を加熱する工程と、
加熱した前記窒素富化空気流を、石炭を収容した石炭品質向上装置内へと導入する工程と、
加熱した前記窒素富化空気を、前記石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って前記石炭と接触させる工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する工程と、
前記煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成する工程と、
前記二酸化炭素リッチ流を前記石炭品質向上装置へと導入する工程と、
前記二酸化炭素リッチ流を、前記石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って前記石炭と接触させる工程と
を含んだプロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記乾燥、精製及び加圧工程を実行する前に前記燃焼チャンバからの前記煙道ガスの幾分かを収集する工程と、
収集した前記煙道ガスを、前記燃焼チャンバに導入した前記酸素富化ガス流と混ぜ合わせる工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記二酸化炭素リッチ流体を前記石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記二酸化炭素リッチ流体と前記石炭との接触は前記石炭の幾分かの非極性成分の前記二酸化炭素リッチ流体中への溶媒和をもたらす工程と、
前記二酸化炭素リッチ流体と前記非極性成分との組み合わせから二酸化炭素の幾分かを前記第1清浄化ユニットにおいて分離する工程と、
分離した前記二酸化炭素を前記石炭品質向上装置内へと戻す工程と、
前記非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去する工程と、
分離した前記揮発分を前記燃焼チャンバへと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項4】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体を接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置は、封止され且つ周囲よりも高い圧力を有しているプロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は液体であるプロセス。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は気体であるプロセス。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体は1,000psia以上の圧力を有しているプロセス。
【請求項8】
請求項1に記載のプロセスであって、
前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記窒素富化空気と前記石炭との接触は前記石炭中の幾分かの前記水分の除去をもたらす工程と、
前記窒素富化空気から水分を前記第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成する工程と、
乾燥させた前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項9】
請求項1に記載のプロセスであって、加熱した前記窒素富化空気を接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置はベントされるプロセス。
【請求項10】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流を、前記燃焼させる工程によって生成した熱を用いて加熱するプロセス。
【請求項11】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流を、前記燃焼工程から離れた炎によって生成した熱を用いて加熱するプロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化空気流は100℃を超える温度まで加熱されるプロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスであって、前記酸素富化ガスは21%乃至99.5%の範囲内の酸素濃度を有しているプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載のプロセスであって、前記窒素富化ガスは79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有しているプロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスであって、前記石炭は水を用いたスラリー内にないプロセス。
【請求項16】
石炭品質向上及び燃焼統合システムであって、
a)酸素富化ガス流出口と窒素富化ガス流出口とを有している空気分離ユニットと、
b)前記窒素富化空気流出口と操作可能に関連付けられた加熱デバイスと、
c)窒素供給ラインを介して前記加熱デバイスと作用可能に関連付けられ、石炭を収容した石炭品質向上装置と、
d)前記酸素富化空気流出口と流体的に連絡した燃焼チャンバであって、煙道ガス出口を有し、前記石炭品質向上装置からの石炭と前記空気分離ユニットからの酸素富化ガスとを燃焼させるように構成及び適合された燃焼チャンバと、
e)前記煙道ガス出口と流体的に連絡した煙道ガス乾燥、精製及び加圧デバイスと、
f)二酸化炭素リッチ流供給ラインと
を含み、
i)前記乾燥、精製及び加圧デバイスは、前記煙道ガス出口から受け取った煙道ガスを乾燥させ、精製し、加圧して、二酸化炭素リッチ流を生成するように構成及び適合され、
ii)前記乾燥、精製及び加圧デバイスは、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置と流体的に連絡しているシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記酸素富化ガス流出口と前記燃焼チャンバとの間の流体連絡を促進するように適合され且つ構成された酸化剤ラインと、
前記乾燥、精製及び加圧デバイスと前記酸化剤ラインとに流体的に連絡した煙道ガス再循環ラインと、
前記煙道ガス再循環ラインと前記酸化剤ラインとが流体的に連絡した位置に設置され、前記煙道ガス再循環ラインから受け取った煙道ガスを前記酸素富化ガス流出口からの酸化剤と混合するように適合され且つ構成された混合素子と
を更に含んだシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、二酸化炭素ベントラインと前記二酸化炭素リッチ流体供給ラインとを介して前記石炭品質向上装置と流体的に連絡した第1清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、更に揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバと流体的に連絡し、前記第1清浄化ユニットは、
二酸化炭素とそれからの非極性成分との混合物を収容した前記石炭品質向上装置から二酸化炭素リッチ流体を受け取り、
二酸化炭素と非極性成分との前記混合物から少なくとも幾分かの二酸化炭素を分離し、
分離した前記二酸化炭素を、前記二酸化炭素リッチ流供給ラインを介して前記石炭品質向上装置へと導き、
前記非極性成分の少なくとも幾分かの揮発分を前記非極性成分から分離し、
分離した前記揮発分を、前記揮発分ラインを介して前記燃焼チャンバへと導く
ように構成され且つ適合されたシステム。
【請求項19】
請求項16に記載のシステムであって、窒素ベントライン及び窒素戻りラインを介して前記石炭品質向上ユニットと流体的に連絡した第2清浄化ユニットを更に含み、前記第1清浄化ユニットは、
窒素富化空気と水分との混合物を、前記石炭品質向上装置から前記窒素ベントラインを介して受け取り、
窒素富化空気と水分との前記混合物から少なくとも幾分かの水分を分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成し、
乾燥させた前記窒素富化空気を前記石炭品質向上装置へと導く
ように構成され且つ適合されたシステム。
【請求項20】
請求項16に記載のシステムであって、前記窒素富化空気流出口からの窒素富化空気を、石炭と酸素富化空気との前記燃焼チャンバにおける燃焼から生成される熱を用いて加熱するように適合され且つ構成された熱交換器を更に含んでいるシステム。
【請求項21】
加熱した窒素を用いて石炭を品質向上させるプロセスであって、
空気よりも高い窒素濃度を有している窒素含有ガスを加熱する工程と、
加熱した前記窒素含有ガスを、石炭品質向上装置内で、選択した時間に亘って石炭と接触させる工程と、
加熱した前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置からベントさせ、これにより、前記石炭からの少なくとも幾分かの水分とS及びN含有化合物とを除去する工程と
を含んだプロセス。
【請求項22】
請求項21に記載のプロセスであって、
前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置から第2清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記窒素含有ガスと前記石炭との接触は前記石炭中の幾分かの前記水分の除去をもたらす工程と、
前記窒素含有ガスから水分を前記第2清浄化ユニットにおいて分離して、乾燥させた窒素富化空気を生成する工程と、
乾燥させた前記窒素含有ガスを前記石炭品質向上装置へと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項23】
請求項21に記載のプロセスであって、加熱した前記窒素含有ガスを接触させる工程の間、前記石炭品質向上装置はベントされるプロセス。
【請求項24】
請求項21に記載のプロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程であって、前記窒素含有ガスは前記窒素富化空気を含んだ工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより熱を精製する工程と
を更に含み、前記窒素含有ガスを加熱する工程は、前記燃焼チャンバからの熱を前記窒素富化空気に与えることによって達成されるプロセス。
【請求項25】
請求項24に記載のプロセスであって、前記燃焼チャンバはボイラの一部であるプロセス。
【請求項26】
請求項21に記載のプロセスであって、前記窒素含有ガスは100℃を超える温度まで加熱されるプロセス。
【請求項27】
請求項21に記載のプロセスであって、前記窒素含有ガスは79%乃至99.5%の範囲内の窒素濃度を有しているプロセス。
【請求項28】
二酸化炭素を用いて石炭を品質向上させるプロセスであって、
空気よりも高い二酸化炭素濃度を有している二酸化炭素含有流体を提供する工程と、
前記二酸化炭素含有流体を、石炭品質向上装置内で、或る時間に亘って石炭と接触させる工程であって、前記石炭は水スラリー中にはない工程と、
前記二酸化炭素含有流体を前記石炭品質向上装置から排出させ、これにより、前記石炭から少なくとも幾分かの非極性成分を除去する工程と
を含んだプロセス。
【請求項29】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素リッチ流体及び石炭を接触させている間、前記石炭品質向上装置は封止され且つ周囲よりも高い圧力を有しているプロセス。
【請求項30】
請求項28に記載のプロセスであって、前記石炭は水を用いたスラリー内にないプロセス。
【請求項31】
請求項28に記載のプロセスであって、
空気を酸素富化空気流と窒素富化空気流とに分離する工程と、
前記酸素富化空気流と前記石炭品質向上装置からの前記石炭とを燃焼チャンバへと導入する工程と、
前記石炭及び前記酸素富化空気を前記燃焼チャンバ内で燃焼させ、これにより、煙道ガスを生成する工程と、
前記煙道ガスを、乾燥、精製及び加圧して、前記二酸化炭素含有流体を生成する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項32】
請求項31に記載のプロセスであって、
前記乾燥、精製及び加圧工程を実行する前に前記燃焼チャンバからの前記煙道ガスの幾分かを収集する工程と、
収集した前記煙道ガスを、前記燃焼チャンバに導入した前記酸素富化ガス流と混ぜ合わせる工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項33】
請求項32に記載のプロセスであって、
前記二酸化炭素含有流体を前記石炭品質向上装置から第1清浄化ユニットへと排出させる工程であって、前記石炭品質向上装置内での前記二酸化炭素含有流体と前記石炭との接触は前記石炭の幾分かの非極性成分の前記二酸化炭素含有流体中への溶媒和をもたらす工程と、
前記二酸化炭素含有流体と前記非極性成分との組み合わせから二酸化炭素の幾分かを前記第1清浄化ユニットにおいて分離する工程と、
分離した前記二酸化炭素を前記石炭品質向上装置内へと戻す工程と、
前記非極性成分の揮発分の少なくとも幾分かを非極性成分から除去する工程と、
分離した前記揮発分を前記燃焼チャンバへと導入する工程と
を更に含んだプロセス。
【請求項34】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は液体であるプロセス。
【請求項35】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は気体であるプロセス。
【請求項36】
請求項28に記載のプロセスであって、前記二酸化炭素含有流体は1,000psia以上の圧力を有しているプロセス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−517520(P2009−517520A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542853(P2008−542853)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003373
【国際公開番号】WO2007/063388
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003373
【国際公開番号】WO2007/063388
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】
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