説明

立ち入り区域管理システム

【課題】 管理区域内への入場者が不必要な区域に立ち入っているかどうかの確認を行うことの可能な立ち入り区域管理システムを提供する。
【解決手段】 ステップS30で、無線ハンディ50の現在位置を読み取り、ステップS31で、現在位置が設定された立ち入り禁止区域内かどうかを判断する。判断が否定された場合には、ステップS30へ戻り上記の処理を繰り返す。判断が肯定された場合には、ステップS32で、該当の無線ハンディ50へ警告を出力し、ステップS33で、監視モニタ68B上に表示されている該当の無線ハンディ50の位置に警告ランプを点灯させると共に警告音を出力して、係員に注意を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の管理区域内に入場する人、車両などの管理を行う立ち入り区域管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナターミナルなどの所定の管理区域内に入場する人や車両等は、通常、入場の際に入口等で入場したことのチェックを受ける。例えば、特許文献1には、コンテナターミナルの内外に複数のチェックゲートを設け、車両に備えられた無線ICタグを読みとることにより、どの車両がそのチェックゲートを通過したかのチェックが行われている。
【0003】
ところで、管理区域内に人や車両が入場する際には、その目的等により立ち入りの必要な区域は限られており、管理区域の管理者としては防犯や安全確保のために、必要がない区域への部外者の立ち入りを防止したいという要請がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、当該車両がチェックゲートを通過したことは確認はできるが、入場者が不必要な区域に立ち入っているかどうかの確認を行うことはできない。
【特許文献1】特開2003−81440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の要請に応えるべく提案されたものであり、管理区域内への入場者が不必要な区域に立ち入っているかどうかの確認を行うことの可能な立ち入り区域管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の立ち入り区域管理システムは、現在位置情報及び固有IDを発信可能な位置情報発信装置と、管理区域内での立ち入り禁止区域を前記固有ID毎に設定する区域設定手段、前記位置情報発信装置からの現在位置情報及び固有IDを受信可能な受信手段、及び前記受信手段により受信された現在位置情報及び固有IDに基づいて、前記区域設定手段で設定された立ち入り禁止区域に前記位置情報発信装置が進入したか否かを判断し、進入したと判断された場合に立ち入り禁止区域進入情報を出力する進入情報出力手段、を有する管理センターと、を備える。
【0006】
上記立ち入り区域管理システムの位置情報発信装置は、この位置情報発信装置の現在位置がどこであるかの現在位置情報、及び、この位置情報発信装置の固有IDを発信する。管理センターの区域設定手段は、管理区域内での立ち入り禁止区域を、固有ID毎に、すなわち各位置情報発信装置毎に設定する。また、管理センターの受信手段では位置情報発信装置から発信された現在位置情報及び固有IDが受信される。進入情報出力手段は、受信された現在位置情報及び固有IDに基づいて、当該固有IDについて設定された立ち入り禁止区域へこの固有IDの位置情報発信装置が進入したか否かを判断し、進入したと判断された場合に立ち入り禁止区域進入情報を出力する。
【0007】
上記立ち入り区域管理システムによれば、位置情報発信装置を管理区域内への入場者に携帯させることにより、入場者の現在位置を把握することができる。また、入場者の立ち入り禁止区域をこの入場者が携帯する位置情報発信装置の固有IDと関連づけて設定し、入場者が立ち入り禁止区域へ進入した場合に進入情報出力手段により立ち入り禁止区域進入情報を出力することにより、入場者の立ち入り禁止区域への進入を確認することができる。
【0008】
なお、本発明の立ち入り区域管理システムは、請求項2に記載のように、前記立ち入り禁止区域進入情報が、前記管理センター及び前記位置情報発信装置の少なくとも一方へ出力されることを特徴とすることもできる。
【0009】
立ち入り禁止区域進入情報を管理センターへ出力することにより、管理者により何らかの対応をとることができる。また、立ち入り禁止区域進入情報を位置情報発信装置へ出力することにより、入場者へ禁止区域内への立ち入りであることを認知させることができる。
【0010】
また、本発明の立ち入り区域管理システムの前記進入情報出力手段は、請求項3に記載のように、立ち入り禁止区域進入情報を、警告音、警告メッセージの表示、及び、警告ランプの点灯、の少なくとも1つで出力することにより、管理者や携帯者へ立ち入り禁止区域進入情報を認識させることができる。
【0011】
また、本発明の立ち入り区域管理システムは、請求項4に記載のように、前記位置情報発信装置が、振動を検知すると共に検知結果を前記管理センターの受信手段に送信する振動検知手段を有し、前記受信手段は前記振動検知手段からの振動検知結果を受信し、前記警告出力手段は前記振動検知結果に基づいて所定時間前記位置情報発信装置が振動していないと判断した場合に不携帯警告を出力することを特徴とすることもできる。
【0012】
上記の位置情報発信手段には振動検知手段が備えられている。この振動検知手段は、振動を検知すると共にその検知結果を管理センターの受信手段に送信する。受信手段は振動検知手段からの振動検知結果を受信する。ところで、位置情報発信装置を携帯して管理区域に入場した者が、この位置情報発信装置を放置して別の場所へ移動した場合には、入場者の位置を確認することができなくなる。そこで、受信した振動検知結果に基づいて所定時間位置情報発信装置が振動していないと判断した場合は、入場者が位置情報発信装置を放置等して別の場所へ移動したと判断し、不携帯警告を出力する。
【0013】
この構成によれば、位置情報発信装置の振動により携帯・不携帯を判断し、所定時間の不携帯が継続された場合に不携帯警告を出力するので、入場者が位置情報発信装置を放置したことを確認することができる。
【0014】
また、本発明の立ち入り区域管理システムは、請求項4に記載のように、前記不携帯警告が、前記管理センター及び前記位置情報発信装置の少なくとも一方へ出力されることを特徴とすることもできる。
【0015】
不携帯警告を管理センターへ出力することにより、管理者により何らかの対応をとることができる。また、不携帯警告を位置情報発信装置へ出力することにより、入場者へ禁止区域内への立ち入りであることを認知させることができる。
【0016】
また、本発明の立ち入り区域管理システムは、請求項5に記載のように、前記管理区域内のレイアウト、及び、このレイアウト上への前記現在位置情報に基づく各位置情報発信装置の現在位置、を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
【0017】
このように表示手段に管理区域内のレイアウト、及び、位置情報発信装置の現在位置を表示させることにより、管理者は容易に入場者の位置を確認することができる。
【0018】
また、本発明の立ち入り区域管理システムは、請求項6に記載のように、前記管理区域の出入口に設けられ、前記位置情報発信装置の受渡しを実行する受渡し実行機をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
【0019】
上記受渡し実行機を備えることにより、位置情報発信装置の受渡しを無人で行うことができ、管理区域の出入口に人を配置する必要がない。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記構成としたので、管理区域内への入場者が不必要な区域に立ち入っているかどうかの確認を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の立ち入り区域管理システム10で管理される管理区域としてのコンテナターミナル12を示す概略図である。コンテナターミナル12には、コンテナCを保管する区画であるヤード16が設けられている。ヤード16は複数の区画、ヤード16A〜Lから構成されている。ヤード16A〜Lの各々の中央部には、照明塔42が立設されている。照明塔42の上部には、各ヤード16を撮影して監視するための監視カメラ44が備えられている。
【0023】
コンテナターミナル12には海に面した側に、複数隻の船14が着岸できる岸壁13が設けられ、岸壁13には着岸した船14に沿って往復移動可能とされた岸壁クレーン18が設置されている。この岸壁クレーン18がコンテナCを船14へ船積みし、またはコンテナCを船14から陸揚げする。
【0024】
また、コンテナターミナル12内のコンテナCは、コンテナターミナル12内を自由に動き回るストラドルキャリア20、トップリフター22、及び、ヤード16内でコンテナCを跨いで移動するトランスファークレーン24によって移動される。
【0025】
コンテナターミナル12の入り口には、ゲート26が設けられている。ゲート26には、図2に示すように、受付機28及び番号確認カメラ29が設置されている。番号確認カメラ29は、コンテナターミナル12へ入場するトラックTのコンテナ番号、及び、プレートナンバーを読み取り可能とされている。受付機28には、入力キー30、及び、後述する無線ハンディ50の貸出口32、返却口34が設けられている。コンテナターミナル12へ入場するトラックTは、ゲート26で入場手続きを行う。入場手続きの際に、入場者は入場中に携帯が義務づけられた無線ハンディ50を貸与される。
【0026】
無線ハンディ50は、図3に示すように、表示部51、操作キー52、スピーカ57、及びアンテナ53を備える。また、無線ハンディ50の制御系は、図4に示すように、GPS54、制御部55、振動センサ56、を含んで構成されている。制御部55は、表示部51、操作キー52、スピーカ57、及び、アンテナ53と接続されている。GPS54はアンテナ53と接続されており、定期的に無線ハンディ50の現在位置を後述する管理センタ60へ送信する。振動センサ56は、無線ハンディ50の振動を検知可能とされており、アンテナ53を介して振動の有無を示す振動情報を管理センタ60へ出力する。無線ハンディ50は、受付機28内に必要量ストックされている。
【0027】
なお、無線ハンディ50の電源は、貸出中にOFFとされることのないように、管理者のみが操作可能な電源とされている。
【0028】
図5に示すように、管理センタ60は、オペレータシステム62、中央管理システム68、ヤード管理システム70、及び ゲートシステム75、を含んで構成されている。オペレータシステム62、ゲートシステム75、中央管理システム68、及びヤード管理システム70は、ルータを介してLAN37で接続されている。
【0029】
オペレータシステム62は、運航会社15のシステムとネットワークを介して接続されており、コンテナCをコンテナターミナル12から船積みするための予約の受付を行っている。この予約に関する予約情報Rには、運航会社名、コンテナCのコンテナ番号、コンテナCを搬入するトラックTのプレートナンバー、予約番号、が含まれている。予約の受付後、予約情報Rは中央管理システム68へ送信される。
【0030】
ヤード管理システム70は、アンテナ71、ヤード端末機72を含んで構成されている。アンテナ71は、コンテナターミナル12内の無線ハンディ50を含む様々な端末機器との通信を可能とされている。ヤード端末機72は、ヤード16の所定の場所に設置されており、作業状況の入力などを可能とされている。
【0031】
ゲートシステム75は、受付機28を含んで構成されており、受付機28からトラックTや人の入退場が入力され、入退場の情報が中央管理システム68へ送信される。
【0032】
中央管理システム68は、サーバ68A、及び、端末装置を兼ねた監視モニタ68Bを含んで構成されており、オペレータシステム62、ヤード管理システム70、及びゲートシステム75からの情報を受信してサーバ68Aで管理すると共に、所定の指示を出力する。
【0033】
サーバ68Aには、予約情報Rが登録されると共に、現在の各無線ハンディ50の使用状況が管理されている。使用状況は、図6に示す状況テーブルTBで管理されており、ハンディID毎に、携帯者ID、入場時間、立ち入り禁止区域情報、現在地情報、などの情報が把握されている。
【0034】
監視モニタ68Bには、図7に示すように、コンテナターミナル12内のレイアウト、及び、使用中の全無線ハンディ50のレイアウト上での現在位置が表示される。
【0035】
本発明の立ち入り区域管理システム10は、無線ハンディ50及び管理センタ60を含んで構成されている。
【0036】
次に、この立ち入り区域管理システム10の作用について説明する。
【0037】
トラックTが、コンテナターミナル12へ入場する際には、ゲート26の所定位置で停止する。ゲート26に設置された番号確認カメラ29は、トラックTのコンテナ番号、及び、プレートナンバーを読み取る。トラックTの運転手は、受付機28の入力キー30から、予め運航会社から取得している予約番号入力する。予約番号及び番号確認カメラ29での読み取り結果(以下これらの情報を「受付情報」という)は、中央管理システム68へ送信される。
【0038】
中央管理システム68のサーバ68Aは、受付情報を受信すると、図8に示す無線ハンディ設定処理を実行する。ステップS10で、まず、受信した予約番号と同じ番号で予め登録されている予約情報Rを読み出し、ステップS11で、予約時のコンテナ番号及びプレートナンバーが受付情報のコンテナ番号及びプレートナンバーと一致しているかどうかを判断する。一致していない場合には、ステップS12でその旨を出力して、係員に対応を促す。一致している場合には、ステップS13で現在未使用のハンディIDを取得し、ステップS14で、状況テーブルTBにハンディID、携帯者ID、入場時間、を入力する。そして、ステップS15で、立ち入り禁止区域の設定が行われ、設定された禁止区域が状況テーブルTBに登録される。立ち入り禁止区域の設定は、トラックTで搬入されるコンテナCの行き先ヤードに基づいて設定される。例えば、行き先ヤードがヤード16Aの場合には、ヤード16A以外のヤード内への立ち入りは禁止される。そして、ステップS16で、受付機28へ当該ハンディID及び行き先ヤードを送信する。
【0039】
受付機28では、中央管理システム68からハンディID及び行き先ヤードを受信すると、図9に示すハンディ貸与処理を実行する。ステップS20で、受信したハンディIDをストック中の1つの無線ハンディ50に付与し、ステップS21で無線ハンディ50の表示部51に行き先ヤードを表示させる。そして、ステップS22で、このハンディIDを付与した無線ハンディ50を貸出口32へ出力する。トラックTの運転手は、この無線ハンディ50を受け取って携帯し、コンテナターミナル12内へ入場する。
【0040】
無線ハンディ50からは、常時無線ハンディ50内のGPSを用いて取得されている現在位置情報とハンディIDとが発信され、この現在位置情報及びハンディIDは、ヤード管理システム70のアンテナ71を介して中央管理システム68で受信されている。中央管理システム68の状況テーブルTBの現在地欄は、受信する現在位置情報に基づいて所定時間毎に更新される。また、この無線ハンディ50の現在位置は、そのハンディIDと共に監視モニタ68Bに表示されたレイアウト上の該当位置に表示される。これにより、例えば、図7に示すように、ハンディID001の無線ハンディ50はヤード16Eに、ハンディID002の無線ハンディ50はヤード16Aに、ハンディID003の無線ハンディ50はヤード16Dに、各々位置していることを確認できる。
【0041】
中央管理システム68のサーバ68Aでは、貸出中のすべての無線ハンディ50を対象として、図10に示す立ち入り区域監視処理が行われている。ステップS30で、無線ハンディ50の現在位置を読み取り、ステップS31で、現在位置が設定された立ち入り禁止区域内かどうかを判断する。判断が否定された場合には、ステップS30へ戻り上記の処理を繰り返す。判断が肯定された場合には、ステップS32で、該当の無線ハンディ50へ立ち入り禁止区域進入情報を出力する。この立ち入り禁止区域進入情報は、音声にて「ここは立ち入り許可されていない区域です。指定の区域へお戻りください」のメッセージを出力してもよいし、警告音と共に無線ハンディ50の表示部51へ前述の音声の内容の文字を出力してもよい。そして、ステップS33で、監視モニタ68B上に表示されている該当の無線ハンディ50の位置に警告ランプを点灯させると共に警告音を出力して、係員に注意を促す。なお、係員への立ち入り禁止区域進入情報の出力は、その旨のメッセージの表示で行なってもよい。係員は、ヤード16に設置されている監視カメラ44で撮影されている該当区域の画像を確認し、ヤード16内の係員に通報するなどの対応をとることができる。
【0042】
本処理によれば、個々の無線ハンディ50毎に設定された立ち入り禁止区域への立ち入りがあった場合に、無線ハンディ50へ立ち入り禁止区域への立ち入りである旨の立ち入り禁止区域進入情報が出力されるので、無線ハンディ50の携帯者に立ち入り禁止区域への立ち入りであることを告知することができる。また、コンテナターミナル12の管理者側へも警告が出力されるので、管理者側に所定の対応策を講じさせることができる。
【0043】
また、中央管理システム68のサーバ68Aでは、貸出中のすべての無線ハンディ50を対象として、図11に示す携帯確認処理が行われている。この処理は、無線ハンディ50がトラックTの運転手によって携帯されているかどうかを判断し、携帯されず放置されていると判断した場合に、所定の警告を行うための処理である。
【0044】
まず、ステップS40で、無線ハンディ50の振動センサ56から出力されている振動情報に基づいて、無線ハンディ50が振動しているかどうかを判断する。振動している場合には、無線ハンディ50は携帯されていると判断し、振動していない場合には、無線ハンディ50は携帯されず放置されていると判断することができる。ステップS40での判断か判断が否定された場合には、ステップS40の処理に戻る。判断が肯定された場合には、ステップS41で、タイムカウントをスタートする。そして、ステップS42で、タイムカウントのスタートから所定時間経過したかどうかを判断する。ここでの判断は、無線ハンディ50の無振動状態が所定時間継続したかどうかを判断するためのものである。判断が否定された場合には、ステップS40へ戻り上記処理を繰り返す。判断が肯定された場合には、無振動状態が所定時間継続しているため、ステップS43で、該当の無線ハンディ50へ警告を出力する。この警告は、音声にて「無線ハンディを携帯してください」のメッセージを出力してもよいし、警告音と共に無線ハンディ50の表示部51へ前述の音声の内容の文字を出力してもよい。そして、ステップS44で、監視モニタ68B上に表示されている該当の無線ハンディ50の位置に警告ランプを点灯させると共に警告音を出力して、係員に注意を促す。係員は、ヤード16に設置されている監視カメラ44で撮影されている該当区域の画像を見て、トラックTの運転手の行方を確認するなどの対応をとることができる。
【0045】
本処理によれば、無線ハンディ50の振動の有無により携帯されているかどうかを判断し、携帯されていないと判断した場合に、無線ハンディ50へ警告が出力されるので、無線ハンディ50の携帯者に携帯を促すことができる。また、コンテナターミナル12の管理者側へも警告が出力されるので、管理者側に所定の対応策を講じさせることができる。
【0046】
コンテナターミナル12内での作業を終了し、トラックTが退場する際には、ゲート26の所定位置で停止し、運転手は無線ハンディ50を受付機28の返却口34へ投入する。受付機28では、図12に示す無線ハンディ返却処理が行われる。ステップS50で、投入された無線ハンディ50のハンディIDを読み取り、ステップS51で、中央管理システム68のサーバ68Aへ、このハンディIDを送信し、当該無線ハンディ50のハンディID及び行き先ヤードをクリアにして本処理を終了する。返却処理の終了後、当該無線ハンディ50は、受付機28内に再びストックされる。
【0047】
サーバ68Aでは、受付機28からハンディIDを受け取ると、図13に示す無線ハンディ設定解除処理が行われる。ステップS60で該当のハンディIDの情報を状況テーブルTBから図示しない履歴ファイルへと移動させる。これにより、状況テーブルTBからは、退場したトラックTの情報が削除される。また、ステップS61で、監視モニタ68Bの該当する無線ハンディ50の表示を削除する。
【0048】
本処理により、トラックTの退場処理が完了する。
【0049】
以上説明したように、本実施形態では、無線ハンディ50毎に立ち入り禁止区域を設定すると共に、無線ハンディ50から現在位置情報を受信する。そして、各々の無線ハンディ50が各々に設定された立ち入り禁止区域内に進入した場合に警告を出力するので、立ち入り禁止区域への進入を確認することができ、立ち入り禁止区域への進入に対する対応をとることができる。
【0050】
また、本実施形態では、無線ハンディ50の振動を振動センサ56で検知し、この検知結果に基づいて無線ハンディ50の携帯・不携帯を判断する。そして、不携帯と判断した場合に警告を出力するので、不携帯となっている無線ハンディ50を確認することができ、不携帯に対する対応をとることもできる。
【0051】
なお、本実施形態では、無線ハンディ50は受付機28で自動的に貸与・返却される形態について説明したが、ゲート26に係員を配置し、係員がハンディID、行き先ヤードを入力して、トラックTの運転手に手渡しでハンディ50を貸与してもよい。
【0052】
また、本実施形態では、入場者としてトラックTの運転手を例に説明したが、その他の立ち入り者に対して無線ハンディ50を携帯させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施形態のコンテナターミナルを示す斜視図である。
【図2】本実施形態のゲートに設置された受付機及び番号確認カメラの説明図である。
【図3】本実施形態の無線ハンディの概略斜視図である。
【図4】本実施形態の無線ハンディの概略ブロック図である。
【図5】本実施形態の管理センタの概略を示す図である。
【図6】本実施形態の状況テーブルの一例を示す図である。
【図7】本実施形態の監視モニタの表示例を示す図である。
【図8】本実施形態の無線ハンディ設定処理のフローチャートである。
【図9】本実施形態の無線ハンディ貸与処理のフローチャートである。
【図10】本実施形態の立ち入り区域監視処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態の携帯確認処理のフローチャートである。
【図12】本実施形態の無線ハンディ返却処理のフローチャートである。
【図13】本実施形態の無線ハンディ設定解除処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
TB 状況テーブル
10 立ち入り区域管理システム
12 コンテナターミナル
16 ヤード
26 ゲート
28 受付機(受渡し実行機)
50 無線ハンディ(位置情報発信装置)
51 表示部(進入情報出力手段)
56 振動センサ(振動検知手段)
57 スピーカ(進入情報出力手段)
60 管理センタ
68A サーバ(区域設定手段)
68B 監視モニタ(進入情報出力手段)
68 中央管理システム
71 アンテナ(受信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置情報及び固有IDを発信可能な位置情報発信装置と、
管理区域内での立ち入り禁止区域を前記固有ID毎に設定する区域設定手段、
前記位置情報発信装置からの現在位置情報及び固有IDを受信可能な受信手段、
及び前記受信手段により受信された現在位置情報及び固有IDに基づいて、前記区域設定手段で設定された立ち入り禁止区域に前記位置情報発信装置が進入したか否かを判断し、進入したと判断された場合に立ち入り禁止区域進入情報を出力する進入情報出力手段、
を有する管理センターと、
を備えた立ち入り区域管理システム。
【請求項2】
前記立ち入り禁止区域進入情報は、前記管理センター及び前記位置情報発信装置の少なくとも一方へ出力されることを特徴とする請求項1に記載の立ち入り区域管理システム。
【請求項3】
前記進入情報出力手段は、立ち入り禁止区域進入情報を、警告音、警告メッセージの表示、及び、警告ランプの点灯、の少なくとも1つで出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立ち入り区域管理システム。
【請求項4】
前記位置情報発信装置は、振動を検知すると共に検知結果を前記管理センターの受信手段に送信する振動検知手段を有し、
前記受信手段は前記振動検知手段からの振動検知結果を受信し、
前記進入情報出力手段は前記振動検知結果に基づいて所定時間前記位置情報発信装置が振動していないと判断した場合に不携帯警告を出力すること、を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の立ち入り区域管理システム。
【請求項5】
前記不携帯禁止警告は、前記管理センター及び前記位置情報発信装置の少なくとも一方へ出力されることを特徴とする請求項4に記載の立ち入り区域管理システム。
【請求項6】
前記管理区域内のレイアウト、及び、このレイアウト上への前記現在位置情報に基づく各位置情報発信装置の現在位置、を表示する表示手段をさらに備えた請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の立ち入り区域管理システム。
【請求項7】
前記管理区域の出入口に設けられ、前記位置情報発信装置の受渡しを実行する受渡し実行機をさらに備えた請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の立ち入り区域管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−146667(P2006−146667A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337405(P2004−337405)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】