説明

立体映像表示装置及びそのクロストーク補償方法

【課題】本発明は画質を向上することができる立体映像表示装置及びそのクロストーク補償方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る立体映像表示装置は、垂直同期信号に基づいて入力フレーム周波数を検出する入力周波数検出部と、前記入力周波数検出部を介して入力される3Dデータを過駆動制御変調しクロストークを一次補償する第1クロストーク補償部と、前記検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて前記クロストークを最終補償する第2クロストーク補償部と、最終補償された3Dデータに含まれた左目イメージデータと右目イメージデータを時分割表示する表示素子とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画質を向上することができる立体映像表示装置及びそのクロストーク補償方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、多様な映像処理技術の発展に基づいて3次元立体映像(以下、‘3D映像’)を具現することができる立体映像表示装置が開発されている。
【0003】
3D映像を具現する方式は、両眼視差方式(stereoscopic technique)または複合視差知覚方式(autostereoscopic technique)に大きく分けられる。
【0004】
両眼視差方式は、立体効果が大きい左右目の視差映像を利用し、眼鏡方式と無眼鏡方式があり、二つの方式とも皆実用化されている。無眼鏡方式は、一般的に、左右視差映像の光軸を分離するためのパララックスバリヤなどの光学板を表示画面の前にまたは後に設置する方式である。眼鏡方式は、液晶表示パネルに偏光方向が互いに異なる左右視差映像を表示し、偏光眼鏡または液晶シャッタメガネを使って立体映像を具現する。
【0005】
眼鏡方式は、パターンドリターダフィルムと偏光メガネを利用する第1偏光フィルター方式と、スイッチング液晶層と偏光メガネを利用した第2偏光フィルター方式と、液晶シャッタメガネ方式とに大きく分けられる。第1及び第2偏光フィルター方式では、偏光フィルターの役割のために、液晶表示パネル上に配置されたパターンリタドフィルムまたはスイッチング液晶層によって3D映像の透過率が低い。
【0006】
液晶シャッタメガネ方式は、表示素子に左目イメージと右目イメージをフレーム単位で交互に表示し、この表示タイミングに同期して液晶シャッタメガネの左右の目シャッターを開閉することで3D映像を具現する。液晶シャッタメガネは、左目イメージが表示される第nフレーム期間の間その左目シャッターのみを開放し、右目イメージが表示される第n+1フレーム期間の間その右目シャッターのみを開放することで時分割方式で両眼視差を作り出す。
【0007】
立体映像表示装置において映像を表示する表示素子としては液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)が主に利用される。ホールドタイプ(Hold type)の表示素子である液晶表示装置はデータの記入に対応しその応答特性が多少遅延される。このような液晶の応答特性の遅延によって、3D映像具現時、左目イメージから右目イメージに変わる時間または右目イメージから左目イメージに変わる時間で残像によるテーリング(tailing)が発生しゴースト状の3Dクロストーク(Crosstalk)が現われる。
【0008】
液晶の応答特性を向上するために過駆動制御(Over Driving Control、以下‘ODC’)変調方式が知られている。ODC変調方式は、直前フレームデータと現在フレームデータを比べて、その比較結果によるデータの変化を判断しその判断結果に対応する補償値で入力データを変調する。ODC変調方式は、直前フレームデータに比べて現在フレームデータの階調が大きいほど現在フレームデータを入力階調値よりさらに大きく変調し、反対に直前フレームデータに比べて現在フレームデータの階調が小さいほど現在フレームデータを入力階調値よりさらに小さく変調することで液晶の応答特性を高める。
【0009】
しかし、ODC変調方式は、同一階調の現在フレームデータを表現する際、以前フレームデータの階調が何なのかによって輝度偏差が発生する問題がある。このような輝度偏差によって既存のODC変調方式をそのまま立体映像表示装置に採用する場合、3Dクロストーク(Crosstalk)を低減させにくい。
【0010】
最近、立体映像表示装置にODC変調方式を適用しながらも前記のような輝度偏差問題を無くすことで3Dクロストークを緩和させることができる技術が提案されている。しかし、この技術は入力フレーム周波数が60HzであるNTSC(National Television Standards Committee)方式に基いたものであり、入力フレーム周波数が50HzであるPAL(Phase Alternate Line)方式にそのまま適用する場合、図1のような問題が発生する。
【0011】
すなわち、入力フレーム周波数にかかわらずNTSC基準で同一であるクロストーク減少技術をPAL方式に適用すれば、図1のように、240Hz(NTSC)では以前フレームデータの輝度から現在フレームデータのターゲット輝度に液晶応答が所望する時間内に到達するのに比べて、200Hz(PAL)ではオーバーシュート(over shoot)によってむしろターゲット輝度に到達する時間が所望する時間より所定値(T)遅くなることによって3Dクロストークが発生するようになる。
【0012】
入力フレーム周波数に従って液晶のプロファイル(profile)は変わる。したがって、入力フレーム周波数を考慮し前述した技術の問題点を解決することができる追加補完策が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、入力フレーム周波数に拘わらず拘わらずに3Dクロストークを防止するようにした立体映像表示装置及びそのクロストーク補償方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を果たすために、本発明に係る立体映像表示装置は、垂直同期信号に基づいて入力フレーム周波数を検出する入力周波数検出部と、前記入力周波数検出部を介して入力される3Dデータを過駆動制御変調しクロストークを一次補償する第1クロストーク補償部と、前記検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて前記クロストークを最終補償する第2クロストーク補償部と、最終補償された3Dデータに含まれた左目イメージデータと右目イメージデータを時分割表示する表示素子を備える。
【0015】
前記入力周波数検出部は、前記垂直同期信号を60Hzで分けてその残りが 0になればNTSCという判断の下に第1判断信号を出力し、前記残りが0ではなければPALという判断の下に第2判断信号を出力するNTSC/PAL 判断部と前記第1判断信号に応答し前記垂直同期信号が120Hzかまたは 240Hzかを検出するNTSC信号検出部と、前記第2判断信号に応答し前記垂直同期信号が100Hzかまたは200Hzかを検出するPAL信号検出部を備える。
【0016】
前記NTSC信号検出部は、前記垂直同期信号が240Hzの場合、240HzNTSC信号を指示する二進数‘00’をフレーム周波数情報としてEEPROMに貯蔵し、前記垂直同期信号が120Hzの場合120HzNTSC信号を指示する二進数‘10’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵する。
【0017】
前記PAL信号検出部は、前記垂直同期信号が200Hzの場合、200HzのPAL信号を指示する二進数‘01’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵し、前記垂直同期信号が100Hzの場合100HzのPAL信号を指示する二進数‘11’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵する。
【0018】
前記第2クロストーク補償部は、前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘00’の場合 1と同一である第1定数値を前記一次補償された3Dデータに掛け、前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘01’の場合、前記第1定数値より小さな第2定数値を前記一次補償された3Dデータに掛け、前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘10’の場合、前記第2定数値より小さな第3定数値を前記一次補償された3Dデータに掛けて前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘11’の場合、前記第3定数値より小さな第4定数値を前記一次補償された3Dデータに掛ける。
【0019】
前記第2クロストーク補償部は1が掛けられる基準フレーム周波数から入力フレーム周波数が低くなるほど0から1間で漸次小さな定数値を前記一次補償された3Dデータに掛ける。
【0020】
前記基準フレーム周波数はあらかじめ設定されたフレーム周波数の内で最も早い周波数に選択される。
【0021】
この立体映像表示装置は前記表示素子に同期し左目シャッターと右目シャッターを交互に開閉する液晶シャッタメガネをさらに備える。
【0022】
この立体映像表示装置は前記表示素子上に附着し左目イメージの偏光特性と右目イメージの偏光特性を互いに異なるように変換するアクティブリターダと、第1偏光のみを透過させる左目と、第1偏光と光軸が直交される第2偏光のみを透過させる右目を含む偏光メガネをさらに備える。
【0023】
本発明の実施の形態に係る立体映像表示装置のクロストーク補償方法は垂直同期信号に基づいて入力フレーム周波数を検出する段階と過駆動制御変調を通じて入力3Dデータのクロストークを一次補償する段階と、検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて前記クロストークを最終補償する段階を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明の立体映像表示装置及びそのクロストーク補償方法は、入力フレーム周波数に拘わらずに液晶応答時発生するオーバーシュートを未然に防止し、3Dクロストークを画期的に減らすことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】入力周波数に従って液晶応答が遅くなる一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る立体映像表示装置を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る立体映像表示装置を示す図である。
【図4】クロストーク補償回路を詳しく示す図である。
【図5】入力周波数の検出部を詳しく示す図である。
【図6】最終補償された3Dデータによる液晶応答を示す図である。
【図7】本発明に係る立体映像表示装置のクロストーク補償方法を順次に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面の図2乃至図7を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
図2は本発明の一実施の形態に係る立体映像表示装置を示す。
【0028】
図2を参照すれば、本発明の一実施の形態に係る立体映像表示装置は、表示パネル15、表示パネル駆動回路12、バックライトユニット16、バックライト駆動回路13、液晶シャッタメガネ18、シャッター制御信号送信部14、シャッター制御信号受信部17、クロストーク補償回路10及び制御回路11を備える。ここで、表示パネル駆動回路12、バックライト駆動回路13、表示パネル15及びバックライトユニット16は表示素子を具現する。
【0029】
表示パネル15は、制御回路11の時分分割制御の下で所定時間を周期として左目イメージデータと右目イメージデータを交互に表示する。左目イメージが表示される左目データフレームと右目イメージが表示される右目データフレームの間ごとにブラック映像を表示するためのブラックデータフレームが挿入される。この表示パネル15は、液晶層に印加されるデータ電圧によってバックライトユニット16からの光を変調する透過型液晶表示パネルとして具現される。透過型液晶表示パネルは、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor: 以下、“TFT”と称す)基板とカラーフィルター基板を含む。TFT基板とカラーフィルター基板の間には液晶層が形成される。TFT基板上には下部ガラス基板上にデータラインとゲートライン(またはスキャンライン)が相互に直交するように形成され、データラインとゲートラインの交差によって定義された画素領域に液晶セルがマトリックス状に配置される。データラインとゲートラインの交差部に形成されたTFTはゲートラインからのスキャンパルスに応答しデータラインを介して供給されるデータ電圧を液晶セルの画素電極に伝達するようになる。このために、TFTのゲート電極はゲートラインに接続され、ソース電極はデータラインに接続される。TFTのドレーン電極は液晶セルの画素電極に接続される。画素電極と対向する共通電極には共通電圧が供給される。カラーフィルター基板は上部ガラス基板上に形成されたブラックマトリクス、カラーフィルターを含む。共通電極はTN(Twisted Nematic)モードとVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式で上部ガラス基板上に形成され、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式で画素電極とともに下部ガラス基板上に形成される。透過型液晶表示パネルの上部ガラス基板と下部ガラス基板それぞれには偏光板が附着し液晶のプレチルト角(pre-tilt angle)を設定するための配向膜が形成される。透過型液晶表示パネルの上部ガラス基板と下部ガラス基板の間には液晶層のセルギャップ(cell gap)を維持するためのスペーサーが形成される。透過型液晶表示パネルの液晶モードは前述のTNモード、VAモード、IPSモード、FFSモードだけではなくどのような液晶モードでも具現することができる。
【0030】
表示パネル駆動回路12はデータ駆動回路とゲート駆動回路を含む。データ駆動回路は制御回路11から入力される最終補償データ(3DDATA”)を正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換し正極性/負極性アナログデータ電圧を発生する。データ駆動回路から出力される正極性/負極性アナログデータ電圧は表示パネル15のデータラインに供給される。ゲート駆動回路はデータ電圧に同期するゲートパルス(またはスキャンパルス)を表示パネル15のゲートラインに順次供給する。
【0031】
バックライトユニット16はあらかじめ設定された所定の時間の間点灯して表示パネル15に光を照射し、その以外の期間の間消灯して、このような点灯と消灯を周期的に繰り返す。バックライトユニット16はバックライト駆動回路13から供給される駆動電力によって点灯する光源と、導光板(または拡散板)及び複数の光学シートなどを含む。バックライトユニット16は直下型(direct type)バックライトユニットまたはエッジ型(edge type)バックライトユニットとして具現できる。バックライトユニットの光源はHCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL(External Electrode Fluorescent Lamp)、LED(Light Emitting Diode)の内いずれか一または二種類以上の光源を含むことができる。
【0032】
バックライト駆動回路13は光源を点灯させるための駆動電力を発生する。バックライト駆動回路13は駆動電力を制御回路11の制御の下に光源に供給する。
【0033】
液晶シャッタメガネ18は電気的に個別制御される左目シャッター(STL)と右目シャッター(STR)を備える。左目シャッター(STL)と右目シャッター(STR)それぞれは、第1透明基板、第1透明基板上に形成された第1透明電極、第2透明基板、第2透明基板上に形成された第2透明電極、第1及び第2透明基板の間に形成された液晶層を含む。第1透明電極には基準電圧が供給され、第2透明電極にはON/OFF電圧が供給される。左目シャッター(STL)と右目シャッター(STR)それぞれは、シャッター制御信号(CST)に応答して第2透明電極にON電圧が供給される時、表示パネル15からの光を透過させる一方、第2透明電極にOFF電圧が供給される時、表示パネル15からの光を遮断する。
【0034】
シャッター制御信号送信部14は制御回路11に接続され、制御回路11から入力されるシャッター制御信号(CST)を有/無線インターフェースを通じてシャッター制御信号受信部17に伝送する。シャッター制御信号受信部17は液晶シャッタメガネ18に設置され有/無線インターフェースを通じてシャッター制御信号(CST)を受信し、シャッター制御信号(CST)によって液晶シャッタメガネ18の左目シャッター(STL)と右目シャッター(STR)を交互に開閉する。シャッター制御信号(CST)が第1論理値でシャッター制御信号受信部17に入力される時、左目シャッター(STL)の第2透明電極にON電圧が供給される一方、右目シャッター(STR)の第2透明電極にはOFF電圧が供給される。シャッター制御信号(CST)が第2論理値でシャッター制御信号受信部17に入力される時、左目シャッター(STL)の第2透明電極にOFF電圧が供給される一方、右目シャッター(STR)の第2透明電極にはON電圧が供給される。したがって、液晶シャッタメガネ18の左目シャッター(STL)はシャッター制御信号(CST)が第1論理値として発生される時(すなわち、左目イメージが表示される時)開放され、液晶シャッタメガネ18の右目シャッター(STR)はシャッター制御信号(CST)が第2論理値として発生される時(すなわち、右目イメージが表示される時)開放される。
【0035】
クロストーク補償回路10は入力フレーム周波数を検出し、ODC変調を通じて入力3Dデータのクロストークを一次補償した後、前記検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて3Dクロストークを最終補償する。そして、クロストーク補償回路10は最終補償された3Dデータ(3DDATA”)を制御回路11に供給する。クロストーク補償回路10に対しては図3乃至図5を通じて詳しく後述する。
【0036】
制御回路11は、システム回路(図示せず)から垂直同期信号(Vsync)、 水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(DE)、ドットクロック(CLK)などを含んだタイミング信号の入力を受ける。そして、このタイミング信号に基づいて表示パネル制御信号(CDIS)、バックライト制御信号(CBL)及びシャッター制御信号(CST)を生成する。
【0037】
表示パネル制御信号(CDIS)は、データ駆動回路の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号(DDC)と、ゲート駆動回路の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号(GDC)を含む。データ制御信号(DDC)は、ソーススタートパルス(Source Start Pulse、SSP)、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock、SSC)、ソース出力イネーブル信号(Source Output Enable、SOE)、極性制御信号(POL)などを含む。ソーススタートパルス(SSP)はデータ駆動回路のデータサンプリング開始時点を制御する。ソースサンプリングクロックはライジングまたはフォーリングエッジ(folling edge)に基づいてデータ駆動回路のサンプリング動作を制御するクロック信号である。データ駆動回路に入力されるデジタルビデオデータがmini LVDS(Low Voltage Differential Signaling)インターフェース規格で伝送されれば、ソーススタートパルス(SSP)とソースサンプリングクロック(SSC)は省略できる。極性制御信号(POL)はデータ駆動回路から出力されるデータ電圧の極性をK(Kは正の定数)水平期間周期として反転させる。ソース出力イネーブル信号(SOE)はデータ駆動回路の出力タイミングを制御する。ゲート制御信号(GDC)は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse、GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock、GSC)、ゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable、GOE)などを含む。ゲートスタートパルス(GSP)は第1番目のゲートパルスのタイミングを制御する。ゲートシフトクロック(GSC)はゲートスタートパルス(GSP)をシフトさせるためのクロック信号である。ゲート出力イネーブル信号(GOE)はゲート駆動回路の出力タイミングを制御する。
【0038】
バックライト制御信号(CBL)は光源の点灯デューティー比を制御するための点灯デューティー制御信号、光源の点灯周期を制御するための点灯シンク制御信号を含む。バックライト制御信号(CBL)はバックライト駆動回路13に供給されバックライト駆動回路13の動作を制御する。液晶シャッター制御信号(CST)はシャッター制御信号送信部14を通じてシャッター制御信号受信部17に伝送されて液晶シャッタメガネ18の左目/右目シャッター(STL、STR)の開閉タイミングを制御する。
【0039】
また、制御回路11はクロストーク補償回路10から入力される最終補償された3Dデータ(3D DATA”)を表示パネル駆動回路12に供給する。
【0040】
図3は本発明の他の実施の形態に係る立体映像表示装置を示す。
【0041】
図3を参照すれば、本発明の他の実施の形態に係る立体映像表示装置は、表示パネル15、表示パネル駆動回路12、バックライトユニット16、バックライト駆動回路13、アクティブリターダ20、アクティブリターダ駆動回路19、偏光メガネ30、クロストーク補償回路10及び制御回路11を備える。
【0042】
クロストーク補償回路10、表示パネル15、表示パネル駆動回路12、バックライトユニット16、バックライト駆動回路13は、図2で説明したのと実質的に同一である。制御回路11はシャッター制御信号の代りにアクティブリターダ制御信号(CAR)を生成するということを除いて図2で説明したのと実質的に同一である。
【0043】
アクティブリターダ20は表示パネル15上に附着されて左目イメージの偏光特性と右目イメージの偏光特性を互いに異なるようにする。アクティブリターダ20は、液晶層、液晶層に電界を印加するための電極、液晶層上に形成された1/4波長板を含み液晶層の複屈折状態を電気的に制御することで表示パネル15から入射される光の偏光特性を変換する。液晶層141は、on電圧に応答して入射光の位相を遅延させないでそのまま通過させる一方、off電圧が印加される時入射光の位相を1/2波長位遅延させる1/2波長位相遅延層の役割をする。左目イメージが表示されるフレーム期間の間、液晶層141はoff電圧に応答し表示パネル15の上部偏光板を通過した−45゜線偏光の位相を1/2波長だけ遅延させ45゜線偏光に変換し、1/4波長板は液晶層を通過した45゜線偏光の位相を1/4波長だけ遅延させて左円偏光に変換する。右目イメージが表示されるフレーム期間の間、液晶層はon電圧に応答して表示パネル15の上部偏光板を通過した−45゜線偏光をそのまま通過させて、1/4波長板は液晶層を通過した−45゜線偏光の位相を1/4波長だけ遅延させて右円偏光に変換する。
【0044】
アクティブリターダ駆動回路19はアクティブリターダ制御信号(CAR)に応答しon電圧とoff電圧をアクティブリターダ20に供給する。
【0045】
偏光メガネ30は、左円偏光フィルターを有する左目と、右円偏光フィルターを有する右目を備える。左円偏光フィルターはアクティブリターダ20から入射される左円偏光のみを透過させ、右円偏光フィルターはアクティブリターダ20から入射される右円偏光のみを透過させる。
【0046】
図4は図2及び図3に示されたクロストーク補償回路10の詳細構成を示し、図5は図4に示された入力周波数検出部を詳しく示す。そして、図6は最終補償された3Dデータ(3D DATA“)による液晶応答を示す。
【0047】
図4を参照すれば、クロストーク補償回路10は、入力周波数検出部21、第1クロストーク補償部23、EEPROM25、及び第2クロストーク補償部27を備える。
【0048】
入力周波数検出部21は垂直同期信号(Vsync)に基づいて入力フレーム周波数を検出し、このフレーム周波数情報(FDI)をEEPROM25に貯蔵する。このために、入力周波数検出部21は、図5のように、NTSC/PAL判断部211、NTSC信号検出部212、PAL信号検出部213を含む。
【0049】
NTSC/PAL判断部211は入力される垂直同期信号(Vsync)を60Hzで分けてその残りが0になればNTSCという判断の下に第1判断信号(CS1)を出力し、これとは異なりその残りが0ではなければPALという判断の下に第2判断信号(CS2)を出力する。
【0050】
NTSC信号検出部212は、第1判断信号(CS1)に応答して動作し、垂直同期信号(Vsync)が120Hzであるかまたは240Hzであるかを検出する。垂直同期信号(Vsync)が240Hzの場合、NTSC信号検出部212は、240HzNTSC信号を指示する二進数‘00’(すなわち、10進数0)をフレーム周波数情報(FDI)としてEEPROM25に貯蔵する。垂直同期信号(Vsync)が120Hzの場合、NTSC信号検出部212は、120HzNTSC信号を指示する二進数‘10’(すなわち、10進数2)をフレーム周波数情報(FDI)としてEEPROM25に貯蔵する。
【0051】
PAL信号検出部213は、第2判断信号(CS2)に応答して動作し、垂直同期信号(Vsync)が100Hzであるかまたは200Hzであるかを検出する。垂直同期信号(Vsync)が200Hzの場合、PAL信号検出部213は、200HzのPAL信号を指示する二進数‘01’(すなわち、10進数1)をフレーム周波数情報(FDI)としてEEPROM25に貯蔵する。垂直同期信号(Vsync)が100Hzの場合、PAL信号検出部213は、100HzのPAL信号を指示する二進数‘11’(すなわち、10進数3)をフレーム周波数情報(FDI)としてEEPROM25に貯蔵する。
【0052】
第1クロストーク補償部23は入力周波数検出部21を介して入力される3DデータをODC変調して3Dクロストークを一次補償する。第1クロストーク補償部23は左目イメージが表示される左目データフレームと右目イメージが表示される右目データフレームの間ごとにブラックデータフレームを挿入して残像によるテーリング(tailing)現象を改善するいわゆる、‘L(Left Frame)B(Black Frame)R(Right Frame)B(Black Frame)’データ表示方式での輝度偏差問題を解決するために本願出願人によって提案された先行技術がそのまま適用できる。
【0053】
言い換えれば、第1クロストーク補償部23は、本願出願人によって既に出願された韓国特許出願第10−2010−0042969号のように、色々な演算方式を通じて各ブラックデータフレーム(B)にその直前左目/右目データフレーム(L/R)の階調情報を反映した後、現在フレームが左目/右目データフレーム(L/R)ならばルックアップテーブルで領域#1を選択し、この領域#1に登載された補償値を利用し左目/右目データフレーム(L/R)に表示されるデータをODC変調し、他方、現在フレームがブラックデータフレーム(B)ならばルックアップテーブルで領域#2を選択し、この領域#2に登載された補償値を利用してブラックデータフレーム(B)に表示されるデータをブラックデータで変調することができる。
【0054】
これとは異なり、第1クロストーク補償部23は、本願出願人によって既に出願された韓国特許出願第10−2010−0042975号のように、二つのフレームの前のデータを基準として現在フレームのデータを変調、すなわち、左目データフレーム(L)を基準として右目データフレーム(R)に表示されるデータをODC変調するかまたは右目データフレーム(R)を基準として左目データフレーム(L)に表示されるデータをODC変調することができる。
【0055】
これとは異なり、第1クロストーク補償部23は、本願出願人によって既に出願された韓国特許出願第10−2010−0099251号のように、左目データフレーム(L)及び右目データフレーム(R)それぞれをダブリング(LLRR)し、ダブリングされたデータフレームを対象としてODC変調を先に実施した後、該当位置にブラックデータフレーム(B)を挿入することもできる。
【0056】
また、第1クロストーク補償部23は、左目イメージが表示される左目データフレームと右目イメージが表示される右目データフレームを二つずつ交互に配置し、残像によるテーリング(tailing)現象を改善する、いわゆる、‘L(Left Frame)L(Left Frame)R(Right Frame)R(Right Frame)'データ表示方式での輝度偏差問題を解決するために本願出願人によって提案された先行技術がそのまま適用できる。
【0057】
言い換えれば、第1クロストーク補償部23は、本願出願人によって既に出願された韓国特許出願第10−2010−0058945号のように、二つのフレーム期間の間連続的に左目イメージを表示し、以後二つのフレーム期間の間連続的に右目イメージを表示しながら、前記二つのフレームの内で第1番目フレームにおいて第1変調値で左目(または右目)映像のデータを1次ODC変調し、前記二つのフレームの内で第二番目フレームにおいて第1変調値以下の第2変調値で左目(または右目)映像のデータを2次ODC変調することができる。
【0058】
第1クロストーク補償部23は、前述の多様な技術を通じて3DデータをODC変調し一次補償された3Dデータ(3D DATA’)を出力する。
【0059】
第2クロストーク補償部25は、EEPROM25に貯蔵されたフレーム周波数情報(FDI)を参照して入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータ(3D DATA‘)に掛けて3Dクロストークを最終補償する。ここで、定数値1が掛けられる入力フレーム周波数は基準フレーム周波数として設定されたフレーム周波数の内で最も早く、本発明の実施の形態では240Hzに当たる。
【0060】
例えば、図6に示されたように、第2クロストーク補償部25は、EEPROM25に貯蔵されたフレーム周波数情報(FDI)が240HzのNTSC信号を指示する二進数‘00’の場合、1と同一である第1定数値(C1)を一次補償された3Dデータ(3D DATA‘)に掛け、EEPROM25に貯蔵されたフレーム周波数情報(FDI)が200HzのPAL信号を指示する二進数’01‘の場合、第1定数値(C1)より小さな第2定数値(C2)を一次補償された3Dデータ(3D DATA’)に掛け、EEPROM25に貯蔵されたフレーム周波数情報(FDI)が120HzのNTSC信号を指示する二進数‘10’の場合、第2定数値(C2)より小さな第3定数値(C3)を一次補償された3Dデータ(3D DATA‘)に掛け、EEPROM25に貯蔵されたフレーム周波数情報(FDI)が100Hz NTSC信号を指示する二進数’11‘の場合、第3定数値(C3)より小さな第4定数値(C4)を一次補償された3Dデータ(3D DATA’)に掛ける。
【0061】
図6のように、入力フレーム周波数が低くなるほど一フレーム内で液晶の応答に割り当てられる時間が長くなるので、第2クロストーク補償部25は、1が掛けられる基準フレーム周波数から入力フレーム周波数が低くなるほど0から1間で漸次小さな定数値を一次補償された3Dデータ(3D DATA‘)に掛けることで、液晶応答の時発生されるオーバーシュートを未然に防止する。その結果、入力フレーム周波数に拘わらずに3Dクロストークが画期的に減るようになる。第2クロストーク補償部25は定数値が掛けられることで最終補償された3Dデータ(3D DATA“)を制御回路11に出力する。
【0062】
図7は本発明の実施の形態に係る立体映像表示装置のクロストーク補償方法を順次示す。
【0063】
図7を参照すれば、このクロストーク補償方法は、垂直同期信号(Vsync)に基づいて入力フレーム周波数を検出する(S10)。
【0064】
次いで、このクロストーク補償方法は、ODC変調を通じて入力3Dデータのクロストークを一次補償する(S20)。一次補償に適用される技術は‘LBRB’データ表示方式での輝度偏差問題を解消するように本願出願人によって既に出願された前記特許文献がそのまま適用できる。
【0065】
次いで、このクロストーク補償方法は、検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けてクロストークを最終補償する(S30)。
【0066】
本発明に係る立体映像表示装置及そのクロストーク補償方法は、入力フレーム周波数を検出し、ODC変調を通じて入力3Dデータのクロストークを一次補償した後、前記検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて3Dクロストークを最終補償する。その結果、本発明は入力フレーム周波数に拘わらずに液晶応答の時発生するオーバーシュートを未然に防止して3Dクロストークを画期的に減らすことができるようになる。
【0067】
以上説明した内容を通じて、当業者ならば本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることが分かる。したがって、本発明は明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく特許請求の範囲によって決められなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直同期信号に基づいて入力フレーム周波数を検出する入力周波数検出部と、
前記入力周波数検出部を介して入力される3Dデータを過駆動制御変調しクロストークを一次補償する第1クロストーク補償部と、
前記検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて前記クロストークを最終補償する第2クロストーク補償部と、
最終補償された3Dデータに含まれた左目イメージデータと右目イメージデータを時分割表示する表示素子と
を備えることを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項2】
前記入力周波数検出部は、
前記垂直同期信号を60Hzで分けてその残りが0になればNTSCという判断の下に第1判断信号を出力し、前記残りが0ではなければPALという判断の下に第2判断信号を出力するNTSC/PAL判断部と、
前記第1判断信号に応答して前記垂直同期信号が120Hzかまたは240Hzかを検出するNTSC信号検出部と、
前記第2判断信号に応答して前記垂直同期信号が100Hzかまたは200Hzかを検出するPAL信号検出部と
を備えることを特徴とする、請求項1記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記NTSC信号検出部は、
前記垂直同期信号が240Hzの場合、240HzのNTSC信号を指示する二進数‘00'をフレーム周波数情報としてEEPROMに貯蔵し、
前記垂直同期信号が120Hzの場合、120HzのNTSC信号を指示する二進数‘10’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵する
ことを特徴とする、請求項2記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記PAL信号検出部は、
前記垂直同期信号が200Hzの場合、200HzのPAL信号を指示する二進数‘01’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵し、
前記垂直同期信号が100Hzの場合、100HzのPAL信号を指示する二進数‘11’を前記フレーム周波数情報として前記EEPROMに貯蔵する
ことを特徴とする、請求項3記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記第2クロストーク補償部は、
前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘00’の場合、1と同一である第1定数値を前記一次補償された3Dデータに掛け、
前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘01’の場合、前記第1定数値より小さな第2定数値を前記一次補償された3Dデータに掛け、
前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘10’の場合、前記第2定数値より小さな第3定数値を前記一次補償された3Dデータに掛け、
前記EEPROMに貯蔵されたフレーム周波数情報が二進数‘11’の場合、前記第3定数値より小さな第4定数値を前記一次補償された3Dデータに掛ける
ことを特徴とする、請求項4記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
前記第2クロストーク補償部は、1が掛けられる基準フレーム周波数から入力フレーム周波数が低くなるほど0から1の間で漸次小さな定数値を前記一次補償された3Dデータに掛ける
ことを特徴とする、請求項1記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
前記基準フレーム周波数は、あらかじめ設定されたフレーム周波数の中で最も早い周波数で選択される
ことを特徴とする、請求項6記載の立体映像表示装置。
【請求項8】
前記表示素子に同期して左目シャッターと右目シャッターを交互に開閉する液晶シャッタメガネをさらに備える
ことを特徴とする、請求項1記載の立体映像表示装置。
【請求項9】
前記表示素子上に附着されて、左目イメージの偏光特性と右目イメージの偏光特性を互いに異なるように変換するアクティブリターダと、
第1偏光のみを透過させる左目と、第1偏光と光軸が直交する第2偏光のみを透過させる右目を含む偏光メガネと
をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載の立体映像表示装置。
【請求項10】
垂直同期信号に基づいて入力フレーム周波数を検出する段階と、
過駆動制御変調を通じて入力3Dデータのクロストークを一次補償する段階と、
検出された入力フレーム周波数に従って0より大きく1以下の値であらかじめ決まれた定数値を一次補償された3Dデータに掛けて前記クロストークを最終補償する段階と
を含むことを特徴とする立体映像表示装置のクロストーク補償方法。
【請求項11】
前記クロストークを最終補償する段階では、1が掛けられる基準フレーム周波数から前記入力フレーム周波数が低くなるほど0から1の間で漸次小さな定数値を前記一次補償された3Dデータに掛ける
ことを特徴とする、請求項10記載の立体映像表示装置のクロストーク補償方法。
【請求項12】
前記基準フレーム周波数は、あらかじめ設定されたフレーム周波数の中で最も早い周波数に選択される
ことを特徴とする、請求項11記載の立体映像表示装置のクロストーク補償方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175699(P2012−175699A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277028(P2011−277028)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】