立体視画像デ―タ作成方法および立体視画像デ―タ作成装置
【課題】 既に撮影されている写真等に基づいて、立体視用写真等を構成する。
【解決手段】 画像IMを右目用画像であると規定すると、左目用画像は、同じ画像IMを、カメラの位置を画像IMの中心点PAよりも若干左の点PBに移動した際に撮影して得られるものとほぼ一致すると考えられる。そして、この場合の左目用画像は、元画像IMの中心点PAを、左目用画像の中心点PBから見込む態様に回転し、画像を変形することで得られる。また、この場合、中心点に近い部分の画像の変形率を小さく、かつ、画像IMの枠に近い部分の画像の変形率を大きくする。これにより、よりカメラに近い部分の画像の移動量がより大きくなり、その結果、元の画像IMを撮影したカメラを、同一対象物をねらった状態のまま左に移動した場合、すなわち、そのカメラを左目位置に移動したとほぼ同等の表示効果のある画像を得ることができる。
【解決手段】 画像IMを右目用画像であると規定すると、左目用画像は、同じ画像IMを、カメラの位置を画像IMの中心点PAよりも若干左の点PBに移動した際に撮影して得られるものとほぼ一致すると考えられる。そして、この場合の左目用画像は、元画像IMの中心点PAを、左目用画像の中心点PBから見込む態様に回転し、画像を変形することで得られる。また、この場合、中心点に近い部分の画像の変形率を小さく、かつ、画像IMの枠に近い部分の画像の変形率を大きくする。これにより、よりカメラに近い部分の画像の移動量がより大きくなり、その結果、元の画像IMを撮影したカメラを、同一対象物をねらった状態のまま左に移動した場合、すなわち、そのカメラを左目位置に移動したとほぼ同等の表示効果のある画像を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体視により画像を鑑賞するための立体視画像データを作成するための立体視画像データ作成方法および立体視画像データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真または映画を立体的な画像または映像として認識させる立体視を利用して、写真または映画を鑑賞する鑑賞方法が実用されている。
【0003】ここで、立体視とは、『視覚、特に両眼を用いた形態視において、網膜に投影された平面像に基づく感覚情報が、大脳皮質の視覚野における統合作用を受け、三次元空間内の立体として認知されることをいう。実体視ともいわれる。立体視は、実際の立体を見る場合だけでなく、左右の目にそれぞれ一定の規則に従って異なる平面図形を見せた場合にも生ずる。立体写真や、立体図形を実体鏡で見た場合がこれにあたる。このことから、立体視には両眼の間の視差が重要であることがわかる。しかし単眼視でも、水晶体の曲率を調節している毛様体筋の収縮の程度や、目の位置を変えたときの視差などにより、ある程度の遠近や奥行きの判断が可能である。霊長類では、視神経の半分が交差し、左右両眼の右半分の網膜からの神経繊維は右側皮質後頭葉の視覚野に達する。同様に、網膜の左半分が左側皮質後頭葉に連絡する。視覚野のニューロンは網膜の一定の場所に対応した入力を受けている。しかも視覚野のニューロンの大多数には、いろいろな程度に両眼からの入力があり、これが立体視に関係するといわれている。両眼視では、左右の目で見ている1つの物体は、1つに見える。眼球は、左右の網膜の像がそれぞれ対応する点にうまく合致して1つの像として見えるように反射的に運動する。これが遠近感を作る1つの原因となっている。空間知覚は、右脳に発達するので、視野の左半分の方が物体の空間的位置関係がよく認知されると言われている。』(「日本大百科全書(小学館)」より抄出)
【0004】したがって、立体視用の2枚1組の写真を写真を撮影するためには、同等な2つの撮影用レンズを両眼の間隔(例えば、6.5mm程度)離し、それぞれの光軸が平行になるように設置し、それぞれの撮影用レンズのシャッターを同時に作用して、2コマのフィルムに同時に映像を撮影する。そして、その2つのフィルムを現像し、印画紙に映像を焼き付けて、立体視用の写真画像を形成する。
【0005】この2枚の立体視用写真画像を鑑賞するには、例えば、専用のビューワーを用いて2枚の立体視用写真画像を左右の目でそれぞれ鑑賞する。それにより、撮影対象が立体的に認識される。
【0006】また、立体視用の映画を撮影するときには、所定間隔を離して設置した2台のカメラを用いて映像を撮影し、2本1組の映画フィルムを得る。そして、それぞれの映画フィルムを、偏光方向が互いに直行する2枚の偏光フィルタを映写レンズの直後に備えた2つの映写機で、同一のスクリーンに同時に映写する。
【0007】そして、鑑賞する人は、偏光方向が互いに直行する2枚の偏光フィルタがそれぞれ両眼に対応して配設された鑑賞用眼鏡を用いてスクリーンに映写された映像を鑑賞すると、映像を立体的に認識することができる。このとき、鑑賞用眼鏡には、左目用フィルタおよび右目用フィルタは、左目用映像を映写する映写機の映写レンズおよび右目用映像を映写する映写機の映写レンズに設けられたと同種の偏光フィルタが配設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の立体視用写真または立体視用映画を撮影する際には、その撮影時に、撮影する場所において、立体視用写真または立体視用映画を撮影する必要があり、時間的場所的な制約があった。
【0009】例えば、既に撮影されている写真と同一の写真を撮影する機会が二度と得られないような状況では、既に撮影されている1枚の写真に基づいて、同一の状況での立体視用写真を作成することは、従来、実現することができなかった。
【0010】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、既に撮影されている写真、映画、または、動画に基づいて、立体視用写真、立体視用映画、または、立体視用動画を構成することのできる立体視画像データ作成方法および立体視画像データ作成装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0012】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0013】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0014】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0015】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0016】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0017】また、互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0018】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0019】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0020】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0021】また、前記第1の画像データは効き目用の画像データであり、前記第2の画像データは他方の目用の画像データである。また、前記第1の画像データは右目用の画像データであり、前記第2の画像データは左目用の画像データである。また、前記第1の画像データおよび第2の画像データは、静止画像データである。また、前記第1の画像データおよび第2の画像データは、動画データの1フレームを構成するデータである。
【0022】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0023】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0024】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0025】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0026】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0027】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0028】また、表示対象となる動画の1フレームを構成する第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データに基づいて作成した第1の動画データ、および、上記第2の画像データに基づいて作成した第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させるとともに、上記第1の動画データと上記第2の動画データのフレーム順序をずらした立体視動画データを作成するようにしたものである。また、前記第1の動画データと第2の動画データのフレーム順序をずらす態様は、前記動画を撮影したカメラのパン方向、および、上記第1の動画データおよび第2の動画データの左目画像データまたは右目画像データへの割り当て態様に基づいて決定されるものである。
【0029】また、表示対象となる第1の動画データと、その動画データのフレーム順序をずらせてなる第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させてなる立体視動画データを作成するようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】まず、本発明の原理について説明する。
【0032】上述したように、立体視は、実際の立体を見る場合だけでなく、左右の目にそれぞれ一定の規則に従って異なる平面図形を見せた場合にも生ずる。したがって、例えば、既に得られた写真を立体視させる場合には、その元写真と、元写真に写されている内容を一定の規則に従って異ならせた新しい写真を作成し、その元写真と新たに作成した写真を鑑賞することで、立体視を生じると考えられる。
【0033】しかしながら、既に述べたように、元写真を撮影する機会が二度と得られないような場合には、元写真の内容を一定の規則に従って異ならせた新しい写真をカメラで撮影することは、不可能であり、この方法を直接採用することはできない。
【0034】そこで、手元にある元写真を利用して、元写真と対にして使用する写真を作成することを考える。例えば、元写真の中心を少しずらせたような写真を、接写装置などを用いて新たに撮影することで、このような写真を得ることはできる。
【0035】しかしながら、実験によれば、この場合には、写真の内容が飛び出てくるように認識させることはできるが、立体として認識されるにはほど遠い。例えば、元写真に写されている人物を、その人物が本来有する立体形状までも認識できるような立体視の効果を得ることは、この方法では不可能であった。
【0036】このようにして、元写真を単純にずらせたような写真を、光学的手段を用いて作成しても、立体視の画像を得ることはできない。
【0037】次に、既に確立されている立体視画像(写真または映画)の作成方法について考えると、基本的に、右目用画像と左目用画像を別々の撮影手段で撮影している。そこで、この方法に基づいて、右目用画像と左目用画像を作成することを考える。
【0038】例えば、図1に示すような1枚の画像IMにおいて、この画像IMが写真画像であるとすると、この画像IMを撮影したカメラの方向は、画像IMの中心点PAに一致する。
【0039】そこで、この画像IMを右目用画像であると規定すると、左目用画像は、同じ画像IMを、カメラの位置を画像IMの中心点PAよりも若干左の点PBに移動した際に撮影して得られるものとほぼ一致すると考えられる。
【0040】そして、この場合の左目用画像は、元画像IMの中心点PAを、左目用画像の中心点PBから見込む態様に回転し、画像を変形することで得られる。また、この場合、中心点に近い部分の画像の変形率を小さく、かつ、画像IMの枠に近い部分の画像の変形率を大きくする。これにより、よりカメラに近い部分の画像の移動量がより大きくなり、その結果、元の画像IMを撮影したカメラを、同一対象物をねらった状態のまま左に移動した場合、すなわち、そのカメラを左目位置に移動したとほぼ同等の表示効果のある画像を得ることができることとなる。
【0041】このようにして、右目用画像に基づき、左目用画像を作成することができ、右目用画像の内容を観察者の右目に投影し、左目用画像の内容を観察者の左目に投影することで、十分に立体視効果の高い立体視画像を観察者に認識させることができる。
【0042】ここで、実験によれば、点PAと点PBの距離は、画像IMの水平方向の10%程度の距離に設定することが好ましい。この距離をあまり大きく設定すると、効果的な立体視効果を得ることができない。
【0043】なお、このままでも、十分に立体視効果のある画像を作成することはできるが、画像IMの右枠と左枠で遠近感が0となり、ややゆがんだ立体映像として感知される。そこで、図2に示すように、左目用画像を、画像の移動方向(この場合は、水平方向)に画像を10%程度拡大し、元の画像の大きさに相当する中央部分LAのみを抽出して使用することで、立体映像として感知される際の画像のゆがみを解消することができる。
【0044】また、この例のように、画像の中心点を左方向に移動し、その移動により作成された画像を左目用画像として用いる場合には、立体映像が浮き出て見える方向は、奥側になる。それに対し、左目用画像を観察者の右目に投影し、右目用画像を観察者の左目に投影した場合、立体映像が浮き出て見える方向は、手前側になる。
【0045】さらに、この例と逆に、画像の中心点を右方向に移動し、その移動により作成された画像を右目用画像として用い、作成した右目用画像を観察者の右目に投影し、元画像である左目用画像を観察者の左目に投影すると、立体映像が浮き出て見える方向は、奥側になる。それに対し、左目用画像を観察者の右目に投影し、右目用画像を観察者の左目に投影した場合、立体映像が浮き出て見える方向は、手前側になる。
【0046】このようにして、本発明では、既に得られている画像に基づいて、一組の立体視用画像を作成することができるので、二度と撮影する機会が得られない画像、例えば、衛星ボイジャーから送られた惑星の画像データ、既に破壊などが進んだ古代遺跡の健全な状態での写真画像、過去の写真画像などに基づいて、立体視用の画像を作成することができ、非常に便利である。
【0047】また、動画は1フレームずつの静止画の連続としてとらえることができるので、おのおののフレームの静止画について、上述と同様の処理を施すことにより、立体視映像を作成することもできる。例えば、映像ライブラリや映画などの資料から、立体視映像を作成することも可能であり、映像ライブラリや映画に新たな価値を付加することができることとなる。
【0048】ところで、この本発明の方法は、立体視画像が両眼の視差に基づいて感知されることを利用しており、したがって、右目用画像と左目用画像が少しずれていれば同等の効果を発揮できる。よって、画像をずらす方向は、上述した水平方向に限ることはない。垂直方向にずらした場合でも、あるいは、ある一定の傾斜方向にずらした場合でも、十分なる立体視効果を得ることができる。また、その場合、画像の拡大方向は、そのずれの方向に設定することが好ましい。
【0049】また、上述した方法では、元々得られている写真画像を右目用画像とし、この右目用画像に基づいて左目用画像を形成しているが、元の写真画像を左目用画像とし、この左目用画像に基づいて右目用画像を形成することもできる。
【0050】さらに、右目と左目では、画像認識が強調される側の目がある。いわゆる「きき目」といわれるものであり、元画像を見る目を、この「きき目」に設定することで、より効果的な立体視を得ることができる場合がある。したがって、立体視用画像データを作成する際に、あらかじめきき目が右目であるか左目であるかを指定させ、元画像をきき目として指定された目に対応させると、立体視効果をより適切に得ることが期待される。
【0051】また、空間知覚は、右脳に発達するので、視野の左半分の方が物体の空間的位置関係がよく認知されると言われている。したがって、元画像を右目用画像に、変換後の画像を左目用画像に割り当てると、きき目の設定がない場合でも、適切な立体視効果を得ることができると期待される。
【0052】また、本発明は、基本的には、立体視用画像データを作成する方法または装置にかかわるものであり、例えば、右目用画像データと左目用画像データを用いて立体視映像を提供する手段の方式を問わない。
【0053】ここで、立体視映像を提供する方法としては、右目用画像データと左目用画像データを同一スクリーンに投影するとともに、それぞれの映写機の映写レンズの直後に、互いに偏光方向が直交する2つの偏光フィルタを配置し、鑑賞者は、対応する2つの偏光フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている偏光フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法や、右目用画像データと左目用画像データをそれぞれ互いに偏光方向が直交する偏光方向の画像として表示可能なディスプレイ装置を用いて表示し、鑑賞者は、対応する2つの偏光フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている偏光フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法や、右目用画像データと左目用画像データをそれぞれ異なる色成分の単色画像に変換し、その変換後の右目用画像データと左目用画像データを合成し、その合成画像データをCRTディスプレイ装置などに表示し、鑑賞者は、対応する2つの単色成分のみを通過させる2つの色フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている色フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法、あるいは、ゴーグル状の筺体に超小型の表示装置(例えば、液晶表示装置やCRTディスプレイ装置)を右目と左目の直前に対応して配設し、その筺体を鑑賞者の頭部に設置するヘッドマウントディスプレイを用い、ヘッドマウントディスプレイの右目用表示装置で右目用画像データを表示するとともに、左目用表示装置で左目用画像データを表示する方法などがある。
【0054】図3は、本発明の一実施例にかかる立体視用画像データ作成装置の一例を示している。
【0055】同図において、CPU(中央処理装置)1は、この立体視用画像データ作成装置の動作制御、立体視用画像データ作成処理などの各種処理を実行するためのものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)2は、起動時などに実行されるプログラムや参照データなどが記憶されるものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)3は、CPU1のワークエリアなどを実現するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するためのものである。
【0056】固定磁気ディスク装置5は、この立体視用画像データ作成装置で実行される各種処理やオペレーティングシステムなどのプログラムデータを記憶するとともに、各種処理により作成される各種データなどを記憶する大容量の外部記憶装置ためのものであり、フロッピーディスク装置6は、フロッピーディスクにデータを記録するとともにフロッピーディスクに記録されているデータを再生するものであり、CD−ROM装置7は、CD−ROMに記憶されているデータを再生するためのものである。
【0057】スキャナ8は、所定の解像度で、かつ、所定のカラー分解能で原稿画像を読み取るためのものであり、スキャナインターフェース回路9は、スキャナ8を接続するためのものである。
【0058】デジタルスチルカメラ装置10は、CCDエリアセンサなどを用いて1画面分の画像データを撮影し、おのおのの画像データを記憶するものであり、デジタルスチルカメラインターフェース回路11は、デジタルスチルカメラ装置10を接続して、記憶している画像データを読み込むためものである。
【0059】ビデオカメラ装置12は、動画を撮影してビデオテープに保存するとともに、ビデオテープに保存した動画を再生するためのものであり、ビデオカメラ装置インターフェース回路13は、ビデオカメラ装置12を接続し、ビデオカメラ装置12により撮影された動画信号、または、ビデオテープから再生されて出力される動画信号を入力するためのものである。
【0060】キーボード装置14は、フルキー配列を備えて、ユーザがキー操作を行うためのものであり、画面指示装置15は、ユーザが表示画面をクリック操作するなどの種々の操作を行うためのものであり、入力制御部16は、キーボード装置14および画面指示装置15の入力データを取り込むためのものである。
【0061】画面表示装置17は、CRTカラーディスプレイ装置などのスクリーン表示可能な表示装置であり、表示制御部18は、画面表示装置17の表示内容を制御するためのものである。
【0062】これらのCPU1、ROM2、RAM3、時計回路4、固定磁気ディスク装置5、フロッピーディスク装置6、CD−ROM装置7、スキャナ8、スキャナインターフェース回路9、デジタルスチルカメラインターフェース回路11、ビデオカメラ装置インターフェース回路13、入力制御部16、および、表示制御部18は、内部バス19に接続されており、これらの各種要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス19を介して行われている。
【0063】図4は、この立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成するときの処理の一例を示している。
【0064】まず、固定磁気ディスク装置5、フロッピーディスク装置6、CD−ROM装置7、スキャナ8、あるいは、デジタルスチルカメラ装置10より、指定された元画像データを読み込む(処理101)。この元画像データは、右目用画像データとして保存される。
【0065】次いで、その元画像データに基づき、視点回転後画像データを、次のような方法により作成する(処理102)。
【0066】まず、この場合、図5に示すように、表示する画像データの表示サイズPPに対して、表示画面の画像の表示サイズSPは、その構成画素数が少ない。例えば、表示サイズPPが640×480(ドット)である場合、表示サイズSPは320×240(ドット)であり、この場合の表示倍率は、0.5となる。そして、元画像データにおける画像中心点をP、表示画面に表示している画像データにおける画像中心点をp、元画像データにおける回転中心点をQ、表示画面に表示している画像データにおける回転中心点をqとすると、図6および図7のようになる。
【0067】そして、このように定めた回転中心点qの座標値(qx、qy)に基づいて、次のようにして、表示画面に表示する画像データの各画素が、元画像データのどの座標の画素に一致するかを算出することで、視点回転後画像データの移動後座標を演算する。
【0068】ここで、表示画面に表示する画像データについて、図8に示すように、各変数および定数の値を定める。すなわち、この場合、画素の座標値は、画面の左上の点paが基準の座標値(0,0)をとり、画面の右上の点pbは座標値(320,0)、画面の右下の点pcは座標値(320,240)、画面の左下の点pdは座標値(0,240)にそれぞれ設定される。
【0069】また、変数Axは、回転中心点qのX座標値をあらわし、変数Bxは、画面のX方向サイズSUBw(=320)より回転中心点qのX座標値を減じた値をあらわす。また、変数Ayは、回転中心点qのY座標値をあらわし、変数Byは、画面のY方向サイズSUBh(=240)より回転中心点qのY座標値を減じた値をあらわす。また、変数Δxは、画像中心点pと回転中心点qのX座標値の差分値をあらわし、変数Δyは、画像中心点pと回転中心点qのY座標値の差分値をあらわす。ここで、画像中心点pの座標値(px,py)は、元画像データの画像中心点Pの座標値(Px,Py)にそれぞれ表示倍率を乗じた値となる。また、画像中心点Pは、画面の中央位置に固定的に設定することもできるし、あるいは、ユーザが任意に設定することもできる。
【0070】さて、移動後座標の演算時では、画素の座標値(x,y)が、x≦qx、かつ、y≦qyの範囲にあるとき、次の式(I),(II)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0071】
Qx=(x+(Ax/SUBw)・Δx)・S (I)
【0072】
Qy=y・S (II)
【0073】ここで、Sは表示倍率である。なお、元画像データと表示画面の表示サイズが同じ場合には、表示倍率Sの値が1.0になる。
【0074】また、画素の座標値(x,y)が、x>qx、かつ、y≦qyの範囲にあるとき、次の式(III),(IV)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0075】
Qx=(x−((SUBw−x)/Bx)・Δx)・S (III)
【0076】
Qy=y・S (IV)
【0077】また、画素の座標値(x,y)が、x>qx、かつ、y>qyの範囲にあるとき、次の式(V),(VI)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0078】
Qx=(x−((SUBw−x)/Bx)・Δx)・S (V)
【0079】
Qy=y・S (VI)
【0080】また、画素の座標値(x,y)が、x≦qx、かつ、y>qyの範囲にあるとき、次の式(VII),(VIII)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0081】
Qx=(x+(Ax/SUBw)・Δx)・S (VII)
【0082】
Qy=y・S (VIII)
【0083】このようにして、表示画面の1画面中の全ての画素について、元画像データの座標値を算出すると、その算出した座標値に基づいて、元画像データの画素の画像データをコピーして、新たな表示画像データを作成し、その作成した新たな表示画像データを視点回転後画像データとして保存する。
【0084】次いで、処理102で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理103)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理104)。
【0085】このようにして作成した左目用画像データと、元画像データの内容からなる右目画像データを組にして、立体視用画像データを作成する。そして、この立体視用画像データを立体視画像表示装置へ出力することで、立体視画像を得ることができる。
【0086】図9は、この立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示している。
【0087】まず、上述と同様にして、指定された元画像データ(カラー画像データ)を読み込む(処理201)。この元画像データは、右目用画像データとして保存される。
【0088】次いで、その元画像データに基づき、視点回転後画像データを、上述と同様な方法により作成する(処理202)。
【0089】次いで、処理202で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理203)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理204)。
【0090】次に、元画像データの赤成分を抽出するとともに(処理205)、左目用画像データの青成分を抽出し(処理206)、処理205で抽出した赤成分データと、処理206で抽出した青成分データを合成して、立体視データを作成し(処理207)、その立体視データを画面表示装置17に表示出力する(処理208)。
【0091】これにより、ユーザは、右目側に赤フィルタが配設されるとともに、左目側に青フィルタが配設された色フィルタ眼鏡を装着して、画面表示装置17の表示内容を鑑賞することで、元画像データの立体視映像を認識することができるようになる。
【0092】また、図10は、この立体視用画像データ作成装置がビデオカメラ装置12、固定磁気ディスク装置5、あるいは、CD−ROM装置7から読み込んだ動画信号に基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示している。なお、この処理は、ビデオカメラ装置12により、録画済みのビデオテープから動画を再生した場合にも適用できる。
【0093】まず、ビデオカメラ装置12、固定磁気ディスク装置5、あるいは、CD−ROM装置7から、1フレーム分の動画データ(カラー画像データ)を読み込む(処理301)。この動画データは、1フレーム分の右目用画像データとして保存される。
【0094】次いで、その1フレーム分の動画データに基づき、視点回転後画像データを、上述と同様な方法により作成する(処理302)。
【0095】次いで、処理202で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理303)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理304)。
【0096】次に、元の1フレーム分の動画データの赤成分を抽出するとともに(処理305)、左目用画像データの青成分を抽出し(処理306)、処理305で抽出した赤成分データと、処理306で抽出した青成分データを合成して、1フレーム分の動画データの立体視データを作成し(処理307)、その1フレーム分の動画データの立体視データを画面表示装置17に表示出力する(処理308)。
【0097】次いで、再生中の動画データの全てのフレームの処理を終了したかどうかを調べ(判断309)、判断309の結果がNOになるときには、処理301へ戻り、次のフレームについて、同様の処理を実行し、次のフレームの動画データを表示する。
【0098】これにより、ユーザは、右目側に赤フィルタが配設されるとともに、左目側に青フィルタが配設された色フィルタ眼鏡を装着して、画面表示装置17の表示内容を鑑賞することで、元画像データの立体視映像を認識することができるようになる。
【0099】ここで、動画の1フレームの時間を1/30(秒)とすると、最近のCPU1の能力を考えると、この時間内に動画一フレーム分について、上述した処理を完了することはたやすいので、この立体視用画像データ作成装置は、ビデオカメラ装置12または固定磁気ディスク装置5から読み込んだ動画信号に基づいて、リアルタイム的に立体視画像データを表示することができる。
【0100】図11は、本発明の他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示している。
【0101】同図において、動画信号入力部21は、図示しないビデオカメラ装置やビデオテープレコーダ装置から出力される動画信号VIを入力するものであり、この動画信号入力部21により入力された動画信号VIは、フレーム同期されたフレーム同期動画信号VIfとして、静止画作成部22に加えられている。
【0102】静止画作成部22は、入力したフレーム同期動画信号VIfに基づいて、1フレーム分の動画データを抽出して静止画データを形成するものであり、その静止画データSIは、同期部23と左目用画像作成部24に加えられている。
【0103】左目用画像作成部24は、入力した静止画データSIに基づき、上述したような視点回転画像データの作成処理を実行するとともに、作成した視点回転画像データを拡大した後にトリミング処理して、1フレーム分の左目用画像データを作成するものであり、その作成された左目用画像データSIlは、左目用動画信号出力部25へ出力されている。
【0104】同期部23は、左目用画像作成部24が1フレーム分の左目用画像データを作成するための遅延時間が設定されており、入力された1フレーム分の静止画データSIを遅延して1フレーム分の右目用画像データSIrとして出力するものであり、その右目用画像データSIrは、左目用画像データSIlと同期された状態で、右目用動画信号出力部26に加えられる。
【0105】左目用動画信号出力部25は、入力された左目用画像データSIlに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、左目用動画信号VLとして、次段装置の立体視映像表示装置(図示略)へと出力される。
【0106】また、右目用動画信号出力部26は、入力された右目用画像データSIrに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、右目用動画信号VRとして、次段装置の立体視映像表示装置へと出力される。
【0107】このようにして、本実施例にかかる立体視用動画信号作成装置を用いることで、どのような場所でも、立体視用動画信号を作成して立体視映像表示装置へ出力することができ、非常に便利である。
【0108】図12は、本発明のさらに他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示している。なお、同図において、図11と同一部分および相当する部分には、同一符号を付している。
【0109】同図において、動画信号入力部21は、図示しないビデオカメラ装置やビデオテープレコーダ装置から出力される動画信号VIを入力するものであり、この動画信号入力部21により入力された動画信号VIは、フレーム同期されたフレーム同期動画信号VIfとして、静止画作成部22に加えられている。
【0110】静止画作成部22は、入力したフレーム同期動画信号VIfに基づいて、1フレーム分の動画データを抽出して静止画データを形成するものであり、その静止画データSIは、同期部23と左目用画像作成部24に加えられている。
【0111】左目用画像作成部24は、入力した静止画データSIに基づき、上述したような視点回転画像データの作成処理を実行するとともに、作成した視点回転画像データを拡大した後にトリミング処理して、1フレーム分の左目用画像データを作成するものであり、その作成された左目用画像データSIlは、左目用動画信号出力部25へ出力されている。
【0112】同期部23は、左目用画像作成部24が1フレーム分の左目用画像データを作成するための遅延時間が設定されており、入力された1フレーム分の静止画データSIを遅延して1フレーム分の右目用画像データSIrとして出力するものであり、その右目用画像データSIrは、左目用画像データSIlと同期された状態で、右目用動画信号出力部26に加えられる。
【0113】左目用動画信号出力部25は、入力された左目用画像データSIlに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、左目用動画信号VLとして、スイッチ部27に加えられている。
【0114】また、右目用動画信号出力部26は、入力された右目用画像データSIrに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、右目用動画信号VRとして、スイッチ部27に加えられている。
【0115】スイッチ部27には、図示しない切換えスイッチの操作に応じたきき目切換え情報XCが加えられている。このきき目切換え情報XCは、右目をきき目とするか、左目をきき目とするかの選択を与えるものであり、きき目切換え情報XCにより、右目をきき目とする旨が指定されている場合には、スイッチ部27は、入力される右目用動画信号VRを右目用動画信号VRaとして、また、入力される左目用動画信号VLを左目用動画信号VLaとして、次段装置の立体視映像表示装置へ出力する。また、スイッチ部27は、きき目切換え情報XCにより左目をきき目とする旨が指定されている場合には、入力される右目用動画信号VRを左目用動画信号VLaとして、また、入力される左目用動画信号VLを右目用動画信号VRaとして、次段装置の立体視映像表示装置へ出力する。
【0116】このようにして、本実施例にかかる立体視用動画信号作成装置を用いることで、どのような場所でも、立体視用動画信号を作成して立体視映像表示装置へ出力することができるとともに、鑑賞者のきき目に応じた映像を表示することができ、非常に便利である。
【0117】また、上述した立体視用動画信号作成装置は、筺体に収容した単体装置、あるいは、パーソナルコンピュータ装置などに組み込む基板装置のいずれであっても、市場に供給することができる。
【0118】ところで、上述した実施例では、画像の中心部PAをずらした点PBから、中心部PAを望む態様に画像を回転して、元画像から立体視用の画像を作成しているが、この画像作成方法は、これに限ることはない。
【0119】すなわち、上述したように、右目に与える画像と左目に与える画像が、若干ずれておれば、立体視効果を得ることができるので、例えば、図13に示すように、元画像の中心点PAを基準として元画像を半分に分割し、その左半分LLの部分を水平方向へ縮小するとともに右半分LRの部分を水平方向へ拡大し、その縮小したものと拡大したものを中央部で連結して得た画像を、立体視用画像として適用することもできる。あるいは、左半分LLの部分を水平方向へ拡大するとともに右半分LRの部分を水平方向へ縮小し、その拡大したものと縮小したものを中央部で連結して得た画像を、立体視用画像として適用することもできる。
【0120】すなわち、画像のずれる方向と、縮小拡大態様が一定の関係に有れば、元画像に基づいて立体視用画像を作成することができる場合がある。
【0121】さて、本発明者の実験によれば、動画信号に基づいて立体視用動画信号を作成する場合、右目用動画信号と左目用動画信号のフレーム順序を、一方が他方に対して複数フレーム遅延するような態様にずらすと、より高い立体視効果が得られることが分かった。
【0122】また、この場合において、例えば、右目用動画信号となる元の動画信号に基づいて、左目用動画信号を作成する際に、各静止画データ(1フレームを構成する動画データ)について適用する上述した視点回転画像データの作成処理での、視点の回転(移動)量を1〜2%程度の小さい値に抑えても、十分な立体視効果を得られるということも分かった。
【0123】したがって、この場合、右目用動画信号に対する左目用動画信号の変形量を抑えることができるので、鑑賞者の目の疲れも少なくなり、良質な立体視用動画信号を作成することができる。
【0124】さらに、動画の内容が、常に対象が動いているようなものであり、停止した状態(すなわち、静止画)を含まないような場合には、例えば、元の動画信号を右目用動画信号として適用し、この動画信号に基づいて左目用動画信号を作成する場合、右目用動画信号を単にフレーム遅延させたものを左目用動画信号として適用することで、立体視効果が得られることも分かった。
【0125】また、右目用動画信号に対する左目用動画信号のフレーム遅延量は、フレーム再生速度が、30フレーム/秒である場合、1〜5フレーム程度にすると、鑑賞者の目の疲れが少なく、かつ、充分なる立体視効果が得られることも分かった。なお、このフレーム遅延量は、立体視映像表示装置に表示特性などに応じて決定することが好ましいと考えられ、6フレーム以上のフレーム遅延量を設定することが可能な場合もある。
【0126】したがって、表示対象となる動画を静止画に分解し、それぞれの静止画データについて、回転量を1〜2%に設定した上述の視点回転画像データ作成処理を適用して、変換後静止画データを作成し、元の静止画データに基づいて右目用動画信号(または、左目用動画信号)を作成し、元の静止画データから所定数のフレーム数遅延させた状態の変換後静止画データに基づいて、左目用動画信号(または、右目用動画信号)を作成することで、より立体視効果が高く、かつ、画質も良好な立体視用動画信号を作成することができる。
【0127】また、表示対象となる動画に静止画が含まれないような場合、その動画を静止画に分解し、元の静止画データに基づいて右目用動画信号(または、左目用動画信号)を作成するとともに、元の静止画データから所定数のフレーム数遅延させた状態の静止画データに基づいて、左目用動画信号(または、右目用動画信号)を作成することができ、それにより、より簡単な処理および装置で立体視用動画信号を作成することができる。
【0128】一方、右目用動画信号と左目用動画信号とのフレーム遅延の態様は、元の動画を撮影したカメラの画面のパン方向により、次のように定められる。
【0129】元の動画信号が左目用動画信号であり、変換して作成した動画信号が右目用動画信号である場合、カメラの画面が左から右へパンする場合には、右目用動画信号を先行させ、左目用動画信号をフレーム遅延させる。反対に、カメラの画面が右から左へパンする場合、左目用動画信号を先行させ、右目用動画信号をフレーム遅延させる。
【0130】一方、元の動画信号が右目用動画信号であり、変換して作成した動画信号が左目用動画信号である場合、カメラの画面が左から右へパンする場合には、左目用動画信号を先行させ、右目用動画信号をフレーム遅延させる。反対に、カメラの画面が右から左へパンする場合、右目用動画信号を先行させ、左目用動画信号をフレーム遅延させる。
【0131】したがって、対象となる動画のカメラのパン方向が切り替わる場合、それに応じて、右目用動画信号と左目用動画信号のフレーム先行およびフレーム遅延の態様を適宜に切り替えるようにすることで、より立体視効果の高い立体視用動画信号を得ることができる。
【0132】なお、このフレーム先行およびフレーム遅延の態様を反対にして立体視用動画信号を作成した場合、違和感のある立体視映像が得られてしまうが、鑑賞者の視覚特性によっては、その方が違和感なく立体視映像を得ることができる場合もある。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、既に得られている画像に基づいて、一組の立体視用画像を作成することができるので、二度と撮影する機会が得られない画像、例えば、衛星ボイジャーから送られた惑星の画像データ、既に破壊などが進んだ古代遺跡の健全な状態での写真画像、過去の写真画像などに基づいて、立体視用の画像を作成することができ、非常に便利であるという効果を得る。
【0134】また、動画は1フレームずつの静止画の連続としてとらえることができるので、おのおののフレームの静止画について、上述と同様の処理を施すことにより、立体視映像を作成することもでき、その結果、例えば、映像ライブラリや映画などの資料から、立体視映像を作成することも可能であり、映像ライブラリや映画に新たな価値を付加することができることとなるという効果も得る。
【0135】さらに、右目用動画信号と左目用動画信号の一方をフレーム先行させ、他方をフレーム遅延させることで、より立体視効果が高く、かつ、画質が良好な立体視映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための概略図。
【図2】画像の拡大とトリミングについて説明するための概略図。
【図3】本発明の一実施例にかかる立体視用画像データ作成装置の一例を示したブロック図。
【図4】立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図5】表示する画像ファイルの表示サイズと表示有効画面に表示する画像の表示サイズとの関係の一例を説明するための概略図。
【図6】元画像データにおける画像中心点および回転中心点の一例を説明するための概略図。
【図7】表示有効画面に表示している画像データにおける画像中心点および回転中心点の一例を説明するための概略図。
【図8】表示有効画面に表示する画像データについて定めた各変数および定数を説明するための概略図。
【図9】立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図10】動画信号に基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図11】本発明の他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示したブロック図。
【図12】本発明のさらに他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示したブロック図。
【図13】立体視用画像データの他の作成方法について説明するための概略図。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
21 動画入力部
22 静止画作成部
23 同期部
24 左目用画像作成部
25 左目用動画信号出力部
26 右目用動画信号出力部
27 スイッチ部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体視により画像を鑑賞するための立体視画像データを作成するための立体視画像データ作成方法および立体視画像データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真または映画を立体的な画像または映像として認識させる立体視を利用して、写真または映画を鑑賞する鑑賞方法が実用されている。
【0003】ここで、立体視とは、『視覚、特に両眼を用いた形態視において、網膜に投影された平面像に基づく感覚情報が、大脳皮質の視覚野における統合作用を受け、三次元空間内の立体として認知されることをいう。実体視ともいわれる。立体視は、実際の立体を見る場合だけでなく、左右の目にそれぞれ一定の規則に従って異なる平面図形を見せた場合にも生ずる。立体写真や、立体図形を実体鏡で見た場合がこれにあたる。このことから、立体視には両眼の間の視差が重要であることがわかる。しかし単眼視でも、水晶体の曲率を調節している毛様体筋の収縮の程度や、目の位置を変えたときの視差などにより、ある程度の遠近や奥行きの判断が可能である。霊長類では、視神経の半分が交差し、左右両眼の右半分の網膜からの神経繊維は右側皮質後頭葉の視覚野に達する。同様に、網膜の左半分が左側皮質後頭葉に連絡する。視覚野のニューロンは網膜の一定の場所に対応した入力を受けている。しかも視覚野のニューロンの大多数には、いろいろな程度に両眼からの入力があり、これが立体視に関係するといわれている。両眼視では、左右の目で見ている1つの物体は、1つに見える。眼球は、左右の網膜の像がそれぞれ対応する点にうまく合致して1つの像として見えるように反射的に運動する。これが遠近感を作る1つの原因となっている。空間知覚は、右脳に発達するので、視野の左半分の方が物体の空間的位置関係がよく認知されると言われている。』(「日本大百科全書(小学館)」より抄出)
【0004】したがって、立体視用の2枚1組の写真を写真を撮影するためには、同等な2つの撮影用レンズを両眼の間隔(例えば、6.5mm程度)離し、それぞれの光軸が平行になるように設置し、それぞれの撮影用レンズのシャッターを同時に作用して、2コマのフィルムに同時に映像を撮影する。そして、その2つのフィルムを現像し、印画紙に映像を焼き付けて、立体視用の写真画像を形成する。
【0005】この2枚の立体視用写真画像を鑑賞するには、例えば、専用のビューワーを用いて2枚の立体視用写真画像を左右の目でそれぞれ鑑賞する。それにより、撮影対象が立体的に認識される。
【0006】また、立体視用の映画を撮影するときには、所定間隔を離して設置した2台のカメラを用いて映像を撮影し、2本1組の映画フィルムを得る。そして、それぞれの映画フィルムを、偏光方向が互いに直行する2枚の偏光フィルタを映写レンズの直後に備えた2つの映写機で、同一のスクリーンに同時に映写する。
【0007】そして、鑑賞する人は、偏光方向が互いに直行する2枚の偏光フィルタがそれぞれ両眼に対応して配設された鑑賞用眼鏡を用いてスクリーンに映写された映像を鑑賞すると、映像を立体的に認識することができる。このとき、鑑賞用眼鏡には、左目用フィルタおよび右目用フィルタは、左目用映像を映写する映写機の映写レンズおよび右目用映像を映写する映写機の映写レンズに設けられたと同種の偏光フィルタが配設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の立体視用写真または立体視用映画を撮影する際には、その撮影時に、撮影する場所において、立体視用写真または立体視用映画を撮影する必要があり、時間的場所的な制約があった。
【0009】例えば、既に撮影されている写真と同一の写真を撮影する機会が二度と得られないような状況では、既に撮影されている1枚の写真に基づいて、同一の状況での立体視用写真を作成することは、従来、実現することができなかった。
【0010】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、既に撮影されている写真、映画、または、動画に基づいて、立体視用写真、立体視用映画、または、立体視用動画を構成することのできる立体視画像データ作成方法および立体視画像データ作成装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0012】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0013】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0014】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0015】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0016】また、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0017】また、互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0018】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0019】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0020】互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成するようにしたものである。
【0021】また、前記第1の画像データは効き目用の画像データであり、前記第2の画像データは他方の目用の画像データである。また、前記第1の画像データは右目用の画像データであり、前記第2の画像データは左目用の画像データである。また、前記第1の画像データおよび第2の画像データは、静止画像データである。また、前記第1の画像データおよび第2の画像データは、動画データの1フレームを構成するデータである。
【0022】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0023】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0024】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0025】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0026】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0027】また、表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたものである。
【0028】また、表示対象となる動画の1フレームを構成する第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データに基づいて作成した第1の動画データ、および、上記第2の画像データに基づいて作成した第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させるとともに、上記第1の動画データと上記第2の動画データのフレーム順序をずらした立体視動画データを作成するようにしたものである。また、前記第1の動画データと第2の動画データのフレーム順序をずらす態様は、前記動画を撮影したカメラのパン方向、および、上記第1の動画データおよび第2の動画データの左目画像データまたは右目画像データへの割り当て態様に基づいて決定されるものである。
【0029】また、表示対象となる第1の動画データと、その動画データのフレーム順序をずらせてなる第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させてなる立体視動画データを作成するようにしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】まず、本発明の原理について説明する。
【0032】上述したように、立体視は、実際の立体を見る場合だけでなく、左右の目にそれぞれ一定の規則に従って異なる平面図形を見せた場合にも生ずる。したがって、例えば、既に得られた写真を立体視させる場合には、その元写真と、元写真に写されている内容を一定の規則に従って異ならせた新しい写真を作成し、その元写真と新たに作成した写真を鑑賞することで、立体視を生じると考えられる。
【0033】しかしながら、既に述べたように、元写真を撮影する機会が二度と得られないような場合には、元写真の内容を一定の規則に従って異ならせた新しい写真をカメラで撮影することは、不可能であり、この方法を直接採用することはできない。
【0034】そこで、手元にある元写真を利用して、元写真と対にして使用する写真を作成することを考える。例えば、元写真の中心を少しずらせたような写真を、接写装置などを用いて新たに撮影することで、このような写真を得ることはできる。
【0035】しかしながら、実験によれば、この場合には、写真の内容が飛び出てくるように認識させることはできるが、立体として認識されるにはほど遠い。例えば、元写真に写されている人物を、その人物が本来有する立体形状までも認識できるような立体視の効果を得ることは、この方法では不可能であった。
【0036】このようにして、元写真を単純にずらせたような写真を、光学的手段を用いて作成しても、立体視の画像を得ることはできない。
【0037】次に、既に確立されている立体視画像(写真または映画)の作成方法について考えると、基本的に、右目用画像と左目用画像を別々の撮影手段で撮影している。そこで、この方法に基づいて、右目用画像と左目用画像を作成することを考える。
【0038】例えば、図1に示すような1枚の画像IMにおいて、この画像IMが写真画像であるとすると、この画像IMを撮影したカメラの方向は、画像IMの中心点PAに一致する。
【0039】そこで、この画像IMを右目用画像であると規定すると、左目用画像は、同じ画像IMを、カメラの位置を画像IMの中心点PAよりも若干左の点PBに移動した際に撮影して得られるものとほぼ一致すると考えられる。
【0040】そして、この場合の左目用画像は、元画像IMの中心点PAを、左目用画像の中心点PBから見込む態様に回転し、画像を変形することで得られる。また、この場合、中心点に近い部分の画像の変形率を小さく、かつ、画像IMの枠に近い部分の画像の変形率を大きくする。これにより、よりカメラに近い部分の画像の移動量がより大きくなり、その結果、元の画像IMを撮影したカメラを、同一対象物をねらった状態のまま左に移動した場合、すなわち、そのカメラを左目位置に移動したとほぼ同等の表示効果のある画像を得ることができることとなる。
【0041】このようにして、右目用画像に基づき、左目用画像を作成することができ、右目用画像の内容を観察者の右目に投影し、左目用画像の内容を観察者の左目に投影することで、十分に立体視効果の高い立体視画像を観察者に認識させることができる。
【0042】ここで、実験によれば、点PAと点PBの距離は、画像IMの水平方向の10%程度の距離に設定することが好ましい。この距離をあまり大きく設定すると、効果的な立体視効果を得ることができない。
【0043】なお、このままでも、十分に立体視効果のある画像を作成することはできるが、画像IMの右枠と左枠で遠近感が0となり、ややゆがんだ立体映像として感知される。そこで、図2に示すように、左目用画像を、画像の移動方向(この場合は、水平方向)に画像を10%程度拡大し、元の画像の大きさに相当する中央部分LAのみを抽出して使用することで、立体映像として感知される際の画像のゆがみを解消することができる。
【0044】また、この例のように、画像の中心点を左方向に移動し、その移動により作成された画像を左目用画像として用いる場合には、立体映像が浮き出て見える方向は、奥側になる。それに対し、左目用画像を観察者の右目に投影し、右目用画像を観察者の左目に投影した場合、立体映像が浮き出て見える方向は、手前側になる。
【0045】さらに、この例と逆に、画像の中心点を右方向に移動し、その移動により作成された画像を右目用画像として用い、作成した右目用画像を観察者の右目に投影し、元画像である左目用画像を観察者の左目に投影すると、立体映像が浮き出て見える方向は、奥側になる。それに対し、左目用画像を観察者の右目に投影し、右目用画像を観察者の左目に投影した場合、立体映像が浮き出て見える方向は、手前側になる。
【0046】このようにして、本発明では、既に得られている画像に基づいて、一組の立体視用画像を作成することができるので、二度と撮影する機会が得られない画像、例えば、衛星ボイジャーから送られた惑星の画像データ、既に破壊などが進んだ古代遺跡の健全な状態での写真画像、過去の写真画像などに基づいて、立体視用の画像を作成することができ、非常に便利である。
【0047】また、動画は1フレームずつの静止画の連続としてとらえることができるので、おのおののフレームの静止画について、上述と同様の処理を施すことにより、立体視映像を作成することもできる。例えば、映像ライブラリや映画などの資料から、立体視映像を作成することも可能であり、映像ライブラリや映画に新たな価値を付加することができることとなる。
【0048】ところで、この本発明の方法は、立体視画像が両眼の視差に基づいて感知されることを利用しており、したがって、右目用画像と左目用画像が少しずれていれば同等の効果を発揮できる。よって、画像をずらす方向は、上述した水平方向に限ることはない。垂直方向にずらした場合でも、あるいは、ある一定の傾斜方向にずらした場合でも、十分なる立体視効果を得ることができる。また、その場合、画像の拡大方向は、そのずれの方向に設定することが好ましい。
【0049】また、上述した方法では、元々得られている写真画像を右目用画像とし、この右目用画像に基づいて左目用画像を形成しているが、元の写真画像を左目用画像とし、この左目用画像に基づいて右目用画像を形成することもできる。
【0050】さらに、右目と左目では、画像認識が強調される側の目がある。いわゆる「きき目」といわれるものであり、元画像を見る目を、この「きき目」に設定することで、より効果的な立体視を得ることができる場合がある。したがって、立体視用画像データを作成する際に、あらかじめきき目が右目であるか左目であるかを指定させ、元画像をきき目として指定された目に対応させると、立体視効果をより適切に得ることが期待される。
【0051】また、空間知覚は、右脳に発達するので、視野の左半分の方が物体の空間的位置関係がよく認知されると言われている。したがって、元画像を右目用画像に、変換後の画像を左目用画像に割り当てると、きき目の設定がない場合でも、適切な立体視効果を得ることができると期待される。
【0052】また、本発明は、基本的には、立体視用画像データを作成する方法または装置にかかわるものであり、例えば、右目用画像データと左目用画像データを用いて立体視映像を提供する手段の方式を問わない。
【0053】ここで、立体視映像を提供する方法としては、右目用画像データと左目用画像データを同一スクリーンに投影するとともに、それぞれの映写機の映写レンズの直後に、互いに偏光方向が直交する2つの偏光フィルタを配置し、鑑賞者は、対応する2つの偏光フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている偏光フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法や、右目用画像データと左目用画像データをそれぞれ互いに偏光方向が直交する偏光方向の画像として表示可能なディスプレイ装置を用いて表示し、鑑賞者は、対応する2つの偏光フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている偏光フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法や、右目用画像データと左目用画像データをそれぞれ異なる色成分の単色画像に変換し、その変換後の右目用画像データと左目用画像データを合成し、その合成画像データをCRTディスプレイ装置などに表示し、鑑賞者は、対応する2つの単色成分のみを通過させる2つの色フィルタがそれぞれの目に対応して配設されている色フィルタ眼鏡を使用して鑑賞する方法、あるいは、ゴーグル状の筺体に超小型の表示装置(例えば、液晶表示装置やCRTディスプレイ装置)を右目と左目の直前に対応して配設し、その筺体を鑑賞者の頭部に設置するヘッドマウントディスプレイを用い、ヘッドマウントディスプレイの右目用表示装置で右目用画像データを表示するとともに、左目用表示装置で左目用画像データを表示する方法などがある。
【0054】図3は、本発明の一実施例にかかる立体視用画像データ作成装置の一例を示している。
【0055】同図において、CPU(中央処理装置)1は、この立体視用画像データ作成装置の動作制御、立体視用画像データ作成処理などの各種処理を実行するためのものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)2は、起動時などに実行されるプログラムや参照データなどが記憶されるものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)3は、CPU1のワークエリアなどを実現するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するためのものである。
【0056】固定磁気ディスク装置5は、この立体視用画像データ作成装置で実行される各種処理やオペレーティングシステムなどのプログラムデータを記憶するとともに、各種処理により作成される各種データなどを記憶する大容量の外部記憶装置ためのものであり、フロッピーディスク装置6は、フロッピーディスクにデータを記録するとともにフロッピーディスクに記録されているデータを再生するものであり、CD−ROM装置7は、CD−ROMに記憶されているデータを再生するためのものである。
【0057】スキャナ8は、所定の解像度で、かつ、所定のカラー分解能で原稿画像を読み取るためのものであり、スキャナインターフェース回路9は、スキャナ8を接続するためのものである。
【0058】デジタルスチルカメラ装置10は、CCDエリアセンサなどを用いて1画面分の画像データを撮影し、おのおのの画像データを記憶するものであり、デジタルスチルカメラインターフェース回路11は、デジタルスチルカメラ装置10を接続して、記憶している画像データを読み込むためものである。
【0059】ビデオカメラ装置12は、動画を撮影してビデオテープに保存するとともに、ビデオテープに保存した動画を再生するためのものであり、ビデオカメラ装置インターフェース回路13は、ビデオカメラ装置12を接続し、ビデオカメラ装置12により撮影された動画信号、または、ビデオテープから再生されて出力される動画信号を入力するためのものである。
【0060】キーボード装置14は、フルキー配列を備えて、ユーザがキー操作を行うためのものであり、画面指示装置15は、ユーザが表示画面をクリック操作するなどの種々の操作を行うためのものであり、入力制御部16は、キーボード装置14および画面指示装置15の入力データを取り込むためのものである。
【0061】画面表示装置17は、CRTカラーディスプレイ装置などのスクリーン表示可能な表示装置であり、表示制御部18は、画面表示装置17の表示内容を制御するためのものである。
【0062】これらのCPU1、ROM2、RAM3、時計回路4、固定磁気ディスク装置5、フロッピーディスク装置6、CD−ROM装置7、スキャナ8、スキャナインターフェース回路9、デジタルスチルカメラインターフェース回路11、ビデオカメラ装置インターフェース回路13、入力制御部16、および、表示制御部18は、内部バス19に接続されており、これらの各種要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス19を介して行われている。
【0063】図4は、この立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成するときの処理の一例を示している。
【0064】まず、固定磁気ディスク装置5、フロッピーディスク装置6、CD−ROM装置7、スキャナ8、あるいは、デジタルスチルカメラ装置10より、指定された元画像データを読み込む(処理101)。この元画像データは、右目用画像データとして保存される。
【0065】次いで、その元画像データに基づき、視点回転後画像データを、次のような方法により作成する(処理102)。
【0066】まず、この場合、図5に示すように、表示する画像データの表示サイズPPに対して、表示画面の画像の表示サイズSPは、その構成画素数が少ない。例えば、表示サイズPPが640×480(ドット)である場合、表示サイズSPは320×240(ドット)であり、この場合の表示倍率は、0.5となる。そして、元画像データにおける画像中心点をP、表示画面に表示している画像データにおける画像中心点をp、元画像データにおける回転中心点をQ、表示画面に表示している画像データにおける回転中心点をqとすると、図6および図7のようになる。
【0067】そして、このように定めた回転中心点qの座標値(qx、qy)に基づいて、次のようにして、表示画面に表示する画像データの各画素が、元画像データのどの座標の画素に一致するかを算出することで、視点回転後画像データの移動後座標を演算する。
【0068】ここで、表示画面に表示する画像データについて、図8に示すように、各変数および定数の値を定める。すなわち、この場合、画素の座標値は、画面の左上の点paが基準の座標値(0,0)をとり、画面の右上の点pbは座標値(320,0)、画面の右下の点pcは座標値(320,240)、画面の左下の点pdは座標値(0,240)にそれぞれ設定される。
【0069】また、変数Axは、回転中心点qのX座標値をあらわし、変数Bxは、画面のX方向サイズSUBw(=320)より回転中心点qのX座標値を減じた値をあらわす。また、変数Ayは、回転中心点qのY座標値をあらわし、変数Byは、画面のY方向サイズSUBh(=240)より回転中心点qのY座標値を減じた値をあらわす。また、変数Δxは、画像中心点pと回転中心点qのX座標値の差分値をあらわし、変数Δyは、画像中心点pと回転中心点qのY座標値の差分値をあらわす。ここで、画像中心点pの座標値(px,py)は、元画像データの画像中心点Pの座標値(Px,Py)にそれぞれ表示倍率を乗じた値となる。また、画像中心点Pは、画面の中央位置に固定的に設定することもできるし、あるいは、ユーザが任意に設定することもできる。
【0070】さて、移動後座標の演算時では、画素の座標値(x,y)が、x≦qx、かつ、y≦qyの範囲にあるとき、次の式(I),(II)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0071】
Qx=(x+(Ax/SUBw)・Δx)・S (I)
【0072】
Qy=y・S (II)
【0073】ここで、Sは表示倍率である。なお、元画像データと表示画面の表示サイズが同じ場合には、表示倍率Sの値が1.0になる。
【0074】また、画素の座標値(x,y)が、x>qx、かつ、y≦qyの範囲にあるとき、次の式(III),(IV)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0075】
Qx=(x−((SUBw−x)/Bx)・Δx)・S (III)
【0076】
Qy=y・S (IV)
【0077】また、画素の座標値(x,y)が、x>qx、かつ、y>qyの範囲にあるとき、次の式(V),(VI)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0078】
Qx=(x−((SUBw−x)/Bx)・Δx)・S (V)
【0079】
Qy=y・S (VI)
【0080】また、画素の座標値(x,y)が、x≦qx、かつ、y>qyの範囲にあるとき、次の式(VII),(VIII)に基づいて、対応する元画像データの座標値(Qx,Qy)を算出する。
【0081】
Qx=(x+(Ax/SUBw)・Δx)・S (VII)
【0082】
Qy=y・S (VIII)
【0083】このようにして、表示画面の1画面中の全ての画素について、元画像データの座標値を算出すると、その算出した座標値に基づいて、元画像データの画素の画像データをコピーして、新たな表示画像データを作成し、その作成した新たな表示画像データを視点回転後画像データとして保存する。
【0084】次いで、処理102で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理103)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理104)。
【0085】このようにして作成した左目用画像データと、元画像データの内容からなる右目画像データを組にして、立体視用画像データを作成する。そして、この立体視用画像データを立体視画像表示装置へ出力することで、立体視画像を得ることができる。
【0086】図9は、この立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示している。
【0087】まず、上述と同様にして、指定された元画像データ(カラー画像データ)を読み込む(処理201)。この元画像データは、右目用画像データとして保存される。
【0088】次いで、その元画像データに基づき、視点回転後画像データを、上述と同様な方法により作成する(処理202)。
【0089】次いで、処理202で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理203)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理204)。
【0090】次に、元画像データの赤成分を抽出するとともに(処理205)、左目用画像データの青成分を抽出し(処理206)、処理205で抽出した赤成分データと、処理206で抽出した青成分データを合成して、立体視データを作成し(処理207)、その立体視データを画面表示装置17に表示出力する(処理208)。
【0091】これにより、ユーザは、右目側に赤フィルタが配設されるとともに、左目側に青フィルタが配設された色フィルタ眼鏡を装着して、画面表示装置17の表示内容を鑑賞することで、元画像データの立体視映像を認識することができるようになる。
【0092】また、図10は、この立体視用画像データ作成装置がビデオカメラ装置12、固定磁気ディスク装置5、あるいは、CD−ROM装置7から読み込んだ動画信号に基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示している。なお、この処理は、ビデオカメラ装置12により、録画済みのビデオテープから動画を再生した場合にも適用できる。
【0093】まず、ビデオカメラ装置12、固定磁気ディスク装置5、あるいは、CD−ROM装置7から、1フレーム分の動画データ(カラー画像データ)を読み込む(処理301)。この動画データは、1フレーム分の右目用画像データとして保存される。
【0094】次いで、その1フレーム分の動画データに基づき、視点回転後画像データを、上述と同様な方法により作成する(処理302)。
【0095】次いで、処理202で作成した視点回転後画像データについて、視点回転方向へ所定倍率(例えば、110%)で拡大し(処理303)、その拡大画像データの中央部分をトリミングして左目用画像データを作成する(処理304)。
【0096】次に、元の1フレーム分の動画データの赤成分を抽出するとともに(処理305)、左目用画像データの青成分を抽出し(処理306)、処理305で抽出した赤成分データと、処理306で抽出した青成分データを合成して、1フレーム分の動画データの立体視データを作成し(処理307)、その1フレーム分の動画データの立体視データを画面表示装置17に表示出力する(処理308)。
【0097】次いで、再生中の動画データの全てのフレームの処理を終了したかどうかを調べ(判断309)、判断309の結果がNOになるときには、処理301へ戻り、次のフレームについて、同様の処理を実行し、次のフレームの動画データを表示する。
【0098】これにより、ユーザは、右目側に赤フィルタが配設されるとともに、左目側に青フィルタが配設された色フィルタ眼鏡を装着して、画面表示装置17の表示内容を鑑賞することで、元画像データの立体視映像を認識することができるようになる。
【0099】ここで、動画の1フレームの時間を1/30(秒)とすると、最近のCPU1の能力を考えると、この時間内に動画一フレーム分について、上述した処理を完了することはたやすいので、この立体視用画像データ作成装置は、ビデオカメラ装置12または固定磁気ディスク装置5から読み込んだ動画信号に基づいて、リアルタイム的に立体視画像データを表示することができる。
【0100】図11は、本発明の他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示している。
【0101】同図において、動画信号入力部21は、図示しないビデオカメラ装置やビデオテープレコーダ装置から出力される動画信号VIを入力するものであり、この動画信号入力部21により入力された動画信号VIは、フレーム同期されたフレーム同期動画信号VIfとして、静止画作成部22に加えられている。
【0102】静止画作成部22は、入力したフレーム同期動画信号VIfに基づいて、1フレーム分の動画データを抽出して静止画データを形成するものであり、その静止画データSIは、同期部23と左目用画像作成部24に加えられている。
【0103】左目用画像作成部24は、入力した静止画データSIに基づき、上述したような視点回転画像データの作成処理を実行するとともに、作成した視点回転画像データを拡大した後にトリミング処理して、1フレーム分の左目用画像データを作成するものであり、その作成された左目用画像データSIlは、左目用動画信号出力部25へ出力されている。
【0104】同期部23は、左目用画像作成部24が1フレーム分の左目用画像データを作成するための遅延時間が設定されており、入力された1フレーム分の静止画データSIを遅延して1フレーム分の右目用画像データSIrとして出力するものであり、その右目用画像データSIrは、左目用画像データSIlと同期された状態で、右目用動画信号出力部26に加えられる。
【0105】左目用動画信号出力部25は、入力された左目用画像データSIlに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、左目用動画信号VLとして、次段装置の立体視映像表示装置(図示略)へと出力される。
【0106】また、右目用動画信号出力部26は、入力された右目用画像データSIrに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、右目用動画信号VRとして、次段装置の立体視映像表示装置へと出力される。
【0107】このようにして、本実施例にかかる立体視用動画信号作成装置を用いることで、どのような場所でも、立体視用動画信号を作成して立体視映像表示装置へ出力することができ、非常に便利である。
【0108】図12は、本発明のさらに他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示している。なお、同図において、図11と同一部分および相当する部分には、同一符号を付している。
【0109】同図において、動画信号入力部21は、図示しないビデオカメラ装置やビデオテープレコーダ装置から出力される動画信号VIを入力するものであり、この動画信号入力部21により入力された動画信号VIは、フレーム同期されたフレーム同期動画信号VIfとして、静止画作成部22に加えられている。
【0110】静止画作成部22は、入力したフレーム同期動画信号VIfに基づいて、1フレーム分の動画データを抽出して静止画データを形成するものであり、その静止画データSIは、同期部23と左目用画像作成部24に加えられている。
【0111】左目用画像作成部24は、入力した静止画データSIに基づき、上述したような視点回転画像データの作成処理を実行するとともに、作成した視点回転画像データを拡大した後にトリミング処理して、1フレーム分の左目用画像データを作成するものであり、その作成された左目用画像データSIlは、左目用動画信号出力部25へ出力されている。
【0112】同期部23は、左目用画像作成部24が1フレーム分の左目用画像データを作成するための遅延時間が設定されており、入力された1フレーム分の静止画データSIを遅延して1フレーム分の右目用画像データSIrとして出力するものであり、その右目用画像データSIrは、左目用画像データSIlと同期された状態で、右目用動画信号出力部26に加えられる。
【0113】左目用動画信号出力部25は、入力された左目用画像データSIlに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、左目用動画信号VLとして、スイッチ部27に加えられている。
【0114】また、右目用動画信号出力部26は、入力された右目用画像データSIrに基づいて1フレーム分の動画信号を作成するものであり、その作成された動画信号は、右目用動画信号VRとして、スイッチ部27に加えられている。
【0115】スイッチ部27には、図示しない切換えスイッチの操作に応じたきき目切換え情報XCが加えられている。このきき目切換え情報XCは、右目をきき目とするか、左目をきき目とするかの選択を与えるものであり、きき目切換え情報XCにより、右目をきき目とする旨が指定されている場合には、スイッチ部27は、入力される右目用動画信号VRを右目用動画信号VRaとして、また、入力される左目用動画信号VLを左目用動画信号VLaとして、次段装置の立体視映像表示装置へ出力する。また、スイッチ部27は、きき目切換え情報XCにより左目をきき目とする旨が指定されている場合には、入力される右目用動画信号VRを左目用動画信号VLaとして、また、入力される左目用動画信号VLを右目用動画信号VRaとして、次段装置の立体視映像表示装置へ出力する。
【0116】このようにして、本実施例にかかる立体視用動画信号作成装置を用いることで、どのような場所でも、立体視用動画信号を作成して立体視映像表示装置へ出力することができるとともに、鑑賞者のきき目に応じた映像を表示することができ、非常に便利である。
【0117】また、上述した立体視用動画信号作成装置は、筺体に収容した単体装置、あるいは、パーソナルコンピュータ装置などに組み込む基板装置のいずれであっても、市場に供給することができる。
【0118】ところで、上述した実施例では、画像の中心部PAをずらした点PBから、中心部PAを望む態様に画像を回転して、元画像から立体視用の画像を作成しているが、この画像作成方法は、これに限ることはない。
【0119】すなわち、上述したように、右目に与える画像と左目に与える画像が、若干ずれておれば、立体視効果を得ることができるので、例えば、図13に示すように、元画像の中心点PAを基準として元画像を半分に分割し、その左半分LLの部分を水平方向へ縮小するとともに右半分LRの部分を水平方向へ拡大し、その縮小したものと拡大したものを中央部で連結して得た画像を、立体視用画像として適用することもできる。あるいは、左半分LLの部分を水平方向へ拡大するとともに右半分LRの部分を水平方向へ縮小し、その拡大したものと縮小したものを中央部で連結して得た画像を、立体視用画像として適用することもできる。
【0120】すなわち、画像のずれる方向と、縮小拡大態様が一定の関係に有れば、元画像に基づいて立体視用画像を作成することができる場合がある。
【0121】さて、本発明者の実験によれば、動画信号に基づいて立体視用動画信号を作成する場合、右目用動画信号と左目用動画信号のフレーム順序を、一方が他方に対して複数フレーム遅延するような態様にずらすと、より高い立体視効果が得られることが分かった。
【0122】また、この場合において、例えば、右目用動画信号となる元の動画信号に基づいて、左目用動画信号を作成する際に、各静止画データ(1フレームを構成する動画データ)について適用する上述した視点回転画像データの作成処理での、視点の回転(移動)量を1〜2%程度の小さい値に抑えても、十分な立体視効果を得られるということも分かった。
【0123】したがって、この場合、右目用動画信号に対する左目用動画信号の変形量を抑えることができるので、鑑賞者の目の疲れも少なくなり、良質な立体視用動画信号を作成することができる。
【0124】さらに、動画の内容が、常に対象が動いているようなものであり、停止した状態(すなわち、静止画)を含まないような場合には、例えば、元の動画信号を右目用動画信号として適用し、この動画信号に基づいて左目用動画信号を作成する場合、右目用動画信号を単にフレーム遅延させたものを左目用動画信号として適用することで、立体視効果が得られることも分かった。
【0125】また、右目用動画信号に対する左目用動画信号のフレーム遅延量は、フレーム再生速度が、30フレーム/秒である場合、1〜5フレーム程度にすると、鑑賞者の目の疲れが少なく、かつ、充分なる立体視効果が得られることも分かった。なお、このフレーム遅延量は、立体視映像表示装置に表示特性などに応じて決定することが好ましいと考えられ、6フレーム以上のフレーム遅延量を設定することが可能な場合もある。
【0126】したがって、表示対象となる動画を静止画に分解し、それぞれの静止画データについて、回転量を1〜2%に設定した上述の視点回転画像データ作成処理を適用して、変換後静止画データを作成し、元の静止画データに基づいて右目用動画信号(または、左目用動画信号)を作成し、元の静止画データから所定数のフレーム数遅延させた状態の変換後静止画データに基づいて、左目用動画信号(または、右目用動画信号)を作成することで、より立体視効果が高く、かつ、画質も良好な立体視用動画信号を作成することができる。
【0127】また、表示対象となる動画に静止画が含まれないような場合、その動画を静止画に分解し、元の静止画データに基づいて右目用動画信号(または、左目用動画信号)を作成するとともに、元の静止画データから所定数のフレーム数遅延させた状態の静止画データに基づいて、左目用動画信号(または、右目用動画信号)を作成することができ、それにより、より簡単な処理および装置で立体視用動画信号を作成することができる。
【0128】一方、右目用動画信号と左目用動画信号とのフレーム遅延の態様は、元の動画を撮影したカメラの画面のパン方向により、次のように定められる。
【0129】元の動画信号が左目用動画信号であり、変換して作成した動画信号が右目用動画信号である場合、カメラの画面が左から右へパンする場合には、右目用動画信号を先行させ、左目用動画信号をフレーム遅延させる。反対に、カメラの画面が右から左へパンする場合、左目用動画信号を先行させ、右目用動画信号をフレーム遅延させる。
【0130】一方、元の動画信号が右目用動画信号であり、変換して作成した動画信号が左目用動画信号である場合、カメラの画面が左から右へパンする場合には、左目用動画信号を先行させ、右目用動画信号をフレーム遅延させる。反対に、カメラの画面が右から左へパンする場合、右目用動画信号を先行させ、左目用動画信号をフレーム遅延させる。
【0131】したがって、対象となる動画のカメラのパン方向が切り替わる場合、それに応じて、右目用動画信号と左目用動画信号のフレーム先行およびフレーム遅延の態様を適宜に切り替えるようにすることで、より立体視効果の高い立体視用動画信号を得ることができる。
【0132】なお、このフレーム先行およびフレーム遅延の態様を反対にして立体視用動画信号を作成した場合、違和感のある立体視映像が得られてしまうが、鑑賞者の視覚特性によっては、その方が違和感なく立体視映像を得ることができる場合もある。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、既に得られている画像に基づいて、一組の立体視用画像を作成することができるので、二度と撮影する機会が得られない画像、例えば、衛星ボイジャーから送られた惑星の画像データ、既に破壊などが進んだ古代遺跡の健全な状態での写真画像、過去の写真画像などに基づいて、立体視用の画像を作成することができ、非常に便利であるという効果を得る。
【0134】また、動画は1フレームずつの静止画の連続としてとらえることができるので、おのおののフレームの静止画について、上述と同様の処理を施すことにより、立体視映像を作成することもでき、その結果、例えば、映像ライブラリや映画などの資料から、立体視映像を作成することも可能であり、映像ライブラリや映画に新たな価値を付加することができることとなるという効果も得る。
【0135】さらに、右目用動画信号と左目用動画信号の一方をフレーム先行させ、他方をフレーム遅延させることで、より立体視効果が高く、かつ、画質が良好な立体視映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための概略図。
【図2】画像の拡大とトリミングについて説明するための概略図。
【図3】本発明の一実施例にかかる立体視用画像データ作成装置の一例を示したブロック図。
【図4】立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図5】表示する画像ファイルの表示サイズと表示有効画面に表示する画像の表示サイズとの関係の一例を説明するための概略図。
【図6】元画像データにおける画像中心点および回転中心点の一例を説明するための概略図。
【図7】表示有効画面に表示している画像データにおける画像中心点および回転中心点の一例を説明するための概略図。
【図8】表示有効画面に表示する画像データについて定めた各変数および定数を説明するための概略図。
【図9】立体視用画像データ作成装置が静止画像データに基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図10】動画信号に基づいて立体視画像データを作成し、立体視画像を表示するときの処理の一例を示したフローチャート。
【図11】本発明の他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示したブロック図。
【図12】本発明のさらに他の実施例にかかる立体視用動画信号作成装置の一例を示したブロック図。
【図13】立体視用画像データの他の作成方法について説明するための概略図。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置)
21 動画入力部
22 静止画作成部
23 同期部
24 左目用画像作成部
25 左目用動画信号出力部
26 右目用動画信号出力部
27 スイッチ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項2】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項3】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項4】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項5】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項6】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項7】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項8】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項9】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項10】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項11】 前記第1の画像データは効き目用の画像データであり、前記第2の画像データは他方の目用の画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項12】 前記第1の画像データは右目用の画像データであり、前記第2の画像データは左目用の画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項13】 前記第1の画像データおよび第2の画像データは、静止画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11または請求項12記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項14】 前記第1の画像データおよび第2の画像データは、動画データの1フレームを構成するデータであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11または請求項12記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項15】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項16】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項17】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項18】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項19】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項20】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項21】 表示対象となる動画の1フレームを構成する第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データに基づいて作成した第1の動画データ、および、上記第2の画像データに基づいて作成した第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させるとともに、上記第1の動画データと上記第2の動画データのフレーム順序をずらした立体視動画データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項22】 前記第1の動画データと第2の動画データのフレーム順序をずらす態様は、前記動画を撮影したカメラのパン方向、および、上記第1の動画データおよび第2の動画データの左目画像データまたは右目画像データへの割り当て態様に基づいて決定されることを特徴とする請求項21記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項23】 表示対象となる第1の動画データと、その動画データのフレーム順序をずらせてなる第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させてなる立体視動画データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項1】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項2】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項3】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項4】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項5】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項6】 表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項7】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項8】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項9】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項10】 互いに異なる色成分の光束を透過する2つの色フィルタをそれぞれ右目および左目に対応させるフィルタ手段を適用して、画像データの表示画面を観察することで立体視画像を実現するための立体視画像データ作成方法において、表示対象となる第1の画像データについて、その第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データを一方の上記色フィルタの透過色に対応した第1の色成分の濃淡画像データに変換するとともに、上記第2の画像データを他方の上記色フィルタの透過色に対応した第2の色成分の濃淡画像データに変換し、上記第1の色成分の濃淡画像データと上記第2の色成分の濃淡画像データを合成して、立体視画像データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項11】 前記第1の画像データは効き目用の画像データであり、前記第2の画像データは他方の目用の画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項12】 前記第1の画像データは右目用の画像データであり、前記第2の画像データは左目用の画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項13】 前記第1の画像データおよび第2の画像データは、静止画像データであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11または請求項12記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項14】 前記第1の画像データおよび第2の画像データは、動画データの1フレームを構成するデータであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8または請求項9または請求項10または請求項11または請求項12記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項15】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項16】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を所定方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項17】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を所定方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を同一方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を上記所定方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項18】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの座標を水平方向に所定量だけ移動した後、水平方向について所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項19】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データの中心を水平方向に所定量だけ移動するとともに、画像中心に近い部分ほど変形率を大きくする態様に上記第1の画像データの画像を変形処理した後、水平方向に所定の倍率で変倍して第2の画像データを作成する画像変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項20】 表示対象となる第1の画像データを入力する画像入力手段と、上記画像入力手段が入力した第1の画像データを中央部で2つに分割し、その一方の分割領域を水平方向に所定倍率で拡大するとともに、その他方の分割領域を水平方向に所定倍率で縮小し、その拡大画像と縮小画像を水平方向に連結する態様に合成して第2の画像データを作成する画像データ変換手段と、上記第1の画像データと上記第2の画像データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させた立体視画像データとして出力する画像データ出力手段を備えたことを特徴とする立体視画像データ作成装置。
【請求項21】 表示対象となる動画の1フレームを構成する第1の画像データについて、その第1の画像データの座標を所定方向に所定量だけずらした後、所定の変倍態様で変倍して第2の画像データを作成し、上記第1の画像データに基づいて作成した第1の動画データ、および、上記第2の画像データに基づいて作成した第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させるとともに、上記第1の動画データと上記第2の動画データのフレーム順序をずらした立体視動画データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【請求項22】 前記第1の動画データと第2の動画データのフレーム順序をずらす態様は、前記動画を撮影したカメラのパン方向、および、上記第1の動画データおよび第2の動画データの左目画像データまたは右目画像データへの割り当て態様に基づいて決定されることを特徴とする請求項21記載の立体視画像データ作成方法。
【請求項23】 表示対象となる第1の動画データと、その動画データのフレーム順序をずらせてなる第2の動画データを、それぞれ左目画像データまたは右目画像データのいずれかに対応させてなる立体視動画データを作成することを特徴とする立体視画像データ作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2000−228778(P2000−228778A)
【公開日】平成12年8月15日(2000.8.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−355817
【出願日】平成10年12月15日(1998.12.15)
【出願人】(596030737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年8月15日(2000.8.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年12月15日(1998.12.15)
【出願人】(596030737)
【Fターム(参考)】
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