説明

端子及び該端子を有するコネクタ

【課題】端子と相手側端子との間に生じるあらゆる方向の位置ずれを吸収することができる端子を提供する。
【解決手段】端子2は、一方の相手側端子12と接続される第1電気接続部21と、他方の相手側端子と接続される第2電気接続部22と、第1電気接続部21と第2電気接続部22とを連結するとともに導通させる連結部20と、を有している。連結部20は金属板で構成されており、第1電気接続部21に取り付けられる環状の第1環状部23と、第2電気接続部22に取り付けられる環状の第2環状部24と、一端部が第1環状部23に連なりかつ他端部が第2環状部24に連なった帯状に形成されて第1環状部23と第2環状部24との間の部分が弓状に曲げられた複数の弓状部25と、を有している。該連結部20は全ての方向に弾性変形自在に形成されており、弾性変形することで第1電気接続部21と第2電気接続部22とを全ての方向に移動自在に連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気配線の接続に用いられる端子、及び、該端子を有するコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車には種々の電子機器が搭載されている。これら電子機器同士を電気接続する際には端子、または前記端子をハウジング内に収容したコネクタが多く用いられてきた。また、前記端子は、一般的に、一方の相手側端子と電気接続される第1電気接続部と、他方の相手側端子または電線などと電気接続される第2電気接続部と、これら第1電気接続部と第2電気接続部とを連結するとともに導通させる連結部と、を有している。
【0003】
上記端子は、当該端子自体の寸法誤差や組み付け誤差等により、相手側端子との間に位置ずれが生じて、相手側端子と電気接続できない、即ち嵌合できない、ことがあった。
【0004】
上述した端子同士の位置ずれを吸収する構造を備えた端子として、例えば、特許文献1(特開2005−129390号公報)に示された端子が提案されている。この端子は、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを連結した連結部に、他の部分よりも幅狭、または、薄肉に形成された緩衝部を設けたものである。このような端子は、前記緩衝部がその厚み方向に弾性変形することにより、第1電気接続部または第2電気接続部が前記厚み方向に移動して相手側端子との位置ずれを吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−129390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に示された端子は、一方向のみ、即ち前記緩衝部の厚み方向のみ、にしか第1電気接続部または第2電気接続部を移動させることができず、前記緩衝部の幅方向、及び、第1電気接続部と第2電気接続部との並び方向に生じた端子間の位置ずれを吸収することができないという問題があった。このようなことから、端子と相手側端子との間に生じるあらゆる方向の位置ずれ、即ち全ての方向の位置ずれ、を吸収することができる端子が求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、端子と相手側端子との間に生じるあらゆる方向の位置ずれを吸収することができる端子、及び、該端子を有するコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、一方の相手側端子と電気接続される第1電気接続部と、他方の相手側端子または電線と電気接続される第2電気接続部と、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを連結するとともに導通させる連結部と、を有する端子において、前記連結部が、導電性材料により全ての方向に弾性変形自在に形成されており、弾性変形することで前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを全ての方向に移動自在に連結することを特徴とする端子である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記連結部が、金属板で構成されており、前記第1電気接続部に取り付けられる環状の第1環状部と、前記第2電気接続部に取り付けられる環状の第2環状部と、一端部が前記第1環状部に連なりかつ他端部が前記第2環状部に連なった帯状に形成されて前記第1環状部と前記第2環状部との間の部分が弓状に曲げられた複数の弓状部と、を有していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記連結部が、コイルばね状に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された端子と、該端子を収容したハウジングと、を有していることを特徴とするコネクタである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載された発明によれば、前記連結部が、導電性材料により全ての方向に弾性変形自在に形成されており、弾性変形することで前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを全ての方向に移動自在に連結するので、前記第1電気接続部と前記一方の相手側端子との間に生じる全ての方向の位置ずれ、及び、前記第2電気接続部と前記他方の相手側端子または前記電線との間に生じる全ての方向の位置ずれ、を吸収することができる端子を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載された発明によれば、前記連結部が、金属板で構成されており、前記第1電気接続部に取り付けられる環状の第1環状部と、前記第2電気接続部に取り付けられる環状の第2環状部と、一端部が前記第1環状部に連なりかつ他端部が前記第2環状部に連なった帯状に形成されて前記第1環状部と前記第2環状部との間の部分が弓状に曲げられた複数の弓状部と、を有しているので、前記第1電気接続部と前記一方の相手側端子との間に生じる全ての方向の位置ずれ、及び、前記第2電気接続部と前記他方の相手側端子または前記電線との間に生じる全ての方向の位置ずれ、を吸収することができる簡素な構成の端子を提供することができる。
【0014】
請求項3に記載された発明によれば、前記連結部が、コイルばね状に形成されているので、前記第1電気接続部と前記一方の相手側端子との間に生じる全ての方向の位置ずれ、及び、前記第2電気接続部と前記他方の相手側端子または前記電線との間に生じる全ての方向の位置ずれ、を吸収することができる簡素な構成の端子を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載された発明によれば、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された端子と、該端子を収容したハウジングと、を有しているので、前記第1電気接続部と前記一方の相手側端子との間に生じる全ての方向の位置ずれ、及び、前記第2電気接続部と前記他方の相手側端子または前記電線との間に生じる全ての方向の位置ずれ、を吸収することができるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面斜視図である。
【図3】図1中のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図1に示されたコネクタの端子を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るコネクタを示す斜視図である。
【図6】図5中のB−B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明第1の実施形態に係る端子、及び、該端子を有するコネクタを図1ないし図4を参照しながら説明する。
【0018】
上記コネクタ1は、図2に示すように、相手側コネクタ11と嵌合されて該相手側コネクタ11と電気接続されるコネクタである。また、相手側コネクタ11は、筒状のハウジング13と、ハウジング13内に取り付けられた一方の相手側端子12と、を有している。相手側端子12は、金属板により筒状即ち雌型に形成されている。また、相手側端子12は、筒状の外壁に複数本のスリットが設けられることで、当該相手側端子12の径方向に沿って弾性変形自在な複数のばね片12aが設けられている。これら複数のばね片12aは、コネクタ1の後述する端子2の第1電気接続部21に弾性接触するとともにこの第1電気接続部21を内側に付勢する。
【0019】
また、図1ないし図3中の矢印Yは、相手側コネクタ11とコネクタ1との嵌合方向を表しており、矢印Xは、前記嵌合方向と直交する方向を表している。
【0020】
上記コネクタ1は、図1ないし図3に示すように、筒状に形成されたハウジング3と、ハウジング3の一端部に設けられた鍔部31に取り付けられるシール部材7a,7bと、ハウジング3内に収容された端子2と、端子2の第1電気接続部21の外周に取り付けられかつハウジング3内に収容されたインナハウジング4と、端子2の第2電気接続部22の外周に取り付けられかつハウジング3内に圧入された止水栓5と、ハウジング3の他端部に取り付けられたキャップ6と、を有している。
【0021】
上記ハウジング3は、合成樹脂により構成されており、矢印Y方向に延びた筒状に形成された筒部30と、筒部30の矢印Y方向の一端部から矢印X方向に沿って筒部30の外側に鍔状に延びた鍔部31と、を一体に有している。また、上述した相手側コネクタ11は、筒部30の一端部に位置する開口部32から筒部30内に挿入される。
【0022】
上記端子2は、図4に示すように、上記相手側コネクタ11の相手側端子12と電気接続される第1電気接続部21と、図示しない他方の相手側端子と電気接続される第2電気接続部22と、第1電気接続部21と第2電気接続部22とを連結するとともに導通させる連結部20と、を有している。
【0023】
上記第1電気接続部21は、導電性金属材料により、棒状即ち雄型に形成されている。この第1電気接続部21は、相手側コネクタ11の相手側端子12内に挿入される。また、第1電気接続部21は、相手側端子12の複数のばね片12aによって相手側端子12の内側方向に付勢されることにより、相手側端子12との電気接続状態が維持される。さらに、相手側端子12の複数のばね片12aは、第1電気接続部21の矢印X方向の移動に追従する。
【0024】
上記第2電気接続部22は、導電性金属材料により、円柱状に形成されている。また、第2電気接続部22は、第1電気接続部21と離れた端部から凹に形成された収容穴26を有している。この第2電気接続部22は、収容穴26内に挿入される他方の相手側端子と電気接続される。
【0025】
上記連結部20は、導電性の金属板にプレス加工等が施されて得られるものである。この連結部20は、第1電気接続部21の第2電気接続部22寄りの端部に取り付けられる環状の第1環状部23と、第2電気接続部22の第1電気接続部21寄りの端部に取り付けられる環状の第2環状部24と、一端部が第1環状部23に連なりかつ他端部が第2環状部24に連なった帯状に形成されて第1環状部23と第2環状部24との間の部分が弓状に曲げられた複数の弓状部25と、を一体に有している。
【0026】
また、上記第1環状部23と上記第2環状部24は、第1電気接続部21の前記端部及び第2電気接続部22の前記端部に巻き付けられ、そして、これら第1電気接続部21及び第2電気接続部22に溶接されることで、第1電気接続部21の外周及び第2電気接続部22の外周に環状に取り付けられている。また、第1環状部23と第2環状部24とは、第1電気接続部21及び第2電気接続部22に電気的に接続されている。
【0027】
なお、本実施形態では第1環状部23と第2環状部24とが第1電気接続部21及び第2電気接続部22にそれぞれ溶接されているが、本発明では、第1環状部23と第2環状部24とが第1電気接続部21及び第2電気接続部22をそれぞれ圧着する構成であっても良い。
【0028】
また、上記複数の弓状部25は、互いに離れる方向に突出する格好で弓状に曲げられており、全体として球状の形状をなしている。また、弓状部25は、図4に示す状態において、折り曲げられて塑性変形している。即ち、図4に示す連結部20は、外力が加えられていない状態である。
【0029】
上記構成の連結部20は、複数の弓状部25各々が弾性変形自在に形成されていることから、全体として、全ての方向に弾性変形自在となっている。また、「全ての方向」とは、第1電気接続部21と第2電気接続部22との並び方向と、この並び方向に交差する方向である。このような連結部20は、複数の弓状部25が弾性変形することで第1電気接続部21と第2電気接続部22とを全ての方向、即ち第1電気接続部21と第2電気接続部22との並び方向とこの並び方向に交差する方向、に移動自在に連結する。
【0030】
また、上記端子2は、第1電気接続部21が筒部30の一端部に位置付けられ、第2電気接続部22が筒部30の他端部に位置付けられる向きで筒部30内に収容される。
【0031】
上記インナハウジング4は、合成樹脂により筒状に形成されており、内側に第1電気接続部21の長手方向の中央部を取り付けている。このインナハウジング4は、ハウジング3の筒部30の内表面との間に間隔をあけている。この間隔は、第1電気接続部21が矢印Yと交差する方向に移動するための間隔である。
【0032】
上記止水栓5は、弾性変形自在な合成樹脂、即ち合成ゴム等、により筒状に形成されている。この止水栓5は、内側に第2電気接続部22の長手方向の中央部を取り付けて、ハウジング3の筒部30内に圧入されている。また、止水栓5は、第2電気接続部22の外表面及び筒部30の内表面に密着している。このような止水栓5は、筒部30内に圧入されることで、第2電気接続部22をハウジング3内に取り付ける。即ち保持する。
【0033】
また、上述した端子2は、第1電気接続部21と第2電気接続部22とが全ての方向に弾性変形自在な連結部20によって連結されていることから、第2電気接続部22が上記止水栓5によってハウジング3に固定された状態で、第1電気接続部21が前述した全ての方向に移動自在となっている。
【0034】
上記キャップ6は、筒部30の鍔部31から離れた他端部に取り付けられ、この他端部に位置する開口部33を塞いで、端子2が筒部30から抜け出ることを防止する。また、キャップ6は、その中央に第2電気接続部22の第1電気接続部21と離れた端部を通す挿通孔を有している。即ち、第2電気接続部22は、第1電気接続部21と離れた端部が筒部30外に位置付けられている。
【0035】
上記構成のコネクタ1は、相手側コネクタ11と電気接続する際に、第1電気接続部21が相手側コネクタ11の相手側端子12内に差し込まれるように、連結部20の複数の弓状部25が弾性変形することにより、第1電気接続部21が筒部30内を移動して相手側コネクタ11の相手側端子12と第1電気接続部21との間に生じる全ての方向の位置ずれを吸収する。
【0036】
また、上記構成のコネクタ1は、相手側コネクタ11との嵌合によって第1電気接続部21及びインナハウジング4に加えられる衝撃荷重を連結部20の複数の弓状部25が弾性変形することにより吸収する。
【0037】
また、上記構成のコネクタ1は、第2電気接続部22が連結部20を介して第1電気接続部21に電気接続されているので、相手側コネクタ11との嵌合によって第1電気接続部21がいずれの方向に移動したとしても、第2電気接続部22が移動することがなく、そのために、第2電気接続部22と接続される他方の相手側端子に応力が生じることを防止できる。
【0038】
さらに、上記構成のコネクタ1は、ハウジング3に加えられる振動を連結部20が吸収することにより、前記振動を端子2に伝わり難くする。
【0039】
(第2の実施形態)
続いて、本発明第2の実施形態に係る端子、及び、該端子を有するコネクタを図5及び図6を参照しながら説明する。
【0040】
本実施形態のコネクタ101は、図5及び図6に示すように、筒状に形成されたハウジング103と、ハウジング3内に収容された端子102と、端子102の第1電気接続部121の外周に取り付けられかつハウジング103内に収容されたインナハウジング104と、端子102の第2電気接続部122の外周に取り付けられかつハウジング103内に圧入された止水栓105と、を有している。
【0041】
上記ハウジング103は、合成樹脂により構成されており、矢印Y方向に延びた有底筒状に形成された筒部130と、筒部130の矢印Y方向の一端部から矢印X方向に沿って筒部130の外側に鍔状に延びた鍔部131と、を一体に有している。また、相手側コネクタは、筒部130の一端部に位置する開口部132から筒部130内に挿入される。
【0042】
上記端子102は、上記相手側コネクタの一方の相手側端子と電気接続される第1電気接続部121と、図示しない他方の相手側端子と電気接続される第2電気接続部122と、第1電気接続部121と第2電気接続部122とを連結するとともに導通させる連結部120と、を有している。
【0043】
上記第1電気接続部121は、導電性金属材料により、棒状即ち雄型に形成されている。この第1電気接続部121は、一方の相手側端子内に挿入される。
【0044】
上記第2電気接続部122は、導電性金属材料により、板状に形成されている。また、第2電気接続部122は、第1電気接続部121と離れた端部に丸穴122aを有している。この第2電気接続部122は、他方の相手側端子と重ねられ、丸穴122aにボルトが通されることによって他方の相手側端子と電気接続される。また、第2電気接続部122は、筒部130の他端部に位置する底壁に設けられた貫通穴133を通されて筒部130外に位置付けられている。
【0045】
上記連結部120は、導電性の針金が螺旋状に巻かれてコイルばね状に形成されたものである。この連結部120は、一端部が第1電気接続部121の第2電気接続部122寄りの端部に溶接され、他端部が第2電気接続部122の第1電気接続部121寄りの端部に溶接されて第1電気接続部121及び第2電気接続部122に電気的に接続されている。
【0046】
上記構成の連結部120は、コイルばね状に形成されていることから、全ての方向に弾性変形自在となっている。また、「全ての方向」とは、第1電気接続部121と第2電気接続部122との並び方向と、この並び方向に交差する方向である。このような連結部120は、弾性変形することで第1電気接続部121と第2電気接続部122とを全ての方向、即ち第1電気接続部121と第2電気接続部122との並び方向とこの並び方向に交差する方向、に移動自在に連結する。
【0047】
また、上記端子102は、第1電気接続部121が筒部130の一端部に位置付けられ、第2電気接続部122が筒部130の他端部に位置付けられる向きで筒部130内に収容される。
【0048】
上記インナハウジング104は、合成樹脂により構成されており、第1電気接続部121を位置付ける収容空間140が設けられた筒状に形成されている。また、収容空間140内には、第1電気接続部121の長手方向の中央部に設けられた係止穴121aに係止して該第1電気接続部121を取り付ける係止アーム141が設けられている。このインナハウジング104は、ハウジング103の筒部130の内表面との間に間隔をあけている。この間隔は、第1電気接続部121が矢印Yと交差する方向に移動するための間隔である。
【0049】
上記止水栓105は、弾性変形自在な合成樹脂、即ち合成ゴム等、により筒状に形成されている。この止水栓105は、内側に第2電気接続部122の長手方向の中央部を取り付けて、上述した貫通穴133内に圧入されている。また、止水栓105は、第2電気接続部122の外表面及び貫通穴133の内表面に密着している。このような止水栓105は、貫通穴133内に圧入されることで、第2電気接続部122をハウジング103内に取り付ける。即ち保持する。
【0050】
また、上述した端子102は、第1電気接続部121と第2電気接続部122とが全ての方向に弾性変形自在な連結部120によって連結されていることから、第2電気接続部122が上記止水栓105によってハウジング103に固定された状態で、第1電気接続部121が前述した全ての方向に移動自在となっている。
【0051】
上記構成のコネクタ101は、相手側コネクタと電気接続する際に、第1電気接続部121が相手側コネクタの一方の相手側端子内に差し込まれるように、連結部120が弾性変形することにより、第1電気接続部121が筒部130内を移動して相手側コネクタの一方の相手側端子と第1電気接続部121との間に生じる全ての方向の位置ずれを吸収する。
【0052】
また、上記構成のコネクタ101は、相手側コネクタとの嵌合によって第1電気接続部121及びインナハウジング104に加えられる衝撃荷重を連結部120が弾性変形することにより吸収する。
【0053】
また、上記構成のコネクタ101は、第2電気接続部122が連結部120を介して第1電気接続部121に電気接続されているので、相手側コネクタとの嵌合によって第1電気接続部121がいずれの方向に移動したとしても、第2電気接続部122が移動することがなく、そのために、第2電気接続部122と接続される他方の相手側端子に応力が生じることを防止できる。
【0054】
さらに、上記構成のコネクタ101は、ハウジング103に加えられる振動を連結部120が吸収することにより、前記振動を端子102に伝わり難くする。
【0055】
また、上述した実施形態では、第2電気接続部22,122が、他方の相手側端子と電気接続される構成であったが、本発明の端子の第2電気接続部は、電線と電気接続される構成であっても良い。
【0056】
また、上述した実施形態では、第2電気接続部22,122がハウジング3,103に固定され、第1電気接続部21,121が第2電気接続部22,122に対して全ての方向に移動自在とされた構成であったが、本発明では、この逆、即ち、第1電気接続部21,121がハウジング3,103に固定され、第2電気接続部22,122が第1電気接続部21,121に対して全ての方向に移動自在とされた構成であっても良い。また、本発明では、インナハウジング4,104をばねで付勢してハウジング3,103内に移動自在に取り付けるなどして、第1電気接続部21,121と第2電気接続部22,122との双方を全ての方向に移動自在としても良い。
【0057】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1,101 コネクタ
2,102 端子
3,103 ハウジング
12 相手側端子
21,121 第1電気接続部
22,122 第2電気接続部
23 第1環状部
24 第2環状部
25 弓状部
20,120 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の相手側端子と電気接続される第1電気接続部と、他方の相手側端子または電線と電気接続される第2電気接続部と、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを連結するとともに導通させる連結部と、を有する端子において、
前記連結部が、導電性材料により全ての方向に弾性変形自在に形成されており、弾性変形することで前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とを全ての方向に移動自在に連結することを特徴とする端子。
【請求項2】
前記連結部が、金属板で構成されており、前記第1電気接続部に取り付けられる環状の第1環状部と、前記第2電気接続部に取り付けられる環状の第2環状部と、一端部が前記第1環状部に連なりかつ他端部が前記第2環状部に連なった帯状に形成されて前記第1環状部と前記第2環状部との間の部分が弓状に曲げられた複数の弓状部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記連結部が、コイルばね状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の端子。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された端子と、該端子を収容したハウジングと、を有していることを特徴とするコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−14422(P2011−14422A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158511(P2009−158511)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】