説明

端子圧着方法、端子圧着装置及び端子圧着電線製造装置

【課題】圧着時に電線が中高に曲がったり折れたりしないように、被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する方法及び装置を提供する。
【解決手段】端子圧着装置は、圧着工具であるクリンパ13・15及びアンビル14・16、並びに、端子と帯体との接続部を切断するスライドカッター17、スライドカッター17を押し下げるカットオフパンチ18を有するアプリケータ10と、電線Eを保持して上下移動させるクランプ装置50とを具備する。端子圧着の際には、まず、電線Eをクランプ装置50によりスライドカッター上面高さ位置H2’まで下降させる。その後、クランプ装置50により電線Eを圧着高さ位置H1まで下降させつつクリンパ13・15を下降させて端子を電線の端部に圧着するとともに、スライドカッター17を下降させて帯体から端子を切り離す。このため、電線Eがほぼ直線状態のままで圧着・切断作業が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する方法及び装置に関する。特には、複数の端子が並列して帯状のキャリアに接続されている帯体から、端子を一個ずつ電線端部に圧着する方法及び装置に関する。さらに、電線を所定の長さに切断し、その両端に端子を圧着する圧着端子付き電線製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、現在用いられている一般的な端子圧着装置について以下に説明する。
端子圧着装置は、所望の長さの電線の両端に端子を圧着する端子圧着電線製造装置に装備されるものである。ここでは、多数の端子が並列してキャリアに接続されている帯体を、装置の側方から供給するサイドフィードアプリケータを有するタイプについて説明する。このアプリケータは、プレス加工の金型(材料送り機構付き)に相当するものであって、端子の形状やサイズ、電線のサイズ等に応じて個別に設計・製作される。端子圧着電線製造装置で処理する電線・端子のサイズや種類に応じて各種のアプリケータを交換して使用する。
【0003】
最初に、多数の端子が並列にキャリアに接続されている端子の帯体について説明する。
図16は、帯体及び端子が圧着された電線を説明する図であり、図16(A)は帯体の平面図、図16(B)は帯体の側面図、図16(C)は電線の端部に端子が圧着された状態を示す平面図である。
この帯体100は、並列に並んだ複数の圧着端子101と、各端子101の基端が接続するキャリア102とを有する。キャリア102は、細幅の金属薄帯である。
【0004】
圧着端子101は、キャリア102に接続部103で接続している。図16(A)、(B)に示すように、圧着端子101は、先端側(図16(A)の下側、図16(B)の左側)から、相手方コネクタピンとの接触部101a、ワイヤ用バレル101b、インスレーション用バレル101cを有する。両バレル101b、101cは、圧着前には正面から見ると上開きのU字型をしており、そのU字の凹部に電線を受け入れる。そして図16(C)に示すように、ワイヤ用バレル101bは被覆の剥ぎ取られた電線端部Wに圧着され、インスレーション用バレル101cは、被覆端部Cに圧着される。図16(A)に示すように、圧着端子101は、キャリア102に所定の間隔で並列に接統されている。また、キャリア102には、所定の間隔で穴102aが開けられている。この穴102aは、後述するように、アプリケータにおいて、端子を一個ずつ間欠的に搬送する際のツメ掛け部として使用される。
【0005】
次に、アプリケータの構造を説明する。
図17は、アプリケータの構造の一例を示す斜視図である。
図18は、図17のアプリケータの側面断面図である。
図19は、図17のアプリケータの圧着工具部分の構造を示す分解斜視図である。
図20は、図17のアプリケータのスライドカッターの構造を示す図であり、図20(A)は正面図、図20(B)は側面図である。
【0006】
この例のアプリケータ10は、図17、図18に示すように、以下の主要部から構成されている。
ベース11:各部を搭載する基板である。
ホルダー12:ベース11に立設された柱状の構造体である。
昇降側クリンパ13・15と固定側アンビル14・16:ワイヤ用バレル101b及びインスレーション用バレル101cを圧着するための圧着工具である。ワイヤ用バレル101b圧着用のもの(図18の右側のもの)をワイヤクリンパ、ワイヤアンビルといい、インスレーション用バレル101c圧着用のもの(図18の左側のもの)をインスクリンパ、インスアンビルという。なお、ワイヤクリンパとインスクリンパを総称してクリンパ、ワイヤアンビルとインスアンビルを総称してアンビルということもある。
スライドカッター17:帯体100の接続部103を切断する。
カットオフパンチ18:スライドカッター17を押し下げる。
【0007】
端子フィード機構22:側方から供給される帯体100が通る供給路21が設けられ、同供給路内の帯体100を所定のピッチずつ圧着位置(各クリンパと各アンビルが係合する位置)に送り出す。端子フィード機構22は、帯体100のキャリア102に形成された穴102a(図16参照)に係合する送り爪23を備える。
【0008】
図18に示すように、ホルダー12の上部には、シャンク25が上下にスライド可能に取付けられている。このシャンク25は、図示せぬプレスのラム31に連結されて昇降される。シャンク25には、図18に示すように、カットオフパンチ18、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13が、図の左右方向(帯体送り方向に直交する方向)に並ぶように備えられている。インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13の圧着面15a、13aは、カットオフパンチ18の当接面18aよりやや下方に位置する。シャンク25が昇降駆動されると、カットオフパンチ18、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13が一体で昇降運動する。
【0009】
また、図17に示す端子フィード機構22も、シャンク25の上下運動に伴って駆動され、送り爪23が端子供給路21内で往復運動する。これにより、送り爪23に係合する帯体100が所定のピッチ毎に圧着位置に送り込まれる。
【0010】
図18に示すように、カットオフパンチ18、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ113の下方のベース11上には、スライドカッター17、インスアンビル16、ワイヤアンビル14が、図の左右方向に並ぶように固定されている。インスアンビル16、ワイヤアンビル14の上面の圧着面16a、14aはほぼ同じ高さであり(厳密にはワイヤアンビル14の方がやや高い)、これらはベース11上に移動不能に固定されている。一方、スライドカッター17は後述するように、ベース11上に下方に移動可能に取付けられている。
【0011】
図19に示すように、上下方向にみて、カットオフパンチ18はスライドカッター17に対向している。また、インスクリンパ15はインスアンビル16に、ワイヤクリンパ113は、ワイヤアンビル14に対向している。カットオフパンチ18の下隅は、下方に突出しており、同部分の下面18aは平坦な当接面18aとなっている。インスクリンパ15の下端には、下方に向かって広がる凹部15bが設けられており、同凹部15bの最奥が圧着面15aとなっている。ワイヤクリンパ13の下端にも、下方に向かって広がる凹部13bが設けられており、同凹部13bの最奥が圧着面13aとなっている。シャンク25(図18参照)が下降すると、カットオフパンチ18は、その隅の当接面18aでスライドカッター17を押し下げる。また、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13の圧着面15a、13aは、端子及びワイヤを介して、インスアンビル16、ワイヤアンビル14の圧着面16a、14aに押し当てられ、後述するように各バレル101c、101bを圧着する。
【0012】
スライドカッター17の構造を詳細に説明する。
スライドカッター17は、幅広の直方体状の部材で、図18、図19に示すように、ベース11にバネ19により上方に付勢されて取付けられており、下方に移動可能である。同カッター17の上面には、図20に示すように、圧着時に電線が置かれる溝部17aが形成されている。スライドカッター17の上限にある状態では、この溝部17aの底面(スライドカッター上面、後述する刃部17dの上面ともいう)は、図19に示すインスアンビル圧着面16aやワイヤアンビル圧着面14aよりやや高い位置にある。さらに、同カッター17の上面の隅(図20の左隅)にはカットオフパンチ18の当接面18aが当たる当接面17bが形成されている。また、図20(B)に示すように、奥側(アンビル側)の側面には、送られた端子帯体100の一部を受け入れる、断面コの字状の凹部17cが形成されている。この凹部17cの上方の部分は刃部17dとなっており、凹部17cの入口の上側(刃部17dの下側)のエッジ17eが、帯体100の接続部103(図16参照)を切断する切刃となっている。スライドカッター17の上限にある状態では、図18に示すように、凹部17cの下面は、両アンビル16、14の圧着面16a、14aとほぼ同一高さにある。
【0013】
バネ19は、スライドカッター17の下面に形成された穴17fに収容されている。さらに、同カッター17の手前側の面(凹部17cと反対側の面)には、スライドカッター17の上限位置を決めるストッパ(図21の符号25)が当接する段部17gが形成されている。
【0014】
次に、電線を供給・位置決めするクランプ装置について説明する。
図21は、クランプ装置を含む端子圧着装置を説明するための側面図である。
クランプ装置80は、アプリケータ10の正面に配置され、電線Eが保持されるクランプ81、クランプ開閉用のカム機構や同カム機構を駆動するシリンダ等が収容されているクランプ駆動機構82、クランプ81やクランプ駆動機構82を保持するクランプ搬送テーブル83等を有する。クランプ81には、別工程にて端部が剥ぎ取られた電線Eが保持される。クランプ駆動機構82は、搬送テーブル83にバネ84によってサポートされて、移動可能に取付けられている。搬送テーブル83上には、クランプ駆動機構82の下降限位置を決定するストッパ85が設けられている。アプリケータ10を駆動するプレス30には、電線Eを下降させるために、クランプ81を下方に押し下げる押し棒33が設けられている。押し棒33はバネ34で付勢されて上方に移動可能となっている。
【0015】
端子圧着のために、電線Eは、クランプ81や搬送テーブル83により、搬送高さH2においてアプリケータ10内に搬送される。この搬送高さH2は、圧着高さH1(アンビル上面よりも、電線Eの半径プラス端子の肉厚だけ高い高さ)より高い。
【0016】
次に、端子101を圧着する前に、電線Eの、クランプ81で把持されている部分の高さ(電線中心高さ)が、圧着高さH1と同じとなるまで、電線Eを下降させる必要がある(詳細後述)。そこで、プレス30を下降させ、押し棒33をクランプ81の上面に当てて、押し棒33でクランプ81を押し下げる。クランプ81が押し下げられてクランプ駆動機構82の下面がストッパ85に当たったとき、電線Eの中心高さは圧着高さH1とほぼ等しくなる。さらにプレス30が下降しても、その下降分はバネ34の縮みで吸収されるため、クランプ81、すなわち、電線Eは圧着高さH1に維待されることになる。
【0017】
次に、この端子圧着装置を用いて端子を圧着する工程について詳しく説明する。
圧着工程は主に以下の5つの工程からなる。
第1工程:クリンパとアンビル間の電線搬送高さ位置H2に電線の端部を送り込む、
第2工程:アンビル上に端子を位置させる、
第3工程:電線を圧着高さH1まで下降させる、
第4工程:クリンパ及びカットオフパンチを下降させて端子を圧着するとともに、端子と帯体との間の接続部を切断する、
第5工程:クリンパ及びカットオフパンチを上昇させるとともに電線を上昇させる。
【0018】
各工程について図21〜図26を参照して説明する。
図21は既に説明した図であるが、上述の第1工程の終了状態を示す図である。
図22は、第2工程を説明する図であり、図22(A)は側面図、図22(B)は送り込まれた端子周辺の拡大側面図である。
図23は、第3工程の初期段階を説明する側面図である。
図24は、第3工程の最終段階を説明する図であり、図24(A)は側面図、図24(B)は電線端部及び端子周辺の拡大側面図である。
図25は、第4工程の初期段階を説明する図であり、図25(A)は側面図、図25(B)は電線端部及び端子周辺の拡大側面図である。
図26は、第4工程の最終段階を説明する図であり、図26(A)は側面図、図26(B)は電先端部及び端子周辺の拡大側面図である。
【0019】
<第1の工程>(図21参照)
図21に示すように、クランプ81や搬送テーブル83により、電線Eを電線搬送高さH2に送り込む。このとき、被覆の剥ぎ取られた電線端部Wがワイヤクリンパ13とワイヤアンビル14の間に、被覆端部Cがインスクリンパ15とインスアンビル16間に位置する。スライドカッター17は、段部17gがストッパ25に当接して上限位置に位置している。
【0020】
<第2の工程>(図22参照)
電線搬送後、プレス30(図21参照)が下降し始める。すると、シャンク25が下方にスライドし、端子フィード機構22(図17参照)が作動して、端子101を圧着位置に送り込む。つまり、図22(B)に分かりやすく示すように、キャリア102がスライドカッター17の凹部17c内に、インスレーション用バレル101cがインスアンビル16上に、ワイヤ用バレル101bがワイヤアンビル14上に置かれる。そして、接続部103は、切刃17eの下方に位置する。
【0021】
<第3の工程>(図23、図24参照)
図23に示すように、プレス30がさらに下降して押し棒33がクランプ81に当接し、クランプ81をバネ84の付勢力に抗して押し下げ始め、電線Eが下降し始める。カットオフパンチ18、インスクリンパ15、ワイヤクリンパ13も一体的に下降し続ける。
【0022】
図24(A)に示すように、クランプ駆動機構82の下面がストッパ85に当接するまでプレス30が下降すると、電線Eのクランプ81で把持された部分は圧着高さH1に位置する。しかし、図24(B)に示すように、この状態ではスライドカッター17の溝部17aの底面の高さは圧着高さH1(アンビル上面よりも、電線の半径プラス端子の肉厚だけ高い高さ)よりも高いので、電線Eのクランプ81で把持された部分から先の電線は、スライドカッター17の溝部17a(高さH1’)に乗り上げ、上方に傾斜する。そして、被覆端部Cはインスレーション用バレル101cに途中まではまり込み、電線端部Wはワイヤ用バレル101bに途中まではまり込んでいる。
【0023】
<第4の工程>(図25、図26参照)
図25に示すように、プレス30がさらに下降し、カットオフパンチ18の下隅の当接
面18a(図19参照)がスライドカッター17の当接面17bに当接して同カッター17を押し下げ始める。ほぼ同時に、インスクリンパ15の圧着面15aがインスレーション用バレル101cに当たり、ワイヤクリンパ13の圧着面13aがワイヤ用バレル101bに当たり始める。このとき、図25(B)に示すように、電線Eのクランプ81で把持された部分から先の部分はスライドカッター17の溝部17aに乗り上げ、上方に傾斜したままである。なお、押し棒33は、クランプ81を押し下げ続けているが、プレス30の下降分がバネ34(図21参照)の縮みで吸収されるため、電線Eのクランプ81で把持された部分は圧着高さH1に維持されている。
【0024】
プレス30が最後まで下降すると、図26に示すように、カットオフパンチ18がスライドカッター17を押し下げて、帯体100の接続部103が切刃17d(図20参照)とインスアンビル16との間で切断され、凹部17c内のキャリア102と、アンビル16、14上の端子101に分かれる。ほぼ同時に、両クリンパ13・15が両アンビル14・16に押し当てられ、ワイヤ用バレル101bが丸く潰されるように電線端部Wに圧着され、インスレーション用バレル101cも同様に被覆端部Cに圧着される。この際、電線Eのクランプ81で把持された部分と電線端部W及び被覆端部Cは圧着高さH1にある。しかし、スライドカッター17の溝部17aに乗り上げていた部分は、クランプ81及びインスクリンパ15・インスアンビル16により両側を押えられているため、変形が戻らず、最終的には図26(B)に示すように、端子の根元の電線が中高に湾曲したような形状となる。
【0025】
このような電線の湾曲をさけるためには、スライドカッター17の溝部17aの高さを圧着高さに近づければよい、つまり、刃部17d(図20参照)の厚さを薄くすればよいが、そうすれば切刃の強度が不足し、切断時に刃部が折れるようなことも起こり得る。
【0026】
このように電線が曲がってしまった場合、端子をコネクタに挿入するときに電線が座屈したり、コネクタと接触部との位置がずれたりして問題となることがある。
【0027】
このような問題の対策として、クランプ81の下限位置を決定するストッパ85の高さを調節して、クランプ81の下限高さをやや高くし、圧着時の電線の中心高さを、圧着高さH1よりやや高い位置とすることも考えられる。しかし、この場合は、電線が端子の根元で下方へ湾曲したような形状となってしまう。
【0028】
また、圧着される端子や電線の形状や寸法が変わると、ストッパの高さ位置を調整しなければならず、微妙で手間のかかる作業が増えてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、圧着時に電線が中高に曲がったり折れたりしないように、被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する方法及び装置を提供することを目的とする。さらには、そのような良好な端子圧着状態の圧着端子付き電線製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の端子圧着方法は、
被覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する方法であって、
端子圧着工具である昇降側クリンパと固定側アンビルとの間の電線搬送高さ位置に前記電線の端部を送り込むA工程と、
前記クリンパと前記アンビルとの間に前記端子を位置させるとともに、該端子と前記帯体との接続部をスライドカッターの切刃部に位置させるB工程と、
前記電線を前記スライドカッター上面位置まで下降させるC工程と、
該電線を圧着高さ位置まで下降させつつ前記クリンパを下降させて該端子を該電線の端部に圧着するとともに、前記スライドカッターを下降させて前記帯体から該端子を切り離すD工程と、
圧着された電線を前記スライドカッターとともに前記スライドカッター上面位置まで上昇させるE工程と、
前記クリンパを上昇させるとともに、該電線を前記電線搬送高さ位置まで上昇させるF工程と、を含み、
予め与えられたクリンパの運動式fc(t)、C工程の開始時点t、電線下降距離S及びスライドカッターの下降距離Sとから前記C工程、前記D工程、前記E工程、前記F工程における電線昇降の運動式fw(t)を求め、前記電線が、前記スライドカッターの上に載置された状態で前記スライドカッターと同期されながら昇降され、前記電線の端部に端子を圧着することを特徴としている。
この特徴によれば、電線をスライドカッター上面位置まで下降させた後、圧着高さ位置までスライドカッターと確実に同期した状態で下降させて端子圧着及び切断を行うので、電線がほぼ直線状態のままで圧着作業が行われる。このため、電線が端子の根元で中高に曲がったり、先端が下方に曲がることがない。
なお、以上の発明においては、上下・昇降方向は、重力方向及びその方向の動きに限定されるものではない。また、電線とスライドカッターが同期とは、厳密な速度・加速度・タイミングの一致を意味するものではなく、圧着後の形態に支障が出ない程度の動作の不一致は許容される。上記各工程A〜Eは互いにオーバーラップ、あるいは支障のない範囲で前後していてもよい。
【0031】
本発明の請求項2に記載の端子圧着方法は、請求項1に記載の端子圧着方法であって、
前記電線の搬送高さ位置をH2とし、アンビル高さ位置をHAとし、前記D工程における前記スライドカッターの下降距離をSとし、前記端子の肉厚をTとし、前記電線の直径をDとした場合、
前記電線の搬送高さ位置H2及び前記アンビル高さ位置HAは、予め定められた固有値として与えられ、
前記電線下降距離Sは、
【数8】

の関係式より、前記端子の肉厚T及び前記電線の直径Dを、入力手段に入力することで任意に設定されることを特徴としている。
【0032】
本発明の請求項3に記載の端子圧着方法は、請求項1または2に記載の端子圧着方法であって、
前記クリンパは、該クリンパを昇降するための駆動源であるプレスに連結され、該プレスが回転運動することにより前記プレスに従動して昇降し、
前記B工程の開始から前記プレスの加速が完了する時間tまでの前記プレスの角加速度をαとした場合、
前記プレスの駆動速度ωは、前記時間t及び前記プレスの角加速度αを、入力手段に入力することで任意に設定されることを特徴としている。
この特徴によれば、プレスの加速が完了する時間tとプレスの角加速度αが任意に設定可能となるため、特にB工程において、クリンパとアンビルの間に端子を送り込む速度を調整することが出来るため、高速度で供給することが困難な端子帯の場合でも速度を落として供給することが可能になり端子圧着の品質を維持することが出来るという効果がある。
【0033】
本発明の請求項4に記載の端子圧着装置は、
被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する装置であって、
昇降ラムを有するプレスと、
該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
前記電線を保持するクランプと、
該クランプを昇降する昇降機構と、
前記昇降ラムと前記昇降機構とを所定の端子圧着方法を用いて制御する制御手段と、
を具備し、
前記所定の端子圧着方法が前記請求項1ないし3のいずれかに記載の端子圧着方法であることを特徴としている。
【0034】
本発明の請求項5に記載の端子圧着電線製造装置は、
電線を送給する送給装置と、
該電線の先端部の皮むき装置と、
該先端部に端子を圧着する第一の端子圧着装置と、
該電線の先端部を任意の長さに切断する切断装置と、
切断された電線の後端部の皮むき装置と、
該後端部に端子を圧着する第二の端子圧着装置と、
両端に端子が圧着された電線の排出装置と、
を含み、
前記端子圧着装置が前記請求項4に記載の端子圧着装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0035】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電線をスライドカッター上面位置まで下降させた後、圧着高さ位置までスライドカッターと同期下降させて端子を電線の端部に圧着するとともに端子の切断を行うので、電線をほぼ直線状態に保ったままで圧着作業を行うことができる。このため、電線が端子の根元で中高に曲がったり、先端が下方に曲がることがない。また、ワイヤ降下の運動条件は、S,S,t,D,Tを入力するだけで自動的に計算することができる。更に、プレスの駆動速度ωを、プレスの加速が完了する時間t及びプレスの角加速度αを入力することで任意に設定することができ、プレスの駆動速度ωを変更した場合でも、電線昇降の運動条件を自動的に計算することができる。特にB工程において、クリンパとアンビルの間に端子を送り込む速度を調整することが出来るため、高速度で供給することが困難な端子帯の場合でも速度を落として供給することが可能になり端子圧着の品質を維持することが出来るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、端子圧着電線製造装置について説明する。
図8は、端子圧着電線製造装置の構成の一例を説明する図である。
この例では、電線を所定の長さに切断し、切断した電線の両端の被覆を剥ぎ、両端の露出した電線に端子を圧着する装置について説明する。
端子圧着電線製造装置1は、ロール状に巻かれた電線から所定の長さずつ電線を送り出す電線送給装置2、電線を把持及び搬送する2個のクランプ装置50A、50B、電線切断装置3、基側電線(電線送給装置2側の電線)の先端部の皮むき装置4A、先側電線(切断された電線)の後端部の皮むき装置4B、基側電線の先端部への端子圧着装置(アプリケータ)10A、先側電線の後端部への端子圧着装置(アプリケータ)10B、両端に端子が圧着された電線の排出装置5、とを主に備える。これらの装置は、機台6上に配置されている。
【0037】
電線送給装置2、二個のクランプ装置50A,50Bは、電線送り方向に直列に並んで配置されている。ここで、電線送給装置2に近い側のクランプ装置50Aを基クランプ装置、もう一方のクランプ装置を先クランプ装置50Bという。
【0038】
基クランプ装置50Aは、電線送給装置2から繰り出された電線の基側を把持するクランプ51A、同クランプ51Aを開閉するカム機構や同カム機構を駆動するシリンダ等が設けられたクランプ駆動機構52A、クランプ51Aとクランプ駆動機構52Aが載置された搬送テーブル53Aなどから構成される。搬送テーブル53Aは、電線送り方向に移動可能であるとともに、機台6上に旋回可能に設けられている。
先クランプ装置50Bは、電線送給装置2から繰り出された電線の先側を把持するクランプ51B、同クランプ51Bを開閉するカム機構や同カム機構を駆動するシリンダ等が設けられたクランプ駆動機構52B、クランプとクランプ駆動機構52Bが載置された搬送テーブル53Bなどから構成される。搬送テーブル53Bは、電線送り方向に移動可能であるとともに、機台6上に横方向に移動可能に設けられている。
両クランプ装置50A,50B間には、電線を切断する切断装置3が設けられている。
【0039】
基クランプ装置50Aの搬送テーブル53Aが電線送り方向から所定の角度旋回した先には、先端部端子圧着装置(アプリケータ)10Aが設けられている。また、この旋回軌
道の途中には、皮むき装置4Aが設けられている。
先クランプ装置50Bの搬送テーブル53Bが電線送り方向から所定の距離だけ横方向に移動した先には、後端部端子圧着装置(アプリケータ)10Bが設けられている。この移動軌道の途中には皮むき装置4Bが設けられている。
【0040】
この端子圧着電線製造装置1の動きを簡単に説明する。
まず、電線送給装置2から所定の長さだけ電線がクランプ装置50A,50Bに向かって送り込まれて、2ヶ所で各クランプ装置50A,50Bのクランプ51A,51Bに把持される。ここで、この電線の先端には、前の工程において端子が予め圧着されている。そして、切断装置3により、電線が切断される。電線送給装置2に残った電線(基側電線)は基クランプ装置50Aのクランプ51Aに把持され、切断された電線(先側電線)は先クランプ装置50Bのクランプ51Bに把持される。
【0041】
次に、基クランプ装置50Aの搬送テーブル53Aが皮むき装置4Aまで旋回して、同装置によって基側電線の先端部の被覆が剥ぎ取られる。次に、同搬送テーブル53Aが先端部端子圧着装置10Aまで旋回して、剥ぎ取られた電線先端部に端子が圧着される。その後、搬送テーブル53Aは元の位置に戻る。つまり、基側電線の先端に端子が圧着されていることになる。
【0042】
この作業と同時に、先クランプ装置50Bの搬送テーブル53Bが皮むき装置4Bまで移動して、同装置によって先側電線の後端部の被覆が剥ぎ取られる。次に、同搬送テーブル53Bが後端部端子圧着装置10Bまで横移動して、剥ぎ取られた電線後端部に端子が圧着される。これにより、所定の長さに切断された電線の両端に端子が圧着される。この電線は排出装置5により排出され、搬送テーブル53Bは元の位置に戻る。
【0043】
次に、この端子圧着電線製造装置1のアプリケータ(端子圧着装置)10とクランプ装置50の構成及び作用を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る端子圧着装置とクランプ装置の構造を示す側面図で
ある。
このアプリケータ10は、図17、図18のアプリケータ10とほぼ同一の構造である。ただし、ワイヤクランプを昇降させる作業をプレス30の駆動力を用いて行うか別の駆動源で行うかの点が異なる。なお、以降の図において、図17、図18のアプリケータと同じ構成・作用を有する部分は図17と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0044】
以下、クランプ装置50について説明する。
クランプ装置50は、前述のように、電線Eを把持するクランプ51、クランプ駆動機構52、搬送テーブル53を有する。クランプ駆動機構52は、搬送テーブル53の上方に配置されて、ガイドバー54に沿って搬送テーブル53に対して昇降可能となっている。搬送テーブル53にはサーボモータ55が取付けられている。サーボモータ55の出力軸は上方に延びており、同軸にはボールネジ56が固定されている。このボールネジ56は、ナット57を介してクランプ駆動機構52に取村けられている。サーボモータ55の回転により、クランプ駆動機構52はガイドバー54に沿って上下運動し、クランプ51に把持されている電線Eが昇降される。
【0045】
クランプ51の下降開始時間は、後述するように任意に設定可能である。
【0046】
次に、この端子圧着装置10とクランプ装置50を用いた端子圧着方法を説明する。
図2は、端子圧着方法を説明するためのタイムチャートである。図の上半分は電線Eの動きを示し、下半分はアプリケータの動きを示す。
端子圧着方法は、主に以下の工程からなる。
A工程:クリンパとアンビル間の電線搬送高さ位置に電線を送り込む、
B工程:アンビル上に端子を位置させるとともに、端子と帯体との接続部をスライドカッターの切刃部に位置させる(端子フィード)、
C工程:電線をスライドカッター上面位置(スライドカッター17の溝部17aの底面(図19、図20(A)参照)の高さ)まで下降させ、電線を溝部17aに置く、
D工程:電線を圧着高さ(アンビル上面よりも、電線Eの半径プラス端子の肉厚だけ高い高さ)位置まで下降させつつクリンパを下降させて、端子を電線端部Wに圧着するとともに、スライドカッターを下降させてキャリアから端子を切り離す、
E工程:クリンパを上昇させ、端部に端子が圧着された電線はスライドカッターとともに上昇し、スライドカッター上面位置まで上昇する、
F工程:スライドカッターは上昇を終了し、電線は前記スライドカッター上面位置から前記搬送高さ位置まで上昇し、その位置で停止する。
【0047】
各工程について図1〜図6を参照して説明する。
図1は、A工程の最終段階を説明する図である。
図2は、端子圧着方法を説明するためのタイムチャートである。
図3は、C工程の初期段階を説明する図であり、図3(A)は側面図、図3(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
図4は、C工程の最終段階を説明する図であり、図4(A)は側面図、図4(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
図5は、D工程の初期段階を説明する図であり、図5(A)は側面図、図5(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
図6は、D工程の最終段階を説明する図であり、図6(A)は側面図、図6(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
【0048】
各工程について説明する。
<A工程>(図1参照)
電線Eは、その先端部(図の右端部)を皮むきされた状態でクランプ51に保持されている。このとき、クランプ51に把持された電線Eは、搬送高さH2(圧着高さH1の上方)に位置決めされている。そして、クランプ搬送テーブル53を旋回又は横移動させて、電線Eの先端部をクリンパ13・15とアンビル14・16の間に送り込む。詳細には、電線Eの、先端の被覆が剥ぎ取られた電線端部Wがワイヤクリンパ13とワイヤアンビル14との間に、被覆端部Cがインスクリンパ15とインスアンビル16との間にくるように送り込む。
【0049】
<B工程>(図1→図3参照)
電線搬送後、プレス30が下降し始める。これによりシャンク25が下方にスライドし、端子フィード機構22(図17参照)が作動して、端子101を圧着位置に送り込む。このとき、図3(B)に示すように、キャリア102がスライドカッター17の凹部17c内に、インスレーション用バレル101cがインスアンビル16上に、ワイヤ用バレル101bがワイヤアンビル14上に置かれる。また、接続部103は切刃17eの下方に位置する。
【0050】
<C工程>(図3→図4参照)
プレス30が所定の距離下降した後、サーボモータ55が駆動され、図3に示すように、クランプ51が下降し始める。クランプ51に把持された電線Eの先端では、図3(B)に示すように、電線端部Wがワイヤクリンパ13の凹部13b内にはまり込み、被覆端部Cがインスクリンパ15の凹部15b内にはまり込む。この工程では、電線Eが、図4に示すように、最終的にスライドカッター17の溝部17aの底面の高さH2’(スライドカッター上面位置)に下降する。以後スライドカッター17の溝部17aの底面の高さH2’を、スライドカッター17の上面高さH2’という。
【0051】
この高さH2’は、図4(B)に示すように、アンビル14・16の上面より、スライドカッター17の凹部17cの高さと、刃部17dの厚さと、電線Eの半径の分だけ高い。電線Eがスライドカッター17の溝部17aに乗ると、被覆端部Cと電線端部Wは、端子のバレル101c,101bの途中まではまり込む。
【0052】
<D工程>(図5→図6参照)
プレス30がさらに下降し、図5に示すように、各クリンパ15、13が下降して、各圧着面15a,13aがインスレーション用バレル101c、ワイヤ用バレル101bを曲げて電線をくるみ始めるとともに、カットオフパンチ18の下隅の当接面18a(図19参照)がスライドカッター17の当接面17bに当たり、スライドカッター17を押し下げ始める。同時に、プレス30の下降と同期して、サーボモータ55が駆動されてクランプ51を下降させ始める。クランプ51は、両クリンパ13・15、スライドカッター17の下降と同期して下降し続ける。つまり、電線Eは、ほぼ直線状態で下降する。
【0053】
そして、最終的にプレス30が下限位置まで下降すると、図6(B)に示すように、各クリンパ13・15が各アンビル14・16に押し当てられて(端子101と電線Eを介して)、各バレル101b,101cが電線端部W、被覆端部Cに圧着される。同時に、スライドカッター17が下降して、刃部17dに設けられた切刃17eが下降し、同切刃17eでキャリア102と端子101の接続部103が切り離される。この際、サーボモータ55は、プレス30が下限位置まで下降したときにクランプ51に把持された電線Eの中心高さが圧着高さH1となるまで下降するように駆動される。そのため、下降中、電線Eはほぼ直線の状態に保たれている。
この圧着・切断完了後、図6(B)に示すように、切刃17eは、圧着高さH1より低い位置に達している。
【0054】
従来の方法では、C工程からD工程の間、電線Eのクランプで把持された部分が圧着高さH1に維持されて、その先の部分はスライドカッター17の溝部17aに乗り上げていた。このため、乗り上げていた部分は、クランプ51と、インスクリンパ15・インスアンビル16間に、その両側が押えられているため、変形が戻らないまま、帯体100の接続部103が切断されるとともにバレル101c,101bが圧着されていた。しかし、本発明では、クランプ51をスライドカッター17やクリンパ13・15と同期して下降させているため、電線Eを直線状に保持したまま各処理を行うことができる。
【0055】
<E工程>
圧着完了後、プレス30が上昇し、クリンパ13・15、カットオフパンチ18の上昇とともにスライドカッター17は初期高さ位置まで上昇し停止する。この際、クランプ51をクリンパ13・15やカットオフパンチ18(スライドカッター17)と同期させて上昇させる。これにより、電線Eは端部に端子101が圧着された状態で、ほぼ直線状熊のまま、スライドカッターの上面高さH2’の位置まで上昇する。
【0056】
<F工程>
プレス30は上昇を継続する。電線Eはスライドカッターの上面高さH2’の位置で停止することなく上昇をし、スライドカッターの上面高さH2’を離れ、搬送高さ位置H1まで上昇し停止する。
【0057】
次に制御部について説明する。
図7は、制御部の構成・作用を説明する図であり、図9(A)は、プレスのスコッチヨーク機構の偏心軸の軌跡を示した概略図であり、図9(B)は、偏心軸の角速度の時間との関係を示すグラフであり、図10は、電線端部WのC工程及びD工程における高さ位置を示す概略図であり、図11は、クリンパストローク曲線とワイヤストローク曲線を示すグラフであり、図12は、クリンパ昇降速度曲線とワイヤ昇降速度曲線を示すグラフである。
【0058】
制御部は、図7に示すように、入力手段と表示手段を備えたパネル40とパネル40に接続する制御手段41を有する。この制御手段41は、クランプ装置50のサーボモータ55に接続されるとともに、プレス30を動作させるサーボモータ58に接続されている。つまり制御手段41は、端子圧着装置10を駆動させるプレス30と、クランプ装置50を駆動させるサーボモータ55をそれぞれに動作制御することができる。以下、制御部及び該制御部が制御するプレス30のスコッチヨーク機構58の運動式について詳述する。
【0059】
本実施例では、B工程において、シャンク25の下降が開始し、クリンパ13・15、スライドカッター17が、所定の運動式(例えば、スコッチヨーク機構58の運動式)で昇降運動するとともに、C工程においてサーボモータ55の駆動に伴いクランプ51の下降が開始し、電線Eが所定の運動式(例えば、等加速度運動)で昇降運動をする。
【0060】
上述のように、D工程においてクリンパ13・15の下降に対し電線Eの下降を同期させるために、D工程の開始時点で、クリンパ13・15の下降速度と電線Eにおける電線端部Wの下降速度とが一致する制御を行うことを目的としている。
【0061】
具体的には、図2及び図11(A)に示すように、t(B工程の開始時点)から所定の運動式fc(t)(例えば、スコッチヨーク機構58の運動式)で下降を開始し、その後、電線Eがt(C工程の開始時点)から所定の運動式fw(t)(例えば等加速度運動)で下降を開始する。このとき、t(D工程の開始時点)において、スライドカッターの上面高さH2’でクリンパ13・15(またはスライドカッター)の下降速度と電線端部Wの下降速度とを一致させるために、
(1)スライドカッターの下降距離Sをクリンパの運動式(fc(t))に代入し、t(D工程の開始時点)とV(D工程の開始時点のスライドカッターの下降速度)を算出する。
(2)このt、V、t(電線端部Wの下降開始時点)、S(電線端部Wの下降距離)及び電線の運動式(fw(t))とから電線Wの下降加減速度a及び下降加減速時間tを演算し、電線クランプ装置を昇降するサーボモータ55の動作を制御するものである。
【0062】
以下に、クリンパ13・15の昇降運動と電線端部Wの昇降運動の関係について説明する。
本実施例では、クリンパ13・15を昇降させるプレス30の駆動源は、公知のスコッチヨーク機構58を備えており、スコッチヨーク機構58の偏心軸にラム31が連結され、クリンパ13・15が昇降運動するようになっている。
【0063】
図9(A)に示すように、Pは、スコッチヨーク機構58の偏心軸を示し、Qを中心とし、半径r(以下rは、スコッチヨーク機構58の偏心量と称す)の円運動し、この円運動に連動してクリンパ13・15が昇降運動している。図9において、P0は、B工程の開始時点t(図2参照)における偏心軸Pの位置を示しており、P4、P5、P6は、D工程の開始時点t(図2参照)、D工程の終了時点t(図2参照)、E工程の終了時点t(図2参照)におけるそれぞれ偏心軸Pの位置を示している。また、B工程の開始時点tからD工程の終了時点tまで偏心軸Pが図中y軸方向に2rストロークするようになっている。
【0064】
偏心軸Pが角度θ回転した時のクリンパ13・15のストロークSとすると、ストロークSは、
【数1】

と示される。
【0065】
偏心軸Pは、制御部からの開始指令により回転を始め、P0(上死点)におけるtからプレスの加速が完了する時間tまで等角加速度(プレスの角加速度)αで加速され、tから等角速度回転となり、最下点を通過し上昇に転じてからtにおいて等角加速度αで減速されP0で停止する。そして、この動作を繰り返し行い、端子圧着が行われる。図9(B)は偏心軸Pの角速度ωの時間との関係をグラフにしたものであり、したがってtからtまでの角速度ωは、
【数2】

で示され、tからtまでの速度(プレスの駆動速度)は、等角速度であるため、
【数3】

で示される。ただし、以下、tは、クリンパ13・15の下降開始からの時間を示す。
【0066】
そして、角度θの進み距離(以下進み角θと称す)は、図9(B)のグラフの面積(図示色塗部分)となるため、tからtまでの進み角θは、
【数4】

で示され、tからtまでの進み角θは、
【数5】

で示される。
【0067】
よって、数式4、数式5より進み角θは時間tの関数として示され、数式4、数式5を数式1に代入することにより、数式1もまたtの関数として示される。ここで、偏心軸PのストロークSの位置をfc(t)とすると、
【数6】

【数7】

となり、数式6、数式7をクリンパの運動式とする。
【0068】
次に、電線端部Wの昇降運動について図10に基づいて説明する。
図10において、HAは、アンビル14の高さ位置であるアンビル高さを示しており、H1は、前記した圧着高さ(図1参照)を示しており、H2は、前記した電線端部Wの電線搬送高さ(図3(B)参照)を示しており、H2’は、前記したスライドカッター17の上面高さ(図4(B)参照)を示しており、Dは電線Eの外径を示しており、Tは、圧着端子101の端子の肉厚を示しており、Sは、D工程におけるスライドカッター17が電線Eとともに下降する距離である。ここで、電線搬送高さH2とアンビル高さHAは端子圧着電線製造装置1の固定値として、スライドカッター17の下降距離Sと端子の肉厚Tはアプリケータよって決まる固有値として与えられる。
【0069】
これより、電線下降距離Sは、
【数8】

として示される。この数式8を用いれば、電線下降距離Sを容易に求めることができる。また、電線搬送高さH2とアンビル高さHAは端子圧着電線製造装置1の固定値であり、下降距離S圧着端子101の端子の肉厚Tは、アプリケータによって決まる固有値であるので、電線Eの外径Dが変更された場合に、これに応じて電線下降距離Sを導出することができる。
【0070】
電線端部Wは、図2に示すように、t(C工程の開始時点)で下降を開始しt(D工程の開始時点)でスライドカッターの直上に到達する。更に詳しく言えば、tからtまで一定の加速度aで下降しtからtまではaで減速され、tにおいてスライドカッターと同じ下降速度Vに達し、そしてスライドカッター17と同期して下降する(D工程)。ここで電線端部Wの下降速度をVw(t)とすると、
【数9】

【数10】

と示され、数式9及び数式10をワイヤの速度式(電線昇降の速度式)とする。
【0071】
また、数式9、数式10を時間tで積分することにより電線端部Wの下降距離が時間tの関数として以下に示される。
【数11】

【数12】

数式11と数式12をtからt及びtからtまでのワイヤの運動式(電線昇降の運動式)とする(ここでCa、Cdは積分定数である)。
【0072】
次に図11について説明する。
前記した数式6と数式7におけるクリンパの運動式をクリンパストローク曲線β1として、図11に示す。また、クリンパの下降速度は、数式6と数式7をtで微分することで得られ、クリンパ昇降速度曲線β2として図12に示される。
【0073】
更に、C工程において、電線Eがt時点から下降を開始し、t時点でスライドカッター上面位置に到達するまでの運動式はγ1として図11に示される。また同様にtからtまでの速度変化の状態をγ2として図12に示される。
【0074】
D工程の開始時点tからD工程の終了時点tまで、クリンパ13・15の下降と電線端部Wの下降とが同期して下降するために、ワイヤは、クリンパの運動式(数式7)と同じ運動式で制御される。また、同様に、D工程の終了時点tからE工程におけるスライドカッター17が上面高さH2’に上昇する時点tまでワイヤは、クリンパの運動式と同じ運動式で制御される。尚、t以降については、tを中心軸として数式11及び数式12が反転した関数となっており、本実施例においてt以降のワイヤの運動式について説明を省略する。
【0075】
次に、D工程の開始時点t、D工程の開始時点tにおける速度V及びD工程の終了時点tを求める。
図9(A)に示すように、偏心軸Pは、D工程の開始時点tにおける偏心軸Pの位置P4は、D工程の終了時点tにおける偏心軸Pの位置P5よりも下降距離S分高い位置にあり、これより、D工程の開始時点tにおけるクリンパ13・15のストロークS4は、
【数13】

となる。
【0076】
そして、数式13とクリンパの運動式の数式7を用いてD工程の開始時点tを導出すると、
【数14】

となり、数式14を整理することにより、
【数15】

と導出される。
【0077】
D工程の開始時点tにおける速度Vを求めると、数式7を微分することにより
【数16】

と導出される。
また、同様にしてtを求めると、
【数17】

と導出される。
【0078】
D工程において電線端部Wの下降がクリンパ13・15の下降と同期するために、tからtの下降加速度a、下降加速時間t及びtからtまでの下降減速度aを求めることが必要である。以下に加速度a及び加速時間tを導出する方法について説明する。
【0079】
C工程では、C工程の開始時点tからC工程の終了時点tまで電線端部Wが電線下降距離S下降する。数式9及び数式10により、C工程の電線下降の加速部分(tからt)の下降速度V、下降距離をSとすると、
【数18】

【数19】

【0080】
また、減速部分(tからt)の下降速度V、下降距離をSとすると、
【数20】

【数21】

ただし、tは、C工程の開始時点tからD工程の開始時点tまでの時間を示している(t=t−t)。
ここで、
【数22】

【数23】

(=t+t)の時、V=Vであるから、
【数24】

【数25】

よって、数式23と数式25から
【数26】

と導出される。
【0081】
したがって以上の結果より、
ワイヤの運動式は、
≦t<t=t+t
fw(t)=−0.5a+at (数式19に基づく)
=t+t≦t≦t
fw(t)=0.5a−a(t+2t)t (数式21に基づく)
≦t<t
fw(t)=rcos(αtt−0.5αt)−r (数式7に基づく)
と表される。ただし、積分定数部分は省略。
【数26】

=t+t
【数15】

【数17】

【数25】

からtまでの運動式は、tからtまでの運動式に対しtを縦軸とした対称式となるので、
≦t<t
【数27】

≦t<t
【数28】

と表される。ただし積分定数は省略。
=2t−t
=2t−t−t
【0082】
具体的な実施例を説明すると、プレス運動条件として、スコッチヨークピン偏心量r=15(mm)は固定値として与えられており、加減速時間(プレスの加速が完了する時間)t=0.05(s)、プレス角加速度α=837.3333(rad/s)は変更可能な設定値としてパネル入力を行う。
アプリケータから得られる情報として、スライドカッター17の下降距離S=1.5、圧着端子101の端子の肉厚T=0.5(mm)をパネル入力する。
【0083】
また、端子圧着電線製造装置1の固定値として、電線端部Wの電線搬送高さ位置H2=200(mm)、アンビル高さHA=188.5(mm)が固定値として予め与えられており、電線端部Wの下降開始時点t=0.055(s)はパネル入力を行う。
更に加工される電線の外径がD=3(mm)をパネル40から入力した場合について説明する。
【0084】
以上の数値入力により制御部において演算が実施され、演算の結果が以下のように示される。
=0.0252(s)
=0.0892(s)
=0.1(s)
=16821.148(mm/s
ω=41.866665(mm/s)
ワイヤの運動式は、
0.055≦t<0.0802
fw(t)=−8410.574t+925.16314t
0.0802≦t<0.0892
fw(t)=8410.574t−1775.7614t
0.0892≦t<0.1108
fw(t)=15cos(41.8666t−1.046666)−15
0.1108≦t<0.1198
fw(t)=8410.574t−3286.852t
0.1198≦t<0.145
fw(t)=−8410.574t+2439.066t
と導出される。
【0085】
次に、パネル40の操作について説明する。
図13は、制御部のパネルの一例を示す図である。
この例では、図13に示すように、パネルの入力手段から以下の項目を入力することができる。
(1)S:下降距離(mm)、
(2)T:圧着端子101の端子の肉厚(mm)、
(3)D:電線Eの外径(mm)、
(4)T:C工程の開始時点(s)、
(5)α:プレス角加速度、
(6)t:加減速時間
【0086】
これらの項目を入力することにより、以下の項目が出力結果として表示する。
(7)t:D工程の開始時点(s)、
(8)V:D工程の開始時点tにおけるスライドカッター17下降速度(mm/s)、
(9)S:電線端部Wの下降距離mm)、
(10)a:電線端部Wの加速度(mm/s)、
(11)ω:プレスの駆動速度(mm/s)
【0087】
次に、クランプ昇降機構の他の例について説明する。
図14は、本発明の他の実施の形態に係る端子圧着装置の構造を説明する図である。
この例のクランプ装置60においては、サーボモータ55が、搬送テーブル53ではなく端子圧着電線製造装置1の機台(図8の符号6参照)やプレス装置のフレーム(図示されず)の側面又は前面に取付けられている。ワイヤクランプ51は、前述と同様にクランプを開閉するカム機構や同カム機構を駆動するシリンダが設けられたクランプ駆動機構52上に設けられている。クランプ駆動機構52は、搬送テーブル53の上方に配置されており、バネ61により上方に付勢されて、電線Eを搬送高さに維持している。
【0088】
サーボモータ55の出力軸は下方に延びており、同軸には、ナット57を介してスライダ62が取付けられている。このスライダ62は、上下に延びるリニアガイド63に沿ってスライドする。スライダ62には、下方に延びる押し棒64が設けられている。サーボモータ55の回転により、スライダ62がリニアガイド63に沿って下方にスライドすると、押し棒64の先端はクランプ51の上面に当接し、同クランプを下方に押す。サーボモータ55を適宜に回転させることにより、クランプ51、つまり、電線Eを、スライドカッター上面高さや圧着高さに下降する。
【0089】
図15は、本発明のさらに他の実施の形態に係る端子圧着装置の構造を説明する図である。
この例のクランプ昇降機構70においても、サーボモータ55が搬送テーブル53ではなく、端子圧着電線製造装置1の機台(図8の符号6参照)やプレス装置のフレーム(図示されず)の側面又は前面に取付けられている。ワイヤクランプ51は、前述と同様に、クランプを開閉するカム機構や同カム機構を駆動するシリンダが設けられたクランプ駆動機構52上に設けられている。クランプ駆動機構52は、搬送テーブル53の上方に配置されており、バネ61により上方に付勢されて、電線Eを搬送高さに維持している。
【0090】
サーボモータ55の出力軸55bは側方に延びており、同軸には、偏芯カム71が固定されている。クランプ駆動機構52には、この偏芯カム71に係合するドッグ72が設けられている。サーボモータ55の回転により、偏芯カム71がドッグ72を押し下げ、クランプ51を下降させる。サーボモータ55を適宜に回転させることにより、クランプ51、つまり、電線をスライドカッター上面高さや圧着高さに下降させる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態に係る端子圧着装置とクランプ装置の構造を示す側面図である。
【図2】端子圧着方法を説明するためのタイムチャートである。図の上半分は電線の動きを示し、下半分はアプリケータの動きを示す。
【図3】C工程の初期段階を説明する図であり、図3(A)は側面図、図3(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
【図4】C工程の最終段階を説明する図であり、図4(A)は側面図、図4(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
【図5】D工程の初期段階を説明する図であり、図5(A)は側面図、図5(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
【図6】D工程の最終段階を説明する図であり、図6(A)は側面図、図6(B)は電線端部や端子周辺の拡大側面図である。
【図7】制御部の構成・作用を説明する図である。
【図8】端子圧着電線製造装置の構成の一例を説明する図である。
【図9】(A)は、プレスのスコッチヨーク機構の偏心軸の軌跡を示した概略図であり、(B)は、偏心軸の角速度の時間との関係を示すグラフである。
【図10】電線端部WのC工程及びD工程における高さ位置を示す概略図である。
【図11】クリンパストローク曲線とワイヤストローク曲線を示すグラフである。
【図12】クリンパ昇降速度曲線とワイヤ昇降速度曲線を示すグラフである。
【図13】制御部のパネルの一例を示す図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係る端子圧着装置の構造を説明する図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態に係る端子圧着装置の構造を説明する図である。
【図16】帯体及び端子が圧着された電線を説明する図であり、図16(A)は帯体の平面図、図16(B)は帯体の側面図、図16(C)は電線の端部に端子が圧着された状熊を示す平面図である。
【図17】アプリケータの構造の一例を示す斜視図である。
【図18】図17のアプリケータの側面断面図である。
【図19】図17のアプリケータの圧着工具部分の構造を示す分解斜視図である。
【図20】図17のアプリケータのスライドカッターの構造を示す図であり、図20(A)は正面図、図20(B)は側面図である。
【図21】クランプ装置を含む端子圧着装置を説明するための側面図である。
【図22】第2工程を説明する図であり、図22(A)は側面図、図22(B)は送り込まれた端子周辺の拡大側面図である。
【図23】第3工程の初期段階を説明する側面図である。
【図24】第3工程の最終段階を説明する図であり、図24(A)は側面図、図24(B)は電線端部及び端子周辺の拡大側面図である。
【図25】第4工程の初期段階を説明する図であり、図25(A)は側面図、図25(B)は電線端部及び端子周辺の拡大側面図である。
【図26】第4工程の最終段階を説明する図であり、図26(A)は側面図、図26(B)は電線端部及び端子周辺の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 端子圧着電線製造装置
2 電線送給装置
3 切断装置
4 皮むき装置
6 機台
10 端子圧着装置
11 ベース
12 ホルダー
13 ワイヤクリンパ
14 ワイヤアンビル
15 インスクリンパ
16 インスアンビル
17 スライドカッター
18 カットオフパンチ
19 バネ
21 端子供給路
22 端子フィード機構
23 送り爪
25 シャンク
30 プレス
31 ラム
50 クランプ装置
51 クランプ
52 クランプ駆動手段
53 搬送テーブル
54 ガイドバー
55 サーボモータ
56 ボールネジ
57 ナット
58 サーボモータ
60 クランプ装置
61 バネ
62 スライダ
63 リニアガイド
64 押し棒
70 クランプ装置
71 偏芯カム
72 ドッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆の剥ぎ取られた電線の端部に、一連の帯体として供給される端子を一個ずつ圧着する方法であって、
端子圧着工具である昇降側クリンパと固定側アンビルとの間の電線搬送高さ位置に前記電線の端部を送り込むA工程と、
前記クリンパと前記アンビルとの間に前記端子を位置させるとともに、該端子と前記帯体との接続部をスライドカッターの切刃部に位置させるB工程と、
前記電線を前記スライドカッター上面位置まで下降させるC工程と、
該電線を圧着高さ位置まで下降させつつ前記クリンパを下降させて該端子を該電線の端部に圧着するとともに、前記スライドカッターを下降させて前記帯体から該端子を切り離すD工程と、
圧着された電線を前記スライドカッターとともに前記スライドカッター上面位置まで上昇させるE工程と、
前記クリンパを上昇させるとともに、該電線を前記電線搬送高さ位置まで上昇させるF工程と、を含み、
予め与えられたクリンパの運動式fc(t)、C工程の開始時点t、電線下降距離S及びスライドカッターの下降距離Sとから前記C工程、前記D工程、前記E工程、前記F工程における電線昇降の運動式fw(t)を求め、前記電線が、前記スライドカッターの上に載置された状態で前記スライドカッターと同期されながら昇降され、前記電線の端部に端子を圧着することを特徴とする端子圧着方法。
【請求項2】
前記電線の搬送高さ位置をH2とし、アンビル高さ位置をHAとし、前記D工程における前記スライドカッターの下降距離をSとし、前記端子の肉厚をTとし、前記電線の直径をDとした場合、
前記電線の搬送高さ位置H2及び前記アンビル高さ位置HAは、予め定められた固有値として与えられ、
前記電線下降距離Sは、
【数8】

の関係式より、前記端子の肉厚T及び前記電線の直径Dを、入力手段に入力することで任意に設定されることを特徴とする請求項1に記載の端子圧着方法。
【請求項3】
前記クリンパは、該クリンパを昇降するための駆動源であるプレスに連結され、該プレスが回転運動することにより前記プレスに従動して昇降し、
前記B工程の開始から前記プレスの加速が完了する時間tまでの前記プレスの角加速度をαとした場合、
前記プレスの駆動速度ωは、前記時間t及び前記プレスの角加速度αを、入力手段に入力することで任意に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の端子圧着方法。
【請求項4】
被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する装置であって、
昇降ラムを有するプレスと、
該ラムによって駆動され、圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
前記電線を保持するクランプと、
該クランプを昇降する昇降機構と、
前記昇降ラムと前記昇降機構とを所定の端子圧着方法を用いて制御する制御手段と、
を具備し、
前記所定の端子圧着方法が前記請求項1ないし3のいずれかに記載の端子圧着方法であることを特徴とする端子圧着装置。
【請求項5】
電線を送給する送給装置と、
該電線の先端部の皮むき装置と、
該先端部に端子を圧着する第一の端子圧着装置と、
該電線の先端部を任意の長さに切断する切断装置と、
切断された電線の後端部の皮むき装置と、
該後端部に端子を圧着する第二の端子圧着装置と、
両端に端子が圧着された電線の排出装置と、
を含み、
前記端子圧着装置が前記請求項4に記載の端子圧着装置であることを特徴とする端子圧着電線製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−259547(P2009−259547A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106189(P2008−106189)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000228257)日本オートマチックマシン株式会社 (39)
【Fターム(参考)】