説明

端子外観検査用観察装置

【課題】端子の一端側部分を良好に観察できるようにすること。
【解決手段】撮像部20と、端子Tの一端側部分96の一側面96aと対向する位置に配設可能であると共に、一側面96aからの光線を撮像部20に導く第1導光部材42を有する導光部40と、第1導光部材42を、端子Tの一端側部分96の一側面96aに対して端子Tの長手方向L複数位置で対向させるように、導光部40を端子Tの長手方向Lに沿って移動可能な移動機構部60と、画像処理部80と、を備え、画像処理部80は、撮像部20により端子Tの一端側部分96の長手方向に沿った複数位置で撮像された複数の画像を合成し、端子Tの一端側部分96の一側面96aの合成画像を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コネクタに配設された端子を観察して、外観検査するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に用いられる電気部品として、ハウジング本体部に端子が配設された端子付きコネクタがある。この端子付きコネクタに配設される端子は、他の電気部品に対して接続される一端側部分を外方に露出させるようにしてハウジング本体部に配設されている。そして、この端子付きコネクタの製造時には、端子の一端側部分に異物が付着したり、擦り傷ができたりすることがあった。例えば、端子がハウジング本体部の端子収容孔部に圧入されて端子付きコネクタが製造される場合、端子の一端側部分が端子収容孔部を通過する際に、一端側部分に樹脂屑等が付着することがあった。このように端子の一端側部分にできた擦り傷及び付着した異物は、端子付きコネクタの接続の際に、接続不良を引き起こす恐れがあった。このため、端子付きコネクタの製造後に、ハウジング本体部から外方に露出される端子の一端側部分の外観検査を行うことが好ましい。例えば、端子の一端側部分を、顕微鏡等を用いて観察して外観検査することができる。
【0003】
ここで、物体の外観検査を行う装置として、特許文献1に開示されている半導体検査装置がある。この半導体検査装置は、半導体部品のリード高さを検査する装置であり、半導体部品のリードからの光をその横に配置した反射部材により屈曲してCCDカメラに入射させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−39307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような装置では、端子の一端側部分の配設位置によっては、端子の一端側部分を観察することは困難であった。例えば、端子の一端側部分がハウジング本体部に形成された凹部の奥まった位置に配設されている場合、端子が狭い列間隔で複数列に並んで配設されている場合等が観察困難な例として挙げられる。
【0006】
そこで、本発明は、端子の一端側部分を良好に観察できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る端子外観検査用観察装置は、コネクタのハウジング本体部に配設された端子のうち、前記ハウジング本体部から露出される一端側部分を観察する端子外観検査用観察装置であって、撮像部と、前記端子の一端側部分の一側面と対向する位置に配設可能であると共に、前記端子の一端側部分の一側面からの光線を前記撮像部に導く第1導光部材を有する導光部と、前記第1導光部材を、前記端子の一端側部分の一側面に対して前記端子の長手方向複数位置で対向させるように、前記導光部を前記端子の長手方向に沿って移動可能な移動機構部と、画像処理部と、を備え、前記画像処理部は、前記撮像部により前記端子の一端側部分の長手方向に沿った複数位置で撮像された複数の画像を合成し、前記端子の一端側部分の一側面の合成画像を作成する。
【0008】
第2の態様に係る端子外観検査用観察装置は、第1の態様に係る端子外観検査用観察装置であって、前記導光部は、前記複数の端子の一端側部分の一側面の反対側の他側面と対向する位置に配設可能であると共に、前記他側面からの光線を前記撮像部に導く第2導光部材をさらに有し、前記移動機構部は、前記第1導光部材と前記第2導光部材とを、前記端子の一端側部分の長手方向先端側位置であって、前記端子の長手方向に沿った移動により前記端子の一端側部分と対向して配設可能な位置に選択的に配設可能である。
【0009】
第3の態様に係る端子外観検査用観察装置は、第1または2の態様に係る端子外観検査用観察装置であって、前記画像処理部は、前記撮像部により撮像された前記複数の画像を、前記端子の長手方向において、各画像のうち輝度が予め設定された閾値以上である輝度安定領域を取り出して合成し、前記端子の一端側部分の一側面の前記合成画像を作成する。
【0010】
第4の態様に係る端子外観検査用観察装置は、第1〜3の態様のいずれか一態様に係る端子外観検査用観察装置であって、前記画像処理部は、前記合成画像のうち端子相当部分を取り出して黒色の背景上に合成する。
【0011】
第5の態様に係る端子外観検査用観察装置は、第1〜4の態様のいずれか一態様に係る端子外観検査用観察装置であって、前記画像処理部は、前記合成画像のうち端子相当部分を取り出して設定値に応じた間隔で整列する。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様に係る端子外観検査用観察装置によると、撮像部が、端子の一端側部分の一側面に対向する位置に配設される第1導光部材を通じて、端子の一端側部分の一側面を撮像可能である。そして、撮像部により端子の一端側部分の長手方向に沿って複数位置で撮像された複数の画像を、画像処理部により合成して端子の一端側部分の一側面の合成画像を作成している。このため、端子の一端側部分がコネクタの奥まった位置にある場合でも、端子の一端側部分を良好に観察することができる。
【0013】
第2の態様に係る端子外観検査用観察装置によると、第1導光部材と第2導光部材とを入替可能である。このため、端子の一端側部分の一側面側と他側面側とでコネクタの構造が異なる場合等、1つの導光部材を一端側部分の一側面側の位置と他側面側の位置との両方に配設することが困難な形状のコネクタについても、端子の一端側部分の観察を行うことができる。
【0014】
第3の態様に係る端子外観検査用観察装置によると、複数の画像を、端子の長手方向において、各画像の輝度安定領域を取出して合成することにより、端子の一端側部分の一側面の合成画像を作成している。このため、作成される合成画像内の端子の一端側部分は、全体として一定以上の輝度を有し、より良好に端子の観察を行うことができる。
【0015】
第4の態様に係る端子外観検査用観察装置によると、黒色の背景上に端子相当部分が合成されるため、端子の一端側部分に付着した異物等を、容易にかつより確実に発見することができる。
【0016】
第5の態様に係る端子外観検査用観察装置によると、端子を整列する間隔を調節することができる。このため、異物付着、擦り傷等、不良の種類ごとに端子の間隔を変えて観察することにより、容易にかつより確実に端子の不良を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】端子付きコネクタの斜視図である。
【図2】端子付きコネクタの端子の一端側部分を示す拡大図である。
【図3】端子外観検査用観察装置の概略正面図である。
【図4】端子外観検査用観察装置の概略側面図である。
【図5】導光部の進退移動を示す図である。
【図6】導光部の列方向Rの移動を示す図である。
【図7】撮像部と導光部との関係を示す図である。
【図8】照明部と導光部との関係を示す図である。
【図9】画像処理部の機能ブロック図である。
【図10】撮像画像の例を示す図である。
【図11】合成画像の例を示す図である。
【図12】黒色背景画像の画像表示を示す図である。
【図13】第1検査画像の画像表示を示す図である。
【図14】第2検査画像の画像表示を示す図である。
【図15】画像処理部による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る端子外観検査用観察装置について説明する。本端子外観検査用観察装置は、端子付きコネクタのハウジング本体部に配設された端子のうち、ハウジング本体部から露出される端子の一端側部分を観察するためのものである。この端子外観検査用観察装置は、端子の一端側部分をその長手方向Lの複数位置で撮像し、複数の撮像画像を利用して合成画像を作成し、これを外観検査用の画像として供するように構成されている。なお、本実施形態の説明において、便宜上、図中の方向を用いることがあるが、これは端子付きコネクタ及び端子外観検査用観察装置の使用態様を限定するものではない。
【0019】
<1.端子付きコネクタについて>
説明の便宜上、まず、本端子外観検査用観察装置の観察対象となる端子付きコネクタについて説明する。図1は端子付きコネクタ90の斜視図、図2は端子付きコネクタ90の端子Tの一端側部分96を示す拡大図である。
【0020】
端子付きコネクタ90は、端子Tがハウジング本体部92に配設された構成である。このハウジング本体部92には、複数の端子Tが、接続対象の電気部品(より具体的には、雌端子)に対して接続可能なようにそれぞれの一端側部分96を露出させるように配設されている。以下、端子付きコネクタ90の一例を説明する。
【0021】
端子Tは、金属等の導体により長尺棒状に形成され、その一端側部分96が端子付きコネクタ90の接続対象である電気部品に接続可能に形成されている。より具体的には、上記一端側部分96は、長尺の略直方体形状に形成されている。このような端子Tは、例えば、打抜き成型等により製造されている。また、端子Tの表面には、金メッキ或いはスズメッキ加工等が施されてもよい。また、図示省略の端子Tの他端側部分は、例えば、基板等に接続可能に形成されている。
【0022】
ここでは、端子付きコネクタ90が電気部品に接続された状態では、一端側部分96のうち、端子Tの長手方向Lに沿った一側面96aと一側面96aに対して反対側の他側面96bとが、電気部品の接続部分(雌端子)に接触して電気的に接続されるものとして説明する。例えば、図2に示すように、端子付きコネクタ90の端子Tの一端側部分96は、接続対象となる電気部品に配設された対向する2つの金属片(以下、雌端子を構成するビード側金属片99a及び舌片側金属片99b)の間に挟持されるように挿入されて接続されることがある。つまり、この複数の端子Tの一端側部分96の一側面96a及び他側面96bのうち、端子Tの長手方向Lにおいて、ビード側金属片99aまたは舌片側金属片99bが接触する箇所とそれより先端側を含む部分が、異物付着、擦り傷等の異常箇所の検査対象部分である。そして、本実施形態では、主として、端子Tの一端側部分96の一側面96a及び他側面96bを撮像し、検査を行う例で説明する。
【0023】
ハウジング本体部92は、樹脂等の絶縁部材により略直方体形状に形成され、その一主面93で開口する略直方体形状の凹部94を有している。
【0024】
上記複数の端子Tは、その一端側部分96が凹部94内で突出するようにしてハウジング本体部92に配設されている。より具体的には、複数の端子Tは、その一端側部分96が凹部94の底部側から開口側に向けて突出する姿勢でハウジング本体部92に配設されている。つまり、複数の端子Tの一端側部分96の長手方向Lは、凹部94の底部側と開口側とを結ぶ方向(図1の上下方向)に沿う姿勢である。ここでは、凹部94内で突出する一端側部分96の延出寸法は、凹部94の深さ寸法より小さく設定されている。
【0025】
また、複数の端子Tは、端子Tの長手方向Lと略直交する平面方向において、互いに間隔をあけて並ぶように配設されている。より具体的には、複数の端子Tは、ハウジング本体部92の一側面と略平行な列方向R(以下、端子Tの幅方向と同方向)に沿って直線状に並ぶように整列されると共に、この列が前記一側面に略直交する方向において間隔をあけて複数列(ここでは3列)配設されている。各列においては、複数の端子Tの一端側部分96の一側面96a(及びその反対側の他側面96b)は、列方向Rに沿う略同一平面状に位置している。
【0026】
<2.端子外観検査用観察装置の構成>
次に、実施形態に係る端子外観検査用観察装置の構成について詳細に説明する。図3は端子外観検査用観察装置10の概略正面図、図4は端子外観検査用観察装置10の概略側面図、図5は導光部40の進退移動を示す図、図6は導光部40の列方向Rの移動を示す図、図7は撮像部20と導光部40との関係を示す図、図8は照明部30と導光部40との関係を示す図である。
【0027】
本端子外観検査用観察装置10は、撮像部20と、照明部30と、導光部40と、移動機構部60と、画像処理部80の処理機能を有する制御部70とを備えている。
【0028】
撮像部20は、後述する制御部70に接続され、制御部70からの撮像指令に応じたタイミングで撮像を行い、その撮像画像データを制御部70に送信可能に構成されている。この撮像部20は、カメラ22の前方にテレセントリックレンズ26が配設された構成であり、光線はテレセントリックレンズ26を通過してカメラ22に入射するようになっている。ここでは、カメラ22は、カラーのエリアカメラであり、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ等を採用できる。カメラ22は、モノクロ画像を撮像、出力するカメラであってもよい。
【0029】
また、テレセントリックレンズ26は、カメラ22の撮像軸と略平行に入射する光線をカメラ22に導光可能に構成されている。このため、撮像範囲の中央と端部との視差による撮像画像の歪みを小さくすることができ、より精度の良い端子Tの一端側部分96の画像を得ることができる。これにより、より良好に端子Tの一端側部分96の観察を行うことができる。
【0030】
導光部40は、端子Tの一端側部分96の一側面96aと対向する位置に配設可能であると共に、端子Tの一端側部分96の一側面96aからの光線を撮像部20に導く第1導光部材42を有している。
【0031】
より具体的には、第1導光部材42は、透明樹脂材、ガラス材等により略長方形板状に形成されている。この第1導光部材42の厚さ寸法は、端子付きコネクタ90の複数の端子Tの列間及び対向する複数の端子Tの一端側部分96の一側面96aと凹部94の壁面との間の間隔より小さく設定されている(図5参照)。これにより、第1導光部材42を、端子Tの一端側部分96の一側面96aと対向する位置に配設できるようになっている。
【0032】
また、第1導光部材42の一端(以下、先端)側の部分が、厚さ方向一方側から他方側に向けて先端側に傾斜する反射面43を有している。ここでは、反射面43は、厚さ方向他方側に向かう一主面42aに対して略45度の傾斜を成すように設定されている。これにより、第1導光部材42の一主面42aと略直交する方向に沿って、一主面42aを通じて入ってきた光線が、反射面43で内部反射され、先端側から基端側に向かう方向に光路変更される(図7参照)。
【0033】
そして、第1導光部材42の先端側の部分を端子Tの一端側部分96の一側面96aの長手方向途中部分に対向して配設すると共に、第1導光部材42の基端部と先端部とを結ぶ方向をカメラ22の撮像軸に沿わせて基端部を撮像部20側に向けた姿勢で、第1導光部材42を撮像部20の前方側(カメラ22からテレセントリックレンズ26に向かう側)に配設する。これにより、端子Tの一端側部分96の一側面96aからの光が反射面43で内部反射されて撮像部20に導かれ、撮像部20のカメラ22により端子Tの一端側部分96の一側面96aを真正面から見たような画像を取得できる。より具体的には、一端側部分96の一側面96aのうち、端子Tの長手方向Lにおいて、第1導光部材42の厚さ寸法分の導光範囲Pの画像を取得可能である(図7参照)。
【0034】
また、第1導光部材42の幅寸法は、端子付きコネクタ90に配設されている端子Tのうち、列方向Rに並んでいる複数個分の一端側部分96の一側面96aに対向可能な寸法に設定されている。つまり、第1導光部材42は、一度に上記複数個分の端子Tの一端側部分96の一側面96aからの光線を、撮像部20側に導くことができる。端子付きコネクタ90に配設されている全ての端子Tの一端側部分96の一側面96aを撮像するためには、第1導光部材42を複数の端子Tの列方向Rに移動させた複数箇所に分けて撮像するとよい(図6参照)。もっとも、第1導光部材42は、列方向Rに沿って配設された全端子Tの一端側部分96の一側面96aからの光線を、撮像部20側に導くことが可能な幅を有していてもよい。
【0035】
ここでは、導光部40は、端子付きコネクタ90のハウジング本体部92に配設される端子Tの列数(ここでは3列)に応じて、第1導光部材42を複数(ここでは3つ)有している。そして、複数の第1導光部材42は、各一主面42aと略直交する方向に間隔をあけて並列状に並ぶように、後述する移動機構部60に取り付けられている。より具体的には、複数の第1導光部材42は、各一主面42aが対応する列に整列されている複数の端子Tの一側面96aに対向する位置に配設可能な間隔をあけて配設されている。
【0036】
また、導光部40は、複数の端子Tの一端側部分96の一側面96aの反対側の他側面96bと対向する位置に配設可能であると共に、他側面96bからの光線を撮像部20に導く第2導光部材46をさらに有している。この第2導光部材46は、先端側部分が、厚さ方向他方側から一方側に向けて先端側に傾斜する反射面47を有している。つまり、反射面47は、厚さ方向一方側の一主面46aに対して略45度の傾斜を成して、第1導光部材42の反射面43と逆側に傾斜している。その他、第2導光部材46は、第1導光部材42と同様であるため説明を省略する。
【0037】
ところで、端子付きコネクタ90のハウジング本体部92は、端子Tの一端側部分96の一側面96a側と他側面96b側とで形状が異なる場合がある。例えば、一側面96a側と他側面96b側のいずれか一方側で、凹部94内に突出部が形成されている場合等が挙げられる。上記の場合、第1導光部材42と第2導光部材46とを、一側面96aまたは他側面96bに対して同じ間隔で配設することが困難であり、各一主面42a、46aと一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bとの間隔が異なることがある。このような場合には、第1導光部材42と第2導光部材46には、ピント調節を行うために、一側面96aまたは他側面96bとの間隔に応じて、その基端部と先端部とを結ぶ方向の寸法が異なるものが採用される(図2参照)。また、第1導光部材42及び第2導光部材46は、端子付きコネクタ90の形状に応じて交換可能であるとよい。
【0038】
なお、導光部40は、上記構成に限られるものではなく、端子Tの一側面96aからの光線を撮像部20に導くことができる構成であればよい。例えば、三角柱形状のプリズム、ミラー等を用いて、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bからの光線をカメラ22に向けて反射する構成でもよい。
【0039】
照明部30は、端子Tの一端側部分96の各側面96a、96bのうち、少なくとも撮像対象部分に光を照射可能である。より具体的には、照明部30は、撮像部20と導光部40との間に配設されている。つまり、照明部30は、複数の第1導光部材42または第2導光部材46の内部を通じて、及び、複数の第1導光部材42または第2導光部材46同士の間及び周囲を通って、複数の端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bに光を照射している。特に、第1導光部材42または第2導光部材46を通じて照射される光は、端子Tの長手方向Lにおいて、一側面96aまたは他側面96bのうち導光範囲Pを照射可能である(図8参照)。
【0040】
ここでは、照明部30には、白色LEDを使用した照明装置を採用しており、例えば、同軸落射照明、環状の照明装置等を採用することができる。照明部30に同軸落射照明を使用した場合、撮像部20の撮像軸方向(図3、図4の上下方向)に沿って導光部40側に光を照射すると共に、導光部40側からの光線のうち撮像部20の撮像軸方向に略平行な光線を撮像部20側に通過させることができる。このため、複数の端子Tの一端側部分96の一側面96aに対して光を均一に照射でき、良好なコントラストを得ることができる。これにより、端子Tの一側面96aの異物、擦り傷等を容易に発見することができ、より精度良く端子Tの外観検査を行うことができる。
【0041】
もっとも、照明部30は、撮像部20と導光部40との間に配設される構成に限定されず、例えば、その側方位置から斜めに光を照射するように構成されていてもよい。また、上記テレセントリックレンズ26に同軸落射照明のユニットを内蔵した照明付きレンズを採用してもよい。
【0042】
移動機構部60は、撮像部20及び照明部30及び導光部40を、第1導光部材42または第2導光部材46を端子Tの長手方向Lに沿った複数位置で移動させると共に、第1導光部材42と第2導光部材46とを、端子Tの一端側部分96の長手方向L先端側位置(端子付きコネクタ90の上方位置)であって、端子Tの長手方向Lに沿った移動により一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bと対向して配設可能な位置に選択的に配設可能に構成されている。
【0043】
より具体的には、この移動機構部60は、第1移動部62と、第2移動部64と、第3移動部66と、第4移動部68とを有している(図3、図4参照)。
【0044】
第1移動部62は、端子付きコネクタ90を、当該端子付きコネクタ90を着脱可能なセット位置と端子Tの一端側部分96を撮像するための検査位置との間で移動操作可能に構成されている。より具体的には、第1移動部62は、端子付きコネクタ90を所定姿勢で支持可能である。第1移動部62が端子付きコネクタ90を支持する構成としては、例えば、ハウジング本体部92を嵌入可能な凹部が形成された構成、エアシリンダ等を用いてハウジング本体部92を挟持する構成等を採用することができる。また、第1移動部62は、支持した端子付きコネクタ90を、複数の端子Tの長手方向Lと略直交する一方向に沿って移動操作可能である。この第1移動部62は、基部12に対して取り付けられている。
【0045】
第2移動部64は、第3移動部66を、第1移動部62に支持される端子付きコネクタ90に配設されている複数の端子Tの列方向Rに沿って移動可能である(図6参照)。この第2移動部64は、第1移動部62より上側(図3、図4の上側)の位置で基部12に取り付けられている。
【0046】
第3移動部66は、第1導光部材42または第2導光部材46の先端側の部分を、検査位置で支持されている端子付きコネクタ90の複数の端子Tの一側面96aまたは他側面96bに対して端子Tの長手方向L複数位置で対向させるように、当該第1導光部材42または第2導光部材46を、撮像部20及び照明部30と共に、端子Tの長手方向Lに沿って進退移動させるように構成されている(図5参照)。
【0047】
より具体的には、第3移動部66は、第1導光部材42または第2導光部材46を、凹部94の底部側の位置と、端子Tの長手方向Lに沿って凹部94から抜け出た位置との間で予め設定された速度で進退移動可能に構成されている。ここで、凹部94の底部側の位置とは、端子Tの長手方向Lにおいて、第1導光部材42または第2導光部材46の先端部が、端子Tの一端側部分96の検査対象部分のうち、凹部94の底部側の端部(一端側部分96と2つの金属片99a、99bとの接触箇所)より、凹部94の底部側に配設される位置である(図2参照)。また、凹部94から抜け出た位置とは、端子付きコネクタ90が第1移動部62によりセット位置と検査位置との間を移動される際に、第1導光部材42及び第2導光部材46が端子付きコネクタ90に接触しない位置である(図1参照)。
【0048】
つまり、第3移動部66により、第1導光部材42または第2導光部材46が凹部94の底部側から開口側に向けて退避移動されると、端子Tの一端側部分96の検査対象部分全体について、一側面96aまたは他側面96bからの光線を、基端側から先端側に向けて、順次、撮像部20側に導くことができる。
【0049】
また、ここでは、導光部40は、第3移動部66に移動可能に支持された第4移動部68に支持されている。
【0050】
第4移動部68は、第1導光部材42及び第2導光部材46を、一主面42aと一主面46aとが対向し(もっとも、互いに逆方向を向けばよい)、かつ、その先端部と基端部とを結ぶ方向が端子付きコネクタ90の複数の端子Tの長手方向Lと略一致する姿勢で互いに離間して支持可能である。第1導光部材42と第2導光部材46との離間距離は、その一方を検査位置に支持された端子付きコネクタ90の凹部94内に配設した状態で、他方を端子付きコネクタ90の側方に配設できる程度の距離である。
【0051】
また、第4移動部68は、支持している第1度項部材42と第2導光部材46とを、選択的に導光位置に配設するように移動可能である。この導光位置は、第1導光部材42または第2導光部材46を、検査位置に支持された端子付きコネクタ90の凹部94の開口の上側の位置であり、その状態から凹部94内に進出移動させることで第1導光部材42の一主面42aまたは第2導光部材46の一主面46aを、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bに対向して配設可能な位置である。
【0052】
上記第1〜第4移動部62、64、66、68は、それぞれ、図示省略のサーボモータにより所定の伝達機構を介して駆動されている。そして、各サーボモータは、後述する制御部70の移動制御部72から出力される移動制御信号に基づいて回転駆動される。
【0053】
そして、撮像動作が行われる際には、検査対象の端子付きコネクタ90は、セット位置で作業者等により第1移動部62にセットされた後、第1移動部62により検査位置に移動される。そして、端子Tの一側面96aを撮像する場合には、第4移動部68により第1導光部材42が導光位置に移動される。さらに、第2移動部64により、撮像部20及び照明部30及び導光部40が支持された第3移動部66が、複数の端子Tの列方向Rにおいて、複数の端子Tのうち撮像対象となる端子Tに対応する位置に移動される。この状態で、第3移動部66により、第1導光部材42を含む導光部40が、撮像部20及び照明部30と共に進出移動し、第1導光部材42が端子付きコネクタ90の凹部94の底部側の位置(図5の実線の位置)に配設される位置に配設される。この位置から、第3移動部66は、後述する移動制御部72により予め設定された速度で、第1導光部材42を凹部94内から抜出す向きに導光部40を退避移動させる。
【0054】
また、端子Tの一端側部分96の他側面96bを撮像する場合は、第4移動部68により第2導光部材46が導光位置に移動され、この状態で、第2導光部材46を含む導光部40が、撮像部20及び照明部30と共に、上記と同様にして移動される。
【0055】
もっとも、撮像部20及び照明部30を、第1移動部62に支持される端子付きコネクタ90の端子Tの長手方向Lに沿って移動不能に固定し、導光部40のみを第3移動部66により移動可能に支持する構成でもよい。つまり、導光部40が撮像部20及び照明部30に対して端子Tの長手方向Lに相対移動したとしても、照明部30により撮像箇所に光を照射可能であり、撮像部20により端子Tの一端側部分96を外観検査可能な程度に鮮明に撮像可能であればよい。
【0056】
次に、制御部70について説明する。制御部70は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の補助記憶装置、および、各種インターフェース回路等を備える一般的なコンピュータによって構成されている。そして、制御部70は、補助記憶装置に格納されたプログラムに従って、CPUが演算処理を実行することで、後述するように上記撮像部20及び移動機構部60に対する動作制御を行うと共に、撮像部20により撮像された撮像画像を取込み、諸処理を実行する構成とされている。
【0057】
すなわち、制御部70は、移動制御部72、撮像制御部76、画像処理部80の処理機能を有している(図3参照)。
【0058】
移動制御部72は、第1〜第4移動部62、64、66、68に対して、その移動動作をそれぞれ制御可能に構成されている。より具体的には、移動制御部72は、サーボモータを制御可能なインターフェース回路である図示省略の4軸制御ボードを通じて、予め設定されたタイミング、速度、移動量等に基づく移動制御信号を各サーボモータに与える。これらのタイミング、速度、移動量等は、予め補助記憶装置に格納、或いは、作業の都度に作業者等により入力部88から入力された値である。また、これらのタイミング、速度、移動量等は、端子付きコネクタ90の種類、第1導光部材42及び第2導光部材46の寸法等に基づいて、実験的または理論的に決定される。
【0059】
そして、移動制御部72は、端子付きコネクタ90のセット完了指示を受けて、第1移動部62を駆動するサーボモータに対して、端子付きコネクタ90をセット位置から検査位置に、或いは、検査位置からセット位置に移動させる移動制御信号を出力する。また、第2移動部64を駆動するサーボモータに対して、第3移動部66を、端子Tの列方向R一方側に或いは他方側に移動させる移動制御信号を出力する。また、第3移動部66を駆動するサーボモータに対して、撮像部20及び照明部30及び導光部40を、進出移動或いは退避移動させる移動制御信号を出力する。さらに、第4移動部68を駆動するサーボモータに対して、撮像する側面96a、96bに応じて、第1導光部材42を導光位置に、或いは、第2導光部材46を導光位置に移動させる移動制御信号を出力する。
【0060】
この処理については、後述する端子外観検査用観察装置10の動作の一連の流れで説明する。
【0061】
撮像制御部76は、撮像部20のカメラ22に対して、その撮像動作を制御可能に構成されている。この撮像制御部76は、複数の端子Tの一端側部分96の長手方向Lに沿った複数位置で撮像するように、カメラ22の撮像動作を制御する。ここでは、撮像制御部76は、カメラ22に対して、第3移動部66による撮像部20及び照明部30及び導光部40の退避移動の位置情報に基づいて撮像制御信号を与えている。この位置情報は、例えば、第3移動部66を駆動するサーボモータの回転情報等に基づいて得られる。
【0062】
より具体的には、撮像制御部76は、まず、第1導光部材42または第2導光部材46が、進出移動して端子付きコネクタ90の凹部94の底部側の位置に配設された状態で、一回目の撮像動作を行うようにカメラ22に撮像制御信号を与える。そして、第1導光部材42または第2導光部材46の端子Tの長手方向Lに沿った移動中に、第1導光部材42または第2導光部材46の端子Tの長手方向Lの位置情報に基づいて、予め設定された位置間隔で撮像動作をするように撮像制御信号を与える。この位置間隔は、端子Tの長手方向Lにおいて、カメラ22で撮像した画像のうち後述する輝度安定領域の画像が、前撮像画像及び次撮像画像の輝度安定領域の画像と連続或いは一部重複する程度の間隔に設定される。そして、撮像制御部76は、前記位置間隔で撮像される静止画像を合成して作成される合成画像内に、端子Tの一端側部分96の検査対象部分全体が含まれるように予め設定された回数の撮像動作を行うように、カメラ22を制御するように設定されている。この撮像回数は、端子Tの一端側部分96の雌端子との接触部分の位置等に応じて決定される値である。
【0063】
また、撮像制御部76は、第1導光部材42または第2導光部材46が、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの先端からの光線を撮像部20側に導く位置或いはそれより退避移動された位置で、最後の撮像動作をするように設定されている。
【0064】
もっとも、端子外観検査用観察装置10は、撮像部20及び照明部30及び導光部40を、端子Tの一端側部分96の基端側から先端側に向かって移動しつつ、複数回撮像を行う構成に限られず、端子Tの一端側部分96の先端側から基端側に向かって移動しつつ、複数回撮像を行う構成でもよい。また、カメラ22が撮像動作を行う複数位置で、毎回、撮像部20及び照明部30及び導光部40の移動を停止するように構成されていてもよい。
【0065】
次に、画像処理部80について説明する。図9は画像処理部80の機能ブロック図、図10は撮像画像102の例を示す図、図11は合成画像120の例を示す図、図12は黒色背景画像130の画像表示を示す図、図13は第1検査画像142の画像表示を示す図、図14は第2検査画像144の画像表示を示す図である。
【0066】
画像処理部80は、撮像部20のカメラ22に対して、カメラ22により撮像された撮像画像を取込み可能に接続されている。より具体的には、画像処理部80は、図示省略の画像処理ボードを通じて、カメラ22により撮像された撮像画像102を取込んでいる。
【0067】
そして、画像処理部80は、撮像部20により端子Tの一端側部分96の長手方向Lに沿った複数位置で撮像された複数の撮像画像102を合成し、端子Tの一端側部分96の一側面96aの合成画像120を作成する。より具体的には、画像処理部80は、撮像部20により撮像された複数の撮像画像102を、端子Tの長手方向Lにおいて、各撮像画像102のうち輝度が予め設定された閾値以上である輝度安定領域Sの画像(以下、輝度安定領域画像110)を取り出す。そして、この輝度安定領域画像110を合成して、端子付きコネクタ90に配設された端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの合成画像120を作成する。
【0068】
より具体的には、画像処理部80は、図9に示すように、輝度安定領域抽出部181、画像合成部182、端子相当部分抽出部183、端子幅部分抽出部184、端子間隔設定部185、黒色背景合成部186の処理機能を有している。そして、画像処理部80は、各部の抽出、合成機能により外観検査用の画像を作成する。
【0069】
輝度安定領域抽出部181は、カメラ22により撮像され、画像処理部80に取込まれる撮像画像102について、輝度安定領域S(図10参照)の画像(以下、輝度安定領域画像110)を抽出する。
【0070】
この輝度安定領域Sは、例えば、端子Tがあると思われる1つ或いは複数の端子Tの長手方向Lに沿ったライン(導光部40との位置関係に基づいて求めたライン)上の輝度が閾値以上である範囲に設定される。複数のライン上の輝度について閾値以上であるか判定する場合は、複数のラインのうち全てのラインの輝度が閾値以上であるか判定してもよいし、一つのラインでも輝度が閾値以上であるか判定してもよい。また、輝度安定領域Sは、端子Tの長手方向Lにおいて端子Tの列方向Rの輝度の平均或いは総和が閾値以上である範囲に設定されてもよい。ここでは、閾値は、取込まれたカラー画像である撮像画像102のRGB輝度値のRGBそれぞれに対して設定されている。この閾値は、予め初期値を設定しておいてもよいし、照明部30の明るさ等に応じて、入力部88を通じて適宜設定してもよい。
【0071】
すなわち、輝度安定領域抽出部181により抽出される輝度安定領域画像110は、列方向Rに並んで配設された各端子Tの一端側部分96の一部が写し出された帯状の画像である。ここでは、輝度安定領域画像110は、端子付きコネクタ90に配設されている複数の端子Tの列数(第1導光部材42または第2導光部材46の列数)に応じて3つ抽出される。抽出された複数の輝度安定領域画像110は、それぞれ、RAMの作業領域等に一時保存される。そして、輝度安定領域抽出部181は、上記と同様にして、順次、カメラ22により撮像され取込まれる撮像画像102から、複数の輝度安定領域画像110を抽出して、端子列ごとにRAMの作業領域等に保存していく。
【0072】
もっとも、輝度安定領域抽出部181は、上記機能に限られず、個々の端子Tごとに輝度安定領域画像を抽出してもよい。
【0073】
画像合成部182は、カメラ22により撮像された複数の撮像画像102から輝度安定領域抽出部181により抽出された輝度安定領域画像110を合成して、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの合成画像120を作成する(図11参照)。より具体的には、RAMの作業領域等に保存された輝度安定領域画像110を、撮像順に読出し、端子Tの長手方向Lに合成する。合成の手法としては、例えば、輝度安定領域画像110同士を、単に画像の端辺同士が略一致する位置で合成する手法、端子Tの幅方向の輝度分布の類似度が高い位置で合成する手法等が挙げられる。
【0074】
そして、画像合成部182は、上記と同様にして、順次、端子列ごとにRAMの作業領域等から輝度安定領域画像110を読み出して合成していき、作成された合成画像120を端子列ごとにRAMの作業領域等に保存する。
【0075】
端子相当部分抽出部183は、画像合成部182により作成された合成画像120のうち端子相当部分124を抽出する。ここで、端子相当部分124とは、合成画像120中の実際の端子Tの一端側部分96に加え、端子T周りの端子T部分と同程度に輝度が高い部分、例えば、端子Tに付着した異物105等を含む部分を言う(図11参照)。より具体的には、端子相当部分抽出部183は、RAMの作業領域等に保存された合成画像120を読出す。そして、合成画像120のうち輝度が予め設定された閾値以上の領域部分を検出し、それぞれ端子相当部分124として抽出するように設定されている。ここで、上記閾値は、予め初期値を設定しておいてもよいし、照明部30の明るさ等に応じて、入力部88を通じて適宜設定してもよい。
【0076】
そして、端子相当部分抽出部183は、上記と同様にして、順次、端子列ごとにRAMの作業領域等から合成画像120を読み出して、各端子相当部分124を抽出していき、端子列ごとに端子付きコネクタ90に端子Tが配設されている順序でRAMの作業領域等に保存する。
【0077】
端子幅部分抽出部184は、端子相当部分抽出部183により抽出された端子相当部分124のうち端子幅部分126を抽出する。ここで、端子幅部分126とは、端子相当部分124のうち、端子Tの幅方向における一端側部分96の輝度分布で閾値以上の輝度を有する範囲の中間位置を中心として、一端側部分96の実際の幅寸法W分の範囲の部分をいう(図11参照)。より具体的には、端子幅部分抽出部184は、RAMの作業領域等に保存された端子相当部分124を読出し、各端子相当部分124中の端子幅部分126をそれぞれ抽出する。もっとも、端子幅部分126は、合成画像120から直接抽出されてもよい。
【0078】
そして、端子幅部分抽出部184は、上記と同様にして、順次、端子列ごとにRAMの作業領域等から端子相当部分124を読み出して、各端子幅部分126を抽出していき、端子列ごとに端子付きコネクタ90に端子Tが配設されている順序でRAMの作業領域等に保存する。
【0079】
端子間隔設定部185は、端子間隔設定値190に応じて、端子相当部分抽出部183により抽出された各端子相当部分124、または、端子幅部分抽出部184により端子相当部分124から抽出された各端子幅部分126の間隔を設定する。端子間隔設定値190は、入力部88を通じて設定された値に応じた端子相当部分124または端子幅部分126の間隔であり、0(隙間なし)以上の値に設定される。この端子間隔設定値190は、予め設定されて補助記憶領域に格納された値を選択して設定されてもよいし、適宜数値入力により設定されてもよい。なお、端子間隔設定値190は、端子相当部分124または端子幅部分126の端部同士の間隔に対して設定されてもよいし、端子Tの幅方向の輝度分布の輝度が最も高い位置の間隔、その他の間隔に対して設定されてもよい。
【0080】
より具体的には、端子間隔設定部185は、RAMの作業領域等から端子間隔設定値190を読み出す。そして、端子T同士の間隔をあけるように端子間隔設定値190が設定されている場合、RAMの作業領域等から端子相当部分124が読み出され、端子間隔設定値190に応じて端子間隔が設定される。また、端子Tを隙間なく並べるように端子間隔設定値190が設定されている場合、RAMの作業領域等から端子幅部分126が読み出され、端子間隔設定値190に応じて端子間隔が設定される。
【0081】
黒色背景合成部186は、端子相当部分抽出部183により抽出された端子相当部分124を黒色の背景上に合成する。より具体的には、黒色背景合成部186は、RAMの作業領域等から一列分の複数の端子相当部分124を読出し、端子相当部分124を、端子Tが配設されている順に列方向Rに並べて、予め設定された座標位置を基準に並べて合成する。各端子相当部分124が合成される座標位置は、端子相当部分124の端部座標を基準に決定されてもよいし、端子Tの幅方向の輝度分布の輝度が最も高い位置の座標を基準に決定されてもよい。そして、作成された画像をRAMの作業領域等に保存する。以下、このように作成された画像を、黒色背景画像130という(図12参照)。
【0082】
また、黒色背景合成部186は、端子間隔設定部185により端子間隔設定値190に応じて読み出された端子相当部分124または端子幅部分126を、端子付きコネクタ90の端子列ごとに、端子Tが配設されている順に列方向Rに沿って、設定された端子間隔で黒色の背景上に合成する。より具体的には、黒色背景合成部186は、端子T同士の間隔をあけるように端子間隔設定値190が設定されている場合、端子相当部分124を端子間隔設定値190に応じた間隔で整列して合成する。また、端子Tを隙間なく並べるように端子間隔設定値190が設定されている場合、端子幅部分126が隙間なく整列される。ここで、各端子相当部分124または各端子幅部分126は、黒色の背景上に予め設定された座標位置に基づいて、その端子Tの列方向R上に各端子相当部分124または各端子幅部分126の各一端部が位置するように配設される。そして、作成された画像をRAMの作業領域等に保存する。以下、このように作成された画像を、端子間隔調節画像140という(図13、図14参照)。
【0083】
また、端子外観検査用観察装置10は、画像処理部80により作成される画像を表示可能な表示部100を備えている。
【0084】
画像処理部80は、黒色背景画像130及び端子間隔調節画像140を、上記表示部100に表示させる。より具体的には、画像処理部80は、一つの端子付きコネクタ90に配設されている端子Tの一端側部分96または一度に撮像可能な一端側部分96の一側面96a或いは他側面96bを、表示部100に表示させる。つまり、ここでは、画像処理部80は、3列の黒色背景画像130または端子間隔調節画像140を、端子Tの長手方向Lに並べて表示部100に表示している(図12〜図14参照)。なお、画像処理部80は、この他、撮像画像102、各種抽出画像、合成画像120を、表示部100に表示可能に設定されていてもよい。
【0085】
上記のように表示部100に表示される端子間隔調節画像140のうち、端子Tの間隔をあけて表示される画像を第1検査画像142(図13参照)といい、端子Tが隙間なく表示されている画像を第2検査画像144(図14参照)という。第1検査画像142は、主に、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの幅方向両側に付着した異物105等を発見するための外観検査に用いられる。また、第2検査画像144は、主に、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの擦り傷106及び付着した異物105等を発見するための外観検査に用いられる。
【0086】
また、画像処理部80は、図13、図14に示すように、表示された端子Tの一端側部分96のそれぞれに対応する位置に、端子付きコネクタ90に配設されている順で、端子番号を表示部100に表示可能である。ここでは、端子番号は、端子Tの一端側部分96の長手方向L基端側に表示されている。
【0087】
また、画像処理部80は、表示部100に表示した黒色背景画像130及び端子間隔調節画像140のうち、指定する領域を拡大表示可能である。より具体的には、画像処理部80は、入力部88を通じて指定された領域を、表示部100に表示した黒色背景画像130及び端子間隔調節画像140と同時に、或いは、単独で表示部100に拡大表示させる。これにより、端子Tの状態を詳しく検査することができ、微小な異物105、擦り傷106等の異常箇所の検出が可能である。
【0088】
<3.端子外観検査用観察装置の動作>
次に、端子外観検査用観察装置10の動作について詳細に説明する。
【0089】
端子外観検査用観察装置10は、以下の初期状態にあるものとして説明する。第1移動部62は、端子付きコネクタ90をセット位置で支持可能な状態に維持されている。また、第3移動部66は、撮像部20及び照明部30及び導光部40を、退避移動した位置に維持している。また、第4移動部68は、第1導光部材42を、導光位置に配設した状態に維持されている。
【0090】
上記初期状態から、まず、第1移動部62に対して、セット位置で端子付きコネクタ90を支持する。この作業は、作業者により手動で行われてもよいし、専用の機械により自動で行われてもよい。そして、第1移動部62は、移動制御部72から出力される移動制御信号に基づいて、端子付きコネクタ90を検査位置に移動させる。
【0091】
次に、第2移動部64は、移動制御部72から出力される移動制御信号に基づいて、第3移動部66を、第1導光部材42が、複数の端子Tの列方向Rにおいて、端子付きコネクタ90の複数の端子Tのうち一度目の撮像対象となる端子Tの群に対応する位置に移動させる。つまり、第1導光部材42は、第3移動部66の進出移動により、その一主面42aが一度目の撮像対象となる端子Tの一側面96aに対向する位置に移動される(図6参照)。
【0092】
この状態から、第3移動部66は、移動制御部72から出力される移動制御信号に基づいて、撮像部20及び照明部30及び導光部40を進出移動させる。この状態で、第1導光部材42は、端子付きコネクタ90の凹部94の底部側の位置(図5の実線の位置)に配設される。この底部側の位置は、第1導光部材42が、一端側部分96の検査対象部分のうち底部側端部からの光線を、撮像部20側に導くことが可能な位置である。より好ましくは、第1導光部材42は、一端側部分96の外観検査対象部分のうち底部側端部が、端子Tの長手方向Lにおいて、反射面43の中間位置より第1導光部材42の基端側に位置するように配設されるとよい(図2参照)。
【0093】
そして、第1導光部材42が底部側の位置に配設された状態から、第3移動部66は、移動制御部72から出力される移動制御信号に基づいて、予め設定された速度で、撮像部20及び照明部30及び導光部40を退避移動させる。この速度は、撮像部20のカメラ22が、端子Tの一端側部分96の各側面96a、96bを、導光部40を通じてぶれ等の発生を抑制して撮像可能な速度であり、実験的或いは理論的に求められるとよい。
【0094】
また、第1導光部材42が底部側の位置に配設された状態から退避移動する際に、撮像制御部76は、カメラ22に対して撮像制御信号を出力する。つまり、カメラ22は、撮像制御部76から出力される撮像制御信号に基づいて、第1導光部材42が底部側の位置に配設された状態で一回目の撮像動作を行う。そして、カメラ22は、第3移動部66による撮像部20及び照明部30及び導光部40の退避移動に応じて撮像制御部76から出力される撮像制御信号に基づいて、順次、端子Tの長手方向L複数位置で撮像動作を行う(図5参照)。これにより、端子Tの長手方向Lの複数箇所において、一側面96a又は他側面96bの静止撮像画像102が得られる。
【0095】
撮像制御部76によりカメラ22の撮像動作が開始されると、画像処理部80は、撮像画像102の取込みを開始する。撮像画像102は、画像処理部80に取込まれると、一旦、RAMの作業領域等に保存される。図15は画像処理部による処理を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づき、画像処理部80の処理を説明する。
【0096】
ステップS1では、撮像画像102がRAMの作業領域等に保存されているか否かにより、画像処理部80に撮像画像102が取込まれたか否かが判定される。ここでは、一回の撮像分の撮像画像102が取込まれたか否かを判定している。そして、撮像画像102が取込まれている場合はステップS2の処理に進み、撮像画像102が取込まれていない場合にはステップS1の処理を繰り返す。
【0097】
ステップS2では、画像処理部80に取込まれた一回の撮像分の撮像画像102をRAMの作業領域等から読み出し、この撮像画像102から輝度安定領域画像110が抽出される。ここでは、端子Tの列数に応じて、つまり3つの輝度安定領域画像110が抽出される。そして、次のステップS3の処理に進む。
【0098】
ステップS3では、直前にステップS2で抽出された輝度安定領域画像110を、前回抽出された輝度安定領域画像110に合成される。ここでは、輝度安定領域画像110が端子列ごとに別々に合成され、3つの合成画像120が作成されていく。ここで、直前に抽出された輝度安定領域画像110が一回目に撮像された撮像画像102から抽出されたもので、前回画像がない場合、この輝度安定領域画像110を合成画像120の最初の基礎画像とする。上記合成が終了すると、次のステップS4の処理に進む。
【0099】
ステップS4では、カメラ22による複数回の撮像動作が全て終了されているか(撮像制御部76が、予め設定された撮像回数の撮像動作をカメラ22に行わせたか)否かにより、合成画像120の合成処理が終了したか否かが判定される。そして、合成が終了している場合はステップS5の処理に進み、合成が終了していない場合は再びステップS1の処理に戻る。
【0100】
ステップS5では、作成された各合成画像120から端子相当部分124が抽出される。ここでは、端子列ごとに端子Tが配設されている順序で抽出される。そして、次のステップS6の処理に進む。
【0101】
ステップS6では、ステップS5で抽出された各端子相当部分124が黒色の背景上に合成され、黒色背景画像130が作成される(図12参照)。ここでは、各端子相当部分124は、端子列ごとに、端子付きコネクタ90に端子Tが配設されている順序で、端子Tの幅方向に間隔をあけるようにして予め設定された座標位置に合成される。そして、次のステップS7の処理に進む。
【0102】
ステップS7では、ステップS6で作成された黒色背景画像130を表示部100に表示させる。そして、次のステップS8の処理に進む。
【0103】
ステップS8では、端子間隔設定値190が設定されたか否か判定される。端子間隔設定値190が設定された場合はステップS9の処理に進み、端子間隔設定値190が設定されていない場合はステップS8の処理を繰り返す。
【0104】
ステップS9では、入力された端子間隔設定値190が0より大きいか否かが判定される。そして、端子間隔設定値190が0より大きい場合はステップS6の処理に進み、端子間隔設定値190が0である場合はステップS10の処理に進む。
【0105】
ステップS9からステップS6の処理に進んだ場合、端子相当部分124は、端子列ごとに、端子付きコネクタ90に端子Tが配設されている順序で、端子Tの列方向Rに端子間隔設定値190に応じた間隔をあけるようにして整列され、黒色の背景上に合成される(図13参照)。このようにして、端子間隔調節画像140が作成される。さらに、再びステップS7の処理に進み、端子間隔調節画像140が第1検査画像142として表示部100に表示される。
【0106】
ステップS10では、各端子相当部分124から端子幅部分126を抽出する。ここでは、端子列ごとに端子Tが配設されている順序で抽出される。そして、ステップS6の処理に進む。
【0107】
ステップS10からステップS6の処理に進んだ場合、端子幅部分126は、端子列ごとに、端子付きコネクタ90に端子Tが配設されている順序で、端子Tの幅方向に隙間なく整列され、黒色の背景上に合成される(図14参照)。このようにして、端子間隔調節画像140が作成される。さらに、再びステップS7の処理に進み、端子間隔調節画像140が第2検査画像144として表示部100に表示される。
【0108】
上記画像処理部80の処理は、コンピュータ等によりソフト的に実現されてもよいし、専用の電気回路によりハード的に実現されてもよいし、これらの複合的構成により実現されてもよい。
【0109】
そして、作業者は、画像処理部80により表示部100に画像を表示して、一度目の撮像対象の端子Tの一端側部分96の外観検査を行う。より具体的には、作業者は、入力部88を操作して表示部100に端子T同士の間隔をあけた第1検査画像142を表示させて、一端側部分96の一側面96aの幅方向両側に異物105が付着していないかを目視で調べる。また、作業者は、入力部88を操作して表示部100に端子Tの隙間がない第2検査画像144を表示させて、一端側部分96の一側面96aに異物105が付着していないか、及び、擦り傷106がついていないかを目視で調べる。また、作業者は、適宜、詳しく検査したい箇所を、入力部88を通じて指定し、表示部100に拡大表示される指定箇所を観察するとよい。
【0110】
もっとも、外観検査は、作業者の目視により行われるものに限られず、画像処理により自動で行われてもよいし、両者同時に行われてもよい。
【0111】
上記外観検査後、複数の端子Tのうち、一度目の撮像対象以外の端子Tについても、上記と同様にして一端側部分96の一側面96aを撮像し、検査画像を作成して外観検査を行う。もっとも、上記外観検査は、一旦、端子付きコネクタ90に配設されている複数の端子Tを全て撮像した後に、全端子Tを含む検査画像を作成して行われてもよい。また、端子付きコネクタ90に配設されている複数の端子Tを一度に撮像可能である場合は、端子Tの列方向Rで複数箇所に分けて撮像する工程を省略することができる。
【0112】
そして、端子付きコネクタ90に配設されている複数の端子Tの一端側部分96の一側面96aの外観検査を、全て終えると、次に他側面96bの外観検査を行う。より具体的には、第4移動部68により、第2導光部材46を導光位置に移動させる。そして、上記端子Tの一端側部分96の一側面96aと同様にして、他側面96bを撮像して検査画像を作成し、外観検査を行う。
【0113】
そして、端子付きコネクタ90の端子Tの一端側部分96の一側面96a及び他側面96bの外観検査が終了すると、上記と同様にして、次の端子付きコネクタ90について検査を行えばよい。つまり、端子外観検査用観察装置10は、外観検査終了後(撮像終了後でもよい)、初期状態に戻されて次の端子付きコネクタ90をセットされ、撮像、画像作成を行う。
【0114】
以上のように構成された端子外観検査用観察装置10によると、撮像部20が、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bに対向する位置に配設される第1導光部材42または第2導光部材46を通じて、一側面96aまたは他側面96bを撮像可能である。そして、撮像部20により端子Tの一端側部分96の長手方向Lに沿って複数位置で撮像された複数の画像を、画像処理部80により合成して端子Tの一端側部分96の一側面96aの合成画像120を作成している。このため、端子Tの一端側部分96が端子付きコネクタ90の凹部94の奥まった位置にある場合でも、端子Tの一端側部分96を良好に観察することができる。また、顕微鏡等で直接端子付きコネクタ90に配設されている端子Tを観察する場合と比較して、端子Tの状態を高速に確認することが可能となり、検査時間を短縮することができる。
【0115】
また、端子付きコネクタ90に配設される端子Tの列数に応じて第1導光部材42及び第2導光部材46が複数設けられているため、一連の撮像動作で複数列に配設された端子Tの一端側部分96を撮像することができる。
【0116】
また、第1導光部材42と第2導光部材46とを入替可能である。このため、端子Tの一端側部分96の一側面96a側と他側面96b側とで端子付きコネクタ90の構造が異なる場合等、1つの導光部材を一端側部分96の一側面96a側の位置と他側面96b側の位置との両方に配設することが困難な形状の端子付きコネクタ90についても、端子Tの一端側部分96の観察を行うことができる。
【0117】
また、照明部30により端子Tの撮像対象部分に光が照射されている。このため、端子Tの一端側部分96に付着した異物105、一端側部分96の擦り傷106等を、より確実に発見することができる。
【0118】
また、複数の撮像画像102を、端子Tの長手方向Lにおいて、各撮像画像102の輝度安定領域Sを取出して輝度安定領域画像110を合成することにより、端子Tの一端側部分96の一側面96aまたは他側面96bの合成画像120を作成している。このため、作成される合成画像120内の端子Tの一端側部分96は、つなぎ目の画像抜け及び輝度ムラを抑制することができる。つまり、全体として一定以上の輝度を有し、より良好に端子Tの観察を行うことができる。これにより、良品と不良品との見分けが容易になり、検査時間を短縮することができる。また、外観検査の自動化にも優位である。
【0119】
また、表示部100が設けられているため、この表示部100に表示される端子Tの一端側部分96の画像を観察することにより、容易に端子Tの外観検査を行うことができる。
【0120】
また、黒色の背景上に端子相当部分124または端子幅部分126が表示されるため、端子Tの一端側部分96に付着した異物105、擦り傷106等を、容易にかつより確実に発見することができる。
【0121】
また、表示部100に表示される端子Tの間隔を調節することができる。このため、異物105の付着、擦り傷106等、不良の種類ごとに表示方法を変えて観察することにより、容易にかつより確実に端子の不良を発見することができる。特に、端子Tを隙間なく並べると、端子Tの金メッキ及びスズメッキの色が連続するように表示されるため、隣同士の端子Tの状態を画像上で比較し易い。さらに、略同一の色が連続して並ぶため、色相的に異物105、擦り傷106等の異常箇所を浮かび上がらすことができ、不良の判断をし易い。
【符号の説明】
【0122】
10 端子外観検査用観察装置
20 撮像部
30 照明部
40 導光部
60 移動機構部
80 画像処理部
90 端子付きコネクタ
96 一端側部分
96a 一側面
96b 他側面
100 表示部
102 撮像画像
120 合成画像
124 端子相当部分
S 輝度安定領域
T 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタのハウジング本体部に配設された端子のうち、前記ハウジング本体部から露出される一端側部分を観察する端子外観検査用観察装置であって、
撮像部と、
前記端子の一端側部分の一側面と対向する位置に配設可能であると共に、前記端子の一端側部分の一側面からの光線を前記撮像部に導く第1導光部材を有する導光部と、
前記第1導光部材を、前記端子の一端側部分の一側面に対して前記端子の長手方向複数位置で対向させるように、前記導光部を前記端子の長手方向に沿って移動可能な移動機構部と、
画像処理部と、
を備え、
前記画像処理部は、前記撮像部により前記端子の一端側部分の長手方向に沿った複数位置で撮像された複数の画像を合成し、前記端子の一端側部分の一側面の合成画像を作成する端子外観検査用観察装置。
【請求項2】
請求項1記載の端子外観検査用観察装置であって、
前記導光部は、前記複数の端子の一端側部分の一側面の反対側の他側面と対向する位置に配設可能であると共に、前記他側面からの光線を前記撮像部に導く第2導光部材をさらに有し、
前記移動機構部は、前記第1導光部材と前記第2導光部材とを、前記端子の一端側部分の長手方向先端側位置であって、前記端子の長手方向に沿った移動により前記端子の一端側部分と対向して配設可能な位置に選択的に配設可能である、端子外観検査用観察装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の端子外観検査用観察装置であって、
前記画像処理部は、前記撮像部により撮像された前記複数の画像を、前記端子の長手方向において、各画像のうち輝度が予め設定された閾値以上である輝度安定領域を取り出して合成し、前記端子の一端側部分の一側面の前記合成画像を作成する、端子外観検査用観察装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の端子外観検査用観察装置であって、
前記画像処理部は、前記合成画像のうち端子相当部分を取り出して黒色の背景上に合成する端子外観検査用観察装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の端子外観検査用観察装置であって、
前記画像処理部は、前記合成画像のうち端子相当部分を取り出して設定値に応じた間隔で整列する端子外観検査用観察装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−33520(P2011−33520A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181352(P2009−181352)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】