説明

端子金具付き電線、及び端子金具

【課題】筒状の止水被覆を被せて位置決めしやすく防水性に優れる端子金具付き電線の提供。
【解決手段】本発明の端子金具付き電線1は、電線2、端子金具3及び筒状の止水被覆5を備える。電線2の末端部分は芯線21が絶縁層22から露出しており、その芯線21部分が端子金具3の底板31上に載せられワイヤーバレル32で圧着される。芯線21の先側には余地部分36があり、この余地部分36の底板31における両縁に、起立するように細長く延びた突起部38が設けられている。この突起部38は、余地部分36から後側の端子金具3を、露出した芯線21の根元の絶縁層と共に包囲するために被せられる前記止水被覆を突き刺している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具付き電線、及び端子金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子金具付き電線として特許文献1に記載のものが知られている。この端子金具付き電線は、芯線の外周を絶縁層で被覆した電線と、絶縁層から露出する芯線に接続された端子金具とを備える。前記芯線の接続部分は、端子金具が備えているワイヤーバレルによって圧着されている(かしめられている)。
【0003】
前記端子金具付き電線は、例えば、自動車のエンジンルーム内で用いられている。特許文献1等に記載されているように、通常、エンジンルーム内には、水が浸入し得るため、端子金具と電線との接続部分に水が接触する虞がある。前記接続部分に水が接触すると、金属材料からなる前記端子金具及び前記芯線は腐蝕してしまう。例えば、前記端子金具が銅からなり、前記芯線がアルミニウムからなる場合等の、互いに異なる金属部材同士が接続している場合は、特に腐蝕しやすい。そのため、特許文献1に記載の端子金具付き電線は、前記接続部分の周囲に熱収縮チューブを被せている。このように熱収縮チューブを被せることによって、前記端子金具付き電線の前記接続部分に、その周囲から水が滲み込まないようにしている。
【0004】
なお、前記熱収縮チューブは、熱収縮させる前(つまり、加熱処理前)の状態で、前記端子金具と前記電線との接続部分に被せられている。その際、この未加熱の熱収縮チューブは、前記接続部分を包囲できるように位置が調節されながら被せられている。このように位置が調節された(つまり、位置決めされた)状態で、前記熱収縮チューブは加熱処理されている。この加熱処理によって前記熱収縮チューブは、熱収縮して前記接続部分に対して密着し、前記電線に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−285983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記端子金具付き電線に被せて位置決めした後に、前記熱収縮チューブの位置がずれてしまうことがあり、問題となっている。未加熱の状態では、前記熱収縮チューブの内径はある程度大きく設定されている。そのため、前記熱収縮チューブは、位置決めされても前記熱収縮チューブと前記接続部分との間に隙間があるため、前記接続部分から位置ずれやすくなっている。
【0007】
また、位置決めして被せた未加熱の熱収縮チューブがその状態である程度伸縮性を有しており、前記接続部分に対して密着している場合であっても、時間が経過すると、前記熱収縮チューブ自身の弾性力(復元力)等によって、前記熱収縮チューブが自然に動いてずれてしまうことがある。前記加熱処理は、前記熱収縮チューブを被せた直後に行われることもあるが、ある程度時間を置いてから行われることもある。そのため、上記のような熱収縮チューブの位置ずれが問題となっている。
【0008】
また、前記熱収縮チューブを被せた前記電線を移動させる場合等に、前記熱収縮チューブが周囲の物と接触等して力を受け、その結果位置がずれてしまうこともある。
【0009】
したがって、一旦、位置決めして被せた前記熱収縮チューブは、前記接続部分から位置ずれしないことが望まれている。また、この種の端子金具付き電線で用いられている前記熱収縮チューブ以外のチューブ状の被覆部材についても、同様に、前記端子金具付き電線に被せて位置決めした後は、位置ずれしないことが望まれている。
【0010】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、筒状の止水被覆を被せて位置決めしやすく、かつ防水性に優れる端子金具付き電線、及び前記電線に取り付けられる端子金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る端子金具付き電線は、芯線と、この芯線の末端が露出するように前記芯線の外周を被覆する絶縁層とを有する電線と、内側に溝ができるように両縁が立ちつつ軸方向に沿って延び、先側に余地部分ができるように前記芯線の末端が載せられる底板と、この底板の両縁に延設された一対のワイヤーバレルと、前記底板の先側に延設され相手側と接続される先端部とを有し、前記ワイヤーバレルが前記底板上の芯線を抱きかかえるように前記芯線に圧着されて前記電線に取り付けられる端子金具と、前記余地部分から後側の前記端子金具を、露出した前記芯線の根元の絶縁層と共に包囲するために被せられる筒状の止水被覆と、を備える端子金具付き電線であって、前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有し、前記突起部が、前記止水被覆を突き刺していることを特徴とする。
【0012】
前記端子金具付き電線は、前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有しており、その突起部が前記止水被覆を突き刺しているため、前記止水被覆が前記突起部を利用して位置決めされる。
【0013】
前記端子金具付き電線において、前記突起部は、前記止水被覆を突き刺した状態で前記止水被覆を押え付けるように折り倒されていることが好ましい。このように前記突起部が折り倒されていると、前記止水被覆が前記突起部から外れて位置ずれすることが抑制される。また前記突起部が折り倒されていると、前記突起部が周囲の物等に対して不要に引っ掛かることが抑制される。
【0014】
前記端子金具付き電線において、前記端子金具は、前記余地部分の前記底板における両縁に、前記突起部の後側に隣接しかつ前記突起部の先端に向かって傾斜した案内部を有することが好ましい。このように案内部が設けられていると、前記止水被覆を前記突起部の先端まで導きやすい。
【0015】
前記端子金具付き電線において、前記案内部が前記止水被覆内で折り倒されていることが好ましい。このように前記案内部が前記止水被覆内で折り倒されていると、前記案内部が前記止水被覆の外側にはみ出すことが抑制され、また外径が太くなることも抑制される。
【0016】
前記端子金具付き電線において、前記端子金具の前記余地部分に、前記溝を塞ぎかつ前記止水被覆内に収容され、外面が前記止水被覆の内面と密着する止水壁が設けられていることが好ましい。このような止水壁が設けられていると、端子金具の先側から伝って移動してくる水が前記止水壁によって堰きとめられる。そのため、前記端子金具と前記電線との接続部分に水が浸入することが抑制される。
【0017】
前記端子金具付き電線において、前記端子金具は、前記電線の前記絶縁層を保持するインシュレーションバレルを備える構成にしてもよい。
【0018】
前記端子金具付き電線において、前記芯線を構成する金属と、前記端子金具を構成する金属とが異なるように構成してもよい。
【0019】
前記端子金具付き電線において、前記止水被覆の内周面には接着層又は粘着層が形成されていることが好ましい。このように内周面上に前記接着層又は粘着層が形成されていると、前記止水被覆を、前記電線及び前記端子金具の接続部分に対して容易に密着させることができる。
【0020】
前記端子金具付き電線において、前記止水被覆が熱収縮チューブからなる構成にしてもよい。
【0021】
本発明に係る端子金具は、芯線と、この芯線の末端が露出するように前記芯線の外周を被覆する絶縁層とを有する電線の末端に取り付けられ、かつ前記電線との接続部分に筒状の止水被覆が被せられる端子金具であって、内側に溝ができるように両縁が立ちつつ軸方向に沿って延び、先側に余地部分ができるように前記芯線の末端が載せられる底板と、この底板の両縁に延設され、前記底板上の芯線を抱きかかえるように前記芯線に圧着される一対のワイヤーバレルと、前記底板の先側に延設され相手側と接続される先端部とを備え、前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有することを特徴とする。
【0022】
前記端子金具は、前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有するため、この突起部を利用して前記止水被覆を位置決めできる。
【0023】
前記端子金具において、前記余地部分の前記底板における両縁に、前記突起部の後側に隣接するように設けられ、前記突起部に向かうように傾斜した案内部を有することが好ましい。このように案内部が設けられていると、前記止水被覆を前記突起部の先端まで導きやすい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、筒状の止水被覆を被せて位置決めしやすく、かつ防水性(止水性)に優れる端子金具付き電線、及び前記電線に取り付けられる端子金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1に係る端子金具付き電線の斜視図
【図2】端子金具付き電線の側面図
【図3】端子金具付き電線の要部切欠断面図
【図4】止水壁に用いられる樹脂加工物の斜視図
【図5】端子金具の底板上に立設された止水壁の断面図
【図6】複数個の端子金具片が並ぶようにキャリアに対して接続された状態を示す平面図
【図7】樹脂加工物が取り付けられた端子金具片が加熱処理される工程が示される説明図(平面図)
【図8】端子金具の底板上に電線が載置される工程が示される説明図(斜視図)
【図9】底板上に電線が載置された端子金具の平面図
【図10】ワイヤーバレル及びインシュレーションバレルが圧着されて端子金具が取り付けられた電線の平面図
【図11】端子金具が取り付けられた電線に、未加熱の熱収縮チューブが被せられた状態が示される説明図(斜視図)
【図12】端子金具が取り付けられた電線に、未加熱の熱収縮チューブが被せられた状態を示す要部切欠断面図
【図13】熱収縮チューブの周縁部に突起部が突き刺さった状態を示す説明図(斜視図)
【図14】熱収縮チューブの周縁部が突起部に突き刺さった状態を示す要部切欠断面図
【図15】熱収縮チューブに突き刺さった突起部が折り倒された状態を示す説明図(斜視図)
【図16】実施形態2に係る端子金具付き電線の要部切欠断面図
【図17】実施形態3に係る端子金具の斜視図
【図18】実施形態3に係る端子金具に止水被覆が被せられた端子金具付き電線の要部切欠断面図
【図19】実施形態3に係る端子金具を備えた端子金具付き電線の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態1>
本発明の実施形態1に係る端子金具付き電線1を、図1ないし図15を参照しつつ説明する。図1等に示されるように、端子金具付き電線1は、電線2と、この電線2の末端に取り付けられる端子金具3と、この端子金具3に取り付けられる止水壁4と、この止水壁4と共に、前記電線2及び前記端子金具3の接続部分を包囲するように被せられる筒状の止水被覆5とを備える。
【0027】
(電線2)
電線2は、図2等に示されるように、複数本の金属細線を撚り合せてなる1本の芯線21と、この芯線21の外周を被覆する合成樹脂製の絶縁層22とを備える。芯線21を構成する材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。本実施形態においては、芯線21の材料として、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。電線2の末端部分の絶縁層22は除去されている。そのため、芯線21の末端部分は絶縁層22で覆われておらず、露出している。なお、他の実施形態においては、芯線21は単芯線であってもよい。
【0028】
(端子金具3)
端子金具3は、所謂、雌型であり、相手側の雄型端子(不図示)と接続される。この端子金具3は、例えば、金属板材を所定形状にプレス加工することによって得られる。端子金具3を構成する金属材料としては、例えば、銅、銅合金等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。なお、本実施形態の端子金具3を構成する金属板材の表面には、メッキ層(不図示)が形成されている。メッキ層を構成する金属としては、例えば、スズ、ニッケル等が挙げられ、必要に応じて任意の金属材料の中から適宜選択される。本実施形態においては、端子金具3を構成する金属材料(銅又は銅合金)の表面にスズメッキ層が形成されている。他の実施形態においては、メッキ層が形成されていない金属板材を、端子金具3の材料として用いてもよい。
【0029】
端子金具3は、底板31と、ワイヤーバレル32と、先端部33と、インシュレーションバレル34と、突起部38とを備える。
【0030】
底板31は、内側に溝35ができるように両縁が立ちつつ電線2の軸方向に沿って延びた形状を有する。底板31は、その底面が湾曲しており、断面が略U字状になっている。前記溝35に納まるように、電線2の露出した芯線21の末端部分と、この芯線21における根元の絶縁層22とが共に、底板31上に載せられる。なお、底板31の先側には、前記芯線21が載せられていない部分(領域)36がある。つまり、露出した芯線21の末端部分は、底板31の先側に余地(スペース)ができるように載せられる。本明細書において、この部分36を、特に余地部分と称する。なお、後述するように、この余地部分36の一部に止水壁4が設けられる。
【0031】
前記芯線21が載せられる部分における底板31の両縁には、互いに向かい合う一対のワイヤーバレル32が設けられている。このワイヤーバレル32は板片状であり、端子金具3が電線2に取り付けられる前は、前記底板31の両縁から立ち上がるように設けられている。このワイヤーバレル32は、端子金具3が電線2に取り付けられる際に、底板31上の芯線21を抱きかかえるように前記芯線21に対して圧着される(かしめられる)。
【0032】
また、前記根元の絶縁層22が載せられる部分における底板31の両縁には、互いに向かい合う一対のインシュレーションバレル34が設けられている。このインシュレーションバレル34は、前記ワイヤーバレル32よりも幅が細い板片状であり、端子金具3が電線2に取り付けられる前は、前記ワイヤーバレル32と同様、前記底板31の両縁から立ち上がるように設けられている。このインシュレーションバレル34は、底板31上に載せられている前記根元の絶縁層22を抱きしめるようにして前記絶縁層22に圧着される(かしめられる)。
【0033】
先端部33は、前記底板31の先側に延設されており、断面が略正方形である筒状の接続筒部331を有する。この接続筒部331内には、相手側の雄型端子金具(不図示)と弾性的に接触する弾性接触片332(図9参照)が設けられている。
【0034】
突起部38は、前記余地部分36における前記底板31の両縁に、起立するように細長く延びるように設けられている。これらの突起部38は、共に先端が尖っており、略同じ高さに設定されている。突起部38の高さは、端子金具3に被せられる筒状の止水被覆の大きさ(内径)等を考慮して、適宜設定される。突起部38は、余地部分36の中でも、止水壁4が立設される場所よりも先側(先端部33側)の縁部分に設けられている。この突起部38は、止水被覆5の周縁部(開口端部51)を内側から外側に向けて突き刺さるように構成されている。このように突起部3が止水被覆5を突き刺すことにより、止水被覆5が端子金具3等に対して位置決めされる。
【0035】
突起部38は、止水被覆5を突き刺した状態で、所定の治具(不図示)を利用して、根元から前記止水被覆5を上側から押え付けるように折り曲げられる(折り倒される)。図1等に示されるように、突起部38は両縁側から互いに近付くように、底板31の内側に向けて折り倒される。このように折り倒されることによって、止水被覆5が突起部38から外れて(抜けて)位置ずれすることが抑制される。また、突起部38が周囲の物等に対して不要に引っ掛かることが抑制される。
【0036】
(止水壁4)
止水壁4は、図4に示されるような、所定形状に加工された樹脂加工物41を用いて製造される。本実施形態の樹脂加工物41は、略円柱状であり、前記余地部分36における底板31の内側に嵌るような形状に加工されている。この樹脂加工物41に使用される樹脂材料としては、例えば、対金属良接着性エラストマー(商品名:ペルプレン(登録商標)、東洋紡績株式会社)が挙げられる。この樹脂材料は、適度な剛性(弾性)を備えると共に、加熱処理によって金属に対して接着性を発現する。この樹脂材料からなる樹脂加工物41は、所定温度で加熱処理すると、全体としては形状(剛性)を維持しつつも、表面から溶融した液状の樹脂材料が滲み出してくる。この滲み出してきたもの(熱可塑性接着剤)が、金属に対して接着性を有する。例えば、前記樹脂材料における母材部分の融点は170℃程度であり、上記のように滲み出してくる部分(熱可塑性接着剤)の融点は120℃程度である。なお、常温(室温)下では、前記樹脂加工物41は、金属に対して接着性はなく、取り扱いやすい。このような樹脂加工物41は、例えば、前記樹脂材料を、押出成形装置を利用して細長い円柱状の成形物に押出成形し、その成形物を所定の大きさに切り分けることによって得られる。
【0037】
前記樹脂加工物41は、前記余地部分36における底板31の内側(つまり、溝35)に嵌め込まれる。前記底板31(余地部分36)における溝35の幅は、断面が略円形である樹脂加工物41の直径よりも、若干小さくなるように設定されている。このような幅(溝幅)に設定されている前記底板31の内側(溝35)に対して、樹脂加工物41が嵌め込まれて(圧入されて)取り付けられる。このように取り付けられた樹脂加工物41は、前記底板31の内側において、前記溝35を塞ぐように立設している。樹脂加工物41は適度な弾性を有しており、前記底板31の内側から外側に向かって押し返すようにして、前記底板31の内側表面361に密着している。なお、樹脂加工物41を端子金具3に取り付ける作業は、前記端子金具3に電線2を取り付ける前に行ってもよいし、前記端子金具3に電線2を取り付けた後に行ってもよい。
【0038】
前記余地部分36における底板31の内側に嵌め込まれた樹脂加工物41は、その後、端子金具3と共に加熱処理(第1加熱処理)される。この加熱処理は、樹脂加工物41の外周面42と、前記余地部分36における底板31の内側表面(金属表面)361とを隙間なく密着させるために行われる。上述したように、本実施形態の樹脂加工物41は、所定温度(例えば、120℃)で加熱されると表面から溶融した液状の樹脂材料(熱可塑性接着剤)が滲み出してくる。この滲み出してきた樹脂材料が、加熱処理時に樹脂加工物41の外周面42と、前記底板31の内側表面361との間に入り込み、それらの間を液密的に塞ぐことになる。加熱処理後、前記液状の樹脂材料は冷え固まり、その結果、樹脂加工物41は、前記底板31に対して隙間なく密着した状態で固定され、止水壁4となる。
【0039】
なお、図5に示されるように、止水壁4は、その一部が上側に向かって前記溝35からはみ出しており、露出している。この露出した部分は、後述するように、最終的に筒状の止水被覆5によって覆われる。
【0040】
(止水被覆5)
止水被覆5は、筒状(チューブ状)であり、前記余地部分36から後側の前記端子金具3を、露出した前記芯線21の根元の絶縁層22と共に包囲するために被せられる。つまり、止水被覆5の先側の開口端部(周縁部)51は、止水壁4よりも先側に配置している。そして、上述したように、止水被覆5の開口端部(周縁部)51には、端子金具3の突起部38が内側から外側に向けて突き刺さっている。
【0041】
上記のように、止水被覆5の開口端部51が配置しているため、止水壁4は止水被覆5内に完全に収容されている。止水壁4の前記溝35からはみ出した部分の外面(外周面)は、止水被覆5の内面(内周面)と密着している。そして、止水壁4を受け支えている部分の底板31も、その外面が止水被覆5の内面と密着している。これに対して、止水被覆5の後側の開口端部52は、芯線21の根元の絶縁層22(絶縁層22の端部)を取り囲むように、前記絶縁層22と密着している。
【0042】
本実施形態において、止水被覆5は、端子金具3と電線2との接続部分を外側から締付けるように密着している。つまり、筒状の止水被覆5によって、止水壁4と、露出した芯線21と、止水壁4が設けられている部分よりも後側部分の端子金具3(つまり、ワイヤーバレル32、インシュレーションバレル34、底板31)と、絶縁層22の端部とが、包囲されるように覆われている。
【0043】
本実施形態の止水被覆5は、所謂、熱収縮チューブからなり、加熱処理(第2加熱処理)によって収縮する合成樹脂材料からなる。なお、止水被覆5の内周面(内面)には、図示されない接着層又は粘着層が形成されている。前記接着層又は粘着層は、加熱されて軟化又は溶融することにより、接着性又は粘着性を発現する。接着層又は粘着層に用いられる接着剤又は粘着剤としては、この種の電線1で利用される公知のものを適用できる。なお、他の実施形態においては、止水被覆5の内周面に、前記接着層又は粘着層を設けない構成としてもよい。
【0044】
(製造工程)
次いで、本実施形態に係る端子金具付き電線1の製造工程の一例を示す。先ず、金属板材に対して打ち抜き工程を施すことにより、帯状をなすキャリア300と、このキャリア300の側縁に連結された複数個の端子金具片30とを形成する。つまり、複数個の端子金具30が一括してキャリア300に接続されている。キャリア300には、長手方向に沿って略等間隔に並んだ送り孔301が形成されている。送り孔301としては、略円形状のものと、略矩形状のものとが交互に並べられている。この送り孔301は、加工機(不図示)に設けられた送り爪(不図示)が係合するように設定されている。
【0045】
キャリア300には、複数個の端子金具片30が、長手方向に沿って略等間隔に並ぶように連結している。この端子金具片30は、打ち抜かれた直後は平板状であり、端子金具3を構成する各部分(底板31、ワイヤーバレル32、インシュレーションバレル34、先端部33及び突起部38)に対応するように設けられている。
【0046】
この打ち抜き工程において、ワイヤーバレル32が延設されている部分の底板31上に、複数個の凹部37を形成してもよい。この凹部37は、略四角形状(略平行四辺形状)であり、芯線21(電線2)の延びる方向と略直行する一対の第1辺と、芯線21(電線2)の延びる方向と90°よりも小さな角度で交差する一対の第2辺とからなる。隣り合う凹部37同士は、第1辺同士が直線状に並び、かつ第2辺同士も直線状に並ぶように配置されている。このような凹部37によって、電気抵抗値の低下を抑制しつつ、ワイヤーバレル32と芯線21との固着力を高めることができる。なお、これらの凹部37は、打ち抜き工程とは別の工程において、形成されてもよい。
【0047】
打ち抜き工程後の金属板材に対して、曲げ工程が施される。この曲げ工程によって、端子金具片3が立体的に形が整えられて、図6に示されるような、端子金具3となる。
【0048】
次いで、キャリア300に形成されている送り孔301に、送り爪(不図示)を係合させて、順次、端子金具片30(端子金具3)を送りながら、各端子金具片30の余地部分36における底板31の内側(溝35)に、予め所定形状に加工された樹脂加工物41(図4等参照)を、組立機によってそれぞれ圧入する(嵌め込む)。前記樹脂加工物41は、金属に対して接着性を有する所定の樹脂材料を、押出成形装置を利用して細長い円柱状の成形物に押出成形し、その成形物を所定形状(つまり、前記余地部分36における前記底板31の内側に嵌って前記溝35を塞ぐような形状)に切り分けることによって得られる(樹脂加工物製造工程)。なお、樹脂加工物41を前記底板31の内側に嵌め込む間は、キャリア300の移動は停止される。嵌め込み後に、前記キャリア300の移動が再開される。
【0049】
樹脂加工物41が嵌め込まれた端子金具片30(端子金具3)には、加熱処理工程(第1加熱処理工程)が施される。この加熱処理工程において、樹脂加工物41から、金属に対して接着性を有する熱可塑性接着剤が滲み出し、その滲み出した熱可塑性接着剤によって、樹脂加工物41が前記底板31に対して隙間なく密着する。図7に示されるように、樹脂加工物41が嵌め込まれた端子金具片30(端子金具3)は、順次、加熱装置6内に送られる。この加熱装置6内を通過する間に、前記加熱処理工程が施される。このようにして、複数個の端子金具片30(端子金具3)に対して、連続的に加熱処理工程が施される。
【0050】
加熱処理工程後の端子金具片30(端子金具3)は、その底板31上に、電線2の末端部分が載せられる(図8参照)。電線2の末端部分は、予め芯線21が露出するように、絶縁層22が除去されている。この際、露出した芯線21部分は、ワイヤーバレル32が形成されている部分の底板31上に載せられる。そして、前記芯線21の根元の絶縁層22(絶縁層の端部)は、インシュレーションバレル34が形成されている部分の底板31上に載せられる。なお、前記芯線21の先側には、余地部分36があり、その余地部分36における底板31上に止水壁4が立設されている(図9参照)。そして、止水壁4よりも前側の余地部分36において、その底板31の両縁に、それぞれ突起部38が配置されている。
【0051】
上記のように、端子金具3の底板31上に電線2の末端部分を載せた後、圧着装置(不図示)を利用して、端子金具3のワイヤーバレル32及びインシュレーションバレル34が圧着される(圧着工程)。ワイヤーバレル32は、芯線21に対して圧着され、インシュレーションバレル34は、絶縁層22の端部に対して圧着される(図10参照)。なお、一対のインシュレーションバレル34は、先側が重ねられた状態で圧着される。
【0052】
本実施形態においては、上記圧着工程において、キャリア300から端子金具片30を切り離す切断工程が、同時に行われる。このように端子金具3が電線2に対して圧着され、かつ端子金具3(端子金具片30)がキャリア300から切り離されると、末端に端子金具3が取り付けられた電線2が得られる(図10参照)。
【0053】
次いで、図11及び図12に示されるように、熱収縮チューブからなる未加熱状態の筒状の止水被覆5が、前記電線2と前記端子金具3との接続部分を包囲するように被せられる。この際、止水被覆5の先側の開口端部51は、突起部38を覆うように配置される。前記止水被覆5は、端子金具3側から挿通させて被せられてもよいし、電線2側から挿通させて被せられてもよい。なお、電線2側から被せられる場合、上記圧着工程の前に、予め電線2に止水被覆5を挿通させておくことが好ましい。未加熱状態における止水被覆(熱収縮チューブ)5の内径は、前記電線2と前記端子金具3との接続部分よりも大きく設定されている。
【0054】
次いで、図13及び図14に示されるように、止水被覆5の周縁部(開口端部51)が押し下げられ、その部分が突起部38によって突き刺される。このように、突起部38が止水被覆5に突き刺さることによって、止水被覆5が端子金具3等に対して位置決めされる。なお、止水被覆5の位置は、熱収縮量を考慮して、適宜、設定される。
【0055】
次いで、図15に示されるように、突起部38が止水被覆5を上側から押え付けるように折り倒される。突起部38を折り倒す際、所定の治具(不図示)を利用して、前記突起部38に力が加えられる。
【0056】
上記のように位置決めされ、突起部38が折り倒された後、熱収縮チューブ(止水被覆)5が被せられた電線2及び端子金具3は、図示されない加熱装置内で加熱処理工程(第2加熱処理工程)が施される。この加熱処理工程において、前記熱収縮チューブからなる止水被覆5が熱収縮し、そして止水被覆5の内周面上に形成されている接着層(不図示)が接着性を発現する。その結果、止水被覆5の内面(内周面)が前記電線2及び端子金具3の接続部分に対して、その表面形状に対応して隙間なく密着する(図3等参照)。
【0057】
以上の製造工程によって、前記接続部分が筒状の止水被覆5で包囲された端子金具付き電線1が得られる。このようにして得られた前記電線1は、止水壁4及び止水被覆5を備えるため防水性に優れる。特に、端子金具3の先側(先端部33側)から水が伝ってきても、底部31の先側(余地部分36)における溝35に前記止水壁4が立設されており、かつこの止水壁4とこの止水壁4を受け支える部分の底板31とが前記止水被覆5(開口端部51)で取り囲まれているため、前記止水壁4よりも後側に水が浸入することが抑制される。
【0058】
なお、熱収縮チューブからなる筒状の止水被覆5は、前記加熱処理工程(第2加熱処理工程)の前に、突起部38によって位置決め(仮止め)されるため、熱収縮チューブの位置ずれ、熱収縮チューブの離脱等が抑制される。また、突起部38は上記のように折り倒されているため、突起部38が周囲の物等に対して不要に引っ掛かることが抑制される。
【0059】
<実施形態2>
図16を参照しつつ、実施形態2に係る端子金具付き電線1Aについて説明する。本実施形態の端子金具付き電線1Aの基本的な構造は、上記実施形態1の端子金具付き電線1と同様である。そのため、同じ構造について同符号を付し、その詳細説明は省略する。本実施形態の端子金具付き電線1Aは、止水壁4Aが、端子金具3の底板31に対して、モールド(樹脂モールド)成形によって設けられている点が、上記実施形態1のものと異なっている。この止水壁4Aは、余地部分36における底板31を包むように設けられている。つまり、前記底板31の内側のみならず外側にも、止水壁4Aの一部が存在している。この止水壁4Aも、上記実施形態1と同様、筒状の止水被覆5内に完全に収容されている。なお、止水壁4Aは、電線2の軸方向からみた場合、略円形状であり、その外周面が止水被覆5の内周面と密着している。本発明の端子金具付き電線は、このような形態の止水壁4Aを備えるものであってもよい。
【0060】
<実施形態3>
図17ないし図19を参照しつつ、実施形態3に係る端子金具付き電線1Bについて説明する。図17には、本実施形態で用いられる端子金具3Aが示されている。この端子金具3Aは、上記実施形態1の端子金具3対して、更に案内部39が設けられたものである。この案内部39は、端子金具3Aの余地部分36における底板31の両縁に、突起部38の後側に隣接するように突設されている。これらの案内部39は前記縁から、突起部38の先端に向かって傾斜するように細長く延びている。図17等に示されるように、案内部39の根元と、突起部38の根元とは互いに離れており、かつ案内部39の先端は、突起部38の先端と互いに近付くように配置している。本実施形態において、案内部39の高さは、突起部38の高さと略同じに設定されている。前記案内部39は、例えば、金属板材を打ち抜き加工して端子金具3Aを形成する際に設けられる。
【0061】
案内部39は、止水被覆5の先側の開口端部51(周縁部)を、突起部38の先端まで移動させる際に利用される(図18参照)。例えば、止水被覆5の内径が比較的小さく設定されている場合、その周縁部(開口端部51)を持ち上げて、突起部38の先端上に載せる(被せる)ことが難しくなることがある。このような場合、本実施形態のように端子金具3Aに案内部39が設けられていると、止水被覆5は、傾斜した案内部39上を伝うように移動でき、突起部38の先端まで導かれる。したがって、案内部39が設けられていることによって、止水被覆6の周縁部を、容易に突起部38に被せることができる。
【0062】
また、図18に示されるように、端子金具3Aの上方に配置させた治具7を利用して、止水被覆5の上から案内部39を押圧して、止水被覆5内で前記案内部39を押し倒してもよい。この治具7は、所定の幅(大きさ)に設定された金属製の棒からなり、端子金具3Aの両縁に設けられている2つの案内部39を同時に押圧する。押圧された案内部39は、端子金具3Aの溝35内に向けて、その根元から折り曲げられる。このように案内部39が筒状の止水被覆5内で折り倒されていると、案内部39が前記止水被覆5を押し上げて(場合によっては前記止水被覆5を突き破って)、前記止水被覆5の外側にはみ出すことが抑制される。また、案内部39を覆っている部分の止水被覆5の外径が太くなることも抑制される。他の実施形態においては、案内部39を最終的に折り倒さなくてもよい。
【0063】
なお、案内部39を折り倒す際に、突起部38上の止水被覆5も前記治具7によって押し下げられる。その際に、突起部38の尖った先端が、止水被覆5の周縁部(開口端部51)を突き刺す(突き通す)ことになる。本実施形態においても、突起部38は、上記実施形態1の場合と同様、止水被覆5に突き刺さることによって、止水被覆5を位置決めする。また、止水被覆5を突き刺した状態の突起部38は、上記実施形態1の場合と同様、止水被覆5を上側から押え付けるように折り倒される。その後、熱収縮チューブからなる止水被覆5を加熱処理することによって、図19に示されるような、端子金具3Aと電線2との接続部分が止水被覆5で覆われた端子金具付き電線1Aが得られる。
【0064】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
(1)上記実施形態において、突起部38は、余地部分36における底板31の両縁にそれぞれ1つずつ設けられていたが、他の実施形態においては、例えば、片側の縁にのみ突起部38が設けられる構成であってもよい。
【0066】
(2)上記実施形態において、突起部38は、止水被覆5を突き刺した後、折り倒されていたが、他の実施形態においては、折り倒さずにそのまま残してもよいし、或いは、止水被覆5を突き刺した状態で、その止水被覆5から露出している先側部分を、ニッパー等の工具で切り落としてもよい。
【0067】
(3)上記実施形態においては、端子金具3がインシュレーションバレル34を備えていたが、他の実施形態においては、インシュレーションバレル34を備えていない構成であってもよい。
【0068】
(4)上記実施形態においては、止水被覆5の後側の開口端部52は、絶縁層22を取り囲むように密着していたが、他の実施形態においては、例えば、電線2に外嵌させた樹脂製のリングを介して、前記開口端部52を密着させてもよい。
【0069】
(5)上記実施形態においては、端子金具3が所謂、雌型であったが、他の実施形態においては、雄型であってもよいし、丸型端子(所謂、LA端子)であってもよい。つまり、端子金具3の形状は、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0070】
(6)上記実施形態において、止水壁4(樹脂加工物41)の形状が、円柱状であったが、他の実施形態においては、断面が楕円形状、長円形状、四角形状等の柱状物であってもよい。つまり、止水壁4の形状は、端子金具3における底板31の内側形状に応じて、適宜、選択すればよい。
【0071】
(7)上記実施形態において、止水被覆5は、予め筒状に成形されたものが利用されていたが、他の実施形態においては、例えば、シート状の止水テープを、前記電線2及び前記端子金具3の接続部分に対して巻きつけて筒状に形成されたものを用いてもよい。
【0072】
(8)上記実施形態において、止水壁4(樹脂加工物41)を端子金具3の底板31上に密着させるための加熱処理(第1加熱処理)と、熱収縮チューブからなる止水被覆5を熱収縮させるための加熱処理(第2加熱処理)とを別々に行っていたが、他の実施形態においては、これらの加熱処理工程を同時に行ってもよい。
【0073】
(9)上記実施形態においては、端子金具3を電線2に対して圧着する圧着工程と、キャリアから端子金具片30(端子金具3)を切り離す切断工程とが、同時に行われていたが、他の実施形態においては、前記圧着工程を行う前に前記切断工程を行ってもよいし、前記切断工程を行った後に前記圧着工程を行ってもよい。
【0074】
(10)上記実施形態において、止水被覆5として熱収縮チューブを利用していたが、他の実施形態においては、例えば、ゴムチューブ等の弾性を有する筒状部材を止水被覆5として利用してもよい。
【0075】
(11)上記実施形態において、樹脂加工物41は、所定の樹脂材料を押出成形することによって製造していたが、他の実施形態においては、例えば、Tダイを利用して前記樹脂材料をシート状に成形(シート成型)し、このシート状成型物を打ち抜き加工して、所定形状の樹脂加工物を製造してもよい。
【0076】
(12)上記実施形態において、止水壁4(樹脂加工物41)の材料として、対金属良接着性エラストマーを用いていたが、他の実施形態においては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン等の、公知の樹脂材料の中から目的(例えば、要求される止水壁の止水性能)に応じて適宜選択すればよい。
【符号の説明】
【0077】
1,1A,1B…端子金具付き電線
2…電線
21…芯線
22…絶縁層
3,3A…端子金具
31…底板
32…ワイヤーバレル
33…先端部
34…インシュレーションバレル
35…溝
36…余地部分
37…凹部
38…突起部
39…案内部
4…止水壁
5…止水被覆(熱収縮チューブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線と、この芯線の末端が露出するように前記芯線の外周を被覆する絶縁層とを有する電線と、
内側に溝ができるように両縁が立ちつつ軸方向に沿って延び、先側に余地部分ができるように前記芯線の末端が載せられる底板と、この底板の両縁に延設された一対のワイヤーバレルと、前記底板の先側に延設され相手側と接続される先端部とを有し、前記ワイヤーバレルが前記底板上の芯線を抱きかかえるように前記芯線に圧着されて前記電線に取り付けられる端子金具と、
前記余地部分から後側の前記端子金具を、露出した前記芯線の根元の絶縁層と共に包囲するために被せられる筒状の止水被覆と、を備える端子金具付き電線であって、
前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有し、
前記突起部が、前記止水被覆を突き刺していることを特徴とする端子金具付き電線。
【請求項2】
前記突起部は、前記止水被覆を突き刺した状態で前記止水被覆を押え付けるように折り倒されていることを特徴とする請求項1に記載の端子金具付き電線。
【請求項3】
前記端子金具は、前記余地部分の前記底板における両縁に、前記突起部の後側に隣接しかつ前記突起部の先端に向かって傾斜した案内部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端子金具付き電線。
【請求項4】
前記案内部が前記止水被覆内で折り倒されていることを特徴とする請求項3に記載の端子金具付き電線。
【請求項5】
前記端子金具の前記余地部分に、前記溝を塞ぎかつ前記止水被覆内に収容され、外面が前記止水被覆の内面と密着する止水壁が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
【請求項6】
前記端子金具は、前記電線の前記絶縁層を保持するインシュレーションバレルを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
【請求項7】
前記芯線を構成する金属と、前記端子金具を構成する金属とが異なる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
【請求項8】
前記止水被覆の内周面には接着層又は粘着層が形成されている請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
【請求項9】
前記止水被覆が熱収縮チューブからなる請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の端子金具付き電線。
【請求項10】
芯線と、この芯線の末端が露出するように前記芯線の外周を被覆する絶縁層とを有する電線の末端に取り付けられ、かつ前記電線との接続部分に筒状の止水被覆が被せられる端子金具であって、
内側に溝ができるように両縁が立ちつつ軸方向に沿って延び、先側に余地部分ができるように前記芯線の末端が載せられる底板と、この底板の両縁に延設され、前記底板上の芯線を抱きかかえるように前記芯線に圧着される一対のワイヤーバレルと、前記底板の先側に延設され相手側と接続される先端部とを備え、
前記余地部分の前記底板における両縁に、起立するように細長く延びた突起部を有することを特徴とする端子金具。
【請求項11】
前記余地部分の前記底板における両縁に、前記突起部の後側に隣接するように設けられ、前記突起部に向かうように傾斜した案内部を有することを特徴とする請求項10に記載の端子金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−104235(P2012−104235A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248998(P2010−248998)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】