説明

端末の機能変更をネットワークに通知する方法

ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法は、ユーザ機器機能が変わると、現在セットされている、ユーザ側の登録タイマを停止させる工程と、新たなユーザ機器機能の情報を担持する登録要求メッセージをネットワークに送出する工程と、ネットワークによって登録要求メッセージを解析する工程と、後のセッション設定による参照のために、新たなユーザ機器機能の情報を記憶する工程と、ユーザ機器のためにセットされた、サーバ側の現行登録タイマを停止する工程と、ユーザ機器のためにサーバ側の新たな登録タイマを起動させる工程と、サーバ側の新たな登録タイマの情報を担持する応答メッセージをユーザ機器に送出する工程と、応答メッセージ内の、サーバ側の新たな登録タイマの情報に基づいて、ユーザ側の登録タイマをリセットする工程とを含む。機能変更は、遅れずにネットワークに通知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)ネットワークを含む、SIPプロトコルを用いたネットワークに関し、特に、ユーザ機器機能の変更を、ユーザ機器機能がIMSネットワークにおいて変わる場合にネットワークに通知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロードバンド・ネットワークの進展によって、移動体通信は、伝統的な音声通信のみに限られている訳でない。複数のメディア・タイプ(オーディオ、ビデオ、写真やテキスト等など)を組み合わせたマルチメディア・サービスは、徐々に開発されることになり、プレゼンス(Presence)(プレゼンス・サービス)、SMS(ショート・メッセージ・サービス)、ウェブ・ブラウジング、位置情報、PUSH(プッシュ・サービス)、ファイル共有やその他のデータ・サービスとの組み合わせによって、種々のユーザ要求(例えば、
メッセージ・サービス:インスタント・メッセージ及びチャット・ルーム、マルチメディア・ショート・メッセージ;
ビデオ・サービス:娯楽、マルチメディア情報、日常の通信;
電子商取引:製品カタログ、サーチ・エンジン、カート、注文票管理、支払;
ゲーム:単独のゲーム、グループ・ゲーム;
位置特定サービス:個人のサーチ、ガイド、アラーム;
パーソナル・アシスタンス:住所録、カレンダー、ブックマーク管理、ファイル保管、イベントのリマインダ、電子メール)を満たすことが可能である。
【0003】
種々のアプリケーションの促進の下で、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)、3GPP2(第3世代パートナーシップ・プロジェクト2)及び他の標準機関は全て、順次にIMS(IPマルチメディア・サブシステム)アーキテクチャを打ち出している。この目的は、移動体ネットワークにおける標準的なオープン構造を用いて種々のマルチメディア・アプリケーションを実現し、より多くの選択肢、及び心地の良さを与えることである。
【0004】
3GPPリリース5(R5)段階では、IMSが導入されている。これは、パケット・ドメイン・ネットワークに追加されており、CSCF(コール・セッション制御機能)、MGCF(マルチメディア・ゲートウェイ制御機能)、MRF(マルチメディア資源機能)及びHSS(加入者サーバ)等などを含む。CSCFは、3つの論理エンティティ(S‐CSCF(サービスCSCF)、P‐CSCF(プロキシCSCF)及びI‐CSCF(インクワイアリCSCF))に分けることも可能である。S-CSCFは、IMSのサービス・スイッチング・センタとして、セッション制御の実行、セッション状態の維持、ユーザ情報の管理、課金情報の生成等を行う。P-CSCFは、端末ユーザがIMSをアクセスするうえでのアクセス・ポイントとして、加入者登録を終結し、QoS制御やセキュリティ管理等の役割を果たす。I-CSCFは、IMSドメイン間の相互通信の役割を果たし、S-CSCFの割り当てを管理し、ネットワーク・トポロジの構造及びコンフィギュレーションを外部から隠蔽し、課金データの生成等を行う。MGCFは、ゲートウェイを制御し、IMSネットワークと他のネットワークとの間の相互通信を実現する。MRFは、メディア資源の供給(音声の受信/ブロードキャスト、符号化/復号化、マルチメディア会議ブリッジの設定等など)を行う。HSSは、IMSユーザの加入者データ及びコンフィギュレーション情報等を記憶するユーザ・データベースである。
【0005】
IMSネットワーク・アーキテクチャは、低位層ベアラー・ネットワークと何ら関係がないが、3GPPによって規定されるIMSネットワークは、ユーザ端末タイプ及びアクセス・ネットワーク・タイプと無関係に、3GPPによって規定されたパケット・ドメイン・ネットワークを除く他のパケット・ネットワーク(3GPP2によって規定されたパケット・ネットワーク、WLANネットワークやNGNネットワーク等など)に適用することが可能である。したがって、ここでは、IMSは、3GPPに関するネットワーク及びアプリケーションにおいて用いることに限定されるものでなく、他のタイプのアクセス・ネットワーク及びベアラー・ネットワークのサービス及びアプリケーションに用いることが可能である。
【0006】
セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP):SIPは、IETF(インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)によって提案されたIP電話シグナリング・プロトコルである。その名前が暗に示すように、SIPは、セッションを開始するのに用いられ、多くの参加者が参加するマルチメディア・セッションの設定及び終結を制御することが可能であり、セッション属性(セッション帯域幅要求、送信メディア・タイプ(音声、ビデオやテキスト等)、メディア符号化/復号化形式、マルチキャスト及びユニキャストのサポート等を動的に調節し、修正することが可能である。IMSでは、SIPプロトコルは、IPマルチメディア・セッションのシグナリング制御プロトコルとして用いられる。
【0007】
AAAの新たなフレームワーク(ダイアメーター・プロトコル):
AAA(すなわち、認証、認可及びアカウンティング)は今日まで、常に、それに基づいてネットワーク・キャリアがネットワークを運営し、管理するその基礎となっている。AAAの進展によって、新たなフレームワークであるダイアメーター技術が生まれた。
【0008】
ダイアメーター・プロトコル・スイートは、基本プロトコル(ダイアメーター基本プロトコル)及び種々のアプリケーション・プロトコルを含む。基本プロトコルは、ダイアメーター・ネットワーク・ノードの全てによって達成されなければならない機能に対するAAAプロトコルの最低要件(ノード間の機能のネゴシエーション、ダイアメーター・メッセージの受信及び転送、並びに課金情報のリアルタイム送信等)を提供する。アプリケーション・プロトコルは、基本プロトコルによって提供されるメッセージ送信機構を十分に利用し、対応するノードの機能及び特殊メッセージ内容を標準化して、アプリケーション・サービスのAAAを実現する。
【0009】
IMSでは、ダイアメーター・プロトコルを用いて、HSSとI‐CSCFとの間のCxインタフェース上及びHSSとS-CSCFとの間のCxインタフェース上で、対応する情報を送信する。
【0010】
加入者サーバ(HSS):
HSS(各ユーザにとって最も重要なデータベース)は、加入に関する情報全てを記憶しており、各ネットワーク・エンティティによるコール又はセッションに対する処理をサポートするのに用いられる。含まれているものには特に、ユーザID、番号及びアドレス指定の情報、ユーザ・セキュリティ情報、ユーザ位置情報及びユーザ・プロファイル情報等がある。ホーム・ネットワークは、移動体加入者の数、ネットワーク装置の容量及び詳細なネットワーキング状態に応じて1つ又はいくつかのHSSを有し得る。HSSと、いくつかのネットワーク・エンティティとの間にインタフェースが存在している。HSSとI-CSCFとの間の、又はHSSとS-CSCFとの間のインタフェースはCxインタフェースである。
【0011】
将来のマルチメディア・アプリケーションでは、ユーザ機器はいくつかのメディア・タイプ(オーディオ、ビデオ、テキストや画像等)をサポートすることが可能になり、各メディア・タイプは、2つ以上の符号化/復号化形式をサポートすることが可能である。よって、ユーザ機器は、種々の内蔵装置又は外部装置を有することが必要であり得る。携帯電話機の場合、サイズが小さいので、プラグ・アンド・プレイ装置(ビデオ・カメラ、携帯型移動体記憶装置、MP3、外部キーボード等など)が更に頻繁に用いられている。前述の装置のそれぞれの有無は、端末ユーザが、特定マルチメディア・アプリケーションを用い得るか否かを意味する(例えば、ビデオ・カメラが存在することは、ユーザがビデオ・コールを開始することが可能であることを意味する)。装置は、プラグ・アンド・プレイ装置でない場合にも、イネーブル又はディセーブルされる(例えば、内蔵記録機能、赤外線機能等が、キーボード上の鍵の特定の組み合わせによってイネーブルされる)ためにユーザによってコンフィギュレーションを行うことが必要であり得る。
【0012】
前述の装置は、使用されると直ちに効力を奏するので、効力を奏する時点から、ユーザ機器の機能は変わる。ネットワークがユーザ機器の機能を直ちに知り、かつ、ユーザ機器からの特定のサービス要求を受け入れるか否か、及び、ユーザ機器がコールされると他のユーザ機器からの特定のサービス要求を受け入れるか否かを更に判定することができるようにユーザ機器の機能が変わったことを遅れずにネットワークに通知する方法が必要である。
【0013】
現在、IMSネットワークでは、UE(ユーザ機器)の機能に関するネゴシエーションは、SIPセッションを設定し、修正する処理によって実施される。UE(又は移動体端末)がSIPセッションの設定を開始すると、INVITEメッセージを用いて、発呼側UEの機能を、ネットワーク及び反対側UEに提供する。セッションに関する各ネットワーク・ノード、及び反対側UEは、それらそれぞれのサポート機能、及び発呼側UEのサポート機能によってセッション設定を受け入れるか否かを判定する必要がある(例えば、P‐CSCF(発呼側P‐CSCF及び着呼側P‐CSCFを含む)は、局所ストラテジによって発呼側UE又は着呼側UEによって開始されたSIPセッションの設定を可能にするか否かを判定し、S‐CSCF(発呼側S‐CSCF及び着呼側S‐CSCFを含む)は、局所ストラテジ、又は、HSSからダウンロードされた加入者プロファイルによって発呼側UE又は着呼側UEによって開始されたSIPセッションの設定を可能にするか否かを判定する一方で、着呼側UEは、それ自身の機能によってセッションを設定する旨の要求を受け入れるか否かを判定する)。発呼側UE又は着呼側UEの機能が、INVITEセッションの完了前に変更された(例えば、PnP装置のプラグ/アンプラグが行われたか、又は内蔵機能のイネーブル/ディセーブルが行われた等)場合、関連したUEは、そのUE及びネットワーク・ノードの変更機能のUPDATEメッセージ担持情報を送出することによって設定SIPセッションを修正することが可能である。反対側UEは、UPDATEメッセージを受信した後、UEの変更機能によってセッション設定の再ネゴシエーションを行う。ネゴシエーションが首尾良く行われた場合に、UEの新たな機能を用いてセッションを行うか、又は、ネゴシエーションが失敗した場合、UEの旧い機能が、セッションの設定になお用いられる。INVITEセッションが終わった場合、SIPセッションは首尾良く設定されており、実サービス・データ送信が、発呼側UEと着呼側UEとの間で、又は発呼側UEとAS(アプリケーション・サーバ)との間で開始されている。この時点で、発呼側UE又は着呼側UEの機能が変わり(例えば、PnP装置が挿入されるか、又は特定の内蔵機能が、前述のサービスにおいて用いられるようイネーブルされ)、RE-INVITEメッセージを、端末の変更機能の情報を担持して再初期化することが可能であり、前述のセッションが、INVITEのネゴシエーション・プロセスと類似した再ネゴシエーション・プロセスによって再ネゴシエーションが行われる。再ネゴシエーションが首尾良く行われた後には、端末の新機能を用いてサービスを行い、旧いネゴシエーション結果は削除されるか、又は、ネゴシエーションが失敗した場合、サービスを行ううえで、旧いネゴシエーション結果がなお用いられる。
【0014】
セッション設定及び修正の処理中にユーザ機器の機能をネットワーク及び反対側UEに通知する方法に加えて、各UEがIMSネットワークと初めてコンタクトを設定する(すなわち、IMSレジスタを起動させる)場合、ユーザ機器の機能情報は、REGISTERメッセージ内にカプセル化し、ネットワークに送出することが可能であり、S-CSCFが、後にSIPセッションを設定又は修正する旨の要求を受信する場合のS-CSCFによる後の処理を判定するためにS-CSCFに記憶される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来技術の実現形態では、UEが既にネットワークに登録したが、サービス要求を起動させていない場合、端末の機能が変わった場合に、ネットワークにどのようにして通知するかという課題は何ら考慮に入れられていない。UE1が既にIMSネットワークに登録しているが、ネットワークとの関係を設定しているに過ぎず、IMSセッションを直ちに開始することを意図していない場合に、この場合には、ネットワークは、初めて登録した際にユーザ端末の機能情報を得た可能性があり、この時点で、ユーザ端末の機能が変わる、例えば、PnP装置のプラグ/アンプラグが行われたか、又は、内蔵機能のイネーブル/ディセーブルが行われ、それによって、新たなサービスをユーザ端末がサポートすることができるようになるが、ネットワークに記憶された端末機能情報はなお旧く、ネットワークには、ユーザ端末の機能変更が分からず、この時点で、別のUE2がUE1とのセッションを設定したいものであり、セッション設定処理中に、UE1の着呼側S-CSCFが、ネゴシエーションを行ううえで端末の、旧い機能情報をなお用いる場合、INVITEメッセージは、UE1に到着する前に拒否され得るか、又は、旧い端末機能を用いてセッションを構築した後にも、2者は、新たな端末の機能によってセッションの再ネゴシエーションを行ううえで再INVITEメッセージ又はUPDATEメッセージをなお用いる必要がある。どの実現方法が用いられる場合でも、多くのメッセージ相互通信が追加され、ネットワーク過負荷が増加し、セッションを首尾良く設定するのに必要な時間が長くなり、ユーザによる利用に影響が出る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法を提供する。これによって、ユーザがネットワークに登録したが、セッションをまだ設定していない際にユーザ端末の機能変更を、ネットワーク内の対応するノードに直ちにどのようにして通知するかという課題が解決される。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明における、端末の機能変更をネットワークに通知する方法には、ユーザ機器機能が変わると、ユーザ機器が、現在セットされている、ユーザ側の登録タイマを停止させる工程と、新たなユーザ機器機能の情報を担持する登録要求メッセージをネットワークに送出する工程と、ネットワークが、登録要求メッセージを解析し、後のセッション設定による参照のために、新たなユーザ機器機能の情報を記憶する工程と、ユーザ機器のためにセットされた、サーバ側の現行登録タイマを停止させる工程と、ユーザ機器のためにサーバ側の登録タイマを起動させる工程と、新たな登録タイマの情報を担持する応答メッセージをユーザ機器に送出する工程と、ユーザ側の登録タイマを、応答メッセージ内の登録タイマの情報に基づいてリセットする工程が含まれる。
【0018】
応答メッセージは200OKメッセージであり得る。新たなユーザ機器機能の情報が、セッションを処理する役割を果たすネットワーク・ノードに記憶される。登録タイマの情報は、登録タイマの更新時間長、又はネットワークによって許容される最短及び最長のリフレッシュ時間である。
【0019】
登録要求メッセージが端末機能の情報を担持しているか否か、及び現行登録監視タイマが満了したか否かに基づいて、ユーザ機器機能の変更による登録要求メッセージをユーザ機器が送出することをネットワークは判定する。
【0020】
上記方法は、ユーザ機器がユーザ機器機能の変更を監視する場合に自動的にトリガされるか、又は手作業でトリガされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
従来技術と比較すれば、本発明は以下の利点を有し得る。
【0022】
本発明を用いることによって、既存の登録フローを用い、再登録処理のトリガ点の数を増加させることによって、端末機能が変わる際に再登録処理を開始することが可能であり、ネットワークには、ユーザ端末の最新の機能変更が通知され得る。よって、ネットワークは、ユーザ端末の新たな機能情報を利用して、その後のセッション処理においてセッション設定処理のネゴシエーションを行うことが可能である。これによって、セッションが始まった後の両者の再ネゴシエーション機能についての更なるメッセージがないようになり、よって、更なるメッセージ相互通信が低減され、セッション設定に必要な相互通信時間が短縮され、実現処理が最適化され、ネットワーク負荷が軽減される。
【実施例】
【0023】
ユーザ機器機能は、ユーザ機器の属性であり、ある特定のタイプのメッセージ・コンテンツをユーザ機器が作成又は処理する可能性を示すのに用いられ、特定セッション処理中にネゴシエーションを行うことが可能である。基本機能の特定例には、オーディオ、ビデオ、メッセージ、自動装置、モビリティ、特定のSIP手法(例えば、INVITE、CANCEL等)、PRESENCE状態等、サポートされる言語のタイプ(例えば、英語、中国語等)、及び装置の基本分類(例えば、デスクトップ、ラップトップや携帯電話機等)をサポートするか否かがある。特定の機能値がゼロから1に、又は1からゼロに変わると、ユーザ機器機能は変わる。
【0024】
本発明の実施例は、UEがネットワークに登録したが、セッションをまだ設定していない場合にユーザ機器機能が変わると、ネットワーク内の対応するノードにどのようにして通知するかという課題を解決するのに用いる方法を提供する。UEによって開始される即時再登録処理によって、ネットワークには、リアルタイムでUEの最新機能情報を通知することができる。よって、後のセッション処理中に設定セッション処理のネゴシエーションを行ううえで、最新の機能情報を用いることが可能である。それによって、セッション開始後に両者の機能の再ネゴシエーションを行うのに必要な更なるメッセージがないようになるので、更なる相互通信メッセージを低減させることが可能であり、セッションを設定するための相互通信時間を短縮することが可能である。よって、本発明は、実施処理を最適化し、ネットワーク負荷を軽減することができる。
【0025】
図1を参照すれば、UEがIMSネットワーク又はSIPネットワークにコンタクトしたい場合、UE内のユーザ・エージェントが登録処理を開始し、登録要求メッセージ(登録(Register)など)を、登録の役割を果たす機能エンティティ(記録機関(Registrar)など)に送出する。機能エンティティは通常、IMSネットワークのS-CSCF内にある。
【0026】
登録機関は、ユーザ・エージェントに対する認証などの処理を行うことができる。認証に合格した後、200OKメッセージがユーザ・エージェントに戻される。ユーザ・エージェントは、ネットワークによって判定される登録タイマの時間長又はネットワークによって許容される最短及び最長のリフレッシュ時間を担持する。
【0027】
UEは、200OKメッセージにおける示標によって、ユーザ側の登録タイマを開始させる。
【0028】
UEがネットワークに登録している(確かに、UEはネットワークに登録していないが、機能が変わると登録要求を起動させるようUEのコンフィギュレーションを行うことが可能である)が、サービスが何ら処理されておらず、ユーザ側の登録タイマが満了する前に、PnP装置の、UEからのプラグ/アンプラグが行われたか、又は内蔵機能のイネーブル/ディセーブルが行われた場合(すなわち、ユーザ機器機能が変わった場合)、UEのユーザ・エージェントは、RE-REGISTER(再登録)処理を起動させるよう自動的に、又は手作業でトリガされることになる。ここで、ユーザ機器の変更機能の情報が登録要求メッセージ内に担持される。よって、ユーザ機器機能の情報が、セッションを処理する役割を果たすネットワーク・ノード(例えば、S-CSCF)において記憶/更新される。詳細な工程として、
ユーザ機器機能が変わると、現在設定されている、ユーザ側の登録タイマを停止させる工程と、
新たなユーザ機器機能の情報を担持するユーザ機器による登録要求メッセージをネットワークに送出する工程と、
登録要求メッセージをネットワークによって解析し、セッションの後の設定による参照のために新たなユーザ機器機能の情報を記憶する工程と、
ユーザ機器のために設定された、サーバ側の現行登録タイマを停止させる工程と、
ユーザ機器に設定された、サーバ側の現行登録タイマを停止させる工程と、
ユーザ機器のために、サーバ側の新たな登録タイマを起動させる工程と、
サーバ側にある新たな登録タイマの情報を担持する応答メッセージをユーザ機器に送出する工程(実施例では、応答メッセージは、200OKメッセージであり得る)がある。
【0029】
応答メッセージにおける、サーバ側の新たな登録タイマの情報に基づいてユーザ側の登録タイマをリセットする工程)を示す。
【0030】
UEは、再登録処理を開始する前に、先行する登録中にセットされた、ユーザ側の登録タイマを停止させ、登録要求メッセージはUEの新たな機能情報を担持する。登録機関は、登録する旨の登録要求メッセージを受信した後、前回セットされた、サーバ側の登録タイマがまだ満了しておらず、登録要求メッセージがUEの機能に関する情報を担持することが分かった場合、この再登録が、UEの機能変更によって生じたものであると判定することが可能である。
【0031】
セッションを処理する役割を果たすネットワーク・ノード、及び登録機関は、同じネットワーク・エンティティ(例えば、IMSネットワークにおけるS‐CSCF)にある場合には、サーバ(例えば、S-CSCFは端末の機能情報を直接記憶する。別々のネットワーク・エンティティにある場合には、登録機関は、記憶する対象のセッションを処理する役割を果たすサーバ(例えば、SーCSCF)に登録要求メッセージを転送する役割を果たす。セッションを処理する役割を果たすサーバは、セッション設定処理中にUEの新たな機能情報を利用することができる。登録機関は、サーバ側の登録タイマを停止し、応答メッセージ(例えば、200OKメッセージ。サ―バ側の新たに構成された登録タイマの情報、又はネットワークによって許容される最短及び最長のリフレッシュ時間をユーザ・エージェントに搬送する)を戻し、再登録処理を終える。UEは、応答メッセージを受信した後、ユーザ側の登録タイマをリセットする。
【0032】
任意的には、ユーザは、それ自身のカスタム化によってネットワークに登録していない場合、UEの機能が変わる際に自動的に新たな登録処理をトリガするようにするか、又は手作業でトリガするようにすることができる。上記実現形態は任意的である。登録開始は通常、UEではなくユーザによって判定されるので、UE内でセットし、ユーザが選ぶことが可能である。登録が開始される時点をユーザが判定するか、又は、登録は、ユーザによる端末装置上の操作によってUE機能の変更が生じる都度自動的に開始される。後者の場合、ユーザは、登録が分かっているので、利用に影響を及ぼさない。登録要求メッセージがUEの最新の機能情報を担持する場合、メッセージ内に担持される情報は詳細機能値(現在のUE、又はUE機能の変更値によって設定される機能情報全てを含む)であり得る。
【0033】
更に、ユーザ機器は、プラグ/アンプラグ装置又はイネーブル/ディセーブル機能のタイプに応じてネットワークに通知するか否かを判定することが可能であり、カテゴリのUEの機能変更を通知する必要がある場合、再登録又は登録を開始する。この機能は、ユーザによって構成し得るものであり、又は、UE自身の機能であり得る。
【0034】
このようにして、再登録の機能は、現行のレジスタをリフレッシュする機能と、UEの登録状態の変更に応答する機能と、新たな機能を追加する機能と、変更ユーザ機器機能の情報についてネットワークに通知する機能である。
【0035】
本発明をIMSネットワークに適用すれば(図2を参照のこと)、UEの機能が変わると、ユーザ側の登録タイマが満了したか否かにかかわらず、UEは再登録処理を開始し、先行する登録によってセットされた、サーバ側の登録タイマを停止させ、新たな登録要求メッセージを構成し、これをP-CSCFに送る。P-CSCFは、登録要求メッセージを受信した後、新たなユーザ機器機能情報を記憶しなくてよい(P-CSCFは、訪問先ネットワークにあるプロキシCSCFであり得るため)が、登録要求メッセージの有効性を検査しなければならず、認証後にこれをS-CSCFに転送する。S-CSCFは、IMSセッションの制御及びサービス実行プラットフォームとして、UEの機能情報(後続セッションの設定のための参照情報として用いられる)を記憶しなければならない。次いで、S-CSCFは、先行レジスタ中にセットされた、サーバ上の登録タイマを停止させ、サーバ側の新たな登録タイマを開始するか、又は、ネットワークによって必要とされる最短及び最長のリフレッシュ時間を戻し、応答メッセージ(例えば、200OKメッセージ。サーバ側の登録タイマの時間長又は最短及び最長のリフレッシュ時間(登録タイマの情報として一様に呼ばれている)をP-CSCFへの肯定応答として担持する(PーCSCFによってUEに転送される))を戻す。UEは、メッセージを受信した後、受信時間に応じて、ユーザ側の新たな登録タイマをリセットする。
【0036】
詳細な実現形態は通常、以下の工程を含む。
【0037】
工程S1:UEの機能が変わると、現行登録タイマが満了したか否かにかかわらず、UEは、再登録を開始し、先行登録中にセットされた、サーバ側の登録タイマを停止させ、新たな登録要求メッセージを構成し、これをP-CSCFに送出する。メッセージは、パブリック・ユーザID、プライベート・ユーザID、ホーム・ネットワークのドメイン名、UEのIPアドレス、及びUEの変更機能情報を含む。
【0038】
工程S2:P‐CSCFは、ホーム・ネットワークのドメイン名の検査によって、ホーム・ネットワークへのアクセス・ポイント(すなわち、I‐CSCF)を判定し、ドメイン名の構文解析によってホーム・ネットワークのアクセス・ポイントのアドレスを取得し、登録要求メッセージをI‐CSCFに送出する。担持される主情報は、P‐CSCFの名前又はアドレス、パブリック・ユーザID、プライベート・ユーザID、P-CSCFがあるネットワークID、UEのIPアドレス、及びUEの変更機能情報等を含む。
【0039】
工程S3:I‐CSCFは、Cx-Query(クエリ)(Cxインタフェース上で行われる。HSSから、ユーザに対応するS-CSCFのアドレスを照会する)を送出する。主情報は、パブリック・ユーザID、プライベート・ユーザID、P-CSCFがあるネットワークID等を含む。
【0040】
工程S4:HSSは、ユーザが登録したことを見出し、対応S‐CSCFがユーザに割り当てられたことを示す示標を戻し、Cx-Query Resp(Cx-Queryに対する応答メッセージ。ユーザに対応するS‐CSCFのアドレス情報を担持する)メッセージをI‐CSCFに戻す。
【0041】
工程S5:I-CSCFはS-CSCFの名前を用いて、名前・アドレス解決機構によってS‐CSCFのアドレスを判定する。I-CSCFは更に、HSSから受信された情報に場合によっては基づいて、適切なホーム・ネットワーク・コンタクト・ポイントの名前を判定する。ネットワーク・トポロジ隠蔽機能の必要性が存在しない場合は、S-CSCFに過ぎない。ネットワーク・トポロジ隠蔽機能の必要性が存在している場合は、上記機能を実現したI‐CSCFである。P‐CSCFは、ホーム・ネットワーク・コンタクト・ポイントの名前にセッション・シグナリング全てを転送する。I‐CSCFは、登録要求メッセージをS-CSCFに送出する。主情報は、P‐CSCFの名前又はアドレス、パブリック・ユーザID、プライベート・ユーザID、P-CSCFがあるネットワークID、UEのIPアドレス、及びUEの変更機能情報、並びに、機能が必要な場合、ネットワーク・トポロジ隠蔽機能を実現するI‐CSCFのアドレスを含む。
【0042】
工程S6:S-CSCFは、Cx-Putメッセージ(又はCx-Pullメッセージ。2つのメッセージの機能は技術仕様において同じであるが、2つの名前を規定する技術仕様、及びそれらの機能は、HSSからの、対応ユーザのプロファイル情報のS‐CSCFのCxインタフェース上での要求を行うものである)をHSSに送出する。担持される主情報は、パブリック・ユーザID、プライベート・ユーザID、S-CSCFの名前等である。任意的には、S-CSCFが、対応するユーザのプロファイル情報を既に取得していれば、この工程は省略することができる。
【0043】
工程S7:HSSは、要求メッセージ(Cx-Put)に規定されたユーザに対応するS‐CSCFの名前を記憶し、ユーザIDに応じて加入者情報を照会し、Cx-Put Resp(又はCx-Pull Resp)メッセージ(相当する応答メッセージ。要求メッセージにおける規定ユーザのプロファイル情報を戻すのに用いられる)を肯定応答として戻す。主情報は、ユーザ・プロファイル情報及びセキュリティ情報等を含む。
【0044】
工程S8:S-CSCFは、登録要求メッセージから受信されたUEの機能情報を記憶し、UEの機能情報に応じて、かつ、ユーザ情報から得られたフィルタ規則を考慮に入れて、登録情報を、対応するサービス制御プラットフォームに送出して適切なサービス制御処理を実行する。
【0045】
工程S9:S-CSCFは、200OKメッセージをI-CSCFに戻す。担持される主情報は、ホーム・ネットワークのコンタクト・ポイントの情報等を含む。ネットワーク・トポロジ隠蔽機能を有するI‐CSCFを先行工程において選んだ場合、I-CSCFは、ホーム・ネットワークのコンタクト・ポイントの情報におけるS-CSCFのアドレスを暗号化すべきである。更に、S-CSCFは更に、登録タイマの時間長を再規定すべきである。
【0046】
工程S10:I-CSCFは、200OKメッセージをP-CSCFに転送し、登録に関する情報全てをリリースする。
【0047】
工程S11:P-CSCFはホーム・ネットワークのコンタクト・ポイントの情報を記憶し、200OKメッセージをUEに転送する。UEは、メッセージを受信した後、サーバ側の登録タイマの受信時間長によって、ユーザ側の登録タイマをリセットする。
【0048】
後に、UEが、着呼側UEである場合、この着呼側S-CSCFは、UEの記憶された最新機能情報によって、特定サービス要求を受け入れるか否かを判定することが可能である。
【0049】
上記に基づいて、本発明の実施例は、ユーザ機器の機能変更をネットワークに通知する方法を提案している。本発明を用いれば、既存の登録フローを用い、再登録処理のトリガ点の数を増やすことによってユーザ機器機能が変わると再登録処理を開始することが可能であり、よって、ユーザ機器の最新機能変更を、上記フローを用いることによってネットワーク内のS-CSCFノードに通知し、機能変更をネットワークにタイムリーに通知するという目的を達成することが可能である。ネットワーク内のS-CSCFは、後のセッション設定処理のための機能情報を記憶することになる。これによって、サービス・セッションがネゴシエーションを開始する際に更なる相互通信メッセージがないようになり、セッション設定が必要とする相互通信時間が短縮され、実施が好都合になる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例による、ユーザ機器機能変更をネットワークに通知する方法の流れ図である。
【図2】図1の実施例の詳細な流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法であって、
現在セットされている、ユーザ側の登録タイマを停止させる工程と、
新たなユーザ機器機能の情報を担持する登録要求メッセージを前記ネットワークに送出する工程と、
前記登録要求メッセージを前記ネットワークによって解析し、セッションの後の設定による参照のために前記新たなユーザ機器機能の情報を記憶する工程と、
ユーザ機器のために設定された、サーバ側の現行登録タイマを停止させる工程と、
前記ユーザ機器のために、前記サーバ側の新たな登録タイマを起動させる工程と、
前記新たな登録タイマの情報を担持する応答メッセージを前記ユーザ機器に送出する工程と、
前記応答メッセージにおける前記登録タイマの情報に基づいて前記ユーザ側の登録タイマをリセットする工程とを備えることを特徴とする、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法。
【請求項2】
請求項1記載の、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法であって、前記応答メッセージが200OKメッセージであることを特徴とする、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法。
【請求項3】
請求項1記載の、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法であって、前記新たなユーザ機器機能の情報が、セッションを処理する役割を果たすネットワーク・ノードに記憶されることを特徴とする、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法。
【請求項4】
請求項1記載の、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法であって、前記登録タイマの情報は、前記登録タイマの更新時間長、又は前記ネットワークによって許容される最短及び最長のリフレッシュ時間であることを特徴とする、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法。
【請求項5】
請求項1記載の、ユーザ機器機能をネットワークに通知する方法であって、前記ネットワークは、前記ユーザ機能機器の変更による登録要求メッセージを、前記登録要求メッセージが端末機能の情報を担持しているか否か、及び現行登録監視タイマが満了したか否かに基づいて送出することを判定することを特徴とする、ユーザ機器機能をネットワークに通知する方法。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法であって、前記ユーザ機器が前記ユーザ機器機能の変更を監視する場合に自動的にトリガされるか、又は手作業でトリガされることを特徴とする、ユーザ機器機能の変更をネットワークに通知する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−503910(P2008−503910A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515766(P2007−515766)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000997
【国際公開番号】WO2006/010312
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(506018662)▲ほあ▼▲うぇい▼技▲しゅ▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】