説明

端末装置、送信方法及びコンピュータプログラム

【課題】端末装置が強制的に再起動された場合に、再起動前の端末装置に関する情報を再起動後に把握すること。
【解決手段】自装置の再起動前に記憶した情報を、再起動の後にも保持している記憶部を備える端末装置が、自身に関する情報を記憶部に記憶させ、前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信する。前記記憶部は、例えば不揮発性の記憶装置であっても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の状態を表す情報を通知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラップメッセージを利用したSNMP(Simple Network Management Protocol)エージェントを具備する装置の障害の一次解析が行われている(非特許文献1参照)。具体的には、SNMPによる管理対象となっている各機器(エージェント)と管理を行うための機器(マネージャ)とを設置し、マネージャがエージェントからトラップメッセージを収集する。収集されたトラップメッセージに含まれる情報は、一次解析を行う上で重要な情報である。
また、エージェントに問題が生じた場合には、エージェントを再起動させることによって問題を解決することがある。エージェントを再起動させる手段としては大きく二つある。一方は、コマンドの入力などを契機に実行される自律再起動であり、他方は、再起動スイッチの押下などを契機に実行される強制再起動である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】D. Harrington, R. Presuhn, B. Wijnen“An Architecture for Describing Simple Network Management Protocol (SNMP) Management Frameworks”, RFC3411, IETF
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
強制的に再起動が行われる場合、再起動前にエージェントにおいて生じた障害に関する情報を収集することができない。そのため、トラップメッセージを利用した障害の一次解析を行うことができないという問題があった。一つの解決策として、エージェントに蓄積されているログを取得して解析する方法がある。しかし、ログ中には多量の情報が含まれているため、その中から一次解析に必要な情報のみを特定する作業には時間がかかっていた。また、強制再起動は文字通り強制的に行われるため、エージェントの装置にとっては予期せぬ再起動処理であり、必ずしも強制再起動前の全ての情報がログに蓄積されているとも限らなかった。また、このような問題はSNMPのエージェントに限った問題ではなく、自装置に関する情報を他の装置に送信する端末装置全てに共通する問題であった。
上記事情に鑑み、本発明は、端末装置が強制的に再起動された場合に、再起動前の端末装置に関する情報を再起動後に把握することを可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、端末装置であって、自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部と、自身に関する情報を前記記憶部に記憶させる機能部と、前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信する送信部と、を備える。
【0006】
本発明の一態様は、通信方法であって、自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部を備える端末装置が、自身に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップと、前記端末装置が、前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信するステップと、を有する。
【0007】
本発明の一態様は、自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部を備える端末装置コンピュータに対し、自身に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップと、前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、端末装置が強制的に再起動された場合に、再起動前の端末装置に関する情報を再起動後に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】情報収集システム100の構成を表すシステム構成図である。
【図2】端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図3】端末情報の具体例を示す図である。
【図4】トラップ分類番号の具体例を示す。
【図5】システムステータステーブルの具体例を表す図である。
【図6】端末情報の他の具体例を示す図である。
【図7】第一管理装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図8】端末装置10の動作を表すフローチャートである。
【図9】強制再起動時の端末装置10の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、情報収集システム100の構成を表すシステム構成図である。情報収集システム100は、端末装置10、第一管理装置20、第二管理装置30、ネットワーク40を備える。端末装置10と第一管理装置20とは、ネットワーク40を介して通信可能である。端末装置10と第二管理装置30とは、ネットワーク40を介して通信可能である。図1では、端末装置10は複数台図示されているが、その台数に制限はなく、1台であっても良い。図1では、第一管理装置20及び第二管理装置30が図示されているが、いずれか一方のみであっても良い。
【0011】
まず、情報収集システム100の概略について説明する。端末装置10は、自装置の機能の状態や自装置内で生じたイベントに関する情報を第一管理装置20及び第二管理装置30へ送信する。第一管理装置20及び第二管理装置30は、端末装置10から受信した情報を出力する。出力された情報は、一次解析を行う際に活用される。また、端末装置10は、情報の一部または全部を、第一管理装置20及び第二管理装置30へ送信する前に、自装置の内部又は外部に設置された記憶装置に記録する。そのため、端末装置10が情報を第一管理装置20及び第二管理装置30に送信する前に強制再起動が行われたとしても、記憶装置から情報を取得することが可能であり、情報に基づいて一次解析を行うことが可能となる。
【0012】
端末装置10と第一管理装置20及び第二管理装置30とは、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)にしたがって動作しても良い。この場合、端末装置10はSNMPエージェントとして動作し、第一管理装置20及び第二管理装置30はそれぞれSNMPマネージャとして動作する。情報収集システム100に適用されるプロトコルはSNMPに限定されないが、以下の説明ではSNMPが適用された場合の情報収集システム100の構成及び動作を説明する。
【0013】
以下、情報収集システム100の詳細について説明する。図2は、端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。端末装置10は、第一管理装置20及び第二管理装置30と通信可能であればどのような装置であっても良い。端末装置10は、例えばルータや、基地局装置や、基地局装置間の通信を行うマイクロ波通信機器などの通信装置であっても良い。また、端末装置10は、例えばテレビ受像機や録画機器や冷蔵庫やゲーム機器などのような家電機器であっても良い。
【0014】
端末装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、端末装置用プログラムを実行する。端末装置10は、端末装置用プログラムを実行することによって、記憶装置101、機能部102−1〜102−n、端末情報送信部103を備える装置として機能する。なお、端末装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。端末装置用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。
【0015】
記憶装置101は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置である。記憶装置101は、端末装置10が再起動した後であっても、再起動前の情報を喪失しないように構成される。例えば、端末装置10が再起動する際に記憶装置101の電源が一度落ちるような構成である場合には、記憶装置101は不揮発性記憶装置として構成される。一方、例えば記憶装置101が外部のファイルサーバ等を用いて構成され、端末装置10が再起動する前後で情報を喪失しない場合には、記憶装置101は揮発性記憶装置として構成されても良い。記憶装置101は、機能部102−1〜102−nによって生成された機能部情報を記憶する。
【0016】
機能部102−1〜102−n(以下、これらをまとめて記載する場合には「機能部102」と記載する。)は、いわゆるFB(Function Block)であり、端末装置10に搭載されるファームウェアの機能ごとの論理的な構成単位である。機能部102が連携して動作することによって、端末装置10の機能が実現される。機能部102は、それぞれの機能にしたがって動作し、第一のタイミングで機能部情報を生成し記憶装置101に書き込む。
【0017】
第一のタイミングとは、予め設定された間隔に応じた定期的なタイミングであっても良いし、所定のイベントが生じたタイミングであっても良い。所定のイベントとは、例えばシステムリソースの状態を表す値(例えば、CPU稼働率やメモリ残量など)が所定の閾値を超えることや、ネットワークトラフィックを表す値(例えば通信帯域や、単位時間当たりの受信パケット数など)が所定の閾値を超えることや、機能部情報として報告するために蓄積されたシステムログの情報量が所定の閾値を超えることなどである。
【0018】
機能部情報は、少なくとも3つの情報を含む。一つは機能部IDである。一つは状態値又はイベントIDである。一つは状態値を記録した日時又はイベントが発生した日時である。機能部IDとは、機能部情報を生成した機能部102を表す識別情報である。状態値とは、例えば機能部102のシステムリソースの状態を表す値や、ネットワークトラフィックを表す値などである。イベントIDとは、上述したイベントのうち、発生したイベントを表す識別情報である。
【0019】
機能部102は、機能部情報を生成すると、生成した機能部情報を記憶装置101に記録する。また、機能部102は、生成した機能部情報を第二のタイミングで、端末情報送信部103へ通知する。第二のタイミングとは、機能部情報を生成したタイミングであっても良いし、予め設定された間隔に応じた定期的なタイミングであっても良いし、端末情報送信部103から機能部情報を要求されたタイミングであっても良い。第二のタイミングが、予め設定された間隔に応じた定期的なタイミング、又は、端末情報送信部103から機能部情報を要求されたタイミングである場合、機能部102は、一つ前のタイミングで機能部情報を通知した後に、今回のタイミングまでの間に生成した全ての機能部情報を端末情報送信部103へ通知しても良い。
【0020】
端末情報送信部103は、機能部102から通知された機能部情報に基づいて端末情報を生成し、生成した端末情報を第一管理装置20及び第二管理装置30へ送信する。機能部情報は一つの機能部102に関する情報であるのに対し、端末情報は一つの端末装置10に関する情報である。したがって、端末情報は複数の機能部102に関する情報や、端末装置全体としての情報を含む。端末情報送信部103は、第三のタイミングで端末情報を生成し第一管理装置20及び第二管理装置30へ端末情報を送信する。第三のタイミングとは、予め設定された間隔に応じた定期的なタイミングであっても良いし、1以上の所定数の機能部情報の通知を受けたタイミングであっても良いし、所定のイベントが生じたタイミングであっても良いし、第一管理装置20又は第二管理装置30から端末情報を要求されたタイミングであっても良い。
【0021】
端末情報送信部103は、自装置が強制再起動された場合には、再起動前に記憶装置101に記録された機能部情報であって且つ端末情報に未だ用いられていない機能部情報(以下、「未使用機能部情報」という。)を、記憶装置101から検索する。そして、端末情報送信部103は、未使用機能部情報を用いて端末情報を生成し、第一管理装置20及び第二管理装置30へ端末情報を送信する。
【0022】
図3は、端末情報の具体例を示す図である。図3に示される端末情報は、端末装置ID、トラップ分類番号、システムステータス、機能部102毎のステータス(FB1ステータス、FB2ステータス、・・・、FBnステータス)の情報を含む。
端末装置IDは、各端末装置10に重複しないように割り当てられた識別情報である。端末装置IDを参照することによって、どの端末装置10から送信された端末情報であるか識別することができる。
【0023】
トラップ分類番号は、その端末情報が、未使用機能部情報に基づいて生成され強制再起動後に送信された端末情報であるのか否かを表す。図4は、トラップ分類番号の具体例を示す。図4の例では、トラップ分類番号は“0”又は“1”のいずれかの値をとる。値が“0”の場合、その端末情報は現在の情報である。すなわち、強制再起動をはさむことなく、各機能部102から通知された機能部情報に基づいて生成され送信された端末情報である。一方、値が“1”の場合、その端末情報は強制再起動前の機能部情報に基づいて生成された端末情報である。すなわち、その端末情報は、未使用機能部情報に基づいて生成され再起動後に送信された端末情報である。
【0024】
端末情報送信部103は、トラップ分類番号が“0”となる端末情報については、機能部102から第二のタイミングで通知された機能部情報に基づいて生成する。一方、端末情報送信部103は、トラップ分類番号が“1”となる端末情報については、記憶装置101に記憶されている未使用機能部情報に基づいて生成する。すなわち、端末情報送信部103は、記憶装置101に記憶されている複数の機能部情報のうち、未だに端末情報として第一管理装置20及び第二管理装置30へ送信されていない機能部情報を選択し、選択した機能部情報に基づいて端末情報を生成する。この選択処理はどのように実現されても良い。例えば、端末情報送信部103は、端末情報を生成する度に記憶装置101へその日時を記録し、記録された日時と各機能部情報の日時とを比較することによって未使用機能部情報を選択しても良い。また、端末情報送信部103は、端末情報を生成する度に使用した機能部情報に対応する使用済みフラグを記憶装置101に記録し、使用済みフラグが付されていない機能部情報を未使用機能部情報として選択しても良い。
【0025】
端末情報の内容の説明に戻る。システムステータスとは、端末装置10全体としての状態を表す情報である。システムステータスは、例えば“Normal”と“Abnormal”の二つのうちいずれかの値を持つ。システムステータスが“Normal”である場合、その端末装置10は、例えその一部の機能部102に障害が生じていたとしても、全体として問題なく動作していることを表す。一方、システムステータスが“Abnormal”である場合、その端末装置10は、再起動や修理や設定変更などの何らかの対処が必要となっていることを表す。
【0026】
システムステータスの値は、システムステータステーブルにしたがって、端末情報送信部103によって判定される。図5は、システムステータステーブルの具体例を表す図である。システムステータステーブルは、レコード毎に、システムステータスの値と、各機能部102のステータスの値の組み合わせとを対応付けている。例えば、図5のレコード121は、全ての機能部102が正常(No−alert)である場合には、システムステータスの値は“Normal”になることを示している。図5のレコード122は、機能部102−2のみが異常(Caution)であったとしても、その他の全ての機能部が正常であれば、システムステータスの値は“Normal”になることを示している。図5のレコード123は、機能部102−2及び機能部102−nが異常(Caution)であったとしても、その他の全ての機能部が正常(No−alert)であれば、システムステータスの値は“Normal”になることを示している。図5のレコード124は、機能部102−1が重大異常(Critical)であった場合、その他の全ての機能部が正常(No−alert)であったとしても、システムステータスの値は“Abnormal”になることを示している。
【0027】
機能部102毎のステータスの情報は、各機能部102の状態を表す情報である。例えば、図3における“CPU_Busy”という情報は、CPUの使用率が所定の閾値を上回っていることを表す。機能部102毎のステータスの情報は、端末情報送信部103によって、機能部情報に基づいて判断される。
図6は、端末情報の他の具体例を示す図である。図6に示される端末情報も、トラップ分類番号、システムステータス、機能部102毎のステータスの情報を含む。
【0028】
図7は、第一管理装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。第一管理装置20は、パーソナルコンピュータや、サーバ装置や、スマートフォン等の情報処理装置を用いて構成される。第一管理装置20は、例えば端末装置10の保守を行う保守管理者によって使用される。第二管理装置30は、基本的な構成は第一管理装置20と同じである。そのため、第二管理装置30についての説明は省略する。ただし、第一管理装置20が保守管理者によって使用されるのに対し、第二管理装置30は端末装置10のベンダによって使用される。
第一管理装置20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、管理用プログラムを実行する。第一管理装置20は、管理用プログラムを実行することによって、端末情報受信部201、報知部202、入力部203、出力部204を備える装置として機能する。なお、第一管理装置20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。管理用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。
【0029】
端末情報受信部201は、ネットワーク40を介して端末装置10から端末情報を受信する。端末装置10の端末情報送信部103が、第一管理装置20からの端末情報の要求に応じて端末情報を送信するように構成されている場合、端末情報受信部201は、所定のタイミングで端末情報の要求を端末装置10へ送信する。端末情報受信部201は、端末情報を受信すると、受信した端末情報を報知部202へ送信する。
【0030】
報知部202は、端末情報受信部201から端末情報を受信すると、端末情報の内容に応じて、第一管理装置20の使用者に対して端末情報の内容を報知する。例えば、システムステータスが“Normal”である場合には、報知部202は特に報知を行わなくても良い。一方、システムステータス“Abnormal”である場合には、報知部202はその旨を使用者に対して報知する。このとき、報知部202は、システムステータスが“Abnormal”であることとともに、端末装置IDも報知しても良い。なお、第一管理装置20の使用者とは、例えば上記の保守管理者である。
【0031】
報知部202が報知を行う際の具体的な態様は、どのように実現されても良い。例えば、報知部202は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置に、システムステータスが“Abnormal”である端末情報を受信したことを表示しても良い。また、報知部202は、“Abnormal”に対応するランプを点灯又は点滅させても良い。保守管理者は、報知部202の報知を受けることによって、端末装置10に問題が生じていることを即座に認識し対応することが可能となる。
【0032】
入力部203は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部203は、出力部204に端末情報を表示するために必要となる指示を入力する際に使用者によって操作される。
出力部204は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成される。出力部204は、端末情報受信部201によって受信された端末情報の内容を表示する。出力部204は、システムステータス“Abnormal”である端末情報の内容を、使用者が入力部203を操作するか否かにかかわらず表示しても良い。また、出力部204は、使用者による指示に応じて、使用者によって指定された端末装置IDの端末情報の内容を表示しても良い。
【0033】
図8は、端末装置10の動作を表すフローチャートである。図8Aは、機能部102の動作を表すフローチャートである。図8Bは、端末情報送信部103の動作を表すフローチャートである。機能部102は、特に異常が生じていない場合は、通常運用で動作し、自身に搭載されたファームウェアの機能にしたがって動作する(ステップS101)。機能部102は、第一のタイミング及び第二のタイミングが到来するまで(ステップS102−NO、ステップS104−NO)、通常運用で動作する。第一のタイミングが到来すると(ステップS102−YES)、機能部102は、機能部情報を生成し記憶部101に記録する(ステップS103)。第二のタイミングが到来すると(ステップS104−YES)、機能部102は、前回の第二のタイミングの到来時以降に生成された機能部情報を、端末情報送信部103へ送信する(ステップS105)。
【0034】
端末情報送信部103は、第二のタイミングが到来するまで(ステップS111−NO)、待機する。第二のタイミングが到来すると(ステップS111−YES)、端末情報送信部103は、機能部情報を収集する(ステップS112)。第三のタイミングが到来すると(ステップS113−YES)、端末情報送信部103は、ステップS112の処理で収集した機能部情報に基づいて端末情報を生成し送信する(ステップS114)。
【0035】
図9は、強制再起動時の端末装置10の動作を表すフローチャートである。強制再起動の指示が入力されるまで(ステップS202−NO)、機能部102は通常運用で動作し、自身に搭載されたファームウェアの機能にしたがって動作する(ステップS201)。強制再起動の指示が入力されると(ステップS202−YES)、端末装置10は再起動処理を実行する(ステップS203)。強制再起動処理の指示は、例えば端末装置10に設けられた強制再起動用のボタンを押下することによって行われても良いし、他の態様で行われても良い。再起動処理の具体例は以下のとおりである。まず、端末装置10が備える各構成(記憶装置101、機能部102、端末情報送信部103)に対する給電が一度停止される。その後、端末装置10が備える各構成に対する給電が再開され、各構成が初期化処理を行い再び起動する。このような再起動処理によって、端末装置10に生じていた障害が解消することがある。
【0036】
再起動処理が完了すると、端末情報送信部103は、記憶装置101に記憶されている機能部情報を参照し(ステップS204)、未使用機能部情報が存在するか否か判定する(ステップS205)。未使用機能部情報が無い場合には(ステップS205−NO)、端末装置10は通常運用を開始する(ステップS207)。一方、未使用機能部情報が存在する場合には(ステップS205−YES)、端末情報送信部103は、未使用機能部情報に基づいて端末情報を生成し送信する(ステップS206)。その後、端末装置10は通常運用を開始する(ステップS207)。
【0037】
以上のように構成された情報収集システム100では、第一管理装置20や第二管理装置30が、端末装置10から端末情報を受信する。端末情報は、システムステータスや、機能部102毎のステータスの情報を含む。そのため、第一管理装置20や第二管理装置30の使用者は、端末情報に基づいて各端末装置10の状態を容易に判断することが可能となる。各端末装置10についての一次解析を行うことも容易に可能となる。
【0038】
端末装置10の機能部情報は、記憶装置101に蓄積されている。これらの機能部情報は、端末装置10が強制再起動された場合であっても喪失されない。そのため、強制再起動がなされた後であっても、強制再起動前の障害に関する機能部情報の内容も、端末情報として第一管理装置20や第二管理装置30へ送信することが可能である。
【0039】
また、端末情報は、保守担当者が使用する第一管理装置20だけでなく、ベンダが使用する第二管理装置30にも送信される。そのため、ベンダは、端末情報に含まれる情報に基づいて障害の一次解析を行うことが可能となる。
【0040】
<変形例>
上記の情報収集システム100では、端末装置10から第一管理装置20及び第二管理装置30への端末情報の送信はSNMPに基づいて行われている。しかし、端末情報の送信はSNMPを用いたものに限定されない。例えば、端末装置10は電子メールを用いて端末情報を送信しても良いし、FAXで端末情報を送信しても良い。
【0041】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0042】
10…端末装置, 20…第一管理装置, 30…第二管理装置, 40…ネットワーク, 101…記憶装置, 102−1〜102−n…機能部, 103…端末情報送信部, 201…端末情報受信部, 202…報知部, 203…入力部, 204…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部と、
自身に関する情報を前記記憶部に記憶させる機能部と、
前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信する送信部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記記憶部は、不揮発性の記憶装置である請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記送信部は、自装置の再起動前に前記記憶部に記憶された前記情報であって且つ前記他の装置に送信されていない前記情報を、前記再起動の後に前記他の装置に送信する、請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部を備える端末装置が、自身に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
前記端末装置が、前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信するステップと、
を有する送信方法。
【請求項5】
自装置の再起動前に記憶した情報を、前記再起動の後にも保持している記憶部を備える端末装置コンピュータに対し、
自身に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
前記情報を、ネットワークを介して他の装置に送信するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−175595(P2012−175595A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37874(P2011−37874)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】