説明

端末装置、配信装置、端末装置の制御方法、配信装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体

【課題】利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供する。
【解決手段】本発明の端末装置は、撮像部14の撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成部31と、画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成部32とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置の現在位置、姿勢、方向などに基づいて情報を検索して提供する端末装置、配信装置、端末装置の制御方法、配信装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置を利用する利用者の現在位置情報、姿勢情報を取得し、取得した位置情報、姿勢情報に基づいて、装置の動作を制御する技術が広く用いられている(特許文献1など)。
【0003】
また、近年、特許文献2〜4のように、端末装置の現在位置情報、姿勢情報に基づいて、情報を提供する技術が各種提案されている。
【0004】
特許文献2には、GPSなどから得られる位置情報と、傾斜センサ、地磁気センサ、重力センサなどから得られる姿勢情報と、カメラの画角、方向などの撮像方向情報とに基づいて、利用者の位置と視野角方向と検出し、情報を配信する携帯用情報配信装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には、携帯端末の位置と方向と視野角とをクエリとしてデータベースが検索され、検索結果の物に関連付けられた空間的物体を定義する幾何学的記述子とともに、その物に関する追加的情報が携帯端末に提供されるという技術が開示されている。
【0006】
特許文献4には、カメラの位置と画角に基づいて、地図情報空間の中で視野空間を求め、視野空間中に存在する構造物を取得し、該構造物の属性情報を、ラベリングされた付与位置の情報に基づいて、構造物と重畳させ、その重畳画像を表示する装置が開示されている。
【0007】
また、特許文献5には、端末装置の位置に応じて選択された宣伝情報と、端末装置の位置に応じて取得された周囲情報とを合成する技術が開示されている。
【特許文献1】特表2001−503539(1997年11月27日国際公開)
【特許文献2】特表2002−502499(1998年12月10日国際公開)
【特許文献3】特開2008−171410(2008年7月24日公開)
【特許文献4】特開平10−267671(1998年10月9日公開)
【特許文献5】特開2002−27529(2002年1月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような、端末装置の周辺映像に基づいて、該映像に含まれる対象物の付加情報を検索し、対象物(の映像)と付加情報とを関連付けて利用者に提供する技術においては、現実の状況に忠実かつ正確な情報が提供されることが望まれる。しかし、従来例では周辺映像と付加情報を関連付けて表示する際にそれらの検索結果や重畳表示位置などに誤差が生じてしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し、より高い精度で情報を提供する端末装置、配信装置、端末装置の制御方法、配信装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の端末装置は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置において、撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成手段により生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、端末装置のクエリ生成手段が、クエリに三次元形状を加えることになる。よって、上記クエリを用いて上記データベースの情報検索を行う情報検索部(あるいは他の情報検索装置)は、天候や日照の具合による画像特徴の誤差に影響されることなく、端末装置で撮像された画像データに基づいて、該画像データに含まれる対象物の検索を行うことが可能となる。これにより、検索性能が向上し、結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0012】
上記特徴情報生成手段は、利用者により指定された上記画像データ上の所定の箇所に基づいて特定された、該画像データの領域から抽出された特徴量に基づいて、上記三次元形状画像特徴情報を生成してもよい。
【0013】
上記構成によれば、利用者のポインティング箇所を、三次元形状の一致度を評価して特定することが可能となるので、情報検索部(装置)はより正確に画像データ内の検索対象を特定し、正しい情報を抽出することができる。結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0014】
上記データベースには、検索対象レコードごとに三次元形状画像特徴情報が関連付けて記憶されており、上記端末装置は、さらに、上記三次元形状画像特徴情報を含むクエリに基づいて上記データベースを検索する情報検索手段を備えていてもよい。
【0015】
本発明の端末装置は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置において、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記特徴情報生成手段により生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価手段と、上記特徴情報評価手段による評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、端末装置は、画像特徴情報が関連付けられたレコードを含む検索結果を取得することができる。そして、特徴情報評価手段が行った、画像データの画像特徴情報と上記検索結果として取得した画像特徴情報との一致度評価結果にしたがって、画像重畳手段が、画像データと検索結果で得られた情報(例えば、付加情報)との表示位置補正を実行する。端末装置は、撮像位置および撮像方向だけに頼ると、誤差が大きい場合でも、画像特徴情報の一致度評価を参照することにより、より正しく画像データと得られた情報との位置合わせを行えるため、上記誤差を吸収することができる。結果として、検索結果の表示位置精度を向上させることができ、検索結果を正確かつ忠実に提供することが可能となる。
【0017】
本発明の配信装置は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を、請求項4に記載の端末装置に配信する配信装置において、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索手段と、上記情報検索手段により抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信手段とを備えていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、データベースを検索したレコードの情報とともに、上述の端末装置が画像データの画像特徴情報との一致度を評価するための第二画像特徴情報を上記端末装置に供給することが可能となる。
【0019】
本発明の端末装置の制御方法は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置の制御方法であって、撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成ステップにて生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成ステップとを含むことを特徴としている。
【0020】
本発明の端末装置の制御方法は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置の制御方法であって、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記特徴情報生成ステップにて生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価ステップと、上記特徴情報評価ステップでの評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳ステップとを含むことを特徴としている。
【0021】
本発明の配信装置の制御方法は、上記課題を解決するために、データベースから検索された情報を、請求項4に記載の端末装置に配信する配信装置の制御方法であって、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索ステップと、上記情報検索ステップにて抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信ステップとを含むことを特徴としている。
【0022】
なお、上記端末装置および配信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記端末装置または配信装置をコンピュータにて実現させる端末装置または配信装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の端末装置は、撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成手段により生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
本発明の端末装置は、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、上記特徴情報生成手段により生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価手段と、上記特徴情報評価手段による評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
本発明の配信装置は、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索手段と、上記情報検索手段により抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信手段とを備えていることを特徴としている。
【0026】
本発明の端末装置の制御方法は、撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成ステップにて生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成ステップとを含むことを特徴としている。
【0027】
本発明の端末装置の制御方法は、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、上記特徴情報生成ステップにて生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価ステップと、上記特徴情報評価ステップでの評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳ステップとを含むことを特徴としている。
【0028】
本発明の配信装置の制御方法は、上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索ステップと、上記情報検索ステップにて抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信ステップとを含むことを特徴としている。
【0029】
したがって、画像データおよび地図データの画像特徴情報(特に三次元形状情報)の一致度を参照することにより、検索性能または検索結果表示精度を向上させることができ、結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、一例として、本発明の端末装置を、タッチパネルを備えた携帯電話に適用した場合について説明する。しかし、本発明の端末装置は、この例に限定されず、スマートホン、PDA(personal digital assistant)、携帯パソコン、PND(personal navigation device)、カーナビゲーションシステム、携帯可能な双眼鏡などの移動体端末装置、あるいは、撮像方向操作可能な観光用の望遠鏡、カメラ付の街頭情報端末装置によって構成されていてもよい。
【0031】
≪実施形態1≫
〔端末装置の構成〕
図1は、本発明の実施形態における端末装置としての携帯電話100の要部構成を示すブロック図である。本実施形態では、携帯電話100は、3次元地図データを内蔵するデータベース(DB)にアクセスして、利用者の現在位置に応じた地図情報を表示する機能を有する。
【0032】
なお、図1の説明では、携帯電話100は、内蔵する地図DBを検索するものとして説明するが、これに限定されない。通信網を介して外部のDBにアクセスしてもよいし、外部のDBから定期的に地図データをダウンロードしてこれを保持するものであってもよい。あるいは、地図DBにアクセスする他の検索装置に検索を依頼する(クエリを投げる)携帯電話であってもよい。この場合、携帯電話は情報検索機能を持たず、クエリを生成する機能だけ有していればよい。
【0033】
図1に示すとおり、本実施形態における携帯電話100は、制御部10、記憶部11、通信部12、操作表示部13、撮像部14およびセンサ(群)15を備える構成となっている。
【0034】
記憶部11は、制御部10が実行する制御プログラム、OSプログラム、および、制御部10が、携帯電話100が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、フラッシュメモリまたはハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。記憶部11が記憶する各種データとしては、例えば、地図データ記憶部40、付加情報記憶部41および撮像画像記憶部42がある。これらの記憶部のデータ構造については後述する。
【0035】
通信部12は、通信網(本実施形態では、インターネット、携帯電話網など)を介して、外部の装置との間でデータを送受信するものである。本実施形態では、通信部12は、携帯電話100が生成したクエリを含んだ検索リクエストを送信したり、その検索結果を含むレスポンスを受信したりする。通信部12は、イーサネット(登録商標)、モデム、無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信といった有線無線を問わない通信手段によって実現される。
【0036】
操作表示部13は、各種情報を利用者に表示する表示デバイスと、利用者の指示入力を受け付ける入力デバイスとを含むものである。本実施形態では、表示部と操作部とが一体に形成されたタッチパネルで構成されている。表示デバイスは、液晶表示装置(LCD)などで実現される。表示デバイスは、携帯電話100が撮像した画像データ、携帯電話100が生成したGUI(graphical user interface)画面、地図データの付加情報などを表示するものである。入力デバイスは、情報が表示されたタッチパネル上を指やペンで利用者が押下して指示信号を発生させることにより実現される。
【0037】
しかし、本発明の端末装置は、これに限定されず、表示部と操作部とが別々に形成された構成であってもよい。例えば、携帯電話100は、操作部として、数字を入力するためのテンキー、カーソルを動かすための十字キー、選択を決定するための決定キーなどを備えていてもよい。
【0038】
撮像部14は、被写体の撮影を行って静止画または動画データを生成するカメラである。具体的には、撮像部14は、被写体からの光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)などの撮像素子と、撮像素子からの電気信号をRGB各色のデジタルデータに変換する映像処理回路とを備える構成が挙げられる。撮像部14が撮像した静止画または動画データは、制御部10を介して、記憶部11の撮像画像記憶部42に記憶される。
【0039】
センサ(群)15は、携帯電話100の位置、姿勢、撮像方向、方位、移動速度などを検出するものであり、1つまたは複数種類のセンサからなる。本実施形態では、一例として、センサ(群)15は、位置検出部150、撮像方向検出部151、速度検出部152および姿勢検出部153を備えている。
【0040】
位置検出部150は、携帯電話100の現在位置(例えば、緯度と経度など)を取得するものである。撮像方向検出部151は、携帯電話100の撮像部14が撮像を行う撮像方向(利用者の視線の方向)を検出するものである。速度検出部152は、携帯電話100の移動速度を検出するものである。端末装置が移動体でない場合には、速度検出部152は備えていなくともよい。姿勢検出部153は、携帯電話100の姿勢、傾きを検出するものであり、例えば、x、y、z方向での3軸における携帯電話100の傾きや移動速度などを取得してもよい。
【0041】
センサ(群)15の各検出部は、携帯電話100を継続的に監視して、検出した値をRAM(random access memory)などの揮発性記憶装置に一時的に格納していてもよいし、撮像部14にて撮像処理が実行されたときに、撮像時の携帯電話100の状態を、瞬間的に検出し、記憶部11などの不揮発性記憶装置するものであってもよい。
【0042】
各検出部は、GPS(global positioning system)、位置の特定された発信源からの電波を検出して三角測量を実行するセンサ、部屋/道路の位置などを示すマーカ信号のセンサ、角速度センサ、地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサなどを適宜採用して実現される。
【0043】
制御部10は、携帯電話100が備える各部の各種動作を統括制御するものであり、CPU(central processing unit)やバスコントローラなどの、端末装置を構成するための装置群によって実現される。制御部10は、機能ブロックとして、少なくとも、表示制御部20、操作受付部21、特徴情報生成部31、クエリ生成部32、通信制御部33および情報検索部34を備えている。表示制御部20および操作受付部21は、タッチパネルである操作表示部13を制御するタッチパネル制御部30を構成する。
【0044】
制御部10は、さらに、特徴情報評価部35、画像重畳部22、領域検出部23を備えていてもよい。この場合、表示制御部20、操作受付部21、画像重畳部22および領域検出部23がタッチパネル制御部30を構成する。
【0045】
ここで、携帯電話100が、ローカルに保存された地図DBを検索しないで、外部の装置(DB)に検索を依頼する場合には、情報検索部34および特徴情報評価部35を備えていなくてもよい。
【0046】
上記機能ブロックとして示される各部は、CPU(central processing unit)がROM(read only memory)等の記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。本実施形態では、プログラムの具体例としては、図示しないが、クエリ生成プログラム、特徴情報生成プログラム、地図表示プログラム、地図データ検索プログラムなどが、記憶部11に記憶されている。これに限定されず、携帯電話100に搭載される各種アプリケーションプログラムも記憶部11に記憶されている。
【0047】
制御部10の機能ブロックとしての各部の動作については後述する。
【0048】
〔記憶部のデータ構造〕
図2(a)は、本発明の実施形態における端末装置の記憶部11に記憶されている撮像画像記憶部42のデータ構造を模式的に示す図である。図2(b)は、記憶部11に記憶されている地図データ記憶部40のデータ構造を模式的に示す図である。図2(c)は、記憶部11に記憶されている付加情報記憶部41のデータ構造を模式的に示す図である。
【0049】
以下で説明する各記憶部のデータ構造は、一例であって、本発明の端末装置の構成を限定するものではない。
【0050】
図2(a)に示すとおり、撮像画像記憶部42は、画像データ(静止画または動画)を一意に識別するための画像番号に、撮像部14が撮像した画像データと、画像特徴情報とが関連付けて記憶される構成である。画像特徴情報とは、画像データから抽出された特徴量を示すものである。制御部10の特徴情報生成部31が、画像データを分析し、抽出した特徴量を、該画像データに関連付けて画像特徴情報として撮像画像記憶部42に記憶する。この画像特徴情報は、クエリ生成部32によってクエリの一部として利用される。あるいは、特徴情報評価部35が、上記画像データと、検索結果の地図データとの一致度を評価するために上記画像特徴情報を撮像画像記憶部42から読み出してもよい。
【0051】
画像特徴情報は、例えば、画像データにおける各画素の輝度、色彩、周囲画素との差分および/または平均などから抽出された二次元の特徴量であってもよいし、認識された輪郭や境界線に基づいて、画像データに写っている対象物の形状を抜き出した二次元の特徴量であってもよい。また、画像特徴情報は、画像データに写っている対象物の立体的な形状を抜き出して、点や線からなる空間座標値やポリゴンなどで表現される三次元の特徴量であってもよい。三次元形状の特徴量は、データサイズが大容量となるため、三次元の特徴量から算出したVQ(vector quantization)コードを画像特徴情報としてもよい。あるいは、三次元形状の特徴量と、輝度・彩度・色度・色温度などの二次元の特徴量との組み合わせや二次元画像特徴から算出されるVQコードが画像特徴情報として用いられてもよい。また、画像データに付随する、撮像日時(そこから季節・天候などをさらに抽出する)、画素数などのメタ情報が、画像特徴情報として用いられてもよい。
【0052】
図2(b)に示すとおり、本発明の一実施形態では、地図データ記憶部40は、情報提供の対象となる場所(例えば、日本全国)をさらにいくつかのエリアに分割し、エリアごとに、以下の情報が記憶される構成である。つまり、エリア番号に関連付けて、位置情報、地図(画像)データの実データ、画像特徴情報、1または複数の対象物番号が記憶されている。位置情報は、当該エリアの位置を示す情報である。地図データは、当該エリアの地図を表現した二次元または三次元のグラフィックまたは実写写真による画像データである。本実施形態では、地図データは、二次元地図、三次元地図、または、それらの両方を含んでいてもよい。画像特徴情報は、上記地図データから得られる二次元および/または三次元の特徴量である。対象物番号は、当該エリアに存在する建造物、施設、景勝地などの対象物を端末装置が個々にオブジェクトとして認識できるように、各対象物に一意に付与した番号である。
【0053】
本実施形態では、エリアに存在する対象物をオブジェクトとして1つ1つ管理することにより、対象物ごとに付加情報を管理することができる。付加情報は、付加情報記憶部41に記憶されており、図2(b)および図2(c)に示すとおり、地図データ記憶部40と付加情報記憶部41とは対象物番号で紐付けされている。
【0054】
付加情報とは、対象物に関するより詳細なあらゆる情報を含んでいる。より具体的には、対象物が1または複数の店舗を有するビルであれば、各店舗の詳細な情報、つまり、店舗名、店舗名の他言語表記(翻訳)、各店舗の広告、口コミによる評価情報、友人知人による共有情報、住所・電話番号情報、キーワード情報、各店舗が提供するサービスメニュー情報、価格情報などの地域と生活に関連付けられる情報などが付加情報となる。付加情報は、上述の例に限定されないが、上述の例のとおり、地図とともに提供されることで利用者の利便性が向上する内容を含んでいることが好ましい。付加情報は、テキストデータ、画像(動画、静止画)データ、音楽データなどで構成されている。あるいは、対象物に関連付けて、ゲーム、マークアップ言語、URLといった情報が付加情報として提供されてもよい。
【0055】
図2(c)に示すとおり、本発明の一実施形態では、付加情報記憶部41は、対象物番号に関連付けて、位置情報、画像特徴情報、ジャンル情報、1または複数の付加情報が記憶されている。
【0056】
位置情報は、当該対象物の位置を示す情報である。画像特徴情報は、地図データにおける当該対象物の画像データから抽出された二次元および/または三次元の特徴量である。ジャンル情報は、当該対象物の種類を示す情報である。例えば、対象物に、ホテルやレストランなどの店舗が入っている場合には、該対象物のジャンル情報は、「ホテル」、「食事」などと設定される。
【0057】
携帯電話100は、記憶部11に記憶された上述の各種データを処理することにより、特に、画像特徴情報を検索や検索結果の表示に用いることにより、正確かつ忠実に情報を検索し提供することが可能となる。以下、制御部10の各部の動作について説明する。
【0058】
特徴情報生成部31は、センサ(群)15の各検出部が検出した携帯電話100の位置、撮像方向、姿勢などに基づいて、撮像部14が撮像した画像データから輝度や色相、彩度や輪郭形状といった任意の方法で特徴量を抽出し、画像特徴情報を生成するものである。特徴情報生成部31が抽出する特徴量および抽出方法は、特に限定されないが、例えば、以下のような手順で特徴量が抽出される。
【0059】
特徴情報生成部31は、撮像部14が撮像した実写の画像データ上の位置と撮像平面に対する写像空間とを考慮した撮像方向への直線が三次元地図上の対象物と接触する点およびその周囲の画像に基づいて、二次元画像の特徴量および三次元形状の特徴量を抽出してもよい。より具体的には、特徴情報生成部31は、ビルなどを含む景色を撮像した画像データから、ビルの三次元形状を特定して、それを、ポリゴンまたは三次元座標空間における点と線との集合として値を抽出する。
【0060】
ここで用いられる三次元形状の特徴量は、二次元の画像データから三次元形状を抽出する方法によって作成されるものである。具体的には、一点透視図における奥行きの計算方法、複数視点画像や動体視差画像による三次元モデリング方法などといった方法が既に多く提案されている。
【0061】
さらに、特徴情報生成部31は、撮像した画像データが静止画の場合には、撮像時に携帯電話100が通信していた通信基地局の基地局ID、撮像時の携帯電話100の緯度・経度、撮像時天候、撮像日時、撮像方向、画角、色温度などの撮像状況を示すメタ情報を画像特徴情報に含めて当該画像データに関連付けて記憶してもよい。あるいは、画像データが動画の場合には、特徴情報生成部31は、撮像時に携帯電話100が通信していた通信基地局の基地局ID、撮像時の携帯電話100の緯度・経度、撮像時天候、撮像開始日時、撮像終了日時、撮像中の携帯電話100(撮像部14)の移動軌跡、撮像方向変化履歴、画角変化履歴、色温度変化履歴などの撮像状況を示すメタ情報を画像特徴情報に含めて当該画像データに関連付けて記憶してもよい。これにより、上述の撮像状況の情報を検索クエリに含めることができる。
【0062】
クエリ生成部32は、利用者が所望する地図データを検索するために情報検索部(または外部の情報検索装置)が必要とする検索クエリを生成するものである。本実施形態では、クエリ生成部32は、撮像部14が撮像処理を行ったときに、センサ(群)15の各検出部から取得した位置情報、撮像方向情報および姿勢情報を用いてクエリを生成する。このとき、クエリ生成部32は、さらに、上記撮像処理によって得られた画像データに関連して特徴情報生成部31が生成した画像特徴情報を上記クエリに加えてもよい。より詳細には、クエリ生成部32は、三次元立体形状の特徴量をクエリに加えてもよいし、二次元平面形状の特徴量、輝度・彩度・色度などの画素の特徴量をクエリに加えてもよいし、音素・音素片・音韻・音声特徴・音声VQコードなどの音声に基づくパラメータをクエリに加えてもよい。
【0063】
また、クエリ生成部32は、携帯電話100の機種を示す機種情報をクエリに加えてもよい。これにより、情報検索部(情報検索装置)は、機種によって撮像部14のレンズの歪み特性を特定することが可能となり、撮像された画像データの画角を特定することができる。あるいは、クエリ生成部32は、画角情報をそのままクエリに加えてもよい。
【0064】
通信制御部33は、通信部12を介して、クエリ生成部32が生成したクエリを含む検索リクエストを外部の情報検索装置に送信するものである。また、上記要求メッセージの応答として返信された検索結果を通信部12を介して受信するものである。通信制御部33が受信した検索結果は、地図DB(地図データ記憶部40および付加情報記憶部41)に記憶され、地図DBが更新される。なお、携帯電話100が、最新の地図DBを内蔵している場合には、外部の情報検索装置との間で、クエリと検索結果とをやりとりする必要はない。
【0065】
情報検索部34は、クエリ生成部32が生成したクエリに基づいて、地図データ記憶部40および/または付加情報記憶部41の検索を行い、該当エリアの地図データおよび/または付加情報を抽出するものである。より具体的には、情報検索部34は、各種検出部が検出した携帯電話100の位置情報、撮像方向情報、姿勢情報、および、画角などに基づいて、検索対象となる空間位置を特定し、その位置に合致するエリアの地図データを抽出する。
【0066】
さらに、情報検索部34は、クエリに画像特徴情報が含まれている場合には、特徴情報評価部35が評価した画像特徴情報の一致度に基づいて、地図データを検索することができる。これにより、より精度の高い検索を実行することが可能となる。例えば、クエリの画像データに関連付けられている三次元形状の画像特徴情報との一致度が高い、三次元地図の三次元形状の画像特徴情報が関連付けられたエリアを検索結果として抽出することが可能となる。
【0067】
情報検索部34は、地図データ記憶部40から該当エリアの地図データを抽出した後、該エリアの対象物に関連付けられている付加情報を付加情報記憶部41から抽出する。
【0068】
さらに、情報検索部34は、携帯電話100の機種情報に基づいてレンズの歪み特性などを特定し、歪み特性に基づいた画角情報を取得したり、画角情報を特徴情報生成部31などから取得したりしてもよい。これにより、検索対象となる空間を、四角錐や台錐形にて算出したり、携帯電話100の撮像部14を中心とする球形にて算出したりして、検索対象範囲を限定するように構成してもよい。
【0069】
さらに、情報検索部34は、利用者によって設定された条件、制限にしたがって、地図DBのエリアや対象物のレコードをソートしたり、フィルタリングしたりして、検索結果を加工してもよい。
【0070】
特徴情報評価部35は、地図DBにてエリアごと、対象物ごとに管理されている画像特徴情報と、撮像部14によって撮像された画像データから特徴情報生成部31によって生成された画像特徴情報との一致度を評価するものである。
【0071】
特徴情報評価部35が実行する上記両画像特徴情報の評価結果は、情報検索部34が検索のために利用したり、画像重畳部22が画像データと付加情報とを重畳表示するために利用したりする。
【0072】
また、特徴情報評価部35は、三次元形状の特徴量同士の一致度評価(モデルベースド・マッチング)を行ってもよい。情報検索部34は、これにより、携帯電話100が撮像した画像から得られる建物などの形状と、地図データ上の三次元形状が一致していることによって、抽出すべきエリアを特定し、該エリアの付加情報をさらに検索することができる。
【0073】
なお、携帯電話100の情報検索部34が内蔵の地図DBを検索する構成の場合に、内蔵の地図DBに対して一致度評価による検索を行った結果、適切な検索結果が得られなかった場合は、すなわち、撮像した画像データの立体形状と一致する場所が地図DBにはないと特徴情報評価部35が判断した場合は、クエリ生成部32は、位置・撮像方向・姿勢情報とともに、三次元形状の画像特徴情報を、外部の情報検索装置に依頼するクエリに含めて生成してもよい。
【0074】
上述の例のとおり、輝度・色度・彩度などの画素に関する特徴量によらずに、算術的に求められた形状(特に立体形状)同士の特徴量の一致度を利用すれば、天候、季節、時間帯などの変動の影響を受けずに、安定した高精度な検索を実行することができる。結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0075】
タッチパネル制御部30は、操作表示部13を制御するものである。本実施形態では、少なくとも、タッチパネル制御部30は、表示制御部20および操作受付部21で構成されており、さらに、タッチパネル制御部30は、画像重畳部22、領域検出部23を備えていてもよい。
【0076】
表示制御部20は、携帯電話100の制御部10が各種情報処理を行った結果を操作表示部13の表示部に出力するものである。例えば、表示制御部20は、撮像部14が撮像した画像データを表示してもよいし、情報検索部34が行った検索による検索結果の二次元または三次元地図、もしくは、付加情報を表示してもよいし、制御部10が生成した操作メニューなどを表すGUI(graphical user interface)画面を表示してもよい。
【0077】
本実施形態では、タッチパネル制御部30は、画像重畳部22を備えていてもよい。画像重畳部22は、撮像部14が撮像した実写の画像データに、携帯電話100にて生成したグラフィック、つまり、上記画像データに一致する対象物の付加情報とGUI画面とを重畳させるものである。上記画像データ上に対象物の付加情報を重ね合わせる場合、位置情報を正しく合わせておかないと、対象物とはずれて別の場所に付加情報が表示されてしまい、正確な情報提示が行われない可能性がある。そこで、本実施形態では、画像重畳部22は、特徴情報評価部35が評価した画像特徴情報の一致度評価結果を利用してもよい。この場合、画像重畳部22は、静止画であれば適切な位置補正をして、検索結果を重畳させた映像信号を表示制御部20に出力する。動画であれば、速度検出部152が検出する移動速度による補正を加えながら、検索結果を重畳させた映像信号を表示制御部20に出力する。
【0078】
このように、画像特徴情報をマッチングすることにより、付加情報の高精度な合成表示を行うことが可能となり、結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0079】
操作受付部21は、利用者が操作表示部13または各種キーを操作することにより入力される信号を受け付けるものである。本実施形態では、例えば、利用者が指やタッチペンで操作表示部13の表示画面を押すことによって、表示画面において押された箇所の座標が領域検出部23に伝達される。
【0080】
領域検出部23は、操作受付部21によって、操作表示部13に対する押下操作が検知された場合に、押された箇所の座標に基づいて、操作表示部13に表示されているどの領域、UI部品が押されたのかを検出するものである。本実施形態では、例えば、領域検出部23は、どの、画像データ上の建造物のオブジェクト、GUI画面による操作ボタン、もしくは、付加情報を表示するテキストまたは吹き出しが押下されたのかを検出する。制御部10の各部は、領域検出部23が検出した、利用者の操作内容にしたがって動作する。
【0081】
〔端末装置の処理フロー〕
図3は、本発明の実施形態における携帯電話100の地図検索表示処理のフローチャートである。図4〜図8は、携帯電話100の操作表示部13に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【0082】
始めに、携帯電話100において、本発明の制御プログラム、具体的には、地図検索表示プログラムが起動されると、制御部10は、各種初期化など必要な処理を実行する。その後、利用者のシャッター操作または自動撮像機能などによって、撮像部14が、画像データを撮像する(S101)。この撮像処理で得られる画像データは、静止画であっても動画であってもよい。また、ここで、特徴情報生成部31が、撮像された画像データを分析し、当該画像データの二次元または三次元の画像特徴情報を生成してもよい。
【0083】
ここで、地図を検索したい場所の画像データ、および、該画像データの画像特徴情報が、撮像画像記憶部42に記憶されている場合には、撮像処理を行わずに、すでに記憶されている画像データおよび画像特徴情報を用いて検索処理を行ってもよい。そして、特徴情報生成部31は、天候、時間帯などの環境の変化を示す情報に基づいて、今回の検索に用いる画像特徴情報を補正してもよい。天候情報は、ウェブを通じて携帯電話100に供給されてもよいし、時間情報は、携帯電話100が内蔵する時計機能から供給されてもよい。
【0084】
撮像部14によって画像データが撮像されると、センサ(群)15が、携帯電話100本体の物理的状態を検出する(S102)。具体的には、位置検出部150が、携帯電話100(利用者)の現在位置を検出し、撮像方向検出部151が、撮像が実施された撮像方向を検出し、姿勢検出部153が携帯電話100本体の姿勢(傾き)などを検出する。撮像部14が動画を撮像している場合には、携帯電話100の移動速度を速度検出部152が検出してもよい。
【0085】
続いて、クエリ生成部32は、センサ(群)15の検出結果に基づいて、携帯電話100の位置と撮像方向とを含むクエリを生成する。ここで、クエリ生成部32は、検索対象となる空間および画角を特定し、検索を行うためのクエリを生成してもよい(S103)。
【0086】
情報検索部34は、クエリ生成部32が生成したクエリ(携帯電話100の位置と撮像方向)にしたがって、地図データ記憶部40および付加情報記憶部41から、地図データおよび付加情報(店舗情報、広告、メニューなど)を取得する(S104)。詳細には、位置と撮像方向とから検索対象となる空間を、三次元地図上の座標空間において特定し、当該空間に存在するオブジェクト(建造物)の付加情報を検索する。
【0087】
ここで、クエリ生成部32の代わりに、情報検索部34が、位置と撮像方向とから検索対象となる空間を算出してもよい。
【0088】
検索対象となる空間の算出手順は以下の通りである。クエリ生成部32(または情報検索部34)は、位置と撮像方向に基づいて錐形の座標空間を算出する。例えば、利用者の位置から利用者の視線と最も手前で衝突する物体(建造物など)までの距離の2倍の距離の範囲内で視線と衝突する対象物があれば、それらが存在する三次元地図上の空間を検索対象としてもよい。また、検索対象の距離の上限などを設けて、付加情報の検索を行ってもよい。
【0089】
さらに必要であれば、クエリ生成部32は、S101にて特徴情報生成部31が生成した画像特徴情報を加えてクエリを生成してもよい。この場合、S104の検索処理において、情報検索部34は、位置、撮像方向に加えて、画像特徴情報が一致する地図データを検索する。これにより、地図DBにおいて検索対象の空間をより正しく特定することが可能となり、検索精度を向上させることが可能となる。
【0090】
続けて、タッチパネル制御部30の表示制御部20および画像重畳部22は、情報検索部34が行った検索結果を操作表示部13に表示する(S105)。
【0091】
具体的には、図4に示すとおり、画像重畳部22は、S101にて撮像部14が撮像した画像データ400に、情報検索部34が検索した検索結果データ401(地図データおよび各オブジェクトの付加情報など)、ならびに、利用者が携帯電話100を操作するためのGUI部品402(ボタンなど)を重畳させる。表示制御部20は、画像重畳部22が行った重畳処理の結果を操作表示部13に出力する。
【0092】
さらに必要であれば、特徴情報評価部35は、クエリに用いた画像データの画像特徴情報と、情報検索部34が抽出した地図データの画像特徴情報との一致度を評価し、評価結果を画像重畳部22に供給してもよい。この場合、S105の検索結果表示処理において、画像重畳部22は、画像データと地図データとを、より正確に位置合わせ(トラッキング処理)をして重畳させることができる。これにより、位置ずれの誤差を低減し、より正確な検索結果を利用者に提供することが可能となる。撮像画像が動画の場合には、利用者にとって、検索結果がさらに見やすくなる。なお、トラッキング(2Dトラッカーや3Dトラッカーとも言われる)方法は、特に限定されない。
【0093】
操作表示部13に検索結果が表示されたのち、操作受付部21が利用者のタッチパネルからの入力を検出すると(S106においてYES)、領域検出部23が、タッチ箇所の表示座標位置を確認し、表示画面のどの領域がタッチされたのかを検出する(S107)。具体的には、領域検出部23は、以下の3つの判定ステップを実施する。すなわち、タッチされた箇所が、S101の撮像処理で獲得された画像データを表示する撮像画像領域か否かを判定するステップ(S108)、GUI部品を表示するGUI領域か否かを判定するステップ(S109)、画像データに対して重畳表示されたグラフィック(地図データおよび付加情報)を表示する付加情報重畳領域か否かを判定するステップ(S110)を順次実施する。
【0094】
なお、撮像画像領域とはS101の撮像ステップで撮像された画像データを直接表示している表示領域であり、GUI領域とは、利用者が操作するためのUI部品が表示されている領域であり、付加情報重畳領域とは、画像データにオーバーラップされたコンピュータ画像が表示されている領域である。
【0095】
ここで、領域検出部23が、タッチされた箇所が撮像画像領域であると判定した場合には(S108においてYES)、情報検索部34は、領域検出部23が検出したタッチ箇所の地図空間上の位置を確認する。より具体的には、地図データが三次元地図である場合には、情報検索部34は、タッチされた箇所が地図データ上の三次元空間においてどの座標に位置するかを三次元投影法などの算術的手法を用いて算出する。そして、情報検索部34は、地図データ記憶部40のエリアのどのオブジェクトがタッチにより選択されたのかを特定する。すなわち、注目対象物を特定する(S111)。
【0096】
続いて、情報検索部34は、特定した注目対象物の付加情報を付加情報記憶部41から抽出し、検索結果を画像重畳部22に供給する。
【0097】
画像重畳部22は、情報検索部34によって特定された注目対象物700を強調表示するために画像データに強調表示のグラフィック(例えば、太枠)を重畳させるとともに、情報検索部34によって抽出された当該注目対象物の付加情報を可視化する。例えば、図7に示すとおり、付加情報である店舗情報を表示した吹き出し701を画像データ400に重畳させる(S112)。
【0098】
ここで、強調表示の方法は、上記に限定されない。注目対象物だけ加工せずに、他のオブジェクトおよび他の領域を暈す画像処理を施すなどの方法で、注目対象物を強調表示してもよい。
【0099】
一方、領域検出部23が、タッチされた箇所がGUI領域であると判定した場合には(S109においてYES)、領域検出部23は、選択されたGUI部品を特定し、画像重畳部22は、特定されたGUI部品に対してカーソルを移動させるなどの適宜処理を実行する。さらに、選択されたGUI部品に応じて、制御部10が携帯電話100の各部に各種機能の実行を命令してもよい。
【0100】
例えば、図5に示すとおり、GUI部品402のジャンル食事ボタン500がタッチされた場合には、画像重畳部22は、カーソル501をジャンル食事ボタン500にフォーカスさせる処理を行う。さらに、本実施形態では、図示しないGUI処理部が、GUI部品402の表示を切り替える(S113)。具体的には、図6に示すとおり、食事のジャンルについて選択可能なさらに下位層の選択項目を含むGUI部品402を表示する。
【0101】
さらに、本実施形態では、図5に示すとおり、画像データ400および検索結果データ401が表示されている状態で、ジャンル食事ボタン500が選択されると、情報検索部34は、付加情報記憶部41から、該当エリアにおいてジャンル情報に「食事」の値を含む建造物を抽出してもよい。そして、画像重畳部22は、抽出された建造物が強調表示されるようにグラフィック(例えば、強調枠502)を重畳表示してもよい(S114)。
【0102】
一方、領域検出部23が、タッチされた箇所が付加情報重畳領域であると判定した場合には(S110においてYES)、領域検出部23は、選択された付加情報部品を特定する。そして、画像重畳部22は、選択された付加情報部品に対してフォーカスをあてるなどの適宜処理を実行する。さらに、情報検索部34は、選択された付加情報に関連付けられた、さらに下位層の付加情報(店舗情報、広告情報、サービスメニューのリストなど)を検索し、画像重畳部22が、その検索結果を表示する(S115)。例えば、図8に示すとおり、吹き出し701の中で、「イタリアン1店舗」がタッチされた場合には、当該店舗のさらに詳細な下位層付加情報800が表示されてもよい。
【0103】
一連の検索および表示処理が終了する、S116のステップに遷移し、利用者が地図検索表示処理を終了させる操作を行ったか否かを制御部10が判定する。地図検索表示処理を継続する場合は(S116においてNO)、S117に遷移し、そうでなければ(S116においてYES)当該処理を終了する。
【0104】
S117では、制御部10が、次の撮像を行うかどうかを評価する。ここで、撮像部14が動画を撮像している場合は(S117においてYES)、撮像部14が継続して動画の撮像を行い(S101)、変化する次の位置と方向とを検出し(S102)、以降、上述した検索表示処理を繰り返す。一方、撮像部14が静止画を撮像している場合は、次のタッチ検出を行う処理ステップ(S106)に戻る。
【0105】
なお、本発明の携帯電話100の操作受付部21は、操作表示部13における利用者の表示画面に対する押下を検出する(タッチ検出する)構成としているが、本発明の端末装置はこれに限定されない。あらゆるポインティングデバイスによるポインティング操作を操作受付部21は検出する。
【0106】
〔具体例〕
図4〜図9に示す具体例に基づいて、携帯電話100の動作を説明する。なお、ここに挙げる具体例および説明は、本発明の理解を容易にする目的でなされるものであり、本発明の構成を限定するものではない。
【0107】
図9(a)は、図2(c)に示す付加情報記憶部41のデータ構造の具体例を示す図であり、図9(b)は、図2(c)に示す付加情報のうち、サービスメニューリストの具体例を示す図である。
【0108】
図9(a)は、図4においてオブジェクト403として表示されている建造物に入っている複数の店舗に関する情報が付加情報として記憶されている様子を示している。すでに述べたとおり、1つの対象物に対して、複数の店舗についての付加情報が関連付けられている。付加情報の内容は特に限定されない。図9(a)に示す以外の付加情報(例えば、混雑状況、待ち時間、空席情報など)が付加情報として店舗ごとに関連付けられていてもよい。本実施形態では、一例として、1つの店舗につき1レコードが割り当てられており、各レコードはIDによって一意に識別可能である。しかし、付加情報記憶部41のデータ構造はこれに限定されず、複数の異なる店舗のレコードをIDや名称によって分類できる構成で実現されていてもよいし、ひとつの店舗にIDや名称で分類可能な複数のレコードが関連付けられていてもよい。
【0109】
図9(b)は、図9(a)に示す、位置情報「N13.45.22.44、E23.45.22.42、H25.2」を有する店舗(イタリア料理レストラン)の付加情報のうち、サービスメニューリスト(リスト1)の具体例を示している。リスト1は、対象物番号および位置情報の複合キーで図9(a)の付加情報記憶部のテーブルと関連付けられている。この構成により、付加情報を階層ごとに管理することができる。図9(b)の付加情報が情報検索部34によって検索された場合には、上記イタリア料理レストランについてさらに詳細な付加情報を利用者に提供することができる。このように、付加情報が階層管理されているため、利用者に理解しやすい手順でより多くの詳細な付加情報を提供することが可能となる。
【0110】
図4は、携帯電話100の操作表示部13のタッチパネルディスプレイ上に、撮像部14が撮像した画像データ400(実風景映像)、検索結果データ401、および、GUI部品402が表示されているところを示している。本実施形態においては、画像重畳部22は、付加情報が最初から可視状態で表示されるように重畳する必要はなく、画像データに各オブジェクトが表示された後、ひとつのオブジェクトが利用者にタッチされ選択された場合に、当該オブジェクトの付加情報が可視状態で出力されるようにしてもよい。
【0111】
図4に示すとおり、画像重畳部22は、情報検索部34の検索結果に基づいて、画像データ400に含まれるエリアにおいて認識されたオブジェクトごとにアイコンを検索結果データ401として重畳表示させてもよい。図4に示す401のアイコンは、当該建造物がレストランなどの食事施設(店舗)を含んでいることを示していてもよい。なお、表示制御部20および画像重畳部22は、情報検索部34の検索結果に基づいて、利用者の位置からの実際の距離に応じて、遠くの場所に関連付けられているオブジェクトのアイコンは小さく表示したり、透明度を高くしたりしてもよい。あるいは、実際の距離とは無関係に、検索前に目的地が設定されている場合には、目的とする場所・建造物のアイコンを大きく表示したりしてもよい。
【0112】
図5は、GUI部品402に表示される複数の操作項目のうち、ジャンル「食事」の項目が、利用者の指503でタッチされ選択されたときの表示画面の具体例を示している。ジャンル食事ボタン500がタッチされると、情報検索部34は、ジャンルが食事の対象物を検索する。画像重畳部22は、検索結果に基づいて、食事が可能な建造物の輪郭に対して強調表示、および/または、ハイライト処理を実行する。例えば、図5に示す例では、太い破線枠で対象物の輪郭を囲うことにより、当該エリアの手前2つの建造物が食事施設を含んでいることを示している。
【0113】
さらに、本実施形態では、図6に示すとおり、ジャンル食事ボタン500が選択された場合には、操作項目「食事」の下位層の操作項目がGUI部品402として表示される。
【0114】
図6は、上記食事の下位層の操作項目のうち、例えば、混雑状況を示す「混雑」の操作項目が選択されたときの表示画面の具体例を示している。付加情報混雑ボタン600が、利用者の指503でタッチされ選択されると、画像重畳部22は、食事施設が入っている建造物の輪郭を強調する枠の輝度を、混雑状況に応じて異ならせて表示する。具体的には、情報検索部34が、付加情報記憶部41を検索し、表示中の対象物(対象物内の各店舗)の付加情報のうち混雑状況の情報を取得して画像重畳部22および表示制御部20に供給する。画像重畳部22は、例えば、空いている店舗(建造物)ほど輪郭強調枠502が濃い色になるように、各対象物の強調枠502の輝度を調節して重畳させてもよい。
【0115】
ここで、表示制御部20および画像重畳部22が注目対象物の輪郭を強調する構成としたが、携帯電話100のハードウェアの演算量が充分でない場合には、対象物の中心付近に建物の名前とボタンを表示するように表示制御部20および画像重畳部22を構成してもよい。あるいは、対象物を計算が単純化される任意の矩形で囲むように表示するように表示制御部20および画像重畳部22を構成してもよい。また、それらのボタンや矩形などのグラフィックのトラッキングには、撮像した画像データから得られる二次元または三次元の画像特徴情報を利用してもよい。
【0116】
図7は、混雑が少ないと表示された注目対象物700を、利用者が反対の指702でタッチし選択したときの表示画面の具体例を示している。図7に示す例では、反対の指702で選択されることにより、オブジェクト403だけが注目対象物700として選択され、注目対象物700の輪郭が強調表示される。続いて、指702で押下された箇所の周辺領域703が、領域検出部23によって取得される。そして、特徴情報生成部31は、周辺領域703の画像特徴情報を生成する。クエリ生成部32は、当該画像データ400撮像時の位置情報、撮像方向情報、および、周辺領域703の画像特徴情報を含むクエリを生成する。
【0117】
情報検索部34は、上記クエリに基づいて地図DBを検索する。例えば、注目対象物700の建造物に、「イタリアン1店舗、和食1店舗、洋食3店舗、中華1店舗」の店舗情報が関連付けられている場合には、情報検索部34は、この店舗情報を検索結果として画像重畳部22に供給する。画像重畳部22は、上記検索結果に基づいて、店舗のリストの付加情報である吹き出し701を画像データ400に重畳させて表示する。
【0118】
なお、携帯電話100が内蔵する地図DBの更新は、大元の地図DBを有する配信装置から、画像データの撮像時に位置と視野角に基づいて事前に転送されているものであってもよい。ここで、携帯電話100から配信装置に地図DBの更新を依頼するときは、利用者の操作に伴い取得された画像特徴情報(二次元または三次元の特徴量)を、さらに外部の配信装置に対するクエリに利用してもよい。このような外部の配信装置からの地図DBの更新は、定期的に行われていてもよい。
【0119】
図8は、付加情報が表示された吹き出し701のうち、「イタリアン1店舗」のテキスト部分を利用者が指503でタッチし選択したときの表示画面の具体例を示している。図8に示す例では、上記テキスト部分が選択されることにより、領域検出部23がこれを検知し、情報検索部34が、「イタリアン1店舗」に関連付けられたさらに詳細な下位層の付加情報を検索する(例えば、図9(a)の付加情報の各フィールド)。画像重畳部22は、上記検索結果に基づいて、イタリアンの店舗についての詳細な付加情報を表示する吹き出し800を画像データ400に重畳させて表示する。
【0120】
ここでさらに、図示しないGUI処理部は、利用者が、店舗への予約を行ったり、在庫状況を確認したり、空き席状況や待ち時間を照会したりする操作ができるように、予約ボタンや確認ボタンなどのGUI部品を生成し、画像重畳部22がそれらをGUI部品402として重畳表示してもよい。
【0121】
なお、二次元のタッチ箇所から、三次元空間の注目対象物を特定する手順は、例えば、以下のとおりである。情報検索部34は、操作受付部21および領域検出部23が検出したポインティング操作によって選択されたタッチ箇所の二次元の座標に基づいて、三次元地図上のどの対象物が選択されたのかを算出する。まず、タッチ箇所の座標を始点とし、三次元空間座標上で利用者の視線のごとく、始点から遠方(奥)に向けて直線を生成する。そして、上記三次元空間上で、利用者から見て最も手前にて、上記直線と衝突する対象物を、タッチ操作によって利用者が選択した注目対象物として特定する。情報検索部34は、例えば、図9(a)に示すような付加情報記憶部のテーブルから上記注目対象物の照会を行い、近傍の注目対象物に関するリスト(例えば、店舗リスト)を生成する。
【0122】
さらに、各店舗に関連付けられた店舗情報や広告情報などの詳細な付加情報を取得する。
【0123】
なお、図3のS112にて、特徴情報生成部31が、領域検出部23が検出した図7の周辺領域703における二次元の画像特徴や三次元の形状特徴などの画像特徴情報を生成し、クエリ生成部32が、それらの画像特徴情報を検索のクエリに加えることにより、店舗情報や広告情報の検索精度を改善してもよい。
【0124】
さらに、必要であれば、上述したS101の撮像処理ステップにより獲得された画像データ、それ以前の繰返しの撮像処理により獲得された画像データなどに基づいて算出される二次元または三次元の特徴量を画像特徴情報として、さらにクエリに加えて検索してもよいし、天候や時間帯といった環境の変化を示す情報に基づいて取得した画像特徴情報を用いて、以前までの画像特徴情報を補正してもよい。
【0125】
上述したとおり、携帯電話100の画像重畳部22は、実写画像(画像データ400など)と、ユーザーインターフェース画像(GUI部品402など)と、自装置内もしくは通信回線を経由したデータベースから獲得し生成された画像(検索結果データ401、吹き出し701、下位層付加情報800など)とを重畳する。そして、表示制御部20は、重畳画像を、利用者が操作可能なように操作表示部13に出力する。利用者は、操作表示部13を操作して、重畳画像の任意の箇所を指などでタッチすることにより携帯電話100を操作することが可能となる。
【0126】
具体的には、利用者は、GUI部品402の領域から必要な情報の種類(店舗のジャンルなど)を選択することができる。また利用者は、提供される情報の優先順位基準(混雑状況、現在地からの近さなど)を選択することができる。そして、利用者は、優先順位基準に基づいて表示のされ方が変化した建造物などのオブジェクトを選択することができる。操作表示部13には、選択されたオブジェクトに関連付けられた店舗一覧が選択可能に表示される。利用者によって店舗の一つが選択されると、選択された店舗に関連付けられた付加情報が検索され、元の画像データ400に重畳表示される。そして、利用者は、地図データに加えて、地図上に存在する建造物などの付加情報を階層的に取得することが可能となり、分かりやすいサービスを享受することが可能となる。
【0127】
上で述べたとおり、重畳表示された実写画像、UI画像、付加情報画像のいずれかタッチされたかによって、携帯電話100の動作は変化する。
【0128】
利用者がタッチした箇所が、実写の画像データである場合は、携帯電話100は、実写の画像データに含まれるどの対象物が選択されたのか(注目対象物がどれか)を特定する。具体的には、クエリ生成部32は、利用者のタッチ部分を中心とする一定範囲内の画像または画像から得られる画像特徴情報、もしくは、画像特徴情報のVQコードをクエリに追加する。そして、そのクエリを内蔵の情報検索部34(または、情報検索装置)に送信する。これにより、情報検索部34は、データベースにデータの照会をすることが可能となる。
【0129】
なお、タッチした箇所から目的の場所を算出する方法は、三次元投影変換により実施され、レンズのコマ収差などを考慮して座標変換を行ってもよい。また、操作表示部13としてのタッチパネルに限らず任意のマウスやトラックパッドのようなポインティングデバイスによって、表示部の任意の位置が指定されてもよい。上記ポインティングデバイスによって指定された実写画像上の位置と撮像平面に対する写像空間を考慮した撮像方向への直線において、三次元地図上の物体と接触する点とその周辺領域の画像の特徴量に基づいて、二次元画像特徴や三次元形状特徴といった画像特徴情報が生成されてもよい。そして、このように生成された画像特徴情報を、マッチングによって、情報検索やトラッキングに利用することが可能となる。
【0130】
また、付加情報画像(例えば吹き出し701など)がタッチされた場合には、選択された対象物、テキストなどに関連付けられた下位層の付加情報をさらに重畳表示する処理が実行される。
【0131】
≪実施形態2≫
上述の実施形態では、主に、端末装置としての携帯電話100がデータベースおよび情報検索機能を内蔵し、情報検索機能および検索結果表示機能の精度向上を図る場合について説明した。しかし、本発明の端末装置は上記の構成に限定されない。データベースおよび情報検索機能を情報検索装置としての配信装置が内蔵し、端末装置が情報検索を配信装置に依頼し、配信装置から供給された検索結果を端末装置にて表示する情報検索システムも本発明の範疇に入る。以下では、本発明の情報検索システムを、地図DBを有する配信装置が地図データおよび付加情報を検索し、検索結果を端末装置に配信する地図検索システムに適用した場合を例に挙げ、説明する。
【0132】
〔地図検索システムの概要〕
図10は、本発明の実施形態における地図検索システム900の概略構成を示す図である。図10に示す例は、本発明の情報検索システムを説明するために用いる一つの具体例に過ぎず、これにより本発明の情報検索システムの構成は限定されない。
【0133】
図10に示すとおり、地図検索システム900は、本発明の1または複数の端末装置(A〜C・・・)と、本発明の1または複数の配信装置(A、B・・・)とを含む構成である。各装置は、インターネット300などの通信回線を経由して無線や有線で接続されており、これにより、端末装置の現在位置に基づく地図情報供給サービスを実現することができる。無線接続される端末装置Aまたは端末装置Bを、上述した携帯電話100や、車両などの移動体に搭載されるカーナビゲーションシステム100bなどで実現することができる。また、有線接続される端末装置Cを、観光用の望遠鏡を制御するPCなどの望遠鏡制御装置100cで実現することができる。
【0134】
配信装置Aまたは配信装置Bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、クラウドコンピュータ、クラスタリングコンピュータ、グリッドコンピュータなどの大規模情報処理システムなどによって構成されていてもよい。
【0135】
また、配信装置と端末装置とは、インターネット300に限定されず、イーサネット(登録商標)、フレームリレー、電話回線、無線回線といった任意の通信施設や通信機器を用いて接続され、本発明の地図検索システム900を構成してもよい。
【0136】
各端末装置A〜Cの要部構成については、既に述べた図1に記載の携帯電話100とほぼ同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
【0137】
〔配信装置の構成〕
図11は、本発明の実施形態における情報検索装置としての配信装置200の要部構成を示すブロック図である。本実施形態では、配信装置200は、地図DBおよび地図データ検索機能を有するサーバ装置である。
【0138】
図11に示すとおり、本実施形態における配信装置200は、制御部50、記憶部51、通信部52および操作部53を備える構成となっている。
【0139】
記憶部51は、制御部50が実行する制御プログラム、OSプログラム、および、制御部50が、配信装置200が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、フラッシュメモリまたはハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。記憶部51が記憶する各種データとしては、例えば、地図データ記憶部70、付加情報記憶部71などがある。これらの記憶部のデータ構造については、それぞれ、携帯電話100の地図データ記憶部40、付加情報記憶部41とほぼ同様である。
【0140】
通信部52は、通信網(本実施形態では、インターネット、携帯電話網など)を介して、外部の装置との間でデータを送受信するものである。本実施形態では、通信部52は、携帯電話100が生成したクエリを含んだ検索リクエストを受信したり、その検索結果を含むレスポンスを送信したりする。通信部52は、イーサネット(登録商標)、モデム、無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信といった有線無線を問わない通信手段によって実現される。
【0141】
操作部53は、配信装置200の操作者が配信装置200に指示を入力するための入力デバイスであり、本実施形態では、例えば、キーボード、マウス、タッチパッドなどで実現される。
【0142】
制御部50は、配信装置200が備える各部の各種動作を統括制御するものであり、CPU(central processing unit)やバスコントローラなどの、配信装置を構成するための装置群によって実現される。制御部50は、機能ブロックとして、少なくとも、通信制御部60、クエリ解釈部61、情報検索部62および特徴情報評価部64を備えている。また、制御部50は、必要に応じて、特徴情報生成部63を備えていてもよい。
【0143】
上記機能ブロックとして示される各部は、CPU(central processing unit)がROM(read only memory)等の記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。本実施形態では、プログラムの具体例としては、図示しないが、クエリ受信プログラム、クエリ解釈プログラム、特徴情報生成プログラム、地図データ検索プログラム、検索結果送信プログラムなどが、記憶部11に記憶されている。これに限定されず、携帯電話100に搭載される各種アプリケーションプログラムも記憶部11に記憶されている。
【0144】
通信制御部60は、通信部52を介して、端末装置(携帯電話100など)が生成したクエリを含む検索リクエストを受信するものである。また、上記検索リクエストの応答として、情報検索部62が生成した検索結果を通信部52を介して送信するものである。通信制御部60は、端末装置から、必要に応じて二次元画像特徴や三次元形状特徴を用いて構成されたクエリを受信したり、端末装置の現在位置と撮像方向の情報で構成されたクエリを送受信したりしてもよい。
【0145】
クエリ解釈部61は、情報検索部62が地図DB(地図データ記憶部70および付加情報記憶部71)に対して検索を行うためのクエリを解釈するものである。上記検索リクエストには、例えば、二次元の画像の特徴量や三次元の形状の特徴量などから生成された画像特徴情報が含まれており、クエリ解釈部61は、上記検索リクエストに含まれる画像特徴情報をクエリとして検索時に用いるように、その値を必要に応じて情報検索部62に供給する。あるいは、位置情報、撮像方向情報などがクエリに加わっている場合は、当該各情報を情報検索部62に供給する。
【0146】
情報検索部62は、クエリ解釈部61が解釈したクエリに基づいて、地図データ記憶部70および/または付加情報記憶部71の検索を行い、該当エリアの地図データおよび/または付加情報を抽出するものである。さらに、情報検索部62は、クエリに画像特徴情報が含まれている場合には、特徴情報評価部64が評価した画像特徴情報の一致度に基づいて、地図データを検索することができる。配信装置200の情報検索部62の機能は、上述した携帯電話100の情報検索部34の機能とほぼ同様である。
【0147】
特徴情報生成部63は、情報検索部62が地図データ記憶部70から検索したエリアの画像特徴情報および付加情報記憶部71の対象物の画像特徴情報を取得するものである。特徴情報生成部63は、地図DBにあらかじめ記録されている画像特徴情報を取得するものであってもよいし、エリアごとまたは対象物ごとに画像データが関連付けられている場合には、その画像データに基づいて画像特徴情報を生成するものであってもよい。画像特徴情報は、上述したとおり、画像データまたは地図データの二次元または三次元の特徴量を示す情報である。画像特徴情報は、二次元画像特徴量(輝度、色度、彩度など)であってもよいし、三次元形状特徴量(ポリゴン、三次元座標値、VQコードなど)であってもよい。
【0148】
特徴情報生成部63が生成(または取得)した画像特徴情報は、情報検索部62が抽出した地図データや付加情報とともに検索結果として端末装置に配信される。
【0149】
特徴情報評価部64は、クエリ解釈部61が解釈したクエリに含まれる画像特徴情報と、内蔵する地図DBにてエリアごと、対象物ごとに管理されている特徴情報生成部63が生成した画像特徴情報との一致度を評価するものである。特徴情報評価部64が実行する上記両画像特徴情報の評価結果は、情報検索部62が検索のために利用する。
【0150】
〔課題1:天候などに検索性能が左右されない(ロバストな)情報検索システムを実現する〕
従来(特許文献4、5など)に記載の装置では、画像の一致度評価において、二次元的な画像特徴による比較に頼る評価であるため、天候や季節により変化のある自然画を対象に評価を行おうとすると天候や時間帯による景色の違いにより正確な一致度評価を行うことが出来ないという課題があった。
【0151】
本実施形態では、上記課題を解決するために、特に、情報検索部62は三次元形状特徴量をクエリとする情報検索を実施する。
【0152】
より詳細には、特徴情報評価部64は、三次元形状特徴量に基づく画像特徴情報の一致度評価を行う。情報検索部62は、特徴情報評価部64が行った評価結果にしたがって、クエリで検索要求されているエリア(または対象物)の検索を行う。つまり、情報検索部62は、三次元形状の一致度が高いエリア(または対象物)を検索結果として抽出することができる。これは、二次元の画像データから得られる二次元の特徴量(輝度、彩度、色度、色温度など)に頼らず、三次元の形状の一致度により目的のエリア(または対象物)の検索を実現することを意味する。二次元の特徴量は、画像データ撮像シーンの天候、季節、時間帯などによって大きく変化する値であるので、このような不確定要素に頼らずに三次元形状をクエリに用いることにより、情報検索部62は、情報検索を常に正確に行うことが可能となる。したがって、ロバスト性の高い情報検索システムを実現することが可能となる。
【0153】
〔地図検索システムの処理フロー〕
図12は、本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、一例として、図1に示す端末装置としての携帯電話100と配信装置200との処理フローについて説明する。
【0154】
まず、携帯電話100は、利用者から地図表示の指示を受け付けると、検索リクエストを配信装置200に送信する(S1201)。具体的には、センサ(群)15が取得した位置情報と方向情報(利用者の視線の方向、撮像部14の撮像方向など)を、クエリ生成部32がクエリとして生成する。通信制御部33は、上記クエリを含む検索リクエストを通信部12を介して配信装置200に送信する。
【0155】
配信装置200の通信制御部60は、上記検索リクエストを受信する(S1221)。クエリ解釈部61は、上記検索リクエストに含まれるクエリを解釈して、位置情報および方向情報を情報検索部62に供給し、情報検索部62は、その位置情報および方向情報に基づいて地図DBを検索する(S1222)。情報検索部62は、位置情報と方向情報とに基づいて地図空間上を撮像方向に対し二次元空間であれば例えば端末を頂点とした扇形の範囲に、三次元空間であれば端末を頂点とした四角錐の範囲に限定して検索を実施する。通信制御部60は、情報検索部62が地図DBから抽出した地図データを検索結果として携帯電話100に送信する(S1223)。
【0156】
そして、端末側の携帯電話100は上記検索結果を受信する(S1202)。そして、表示制御部20は、上記検索結果の地図データを、例えば図4のように操作表示部13に表示する(S1203)。このときベースに表示される画像データは、以前から携帯電話100に記憶されているものであってもよいし、携帯電話100の現在位置に基づいて配信装置200が提供したものであってもよい。また、利用者の操作によって、検索結果の表示方法になんらかの条件や制限が設定されている場合には、情報検索部34が、対象物のレコードを優先度、混雑状況、距離などの順にソートしたり、フィルタリングしたりして上記検索結果を加工してもよい。
【0157】
続いて、利用者の操作などにしたがって、撮像部14が撮像処理により画像データを取得し、センサ(群)15が撮像位置、撮像方向を検出する(S1204)。そして、特徴情報生成部31は、撮像された画像データの三次元形状画像特徴情報を生成する(S1205)。例えば、ポリゴン、三次元座標値、形状VQコードなどを生成する。
【0158】
次に、クエリ生成部32は、検出された撮像位置および撮像方向、ならびに、上記三次元形状画像特徴情報を含むクエリを生成する。通信制御部33は、上記クエリを含む検索リクエストを配信装置200に送信する(S1206)。
【0159】
これに対し、配信装置200の通信制御部60は、三次元形状画像特徴情報を含む上記検索リクエストを受信する(S1224)。クエリ解釈部61は、上記検索リクエストに含まれるクエリを解釈して、結果を情報検索部62に伝達する。情報検索部62は、解釈されたクエリ、すなわち、撮像位置、撮像方向および三次元形状画像特徴情報に基づいて地図DBを検索する(S1225)。ここで、特徴情報評価部64によって、クエリに含まれている三次元形状画像特徴情報と、地図DBにおいてエリアまたは対象物に関連付けられている三次元形状画像特徴情報との一致度が評価され、三次元形状に基づく情報検索が実施される。情報検索部62は、クエリの三次元形状と一致する対象物およびその付加情報を抽出することができる。通信制御部60は、上記付加情報を含む検索結果を携帯電話100に返す(S1226)。
【0160】
そして、携帯電話100の通信制御部33は、上記付加情報を含む検索結果を受信する(S1207)。そして、図7、図8に示すように、画像重畳部22および表示制御部20が、検索結果の付加情報を、S1204にて取得された画像データに重畳させて表示する(S1208)。ここで、利用者が携帯電話100を操作するためのGUI部品も重ねて表示される。
【0161】
表示されたGUI部品に対して利用者のタッチ操作が行われると、GUI処理部が、タッチされた部品に関連する処理(例えば、レストランの予約など)の実行指示を受け付けて(S1209)、当該処理の内容を配信装置200に送信する(S1210)。
【0162】
これに対し、配信装置200は、携帯電話100から処理内容を受信して(S1227)、配信装置200の図示しない処理実行部が、受信した内容に応じた処理を実行する(S1228)。例えば、店舗の所有するサーバなどに対して予約手続きなどを実施する。
【0163】
上記方法によれば、端末装置のクエリ生成部32が、クエリに三次元形状を加えることにより、天候や日照の具合による画像特徴の誤差に影響されることなく、端末装置で撮像された画像データに基づいて、該画像データに含まれる対象物の検索を行うことが可能となる。これにより、検索性能が向上し、結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0164】
このように、本実施形態の地図検索システム(端末装置および配信装置)によれば、三次元形状マッチングによるAR( Augment Reality;拡張現実感)システムを構築することが可能となる。
【0165】
端末装置が撮像した画像データの撮像位置および撮像方向情報と立体形状を示す画像特徴情報とを含むクエリに基づいて、配信装置が、当該画像データに映し出されている場所の情報に関してデータベース検索が行われる。端末装置にはその検索結果が配信装置から供給される。端末装置は、撮像した画像データが、静止画であれば、適切な位置補正をして上記検索結果を合成して表示し、上記画像データが動画であれば、端末装置の移動速度による補正を加えながら、上記検索結果を合成して表示する。
【0166】
このように算術的に求められた立体形状同士の特徴一致に基づいて情報検索を行うことにより、天候や時間帯に左右されずに高精度な検索を行うことが可能となり、より正確な情報を利用者に提供することができる。
【0167】
〔地図検索システムの処理フロー2〕
図13は、本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、撮像された画像データとともに一次検索結果が表示されたのち、対象物が選択されて該対象物のさらに詳細な付加情報などの二次検索結果が表示されるときの処理フローについて説明する。図13に示す例では、タッチ(ポインティング)された箇所の周辺領域から獲得される画像特徴情報としての三次元形状特徴情報を検索クエリとするとともに、上記三次元形状特徴情報を検索結果表示時のトラッキングに用いている。
【0168】
まず、携帯電話100の撮像部14は、利用者からの操作などに応じて、撮像処理により画像データを取得し、センサ(群)15は、その撮像位置、撮像方向を検出する(S1301)。続いて、表示制御部20が撮像した画像データを表示し、操作受付部21が表示内容に対するポインティング操作を待ち受ける(S1302)。利用者が表示画面の一部を指などでタッチすると、領域検出部23は、そのポインティング位置を検出する。特徴情報生成部31は、画像データから、検出されたポインティング位置に基づいて、タッチ箇所およびその周辺領域を特定し特徴量を抽出する(S1303)。そして、その特徴量に基づいて、上記周辺領域の三次元形状画像特徴情報を生成する(S1304)。
【0169】
クエリ生成部32は、S1301で検出された撮像位置および撮像方向、ならびに、S1304で生成された周辺領域の三次元形状画像特徴情報をクエリとして生成する。通信制御部33は、上記クエリを含む検索リクエストを配信装置200に送信する(S1305)。
【0170】
これに対して、配信装置200の通信制御部60は、上記検索リクエストを受信し(S1321)、クエリ解釈部61が上記検索リクエストに含まれるクエリを解釈する。続いて、情報検索部62は、ポインティングされた位置およびその周辺領域の三次元形状画像特徴情報と、撮像位置・撮像方向情報とに基づいて地図DBを検索する(S1322)。情報検索部62は、例えば、ポインティングされた建造物のさらに詳細な付加情報(店舗情報、広告情報など)を抽出してもよい。そして、通信制御部60は、上記付加情報を含む検索結果を携帯電話100に送信する(S1323)。
【0171】
そして、携帯電話100の通信制御部33は、配信装置200から店舗情報や広告情報などの付加情報を含む検索結果を受信する(S1306)。画像重畳部22は、S1301で取得された画像データに、S1306で受信された付加情報を重畳させる(S1307)。このとき、画像重畳部22は、S1303で特定されたポインティング位置の周辺領域を基準にして、付加情報のトラッキング処理を行いながら重畳画像を出力する。表示制御部20は、付加情報を上記画像データに正しく追従させて表示する(S1308)。
【0172】
これよりの後の処理は、図12のS1209以降と同様の処理が実行される。
【0173】
上記方法によれば、利用者のポインティング箇所を、三次元形状の一致度を評価して特定することが可能となるので、配信装置はより正確に注目対象物を特定し、該対象物の正しい付加情報を抽出することができる。また、画像重畳部22は、三次元形状の一致度を評価することにより、ポインティング箇所の付加情報を画像データのより正しい位置に重畳させることが可能となる。結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、正確かつ忠実に検索し提供することが可能となる。
【0174】
≪実施形態3≫
〔課題2:検索結果を重畳表示する際の重畳位置誤差を低減する〕
GPS、方位センサなどから得られる位置情報のみに基づいて、撮像した画像データに付加情報を重畳させる従来の構成では、重畳位置を合わせるための情報取得に用いるクエリに画像特徴情報を用いず上記位置情報および撮像方向情報のみを用いるため、付加情報、画像データそれぞれに関連付けられている位置情報の表示において重畳位置の誤差などを充分に吸収できない。このため、画像データと付加情報との重畳位置にずれが生じ、検索結果を撮像画像に対して忠実に合成表示できないという課題があった。
【0175】
本実施形態では、上記課題を解決するために、特に、配信装置は、特徴情報生成部63が、検索結果のエリアまたは対象物ごとに画像特徴情報を関連付けて配信装置から端末装置に提供することを特徴としている。一方、端末装置は、撮像した画像データから得られた画像特徴情報と、配信装置から提供された画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価部35と、その評価結果に基づいて、重畳位置を補正する画像重畳部22とを備えていることを特徴としている。
【0176】
上記構成によれば、端末装置においては、特徴情報生成部31が、撮像された画像データについて画像特徴情報を生成する。端末装置の特徴情報生成部31によって画像データから生成される画像特徴情報を端末側画像特徴情報とする。この画像特徴情報は、本実施形態では、クエリに用いない。
【0177】
そして、配信装置においては、端末装置から送られてきたクエリ(撮像位置、撮像方向)に基づいて、地図DBの検索を実行する。ここでは、クエリに画像特徴情報が含まれていなくてもよいが、画像特徴情報が含まれている場合は、情報検索部62は、画像特徴情報を用いた検索を実行してもよい。また、撮像位置と撮像方向とのみに基づいて検索するばかりではなく、端末装置の機種別種別情報に基づいて画角情報を取得したり、端末画角情報として画角を直接取得したりしてもよい。上記各情報は、検索範囲となる四角錐を算出したり、あらかじめ端末装置に情報を送信しておくために端末装置の撮像部14を中心とする球形の空間情報範囲を算出したり、検索範囲の空間を限定したりするのに用いられる。
【0178】
クエリの条件を満足するレコード(エリア、対象物など)が情報検索部62によって抽出されると、本実施形態では、特徴情報生成部63は、抽出されたレコードに対応する画像特徴情報を取得して、上記各レコードと併せて検索結果として端末装置に提供する。特徴情報生成部63は、各エリア、対象物の画像特徴情報があらかじめ地図DBに記憶されている場合には、これを取得してもよいし、そうでなければ、抽出されたエリア、対象物の実写画像データまたはグラフィック画像データから画像特徴情報を生成してもよい。配信装置の特徴情報生成部63によって地図DBの画像データから生成される画像特徴情報を配信側画像特徴情報とする。配信側画像特徴情報は、検索結果に含まれて端末装置に供給される。
【0179】
端末装置の画像重畳部22は、撮像部14が取得した画像データに、検索結果の付加情報を重ね合わせる。このとき、特徴情報評価部35は、端末側画像特徴情報と配信側画像特徴情報との一致度評価を行う。画像重畳部22は、評価結果にしたがって、位置ずれ補正しながら重畳表示を行う。または、画像データが動画の場合は、上記評価結果に加えて速度検出部152が検出する移動速度にしたがって位置ずれ補正を行いつつ重畳表示を行う。こうして、端末装置は、表示中の画像データに対し、正確な2Dトラッキングや3Dトラッキングを実現することが可能となる。
【0180】
結果として、画像データと付加情報とを重ね合わせるときの表示位置の誤差を低減し、正確かつ忠実な検索結果を利用者に提供することが可能となる。
【0181】
〔地図検索システムの処理フロー3〕
図14は、本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0182】
図14に示す端末装置としての携帯電話100の各ステップS1401〜S1404、および、配信装置200の各ステップS1421〜S1423は、それぞれ、図12に示す各ステップ、S1201〜S1204、S1221〜S1223と同様であるので説明を繰り返さない。
【0183】
S1404にて、画像データの撮像および撮像位置、撮像方向の検出が実行されると、特徴情報生成部31は、撮像された画像データの画像特徴情報(端末側画像特徴情報)を生成する(S1405)。本実施形態では、ここで生成される画像特徴情報は、三次元形状画像特徴情報に限定されず、二次元の画像特徴量に基づくものであってもよい。また、ここで生成される画像特徴情報は、クエリに含まれなくてもよい。したがって、クエリ生成部32は、撮像位置、撮像方向を含むクエリを生成し、通信制御部33が上記クエリを検索リクエストに含めて配信装置200に送信する(S1406)。
【0184】
これに対し、配信装置200の通信制御部60は、検索リクエスト内の撮像位置および撮像方向を含むクエリを受信する(S1424)。情報検索部62は、クエリ解釈部61によって解釈されたクエリ、すなわち、撮像位置および撮像方向に基づいて地図DBを検索する(S1425)。検索の結果、情報検索部62によってDBから抽出されたエリアまたは対象物に関連付けられている画像特徴情報がDBにある場合、DBから画像特徴情報(配信側画像特徴情報)を取得し検索結果に含める。あるいは、特徴情報生成部63が、DBから抽出されたエリアまたは対象物の画像データから新たに画像特徴情報を生成してもよい(S1426)。通信制御部60は、携帯電話100に対し、検索結果として、付加情報とともに検索されたエリアまたは対象物に関連付けられている配信側画像特徴情報を送信する(S1427)。
【0185】
そして、携帯電話100の通信制御部33は、上記検索結果を配信装置200から受信する(S1407)。続いて、特徴情報評価部35は、S1405にて生成された端末側画像特徴情報と、S1407にて受信した配信側画像特徴情報との一致度を評価する(S1408)。画像重畳部22は、特徴情報評価部35による評価結果に基づいて、検索結果の付加情報と画像データとの位置合わせを行い、重畳表示する(S1409)。つまり、画像データと付加情報に関連付けられている位置情報ではなく、画像特徴情報を比較して、色・形状などが一致するように位置を補正するので、各々位置情報のずれをここで吸収することができる。表示制御部20は、重畳画像を操作表示部13に出力し、検索結果を利用者に提供する。S1410以降の処理は、図12のS1209以降と同様の処理が実行される。
【0186】
上記方法によれば、携帯電話100は、撮像位置および撮像方向をクエリとして検索をリクエストするのみで、配信装置200から、画像特徴情報を含む検索結果を取得することができる。そして、その画像特徴情報を用いて、画像データと付加情報との位置補正を実行する。携帯電話100は、撮像位置および撮像方向だけに頼ると、誤差が大きい場合でも、画像特徴情報の一致度評価を参照することにより、より正しく画像データと付加情報との位置合わせを行えるため、上記誤差を吸収することができる。結果として、付加情報の表示位置精度を向上させることができ、検索結果を正確かつ忠実に提供することが可能となる。
【0187】
〔地図検索システムの処理フロー4〕
図15は、本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、端末装置が、撮像位置と撮像方向とをクエリにして検索をリクエストし、配信装置から受信した検索結果を表示する際に、タッチ(ポインティング)された箇所の周辺領域から獲得される画像特徴情報をトラッキングに用いる場合について説明する。
【0188】
S1501〜S1503の端末装置の各ステップは、図13に示すS1301〜S1303の各ステップと同様である。
【0189】
次に、特徴情報生成部31は、S1503にて取得された特徴量に基づいて、タッチ箇所の周辺領域の画像特徴情報(端末側画像特徴情報)を生成する(S1504)。本実施形態では、ここで生成される画像特徴情報は、三次元形状画像特徴情報に限定されず、二次元の画像特徴量に基づくものであってもよい。また、ここで生成される画像特徴情報は、クエリに含まれなくてもよい。したがって、クエリ生成部32は、撮像位置、撮像方向を含むクエリを生成し、通信制御部33が上記クエリを検索リクエストに含めて配信装置200に送信する(S1505)。
【0190】
これに対し、配信装置200の通信制御部60は、S1521にて、撮像位置情報および方向情報を含むクエリを受信する。そして、クエリ解釈部61がクエリを解釈し、情報検索部62が、ポインティングされた位置(およびその周辺領域)と方向とに基づいて検索を行う(S1522)。ここで、特徴情報生成部63は、検索結果の中から上記周辺領域に対応する画像特徴情報(配信側画像特徴情報)を生成する(S1523)。そして、検索された付加情報と上記周辺領域の配信側画像特徴情報とを含む検索結果を携帯電話100に送信する(S1524)。
【0191】
そして、携帯電話100の通信制御部33は、上記検索結果を受信する(S1506)。続いて、特徴情報評価部35は、S1504にて生成された周辺領域の端末側画像特徴情報と、S1506にて受信された周辺領域の配信側画像特徴情報との一致度を評価する(S1507)。画像重畳部22は、特徴情報評価部35による評価結果に基づいて、検索結果の付加情報と画像データとにおける上記周辺領域の位置合わせを行い、付加情報を重畳表示する(S1508)。S1509以降の処理は、図12のS1209以降と同様の処理が実行される。
【0192】
上記方法によれば、利用者に指定された箇所およびその周辺領域に限定して画像特徴情報を用いて位置合わせを行えるため、誤差の吸収を効率よく実施することが可能となる。
【0193】
≪実施形態4≫
さらに、本発明の地図検索システム900では、三次元形状画像特徴情報を、配信装置の検索と端末装置の位置補正との両方に用いることが可能である。以下では、図16を参照しながら、三次元形状画像特徴情報を検索と位置補正との両方に用いる場合の地図検索システムの処理フローについて説明する。
【0194】
〔地図検索システムの処理フロー6〕
図16は、本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0195】
まず、携帯電話100の撮像部14は、利用者からの操作などに応じて、撮像処理により画像データを取得し、センサ(群)15は、その撮像位置、撮像方向を検出する(S1601)。さらに、姿勢検出部153によって姿勢情報が検出されてもよい。続いて、表示制御部20が撮像した画像データを表示し、操作受付部21が表示内容に対するポインティング操作を待ち受ける(S1602)。利用者が表示画面の一部を指などでタッチすると、領域検出部23は、そのポインティング位置を検出する。特徴情報生成部31は、画像データから、検出されたポインティング位置に基づいて、タッチ箇所およびその周辺領域を特定し特徴量を抽出する(S1603)。そして、その特徴量に基づいて、上記周辺領域の三次元形状画像特徴情報を生成する(S1604)。ここで、生成される三次元形状画像特徴情報は、端末側画像特徴情報として、特徴情報評価部35によって後に参照される。
【0196】
クエリ生成部32は、S1601で検出された撮像位置および撮像方向、ならびに、S1604で生成された周辺領域の三次元形状画像特徴情報をクエリとして生成する。クエリ生成部32は、必要に応じて、姿勢情報をクエリに加えてもよい。通信制御部33は、上記クエリを含む検索リクエストを配信装置200に送信する(S1605)。
【0197】
これに対して、配信装置200の通信制御部60は、上記検索リクエストを受信し(S1621)、クエリ解釈部61が上記検索リクエストに含まれるクエリを解釈する。続いて、情報検索部62は、ポインティングされた位置およびその周辺領域の三次元形状画像特徴情報と、撮像位置・撮像方向情報とに基づいて、三次元写像変換などによって三次元空間を同定し、条件にかなうレコードを地図DBから検索する(S1622)。検索の結果、情報検索部62によってDBから抽出されたエリアまたは対象物に関連付けられている三次元形状画像特徴情報がDBにある場合、DBから三次元形状画像特徴情報を取得し検索結果に含める。あるいは、特徴情報生成部63は、検索結果の中から上記周辺領域に対応する三次元形状画像特徴情報(配信側画像特徴情報)を生成する(S1623)。そして、検索された付加情報と上記周辺領域の三次元形状に基づく配信側画像特徴情報とを含む検索結果を携帯電話100に送信する(S1624)。
【0198】
そして、携帯電話100の通信制御部33は、上記検索結果を受信する(S1606)。続いて、特徴情報評価部35は、S1604にて生成された周辺領域の三次元形状に基づく端末側画像特徴情報と、S1606にて受信された周辺領域の三次元形状に基づく配信側画像特徴情報との一致度を評価する。つまり、モデルベースド・マッチングを実行する(S1607)。画像重畳部22は、特徴情報評価部35による評価結果に基づいて、検索結果の付加情報と画像データとにおける上記周辺領域の位置合わせを行い、付加情報を重畳表示する(S1608)。S1609以降の処理は、図12のS1209以降と同様の処理が実行される。各種UI利用処理とは、例えば、購買や予約といった通信回線経由での経済活動であってもよい。
【0199】
上記方法によれば、利用者のポインティング箇所を、三次元形状の一致度を評価して特定することが可能となるので、配信装置はより正確に注目対象物を特定し、該対象物の正しい付加情報を抽出することができる。さらに、特徴情報評価部35は、自装置の画像データより得られる三次元形状と、配信装置の地図DBより得られる三次元形状との一致度を評価している。画像重畳部22は、三次元形状に基づく評価結果を用いて、付加情報を画像データのより正しい位置に重畳させることが可能となる。これにより、付加情報と画像データの表示位置の誤差を吸収することが可能となる。結果として、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を、さらに正確かつさらに忠実に検索し提供することが可能となる。
【0200】
なお、情報検索部34または情報検索部62は、図9(a)および図9(b)に示すような地図DBを検索する際に、ポインティング箇所の二次元座標値をクエリとして受け付けて、これを、三次元地図における三次元座標値に変換し、検索に用いてもよい。これにより、情報検索部34(62)は、検索対象(エリア、建造物など)の三次元位置情報とポインティング箇所の三次元位置情報との距離を考慮して、ポインティング箇所から近い順に検索対象の候補レコードを選択してもよい。
【0201】
付加情報は、図9(a)に示すとおり、広告情報および翻訳文情報であったりしてもよい。また、図9(b)に示すとおり、付加情報は、商品情報およびカロリー情報であったり、広告情報および評価情報であったりしてもよい。つまり、これらの複数の情報は、ひとつの付加情報としてデータベースにて総合的に管理されてもよく、この際、画像特徴情報は建物の画像特徴ばかりではなく食事や商品などの形状や色彩に関する画像特徴情報などが含まれるように構成することによって、撮像対象を識別し関連付けられた情報を取得し利用者に提供するように構成してもよい。
【0202】
〔変形例〕
なお、図15に示す、地図検索システムの処理フローにおいて、端末装置が、配信装置から検索結果を受信すると(S1506)、特徴情報評価部35により一致度の評価結果を待たずに、画像重畳部22が、端末側画像特徴情報と配信側画像特徴情報とを参照して、マッチングによって合成位置を補正しながら、実写の画像データに検索結果(付加情報)の画像を重ね合わせてもよい。
【0203】
なお、地図DBなどのデータベースから獲得される付加情報は、上述の各実施形態に限定されず、例えば、周囲のパノラマ画像などのURLや、該パノラマ画像へのディレクトリパス、該パノラマ画像のファイル名であってもよい。また、本発明に用いられる付加情報としての店舗情報、広告情報などはマークアップ言語によって記載されていてもよい。
【0204】
あるいは、端末装置または配信装置が内蔵する地図DBにおいて、レコード(エリア、建造物など)には、上述した付加情報の他に、任意の付加情報が関連付けられてもよい。上記任意の付加情報は、個人的なブックマークであったり、商業的な広告や宣伝・観光案内であったり、公共的な道路案内であったり、在庫状況であったりしてもよい。
【0205】
また、データベースから獲得される周辺領域の画像特徴情報に関し、端末装置の特徴情報生成部31は、ポインティング箇所の近傍だけではなく、さらに広範囲の一定領域の画像特徴情報を抽出する構成でもよい。
【0206】
また、ポインティング座標を算出するための直線を求める際、端末装置があらかじめ該直線の始点と終点を算出しそれをクエリに含めて配信装置に送信してもよい。
【0207】
特徴情報生成部31が生成する二次元の特徴量として、輝度や彩度に基づいた特徴量は、隣接する画素や近傍の画素との差分によるものや平均によるものを用いて抽出されてもよい。
【0208】
さらに、端末装置の撮像部14において、センサ(群)15が振動を検出してぶれ補正を行ってもよく、振動によって合成されたコンピュータ画像データがぶれないように制御してもよい。
【0209】
また、撮像部14は、端末装置の傾斜角が変わっても取得したパノラマ映像の向きが変わらないように処理してもよい。より具体的には撮像時の端末装置の姿勢に伴う傾斜角と、操作時の傾斜角が変化してもパノラマ画像は撮像時の角度を基準にして操作できるようにする。この操作は撮像時の姿勢パラメータを保持したまま、装置の傾斜角の変化に関係なく操作できるようにしたり、水平方向の向きの変化だけ検出したりすることで実装できる。
【0210】
なお、上述の各実施形態では、地図DBなどのデータベースに対して検索を行う情報検索装置が、端末装置および配信装置のいずれかに特定されている場合について説明したが、本発明の端末装置および情報検索システムは上記構成に限定されない。例えば、初めに、端末装置が内蔵のデータベースに対し一致度評価を行って検索した結果、適切な検索結果が得られなかった場合に、検索クエリを配信装置に送信して、次に、配信装置が自装置のデータベースに対して検索を行う構成としてもよい。これにより、端末装置内蔵のデータベースの更新が遅れて適切に検索できない場合でも、常に最新のデータベースを維持している配信装置から確実に最新の検索結果を端末装置に供給することができる。
【0211】
また、本発明に基づく端末装置は自装置の現在位置と現在方向(現在姿勢含む)とによる情報を検出する検出手段と前記検出手段によって検出された情報に基づいて、撮像装置の撮像方向を特定する撮像方向特定処理と前記現在位置から撮像方向に向かって引かれる評価直線を算出する評価直線算出処理と前記評価直線に衝突する三次元地図上の物体を検出する視線衝突検処理を備えており、前記視線衝突評価処理によって評価された三次元地図上の三次元物体を選択または宣伝または評価または説明するための情報を表示若しくは前記三次元物体に関連付けられた連絡先に連絡を行うことを特徴とする情報端末装置であってもよい。
【0212】
また、本発明の端末装置は、操作表示部にタッチディスプレイを備えた地図表示装置であって、利用者の触れた対象画像に関連付けられている連絡先に連絡することを特徴とする地図表示装置タッチパネルに対するポインティングとしてのタッチ箇所とタッチ箇所に基づいて撮像画像から特徴抽出を抽出するステップとタッチ箇所から抽出された画像特徴と撮像時の撮像方向と位置に基づいて、データベースを検索するステップがあることを特徴とする地図表示装置であってもよい。
【0213】
また、本発明の配信装置は、前記情報端末装置に対して三次元地図情報を配信するとともに前記情報端末装置で選択された三次元物体に関する宣伝または評価または説明するための付加情報を送信若しくは前記情報端末装置で選択された三次元物体に関連付けられた連絡先に連絡を行うことを特徴とする情報配信装置であってもよい。
【0214】
また、端末装置または配信装置における情報検索部において、衝突を検出する手段は、視線直線状にあるものばかりではなく、撮像部14の視線直線を中心とする円錐や多角錐や台錐といった立体形状によって構成され、前記立体形状の内側に接触もしくは内包され、撮像方向から見て最初に衝突する物体を検索するようにしてもよい。あるいは、タッチした箇所から視野角に合わせて引かれる直線に基づいて最初に衝突する物体の情報を表示するように構成してもよいし、陰に隠れる物体は表示される建物の脇から隠れた建物の情報が表示されるようにしてもよい。
【0215】
また、端末装置が動画像に対応する場合は、加速度センサから検出される加速度の変化により、配信装置から提供された情報の表示位置を自動的に補正して通信や検索に伴うタイムラグを吸収するようにしてもよい。
【0216】
また道路標識などの比較的移動されにくい構造物の二次元または三次元画像特徴情報に基づいて、現在位置の補正やキャリブレーションなどを行ってもよい。
【0217】
また、端末装置は携帯電話やスマートホン、PDA(パーソナル・デジタル・アシスト)、携帯パソコン、PND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)、カーナビゲーションシステム、双眼鏡などによって構成されていてもよい。
【0218】
本発明の配信装置は、端末装置から検索リクエストとして端末装置の位置情報と撮像方向情報と画角情報と端末装置において指示された表示画面内位置情報とによって構成されたクエリを受信するステップと、前記受信したクエリに基づいて広告データ検索するステップと、前記検索ステップで検索された情報としてコンテンツや広告と検索対象範囲内にある画像に基づく画像特徴情報を前記端末装置に送信するステップとを実施する。
【0219】
また、本発明の配信装置は、画像特徴情報を端末装置から受信して端末装置に検索結果を提供する場合は、端末装置の現在位置情報と撮像方向情報と画角情報と端末装置で指示された表示画面内位置情報と必要であれば端末装置から送信された画像特徴情報とをクエリとして受信するステップと、前記受信したクエリに基づいて広告データ検索するステップと、前記検索ステップで検索された情報を前記端末に送信するステップとを実施し、受信した情報に基づいて検索処理を実施し検索結果を端末装置に提供する。
【0220】
本発明の配信装置は、さらに、前記端末装置の前記三次元モデル情報(三次元形状画像特徴情報)を送信するステップによって送信された、前記三次元モデル情報(三次元形状画像特徴情報)を受信する三次元モデル情報受信ステップを実施し、受信された三次元モデルを端末装置から獲得された位置情報に関連付けて保存するステップを実施してもよいし、関連付けられたコンテンツや広告などを提供してもよい。
【0221】
前記配信装置に構成された三次元地図情報に対して、利用者は任意の情報を立体地図の操作によって位置を指定し任意の情報を関連付けて登録したり、緯度経度や住所表示にもとづいて位置を指定し任意の情報を関連付けて登録したりすることができる。
【0222】
また、前記配信装置で緯度、経度、季節や天候、時間帯に分けて統計的に分析するステップと分析された情報に基づいて二次元画像から三次元モデルを算出するステップと算出された三次元モデル(三次元形状特徴)とを端末装置から獲得された位置情報に関連付けて保存するステップとが実施され新規データの登録がおこなわれてもよい。これにより、過去の経験を蓄積して統計処理の技術を用いれば、さらに、検索精度および表示位置合わせ精度を向上させることが可能となる。
【0223】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0224】
最後に、端末装置または配信装置の各ブロック、特に、情報検索部、特徴情報生成部および特徴情報評価部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0225】
すなわち、端末装置および配信装置は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したり、上記プログラムを展開したり、上記プログラムおよび各種データを格納したりするROM(read only memory)やRAM(random access memory)等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである端末装置または配信装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記端末装置または配信装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0226】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュメモリ等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0227】
また、端末装置または配信装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0228】
本発明の端末装置および情報検索システムは、利用者の位置、姿勢などに応じて、情報を正確かつ忠実に検索し提供できるので、ARシステムを用いた情報提供サービス(例えば、地図情報提供システム)などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0229】
【図1】本発明の実施形態における端末装置としての携帯電話の要部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態における端末装置に記憶されている撮像画像記憶部のデータ構造を模式的に示す図であり、(b)は、地図データ記憶部のデータ構造を模式的に示す図であり、(c)は、付加情報記憶部のデータ構造を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態における携帯電話の地図検索表示処理のフローチャートである。
【図4】携帯電話の操作表示部に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【図5】携帯電話の操作表示部に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【図6】携帯電話の操作表示部に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【図7】携帯電話の操作表示部に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【図8】携帯電話の操作表示部に表示される検索結果の表示画面の具体例を示す図である。
【図9】(a)は、図2(c)に示す付加情報記憶部のデータ構造の具体例を示す図であり、(b)は、図2(c)に示す付加情報のうち、サービスメニューリストの具体例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における地図検索システムの概略構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における情報検索装置としての配信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図13】本発明の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図14】本発明の他の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図15】本発明の他の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図16】本発明の他の実施形態における地図検索システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0230】
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
13 操作表示部
14 撮像部
15 センサ
20 表示制御部
21 操作受付部
22 画像重畳部(画像重畳手段)
23 領域検出部
30 タッチパネル制御部
31 特徴情報生成部(特徴情報生成手段)
32 クエリ生成部(クエリ生成手段)
33 通信制御部
34 情報検索部(情報検索手段)
35 特徴情報評価部(特徴情報評価手段)
40 地図データ記憶部(データベース)
41 付加情報記憶部(データベース)
42 撮像画像記憶部
50 制御部
51 記憶部
52 通信部
53 操作部
60 通信制御部(検索結果配信手段)
61 クエリ解釈部
62 情報検索部(情報検索手段)
63 特徴情報生成部(特徴情報取得手段)
64 特徴情報評価部
70 地図データ記憶部(データベース)
71 付加情報記憶部(データベース)
100 携帯電話(端末装置)
100b カーナビゲーションシステム(端末装置)
100c 望遠鏡制御装置(端末装置)
150 位置検出部
151 撮像方向検出部
152 速度検出部
153 姿勢検出部
200 配信装置
900 地図検索システム(情報検索システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置において、
撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、
上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成手段により生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成手段とを備えていることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
上記特徴情報生成手段は、
利用者により指定された上記画像データ上の所定の箇所に基づいて特定された、該画像データの領域から抽出された特徴量に基づいて、上記三次元形状画像特徴情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
上記データベースには、検索対象レコードごとに三次元形状画像特徴情報が関連付けて記憶されており、
上記三次元形状画像特徴情報を含むクエリに基づいて上記データベースを検索する情報検索手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置において、
上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、
撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成手段と、
上記特徴情報生成手段により生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価手段と、
上記特徴情報評価手段による評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳手段とを備えていることを特徴とする端末装置。
【請求項5】
データベースから検索された情報を、請求項4に記載の端末装置に配信する配信装置において、
上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、
上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索手段と、
上記情報検索手段により抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得手段と、
上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信手段とを備えていることを特徴とする配信装置。
【請求項6】
データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置の制御方法であって、
撮像処理により得られた画像データから抽出された三次元形状の特徴量に基づいて、三次元形状画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
上記画像データの撮像位置および撮像方向、ならびに、上記特徴情報生成ステップにて生成された三次元形状画像特徴情報を、上記データベースを検索するためのクエリとして生成するクエリ生成ステップとを含むことを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項7】
データベースから検索された情報を利用者に提供する端末装置の制御方法であって、
上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、
撮像処理により得られた画像データから抽出された特徴量に基づいて、画像特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
上記特徴情報生成ステップにて生成された第一画像特徴情報と、上記画像データの撮像位置および撮像方向をクエリとして上記データベースから抽出されたレコードに関連付けられている第二画像特徴情報との一致度を評価する特徴情報評価ステップと、
上記特徴情報評価ステップでの評価結果に応じて、上記画像データと、上記データベースから抽出されたレコードの情報との表示位置を補正して重畳する画像重畳ステップとを含むことを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項8】
データベースから検索された情報を、請求項4に記載の端末装置に配信する配信装置の制御方法であって、
上記データベースには、検索対象レコードごとに画像特徴情報が関連付けて記憶されており、
上記端末装置から受信した、上記端末装置が画像データを撮像したときの撮像位置および撮像方向を含むクエリに基づいて、上記データベースを検索する情報検索ステップと、
上記情報検索ステップにて抽出されたレコードに関連付けられている画像特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
上記データベースから抽出されたレコードの情報および該レコードの画像特徴情報を検索結果として上記端末装置に配信する検索結果配信ステップとを含むことを特徴とする配信装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から4までのいずれか1項に記載の端末装置、または、請求項5に記載の配信装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−118019(P2010−118019A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292718(P2008−292718)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】