説明

端末装置およびプログラム

【課題】取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理する端末装置を実現する。
【解決手段】携帯電話10では、個人属性に関する各種データ項目と、画像IDと、顔認識で得た顔固有の特徴情報とを含むアドレス帳データを登録しておき、取得した画像データを記憶する場合に、その記憶指示された画像データに写っている各人と類似した特徴情報を備えたアドレス帳データを検索する。該当するアドレス帳データが検索されると、そのアドレス帳データを構成するデータ項目の内、予め指定される項目を用いて画像に写った人物に関連した属性のファイル名およびフォルダ名と生成し、生成したファイル名およびフォルダ名従って画像データを記憶する。つまり、画像に写った人物に関連した属性を利用して画像保存する為、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理する端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話などの端末装置では、ユーザ記憶エリアの容量増加に伴い、内蔵カメラで撮像した静止画/動画や、放送録画機能によって受信録画した番組映像又はインターネットサイトからダウンロードした画像等、様々な方法で取得した画像データを大量に保存することが可能になっている。
【0003】
通常、画像データは、ユーザ操作で入力されるファイル名、取得した画像データに予め付加されているファイル名あるいは特許文献1に開示されるように、撮影日時に応じて自動生成されるタイトルをファイル名として記憶管理される。また、1つのフォルダに多数の画像データを包含させるグループ化によって管理する場合も、そのグループ名(フォルダ名)はユーザ入力による指定の他、取得した画像データに付加情報として予め付加されて指定されていたり、グループ化する日時に応じて自動生成したりするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−205606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ファイル名やグループ名が、取得した画像データに予め付加されている場合や、取得した日時に応じて自動的に設定される場合には、必ずしもユーザが意図するものになるとは限らない。例えば取得した画像データに予め付加されている場合には、別々の方法によって取得した画像データについてはそれぞれの取得元で別々に決められたルールに従ったファイル名やグループ名になっている可能性が高く、この為ファイル名やグループ名に一貫性が無くなってしまう。
【0006】
また、取得した日時に応じて自動生成される場合には、ファイル名やグループ名が日時を表すだけでユーザにはどのような内容の画像なのかが判別し難くなってしまう虞もある。さらに、ファイル名やグループ名がユーザ入力によって設定される場合には、ユーザの意図するものになるが、画像データを取得する度にその入力操作を行うのは極めて煩わしいという弊害が生じる。結局、以上の内容を換言すると、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理することが出来ない、という問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理することができる端末装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記属性情報取得手段により取得された属性情報を、前記画像取得手段により取得された画像を識別するための画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶する識別情報記憶制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明では、前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトの特徴を表す特徴情報を抽出する抽出手段と、オブジェクトを含む画像及びそのオブジェクトの特徴情報の少なくともいずれか一方と、そのオブジェクトの属性を表す属性情報とが対応付けられて記憶される記憶手段を参照する参照手段とを更に備え、前記特定手段は、前記参照手段によって前記記憶手段を参照して、前記記憶手段に記憶されているオブジェクトを含む画像から抽出された特徴情報又は前記記憶手段に記憶されている特徴情報のいずれかと、前記抽出手段によって抽出された特徴情報とを比較して前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定し、前記属性情報取得手段は、特定されたオブジェクトを含む画像及びそのオブジェクトの特徴情報の少なくともいずれか一方と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている属性情報を取得することを特徴とする。
【0010】
上記請求項1に従属する請求項3に記載の発明では、画像をグループごとに分類して記憶管理する管理手段と、前記属性情報取得手段により取得された属性情報に基づいて、前記画像取得手段により取得された画像を、前記管理手段によって記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御手段とを更に備えることを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に従属する請求項4に記載の発明では、前記識別情報記憶制御手段によって画像に対応付けて画像識別情報が記憶された履歴を記憶する履歴記憶制御手段を更に備え、前記識別情報記憶制御手段は、前記履歴記憶制御手段に記憶された履歴に基づき生成される履歴識別情報と前記属性情報取得手段により取得された属性情報とからなる画像識別情報を、前記画像取得手段により取得された画像に対応付けて記憶することを特徴とする。
【0012】
上記請求項1に従属する請求項5に記載の発明では、前記識別情報記憶制御手段は、前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が複数のオブジェクトを特定し、前記属性情報取得手段がそれら特定された複数のオブジェクトの属性を表す属性情報を取得した場合に、それら各オブジェクトの属性情報を画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶することを特徴とする。
【0013】
上記請求項5に従属する請求項6に記載の発明では、前記識別情報記憶制御手段は、前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が所定数以上のオブジェクトを特定した場合に、属性情報に代えて所定の識別情報を画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶することを特徴とする。
【0014】
上記請求項1に従属する請求項7に記載の発明では、前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が複数のオブジェクトを特定した場合に、その画像を複製する複製手段を更に備え、前記識別情報記憶制御手段は、前記属性情報取得手段がそれら特定された複数のオブジェクトの属性を表す属性情報を取得した場合に、それら各オブジェクトの属性情報を画像識別情報として、前記複製手段によって複製された画像のそれぞれに対応付けて記憶することを特徴とする。
【0015】
上記請求項1に従属する請求項8に記載の発明では、前記特定手段は、画像に含まれる人物を特定し、前記属性情報取得手段は、特定された人物の属性を表す属性情報を取得することを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明では、画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された画像をグループごとに分類して記憶管理する管理手段と、前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定手段と、前記特定手段により特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記属性情報取得手段により取得された属性情報に基づいて、前記画像取得手段により取得された画像を、前記管理手段によって記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明では、端末装置に搭載されるコンピュータに、画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段ステップ、前記属性情報取得ステップにより取得された属性情報を、前記画像取得ステップにて取得された画像を識別するための画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶する識別情報記憶制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明では、端末装置に搭載されるコンピュータに、画像を取得する画像取得ステップと、前記画像取得ステップにより取得された画像をグループごとに分類して記憶管理する管理ステップと、前記画像取得ステップにより取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定ステップと、前記特定ステップにより特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得ステップと、前記属性情報取得ステップにより取得された属性情報に基づいて、前記画像取得ステップにて取得された画像を、前記管理ステップにより記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の一形態による携帯電話10が有する機能の概要を説明する為のシステム構成図である。
【図2】携帯電話10の外観を示す斜視図である。
【図3】携帯電話10の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】記憶部101のフォルダ記憶部101cに記憶されるフォルダ情報の一例を示す図である。
【図5】記憶部101の画像記憶部101dに記憶される画像データの一例を示す図である。
【図6】記憶部101のグループ記憶部101eに記憶されるグループ情報の一例を示す図である。
【図7】記憶部101のアドレス帳記憶部101fに記憶されるアドレス帳データの一例を示す図である。
【図8】記憶部101の条件記憶部101gに記憶される条件情報の一例を示す図である。
【図9】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図10】アドレス帳データ記憶処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】画像記憶処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】画像記憶処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】記憶処理Aの動作を示すフローチャートである。
【図14】記憶処理Bの動作を示すフローチャートである。
【図15】記憶処理Cの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
A.構成
(1)システム構成
図1は、実施の一形態による携帯電話10が備える機能の概要を説明する為のシステム構成図である。携帯電話10は、移動無線通信機能およびメール送受信機能を備える。移動無線通信機能を用いて通話する場合、携帯電話10は、位置登録している基地局BSを介して発信側の交換機SWに発呼する。発信側の交換機SWは、発呼に応じて、無線通信網RN中に設けられる加入者登録サーバ(不図示)から問い合せた着番号(加入者番号)および位置登録情報に基づき着信側の交換機SWを呼出す。着信側の交換機SWは、着信側の基地局BSを介して着信側の携帯電話10(不図示)を呼出し、これに応じて着信側が着呼応答すると、発信側の交換機SWと着信側の交換機SWとのリンクが確立して通話可能になる。
【0022】
メール送受信機能を用いて携帯電話10から送信されるメールは、基地局BS、交換機SWおよび無線通信網RN中に設けられるゲートウェイサーバ(不図示)を経てインターネット上のメールサーバ(不図示)に伝送される。メールサーバは、上述とは逆の経路で宛先のメールアドレスを有する携帯電話10にメールを送るようになっている。また、携帯電話10は、移動無線通信機能を用い、基地局BS、交換機SWおよび無線通信網RNを経由してインターネットITN上の画像配信装置20にアクセスして画像データ(静止画像/動画像)をダウンロードして取得する。さらに、携帯電話10は、放送局30から送信されるデジタルテレビ放送信号又はデジタルラジオ放送信号を受信して出力する機能を有する。
【0023】
(2)携帯電話10の外観
携帯電話10は、受話部筐体と送話部筐体とが折り畳み可能な周知の折り畳み開閉タイプの筐体構造を有する。図2(a)は折り畳みを開いた「オープンスタイル」の外観を、図2(b)は「オープンスタイル」において受話部筐体をその長手方向を回転軸として180度回転し表示画面を外側に露出させた状態で折り畳みを閉じた「ビュースタイル」の外観を示す斜視図である。なお、図示していないが、表示画面を内側に隠す状態で受話部筐体と送話部筐体とを折り畳んだ状態を「クローズスタイル」と称する。
【0024】
図2に示すように、携帯電話10の受話部筐体には、音声出力用のスピーカSP(受話口)や、表示部106の表示画面(液晶パネル)が配設される。一方、送話部筐体には、音声入力用のマイクMIC(送話口)および操作部107を構成する各種操作キーや操作ボタン等が設けられる。
【0025】
(3)携帯電話10の電気的構成
図3は、携帯電話10の電気的構成を示すブロック図である。この図において、制御部100は、CPUおよび入出力回路などから構成され、後述する操作部107から供給される各種の操作イベントに応じて、携帯電話10の各部の動作を制御する。本発明の要旨に係わる制御部100の特徴的な処理動作については追って詳述する。
【0026】
記憶部101は、ROMおよびRAMから構成され、後述の各記憶部101a〜101gを有する。プログラム記憶部101aには、制御部100により実行される各種プログラムや、所定のプログラムにより参照される制御データの他、例えば待受画面などの各種表示画面を形成する画面データが記憶される。なお、プログラム記憶部101aに記憶される各種プログラムとは、追って詳述するメインルーチン、アドレス帳データ記憶処理、画像記憶処理、記憶処理A、記憶処理Bおよび記憶処理Cを含む。
【0027】
各種情報一時記憶部101bには、各種レジスタ・フラグデータや、表示部106に画面表示する画面データなど携帯電話10の動作に必要なデータが一時記憶される。フォルダ記憶部101cには、図4に図示するように、画像記憶部101dに設けられるフォルダを識別するフォルダIDと、その名称を表すフォルダ名とを含むフォルダ情報が記憶される。
【0028】
画像記憶部101dには、取得した画像データが記憶される。画像データは、図5に図示するように、画像ID、画像を識別するための識別情報であるファイル名、フォルダID、実データおよび特徴情報等から構成される。なお、特徴情報とは、画像データ(実データ)に含まれるオブジェクトを特定するデータであり、本実施形態では周知の顔認識に基づき画像に写る人の顔固有のパラメータ(例えば目、鼻、口など顔各部の大きさや配置位置を表すパラメータ)を特徴情報と定義する。
【0029】
グループ記憶部101eには、ユーザ設定されたグループ情報が記憶される。グループ情報は、図6に図示するように、少なくともグループIDおよびグループ名を含む。アドレス帳記憶部101fには、各個人の属性を表すアドレス帳データが記憶される。1つのアドレス帳データは、図7に図示する一例のように、アドレス帳IDのほか、名前、ヨミ(読み)、グループID、電話番号、メールアドレス、住所、趣味、誕生日、血液型、勤務先といった各属性情報、画像ID、特徴情報(後述する)および履歴を含むデータ項目から構成される。なお、ここで言う履歴とは、画像記憶部101dに記憶され、画像IDで指定されるファイル名が生成された回数を指す。また、図7に図示した一例のアドレス帳データでは、名前を1つのデータとして扱っているが、これに限らず、氏と名に分けて登録する態様であっても構わない。
【0030】
条件記憶部101gには、取得した画像データを画像記憶部101dに記憶する際に用いるファイルやフォルダを生成するための条件を表す条件情報が記憶される。条件情報は条件Aと条件Bとから構成される。条件Aは、取得した画像データに写っている人数に応じたファイル生成の条件を表す。具体的には、図8に図示する通り、記憶しようとする画像データ(実データ)に写っている人数が「1〜2人」の場合には「連結ファイル名」、「3〜5人」の場合には「コピー」、「6〜10人」の場合には「固定ファイル名」、「11人以上」の場合には「その他」の各項目が定義される。これら項目が意図するところについては、追って詳述する画像記憶処理(図11〜図12)の動作において述べる。なお、条件Aにおいて図中の黒枠で囲まれる人数はユーザ設定可能なデータであることを表す。
【0031】
条件Bは、取得した画像データのファイル名又はフォルダ名を生成する条件を表すファイル名条件項目とフォルダ名条件項目とから構成される。ファイル名条件項目(又はフォルダ名条件項目)は、「アドレス帳ID」、「名前」、「ヨミ」、「グループID」、「グループ名」、「電話番号」、「メールアドレス」、「住所」、「趣味」、「誕生日」、「血液型」および「勤務先」等、各個人の属性情報であるアドレス帳データのデータ項目から形成される。これら項目には、ファイル名の生成に関する内容および設定フラグが設けられる。フォルダ名条件項目にも同様にフォルダ名の生成に関する内容および設定フラグが設けられる。
【0032】
図中の黒枠で囲まれたファイル名の生成に関する内容および設定フラグと、フォルダ名の生成に関する内容および設定フラグとは、ユーザ設定可能なデータである。設定フラグが「1」となるファイル名条件項目(又はフォルダ名条件項目)が後述する記憶処理Aにおいて用いられる。設定フラグが「1」となるファイル名条件項目(又はフォルダ名条件項目)は1つでも良いし、例えばアドレス帳IDおよび名前の各設定フラグを「1」としてアドレス帳IDと名前とからなるファイル名条件(又はフォルダ名条件)とするように、複数にすることも可能である。
【0033】
また、ファイル名(又はフォルダ名)の生成に関する内容では、項目の全ての文字列ではなく、先頭から所定の文字数、所定の位置(名前なら氏、メールアドレスならドメイン名、住所なら市町村まで)など、ユーザ設定可能となっている。なお、図中の「−」は、その項目の全ての文字列を用いることを表す。
【0034】
再び図3を参照して実施形態の構成の説明を進める。図3において、無線通信送受信部102は、データ通信時には制御部100の制御の下に、アンテナANT1を介して基地局BSとデータ授受を行い、音声通話時にはアンテナANT1を介して受信復調した音声データを制御部100に出力する一方、制御部100から供給される音声データを変調して得た送信信号を高周波増幅してアンテナANT1から送出する。
【0035】
テレビ放送・ラジオ放送受信部103は、制御部100から与えられる選局指示に従い、アンテナANT2を介してテレビ放送信号又はラジオ放送信号を受信復調し、これにより得られる受信信号(テレビ受信時は映像/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を制御部100に出力する。
【0036】
音声信号処理部104は、スピーカSPおよびマイクMICを備え、制御部100から供給される音声データを音声信号にD/A変換してスピーカSPから発音させたり、マイクMICから出力される音声信号を音声データにA/D変換して制御部100に供給する。また、音声信号処理部104では、テレビ放送・ラジオ放送受信部103が受信動作中の場合、制御部100から供給されるテレビ音声データ又はラジオ音声データをD/A変換した後に増幅してスピーカSPから放音する。
【0037】
撮像部105は、被写体の明るさに応じて制御部100が指定する撮影パラメータ(ISO感度およびシャッター速度)に従い、ユーザのシャッタボタン操作で画像(静止画像又は動画像)を撮像して出力する。表示部106は、カラー液晶パネルおよび表示ドライバから構成され、制御部100の制御の下に、待受画面など各種の操作画面の他、撮像部105により撮像した画像や無線通信部102を介してインターネットITN上の画像配信装置20から取得した画像を画面表示する。
【0038】
操作部107には、パワーオンオフする電源スイッチ、通話開始/終了時に操作されるオフフック/オンフックスイッチ、ダイヤルスイッチと兼用の文字入力スイッチ等の各種操作キーを有し、これらキーやボタンの操作に応じたイベントを発生して制御部100に出力する。RTC108は、時刻計時やタイマ割り込みに用いるリアルタイムクロックを発生して制御部100に供給する。報知部109は、制御部100から供給される報知信号に応じて報知動作(サウンドスピーカ109aの鳴音、LED109bの発光および振動モータ109cの駆動)を行う。電池部110は携帯電話10の各部を駆動する駆動電圧を発生する。
【0039】
B.動作
次に、図9〜図15を参照して上記構成による携帯電話10の動作を説明する。以下では、制御部100が実行するメインルーチン、アドレス帳データ処理、画像記憶処理、記憶処理A、記憶処理Bおよび記憶処理Cの各動作について述べる。
【0040】
(1)メインルーチンの動作
図9は、制御部100が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。制御部100は、ステップSA1において電源オン操作されるまで待機し、ユーザが電源オン操作を行うと、判断結果が「YES」になり、ステップSA2に進み、電源オンに応じて携帯電話10の各部をイニシャライズした後、無線通信網RNに位置登録を行って待ち受け状態に入る待受処理を実行する。なお、待ち受け状態になると、表示部106には待受画面(図示略)が画面表示される。
【0041】
続いて、ステップSA3〜SA8では、それぞれ「設定操作」、「アドレス帳データ記憶操作」、「画像記憶指示発生」、「着信検知」、「電源オフ操作」および「その他の操作」の各イベントの有無を判断する。これらイベントが発生しなければ、ステップSA8〜SA8の各判断結果はいずれも「NO」になり、上記ステップSA2の待ち受け状態のまま待機する。そして、この待ち受け状態において上記イベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに対応した処理を実行する。以下、イベント別に分けて動作説明を進める。
【0042】
<設定操作の場合>
設定操作イベントが発生すると、上記ステップSA3の判断結果が「YES」となり、ステップSA9に進み、ユーザにより行われた設定操作に応じた設定処理を実行する。具体的には、フォルダやグループの新規作成、修正、削除を行ったり、画像データやアドレス帳データの追加登録、削除、修正を行ったりする他、条件記憶部101gに記憶される条件情報を更新する処理を実行した後、上記ステップSA2の待ち受け状態に復帰する。
【0043】
<アドレス帳データ記憶操作の場合>
アドレス帳データ記憶操作イベントが発生すると、上記ステップSA4の判断結果が「YES」となり、ステップSA10を介してアドレス帳データ記憶処理を実行した後、上記ステップSA2の待ち受け状態に復帰する。アドレス帳データ記憶処理では、後述するように、個人属性に関する各種データ項目(名前、ヨミ、電話番号、メールアドレス、住所、趣味、誕生日、勤務先、アドレス帳ID、グループIDおよび血液型)を入力した後に、アドレス帳データに割り当てる画像データの画像IDを選択すると、その選択された画像IDで指定される画像データに人物が写っているか否かを顔認識を施して判断し、人物が写っていれば、入力された個人属性に関する各種データ項目と、選択された画像IDと、顔認識から得られる顔固有の特徴情報とを含むアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fに登録する。
【0044】
<画像記憶指示発生の場合>
例えば撮像部105により撮影した画像を取得して保存する場合、受信した放送番組を取得して録画する場合あるいは画像配信装置20からダウンロードした画像を取得して保存する場合など、画像記憶指示に関する指示イベントがユーザ操作によってあるいは自動的に発生すると、上記ステップSA5の判断結果が「YES」となり、ステップSA11を介して画像記憶処理(後述する)を実行する。
【0045】
<着信検知の場合>
着信検知イベントが発生すると、上記ステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA12に進む。ステップSA12では、着信報知を行うと共に、この着信報知中にオフフック操作されると発呼側と回線接続して通話を開始させ、通話中にオンフック操作されると回線切断する通話処理を実行した後、上記ステップSA2の待ち受け状態に復帰する。
【0046】
<電源オフ操作の場合>
電源オフ操作イベントが発生すると、上記ステップSA7の判断結果が「YES」になり、ステップSA13に進み、電源オフ処理を実行した後、本処理を完了させる。
【0047】
<その他の操作の場合>
その他の操作(例えば発信操作やメール受信操作など)が行われると、上記ステップSA8の判断結果が「YES」となり、ステップSA14に進み、操作に対応した処理を実行した後、上記ステップSA2の待ち受け状態に復帰する。
【0048】
(2)アドレス帳データ記憶処理の動作
次に、図10を参照してアドレス帳データ記憶処理の動作について説明する。上述したメインルーチンのステップSA10(図9参照)を介して本処理が実行されると、制御部100は図10に図示するステップSB1に進み、アドレス帳データを構成する個人の属性情報を入力・選択する。具体的には、各データ項目の内、名前、ヨミ(読み)、電話番号、メールアドレス、住所、趣味、誕生日、勤務先を入力した後、さらに当該アドレス帳データのアドレス帳ID、グループIDおよび血液型を選択する。
【0049】
続いて、ステップSB2では、上記ステップSB1にて項目入力および項目選択されたアドレス帳データに割り当てる画像データの画像IDを画像記憶部101dの中から選択する。そして、ステップSB3において、アドレス帳データの登録を指示する操作を行うと、ステップSB4に進み、上記ステップSB2において選択した画像IDの画像データ(実データ)に人物が写っているかどうかを周知の画像認識(顔認識)を施す。
【0050】
次いで、ステップSB5では、上記ステップSB4の認識結果に基づき、上記ステップSB2において選択した画像IDの画像データ(実データ)に人物が写っているか否かを判別する。人物が写っていなければ、判断結果は「NO」になり、本処理を終えるが、人物が写っていると、判断結果は「YES」となり、ステップSB6に進む。
【0051】
ステップSB6では、顔認識から得られる顔固有の特徴情報(例えば目、鼻、口など顔各部の大きさや配置位置を表すパラメータ)を抽出する。そして、ステップSB7では、上記ステップSB1にて入力/選択された項目(名前、ヨミ、電話番号、メールアドレス、住所、趣味、誕生日、勤務先、アドレス帳ID、グループIDおよび血液型)と、上記ステップSB2にて選択された画像IDと、上記ステップSB6にて抽出された特徴情報とを含むアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fに登録して本処理を終える。
【0052】
このように、アドレス帳データ記憶処理では、個人属性に関する各種データ項目を入力した後に、アドレス帳データに割り当てる画像データの画像IDを選択すると、その選択された画像IDで指定される画像データに人物が写っているか否かを顔認識を施して判断し、人物が写っていれば、入力された個人属性に関する各種データ項目と、選択された画像IDと、顔認識から得られる顔固有の特徴情報とを含むアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fに登録するようになっている。
【0053】
なお、上記ステップSB5では、少なくとも一人の顔が認識された場合に画像データに人物が写っていると判断していたが、これに限らず、複数人の顔が認識された場合にはその中で最も大きく写っている顔の人物を代表者とし、その代表者の顔固有の特徴情報を抽出してアドレス帳データに含める態様としても構わない。また、複数人の顔が認識された場合に、それらを画面表示しておき、それらの中からユーザ操作で代表者の顔を選択させ、選択した代表者の顔固有の特徴情報を抽出してアドレス帳データに含める態様とすることも可能である。
【0054】
(3)画像記憶処理の動作
次に、図11〜図12を参照して画像記憶処理の動作について説明する。上述したメインルーチンのステップSA11(図9参照)を介して本処理が実行されると、制御部100は図11に図示するステップSC1に進み、記憶指示された画像データ(実データ)に画像IDを付加して画像記憶部101d(図5参照)に記憶する。なお、画像データ(実データ)に付加される画像IDは、画像記憶する毎に空きIDが割り当てられるように自動更新される。
【0055】
続いて、ステップSC2に進むと、上記ステップSC1において画像記憶部101dに記憶した画像データ(実データ)に周知の画像認識(顔認識)を施す。次いで、ステップSC3では、上記ステップSC2の認識結果に基づき画像データ(実データ)に人物が写っているか否かを判別する。以下、人物が写っていない場合と、写っている場合とに分けて動作説明を進める。
【0056】
<人物が写っていない場合>
画像データ(実データ)に人物が写っていない場合には、上記ステップSC3の判断結果は「NO」になり、図12に図示するステップSC4を介して記憶処理Cを実行して本処理を終える。記憶処理Cでは、後述するように、記憶指示された画像データ(実データ)に付加済みのファイル名もしくは新規に生成されたファイル名(「未設定N」)のいずれかを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶した後、フォルダ記憶部101cに記憶されるフォルダ名の中からユーザ操作に応じて所望のフォルダ名を選択し、選択されたフォルダ名のフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0057】
<人物が写っている場合>
一方、画像データ(実データ)に人物が写っている場合には、上記ステップSC3の判断結果が「YES」になり、ステップSC5に進み、上記ステップSC2の認識結果に基づき画像データ(実データ)に写っている人数(認識された顔の数)を検出する。次いで、ステップSC6では、検出された人(認識された顔)について、その顔固有の特徴情報(例えば目、鼻、口など顔各部の大きさや配置位置を表すパラメータ)を抽出する。こうして、検出された人数分の特徴情報を抽出すると、ステップSC7に進み、抽出した人数分の特徴情報を、画像データ(実データ)に対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0058】
続いて、ステップSC8では、記憶する画像データ(実データ)に写っている人数に対応した条件Aの項目を条件記憶部101g(図8参照)から読み出す。すなわち、写っている人数が「1〜2人」の場合には、対応する条件Aの項目として、連結したファイル名にすることを表す「連結ファイル名」を条件記憶部101gから読み出す。同様に、写っている人数が「3〜5人」ならば、人数分コピーすることを表す「コピー」を、写っている人数が「6〜10人」ならば、グループというファイル名にすることを表す「固定ファイル名」を、写っている人数が「11人以上」ならば、一般画像と同じ処理にすることを表す「その他」を、それぞれ条件記憶部101gから読み出す。
【0059】
そして、図12に図示するステップSC9〜SC11では、上記ステップSC8において条件記憶部101gから読み出した条件Aの項目が、「連結ファイル名」、「コピー」、「固定ファイル名」および「その他」のいずれであるかを判別する。以下、条件記憶部101gから読み出した条件Aの項目が、「連結ファイル名」、「コピー」、「固定ファイル名」および「その他」の各場合に分けて動作を説明する。
【0060】
<「連結ファイル名」の場合>
条件記憶101gから読み出した条件Aの項目が「連結ファイル名」であると、ステップSC9の判断結果が「YES」となり、ステップSC12を介して記憶処理Aを実行して本処理を終える。記憶処理Aでは、後述するように、記憶指示された画像に写っている各人と類似した特徴情報を備えたアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fから検索し、該当するアドレス帳データがあれば、そのアドレス帳データを構成するデータ項目の内、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるファイル名条件項目を抽出して画像に写った人物に関連した属性のファイル名を生成する。記憶指示された画像に複数人が写っている場合には、各人毎に生成されるファイル名を連結して1つのファイル名を発生する。
【0061】
さらに、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるフォルダ名条件項目を抽出して画像にった人物に関連した属性のフォルダ名を生成する。記憶指示された画像に複数人が写っている場合には、各人毎に生成されるフォルダ名を連結して1つのフォルダ名を発生する。生成されたフォルダ名のフォルダをフォルダ記憶部101cに新規登録した後、生成したファイル名と新規登録したフォルダのフォルダIDとを記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0062】
<「コピー」の場合>
条件記憶部101gから読み出した条件Aの項目が「コピー」であると、ステップSC10の判断結果が「YES」となり、ステップSC13に進み、記憶指示された画像IDの画像データを、当該画像データに写っている人数分コピーする。次いで、ステップSC14では、上記ステップSC7にて記憶した特徴情報、すなわち写っている各人の特徴情報を画像記憶部101dから読み出し、読み出した各人の特徴情報を、上記ステップSC13において人数分コピーされた画像データにそれぞれ1つずつ付加して画像記憶部101dに記憶する。この後、ステップSC12に進み、人数分コピーされた各画像データ毎に記憶処理Aを実行する。
【0063】
<「固定ファイル名」の場合>
条件記憶部101gから読み出した条件Aの項目が「固定ファイル名」であると、ステップSC11の判断結果が「YES」となり、ステップSC15に進み、記憶処理Bを実行して本処理を終える。記憶処理Bでは、後述するように、「グループN(N:3桁の連番)」のファイル名を生成し、生成されたファイル名を、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0064】
そして、フォルダ記憶部101cから「グループ」というフォルダ名を検索し、該当するフォルダ名が存在すれば、そのフォルダ名のフォルダIDをフォルダ記憶部101cから読み出し、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。一方、該当するフォルダ名が存在しなければ、「グループ」というフォルダ名に対応するフォルダIDを発生し、当該フォルダIDと、「グループ」というフォルダ名とを対応付けてフォルダ記憶部101cに新規登録した後、新たに生成されたフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0065】
<「その他」の場合>
条件記憶部101gから読み出した条件Aの項目が「その他」の場合には、ステップSC11の判断結果が「NO」となり、ステップSC16に進み、記憶処理Cを実行して本処理を終える。記憶処理Cでは、後述するように、記憶指示された画像データ(実データ)に付加済みのファイル名もしくは新規に生成されたファイル名(「未設定N」)のいずれかを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶した後、フォルダ記憶部101cに記憶されるフォルダ名の中からユーザ操作に応じて所望のフォルダ名を選択し、選択されたフォルダ名のフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0066】
(4)記憶処理Aの動作
次に、図13を参照して記憶処理Aの動作について説明する。上述した画像記憶処理のステップSC12(図12参照)を介して本処理が実行されると、制御部100は図13に図示するステップSD1に進む。ステップSD1〜SD2では、上述した画像記憶処理のステップSC7(図11参照)にて記憶した特徴情報(写っている各人の特徴情報)と類似した特徴情報を備えたアドレス帳データを、アドレス帳記憶部101f(図7参照)に登録されるアドレス帳データの中から検索する。なお、このデータ検索は、写っている人数分行われる。
【0067】
類似した特徴情報を有するアドレス帳データが見つからなかった場合には、上記ステップSD2の判断結果が「NO」になり、上述した画像記憶処理のステップSC16(図12参照)を介して記憶処理Cを実行する。
【0068】
一方、類似した特徴情報を有するアドレス帳データが検索されると、上記ステップSD2の判断結果は「YES」となり、ステップSD3に進む。ステップSD3では、条件記憶部101gに記憶される条件Bの中から設定フラグが「1」のファイル名条件項目を読み出す。例えば図8に図示した一例の場合、設定フラグが「1」のファイル名条件項目として、「ヨミ(ローマ字読みの氏)」が読み出される。
【0069】
次いで、ステップSD4では、類似した特徴情報を有するアドレス帳データから上記ステップSD3で読み出されたファイル名条件項目の内容を読み出し、続くステップSD5では、そのアドレス帳データの履歴(図7参照)を読み出す。そして、ステップSD6では、上記ステップSD4で読み出した内容に、上記ステップSD5で読み出した履歴(3桁の番号)を付加したファイル名を生成する。
【0070】
例えばファイル名条件項目が「ヨミ(ローマ字読みの氏)」の場合に、類似した特徴情報を有するアドレス帳データから読み出したファイル名条件項目の内容が「aihara」であって、かつ履歴が「001」ならば、「aihara001」なるファイル名が生成される。つまり、この一例では、画像に写った人物の名(ローマ字読みの氏)を含むファイル名が生成される。また、画像に写った人物が複数人の場合には、以上のようにして生成される各人毎のファイル名を連結する。例えば画像に写った二人のファイル名として「aihara003」および「yoshioka001」が生成された場合には、両者を連結した「aihara003+yoshioka001」なるファイル名が生成される。
【0071】
こうして、画像に写った人物に関連した属性のファイル名が生成されると、ステップSD7に進み、その生成されたファイル名を、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶し、続くステップSD8では、該当するアドレス帳データの履歴をインクリメントして更新する。次いで、ステップSD9では、条件記憶部101gに記憶される条件Bの中から設定フラグが「1」のフォルダ名条件項目を読み出す。例えば図8に図示した一例の場合、設定フラグが「1」のファイル名条件項目として、「名前(氏+名)」が読み出される。
【0072】
そして、ステップSD10では、類似した特徴情報を有するアドレス帳データから上記ステップSD9で読み出されたフォルダ名条件項目の内容を読み出す。この後、ステップSD11に進み、上記ステップSD4で読み出した内容のフォルダ名を生成する。例えばフォルダ名条件項目が「名前(氏+名)」の場合に、類似した特徴情報を有するアドレス帳データから読み出したファイル名条件項目の内容が「相原花子」ならば、それがフォルダ名として生成される。つまり、この一例では、画像に写った人物の名前がフォルダ名となる。また、画像に写った人物が複数人の場合には、以上のようにして生成される各人毎の名前を連結してフォルダ名にする。
【0073】
続いて、ステップSD12では、上記ステップSD11で生成されたフォルダ名と同名のフォルダがフォルダ記憶部101c(図4参照)に記憶されているか否かを判断する。同名フォルダが既にフォルダ記憶部101cに登録済みならば、判断結果は「YES」となり、ステップSD14に進み、その同名フォルダのフォルダIDをフォルダ記憶部101cから読み出し、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶して本処理を終える。
【0074】
一方、生成されたフォルダ名のフォルダがフォルダ記憶部101cに未登録の場合には、上記ステップSD12の判断結果が「NO」になり、ステップSD13に進み、生成されたフォルダ名のフォルダを生成する。すなわち、生成されたフォルダ名に対応するフォルダIDを発生し、当該フォルダIDと生成されたフォルダ名とを対応付けてフォルダ記憶部101cに新規登録する。この後、ステップSD14に進み、新たに生成されたフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶して本処理を終える。
【0075】
このように、記憶処理Aでは、記憶指示された画像に写っている各人と類似した特徴情報を備えたアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fから検索し、該当するアドレス帳データが見つかると、そのアドレス帳データを構成するデータ項目の内、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるファイル名条件項目を抽出して画像に写った人物に関連した属性のファイル名を生成すると共に、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるフォルダ名条件項目を抽出して画像に写った人物に関連した属性のフォルダ名のフォルダをフォルダ記憶部101cに新規登録する。そして、生成したファイル名と新規登録したフォルダのフォルダIDとを記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0076】
(5)記憶処理Bの動作
次に、図14を参照して記憶処理Bの動作について説明する。前述した画像記憶処理のステップSC15(図12参照)を介して本処理が実行されると、制御部100は図14に図示するステップSE1に進み、ファイル名として「グループN」を生成する。ここで、Nは3桁の連番を為すグループ番号であり、画像記憶部101dに既に記憶されているグループ番号より1つ大きい値に決定される。例えば画像記憶部101dに既に「グループ001」が存在する場合には「グループ002」となる。また、Nは任意の桁数であって良く、グループという名称は固定的なものではなく、ユーザが任意の文字列に置換する態様としても構わない。
【0077】
続いて、ステップSE2では、上記ステップSE1にて生成されたファイル名(「グループN」)を、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。次いで、ステップSE3〜SE4では、フォルダ記憶部101c(図4参照)に記憶されるフォルダ名を読み出して「グループ」というフォルダ名を検索する。該当するフォルダ名が検索された場合には、上記ステップSE4の判断結果が「YES」になり、ステップSE6に進み、該当するフォルダ名のフォルダIDをフォルダ記憶部101cから読み出し、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶して本処理を終える。
【0078】
これに対し、該当するフォルダ名が検索されなければ、上記ステップSE4の判断結果は「NO」になり、ステップSE5に進み、「グループ」というフォルダ名のフォルダを生成する。すなわち、「グループ」というフォルダ名に対応するフォルダIDを発生し、当該フォルダIDと、「グループ」というフォルダ名とを対応付けてフォルダ記憶部101cに新規登録する。この後、ステップSE6に進み、新たに生成されたフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶して本処理を終える。
【0079】
このように、記憶処理Bでは、ファイル名として「グループN」を生成し、生成されたファイル名を、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。そして、フォルダ記憶部101cから「グループ」というフォルダ名を検索し、該当するフォルダ名が検索されると、該当するフォルダ名のフォルダIDをフォルダ記憶部101cから読み出し、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。一方、該当するフォルダ名が検索されなければ、「グループ」というフォルダ名に対応するフォルダIDを発生し、当該フォルダIDと、「グループ」というフォルダ名とを対応付けてフォルダ記憶部101cに新規登録した後、新たに生成されたフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0080】
(6)記憶処理Cの動作
次に、図15を参照して記憶処理Cの動作について説明する。前述した画像記憶処理のステップSC16(図12参照)を介して本処理が実行されると、制御部100は図15に図示するステップSF1に進み、記憶指示された画像データ(実データ)に付加されたファイル名が有るか否かを判断する。ファイル名が有れば、判断結果は「YES」になり、後述のステップSF3に進むが、ファイル名が付加されていなければ、判断結果が「NO」になり、ステップSF2に進む。
【0081】
ステップSF2では、ファイル名として「未設定N」を生成してステップSF3に進む。なお、Nは3桁の連番を為す未設定ファイル番号であり、画像記憶部101dに既に記憶されている未設定ファイル番号より1つ大きい値に決定される。例えば画像記憶部101dに既に「未設定001」が存在する場合には「未設定002」となる。
【0082】
ステップSF3では、記憶指示された画像データ(実データ)に付加済みのファイル名もしくは上記ステップSF2にて生成されたファイル名(「未設定N」)のいずれかを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。次いで、ステップSF4では、フォルダ記憶部101c(図4参照)に記憶されるフォルダ名の中からユーザ操作に応じて所望のフォルダ名を選択する。そして、ステップSF5に進み、上記ステップSF4において選択されたフォルダ名のフォルダIDをフォルダ記憶部101cから読み出し、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶して本処理を終える。
【0083】
このように、記憶処理Cでは、記憶指示された画像データ(実データ)にファイル名が付加済みで有るか否かを判断し、付加済みでなければ、「未設定N」のファイル名を生成する。そして、記憶指示された画像データ(実データ)に付加済みのファイル名もしくは生成されたファイル名(「未設定N」)のいずれかを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶した後、フォルダ記憶部101cに記憶されるフォルダ名の中からユーザ操作に応じて所望のフォルダ名を選択し、選択されたフォルダ名のフォルダIDを、記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。
【0084】
以上のように、本実施形態では、個人属性に関する各種データ項目と、画像IDと、顔認識から得られる顔固有の特徴情報とを含むアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fに登録しておき、取得した画像データを記憶する場合に、その記憶指示された画像データ(実データ)に写っている各人と類似した特徴情報を備えたアドレス帳データをアドレス帳記憶部101fから検索する。
【0085】
該当するアドレス帳データが検索されると、そのアドレス帳データを構成するデータ項目の内、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるファイル名条件項目を抽出して画像に写った人物に関連した属性のファイル名を生成すると共に、条件記憶部101gに記憶される条件Bで指定されるフォルダ名条件項目を抽出して画像に写った人物に関連した属性のフォルダ名のフォルダをフォルダ記憶部101cに新規登録する。
【0086】
そして、生成したファイル名と新規登録したフォルダのフォルダIDとを記憶指示された画像データ(実データ)の画像IDに対応付けて画像記憶部101dに記憶する。従って、例えば画像に写った人物の名を含むファイル名やフォルダ名、もしくは画像に複数人が写っていれば、写っている各人の名を連結したファイル名やフォルダ名を自動的に生成して記憶する等、画像に写った人物に関連した属性を利用して画像保存するので、取得した画像データを容易かつ適切に記憶管理することができる。
【0087】
また、上述した実施形態において得られる、より具体的な他の効果は、下記(a)〜(h)項に記載の通りである。
(a)属性情報と対応付けられて記憶されている画像に含まれるオブジェクトの特徴情報や、属性情報と対応付けられて記憶されている特徴情報と、取得された画像に含まれているオブジェクトの特徴情報とを比較することによってオブジェクトを特定するので、簡易的にかつ正確にオブジェクトを特定することができる。
(b)取得した画像を、その画像に含まれるオブジェクトの属性を表す属性情報に基づいて適切なグループに分類して記憶管理することができる。
(c)取得した画像を、その画像に含まれるオブジェクトの属性を表す属性情報だけでなく、画像識別情報が記憶された履歴識別情報に基づいて、より適切に記憶管理することができる。たとえば、同じオブジェクトが含まれている複数の画像を記憶管理する際に、複数の画像に同じ属性情報に基づいた同じ画像識別情報が対応付けられてしまうと、ユーザにとっては分かりにくくなってしまう。そこで、属性情報とともに履歴識別情報を画像識別情報とすると、同じ属性情報が含まれ、かつ異なる履歴識別情報が含まれた画像識別情報が、複数の画像と対応付けられることになるので、ユーザにとっては分かりやすくなる。
(d)画像に複数のオブジェクトが含まれている場合には、それら複数のオブジェクトのそれぞれに関連する属性情報に基づいて、その画像を適切に記憶管理することができる。
(e)画像に多数のオブジェクトが含まれている場合には、それらのオブジェクトの属性情報に基づいた画像識別情報ではユーザに混乱を与えてしまう可能性が高くなるので、それらの属性情報に代わって所定の識別情報に基づいて、その画像を適切に記憶管理することができる。
(f)画像に複数のオブジェクトが含まれている場合には、その画像を複製して、複数のオブジェクトの属性情報の夫々に基づいて複製された画像の夫々を適切に記憶管理することができる。
(g)人物が含まれている画像をその人物の属性を表す属性情報に基づいて適切に記憶管理することができる。
(h)取得した画像を、その画像に含まれるオブジェクトの属性を表す属性情報に基づいてグループごとに分類して適切に記憶管理することができる。
【0088】
なお、上述の実施形態では画像から人物を特定するようにしたが、本発明の主旨は人物に限らない。例えば花瓶や建物など任意のオブジェクトで良い。人物でない場合にはアドレス帳ではなく、オブジェクトの画像やオブジェクトの特徴情報と、そのオブジェクトに関連する属性情報を対応付けて記憶しているデータベースを参照するようにする。
【0089】
また、上述の実施形態では、端末装置として携帯電話10を想定しているが、本発明の要旨は、これに限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置に適用可能であることは言うまでもない。前述した第1〜第2実施形態では、折り畳み開閉タイプの携帯電話10を一例としたが、これに限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であっても構わない。記憶部101は、携帯電話10の内部に設けられるメモリに限定されず、メモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置でも良い。
【0090】
記憶する画像は、静止画や動画など任意の種別の画像で良く、撮像部で撮像した画像、放送受信部で受信した画像、ダウンロードした画像、データ通信で受信した画像に限らず、任意の方法で取得した画像に適用可能となる。さらに、アドレス帳の項目(属性情報)は、人物に関連する任意の項目(属性情報)で良い。
【符号の説明】
【0091】
10 携帯電話
100 制御部
101 記憶部
101a プログラム記憶部
101b 各種情報一時記憶部
101c フォルダ記憶部
101d 画像記憶部
101e グループ記憶部
101f アドレス帳記憶部
101g 条件記憶部
102 無線通信部
103 テレビ放送・ラジオ放送受信部
104 音声信号処理部
105 撮像部
106 表示部
107 操作部
108 RTC
109 報知部
109a サウンドスピーカ
109b LED
109c 振動モータ
110 電池部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された属性情報を、前記画像取得手段により取得された画像を識別するための画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶する識別情報記憶制御手段と
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトの特徴を表す特徴情報を抽出する抽出手段と、
オブジェクトを含む画像及びそのオブジェクトの特徴情報の少なくともいずれか一方と、そのオブジェクトの属性を表す属性情報とが対応付けられて記憶される記憶手段を参照する参照手段とを更に備え、
前記特定手段は、前記参照手段によって前記記憶手段を参照して、前記記憶手段に記憶されているオブジェクトを含む画像から抽出された特徴情報又は前記記憶手段に記憶されている特徴情報のいずれかと、前記抽出手段によって抽出された特徴情報とを比較して前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定し、
前記属性情報取得手段は、特定されたオブジェクトを含む画像及びそのオブジェクトの特徴情報の少なくともいずれか一方と対応付けられて前記記憶手段に記憶されている属性情報を取得することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
画像をグループごとに分類して記憶管理する管理手段と、
前記属性情報取得手段により取得された属性情報に基づいて、前記画像取得手段により取得された画像を、前記管理手段によって記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記識別情報記憶制御手段によって画像に対応付けて画像識別情報が記憶された履歴を記憶する履歴記憶制御手段を更に備え、
前記識別情報記憶制御手段は、前記履歴記憶制御手段に記憶された履歴に基づき生成される履歴識別情報と前記属性情報取得手段により取得された属性情報とからなる画像識別情報を、前記画像取得手段により取得された画像に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記識別情報記憶制御手段は、前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が複数のオブジェクトを特定し、前記属性情報取得手段がそれら特定された複数のオブジェクトの属性を表す属性情報を取得した場合に、それら各オブジェクトの属性情報を画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記識別情報記憶制御手段は、前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が所定数以上のオブジェクトを特定した場合に、属性情報に代えて所定の識別情報を画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶することを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項7】
前記画像取得手段により取得された画像から前記特定手段が複数のオブジェクトを特定した場合に、その画像を複製する複製手段を更に備え、
前記識別情報記憶制御手段は、前記属性情報取得手段がそれら特定された複数のオブジェクトの属性を表す属性情報を取得した場合に、それら各オブジェクトの属性情報を画像識別情報として、前記複製手段によって複製された画像のそれぞれに対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項8】
前記特定手段は、画像に含まれる人物を特定し、
前記属性情報取得手段は、特定された人物の属性を表す属性情報を取得することを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項9】
画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像をグループごとに分類して記憶管理する管理手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記属性情報取得手段により取得された属性情報に基づいて、前記画像取得手段により取得された画像を、前記管理手段によって記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御手段と
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項10】
端末装置に搭載されるコンピュータに、
画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得手段ステップ、
前記属性情報取得ステップにより取得された属性情報を、前記画像取得ステップにて取得された画像を識別するための画像識別情報として、その画像に対応付けて記憶する識別情報記憶制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
端末装置に搭載されるコンピュータに、
画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得された画像をグループごとに分類して記憶管理する管理ステップと、
前記画像取得ステップにより取得された画像に含まれるオブジェクトを特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定されたオブジェクトの属性を表す属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
前記属性情報取得ステップにより取得された属性情報に基づいて、前記画像取得ステップにて取得された画像を、前記管理ステップにより記憶管理されている所定のグループの画像として記憶するグループ記憶制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−224901(P2010−224901A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71956(P2009−71956)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】