端末装置及びそれを用いた学習システムとそのプログラム
【課題】 複数の受講者に設問に巻頭させながら行う学習において、講師が受講者の解答状況を詳細に確認できる学習システムを提供する。
【解決手段】 記入用紙である答案用紙2には、複数の設問に応じて複数の解答欄13〜17が設けられている。各受講者は、電子ペン3を用いて解答欄に記入すると、各電子ペン3は、記入情報を端末装置4へ送信する。端末装置4は、各電子ペン3によって送信された記入情報に基づき、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄を同時にディスプレイ表示する。また、プロジェクター7は、端末装置4の表示に同期して、スクリーン6に表示する。
【解決手段】 記入用紙である答案用紙2には、複数の設問に応じて複数の解答欄13〜17が設けられている。各受講者は、電子ペン3を用いて解答欄に記入すると、各電子ペン3は、記入情報を端末装置4へ送信する。端末装置4は、各電子ペン3によって送信された記入情報に基づき、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄を同時にディスプレイ表示する。また、プロジェクター7は、端末装置4の表示に同期して、スクリーン6に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを用いた学習システム及びそれに用いられる端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto 社が開発した「アノトペン(Anoto pen )」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本出願人は、このような電子ペンを用いて、模擬試験などの採点した結果を効率よく集計する学習採点システムなどを提案している(特許文献2)。また、複数の受講者に対して共有する学習データを記憶装置に記憶し、受講者の端末からのアクセスをカウントしつつ学習データを提供するシステムも提案されている(特許文献3)。また、受講者が電子ペンによって問題用紙に解答を記入し、各電子ペンで記入された記載内容を同一の問題用紙ごとにまとめてファイルを作成し、記憶するシステム等も提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2004−206295号公報
【特許文献3】特開2002−323847号公報
【特許文献4】特開2006−244055号公報
【特許文献5】特開2000−122517号公報
【特許文献6】特開2004−21595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これまでの学習システムでは、講師が受講者の解答の大まかな進捗状況を把握できるにとどまっている。そこで、本発明は、複数の受講者に設問に解答させながら行う学習において、講師が受講者の解答状況を詳細に確認できる端末装置、それを用いた学習システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、少なくとも記入した位置座標に関する情報を受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
この端末装置によれば、複数の受講者が各自の記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって記入情報が端末装置へ送信され、端末装置は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させることにより、講師は、特定の受講者についての記入用紙への記入状況を把握することができる。
【0008】
また、本発明に係る端末装置は、
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、記入した位置座標に関する情報と電子ペン識別情報とを受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報及び電子ペン識別情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この端末装置によれば、複数の受講者が各自の記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって記入情報が端末装置へ送信され、端末装置は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させることにより、講師は、特定の受講者についての記入用紙への記入状況を把握できる。
【0010】
また、前記処理手段は、クリック操作により、前記選択指示を検知するように構成するとよい。これにより、マウスによってクリックするだけの操作で選択指示を簡単に行うことができる。
【0011】
また、前記受信手段は、少なくとも一部の電子ペンからの情報を別の装置から受信するように構成するとよい。これにより、多数本の電子ペンの記入情報を端末装置へ送信し、集約的に表示させることができる。
【0012】
また、前記記入用紙は、複数の設問に応じて複数の解答欄が設けらた答案用紙であり、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入される複数の答案用紙の同じ解答欄とその記入内容を同時に前記表示手段に表示させるとともに、前記表示手段に表示させる解答欄を切換える機能をさらに有するように構成するとよい。これにより、講師が表示手段を見れば、ある同じ解答欄に対する各受講者の解答状況を同時かつ詳細に把握でき、しかも表示させる解答欄を切換えることで、別の解答欄に対する各受講者の解答状況を同時かつ詳細に把握できる。
【0013】
また、前記処理手段は、前記受信手段によって、各電子ペンについて、前記位置座標に関する情報が受信されていない時間を前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、特定の受講者が記入用紙に対して記入できていない時間を把握することができる。
【0014】
また、前記処理手段は、前記受信手段により、各電子ペンから所定時間以上前記位置座標に関する情報が受信されないと、それを示す表示を前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、特定の受講者が記入用紙に対して所定時間連続して記入できていないことが把握できる。
【0015】
また、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量順に、前記表示手段に対して並べて表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、表示手段に表示された記入用紙の表示順を目安に、受講者の解答の進捗状況を把握することができる。
【0016】
また、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量で分類し、色を変えて前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、表示手段に表示された記入用紙の表示の色を参照して、受講者の解答の進捗状況を把握することができる。
【0017】
また、前記記入用紙には呼出マーク領域が設けられており、前記処理手段は、前記呼出マーク領域に対応付けられた、電子ペンによる前記位置座標に関する情報を認識すると、それを示す表示を表示手段に表示させるようにするとよい。この構成によれば、受講者が、呼出マーク領域に電子ペンでチェックマークを入れれば、端末装置の処理手段の指示により、表示手段に呼出マーク領域にチェックされたことが示されるため、講師は表示手段を見て、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行く動機とすることができる。そして、受講者は、他の受講者に知られずに講師を呼び出すことも可能となる。
【0018】
また、本発明に係る学習システムは、前記した端末装置と、前記端末装置の前記表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターをさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本学習システムによれば、複数の受講者が各自記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって少なくとも記入した位置座標に関する情報が端末装置へ送信され、端末装置の受信手段は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、位置座標に関する情報に基づいて、記入用紙の記入内容を表示手段に表示させる。また、前記端末装置の表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターを備えることにより、端末装置の表示手段に表示された内容をプロジェクターによってスクリーンに表示させることで、各受講者は、スクリーンを見て、自己の解答を含め、他の受講者の解答を知ることができ、また、講師の講評によって各受講者は互いに協調的に学習することができる。
【0020】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、前記した端末装置として機能させることを特徴とする。
【0021】
本プログラムによって、本発明に係る端末装置を機能させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の受講者に設問に解答させながら行う学習において、講師が受講者の解答状況を詳細に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態における学習システムのシステム構成図である。
【図2】答案用紙を示す図である。
【図3】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図4】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図6】端末装置の機能ブロック図である。
【図7】端末装置の記憶手段における記憶するデータ構造を示す概念図である。
【図8】(a)は、端末装置の記憶手段によって記憶されるユーザエリアと、その座標領域と、その図案データとの関連付けを示す概念図であり、(b)は、座標領域を規定する説明図である。
【図9】端末装置におけるシート表示の表示形態を示す図である。
【図10】端末装置における設問別表示の表示形態を示す図である。
【図11】端末装置の専用アプリケーションのモジュール構成図である。
【図12】学習システムにおける処理フローである。
【図13】他の実施形態におけるシート表示の表示形態を示す図である。
【図14】他の実施形態における設問別表示の表示形態を示す図である。
【図15】他の実施形態において、ソートされた設問別表示の表示形態を示す図である。
【図16】他の実施形態における学習システムのシステム構成である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0025】
[学習システムのシステム構成]
図1に示すように、本実施形態における学習システム1は、答案用紙2A,2B,2C,…(2)に各受講者が解答を記入するための電子ペン3A,3B,3C,…(3)と、各電子ペン3から記入情報等を受信してディスプレイ(表示手段)に記入内容を表示する端末装置4と、端末装置4から表示情報を受信してスクリーン6に映し出すプロジェクター7とから構成される。
【0026】
[答案用紙]
図1に示す答案用紙2A,2B,2C,…(2)には、それぞれ同じパターンのドットパターン(コード化パターン)が印刷され、さらにその上に、図2に示すような、所属を記入する所属記入欄11、氏名を記入する氏名記入欄12、設問1番〜設問5番に対応する解答欄「1」〜「5」(符号13〜17)、「HELP」と記載された呼出マーク欄18が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、各欄11〜18は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。
【0027】
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン(コード化パターン)について説明する。図3は、答案用紙2に印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、答案用紙2上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0028】
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、答案用紙2上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその答案用紙2上のどの位置にあるのか)及びドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン3によって行われる。
【0029】
[電子ペン]
次に電子ペン3について説明する。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体21の内部に、CPU等により構成されるプロセッサ22、ROMやRAMといったメモリ23、アンテナ等により構成されるデータ通信ユニット24、バッテリー26、LED27、CMOSカメラ28、クロック29、圧力センサ31、及びインクカートリッジ32を備える。インクカートリッジ32の先端は、ペン先部33となっており、各受講者は、電子ペン3のペン先部33を答案用紙2に当接させながら、所属や氏名をその記入欄11,12に記入したり、設問の解答を解答欄13〜17に記入したり、呼出マーク欄18にマークないしタップ(ペン先部33による答案用紙2への軽叩)したりすることができる。
【0030】
バッテリー26は電子ペン3内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン3のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン3自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック29は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ22に供給する。圧力センサ31は、受講者が電子ペン3により答案用紙2上に文字などを書く際にペン先部33からインクカートリッジ32を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ22へ伝送する。
【0031】
プロセッサ22は、圧力センサ32から与えられる筆圧データに基づいて、LED27及びカメラ28のスイッチのオン/オフを切換える。即ち、受講者が電子ペン3で答案用紙2上に文字などを書くと、ペン先部33には筆圧がかかり、圧力センサ31によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ22は、受講者が記入を開始したと判定して、LED27及びカメラ28を作動させる。
【0032】
LED27とCMOSカメラ28は、電子ペン3のペン先部33付近に取り付けられており、筐体21におけるLED27及びCMOSカメラ28と対向する部分には、開口部34が形成されている。LED27は、答案用紙2上のペン先部33近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部33が答案用紙2に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ28は、LED27によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ22に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED27によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。カメラ28の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、各欄11〜18を印刷したインクには、カーボンが含まれていないため、プロセッサ22は、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ28による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ28の撮影は毎秒50〜100回程度行われる。
【0033】
プロセッサ22は、受講者の記入が行われる間、カメラ28によって供給される画像データのドットパターンから、受講者が記入するストローク(筆跡)の答案用紙2上におけるX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ22は、カメラ28によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そしてプロセッサ22は、クロック29から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報))、筆圧データ、ドットパターンアドレス及びX,Y座標データとを関連付ける。なお、答案用紙2における6×6のドットパターンは、その答案用紙2内で重複することはないため、受講者が電子ペン3で解答内容を記入すると、記入された位置が答案用紙2のどの位置に当たるかを、プロセッサ22による座標演算により特定することができる。
【0034】
メモリ23には、電子ペン3を識別するための電子ペン識別情報が記憶されており、電子ペン3Aであれば電子ペン識別情報「pen01 」、電子ペン3Bであれば電子ペン識別情報「pen02 」、電子ペン3Cであれば電子ペン識別情報「pen03 」がそれぞれメモリ23に記憶されている。
【0035】
そして、データ通信ユニット24は、電子ペン識別情報と、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、ドットパターンアドレスと、X,Y座標データとを関連付けて、記入情報として端末装置4へ送信する。データ通信ユニット24による送信は、 Bluetooth(登録商標)の無線送信によって、端末装置4へ向けて即時的かつ逐次的に行われる。
【0036】
[端末装置]
次に、端末装置4について説明する。端末装置4は、ハードウェアとして、電子ペン3とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成される、パーソナルコンピュータ等で構成される。図6は、端末装置4の機能ブロック図である。端末装置4は、電子ペン3から受信したデータを用いて専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。そして、端末装置4は、機能的には、受信手段41、記憶手段42、処理手段43、表示手段44、マウスやキーボードといった入力手段45、現在時刻を発信するクロック46、及び送信手段47を備える。
【0037】
受信手段41は、アンテナ等により構成され、各電子ペン3から記入情報を受信する。記憶手段42は、図7に示すように、電子ペン識別情報と電子ペン3の利用者名(利用者を識別する情報)を関連付けて記憶したり、受信手段41によって受信された記入情報を、電子ペン識別情報によって電子ペン3A,3B,3C,…(3)毎に区別して記憶したりする。また、記憶手段42は、図8(a)に示すように、答案用紙2における各欄11〜18(ユーザエリア)と、その欄(ユーザエリア)が占める座標領域と、その欄の枠線等の図案データとを関連付けて記憶している。なお、後述する「シート表示」で使用するため答案用紙2全体が占める座標領域とその図案データも対応付けて記憶している。ここで、ユーザエリアの座標領域は、特定の角の座標点(Xn,Yn)と、X方向の幅Wnと、Y方向の高さHnとによって定義づけられている。この記憶手段42は、ROMやRAMといったメモリによって構成される。表示手段44は、処理手段43によって指示された内容を表示し、ディスプレイ等によって構成される。処理手段43は、表示手段44に対して種々の形態で記入内容を表示させるものであり、CPU等のプロセッサによって構成される。以下、各表示形態について説明する。
【0038】
図9は、答案用紙2の図案とそこに記入された内容をそのまま表示する「シート表示」を示している。図9に示すように、処理手段43は、表示手段(ディスプレイ)44に対して、答案用紙2と記入内容をそのまま表示するフレーム(ウィンドウ領域)51と、記入情報を送信してきた電子ペン3の電子ペン識別情報とその電子ペン3の利用者(受講者)名とを列挙するフレーム(ウィンドウ領域)52とを表示させる。処理手段43は、これらのフレームを有するウィンドウを、機能ボタン「シート表示」53がマウスでクリックされることで表示手段44に表示させる。なお、図9に示す例では、呼出マーク欄18を表示させていないが、処理手段43によって表示させるようにしてもよい。また、特定の電子ペン識別番号をデフォルト設定しておき、その電子ペン3により記入された答案用紙2とその記入内容を表示するとよいが、デフォルトでは答案用紙2のみを表示するようにしてもよい。
【0039】
また、ウィンドウ領域52に表示される電子ペン識別情報と利用者名のリストは、記憶手段42から処理手段43によって読み出されており(参照図7)、処理手段43は、ウィンドウ領域52内でマウスによってクリックされた電子ペン識別情報を有する電子ペン3によって記入された答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる。具体的には、講師が、ウィンドウ領域52に表示された電子ペン識別情報のうち、利用者「太郎」の電子ペン識別情報「pen01 」をマウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、太郎が電子ペン識別情報「pen01 」の電子ペン3を使用して記入した答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる(参照図7)。また、講師が、ウィンドウ領域52に表示された「背景のみ」選択領域52aを マウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、答案用紙2のみをウィンドウ領域51に表示させる。
【0040】
図10は、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄、換言すると、同じ設問に対応する複数の解答欄を同時に表示する「設問別表示」を示している。図10に示すように、処理手段43は、表示手段(ディスプレイ)44に対して、ウィンドウを答案用紙の枚数分、換言すると利用者の人数分のウィンドウ領域に区画させる。具体的には、処理手段43は、記憶手段42に記憶された電子ペン識別情報及び利用者名を参照して(参照図7)、表示手段44に対して、ウィンドウを3つのウィンドウ領域61〜63に区画させる。そして、処理手段43は、記憶手段42に記憶された各設問に対応する解答欄13〜17が占める座標領域を参照して(参照図8)、ウィンドウ領域61の中央には、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの特定の解答欄に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域62の中央には、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの答案用紙Aと同じ特定の解答欄に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域63の中央には、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの答案用紙Aと同じ特定の解答欄に記入された内容を表示させる。処理手段43は、これらのウィンドウ領域61〜63を含むウィンドウを、機能ボタン「設問物表示」54がマウスでクリックされることで、表示手段44に表示させる。
【0041】
また、処理手段43は、表示手段44に対して、記憶手段42から読み出した電子ペン識別情報及び利用者名を対応する各ウィンドウ領域61〜63の左上に表示させる。具体的には、ウィンドウ領域61の左上には、電子ペン3Aの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Aを表示させ、ウィンドウ領域62の左上には、電子ペン3Bの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Bを表示させ、ウィンドウ領域63の左上には、電子ペン3Cの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Cを表示させる(参照図10)。また、処理手段43は、マウスによって機能ボタン「次の設問」55がクリックされると、ウィンドウに次の設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させ、機能ボタン「前の設問」56がクリックされると、ウィンドウの前の設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させる。また、キーボードによって設問番号入力欄57に設問番号が入力され、マウスによって機能ボタン「表示」58がクリックされると、処理手段43は、設問番号入力欄57に入力された設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させる。
【0042】
具体的には、講師が、機能ボタン「設問別表示」54をマウスでクリックすると、処理手段43は、記憶手段42から電子ペン識別情報及び利用者名を読み出して、表示手段44に対して、ウィンドウ領域61の中央に答案用紙2Aの設問1番に対する解答欄「1」(符号13)に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域61の左上に答案用紙2Aへの記入に用いられた電子ペン3Aの利用者名及び電子ペン識別情報表示71A「太郎:pen01 」を表示させ、ウィンドウ領域62の中央に答案用紙2Bの解答欄13に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域62の左上に答案用紙2Bへの記入に用いられた電子ペン3Bの利用者名及び電子ペン識別情報表示71B「次郎:pen02 」を表示させ、ウィンドウ領域63の中央に答案用紙2Cの解答欄13に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域63の左上に答案用紙2Cへの記入に用いられた電子ペン3Cの利用者名及び電子ペン識別情報表示71C「三郎:pen03 」を表示させる。そして、講師が、機能ボタン「次の設問」55をマウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、次の設問番号である設問2番に対応する各答案用紙2A〜2Cの解答欄「2」(符号14)に記入された内容を、表示手段44に対して、解答欄11に記入された内容の表示に換えて、各ウィンドウ領域61〜63の中央に表示させる。
【0043】
このように、処理手段43の処理によって、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄が、同時に表示手段(ディスプレイ)44に表示され、しかも表示させる解答欄を切換えることもできるため、講師がこの表示を見れば、ある設問に対する各受講者の各答案用紙2への解答記入状況や理解度を同時かつ詳細に把握でき、しかも表示させる解答欄を切換えることで、別の設問に対する各受講者の各答案用紙2への解答記入状況や理解度を同時かつ詳細に把握できる。
【0044】
また処理手段43は、クロック46から発信される時刻情報を参照し、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示72を、対応するウィンドウ領域の右下に表示させ、継続する未記入時間を刻々と未記入時間表示72として表示させる。図10に示す例は、処理手段43は、表示手段44に対して、電子ペン3Aの未記入時間表示72A「3:46」をウィンドウ領域61の右下に表示させ、電子ペン3Bの未記入時間表示72B「1:15」をウィンドウ領域62の右下に表示させ、電子ペン3Cの未記入時間表示72C「5:31」をウィンドウ領域63の右下に表示させた状態の例である。さらに、処理手段43は、所定時間(例えば、10分)以上、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示72の表示色を例えば青から目立つ赤色に変えたり、或いはその対応するウィンドウ領域全体を赤色等で点灯させたりする。ただし、処理手段43は、特定の電子ペン3からの記入情報の受信を確認すると、未記入時間表示72を非表示とし、ウィンドウ領域を点灯させている場合はその点灯を中止する。
【0045】
このように、処理手段43の処理による未記入時間に関する表示から、講師は、特定の受講者が特定の解答欄に対して記入していない時間を把握することができる。
【0046】
また、処理手段43は、記入情報に基づいて、特定の答案用紙2の呼出マーク欄18が電子ペン3によってチェックされたことを確認すると、対応するウィンドウ領域61〜63の左端に注意を喚起する呼出マーク73を表示させる。これにより、受講者が、呼出マーク欄18に電子ペン3でチェックマークを入れれば、対応するウィンドウ領域61〜63の左端に呼出マーク73が表示されるため、講師は、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0047】
送信手段47は、アンテナ等により構成され、表示手段(ディスプレイ)44の表示データをプロジェクター7に送信するもので、送信方式は、有線式であっても無線式であってもよい。
【0048】
[専用アプリケーション]
続いて、端末装置4にインストールされる専用アプリケーション(プログラム)80について図11を参照して説明する。図11は、専用アプリケーション80のモジュール構成を示す。図11に示すように、専用アプリケーション80は、受信モジュール81と、記憶モジュール82と、処理モジュール83とを有している。
【0049】
受信モジュール81は、受信手段41に対して、各電子ペン3から送信された特定のプロトコルで作成された記入情報を受信させる機能を有し、端末装置4にアンテナ等によって受信手段41を構成させるモジュールである。
【0050】
記憶モジュール82は、記憶手段42に対して、電子ペン識別情報と電子ペン3の利用者名とが関連付けられた情報、及び答案用紙2における各欄11〜18(ユーザエリア)等と、その欄(ユーザエリア)等が占める座標領域と、その欄の枠線等の図案データとの対応関係の情報、及び答案用紙2全体の図案データを記憶させる機能を有しており、また、記入情報に含まれる電子ペン識別情報によって記入情報を電子ペン3毎に区別して記憶させる機能を有しており、端末装置4にメモリによって記憶手段42を構成させるモジュールである。
【0051】
処理モジュール83は、表示手段44に対して、種々の形態で答案用紙2に記入された内容を表示させる機能を有しており、答案用紙2とそこに記入された内容をそのまま表示させたり、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問に対応する解答欄を同時に表示させたり、電子ペン3での未記入時間を表示させたり、呼出マーク73を表示させたりする機能を有し、端末装置4にプロセッサによって処理手段を構成させるモジュールである。
【0052】
<学習システムによる処理フロー>
次に、学習システム1による処理フローを、図12を参照して説明する。
【0053】
図12に示すように、各電子ペン3A〜3Cは、受講者が答案用紙2A〜2Cに解答を記入する都度、記入情報を生成して、端末装置4へ送信する。例えば、受講者が電子ペン3Aのペン先部33を答案用紙2Aに接触(ペン・ダウン)させて(ステップS101)、所属記入欄11、氏名記入欄12、解答欄13〜17に記入すると、電子ペン3Aは、圧力センサ31によって所定値以上の筆圧が検出されたことにより答案用紙2Aへの接触を検出し、LED27によって赤外線を照射しつつカメラ28によってドットパターンを撮像し、プロセッサ22によって、撮像されたドットパターンの画像データから答案用紙2Aへの接触位置における座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そしてプロセッサ22は、クロック29によって発信された現在時刻を示す時間情報、ドットパターンアドレス、座標データ、筆圧データを関連付けた記入情報を取得し、その記入情報を端末装置4へ送信させる(ステップS102)。
【0054】
このように電子ペン3Aは、受講者が答案用紙2Aに記入し続けている間、記入情報を生成し、端末装置4へ送信する。そして、受講者が電子ペン3Aを答案用紙2Aから離す(ペン・アップ)と、電子ペン3Aは端末装置4への記入情報の送信を中止する(ステップS103)。一方、端末装置4では、電子ペン3Aによって送信された記入情報を受信すると、記入情報に含まれる座標データに合わせて、記入内容を表示手段(ディスプレイ)44に表示する(ステップS104)。
【0055】
電子ペン3Bによる答案用紙2Bへの解答記入によっても、同様の処理(ステップS201〜S204)が行われ、電子ペン3Cによる答案用紙2Cへの解答記入によっても、同様の処理(ステップS301〜S304)が行われる。プロジェクター7によるスクリーン6への表示は、端末装置4での表示内容に同期して行われる(ステップS401)。
【0056】
このとき、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「シート表示」(参照図9)であれば、処理手段43は、デフォルト設定されている電子ペン識別番号により記入された答案用紙2とそこに記入された内容をそのまま表示し、また、講師によってウィンドウ領域52に表示される電子ペン識別情報と利用者名のリストのいずれかがマウスによってクリックされると、処理手段43は、表示していた内容に換えて、クリックされた電子ペン識別情報を有する電子ペン3によって記入された答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる。
【0057】
一方、表示手段44による表示が「設問別表示」であれば(参照図10)、処理手段43は、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問番号に対応する解答欄を同時に表示する。また、講師により、マウスによって機能ボタン「次の設問」55或いは「前の設問」56がクリックされると、処理手段43は、各ウィンドウ61〜63に、次の設問番号或いは前の設問番号に対応する解答欄に切換えて表示させる。また、講師によりキーボードによって設問番号入力欄57に設問番号が入力され、マウスによって機能ボタン「表示」58がクリックされれば、処理手段43は、設問番号入力欄57に入力された設問番号に対応する解答欄に切換えて表示させる。
【0058】
また、図12では、各電子ペン3によって連続して答案用紙2に解答が記入される例が示されているが、電子ペン3による解答記入が途中で中断すると、電子ペン3から端末装置4への記入情報の送信も中断してしまう。端末装置4の処理手段43は、電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示領域76を、その電子ペン3に対応するウィンドウ領域上に表示させ、未記入時間表示領域76に、継続する未記入時間を刻々と表示させる。さらに、処理手段43は、所定時間(例えば、10分)以上、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示領域76に未記入時間の表示色を例えば青から目立つ赤色に変えたり、或いはその対応するウィンドウ領域全体を赤色等で点灯させたりする。なお、処理手段43は、特定の電子ペン3からの記入情報の受信を確認すると、未記入時間表示領域76を非表示とし、ウィンドウ領域を点灯させている場合はその点灯を中止する。
【0059】
受講者が電子ペン3によって答案用紙2の呼出マーク欄18「HELP」(参照図2)をマークないしタップすると、その電子ペン3は、呼出マーク欄18「HELP」の記入情報を端末装置4へ送信する(ステップS102,S202,S302)。端末装置4では、処理手段43は、記入情報に基づいて、答案用紙2の呼出マーク欄18内の座標データを認識すると、対応するウィンドウ領域に注意を喚起する呼出マーク73を表示させる(参照図10)。これにより、受講者が、呼出マーク欄18に電子ペン3でチェックマークを入れれば、その電子ペン3に対応するウィンドウ領域に呼出マーク73が表示されるため、講師は、その電子ペン3を使用している特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0060】
<本学習システムによる作用効果>
本学習システム1によれば、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「シート表示」の場合には、特定の答案用紙2とその答案用紙2に記入された内容が、受講者による電子ペン3での記入のタイミングと略同じくして、そのまま表示されるため、講師は、受講者の解答状況を詳細に把握することができる。また、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「設問別表示」の場合には、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問番号に対応する解答欄への記入内容が、略同時に表示手段44に表示され、また、解答欄を切換えることもできるため、講師は、各受講者の元に移動することなく、ある同じ解答欄に対する各受講者の解答状況や理解度を同時かつ詳細に把握でき、また、表示させる解答欄を切換えることで、別の解答欄に対する各受講者の解答状況や理解度を同時かつ詳細に把握できる。
【0061】
また、未記入時間76の表示や所定時間以上の未記入表示によって、講師は、特定の受講者が特定の解答欄に対して記入していない時間を把握することができる。さらに、呼出マーク73によって、講師は、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0062】
また、端末装置4の表示手段44に表示された内容をプロジェクター7によってスクリーン6に表示させることで、各受講者は、スクリーン6を見て、解答欄13〜17ごとに自己の解答を含め、他の受講者の解答を知ることができて多様な解答が促され、また、講師の講評によって各受講者は互いに協調的に学習することができる。また、記入情報は記憶手段42によって電子情報として記憶されているため、講義後も改めて学習過程を分析することができる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。
【0064】
上記実施形態では、図9に示すように「シート表示」において、処理手段43は、フレーム(ウィンドウ領域)52に、電子ペン3の電子ペン識別情報と、記憶手段42に登録された電子ペン3の利用者名(受講者名)とを表示させたが、その代わりに、図13に示すように、処理手段43が、表示手段44に対して、ウィンドウ領域52に氏名表示領域521a、521b、521c…(521)の区画を設けさせて、各答案用紙2の氏名記入欄12(参照図2)に記載された氏名を、自筆氏名表示74(74A、74B、74C…)として、各氏名表示領域521a〜521cに表示させてもよい。具体的には、処理手段43は、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Aとして氏名表示領域521aに表示させ、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Bとして氏名表示領域521bに表示させ、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Cとして氏名表示領域521bに表示させる。
【0065】
このとき、氏名表示領域521a〜521cのいずれかがマウスによってクリックされて選択されると、処理手段43は、フレーム(ウィンドウ領域)51に、選択された氏名表示領域521a〜521cの自筆氏名表示74A〜74Cの氏名を記入した電子ペン3により記入された答案用紙2とその記入内容、換言すると、選択された氏名表示領域521a〜521cの氏名を含む答案用紙2とその記入内容をそのまま表示させる。
【0066】
同様に、上記実施形態では、図10に示すように、「設問別表示」において、処理手段43は、受講者ごとの各ウィンドウ領域61〜63の左上に、電子ペン3の電子ペン識別情報及び記憶手段42に登録された電子ペン3の利用者名(受講者名)とを、利用者名及び電子ペン識別情報表示71A〜71Cとして表示させたが、その代わりに、図14に示すように、処理手段43が、表示手段44に対して、各ウィンドウ領域61〜63の左上に氏名表示領域61a、62a、63a…を区画させるように構成して、各答案用紙2の氏名記入欄12に記載された氏名を、自筆氏名表示74(74A,74B,74C…)として、対応する各氏名表示領域61a〜63aに表示させてもよい。具体的には、処理手段43は、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Aとして氏名表示領域61aに表示させ、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Bとして氏名表示領域62aに表示させ、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Cとして氏名表示領域63aに表示させる。
【0067】
これにより、予め記憶手段42に電子ペン3の利用者名を記憶させなくとも、表示手段44に表示された氏名記入欄12の記入内容から、解答欄13〜17に記入した者を特定することができる。
【0068】
また、「設問別表示」において、処理手段43は、各解答欄に筆記された記入ストローク数順に、ソート(並び替え整列)してから、表示手段44に対して、表示させるように構成してもよい。この場合、講師が、図15に示すような、ストローク数順にソートさせるための機能ボタン「ストローク数でソート」59をマウスによってクリックすると、処理手段43は、各答案用紙2の解答欄ごとに、電子ペン3によって記入されたスクローク数をカウントし、ウィンドウ領域61〜63に表示させる各解答欄をストローク数順に並び替えて表示させるようにするとよい。図15では、設問5番に対応する各答案用紙2の解答欄17のうち、最も記入ストローク数の多い「次郎」の解答欄が上段のウィンドウ領域61に表示され、次のストローク数の少ない「太郎」の解答欄が中段のウィンドウ領域62に表示され、最もストローク数の少ない「三郎」の解答欄が下段のウィンドウ領域63に表示されている。
【0069】
これにより、講師は、表示手段44におけるウィンドウ領域への表示目安に、受講者の設問別の解答進捗状況を把握することができる。さらに、最もストローク数の多い解答欄を表示するウィンドウ領域61の左端に、ソート順1位マーク75を表示してもよい。なお、処理手段43は、ソートの基準を、ストローク数の他、ストロークの積算長さ等、ストローク量によることとしてもよく、或いは、未記入時間の積算時間の過多によることとしてもよい。
【0070】
また、一定のストローク数の範囲で各解答欄を分類し、分類ごとに同じ色でウィンドウ領域を着色してもよいし、ストローク数の少ない又は多い解答欄のウィンドウ領域にのみ着色してもよい。これにより、講師は、表示手段44の表示の色を参照して、受講者の解答進捗状況を把握することができる。ここでも、処理手段43は、ストローク数の他、ストロークの積算長さ等、ストローク量によって、分類してもよい。
【0071】
また、学習システムを図16に示すシステム構成図のように構成することもできる。この学習システム90において、電子ペン3A〜3Cは、それぞれ規定の手順により端末装置91とペアリングされており、端末装置91は、電子ペン3A〜3Cから送信される記入情報を端末装置4へ中継して送信する。同様に、電子ペン3D〜3Fは、それぞれ規定の手順により端末装置92とペアリングされており、端末装置92は、電子ペンD〜3Fから送信される記入情報を端末装置4へ中継して送信する。これにより、端末装置4が Bluetooth(登録商標)方式で受信できる電子ペン3の本数を越えて、端末装置4に表示させたい場合、複数端末装置91,92を介在させて、端末装置4への記入情報を中継させることにより、多数本の電子ペン3の記入情報を端末装置4へ送信し、集約的に表示させることできる。
【0072】
ここで、各電子ペン3から各端末装置91,92への送信は、 Bluetooth(登録商標)方式による無線通信で、各端末装置91,92から端末装置4への送信は、TCP/IPのプロトコルによる通信によって行うとよい。また、このようなシステム構成は、各端末装置91,92と端末装置4との間にインターネット等のネットワークを介在させて、端末装置4の表示手段44に表示される画像を、受講者の近くにある別の端末装置に同期表示させれば、受講者は、遠隔地でも講師による講義を受講することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、端末装置4は、電子ペン3から送信される電子ペン識別情報によって、電子ペン3ごとに送信される記入情報を区別したが、各答案用紙2に異なるドットパターンを印刷して異なるドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を付与し、電子ペン3のプロセッサ22による演算によってドットパターンからドットパターンアドレスを求めて、端末装置4へ送信するようにしてもよい。この場合、端末装置4の処理手段43が、ドットパターンアドレスによって、電子ペン3ごとに送信される記入情報を区別するように構成させるとよい。
【符号の説明】
【0074】
1,90…学習システム、2…答案用紙、3…電子ペン、4,91,92…端末装置、6…スクリーン、7…プロジェクター、12…氏名記入欄、13〜17…解答欄、18…呼出マーク欄、41…受信手段、42…記憶手段、43…処理手段、44…表示手段、45…入力手段、46…クロック、47…送信手段、51,52…フレーム(ウィンドウ領域)、53〜56,58,59…機能ボタン、57…設問番号入力欄、61〜63…ウィンドウ領域、61a,62a,63a,521…氏名表示領域、67…未記入時間表示領域、71…利用者及び電子ペン識別情報表示、72…未記入時間表示、73…呼出マーク、74…自筆氏名表示、75…ソート順1位マーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを用いた学習システム及びそれに用いられる端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto 社が開発した「アノトペン(Anoto pen )」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とともに使用される。アノトペンは、ペン先部に、文字等を書くための通常のインクカートリッジに加えて、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字等を書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを撮像し、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が認識される。そして、この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本出願人は、このような電子ペンを用いて、模擬試験などの採点した結果を効率よく集計する学習採点システムなどを提案している(特許文献2)。また、複数の受講者に対して共有する学習データを記憶装置に記憶し、受講者の端末からのアクセスをカウントしつつ学習データを提供するシステムも提案されている(特許文献3)。また、受講者が電子ペンによって問題用紙に解答を記入し、各電子ペンで記入された記載内容を同一の問題用紙ごとにまとめてファイルを作成し、記憶するシステム等も提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2004−206295号公報
【特許文献3】特開2002−323847号公報
【特許文献4】特開2006−244055号公報
【特許文献5】特開2000−122517号公報
【特許文献6】特開2004−21595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これまでの学習システムでは、講師が受講者の解答の大まかな進捗状況を把握できるにとどまっている。そこで、本発明は、複数の受講者に設問に解答させながら行う学習において、講師が受講者の解答状況を詳細に確認できる端末装置、それを用いた学習システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る端末装置は、
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、少なくとも記入した位置座標に関する情報を受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
この端末装置によれば、複数の受講者が各自の記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって記入情報が端末装置へ送信され、端末装置は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させることにより、講師は、特定の受講者についての記入用紙への記入状況を把握することができる。
【0008】
また、本発明に係る端末装置は、
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、記入した位置座標に関する情報と電子ペン識別情報とを受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報及び電子ペン識別情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この端末装置によれば、複数の受講者が各自の記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって記入情報が端末装置へ送信され、端末装置は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させることにより、講師は、特定の受講者についての記入用紙への記入状況を把握できる。
【0010】
また、前記処理手段は、クリック操作により、前記選択指示を検知するように構成するとよい。これにより、マウスによってクリックするだけの操作で選択指示を簡単に行うことができる。
【0011】
また、前記受信手段は、少なくとも一部の電子ペンからの情報を別の装置から受信するように構成するとよい。これにより、多数本の電子ペンの記入情報を端末装置へ送信し、集約的に表示させることができる。
【0012】
また、前記記入用紙は、複数の設問に応じて複数の解答欄が設けらた答案用紙であり、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入される複数の答案用紙の同じ解答欄とその記入内容を同時に前記表示手段に表示させるとともに、前記表示手段に表示させる解答欄を切換える機能をさらに有するように構成するとよい。これにより、講師が表示手段を見れば、ある同じ解答欄に対する各受講者の解答状況を同時かつ詳細に把握でき、しかも表示させる解答欄を切換えることで、別の解答欄に対する各受講者の解答状況を同時かつ詳細に把握できる。
【0013】
また、前記処理手段は、前記受信手段によって、各電子ペンについて、前記位置座標に関する情報が受信されていない時間を前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、特定の受講者が記入用紙に対して記入できていない時間を把握することができる。
【0014】
また、前記処理手段は、前記受信手段により、各電子ペンから所定時間以上前記位置座標に関する情報が受信されないと、それを示す表示を前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、特定の受講者が記入用紙に対して所定時間連続して記入できていないことが把握できる。
【0015】
また、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量順に、前記表示手段に対して並べて表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、表示手段に表示された記入用紙の表示順を目安に、受講者の解答の進捗状況を把握することができる。
【0016】
また、前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量で分類し、色を変えて前記表示手段に表示させるように構成するとよい。これにより、講師は、表示手段に表示された記入用紙の表示の色を参照して、受講者の解答の進捗状況を把握することができる。
【0017】
また、前記記入用紙には呼出マーク領域が設けられており、前記処理手段は、前記呼出マーク領域に対応付けられた、電子ペンによる前記位置座標に関する情報を認識すると、それを示す表示を表示手段に表示させるようにするとよい。この構成によれば、受講者が、呼出マーク領域に電子ペンでチェックマークを入れれば、端末装置の処理手段の指示により、表示手段に呼出マーク領域にチェックされたことが示されるため、講師は表示手段を見て、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行く動機とすることができる。そして、受講者は、他の受講者に知られずに講師を呼び出すことも可能となる。
【0018】
また、本発明に係る学習システムは、前記した端末装置と、前記端末装置の前記表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターをさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本学習システムによれば、複数の受講者が各自記入用紙に電子ペンで記入していくと、電子ペンによって少なくとも記入した位置座標に関する情報が端末装置へ送信され、端末装置の受信手段は、各電子ペンから送信された位置座標に関する情報を受信する。そして、処理手段は、位置座標に関する情報に基づいて、記入用紙の記入内容を表示手段に表示させる。また、前記端末装置の表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターを備えることにより、端末装置の表示手段に表示された内容をプロジェクターによってスクリーンに表示させることで、各受講者は、スクリーンを見て、自己の解答を含め、他の受講者の解答を知ることができ、また、講師の講評によって各受講者は互いに協調的に学習することができる。
【0020】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、前記した端末装置として機能させることを特徴とする。
【0021】
本プログラムによって、本発明に係る端末装置を機能させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の受講者に設問に解答させながら行う学習において、講師が受講者の解答状況を詳細に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態における学習システムのシステム構成図である。
【図2】答案用紙を示す図である。
【図3】ドットパターンにおけるドットの配置と変換される値との関係を示す説明図である。
【図4】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図5】電子ペンの構造を示す概略図である。
【図6】端末装置の機能ブロック図である。
【図7】端末装置の記憶手段における記憶するデータ構造を示す概念図である。
【図8】(a)は、端末装置の記憶手段によって記憶されるユーザエリアと、その座標領域と、その図案データとの関連付けを示す概念図であり、(b)は、座標領域を規定する説明図である。
【図9】端末装置におけるシート表示の表示形態を示す図である。
【図10】端末装置における設問別表示の表示形態を示す図である。
【図11】端末装置の専用アプリケーションのモジュール構成図である。
【図12】学習システムにおける処理フローである。
【図13】他の実施形態におけるシート表示の表示形態を示す図である。
【図14】他の実施形態における設問別表示の表示形態を示す図である。
【図15】他の実施形態において、ソートされた設問別表示の表示形態を示す図である。
【図16】他の実施形態における学習システムのシステム構成である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0025】
[学習システムのシステム構成]
図1に示すように、本実施形態における学習システム1は、答案用紙2A,2B,2C,…(2)に各受講者が解答を記入するための電子ペン3A,3B,3C,…(3)と、各電子ペン3から記入情報等を受信してディスプレイ(表示手段)に記入内容を表示する端末装置4と、端末装置4から表示情報を受信してスクリーン6に映し出すプロジェクター7とから構成される。
【0026】
[答案用紙]
図1に示す答案用紙2A,2B,2C,…(2)には、それぞれ同じパターンのドットパターン(コード化パターン)が印刷され、さらにその上に、図2に示すような、所属を記入する所属記入欄11、氏名を記入する氏名記入欄12、設問1番〜設問5番に対応する解答欄「1」〜「5」(符号13〜17)、「HELP」と記載された呼出マーク欄18が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、各欄11〜18は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。
【0027】
[ドットパターン]
続いて、ドットパターン(コード化パターン)について説明する。図3は、答案用紙2に印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、答案用紙2上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0028】
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、答案用紙2上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその答案用紙2上のどの位置にあるのか)及びドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン3によって行われる。
【0029】
[電子ペン]
次に電子ペン3について説明する。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体21の内部に、CPU等により構成されるプロセッサ22、ROMやRAMといったメモリ23、アンテナ等により構成されるデータ通信ユニット24、バッテリー26、LED27、CMOSカメラ28、クロック29、圧力センサ31、及びインクカートリッジ32を備える。インクカートリッジ32の先端は、ペン先部33となっており、各受講者は、電子ペン3のペン先部33を答案用紙2に当接させながら、所属や氏名をその記入欄11,12に記入したり、設問の解答を解答欄13〜17に記入したり、呼出マーク欄18にマークないしタップ(ペン先部33による答案用紙2への軽叩)したりすることができる。
【0030】
バッテリー26は電子ペン3内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン3のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン3自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック29は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ22に供給する。圧力センサ31は、受講者が電子ペン3により答案用紙2上に文字などを書く際にペン先部33からインクカートリッジ32を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ22へ伝送する。
【0031】
プロセッサ22は、圧力センサ32から与えられる筆圧データに基づいて、LED27及びカメラ28のスイッチのオン/オフを切換える。即ち、受講者が電子ペン3で答案用紙2上に文字などを書くと、ペン先部33には筆圧がかかり、圧力センサ31によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ22は、受講者が記入を開始したと判定して、LED27及びカメラ28を作動させる。
【0032】
LED27とCMOSカメラ28は、電子ペン3のペン先部33付近に取り付けられており、筐体21におけるLED27及びCMOSカメラ28と対向する部分には、開口部34が形成されている。LED27は、答案用紙2上のペン先部33近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部33が答案用紙2に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ28は、LED27によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ22に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED27によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。カメラ28の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、各欄11〜18を印刷したインクには、カーボンが含まれていないため、プロセッサ22は、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ28による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ28の撮影は毎秒50〜100回程度行われる。
【0033】
プロセッサ22は、受講者の記入が行われる間、カメラ28によって供給される画像データのドットパターンから、受講者が記入するストローク(筆跡)の答案用紙2上におけるX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ22は、カメラ28によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そしてプロセッサ22は、クロック29から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報))、筆圧データ、ドットパターンアドレス及びX,Y座標データとを関連付ける。なお、答案用紙2における6×6のドットパターンは、その答案用紙2内で重複することはないため、受講者が電子ペン3で解答内容を記入すると、記入された位置が答案用紙2のどの位置に当たるかを、プロセッサ22による座標演算により特定することができる。
【0034】
メモリ23には、電子ペン3を識別するための電子ペン識別情報が記憶されており、電子ペン3Aであれば電子ペン識別情報「pen01 」、電子ペン3Bであれば電子ペン識別情報「pen02 」、電子ペン3Cであれば電子ペン識別情報「pen03 」がそれぞれメモリ23に記憶されている。
【0035】
そして、データ通信ユニット24は、電子ペン識別情報と、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、ドットパターンアドレスと、X,Y座標データとを関連付けて、記入情報として端末装置4へ送信する。データ通信ユニット24による送信は、 Bluetooth(登録商標)の無線送信によって、端末装置4へ向けて即時的かつ逐次的に行われる。
【0036】
[端末装置]
次に、端末装置4について説明する。端末装置4は、ハードウェアとして、電子ペン3とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、ディスプレイ、マウスやキーボード等で構成される、パーソナルコンピュータ等で構成される。図6は、端末装置4の機能ブロック図である。端末装置4は、電子ペン3から受信したデータを用いて専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。そして、端末装置4は、機能的には、受信手段41、記憶手段42、処理手段43、表示手段44、マウスやキーボードといった入力手段45、現在時刻を発信するクロック46、及び送信手段47を備える。
【0037】
受信手段41は、アンテナ等により構成され、各電子ペン3から記入情報を受信する。記憶手段42は、図7に示すように、電子ペン識別情報と電子ペン3の利用者名(利用者を識別する情報)を関連付けて記憶したり、受信手段41によって受信された記入情報を、電子ペン識別情報によって電子ペン3A,3B,3C,…(3)毎に区別して記憶したりする。また、記憶手段42は、図8(a)に示すように、答案用紙2における各欄11〜18(ユーザエリア)と、その欄(ユーザエリア)が占める座標領域と、その欄の枠線等の図案データとを関連付けて記憶している。なお、後述する「シート表示」で使用するため答案用紙2全体が占める座標領域とその図案データも対応付けて記憶している。ここで、ユーザエリアの座標領域は、特定の角の座標点(Xn,Yn)と、X方向の幅Wnと、Y方向の高さHnとによって定義づけられている。この記憶手段42は、ROMやRAMといったメモリによって構成される。表示手段44は、処理手段43によって指示された内容を表示し、ディスプレイ等によって構成される。処理手段43は、表示手段44に対して種々の形態で記入内容を表示させるものであり、CPU等のプロセッサによって構成される。以下、各表示形態について説明する。
【0038】
図9は、答案用紙2の図案とそこに記入された内容をそのまま表示する「シート表示」を示している。図9に示すように、処理手段43は、表示手段(ディスプレイ)44に対して、答案用紙2と記入内容をそのまま表示するフレーム(ウィンドウ領域)51と、記入情報を送信してきた電子ペン3の電子ペン識別情報とその電子ペン3の利用者(受講者)名とを列挙するフレーム(ウィンドウ領域)52とを表示させる。処理手段43は、これらのフレームを有するウィンドウを、機能ボタン「シート表示」53がマウスでクリックされることで表示手段44に表示させる。なお、図9に示す例では、呼出マーク欄18を表示させていないが、処理手段43によって表示させるようにしてもよい。また、特定の電子ペン識別番号をデフォルト設定しておき、その電子ペン3により記入された答案用紙2とその記入内容を表示するとよいが、デフォルトでは答案用紙2のみを表示するようにしてもよい。
【0039】
また、ウィンドウ領域52に表示される電子ペン識別情報と利用者名のリストは、記憶手段42から処理手段43によって読み出されており(参照図7)、処理手段43は、ウィンドウ領域52内でマウスによってクリックされた電子ペン識別情報を有する電子ペン3によって記入された答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる。具体的には、講師が、ウィンドウ領域52に表示された電子ペン識別情報のうち、利用者「太郎」の電子ペン識別情報「pen01 」をマウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、太郎が電子ペン識別情報「pen01 」の電子ペン3を使用して記入した答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる(参照図7)。また、講師が、ウィンドウ領域52に表示された「背景のみ」選択領域52aを マウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、答案用紙2のみをウィンドウ領域51に表示させる。
【0040】
図10は、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄、換言すると、同じ設問に対応する複数の解答欄を同時に表示する「設問別表示」を示している。図10に示すように、処理手段43は、表示手段(ディスプレイ)44に対して、ウィンドウを答案用紙の枚数分、換言すると利用者の人数分のウィンドウ領域に区画させる。具体的には、処理手段43は、記憶手段42に記憶された電子ペン識別情報及び利用者名を参照して(参照図7)、表示手段44に対して、ウィンドウを3つのウィンドウ領域61〜63に区画させる。そして、処理手段43は、記憶手段42に記憶された各設問に対応する解答欄13〜17が占める座標領域を参照して(参照図8)、ウィンドウ領域61の中央には、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの特定の解答欄に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域62の中央には、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの答案用紙Aと同じ特定の解答欄に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域63の中央には、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの答案用紙Aと同じ特定の解答欄に記入された内容を表示させる。処理手段43は、これらのウィンドウ領域61〜63を含むウィンドウを、機能ボタン「設問物表示」54がマウスでクリックされることで、表示手段44に表示させる。
【0041】
また、処理手段43は、表示手段44に対して、記憶手段42から読み出した電子ペン識別情報及び利用者名を対応する各ウィンドウ領域61〜63の左上に表示させる。具体的には、ウィンドウ領域61の左上には、電子ペン3Aの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Aを表示させ、ウィンドウ領域62の左上には、電子ペン3Bの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Bを表示させ、ウィンドウ領域63の左上には、電子ペン3Cの利用者名及び電子ペン識別情報表示71Cを表示させる(参照図10)。また、処理手段43は、マウスによって機能ボタン「次の設問」55がクリックされると、ウィンドウに次の設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させ、機能ボタン「前の設問」56がクリックされると、ウィンドウの前の設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させる。また、キーボードによって設問番号入力欄57に設問番号が入力され、マウスによって機能ボタン「表示」58がクリックされると、処理手段43は、設問番号入力欄57に入力された設問番号に対応する解答欄に記入された内容に切換えて表示させる。
【0042】
具体的には、講師が、機能ボタン「設問別表示」54をマウスでクリックすると、処理手段43は、記憶手段42から電子ペン識別情報及び利用者名を読み出して、表示手段44に対して、ウィンドウ領域61の中央に答案用紙2Aの設問1番に対する解答欄「1」(符号13)に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域61の左上に答案用紙2Aへの記入に用いられた電子ペン3Aの利用者名及び電子ペン識別情報表示71A「太郎:pen01 」を表示させ、ウィンドウ領域62の中央に答案用紙2Bの解答欄13に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域62の左上に答案用紙2Bへの記入に用いられた電子ペン3Bの利用者名及び電子ペン識別情報表示71B「次郎:pen02 」を表示させ、ウィンドウ領域63の中央に答案用紙2Cの解答欄13に記入された内容を表示させ、ウィンドウ領域63の左上に答案用紙2Cへの記入に用いられた電子ペン3Cの利用者名及び電子ペン識別情報表示71C「三郎:pen03 」を表示させる。そして、講師が、機能ボタン「次の設問」55をマウスによるクリックで選択すると、処理手段43は、次の設問番号である設問2番に対応する各答案用紙2A〜2Cの解答欄「2」(符号14)に記入された内容を、表示手段44に対して、解答欄11に記入された内容の表示に換えて、各ウィンドウ領域61〜63の中央に表示させる。
【0043】
このように、処理手段43の処理によって、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ解答欄が、同時に表示手段(ディスプレイ)44に表示され、しかも表示させる解答欄を切換えることもできるため、講師がこの表示を見れば、ある設問に対する各受講者の各答案用紙2への解答記入状況や理解度を同時かつ詳細に把握でき、しかも表示させる解答欄を切換えることで、別の設問に対する各受講者の各答案用紙2への解答記入状況や理解度を同時かつ詳細に把握できる。
【0044】
また処理手段43は、クロック46から発信される時刻情報を参照し、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示72を、対応するウィンドウ領域の右下に表示させ、継続する未記入時間を刻々と未記入時間表示72として表示させる。図10に示す例は、処理手段43は、表示手段44に対して、電子ペン3Aの未記入時間表示72A「3:46」をウィンドウ領域61の右下に表示させ、電子ペン3Bの未記入時間表示72B「1:15」をウィンドウ領域62の右下に表示させ、電子ペン3Cの未記入時間表示72C「5:31」をウィンドウ領域63の右下に表示させた状態の例である。さらに、処理手段43は、所定時間(例えば、10分)以上、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示72の表示色を例えば青から目立つ赤色に変えたり、或いはその対応するウィンドウ領域全体を赤色等で点灯させたりする。ただし、処理手段43は、特定の電子ペン3からの記入情報の受信を確認すると、未記入時間表示72を非表示とし、ウィンドウ領域を点灯させている場合はその点灯を中止する。
【0045】
このように、処理手段43の処理による未記入時間に関する表示から、講師は、特定の受講者が特定の解答欄に対して記入していない時間を把握することができる。
【0046】
また、処理手段43は、記入情報に基づいて、特定の答案用紙2の呼出マーク欄18が電子ペン3によってチェックされたことを確認すると、対応するウィンドウ領域61〜63の左端に注意を喚起する呼出マーク73を表示させる。これにより、受講者が、呼出マーク欄18に電子ペン3でチェックマークを入れれば、対応するウィンドウ領域61〜63の左端に呼出マーク73が表示されるため、講師は、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0047】
送信手段47は、アンテナ等により構成され、表示手段(ディスプレイ)44の表示データをプロジェクター7に送信するもので、送信方式は、有線式であっても無線式であってもよい。
【0048】
[専用アプリケーション]
続いて、端末装置4にインストールされる専用アプリケーション(プログラム)80について図11を参照して説明する。図11は、専用アプリケーション80のモジュール構成を示す。図11に示すように、専用アプリケーション80は、受信モジュール81と、記憶モジュール82と、処理モジュール83とを有している。
【0049】
受信モジュール81は、受信手段41に対して、各電子ペン3から送信された特定のプロトコルで作成された記入情報を受信させる機能を有し、端末装置4にアンテナ等によって受信手段41を構成させるモジュールである。
【0050】
記憶モジュール82は、記憶手段42に対して、電子ペン識別情報と電子ペン3の利用者名とが関連付けられた情報、及び答案用紙2における各欄11〜18(ユーザエリア)等と、その欄(ユーザエリア)等が占める座標領域と、その欄の枠線等の図案データとの対応関係の情報、及び答案用紙2全体の図案データを記憶させる機能を有しており、また、記入情報に含まれる電子ペン識別情報によって記入情報を電子ペン3毎に区別して記憶させる機能を有しており、端末装置4にメモリによって記憶手段42を構成させるモジュールである。
【0051】
処理モジュール83は、表示手段44に対して、種々の形態で答案用紙2に記入された内容を表示させる機能を有しており、答案用紙2とそこに記入された内容をそのまま表示させたり、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問に対応する解答欄を同時に表示させたり、電子ペン3での未記入時間を表示させたり、呼出マーク73を表示させたりする機能を有し、端末装置4にプロセッサによって処理手段を構成させるモジュールである。
【0052】
<学習システムによる処理フロー>
次に、学習システム1による処理フローを、図12を参照して説明する。
【0053】
図12に示すように、各電子ペン3A〜3Cは、受講者が答案用紙2A〜2Cに解答を記入する都度、記入情報を生成して、端末装置4へ送信する。例えば、受講者が電子ペン3Aのペン先部33を答案用紙2Aに接触(ペン・ダウン)させて(ステップS101)、所属記入欄11、氏名記入欄12、解答欄13〜17に記入すると、電子ペン3Aは、圧力センサ31によって所定値以上の筆圧が検出されたことにより答案用紙2Aへの接触を検出し、LED27によって赤外線を照射しつつカメラ28によってドットパターンを撮像し、プロセッサ22によって、撮像されたドットパターンの画像データから答案用紙2Aへの接触位置における座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。そしてプロセッサ22は、クロック29によって発信された現在時刻を示す時間情報、ドットパターンアドレス、座標データ、筆圧データを関連付けた記入情報を取得し、その記入情報を端末装置4へ送信させる(ステップS102)。
【0054】
このように電子ペン3Aは、受講者が答案用紙2Aに記入し続けている間、記入情報を生成し、端末装置4へ送信する。そして、受講者が電子ペン3Aを答案用紙2Aから離す(ペン・アップ)と、電子ペン3Aは端末装置4への記入情報の送信を中止する(ステップS103)。一方、端末装置4では、電子ペン3Aによって送信された記入情報を受信すると、記入情報に含まれる座標データに合わせて、記入内容を表示手段(ディスプレイ)44に表示する(ステップS104)。
【0055】
電子ペン3Bによる答案用紙2Bへの解答記入によっても、同様の処理(ステップS201〜S204)が行われ、電子ペン3Cによる答案用紙2Cへの解答記入によっても、同様の処理(ステップS301〜S304)が行われる。プロジェクター7によるスクリーン6への表示は、端末装置4での表示内容に同期して行われる(ステップS401)。
【0056】
このとき、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「シート表示」(参照図9)であれば、処理手段43は、デフォルト設定されている電子ペン識別番号により記入された答案用紙2とそこに記入された内容をそのまま表示し、また、講師によってウィンドウ領域52に表示される電子ペン識別情報と利用者名のリストのいずれかがマウスによってクリックされると、処理手段43は、表示していた内容に換えて、クリックされた電子ペン識別情報を有する電子ペン3によって記入された答案用紙2とその記入内容を、ウィンドウ領域51に表示させる。
【0057】
一方、表示手段44による表示が「設問別表示」であれば(参照図10)、処理手段43は、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問番号に対応する解答欄を同時に表示する。また、講師により、マウスによって機能ボタン「次の設問」55或いは「前の設問」56がクリックされると、処理手段43は、各ウィンドウ61〜63に、次の設問番号或いは前の設問番号に対応する解答欄に切換えて表示させる。また、講師によりキーボードによって設問番号入力欄57に設問番号が入力され、マウスによって機能ボタン「表示」58がクリックされれば、処理手段43は、設問番号入力欄57に入力された設問番号に対応する解答欄に切換えて表示させる。
【0058】
また、図12では、各電子ペン3によって連続して答案用紙2に解答が記入される例が示されているが、電子ペン3による解答記入が途中で中断すると、電子ペン3から端末装置4への記入情報の送信も中断してしまう。端末装置4の処理手段43は、電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示領域76を、その電子ペン3に対応するウィンドウ領域上に表示させ、未記入時間表示領域76に、継続する未記入時間を刻々と表示させる。さらに、処理手段43は、所定時間(例えば、10分)以上、特定の電子ペン3からの記入情報を受信していないと判断した場合、未記入時間表示領域76に未記入時間の表示色を例えば青から目立つ赤色に変えたり、或いはその対応するウィンドウ領域全体を赤色等で点灯させたりする。なお、処理手段43は、特定の電子ペン3からの記入情報の受信を確認すると、未記入時間表示領域76を非表示とし、ウィンドウ領域を点灯させている場合はその点灯を中止する。
【0059】
受講者が電子ペン3によって答案用紙2の呼出マーク欄18「HELP」(参照図2)をマークないしタップすると、その電子ペン3は、呼出マーク欄18「HELP」の記入情報を端末装置4へ送信する(ステップS102,S202,S302)。端末装置4では、処理手段43は、記入情報に基づいて、答案用紙2の呼出マーク欄18内の座標データを認識すると、対応するウィンドウ領域に注意を喚起する呼出マーク73を表示させる(参照図10)。これにより、受講者が、呼出マーク欄18に電子ペン3でチェックマークを入れれば、その電子ペン3に対応するウィンドウ領域に呼出マーク73が表示されるため、講師は、その電子ペン3を使用している特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0060】
<本学習システムによる作用効果>
本学習システム1によれば、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「シート表示」の場合には、特定の答案用紙2とその答案用紙2に記入された内容が、受講者による電子ペン3での記入のタイミングと略同じくして、そのまま表示されるため、講師は、受講者の解答状況を詳細に把握することができる。また、表示手段(ディスプレイ)44による表示が「設問別表示」の場合には、各電子ペン3で記入される複数の答案用紙2の同じ設問番号に対応する解答欄への記入内容が、略同時に表示手段44に表示され、また、解答欄を切換えることもできるため、講師は、各受講者の元に移動することなく、ある同じ解答欄に対する各受講者の解答状況や理解度を同時かつ詳細に把握でき、また、表示させる解答欄を切換えることで、別の解答欄に対する各受講者の解答状況や理解度を同時かつ詳細に把握できる。
【0061】
また、未記入時間76の表示や所定時間以上の未記入表示によって、講師は、特定の受講者が特定の解答欄に対して記入していない時間を把握することができる。さらに、呼出マーク73によって、講師は、特定の受講者に質問などのため呼び出されたことを知り、その受講者の元に行くことができる。
【0062】
また、端末装置4の表示手段44に表示された内容をプロジェクター7によってスクリーン6に表示させることで、各受講者は、スクリーン6を見て、解答欄13〜17ごとに自己の解答を含め、他の受講者の解答を知ることができて多様な解答が促され、また、講師の講評によって各受講者は互いに協調的に学習することができる。また、記入情報は記憶手段42によって電子情報として記憶されているため、講義後も改めて学習過程を分析することができる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。
【0064】
上記実施形態では、図9に示すように「シート表示」において、処理手段43は、フレーム(ウィンドウ領域)52に、電子ペン3の電子ペン識別情報と、記憶手段42に登録された電子ペン3の利用者名(受講者名)とを表示させたが、その代わりに、図13に示すように、処理手段43が、表示手段44に対して、ウィンドウ領域52に氏名表示領域521a、521b、521c…(521)の区画を設けさせて、各答案用紙2の氏名記入欄12(参照図2)に記載された氏名を、自筆氏名表示74(74A、74B、74C…)として、各氏名表示領域521a〜521cに表示させてもよい。具体的には、処理手段43は、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Aとして氏名表示領域521aに表示させ、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Bとして氏名表示領域521bに表示させ、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Cとして氏名表示領域521bに表示させる。
【0065】
このとき、氏名表示領域521a〜521cのいずれかがマウスによってクリックされて選択されると、処理手段43は、フレーム(ウィンドウ領域)51に、選択された氏名表示領域521a〜521cの自筆氏名表示74A〜74Cの氏名を記入した電子ペン3により記入された答案用紙2とその記入内容、換言すると、選択された氏名表示領域521a〜521cの氏名を含む答案用紙2とその記入内容をそのまま表示させる。
【0066】
同様に、上記実施形態では、図10に示すように、「設問別表示」において、処理手段43は、受講者ごとの各ウィンドウ領域61〜63の左上に、電子ペン3の電子ペン識別情報及び記憶手段42に登録された電子ペン3の利用者名(受講者名)とを、利用者名及び電子ペン識別情報表示71A〜71Cとして表示させたが、その代わりに、図14に示すように、処理手段43が、表示手段44に対して、各ウィンドウ領域61〜63の左上に氏名表示領域61a、62a、63a…を区画させるように構成して、各答案用紙2の氏名記入欄12に記載された氏名を、自筆氏名表示74(74A,74B,74C…)として、対応する各氏名表示領域61a〜63aに表示させてもよい。具体的には、処理手段43は、電子ペン3Aにより答案用紙2Aの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Aとして氏名表示領域61aに表示させ、電子ペン3Bにより答案用紙2Bの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Bとして氏名表示領域62aに表示させ、電子ペン3Cにより答案用紙2Cの氏名記入欄12に記入された氏名を自筆氏名表示74Cとして氏名表示領域63aに表示させる。
【0067】
これにより、予め記憶手段42に電子ペン3の利用者名を記憶させなくとも、表示手段44に表示された氏名記入欄12の記入内容から、解答欄13〜17に記入した者を特定することができる。
【0068】
また、「設問別表示」において、処理手段43は、各解答欄に筆記された記入ストローク数順に、ソート(並び替え整列)してから、表示手段44に対して、表示させるように構成してもよい。この場合、講師が、図15に示すような、ストローク数順にソートさせるための機能ボタン「ストローク数でソート」59をマウスによってクリックすると、処理手段43は、各答案用紙2の解答欄ごとに、電子ペン3によって記入されたスクローク数をカウントし、ウィンドウ領域61〜63に表示させる各解答欄をストローク数順に並び替えて表示させるようにするとよい。図15では、設問5番に対応する各答案用紙2の解答欄17のうち、最も記入ストローク数の多い「次郎」の解答欄が上段のウィンドウ領域61に表示され、次のストローク数の少ない「太郎」の解答欄が中段のウィンドウ領域62に表示され、最もストローク数の少ない「三郎」の解答欄が下段のウィンドウ領域63に表示されている。
【0069】
これにより、講師は、表示手段44におけるウィンドウ領域への表示目安に、受講者の設問別の解答進捗状況を把握することができる。さらに、最もストローク数の多い解答欄を表示するウィンドウ領域61の左端に、ソート順1位マーク75を表示してもよい。なお、処理手段43は、ソートの基準を、ストローク数の他、ストロークの積算長さ等、ストローク量によることとしてもよく、或いは、未記入時間の積算時間の過多によることとしてもよい。
【0070】
また、一定のストローク数の範囲で各解答欄を分類し、分類ごとに同じ色でウィンドウ領域を着色してもよいし、ストローク数の少ない又は多い解答欄のウィンドウ領域にのみ着色してもよい。これにより、講師は、表示手段44の表示の色を参照して、受講者の解答進捗状況を把握することができる。ここでも、処理手段43は、ストローク数の他、ストロークの積算長さ等、ストローク量によって、分類してもよい。
【0071】
また、学習システムを図16に示すシステム構成図のように構成することもできる。この学習システム90において、電子ペン3A〜3Cは、それぞれ規定の手順により端末装置91とペアリングされており、端末装置91は、電子ペン3A〜3Cから送信される記入情報を端末装置4へ中継して送信する。同様に、電子ペン3D〜3Fは、それぞれ規定の手順により端末装置92とペアリングされており、端末装置92は、電子ペンD〜3Fから送信される記入情報を端末装置4へ中継して送信する。これにより、端末装置4が Bluetooth(登録商標)方式で受信できる電子ペン3の本数を越えて、端末装置4に表示させたい場合、複数端末装置91,92を介在させて、端末装置4への記入情報を中継させることにより、多数本の電子ペン3の記入情報を端末装置4へ送信し、集約的に表示させることできる。
【0072】
ここで、各電子ペン3から各端末装置91,92への送信は、 Bluetooth(登録商標)方式による無線通信で、各端末装置91,92から端末装置4への送信は、TCP/IPのプロトコルによる通信によって行うとよい。また、このようなシステム構成は、各端末装置91,92と端末装置4との間にインターネット等のネットワークを介在させて、端末装置4の表示手段44に表示される画像を、受講者の近くにある別の端末装置に同期表示させれば、受講者は、遠隔地でも講師による講義を受講することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、端末装置4は、電子ペン3から送信される電子ペン識別情報によって、電子ペン3ごとに送信される記入情報を区別したが、各答案用紙2に異なるドットパターンを印刷して異なるドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を付与し、電子ペン3のプロセッサ22による演算によってドットパターンからドットパターンアドレスを求めて、端末装置4へ送信するようにしてもよい。この場合、端末装置4の処理手段43が、ドットパターンアドレスによって、電子ペン3ごとに送信される記入情報を区別するように構成させるとよい。
【符号の説明】
【0074】
1,90…学習システム、2…答案用紙、3…電子ペン、4,91,92…端末装置、6…スクリーン、7…プロジェクター、12…氏名記入欄、13〜17…解答欄、18…呼出マーク欄、41…受信手段、42…記憶手段、43…処理手段、44…表示手段、45…入力手段、46…クロック、47…送信手段、51,52…フレーム(ウィンドウ領域)、53〜56,58,59…機能ボタン、57…設問番号入力欄、61〜63…ウィンドウ領域、61a,62a,63a,521…氏名表示領域、67…未記入時間表示領域、71…利用者及び電子ペン識別情報表示、72…未記入時間表示、73…呼出マーク、74…自筆氏名表示、75…ソート順1位マーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、少なくとも記入した位置座標に関する情報を受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、記入した位置座標に関する情報と電子ペン識別情報とを受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報及び電子ペン識別情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記処理手段は、クリック操作により、前記選択指示を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信手段は、少なくとも一部の電子ペンからの情報を別の装置から受信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記記入用紙は、複数の設問に応じて複数の解答欄が設けられた答案用紙であり、
前記処理手段は、前記位置情報に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入される複数の答案用紙の同じ解答欄とその記入内容を同時に前記表示手段に表示させるとともに、前記表示手段に表示させる解答欄を切換える機能をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記受信手段によって、各電子ペンについて、前記位置座標に関する情報が受信されていない時間を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記受信手段により、各電子ペンから所定時間以上前記位置座標に関する情報が受信されないと、それを示す表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量順に、前記表示手段に対して並べて表示させること特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量で分類し、色を変えて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記記入用紙には呼出マーク領域が設けられており、
前記処理手段は、前記呼出マーク領域に対応付けられた、電子ペンによる前記位置座標に関する情報を認識すると、それを示す表示を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の端末装置と、
前記端末装置の前記表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターをさらに備えることを特徴とする学習システム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1〜10のいずれか一項に記載の端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、少なくとも記入した位置座標に関する情報を受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
複数の記入用紙に対して、複数人が各自、電子ペンを用いて各自の記入用紙に記入することで、各電子ペンから、記入した位置座標に関する情報と電子ペン識別情報とを受信する端末装置であって、
各電子ペンから位置座標に関する情報及び電子ペン識別情報を受信する受信手段と、
各電子ペンの電子ペン識別情報、又は利用者を識別する情報をリスト状に表示手段に表示させるとともに、選択指示された電子ペン識別情報又は利用者を識別する情報に関連する位置座標に関する情報に基づき、記入内容を前記表示手段に表示させる処理手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記処理手段は、クリック操作により、前記選択指示を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信手段は、少なくとも一部の電子ペンからの情報を別の装置から受信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記記入用紙は、複数の設問に応じて複数の解答欄が設けられた答案用紙であり、
前記処理手段は、前記位置情報に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入される複数の答案用紙の同じ解答欄とその記入内容を同時に前記表示手段に表示させるとともに、前記表示手段に表示させる解答欄を切換える機能をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記受信手段によって、各電子ペンについて、前記位置座標に関する情報が受信されていない時間を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記受信手段により、各電子ペンから所定時間以上前記位置座標に関する情報が受信されないと、それを示す表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量順に、前記表示手段に対して並べて表示させること特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記処理手段は、前記位置座標に関する情報に基づいて、各電子ペンで記入された記入内容を、各自の電子ペンによって記入されたストローク量で分類し、色を変えて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記記入用紙には呼出マーク領域が設けられており、
前記処理手段は、前記呼出マーク領域に対応付けられた、電子ペンによる前記位置座標に関する情報を認識すると、それを示す表示を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の端末装置と、
前記端末装置の前記表示手段に表示された内容をスクリーンに表示するプロジェクターをさらに備えることを特徴とする学習システム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1〜10のいずれか一項に記載の端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−14188(P2012−14188A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202656(P2011−202656)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【分割の表示】特願2007−183876(P2007−183876)の分割
【原出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【分割の表示】特願2007−183876(P2007−183876)の分割
【原出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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