説明

端末装置及びプログラム

【課題】端末装置が操作制限状態に設定されていても、外部装置又はそれを制御する制御装置側での操作が正当なユーザによる操作であれば、その操作制限状態を容易に解除できるようにする。
【解決手段】携帯電話機1は、外部装置(テレビ装置7)と接続されている状態において操作制限状態に設定されていれば、外部装置や外部装置を制御する制御装置(テレビ用リモコン9)側での操作に応じた操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換すると共に、変換した解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて操作制限状態を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と接続される端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ装置やステレオ装置などの外部装置と接続可能な携帯電話機などの端末装置においては、予め蓄積しておいた動画データや音楽データなどを、その外部装置に対して出力させることが可能となっている。この場合、外部装置側での操作で端末装置を制御したり、この外部装置を制御するための制御装置(例えば、リモートコントローラ)側での操作で端末装置を制御したりすることもできるようになっている。例えば、従来では、テレビジョン受像機に接続された電子機器をテレビ用の赤外線リモートコントローラで制御する電子機器システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−036906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置に外部装置が接続されている状態において、外部装置やその制御装置を第三者が操作することで、その端末装置が自由に制御されてしまうことは好ましくない。そこで、端末装置の操作を制限する操作制限状態に設定しておくことで、外部装置やその制御装置の操作で端末装置が第三者によって制御されてしまうことを防止するようにすることも考えられるが、端末装置を操作制限状態に設定しておくことは、正当なユーザであっても、その操作制限状態を解除したのちに、端末装置を制御するために外部装置や制御装置を操作する必要があり、それだけ操作の煩雑化を招いてしまう。また、操作制限状態に設定したことを忘れてしまい、その制限状態を解除しないまま外部装置やその制御装置を何回も操作してしまう事態も起こり得る。
【0005】
本発明の課題は、端末装置が外部装置に接続されている場合に、外部装置又はそれを制御する制御装置側での操作が正当なユーザによる操作であれば、端末装置の操作を制限する状態を容易に解除できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、外部装置と接続される端末装置であって、当該端末装置の操作を制限する操作制限状態に設定する設定手段と、前記外部装置及び外部装置を制御するための制御装置の少なくともいずれか一方で操作が行われた場合に、その操作に応じた操作信号を受信する受信手段と、前記外部装置と接続された場合に、前記設定手段によって操作制限状態に設定されているか否かを判別する状態判別手段と、この状態判別手段によって操作制限状態に設定されていると判別された場合に、前記受信手段によって受信された操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換する変換手段と、この変換手段によって変換された解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて前記操作制限状態を解除する解除手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作以外の操作を抑制する操作抑制手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その旨を示す情報を報知する報知手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作を示す操作情報を出力する出力手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記変換手段は、前記受信手段によって受信された操作信号を、予め記憶されている変換用情報を参照することによって解除情報に変換する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項5に従属する発明として、前記解除情報は複数桁の情報を組み合わせた複数桁構成の解除情報であり、前記変換用情報は、前記外部装置及び制御装置の少なくともいずれか一方に備えられている複数の解除キーのいずれかの解除キーの操作状況を、前記複数桁構成の解除情報の各桁に対応付けた情報であり、前記変換手段は、前記受信手段によって受信された操作信号を、前記いずれかの解除キーの操作状況と前記変換用情報とに基づいて複数桁構成の解除情報に変換し、前記解除手段は、前記変換手段によって変換された複数桁構成の解除情報と予め記憶されている複数桁構成の解除情報との比較結果に応じて操作制限状態を解除する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項6に従属する発明として、前記複数の解除キーのうち、どの解除キーが前記複数桁構成の解除情報のどの桁に対応付けられているかの対応関係を示す情報を生成する生成手段と、この生成手段によって生成された対応関係を示す情報を前記外部装置に対して出力する出力手段と、を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項6に従属する発明として、前記操作制限状態を解除するための解除操作を行っている操作途中の状態において、前記変換手段によって複数桁構成の解除情報のどの桁まで変換が進んでいるかを示す進捗情報を生成する生成手段と、この生成手段によって生成された進捗情報を前記外部装置に対して出力する出力手段と、を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記受信手段によって受信された操作信号を、当該端末装置を制御するための制御信号に変換するための変換用情報が、当該端末装置の各状態に対応付けて複数記憶されている記憶手段を参照する参照手段を更に備え、前記変換手段は、前記記憶手段に記憶されている複数の変換用情報のうち、前記受信手段によって受信された操作信号を、前記解除情報に変換するための変換用情報を参照することによって解除情報に変換する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、前記外部装置及び制御装置の少なくともいずれか一方に備えられている色別の解除キーが操作された場合に、前記変換手段は、前記受信手段によって受信された当該解除キーの操作信号を解除情報に変換する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項1に従属する発明として、前記受信手段は、前記外部装置を制御する制御装置から送信された操作信号については、当該外部装置を経由して受信する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1に従属する発明として、前記受信手段は、前記制御装置から送信された操作信号については、当該制御装置から直接受信する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項1に従属する発明として、前記状態判別手段によって操作制限状態に設定されていないと判別された場合に、予め指定された所定の情報を前記外部装置に対して出力する出力手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項1に従属する発明として、前記解除手段によって操作制限状態が解除された場合に、予め指定された所定の情報を前記外部装置に対して出力する出力手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項15記載の発明は、コンピュータに対して、操作を制限する操作制限状態に設定する機能と、外部装置及び外部装置を制御するための制御装置の少なくともいずれか一方で操作が行われた場合に、その操作に応じた操作信号を受信する機能と、前記外部装置と接続された場合に、前記操作制限状態に設定されているか否かを判別する機能と、前記操作制限状態に設定されていると判別された場合に、前記受信された操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換する機能と、前記変換された解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて前記操作制限状態を解除する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、端末装置が外部装置に接続されている場合に、外部装置又はそれを制御する制御装置側での操作が正当なユーザによる操作であれば、端末装置の操作を制限する状態を容易に解除することができ、信頼性の維持及び操作性の向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】(1)は、テレビ装置7の基本的な構成要素を示したブロック図、(2)は、テレビ用リモコン9の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図4】テレビ用リモコン9の操作部94を説明するための図。
【図5】携帯電話機1の外観図。
【図6】蓄積情報記憶部M3を説明するための図。
【図7】操作制限情報記憶部M4を説明するための図。
【図8】初期画面情報記憶部M5を説明するための図。
【図9】変換用情報記憶部M6を説明するための図。
【図10】(1)は、テレビ表示部77に携帯電話機1の状態を示す操作制限解除画面が表示された場合を示した図、(2)は、テレビ表示部77に携帯電話機1の状態を示すメニュー画面が表示された場合を示した図。
【図11】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図12】テレビ接続処理(図11のステップA6)を詳述するためのフローチャート。
【図13】操作信号受信処理(図11のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図14】テレビ接続外れ処理(図11のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図14を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、例えば、2つの筐体を折り畳み自在に取り付けた折り畳みタイプで、この携帯電話機1には、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送(例えば、ワンセグ地上デジタルテレビ放送)を受信可能なテレビ放送受信機能、デジタルラジオ放送(例えば、サンセグ地上デジタルラジオ放送)を受信可能なラジオ放送受信機能、HDMI−CEC(High Definition Multimedia Interface-Consumer Electronics Control)連携機能、ロック機能などが備えられている。
【0024】
HDMI−CEC連携機能は、HDMI−CEC規格に準拠した複数の装置同士が専用ケーブルを介して接続されると、それらの装置同士での連携動作を実現するようにした機能である。すなわち、HDMI−CEC規格に準拠した携帯電話機1と外部装置とがHDMI接続されている状態において、この外部装置側の操作で携帯電話機1が制御されるようになる。ロック機能は、携帯電話機1の操作を制限する状態に設定する機能で、この操作制限状態(ロック状態)は、携帯電話機1からの操作によって解除されるほか、携帯電話機1にHDMI接続されている外部装置あるいはこの外部装置を制御するための制御装置(後述)からの操作によっても解除されるようになっている。
【0025】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をインターネット3、無線通信網2を介してダウンロード可能となる。また、携帯電話機1は、テレビ局・ラジオ局5から送信アンテナ6を介して発信された地上波デジタル放送を受信するようにしているが、インターネットラジオのように無線通信網2、インターネット3を介してテレビ・ラジオ番組情報サーバ(図示省略)からデジタル放送をダウンロード受信することもできる。
【0026】
また、携帯電話機1は、外部装置としてのテレビ装置7にHDMIケーブル8を介して接続可能となっている。携帯電話機1とテレビ装置7とがHDMIケーブル8を介して接続されている状態において、テレビ装置7側の操作で携帯電話機1の制御が可能となり、また、テレビ装置7を制御するための制御装置(テレビ用リモートコントローラ)9側の操作で携帯電話機1の制御が可能となっている。なお、以下、テレビ用リモートコントローラ9をテレビ用リモコン9と呼称するものとする。
【0027】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、蓄積情報記憶部M3、操作制限情報記憶部M4、初期画面情報記憶部M5、変換用情報記憶部M6などが設けられている。
【0028】
プログラム記憶部M1は、図11〜図14に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、フラグ情報、タイマ情報、画面情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、蓄積情報記憶部M3、操作制限情報記憶部M4、初期画面情報記憶部M5、変換用情報記憶部M6については後で詳述するものとする。
【0029】
無線通信部14は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0030】
テレビ放送・ラジオ放送受信部16は、テレビ放送受信部とラジオ放送受信部とを有し、それらを個別に起動可能なもので、通信端末装置向けのワンセグ地上波デジタルテレビ放送、サンセグ地上波デジタルラジオ放送と共に、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。このテレビ放送・ラジオ放送受信部16は、放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。
【0031】
表示部17は、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ映像などを表示させる。操作部18は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部18からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)19は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC19から現在日時を取得する。報知部20は、サウンドスピーカ21、LED(発光ダイオード)22、振動モータ23を備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。サウンドスピーカ21は、音楽情報などを再生出力したり、テレビ放送やラジオ放送を音声出力したりする。
【0032】
接続部24は、外部装置であるテレビ装置7がHDMIケーブル8を介して接続されるもので、この接続部24によってテレビ装置7がHDMI接続されている状態において、中央制御部11は、テレビ用リモコン9からの操作信号を、テレビ装置7を中継して受信すると、現在の状態として操作制限状態(ロック状態)に設定されているか否かを判別し、操作制限状態に設定されていれば、受信した操作信号を、この操作制限状態を解除するための解除情報(暗証番号)に変換したのち、この解除情報(暗証番号)と予め記憶されている照合用暗証番号を比較し、その比較結果に応じて当該操作制限状態を解除するようにしている。
【0033】
図3は、テレビ装置7及びテレビ用リモコン9の基本的な構成要素を示したブロック図である。
図3(1)に示すように、テレビ装置7は、HDMI−CEC規格に準拠したもので、中央制御部71は、AC電源(商用電源)に接続される電源部72からの電力供給によって動作し、記憶部73内の各種のプログラムに応じてテレビ装置7の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部73には、その操作部74の操作キーに応じた操作信号を生成し、接続部75を介して携帯電話機1に対して送信するプログラムなどを記憶するプログラム記憶部M11と、テレビ装置7が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶する各種情報一時記憶部M12とを有している。
【0034】
テレビ放送受信部76は、フルセグ地上波デジタルテレビ放送や衛星情報(BS放送、CS放送)などを受信可能なもので、その映像データは、テレビ画面を構成する表示部77から出力され、その音声データはスピーカ78から出力される。操作信号受信部(リモコン受信部)79は、Bluetooth(登録商標、以下同様)通信や赤外線通信による近距離通信部(リモコン受信部)を構成し、通信可能エリア内のテレビ用リモコン9から送信されてくる操作信号を受信するもので、中央制御部71は、このテレビ用リモコン9からの操作信号に応じた処理として、例えば、電源オン/オフ処理、チャンネル変更処理、音量調整処理などを行う。この場合、テレビ装置7にHDMIケーブル8を介して携帯電話機1が接続されている状態において、中央制御部71は、テレビ用リモコン9からの操作信号を受信すると、この操作信号はHDMIケーブル8を介して携帯電話機1に転送するようにしている。
【0035】
図3(2)は、テレビ用リモコン9の構成を示したもので、中央制御部91は、電池部92からの電力供給によって動作し、記憶部93内の各種のプログラムに応じてテレビ用リモコン9の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部93には、その操作部94での操作キーに応じた操作信号を生成し、操作信号送信部95からテレビ装置7に対して送信するプログラムなどを記憶するプログラム記憶部M21と、テレビ用リモコン9が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶する各種情報一時記憶部M22とを有している。操作信号送信部95は、Bluetooth通信や赤外線通信による近距離通信部を構成するもので、操作部94での操作キーに応じた操作信号を送信してテレビ装置7に与える。なお、報知部96は、LED(発光ダイオード)によって構成されたもので、操作キーなどを明示したり、現在の状態(電源オン状態、操作信号送信状態など)を明示したりする。
【0036】
図4は、テレビ用リモコン9の操作部94を説明するための図である。
テレビ用リモコン9の操作部94には、電源キーK1、音量調整キーK2、選局キーK3、ワンタッチチャンネルキーK4のほか、色別(青色、赤色、緑色、黄色)の各カラーキー(解除キー)K5、上下左右のカーソルキーK6、決定キーK7が設けられている。
なお、図示省略したが、テレビ装置7側の操作部74にも基本的に同様のキー(又は類似するキー)として、電源キー、音量調整キー、選局キーのほか、色別(青色、赤色、緑色、黄色)の各カラーキーなどが設けられている。
【0037】
携帯電話機1とテレビ装置7とがHDMIケーブル8を介して接続されている状態において、テレビ用リモコン9側でカラーキーが操作された場合、携帯電話機1は、テレビ用リモコン9側でのカラーキーに応じた操作信号をテレビ装置7経由で受信し、このカラーキーの操作信号を上述した操作制限状態(ロック状態)を解除するための解除情報(暗証番号)に変換する。すなわち、テレビ用リモコン9側でのカラーキーの操作状況として、どのカラーキーが操作されたのか、何回操作されたのかに応じて複数桁構成の解除情報(暗証番号)に変換する。
【0038】
例えば、青色キーが1桁目、赤色キーが2桁目、緑色キーが3桁目、黄色キーが4桁目に対応付けられている状態において、その操作回数に応じて4桁構成の解除情報に変換する。このようにカラーキーの操作信号を解除情報(暗証番号)に変換したのちは、この解除情報(暗証番号)と予め記憶されている照合用暗証番号を比較し、その比較結果に応じて操作制限状態を解除する。従って、テレビ用リモコン9側のカラーキーは、携帯電話機1の操作制限状態を解除する解除作キーとして機能するようになる。なお、カラーキー(解除作キー)の操作状況は操作回数に限らず、どのカラーキーがどのくらいの時間操作されたか、どのような順番でカラーキーが操作されたかなど任意の操作状況に応じて複数桁構成の解除情報に変換するようにしてもよい。
【0039】
図5は、携帯電話機1の外観図である。
携帯電話機1は、その機器本体(装置本体)を構成する操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとがヒンジ部1Cを介して折り畳み自在に連結されている折り畳み型の電話機で、図5は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示し、操作部筐体1Aの内面側には、図2に示した操作部18が配置され、また、その側面部には、HDMIケーブル8が接続可能な接続部24が配置されている。また、表示部筐体1Bの内面側には、図2に示した表示部17が配置されている。また、操作部筐体1Aの内面側には、図2に示した通話用マイクMCが配置され、表示部筐体1Bの内面側には、図2に示した通話用スピーカSPが配置されている。
【0040】
図6は、蓄積情報記憶部M3を説明するための図である。
蓄積情報記憶部M3は、例えば、無線通信網2、インターネット3を介して情報配信装置4からダウンロードした動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報を蓄積記憶するもので、この蓄積情報を識別する「情報ID」、蓄積情報の種類(動画、静止画、音楽など)を示す「情報種別」のほか、「タイトル」、「付加情報」、「実データ」、…の各項目を有している。中央制御部11は、携帯電話機1とテレビ装置7とがHDMIケーブル8を介して接続されている状態において、蓄積情報記憶部M3内の蓄積情報をテレビ装置7に出力してその表示部77に表示させる。
【0041】
図7は、操作制限情報記憶部M4を説明するための図である。
操作制限情報記憶部M4は、携帯電話機1の操作を制限する操作制限状態(ロック状態)の設定に関する情報と、そのロック状態を解除するための解除に関する情報を記憶するもので、「項目」、「設定フラグ」、「暗証番号」の各項目を有している。「項目」は、操作制限状態に設定されていることを示す“操作を制限する”と、この操作制限状態が解除されていることを示す“操作を制限しない”とを有している。「設定フラグ」は、その項目に設定されているか否かを示すためのフラグで、“1”は、その項目に設定されていることを示し、“0”は、その項目に設定されていないことを示し、図示の例では、“操作を制限する”(操作制限状態)に設定されていることを示している。「暗証番号」は、4桁構成の数値列情報(解除情報)で、操作制限状態を解除する際に参照される照合用暗証番号である。なお、解除情報は、「暗証番号」に限らず、任意の桁の文字列(パスワード)であってもよい。また、「暗証番号」、「設定フラグ」の変更など、操作制限情報記憶部M4の内容は、ユーザ操作によって任意に設定可能となっている。
【0042】
図8は、初期画面情報記憶部M5を説明するための図である。
初期画面情報記憶部M5は、テレビ装置7にHDMIケーブル8を介してHDMI接続されている状態において、最初にどのような情報をテレビ装置7に出力するかを示す情報を記憶するもので、「項目」、「設定フラグ」、「情報ID」の各項目を有している。「項目」は、最初にどのような情報を出力するかを示す情報として、図示の例では、“メニュー画面”、“情報再生画面”が記憶されている。なお、“メニュー画面”は、各種の処理メニューを一覧表示する画面である。“情報再生画面”は、蓄積情報記憶部M3内の動画、静止画、音楽、ニュースなどの蓄積情報を表示する画面である。
【0043】
「設定フラグ」は、その項目に設定されているか否かを示すためのフラグで、“1”は、その項目に設定されていることを示し、“0”は、その項目に設定されていないことを示し、図示の例では、“メニュー画面”に設定されていることを示している。「情報ID」は、最初に“情報再生画面”を出力する場合(“情報再生画面”の設定フラグが“1”の場合)に、出力する蓄積情報を指定するもので、図示の例では、“I02”の動画を出力すべきことを示している。なお、「設定フラグ」、「情報ID」の変更など、初期画面情報記憶部M5の内容は、ユーザ操作によって任意に設定可能となっている。
【0044】
図9は、変換用情報記憶部M6を説明するための図である。
変換用情報記憶部M6は、携帯電話機1と外部装置(テレビ装置7)とがHDMIケーブル8を介してHDMI接続されている状態において、テレビ装置7又はテレビ用リモコン9の操作を携帯電話機1側の操作に変換するための変換用情報(変換テーブル)を記憶するもので、「キーID」、「キー名称」、「状態」の項目を有している。なお、変換用情報記憶部M6の内容は、ユーザ操作によって任意に設定可能となっている。「キーID」は、テレビ装置7、テレビ用リモコン9のいずれにおいて操作されたキーを識別するキー識別IDであり、このキーIDがテレビ装置7又はテレビ用リモコン9からの操作信号として携帯電話機1に送信される。「キー名称」は、テレビ装置7、テレビ用リモコン9側でのキーの名称を示している。
【0045】
「状態」は、携帯電話機1の状態を示し、「操作制限解除画面情報出力中」、「メニュー画面情報出力中」、「動画再生画面出力中」、…の各状態に対応して、キー別にキーの機能を定義する変換用情報が記憶されている。なお、「動画再生画面出力中」以外の蓄積情報再生画面情報出力中としては、「静止画再生画面情報出力中」、「音楽再生画面情報出力中」などがある。そして、この各「状態」に対応付けられている「現在フラグ」は、現在どの状態であるかを示すフラグで、図示の例では、「操作制限解除画面情報出力中」に対応して「現在フラグ」が“1”となっているので、現在の状態は、「操作制限解除画面情報出力中」であることを示している。なお、図中、“−”は、ノンファンクションキーであることを示し、そのキーは所定の状態で無効となることを示しているが、携帯電話機1側で無効でもテレビ装置7側ではこれに制限されず、有効キーとして機能してもよい。例えば、携帯電話機1からテレビ装置7側に蓄積情報(動画)を出力してテレビ画面に表示させている動画出力中であっても、テレビ用リモコン9の数値キー「1」の操作で、テレビ装置7の受信チャンネルを1チャンネルに切り換えるようにしてもよい。
【0046】
「操作制限解除画面情報出力中」の状態において各カラーキーに対応する変換用情報は、暗証番号入力キーとして機能するように定義されている。すなわち、「操作制限解除画面情報出力中」において、「キーID」が“K18”の青色のカラーキー(図4の青色のカラーキーやそれに対応するテレビ装置9の青色のカラーキー。以下、赤色、緑色、黄色のカラーキーも同様)は、暗証番号の1桁目を入力するキーとして機能し、操作回数が1桁目の数値となる。同様に、「キーID」が“K19”の赤色のカラーキーは、暗証番号の2桁目を入力するキーとして機能し、操作回数が2桁目の数値となり、「キーID」が“K20”の緑色のカラーキーは、暗証番号の3桁目を入力するキーとして機能し、操作回数が3桁目の数値となり、「キーID」が“K21”の黄色のカラーキーは、暗証番号の4桁目を入力するキーとして機能し、操作回数が4桁目の数値となることを示している。
【0047】
ここで、図10(1)は、テレビ装置7の表示部(テレビ表示部)77に、携帯電話機1の状態を示す操作制限解除画面が表示された場合を示し、図示の例において、この操作制限解除画面には、携帯電話機1が操作制限状態に設定されていることを示す情報(メッセージ)が報知(表示)されると共に、その操作制限状態を解除するためにはテレビ装置7又はテレビ用リモコン9のカラーキーを操作して暗証番号を入力することを促すメッセージが表示される。この場合、解除操作を示す操作情報を出力するために、暗証番号を構成する各桁に対応するカラーキーを、その桁の数字に応じた回数分だけ操作すべきことを示す解除操作を表示するようにしている。
【0048】
例えば、暗証番号が「1234」の場合、青色のカラーキーを1回操作し、赤色のカラーキーを2回操作し、緑色のカラーキーを3回操作し、黄色のカラーキーを4回操作すると、各カラーキーに対応する入力エリアには、「*」のマークが表示される。この「*」のマークは、操作制限状態を解除する解除操作の途中において、複数桁構成の暗証番号のどの桁まで変換が進んでいるかを示す進捗情報で、「*」のマークを含む操作制限解除画面がテレビ装置7に対して出力され、テレビ表示部77で表示される。なお、上述の例では、操作状況として操作回数を対応する桁の数値とした場合を示したが、操作状況は操作回数に限らず、操作時間、操作順番など任意の操作状況であってもよい。例えば、操作秒数を対応する桁の数値として入力としたり、暗証番号の数値の大きい順にキーを操作するようにしたりしてもよい。
【0049】
また、「メニュー画面情報出力中」の状態において各数値キーは、メニュー項目を選択する選択キーとして機能するように定義されている。すなわち、テレビ装置7側の操作、あるいはテレビ用リモコン9側の操作で、数値キー「1」〜「12」のいずれかが操作されると、この「メニュー画面情報出力中」の変換用情報を参照してその操作信号はメニュー項目を選択する制御信号に変換される。この場合、「メニュー画面情報出力中」において、数値キー「1」は、メニュー項目(1)を選択し、数値キー「2」は、メニュー項目(2)を選択し、…数値キー「12」は、メニュー項目(12)を選択するキーとして機能することを示している。図10(2)は、テレビ表示部77に、携帯電話機1の状態を示すメニュー画面が表示された場合を示している。
【0050】
図10(2)において、このメニュー画面には、例えば、“動画再生”、“静止画再生”、“音楽再生”のメニュー項目が数値キー「1」、「2」、「3」に対応して表示され、その中から所望する項目を選択するために、該当する数値キーを操作する。図示の例は、“動画再生”のメニュー項目が選択された場合を示し、このメニュー項目の選択に応じて動画のタイトルが一覧表示される。なお、このタイトル一覧の中から所望するタイトルをカーソルキー操作によって選択して、OKキー(決定キー)が操作されると、そのタイトルの動画の再生が開始される。
【0051】
次に、本実施形態における携帯電話機1の動作概念を図11〜図14に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0052】
図11は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、携帯電話機1においてその中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行したのち、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行う(ステップA2)。その後、操作待ちや着信待ちなどの待ち受け状態となる。
【0053】
ここで、任意の情報を設定する設定操作が行われた場合には(ステップA3でYES)、その操作に対応する設定処理として、例えば、操作制限情報記憶部M4、初期画面情報記憶部M5、変換用情報記憶部M6に対する設定処理などを行ったのち(ステップA4)、上述のステップA3に戻る。また、携帯電話機1にテレビ装置7がHDMIケーブル8を介して接続されたことを検出すると(ステップA5でYES)、携帯電話機1側の情報をテレビ装置7に送信してテレビ装置7側に出力するテレビ接続処理に移る(ステップA6)。
【0054】
図12は、テレビ接続処理(図11のステップA6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、携帯電話機1においてその中央制御部11は、操作制限情報記憶部M4をアクセスして、操作制限情報を読み出し(ステップB1)、“操作を制限する”の「設定フラグ」は“1”であるかを調べ(ステップB2)、その「設定フラグ」が“1”で、操作制限状態に設定されていれば(ステップB2でYES)、図10(1)に示すような操作制限解除画面情報をHDMIケーブル8経由でテレビ装置7に対して出力し、そのテレビ表示部77に表示させる(ステップB3)。そして、変換用情報記憶部M6において、現在の「操作制限解除画面情報出力中」の状態に対応する「現在フラグ」を“1”として、それ以外を“0”とする(ステップB4)。
【0055】
一方、“操作を制限する”の「設定フラグ」が“0”で、操作制限状態が解除されていれば(ステップB2でNO)、初期画面情報記憶部M5をアクセスして、その「設定フラグ」が“1”の初期画面情報を読み出し(ステップB5)、「設定フラグ」が“1”の初期画面情報は“メニュー画面”であるかを調べる(ステップB6)。いま、“メニュー画面”であれば(ステップB6でYES)、図10(2)に示すようなメニュー画面情報をHDMIケーブル8経由でテレビ装置7に対して出力し、そのテレビ表示部77に表示させる(ステップB7)。そして、変換用情報記憶部M6において、現在の「メニュー画面情報出力中」の状態に対応する「現在フラグ」を“1”として、それ以外を“0”とする(ステップB8)。
【0056】
また、「設定フラグ」が“1”の初期画面情報が“情報再生画面”であれば(ステップB6でNO)、その「情報ID」に基づいて蓄積情報記憶部M3をアクセスして、該当する蓄積情報を読み出し、この蓄積情報をHDMIケーブル8経由でテレビ装置7に対して出力する(ステップB9)。この場合、蓄積情報が動画であれば、その映像データはテレビ表示部77に表示され、音声データはスピーカ78に出力される。そして、そして、変換用情報記憶部M6において、現在の「状態」に対応する「現在フラグ」を“1”として、それ以外を“0”とする(ステップB10)。すなわち、現在出力中の蓄積情報が動画であれば、「動画再生画面情報出力中」に対応する「現在フラグ」を“1”とし、静止画であれば、「静止画再生画面情報出力中」に対応する「現在フラグ」を“1”とする。
【0057】
このようなテレビ接続処理(図11のステップA6)が終わると、図11のステップA3に戻る。また、携帯電話機1とテレビ装置7とがHDMIケーブル8を介してHDMI接続されている状態において、テレビ装置7又はテレビ用リモコン9からテレビ装置7を経由して操作信号を受信すると(ステップA7でYES)、現在の状態と受信した操作信号に応じて所定の処理を実行する操作信号受信処理に移る(ステップA8)。
【0058】
図13は、操作信号受信処理(図11のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、携帯電話機1においてその中央制御部11は、受信した操作信号が現在の状態に応じて有効か否かを判別するために、変換用情報記憶部M6をアクセスし、「現在フラグ」が“1”の変換用情報が有るかを調べ(ステップC1)、「現在フラグ」が“1”の変換用情報が無ければ(ステップC1)、受信した操作信号を無効とするために、この時点で図13のフローから抜ける。また、「現在フラグ」が“1”の変換用情報が有れば(ステップC1でYES)、「現在フラグ」が“1”の変換用情報を読み出し(ステップC2)、それは「操作制限解除画面情報出力中」の変換用情報であるかを調べる(ステップC3)。
【0059】
いま、「現在フラグ」が“1”の変換用情報が「操作制限解除画面情報出力中」であれば(ステップC3でYES)、受信した操作信号を当該変換用情報に基づいて解除情報(暗証番号)に変換する(ステップC4)。すなわち、上述したようにテレビ用リモコン9(又はテレビ装置7)側でのカラーキーの操作状況として、どのカラーキーが操作されたのか、何回操作されたのかに応じて変換用情報を参照しながら複数桁構成(例えば、4桁構成)の暗証番号に変換する。この場合、青色キーが1桁目、赤色キーが2桁目、緑色キーが3桁目、黄色キーが4桁目に対応付けられているので、その操作回数に応じて4桁構成の暗証番号に変換する。
【0060】
これによって変換された暗証番号の各桁を“*”マークで示した操作制限解除画面情報を生成してHDMIケーブル8を介してテレビ装置7に出力し、そのテレビ表示部77に表示させる(ステップC5)。そして、操作制限情報記憶部M4に設定されている照合用暗証番号を読み出し(ステップC6)、変換された暗証番号と照合用暗証番号とを比較し、両方は一致するかを調べる(ステップC7)。ここで、暗証番号が不一致で、正当なユーザではないと判別された場合には(ステップC7でNO)、そのユーザ操作(カラーキー操作)を無効とするために、この時点で図13のフローから抜ける。
【0061】
また、暗証番号が一致し、正当なユーザであると判別された場合には(ステップC7でYES)、操作制限状態を解除するために、操作制限情報記憶部M4をアクセスし、“操作を制限する”に対応する「設定フラグ」を“0”とし、その他の“操作を制限しない”に対応する「設定フラグ」を“1”とする(ステップC8)。このように操作制限状態を解除したのちは、図12のステップB5に移り、「設定フラグ」が“1”の初期画面情報が“メニュー画面”であれば(ステップB6でYES)、メニュー画面情報をテレビ装置7に出力し、テレビ表示部77に表示させ(ステップB7)、また、“情報再生画面”であれば(ステップB6でNO)、該当する蓄積情報をテレビ装置7に出力する(ステップB9)。
【0062】
また、「現在フラグ」が“1”の変換用情報が「操作制限解除画面情報出力中」でなければ(図13のステップC3でNO)、「メニュー画面情報出力中」、「動画再生画面情報出力中」などの状態であるから、この状態の変換用情報を参照して、受信した操作信号を制御信号に変換する(ステップC9)。例えば、現在の状態が「メニュー画面情報出力中」の場合に、テレビ用リモコン9側で数値キー「1」〜「12」のいずれかが操作されると、その操作信号は、メニュー項目を選択する制御信号に変換される。これによって変換された制御信号に基づいた各種処理(メニュー選択処理など)を実行したのち(ステップC10)、この各種処理に応じた情報をテレビ装置7に出力して、そのテレビ表示部77に表示させる(ステップC11)。そして、現在の状態に対応して、その状態の「現在フラグ」を“1”としたのち(ステップC12)、図13のフローから抜ける。
【0063】
このような操作信号受信処理(図11のステップA8)が終わると、上述のステップA3に戻る。また、携帯電話機1とテレビ装置7との接続が外れたことを検出すると(ステップA9でYES)、テレビ接続外れ処理に移る(ステップA10)。
図14は、テレビ接続外れ処理(図11のステップA10)を詳述するためのフローチャートであり、中央制御部11は、テレビ装置7に出力中の情報出力を停止させると共に(ステップD1)、変換用情報記憶部M6内の全ての「現在フラグ」を“0”としたのち(ステップD2)、図14のフローから抜ける。
【0064】
また、電話着信を検出すると(図11のステップA11でYES)、通話可能状態とすると共に、通話履歴を記憶したり、通話に関する情報を表示したりする通話処理を実行したのち(ステップA12)、上述のステップA3に戻る。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA13でYES)、電源オフ処理を実行して(ステップA14)、この図11のフローの終了となるが、その他の操作が行われたときには(ステップA15でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、通話発信処理、メール発信処理などを実行したのち(ステップA16)、上述のステップA3に戻る。
【0065】
以上のように、本実施形態において携帯電話機1は、外部装置(テレビ装置7)と接続されている状態において、操作制限状態に設定されていれば、外部装置や外部装置を制御する制御装置(テレビ用リモコン9)側での操作に応じた操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換すると共に、変換した解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて操作制限状態を解除するようにしたので、携帯電話機1が操作制限状態に設定されていても、テレビ装置7やテレビ用リモコン9側での操作が正当なユーザによる操作であれば、その操作制限状態を容易に解除することができ、信頼性の維持と共に操作性の向上が可能となる。
【0066】
携帯電話機1は、操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作以外の操作を抑制するようにしたので、テレビ装置7が接続されている状態であっても、操作制限状態に設定されていれば、正当なユーザ以外による操作が行われても、それを無効とすることができる。
【0067】
携帯電話機1は、操作制限状態に設定されている場合に、その旨を示す情報を報知するようにしたので、ユーザにその状態を知らせることができる。
【0068】
携帯電話機1は、操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作の仕方を示す操作情報を出力するようにしたので、その状態をどのような操作で解除できるかをユーザに知らせることができる。
【0069】
携帯電話機1は、変換用情報を参照して、テレビ用リモコン9側からの操作信号を解除情報に変換するようにしたので、テレビ用リモコン9側からの操作信号を容易に解除情報に変換することができる。
【0070】
この場合、ユーザにあっては、テレビ装置7やテレビ用リモコン9側で複数桁構成の解除情報の各桁に対応付けられた解除キー(カラーキー)を操作するだけでよく、正当なユーザであれば、携帯電話機1の操作制限状態を容易に解除することができる。
【0071】
また、携帯電話機1は、複数の解除キー(カラーキー)のうち、どの解除キーが解除情報のどの桁に対応付けられているかの対応関係を示す情報を出力するようにしたので、ユーザにあっては、解除情報を構成する各桁のうち、どの桁がどのキーに対応するかを知ることができるので、解除情報を入力するための操作がよりやりやすくなる。なお、この情報は正当なユーザ以外にも知られることがあるが、キーの操作状況まで知らなければ、操作制限状態を解除することはできないので、正当なユーザ以外による解除を防止することができる。
【0072】
携帯電話機1は、解除操作の途中において、複数桁構成の解除情報のどの桁まで変換が進んでいるかを示す情報を出力するようにしたので、ユーザにあっては、どの桁まで解除情報として変換されているのかを容易に知ることができるので、解除情報を入力するための操作がよりやりやすくなる。なお、正当なユーザ以外にも解除情報を知られることがあるが、操作キーの操作状況まで知らなければ、操作制限状態を解除することはできないので、第三者による解除を防止することができる。
【0073】
携帯電話機1側の各状態に応じた制御をテレビ装置7やテレビ用リモコン9側の操作によって行うことができ、操作制限状態に設定されている場合には、その状態に対応付けられている変換用情報を参照することで容易に解除情報に変換することができる。
【0074】
テレビ装置7やテレビ用リモコン9側のカラーキーが操作された場合に、その操作信号を解除情報に変換するようにしたので、カラーキーで操作制限状態を解除することができる。カラーキーは、他の操作キーと比較して目立つので、ユーザにとっては分かりやすい操作となる。また、例えば、数字キーなどは、チャンネルを切り替えるために利用されてしまう可能性があるため、より利用可能性の低く、かつ、目立つキーを利用するは非常に有益である。
【0075】
テレビ用リモコン9から送信された操作信号については、テレビ装置7を経由して受信するようにしたので、テレビ用リモコン9との間に特別なインターフェイスを設けることなく、テレビ用リモコン9からの操作信号を容易に受信することができる。
【0076】
携帯電話機1は、操作制限状態に設定されていない場合に、予め指定された所定の情報をテレビ装置7に対して出力するようにしたので、この所定の情報によって操作制限状態に設定されていないことをユーザに知らせることができる。例えば、所定の情報がメニュー画面であれば、ユーザは機能利用な機能を知ることができ、また、所定の情報が動画データであれば、ユーザはその動画を視聴することができ、音楽データであれば、その音楽を聴くことができる。
【0077】
携帯電話機1は、操作制限状態が解除された場合に、予め指定された所定の情報をテレビ装置7に対して出力するようにしたので、その解除をユーザに知らせることができる。
【0078】
なお、上述した実施形態においては、テレビ用リモコン9から送信された操作信号については、テレビ装置7を経由して受信するようにしたが、テレビ用リモコン9から送信された操作信号については当該テレビ用リモコン9から直接受信するようにしてもよい。これによってテレビ装置7に頼らずにテレビ用リモコンからの操作信号を受信することができる。この場合、携帯電話機1側に操作信号受信部(リモコン受信部)を設けることで、テレビ用リモコン9から送信される操作信号を直接的に受信することが可能となる。
【0079】
また、上述した実施形態においては、外部装置としてテレビ装置7を例示し、それを制御する制御装置としてテレビ用リモコン9を例示したが、それに限らず、例えば、外部装置としてはステレオ装置、それを制御する制御装置としてはステレオ用リモートコントローラ(ステレオ用リモコン)であってもよい。この場合、携帯電話機1とステレオ装置とがHDMIケーブル8を介して接続されている状態において、ステレオ装置側の操作で携帯電話機1の制御が可能となり、また、ステレオ用リモコン側の操作で携帯電話機1の制御が可能となる。
【0080】
このように外部装置がステレオ装置、ステレオ用リモコンの場合には、図11において、ステップA5の“テレビ接続”が“ステレオ接続”となり、ステップA6の“テレビ接続処理”が“ステレオ接続処理”となり、ステップA9の“テレビ接続外れ”が“ステレオ接続外れ”となり、ステップA10の“テレビ接続外れ処理”が“ステレオ接続外れ処理”となる。この場合、図12のステップB3の操作制限解除画面出力処理、ステップB7のメニュー画面出力処理、ステップB9の情報再生画面出力処理を、音声メッセージを出力する音声出力処理としてもよい。更に、外部装置及びその制御装置は、テレビ装置、テレビ用リモコン、ステレオ装置、ステレオ用リモコンに限らず、任意であり、他の携帯電話器などであってもよい。
【0081】
また、上述した実施形態においては、携帯電話機1に接続されている外部装置に対して蓄積情報を出力するようにしたが、例えば、放送受信中のテレビ番組やラジオ番組、ダウンロード中の動画、静止画などのように、リアルタイムで取得中の情報を外部装置に出力するようにしてもよく、外部装置に出力する情報は任意である。
【0082】
上述した実施形態においては、操作制限状態に設定されていることを示す情報、操作制限状態を解除するための解除操作を示す操作情報、どの解除キーが解除情報のどの桁に対応付けられているかの対応関係を示す情報、解除情報のどの桁まで変換が進んでいるかを示す進捗情報を視覚情報として外部装置に出力するようにしたが、音声、光、振動など任意の形態の情報として出力するようにしてもよい。また、出力先は外部装置に限らず、端末装置に備えられた表示部17、サウンドスピーカ21、LED22、振動モータ23など任意の出力先でよい。
【0083】
上述した実施形態においては、操作制限状態を解除するための解除情報を4桁の暗証番号としたが、任意の桁数の文字列(数字に限らない)であってもよい。また、文字列ではなく、外部装置やその制御装置のキーIDでもよい。すなわち、外部装置やその制御装置側でどのキーをどの順番で操作すれば、携帯電話機1の操作制限状態を解除することができるかを予め直接的に設定しておくようにしてもよい。
【0084】
上述した実施形態においては、解除情報の各桁を外部装置やその制御装置側の4色のカラーキーに対応付けたが、外部装置やその制御装置側のその他のキーと対応付けるようにしてもよい。
【0085】
上述した実施形態においては、携帯電話機1と外部装置をHDMI−CEC規格でHDMIケーブル8を介して接続するようにしたが、携帯電話機1と外部装置との通信は、任意の規格で、有線通信でも、無線通信でもよく、コネクタ同士を直接接続する通信であってよい。
【0086】
上述した実施形態においては、折り畳みタイプの携帯電話機1を例示したが、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。また、記憶部はメモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置であってもよい。
【0087】
また、本発明の適用は、端末装置として携帯電話機に限らず、その他、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、ゲーム機器、あるいはそれらの複合機などであってもよい
【符号の説明】
【0088】
1 携帯電話機
2 無線通信網(移動体通信網)
3 インターネット
4 情報配信装置
7 テレビ装置
8 HDMIケーブル
9 テレビ用リモコン
11、71、91 中央制御部
13、73、93 記憶部
14 無線通信部
17、77 表示部
18、74、94 操作部
24、75 接続部
79 操作信号受信部
95 操作信号送信部
M1 プログラム記憶部
M3 蓄積情報記憶部
M4 操作制限情報記憶部
M5 初期画面情報記憶部
M6 変換用情報記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と接続される端末装置であって、
当該端末装置の操作を制限する操作制限状態に設定する設定手段と、
前記外部装置及び外部装置を制御するための制御装置の少なくともいずれか一方で操作が行われた場合に、その操作に応じた操作信号を受信する受信手段と、
前記外部装置と接続された場合に、前記設定手段によって操作制限状態に設定されているか否かを判別する状態判別手段と、
この状態判別手段によって操作制限状態に設定されていると判別された場合に、前記受信手段によって受信された操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換する変換手段と、
この変換手段によって変換された解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて前記操作制限状態を解除する解除手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作以外の操作を抑制する操作抑制手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その旨を示す情報を報知する報知手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記設定手段によって操作制限状態に設定されている場合に、その操作制限状態を解除するための解除操作を示す操作情報を出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記変換手段は、前記受信手段によって受信された操作信号を、予め記憶されている変換用情報を参照することによって解除情報に変換する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記解除情報は複数桁の情報を組み合わせた複数桁構成の解除情報であり、
前記変換用情報は、前記外部装置及び制御装置の少なくともいずれか一方に備えられている複数の解除キーのいずれかの解除キーの操作状況を、前記複数桁構成の解除情報の各桁に対応付けた情報であり、
前記変換手段は、前記受信手段によって受信された操作信号を、前記いずれかの解除キーの操作状況と前記変換用情報とに基づいて複数桁構成の解除情報に変換し、
前記解除手段は、前記変換手段によって変換された複数桁構成の解除情報と予め記憶されている複数桁構成の解除情報との比較結果に応じて操作制限状態を解除する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項7】
前記複数の解除キーのうち、どの解除キーが前記複数桁構成の解除情報のどの桁に対応付けられているかの対応関係を示す情報を生成する生成手段と、
この生成手段によって生成された対応関係を示す情報を前記外部装置に対して出力する出力手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
前記操作制限状態を解除するための解除操作を行っている操作途中の状態において、前記変換手段によって複数桁構成の解除情報のどの桁まで変換が進んでいるかを示す進捗情報を生成する生成手段と、
この生成手段によって生成された進捗情報を前記外部装置に対して出力する出力手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の端末装置。
【請求項9】
前記受信手段によって受信された操作信号を、当該端末装置を制御するための制御信号に変換するための変換用情報が、当該端末装置の各状態に対応付けて複数記憶されている記憶手段を参照する参照手段を更に備え、
前記変換手段は、前記記憶手段に記憶されている複数の変換用情報のうち、前記受信手段によって受信された操作信号を、前記解除情報に変換するための変換用情報を参照することによって解除情報に変換する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項10】
前記外部装置及び制御装置の少なくともいずれか一方に備えられている色別の解除キーが操作された場合に、前記変換手段は、前記受信手段によって受信された当該解除キーの操作信号を解除情報に変換する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項11】
前記受信手段は、前記外部装置を制御する制御装置から送信された操作信号については、当該外部装置を経由して受信する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項12】
前記受信手段は、前記制御装置から送信された操作信号については、当該制御装置から直接受信する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項13】
前記状態判別手段によって操作制限状態に設定されていないと判別された場合に、予め指定された所定の情報を前記外部装置に対して出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項14】
前記解除手段によって操作制限状態が解除された場合に、予め指定された所定の情報を前記外部装置に対して出力する出力手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項15】
コンピュータに対して、
操作を制限する操作制限状態に設定する機能と、
外部装置及び外部装置を制御するための制御装置の少なくともいずれか一方で操作が行われた場合に、その操作に応じた操作信号を受信する機能と、
前記外部装置と接続された場合に、前記操作制限状態に設定されているか否かを判別する機能と、
前記操作制限状態に設定されていると判別された場合に、前記受信された操作信号を、当該操作制限状態を解除するための解除情報に変換する機能と、
前記変換された解除情報と予め記憶されている解除情報との比較結果に応じて前記操作制限状態を解除する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−178260(P2010−178260A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21297(P2009−21297)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】