説明

端末装置及びプログラム

【課題】表示情報を表示部に3D表示させる際に、状況に応じて適切な表示制御を実現できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、この表示情報を表示部17に3D表示させる際に、周囲の明るさ検出部24によって検出された周囲の明るさに基づいて3D深度を決定したり、表示部17の明るさに基づいて3D深度を決定したり、周囲の明るさ及び表示部17の明るさに基づいて3D深度を決定したりし、この決定した3D深度で表示情報を表示部17に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面状の表示部に画像(静止画、動画)、テキスト、メニューなどの表示情報を3D(三次元)表示してユーザに立体視させるようにした技術には、各種の技術があり、例えば、2D(二次元)表示情報の中のオブジェクトに立体に見えるような視覚効果を施して、オブジェクトを立体に見せる技術がある。なお、ポリゴンを利用した技術はこの技術の一例である。また、ユーザの右目と左目の視差を利用した技術もある。すなわち、互いに少しずらした右目用の表示情報と左目用の表示情報を用意し、それら2つの表示情報を同時に表示させた際に、右目用の表示情報は右目で見えて左目では見えないように、左目用の表示情報は左目で見えて右目では見えないようにするために、光の経路を遮断する視差バリアを適切な位置に配置することによって表示情報を立体に見せるようにした技術である。
【0003】
上述したいずれの3D表示技術においても、3Dの奥行きや飛び出しの程度を示す3D深度というパラメータがあり、この3D深度が大きいほど、ユーザには表示情報がより深く、あるいはより飛び出して見えることになる。反対に3D深度が小さいほど、表示情報が浅く見える、あるいはあまり飛び出して見えないことになり、3D深度がゼロでは、2Dに見える(すなわち2D表示する)ということになる。
【0004】
ところで、表示部に所定の3D深度の表示情報を3D表示させる場合(3D深度ゼロの2D表示を含んでもよい)には、同じ内容の表示情報について、様々な3D深度の複数の表示情報を用意しておき、それら複数の表示情報の中から所定の3D深度の表示情報を選択して3D表示する方法や、2D表示情報を所定の3D深度の表示情報に変換して、変換された表示情報を3D表示する方法などがある。また、3D表示が正しくユーザに認識されるためには様々な制約がある。それらの制約としは一般に、2D表示の制約よりも厳しく、例えば、表示部が暗いなどの理由によって表示部が見えにくい場合には、2D表示よりも3D表示の方が認識し難くなる。また、3D表示を正しく認識するための距離(ユーザの目と画面との距離)は、2D表示を正しく認識するための距離よりも狭い範囲に限定されてしまう。
【0005】
そこで、上述のような制約を解消するために従来では、ユーザ操作で3Dの深度を切り替えることが可能な技術として、例えば、ユーザ操作によって、立体視の奥行きを変化させたり、立体視と平面視を切り換えたりする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−037619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、ユーザが状況に応じて、その度にユーザ操作によって適切な3D深度に切り替えなければならず、操作が煩雑であると共にユーザに大きな負担をかけるという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、表示情報を表示部に3D表示させる際に、状況に応じて適切な表示制御を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、周囲の明るさを検出する周囲検出手段と、この周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて、前記表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する決定手段と、この決定手段によって決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記表示部の明るさを検出する表示部検出手段を更に備え、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさ及び前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて前記表示情報の3D深度を決定する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、前記表示情報の3D深度として所定の3D深度よりも大きい3D深度に決定する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合に、前記表示情報の3D深度として所定の3D深度よりも大きい3D深度に決定する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて、前記表示情報の3D深度をゼロにするか否かを決定し、前記表示制御手段は、前記決定手段によって3D深度をゼロにすると決定された場合に、3D深度ゼロで表示情報を前記表示部に2D表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項5に従属する発明として、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合には、前記表示情報の3D深度をゼロに決定する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項5に従属する発明として、前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合には、前記表示情報の3D深度をゼロに決定する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、前記表示部の明るさを検出する表示部検出手段と、この表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて、前記表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する決定手段と、この決定手段によって決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項8に従属する発明として、周囲の明るさを検出する周囲検出手段と、前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに応じた3D深度の制御を行うか否かを、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて判別する手段と、を更に備え、前記決定手段は、前記判別手段によって制御を行うと判別された場合に、前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて、前記表示情報の3D深度を決定する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項9に従属する発明として、前記判別手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに応じた3D深度の制御を行うと判別する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0019】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、コンピュータに対して、周囲の明るさを検出する機能と、前記検出された周囲の明るさに基づいて、表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する機能と、前記決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項12記載の発明は、コンピュータに対して、表示部の明るさを検出する機能と、前記検出された表示部の明るさに基づいて、この表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する機能と、前記決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、表示情報を表示部に3D表示させる際に、状況に応じて適切な表示制御を実現することができ、実用効果の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この実施形態を適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】条件記憶部M3を説明するための図。
【図4】(1)は、深度制御条件が“周囲の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を説明するための図、(2)は、深度制御条件が“表示部の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を説明するための図。
【図5】深度制御条件が“周囲の明るさ+表示部の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を説明するための図。
【図6】表示情報記憶部M5を説明するための図。
【図7】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図8】照明点灯処理(図7のステップA2など)を詳述するためのフローチャート。
【図9】3D深度決定処理(図7のステップA9)を詳述するためのフローチャート。
【図10】表示処理(図7のステップA10)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1には、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送(例えば、ワンセグ地上デジタルテレビ放送)を受信可能なテレビ放送受信機能、3D表示機能などが備えられている。この3D表示機能は、左右の目の視差を利用した視差バリア方式によって、動画、静止画、テキスト、メニューなどの表示情報を3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度で表示させる機能である。
【0024】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機1との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をインターネット3、無線通信網2を介してダウンロード可能となる。また、携帯電話機1は、テレビ局5から送信アンテナ6を介して発信された地上波デジタル放送を受信するようにしているが、インターネットラジオのように無線通信網2、インターネット3を介して情報配信装置4からデジタル放送をダウンロード受信することもできる。
【0025】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、条件記憶部M3、制御内容記憶部M4、表示情報記憶部M5などが設けられている。プログラム記憶部M1は、図7〜図10に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、フラグ情報、タイマ情報、画面情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、条件記憶部M3、制御内容記憶部M4、表示情報記憶部M5については後で詳述するものとする。
【0026】
無線通信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調した後、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAT1から発信出力させる。
【0027】
テレビ放送受信部16は、通信端末装置向けのワンセグ地上波デジタルテレビ放送のほか、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。このテレビ放送受信部16は、アンテナAT2からの放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。表示部17は、高精細液晶を使用し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ映像などの表示情報を表示させるもので、この表示部17の表面には、視差バリアを生成するための液晶の層が設けられている。
【0028】
3D変換処理部18は、3D表示時に3D深度に応じた右目用の表示情報と左目用の表示情報を生成するもので、視差バリア制御部19は、3D表示時に3D変換処理部18によって生成された右目用の表示情報と左目用の表示情報が表示部17に同時に表示されている状態において、正しく3D表示が見えるように視差バリアを表示部17の表層に生成する。また、表示部17の背面側には、表示部17をその背面から照明するための表示照明部20が設けられている。表示照明部20は、液晶画面を照明するバックライトを構成するもので、その照明の明るさはユーザ操作によって任意に設定可能となっている。中央制御部11は、表示照明部20による照明の明るさ(表示部17の明るさ)に基づいて、表示部17に表示される表示情報の3D深度を決定して、その表示情報を表示部17に3D表示させるようにしている。つまり、表示部17の明るさ(画面の明るさ)に応じて表示情報の3D深度を制御するようにしている。
【0029】
操作部21は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部21からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)22は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC21から現在日時を取得する。報知部23は、サウンドスピーカ23A、LED(発光ダイオード)23B、振動モータ23Cを備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。周囲の明るさ検出部24は、携帯電話機1の周囲の明るさを検出する照度計(照度センサ)であり、中央制御部11は、周囲の明るさ検出部24の検出結果に基づいて表示部17に表示される表示情報の3D深度を決定して表示部17に3D表示させるようにしている。つまり、周囲の明るさに応じて表示情報の3D深度を制御するようにしている。
【0030】
図3は、条件記憶部M3を説明するための図である。
条件記憶部M3は、表示情報の3D深度を制御する場合に、どのような条件でその制御するかを示す深度制御条件を複数記憶するもので、各条件情報は、「項目」、「設定フラグ」を有している。「項目」は、深度制御条件の種類を示し、“周囲の明るさ”、“表示部の明るさ”、“周囲の明るさ+表示部の明るさ”を有している。“周囲の明るさ”は、周囲の明るさに応じて表示情報の3D深度を制御すべきことを示す条件情報である。
“表示部の明るさ”は、表示部17の明るさ(画面の明るさ)に応じて表示情報の3D深度を制御すべきことを示す条件情報である。
【0031】
深度制御条件の“周囲の明るさ+表示部の明るさ”は、周囲の明るさ及び表示部17の明るさに応じて表示情報の3D深度を制御すべきことを示す条件情報である。各深度制御条件に対応する「設定フラグ」は、上述した複数の深度制御条件のうち現在有効な条件はどれかを示すフラグで、ユーザ操作によって任意に設定されたものである。なお、図示の例では、「設定フラグ」が“1”となっている“周囲の明るさ”が現在有効な深度制御条件であることを示している。
【0032】
図4及び図5は、制御内容記憶部M4を説明するための図である。
制御内容記憶部M4は、深度制御条件毎に、どのような3D深度を決定するかの制御内容を記憶するもので、その内容はユーザ操作によって任意に設定可能となっている。図4(1)は、深度制御条件が“周囲の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を示し、「周囲の明るさ(単位:ルクス)」と「3D深度(単位:レベル)」とを対応付けた構成となっている。「3D深度」は、表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示すもので、“レベル2”、“レベル1”、“レベル0(2D)”が設定され、深度の強い(大きい)順に、レベル2>レベル1>レベル0(2D)の関係となっている。なお、“レベル0(2D)”は、3D深度が“レベル0(ゼロ)”で、2D(平面)であることを示している。
【0033】
ここで、「周囲の明るさ」と「3D深度」との関係は次の事項を考慮したものである。すなわち、周囲の明るさに応じて3D深度を決定する場合に、例えば、明るいオフィスのように周囲の明るさが画面を見るのに適した明るさであれば、最も強い(大きい)3D深度を決定するようにし、この適正な明るさに比べて、より明るい場合やより暗い場合には、弱い(小さい)3D深度を決定するようにし、また、適正な明るさ(所定の明るさ)に比べて周囲が暗過ぎたり、明る過ぎたりするような場合には、最も弱い3D深度(ゼロの3D深度)を決定するようにしている。
【0034】
図示の例では、“10000ルクス〜”に対応して“レベル0(2D)”が記憶され、“2000ルクス〜10000ルクス”に対応して“レベル1”が記憶されている。また、“500ルクス〜2000ルクス”に対応して“レベル2”が記憶され、“10ルクス〜500ルクス”に対応して“レベル1”が記憶され、“〜10ルクス”に対応して“レベル0(2D)”が記憶されている。なお、例えば、“2000ルクス〜10000ルクス”は、2000ルクス以上で10000ルクス未満であることを示している(以下、同様)。また、周囲の明るさをルクスとしたが、照度などの明るさを表わす任意の単位であってもよい。
【0035】
なお、「周囲の明るさ」と「3D深度」との関係は、上述した場合に限らず、例えば、周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、大きい3D深度となるようにしてもよい。つまり、周囲が暗いほど3D深度が強くなるような関係であってもよい。これとは逆に、周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合に、大きい3D深度となるようにしてもよい。つまり、周囲が明るいほど3D深度が強くなるような関係であってもよい。また、図示の例では、「3D深度」をレベルで表現するようにしたが、これに限らず、例えば、ミリメートルなど別の単位で表現するようにしてもよい。
【0036】
図4(2)は、深度制御条件が“表示部の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を示し、「表示部の明るさ(単位:カンデラ)」と「3D深度(単位:レベル)」とを対応付けた構成となっている。この場合においても、「3D深度」として“レベル2”、“レベル1”、“レベル0(2D)”が記憶され、また、「表示部の明るさ」と「3D深度」との関係も上述した周囲の明るさの場合と同様である。すなわち、表示部17の明るさが画面を見るのに適した明るさの場合には、最も強い3D深度を決定し、この適正な明るさに比べて、より明るい場合やより暗い場合には、弱い3D深度を決定し、また、適正な明るさに比べて暗過ぎたり、明る過ぎたりするような場合には、最も弱い3D深度を決定するようにしている。
【0037】
図示の例では、“1000カンデラ〜”に対応して“レベル0(2D)”が記憶され、“500カンデラ〜1000カンデラ”に対応して“レベル1”が記憶されている。また、“200カンデラ〜500カンデラ”に対応して“レベル2”が記憶され、“2カンデラ〜200カンデラ”に対応して“レベル1”が記憶され、“〜2カンデラ”に対応して“レベル0(2D)”が記憶されている。なお、例えば、“500カンデラ〜1000カンデラ”は、500カンデラ以上で1000カンデラ未満であることを示している(以下、同様)。また、表示部17の明るさをカンデラとしたが、照度などの明るさを表わす任意の単位であってもよい。
【0038】
図5は、深度制御条件が“周囲の明るさ+表示部の明るさ”の場合に対応した制御内容記憶部M4の内容を示し、図中、縦方向が「周囲の明るさ」、横方向が「表示部の明るさ」に対応し、この縦横の各交差部分が「3D深度」に対応した構成となっている。図示の例では、周囲の明るさが500ルクス以上では、図4(1)で示した制御内容と同様に、周囲の明るさに応じて3D深度として“10000ルクス〜”に対応して“レベル0(2D)”が記憶され、“2000ルクス〜10000ルクス”に対応して“レベル1”が記憶され、“500ルクス〜2000ルクス”に対応して“レベル2”が記憶されているが、周囲が暗い500ルクス未満の場合には、周囲の明るさのほかに表示部17の明るさも加味して3D深度を決定するために複数の3D深度が記憶されている。この場合、中央制御部11は、表示部17の明るさに応じて3D深度を制御するか否かを周囲の明るさが500ルクス未満であるか否かに基づいて判別し、その結果、制御すると判別した際には、表示部17の明るさに基づいて3D深度を決定するようにしている。
【0039】
ここで、「周囲の明るさ」及び「表示部の明るさ」と「3D深度」との関係は、次の事項を考慮したものであってもよい。すなわち、一般に、周囲が暗く表示照明部20によって表示部17がバックライト照明されている場合に、その照明の明るさが適正であれば、ユーザは表示情報をはっきりと認識することができるので、表示情報を大きな3D深度で表示するようにしているが、照明が明る過ぎたり、暗過ぎたりするときには、表示情報をはっきりと認識することができないために、表示情報を小さな3D深度で表示するようにしている。
【0040】
このため、周囲が薄暗い“10ルクス〜500ルクス”においては、表示部17が暗い場合や明るい場合を除いて同一の3D深度に制御するために、表示部の明るさが“〜2カンデラ”、“1000カンデラ〜”に対応して“レベル1”が記憶され、その他の“2カンデラ〜200カンデラ”、“200カンデラ〜500カンデラ”、“500カンデラ〜1000カンデラ”に対応して“レベル2”が記憶されている。また、周囲が暗い“〜10ルクス”においては、表示部17の明るさに応じて3D深度を細かく制御するために、“〜2カンデラ”に対応して“レベル0(2D)”が記憶され、“2カンデラ〜200カンデラ”に対応して“レベル1”が記憶されている。また、“200カンデラ〜500カンデラ”に対応して“レベル2”、500カンデラ〜1000カンデラ”に対応して“レベル1”、“1000カンデラ”に対応して“レベル0(2D)”が記憶されている。
【0041】
図6は、表示情報記憶部M5を説明するための図である。
表示情報記憶部M5は、表示部17に表示するための表示情報を記憶するもので、例えば、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をインターネット3、無線通信網2を介してダウンロードしたり、テレビ放送受信部16によって受信した放送番組を録画記録したりした情報を表示情報として記憶するようにしている。この表示情報記憶部M5は、表示情報を識別する「情報ID」に対応して「タイトル」、「種別」、「3D深度」、「実データ」などを記憶する構成で、「種別」は、表示情報の種別(動画、静止画、テキスト、メニューなど)を識別するための情報である。「実データ」は、表示情報の実データで、その「3D深度」が“レベル0(2D表示用)”の実データのみを持つ表示情報もあれば、各3D深度の実データを持つ表示情報もある。つまり、同じ内容であっても3D深度毎に実データ(2D表示を含む)をそれぞれ持つ表示情報があり、また、3D深度がレベル0(2D表示)の実データのみを持つ表示情報がある。
【0042】
次に、この実施形態における携帯電話機1の動作概念を図7〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなど伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0043】
図7は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、表示照明部20を点灯する照明点灯処理(後述する)を行った後(ステップA2)、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行う(ステップA3)。
【0044】
図8は、照明点灯処理(図7のステップA2など)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、予め設定されている照明の明るさ設定値を読み出し(ステップB1)、この照明の明るさ設定値に基づいて表示照明部20を点灯させた後(ステップB2)、照明タイマ(図示省略)の時間計測動作を開始させる(ステップB3)。この照明タイマは、例えば、節電対策として表示照明部20を点灯させてから何も操作されていない無操作状態が一定時間(例えば、15秒)継続しているかを計測するためのタイマであり、中央制御部11は、このタイマがタイムアウトした際に表示照明部20を消灯させるようにしている。
【0045】
このような照明点灯処理(図7のステップA2)及び待受処理(ステップA3)の実行後は、操作待ちや着信待ちとなる。ここで、任意の情報を設定する設定操作が行われると(ステップA4でYES)、上述の照明点灯処理を行って照明タイマの時間計測動作を開始させた後(ステップA5)、その設定操作に対応する設定処理として、例えば、表示照明部20、条件記憶部M3、制御内容記憶部M4、表示情報記憶部M5などに対する設定を行う(ステップA6)。すなわち、表示照明部20に対してバックライト照明の明るさを設定したり、条件記憶部M3の「設定フラグ」を設定したり、制御内容記憶部M4に対して「3D深度」を設定したりする処理のほか、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をダウンロードしたり、テレビ放送受信部16によって受信した放送番組を録画記録したりして表示情報記憶部M5に記憶する処理などを行う。このような設定処理(ステップA6)が終わると、上述のステップA4に戻る。
【0046】
また、表示情報表示操作が行われると(ステップA7でYES)、つまり、ユーザ操作によって画像、テキスト、メニューなどの表示情報を表示対象として指定して、この表示情報を表示部17に表示させることを指示する表示情報表示操作が行われると、上述の照明点灯処理を行って照明タイマの時間計測動作を開始させた後(ステップA8)、この表示情報の3D深度を制御するために3D深度決定処理を実行すると共に(ステップA9)、この決定処理によって決定された3D深度で表示情報を表示部17に表示させる表示処理に移る(ステップA10)。
【0047】
図9は、3D深度決定処理(図7のステップA9)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、条件記憶部M3を参照し、「設定フラグ」が“1”の深度制御条件は、“周囲の明るさ”であるかを調べたり(ステップC2)、“表示部の明るさ”であるか“周囲の明るさ+表示部の明るさ”であるかを調べたりする(ステップC7)。いま、「設定フラグ」が“1”の深度制御条件が“周囲の明るさ”であれば(ステップC2でYES)、周囲の明るさ検出部24によって検出された周囲の明るさを取得し(ステップC3)、この周囲の明るさに基づいて制御内容記憶部M4を参照し、この周囲の明るさに対応する制御内容を読み出す(ステップC4)。
【0048】
すなわち、図4(1)に示す制御内容記憶部M4を参照し、明るさ検出部24によって検出された周囲の明るさが“10000ルクス〜”であれば、それに対応する制御内容として“レベル0(2D)”を読み出し、“2000ルクス〜10000ルクス”であれば、レベル1”を読み出し、“500ルクス〜2000ルクス”であれば、“レベル2”を読み出し、“10ルクス〜500ルクス”であれば、“レベル1”を読み出し、“〜10ルクス”であれば“レベル0(2D)”を読み出す。そして、読み出した制御内容を制御用の3D深度として決定した後(ステップC5)、この制御用の3D深度を各種情報一時記憶部M2に一時記憶しておく(ステップC6)。
【0049】
また、「設定フラグ」が“1”の深度制御条件が“表示部の明るさ”であれば(ステップC7でYES)、表示照明部20の点灯状況(点灯している/点灯していない、どの明るさで点灯しているか)によって表示部17の明るさを検出する(ステップC8)。この場合、表示照明部20が点灯しているときには、表示照明部20から明るさの設定値を読み出すことによって表示部17の明るさ(画面の明るさ)を検出する。そして、この“表示部17の明るさ”に基づいて制御内容記憶部M4を参照し、それに対応する制御内容を読み出す(ステップC9)。
【0050】
すなわち、図4(2)に示す制御内容記憶部M4を参照し、表示部の明るさが“1000カンデラ〜”であれば、制御内容として“レベル0(2D)”を読み出し、“500カンデラ〜1000カンデラ”であれば、“レベル1”を読み出し、200カンデラ〜500カンデラ”であれば、“レベル2”を読み出し、“2カンデラ〜200カンデラ”であれば、“レベル1”を読み出し、“〜2カンデラ”であれば、“レベル0(2D)”を読み出す。そして、読み出した制御内容を制御用の3D深度として決定した後(ステップC10)、この制御用の3D深度を各種情報一時記憶部M2に一時記憶しておく(ステップC6)。
【0051】
また、「設定フラグ」が“1”の深度制御条件が“周囲の明るさ+表示部の明るさ”であれば(ステップC7でNO)、上述したステップC3、C4と同様に、周囲の明るさを検出すると共に(ステップC11)、この周囲の明るさに基づいて制御内容記憶部M4を参照し、それに対応する制御内容を読み出す(ステップC12)。そして、表示部17の明るさによる制御が必要であるかを調べる(ステップC13)。すなわち、図5に示す制御内容記憶部M4を参照し、周囲の明るさに対応する3D深度が複数記憶されているか単数記憶されているかを判別することによって、周囲の明るさだけではなく、更に表示部17の明るさによる制御が必要であるか否かを判別する。この場合、図5の制御内容記憶部M4には、周囲の明るさが500ルクス未満であれば、複数の3D深度が記憶され、周囲の明るさが500ルクス以上であれば、単数の3D深度が記憶されているので、周囲の明るさが500ルクス未満であるか、500ルクス以上であるかに基づいて表示部の明るさによる制御が必要であるか否かを判別する。
【0052】
ここで、表示部の明るさによる制御を必要としないと判別した場合には(ステップC13でNO)、周囲の明るさに基づいて図5に示す制御内容記憶部M4から読み出した制御内容を制御用の3D深度として決定した後(ステップC16)、この制御用の3D深度を各種情報一時記憶部M2に一時記憶しておく(ステップC6)。また、表示部の明るさによる制御を必要とすると判別した場合には(ステップC13でYES)、上述したステップC8、C9と同様に、表示部17の明るさを検出すると共に(ステップC14)、この表示部17の明るさに基づいて制御内容記憶部M4を参照し、それに対応する制御内容を図5の制御内容記憶部M4から読み出す(ステップC15)。
【0053】
例えば、周囲が薄暗い“10ルクス〜500ルクス”において、表示部17の明るさが“〜2カンデラ”又は“1000カンデラ〜”であれば、“レベル1”を読み出し、“2カンデラ〜200カンデラ”であれば、“レベル2”を読み出す。また、周囲が暗い“〜10ルクス”において、表示部17の明るさが“〜2カンデラ”であれば、“レベル0(2D)”を読み出し、“2カンデラ〜200カンデラ”であれば、“レベル1”を読み出し、“200カンデラ〜500カンデラ”であれば、“レベル2”を読み出す。そして、読み出した制御内容を制御用の3D深度として決定した後(ステップC16)、この制御用の3D深度を各種情報一時記憶部M2に一時記憶しておく(ステップC6)。
【0054】
図10は、表示処理(図7のステップA10)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、上述の3D深度決定処理において各種情報一時記憶部M2に一時記憶しておいた3D深度を読み出し(ステップD1)、その3D深度は、“レベル0”であるかを調べる(ステップD2)。いま、“レベル0”で2D(平面)であれば(ステップD2でYES)、上述の表示情報表示操作によって表示対象として指定された表示情報を2D表示させるが、その際、表示部17の表面に視差バリアが生成されていれば、この視差バリアを消去したのち(ステップD3)、表示情報を表示部17に2D表示させる(ステップD4)。
【0055】
また、「3D深度」が“レベル0”でなければ(ステップD2でNO)、表示情報の「3D深度」に基づいて表示情報記憶部M5を検索し、それに対応する「実データ」の有無を調べる(ステップD5)。ここで、「実データ」は、「3D深度」が“レベル0”の実データのみを持つ表示情報もあれば、各3D深度の実データを持つ表示情報もあるため、「3D深度」の「実データ」が有るか否かを調べた結果、該当する「実データ」が有れば(ステップD5でYES)、この「実データ」を読み出す(ステップD6)。すなわち、決定した「3D深度」に対応付けられている「実データ」を選択して読み出して、この表示情報を3D表示させるが、その際、視差バリアを表示部17の表層に生成させたのち(ステップD8)、表示部17に3D表示させる(ステップD9)。
【0056】
また、「実データ」が無ければ(ステップD5でNO)、つまり、決定した3D深度とは異なる別の3D深度(例えば、深度レベル“0”)の「実データ」しか記憶されていなければ、この別の3D深度の「実データ」を、決定した3D深度の3D表示情報に変換するために、決定した3D深度に応じた右目用の表示情報と左目用の表示情報を生成する(ステップD7)。そして、視差バリアを表示部17の表層に生成させた後(ステップD8)、表示情報を表示部17に3D表示させる(ステップD9)。すなわち、該当する「3D深度」の「実データ」が記憶されていなければ、決定した3D深度とは別の3D深度の「実データ」を、決定した3D深度の3D表示情報に変換して3D表示させる。
【0057】
このように表示情報表示操作に応答して3D深度決定処理(図7のステップA9)及び表示処理(ステップA10)が実行される。また、上述した照明タイマがタイムアウトとなった際には(ステップA11でYES)、表示照明部20の消灯によって(ステップA12)、表示部17の明るさが変化するため、上述の3D深度決定処理(図7のステップA9)及び表示処理(ステップA10)を実行して、照明消灯後の明るさに基づいて決定した3D深度で表示情報を表示させる。
【0058】
また、中央制御部11は、周囲の明るさ検出部24からの検出結果(今回の検出結果)と前回の検出結果とを比較することによって周囲の明るさが変化したかを判別している(ステップA13)。いま、周囲の明るさの変化を検出したときには(ステップA13でYES)、上述の3D深度決定処理(ステップA9)及び表示処理(ステップA10)を実行して、変化後の周囲の明るさ基づいて決定した3D深度で表示情報を表示させる。なお、上述のように周囲の明るさの変化を検出した場合に限らず、定期的に周囲の明るさを検出して、3D深度決定処理(ステップA9)及び表示処理(ステップA10)を実行するようにしてもよい。
【0059】
他方、電話着信を検出すると(図7のステップA14でYES)、上述の照明点灯処理を行って照明タイマの時間計測動作を開始させた後(ステップA15)、通話可能状態とする通話処理を実行した後(ステップA16)、上述のステップA4に戻る。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA17でYES)、上述の照明点灯処理を行って照明タイマの時間計測動作を開始させた後(ステップA18)、電源オフ処理を実行して(ステップA19)、この図7のフローの終了となる。その他の操作が行われたときには(ステップA20でYES)、上述の照明点灯処理を行って照明タイマの時間計測動作を開始させた後(ステップA21)、その操作に応じた処理として、例えば、表示部17の内容を消去する表示消去処理、通話発信処理、メール発信処理などを実行した後(ステップA22)、上述のステップA4に戻る。
【0060】
以上のように、本実施形態において中央制御部11は、表示情報を表示部17に3D表示させる場合に、この表示情報の3D深度を周囲の明るさに基づいて決定し、この3D深度で表示情報を表示部17に表示させるようにしたので、周囲の明るさに応じて適切な表示制御を実現することができ、実用効果の高いものとなる。
【0061】
周囲の明るさ及び表示部17の明るさに基づいて表示情報の3D深度を決定するようにしたので、周囲の明るさだけでなく、画面の明るさも加味して3D深度を決定することができ、周囲の明るさ及び画面の明るさに応じて、適切な3D深度で表示情報を表示させることができる。
【0062】
周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合には、大きい3D深度に決定するようにすれば、周囲が暗く表示部17がバックライト照明されている場合には、大きな3D深度で表示情報を表示させることによって表示情報をはっきりと認識することができ、3D表示を有効に利用することが可能となる。
【0063】
周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合に、大きい3D深度に決定するようにすれば、周囲が明るいと表示情報をはっきりと認識できるような特性を持つ表示部17の場合に、3D表示を有効に利用することができる。
【0064】
周囲の明るさに基づいて3D深度をゼロにするか否かを決定し、ゼロにする場合には、表示情報を3D深度ゼロで2D表示させるようにしたので、周囲の明るさに応じて適切に3D表示か2D表示かを決定することができる。
【0065】
周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合には、3D深度をゼロに決定するようにしたので、周囲が明るいと表示情報をはっきりと認識できなくなるような特性を持つ表示部17の場合に、不要な3D表示を省略することができる。
【0066】
周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合には、3D深度をゼロに決定するようにしたので、周囲が暗いと表示情報をはっきりと認識できなくなるような特性を持つ表示部の場合に、不要な3D表示を省略することができる。
【0067】
表示部17の明るさに基づいて3D深度を決定し、この3D深度で表示情報を表示部17に表示させるようにしたので、表示部17の明るさに応じて適切な表示制御を実現することができ、実用効果の高いものとなる。
【0068】
表示部17の明るさに応じた3D深度の制御を行うか否かを周囲の明るさに基づいて判別した結果、制御を行うと判別した場合に、表示部17の明るさに基づいて3D深度を決定するようにしたので、周囲の明るさと表示部17の明るさに応じて、適切な3D深度で表示情報を表示させることができる。
【0069】
周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、表示部17の明るさに応じた3D深度の制御を行うと判別するようにしたので、表示部14の明るさが表示情報の認識し易さに与える影響が、周囲が明るい場合よりも周囲が暗い場合の方が大きい場合に、表示部17の明るさに応じた適切な3D深度で表示情報を表示させることができる。
【0070】
なお、上述した実施形態において、「周囲の明るさ」と「3D深度」との関係として、周囲が暗いほど3D深度が強くなるような関係としたり、これとは逆に、周囲が明るいほど3D深度が強くなるような関係としたりする場合を説明したが、「周囲の明るさ」と「3D深度」との関係は、上述した実施形態に限らず、様々な状況を考慮するようにしてもよい。
【0071】
例えば、周囲が暗く表示照明部20によって表示部17がバックライト照明されていれば、ユーザは表示情報をはっきりと認識することができるが、このバックライト照明が明る過ぎると、眩し過ぎてユーザは表示情報をはっきりと認識することができないため、ユーザは画面から眼を遠ざけて見る傾向にある。また、周囲が明るい場合には、画面内容が視にくくなるため、ユーザは画面に眼を遠ざけて見る傾向にある。このような場合、眼を遠ざけて見るときには、3D深度を強めにし、逆に、眼を近づけて見るときには、3D深度を弱めにするようにしてもよい。逆に、眼を遠ざけて見るときには、3D深度を弱めにしたり、2D表示にしたりし、眼を近づけて見るときには、3D深度を強めにしたりするようにしてもよい。
【0072】
上述した実施形態においては、表示部17に表示させる表示情報の種別として、情報配信装置4から配信される表示情報、テレビ局5から送信される表示情報(テレビ番組)、テキスト、メニューなどとしたが、これに限らず、例えば、撮影手段を備えた携帯電話機1にあっては、その撮影手段で撮影された表示情報(画像)、又は各種設定用画面、動画再生時の音量設定用画面など、表示部17に表示させる任意の種別の表示情報であってもよい。
【0073】
上述した実施形態においては、表示部17に表示させる表示情報として記憶部13に記憶されている表示情報としたが、これに限らず、情報配信装置4から配信される表示情報を受信しながら逐次表示したり(ストリーミング再生)、テレビ局5から送信される表示情報(テレビ番組)を受信しながら逐次表示したりするなど、表示部17に表示させる任意の表示情報であってもよい。
【0074】
上述した実施形態においては、3Dの表示情報は、その3D深度に応じた右目用の表示情報と左目用の表示情報を同時に表示して、それらが正しく3Dに見えるように3D深度に応じた視差バリアを表示部17の表層に生成して3D表示を行う方法を例示したが、例えば、表示情報の中のオブジェクトが3Dに見えるような視覚効果を施して3D表示を行う方法など、任意の3D表示方法であってもよい。
【0075】
上述した実施形態においては、決定した3D深度の実データが記憶されていない場合には、別の3D深度の実データを決定した3D深度の実データに変換するようにしたが、決定した3D深度の実データを情報配信装置4に要求して受信するようにしてもよい。
【0076】
上述した実施形態においては、表示照明部20の点灯状況で表示部17の明るさを検出するようにしたが、表示部17の付近に明るさセンサ(照度計)を設けて、実際の画面上での明るさを検出するなど、任意の検出方法であってもよい。
【0077】
また、図7のフローにおいて、表示情報表示操作が行われた際に(ステップA7でYES)、3D深度決定処理(ステップA9)と表示処理(ステップA10)を実行するようにしたが、例えば、電源オン操作が行われた際(ステップA17でYES)、設定操作が行われた際(ステップA4でYES)、着信を検出した際(ステップA14でYES)、その他の操作が行われた際にも(ステップA20でYES)、上述の3D深度決定処理と表示処理を行い、3D深度を決定して、そのときに表示されている表示情報の表示制御を行うようにしてもよい。
【0078】
その他、記憶部13はメモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置であってもよい。また、表示部17は、外部モニタなど、任意の外部表示装置であってもよい。また、端末装置は携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。更に、折り畳みタイプの端末装置に限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。
【0079】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 携帯電話機
2 無線通信網
4 情報配信装置
11 中央制御部
13 記憶部
14 無線通信部
17 表示部
18 3D変換処理部
19 視差バリア制御部
20 表示照明部
21 操作部
24 周囲の明るさ検出部
M1 プログラム記憶部
M2 各種情報一時記憶部
M3 条件記憶部
M4 制御内容記憶部
M5 表示情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、
周囲の明るさを検出する周囲検出手段と、
この周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて、前記表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する決定手段と、
この決定手段によって決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記表示部の明るさを検出する表示部検出手段を更に備え、
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさ及び前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて前記表示情報の3D深度を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、前記表示情報の3D深度として所定の3D深度よりも大きい3D深度に決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合に、前記表示情報の3D深度として所定の3D深度よりも大きい3D深度に決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて、前記表示情報の3D深度をゼロにするか否かを決定し、
前記表示制御手段は、前記決定手段によって3D深度をゼロにすると決定された場合に、3D深度ゼロで表示情報を前記表示部に2D表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも明るい場合には、前記表示情報の3D深度をゼロに決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合には、前記表示情報の3D深度をゼロに決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項8】
表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、
前記表示部の明るさを検出する表示部検出手段と、
この表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて、前記表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する決定手段と、
この決定手段によって決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項9】
周囲の明るさを検出する周囲検出手段と、
前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに応じた3D深度の制御を行うか否かを、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさに基づいて判別する手段と、
を更に備え、
前記決定手段は、前記判別手段によって制御を行うと判別された場合に、前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに基づいて、前記表示情報の3D深度を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の端末装置。
【請求項10】
前記判別手段は、前記周囲検出手段によって検出された周囲の明るさが所定の明るさよりも暗い場合に、前記表示部検出手段によって検出された表示部の明るさに応じた3D深度の制御を行うと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の端末装置。
【請求項11】
コンピュータに対して、
周囲の明るさを検出する機能と、
前記検出された周囲の明るさに基づいて、表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する機能と、
前記決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに対して、
表示部の明るさを検出する機能と、
前記検出された表示部の明るさに基づいて、この表示部に表示される表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度を決定する機能と、
前記決定された3D深度で表示情報を前記表示部に表示させる機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−278703(P2010−278703A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128500(P2009−128500)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】