端末装置及びプログラム
【課題】文字入力中に、誤操作によって終了キーが連続して操作された場合、既に入力されている文字や文章が誤って消失されてしまうことを防止できる端末装置を提供する。
【解決手段】文字入力モードにおいてテンキー11乃至22のキー操作で文字入力を行っている時に、「3」キーを連続操作して「さ」行の文字を入力させようとして誤って「3」キー13の近傍に設けられている終了キー30を連続操作してしまうと文字入力モードが終了してしまう。これを防止するため、終了キー30が連続操作された時、それまでに入力されている文字列を解析して終了してもよいか否かを判断し、その判断結果に応じて文字入力モードの終了或いは継続を行わせる様にした。
【解決手段】文字入力モードにおいてテンキー11乃至22のキー操作で文字入力を行っている時に、「3」キーを連続操作して「さ」行の文字を入力させようとして誤って「3」キー13の近傍に設けられている終了キー30を連続操作してしまうと文字入力モードが終了してしまう。これを防止するため、終了キー30が連続操作された時、それまでに入力されている文字列を解析して終了してもよいか否かを判断し、その判断結果に応じて文字入力モードの終了或いは継続を行わせる様にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤操作防止機能を備えた端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の小型の端末装置では、少数のキーで文字を入力するために、テンキーの連続押下による文字入力の技術が用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この技術によれば、電話番号などを入力するためのテンキーである「1」キー、「2」キー、「3」キー、…に50音の「あ行」、「か行」、「さ行」、…をそれぞれ割り当てている。そして、「かな」入力モードのとき、例えば「さ」を入力する場合は「3」キーを1回押下操作し、「し」を入力する場合には「3」キーを2回連続して押下操作し、「す」を入力する場合には「3」キーを3回連続押下操作した後、それぞれ決定キーで確定するようにしている。従って、「3」キーのみの連続押下操作で、例えば「さ行」の文字すべての入力を行うことができる(以降、この入力方式を「かなめくり」と称呼する)。
【0004】
またこの種の端末装置では、文字入力のためのテンキーに隣接して、文字入力を終了させるための終了キーが設けられている場合が多い。
【0005】
この終了キーは、一般に、文字入力中に1回終了キーを押下操作すると、現在実行している文字入力機能を終了する旨の確認メッセージを表示し、更に終了キーを押下すると入力中の文字を破棄して実行中の文字入力機能を終了するようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−274247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
然して、上述した「かなめくり」入力方式の場合、同じキーを連続して押下操作して文字を入力する場合が多いので、文字を入力しようとして誤って隣接する終了キーを連続して押下操作してしまうと、現在文字を入力している機能が終了し、それまで入力していた文字が全て消失してしまうという問題があった。このような誤操作は、文字を入力する場合のみならず、他の機能であっても、実行されている機能を終了キーの連続押下操作で終了する場合に発生するものであり、誤って終了させてしまった場合には、再度その機能を起動して、最初から操作を行わなければならず、極めて面倒なものであった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、誤操作によって終了キーが連続して操作された場合に、実行している機能が意図せず終了してしまうことを防止できる端末装置及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の端末装置は、実行されている機能を終了させる終了キーを含む複数の操作キーを備え、前記終了キーの操作により現在実行されている機能の終了の確認を報知し、続く前記終了キーの操作により前記機能を終了する端末装置であって、前記終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に応じて所定の処理を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記実行されている機能は文字入力を伴う機能であり、前記隣接する操作キーは連続して操作することで文字を入力する文字入力キーであり、前記判別手段は、前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3記載の端末装置において、前記文字入力を伴う機能はかな漢字変換による文字入力が可能であり、前記文字の入力状況の解析は、未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4記載の端末装置において、複数の単語を記憶するデータベースを更に備え、前記文字の入力状況の解析は、前記未変換の文字列に前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した文字列が、前記データベースに含まれるか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3記載の端末装置において、単語ごとに、前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースを更に備え、前記文字の入力状況の解析は、入力中の文字列を単語に分解し、分解した単語に前記データベースに関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、前記実行中の機能の終了を行わず、前記終了キーと前記隣接する操作キーの操作とを置き換えて該当する処理を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、コンピュータに、実行されている機能を終了させる終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別機能と、前記判別機能による判別結果に応じて所定の処理を行う制御機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、誤操作によって終了キーが連続して操作された場合に、実行している機能が意図せず終了してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の端末装置の一例として、携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1において、通信部1は、アンテナ2及び図示しない無線基地局を介して、発着信を制御して音声通話やデータ通信などを行う。操作部3は、詳細は後述するが、文字入力を兼用するテンキー及び通話やメール等各種アプリケーション機能の操作を開始するための機能キー、通話やアプリケーション機能を終了させるための終了キーなどからなり、電話番号や、各種文字、機能の動作指示などを入力する。
【0020】
表示部4は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等で構成され、電波強度や電池残量などの端末状態、メール文書、動画及び静止画などのアプリケーションに係るデータ、携帯電話の機能を利用するために必要な画面などを表示する。電話部5は、音声通話において、マイク6からの音声を取り込み、デジタル信号に変換して制御部9に供給する一方、相手電話の音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ7から出力する。
【0021】
記憶部8は、各種のプログラムやパラメータ及び後述する単語データベース31(図3)などを記憶するROM(図示せず)、制御部9の作業用エリアとして用いられるRAM(図示せず)を備えている。また、上記RAMには、文字入力機能に関連して終了キーの押下回数を記憶する押下回数カウンタ35(図4)が設けられており、機能終了表示フラグ36(図4)及び文字入力終了表示フラグ37(図4)を記憶するフラグ記憶領域も設けられている。なお、これら各種フラグとカウンタの詳細については後述する。
【0022】
制御部9は、上述した各部の動作を上記ROMに記憶されたプログラムに従って制御する。電源部10は、充電可能な二次電池からなり、上述した各部へ動作用の電力を供給する。
【0023】
図2は上記操作部3のキー配列を示す図である。テンキー11乃至22は「1」キー、「2」キー、「3」キー…「#」キーで構成される12個のキーからなり、これらの各キー11乃至22にはそれぞれ、50音の「あ行」、「か行」、「さ行」、…及び複数の英文字が図示の如く割り当てられており、かな、英文字を入力するのに用いることができる。
【0024】
「通話」キー23は通話を開始するためのキー、「メール」キー24、「アプリ」キー25、「電話帳」キー26、「Web」キー27はそれぞれメール機能、ダウンロード等で保存してあるアプリケーションプログラムの実行機能、電話帳機能、インターネットのWeb閲覧機能の操作を開始するための機能キーである。
【0025】
十字キー28は上下左右とセンターの5つのスイッチング接点を有し、上下左右のスイッチング接点は、カーソルの移動、表示部4に表示されたリストからの項目の選択や文字入力時のカーソル送りに用いられ、センターのスイッチング接点は入力の確定等に用いられる。クリアキー29は、表示部に表示された画面を前画面に戻すときや、入力文字の削除などに用いられるキーである。
【0026】
終了キー30は電源オフ時には電源投入キーとして用いられ、また、通話の切断や上述した各種の機能を終了するときに用いられるキーである。尚、図2に示すように、終了キー30は「3」キー13の上方に隣接して配置されている。
【0027】
図3は記憶部8に記憶されている単語データベース31の概略を示す図である。この単語データベース31の読み記憶領域32には、「あ」から「ん」までのかな情報、複数のかなで構成される和単語の読み情報、「a」から「z」までの英文字情報及び英単語情報が記憶されている。また、漢字記憶領域33には読み記憶領域32のかな文字列に対応する漢字(和単語)情報が記憶されている。そして、入力されたかな文字列を漢字変換する場合には、入力されたかな文字列と同一のかな文字列が読み記憶領域32に存在するか否かを検索し、存在した場合には対応する漢字を漢字記憶領域33から読み出して変換漢字文字とするものである。また、読み記憶領域32、漢字記憶領域33に対応して「さ行」との関連を示す、さ行関連フラグ34を記憶する領域が設けられている。このさ行関連フラグ34は、後述するように、終了キー30の操作に誤操作の可能性があるかどうかを判別するために用いられる。
【0028】
図4は、記憶部8に備えられている押下回数カウンタ35、機能終了表示フラグ36及び文字入力終了表示フラグ37とその内容を示す図である。押下回数カウンタ35は、終了キー30の連続押下回数をカウントして記憶するものであり、本実施例では「0」、「1」、「2」のいずれかの値をとる。電源投入時の初期状態は「0」である。詳細については後述するが、文字入力中など何らかの未保存のデータがある可能性があるときに終了キー30が1回押されると押下回数カウンタ35は「1」になる。上記の状態で更に終了キー30が1回押された場合、即ち終了キー30が連続して2回押された場合、押下回数カウンタ35は「2」になる。
【0029】
機能終了表示フラグ36は、メール機能、Web閲覧機能や電話帳機能等の各機能内の各状態毎に設けられた複数のフラグであり、機能終了表示フラグ36に「0」が記憶されている場合には、機能が実行されている状態で終了キー30が1回操作されると、そのまま機能を終了し、「1」が記憶されている場合には終了キー30が1回操作されると、その機能を終了するか否かの確認表示を行わせるものである。尚、これら各機能内状態毎に設けられた機能終了表示フラグ36は「0」もしくは「1」であることが予め定められており、変更することはできないものとなっている。例えば、メール内容やアドレス帳を単に閲覧しているのみであれば、終了キー30の操作で、そのまま終了しても問題ないので、メール機能のメール内容閲覧状態や電話帳機能のアドレス帳閲覧状態に対応する機能終了表示フラグ36は「0」に設定されている。また、文字の入力機能が実行されている状態では、終了キー30の操作が行われたとき、ユーザに対して、実行している機能を終了してもよいかどうかを確認する必要があるため、機能終了表示フラグ36は「1」に設定されている。
【0030】
文字入力終了表示フラグ37は、文字入力中において終了キーが連続して操作され、後述する機能終了確認表示が行われている状態で更に終了キーが操作された場合に、誤操作の可能性があるかどうかを判別して「0」もしくは「1」がセットされるフラグである。この場合、誤操作の可能性がないと判別したときは文字入力終了表示フラグ37は「0」にセットされ、そのまま機能を終了する。誤操作の可能性があると判別したときは、文字入力終了表示フラグ37には「1」がセットされ、ユーザに対して、実行している機能を本当に終了してもよいかどうかを確認するために、後述する如く再度、文字入力終了確認表示を行う。
【0031】
上記の如く構成された携帯電話機の動作について、図5乃至図7並びに図10のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図5において、携帯電話機の電源がオフ状態のとき終了キー30が操作されると電源がオン状態となり、まず各部の初期設定がおこなわれ(ステップS1)、その後待ち受け状態になる(ステップS2)。次に電話着信があるかどうかを判別し(ステップS3)、着信があったとき(ステップS3でYES)は音、振動などでユーザに着信を報知するとともにオフフック操作が行われるまで待機する(ステップS4)。一定時間経過してもオフフック操作が為されなかった場合(ステップS4でNO)には待ち受け状態に戻るが、オフフック操作が行われた場合は(ステップS4でYES)、通話処理を行う(ステップS5)。この通話処理は次のステップS6でユーザによってオンフック操作が行われたことが検出されるまで継続するが(ステップS6でNO)、オンフック操作が行われたことが検出されると(ステップS6でYES)、通話の切断処理(ステップS7)を行い待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0033】
上記ステップS3で電話着信がないと判別された場合は(ステップS3でNO)、「1」キー11が押されたかどうかを判別する(ステップS8)。「1」キー11が押されていないと判別したときは(ステップS8でNO)、図6のステップS9に進み、「2」キー12が押されたかどうかを判別する。「2」キー12が押されていないと判別したときは(ステップS9でNO)、「3」キー13が押されたかどうかを判別する(ステップS10)。「3」キー13が押されていないと判別したときは(ステップS10でNO)、図7のステップS11に進み、終了キー30が押されたかどうかを判別する。終了キー30が押されていないと判別したときは(ステップS11でNO)、その他のキー操作が行われたかどうかを判別する(ステップS12)。その他のキー操作が行われていないと判別したときは(ステップS12でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0034】
上記その他のキー操作が行われたと判別したときは(ステップS12でYES)、操作に応じた処理を実行し(ステップS13)、機能の終了が行われたかどうかを判別する(ステップS14)。機能の終了が行われていない場合には(ステップS14でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS14でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0035】
尚、上記ステップS12のその他のキー操作の判別は、上述した「1」キー11乃至「3」キー13及び終了キー30以外のキー操作の有無の判別であり、例えば、各機能キー23乃至27のいずれかが操作されたことが判別されると、次のステップS13でその機能の動作を開始させる。また、メール機能や電話帳機能等が動作開始された後、メール文や電話帳データ(名前、住所、電話番号等)を入力、設定するために文字入力機能(文字入力モード)を起動させるキー操作も、上記ステップS12で判別されるものである。更に、文字入力モードにおいて、テンキー11乃至22で入力される文字種を数字、かな或いは英文字に切り替えて選択するキー操作の処理も上記ステップS12、及びS13で行われる。更に、ステップS14の機能終了の判別は、例えば各機能の表示状態において、表示部4の端部に「終了」の文字が表示されるので、カーソルをこの「終了」の文字に合わせて十字キー28のセンターのキー操作を行わせることにより実行されるものである。
【0036】
然して図5のステップS8に戻り、「1」キー11が押されたと判別したときは(ステップS8でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS15)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS15でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS16)。
【0037】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS16でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「1」キー11の操作は、そのときの状態に従って処理される(ステップS17)。例えば、その時の状態が文字入力モードであり、且つ入力される文字種として数字が選択されていた場合には、カーソル(図示せず)で指定されている桁に数字「1」が入力され、かなが選択されている場合には「1」キー11の1回目の操作で「あ」、2回目の操作で「い」、3回目の操作で「う」がそれぞれカーソルで指定されている桁に切り替え表示される。
【0038】
ステップS17の後は、機能の操作が行われたかどうかを判別し(ステップS18)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS18でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS18でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0039】
図6のステップS9において、「2」キー12が押されたと判別したときは(ステップS9でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS19)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS19でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS20)。
【0040】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS20でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「2」キー12の操作は、そのときの状態に従って処理される(ステップS21)。処理される内容は「1」キー11の場合と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0041】
ステップS21の後は、機能の終了が行われたかどうかを判別し(ステップS22)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS22でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS22でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0042】
ステップS10において、「3」キー13が押されたと判別したときは(ステップS10でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS23)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS23でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS24)。
【0043】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS24でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「3」キー13の操作は、そのときの状態に従って処理をされる(ステップS25)。更に、機能の終了が行われたかどうかを判別し(ステップS26)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS26でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS26でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0044】
図7のステップS11において、終了キー30が押されたと判別したときは(ステップS11でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS27)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS27でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS28)。
【0045】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS28でNO)、押下回数カウンタ35は「0」であり、現在実行中の機能の状態で終了キーが初めて押されたときに該当するため、図4に示した、現在実行中の機能の状態に対応して設定されている機能終了表示フラグ36が「1」であるか否かを判別する(ステップS29)。
【0046】
機能終了表示フラグ36が「1」でないときは(ステップS29でNO)、実行中の機能を終了し、且つ押下回数カウンタ35をクリアして(ステップS30)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0047】
一方、文字入力モード時などのように機能終了表示フラグ36が「1」に設定されているときは(ステップS29でYES)、機能終了確認表示を行い(ステップS31)、押下回数カウンタ35に1をセットして(ステップS32)、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0048】
図8は機能終了表示フラグ36が「1」の状態で終了キー30が1回操作されたとき、表示部4に表示される確認メッセージ(機能終了確認表示)の例である。この表示が行われた後、ユーザは「1」キー11を操作することによってそのまま実行中の機能を終了するか、「2」キー12を操作することによって表示をキャンセルして実行中の機能を継続するか(終了しない)、「3」キー13を操作することによって未保存のデータを保存して終了するかを選択することができる。以下、この点につき説明する。
【0049】
図5のステップS15において、「1」キー11押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS15でYES)、図8の機能終了確認表示中に「終了する」が選択されたものと判断し、実行中の機能、例えば文字入力機能を終了する(ステップS33)。その後、押下回数カウンタ35をリセット(0をセット)して(ステップS34)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0050】
また、図6のステップS19において、「2」キー12押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS19でYES)、図8の機能終了確認表示中に「終了しない」が選択されたものと判断し、上記の機能終了確認表示を消去して表示前の状態に戻す(ステップS35)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0051】
ステップS23において、「3」キー13押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS23でYES)、図8の機能終了確認表示中に「保存する」が選択されたものと判断し、入力中の文字や未保存のデータを保存して実行中の機能を終了する(ステップS37)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS38)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。このように、終了キー30が1回操作され、図8の機能終了確認表示がなされているときは、「1」キー11、「3」キー13の操作で各々対応する処理を行って実行中の機能を終了するものである。
【0052】
図7のステップS27に戻り、終了キー30押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS27でYES)、図8の機能終了確認表示中に、更に終了キー30が押されたこと、即ち、終了キー30が続けて2回押下されたことを意味する。このときには、文字入力状態であるかどうかを判別する(ステップS39)。
【0053】
文字入力状態ではないと判別されたときは(S39でNO)、文字入力状態以外の状態で、図8の機能終了確認表示が行われ、終了キー30が操作された場合であり、この場合はユーザが「1」キー11乃至「3」キー13による終了でなく、終了キー30による終了操作を行ったものとしてステップS30に進み、実行中の機能を終了し、且つ押下回数カウンタをクリアする。
【0054】
文字入力状態であると判別されたときは(S39でYES)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるかどうかを判別するため、文字入力状態解析処理(ステップS40)を行う。文字入力状態解析処理の詳細については後述するが、この文字入力状態解析処理は、終了キーが連続して押されたとき、誤操作の可能性があると判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、誤操作の可能性がないと判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットする処理を行うものである。
【0055】
然して、文字入力状態解析処理(ステップS40)の後は、文字入力終了表示フラグ37が1でないときは(ステップS41でNO)、実行中の機能を終了し(ステップS30)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0056】
文字入力終了表示フラグ37が1のときは(ステップS41でYES)、文字入力終了確認表示を行い、誤操作の可能性がある旨をユーザに通知する(ステップS42)と共に、押下回数カウンタ35に2をセットして(ステップS43)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0057】
図9は文字入力終了表示フラグ37が1のとき、表示部4に表示される確認メッセージ(文字入力終了確認表示)の例である。この表示が行われた後、ユーザは「1」キー11を操作することによってそのまま実行中の機能を終了するか、「2」キー12を操作することによって表示をキャンセルして実行中の機能を継続するか(終了しない)、「3」キー13を操作することによって未保存のデータを保存して終了するかを選択することができる。以下、この点につき説明する。
【0058】
即ち、図5のステップS16において、「1」キー11押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS16でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「終了する」が選択されたものと判断し、入力中の文字を破棄して文字入力を終了すると共に、実行中の機能、例えばメール機能を終了する(ステップS44)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS34)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0059】
また、図6のステップS20において、「2」キー12押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS20でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「終了しない」が選択されたものと判断できる。即ち、文字入力中に終了キー30が連続して2回押下され、隣接する「3」キー13の連続押下の誤操作である可能性があると判別され(後述)、且つ、ユーザがその旨の通知を確認し、終了しないことを選択した場合である。
【0060】
このとき、更に文字入力中の文字種モードが「かな」であるかどうかを判別する(ステップS45)。文字種モードが「かな」の場合には(ステップS45でYES)、「3」キー13を2回連続押下、即ち「さ行」の「し」乃至「そ」のいずれかを入力するつもりで、終了キー30を誤操作したものと想定されるので、表示中の文字入力終了確認表示(図9)を消去すると共に、入力中の文字列の最後尾に、「3」キー13を2回連続押下した文字に該当する「し」を追加する(ステップS46)。換言すると、終了キー30を2回押下したものを、「3」キー13が2回押下されたものとして、置き換えて処理したことになる。
【0061】
その後、押下回数カウンタをリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0062】
文字種モードが「かな」でないと判別した場合には(ステップS45でNO)、英文字モードで「3」キー13を2回連続押下、即ち「3」キー13で入力できる「def」の「e」または「f」を入力するつもりで、終了キー30を誤操作したものと想定されるので、表示中の文字入力終了確認表示(図9)を消去すると共に、入力中の文字列の最後尾に、「3」キー13を2回連続押下した文字に該当する「e」を追加する(ステップS47)。その後、押下回数カウンタをリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0063】
なお、文字種モードには更に、例えば「3」キー13によって数字「3」を入力する数字モードがあるが、数字モードで「3」キー13を押下すると単に数字「3」を入力できるのみである。そのため、後述するように、数字モードでは、終了キー30の連続押下による誤操作の可能性があると判別されることはなく、文字入力終了表示フラグ37が1になることはない。従って、文字種モードが数字モードのときには押下回数カウンタが2になることはなく、このフロー(ステップS45)は通らない。
【0064】
ステップS24において、「3」キー13押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS24でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「保存する」が選択されたものと判断し、入力中の文字や未保存のデータを保存して実行中の機能、例えばメール機能を終了する(ステップS48)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS38)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0065】
図7のステップS28において、終了キー30押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS28でYES)、図9に示す文字入力終了確認表示を通知中であり、「1」キー11乃至「3」キー13でのユーザの指示操作を待つため、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0066】
次に図10のフローチャート及び図11に示す文字入力状態解析の具体例の説明図を用いて、文字入力状態解析処理(図7のステップS40)について詳細に説明する。
【0067】
図10に示す文字入力状態解析処理は、携帯電話機が文字入力状態にあるとき、終了キー30の連続押下が、隣接する「3」キー13の誤操作である可能性があるかどうかを判別して、図4の、ユーザに文字入力の終了可否を通知するかどうかを識別するための文字入力終了表示フラグ37をセット又はリセットすることである。即ち、誤操作の可能性があると判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、誤操作の可能性がないと判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットするものである。
【0068】
図10において、まず、既に入力されている文字列があるかどうかを判別する(ステップA1)。入力文字列がないと判別したときには(ステップA1でNO)、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。これらの処理は図11の解析例の51の事例に該当するもので、即ち、入力文字列がない場合というのは、確定した文字列も未変換の文字列もまだ存在せず、且つ、テンキー11乃至22による文字入力もなされていないため、入力文字がないという場合であって、この場合には、文字入力終了表示フラグ37には「0」がセットされる。これにより、図7のステップS41では文字入力終了表示フラグ37が「1」ではないことが判別(NO)され、実行中の文字入力機能は終了される(ステップS30)。
【0069】
図10に戻り、既に入力された文字列があると判別したときは(ステップA1でYES)、未変換の入力文字列があるかどうかを判別する(ステップA3)。未変換の入力文字列があると判別したときは(ステップA3でYES)、文字種モードが、かなであるかどうかを判別する(ステップA4)。
【0070】
文字種モードがかなであると判別したときは(ステップA4でYES)、未変換の入力文字列に、「3」キー13を連続して2回以上押下することで入力され得る「さ行」の「し」乃至「そ」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、図3の単語データベース31にあるかどうかを検索して(ステップA5)、検索結果を判別する(ステップA6)。
【0071】
検索した結果、該当する単語が単語データベース31にあると判別したときには(ステップA6でYES)、誤操作の可能性が大きいと想定されるので、文字入力終了表示フラグ37に1をセットして(ステップA7)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0072】
図11では、事例52、53が上記のケースに該当する。事例52では、「あ」という未変換文字列があり、「あ」に「3」キー13を連続して2回押下して得られる「し」を加えて変換される単語、即ち「あし」(足)が存在することがわかる。また、事例53では、「し」という未変換文字列があり、「し」に「3」キー13を連続して2回押下して得られる「し」を加えて変換される単語「しし」(獅子)が存在することがわかる。従って、これらの事例では誤操作の可能性ありと判別して、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットする。
【0073】
また、例えば事例52では、ユーザは「あ」のあとに「3」キー21−3を3回押して「す」を入力し、「明日」に変換しようとしたのかも知れない。或いは、「し」「た」と続けて入力して、「あした」にしようとしていたのかも知れない。そのような場合にも、この検索は有効に機能する。即ち、未変換の入力済み文字列に「さ行」の「し」乃至「そ」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、ひとつでも単語データベース31にあれば、誤操作の可能性が大きいと判別して、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、図7のステップS42で文字入力終了確認表示を行わせることにより、ユーザに誤操作の可能性があることを通知するようにしている。
【0074】
図10に戻り、検索した結果、該当する単語が単語データベース31にないと判別したときは(ステップA6でNO)、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。これにより、図7のステップS41ではNOとなるので、実行中の文字入力機能は終了される(ステップS30)。
【0075】
この事例は、図11では、事例54、55が該当する。即ち、事例54では、「あした」が既に入力されていて、「し」乃至「そ」を加えてできる単語が見つからない場合に相当し、事例55では「しんかんせん」が既に入力されていて、更に「し」乃至「そ」を加えてできる単語が見つからない場合に相当する。従って、これらの事例では誤操作の可能性はないと判別される。
【0076】
ステップA4に戻り、文字種モードが、かなではないと判別したときは(ステップA4でNO)、文字種モードが英文字であるかどうかを判別する(ステップA8)。
【0077】
文字種モードが英文字であると判別したときは(ステップA8でYES)、未変換の入力文字列に、「3」キー13を連続して2回以上押下することで入力され得る「e」、「f」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、単語データベース31にあるかどうかを検索して(ステップA9)、検索結果を判別する(ステップA6)。以降の処理は、文字種モードが、かなのときと同様である。
【0078】
図11の事例56では、入力済みの未変換文字列(図示例では未確定文字列)が、「a」のときには、「e」または「f」を加えてできる単語には「aero」、「affect」等の単語があるので、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットする。また、事例57では、入力済みの未変換文字列が「award」のとき、「e」または「f」を加えてできる単語が見つからないので、文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットする。
【0079】
文字種モードが英文字ではないと判別したときは(ステップA8でNO)、数字モードである。数字モードでは「3」キー13押下で入力できるのは単に数字「3」のみであり、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるとは判別しないようにしている。従って、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0080】
ステップA3に戻り、未変換の入力文字列がないと判別したときは(ステップA3でNO)、既に入力して確定している文字列を形態素分析して単語に分解し(ステップA10)、現在の文字入力位置(例えばカーソル位置)より前で最後尾の名詞を抽出する(ステップA11)。図11の事例58、59では、それぞれ「明日の出張」、「明日の出張は」という確定文字列から「出張」という名詞が抽出される。また、事例60、61では、それぞれ「うどん」、「うどんと」という確定文字列から「うどん」という名詞が抽出される。なお、形態素分析には一般に用いられている技術を用いることができ、上記の目的にかなうものであれば、どのような解析エンジン、或いはどのような手法を用いてもよい。
【0081】
続いて、抽出した単語(名詞)が単語データベース31にあるかどうかを検索する(ステップA12)。抽出した単語が単語データベース31に見つからなかったとき、或いは単語を抽出できなかったときは(ステップA12でNO)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性はないものとみなして、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0082】
抽出した単語が単語データベース31に見つかったときは(ステップA12でYES)、その単語に対応付けられたさ行関連フラグ34が「1」であるか否かを判別する(ステップA13)。
【0083】
さ行関連フラグ34の目的は、ユーザによる単語の入力がいったん確定しており、その後新しい単語を入力しようとしたとき、「3」キー13を連続押下したつもりで、隣接する終了キー30を誤って連続押下した可能性を検出することである。そのため、本実施例では単語データベース31に含まれる単語の次に来る可能性のある関連単語に「さ行」で始まるものがあるかどうかを、単語ごとにフラグ(さ行関連フラグ34)を対応付けて記憶し、識別するようにしている。
【0084】
なお、本実施例では、名詞にのみ、さ行関連フラグ34を対応付けて、予め単語データベース31に記憶させている。図11の事例58、59では、「出張」のさ行関連フラグ34は0である。事例60、61では、「うどん」には「そば」という「さ行」で始まる関連単語があるので、さ行関連フラグ34は「1」である。
【0085】
抽出した単語のさ行関連フラグ34が「1」のときは(ステップA13でYES)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるものとみなして、文字入力終了表示フラグ37に1をセットして(ステップA7)、文字入力状態解析処理を終了する。図11では事例60、61が該当する。
【0086】
抽出した単語のさ行関連フラグ34が0のときは(ステップA13でNO)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性はないと想定されるので、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。図11では事例58、59が該当する。
【0087】
以上のように、本実施例によれば、終了キー30が連続して操作された場合に、終了キー30と隣接する「3」キー13の誤操作の可能性があるか否かを判別し、判別結果に応じて、一意に現在実行している機能が終了されてしまうことを防止することが可能である。
【0088】
また、終了キーと隣接するキーの誤操作の可能性があると判別される場合には、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことで、現在実行中の機能の終了を即座に行わず、ユーザに誤操作である可能性があることを気付かせることができる。
【0089】
更に、実行されている機能が文字入力を伴う機能であって、終了キーと隣接するキーを連続して操作することで文字が入力される場合、誤操作であるか否かの判別を前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別するようにしたことで、誤って終了キーを連続操作して機能が終了してしまい入力中の文字が消失することを防止できる。
【0090】
また、文字の入力状況の解析をかな漢字変換による未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことで、ユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かの推測が可能である。
【0091】
例えば、文字の入力状況の解析を、前記未変換の文字列に前記隣接する文字キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した場合の文字列が、複数の単語が記憶され、記憶されているか否かで有意な単語であるか否かを判別するために使用するデータベースに含まれているか否かで判別することより行うことで、より精度を高めてユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かを推測できる。
【0092】
また、文字の入力状況の解析を、入力中の変換済み文字列を単語に分解し、分解した単語に、単語ごとに前記隣接する文字キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースに基づいて、関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことで、未変換文字がない場合でもユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かの推測が可能である。
【0093】
更に、終了キーと隣接するキーの誤操作の可能性があると判別される場合には、実行中の機能の終了を行わず、本来操作しようとしたと推測される隣接するキーの操作と置き換えて該当する処理を実行させるようにしたことで、不用意に現在実行している機能を終了しないだけでなく、本来意図したであろう操作による処理を行うことが可能である。
【0094】
尚、上記実施例で示した誤操作の判別に用いる単語データベース31に含まれる単語は、単語数を減らして、よく使われるものに限定することが可能であり、また、単語データベース31内の単語をメール用、電話帳用などのアプリケーション用途毎に分類したり、その他文字入力シーン別のカテゴリーに分類して上記の目的で利用することも可能である。
【0095】
また、上記実施例の内容を部分的に実施することも可能である。例えば、本実施例では単語データベース31内の単語にさ行関連フラグを対応付けて記憶し、未変換の入力文字列がない場合にも終了キーによる誤操作を推測可能としたが、さ行関連フラグを設けないで未変換入力文字列がある場合にのみ誤操作を判別するようにしても有用な効果が期待できる。
【0096】
更に、上記実施例では、終了キーに隣接するキーを「さ行」或いは「def」キーとして説明したが、それに限らず、終了キーに隣接するキーが、例えば「た行」或いは「ghi」であってもよいし、その他のかなめくりで文字を入力するキーが終了キーに隣接する場合にも適用可能であることはもちろんである。
【0097】
更にまた、上記実施例では、単語データベース31の単語のうち、名詞にさ行関連フラグを付与したが、この方法は任意である。例えば、使用頻度の高い単語に限定して、名詞に限らず関連付けフラグを付与することも可能である。
【0098】
また、上記実施例では、誤操作の可能性があると判別した場合のユーザへの通知を、通知文と「1」乃至「3」キーで処理を選択する旨の表示で行ったが、この方法も任意である。例えば、音、振動、表示の色分け等を用いて通知することもできるし、「1」乃至「3」キー押下とは異なる方法でユーザがその処理を選択するようにすることも可能である。
【0099】
更に、上記実施例では、文字入力時の終了キーの連続操作の例について説明したが、文字入力時ではなく、現在行われている機能を終了キーの連続操作で終了させる場合においても本発明を適用することが可能である。
【0100】
更にまた、上記実施例では、携帯電話機での実施例について述べたが、本発明は、終了キーの連続操作で機能を終了させる様に構成されている端末であればどのような機器であっても適用可能であり、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレーヤなどにも採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態による携帯電話機の構成を示すブロック図。
【図2】図1の操作部3のキー配列図。
【図3】図1の記憶部8に備える単語データベースの構成を示す図。
【図4】図1の記憶部8に備えるフラグ、カウンタの説明図
【図5】本発明の実施形態による携帯電話機の全体動作を示すフローチャート図。
【図6】図5の続きを示すフローチャート図。
【図7】図6の続きを示すフローチャート図。
【図8】表示部4に表示される機能終了確認表示の例図。
【図9】表示部4に表示される文字入力終了確認表示の例図。
【図10】図7のステップS40の詳細なフローチャート図。
【図11】終了キーが操作された際の、文字入力状態の解析内容を説明する図。
【符号の説明】
【0102】
3 操作部
4 表示部
8 記憶部
9 制御部
11 「1」キー
12 「2」キー
13 「3」キー
28 十字キー
30 終了キー
31 単語データベース
35 押下回数カウンタ
36 機能終了表示フラグ
37 文字入力終了フラグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤操作防止機能を備えた端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の小型の端末装置では、少数のキーで文字を入力するために、テンキーの連続押下による文字入力の技術が用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この技術によれば、電話番号などを入力するためのテンキーである「1」キー、「2」キー、「3」キー、…に50音の「あ行」、「か行」、「さ行」、…をそれぞれ割り当てている。そして、「かな」入力モードのとき、例えば「さ」を入力する場合は「3」キーを1回押下操作し、「し」を入力する場合には「3」キーを2回連続して押下操作し、「す」を入力する場合には「3」キーを3回連続押下操作した後、それぞれ決定キーで確定するようにしている。従って、「3」キーのみの連続押下操作で、例えば「さ行」の文字すべての入力を行うことができる(以降、この入力方式を「かなめくり」と称呼する)。
【0004】
またこの種の端末装置では、文字入力のためのテンキーに隣接して、文字入力を終了させるための終了キーが設けられている場合が多い。
【0005】
この終了キーは、一般に、文字入力中に1回終了キーを押下操作すると、現在実行している文字入力機能を終了する旨の確認メッセージを表示し、更に終了キーを押下すると入力中の文字を破棄して実行中の文字入力機能を終了するようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−274247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
然して、上述した「かなめくり」入力方式の場合、同じキーを連続して押下操作して文字を入力する場合が多いので、文字を入力しようとして誤って隣接する終了キーを連続して押下操作してしまうと、現在文字を入力している機能が終了し、それまで入力していた文字が全て消失してしまうという問題があった。このような誤操作は、文字を入力する場合のみならず、他の機能であっても、実行されている機能を終了キーの連続押下操作で終了する場合に発生するものであり、誤って終了させてしまった場合には、再度その機能を起動して、最初から操作を行わなければならず、極めて面倒なものであった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、誤操作によって終了キーが連続して操作された場合に、実行している機能が意図せず終了してしまうことを防止できる端末装置及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の端末装置は、実行されている機能を終了させる終了キーを含む複数の操作キーを備え、前記終了キーの操作により現在実行されている機能の終了の確認を報知し、続く前記終了キーの操作により前記機能を終了する端末装置であって、前記終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に応じて所定の処理を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記実行されている機能は文字入力を伴う機能であり、前記隣接する操作キーは連続して操作することで文字を入力する文字入力キーであり、前記判別手段は、前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3記載の端末装置において、前記文字入力を伴う機能はかな漢字変換による文字入力が可能であり、前記文字の入力状況の解析は、未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4記載の端末装置において、複数の単語を記憶するデータベースを更に備え、前記文字の入力状況の解析は、前記未変換の文字列に前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した文字列が、前記データベースに含まれるか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項3記載の端末装置において、単語ごとに、前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースを更に備え、前記文字の入力状況の解析は、入力中の文字列を単語に分解し、分解した単語に前記データベースに関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1記載の端末装置において、前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、前記実行中の機能の終了を行わず、前記終了キーと前記隣接する操作キーの操作とを置き換えて該当する処理を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、コンピュータに、実行されている機能を終了させる終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別機能と、前記判別機能による判別結果に応じて所定の処理を行う制御機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、誤操作によって終了キーが連続して操作された場合に、実行している機能が意図せず終了してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の端末装置の一例として、携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1において、通信部1は、アンテナ2及び図示しない無線基地局を介して、発着信を制御して音声通話やデータ通信などを行う。操作部3は、詳細は後述するが、文字入力を兼用するテンキー及び通話やメール等各種アプリケーション機能の操作を開始するための機能キー、通話やアプリケーション機能を終了させるための終了キーなどからなり、電話番号や、各種文字、機能の動作指示などを入力する。
【0020】
表示部4は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等で構成され、電波強度や電池残量などの端末状態、メール文書、動画及び静止画などのアプリケーションに係るデータ、携帯電話の機能を利用するために必要な画面などを表示する。電話部5は、音声通話において、マイク6からの音声を取り込み、デジタル信号に変換して制御部9に供給する一方、相手電話の音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ7から出力する。
【0021】
記憶部8は、各種のプログラムやパラメータ及び後述する単語データベース31(図3)などを記憶するROM(図示せず)、制御部9の作業用エリアとして用いられるRAM(図示せず)を備えている。また、上記RAMには、文字入力機能に関連して終了キーの押下回数を記憶する押下回数カウンタ35(図4)が設けられており、機能終了表示フラグ36(図4)及び文字入力終了表示フラグ37(図4)を記憶するフラグ記憶領域も設けられている。なお、これら各種フラグとカウンタの詳細については後述する。
【0022】
制御部9は、上述した各部の動作を上記ROMに記憶されたプログラムに従って制御する。電源部10は、充電可能な二次電池からなり、上述した各部へ動作用の電力を供給する。
【0023】
図2は上記操作部3のキー配列を示す図である。テンキー11乃至22は「1」キー、「2」キー、「3」キー…「#」キーで構成される12個のキーからなり、これらの各キー11乃至22にはそれぞれ、50音の「あ行」、「か行」、「さ行」、…及び複数の英文字が図示の如く割り当てられており、かな、英文字を入力するのに用いることができる。
【0024】
「通話」キー23は通話を開始するためのキー、「メール」キー24、「アプリ」キー25、「電話帳」キー26、「Web」キー27はそれぞれメール機能、ダウンロード等で保存してあるアプリケーションプログラムの実行機能、電話帳機能、インターネットのWeb閲覧機能の操作を開始するための機能キーである。
【0025】
十字キー28は上下左右とセンターの5つのスイッチング接点を有し、上下左右のスイッチング接点は、カーソルの移動、表示部4に表示されたリストからの項目の選択や文字入力時のカーソル送りに用いられ、センターのスイッチング接点は入力の確定等に用いられる。クリアキー29は、表示部に表示された画面を前画面に戻すときや、入力文字の削除などに用いられるキーである。
【0026】
終了キー30は電源オフ時には電源投入キーとして用いられ、また、通話の切断や上述した各種の機能を終了するときに用いられるキーである。尚、図2に示すように、終了キー30は「3」キー13の上方に隣接して配置されている。
【0027】
図3は記憶部8に記憶されている単語データベース31の概略を示す図である。この単語データベース31の読み記憶領域32には、「あ」から「ん」までのかな情報、複数のかなで構成される和単語の読み情報、「a」から「z」までの英文字情報及び英単語情報が記憶されている。また、漢字記憶領域33には読み記憶領域32のかな文字列に対応する漢字(和単語)情報が記憶されている。そして、入力されたかな文字列を漢字変換する場合には、入力されたかな文字列と同一のかな文字列が読み記憶領域32に存在するか否かを検索し、存在した場合には対応する漢字を漢字記憶領域33から読み出して変換漢字文字とするものである。また、読み記憶領域32、漢字記憶領域33に対応して「さ行」との関連を示す、さ行関連フラグ34を記憶する領域が設けられている。このさ行関連フラグ34は、後述するように、終了キー30の操作に誤操作の可能性があるかどうかを判別するために用いられる。
【0028】
図4は、記憶部8に備えられている押下回数カウンタ35、機能終了表示フラグ36及び文字入力終了表示フラグ37とその内容を示す図である。押下回数カウンタ35は、終了キー30の連続押下回数をカウントして記憶するものであり、本実施例では「0」、「1」、「2」のいずれかの値をとる。電源投入時の初期状態は「0」である。詳細については後述するが、文字入力中など何らかの未保存のデータがある可能性があるときに終了キー30が1回押されると押下回数カウンタ35は「1」になる。上記の状態で更に終了キー30が1回押された場合、即ち終了キー30が連続して2回押された場合、押下回数カウンタ35は「2」になる。
【0029】
機能終了表示フラグ36は、メール機能、Web閲覧機能や電話帳機能等の各機能内の各状態毎に設けられた複数のフラグであり、機能終了表示フラグ36に「0」が記憶されている場合には、機能が実行されている状態で終了キー30が1回操作されると、そのまま機能を終了し、「1」が記憶されている場合には終了キー30が1回操作されると、その機能を終了するか否かの確認表示を行わせるものである。尚、これら各機能内状態毎に設けられた機能終了表示フラグ36は「0」もしくは「1」であることが予め定められており、変更することはできないものとなっている。例えば、メール内容やアドレス帳を単に閲覧しているのみであれば、終了キー30の操作で、そのまま終了しても問題ないので、メール機能のメール内容閲覧状態や電話帳機能のアドレス帳閲覧状態に対応する機能終了表示フラグ36は「0」に設定されている。また、文字の入力機能が実行されている状態では、終了キー30の操作が行われたとき、ユーザに対して、実行している機能を終了してもよいかどうかを確認する必要があるため、機能終了表示フラグ36は「1」に設定されている。
【0030】
文字入力終了表示フラグ37は、文字入力中において終了キーが連続して操作され、後述する機能終了確認表示が行われている状態で更に終了キーが操作された場合に、誤操作の可能性があるかどうかを判別して「0」もしくは「1」がセットされるフラグである。この場合、誤操作の可能性がないと判別したときは文字入力終了表示フラグ37は「0」にセットされ、そのまま機能を終了する。誤操作の可能性があると判別したときは、文字入力終了表示フラグ37には「1」がセットされ、ユーザに対して、実行している機能を本当に終了してもよいかどうかを確認するために、後述する如く再度、文字入力終了確認表示を行う。
【0031】
上記の如く構成された携帯電話機の動作について、図5乃至図7並びに図10のフローチャートを用いて説明する。
【0032】
図5において、携帯電話機の電源がオフ状態のとき終了キー30が操作されると電源がオン状態となり、まず各部の初期設定がおこなわれ(ステップS1)、その後待ち受け状態になる(ステップS2)。次に電話着信があるかどうかを判別し(ステップS3)、着信があったとき(ステップS3でYES)は音、振動などでユーザに着信を報知するとともにオフフック操作が行われるまで待機する(ステップS4)。一定時間経過してもオフフック操作が為されなかった場合(ステップS4でNO)には待ち受け状態に戻るが、オフフック操作が行われた場合は(ステップS4でYES)、通話処理を行う(ステップS5)。この通話処理は次のステップS6でユーザによってオンフック操作が行われたことが検出されるまで継続するが(ステップS6でNO)、オンフック操作が行われたことが検出されると(ステップS6でYES)、通話の切断処理(ステップS7)を行い待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0033】
上記ステップS3で電話着信がないと判別された場合は(ステップS3でNO)、「1」キー11が押されたかどうかを判別する(ステップS8)。「1」キー11が押されていないと判別したときは(ステップS8でNO)、図6のステップS9に進み、「2」キー12が押されたかどうかを判別する。「2」キー12が押されていないと判別したときは(ステップS9でNO)、「3」キー13が押されたかどうかを判別する(ステップS10)。「3」キー13が押されていないと判別したときは(ステップS10でNO)、図7のステップS11に進み、終了キー30が押されたかどうかを判別する。終了キー30が押されていないと判別したときは(ステップS11でNO)、その他のキー操作が行われたかどうかを判別する(ステップS12)。その他のキー操作が行われていないと判別したときは(ステップS12でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0034】
上記その他のキー操作が行われたと判別したときは(ステップS12でYES)、操作に応じた処理を実行し(ステップS13)、機能の終了が行われたかどうかを判別する(ステップS14)。機能の終了が行われていない場合には(ステップS14でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS14でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0035】
尚、上記ステップS12のその他のキー操作の判別は、上述した「1」キー11乃至「3」キー13及び終了キー30以外のキー操作の有無の判別であり、例えば、各機能キー23乃至27のいずれかが操作されたことが判別されると、次のステップS13でその機能の動作を開始させる。また、メール機能や電話帳機能等が動作開始された後、メール文や電話帳データ(名前、住所、電話番号等)を入力、設定するために文字入力機能(文字入力モード)を起動させるキー操作も、上記ステップS12で判別されるものである。更に、文字入力モードにおいて、テンキー11乃至22で入力される文字種を数字、かな或いは英文字に切り替えて選択するキー操作の処理も上記ステップS12、及びS13で行われる。更に、ステップS14の機能終了の判別は、例えば各機能の表示状態において、表示部4の端部に「終了」の文字が表示されるので、カーソルをこの「終了」の文字に合わせて十字キー28のセンターのキー操作を行わせることにより実行されるものである。
【0036】
然して図5のステップS8に戻り、「1」キー11が押されたと判別したときは(ステップS8でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS15)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS15でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS16)。
【0037】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS16でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「1」キー11の操作は、そのときの状態に従って処理される(ステップS17)。例えば、その時の状態が文字入力モードであり、且つ入力される文字種として数字が選択されていた場合には、カーソル(図示せず)で指定されている桁に数字「1」が入力され、かなが選択されている場合には「1」キー11の1回目の操作で「あ」、2回目の操作で「い」、3回目の操作で「う」がそれぞれカーソルで指定されている桁に切り替え表示される。
【0038】
ステップS17の後は、機能の操作が行われたかどうかを判別し(ステップS18)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS18でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS18でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0039】
図6のステップS9において、「2」キー12が押されたと判別したときは(ステップS9でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS19)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS19でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS20)。
【0040】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS20でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「2」キー12の操作は、そのときの状態に従って処理される(ステップS21)。処理される内容は「1」キー11の場合と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0041】
ステップS21の後は、機能の終了が行われたかどうかを判別し(ステップS22)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS22でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS22でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0042】
ステップS10において、「3」キー13が押されたと判別したときは(ステップS10でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS23)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS23でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS24)。
【0043】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS24でNO)、押下回数カウンタは「0」であり、押された「3」キー13の操作は、そのときの状態に従って処理をされる(ステップS25)。更に、機能の終了が行われたかどうかを判別し(ステップS26)、機能の終了が行われていない場合には(ステップS26でNO)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。機能の終了が行われた場合には(ステップS26でYES)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0044】
図7のステップS11において、終了キー30が押されたと判別したときは(ステップS11でYES)、押下回数カウンタ35が「1」であるかどうかを判別する(ステップS27)。押下回数カウンタ35が「1」でないときは(ステップS27でNO)、押下回数カウンタ35が「2」であるかどうかを判別する(ステップS28)。
【0045】
押下回数カウンタ35が「2」でないと判別されたときは(ステップS28でNO)、押下回数カウンタ35は「0」であり、現在実行中の機能の状態で終了キーが初めて押されたときに該当するため、図4に示した、現在実行中の機能の状態に対応して設定されている機能終了表示フラグ36が「1」であるか否かを判別する(ステップS29)。
【0046】
機能終了表示フラグ36が「1」でないときは(ステップS29でNO)、実行中の機能を終了し、且つ押下回数カウンタ35をクリアして(ステップS30)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0047】
一方、文字入力モード時などのように機能終了表示フラグ36が「1」に設定されているときは(ステップS29でYES)、機能終了確認表示を行い(ステップS31)、押下回数カウンタ35に1をセットして(ステップS32)、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0048】
図8は機能終了表示フラグ36が「1」の状態で終了キー30が1回操作されたとき、表示部4に表示される確認メッセージ(機能終了確認表示)の例である。この表示が行われた後、ユーザは「1」キー11を操作することによってそのまま実行中の機能を終了するか、「2」キー12を操作することによって表示をキャンセルして実行中の機能を継続するか(終了しない)、「3」キー13を操作することによって未保存のデータを保存して終了するかを選択することができる。以下、この点につき説明する。
【0049】
図5のステップS15において、「1」キー11押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS15でYES)、図8の機能終了確認表示中に「終了する」が選択されたものと判断し、実行中の機能、例えば文字入力機能を終了する(ステップS33)。その後、押下回数カウンタ35をリセット(0をセット)して(ステップS34)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0050】
また、図6のステップS19において、「2」キー12押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS19でYES)、図8の機能終了確認表示中に「終了しない」が選択されたものと判断し、上記の機能終了確認表示を消去して表示前の状態に戻す(ステップS35)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0051】
ステップS23において、「3」キー13押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS23でYES)、図8の機能終了確認表示中に「保存する」が選択されたものと判断し、入力中の文字や未保存のデータを保存して実行中の機能を終了する(ステップS37)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS38)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。このように、終了キー30が1回操作され、図8の機能終了確認表示がなされているときは、「1」キー11、「3」キー13の操作で各々対応する処理を行って実行中の機能を終了するものである。
【0052】
図7のステップS27に戻り、終了キー30押下時、押下回数カウンタ35が「1」のときは(ステップS27でYES)、図8の機能終了確認表示中に、更に終了キー30が押されたこと、即ち、終了キー30が続けて2回押下されたことを意味する。このときには、文字入力状態であるかどうかを判別する(ステップS39)。
【0053】
文字入力状態ではないと判別されたときは(S39でNO)、文字入力状態以外の状態で、図8の機能終了確認表示が行われ、終了キー30が操作された場合であり、この場合はユーザが「1」キー11乃至「3」キー13による終了でなく、終了キー30による終了操作を行ったものとしてステップS30に進み、実行中の機能を終了し、且つ押下回数カウンタをクリアする。
【0054】
文字入力状態であると判別されたときは(S39でYES)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるかどうかを判別するため、文字入力状態解析処理(ステップS40)を行う。文字入力状態解析処理の詳細については後述するが、この文字入力状態解析処理は、終了キーが連続して押されたとき、誤操作の可能性があると判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、誤操作の可能性がないと判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットする処理を行うものである。
【0055】
然して、文字入力状態解析処理(ステップS40)の後は、文字入力終了表示フラグ37が1でないときは(ステップS41でNO)、実行中の機能を終了し(ステップS30)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0056】
文字入力終了表示フラグ37が1のときは(ステップS41でYES)、文字入力終了確認表示を行い、誤操作の可能性がある旨をユーザに通知する(ステップS42)と共に、押下回数カウンタ35に2をセットして(ステップS43)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0057】
図9は文字入力終了表示フラグ37が1のとき、表示部4に表示される確認メッセージ(文字入力終了確認表示)の例である。この表示が行われた後、ユーザは「1」キー11を操作することによってそのまま実行中の機能を終了するか、「2」キー12を操作することによって表示をキャンセルして実行中の機能を継続するか(終了しない)、「3」キー13を操作することによって未保存のデータを保存して終了するかを選択することができる。以下、この点につき説明する。
【0058】
即ち、図5のステップS16において、「1」キー11押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS16でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「終了する」が選択されたものと判断し、入力中の文字を破棄して文字入力を終了すると共に、実行中の機能、例えばメール機能を終了する(ステップS44)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS34)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0059】
また、図6のステップS20において、「2」キー12押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS20でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「終了しない」が選択されたものと判断できる。即ち、文字入力中に終了キー30が連続して2回押下され、隣接する「3」キー13の連続押下の誤操作である可能性があると判別され(後述)、且つ、ユーザがその旨の通知を確認し、終了しないことを選択した場合である。
【0060】
このとき、更に文字入力中の文字種モードが「かな」であるかどうかを判別する(ステップS45)。文字種モードが「かな」の場合には(ステップS45でYES)、「3」キー13を2回連続押下、即ち「さ行」の「し」乃至「そ」のいずれかを入力するつもりで、終了キー30を誤操作したものと想定されるので、表示中の文字入力終了確認表示(図9)を消去すると共に、入力中の文字列の最後尾に、「3」キー13を2回連続押下した文字に該当する「し」を追加する(ステップS46)。換言すると、終了キー30を2回押下したものを、「3」キー13が2回押下されたものとして、置き換えて処理したことになる。
【0061】
その後、押下回数カウンタをリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0062】
文字種モードが「かな」でないと判別した場合には(ステップS45でNO)、英文字モードで「3」キー13を2回連続押下、即ち「3」キー13で入力できる「def」の「e」または「f」を入力するつもりで、終了キー30を誤操作したものと想定されるので、表示中の文字入力終了確認表示(図9)を消去すると共に、入力中の文字列の最後尾に、「3」キー13を2回連続押下した文字に該当する「e」を追加する(ステップS47)。その後、押下回数カウンタをリセットして(ステップS36)、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0063】
なお、文字種モードには更に、例えば「3」キー13によって数字「3」を入力する数字モードがあるが、数字モードで「3」キー13を押下すると単に数字「3」を入力できるのみである。そのため、後述するように、数字モードでは、終了キー30の連続押下による誤操作の可能性があると判別されることはなく、文字入力終了表示フラグ37が1になることはない。従って、文字種モードが数字モードのときには押下回数カウンタが2になることはなく、このフロー(ステップS45)は通らない。
【0064】
ステップS24において、「3」キー13押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS24でYES)、図9の文字入力終了確認表示中に、ユーザの意思によって「保存する」が選択されたものと判断し、入力中の文字や未保存のデータを保存して実行中の機能、例えばメール機能を終了する(ステップS48)。その後、押下回数カウンタ35をリセットして(ステップS38)、待ち受け状態(ステップS2)に戻る。
【0065】
図7のステップS28において、終了キー30押下時、押下回数カウンタ35が「2」のときは(ステップS28でYES)、図9に示す文字入力終了確認表示を通知中であり、「1」キー11乃至「3」キー13でのユーザの指示操作を待つため、実行中の機能を保持したまま、電話着信があるかどうかを判別するステップS3に戻る。
【0066】
次に図10のフローチャート及び図11に示す文字入力状態解析の具体例の説明図を用いて、文字入力状態解析処理(図7のステップS40)について詳細に説明する。
【0067】
図10に示す文字入力状態解析処理は、携帯電話機が文字入力状態にあるとき、終了キー30の連続押下が、隣接する「3」キー13の誤操作である可能性があるかどうかを判別して、図4の、ユーザに文字入力の終了可否を通知するかどうかを識別するための文字入力終了表示フラグ37をセット又はリセットすることである。即ち、誤操作の可能性があると判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、誤操作の可能性がないと判別したときには文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットするものである。
【0068】
図10において、まず、既に入力されている文字列があるかどうかを判別する(ステップA1)。入力文字列がないと判別したときには(ステップA1でNO)、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。これらの処理は図11の解析例の51の事例に該当するもので、即ち、入力文字列がない場合というのは、確定した文字列も未変換の文字列もまだ存在せず、且つ、テンキー11乃至22による文字入力もなされていないため、入力文字がないという場合であって、この場合には、文字入力終了表示フラグ37には「0」がセットされる。これにより、図7のステップS41では文字入力終了表示フラグ37が「1」ではないことが判別(NO)され、実行中の文字入力機能は終了される(ステップS30)。
【0069】
図10に戻り、既に入力された文字列があると判別したときは(ステップA1でYES)、未変換の入力文字列があるかどうかを判別する(ステップA3)。未変換の入力文字列があると判別したときは(ステップA3でYES)、文字種モードが、かなであるかどうかを判別する(ステップA4)。
【0070】
文字種モードがかなであると判別したときは(ステップA4でYES)、未変換の入力文字列に、「3」キー13を連続して2回以上押下することで入力され得る「さ行」の「し」乃至「そ」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、図3の単語データベース31にあるかどうかを検索して(ステップA5)、検索結果を判別する(ステップA6)。
【0071】
検索した結果、該当する単語が単語データベース31にあると判別したときには(ステップA6でYES)、誤操作の可能性が大きいと想定されるので、文字入力終了表示フラグ37に1をセットして(ステップA7)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0072】
図11では、事例52、53が上記のケースに該当する。事例52では、「あ」という未変換文字列があり、「あ」に「3」キー13を連続して2回押下して得られる「し」を加えて変換される単語、即ち「あし」(足)が存在することがわかる。また、事例53では、「し」という未変換文字列があり、「し」に「3」キー13を連続して2回押下して得られる「し」を加えて変換される単語「しし」(獅子)が存在することがわかる。従って、これらの事例では誤操作の可能性ありと判別して、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットする。
【0073】
また、例えば事例52では、ユーザは「あ」のあとに「3」キー21−3を3回押して「す」を入力し、「明日」に変換しようとしたのかも知れない。或いは、「し」「た」と続けて入力して、「あした」にしようとしていたのかも知れない。そのような場合にも、この検索は有効に機能する。即ち、未変換の入力済み文字列に「さ行」の「し」乃至「そ」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、ひとつでも単語データベース31にあれば、誤操作の可能性が大きいと判別して、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットし、図7のステップS42で文字入力終了確認表示を行わせることにより、ユーザに誤操作の可能性があることを通知するようにしている。
【0074】
図10に戻り、検索した結果、該当する単語が単語データベース31にないと判別したときは(ステップA6でNO)、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。これにより、図7のステップS41ではNOとなるので、実行中の文字入力機能は終了される(ステップS30)。
【0075】
この事例は、図11では、事例54、55が該当する。即ち、事例54では、「あした」が既に入力されていて、「し」乃至「そ」を加えてできる単語が見つからない場合に相当し、事例55では「しんかんせん」が既に入力されていて、更に「し」乃至「そ」を加えてできる単語が見つからない場合に相当する。従って、これらの事例では誤操作の可能性はないと判別される。
【0076】
ステップA4に戻り、文字種モードが、かなではないと判別したときは(ステップA4でNO)、文字種モードが英文字であるかどうかを判別する(ステップA8)。
【0077】
文字種モードが英文字であると判別したときは(ステップA8でYES)、未変換の入力文字列に、「3」キー13を連続して2回以上押下することで入力され得る「e」、「f」のうちいずれかの文字を加えてできる文字列を含む単語が、単語データベース31にあるかどうかを検索して(ステップA9)、検索結果を判別する(ステップA6)。以降の処理は、文字種モードが、かなのときと同様である。
【0078】
図11の事例56では、入力済みの未変換文字列(図示例では未確定文字列)が、「a」のときには、「e」または「f」を加えてできる単語には「aero」、「affect」等の単語があるので、文字入力終了表示フラグ37を「1」にセットする。また、事例57では、入力済みの未変換文字列が「award」のとき、「e」または「f」を加えてできる単語が見つからないので、文字入力終了表示フラグ37を「0」にセットする。
【0079】
文字種モードが英文字ではないと判別したときは(ステップA8でNO)、数字モードである。数字モードでは「3」キー13押下で入力できるのは単に数字「3」のみであり、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるとは判別しないようにしている。従って、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0080】
ステップA3に戻り、未変換の入力文字列がないと判別したときは(ステップA3でNO)、既に入力して確定している文字列を形態素分析して単語に分解し(ステップA10)、現在の文字入力位置(例えばカーソル位置)より前で最後尾の名詞を抽出する(ステップA11)。図11の事例58、59では、それぞれ「明日の出張」、「明日の出張は」という確定文字列から「出張」という名詞が抽出される。また、事例60、61では、それぞれ「うどん」、「うどんと」という確定文字列から「うどん」という名詞が抽出される。なお、形態素分析には一般に用いられている技術を用いることができ、上記の目的にかなうものであれば、どのような解析エンジン、或いはどのような手法を用いてもよい。
【0081】
続いて、抽出した単語(名詞)が単語データベース31にあるかどうかを検索する(ステップA12)。抽出した単語が単語データベース31に見つからなかったとき、或いは単語を抽出できなかったときは(ステップA12でNO)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性はないものとみなして、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。
【0082】
抽出した単語が単語データベース31に見つかったときは(ステップA12でYES)、その単語に対応付けられたさ行関連フラグ34が「1」であるか否かを判別する(ステップA13)。
【0083】
さ行関連フラグ34の目的は、ユーザによる単語の入力がいったん確定しており、その後新しい単語を入力しようとしたとき、「3」キー13を連続押下したつもりで、隣接する終了キー30を誤って連続押下した可能性を検出することである。そのため、本実施例では単語データベース31に含まれる単語の次に来る可能性のある関連単語に「さ行」で始まるものがあるかどうかを、単語ごとにフラグ(さ行関連フラグ34)を対応付けて記憶し、識別するようにしている。
【0084】
なお、本実施例では、名詞にのみ、さ行関連フラグ34を対応付けて、予め単語データベース31に記憶させている。図11の事例58、59では、「出張」のさ行関連フラグ34は0である。事例60、61では、「うどん」には「そば」という「さ行」で始まる関連単語があるので、さ行関連フラグ34は「1」である。
【0085】
抽出した単語のさ行関連フラグ34が「1」のときは(ステップA13でYES)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性があるものとみなして、文字入力終了表示フラグ37に1をセットして(ステップA7)、文字入力状態解析処理を終了する。図11では事例60、61が該当する。
【0086】
抽出した単語のさ行関連フラグ34が0のときは(ステップA13でNO)、終了キー30の連続押下に誤操作の可能性はないと想定されるので、文字入力終了表示フラグ37に「0」をセットして(ステップA2)、文字入力状態解析処理を終了する。図11では事例58、59が該当する。
【0087】
以上のように、本実施例によれば、終了キー30が連続して操作された場合に、終了キー30と隣接する「3」キー13の誤操作の可能性があるか否かを判別し、判別結果に応じて、一意に現在実行している機能が終了されてしまうことを防止することが可能である。
【0088】
また、終了キーと隣接するキーの誤操作の可能性があると判別される場合には、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことで、現在実行中の機能の終了を即座に行わず、ユーザに誤操作である可能性があることを気付かせることができる。
【0089】
更に、実行されている機能が文字入力を伴う機能であって、終了キーと隣接するキーを連続して操作することで文字が入力される場合、誤操作であるか否かの判別を前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別するようにしたことで、誤って終了キーを連続操作して機能が終了してしまい入力中の文字が消失することを防止できる。
【0090】
また、文字の入力状況の解析をかな漢字変換による未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことで、ユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かの推測が可能である。
【0091】
例えば、文字の入力状況の解析を、前記未変換の文字列に前記隣接する文字キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した場合の文字列が、複数の単語が記憶され、記憶されているか否かで有意な単語であるか否かを判別するために使用するデータベースに含まれているか否かで判別することより行うことで、より精度を高めてユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かを推測できる。
【0092】
また、文字の入力状況の解析を、入力中の変換済み文字列を単語に分解し、分解した単語に、単語ごとに前記隣接する文字キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースに基づいて、関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことで、未変換文字がない場合でもユーザが続けて文字入力を行う意志があるか否かの推測が可能である。
【0093】
更に、終了キーと隣接するキーの誤操作の可能性があると判別される場合には、実行中の機能の終了を行わず、本来操作しようとしたと推測される隣接するキーの操作と置き換えて該当する処理を実行させるようにしたことで、不用意に現在実行している機能を終了しないだけでなく、本来意図したであろう操作による処理を行うことが可能である。
【0094】
尚、上記実施例で示した誤操作の判別に用いる単語データベース31に含まれる単語は、単語数を減らして、よく使われるものに限定することが可能であり、また、単語データベース31内の単語をメール用、電話帳用などのアプリケーション用途毎に分類したり、その他文字入力シーン別のカテゴリーに分類して上記の目的で利用することも可能である。
【0095】
また、上記実施例の内容を部分的に実施することも可能である。例えば、本実施例では単語データベース31内の単語にさ行関連フラグを対応付けて記憶し、未変換の入力文字列がない場合にも終了キーによる誤操作を推測可能としたが、さ行関連フラグを設けないで未変換入力文字列がある場合にのみ誤操作を判別するようにしても有用な効果が期待できる。
【0096】
更に、上記実施例では、終了キーに隣接するキーを「さ行」或いは「def」キーとして説明したが、それに限らず、終了キーに隣接するキーが、例えば「た行」或いは「ghi」であってもよいし、その他のかなめくりで文字を入力するキーが終了キーに隣接する場合にも適用可能であることはもちろんである。
【0097】
更にまた、上記実施例では、単語データベース31の単語のうち、名詞にさ行関連フラグを付与したが、この方法は任意である。例えば、使用頻度の高い単語に限定して、名詞に限らず関連付けフラグを付与することも可能である。
【0098】
また、上記実施例では、誤操作の可能性があると判別した場合のユーザへの通知を、通知文と「1」乃至「3」キーで処理を選択する旨の表示で行ったが、この方法も任意である。例えば、音、振動、表示の色分け等を用いて通知することもできるし、「1」乃至「3」キー押下とは異なる方法でユーザがその処理を選択するようにすることも可能である。
【0099】
更に、上記実施例では、文字入力時の終了キーの連続操作の例について説明したが、文字入力時ではなく、現在行われている機能を終了キーの連続操作で終了させる場合においても本発明を適用することが可能である。
【0100】
更にまた、上記実施例では、携帯電話機での実施例について述べたが、本発明は、終了キーの連続操作で機能を終了させる様に構成されている端末であればどのような機器であっても適用可能であり、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレーヤなどにも採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態による携帯電話機の構成を示すブロック図。
【図2】図1の操作部3のキー配列図。
【図3】図1の記憶部8に備える単語データベースの構成を示す図。
【図4】図1の記憶部8に備えるフラグ、カウンタの説明図
【図5】本発明の実施形態による携帯電話機の全体動作を示すフローチャート図。
【図6】図5の続きを示すフローチャート図。
【図7】図6の続きを示すフローチャート図。
【図8】表示部4に表示される機能終了確認表示の例図。
【図9】表示部4に表示される文字入力終了確認表示の例図。
【図10】図7のステップS40の詳細なフローチャート図。
【図11】終了キーが操作された際の、文字入力状態の解析内容を説明する図。
【符号の説明】
【0102】
3 操作部
4 表示部
8 記憶部
9 制御部
11 「1」キー
12 「2」キー
13 「3」キー
28 十字キー
30 終了キー
31 単語データベース
35 押下回数カウンタ
36 機能終了表示フラグ
37 文字入力終了フラグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行されている機能を終了させる終了キーを含む複数の操作キーを備え、前記終了キーの操作により現在実行されている機能の終了の確認を報知し、続く前記終了キーの操作により前記機能を終了する端末装置であって、
前記終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に応じて所定の処理を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記実行されている機能は文字入力を伴う機能であり、前記隣接する操作キーは連続して操作することで文字を入力する文字入力キーであり、
前記判別手段は、前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記文字入力を伴う機能はかな漢字変換による文字入力が可能であり、
前記文字の入力状況の解析は、未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
複数の単語を記憶するデータベースを更に備え、
前記文字の入力状況の解析は、前記未変換の文字列に前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した文字列が、前記データベースに含まれるか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
単語ごとに、前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースを更に備え、
前記文字の入力状況の解析は、入力中の文字列を単語に分解し、分解した単語に前記データベースに関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、前記実行中の機能の終了を行わず、前記終了キーと前記隣接する操作キーの操作とを置き換えて該当する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
コンピュータに、
実行されている機能を終了させる終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別機能と、
前記判別機能による判別結果に応じて所定の処理を行う制御機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
実行されている機能を終了させる終了キーを含む複数の操作キーを備え、前記終了キーの操作により現在実行されている機能の終了の確認を報知し、続く前記終了キーの操作により前記機能を終了する端末装置であって、
前記終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に応じて所定の処理を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、誤操作の可能性がある旨の通知を行うことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記実行されている機能は文字入力を伴う機能であり、前記隣接する操作キーは連続して操作することで文字を入力する文字入力キーであり、
前記判別手段は、前記文字入力を伴う機能で入力されている文字の入力状況を解析して判別することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記文字入力を伴う機能はかな漢字変換による文字入力が可能であり、
前記文字の入力状況の解析は、未変換の文字列があるか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
複数の単語を記憶するデータベースを更に備え、
前記文字の入力状況の解析は、前記未変換の文字列に前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字を追加した文字列が、前記データベースに含まれるか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
単語ごとに、前記隣接する操作キーが連続して操作された場合に入力される文字で始まる関連する単語があるか否かを対応付けて記憶するデータベースを更に備え、
前記文字の入力状況の解析は、入力中の文字列を単語に分解し、分解した単語に前記データベースに関連する単語が対応付けられているか否かを判別することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御手段により行われる所定の処理は、前記判別手段により前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があると判別された場合に、前記実行中の機能の終了を行わず、前記終了キーと前記隣接する操作キーの操作とを置き換えて該当する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
コンピュータに、
実行されている機能を終了させる終了キーが連続して操作された場合に、その操作が前記終了キーと隣接する操作キーの誤操作である可能性があるか否かを判別する判別機能と、
前記判別機能による判別結果に応じて所定の処理を行う制御機能と、
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−49328(P2010−49328A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210686(P2008−210686)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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