説明

筐体の半透明部を透過して光を投影するように構成されたコヒーレント光源を含む通信装置及び同通信装置を動作させる方法

通信装置が、通信回路、コヒーレント光源、及び、通信回路とコヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲む筐体を含む。この筐体は半透明部を含み、かつ、コヒーレント光源は筐体のこの半透明部を透過して光を投影できるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置に関し、特に、通信装置の美的評価を高めるためのコヒーレント光の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や携帯端末のような通信装置は、今や通話の送受信を行うための単なる実用的道具以上の存在になっている。携帯電話機は社会的ステータスを示すことができると共に、このような実用的道具以上の受信機を携帯している人物に関する社会的メッセージの発信を可能にするものとなっている。ユーザのなかには、自分が他人に対して投影したいイメージを電話機に反映することが重要であると考える人もいる。自分の電話機がユニークであり、かつ望ましいものであると意識すれば、その電話機を携帯している自分も他人からそのように見られるであろうと望む人がいるかもしれない。
【0003】
ユーザのなかには、電話機につける「見せびらかし(flash)」の量が重要であると考える人もいる。このようなユーザは人目を引く装置の方を好むことが多い。ユーザは、電話機とそれを携帯している持ち主とが人目を引く、視覚的にアピールする色と光のパターンとの組み合わせを求めることもできる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態によれば、通信装置には、通信回路、コヒーレント光源、及び、該通信回路とコヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲む筐体が設けられる。筐体は半透明部を含み、かつ、コヒーレント光源は筐体の半透明部を透過して光を投影できるように構成される。
【0005】
本発明の別の実施形態では、筐体は、光源からの光を実質的にブロックして筐体を透過させないように構成された不透明部をさらに含む。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置はコヒーレント光源から投影された光を誘導するように構成された1以上の光学部品をさらに含む。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態では、1以上の光学部品は回折格子、レンズ、グリッタ、ミラーのうちの少なくともいずれかを含む。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態では、筐体は1以上の光学部品を含む。
【0009】
さらに別の実施形態では、上記1以上の光学部品は励起信号に応答して動くように動作可能である。
【0010】
さらに別の実施形態では、通信装置は励起信号を生成するように構成されたオーディオモジュールをさらに含む。
【0011】
さらに別の実施形態では、筐体は内表面及び外表面を有し、これら内表面と外表面は両方ともほぼ平滑である。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態では、筐体は内表面及び外表面を有し、これら内表面と外表面のうちの少なくとも一方の表面が損傷を受けている。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態では、筐体の半透明部は、半透明の筐体を透過する光の偏光が変えられるように操作される。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は非コヒーレント光源をさらに含む。筐体は少なくとも部分的に非コヒーレント光源を囲み、かつ、この非コヒーレント光源は筐体の上記半透明部を透過して光を投影できるように構成される。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態では、コヒーレント光源はレーザダイオードである。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は、出力信号を生成するように構成された周波数変調器をさらに含む。コヒーレント光源は、周波数変調器の出力信号に基づく周波数で光を投影するように構成される。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は、オーディオ信号を生成するように構成されたオーディオモジュールをさらに含む。周波数変調器は、オーディオ信号に応答して出力信号を生成するように構成される。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は、コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成された電力制御モジュールをさらに含む。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は、環境光の強度に基づいて出力信号を生成するように構成された周辺光センサをさらに含む。上記電力制御モジュールは、周辺光センサの出力信号に応答して、コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成される。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態では、通信装置は、内部温度に基づいて通信装置への出力信号を生成するように構成された熱制御モジュールをさらに含む。上記電力制御モジュールは、熱制御モジュールの出力信号に応答して、コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成される。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では通信装置はモバイル端末である。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態では、半透明部を含む筐体を用いて通信回路とコヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲むことにより通信装置が動作される。コヒーレント光源から筐体の半透明部を透過して光が投影される。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態では、筐体は、光源からの光を実質的にブロックして、筐体を透過させないように構成された不透明部をさらに含む。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法は、1以上の光学部品を用いてコヒーレント光源から投影された光を誘導するステップをさらに含む。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法はさらに、励起信号に応答して1以上の光学部品を動かすステップを含む。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態では励起信号はオーディオ信号である。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法はさらに、筐体の半透明部を透過する光の偏光が変えられるように筐体の半透明部を操作するステップを含む。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態では、筐体は少なくとも部分的に非コヒーレント光源を囲む。本方法は、非コヒーレント光源から筐体の半透明部を透過して光を投影するステップをさらに含む。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態では、本方法は、出力信号を生成するために周波数変調器を使用するステップと、コヒーレント光源を動作させて、周波数変調器の出力信号に基づく周波数で光を生成するようにするステップとをさらに含む。
【0030】
本発明のさらに別の実施形態では通信装置はモバイル端末である。
【0031】
本発明のその他の特徴については、その具体的な実施形態に関する以降の詳細な説明を添付の図面と併せて読めば、より容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のいくつかの実施形態に係る半透明部を備えた筐体を含むモバイル端末を示す線図である。
【図2】本発明のいくつかの実施形態に係るモバイル端末を示すブロック図である。
【図3】本発明のいくつかの実施形態に係るモバイル端末の筐体の半透明部を透過するコヒーレント光の投影を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な修正及び代替形態を許容できるものであり、本発明の具体的な実施形態を例示により図面に示し、本書面で詳述するものである。しかしながら、開示されている特定の形態に本発明を限定する意図はまったくなく、それどころか、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に収まるすべての修正、均等物、及び代替物をカバーするものであるということを理解されたい。同様の参照番号は図面の説明を通じて同様の要素を表す。
【0034】
本願で使用されているように、単数形「a」「an」及び「the」は、そうでない旨を明示して断らない限り、複数形をも同様に含むことを意図するものである。本明細書において使用される際、「含む(comprises)」と「含んでいる(comprising)」の少なくとも一方の用語は、本明細書に記載の機能、数値、ステップ、動作、要素及びコンポーネントの少なくとも1つの存在を明記するものと解釈されるが、1以上の他の機能、数値、ステップ、動作、要素、コンポーネント及びそれらのグループの少なくとも1つの存在、又は追加を排除することを意図するものではない旨をさらに理解されたい。ある要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると記載されているとき、その別の要素に直接接続又は結合されていてもよいし、介在する要素が存在していてもよいことは理解されよう。さらに、本明細書で使用されているような「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」という記載は無線での接続又は結合を含み得るものである。本願で使用されているように、「と〜とのうちの少なくともいずれか(and/or)」という用語は、関連してリストされた項目の1以上の任意の及び全ての組合せを含むものとする。
【0035】
別段の規定がない限り、本明細書において用いられる(技術的用語と科学的用語とを含む)すべての用語は、本発明が属している技術分野の通常の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有するものとする。一般に使用される辞書に定義されているような用語は、関連する技術分野及び本願の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本明細書で明示的に別段の定めがない限り、理想化した意味に解釈すべきではなく、又は、過度に形式的な意味に解釈すべきではないことをさらに理解されたい。
【0036】
通信回路を備えた通信装置と、コヒーレント光源と、コヒーレント光を投影できる媒体となる半透明部を含む筐体とに関連して、本発明の実施形態を本明細書で説明する。通信装置は、通信媒体と通信インタフェースの少なくともいずれかを介して通信を行うことができる任意の装置であってもよい。通信媒体と通信インタフェースの少なくともいずれかは、例えば、無線メディア、有線メディア、ローカルなネットワークと広域ネットワークの少なくともいずれかのようなネットワークされたインタフェース、直列/並列ポートインタフェースとPCMCIAインタフェースのうちの少なくともいずれかのような直接インタフェース、及び、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続と周辺コンポーネント相互接続(PCI)の少なくともいずれかのようなバスインタフェースであってもよい(但しこれらのみに限定されるわけではない)。通信装置の例として、MP−3又は他のオーディオフォーマットプレイヤ、ビデオプレイヤ、メモリスティック、有線と無線の少なくともいずれかのヘッドセット、ビデオ、オーディオ、テキストの少なくともいずれかによるユーザや他の装置などとの通信を提供する電子玩具と電子ゲームの少なくともいずれかのような装置を含んでもよい(但しこれらのみに限定されるわけではない)。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、通信装置はモバイル端末であってもよい。本願で用いられているように、「モバイル端末」という用語は、例えば、セルラインタフェースとWiFiインタフェースの少なくともいずれかのような長距離無線インタフェースを用いる手段か、例えば、ブルートゥース無線インタフェースのような短距離無線インタフェースと、IEEE801.11a−gのような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)インタフェースと、別の無線周波数(RF)インタフェースとのうちの少なくともいずれかのインタフェースを介する手段かの少なくともいずれかの手段によって通信信号を送受信するように構成された任意の電子装置を含むものとする(但しこれらのみに限定されるわけではない)。「モバイル端末」という用語は、マルチライン・ディスプレイの有無を問わない衛星無線電話機又はセルラ無線電話機をデータ処理機能、ファクシミリ機能及びデータ通信機能と組み合わせることができる個人通信システム(PCS)端末と、無線電話機、ページャ、インターネット/イントラネットアクセス、ウェブブラウザ、電子手帳、カレンダ、全地球測位システム(GPS)受信機のうちの少なくともいずれかを含むことができるPDAと、従来型のラップトップ受信機とパームトップ受信機とのうちの少なくともいずれかの受信機又は無線電話トランシーバを含むその他の電気機器を含むことができる。モバイル端末は「パーベイシブ・コンピューティング」装置と呼ばれる場合もある。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態は、半透明部を備えた筐体をさらに含む通信装置内のコヒーレント光源の利用から生じるものである。コヒーレント光源は1以上の色で光を投影することが可能であると共に、半透明材は装置の表面を透過してコヒーレント光を導く光ガイドとして機能することができる。コヒーレント光が乱反射して半透明材の中へ入り、次いで、半透明材を透過して拡散するにつれて、このコヒーレント光は反射され、屈折されて筐体から外へ出て、視る人の視野に入ることが可能となる。通信装置から到来するコヒーレント光がとる異なる経路は、コヒーレント光源により生成された他の光子にランダムに干渉し、キラキラ効果(twinkle effect)を引き起こすことができる。
【0039】
本発明の別の実施形態はコヒーレント光に加えて非コヒーレント光を用いることができる。コヒーレント及び非コヒーレント光源は人間の目に見える光の生成を意味する。赤外線及び紫外線の光源を光生成装置として用いてもよいが、これらの光源は可視効果を提供するものではない。白色光LEDのような光源のなかには、最初に紫外線光を生成し、次いで、その光源を用いることによって、非コヒーレント光を生成して、蛍光体として一般に知られている蛍光化合物をポンプ輸送し(pump)て、可視光をつくりだすことできるものもある。緑色レーザのようなコヒーレント光源のなかには、光を生成するために赤外線レーザダイオードを用いるものもあり、次いで、この光は周波数2倍器結晶に印加されて、可視スペクトルの緑色光を生成する。本発明の実施形態は、コヒーレント光と非コヒーレント光とを可視スペクトルの範囲内で生成するために用いられる技法によって限定されるものではない。可視光は通常約400〜700ナノメータ間の波長を有するものと考えられている。
【0040】
次に図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係る通信装置/モバイル端末100が、モバイル端末100に含まれている通信回路とコヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲む筐体120を含む。筐体120には、コヒーレント光源によって生成された光を投影できる媒体となる半透明部が含まれる。コヒーレント光は筐体120の半透明部を透過して進み、ここでコヒーレント光は筐体の表面を透過して分散され、次いで視る人に放射される。筐体120は、該筐体の不透明部をつくりだすためのオーバーモールドされたプラスチック材や別の材料を含んでもよく、これによってコヒーレント光をブロックすると共に、所望の位置におけるコヒーレント光の漏出を可能にする。
【0041】
次に図2を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係る図1の通信装置/モバイル端末100の実装に用いることができる例示のモバイル端末200には、ビデオレコーダ202、カメラ205、マイク210、キーボード/キーパッド215、スピーカ220、ディスプレイ225、トランシーバ230、及びプロセッサ240と通信を行うメモリ235が含まれる。トランシーバ230は、送信機回路245及び受信機回路250を備え、これらの回路はそれぞれ、発信無線周波数信号を基地局トランシーバへ送信し、アンテナ255を介して基地局トランシーバから着信無線周波数信号を受信する。モバイル端末200と基地局トランシーバ間で送信される無線周波数信号は、トラフィック信号と(入電用のページング信号/メッセージなどの)制御信号の双方を含むことができる。これらは別のパーティ又は宛先との通信の確立と維持のために利用される。上記無線周波数信号は、例えばセルラデジタルパケットデータ(CDPD)情報のようなパケットデータ情報も含むことができる。モバイル端末200の上述の部品は多くの従来型のモバイル端末の中に含まれ得るものであり、これら部品の機能は広く当業者に周知されている。
【0042】
プロセッサ240はアドレス/データバスを介してメモリ235と通信を行う。プロセッサ240は、例えば市販のプロセッサやカスタムマイクロプロセッサであってもよい。メモリ235は1以上の記憶装置を表し、この記憶装置には、本発明のいくつかの実施形態に係る、モバイル端末内の通信機能並びに1以上の光源の管理を提供するために用いられるソフトウェア及びデータが含まれている。メモリ235は以下の装置のタイプ、すなわちキャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ、SRAM、及びDROMを含んでもよい(但しこれらのみに限定されるわけではない)。図2に示されているように、メモリ235は、一般にモバイル端末200の動作を制御するオペレーティングシステム265を含んでもよい。特に、オペレーティングシステム265は、モバイル端末のソフトウェアとハードウェアリソースの少なくともいずれかを管理することができ、かつ、プロセッサ240によってプログラムの実行を調整することができる。
【0043】
モバイル端末は、コヒーレント光源270、非コヒーレント光源275、オーディオモジュール280、周波数制御モジュール282、電力制御モジュール285、熱制御モジュール290、及び光センサモジュール295をさらに含む。コヒーレント光源270は、いくつかの実施形態では、1以上のレーザダイオードとして実装されてもよい。従来のレーザダイオードは赤(670nm及び635nm)、緑(532nm)、青(473nm)及び他の多くの周波数で利用可能である。いくつかの実施形態では、複数の色を組み合わせて、美的効果を高めることが可能である。コヒーレント光源270はコヒーレント光を生成するものではあるが、この光をコリメートする必要はない。コリメートは通常レンズを用いて、光を合焦し、密な光束に変えるようにするものであるが、この光束はモバイル端末200の半透明の筐体部を透過した光が分散されずに漏出するようなことがあれば、眼に損傷を引き起こす場合がある。
【0044】
非コヒーレント光モジュール275は従来型の光モジュールであってもよく、この光モジュールは光を投影して、モバイル端末200の半透明の筐体部から光が出るとき、コヒーレント光モジュール270が生成したコヒーレント光と組み合わされて所望の美的効果が生みだされるようにすることができる。非コヒーレント光モジュール275は、例えば、従来型の発光ダイオードや他の好適な非コヒーレント光源を用いて実装されてもよい。
【0045】
オーディオモジュール280は、MP3ファイルのようなオーディオファイル又は他のオーディオ符号化規格を再生するように構成することができる。周波数制御モジュール282は、コヒーレント光源270の駆動に利用できる出力信号の生成が可能であり、それによってコヒーレント光源270から出力されたコヒーレント光の周波数変調が可能となる。いくつかの実施形態では、周波数制御モジュール282は、オーディオモジュール280から出されるオーディオ出力信号に応答して、該モジュールの出力信号の生成が可能であり、それによってコヒーレント光源270が生成した光の周波数が、音楽ファイル又は別のタイプのオーディオファイルに応答してランダムに変動するものもある。
【0046】
コヒーレント光源270は相当量の電力を消費すると考えられる。例えば、レーザダイオードの電流は通常約20〜60ミリアンペアの間で流れている。電力制御モジュール285は、例えばパルス幅変調を用いて電力をコヒーレント光源270に変調するように構成して、モバイル端末200のバッテリ寿命の改善を図ることができる。いくつかの実施形態では、熱制御モジュール290を用いてモバイル端末200の内部温度を監視することができると共に、コヒーレント光源270への電力の低減を図るために電力制御モジュール285が利用するしきい値以上に温度が上昇したとき、出力信号を生成することができる。この内部温度の上昇によって、過度に長時間及び過度に大きな強度の少なくともいずれかの状態でコヒーレント光源が稼働し続けていることを示すことができる。レーザダイオードのなかには、同じ基板上に形成された別のダイオードを有しているものもある。この別のダイオードは、光を生みだすものではないが、レーザ接合部の温度を測定して、熱暴走を防いだり、減らしたりするために用いることができる。制御回路はハードウェアの形で実装されてもよいし、あるいは、接合部側における過度の熱を避けるために部分的にソフトウェアの形で実装されてもよい。同様に、周辺光センサモジュール295を用いて、モバイル端末200を囲む環境内の周辺光の強度を決定すると共に、電力制御モジュール285により利用可能な出力信号を生成して、コヒーレント光源270への電力を環境条件に基づいて増減することが可能となる。
【0047】
図3は本発明のいくつかの実施形態に係るモバイル端末の筐体の半透明部を透過する光の投影を示す線図である。図3に示されているように、図1と図2のモバイル端末100及び200のような通信装置の筐体300は、半透明部300aを含み、かつ、装置/端末の内部から発出する光を実質的にブロックするように構成された不透明部300bを含んでもよい。装置/端末は、図2を参照して上述したコヒーレント光源270のようなコヒーレント光源310を含むと共に、図2を参照して上述した非コヒーレント光源275のような非コヒーレント光源320も含むことができる。装置/端末は、コヒーレント光源と非コヒーレント光源310及び320の少なくともいずれかの光源からの光を誘導するように設計された1以上の光学部品330を含んでもよい。図2に示されているように、レンズ、グリッタ、ミラー、回折格子のうちの少なくともいずれか(但しこれらのみに限定されるわけではない)を含む1以上の光学部品330を成形して、筐体300に変えることができる。別の実施形態では、上記1以上の光学部品330を装置の内部又は装置の表面に配設することはできるが、筐体300の内表面及び外表面の内側に光学部品330を配設することはできない。いくつかの実施形態では、1以上の光学部品330が励起信号に応答して移動するように動作させることができる。例えば、光学部品330は、励起信号に応答して回転できるマイクロミラーのような1以上のマイクロ電気機械的システム(MEMS)を含んでもよい。別の実施形態では、1以上の光学部品330をスピーカ上に配設してもよく、それによってオーディオ信号によりスピーカが駆動されるとき、スピーカが移動するにつれて、(単複の)局所的部品から離れる方向の反射角が変化するようになる。
【0048】
所望の美的効果に応じて、筐体300の内表面及び外表面は実質的に平滑であるか、損傷されているか、あるいは実質的に平滑ないくつかの領域と、いくつかの損傷領域とを有することになる。筐体300の半透明部は半透明部内の屈折率を変える材料から構成されてもよい。例えば、2つの異なる種類の材料を半透明部において用いて、コヒーレント光が境界の両端にわたって進み、次いで、屈折が行われる光学的境界が存在するようにすることができる。例えば、筐体300の1以上の部分はギザギザのある仕上げ部分を有してもよく、この部分は実質的に平滑な仕上げ部分と比べて、筐体300から光が発出する方向を変えることができる。筐体300はまた可撓性のあるものにしてもよく、それによって筐体300に印加された曲げに基づいて筐体を透過する光の偏光が変化するようにすることができる。本願で用いられているように、「筐体を曲げる」ことには、筐体300を撓めること、伸ばすこと、圧縮することのうちの少なくともいずれかが含まれる(但しこれらのみに限定されるわけではない)。筐体に対する外部電場の印加のような、材料の偏光を変える別の技法も本発明の別の実施形態に従って利用することができる。
【0049】
図3に示されているように、コヒーレント光源310及び、いくつかの実施形態では、非コヒーレント光源320から出される光は筐体300aの半透明部を透過して、光は装置/端末から出射し、そこでこの光を見ることが可能となる。筐体の半透明部300aは光ガイドとして機能し、コヒーレント光信号が筐体300を透過して拡散するにつれて、コヒーレント光信号のランダムな加算と、互いからの減算とを可能にすることができる。これによって、光が筐体300から出射するとき、スパークリング効果を示す外観が生みだされることになる。この視覚効果は通信装置において美的品質を重視する多くのユーザにとって心地良いものになり得る。さらに、光が装置の筐体から外の周辺領域の中へ、そして、潜在的に壁、天井、テーブル、その他の構造のうちの少なくともいずれかの表面に投影された場合、通信装置/端末を室内のムード照明の光源として利用することが可能となる。
【0050】
本発明の原理から実質的に逸脱することなく、これらの実施形態に対する多くの変形及び修正を行うことが可能である。そのような全ての変形及び修正は、以下の特許請求の範囲に記載のように本発明の範囲内に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
通信回路と、
コヒーレント光源と、
前記通信回路と前記コヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲み、半透明部を含む筐体であって、前記コヒーレント光源が前記筐体の前記半透明部を透過して光を投影するように構成される筐体と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記光源からの光を実質的にブロックして、該筐体を透過させないように構成された不透明部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記コヒーレント光源から投影された前記光を誘導するように構成された1以上の光学部品をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記1以上の光学部品は、回折格子と、レンズ、グリッタ、ミラーのうちの少なくともいずれかを備えることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記筐体は前記1以上の光学部品を備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記1以上の光学部品が励起信号に応答して動くように動作可能であることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
前記励起信号を生成するように構成されたオーディオモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記筐体は内表面と外表面とを有し、該内表面と外表面とは実質的に平滑であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記筐体は内表面と外表面とを有し、該内表面と外表面の少なくとも一方の表面が損傷されていることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
前記筐体の半透明部は、前記半透明の筐体を透過する光の偏光が変えられるように操作されることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
非コヒーレント光源をさらに備え、
前記筐体は前記非コヒーレント光源を少なくとも部分的に囲み、かつ、前記非コヒーレント光源は前記筐体の半透明部を透過して光を投影するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記コヒーレント光源はレーザダイオードを備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
出力信号を生成するように構成された周波数変調器をさらに備え、
前記コヒーレント光源は、前記周波数変調器の出力信号に基づく周波数で光を投影するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項14】
オーディオ信号を生成するように構成されたオーディオモジュールをさらに備え、
前記周波数変調器は、前記オーディオ信号に応答して前記出力信号を生成するように構成される
ことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成された電力制御モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項16】
環境光の強度に基づいて出力信号を生成するように構成された周辺光センサをさらに備え、
前記電力制御モジュールは、前記周辺光センサの前記出力信号に応答して、前記コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成される
ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記通信装置の内部温度に基づいて出力信号を生成するように構成された熱制御モジュールをさらに備え、
前記電力制御モジュールは、前記熱制御モジュールの前記出力信号に応答して、前記コヒーレント光源に与える電力を変調するように構成される
ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
【請求項18】
前記通信装置は、モバイル端末、オーディオプレイヤ、ビデオプレイヤ、メモリスティック、電子ヘッドセット、電子玩具、電子ゲームのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項19】
通信装置を動作させる方法であって、
半透明部を有する筐体を用いて通信回路とコヒーレント光源とを少なくとも部分的に囲むステップと、
前記コヒーレント光源から前記筐体の半透明部を透過して光を投影するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記筐体は、前記光源からの光を実質的にブロックして、該筐体を透過させないように構成された不透明部をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−517919(P2011−517919A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504975(P2011−504975)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/011972
【国際公開番号】WO2009/128812
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】