説明

管材の接合構造体

【課題】 溶接が困難なステンレス鋼等からなる管材とチタン等からなる管材との強度も気密性も優れた接合構造体を提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材のうち、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、両管材の先端を凹凸嵌合してなる管材の接合構造体であって、凸部の高さを凹部の深さより長くし、嵌合して形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心として第1管材または第2管材と同じ管材からなるスリーブを挿嵌し、スリーブが第2管材と同じ場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合してなり、スリーブが第1管材と同じ場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管材の接合構造体に関するものである。詳しくは溶接が困難なステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる管材との接合構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種のプロセス流体の圧力等を測定するために用いられるリモートシール型の差圧または圧力発信器は、通常、発信器本体側の圧力検出を行なう検出部、検出部から離れたプロセス流体と接触するシールダイヤフラムおよびシールダイヤフラムを保持するダイヤフラムベースを測圧部とし、この測圧部のダイヤフラムベースと検出部との間をキャピラリチューブで繋ぎ、その内部にシリコンオイル等の圧力伝達媒体を封入した構造としている。
シールダイヤフラムは、通常、その周縁部をダイヤフラムベースに溶接し、固着している。
【0003】
プロセス流体が腐食性である場合、シールダイヤフラムとして一般的なステンレス鋼(SUS)等で形成すると腐食してしまうため、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ハステロイ等のような耐蝕性を有する金属材料を使用してシールダイヤフラムは形成されている。
【0004】
具体的には、これらの耐蝕性を有する金属材料を蒸着する方法、ダイヤフラムベースの周縁部にシールダイヤフラムと同じ金属材料の略環状のカバーを配置し、シールダイヤフラムの周縁部をカバー内周縁に溶接し、固着する方法(特許文献1参照。)等が知られている。
【0005】
しかしながら、耐蝕性を有する金属材料を蒸着する方法は耐久性が必ずしも十分でない。
また、上記の耐蝕性を有する金属材料とステンレス鋼との溶接は、割れが発生したり、溶接強度が不十分であったりするため、略環状のカバーを配置して行う方法は、同じ耐蝕性を有する金属材料同士のシールダイヤフラムとカバーとの溶接は可能であるが、ステンレス製のダイヤフラムベースに耐蝕性を有する金属材料のカバーを完全に溶接することは困難であり、結果として漏れが発生することになる。ダイヤフラムベースとカバーの溶接を行わないと、封入したシリコンオイル等の圧力伝達媒体の漏れにつながり、正確な測定ができなくなる。測圧部から検出部までの全てを上記の耐食性を有する金属材料で形成することは、経済性の点で好ましくない。
【特許文献1】実開平7−14344号公報(図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、溶接が困難なステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる管材との強度も気密性も良好な接合構造体、リモートシール型の差圧または圧力発信器のステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプター(管材)とチタンからなるダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたチタンからなるダイヤフラムベースアダプター(管材)との強度も気密性も良好な接合構造体、およびこの接合構造体の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明者らはかかる課題を解決するために、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材との接合について鋭意検討した結果、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、その際凸部の高さを凹部の深さより長くし、両管材の先端を凹凸嵌合し、形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心として前後にチタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるスリーブを挿嵌し、スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合してなり、スリーブがステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接することによって、強度も気密性も優れた接合構造体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち第1の発明は、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材のうち、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、両管材の先端を凹凸嵌合してなる管材の接合構造体であって、凸部の高さを凹部の深さより長くし、嵌合して形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心としてチタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるスリーブを挿嵌し、スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合してなり、スリーブがステンレス鋼、、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接してなることを特徴とする管材の接合構造体である。
この接合構造体は、強度も気密性も優れた接合構造体である。
【0009】
第2の発明は、凸部の外側面および凹部の内側面にネジを設け、螺合してなることを特徴とする前記第1発明記載の管材の接合構造体である。
凹凸部にネジを設け、螺合してなる接合構造体はより強固な構造体になる。
【0010】
第3の発明は、第1管材が、リモートシール型の差圧または圧力発信器のキャピラリチューブアダプターであり、第2管材がダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたダイヤフラムベースアダプターである前記第1発明または第2発明記載の管材の接合構造体である。
本発明の接合構造体は、リモートシール型の差圧または圧力発信器のステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるキャピラリチューブアダプターとダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたチタン、タンタルまたはジルコニウムからなるダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体として有用である。
【0011】
第4の発明は、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材のうち、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、凸部の高さを凹部の深さより長くし、両管材の先端を凹凸嵌合し、形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心にチタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるスリーブを挿嵌し、スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合し、スリーブがステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接することを特徴とする管材の接合構造体の製造方法である。
この方法によって、強度も気密性も優れたステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる管材との接合構造体を容易に製造できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材との接合構造体は、強度も気密性も優れた接合構造体であり、凹凸部にネジを設け、螺合することによってより強固な接合構造体になり、リモートシール型の差圧または圧力発信器のステンレス鋼または炭素鋼からなるキャピラリチューブアダプターとダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたチタン、タンタルまたはジルコニウムからなるダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体として有用で、本発明の方法によって容易に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を、第1管材としてステンレス鋼、第2管材としてチタンを例に、図1および図2をもとに詳細に説明する。ステンレス鋼の代わりにニッケル基合金または炭素鋼、チタンの代わりにタンタルまたはジルコニウムの場合も同様に行われる。
ニッケル基合金としては、NCF600、NCF601、NCF625、NCF690、NCF718、NCF750(JIS G4901、G4902で規定)等、およびハステロイ(登録商標)C、ハステロイB等が挙げられる。
図1は本発明の接合構造体の一例を示す断面図である。図1の(A)は、ステンレス鋼からなる第1管材(1)の先端の断面を示し、先端には凸部3が形成されている。(B)はチタンからなる第2管材(2)の先端の断面を示し、先端には凹部4が形成されている。
本発明において、第1管材と第2管材の先端の形状が上記と逆であっても良い。すなわちステンレス鋼からなる第1管材(1)の先端に凹部、チタンからなる第2管材の先端に凸部が形成されていてもよい。
凸部の高さを凹部の深さより長くし、嵌合した際に、環状の溝部が形成され、その溝部を銀ろう溶接できるようにしておく。長さの差は約2〜5mmが好ましい。
なお、ステンレス鋼からなる第1管材とチタンからなる第2管材の内径は、同じでも異なっていても良い。
【0014】
凸部の外側面および凹部の内側面にネジを形成しておき、螺合して強固な接合構造体とすることが好ましい。図1では凸部の外側面に雄ネジ(5)、凹部の内側面には雌ネジ(6)が形成されているが、この逆でもよい。
【0015】
図1の(C)は、これら凸部および凹部を螺合して作製した接合構造体の断面を示す。螺合して形成される環状の溝部に銀ろう溶接(8)を行って埋めると共に、ステンレス鋼からなる第1管材(1)とチタンからなる第2管材(2)が接合されている。次に、その上に溶接部を中心としてスリーブを挿嵌される。スリーブ材としては、チタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼、好ましくはチタンまたはステンレス鋼が用いられる。
【0016】
スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、ステンレス鋼からなる第1管材とスリーブの第1管材側端部が銀ろう溶接され、チタンからなる第2管材とスリーブの第2管材側端部が溶融接合される。スリーブがステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、ステンレス鋼からなる第1管材とスリーブの第1管材側端部が溶融接合され、チタンからなる第2管材とスリーブの第2管材側端部が銀ろう溶接される。
このようにして作製した、溶接が困難なステンレス鋼からなる第1管材とチタンからなる第2管材との接合構造体は、強度も気密性も優れている。
【0017】
銀ろう溶接は公知の方法で行われる。銀ろう溶接は、ステンレス鋼とチタン、ステンレス鋼とタンタル、ステンレス鋼とジルコニウムなどの融接が困難である材料の組み合わせの接合に適用されることがあり、チタンとステンレス鋼のろう接に用いられるろうとしてはBAgが挙げられる(浜田晋作 著 現代溶接技術大系 産報出版社、1980年、No.9、P.176)。
溶融接合も公知の方法で行われる。溶融接合として、例えばTIG溶接法や電子ビーム溶接法などが挙げられ、ステンレス鋼同士の接合、チタン同士の接合、ジルコニウム同士の接合、タンタル同士の接合など多くの共材接合の場合に用いられ、さらにチタンとジルコニウムの接合、チタンとタンタルなど、互いの金属が全率固溶体を形成する金属の接合に用いられる(接合・溶接技術Q&A1000編集委員会編 接合溶接技術QA 株式会社 産業技術サービスセンタ−社、2000年、P.203)。
【0018】
図2は本発明のステンレス鋼からなる第1管材とチタンからなる第2管材との接合構造体の一例であるリモートシール型の差圧または圧力発信器のステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプターとチタンからなるダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたチタンからなるダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体の断面図である。
ステンレス鋼からなるキャピラリチューブ(21)が第1管材であるステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプター(11)に嵌挿し、先端が溶融接合され、溶着(22)されている。キャピラリチューブアダプターの先端には凸部(13)が形成され、その外側面に雄ネジ(15)が形成されている。
チタンからなるダイヤフラムベース(23)に第2管材であるチタンからなるダイヤフラムベースアダプター(12)が埋め込まれ、周囲が溶融接合(24)されている。ダイヤフラムベースアダプターの先端には凹部(14)が形成され、その内側面に雌ネジ(16)が形成されている。
凸部の高さを凹部の深さより長くし、嵌合した際に、幅が約2〜5mmの環状の溝部が形成され、その溝部を銀ろう溶接できるようにしている。
【0019】
キャピラリチューブアダプターの凸部およびダイヤフラムベースアダプターの凹部は螺合され、形成される環状の溝部に銀ろう溶接(18)を行って接合されている。
この溶接部を中心としてその上にチタンからなるスリーブが挿嵌され、ステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプターとチタンからなるスリーブのキャピラリチューブアダプター側端部が銀ろう溶接され、ダイヤフラムベースアダプターとスリーブのダイヤフラムベースアダプター側端部が溶融接合され、接合構造体が形成されている。
なお、スリーブ材として、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼を用いてもよい。スリーブ材としてタンタルまたはジルコニウムを用いた場合は、チタンの場合と同様に、キャピラリチューブアダプターとスリーブのキャピラリチューブアダプター側端部が銀ろう溶接され、ダイヤフラムベースアダプターとスリーブのダイヤフラムベースアダプター側端部が溶融接合される。スリーブ材としてステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼を用いた場合は、キャピラリチューブアダプターとスリーブのキャピラリチューブアダプター側端部が溶融接合され、ダイヤフラムベースアダプターとスリーブのダイヤフラムベースアダプター側端部が銀ろう溶接される。
【実施例】
【0020】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0021】
図2に示すリモートシール型の差圧または圧力発信器のステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプターとチタンからなるダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体を作製する。
ステンレス鋼からなるキャピラリチューブアダプター(外径13.5mmφ、内径2mmφ)(11)の先端を凸状(高さ8mm、外径10mm)(13)に加工し、その側面に雄ネジ(15)を形成する。このキャピラリチューブアダプターにはステンレス鋼からなるキャピラリチューブ(外径3mmφ、内径2mmφ)(21)を嵌挿し、先端を電子ビーム溶接(22)し、溶着する。
チタンからなるダイヤフラムベースアダプター(外径13.5mmφ、内径5.5mmφ、埋め込み部17mmφ)(12)の先端を凹状(深さ6mm、厚さ2mm)(14)に加工し、その内側面に雌ネジ(16)を形成する。このダイヤフラムベースアダプターはチタンからなるダイヤフラムベース(23)に埋め込み、周囲を電子ビーム溶接(24)し、溶着する。
【0022】
これら凸状のステンレスからなるキャピラリチューブアダプターと凹状のチタンからなるダイヤフラムベースアダプターとを螺合し、形成される幅が約2mmの環状の溝部をろうとしてBAgを用いて銀ろう溶接(18)して埋め、接合する。
次に、この銀ろう溶接部を中心にチタンからなるスリーブ(外径17mmφ、内径14mmφ、長さ13.5mm)(17)を挿嵌し、ステンレスからなるキャピラリチューブアダプターとスリーブのキャピラリチューブアダプター側端部を銀ろう溶接(20)し、チタンからなるダイヤフラムベースアダプターとスリーブのダイヤフラムベースアダプター側端部を電子ビーム溶接(19)し、ステンレスからなるキャピラリチューブアダプターとチタンからなるダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体を作製する。
この接合構造体の接合部は曲げに対して堅牢であり、気密性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の接合構造体の一例を示す断面図である。
【図2】リモートシール型の差圧または圧力発信器のキャピラリチューブアダプターとダイヤフラムベースアダプターとの接合構造体の断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 第1管材
2 第2管材
3 凸部
4 凹部
5 雄ネジ
6 雌ネジ
7 スリーブ
8 銀ろう溶接部
9 溶接部
10 溶接部
11 キャピラリチューブアダプター
12 ダイヤフラムベースアダプター
13 凸部
14 凹部
15 雄ネジ
16 雌ネジ
17 スリーブ
18 銀ろう溶接部
19 電子ビーム溶接部
20 銀ろう溶接部
21 キャピラリチューブ
22 電子ビーム溶接部
23 ダイヤフラムベース
24 電子ビーム溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材のうち、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、両管材の先端を凹凸嵌合してなる管材の接合構造体であって、凸部の高さを凹部の深さより長くし、嵌合して形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心としてチタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるスリーブを挿嵌し、スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合してなり、スリーブがステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接してなることを特徴とする管材の接合構造体。
【請求項2】
凸部の外側面および凹部の内側面にネジを設け、螺合してなることを特徴とする請求項1記載の管材の接合構造体。
【請求項3】
第1管材が、リモートシール型の差圧または圧力発信器のキャピラリチューブアダプターであり、第2管材がダイヤフラムベースに埋め込み溶接して取り付けたダイヤフラムベースアダプターである請求項1または2記載の管材の接合構造体。
【請求項4】
ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる第1管材とチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる第2管材のうち、一方の管材の先端を凹状、他方の管材の先端を凸状とし、凸部の高さを凹部の深さより長くし、両管材の先端を凹凸嵌合し、形成される環状の溝部を銀ろう溶接し、その上に溶接部を中心にチタン、タンタル、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなるスリーブを挿嵌し、スリーブがチタン、タンタルまたはジルコニウムからなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を銀ろう溶接し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を溶融接合し、スリーブがステンレス鋼、ニッケル基合金または炭素鋼からなる場合は、第1管材とスリーブの第1管材側端部を溶融接合し、第2管材とスリーブの第2管材側端部を銀ろう溶接することを特徴とする管材の接合構造体の製造方法。



【図1】
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【図2】
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