説明

管状部材の製造方法及び製造装置

【課題】密閉型電池等の開口部をもつ管状部材に蓋部材を固定する方法を提供する。
【解決手段】筒状部材11と、蓋部材12とを巻き締めする方法であり、断面形状が、巻き締めした後の外形と同程度の形状をもつ曲線であり、巻き締めされる部位に概ね沿って配設される巻き締めガイド部212をもつ押し型21にて、押圧することで、重なり合った部分を押し型の断面形状に沿って巻回される巻回工程と座屈を防ぐ工程とを有することを特徴とする。管状部材と蓋部材とに重なり合う巻き締め部111、121を設け、その巻き締め部を開口方向から押し型21で押圧することで、巻き締めが完了する。巻き締め部111、121は当接する巻き締めガイド部212の形状に沿って巻回する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き締めにより開口部を封止するのに好適な蓋部材の取り付け方法に特徴をもつ管状部材の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉型電池は一端部が開口する管状の電池缶の内部に発電要素を挿入した後、開口部を蓋部材にて封止することにより製造している。蓋部材を電池缶に固定する従来技術としては、カシメ固定法にて行う方法が挙げられている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の方法は外装缶開口部を金型を用いて約90度に内側に折り曲げる方法である。密閉性確保のためにガスケットなどのシール材が用いられている。特許文献1の方法ではガスケットを採用しているので、部品点数が多くなると共に、作業性の向上には限界があった。
【特許文献1】特開2003−257382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記実情に鑑み為されたものであり、簡便な方法で電池缶などの一端部が開口した管状部材の開口部に蓋部材を固定することが可能な管状部材の製造方法及びその製造方法に好適に用いることができる製造装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する目的で、本発明者らは鋭意検討を行った結果、管状部材の開口部に蓋部材を固定する方法として巻き締めを採用することに思い至り、その巻き締めをプレス類似の手法にて行うことができる製造方法を開発し、以下の発明を完成した。
【0006】
(1−1)すなわち、上記課題を解決する本発明の管状部材の製造方法は、少なくとも一端部が開口する筒状部材と、該一端部に固定される蓋部材とを巻き締めする方法を採用した該一端部に該蓋部材を固定した管状部材の製造方法であって、
前記筒状部材の前記一端部と前記蓋部材とは少なくとも巻き締めされる部分において重なり合って密着する形状をもつ巻き締め部をそれぞれにもち、
該筒状部材及び該蓋部材それぞれの該巻き締め部を重ね合わせる工程と、
断面形状が、該巻き締め部を巻き締めした後の外形と同程度の形状をもつ曲線からなり、該巻き締め部の該一端部側がある部位に概ね沿って配設される巻き締めガイド部をもつ押し型にて、該一端部が開口する方向から該巻き締め部に当接・押圧することで、重なり合った該巻き締め部の該一端部側が該押し型の該断面形状に沿って巻回される巻回工程と、
該巻回工程において、該巻き締め部を支持することで座屈を防ぐ工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
管状部材と蓋部材とに重なり合う巻き締め部を設け、その巻き締め部を開口方向から押し型で押圧することで、巻き締めが完了する。巻き締め部に当接する押し型の部位には巻き締め部が巻き締めされる断面形状に相当する断面形状を有する巻き締めガイド部が設けられており、押し型の押圧により巻き締め部の一端部側から順に巻き締めガイド部内の形状に沿って曲がって(巻かれて)いくことになる。巻き締めガイド部により巻き締め部が順次巻かれていくことで巻き締め部の一端部側は巻き締めガイド部の断面径をもつロール状に巻かれていく。巻き締め部の長さ及び巻き締めガイド部の断面形状を変化させることで巻き締めの回数・形状を制御できる。更に、押し型を開口部に押圧するときに管状部材などに座屈が生じないように巻き締め部を支持することで、安定して巻き締めを行うことができる。
【0008】
ここで、巻き締めガイド部に巻き締め部の一端部側が当接する部分の傾斜の方向により巻き締め部が巻かれていく方向が決定される。例えば、巻き締めガイド部の外方向で巻き締め部の一端部側に当接する場合には巻き締め部の一端部側は巻き締めガイド部に合わせて内側方向に折れ曲がっていく。反対に、巻き締めガイド部の内方向で巻き締め部の一端部側に当接する場合には巻き締め部の一端部側は巻き締めガイド部に合わせて外側方向に折れ曲がっていく。
【0009】
(1−2)前記管状部材の内周面には、該管状部材内に前記蓋部材が進入することを制限する縮径部を有することが望ましい。有底の缶などの開口部を蓋部材にて封止する場合など管状部材の一端部側に蓋部材を位置決めする有効な手段とすることができる。
【0010】
(1−3)前記巻き締め部は、前記管状部材の前記一端部及び前記蓋部材の全周にわたり形成され、該管状部材の該一端部は該蓋部材により封止されていることで、管状部材の一端部側の開口部を蓋部材にて封止することができる。
【0011】
(1−4)前記重ね合わせ工程後、前記巻回工程前に前記巻き締め部の前記一端部方向の先端部を巻回方向に応じて縮径又は拡径する工程を有することで、巻き締め部の一端部側を巻き締めガイド部にて確実に受けることができる。
【0012】
(1−5)前記巻回工程後、巻回された前記巻き締め部を前記管状部材の径方向に押圧して扁平化させる扁平化工程を有することで、管状部材由来の巻き締め部と蓋部材由来の巻き締め部との密着性をより高めることができる。
【0013】
(1−6)前記巻き締め部は前記管状部材の内側方向に巻回され、前記座屈防止工程における前記巻き締め部の支持は、該巻き締め部の外周面に密着する座屈防止金型により行われることで、巻き締めされた巻き締め部が管状部材の径方向外側に突出することがなくなり、複数の管状部材を並べた場合でも巻き締め部による空間の無駄発生をなくすることができる。ここで、前記押し型の外周面は前記座屈防止金型の内周面に密着する形状にすることで、巻き締め部を内巻きにする際に押し型による管状部材の座屈が効果的に防止できる。
【0014】
(1−7)前記巻き締めガイド部は、前記巻き締め部に沿って延設された溝とすることが望ましい。巻き締めガイド部は巻き締め部を巻くことができる最小限の長さ、数だけ設けても十分に巻き締めを行うことができるが、巻き締め部に沿った状態で連続して設けた溝とすることで、より確実に巻き締めを行うことができる。
【0015】
(2)上記課題を解決する本発明の管状部材の製造装置は、少なくとも一端部が開口する筒状部材と、該一端部に固定される蓋部材とを巻き締めする装置であって、
前記筒状部材の前記一端部と前記蓋部材とは少なくとも巻き締めされる部分において重なり合って密着する形状をもつ巻き締め部をそれぞれにもち、それぞれの該巻き締め部を重ね合わせた状態の該筒状部材及び該蓋部材に対して、
断面形状が、該巻き締め部を巻き締めした後の外形と同程度の形状をもつ曲線からなり、且つ、該巻き締め部の該一端部側がある部位に概ね沿って配設される巻き締めガイド部をもち、該一端部が開口する方向から該巻き締め部に当接・押圧することで、重なり合った該巻き締め部の該一端部側を該押し型の該断面形状に沿って巻回する押し型と、
該押し型が巻き締めする方向と反対の方向から該巻き締め部を支持することで座屈を防ぐ座屈防止金型と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の管状部材の製造方法及び製造装置によると、型にて押圧することで巻き締めが完了し、巻き締めの程度も制御可能なので、シール材を用いなくてもシール性に優れた管状部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の管状部材の製造方法は、少なくとも一端部が開口する筒状部材に対して、蓋部材を一端部に蓋部材を固定する方法に適用できる。ここで、管状部材と蓋部材との固定は一般的に巻き締めと称される方法にて行われる。巻き締めの回数・長さなどを調節することで、密封性などの必要な性能を得ることができる。
【0018】
本発明が適用できる対象としては、リチウム電池などの密閉型電池の筐体としての有底の管状部材と蓋部材との固定や、食品や飲料物用の缶の封止など有底、無底を問わずに管状部材の開口する一端部に蓋部材を固定する方法一般に適用できる。管状部材の断面形状としては円形はもちろん角形などの多角形にも適用できる。なお、断面形状が多角形の場合には、巻き締め遂行の容易さの観点からは角部分は曲線にて丸めることが望ましい。
【0019】
管状部材と蓋部材との固定は管状部材の開口部の全周にわたって行わなず、一部分を巻き締めなしとすることもできる。管状部材の一端部と蓋部材とは、少なくとも巻き締めされる部分において重なり合って密着する形状をもつ巻き締め部をそれぞれにもつ。巻き締め部の開口部方向の長さは巻き締めを行う長さに応じて決定される。巻き締め部を長くする方が巻き締めの回数を多くすることができる。
【0020】
管状部材の内周面は蓋部材が当接することで蓋部材の進入を制限し、管状部材の開口方向の位置決めができる縮径部を有することができる。有底の管状部材などでは蓋部材の位置決めに管状部材の内部から蓋部材を固定することができないからである。また、電池のように、内部に収納する発電要素を外力からの影響をなく必要がある場合にも有用である。
【0021】
本発明の管状部材の製造方法は重ね合わせ工程と巻回工程と座屈防止工程とその他の工程とを有する。重ね合わせ工程は管状部材と蓋部材とを重ね合わせる工程である。蓋部材の一端部の内周面に蓋部材を挿入・固定する工程である。
【0022】
巻回工程は、重なり合った巻き締め部の一端部側から押し型により押圧を行い、巻き締め部を順次ロールさせる工程である。押し型は断面形状が巻き締め部を巻き締めした後の外形と同程度の断面形状をもつ曲線からなり巻き締めガイド部をもつ。巻き締め部(特に巻き締めの初期に巻き締めされる巻き締め部の一端部側)が滑らかに滑るように、巻き締めガイド部の断面形状は滑らかな曲線にて構成されることが望ましい。例えば、巻き締めガイド部の断面形状としては半円形状やU字状などが例示できる。
【0023】
巻き締め部の一端部側は巻き締めガイド部に当接することで、巻き締めガイド部の断面形状に倣って曲げられていく。巻き締めガイド部は巻き締め部の巻き締めが確実に遂行できるように巻き締め部の要所に配設されている。
【0024】
例えば、管状部材の開口部の形状が直線部分と曲線部分とから成り立っている場合に、直線部よりも曲線部に対応する部位に対して、より多くの巻き締めガイド部を配設することで、より滑らかに巻き締めを行うことができる。可能ならば、巻き締め部の一端部側のすべてに対応する部位に巻き締めガイド部を連続的に延設することが巻き締めの確実性の観点からは望ましい。
【0025】
巻回工程では、巻き締め部(場合によっては管状部材のその他の部分も)に座屈が進行する方向に応力が加えられている。そこで、座屈防止工程として、巻き締め部を支持することで座屈の進行を防止する工程を有する。巻き締め部が管状部材の内側方向に巻回される場合に、本座屈防止工程における巻き締め部の支持は、巻き締め部の外周面に密着する座屈防止金型により行われることができる。
【0026】
その他の工程としては特に限定されず、一般的なその他の処理(例えば、管状部材を形成する工程など)を有することができる。本発明に関係する工程としては前記重ね合わせ工程後、前記巻回工程前に、重なり合った巻き締め部の一端部方向の先端部を巻回方向に応じて縮径又は拡径する工程を有することができる。予め巻き締め部の一端部側に曲げ(縮径又は拡径)を形成することで、巻回工程においてスムーズに巻き締めを行うことができる。具体的には内巻きの場合には縮径を、外巻きの場合には拡径を行うことが望ましい。
【0027】
また、管状部材と蓋部材との密着をより完全なものにする目的で、前記巻回工程後、巻回された巻き締め部を管状部材の径方向に押圧して扁平化させる扁平化工程を有することができる。扁平化は対応する形状をもつ押し型を作成し、その押し型にて押圧することで達成できる。
【実施例】
【0028】
本発明の管状部材の製造方法について、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。説明に用いる図面は模式図であり、各部の寸法、比率などは必ずしも正確なものではない(特に、部材の大きさに対する板厚など)。
【0029】
図1(a)に示すように、本実施例の管状部材の製造方法を適用する管状部材は一端部が開口する有底の管状部材である缶本体11と蓋部材12とである。缶本体11は、図1(b)の上面図に示すように、一端部に直交する断面が角が丸まった四角である直方体である。一端部近傍には巻き締め部111が設けられ、巻き締め部111の下端には径が縮めてある縮径部112が形成されている。縮径部112より図面上方は板厚が薄くされていることで縮径部112が形成されている。
【0030】
蓋部材12は缶本体11の開口部近傍に嵌合できる形状をもつ部材である。蓋部材12は巻き締め部121が設けられ、巻き締め部121の下端には缶本体11の縮径部112が当接して、蓋部材12を開口部から挿入した際にそれ以上、進入できないようになっている。
【0031】
重ね合わせ工程:缶本体11と蓋部材12とを重ね合わせる。蓋部材12は缶本体11の一端部から挿入・嵌合させる。缶本体11の巻き締め部111と蓋部材12の巻き締め部121とは密着して重ね合わされている。
【0032】
縮径工程:図2に示すように、重ね合わせた巻き締め部111、121の一端部側を縮径する工程である。図には示さないが、型内に挿入する前の重ね合わされた缶本体11及び蓋部材12に対して、一端部側から縮径の程度に応じた形状をもつ縮径型を押圧することで縮径する(拡径を行う場合(外巻きの場合)は反対に拡径を行う)。本図では蓋部材12は缶本体11内に挿入される前に巻き締め部121側が縮径されている。
【0033】
なお、縮径工程により、巻き締め部111、121を縮径しなくても良い場合があり、後述する巻回工程にて併せて、説明する。
【0034】
巻回工程及び座屈防止工程:重ね合わせられた缶本体11及び蓋部材12は座屈防止金型22内に挿入される。その後、上方から押し型21により押圧する。押し型21は、図2及び3に示すように、巻き締め部111、121の一端部側が当接できる巻き締めガイド部212が巻き締め部111、121が設けられている全周にわたって形成されている。巻き締めガイド部212の断面形状は半円形状であり、更に、中心部近傍には突起211が形成されている。押し型21を座屈防止金型22内に挿入すると、巻き締めガイド部212が巻き締め部111、121に当接する。
【0035】
巻き締め部111、121の一端部側は内側に向くように縮径されており、また、巻き締めガイド部212の断面形状が滑らかな半円形状であるので、巻き締め部111、121の一端部側は巻き締めガイド部212の断面形状に倣って内側に曲げられていくことになる。
【0036】
更に、押し型21にて押圧していくと、巻き締めガイド部212内から、巻き締め部111、121の一端部が飛び出すことになる。この場合に、巻き締め部111、121は、座屈防止金型22から離れ、巻き締めガイド部212にて曲げられ続けるので、飛び出した一端部はそのまま巻かれていくことになり、最終的には巻き締めが完成する(図4)。
【0037】
巻き締め部111、121は、押し型21の進入に伴い、巻き締めガイド部212から拡径方向に応力が加わるが、座屈防止金型22により巻き締め部111、121の外周面から押圧・支持されていることで座屈が防止されている。
【0038】
ここで、巻き締め部111、121の一端部側は縮径されているので、特に問題なく巻き締めガイド部212内に進入、巻回されていくが、一端部側が縮径されずにそのままである場合でも巻回工程を進めることができる。例えば、押し型21が座屈防止金型22に接する部分(巻き締めガイド部212の周辺)を鋭角状に形成することで、巻き締め部111、121と座屈防止金型22との間に押し型21を進入させるて巻回させることが可能になる。ここで、缶本体11や蓋部材12の一端部側は切断など行うことで形成されるが、切断時に僅かに縮径する方向に一端部を変形させることで、押し型21を進入させることに資することができる。
【0039】
扁平化工程:巻き締めが終了した後、押し型21を抜き取り、扁平金型(図略)にて押圧することで巻回した巻き締め部111、121を押しつぶして扁平化する。扁平化することで、缶本体11及び蓋部材12それぞれの巻き締め部111、121の間の密着性が向上する。
【0040】
(変形例1)
なお、扁平型としては押し型として図6に示すような分割された押し型23、24、25を採用することで押し型の抜き取り、扁平型の挿入といった工程が省略できる。押し型23、24、25は同心状の金型でそれぞれ独立して上下動させることができる。
【0041】
押し型23、24、25を用い、図2及び図3と同様にして巻き締め部111、121を巻回した後、押し型24を独立して下方向に動かすことで、図7に示すように、巻回した巻き締め部111、121を扁平化することができる。
【0042】
(変形例2)
更に、図8に示すような分割された押し型26、27、28を採用することで、縮径工程も同一の押し型で行うことができる。つまり、座屈防止金型22から、巻き締め部111、121の一端部側を僅かに突出させた状態で分割された押し型にて押圧する。分割された押し型のうち、押し型28がまず巻き締め部111、121の一端部側に当接し、一端部側を縮径する(縮径工程)。押し型28の外径は座屈防止金型22の開口部より大きいので、座屈防止金型22内に挿入される前に停止される。
【0043】
巻き締め部111、121は、その後、金型26及び27の組み合わせにより、内側に曲がる方向に付勢され続け、巻回が終了した後に、金型27のみで押圧して扁平化工程も完了する(図略)。ここで、巻き締め部111、121は、金型27により、内側に曲げる方向に付勢され、金型26がなくても巻回工程が継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例で用いた管状部材としての缶本体及び蓋部材を示す概略図である。
【図2】実施例における巻回工程を説明する概略断面図である。
【図3】実施例で用いた押し型の概略図である。
【図4】実施例における巻回工程を説明する概略断面図である。
【図5】実施例の製造方法にて製造した蓋部材にて封止された管状部材を示す概略断面図である。
【図6】変形例1にて用いた押し型の概略断面図である。
【図7】変形例1における扁平化工程を説明する概略断面図である。
【図8】変形例2における巻回工程及び扁平化工程を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
【0045】
11…缶本体 111…巻き締め部 112…縮径部
12…蓋部材 121…巻き締め部
21…押し型 211…突起 212…巻き締めガイド部
23、24、25…押し型(扁平型を兼ねている)
26、27、28…押し型(縮径工程用の型及び扁平型を兼ねている)
22…座屈防止金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端部が開口する筒状部材と、該一端部に固定される蓋部材とを巻き締めする方法であって、
前記筒状部材の前記一端部と前記蓋部材とは少なくとも巻き締めされる部分において重なり合って密着する形状をもつ巻き締め部をそれぞれにもち、
該筒状部材及び該蓋部材それぞれの該巻き締め部を重ね合わせる工程と、
断面形状が、該巻き締め部を巻き締めした後の外形と同程度の形状をもつ曲線からなり、該巻き締め部の該一端部側がある部位に概ね沿って配設される巻き締めガイド部をもつ押し型にて、該一端部が開口する方向から該巻き締め部に当接・押圧することで、重なり合った該巻き締め部の該一端部側が該押し型の該断面形状に沿って巻回される巻回工程と、
該巻回工程において、該巻き締め部を支持することで座屈を防ぐ工程と、を有することを特徴とする該一端部に該蓋部材を固定した管状部材の製造方法。
【請求項2】
前記管状部材の内周面には、該管状部材内に前記蓋部材が進入することを制限する縮径部を有する請求項1に記載の管状部材の製造方法。
【請求項3】
前記巻き締め部は、前記管状部材の前記一端部及び前記蓋部材の全周にわたり形成され、
該管状部材の該一端部は該蓋部材により封止されている請求項1又は2に記載の管状部材の製造方法。
【請求項4】
前記重ね合わせ工程後、前記巻回工程前に前記巻き締め部の前記一端部方向の先端部を巻回方向に応じて縮径又は拡径する工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載の管状部材の製造方法。
【請求項5】
前記巻回工程後、巻回された前記巻き締め部を前記管状部材の径方向に押圧して扁平化させる扁平化工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載の管状部材の製造方法。
【請求項6】
前記巻き締め部は前記管状部材の内側方向に巻回され、
前記座屈防止工程における前記巻き締め部の支持は、該巻き締め部の外周面に密着する座屈防止金型により行われる請求項1〜5のいずれかに記載の管状部材の製造方法。
【請求項7】
前記押し型の外周面は前記座屈防止金型の内周面に密着する形状である請求項6に記載の管状部材の製造方法。
【請求項8】
前記巻き締めガイド部は、前記巻き締め部に沿って延設された溝である請求項1〜7のいずれかに記載の管状部材の製造方法。
【請求項9】
少なくとも一端部が開口する筒状部材と、該一端部に固定される蓋部材とを巻き締めする装置であって、
前記筒状部材の前記一端部と前記蓋部材とは少なくとも巻き締めされる部分において重なり合って密着する形状をもつ巻き締め部をそれぞれにもち、それぞれの該巻き締め部を重ね合わせた状態の該筒状部材及び該蓋部材に対して、
断面形状が、該巻き締め部を巻き締めした後の外形と同程度の形状をもつ曲線からなり、且つ、該巻き締め部の該一端部側がある部位に概ね沿って配設される巻き締めガイド部をもち、該一端部が開口する方向から該巻き締め部に当接・押圧することで、重なり合った該巻き締め部の該一端部側を該押し型の該断面形状に沿って巻回する押し型と、
該押し型が巻き締めする方向と反対の方向から該巻き締め部を支持することで座屈を防ぐ座屈防止金型と、を有することを特徴とする該一端部に該蓋部材を固定した管状部材の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−7701(P2007−7701A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192659(P2005−192659)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000241485)豊田通商株式会社 (73)
【出願人】(593055306)岡野工業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】