説明

管理システム

【課題】遊技機等に異常が生じている可能性等の異常状態を的確に判別可能な管理システムを提供する。
【解決手段】遊技機100の稼働状況を示す稼動信号を遊技機100から受信して、遊技機100の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機100から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機100から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
CR機や現金機等のパチンコ機に代表される遊技機を設置して営業を行っている遊技場では、業務の効率化や顧客の要望に応じるために、遊技場内の各種情報を管理している。例えば、各遊技機のゲーム回数や大当たり回数といった稼働情報をホールコンピュータ(管理装置)で集計・管理して、日々の営業に役立てている。また、これら管理装置で集計・管理している情報を基に、遊技機やその他の機器の異常の有無またはその可能性を判断している。
【0003】
そのために管理装置が集計している稼働情報の1つである出玉数は、遊技機から出力される情報である。例えば、特許文献1に示す発明では、パチンコ機10に、パチンコ機10から払出されたセーフ玉(=出玉)を検出するセーフメータ60が備えられており、セーフメータ60は、10個の出玉を検出するごとに1パルスを出力する。これを管理装置で取得することにより、その遊技機の出玉数を算出している。
【特許文献1】特開2003−169954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す発明は、パチンコ機10の遊技機から実際に払い出された遊技媒体を検出して、計数を行い、計数結果をパルスとして出力する構成である。そのため、遊技機の払出手段の異常、セーフメータの検出ミス等により、入賞により払い出しが予定されている出玉数(予定出玉数)と出玉数とが異なる場合がある。その場合には、ホールコンピュータは、誤った出玉数に基づいて、稼働情報を集計し、管理することとなる。また、予定出玉数と計数された出玉数が異なる場合には、遊技機等に何らかの異常が生じている可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、遊技機等に異常が生じている可能性などの異常状態を的確に判別可能な管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0007】
また、請求項2の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0008】
また、請求項3の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計時手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0009】
また、請求項4の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計時手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0010】
また、請求項5の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機内に打ち込まれた遊技媒体数を示す打玉信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記打玉信号に基づいて打玉数を計測する計数手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計数手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0011】
また、請求項6の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機内に打ち込まれた遊技媒体数を示す打玉信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記打玉信号に基づいて打玉数を計測する計数手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計数手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0012】
また、請求項7の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼働信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼働信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機の遊技状態を示す遊技状態信号とを含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記遊技状態信号に基づいて、遊技機が通常状態であるか否かを判断する判断手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記判断手段と前記計時手段とを参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が、遊技機の通常状態において所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が遊技機の通常状態において所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0013】
また、請求項8の発明では、遊技機の稼働状況を示す稼働信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼働信号は、少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機の遊技状態を示す遊技状態信号とを含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記遊技状態信号に基づいて、遊技機が通常状態であるか否かを判断する判断手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記判断手段と前記計時手段とを参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が、遊技機の通常状態において所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が遊技機の通常状態において所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える管理システムとした。
【0014】
また、請求項9の発明では、前記遊技状態信号には、少なくとも遊技機が大当たり状態であることを示す大当たり信号と、遊技機が確率変動状態であることを示す確率変動状態信号と、遊技機が時短状態であることを示す時短信号のいずれかが含まれる、請求項7又は8に記載の管理システムとした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1〜9の発明によれば、累積出玉数又は累積補給玉数と、累積予定出玉数との間に差異が生じた場合には、所定の警告処理を行う構成とすることによって、遊技機等に何らかの異常が生じている可能性があることを、遊技場の従業員等に知らせることができる。そのため知らせを受けた従業員等は、迅速に適切な対応を採ることができる。
【0016】
また特に、請求項3〜6の発明によれば、判定手段による判定の結果、累積出玉数又は累積補給玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれない状態が、所定時間継続した場合あるいは所定の打玉数に達するまでの期間継続した場合に、所定の警告処理を行う構成とすることによって、遊技機等に生じている何らかの異常またはその可能性を、より精度よく検出することができる。
【0017】
また特に請求項7〜9のいずれかに記載の発明によれば、遊技機の累積出玉数又は累積補給玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれない状態が、遊技機の通常状態において所定時間継続している場合に、所定の警告処理を行う構成としたため、遊技機等に異常が生じている可能性等の異常状態をより的確に判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備える構成とすることにより、遊技機等に何らかの異常が生じていることを、遊技場の従業員等に知らせることができる。
【実施例1】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施例を詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
本実施例では、稼働信号に含まれる出玉信号及び出玉予定信号を受信して、累積出玉数と累積予定出玉数との差分を算出する管理システムについて説明する。
【0021】
〈管理システムの構成〉
図1は、本実施例に係る管理システムのシステム構成を例示的に示したブロック図である。
【0022】
図1に示すように、管理システムは、遊技機100、台管理装置200、島管理装置300、管理装置400、及びこれらの機器を接続するネットワーク701、702から構成されている。
【0023】
遊技機100は、所定の入賞イベントの発生に応じて、遊技媒体であるパチンコ玉の払い出しを行う。一般的な遊技機100には、パチンコ玉の入賞に応じて所定数のパチンコ玉が払い出される通常入賞口(図示省略)、パチンコ玉の入賞に応じて抽選処理が始動される始動入賞口113、通常は閉鎖されているが上記抽選処理において当選した場合に開放される大当たり入賞口114等が備えられている。詳しくは後述する。
【0024】
台管理装置200は、接続された遊技機100から稼働状況に係る稼働信号を取得し、管理装置400、後述する島管理装置300等に送出する情報処理装置であり、本実施例では図1に示すように1台の台管理装置200に2台の遊技機100が接続される構成としている。ただし、他の実施例ではこれに限らず、1台の台管理装置200にさらに多くの遊技機100が接続される構成としても良いし、台管理装置200と遊技機100とが1対1で接続される構成としても良い。
【0025】
島管理装置300は、台管理装置200と管理装置400との接続を仲介する情報処理装置である。本実施例の管理システムにおいては、複数の台管理装置200は1以上のグループに分類され、各グループ毎に、島管理装置300は、台管理装置200を管理する。すなわち、図1に示すように、島管理装置300は複数台の台管理装置200と接続される構成としている。ただし、他の実施例ではこれに限られないことは当然である。
【0026】
管理装置400は、管理システムの全体を管理し、各遊技機100のゲーム回数、大当たり回数、出玉数、打玉数、予定出玉数等の稼働情報を集計・管理する情報処理装置である。管理装置400は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等で実現される。管理装置400は、遊技場の従業員等から管理装置400への指示入力を受け付ける指示入力装置406や、障害検出等の表示を行うディスプレイ407等の、ユーザインタフェースを備えている。
【0027】
ネットワーク701、702は、典型的には、LAN(Local Area Network)であるが、有線/無線を問わずデータ送受信可能な回線であればどのような構成でもよい。例えば、公衆回線(アナログ回線、ISDN(Integrated Services Digital Network)等)やWAN(WideArea Network)、無線LAN等により構成してもよい。なお、ネットワーク701、702上の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等を採用することができる。
【0028】
なお、図1に例示した管理システムの構成は、本実施例に係る構成を説明するための基本的なものである。実際の遊技場において管理システムを運用する場合は、管理装置400が遊技機100の稼働状況に係る稼働信号を取得できるならば、用途や目的、或いは、機器の配置等の制約条件に基づいて、多様な構成を取ることができる。例えば、図2のように、管理装置400に遊技機100が接続され、管理装置400は遊技機100から直に稼働状況に関する稼働信号を取得するように構成してもよい。
【0029】
〈遊技機100の構成〉
次に、遊技機100の構成について、図3を参照して説明する。図3は、遊技機100の外観構成の概略を例示した模式図である。図3に示すように、遊技機100は、遊技機本体110、表示器130を有する。
【0030】
本実施例では説明の便宜のため、上記のように、遊技機100を遊技機本体110、表示器130で実現した構成について述べるが、このような構成に限られない。例えば、遊技機100を1つの装置で実現した構成としてもよい。
【0031】
遊技機本体110には盤面111が設けられ、盤面111上には、図柄表示装置112、始動入賞口113、大当たり入賞口114、通常入賞口(図示省略)等が備えられている。また、遊技機本体110の下部には、盤面111へ打ち込むパチンコ玉や払い出されたパチンコ玉を格納する上皿121や、上皿121から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿122と、パチンコ玉の打ち込みの強さを調整するハンドル123等が備えられている。表示器130は、入賞等のイベント発生に応じて所定の表示を行う。
【0032】
図柄表示装置112は、図柄の組合せやデモ表示等により抽選結果の報知や演出表示を行う例えばCRT、液晶等である。また図柄表示装置112は、後述する始動入賞口113をパチンコ玉が通過し、始動入賞が発生したことを条件として、複数種類の図柄を上から下に向かってスクロールさせ可変表示する。また図柄表示装置112は、抽選が終了すると抽選の結果に応じて、予め複数種類定められた特定の図柄のうちのいずれかを表示する。例えば、抽選の結果大当たりに当選した場合には、「777」や「333」等の大当たり図柄を表示する。
【0033】
始動入賞口113は、ハンドル122等の操作により打ち出されたパチンコ玉が通過すると、パチンコ玉の通過を検知する。その結果、始動入賞が発生し、遊技機100の内部に設けられている遊技制御基板(図示省略)等において抽選が実施される。
【0034】
大当たり入賞口114は、通常はパチンコ玉が入賞しないように閉鎖されているが、大当たりに当選した場合に開放される。大当たり入賞口114にパチンコ玉が入賞すると、相当数(例えば、入賞したパチンコ玉1個につき15個)のパチンコ玉が払い出される。大当たり入賞口114の開放は、大当たり発生後、所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、又は、所定数のパチンコ玉が大当たり入賞口114に入賞するまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。一般的に、大当たり入賞口114はパチンコ玉が通過しやすい位置に設けられるため、大当たりの発生期間(ラウンド中)においては大量のパチンコ玉が払い出されることになる。
【0035】
このように大当たりに当選した場合は、大当たり入賞口114が開放される等して、遊技機100の遊技状態は大当たり状態になる。
【0036】
また、抽選の結果が確率変動状態を伴う大当たり(以下、確変大当たりという。)である場合には、遊技機100の遊技状態は大当たり状態終了後に、遊技機の通常の遊技状態に比べて大当たりが発生する確率が高く変動した確率変動状態となる。
【0037】
遊技機100が通常の遊技状態中に確変大当たりが発生すると、その確変大当たりによる大当たり状態が終了してから、少なくとも定められた確変継続回数だけ大当たりが発生するまでの期間は、確率変動状態が継続する。
【0038】
また、確率変動状態中に確変大当たりが発生すると、その確変大当たり以降、改めて確変継続回数が計数され、その後少なくとも確変継続回数だけ大当たりが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当たりが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、大当たり状態が終了すると通常の遊技状態に戻る。
【0039】
また遊技機100の機種によっては、大当たり状態の終了後から次の大当たりが発生するまで時短状態になるように設定されているものもある。時短は、図柄表示装置112の1回の図柄可変時間が短縮される機能である。
【0040】
遊技機100は、遊技機100の稼働状況を示す稼働信号を外部装置へ送出するためのインタフェース(不図示)を備える。
【0041】
稼働信号には、遊技機100から払い出された遊技媒体(=出玉)数に係る出玉信号と、遊技機から払い出される予定の遊技媒体(=予定出玉)数に係る出玉予定信号とが含まれる。これらの信号は、例えば、遊技媒体の払い出しや入賞に応じてパルスを出力するように構成することができる。具体的には、本実施例では遊技機本体110に遊技媒体の払い出しを検知する払出検知手段を設け(図示省略)、払出検知手段は遊技媒体の払い出しを検知すると、その払い出し個数10個につき出玉信号を1パルス出力する。また、遊技機本体110の始動入賞口113、大当たり入賞口114等に入賞を検知する入賞検知手段を設け(図示省略)、入賞検知手段は遊技媒体の通過を検知すると、その入賞口への入賞に応じて予め定められている遊技媒体の払出予定数を演算して、遊技機100内の記憶手段(図示省略)に累積的に記憶しておき、この遊技媒体の払出予定数が10に達するごとに出玉予定信号を1パルス出力する構成としている。このように、出玉信号は実際に遊技機から払い出された遊技媒体の個数を検知して出力されるものであるのに対し、出玉予定信号は遊技機から払い出されるべき遊技媒体の個数を演算して出力されるものであり、基本的に出玉信号の送出回数と出玉予定信号の送出回数とは一致する。また、本実施例では払い出し個数10個につき出玉信号を1パルス出力し、払出予定数10ごとに出玉予定信号を1パルス出力する構成としているが、これに限られるものではなく、例えば払い出し個数1個につき出玉信号を1パルス出力し、払出予定数1ごとに出玉予定信号を1パルス出力する構成としても良いし、1パルスを出力する遊技媒体の単位数をそれ以外としても良く、さらには出玉信号と出玉予定信号とで1パルスを出力する遊技媒体の単位数が異なるように構成しても良い。出玉信号と出玉予定信号とで1パルスを出力する遊技媒体の単位数を異なるものとしたときは、出玉信号の出力回数と出玉予定信号の出力回数とは一致しないことは当然である。
【0042】
また、稼働信号には遊技機100の遊技状態を示す遊技状態信号が含まれる。遊技状態信号には、遊技機100が大当たり状態であることを示す大当たり信号と、遊技機100が確率変動状態(=確変状態)であることを示す確率変動信号と、遊技機100が時短状態であることを示す時短信号が含まれる。なお、本実施例では遊技機100が時短状態である場合に時短信号を送出するものとしているが、これに限られるものではなく、時短状態であっても遊技機100は大当たり状態を示す大当り信号を送出し、これを受信した管理装置400において、予め設けた閾値時間よりも1回の大当たり信号の継続受信時間が短い場合は遊技機100が時短状態にあると判断し、閾値時間よりも長い場合は遊技機100が大当り状態にあると判断する構成としても良い。
【0043】
なお、大当たり信号等の各遊技状態信号は、遊技機100が該当する遊技状態の間継続して送出され(=遊技状態信号が立ち上がる)、遊技機100において該当する遊技状態が終了すると、送出を停止する(=遊技状態信号が立ち下がる)構成となっている。従って、遊技機100が大当たり状態、確率変動状態、時短状態以外の、通常の遊技状態(=通常状態)である場合には、遊技機100から遊技状態信号は送出されない。
【0044】
〈管理装置400の構成〉
次に、管理装置400のハードウェア構成について、図4を参照して説明する。図4は、管理装置400のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。
【0045】
図4において、CPU410は、後述するHD405に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM402にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶する制御を行う。
【0046】
また、CPU410は、各遊技機100から送出される出玉信号、出玉予定信号を受信すると、当該出玉信号に係る出玉数及び当該出玉予定信号に係る予定出玉数を、遊技機100毎に区分けして、後述するHD405の一時記憶領域451に累積的に記憶させる。また、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数と累積出玉数とを比較して一致するか否かの比較を行う比較手段としての役割を果たす。本実施例1では比較の方法として、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積出玉数とが一致するか否かを判定できればその方法は問わないものである。またCPU410は、算出した差分が0(ゼロ)であるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。また、算出された差分が0ではなく、「異常」と判定した場合には、CPU410は、所定の警告処理、すなわち本実施例1では、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0047】
ROM401は、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種データを記憶する。RAM402は各種データを一時記憶するためのものであり、CPU410の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0048】
外部記憶ドライブ403は、記録媒体へのアクセスを実現するためのものであり、メディア(記録媒体)404に記憶されたプログラム等を管理装置400にロードすることができる。尚、メディア404には、例えば、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、PCカード、DVD、ICメモリカード、MO、メモリスティック等が含まれる。
【0049】
HD(=ハードディスク)405は外部記憶装置であり、大容量メモリとして機能する。HD405には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等が記憶される。また、このHD405には一時記憶領域451が設けられ、この一時記憶領域451には出玉数及び予定出玉数を含む稼動情報が累積的に記憶される。ただし他の実施例では、この一時記憶領域451をRAM402やメディア404に設ける構成としてもよいことは自明である。
【0050】
一時記憶領域451には、各遊技機100の営業日当日の稼働情報が累積的に記憶される。なお、稼働情報には、出玉数、予定出玉数の情報が含まれることは上述の通りである。一時記憶領域451内に記憶されている情報の一例を、図5を用いて説明する。図5に示すように、一時記憶領域451内には、遊技機100ごとに割り当てられた台番号601で区分けされて、各遊技機100ごとに、営業日当日の累積予定出玉数602、累積出玉数603が記憶されている。そして、その日の営業が終了すると、管理装置400の締め処理時にその日の累積予定出玉数602、累積出玉数603がHD405その他の記憶装置に営業日ごとに記憶され、一時記憶領域451から消去される。
【0051】
指示入力装置406は、例えば、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネルである。指示入力装置406を用いて、遊技場の従業員等は、管理装置400に対して、管理装置400を制御するコマンド等を入力指示する。
【0052】
ディスプレイ407は、表示手段としての役割を果たし、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTであり、指示入力装置406から入力されたコマンドや、それに対する管理装置400の応答出力等を表示するものである。またディスプレイ407は、警告処理の1つである、異常と判定された遊技機100の識別情報を表示する役割を果たす。具体的には、ディスプレイ407は、異常を表す文字、図形、記号等とともに、異常と判定された遊技機100の台番号を表示する。
【0053】
システムバス409は、管理装置400内のデータの流れを司るものである。408はインターフェイス(以下、I/Fという)であり、このI/F408を介して外部装置とのデータのやり取りを行う。
【0054】
尚、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0055】
本実施例では、メディア404から本実施例に係るプログラム及び関連データを直接RAM402にロードして実行させる例を示しているが、これ以外にも、本実施例に係るプログラムを動作させる度に、既にプログラムがインストールされているHD405からRAM402にロードするようにしてもよい。また、本実施例に係るプログラムをROM401に記録しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接CPU410で実行することも可能である。
【0056】
また、本実施例では、説明の便宜のため、管理装置400を1つの装置で実現した構成について述べるが、複数の装置にリソースを分散した構成によって実現してもよい。例えば、記憶や演算のリソースを複数の装置に分散した形に構成してもよい。或いは、管理装置400上で仮想的に実現される構成要素毎にリソースを分散し、並列処理を行うようにしてもよい。
【0057】
図6は、管理装置400と遊技機100の間の情報の流れを模式的に示した図である。図6のように、管理装置400に対して、出玉信号、出玉予定信号、遊技状態信号は遊技機本体110から送出される。
【0058】
また、管理システムが、例えば、図1に例示したような構成の場合は、これらの信号は台管理装置200及び島管理装置300を経由して、遊技機100から管理装置400へ転送される。この過程において、遊技機100、台管理装置200或いは島管理装置300を識別する識別情報を付加する構成としても良い。或いは、例えば、図2に例示したような構成の場合は、これらの信号は遊技機100から直接管理装置400へ送出される。なお、図1のような構成の場合、台管理装置200や島管理装置300等の中継装置において、アナログ信号をデジタル信号に変換する処理や、信号を所定フォーマットのパケットに変換する処理等がなされる場合がある。これらの処理は、当業者にとって自明であるため、本実施例では説明を省略する。
【0059】
なお、稼働信号(出玉信号、出玉予定信号、遊技状態信号を含む)が送出される構成は、これらの信号が管理装置400へ伝達されるならば、図6に例示したものに限られない。また、管理装置400が受信する稼働信号は出玉信号、出玉予定信号、遊技状態信号に限られない。例えば、一般的には遊技機本体110とは別に設けられたアウトボックス(図示省略)から出力される打玉信号(遊技機内に発射された遊技媒体の数に係る信号)や、図柄が確定したこと等を示す信号が稼動信号に含まれるようにしてもよい。
【0060】
図5は一時記憶領域451に記憶される稼動情報を示した模式図である。一時記憶領域451には、図5に示すように、各遊技機100を識別する識別情報である台番号601、累積予定出玉数602、累積出玉数603が少なくとも記憶されており、累積予定出玉数602、累積出玉数603は遊技機100(台番号)ごとに累積的に記憶されている。具体的には、図5に示す例では、1番台は累積予定出玉数52600、累積出玉数52600と記憶されており、2番台は累積予定出玉数9090、累積出玉数8950と記憶されており、3番台は累積予定出玉数25490、累積出玉数25600と記憶されている。なお、この累積予定出玉数602、累積出玉数603は、受信した出玉予定信号及び出玉信号の回数を10倍したものを示している。すなわち、上述のように遊技機100から払出予定数10ごと、及び払い出し個数10個ごとに1パルスが出力される構成となっているため、受信したパルスの回数を10倍することにより、おおよそ実際の累積予定出玉数及び累積出玉数としているものである。ただし他の実施例では単に出玉予定信号及び出玉信号の受信回数を記憶するものであっても良い。
【0061】
〈管理装置400の処理の流れ〉
次に、本実施例における管理装置400が実行する処理の流れを、図7を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0062】
管理装置400は、遊技機100から出玉予定信号及び出玉信号を含む稼働信号を受信し(ステップS701)、管理装置400のCPU410は、受信した出玉予定信号から算出した予定出玉数、及び受信した出玉信号から算出した出玉数を、一時記憶領域451に記憶している累積予定出玉数、累積出玉数にそれぞれ加算する。次に管理装置400のCPU410は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS702)。具体的に一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0063】
そしてCPU410は、この差分が0か否かを判定する(ステップS703)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100は算出した差分が0であるので「正常」と判定される。一方、台番号2及び台番号3の遊技機100は算出した差分が0ではないので、「異常」と判定される。
【0064】
判定の結果、算出された差分が0より大きい、または0未満であり、「異常」と判定した場合には、CPU410は、警告処理、すなわち、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS704)。
【0065】
なお、上述したステップS701〜ステップS703は、例えば、15分間隔等の予め設定された間隔で実行される。その際、処理の実行時点において一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を使用して、差分の算出を行う。このステップS701〜ステップS703の処理が予め設定された時間間隔で行われることは上述の通りであるが、その時間間隔は上述の15分に限られるものではなく、例えば1分間隔としたり、1時間間隔としたりすることもでき、任意に設定できるものである。この時間間隔を短くすれば、異常状態がよりリアルタイムに判定できる利点があるが、一方でコンピュータ(管理装置400)に処理の負荷がかかるものとなる。また、この時間間隔を長くすれば、コンピュータ(管理装置400)にかかる負荷は比較的軽くなるが、異常状態判定のリアルタイム性が失われることとなる。従って、実際に遊技場で運用する場合にはこれらの点を考慮して適切な時間間隔を設定する。
【0066】
このように、管理システムを構成することによって、遊技機等に何らかの異常が生じていることまたはその可能性があることを、遊技場の従業員等に知らせることができる。そのため知らせを受けた従業員等は、迅速に適切な対応を採ることができる。
【0067】
また、本実施例では累積予定出玉数から累積出玉数を減算することでその差分を算出する構成を示したが、累積出玉数から累積予定出玉数を減算して差分を算出する構成としても良いことは当然である。このような算出方法によっても同様の作用効果を得られる。
【実施例2】
【0068】
上記実施例1では、累積予定出玉数と累積出玉数とを比較して(累積予定出玉数から累積出玉数を減算して差分を算出して)、その差分値が0以外の場合は何らかの異常があるものと判断し、警報を発報するなどの警告処理を行っていたが、本実施例2では、累積予定出玉数と累積出玉数との差分が所定の範囲内にない場合に警告処理を行う管理システムについて説明する。なお、実施例1と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0069】
本実施例では、図8に示すように、管理装置400のHD801内に判定用テーブル452を設ける。この判定用テーブル452には、各遊技状態における累積予定出玉数と累積出玉数との差分の許容範囲が記憶されている。具体的には、図9(b)に示すように、判定用テーブル452には、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して算出した差分と、判定結果との対応関係が記憶されている。算出した差分がこの範囲に含まれる場合は「正常」と判断し、これ以外の場合は「異常」と判断する。また、図9(a)は許容範囲を設定する画面の一例であり、このような画面をディスプレイ407に表示させ、遊技場の従業員等が指示入力装置406を用いて数値を入力する。なお、「入賞球誤差」は当該差分を表す語の一例である。図9(a)の例では、差分が−100以上100以下の場合は正常と判定し、これ以外の場合は異常と判定するよう設定する。これによって、判定用テーブル452には図9(b)に示すように記憶される。これにより、例えば、算出された差分が「90」である場合には「正常」と判定される。原則として「累積予定出玉数=累積出玉数」となるはずであるが、差分が「−100以上100以下」の場合は、出玉計数上の誤差等として、「正常」と判定されることとなる。
【0070】
一方、上記方法により算出された差分が、例えば「250」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積出玉数が累積予定出玉数より少ない場合(上記方法により差分を算出した場合は正の値で許容範囲を超えたとき)には、機械的な故障等によって遊技機100の出玉の払い出し系統に異常が生じている。あるいは、払い出すべき遊技媒体がなく、遊技機100に遊技媒体を補給する補給機系統に異常が生じている等の可能性があることがわかる。
【0071】
また、上記方法により算出された差分が、例えば「−450」である場合には、「異常」と判定される。このように、累積出玉数が累積予定出玉数より多い場合(上記方法により差分を算出した場合は負の値で許容範囲を超えたとき)には、予定出玉数より多くの遊技媒体が払い出されたことを示すため、機械的な故障やゴト行為等によって遊技機100の出玉の払い出し系統に異常が生じている。あるいは、遊技機100の出玉予定信号を送出する部分に異常が生じている(例えば、入賞検知センサー等の入賞検知手段の故障、断線)等の可能性があることがわかる。
【0072】
なお、この図9に示す差分の許容範囲の数値は一例であって、遊技場の従業員などが任意で設定できるものである。実際の遊技場で運用する場合には、遊技場の営業方針などによって適切な数値を決定する。設定は例えば遊技場の従業員等が指示入力装置406を用いることにより行う。また、図9に示すような算出した差分と判定結果との対応関係は一例であって、異常と判定する範囲、または正常と判定する範囲を定められるものであればこれに限られるものではない。例えば、セキュリティの設定画面において異常と判定する範囲のみを設定し、この設定された値を判定用テーブル452に記憶しておくものであっても良い。また本実施例では算出された差分が所定の範囲内に含まれるか否かを判定するために、判定用テーブル452に差分の許容範囲の上限値及び下限値を記憶する構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、所定の範囲として「0」、「5」、「10」のように特定の値を記憶する構成としても良いし、上限値と下限値とに同じ値(例えば上限値及び下限値にいずれも「0」)を記憶させることにより、所定の範囲として特定の値を設けることとしても良い。
【0073】
また、CPU802は、各遊技機100から送出される出玉信号、出玉予定信号を受信すると、当該出玉信号に係る出玉数及び当該出玉予定信号に係る予定出玉数を、遊技機100毎に区分けして、HD801の一時記憶領域451に累積的に記憶させる。また、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して比較を行う比較手段としての役割を果たす。なお、本実施例2において比較手段が行う比較の方法は、実施例1と同様に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算し、差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものでないことは上述の通りである。また、CPU802は、判定用テーブル452を参照して、累積予定出玉数と累積出玉数とにより算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。また、判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず「異常」と判定した場合には、CPU802は、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0074】
〈管理装置400の処理の流れ〉
次に、本実施例における管理装置400が実行する処理の流れを、図10を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0075】
管理装置400は、遊技機100から出玉予定信号及び出玉信号を含む稼働信号を受信し(ステップS1001)、管理装置400のCPU802は、受信した出玉予定信号から算出した予定出玉数、及び受信した出玉信号から算出した出玉数を、一時記憶領域451に記憶している累積予定出玉数、累積出玉数にそれぞれ加算する。次に管理装置400のCPU802は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1002)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0076】
そしてCPU802は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1003)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0077】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU802は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS1004)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100は正常と判定されたため、その処理を終了する。一方、台番号2及び台番号3の遊技機100は異常と判定されたため、警告処理が行われることとなる。
【0078】
なお、上述したステップS1001〜ステップS1003は、例えば、1分間隔や15分間隔等の予め設定された間隔で実行される。そして、その際には、処理の実行時点において一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を使用して、差分の算出を行う。
【実施例3】
【0079】
上記実施例1及び2では、出玉予定信号と出玉信号を受信して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する管理システムの構成を示したが、本実施例3では、出玉予定信号と補給玉信号とを元に、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して、差分を算出する管理システムの構成を示す。なお、上記実施例1または2と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0080】
通常、遊技場に配設されている遊技機は、貸玉や入賞に応じて払い出す景品玉として用いるために、遊技媒体としてのパチンコ玉を内部に蓄えている。また、遊技機は補給樋に接続されており、内部に蓄えてあるパチンコ玉が払い出しにより減少すると、補給樋から所定量のパチンコ玉を遊技機内に補給する。
【0081】
〈遊技機100の補給装置500の構成〉
図11を用いて、以下具体的に説明する。図11は、本実施例の遊技機100の補給装置500の外観構成の概略を例示した模式図である。遊技機100の上方には、パチンコ玉の補給樋501が渡してあり、補給樋501から分岐した玉補給路502が、遊技機100の上部裏面に配設した賞玉タンク503へと伸びている。この玉補給路502の途中には補給樋501から賞玉タンク503にパチンコ玉を補給するか否かの制御を行う補給手段504が取り付けてある。補給手段504は、入賞等により、賞玉タンク503からパチンコ玉が払い出され、賞玉タンク503内のパチンコ玉の量が少なくなると、パチンコ玉を補給樋501から賞玉タンク503に補給する。このとき、補給手段504は、補給したパチンコ玉の個数を計数すると共に、当該計数値に係る補給玉信号を管理装置100に送出する。
【0082】
〈管理装置400の構成〉
管理装置400のHD4201には、図12に示すように、出玉予定信号に基づく予定出玉数及び補給玉信号に基づく補給玉数を、遊技機100ごとに累積的に記憶する一時記憶領域461と、累積予定出玉数と累積補給玉数との差分と判定結果との対応関係を記憶する判定用テーブル462とが設けられている。
【0083】
図13は一時記憶領域461内に記憶されている情報の一例を示す模式図である。なお、一時記憶領域461内には、各遊技機100の営業日当日の稼動情報が累積的に記憶される。稼働情報には、少なくとも補給玉数、予定出玉数の情報が含まれる。図13に示すように、一時記憶領域461内には、遊技機100ごとに割り当てられた台番号1301で区分けされて、各遊技機100ごとに、営業日当日の累積予定出玉数1302、累積補給玉数1303が記憶されている。そして、その日の営業が終了すると、管理装置400の締め処理時にその日の累積予定出玉数1302、累積補給玉数1303がHD4201その他の記憶装置に営業日ごとに記憶され、一時記憶領域461から消去される。
【0084】
図14は判定用テーブル462内に記憶されている情報の一例を示す模式図である。判定用テーブル462には、各遊技状態における累積予定出玉数と累積補給玉数との差分の許容範囲が記憶されている。具体的には、図14に示すように、判定用テーブル462には、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して算出した差分と、判定結果との対応関係が記憶されている。例えば差分が−100以上100以下の場合は正常と判定し、これ以外の場合は異常と判定するよう設定すると、判定用テーブル462には図14に示すように記憶される。これによると、例えば算出された差分が「90」である場合には「正常」と判定される。原則として「累積予定出玉数=累積補給玉数」となるはずであるが、差分が「−100以上100以下」の場合は補給玉計数上の誤差等として、「正常」と判定されることとなる。なお、この正常と判定される範囲は任意に設定可能であり、実際の遊技場で運用する場合には営業方針その他の事情を勘案して適切な値に設定する。従って、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算した差分が0(ゼロ)、つまり累積予定出玉数と累積補給玉数が一致した場合に正常と判定され、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算した差分が0(ゼロ)以外であれば異常と判定されるように設定しても良い。
【0085】
また、管理装置400のCPU4202は、各遊技機100から送出される出玉予定信号、補給玉信号を受信すると、当該出玉予定信号に係る予定出玉数及び当該補給玉信号に係る補給玉数を、遊技機100毎に区分けして、HD4201の一時記憶領域461に記憶させる。また、一時記憶領域461に記憶されている累積予定出玉数及び累積補給玉数を呼び出して比較を行う、比較手段としての役割を果たす。なお、この比較手段が行う比較の方法は、本実施例では累積予定出玉数から累積補給玉数を減算し、差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積補給玉数との差分が所定の範囲内にあるか否かを判定できればその方法は問わないものである。またCPU4202は、判定用テーブル462を参照して、累積予定出玉数と累積補給玉数とにより算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。また、判定の結果、算出された差分が、所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU4202は、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0086】
〈管理装置400の処理の流れ〉
次に、本実施例3における管理装置400が実行する処理の流れを説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0087】
管理装置400は、遊技機100から出玉予定信号及び補給玉信号を含む稼働信号を受信し、管理装置400のCPU4202は、受信した出玉予定信号から算出した予定出玉数、及び受信した補給玉信号から算出した補給玉数を、一時記憶領域461に記憶している累積予定出玉数、累積補給玉数にそれぞれ加算する。次に管理装置400のCPU4202は、一時記憶領域461に記憶されている累積補給玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して、差分を算出する。そしてCPU4202は、判定用テーブル462を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う。判定の結果、算出された差分が、所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU4202は、警告処理、すなわち、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる。
【0088】
なお、本実施例3では、遊技機からは貸玉が払い出されないことを前提として、累積予定出玉数から累積補給玉数を減算して、その差分を算出する構成を示した。しかし、遊技機本体110に設けられた1つの払出機構(図示省略)を用いて、入賞に応じて払い出される賞球と貸玉の両方が遊技機100から払い出される構成を前提とする場合は、累積補給玉数のうち、貸玉分を差し引いた減算後の累積補給玉数と、累積予定出玉数との差分を算出する。
【0089】
具体的には、遊技者による玉貸し操作を受け付けると、所定の売上信号を管理装置400に対して出力するとともに遊技機100に対して遊技媒体の払出を指令する、遊技機間に配置する台間装置(図示省略)を設ける。また、管理装置400は、予めこの売上信号に対応して遊技機本体110から払い出される貸玉の個数との関係を記憶している構成とする。この売上信号と貸玉の個数との関係は、例えば100円相当で売上信号が1パルス出力され、貸玉1個当たり4円としている場合は、売上信号を1パルス分受信すると25玉の貸玉が払い出されたものと換算するよう記憶する。なお、この対応関係は遊技場の運営方法次第で任意に設定可能なことは当然である。
【0090】
そして、管理装置400は、台間装置から売上信号を受信すると、売上信号に対応する貸玉の個数を累積的に記憶しておき、累積予定出玉数と累積補給玉数との差分を算出する際、累積補給玉数から貸玉の個数を減算し、減算後の累積補給玉数と累積予定出玉数との差分を算出する。このように累積補給玉数から貸玉の個数を減算することで、入賞による払い出しの結果賞玉タンク503に補給された補給玉数の合計(累積補給玉数)と累積予定出玉数との差分をより厳密に算出することができ、遊技機100から貸玉を払い出す構成となっている場合でも、遊技機等に異常が生じていること、またはその可能性があることを的確に判別可能となる。
【0091】
また、本実施例3では遊技機100の賞玉タンク503に補給された遊技媒体の量を特定する方法として、上述の補給手段504から出力された補給信号を用いる構成としているが、これに限られるものではなく、遊技機100の賞玉タンク503に補給された遊技媒体の量を特定できればその方法は問わないものである。
【実施例4】
【0092】
上記実施例1〜3では、判定手段によって累積出玉数又は累積補給玉数と、累積予定出玉数とが一致しない、あるいは累積出玉数又は累積補給玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定された場合、所定の警告処理を行う構成を示した。
【0093】
一方、本実施例4では、累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計時手段が時間の計測を開始すると共に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、計測開始時点から所定の時間が経過しても、依然として累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示す。なお、上記実施例1〜3と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0094】
〈管理装置400の構成〉
本実施例における管理装置400のCPU4502は、図15に示すように、各遊技機100から送出される出玉予定信号、出玉信号を適宜受信し、当該出玉予定信号に係る予定出玉数及び当該出玉信号に係る出玉数を、遊技機100毎に区分けして、HD801の一時記憶領域451に記憶させる。また、一時記憶領域451に記憶されている累積予定出玉数及び累積出玉数を呼び出して比較を行う、比較手段としての役割を果たす。なお、この比較手段が行う比較の方法は、本実施例では累積予定出玉数から累積出玉数を減算し、差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積出玉数との差分が所定の範囲内にあるか否かを判定できればその方法は問わないものである。また、CPU4502は、判定用テーブル452を参照して、累積予定出玉数と累積出玉数とにより算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。
【0095】
また、CPU4502は、あらかじめ設定された所定の時間を計測する計時手段としての役割を果たす。なお計時手段としての役割を果たすために、具体的には例えば、管理装置400に、現在時刻を計測するリアルタイムクロック(図示省略)が設けられ、CPU4502は、このリアルタイムクロックを参照にしてあらかじめ設定された所定の時間を計測する構成が挙げられるが、この構成に限定されるものではなく、あらかじめ設定された所定の時間を計測することができればその方法は問わないものである。更に、CPU4502は、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0096】
〈管理装置400の処理の流れ〉
次に、本実施例4における管理装置400が実行する処理の流れを、図16を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0097】
管理装置400のCPU4502は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1601)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0098】
そしてCPU4502は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1602)。なお、判定用テーブル452では、図9(b)に示すように、差分値が−100以上100以下の場合が「正常」の範囲であり、算出した差分がこの範囲に含まれる場合は「正常」と判断し、これ以外の場合は「異常」と判断する。
【0099】
上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0100】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU4502は、時間の計測を開始する(ステップS1603)。また、累積出玉数と累積予定出玉数との差分の算出から、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うまでの上述した流れ(ステップS1601〜S1602)と同様の流れ(ステップS1604〜S1605)を、あらかじめ設定された所定時間が経過するまで(ステップS1606でNO)、繰り返し行う。なお、このような流れを繰り返し行っている間に、累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれ、「正常」と判定された場合には(ステップS1605でYES)、CPU4502は計時をリセットする(ステップS1607)。
【0101】
一方、あらかじめ設定された所定時間が経過した時点で(ステップS1606でYES)、依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定されている場合には(ステップS1605でNO)、CPU4502は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS1608)。例えば、上記具体例に沿って説明すると、台番号2の遊技機100の算出された差分は当初140であり「異常」と判定されたが、所定時間が経過するまでの差分算出処理において、差分が所定の範囲内に収まるようになったとする。このときは、所定の範囲内に収まるようになった時点で計時をリセットする(ステップS1605で「YES」及びステップS1607)。一方、台番号3の遊技機100の算出された差分は当初−110であり「異常」と判定され、所定時間が経過するまでに行う差分算出処理(ステップS1604、ステップS1605)においても差分が所定の範囲内に収まることはなかったとする。このときは、当該異常状態が所定時間維持されたこととなるため、台番号3の遊技機100については警告処理が行われる。
【0102】
このように、いったん「異常」と判定された場合でも、所定時間が経過するまで繰り返し判定を行い、所定時間を経過しても依然として「異常」と判定されている場合に警告処理を行う構成とすることにより、遊技機等に何らかの異常が生じていること、またはその可能性があることを、より精度よく検出することができ、便宜である。
【0103】
例えば、出玉信号は、出玉として遊技機100から排出された遊技媒体を実際に検知して遊技機100から送出されるものであるため、出玉予定信号に対して遅れて出力される。そのため累積予定出玉数と累積出玉数との間に差異が生じる時間が存在することとなる。そのため、この差異が生じている時点で判定を行えば「異常」と判定されることとなる。しかし、本実施例4の管理装置では、所定時間が経過するまで繰り返し判定を行う構成であるため、いったん「異常」と判定されても、その後の判定で「正常」と判定されれば警告処理を行うことがないため、警告処理を適切に行うことができる。
【0104】
また本実施例4の構成では、累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計時手段が時間の計測を開始すると共に、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、あらかじめ設定された所定の時間が経過しても、依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示した。しかし、この構成に限定されるものではなく、累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計時手段が時間の計測を開始し、あらかじめ設定された所定の時間が経過すると、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を再び行い、この再判定で累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定された場合に、所定の警告処理を行う構成としても良い。
【0105】
上述の構成における管理装置400が実行する処理の流れを、図17を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0106】
管理装置400のCPU4502は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1701)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0107】
そしてCPU4502は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1702)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0108】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU4502は、時間の計測を開始する(ステップS1703)。
【0109】
そして、あらかじめ設定された所定時間が経過すると(ステップS1704でYES)、累積出玉数と累積予定出玉数との差分の算出から、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うまでの上述した流れ(ステップS1701〜S1702)と同様の流れ(ステップS1705〜S1706)を再び行う。再判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には(ステップS1706でNO)、計時開始の時点から実質的に「異常」状態が継続しているものと判断して、CPU4502は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS1707)。
【0110】
上記具体例に沿って一例を説明する。台番号2の遊技機100について算出された差分は当初140であり「異常」と判定されたが、所定時間経過後に算出された差分は80であり「正常」と判定されたとする。この場合、当該台番号2の遊技機100については計時をリセットする(ステップS1708)。一方、台番号3の遊技機100の算出された差分は当初−110であり「異常」と判定され、所定時間経過後に算出された差分も−100以上にはならず、依然として「異常」と判定されたとする(ステップS1706で「NO」)。この場合、台番号3の遊技機100については計時開始の時点から実質的に「異常」状態が継続しているものと判断して、警告処理が行われることとなる。
【実施例5】
【0111】
上記実施例4では、累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計時手段が時間の計測を開始すると共に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、所定の時間が経過しても、依然として累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示した。
【0112】
一方、本実施例5では、累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計数手段が受信した打玉信号に基づき、打玉数の計測を開始すると共に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、計測している打玉数が所定数に達しても、依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示す。なお、上記実施例1〜4と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0113】
本実施例5においては、各遊技機100の背面下部等に、当該遊技機100内に出射された遊技媒体を計数するいわゆるアウトボックス等の計数手段(図示省略)が設けられている。そしてこの計数手段は、遊技機100内に出射された遊技媒体を10個計数する毎に、稼働信号の1つとして、1パルスの打玉信号を、管理装置400に対して送出している。従って、本実施例5の管理装置400は、各遊技機100から稼働信号として、少なくとも出玉信号、出玉予定信号、打玉信号の3つを受信する。なお、打玉信号は遊技機100から取得しても良い。
【0114】
また図18に示すように、本実施例5の管理装置400に備えられたHD1801の一時記憶領域181には、出玉数、予定出玉数を含む稼動情報が累積的に記憶されると共に、稼働情報として、打玉数が記憶される。ただし他の実施例では、この一時記憶領域181をRAM402やメディア404に設ける構成としてもよいことは自明である。
【0115】
また、本実施例5のように、出玉数と予定出玉数と打玉数とを一時記憶領域181に記憶させる構成ではなく、HD1801の他の記憶領域、あるいはRAM402やメディア404に記憶させる構成としてもよい。
【0116】
図18に示す、本実施例における管理装置400のCPU1802は、各遊技機100から送出される出玉予定信号、出玉信号を適宜受信し、当該出玉予定信号に係る予定出玉数及び当該出玉信号に係る出玉数を、遊技機100毎に区分けして、HD1801の一時記憶領域181に記憶させる。また、一時記憶領域181に記憶されている累積予定出玉数及び累積出玉数を呼び出して比較を行う、比較手段としての役割を果たす。なお、この比較手段が行う比較の方法は、累積予定出玉数から累積出玉数を減算し、差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積出玉数との差分が所定の範囲内にあるか否かを判定できればその方法は問わないものである。また、CPU1802は、判定用テーブル452を参照して、累積予定出玉数と累積出玉数とにより算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。
【0117】
またCPU1802は、計数手段として、受信した打玉信号に基づき、打玉数の計測を行い、HD1801の一時記憶領域181に、計測した打玉数を記憶する。更に、CPU1802は、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0118】
次に、本実施例5における管理装置400が実行する処理の流れを、図19を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0119】
管理装置400のCPU1802は、一時記憶領域181に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS1901)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0120】
そしてCPU1802は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS1902)。なお、判定用テーブル452では、図9(b)に示すように、差分値が−100以上100以下の場合が「正常」の範囲であり、算出した差分がこの範囲に含まれる場合は「正常」と判断し、これ以外の場合は「異常」と判断する。
【0121】
上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0122】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU1802は、「異常」判定後に受信した打玉信号に基づき、打玉数の計測を開始する(ステップS1903)。また、累積出玉数と累積予定出玉数との差分の算出から、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うまでの上述した流れ(ステップS1901〜S1902)と同様の流れ(ステップS1904〜S1905)を、打玉数があらかじめ設定された所定数に達するまで(ステップS1906でNO)、繰り返し行う。なお、このような流れを繰り返し行っている間に、累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれ、「正常」と判定された場合には(ステップS1905でYES)、CPU1802は計数をリセットする(ステップS1907)。
【0123】
一方、打玉数があらかじめ設定された所定数に達しても(ステップS1906でYES)、依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定されている場合には(ステップS1905でNO)、CPU1802は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS1908)。上記具体例に沿って一例を説明する。台番号2の遊技機100の算出された差分は当初140であり「異常」と判定されたが、打玉数を計測している間に算出された差分が所定の範囲内に収まるようになったとする。このときは、所定の範囲内に収まるようになった時点で計数をリセットする(ステップS1905で「YES」及びステップS1907)。一方、台番号3の遊技機100の算出された差分は当初−110であり「異常」と判定され、打玉数が所定数に達するまでに行う差分算出処理においても差分が所定の範囲内に収まることはなかったとする。このときは、当該異常状態が所定の打玉数に達するまでの期間維持されたこととなるので、台番号3の遊技機100については警告処理が行われることとなる。
【0124】
このように、いったん「異常」と判定された場合でも、打玉数が所定数に達するまで繰り返し判定を行い、打玉数が所定数に達しても依然として「異常」と判定されている場合に、警告処理を行う構成とすることにより、遊技機100等に何らかの異常が生じていること、またはその可能性があることを、より精度よく検出することができ、便宜である。
【0125】
また、打玉数が所定数に達しても依然として「異常」と判定されている場合は、遊技機100から打玉信号が送出されているため当該遊技機100は稼動状態にあり、遊技機100が稼働しているのに、算出された差分値が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定されているということを示している。この場合には、遊技機100等に何らかの異常が生じている可能性が高いと判断することができる。例えば、累積予定出玉数より累積出玉数の方が多い場合には、ゴト行為が行われている可能性があると判断することができ、あるいは累積出玉数より累積予定出玉数の方が多い場合には、遊技機100の上皿が遊技媒体で一杯になっており、出玉が詰まっている可能性が高いと判断することができる。
【0126】
また、「異常」と判定されてから打玉数が所定数に達するまで、繰り返し累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成であるため、いったん「異常」と判定されても、その後の判定で「正常」と判定されれば警告処理を行うことがなく、警告処理を適切に行うことができる。
【0127】
また本実施例5の構成では、累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、判定後に受信した打玉信号に基づき打玉数の計測を開始すると共に、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、打玉数が所定数に達しても依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に所定の警告処理を行う管理システムの構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、判定後に受信した打玉信号に基づき打玉数の計測を開始し、打玉数が所定数に達すると、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を再び行い、この再判定で累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定された場合に、所定の警告処理を行う構成としても良い。
【0128】
上述の構成における管理装置400が実行する処理の流れを、図20を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0129】
管理装置400のCPU1802は、一時記憶領域181に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS2001)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0130】
そしてCPU1802は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS2002)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0131】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU1802は、判定後に受信した打玉信号に基づき、打玉数の計測を開始する(ステップS2003)。
【0132】
そして、打玉数があらかじめ設定された所定数に達すると(ステップS2004でYES)、累積出玉数と累積予定出玉数との差分の算出から、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うまでの上述した流れ(ステップS2001〜S2002)と同様の流れ(ステップS2005〜S2006)を再び行う。再判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には(ステップS2006でNO)、計数開始の時点から実質的に「異常」状態が継続しているものと判断して、CPU1802は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS2007)。
【0133】
上記具体例に沿って一例を説明する。台番号2の遊技機100について算出された差分は当初140であり「異常」と判定されたが、打玉数が所定数に達した後に算出された差分は80であり「正常」と判定されたとする。この場合、当該台番号2の遊技機100については計数をリセットする(ステップS2008)。一方、台番号3の遊技機100の算出された差分は当初−110であり「異常」と判定され、打玉数が所定数に達した後に算出された差分も−100以上にはならず、依然として「異常」と判定されたとする(ステップS2006で「NO」)。この場合、台番号3の遊技機100については、計数開始の時点から実質的に「異常」状態が継続しているものと判断して警告処理が行われることとなる。
【実施例6】
【0134】
上記実施例4又は5では、累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されると、計時手段が時間の計測を開始する又は計数手段が受信した打玉信号に基づき、打玉数の計測を開始し、それと共に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、計測開始時点から所定の時間が経過しても又は計測している打玉数が所定数に達しても、依然として累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示した。
【0135】
一方、本実施例6では、管理装置が遊技機から送出される遊技状態信号に基づき、当該遊技機の遊技状態が通常の状態であると判断すると、時間の計測を開始すると共に、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して差分を算出し、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うというプロセスを繰り返し行い、計測開始時点からあらかじめ設定された所定の時間が経過しても、依然として累積出玉数と、累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれないと判定されている場合に、所定の警告処理を行う管理システムの構成を示した。なお、上記実施例1〜5と同様の構成要素については同符号を用い、説明を省略する。また、変形例についても同様であるため、説明を省略する。
【0136】
〈管理装置400の構成〉
次に、管理装置400のハードウェア構成について、図21を参照して説明する。図21は、管理装置400のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。
【0137】
図21において、CPU2102は、HD405に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、RAM402にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶する制御を行う。
【0138】
またCPU2102は、各遊技機100から送出される大当たり信号、確率変動状態信号、時短信号等の遊技状態信号に基づいて、当該遊技機100が通常の遊技状態であるか否かを判断する判断手段としての役割を果たす。詳しくは、当該遊技機100からいずれかの遊技状態信号を受信している場合には、当該遊技機100は通常の遊技状態ではなく、当該受信している遊技状態信号に基づく遊技状態であると判断する。一方、当該遊技機100からいずれの遊技状態信号も受信していない場合には、当該遊技機100は通常の遊技状態であると判断する。
【0139】
またCPU2102は、各遊技機100から送出される出玉予定信号、出玉信号を適宜受信し、当該出玉予定信号に係る予定出玉数及び当該出玉信号に係る出玉数を、遊技機100毎に区分けして、HD405の一時記憶領域451に記憶させる。また、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して比較を行う比較手段としての役割を果たす。本実施例6では比較の方法として、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して差分を算出する方法を採用する。ただし、比較の方法はこれに限られるものではなく、累積予定出玉数と累積出玉数とにより算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かを判定できればその方法は問わないものである。またCPU2102は、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う判定手段としての役割を果たす。
【0140】
また、CPU2102は、あらかじめ設定された所定の時間を計測する計時手段としての役割を果たす。なお計時手段としての役割を果たすために、具体的には例えば、管理装置400に、現在時刻を計測するリアルタイムクロック(図示省略)が設けられ、CPU2102は、このリアルタイムクロックを参照にしてあらかじめ設定された所定の時間を計測する構成が挙げられるが、この構成に限定されるものではなく、あらかじめ設定された所定の時間を計測することができればその方法は問わないものである。また算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、CPU2102は、所定の警告処理、すなわち本実施例6では、警報と共に、異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる警告処理手段としての役割を果たす。
【0141】
〈管理装置400の処理の流れ〉
次に、本実施例における管理装置400が実行する処理の流れを、図22を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0142】
管理装置400は、遊技機100から送出される大当たり信号等の遊技状態信号の受信状況を確認し(ステップS2201)、いずれの遊技状態信号も受信していない場合には、当該遊技機100の遊技状態は通常状態と判断する(ステップS2202でYES)。一方、いずれかの遊技状態信号を受信している場合には、当該遊技機100の遊技状態は通常状態以外の当該受信している遊技状態信号に基づく遊技状態であると判断する(ステップS2202でNO)。
【0143】
管理装置400は、当該遊技機100の遊技状態が通常状態であると判断した場合には、予め設定された時間の計測を開始する(ステップS2203)。また、CPU2102は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS2204)。具体的に一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0144】
そしてCPU2102は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS2205)。なお、判定用テーブル452では、図9(b)に示すように、差分値が−100以上100以下の場合が「正常」の範囲であり、算出した差分がこの範囲に含まれる場合は「正常」と判断し、これ以外の場合は「異常」と判断する。
【0145】
上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0146】
この累積出玉数と累積予定出玉数との差分の算出から、算出された差分が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行うまでの流れ(ステップS2204〜S2205)を、あらかじめ設定された所定時間が経過するまで(ステップS2206でNO)、繰り返し行う。なお、このような流れを繰り返し行っている間に、累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれ、「正常」と判定された場合には(ステップS2205でYES)、CPU2102は計時をリセットする(ステップS2207)。
【0147】
一方、あらかじめ設定された所定時間が経過した時点で(ステップS2206でYES)、依然として累積出玉数と累積予定出玉数との差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定されている場合には(ステップS2205でNO)、CPU2102は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS2208)。例えば、上記具体例に沿って説明すると、台番号2の遊技機100の算出された差分は当初140であり「異常」と判定されたが、所定時間が経過するまでの差分算出処理において、差分が所定の範囲内に収まるようになったとする。このときは、所定の範囲内に収まるようになった時点で計時をリセットする(ステップS2205で「YES」及びステップS2207)。一方、台番号3の遊技機100の算出された差分は当初−110であり「異常」と判定され、所定時間が経過するまでに行う差分算出処理(ステップS2204、ステップS2205)においても差分が所定の範囲内に収まることはなかったとする。このときは、当該異常状態が所定時間維持されたこととなるため、台番号3の遊技機100については警告処理が行われる。なお、警告処理が行われたとき或いは警告処理が遊技場の係員等により解除されたときは、CPU2102は計時をリセットする。
【0148】
このように管理システムを構成することによって、遊技機100等に何らかの異常が生じていることまたはその可能性があることを、遊技場の従業員等に知らせることができる。そのため知らせを受けた従業員等は迅速に適切な対応を採ることができる。また、遊技機100の累積出玉数と累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれない状態が、遊技機100の通常状態において所定時間継続している場合に、所定の警告処理を行う構成としたため、遊技機100等に異常が生じている可能性等の異常状態をより的確に判別することができる。詳しくは遊技機100等に生じる異常として、例えばゴト行為が行われている可能性、或いは遊技機100の払出機構(図示省略)に異常が生じている可能性があると判断することができる。
【0149】
遊技機100の遊技状態が、大当たり状態であるなど通常の状態以外の際には、遊技者が遊技に熱中し、遊技機100の上皿121にパチンコ玉等の遊技媒体を詰まらせたまま遊技を継続している場合がある。その場合には遊技機100は上皿121に遊技媒体を払い出すことができないため、予定出玉数と出玉数とが異なる結果となる。一方、遊技機100の遊技状態が通常の状態に戻ると、遊技者は一般的に上皿121に溜まった遊技媒体を玉箱(図示省略)に移したり各台計数機(図示省略)に流したりするため、上皿121に空きが出来、そこに遊技機100から遊技媒体が払い出されて予定出玉数と出玉数との差異は解消されるはずである。
【0150】
従って、このような予定出玉数と出玉数との差異は単に遊技者が遊技機100の上皿121に遊技媒体を詰まらせたまま遊技を継続することによって生じたものであって、ゴト行為が行われている等遊技機100に実質的な異常が生じているわけではない。そしてこの差異が解消されるには上皿121に溜まった遊技媒体を玉箱に移す等の遊技者の作業が必要であるため、ある程度の時間経過を見る必要がある。そこで本実施例の管理システムは、遊技状態信号の受信状況に基づいて遊技機100の遊技状態を判断し、遊技機100の遊技状態が通常の状態であると判断すると時間の計測を開始すると共に、あらかじめ設定された所定の時間が経過するまで累積予定出玉数と累積出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を繰り返し行う構成とし、単に遊技者が遊技機100の上皿121に遊技媒体を詰まらせたまま遊技を継続することによって生じた予定出玉数と出玉数との差異については、「異常」と判定しないようにした。
【0151】
また、本実施例では累積予定出玉数から累積出玉数を減算することでその差分を算出する構成を示したが、累積出玉数から累積予定出玉数を減算して差分を算出する構成としても良いことは当然である。このような算出方法によっても同様の作用効果を得られる。
【0152】
〈本実施例6の変形例〉
また本実施例6の構成では、管理装置400は遊技機100から送出される遊技状態信号に基づき、当該遊技機100の遊技状態が通常の状態であると判断すると、時間の計測を開始すると共に、あらかじめ設定された所定の時間が経過するまで累積予定出玉数と累積出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を繰り返し行う管理システムの構成を示した。しかし、この構成に限定されるものではなく、管理装置400は遊技機100から送出される遊技状態信号に基づき、当該遊技機100の遊技状態が通常の状態であると判断すると時間の計測を開始し、あらかじめ設定された所定の時間が経過すると、累積予定出玉数と累積出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う構成としても良い。
【0153】
上述の構成における管理装置400が実行する処理の流れを、図23を参照にして説明する。なお、以下の処理は遊技機100のそれぞれについて独立に実行する。
【0154】
管理装置400は、遊技機100から送出される大当たり信号等の遊技状態信号の受信状況を確認し(ステップS2301)、いずれの遊技状態信号も受信していない場合には、当該遊技機100の遊技状態は通常状態と判断する(ステップS2302でYES)。一方、いずれかの遊技状態信号を受信している場合には、当該遊技機100の遊技状態は通常状態以外の当該受信している遊技状態信号に基づく遊技状態であると判断する(ステップS2302でNO)。
【0155】
管理装置400は、当該遊技機100の遊技状態が通常状態であると判断した場合には、予め設定された時間の計測を開始する(ステップS2303)。そして、予め設定された所定時間が経過すると(ステップS2304でYES)、管理装置400のCPU2102は、一時記憶領域451に記憶されている累積出玉数及び累積予定出玉数を呼び出して、累積予定出玉数から累積出玉数を減算して、差分を算出する(ステップS2305)。具体的な一例を挙げると、図5に示すように台番号1の遊技機100については、累積予定出玉数である52600から累積出玉数である52600を減算すると、その結果は0となる。また、台番号2の遊技機100については、累積予定出玉数である9090から累積出玉数である8950を減算すると、その結果は140となる。また、台番号3の遊技機100については、累積予定出玉数である25490から累積出玉数である25600を減算すると、その結果は−(マイナス)110となる。
【0156】
そしてCPU2102は、判定用テーブル452を参照して、算出された差分が、所定の範囲に含まれるか否かの判定を行う(ステップS2306)。上記具体例に沿って説明すると、台番号1の遊技機100については結果が0であるので、「正常」と判定する。台番号2の遊技機100については結果が140であるので、「異常」と判定する。また、台番号3の遊技機100については結果が−110であるので、「異常」と判定する。
【0157】
判定の結果、算出された差分が所定の範囲に含まれず、「異常」と判定した場合には、計時開始の時点から実質的に「異常」状態が継続しているものと判断して、CPU2102は警告処理、すなわち、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる(ステップS2307)。
【0158】
なお本実施例6において、管理装置400が遊技機100の遊技状態が通常の状態であると判断すると開始する時間の計測中に、当該遊技機100から送出された大当たり信号等の遊技状態信号を受信した場合には、計時をリセットし、処理を最初(ステップS2201またはステップS2301)から行う構成としても良い。さらに、警告処理(ステップS2208またはステップS2307)を行っている最中に当該遊技機100について大当たり信号等の遊技状態信号を受信した場合は、当該警告処理を中止し、処理を最初(ステップS2201またはステップS2301)から行うよう構成しても良い。
【0159】
なお、上記実施例4〜6においては、CPU4502、1802、2102が比較手段として、算出された差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、上記実施例1のように累積出玉数と累積予定出玉数とが一致するか否か(差分値が0か否か)を判定する構成としても良い。この場合、判定用テーブル452において「正常」の範囲を0以上0以下と設定しても実現可能であるし、判定用テーブル452を設けず、累積出玉数と累積予定出玉数とが不一致(差分値が0でない場合)であれば異常と判定するよう構成しても良い。また、上記実施例4〜6においては、累積出玉数及び累積予定出玉数を用いて判定を行う構成を示したが、この構成に限定されるものではなく、上記実施例3のように累積補給玉数及び累積予定出玉数を用いて判定を行う構成としても良い。
【0160】
<その他の変形例>
また、上記実施例1〜6においては、管理対象の遊技機としてパチンコ機を想定して説明を行った。しかし、上述の管理システムは、例えば、パチスロ(スロットマシン)やパチロット等の他の遊技機に対しても適用可能であることは明らかである。
【0161】
また、上記実施例1〜6では、異常と判定された場合に、警告処理として警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報をディスプレイ407上に表示させる構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、警報と共に異常と判定された遊技機100の識別情報を、遊技場の各従業員が装着しているインカムに送出する構成としても良い。更に、この場合、管理装置400から異常と判定された遊技機100に対し、異常信号が送出され、異常信号を受信した遊技機100は、遊技媒体の払い出しを停止すると共に、表示装置130を点滅させる構成としても良い。また、警報の発報だけを行う構成、ディスプレイ407上に警告表示を行うだけの構成としても良いし、異常と判定された遊技機100への電源の供給を停止させる構成としても良い。更に、遊技機100に隣接して設置されている台間装置(図示省略)に対して警告音の発報や異常を知らせる表示の明滅を行わせたりする構成としても良い。更に、遊技場内に設けられているカメラ(図示省略)を用い、異常と判定した場合はその遊技機100に焦点を当て、拡大撮像するなどしてディスプレイ407その他のモニターに表示させるように構成しても良い。このように、異常と判定したことを遊技場の従業員などに対して報知することができれば、いずれの方法によるかを問わないものである。
【0162】
また、上記実施例1では累積予定出玉数から累積出玉数を減算した値が0でない場合に、上記実施例2、4〜6では累積予定出玉数から累積出玉数を減算した値が判定用テーブル452に記憶されている異常と判定される範囲にある場合に、上記実施例3では累積予定出玉数から累積補給玉数を減算した値が判定用テーブル462に記憶されている異常と判定される範囲にある場合に、それぞれ警報の発報などの警告処理を行うこととしているが、減算結果が正の値と負の値となった場合、あるいは算出された差分が正常と判定される範囲より大きかった場合と小さかった場合と、で行う警告処理の内容を変えるよう構成しても良い。具体的には、算出された差分が正常と判定される範囲より小さい、あるいは減算結果が負の値となった場合には、例えば、機械的な故障やゴト行為の可能性を示す文字・図形・記号を表示する。一方、算出された差分が正常と判定される範囲より大きい、あるいは減算結果が正の値となった場合には、例えば、機械的な故障や補給機系統の故障の可能性を示す文字・図形・記号を表示する。
【0163】
また、上記実施例4及び5では、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分を算出するタイミングを予め設定した時間間隔によって行うこととしている。この時間間隔は、例えば1秒間隔としたり、5分間隔としたり、1時間間隔としたりすることができる。この時間間隔を短くすればリアルタイムに判定を行うことができるが、管理装置400に負荷がかかるものとなる。一方、この時間間隔を長く設定すれば、管理装置400の負荷は軽減されるが、リアルタイム性に欠けるものとなる。従って実際の遊技場の運営においては、これらを考慮して適切な時間間隔が設定されることとなる。ただし、この時間間隔を設定する構成に限られるものではなく、例えば遊技機本体110とは別に設けたアウトボックス(図示省略)から出力される打玉信号の受信回数、又はこの打玉信号に基づいて算出した打玉数を基準として、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分を算出するように構成しても良い。この場合、打玉信号の受信回数又は打玉数をHD405の一時記憶領域451等に累積的に記憶しておき、所定回数の打玉信号を受信したら、又は打玉数が所定数に達したら、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分を算出する。これは、例えば打玉信号であれば10回ごと、打玉数であれば100個ごと、など、任意の数を設定することができる。さらに実施例1〜3と同様に、稼動信号(出玉信号、出玉予定信号、打玉信号等のいずれか)を受信したときに一連の差分値算出・判定等の処理を開始する構成としても良い。また、実施例1〜3の構成においては、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分を算出するタイミングを、予め設定した時間間隔ごとに行う構成としても良いことは当然である。
【0164】
更に、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分を算出するタイミングを、予め設定した出玉予定信号の受信回数ごととしたり、予め設定した累積予定出玉数に達するごととしても良いし、予め設定した出玉信号の受信回数ごとを基準としたり、予め設定した累積出玉数に達するごとを基準としても良い。これは、例えば出玉予定信号であれば10回ごと、累積予定出玉数であれば100個ごと、など、任意の数を設定することができる。
【0165】
また、上記実施例1〜6では、各遊技機100における累積出玉数と累積予定出玉数との差分値の算出及び差分値が所定範囲に含まれるか否かの判定を管理装置400において行う構成を示したが、台管理装置200や島管理装置300にて差分値の算出及び判定を行うこととしても良い。
【0166】
また、上記実施例1〜6では、一時記憶領域451、461、181に記憶する累積予定出玉数、累積出玉数、累積補給玉数を営業日当日の累積値を用いる構成としているが、これに限られるものではなく、例えば所定時間ごとに判定を行う場合、各回の判定が終了すると累積値をクリアする構成としても良い。
【0167】
また、予定出玉数、出玉数、補給玉数について累積値の差分を算出する構成の場合は、一旦異常と判定されると次回以降も前回までの差分値が影響して異常と判定され続けることとなる。そこでこれを解消するため、判定処理によって「異常」と判定され、所定の警告処理が行われた場合、または当該所定の警告処理が解除された場合、その時点での差分を0とみなす処理を行って次回以降の判定に利用する構成としても良い。
【0168】
具体的な一例を挙げると、HD405等の記憶装置に、「異常」と判定された遊技機100に関し、当該判定処理が行われた時点における累積予定出玉数と累積出玉数との差分値、或いは累積予定出玉数と累積補給玉数との差分値を遊技機100の識別情報である台番号とともに記憶しておく。そして当該台番号の遊技機100の次回以降の判定処理において、当該記憶された差分値も加味して、累積予定出玉数と、累積出玉数又は累積補給玉数との差分値を算出する。例えば台番号10の遊技機100について、ある時点での累積予定出玉数が600、累積出玉数が200であったとすると、累積予定出玉数(600)−累積出玉数(200)=差分値(400)となる。これは実施例1〜2、4〜6のいずれの場合でも「異常」と判定されることとなる。異常と判定されたとき、HD405等の記憶装置に、少なくとも台番号及び差分値(台番号10、差分値400)を記憶しておく。そして、次回の判定処理の際、この記憶した差分値を呼び出し、台番号10の遊技機100における累積予定出玉数が1000、累積出玉数が650であったとすると、累積予定出玉数(1000)−累積出玉数(650)−上記呼び出した差分値(400)を演算して、差分値は−50と算出する。
【0169】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を取ることが可能である。
【0170】
また本発明は、前述した実施例の機能を実現するプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0171】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、このコンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明の技術的範囲に含まれる。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含む。この場合、プログラムの提供方法としては、CD−ROM、DVD等の記憶媒体を用いて提供する方法や、電気通信回線を介して提供する方法等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】本発明の一実施例である実施例1の管理システムの全体的な構成を例示的に示す概念図である。
【図2】本発明の一実施例である実施例1の管理システムの全体的な構成を例示的に示す概念図である。
【図3】本発明の一実施例である実施例1の遊技機の外観構成の概略を例示した模式図である。
【図4】本発明の一実施例である実施例1の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図5】本発明の一実施例である実施例1の一時記憶領域の構造を模式的に示した図である。
【図6】本発明の一実施例である実施例1の管理装置と遊技機の間の情報の流れを模式的に示した図である。
【図7】本発明の一実施例である実施例1の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図8】本発明の一実施例である実施例2の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図9】(a)本発明の実施例2の変形例の判定値を設定する設定画面の模式図である。(b)本発明の一実施例である実施例2の判定用テーブルの構造の模式図である。
【図10】本発明の一実施例である実施例2の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図11】本発明の一実施例である実施例3の遊技機の補給装置の外観構成の概略を例示した模式図である。
【図12】本発明の一実施例である実施例3の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図13】本発明の一実施例である実施例3の一時記憶領域の構造を示した模式図である。
【図14】本発明の一実施例である実施例3の判定用テーブルの構造を示した模式図である。
【図15】本発明の一実施例である実施例4の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図16】本発明の一実施例である実施例4の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図17】本発明の一実施例である他の実施例の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図18】本発明の一実施例である実施例5の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図19】本発明の一実施例である実施例5の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図20】本発明の一実施例である他の実施例の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図21】本発明の一実施例である実施例6の管理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【図22】本発明の一実施例である実施例6の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図23】本発明の一実施例である他の実施例の管理装置が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0173】
100:遊技機、110:遊技機本体、111:盤面、112:図柄表示装置、113:始動入賞口、114:大当たり入賞口、121:上皿、122:下皿、123:ハンドル、130:表示器、181:一時記憶領域、200:台管理装置、300:島管理装置、400:管理装置、401:ROM、402:RAM、403:外部記憶ドライブ、404:メディア、405:HD、406:指示入力装置、407:ディスプレイ、408:I/F、409:システムバス、410:CPU、451:一時記憶領域、452:判定用テーブル、461:一時記憶領域、462:判定用テーブル、500:補給装置、501:補給樋、502:玉補給路、503:賞玉タンク、504:補給手段、601:台番号、602:累積予定出玉数、603:累積出玉数、701:ネットワーク、702:ネットワーク、801:HD、802:CPU、1301:台番号、1302:累積予定出玉数、1303:累積補給玉数、1801:HD、1802:CPU、2102:CPU、4201:HD、4202:CPU、4502:CPU


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項2】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれないと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項3】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計時手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項4】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計時手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項5】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を当該遊技機から受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機内に打ち込まれた遊技媒体数を示す打玉信号と、を含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記打玉信号に基づいて打玉数を計測する計数手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計数手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項6】
遊技機の稼働状況を示す稼動信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼動信号は少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機内に打ち込まれた遊技媒体数を示す打玉信号と、を含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記打玉信号に基づいて打玉数を計測する計数手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記計数手段を参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が所定の打玉数に達するまでの期間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項7】
遊技機の稼働状況を示す稼働信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼働信号は少なくとも、入賞により遊技機から払い出された遊技媒体数を示す出玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機の遊技状態を示す遊技状態信号とを含み、
前記出玉信号に係る出玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記遊技状態信号に基づいて、遊技機が通常状態であるか否かを判断する判断手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積出玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積出玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記判断手段と前記計時手段とを参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が、遊技機の通常状態において所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が遊技機の通常状態において所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項8】
遊技機の稼働状況を示す稼働信号を受信して、遊技機の稼働状況を管理する管理システムにおいて、
前記稼働信号は、少なくとも、遊技機に対して補給された遊技媒体数を示す補給玉信号と、入賞により遊技機から払い出される予定の遊技媒体数を示す出玉予定信号と、遊技機の遊技状態を示す遊技状態信号とを含み、
前記補給玉信号に係る補給玉数と前記出玉予定信号に係る予定出玉数とをそれぞれ累積的に記憶する記憶手段と、
前記遊技状態信号に基づいて、遊技機が通常状態であるか否かを判断する判断手段と、
時間を計測する計時手段と、
前記記憶手段に記憶された累積補給玉数と累積予定出玉数とに基づいて、前記累積補給玉数と前記累積予定出玉数との差分値が所定の範囲に含まれるか否か、及び前記判断手段と前記計時手段とを参照して、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が、遊技機の通常状態において所定時間継続しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定によって、前記差分値が前記所定の範囲に含まれない状態が遊技機の通常状態において所定時間継続したと判断された場合、所定の警告処理を行う警告処理手段と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項9】
前記遊技状態信号には、少なくとも遊技機が大当たり状態であることを示す大当たり信号と、遊技機が確率変動状態であることを示す確率変動状態信号と、遊技機が時短状態であることを示す時短信号のいずれかが含まれることを特徴とする、請求項7又は8に記載の管理システム。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−196422(P2012−196422A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108845(P2011−108845)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(501005966)大都販売株式会社 (110)
【Fターム(参考)】