説明

箱及びその製造方法

【課題】材料使用量が最小限に抑えられ、少数の機械を用いて純機械的に製造することができる箱構造を提供する。
【解決手段】箱21は、被覆処理された複数部分からなる箱部材1を基礎構造として作られ、2つの別個の同じく被覆処理された側壁13,14がこれに接着される。複数部分からなる箱部材1は、底面10と、他の2つの側壁11,12と、を含んでいる。2つの別個の第3及び第4の側壁13,14は、複数部分からなる箱部材1のエッジに対して同一面上に並ぶように、またはこれより若干引っ込むように舌部4.1,4.2に接着され、複数部分からなる箱部材1は、いわば第3及び第4の側壁13,14を囲むように折り曲げられる。その結果、形状の安定した箱が得られ、その最も単純な形態では、上方が開いた箱である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は箱の製造方法と箱の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
被覆処理された板紙からなる形状の安定した箱は、販売、贈答用の高価値な包装として用いられており、精密ボール箱または高級ボール箱とも呼ばれる。典型的な代表例は、5つの面が閉じられ1つの面が開いた箱を2つ備えるC式身フタ箱 (Stuelpschachtel)である。個々の箱は本の外箱としても用いられる。そのほか、5つの面が閉じられた箱が、複数の部分からなる蓋構造と接合された、開閉蓋付きの箱もある。
【0003】
このような箱の製造は高いコストがかかり、融通性がさほど高くなく、部分的に材料を二重にしているため、比較的高価である。
【0004】
これは以下の理由による。製造の際には、まず、個別に製作された打抜き工具によって、比較的複雑な板紙材料ブランクと被覆材料ブランクとが打ち抜かれる。完全には打ち抜かれていない分離継目を介してまだ底面とつながっている板紙ブランクの4つの側壁が、箱被覆装置によって立て起こされる。箱装置は、箱の判型に合わせて個別に調整された、底面を立て起こしシャフトに押しつける押し型を備えている。側壁は、コーナーに接着された紙テープ、または継目に吹き付けられた接着剤ビードによって固定される。そして、このようにして形成されたボール箱が、全面に接着剤が設けられた被覆材料ブランクの上に載せられ、個別に製作された両押し型によって、被覆材料ブランクとともに圧着シャフトに押しつけられる。その際、まず被覆材料の対向する2つの側面が圧着され、箱のエッジで折り曲げられ、次いで、他の2つの側面が圧着される。上方に延在する被覆材料は、両押し型の上側部分が箱から持ち上げられてから、内側に向けて折られ、押し型が再び下方に動くことによって、ボール箱の内面へ折り返されて圧着される。
【0005】
開閉蓋付き箱の、複数の部分からなる蓋構造は、互いに平行に配置された複数の板紙から構成され、複数の板紙の全面は、すべての側に折り返し部を有するように、ともに被覆処理される。この蓋構造は底面を有しており、被覆された箱が後からこの底面に手作業で接着される。本来の蓋は追加の側壁を介して底面と結合され、多くの場合、さらに別の被覆材料で光沢仕上げされる。このように、従来技術に基づく開閉蓋付き箱は、二重の底面と、少なくとも1つの二重の側壁とを有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の部分からなる蓋構造の製作には、例えば表紙貼り機のような板紙被覆・折込み機が必要である。箱の製造には、打抜き機のほかに、特別な箱被覆機が必要である。そして、蓋構造の箱への組み込みは依然として手作業で行われている。
【0007】
別の箱判型への設備変更は、高いコストと結びついている。板紙の打抜き工具と被覆材料を準備するだけでなく、判型に合わせて個別に調整された押し型や、さらに別の圧着手段を用意しなくてはならない。箱被覆機のセットアップ段階では、押し型の修正作業もしばしば必要となるため、設備変更とセットアップが数時間にも及ぶことがある。従って、箱を経済的に作成できるのは製作数が比較的多い場合に限られる。
【0008】
本発明の目的は、高価値な箱を少ない製作数でも経済的に、かつ高い融通性で製造できる、箱の製造方法を提供することにある。さらに、材料使用量が最小限に抑えられ、少数の機械を用いて純機械的に製造することができる箱構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の方法及び請求項10に記載の箱構造によって達成される。従属請求項は、本発明による方法及び本発明による箱構造の好ましい実施態様を規定している。
【0010】
本発明による方法では、箱は、被覆処理された複数部分からなる箱部材を基礎構造として作られ、2つの別個の同じく被覆処理された側壁がこれに接着される。複数部分からなる箱部材は、底面と、4つの側壁の内の2つの側壁と、を含んでいる。他の2つの側壁は、複数部分からなる箱部材のエッジに対して同一面上に並ぶように、またはこれより若干引っ込むように舌部に接着され、複数部分からなる箱部材は、いわば第3及び第4の側壁を囲むように折り曲げられる。その結果、形状の安定した箱が得られ、その最も単純な形態では、上方が開いた箱である。
【0011】
本発明による方法では、単純な板紙ブランクと被覆材料ブランクとが加工生成される。これらは、一般的な板紙用丸刃シャーや個別紙断裁機で断裁可能なものである。その後は、個別被覆紙のコーナーを切り落とすだけでよい。複数部分からなる箱部材だけでなく、別部材である第3及び第4の側壁も、例えば表紙貼り機のような、一般的な板紙被覆・折込み機によって製作することができる。複数部分からなる箱部材に第3及び第4の側壁を組み付ける際には、第3及び第4の側壁の舌部に接着剤を施し、90°折り曲げて、複数部分からなる箱部材の内面に押付けるだけでよい。
【0012】
この用途に用いられる機械は、構造に関し、周知の箱被覆機よりも大幅に簡素なものでよく、かつ別の判型に合わせて簡単にセットアップすることができる。高いコストのかかる従来の箱の立て起こし作業は、いわば、複数部分からなる箱部材を単純に折り曲げる作業に置き換えられる。コーナーに紙テープを接着することにより、あるいは接着剤ビードを継目に吹き付けることにより箱を固定する必要もなくなる。さらに、被覆材料を箱に圧着し、高いコストをかけて折り返したり折り込んだりしなくてよいので、個別に調整された押し型も必要なくなる。
【0013】
特に、第1の側壁と第2の側壁との間の底面の幅が広い箱については、第3及び第4の側壁を、それぞれ底面側のエッジで、少なくとも点状に底面に接着することによって、箱の安定性を高めることができる。この接着は、単純な態様においては、被覆材料のエッジを、第3及び第4の側壁の底面側のエッジで、第3の舌部として延在させ、これらの舌部を直角に折って、底面の内面に接着することによって行うことができる。
【0014】
一体の板紙を加工することで、板紙被覆・折込み機での板紙の取扱いが簡略化される。さらに、ただ1つの板紙(そうでない場合、3つ以上の板紙が必要となる)を断裁するべきである。一体の板紙に折り線を刻設することで、底面と第1の側壁との間、及び底面と第2の側壁との間に鋭いエッジの稜線が生じる。この稜線は、複数部分からなる箱部材を折ったときに隙間のない完全な密着性が得られるような鋭いエッジの稜線であり、箱被覆機では作成できないものである。
【0015】
複数部分からなる箱部材に板紙を追加的に配置することによって、開閉蓋付き箱を簡単に実現することができる。この開閉蓋付き箱は、二重の底面や側壁を有していない。追加的に配置される板紙の配置に応じて、種々の開閉蓋付き箱構造を製作することができる。そのような蓋は、単純な一体型の蓋から、観音開きの蓋、さらには、相互に重なり合う、または対向する側壁に重なり合う、複数部分からなる蓋までを含んでいる。相互に重なり合う蓋の板紙欠損部、または相互に重なり合う蓋と側壁の板紙欠損部に磁石をはめ込むことによって、開閉蓋付き箱に閉止部を簡単な方法で組み込むことができる。一または複数の部分からなり多部材から構成可能な蓋の少なくとも内面は、被覆材料によって光沢仕上げされるのが好ましい。
【0016】
複数部分からなる箱部材への第3及び第4の側壁の組み込みは、簡単な態様では、まず、第3及び第4の側壁をそれぞれ、第1の舌部によって第1の側壁の内面に接着し、次いで、複数部分からなる箱部材の第2の側壁を、第2の舌部の上に折り、第2の舌部に接着することによって行うことができる。それにより、第1の側壁の内面は、第3及び第4の側壁を位置決めし第1の舌部を圧着するために、自由に接近可能な状態とすることができる。第1の側壁の内面に第3及び第4の側壁を圧着する前に、複数部分からなる箱部材の底面を第1の側壁に対して直角に折ることで、第3及び第4の側壁を、それらを組み込む前に、第1の側壁に対して直角を向く底面に揃えることができる。
【0017】
側壁の外側エッジにある把持用窪み等の開口部は、第1の側壁と第2の側壁の少なくとも一方の外側エッジにおける、直線とは異なる輪郭によって実現することができる。第1及び第2の側壁は、複数部分からなる箱部材の構成要素であるため、このような種類の曲線状のエッジは、板紙被覆・折込み機であらかじめ折り込んで圧着しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】把持用窪みを備える本の外箱を示す図である。
【図2】単純な蓋を備える開閉蓋付き箱を示す図である。
【図3】観音開きの蓋を備える開閉蓋付き箱を示す図である。
【図4】相互に重ね合わされた複数の蓋を備える開閉蓋付き箱を示す図である。
【図5】対向する側壁と重なり合う蓋を備える開閉蓋付き箱を示す図である。
【図6】本発明の箱の製造方法のステップを示すブロック図である。
【図7】複数部分からなる箱部材への第3及び第4の側壁の組み込みを示す概略図である。
【図8】刻設された折り線を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1〜5は、本発明による箱の様々な実施形態を示している。図6〜8は、本発明による方法の各ステップを示している。
【0020】
図1に示す本の外箱17は、実質的に5つの側が閉じた箱であり、底面10並びに第1及び第2の側壁11,12を有する複数部分からなる箱部材1と、第3及び第4の側壁13,14と、から構成されている。複数部分からなる箱部材1は、互いに平行に配置された板紙7’,7’’,7’’’を有している。板紙7’,7’’,7’’’は、その全面が被覆材料2でともに被覆処理されており、すべての側に折り返し部2aが形成されている。この箱部材は、折り線5の周りで直角に2回折り返されている。第3及び第4の側壁13,14はそれぞれ、全面が被覆材料3で被覆処理された板紙8から構成されている。第3及び第4の側壁13,14は、第1及び第2の側壁11,12の内面に接着された第1及び第2の舌部4.1,4.2を介して、箱部材1と連結されて、形状の安定した本の外箱17を形成している。板紙7’,7’’’に欠損部を設けることで、第1及び第2の側壁11,12の外側エッジに把持用窪み18a,18bが形成されている。把持用窪み18a,18bは、ぎざぎざに打ち抜かれた被覆材料2で覆われている。
【0021】
図2に示す開閉蓋付き箱21は、同じく5つの側で閉じた箱であり、ヒンジ6を介して第2の側壁12に配置された蓋22を有している。蓋22は、複数部分からなる箱部材の構成要素である。
【0022】
図3に示す開閉蓋付き箱31は、複数部材、すなわち第1及び第2の蓋33.1,33.2からなる観音開きの蓋32を有している。第1及び第2の観音開きの蓋33.1,33.2はそれぞれ、互いに対向する第1及び第2の側壁11,12にヒンジ6を介して配置され、観音開きの蓋32が閉じたときに互いに突き合うように位置する。本実施形態でも、2つの観音開きの蓋33.1,33.2は、複数部分からなる箱部材の構成要素である。
【0023】
図4に示す開閉蓋付き箱41も、同様に複数の部材からなる蓋42を有しており、第1及び第2の蓋43.1,43.2が相互に重なり合っている。蓋43.1,43.2が相互に重なり合う領域における板紙の欠損部に磁石19.1,19.2をはめ込むことで、蓋43.1,43.2に磁石による閉止部が設けられている。
【0024】
図5に示す開閉蓋付き箱51は、第2の側壁12に配置された、複数部材からなる蓋52を有している。蓋52は、追加のヒンジ6aを介して回動可能に互いに連結された2つの第1及び第2の蓋部分52a,52bを有している。第2の蓋部分52bは、蓋52が閉じられたときに、対向する第1の側壁11に重なり合う。本実施形態でも、第1の側壁11及び蓋部分52bにはめ込まれた磁石19.1,19.2を備える、磁石による閉止部が設けられている。
【0025】
上述した本発明による箱の実施形態は、考え得る箱構造のうち少数のものを選択して示しているにすぎない。本発明の構造原理、すなわち複数部分からなる箱部材1と、これに接着された別個の側壁13,14と、基づき、形状の安定した他のボール箱を設計することもできる。例えば、上方が開口した縦型ファイルボックス(Stehschuber)、(本発明の構造原理に基づいて構成された2つの箱を有する)C式身フタ箱などが挙げられる。
【0026】
図6には、このような箱の本発明による製造方法が、単純な蓋22を備える開閉蓋付き箱21を例に、ブロック図で示されている。製造にあたっては、それぞれ判型に合わせて断裁された板紙7(7’,7’’,7’’’),8,9及び個別被覆紙2,3が加工生成される。念のため、断裁の各ステップも図示されている。
【0027】
必要な板紙7(7’,7’’,7’’’),8,9は、大きい版型の板紙シート66から断裁される。板紙断裁プロセス61は、板紙用丸刃シャーによって行われる。箱21の様々な板紙7(7’,7’’,7’’’),8,9を準備するために、複数の手順61.1〜61.3が必要となる。必要な個別被覆紙2,3は、個別紙切断機によって切断される。被覆材料はロール67またはシートとして供給することができる。被覆材料は単なる紙、印刷された紙、フィルムがラミネートされた紙、フィルム、布地、皮革などであってよい。個別紙に断裁するプロセス62に続き、角部を裁ち落とす手順63が行われ、後で折り返し部2a,3aとなる領域で不要となる被覆材料が裁ち落とされる。複数部分からなる箱部材1の個別被覆紙2においては、角部2bが直線状に裁ち落とされる。一方、第3及び第4の側壁13,14の個別被覆紙3においては、角部3bが切込みを入れるように裁ち落とされる。個別被覆紙2,3に対し2つの異なる断裁が必要となるため、2つの手順62.1,62.2及び63.1.63.2が必要となる。
【0028】
そして、例えば表紙貼り機のような紙被覆・折込み機によって、別々の手順64.1,64.2で、断裁された個々の部材から、複数部分からなる箱部材1と、第3及び第4の側壁13,14とが、それぞれ組み立てられる。板紙被覆のプロセス64は、延在する個別被覆紙のエッジを折り込むことも含んでいるが、第3及び第4の側壁13,14においては、被覆材料3の互いに対向する少なくとも2つのエッジは折り込まれず、第1及び第2の舌部4.1,4.2となる。
【0029】
板紙被覆のプロセス64に続いて、例えばエンボス加工や閉止部の取付けといった後加工ステップを行うことができる。例えば磁石19.1,19.2を、板紙の対応する欠損部にはめ込むことができる。追加の被覆工程では、少なくとも後で蓋22となる部分の内面に、被覆材料20によって光沢仕上げを施すことができる。
【0030】
図6より明らかなように、複数部分からなる箱部材1では、個別の板紙7(7’,7’’,7’’’),9が平行に相並ぶように配置されている。互いに隣接する板紙7(7’,7’’,7’’’),9の間には、折り線5とヒンジ6が構成されている。単純な蓋22を備える開閉蓋付き箱21では、4つの個別の板紙が必要である。すなわち、底面10並びに第1及び第2の側壁11,12のために、それぞれ1つの板紙7’,7’’,7’’’が必要であり、蓋22のために板紙9が必要である。開閉蓋付き箱21に、特に鋭くかつ完全な密着性の得られるエッジを設ける場合、板紙7’,7’’,7’’’は一体の板紙7であってよい。この場合、折り線5はV字型の溝7aとして、一体の板紙7に刻設される。図8を参照のこと。この溝は一体の板紙7の被覆加工の直前に、表紙貼り機で行うことができる。
【0031】
製造方法の最後に、図7を参照して説明する開閉蓋付き箱21の組み込み65が行われる。第3及び第4の側壁13,14の両方の舌部4.1,4.2が内方に向かって直角に折られ(折り71)、接着材の塗布74が行われる。そして、第3及び第4の側壁13,14の第1の舌部4.1が、複数部分からなる箱部材1の第1の側壁11の内面に接着される。次いで、複数部分からなる箱部材1が、2回の折り72,73によって第3及び第4の側壁13,14の回りで折り曲げられ、それにより、最終的に複数部分からなる箱部材1の第2の側壁12が、第3及び第4の側壁13,14の第2の舌部4.2に押しつけられ、それによって接着される。
【0032】
舌部4.1の接着の前に、複数部分からなる箱部材1の底面10はすでに第1の側壁11に対して直角に折られているので、第3及び第4の側壁13,14を底面10に揃えることができる。
【0033】
第3及び第4の側壁13,14は、第1及び第2の側壁11,12の外側エッジと同一面上に並ぶように、または若干これよりも引っ込むように、組み込むことができる。底面10の幅が比較的広い(第1及び第2の側壁11,12の間隔が広い)箱については、安定性を向上させるために、第3及び第4の側壁13,14のそれぞれ底面10側のエッジを、1つまたは複数の追加の接着点75によって底面10に接着することができる。これに代えて、第3及び第4の側壁13,14の該当するエッジの位置で、折り返されていない第3の舌部4.3を、底面10の内面に接着することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 複数部分からなる箱部材
2,3 個別被覆紙(被覆材料)
4.1,4.2 舌部
5 折り線
6 ヒンジ
7,8,9 板紙
10 底面
11〜14 第1〜第4の側壁
17 本の外箱
19.1,19.2 磁石
21 開閉蓋付き箱
22 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも5つの面が閉じられ、被覆処理された板紙(7,7’,7’’,7’’’,8,9)からなる、形状の安定した箱(17,21,31,41,51)を機械的に製造する方法であって、
前記箱は、底面(10)と、互いに対向する第1及び第2の側壁(11,12)と、互いに対向する第3及び第4の側壁(13,14)と、を有し、さらに、前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)の少なくとも一方と回動可能に結合され、一または複数の部分からなる、多部材から構成可能な蓋(22,32,42,52)を有することができ、
まず、互いに平行に配置された複数の板紙(7,7’,7’’,7’’,9)の全面を被覆材料(2)で被覆処理し、すべての側に折り返し部(2a)を形成することによって、前記底面(10)及び少なくとも前記第1及び第2の側壁(11,12)を有する、複数部分からなる箱部材(1)を組み立てることと、
板紙(8)の全面を被覆材料(3)で被覆処理することによって、前記第3及び第4の側壁(13,14)をそれぞれ別々に製作し、前記被覆材料(3)の互いに対向する少なくとも2つのエッジを延在させて第1及び第2の舌部(4.1,4.2)とする一方、残りのエッジは折り返して折り返し部(3a)とすることと、
次いで、直角に折られた前記第1及び第2の舌部(4.1,4.2)を前記第1及び第2の側壁(11,12)の内面に接着することによって、前記第3及び第4の側壁(13,14)を前記複数部分からなる箱部材(1)に接合することと、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記第3及び第4の側壁(13,14)を、それぞれ前記底面(10)側の前記エッジで、少なくとも点状に前記底面(10)に接着することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被覆材料(3)の前記エッジを、前記第3及び第4の側壁(13,14)の前記底面(10)側のエッジで、第3の舌部(4.3)として延在させ、前記第3の舌部(4.3)を直角に折って前記底面(10)の内面に接着することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数部分からなる箱部材(1)を組み立てる際に、一体の板紙(7)を加工生成し、前記底面(10)と前記第1の側壁(11)との間、及び前記底面(10)と前記第2の側壁(12)との間に、前記被覆材料(2)での被覆処理に先立って折り線(5)を刻設することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の前記板紙(9)を、前記底面(10)及び側壁(11,12)を形成する前記板紙(7,7’,7’’,7’’’)と平行に配置し、前記板紙とともに被覆処理をすることによって、前記複数部分からなる箱部材(1)は前記一または複数の部分からなる多部材から構成可能な蓋(22,32,42,52)を含み、それによって、前記蓋(22,32,42,52)を前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)の少なくとも一方と回動可能に結合することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
相互に重なり合う複数の前記蓋(43.1,43.2を有する42)の前記板紙の欠損部、または相互に重なり合う前記蓋(52bを有する52)と前記側壁(12)の前記板紙の欠損部に磁石(19.1,19.2)をはめ込むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記一または複数の部分からなる多部材から構成可能な蓋(22,32,42,52)の少なくとも内面を、被覆材料(20)によって光沢仕上げすることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数部分からなる箱部材(1)に前記第3及び第4の側壁(13,14)を組み込む際に、まず前記第3及び第4の側壁(13,14)をそれらの前記第1の舌部(4.1)によって前記第1の側壁(11)の内面に接着し、次いで前記複数部分からなる箱部材(1)の前記第2の側壁(12)を、前記第2の舌部(4.2)の上に折り、前記第2の舌部(4.2)に接着することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の側壁(11)の内面に前記第3及び第4の側壁(13,14)を接着する前に、前記複数部分からなる箱部材(1)の前記底面(10)を前記第1の側壁(11)に対して直角に折ることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
底面(10)並びに少なくとも第1及び第2の側壁(11,12)を有する複数部分からなる箱部材(1)であって、互いに平行に配置された複数の板紙(7,7’,7’’,7’’,9)を有し、前記複数の板紙はその全面が被覆材料(2)でともに被覆処理され、すべての側に折り返し部(2a)が形成されている、複数部分からなる箱部材(1)と、
全面が被覆材料(3)で被覆処理された板紙(8)からそれぞれ別々に形成された第3及び第4の側壁(13,14)であって、前記被覆材料(3)の互いに対向する少なくとも2つのエッジが延在して第1及び第2の舌部(4.1,4.2)とされる一方、残りのエッジは折り返されて折り返し部(3a)とされている第3及び第4の側壁と、
直角に折られた前記第1及び第2の舌部(4.1,4.2)を前記第1及び第2の側壁(11,12)の内面に接着することによって、前記複数部分からなる箱部材(1)と前記第3及び第4の側壁(13,14)とが接合されて、形状が安定し少なくとも5つの面が閉じられた箱(17,21,31,41,51)をなしていることを特徴とする箱。
【請求項11】
前記第3及び第4の側壁(13,14)は、それぞれ前記底面(10)側の前記エッジで、少なくとも点状に前記底面(10)に接着されていることを特徴とする、請求項10に記載の箱。
【請求項12】
前記複数部分からなる箱部材(1)は少なくとも1つの一体の板紙(7)を有しており、折り線(5)が前記底面(10)と前記第1の側壁(11)との間、及び前記底面(10)と前記第2の側壁(12)との間に刻設されていることを特徴とする、請求項10または11に記載の箱。
【請求項13】
前記複数部分からなる箱部材(1)は一または複数の部分からなる多部材から構成可能な蓋(22,32,42,52)を含み、少なくとも1つの追加の板紙(9)が、前記底面(10)及び側壁(11,12)を形成する前記板紙(7,7’,7’’,7’’’)と平行に配置され、前記板紙とともに被覆処理され、それによって、前記蓋(22,32,42,52)が前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)の少なくとも一方と回動可能に結合されていることを特徴とする、請求項10から12のいずれか1項に記載の箱。
【請求項14】
相互に重なり合う複数の前記蓋(43.1,43.2を有する42)の前記板紙の欠損部、または相互に重なり合う前記蓋(52bを有する52)と前記側壁(12)の前記板紙の欠損部に磁石(19.1,19.2)がはめ込まれていることを特徴とする、請求項13に記載の箱。
【請求項15】
前記一または複数の部分からなる多部材から構成可能な蓋(22,32,42,52)の少なくとも内面が、被覆材料(20)によって光沢仕上げされていることを特徴とする、請求項13または14に記載の箱。
【請求項16】
前記第1の側壁(11)と前記第2の側壁(12)の少なくとも一方の、前記底面(10)と反対側にある外側エッジは、直線とは異なる輪郭を有していることを特徴とする、請求項10から15のいずれか1項に記載の箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−22958(P2013−22958A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138464(P2012−138464)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【出願人】(590004257)コルブス ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (21)
【氏名又は名称原語表記】Kolbus GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Osnabruecker Strasse 77,32369 Rahden,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】