説明

簡易組立特徴部を有する塗布ダイ

第1のアプリケータスロットと流体連通している空洞を共に画定する少なくとも第1の部分(12)および第2の部分(14)と、第2の部分に対して第1の部分を締結するように配置された少なくとも1つの簡易脱着固定具(48、52)と、を有するスロット塗布ダイ(10)に関する。本発明は、第3の部分を含み、第2の部分および第3の部分が、第2のアプリケータスロットと流体連通する第2の空洞を共に画定する多層塗布ダイの作成に特に適する。好ましい後部操作式の簡易脱着締結は、シムを交換するため、またはスロットを清掃するために、内部部分の1つにアクセスするためのダイ全体の解体の必要性を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広くは、たとえば不定長さの材料のウェブに塗布材料を塗布するためのダイの構成に関し、さらに詳細には、簡易組立および分解を容易にする特徴部を有するコーターに関する。
【背景技術】
【0002】
流体を材料のウェブの上に塗布することが公知である。このような塗布は、アプリケータスロットと連通する空洞を有する塗布ダイを用いて行われることが好都合である場合が多い。圧力を受けた液体が、空洞中に投入され、次に、アプリケータスロットからたとえば、不定の長さの材料または個別の物品のウェブなどの所望の基材の上に押し出される。
【0003】
ダイの塗布において、均一なスロット高さを有するダイ組立品を実現するために、ダイ形状の正確な制御を行うことがきわめて望ましい。スロット高さの均一性は、平面度と、剛性と、ダイを含む2つの部分の接合方法とに依存する。ダイ部分の間に、シム(shim)を用いてもよく(用いられることが多い)、その寸法の均一性もまた、一つの要因である。この望ましくは均一なスロットは、塗布対象の流体が圧力を受けて空洞中にポンプで送り込まれるときに、ダイの幅にわたって均一な流れが維持されるように、ダイの内側の空洞と流体連通する。
【0004】
2つ以上のアプリケータスロットを有するさらに複雑な多層ダイが周知であり、不定の長さの材料または個別の物品のウェブを塗布するために、多くの液体層のうちの2層を同時に一様に広げるために用いられる。層の数が増大し、組立中に段階的に起こる誤差が生じると、ダイ形状の正確な制御がさらに困難になる。一般に、マニホルドおよび多層ダイにおける層用の測定スロットは、1つの部分の上を通って次の部分に螺入されるボルトなどの標準的な固定具(fasteners)を用い、2つの正確に機械加工された金属部分を接合し、その部分を共に締結すること(clamping)によって形成される。これは、シムを交換するため、またはスロットを清掃するために、内部層の1つにアクセスするためには、ダイ全体を解体しなければならないなどの多層ダイに関する複数の問題点を生じる。これは、次の層の上部分が下にある部分をさらに下の次の部分に接合する固定具の上を覆うためによく起こる。
【0005】
塗布ダイを組立てるために、ボルトを用いることにより、特定の位置合わせを保証するために、たとえば、層の間の固定ピン(fixed pins)を備えていないダイにおいて、第2の問題を引き起こす。マニホルドの空洞および関連するアプリケータスロットを共に画定する2つの層は、スロットの出口端部の縁の間のオーバーバイトを変化させるために、組立中に位置変更可能であることが望ましい場合には、そのような位置合わせピンが不可欠であることが多い。締付けられることになっている第1のボルトからのリアクショントルクは、下部部分に対して上部部分をねじる傾向があり、部品がボルトにぴったり合わせる前に回転しないように不動に抑えられていない場合には、配置を損なうことが多い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザが、既に組立てられた他の層の邪魔をすることなく、個別の層を独立に組立て、位置変更または分解を行うことができるように、主要なダイ部分を共に正確に接合するように構成される多層スロット塗布ダイを提供する。これは、ダイ本体内部の特別に設計された凹部に取り付けられることが好ましい一連の簡易脱着固定具によって実現されることが好都合である。このような簡易脱着固定具に関して、ダイの分割平面に平行な軸に沿って回転されるカムであることが特に好都合である。そのような固定具により、複数の層が上下に組立てられた後であっても、ダイを組立てるユーザが組立工程中の任意の時点でダイの露出した後部を通って固定具に無制限にアクセスすることができる。
【0007】
さらに詳細には、本発明は、第1のアプリケータスロットと流体連通しているダイの空洞を共に画定する少なくとも第1の部分および第2の部分と、第2の部分に対して第1の部分を締結するように配置された少なくとも1つの簡易脱着固定具と、を有するダイを含む装置として考えることができる。さらに一般的には、第2の部分に対して第1の部分を締結するように配置された少なくとも第2の簡易脱着固定具があり、互いに対してダイ部分をねじる傾向がある任意の力の影響を受けにくくすることがさらに好ましい。実際には、きわめて広いダイには、十分な安定性および締結力(clamping force)を提供するために、複数の簡易脱着固定具が必要である場合がある。
【0008】
好ましい実施形態において、簡易脱着固定具は、相対的な位置範囲にわたって、簡易脱着固定具によってダイの第1の部分を第2の部分に対して締結することができるようなタイプである。尚、この範囲は、第1のアプリケータスロットに対して垂直な方向に向けられている。これにより、アプリケータスロットの一方の縁が塗布される基材に対して他方の縁に比べて進むような場合には、オフセットの正確な量を提供するように、作業者はダイを組立てることができる。スロットの下ウェブ縁が上ウェブ縁に比べてロールに対して前進している場合には、オフセットを当業界では「オーバーバイト」と呼び、逆が当てはまる場合には、「アンダーバイト」と呼ぶことがある。ダイ塗布におけるオフセットのあるダイ縁の利用に関するさらなる情報は、マイヤー(Maier)らの米国特許第5,759,274号明細書に開示されている。この特許は、参照によって本願明細書に援用されるものとする。アプリケータスロットに比べて、簡易脱着固定具がダイの後部から操作可能である場合には、特に好都合である。
【0009】
本発明は、第3の部分を含み、第2の部分および第3の部分が、第2のアプリケータスロットと流体連通する第2の空洞を共に画定する多層塗布ダイの作成に特に適する。好ましい後部操作式簡易脱着固定具は、シムを交換するため、またはスロットを清掃するために、内部部分の1つにアクセスするためのダイ全体の解体の必要性を除去する。
【0010】
本発明に関連して用いることができる1つの特に好都合な簡易脱着固定具は、第1の部分または第2の部分の一方に取り付けられ、他方の部分の凹部まで延在するように構成される植込みボルト(stud)を含み、他方の部分は、回転時に植込みボルトに対して可変力を及ぼすようにするために位置決めされる回転可能なカムを有する。
【0011】
ダイ部分を分離する傾向がある予想される力を処理するために、ボルトなどの非簡易脱着固定具を設けることが望ましい状況であっても、今記載したタイプの簡易脱着固定具は、ダイの組立を円滑にすることができる。さらに具体的に言えば、そのようなカムロック式固定具は、トルクを与えたときに、ボルトがするようなダイ部分の分離面に対して垂直な軸を中心としてねじり力を及ぼすことなく保持する。したがって、ボルトが用いられる前に共にダイ部分を固定するために、そのようなカムロック式固定具が設けられ、用いられる場合には、ボルトがずれているダイ部分をねじる傾向に耐えるようにその締結力を利用することができる。
【0012】
このことを念頭において、本発明はまた、塗布ダイを組立てる方法として考えることができ、第1のアプリケータスロットと流体連通する空洞を共に画定する少なくとも第1のダイ部分および第2のダイ部分を備え、第2の部分に対して第1の部分を締結するように配置された少なくとも1つの簡易脱着固定具を設け、簡易脱着固定具を作動させる。この方法の多くの好ましい実施形態において、簡易脱着固定具は、相対的な位置範囲にわたって、簡易脱着固定具によってダイの第1の部分を第2の部分に対して締結することができるようなタイプである。尚、この範囲は、第1のアプリケータスロットに対して垂直な方向に向けられている。これらの実施形態において、この方法は、アプリケーションスロットにおける第1の部分と第2の部分との間で所定のオフセットを達成するために、当該位置範囲の中で第2の部分に対して第1の部分を位置決めすることをさらに含むことができる。
【0013】
この方法のいくつかの好ましい変形では、簡易脱着固定具は、ダイ部分の分離面に対して垂直な軸を中心としたねじり力を及ぼすことなく、保持するように構成される。これらの変形において、この方法は、少なくとも1つの非簡易脱着固定具によって、第2の部分に対して第1の部分を締結するさらなるステップに最も容易に適応する。
【0014】
添付図面の複数の図において、類似の部品は、類似の参照符号を有する。
【0015】
上記の説明は、例示であって、限定するものではないことを意図していることを理解すべきである。本発明の種々の変更および代替は、本発明の範囲を逸脱することなく、前述の説明から当業者には明白となるであろう。本発明は、本願明細書に記載した例示の実施形態に限定されるわけではないことを理解すべきである。
【0016】
定義
大半の塗布ダイの分配室は、共通の一般的な形状を有する。それらは、実質的にウェブに交差する方向に向けられ、アプリケータスロット(当業界では、スリットまたはランドと呼ぶこともある)に連結される空洞(当業界では、分配室またはチャネルと呼ぶこともある)を含む。本願明細書で用いられるとき、「マニホルド」なる語は、上記で定義したような空洞のほか、空洞とアプリケータスロットとの間の任意の他の通路を意味し、アプリケータスロットを含む。
【0017】
本願明細書で用いられるとき、「締結」なる語は、互いに対する位置関係において2つの物体を固定する傾向がある力を加えるための機構を用いることを意味する。この語は、2つの物体が実際に接触状態にあることを含意していない。本発明に関して、ダイ部分は、不適合なシムによってわずかに分離されることが多い。しかし、機構が相対的な位置を固定するために用いられる場合には、ダイ部分は締結される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここで図1を参照すると、具体的な塗布ダイ10の前部斜視図が示されている。塗布ダイ10は、第1のダイ部分12、第2のダイ部分14および第3のダイ部分16を含む。多くの好都合な実施形態において、部分は、シム18および20としてここに図示されているようなシムによって分離される。これにより、アプリケータスロットの高さを好都合に調整することができる。第1のアプリケータスロット22および第2のアプリケータスロット24はそれぞれ、シム18およびシム20によって好都合に画定される。アプリケータスロット22は第1のダイ部分12および第2のダイ部分14によって、アプリケータスロット24は第2のダイ部分14および第3のダイ部分16によって、それぞれ画定される流体分配空洞と流体連通しているが、これらの空洞は組立てられた塗布ダイ10のこの図では見えない。
【0019】
本発明において、第2の部分14に対して第1の部分12を締結するために用いられる少なくとも1つの簡易脱着固定具がある。簡易脱着固定具は、反復動作をすることなく操作可能であり、多種多様な機械的手段は当業者には明白であろう。回転可能で直線状のカム構成、テーパ連結およびオーバセンタトグルは、簡易脱着固定具の非限定的な例である。本発明に関して、簡易脱着固定具は、互いに対する位置の範囲にわたって、簡易脱着固定具によって第1の部分を第2の部分に対して締結することができるようなタイプであり、この範囲が第1のアブリケータスロットに対して垂直な方向に向けられる手段が、非常に好ましい。さらに、簡易脱着固定具を係合または解放するために、機械化されたデバイスを用いてもよい。
【0020】
この利点を提供することができる簡易脱着固定具が、図2に示されている。図2は、簡易脱着固定具に主眼を置いた分解斜視詳細図である。第1のダイ部分12の分離部分が、本来の分割線で第2のダイ部分14から分離されているように示されている。第1のダイ部分12は、分割線に対して垂直な方向に延在する凹部40を備えている。凹部40は、第1のダイ部分12の後面46における開口部44まで延在する横孔42と交差する。凹部40は、ダイ部分14に取り付けられる植込みボルト48を収容するような大きさである。植込みボルト48は、回転可能なカム52と相互作用するように好都合に形成された座面50を有する。植込みボルト48は、ダイ部分12、14の分離面に対して垂直な方向における複数の位置のいずれか1つに座面50を固定することができるように取り付けられる。回転可能なカム52は、座面50に対する回転位置に応じて、第2のダイ部分14に対して第1のダイ部分12を引き寄せる傾向がある可変力を及ぼすことができるように形成される。回転可能なカム52は、工具特徴部54を好都合に備えるため、特徴部の詳細に応じたねじ回し、スクエアドライブレンチまたは六角レンチなどの工具によって横孔42の中で操作することができる。組立後、横孔42の中でばね負荷がかけられる回転可能なカム52を保持するために、止めねじ56が設けられる。回転可能なカム52は、ユーザに触覚フィードバックを提供するために、露出面に切欠き58を有することが好ましい。切欠き58が止めねじ56の先端付近まで回転される場合には常に、解放およびダイの分解のために正しい回転位置にカチッと音をたててはまる。解放用の正しい回転位置を指すために、回転可能なカム52にはまた露出面にマークが刻み込まれる。止めねじ56はまた、ばね負荷されたカム52がのる斜面の先端によって回転可能なカム52の軸方向の位置を調整する手段も提供する。止めねじ56をダイにさらに螺入することにより、回転可能なカムを収容する凹部の中に回転可能なカムを戻させる。
【実施例】
【0021】
実施例1
それぞれ幅が25cmの2つのアプリケータスロットを有し、図1に全体が示されている塗布ダイは、ステンレス鋼から構成され、図2に全体が示されている簡易脱着固定具を6つ備えている。さらに具体的に言えば、これらの簡易脱着固定具は、D1−2”カムロック主軸端に適した植込みボルトを含んでいる。植込みボルトは、直径が7/16”(11mm)であり、その座面が垂線から40°傾斜している。植込みボルトは、3/8−24UNFねじを備え、初期組立中に、植込みボルトの高さを41ミル(1mm)ずつ増分して調整することができるようになっている。直線カムは、直径が公称5/8”(15.8mm)であり、210°プロファイルは外周より0.063”〜0.004”(1.6〜0.1mm)小さく、約60ミル(1.5mm)の隆起を有する。カムに対する植込みボルト従動車(stud follower)の偏心率は、0.358”(9.1mm)であった。
【0022】
上記の塗布ダイは、ダイ部分と共に接合するために通常用いられる従来の押さえねじの性能とカムロック式固定具の性能を比較するために、圧力をかけて試験が行われた。3M 5490押出成形PTFE(スリーエム・カンパニー(3M Company)、ミネソタ州セントポール(St.Paul,Minnesota))テープの3.7ミル(0.09mm)の層が、上部ブロックの分割面に貼られ、次に下部ブロックの上に積層された。ローズマウント(Rosemount)3051C圧力伝送器(エマーソン・プロセス・マネージメント(Emerson Process Management)、ローズマウント部門(Rosemount Division)、ミネソタ州シャンハッセン(Chanhassen、Minnesota))および空気圧調整器に配管することによって接続するために、取付け金具が下部ブロックの供給ポートに螺入された。
【0023】
ミツトヨ・デジマチィク(Mitutoyo Digimatic)デジタル指示計(ミツトヨ/MTIコーポレーション(Mitutoyo/MTI Corporation)、イリノイ州オーロラ(Aurora、Illinois))が、指示計の軸が分割平面に対して垂直であり、スロットの出口端部付近で組立品の対称線上の位置する上部ブロックの真上であるように、磁気スタンドを用いて下部ブロックに取り付けられた。次に、指示計が、分割平面に対して平行な上部ブロックの上面に対してゼロに設定された。
【0024】
続いて、ブロックが、1/4”スクエアエンドドライバを用いて時計回りにカムを締結する手動で共に接合された。ブロックが60psigまで加圧されると、指示計の示度が3ミル(0.076mm)に増大した。空気は、供給ポート側に対向する分割平面の縁に沿ってダイから噴出した。次いで、空気圧が抜かれ、カムには約60in−lbsのトルクが与えられた。ブロックが加圧されると、今度は指示計の示度は変化せず、漏れの可聴音もなかった。空気の供給が停止されると、ブロック内の圧力はゆっくり下がって3分の期間でゼロとなった。
【0025】
比較例
比較のため、塗布ダイは、簡易脱着固定具が上部ブロックを完全に貫通する従来の3/8−24ソケットヘッド押さえねじによって取って代わられたことを除き、実施例1の塗布ダイに略類似に構成された。これらには、60in−lbsのトルク、すなわちこの固定具の最大トルクの1/6が与えられた。続いて、実施例1において上述したように、ブロックはテープを貼られ、加圧された。結果は、簡易脱着固定具も60in−lbsのトルクが与えられた試験と類似であった。押さえねじのトルクが480in−lbsまで増大すると、同様の結果が生じた。押さえねじのトルクを30in−lbsに下げると、リップが0.3ミル(0.0076mm)歪む結果となった。このことは、密閉力を減少することなく簡易脱着固定具の簡便さを達成することができることを証明している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による例示の塗布ダイの斜視図である。
【図2】簡易脱着固定具の好ましいタイプを強調する分解斜視詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアプリケータスロットに流体連通するマニホルドを、協働して画定する少なくとも第1の部分および第2の部分を有するダイと、
前記第2の部分に対して前記第1の部分を固定するように配置された少なくとも1つの簡易脱着固定具と、
を備える装置。
【請求項2】
前記第2の部分に対して前記第1の部分を締結するように配置された少なくとも第2の簡易脱着固定具をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記簡易脱着固定具は、該簡易脱着固定具により前記第1の部分を前記第2の部分に対し、前記第1のアプリケータスロットに直交する方向における所定の相対的位置範囲にわたって締結することができるような形式のものである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記簡易脱着固定具は、前記アプリケータスロットに比べて前記ダイの後部から操作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記塗布ダイは、少なくとも第3の部分をさらに備える多層ダイであり、前記第2の部分および該第3の部分が、第2のアプリケータスロットに流体連通する第2のマニホルドを、協働して画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの簡易脱着固定具が、前記第3の部分に対して前記第2の部分を締結するように配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記簡易脱着固定具は、
前記第1の部分および前記第2の部分の一方に取り付けられるとともに他方の凹部の中に延在するようになっている植込みボルトと、
回転時に前記植込みボルトに対して力を生じるような位置に配置される回転可能なカムと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記植込みボルトに対する前記力は、前記植込みボルトに対する前記回転可能なカムの回転量に応じて可変である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回転可能なカムは、前記アプリケータスロットに比べて前記ダイの後部からアクセスできる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記簡易脱着固定具により前記第1の部分を前記第2の部分に対し、前記アプリケータスロットの軸線に直交する方向における所定の相対的位置範囲にわたって締結することができるようになっている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第1のアプリケータスロットに流体連通するマニホルドを、協働して画定する少なくとも第1のダイ部分および第2のダイ部分を用意することと、
前記第2の部分に対して前記第1の部分を締結するように配置される少なくとも1つの簡易脱着固定具を用意することと、
前記簡易脱着固定具を作動させることと、
を含む塗布ダイの組立方法。
【請求項12】
前記第2の部分に対して前記第1の部分を締結するように配置される第2の簡易脱着固定具を用意することと、
前記第2の簡易脱着固定具を作動させることと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記簡易脱着固定具は、該簡易脱着固定具により前記第1の部分を前記第2の部分に対し、前記第1のアプリケータスロットに直交する方向における所定の相対的位置範囲にわたって締結することができるような形式のものであり、前記方法はさらに、
前記アプリケータスロットにおける前記第1の部分と前記第2の部分との間の所定のオフセットを達成するように、前記位置範囲内で前記第2の部分に対して記第1の部分を位置決めすることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記簡易脱着固定具は、前記アプリケータスロットに比べて前記ダイの後部から操作可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記塗布ダイは多層ダイであり、前記方法は、少なくとも第3の部分を用意して、前記第2の部分および該第3の部分が、第2のアプリケータスロットに流体連通する第2のマニホルドを、協働して画定するようにすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記簡易脱着固定具は、
前記第1の部分および前記第2の部分の一方に取り付けられるとともに他方の凹部の中に延在するようになっている植込みボルトと、
回転時に前記植込みボルトに対して力を生じるような位置に配置される回転可能なカムと、
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記植込みボルトに対する前記力は、前記植込みボルトに対する前記回転可能なカムの回転量に応じて可変である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の部分と前記第2の部分との間に、所定の厚み範囲から選択される厚みを有するシムを位置決めすることをさらに含み、
選択可能なシムのいずれかをそのように位置決めしたときに、前記回転可能なカムの回転が前記植込みボルトに対して可変の力を及ぼす、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記簡易脱着固定具は、前記ダイ部分の分離面に対して垂直な軸線を中心としたねじり力を生じることなく保持するようになっている、請求項12に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−517764(P2008−517764A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538904(P2007−538904)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/031395
【国際公開番号】WO2006/049688
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】