説明

米穀と胡麻を含有する非常食

【課題】
米穀に所定量の胡麻粉末を添加した米穀胡麻食品が、空気および光を透過しない密封容器に密封することにより、栄養価に加えて、胡麻および発芽玄米などの米穀の多様な栄養価が付加され、食品の劣化防止を図ることができ、長期間保存することができる米穀と胡麻を含有する非常食の提供を目的とする。
【解決手段】
所定量の胡麻粉末、と青竹粉末と、又は玄米などの米穀をからなる米穀胡麻混合物に、トレハロースとセサミオイルとを添加した玄米胡麻食品を、所定のサイズに形成して、調理が素早くでき、食欲増進の香りと抗菌作用を加味されるようにして、空気および光を透過しないアルミニウム密封容器に密封された非常食品であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、災害時や遭難時等の非常時に食するような、長期保存できて、簡単に食することができて、栄養価の高い米穀と胡麻を含有する非常食品(胡麻入り米穀非常食)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、餅 100g当たり 235カロリー(kcal)であり、ご飯の168kcalや赤飯の189kcalに比較してカロリーが高い。また餅は消化のよい食べ物であり、ゆっくりと消化されるため、血糖値が長時間安定し、いわゆる満腹状態が長持ちする利点もある。
しかし、非常食としての乾パンは、ビタミン、ミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの4つの多量元素と、鉄、亜鉛、銅、ヨード、クロム、コバルト、マンガンなどの必須微量鉱物、あるいは繊維および食物繊維の含有量が僅少である。(特許文献1参照)。
【0003】
栄養価の高い胡麻を加えることによりタンパク質、脂質、炭水化物ナトリウム、リン、鉄カルシウム、カリウム、ビタミンA(βカロテン)チアミン、リポフラボン、トコフェロール、ナイアシン、トリプトファンが供給され、胡麻の酵素が働いて、フィチン酸が、リン酸とイノシトールとに分解され、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、澱粉は糖に、ミネラルはアミノ酸と結びついた形に変わり、身体に対して吸収されやすくなり、かつ、亜鉛などのミネラル類やビタミンが数倍に増え、特に澱粉が糖に変わる。
【0004】
別途加糖処理を施す必要がなくなりこのような米穀を所定形状に形成することで、自然の甘味をもった穀物餅を得ることができて、穀物がもっている栄養分を身体に対して吸収されやすい状態と成すことができるので、この穀物を非常食品としても利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−41063号公報
【特許文献2】特開平8−131104号公報
【特許文献3】特開平9−56348号公報
【特許文献4】特開2001−186850号公報
【特許文献5】特開2000−41582号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、この災害時の非常食においても食物繊維の含有量が僅少であるため、食物が極度に不足する災害や遭難などの非常食としては、健康に必要な繊維素、及び栄養価が充分に摂取できない問題点があった。
【0007】
そこで、この発明は、所定量の胡麻粉末を米穀である玄米に添加した発芽玄米胡麻食品が所定のサイズに形成され、空気および光を透過しない密封容器に密封することにより、穀物食品の栄養価に加えて、胡麻の多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、さらに内面的に含有成分の変化を起こさせないようにして、長時間非常食として有効にして、また外面的に密封容器が空気や光を通さないので食品の劣化防止を図ることができ、長期間保存することができる栄養価の高い非常食品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
米穀粉末と胡麻の粉末と青竹粉末との混合物を蒸して、トレハロースとセサミオイルと青竹粉末とを添加して、練り固めた米穀食品を所定のサイズに成形して、乾燥の状態で、窒素雰囲気で空気および光を透過しないアルミニウムの容器に密封されている米穀と胡麻を含有する非常食である。
【0009】
発芽玄米胡麻食品の所定のサイズとしては、10g〜30g/個の重さになる形状であれば、制限しない。また発芽玄米胡麻食品の乾燥状態は、形状が崩れず、個々の食品がくっつくことのない状態にしていることである。米穀と胡麻と青竹粉末との粉末の混合物を80〜100℃の温度で10〜60分間程度に蒸したものに、1〜10重量%のトレハロースと1〜20重量%のセサミオイルとを添加している。トレハロースとセサミオイルは、食品の保存に有効であって、青竹粉末は食感と香りに効果を持っている。
【0010】
上記の米穀食品には、胡麻の粉末を5重量%〜20重量%と青竹粉末を1重量%〜10重量%とを含有させている。上記の米穀は、玄米、白米、もち米、赤米、あわ、ひえの内1種類から選らばれたものであって、ミネラルを多量に含有している。好ましくは7重量%〜15重量%である。特に玄米が最も好ましい。
【0011】
密封容器は食品用のアルミニウム容器であって、容積として100ml〜1000mlであって、液体窒素を注入することを可能にして、開封を容易にしている缶、又はアルミニウム蒸着フイルムであり、これらの米穀と胡麻を含有する非常食である。とくに300ml〜500mlのアルミニウム缶を使用することが有効である。
【0012】
この発明による非常食品は、所定量の胡麻粉末または、低温圧搾生搾り胡麻オイルを添加した穀物が所定のサイズに形成され、空気および光を透過しないアルミニウムの密封容器に密封されたものである。米穀と胡麻の粉末の混合物を蒸して、練り固めた餅を所定のサイズに成形して、乾燥の状態で、窒素雰囲気で空気および光を透過しないアルミニウムの容器に密封されている米穀と胡麻を含有する缶入り非常食品である。
【0013】
さらに、粉末としては、粒径が100μm以下の微粉末が望ましく、密封容器としては、食品用のアルミニウム金属缶またはレトルトパウチ(retort pouch)の何れを用いてもよい。サバンナ産の白胡麻を低温圧搾して一部精油を取り出した粉末状のものを、米穀に添加して使用することも出来る。
この発明は、発芽玄米胡麻餅に対して、この玄米の大きさと同等程度の大きさに粉砕された黒豆(発芽黒豆を含む)、黒ゴマ、ヒジキ、海苔(青のり等)、小魚等の付加食品や適量の塩、しょう油などの調味料または香辛料を添加することもできる。
【0014】
低温圧搾した胡麻種子由来の精油を部分的に採取した粉末、またはペーストは、セサミン、セサモリン、エピセサミン、セサモール、セサミノール、セサモリノールなどの一成分以上を含み、不抗酸化剤のゴマリグナン類と、脂肪酸としての飽和脂肪酸のパルミチン酸とステアリン酸と、不飽和脂肪酸してのオレイン酸を30重量%以上とリノール酸を40重量%以上の割合で、不飽和脂肪酸を全脂肪酸の80%以上を含有している。またこの成分以外に、カタラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼの酵素のうちいずれか一種類以上と、カリ成分、リン成分、並びに鉄成分などのミネラル成分を含有している。
【0015】
トレハロースとは、2分子の単糖が互いに還元基(アルデヒド基やケトン基)同士で
脱水結合(脱水縮合)した二糖の非還元性二糖類の一種であり、代表的なものが2分子の
グルコースが結合したトレハロースである。グルコースはアルドヘキソース(アルデヒド基をもつ六炭糖)の一種であり、アルドヘキソースはアルデヒド基(-CHO、この炭素を1番目とする)と5番目の炭素についた水酸基(-OH、ヒドロキシル基ともいう)が分子内反応をして、6員環(炭素五つと酸素一つからなる)を形成している。6員環構造のグルコースはピランという化合物と結合しているので(環状構造になる前の構造を鎖状構造という)グルコピラノースになっている。
【0016】
また鎖状構造のアルデヒド基の炭素(不斉炭素ではない)は、環状構造で不斉炭素となるため2種類の異性体ができる。これらをα(アルファ)、β(ベータ)と区別している。トレハロースにはα-グルコピラノース2分子からなるもの、α-グルコピラノースとβ-グルコピラノースからなるもの、β-グルコピラノース2分子からなるものの3種の異性体が存在する。α-グルコピラノース2分子からなるものはα-D-グルコピラノシル-α-D-グルコピラノシドと表記されている。
【0017】
種々の糖アルコールやオリゴ糖のエネルギー換算係数が推算されおり、トレハロースの係数は約3.5キロカロリー/グラムであるとされている。工業的にデンプンを原料として生産される。冷凍・解凍時のたんぱく質の変性防止、デンプンの老化防止、不快臭のマスキング(不快臭のない化学種に変えること)など食品や化粧品へ利用されている。α-グルコピラノースとβ-グルコピラノースからなるものはネオトレハロースという。β-グルコピラノース2分子からなるものはイソトレハロースという。いずれも化学合成でで得られることが特徴である。
【0018】
上記構成によれば、発芽玄米胡麻食品の栄養価に加えて、多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、非常食として有効となり、また密封容器が空気や光を通さないので、アルミニウム容器に封入された食品の劣化防止を図ることができ、長期間保存することができる。果皮と種皮には、脂肪、たんぱく質、セルロース(繊維)がある。とくにセルロースはこれ自体では消化しにくいですが他の食物の消化吸収を助け、腸の働きを促進すると言われている。
【0019】
胡麻にはストレスを和らげる作用があり香りは食欲を促進する、胡麻に含まれている成分リノール酸は血圧を下げる効果、セサミンなどのゴマリグナンや食物繊維やミネラルは血管をきれいにする作用があるといわれる
【0020】
セサミオイル、即ち胡麻に含有する脂肪酸は、飽和脂肪酸のパルミチン酸と、ステアリン酸との総量を20重量%以下、不飽和脂肪酸のオレイン酸を30重量%以上、とリノール酸を40重量%上と、αリノレン酸を1重量%以上で、不飽和脂肪酸の全量を80%以上含有している。抗酸化剤のゴマリグナン類と飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸と酵素との有効成分は、サバンナ地帯産のゴマ種子を30℃以下の低温下で圧搾して得たゴマ油から分離されている。
【0021】
ゴマ種子由来のゴマリグナン類と不飽和脂肪酸が化粧料の薬効成分として正しく好適であることも見出されている。一般的製法では生のゴマを30℃以下の低温で搾る方法はなされていない。最低80℃の熱を加えないとゴマの精油が出てこない。また結合型の必須脂肪酸を豊富に含む植物油が細胞の形成に有効であることは知られている。細胞には飽和脂肪酸とポリ不飽和脂肪酸が豊富であるが、これらの必須脂肪酸の欠乏が細胞水分喪失(TEWL)を増加させるため、細胞の形成を損なってしまう。
【0022】
リノール酸(LA)をγ―リノレン酸(GLA)に転換するために、必要な酵素の欠如によって表皮中のGLA含有量は低くなっている。
またこのゴマ精油は優れた抗菌作用があり、培養菌群に加えた場合成長するバクテリアを99%近く減少させることが明らかにされ、黄色ブドウ球菌の殺菌力も認められている。
【0023】
青竹粉末は植物繊維が豊富なうえ乳酸菌が成分にあり糖分が豊富なので腸の働きに有効である。また抗菌・脱臭効果があり、抗菌成分であるタケキノンは、杉、ひのきに比べ作用する菌の種類が多く、病原性大腸菌(O-157)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などへの抗菌効果も確認されていている。また、竹にはテルペンとよばれる芳香物質が含まれていてリラックス効果、精神安定作用を期待される。
【0024】
玄米の湖粉層と胚芽には、脂肪、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのカリウム・マグネシウムなどがある。胚芽は米の生命の宿っている最も大切な部分で、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビタミンEなど含んでいる。その他、ガンマーオリザノール、イノシトール、フィチン酸なども玄米は含有している。
【0025】
精米で果皮も種皮も湖粉層も胚芽も取り除かれているので残った白米は、胚乳のデンプン、ただカロリーだけであるが、ミネラルもビタミンもないので燃焼した後、完全に化学分解しない部分が残り、乳酸や焦酸ブドー酸になる。このものは身体に害を与える物質で血液を酸性化させる。しかし乳酸や焦酸ブドー酸は胚芽などに含まれる成分の作用を受けると水と炭酸ガスに変えられて無害となる。
【0026】
善玉の腸内細菌が多くあれば、腸内でビタミンB1も合成される。ミネラルのない白米でも血液の酸化は少なくなる。しかし、ビフィズス菌とは反対に働くアノイリナーゼ菌が積極的にビタミンB1を破壊し、カルシウムの吸収もさまたげて血液を酸性にする。肉、白砂糖など酸性の食品を多くとるとアノイリナーゼ菌がどんどん増えていき、正常な腸内細菌の働きが難しくなる。しかしこの発明の一実施態様においては、上記発芽玄米胡麻食品に設定されたものである。
【0027】
上記密封容器は食品用のアルミニウムの容器に設定されたものである。上記構成のアルミニウム缶容器としては、シーリングコンパウインドが塗布された蓋を2重巻締法によって締結する缶やイージーオープン缶を用いることもできる。内部に密封した食品を常温下で長期間保存でき、また外力に対する耐力をも確保することができる。このものはイージーオープン缶であってもよい。またアルミニウム缶容器内への米穀などの穀物食品を封入した状態は整列状態に限定されるものではなく、アトランダムの状態で封入してもよい。
【0028】
この発明は、上記発芽玄米胡麻食品は数口サイズに形成されたものである。数口サイズとは数口で容易に食べることができる大きさを意味し、丸形状と成す場合には直径約10mm〜100mm、望ましくは20mm〜80mmである。上記構成によれば、食べやすく、また缶などの容器に対しても詰めやすくしたものである。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、所定量の胡麻粉末を米穀に添加した米穀(発芽玄米)胡麻(発芽胡麻)含有食品が所定のサイズに焼成され、空気および光を透過しない密封容器に密封したので、ミネラル分の栄養価に加えて、胡麻および玄米などの米穀の多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、簡単に食することができる非常食として栄養価を高めて長期保存できてものである。
また密封容器が空気や光を通さないこと、形状に変化をもたらさず、熱処理などに素早い調理ができ、簡単に食することができる。
【0030】
さらにトレハロースとセサミオイルと青竹粉末とを添加することによって処理することで、食品の甘味が増して、殺菌効果をもって、長期保存に有効になっている。また青竹の植物繊維と乳酸菌により腸の働きが改善できる。この方法により食品の劣化防止を図ることができ、長期間保存することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】発芽玄米胡麻食品の姿図
【図2】非常食品の製造方法を示す工程の図。
【図3】製缶装置での製造工程の図
【図4】非常食品缶の密封状態を示す断面図(a)第1番目の巻閉図 (b)第2番目の巻閉図
【発明を実施するための形態】
【0032】
この発明の一実施例を以下の図面に基づいて詳述する。図は非常食および図2にその製造方法を示すが、まず図3を参照、胡麻の微粉末と玄米餅を混合形成する工程について説明する。
【実施例1】
【0033】
図2に示すように、玄米は、発芽玄米90kgとスリランカ産の特殊胡麻を120℃で30分間焙煎し粉末にしたもの使用した炒り胡麻の粉末10kg、と青竹粉末3kgを水蒸気によって蒸して、混練して、トリハロース1kgと、セサミオイル1kgとを加えながら、餅つき機で発芽玄米餅を製造した。
【0034】
発芽玄米餅は、水分付加工程で、多数の発芽玄米餅に対してスプレーを用いて水を噴霧して、水分付加量を1重量%程度になるようにした(上述の噴霧器を用いて水を噴霧することによって、発芽玄米に対して水分を全体に均一に付加することができた)。図2製造工程で示すように、食品の餅については約30g/個にカットした。
【0035】
次に発芽玄米餅の表面を80℃以上での熱処理と、焼酎などのアルコール飲料の噴霧による処理と、餅にトレハロースの添加によって水分活性AWを0.8%以下にするとともに、抗菌作用の高いセサミオイルを内部に加えた。抗酸化抗菌作用に優れたセサミオイルを加える事で歯触りのよい食品に仕上がった。
【0036】
また青竹の表面を削った青竹粉末を前記の餅に加えることで、青竹の示す抗菌性と植物繊維、乳酸菌などによって、腸の活性に効果が高い食品になった。
本餅では、発芽玄米胡麻餅を30℃前後での低温で、3時間乾燥させる低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程で、発芽玄米餅に遠赤外線を均一に照射して、前記の餅の内部まで乾燥させ、クッキー状に近い状態にするとともに、遠赤外線照射活性により発芽玄米がもっている栄養分を引出して、身体に充分に吸収されやすいようになった。
【0037】
次に30℃前後で低温乾燥3時間させた低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程を経た、玄米胡麻餅は1個30gのカット餅を500g用のアルミニウム缶に、10個、300g程度入れた。
また図3に示すように、液体窒素を0.6秒間流し込み、餅が入ったアルミニウム缶の中の酸素を取り除き巻き閉め機でアルミニウム缶蓋をした。
【0038】
本発明では、発芽玄米餅を、図2、及び図3に示すように玄米胡麻餅の製造と製缶をおこなった。製缶した状態は、図4の密封工程で示すように空気および光を透過しない密封容器としての食品用のアルミ缶容器の内部に気密状にして、さらに液体窒素を充填した液密状によって密封した。直径85mmで、高さ200mmのアルミニウム缶(500g用)に詰めされた非常食品となった。
【0039】
特に、図4では、直径85mmで、高さ200mmのアルミ缶容器として底部と側壁としての筒部と蓋部とを有し、シーリングコンパウンドが塗布された蓋部の周縁を2重巻締(巻閉)法によって、筒部の上端側に締結した状態を示した。
【0040】
この状態で製造、製缶された発芽玄米胡麻食品は、多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、非常食として有効となり、またアルミニウム缶容器での密封容器によって、空気や光を通さないので、容器に封入された餅などの穀物食品の劣化防止ができ、約1年間の長期間保存できるようになった。
【0041】
また、上記発芽玄米胡麻食品は一口サイズにカットされており、それを焼成したものであったので、食べやすく、また缶などの容器1に対しても詰めやすくなり、必須アミノ酸の富化により、体内で生合成することが不可能なアミノ酸の摂取が可能になると共に、必須アミノ酸(旨味成分)の富化により、発芽玄米胡麻の穀物保存食品としても、味とおいしさを向上させた。
【実施例2】
【0042】
実施例1と同様に、玄米は、発芽玄米80kgとスリランカ産の特殊胡麻を120℃で30分間焙煎し粉末にしたもの使用した炒り胡麻の粉末20kg、と青竹粉末2kgを水蒸気によって蒸して、混練して、トリハロース11.5gと、セサミオイル1.5kgとを加えながら、餅つき機で発芽玄米餅を製造した。
【0043】
発芽玄米餅は、水分付加工程で、多数の発芽玄米餅に対してスプレーを用いて水を噴霧して、水分付加量を1重量%程度になるようにした(上述の噴霧器を用いて水を噴霧することによって、発芽玄米に対して水分を全体に均一に付加することができた)。図2製造工程で示すように、食品の餅については約30g/個にカットした。
【0044】
本発明では、発芽玄米胡麻餅を30℃前後での低温で、3時間乾燥させる低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程で、発芽玄米餅に遠赤外線を均一に照射して、前記の餅の内部まで乾燥させ、クッキー状に近い状態にするとともに、遠赤外線照射活性により発芽玄米がもっている栄養分を引出して、身体に充分に吸収されやすいようになった。
【0045】
次に30℃前後で低温乾燥3時間させた低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程を経た、玄米胡麻餅は1個30gのカット餅を500g用のアルミニウム缶に、10個、300g程度入れた。
また図3に示すように、液体窒素を0.6秒間流し込み、餅が入ったアルミニウム缶の中の酸素を取り除き巻き閉め機でアルミニウム缶蓋をした。
【0046】
本発明では、発芽玄米餅を、図2、及び図3に示すように玄米胡麻餅の製造と製缶をおこなった。製缶した状態は、図4の密封工程で示すように空気および光を透過しない密封容器としての食品用のアルミ缶容器の内部に気密状にして、さらに液体窒素を充填した液密状によって密封した。直径85mmで、高さ200mmのアルミニウム缶(500g用)に詰めされた非常食品となった。
【0047】
この状態で製造、製缶された発芽玄米胡麻食品は、多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、非常食として有効となり、またアルミニウム缶容器での密封容器によって、空気や光を通さないので、容器に封入された餅などの穀物食品の劣化防止ができ、約1年間の長期間保存できるようになった。

【実施例3】
【0048】
実施例1と同様に、玄米は、発芽玄米90kgとスリランカ産の特殊胡麻を120℃で30分間焙煎し粉末にしたもの使用した炒り胡麻の粉末10kg、と青竹粉末1kgを水蒸気によって蒸して、混練して、トリハロース11gと、セサミオイル1kgとを加えながら、餅つき機で発芽玄米餅を製造した。
【0049】
発芽玄米餅は、水分付加工程で、多数の発芽玄米餅に対してスプレーを用いて水を噴霧して、水分付加量を1重量%程度になるようにした(上述の噴霧器を用いて水を噴霧することによって、発芽玄米に対して水分を全体に均一に付加することができた)。図2製造工程で示すように、食品の餅については約15g/個にカットした。
【0050】
本発明では、発芽玄米胡麻餅を25℃前後での低温で、4時間乾燥させる低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程で、発芽玄米餅に遠赤外線を均一に照射して、前記の餅の内部まで乾燥させ、クッキー状に近い状態になった。
【0051】
次に25℃前後で低温乾燥4時間させた低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程を経た、玄米胡麻餅は1個15gのカット餅を500g用のアルミニウム缶に、20個、300g程度入れた。
また図3に示すように、液体窒素を1秒間流し込み、餅が入ったアルミニウム缶の中の酸素を取り除き巻き閉め機でアルミニウム缶蓋をした。
【0052】
本発明では、発芽玄米餅を、図2、及び図3に示すように玄米胡麻餅の製造と製缶をおこなった。製缶した状態は、図4の密封工程で示すように空気および光を透過しない密封容器としての食品用のアルミ缶容器の内部に気密状にして、さらに液体窒素を充填した液密状によって密封した。直径85mmで、高さ200mmのアルミニウム缶(500g用)に詰めされた非常食品となった。
【0053】
この状態で製造、製缶された発芽玄米胡麻食品は、多様な栄養価(ビタミン、ミネラル、繊維、食物繊維など)が付加されるので、約1年間以上の長期間保存できるようになった。
【実施例4】
【0054】
実施例1と同様に、玄米は、発芽玄米90kgとスリランカ産の特殊胡麻を120℃で30分間焙煎し粉末にしたもの使用した炒り胡麻の粉末10kg、と青竹粉末1kgを水蒸気によって蒸して、混練して、トリハロース11gと、セサミオイル1kgとを加えながら、餅つき機で発芽玄米餅を製造した。
【0055】
発芽玄米餅は、水分付加工程で、多数の発芽玄米餅に対してスプレーを用いて水を噴霧して、水分付加量を2重量%程度になるようにした(上述の噴霧器を用いて水を噴霧することによって、発芽玄米に対して水分を全体に均一に付加することができた)。図2製造工程で示すように、食品の餅については約15g/個にカットした。
【0056】
本発明では、発芽玄米胡麻餅を25℃前後での低温で、4時間乾燥させる低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程で、発芽玄米餅に遠赤外線を均一に照射して、前記の餅の内部まで乾燥させ、クッキー状に近い状態になった。
【0057】
次に25℃前後で低温乾燥4時間させた低温乾燥工程後に、遠赤外線照射工程を経た、玄米胡麻餅は1個15gのカット餅を250g用のアルミニウム缶に、10個、150g程度入れた。
また図3に示すように、液体窒素を1秒間流し込み、餅が入ったアルミニウム缶の中の酸素を取り除き巻き閉め機でアルミニウム缶蓋をした。
【0058】
本発明では、発芽玄米餅を、図2、及び図3に示すように玄米胡麻餅の製造と製缶をおこなった。製缶した状態は、図4の密封工程で示すように空気および光を透過しない密封容器としての食品用のアルミ缶容器の内部に気密状にして、さらに液体窒素を充填した液密状によって密封した。直径53mmで、高さ90mmのアルミニウム缶(250g用)に詰めされた非常食品となった。
【0059】
この状態で製造、製缶された発芽玄米胡麻食品は、1年間以上の長期間保存できるようになった。

【符号の説明】
【0060】
1・米穀と胡麻を含有する非常食品
2.発芽玄米
3.胡麻パウダー
4・青竹パウダー
5・開封後のプラスティック上蓋
6.アルミニウム缶容器
7・真空用樹脂袋
8.アルミニウム缶内蓋
9.圧着用ローラー
10.製缶用アルミニウム板
11.シーリングコンパウンド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
米穀粉末と胡麻の粉末と青竹粉末の混合物を蒸して、トレハロースとセサミオイルとを添加して、練り固めた米穀食品を所定のサイズに成形して、乾燥の状態で、窒素雰囲気で空気および光を透過しないアルミニウムの容器に密封されていることを特徴とする米穀と胡麻を含有する非常食。
【請求項2】
米穀と胡麻の粉末と青竹粉末との混合物を蒸したものに、1〜10重量%のトレハロースと1〜20重量%のセサミオイルとを添加していることを特徴とする請求項1に記載の米穀と胡麻を含有する非常食。
【請求項3】
上記の米穀食品には、胡麻の粉末を5重量5%〜20重量%と1〜10重量%の青竹粉末とを含有させている請求項1又は請求項2に記載の米穀と胡麻を含有する非常食。
【請求項4】
上記の米穀は、玄米、白米、もち米、赤米、あわ、ひえの内1種類から選らばれたものであって、ミネラルを含有している請求項1記載と請求項2記載と請求項3とに記載の米穀と胡麻を含有する非常食。
【請求項5】
上記密封容器は食品用のアルミニウム容器であって、容積として100ml〜1000mlであって、液体窒素を注入することを可能にして、開封を容易にしている缶、又はアルミニウム蒸着フイルムであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の米穀と胡麻を含有する非常食。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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