説明

粉体供給装置

【課題】複数個の移動容器の排出口を通して粉体供給先の供給口に順次に粉体を供給する際に、移動容器の排出口の付着粉体、排出口の開閉弁の漏れ粉体、供給口周囲の異物などが供給先に混入するのを防止するとともに効率のよい粉体供給ができるようにする。
【解決手段】粉体供給装置2が、1個以上の移動容器4と、移動容器4それぞれの排出口4aに移動可能に備えた排出口蓋6と、供給口8aを備え順次に位置付けた移動容器4の排出口4aを通して粉体が供給される粉体供給先8と、供給口8aに移動可能に備えた供給口蓋10と、「閉位置」の供給口蓋8aの上方に位置付けた「閉位置」の排出口蓋6を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段12を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動容器に収容した粉体を、供給先に、効率よく、落粉を防止し、異物の混入を防止して供給することができる粉体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を収容した複数個の移動容器の排出口を順次に粉体供給先の供給口に接続し、同一種類あるいは異種類の粉体を必要な量、また要求に応じて供給する粉体供給装置が実用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この粉体供給装置は、粉体を収容し棚に出し入れ格納した複数個の移動容器を、必要に応じてスタッカクレーンによって取出し粉体供給先に移送し、移動容器の排出口と粉体供給先の供給口を接続し、排出口の開閉弁を操作して、必要な量の粉体を供給先に供給するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−182328号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したとおりの形態の従来の粉体供給装置には次のとおりの改善の望まれている課題がある。
【0006】
粉体を収容した移動容器を供給先に移送する際に、移動容器の排出口の周りに付着している粉体が落ちる問題、排出口の開閉弁から粉体が漏れ落ちる問題、また上方の開口した供給口に、移動容器の付着粉体あるいは漏れ粉体が、また周囲の異物等が混入する問題がある。特に、同一種類あるいは異種類の粉体の定量供給が要求される場合、異物の混入が許されない場合などにおいては問題である。
【0007】
対策として、排出口、供給口にカバーシートあるいは蓋などを着脱自在に取付ける、排出口、供給口を洗浄することなどが要求されている。しかしながらこれらの作業は面倒であり、粉体供給の頻度が高い場合には作業能率が悪くなる。
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、粉体を収容した複数個の移動容器の排出口を通して粉体供給先の供給口に順次に粉体を供給する際に、移動容器の排出口に付着した粉体、排出口の開閉弁から漏れた粉体、供給口の周囲の異物、などが供給先に混入する不具合を防止できるとともに効率よく粉体を供給できる粉体供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば上記技術的課題を解決する粉体供給装置として、開閉弁を有する排出口を底部に備え粉体を収容して移動自在な1個以上の移動容器と、移動容器それぞれの排出口の下方に排出口を覆う「閉位置」と排出口から離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた排出口蓋と、上部に供給口を備え順次に位置付けた移動容器の排出口を通して粉体が供給される粉体供給先と、供給口の上方に供給口を覆う「閉位置」と供給口から離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた供給口蓋と、「閉位置」の供給口蓋の上方に位置付けた「閉位置」の排出口蓋を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段とを備えている、ことを特徴とする粉体供給装置が提供される。
【0010】
好適には、蓋開閉手段は、排出口蓋を支持し水平方向に移動する排出口蓋支持体と、供給口蓋を支持し水平方向に移動する供給口蓋支持体と、排出口蓋支持体および供給口蓋支持体それぞれに鉛直方向の嵌脱を自在に設けられた連結部と、供給口蓋支持体を水平方向に移動させる移動手段とを備えている。
【0011】
また、蓋開閉手段は、排出口蓋支持体を排出口蓋「閉位置」に吸着保持するマグネットと、排出口蓋支持体とマグネットとの吸着衝撃を抑える緩衝体とを備えている。
【0012】
そして、供給口の上方に位置付けた移動容器の排出口に向け空気を噴射して排出口に付着した粉体を清掃する供給口の近傍に設けた複数個の空気噴射ノズルを備えている。
【0013】
粉体供給装置はさらに、移動容器を載置して排出口蓋を「閉位置」と「開位置」の間で移動させる容器載置台と、載置した移動容器の排出口蓋「開位置」において排出口蓋に付着している粉体を吸引清掃する洗浄ノズルとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に従って構成された粉体供給装置は、粉体を収容する移動容器それぞれの排出口の下方に排出口を覆う「閉位置」と排出口から離れる「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた排出口蓋と、複数個の移動容器の排出口を通して順次に粉体を受入れる粉体供給先の供給口の上方に供給口を覆う「閉位置」と供給口から離れる「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた供給口蓋と、「閉位置」の供給口蓋とその上に位置付けた「閉位置」の排出口蓋を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段を備えている。
【0015】
したがって、粉体供給装置は排出口および供給口それぞれに蓋を備え、また排出口から供給口に粉体を供給する際にはこれらの蓋を一動作で同時に開閉できるので、容器の排出口に付着した粉体、排出口の開閉弁からの漏れ粉体、供給口の周囲の異物、などが供給先に混入する不具合を防止でき、また効率よく粉体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従って構成された粉体供給装置の構成説明側面図。
【図2】図1に示す移動容器の側面図。
【図3】図1の1A−1A矢印方向に見た排出口蓋部分の平面断面図。
【図4】図1に示す粉体供給先の側面図。
【図5】図1の1B−1B矢印方向に見た供給口蓋部分の平面断面図。
【図6】図1の1C−1C矢印方向に見た蓋開閉手段の側面断面図。
【図7】図1に示す移動容器の排出口蓋を洗浄する装置の構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に従って構成された粉体供給装置について、好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
【0018】
図1を参照して説明する。全体を番号2で示す粉体供給装置は、開閉弁を有する排出口4aを底部に備え粉体を収容して移動自在な1個以上の移動容器4(図示は1個)と、移動容器4それぞれの排出口4aの下方に排出口4aを覆う「閉位置」(実線で示す)と排出口4aから離れた「開位置」(二点鎖線で示す)の間を水平方向に移動可能に備えた排出口蓋6と、上部に供給口8aを備え順次に位置付けた移動容器4の排出口4aを通して粉体が供給される粉体供給先8と、供給口8aの上方に供給口8aを覆う「閉位置」(実線で示す)と供給口8aから離れた「開位置」(二点鎖線で示す)の間を水平方向に移動可能に備えた供給口蓋10と、「閉位置」の供給口蓋10の上方に位置付けた「閉位置」の排出口蓋6を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段12を備えている。
【0019】
移動容器4について図1とともに図2を参照して説明する。移動容器4は、粉体を収容して搬送が自在な周知の容器であり、上部に投入口を設けた筒状たて型の本体部4bと、本体部4bの下端につながり下方に向けて徐々に細くなった漏斗状部4cと、漏斗状部4cの下端に開閉弁(図示していない)を有した排出口4aを備えている。本体部4bおよび漏斗状部4cは複数個の柱を有した容器フレーム4dによって一体に支持されている。容器フレーム4dの下端部が粉体供給先8の後に述べる供給先フレームに載置される。
【0020】
排出口4aの開閉弁は周知のものであり、例えばバタフライ弁あるいはコーン弁などが用いられる。バタフライ弁は、円板状の弁板と水平に延び弁板を揺動支持する弁軸を備え弁軸の回動操作によって弁板を排出口内で開閉するものである。コーン弁は、円錐状の弁体を、容器内を鉛直上方に貫通した弁軸によって上下操作し弁体の周縁を排出口に接離させ開閉するものである。
【0021】
粉体供給先8について図1とともに図3を参照して説明する。粉体供給先8は、固定設置され、供給口8aを排出口4aに向けて上下に移動可能な伸縮管8bと、移動容器4を載置する供給先フレーム8cを備えている。供給先フレーム8cは載置した移動容器4を計量する秤8dを備えている。
【0022】
蓋開閉手段12について図1〜図3を参照して説明する。蓋開閉手段12は、排出口蓋6を支持し水平方向(図1の左右方向)に移動する排出口蓋支持体14と、供給口蓋6を支持し水平方向(図1の左右方向)に移動する供給口蓋支持体16と、排出口蓋支持体14および供給口蓋支持体16それぞれに設けられ鉛直方向の嵌脱が自在な連結部18と、供給口蓋支持体16を水平方向に移動させる移動手段20を備えている。排出口蓋支持体14は移動容器4の容器フレーム4dに、供給口蓋支持体16および移動手段20は粉体供給先8の供給先フレーム8cに備えられている。
【0023】
移動容器4について図1、図2とともに図4を参照してさらに説明する。
【0024】
移動容器4の排出口蓋6は、排出口4aを覆う円盤受皿状にステンレス鋼板によって形成され、皿の凹側を排出口4a側にして排出口蓋支持体14の上に載せられている。
【0025】
排出口蓋支持体14は、容器フレーム4cに差渡され排出口4aの側方を平行に伸びた一対の丸棒状の案内軸14a、14aに、排出口蓋4a「閉位置」と「開位置」の間をスライド自在に取付けられている。排出口蓋支持体14は、案内軸14a、14aそれぞれに2個ずつ摺動自在に嵌合する摺動穴を有した4個の摺動体14bと、摺動体14b、14b2個ずつの間を連結し排出口蓋6が載せられる凹状の一対の帯板の支持フレーム14c、14cを備えている。支持フレーム14cには、凹部に載せた排出口蓋6の水平方向の移動を止める複数個のピン14d(図示の形態では4個)が立設されている。
【0026】
移動容器4には蓋開閉手段12としての、排出口蓋支持体14を排出口蓋「閉位置」に吸着保持するマグネット14eおよび排出口蓋支持体14がマグネット14eに吸着するときの衝撃を抑える緩衝体である圧縮スプリング14fを備えている。
【0027】
マグネット14eは、一方の案内軸14aに平行に容器フレーム4cから支持フレーム14cに向けて延びた軸14gの先端の、案内軸14aに摺動自在に取付けられた摺動片14hに取付けられている。支持フレーム14cからはマグネット14eに向けて吸着棒14jが延び、吸着棒14jの先端はマグネット14eに吸着された状態で排出口蓋6の「閉位置」を規定している(図4に実線で示す)。
【0028】
圧縮スプリング14fは軸14gに被せられ、一端(図4において右端)は軸14gに固定され他端(図4において左端)はマグネット14eの摺動片14hに当接している。
【0029】
粉体供給先8について図1、図3とともに図5、図6を参照してさらに説明する。
【0030】
粉体供給先8の供給口蓋10は、供給口8aの上方を覆う下方が凹んだ円盤皿状にステンレス鋼板によって形成されている。皿状の凸側が供給口蓋支持体16の下面に取付けられている。
【0031】
供給口蓋支持体16は、供給先フレーム8cに差渡され供給口8aの側方を平行に延び排出口蓋支持体14の一対の案内軸14a、14aと平行に伸びた、一対の丸棒状の案内軸16a、16aの上を、供給口蓋10「閉位置」と「開位置」の間でスライド自在に取付けられている。供給口蓋支持体16は、案内軸16a、16aそれぞれの上を滑動するローラー16bを2個ずつ両側に有した板状の支持フレーム16cを備えている。供給口蓋10は支持フレーム16cにボルト(図示していない)によって固定されている。
【0032】
主として図6を参照して供給口8aについて説明する。伸縮管8bが連結された供給口8aは、上下移動用の伸縮複動式の空気圧シリンダ8eにより上下移動可能に備えられている。空気圧シリンダ8eによって供給口蓋8aは、その「閉位置」において下方(図示の位置)に、「開位置」おいて排出口4aに接近した上方に位置付けられる。
【0033】
供給口8aの周縁には、排出口蓋6および供給口蓋10「開位置」において、供給口8aの上方に位置付けた排出口4aに向け空気を噴射し排出口4aに付着した粉体を清掃する複数個の空気噴射ノズル22を備えている。
【0034】
次に蓋開閉手段12の連結部18について図1〜図6を参照して説明する。連結部18は、排出口蓋支持体14の一対の案内軸14a、14aの一方の側の一対の支持フレーム14c、14cの間から下方に向けて延びた一方の連結部であるピン18a(図2)と、供給口蓋支持体16の一対の案内軸16a、16aの一方の側の支持フレーム16cから上方に向けて案内軸16aに直交する方向に延びた他方の連結部である一対の立板18b、18bを備えている。ピン18aは、排出口蓋6「閉位置」の移動容器4の容器フレーム4dを、供給口蓋10「閉位置」の粉体供給先8の供給先フレーム8cの上に載せたときに立板18b、18bの間の空間に嵌合する。
【0035】
蓋開閉手段12の移動手段20は、供給先フレーム8cに設けられた水平移動用の伸縮複動式の空気圧シリンダ20aを備えている。空気圧シリンダ20aは、一端が供給先フレーム8cに他端が供給口蓋支持体16の支持フレーム16cの連結部18である一対の立板18b、18bの下方裏側に取付けられている。供給口蓋10は空気圧シリンダ20aを収縮させると「閉位置」に、伸張させると「開位置」に位置付けられる。
【0036】
かくして、供給口蓋支持体16を水平方向に移動させる移動手段20である空気圧シリンダ20aの伸縮作動操作によって、連結部18によって連結した排出口蓋6および供給口蓋10は「閉位置」と「開位置」の間を一体になって移動する。
【0037】
粉体供給装置2はさらに、排出口蓋6の洗浄手段を備えている。図7を参照して説明する。番号24で示す洗浄手段は、移動容器4を載置して排出口蓋6を「閉位置」と「開位置」の間で移動させる容器載置台26と、載置した移動容器4の排出口蓋6「開位置」において排出口蓋6に付着している粉体を吸引して清掃する洗浄ノズル28を備えている。
【0038】
容器載置台26は、固定設置され、排出口蓋6「閉位置」の移動容器4(実線で示す)を上方から載置したときに、その連結部であるピン18aに嵌合する一対の立板18b、18bを有するとともにピン18aと立板18bが嵌合した状態の排出口蓋支持体14を水平方向に「開位置」との間を移動させる水平移動用の伸縮複動式の空気圧シリンダ20aを備えている。
【0039】
この移動手段、連結部は、前述の粉体供給先8の供給先フレーム8cに備えたものと実質的に同じ構成であり、供給口蓋支持体16に代えて連結部18の一対の立板18b、18bを空気圧シリンダ20aの先端に設けたものである。
【0040】
容器載置台26は、「開位置」(二点鎖線で示す)において排出口蓋支持体14の一対のフレーム14b、14bの間を通され排出口蓋6の裏面を支持する吸着パッドを先端に有した支持棒24aと、支持棒24aを上下動させ排出口蓋6を排出口蓋支持体14に載置した下方位置「L」と上方位置「H」との間で上下動させる複動式の空気圧シリンダ24bと、支持棒24aを回動させる空気圧回動アクチュエータ24cを備えている。
【0041】
洗浄ノズル28は、容器載置台26に上下動用の複動式の空気圧シリンダ28aを介して取付けられている。洗浄ノズル28は吸引源28bに連結され、上方位置「H」に位置付けられ回動された排出口蓋6の上面(凹面)に堆積した粉体を吸引して洗浄する。
【0042】
主として図1を参照して、上述したとおりの粉体供給装置2の作用効果について説明する。
【0043】
粉体供給装置2は、開閉弁を有する排出口4aを底部に備え粉体を収容して移動自在な1個以上の移動容器4と、移動容器4それぞれの排出口4aの下方に排出口4aを覆う「閉位置」と排出口4aから離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた排出口蓋6と、上部に供給口8aを備え順次に位置付けた移動容器4の排出口4aを通して粉体が供給される粉体供給先8と、供給口8aの上方に供給口8aを覆う「閉位置」と供給口から離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた供給口蓋10と、「閉位置」の供給口蓋10の上方に位置付けた「閉位置」の排出口蓋6を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段12を備えている。
【0044】
したがって、粉体供給装置2は移動容器4の排出口蓋6および粉体供給先8の供給口蓋10を備え、また排出口4aから供給口8aに粉体を供給する際にはこれらの蓋6,10を一動作で同時に開閉できるので、移動容器4の排出口4aに付着した粉体、排出口4aの開閉弁からの漏れ粉体、供給口8aの周囲の異物、などが粉体供給先8に混入する不具合を防止でき、また効率よく粉体を供給することができる。
【0045】
そして、蓋開閉手段12は、排出口蓋6を支持し水平方向に移動する排出口蓋支持体14と、供給口蓋10を支持し水平方向に移動する供給口蓋支持体16と、排出口蓋支持体14および供給口蓋支持体16それぞれに鉛直方向の嵌脱を自在に設けられた連結部18と、供給口蓋支持体16を水平方向に移動させる移動手段20を備えている。
【0046】
したがって、移動容器4を粉体供給先8に載置すると排出口蓋6を支持した排出口蓋支持体14と供給口蓋10を支持した供給口蓋支持体16が一体に連結され、供給口蓋支持体16を移動させる移動手段20によって移動されるので、排出口蓋6および供給口蓋10を「閉位置」と「開位置」の間で容易に効率よく移動させることができる。
【0047】
また、蓋開閉手段12は、排出口蓋支持体14を排出口蓋6「閉位置」に吸着保持するマグネット14eと、排出口蓋支持体14とマグネット14eとの吸着衝撃を抑える緩衝体としての圧縮スプリング14fを備えている(図4)。
【0048】
したがって、移動容器4の移動時、保管時などにおいて、排出口蓋6は「閉位置」にマグネット14eにより確実に吸着保持されるので、移動容器4の排出口4aに付着した粉体、排出口4aの開閉弁からの漏れ粉体などを確実に受止めることができる。さらに、吸着衝撃を抑える緩衝体としての圧縮スプリング14fを備えているので、排出口蓋6に負荷をかけることがないので、排出口蓋支持体14に載せられる排出口蓋6としては、実施例のステンレス鋼以外のプラスチック、紙など任意の材質のものを使用できる。
【0049】
そして、供給口8aの上方に位置付けた移動容器4の排出口4aに向け空気を噴射して排出口4aに付着した粉体を清掃する供給口8aの近傍に設けた複数個の空気噴射ノズル22を備えている(図6)。
【0050】
したがって、粉体を供給口8aに供給した後に排出口4aに付着している粉体を空気噴射ノズル22によって洗浄できるので、粉体の定量供給、複数種類の粉体を移動容器4を換えて供給先に供給する際の異種類の粉体混入防止などを確実に行うことができ、効率のよい粉体供給作業を行うことができる。
【0051】
さらに粉体供給装置2は、移動容器4を載置して排出口蓋6を「閉位置」と「開位置」の間で移動させる容器載置台26と、載置した移動容器4の排出口蓋6「開位置」において排出口蓋6に付着している粉体を吸引清掃する洗浄ノズル28を備えている(図7)。
【0052】
したがって、粉体の供給先とは別のステーションで、移動容器4の排出口蓋6に溜まった粉体を吸引し容易に自動洗浄することができ、効率のよい粉体供給作業を行える。
【符号の説明】
【0053】
2:粉体供給装置
4:移動容器
4a:排出口
6:排出口蓋
8:粉体供給先
8a:供給口
10:供給口蓋
12:蓋開閉手段
14:排出口蓋支持体
14e:マグネット
14f:圧縮スプリング(緩衝体)
16:供給口蓋支持体
18:連結部
20:移動手段
22:空気噴射ノズル
26:容器載置台
28:洗浄ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉弁を有する排出口を底部に備え粉体を収容して移動自在な1個以上の移動容器と、
移動容器それぞれの排出口の下方に排出口を覆う「閉位置」と排出口から離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた排出口蓋と、
上部に供給口を備え順次に位置付けた移動容器の排出口を通して粉体が供給される粉体供給先と、
供給口の上方に供給口を覆う「閉位置」と供給口から離れた「開位置」の間を水平方向に移動可能に備えた供給口蓋と、
「閉位置」の供給口蓋の上方に位置付けた「閉位置」の排出口蓋を一体に連結して「閉位置」と「開位置」の間を移動させる蓋開閉手段と、を備えている、
ことを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
蓋開閉手段が、
排出口蓋を支持し水平方向に移動する排出口蓋支持体と、
供給口蓋を支持し水平方向に移動する供給口蓋支持体と、
排出口蓋支持体および供給口蓋支持体それぞれに鉛直方向の嵌脱を自在に設けられた連結部と、
供給口蓋支持体を水平方向に移動させる移動手段と、を備えている、
ことを特徴とする請求項1記載の粉体供給装置。
【請求項3】
蓋開閉手段が、
排出口蓋支持体を排出口蓋「閉位置」に吸着保持するマグネットと、
排出口蓋支持体とマグネットとの吸着衝撃を抑える緩衝体と、を備えている、
ことを特徴とする請求項2記載の粉体供給装置。
【請求項4】
供給口の上方に位置付けた移動容器の排出口に向け空気を噴射して排出口に付着した粉体を清掃する供給口の近傍に設けた複数個の空気噴射ノズルを備えている、
ことを特徴とする請求項2または3記載の粉体供給装置。
【請求項5】
粉体供給装置はさらに、
移動容器を載置して排出口蓋を「閉位置」と「開位置」の間で移動させる容器載置台と、
載置した移動容器の排出口蓋「開位置」において排出口蓋に付着している粉体を吸引清掃する洗浄ノズルと、を備えている、
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の粉体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−1563(P2013−1563A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138030(P2011−138030)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(591147786)赤武エンジニアリング株式会社 (27)
【Fターム(参考)】