粉体放出ノズル
レーザークラッディング放出ヘッド(38)用の粉体放出ノズル(32)は、内部及び外側のスリーブ(52、54)を含む。上記内部スリーブ(52)は、レーザービームを上記ノズルの軸に沿って通過させることを可能にする中央通路を定める。上記スリーブ(52、54)は、多く分岐した、縦方向に広がる粉体流路システム(52、57、58、59、60、62)を定める。上記システム(52、57、58、59、60、62)は、通路(59)の第一の組と、通路(60)の第二の組とを含み、第一の組の通路(59)は、第二の組の通路(60)から、角度に関してずれている。上記第一の組の各通路(59)は、上記第一の組の各通路(59)からの粉体が、第二の組の2つの通路(60)へ通るように、環状の通路若しくは地下通路(58)により、上記第二の組の2つの通路(60)と通じている。同じ連絡の形式を、任意の他の組に対して適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の属する技術分野〕
この発明は、レーザークラッディングに使用されるレーザー放出ヘッド用の粉体放出ノズルに関する。
【0002】
〔背景技術〕
レーザークラッディングプロセスでは、レーザービームが、粉体と基材表面とを融解し、当該融解された2つの材料は混合され、凝固によるコーティング(coating upon solidifying)を形成する。上記コーティングは、基材と比較して改善した摩擦抵抗及び耐食性を有する。即ち、上記プロセスは、上記基材と同じ材料の粉体を使用して、磨耗若しくは侵食した面を再構築することに使用することができる。
【0003】
公知の粉体放出処理では、レーザークラッディングの効率は、レーザー放出ヘッドの方向(従って、レーザービームが放出される方向)により大幅に変化し得る。レーザー放出が下方への垂直方向以外で方向付けられている場合では、放出ヘッドでは、通常、むらのある粉体の分布が生じる。これは、重力の影響が原因であり、レーザー放出ヘッドの下側に分布する粉体が多いことから明らかである。
【0004】
上記本発明は、レーザークラッディングのレーザー放出ヘッド用の改善された粉体放出ノズル、並びに上記下方への垂直方向以外の方向でより効率良く動作する、より大きい自由を可能とする改善されたノズルを提供しようとするものである。
【0005】
〔発明の概要〕
上記本発明によれば、レーザークラッディング放出ヘッド用の粉体放出ノズルが提供され、上記ノズルは、外側のスリーブの内側に配置され且つ外側のスリーブの内部表面と接する外側の表面を有する内部スリーブを含み、上記内部スリーブは、上記ノズルの第一の端部から第二の端部へと広がり且つノズルを通る軸に沿って上記第一の端部からレーザービームを通過させる中央通路を定め、上記スリーブはこれらの接触表面に沿って流路システムを定めるように連携し、当該流通システムに沿って、微細な合金粉体は上記ノズルの上記第二の端部において放出するために通過することができ、上記ノズルは上記第二の端部から離れた位置に注入口を有し、当該注入口を通って、キャリアガスに同伴される上記微細な粉体を、上記ノズルの第二の端部へ流し且つ上記ノズルの第二の端部で放出するために上記流路システムへ供給することができ、上記流路システムは、上記注入口から上記ノズルの第二の端部若しくはその近傍の上記中央通路の回りに間隔を空けられた複数の出口へと広がる、多く分岐した、縦方向に広がる通路の配置を有し、通路の上記配置は、上記注入口から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第一の組の通路と、当該第一の組から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第二の組とを含み、上記第一の組の通路は第二の組の通路から角度に関して(angularly)ずれており、粉体が第一のセットの各通路から流れるように、第二の組の2つの通路と通じている第一の組の各通路は、環状に広がる通路若しくは地下通路により第二の組の2つの通路へ通っている。
【0006】
上記第二の組の各通路は、上記ノズルの複数の出口の各1つに対して広がり得る。もう1つの方法としては、上記第二の組から上記ノズルの第二の端部に向かって伸びる第三の組を設けて、環状に広がる通路若しくは地下通路により、第二の組の各通路は当該第三の組の2つの通路へと通じさせてもよい。上記第三の組の各通路は各出口に対して広がっていてもよく、または、通常は必要ないが、同様に、少なくとも第四の組の通路を設けてもよい。何れの場合にも、複数の出口は、上記ノズルを通る軸の周りに実質的に均一に分布していることが最も好ましい。また、上記出口へ広がる最後の組の通路は、同様に、その軸の周りに実質的に均一に分布している。同様の分布は各組における通路に適用されるが、各組の上記通路は次の組の上記通路から角度に関して(angularly)ずれていることが好ましい。
【0007】
ある組の通路と次の組の通路との間には、当該ある組の各通路と当該次の組の2つの通路との間での連絡をもたらす、環状で、連続的な地下通路があることが好ましい。しかしながら、上記一連の各地下通路を経て、上記次の組の2つの通路と連絡する上記ある組の各通路と共に、環状で非連続な一連の地下通路を提供してもよい。
【0008】
上記第一の組の各通路からの上記粉体の流れは、上記地下通路を通じて上記第二の組の各組の通路へ通ることが好ましい。よって、その配置では、上記第二の組は、上記第一の組における通路の2倍の数の通路を含むであろう。2という因数によるこの増加が、1以上の地下通路がある各地下通路で起こることが好ましい。
【0009】
各組の通路における各通路は、上記ノズルの軸を含む各平面に対して実質的に平行に広がっていることが好ましい。上記地下通路若しくは各地下通路は、上記ノズルの軸に対して垂直の平面に対して実質的に平行に広がっていることが好ましい。
【0010】
上記ノズルは、レーザービームを上記中央通路に沿ってそれを介して通過させ得るレーザー放出ヘッドと、その第一の端部において連結するように適合されている。上記ノズルは、上記中央通路に沿った流れにより、遮蔽ガス(好ましくはアルゴン)を供給するように適合され得る。上記ノズルは、冷却水の流れによる冷却のためにも適合され得る。
【0011】
1つの好ましい配置として、上記ノズルは、ノズル組立部品の一部を含み、当該ノズル組立部品はチューブ状の本体を更に含む。その配置では、上記ノズルは、上記本体の1つの末端部と取り外し可能な状態で接続することができ、上記組立部品が形成される。また、もう1つの末端部における上記本体は、上記レーザー放出ヘッドと取り外し可能な状態で接続され得る。よって、上記放出ヘッドからのレーザービームは、上記本体の中央通路を通って、その後上記ノズルを通って、通過することができる。最も都合よく、上記本体は、上記ノズルを冷却するために冷却水をそれを通じて流すことができるウォータージャケットを特徴付ける。また、上記本体は、供給源から遮蔽ガスを受け取るためのコネクターを有してもよく、当該コネクターは上記本体の中央通路へ通じている。よって、上記遮蔽ガスは、上記ノズルの中央通路を流れる前に、上記本体の中央通路に沿って流れることができる。その上、上記ノズル組立部品は、上記ノズルから放出される粉体の流れの周りでガスのカーテンを形成するように、上記ノズルと最も外側のスリーブ若しくはケーシングとの間のような、上記ノズルの外側の表面の上で、遮蔽ガスの流れをもたらすように適合され得る。
【0012】
上記ノズルが、ノズル組立部品の本体の手段により、レーザー放出ヘッドと接続可能である場合には、上記本体は、供給源から、キャリアガス中に同伴される微細なクラッディング粉体を受け取るためのコネクターを有し得る。よって、上記ノズルの注入口は、上記本体から微細な上記粉体を受け取り得る。
【0013】
上記通路の形状、及び上記注入口から各出口までの上記各流路の長さは、上記粉体の質量流量及び上記粉体の流速が、実質的に各出口で同じとなるようなものであることが最も好ましい。上記質量流量及び流速は、その形状及び流路の長さが実質的に同じであることにより、各出口において同じであることが好ましい。
【0014】
出口の数、従って、通路の上記配置の複雑さは、大幅に変化させることができる。上記ノズルの大きさは、これに寄与する1つの要因である。しかしながら、更なる要因は、上記ノズルが上記ノズルの出口から上記ノズルの第二の端部を越えて互いが環状に融合する粉体の流れを発生する好ましさである。
【0015】
上記流路システムへ粉体がそれを通じて供給され得る上記注入口は、上記多く分岐した配置の通路の注入口の末端部と直接通じていてもよいし、接続通路を介して、上記配置の複数の通路の上記注入口の末端部と直接通じていてもよい。代わりに、上記注入口は、それらの間に部屋を介して多く分岐した配置の少なくとも1つの通路と通じていてもよい。何れの場合にも、粉体を上記流路システムへとそれを通って供給させる1以上の注入口があってもよい。
【0016】
少なくとも小さいノズルの大きさの場合では、上記ノズルは、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つの出口を有する。より好ましくは6つの出口である。
【0017】
特に、大きいノズルの大きさの場合では、最大32またはそれ以上の出口とすることができる。
【0018】
1組の通路からの上記粉体の流れを次の組の更なる通路へと、それにより通過させる、環状に広がる地下通路の上記配置は、大変魅力的であることが認められている。通常、地下通路は、1組の通路から次の組の2つの通路のみへの流れを通すことがより実用的である。しかしながら、上記1組の通路から上記次の組の3以上の通路へ通過する流れにすることも可能である。
【0019】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とは、上記第二の端部で終わるこれらの表面の軸方向の広がりの少なくとも一部の上で、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細としてもよい。また、これら表面は、上記軸に対する垂直面の断面を円形としてもよい。1つの便利な配置では、これらの表面は、上記ノズルの第一の端部近傍からの軸方向の広がりの第一の部分上で円筒状であり、それ以降では、上記ノズルの第二の端部へ円錐状(frustoconically)に先細になる。何れの場合であっても、上記外側のスリーブの外側の表面は、そのスリーブの内部表面の全部の形状に従わせてもよい。しかしながら、上記内部表面が上記ノズルの第二の端部へ先細になる場合には、上記外側の表面のテーパーは、外側のスリーブが、上記テーパーの軸方向の広がりにおいて、第二の端部へ向かって壁厚が減少するように、より角度が大きいことが好ましい。
【0020】
上記流路システムは、上記内部スリーブの外側の表面若しくは上記外側のスリーブの内部表面、即ち、これら表面それぞれの一部を完全に定め得る。よって、各通路及び地下通路は各表面にあるかもしれないが、各通路、及び環状に広がる各地下通路は、上記内部スリーブの外側の表面若しくは上記外側のスリーブの内部表面、即ち、これら表面それぞれの一部を完全に定め得る。しかしながら、実際問題として、上記通路及び地下通路は、上記内部スリーブの外側の表面に、機械加工等によりより容易に形成することができる。
【0021】
上記内部及び外側の表面が、断面が円となるように環状に曲げられている場合では、上記環状に広がる地下通路はアーチ状に広がるだろう。各通路を、その各末端部から広げることができるように、地下通路は円弧形状に広がり得る。しかしながら、別の有用な配置では、アーチ状に広がる地下通路は、これら表面の全部の周囲の周りに広がることができる。よって、上記表面の断面が円形である場合、上記地下通路はドーナツ型の形状である。
【0022】
通路の上記配置では2組以上の通路を有することが好ましい。また、例えば、8つ以上16つ以下のように、少なくとも6つの、ノズルからの出口があることが好ましい。上記出口で終わる通路を有する組である、通路の上記最後の組は、上記出口の数に対応する数の通路を有する。
【0023】
上記ノズルの各形状において、レーザービームの通路の機能を付与する、内部スリーブにより定められる上記中央通路は、好ましくは、その目的のために既知の形状を有するであろう。よって、上記中央通路は、上記ノズルの第一の端部からの全長の初めの一部に沿って、均一な環状の断面となり得るが、それ以降は、上記中央通路は、上記ノズルの第二の端部へ円錐状に(frustoconically)先細になることが好ましい。上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とが、上記ノズルの第二の端部へ先細になる場合、その先細となる部分における角度は、上記中央通路の角度よりも大きい角度であるか、上記中央通路の角度と実質的に同じ角度であることが好ましい。
【0024】
上記本発明によるノズルにより、微細なクラッディング粉体は、キャリアガス(好ましくはアルゴンガス)を使用して、粉体フィーダーからノズル注入口へと輸送される。上記粉体は、上記ノズル注入口から上記流路システムへ入り、複数の粉体の流れを形成する。上記ノズルの出口において、レーザービームを通じて運動するように、上記粉体は加熱され、レーザーによって加熱される基材上に集中される。
【0025】
上記粉体は上記ノズルの流路システムを通って輸送され、実質的に等しい、各出口から放出される粉体の流れを得ることができる。上記環状に広がる通路若しくは地下通路は、部分閉塞を生じる可能性がある粉体の流れのバランスを保つようにする。また、バランスを保つために、各組の通路の長さが、短すぎないことが望ましい。これは、1つの組の通路が短すぎる場合では、当該1つの組の通路から次の組の通路へのバランスを失した粉体の流れが生じ得るからである。上記通路は、それらの最大幅寸法の少なくとも3倍の長さであることが最も好ましい。しかしながら、少なくとも幾つかの組では、上記通路は、十分に長い長さを有し得る。各組の上記通路、並びに各組間にそれぞれ環状に広がる通路若しくは地下通路は、上記粉体の最大粒子サイズの3倍以上である最小の断面寸法を有すべきである。
【0026】
上記ノズルから放出される上記粉体の流れは、複合流れを形成し得る。何れにしても、上記流れは、使用時に、加工中の製品上の焦点に集束する。これは、典型的には、−1mm以上+6mm以下のように、上記中央通路から放出されるレーザービームのための幾何学的な焦点に近い、若しくは僅かに大きいものである。
【0027】
上記ノズルから放出される粉体の流れは、上記ノズルの第二の端部の周りに、円錐状でくさび型の(conical wedge-shaped)溝を形成することにより変更できる。このような溝は、反射されたレーザー光に晒される任意の垂直端を回避すると同時に、粉体の流れを円錐状のカーテンへ集中させることをもたらすことができる。上記くさび型の溝は、上記粉体の全体的な速度を減少させることができ、それどころか、上記溶融プール(melt pool)の中へ上記粉体を供給させることができる。上記溝は、上記ノズルの第二の端部における上記粉体及び上記ノズルの局部加熱を減少させることができ、その結果、溶融粉体によるノズルの閉塞及びノズル自身の損傷を避けることができる。また、上記溝が、例えば、粉体の、単一に集中した、円錐状の周囲のカーテン若しくはシートを形成するような、最初の分離粉体の流れをより近くに集めてもたらす時に、上記くさび型の溝は、上記溝へ向かって移動するように、上記レーザービームを横切って、より均質な(均一に分布した)粉体の流れを形成することができる。これにより、ガス及び粉体の流れは、より保護されることに加えて、より明確に定められ、集中される結果となる。
【0028】
上記出口、並びに上記出口で終わる上記1組の通路が、上記ノズルの上記内部スリーブの外側の表面に形成される場合、上記くさび型の溝は、上記内部スリーブの末端の縁(end margin)の周りに形成される斜面により形成することができる。上記内部スリーブの外側の表面が、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細になる場合、上記斜面は、例えば、上記末端の縁が、外側の表面の主軸方向の広がりにおけるテーパーの角度と関連した、テーパーの角度を有することになる。上記配置では、上記末端の縁の上記軸方向の広がりにおいて、上記内部スリーブの外側の表面が、上記外側のスリーブの内部表面から、V字型の放射状の断面の環状の溝を形成するように分岐するようなものである。上記配置は、上記組の通路が上記出口に広がり、それ以降深さゼロとなるように、深さが減少し、上記出口が、上記溝(即ち、上記V字型の頂点において)の内部の広がりで定められるようなものである。
【0029】
理解されるように、高効率のクラッディングプロセスには、上記粉体の焦点が、レーザー溶融プールの半径内である必要がある。一方、適切なレーザースポット直径が上記板上に現れる限りは、クラッディングが、レーザーの焦点のどちらの側(side)でもできない理由はない。上記レーザースポットは、上記集束レンズと上記加工中の製品との間の距離により専ら支配され、上記ノズルの物理的な長さは、レンズ自身が、粉体の焦点に対して移動することができる場合を除いては、それと一致していなければならない。
【0030】
上記本発明のノズルは、制限のある空間での上記ノズルの利用を容易にすることが要求される場合には、小型化することができる。しかしながら、上記ノズルは、より大きい「主流の」大きさのレーザークラッディングヘッドへ組み込むため、大規模で作製されることにも適している。
【0031】
上記発明をより容易に理解し得るようにするため、ここでの記載は、添付の図面へ向けられる。
【0032】
〔図面の詳細な説明〕
図1を参照して、本発明によるノズル10の概略を説明する。上記ノズル10は、加工中の製品Wのレーザークラッディングに適した配置で、レーザー放出ヘッド12の出口端上に取付けられている。図1の概略的な表示は、ノズル10及びレーザーヘッド12の組合せを大まかに描写する目的のためである。図1の簡略版では、ロックリング14によりヘッド12の出口端へ固定される、単一の全体的な構成単位(single overall unit)として、ノズル10が示される。しかしながら、ヘッド10は、後述するように、チューブ状の本体を含む、組立部品の出口部分を含有することが好ましい。このような組立部品は、特定のクラッディング用途に要求されるような出口部分を変化させることが容易であるため望ましい。
【0033】
上記レーザーヘッド12は、穴16を定める。当該穴16に沿って、レーザービーム18(その供給源は示さず)を放出させることができる。ヘッド12の出口端の近傍には、ビーム18が通過する窓20がある。ヘッド12は、窓20より内部にフォーカスレンズ22を有する。当該フォーカスレンズ22により、ビーム18は、ヘッド12の先端部を越えて、外に向かって焦点Fに焦点を当てることができる。上記ノズル10は、中央通路24を定める。上記レーザービーム19は、当該中央通路24を通過する。上記通路24は、ビーム18と同様に、先細になるが、ビーム18の周囲に環状の隙間を有する。上記焦点Fは、ヘッド12から遠く離れたノズル10の先端部を越えた目と鼻の先にあり、焦点スポットF若しくはその近くで、加工中の製品Wの表面のクラッディングを可能とする。上記焦点スポットFを通り越してクラッディングすることが常套手段であるが、クラッディングは焦点スポットFにおいて、若しくはその前で行うことができる。
【0034】
図1の配置では、コネクター26、28a、28b及び29が示される。上記コネクター26は通路24に通じており、矢印Gにより示される、加工中の製品Wへ向かう通路24に沿ったガスの流れのための遮蔽ガスの供給を接続することができる。上記遮蔽ガスは、クラッディング中に発生する、溶融した金属の酸化から保護するものであり、ガスによっては、加工中の製品Wの表面付近のプラズマの形成を阻止し、形成したプラズマを分散させることができる。低コストであるため、アルゴンが通常使用されるが、ヘリウムが、これらの目的のための遮蔽ガスとして好ましい。コネクター28a及び28bそれぞれにより、クーラント(通常は、通路24の周りのクーラントジャケットを経た水)を流すことが可能となる。矢印Cで示されるクーラントの上記流れは、ノズル10を冷却するためである。コネクター29により、適切な供給源から、キャリアガスに乗った微細な合金クラッディング粉体の供給が可能となる。上記粉体は、レーザービーム18の周りのノズル10から発射する前に、矢印Pに示すように、ノズル10内における通路24の外側を流れる。
【0035】
上記クラッディング粉体は、加工中の製品W上で要求されるクラッディングに適した組成である。もし、上記クラッディングが、磨耗した部分を再構築するものであれば、上記粉体組成は、加工中の製品Wの組成と実質的に同じとすることができ、もし上記クラッディングが、加工中の製品Wに対する磨耗抵抗のような異なる特性をもたらすものであれば、上記粉体組成は加工中の製品Wの組成と異なる組成とすることができる。上記キャリアガスは、上記遮蔽ガスと同じであることが好ましく、とにかく、上記遮蔽ガスの目的を、否定するよりむしろ補完すべきものである。
【0036】
加工中の製品Wのクラッディングでは、レーザービーム18は、ノズル10から放出する上記粉体と加工中の製品Wの表面とを溶融させる。上記2つの溶融材料は、凝固による被覆(coating on solidifying)を形成するように結合し、加工中の製品W上に、積み重なったクラッド層をもたらす。
【0037】
既知の配置では、断面が環状の先細の部屋が、ノズル10に沿った粉体の流れを可能にするために設けられる。しかしながら、このような部屋を有するよりもむしろ、ノズル10は、多く分岐し、コネクター29に隣接した注入口から、ノズル10の出口端における通路24の周りの複数の出口へと広がり、縦方向に広がる通路の配置を有する流路システムを定める。そのシステムは図2〜12を参照して後で説明する。
【0038】
図2では、本発明によるノズル32が示される。ノズル10の構成要素を図3及び4に示す。しかしながら、図2では、ノズル32は、チューブ状の本体34を含むノズル組立部品30の一部として示される。上記ノズル32と組立部品30の本体34とは、ロックリング35により、端と端とが接するように共に固定される上記ロックリング35が、近接した、ノズル32の第一の端部により定められる、外側のフランジ36(図4参照)を本体34に対して締め付けるように、本体34の上に装着される。ノズル32と本体34との間のドエルピン37により、これらが、確実に、正確に角を形成して位置合わせされる。上記組立部品30は、ヘッド38の上に装着され、レーザーヘッド38に対して、本体34により定められる外側のフランジ40を固定する更なるロックリング39の手段により、レーザー放出ヘッド38の出口端上に取付けられるように示される。
【0039】
上記レーザー放出ヘッド38は穴42を定める。当該穴からのレーザービーム(図示せず)は、組立部品30を通過して放出され得る。ヘッド38の先端部には、ビームが通過する窓43がある。また、ヘッド38は、窓43から上流へ遠く離れたノズル32の端を越えた目と鼻の先に、上記レーザービームを焦点へ当てるフォーカスレンズ(示さず)を有する。ヘッド38から、上記集束したレーザービームは、本体34及びヘッド32により定められる通路44の各部分44a及び44bと共に、組立部品30により定められる先細の中央通路44を通過する。
【0040】
組立部品30は、図1のノズル10のコネクター26、28a、28b及び29それぞれに対応するコネクター46、48a、48b及び49を有する。よって、コネクター46は、遮蔽ガスがノズル32の第二の端部から加工中の製品Wへ向かって放出される前に、中央通路44に沿った流れのための供給(示さず)から受け取ることを可能にする。コネクター48a及び48bは、水等のクーラントを、本体34により定められるクーラントジャケット50を通って流れるようにする。上記クーラントは本体34を冷却し、その結果、ノズル32から熱エネルギーを取り出し、ノズル32を冷却する。上記コネクター49は、ノズル32の第二の端部から放出される上記粉体より前に、中央通路44の部分44bの外に向かって、キャリアガス中に同伴される微細な合金クラッディング粉体をノズル32へ供給し、ノズル32に沿って流すことを可能とする。
【0041】
上記ノズル32は、図3に示す内部スリーブ52及び図4に示す外側のスリーブ54を有している。スリーブ52及び54それぞれは、本体34のように、組立部品30及びレーザーヘッド38を経て、縦軸X−Xに対して垂直な、環状の横断面を有する。スリーブ52及び54それぞれは、ノズル32の第一の端部におけるフランジ36から第二の端部へと先細になる円錐形状(frusto-conical form)を有する。上記スリーブ52及び54は、上記第二の端部へ向かって壁厚が減少する。また、スリーブ52の外側の表面とスリーブ54の内部表面とは、本体34上に固定されるノズル32と共に、これら表面が安定して接触するように、実質的に同じ角度で先細になっている。
【0042】
上記ノズル32は流路システムを定める。当該流路システムに沿って、コネクター49を経て受け取られる微細な合金クラッディング粉体は、ノズル32び第二の端部へと流れ、第二の端部から放出される。上記流路システムは、ノズル32の第一の端部若しくはその近接から、ノズル32の第二の端部における通路44の部分44bの周りで一定の間隔を空ける複数の出口への、多く分岐した、縦方向に広がる、通路の配置を有する。図2〜4の配置では、上記通路は、外側のスリーブ54の内部表面、並びに内部スリーブ52の、向かい合った外側の表面に形成される溝により定められる。
【0043】
上記ノズル32は、2つの正反対の注入口56を有する。各注入口56は、ノズル32の第一の端部におけるスリーブ52の端面から斜めに外に向かって、スリーブ52の外側の表面へ広がる短い通路を含む。図3に示すように、注入口56の外側の端は、スリーブ52の外側の表面に形成される第一の環状溝57で終わりである。溝57からの短い距離で、第二の環状溝58はスリーブ52の外側の表面に形成される。溝57と58との間に、2組の縦溝59がスリーブ52に形成される。ここで、各組の溝59は、各注入口56の各側に対して約45°の角度で(angularly)広がっている。上記溝58及びノズルの第二の端部からは、4組の縦溝60があり、各組の各溝60は、溝59の各1つの各側に対して約22.5°の角度で(angularly)広がっている。上記溝59及び60は、X−X軸を含む各平面にあることが好ましい。
【0044】
内部スリーブ52の外側の表面における上記溝57、58、59及び60は、外側のスリーブ54の内部表面により覆われている。よって、上記内部表面及び各溝57〜60は、通路57a、58a、59a及び60aのような、図2に示す対応する通路を定める。それぞれの通路60aは、ノズル32の第二の端部における各出口62で終わる。上記4組の溝60及び通路60aの角度に関する(angular)配置からわかるように、62の8つの出口は、ノズル32の第二の端部における中央通路44の周りで均一に間隔を空けている。
【0045】
コネクター49を経て供給されるキャリアガス中に取込まれる合金粉体は、ノズル32が接して固定される、本体34の端面における溝及びノズル32の隣り合う端面により定められるアーチ形の通路64へ、本体34の通路63に沿って軸の方向に通過する。上記通路64は、その各端において通路64がノズル32の第一の端部における各注入口56と通じるように、約180°環状に広がっている。よって、通路64から、ガスに同伴される粉体は、ノズル32の通路57a、58a、59a及び60aを含む流路システムを介して流れ、最終的には、出口62から放出させることができる。そのシステムを通る流れでは、上記粉体は、各注入口62に入り、2つに分かれ、注入口62に向かって、1組の通路59aの各通路へ、通路57a中を逆方向に環状に流れる。次に、上記粉体は、4つの通路59aそれぞれの中を縦方向に流れ、通路58aへ入る。各通路59aから、上記粉体は2つに別れ、各通路59aにおける、上記組の通路60aの各通路へ、通路58a中を逆方向に環状に流れる。次に、上記粉体は、8つの通路60aそれそれの中を、縦方向に流れ、各出口62からの各流れとして放出される。上記流れは出口62から離れる流れにおいて広がる傾向があり、このこと及び出口62間で比較的近い角度で(angularly)間隔が空いていることより、上記流れは、X−X軸の周りで粉体の環状のカーテンを実質的に形成する。しかしながら、上記ノズル32の先細、従って通路60aの集束により、上記流れは、図2のFに示す焦点に集束する。
【0046】
図5は、図2のノズル32の流れシステムの形状を説明する。上記システム65は、ここでは、粉体が固まっているかのように示し、内部及び外側のスリーブは取り去られている。一方、上記流れシステム65の一部は、図2〜4に関して使用したものと同じ参照数値を有している。
【0047】
図5に示す流れシステム65は、分岐し、縦方向に広がった、注入口から複数の出口へ広がった通路の配置を含む。つまり、上記システム65は、2つの注入口通路56を有する。キャリアガス中に同伴される微細な合金粉体は、供給源から注入口通路56を通ることができる。破線(broken outline)として示すように、上記供給は、コネクター49を経て、通路63に沿って、アーチ形の通路64の周りで、それぞれ本体34中で定められる。上記システム65は、更に、縦方向に間隔が空いた、第一の環状溝57及び第二の環状溝58を、正反対に向かい合った配置で、溝57へ通じる各注入口56と共に含む。上記溝57は、それぞれ90°の間隔で円周方向に間隔が空いた、縦方向に広がる4つの溝59の第一の組により、溝58に通じている。溝58から、縦方向に広がる8つの溝60の第二の組は、8つの出口62へと導かれる。上記溝60は、それぞれ45°の間隔で均一に間隔が空いており、22.5°の間隔で第一の組の溝59からずれている。
【0048】
図2〜4に示めされるように、上記注入口通路56は、内部スリーブ52を通って、第一の端部から、スリーブ52の外側の表面へ斜めに広がる。上記溝57、58、59及び60は、スリーブ52の外側の表面において形成される。上記溝57〜60は、断面がU字型であり、外側のスリーブ54により覆われるとき、D字型の断面の通路をもたらす。上述したように、上記通路56及び溝57〜60によりもたらされる通路は、最小断面寸法が、それを通じて通過する粉体の最大粒子サイズの3倍以上である。同じ最小断面寸法は、コネクター49並びに通路63及び64を含む、通路56からの粉体供給通路上流にも適用される。
【0049】
図5に示す流れシステム65を介する粉体の流れと同時に、粉体は、2つの注入口通路56それぞれから第一の環状溝57へ流れる。溝57では、上記粉体は、各通路56から、その全ての周辺の範囲の周りを十分に溝57を満たすように、向かい合った周方向で流れる。溝57から、上記粉体は、第一の組の4つの溝59それぞれの中へ、第一の組の4つの溝59それぞれに沿って、第二の環状溝58へ流れる。この場合も先と同様に、溝58の流れは、溝59それぞれから溝58を十分に満たすように、向かい合った周方向である。溝58から、上記粉体は、8つの第二のセットの溝60それぞれの中へ、第二の組の8つの溝60それぞれに沿って、各出口62から放出するように流れる。
【0050】
溝57及び58は環状に連続しており、実質的に完全に粉体で満たされているが、好ましい、溝57及び58それぞれの切断される部分を破線(broken outline)で示す。これは、環状に連続した溝のための主要な粉体流路を強調するものであり、また、溝57及び58が環状に不連続である、別の配置を示すものである。よって、環状に連続した溝57及び58と共に、それぞれの通路56は、溝59の各組に対する開口部の間の中ほどで、溝57に通じている。溝56それぞれからの上記主要な流れは、溝57の周りを流れ、各組のそれぞれの溝59へ実質的に等しい比率で流れる。同様に、各溝59は、溝60の各組への開口部間の中ほどで、溝58に通じている。よって、各溝59からの主要な流れは、溝58の周りを流れ、再度実質的に等しい比率で、各組の溝60それぞれへと流れる。よって、破線(broken outline)に示す各溝57及び58の切断される部分は、粉体により満たされ、これらの部分は、主要な粉体流路に少し寄与する。従って、上記の別の配置において、破線に示す切断される部分は、省略して、環状の不連続な溝57及び58とすることができる。
【0051】
図6〜8は、第二の実施形態によるノズル、組立部品及びレーザー放出ヘッドを示す。図6〜8の配置は、大部分で図2〜4のものと対応している。よって、対応する部分は、上述した参照番号に100を加えたものと同じであり、説明は、図6〜8の実施形態が図2〜4のものから異なる細部についてのみ行う。
【0052】
図6〜8では、上記ノズル132は、円筒型の第一の端部から広がる第一の部分と、第一の部分からノズル132の第二の端部へと先細となっている第二の部分とを有するように示される。スリーブ154の先細の部分は、第二の端部へ向かって壁厚が減少しないが、同じ物が、内部スリーブ152及び外側のスリーブ154のそれぞれに適用される。また、ノズル132の上記円筒状の部分は、その第一及び第二の端部と溝158との間で、ノズル132の長さの半分あまりを超える割合を占め、従って、通路158aは、上記円筒状の部分と先細の部分との接合部分において存在する。よって、溝159及び通路159aはX−X軸に対して傾斜していないが、溝158及び通路158aは、図2〜4に対応する外観よりも、溝157及び通路157aそれぞれから更に間隔が空いている。
【0053】
ノズル132は、ロックリング135により本体132上に取付けられ、組立部品130がもたらされる。また、組立部品130は、ロックリング139によりレーザー放出ヘッド138上に取付けられる。ノズル132について言及した相違点以外は、組立部品130及びヘッド138は、図2〜4に示す対応する成分と本質的に同じである。また、通路157a、158a、159a及び160aを含む流路システムは、注入口156へ供給される合金粉体の流れを出口162へ提供するように、図2〜4のシステムとして記載されているように充分に機能する。
【0054】
図9は、軸方向で見た、図2〜4のノズル32によるノズルの第二の端部を示す。出口62の均一な角度での配置を、スリーブ52及び54の各環状の端と同様に示す。上記出口62は、溝60の断面形状を示し、溝57、58及び59の形状に対応させることができる。上記溝は、長さ約40mm以上60mm以下の範囲のノズル32では、例えば、深さが約0.4mm以上1.5mm以下、幅が約1mm以上2mm以下の範囲内とし得る。しかしながら、上記断面は、粉体の分かれた流れの連続段階をもたらす流れの方向で、ある溝から次の溝へ減少させることができる。
【0055】
図10は、フランジ36が定められる第一の端部から見た、図2〜4のノズル32の外側のスリーブ54の内部を示す。スリーブ54の上記内部表面は、流路システムの通路に沿った合金粉体の流れによるスリーブ54の表面の磨耗から生じる粉体の跡を示す。上記跡は、末尾に”c”を加えた、注入口及び各溝の参照数字により特定される。溝57及び58は、環状で連続的であることに留意する。これにもかかわらず、溝57での上記粉体の流れは、各溝56と溝50の各組との間の溝57の部分のみの周りを流れる。同様に、溝58での上記粉体の流れは、各溝59と溝60の各組との間の溝58の部分のみの周りを流れる。
【0056】
図11は、その内部及び外側のスリーブに関して図6〜8と実質的に同じであるノズルを示す。それゆえ、対応する成分は、100を加えた同じ参照数字を有する。よって、図11のノズル232は、内部及び外側のスリーブ252及び254をそれぞれ有する。スリーブ252は、環状の地下通路(gallery)をそれぞれ含み、縦の通路259a及び260aを形成する溝をスリーブ254と共に定める。ノズル232は、そこからのレーザービームが組立部品230を通過することができるレーザー放出ヘッド(示さず)上に取付けられる組立部品と共に、ロックリング235により本体234上に取付けられ、組立部品230を提供する。
【0057】
上記ロックリング235は、細長い形状であり、ノズル232の円筒状の第一の部分と同心である。上記リング235は、ノズル232の円筒状の部分と先細の部分との間の接合部でのスリーブ254により定められる段部に対して固定する。リング235は、ノズル232の円筒形の部分の周りでスリーブ66を密閉するように維持する。
【0058】
図11のノズル232と図6〜8のノズル132との主な違いは、最も外側のスリーブ若しくはケーシング70の配置(provision)である。スリーブ70の円筒状の部分70は、ノズル232の出口端に近いリング235の端上に装着される。リング235の先端部の向こう側では、スリーブ70は、放射状に内部で広がるフランジ70bと、内部から広がるフランジ70bの周辺部とを有し、スリーブ70は、ノズル232の第二の端部へ先細になる円錐状(frusto-conical)の部分70cを有する。外側のスリーブ254と共に、ノズル70は、フランジ70bとリング232の隣接端との間の環状の部屋と、部屋72から広がるノズル232の出口若しくは第二の端部で通じる円錐状(frusto-conical)で環状の隙間とを定める。
【0059】
密封のスリーブ66は、スリーブ254の外側の周辺部の周りを切り取るチャンネル76を覆い、環状の部屋77を定める。遮蔽ガス(同様に、好ましくはアルゴン)の供給は、注入口ポート(示さず)から部屋77へ供給することができる。部屋77から、上記ガスは、スリーブ254を定めるポート78を通過することができ、部屋72の周りを隙間74に沿って流れる。
【0060】
中央通路224から放出するガス及び通路260aの出口端から放出するキャリアガスと同様に、隙間74から放出するガスは、加熱した粉体及び溶融した金属を大気中の酸素から保護することができる。しかしながら、それぞれの状況で、上記ガスは重要な機能を有する。隙間74から放出するガスの状況では、更なる目的は、ノズル232からの粉体の流れの形式及び完全性を高める。隙間74から放出するガスなしでは、粉体の流れは、粉体の流れの形式及び完全性を低下させる、過電流及び乱気流の進行を引き起こす、結果として生じるせん断力と共に、周囲の大気に晒され影響を受ける。粉体と、隙間74から粉体の周りで放出するガスとの流速を適切に適合させることにより、過電流及び乱気流は十分に減少、又は効果的に排除することができる。よって、より層流の粉体の流れが充分に達成され得る。
【0061】
図12は、図6〜11に示すノズル132に対応するノズルから放出される粉体を示す。上記ノズルは、水平配置で示され、水平に放出するにもかかわらず、上記粉体の流れは、説明される相当の距離を越えて重力の影響に抵抗しているように見える。上記ノズルは、垂直の上向きを含む、任意の方向で、同程度の粉体の流れを発生させることができる。上記ノズルは、各流れの通路の出口端から、粉体の各流れを発生するように示される。しかしながら、上記ノズルの出口端からの短い距離で、流れは焦点に向かって集束し、粉体流れの環状のカーテンをもたらすように融合するように見える。
【0062】
図12の説明で最初に使用した上記ノズルは変更され、、図13で説明される、2つの僅かに異なる条件での粉体の流れの形式が見積もられる試みで使用された。上記変更は、倍尺で、ノズルの出口端部分を示す図14において説明する。図6〜8のノズル132に対応する図12のノズル(即ち、変更前の図13のノズル)として、図14のノズルは、図6〜8で使用されるものと同じ参照数字を有する。
【0063】
図14では、ノズル132の内部スリーブ152は、その第一の端部から広がる円柱状の第一の部分と、当該第一の部分から第二の端部へ先細になる第二の部分とを有する。しかしながら、図6〜8の一定の先細とは対照的に、上記先細の部分は、主要部分よりも円錐角が増加して先細になっている末端部80に起因した、2つの円錐状(frusto-conical)の部分を有する。部分80のテーパーは、上記ノズルの第二の端部での深さが事実上ゼロとなるように、通路160aの深さが、部分80に沿って次第に減少する。しかしながら、上記外側のスリーブ154は完全に同じテーパーを有する。結果として、スリーブ154及びスリーブ152の部分80は、それらの間に環状の隙間82を定める。隙間80は、放射状の断面がくさび型であり、上記ノズルの第二の端部で最大となるように放射状の幅が増加している。
【0064】
図13に戻ると、図14で変更される上記ノズルの2つの説明は、密接した、実質的に均一な環状の若しくはカーテン状の流れを含むような粉体の流れを示す。これは、分かれた流れとは対照的に、上記ノズルの第二の端部から粉体が放出するように図12において明らかである。この改善した粉体の流れをもたらすことに加え、スリーブ152の二重デーパーは、ノズル132の組立と分解を容易にする。流れの形状を全ての方向で保持することができるが、図13は、それぞれの説明において、垂直の下方向に置かれるノズルを示す。
【0065】
図13の2つの実例での条件は、レーザービームがそれに沿って通過する中央通路に沿って供給されるガスの流速によって異なる。図13の右の上記ノズルの実例は、左のノズルの説明で使用されるものよりも速い、中央通路に沿ったガス流速により得られる。言及されるように、上記ガスの流れの焦点は、より速いガスの流れ速度と共に、ノズルの第二の端部を更に越えて移動する。中央通路に沿ったガス流速の制御は、レーザービームの焦点の位置に対して、粉体流れの焦点位置を微調整することを援助する。
【0066】
多くの変形が本発明のノズルにおいて可能である。よって、図11に示される最も外側のスリーブ若しくはケーシング70は、図2〜4のノズル32と共に使用するように適合される。また、図11のノズルと同様に図2〜4のノズル32は、図14を参照した記載の通り、変更し、より鋭い先細の末端部を有するようにすることができる。
【0067】
図2〜4のノズル32の変更した形式、又は図6〜8のノズル132のために変更した形式のような、より鋭い先細の末端部が与えられる場合には、上記テーパーは、図14の部分80に対して示されるようなものであってもよい。つまり、より先端の先細の末端部の長さに対して、内部スリーブにおける溝の深さは、ノズルの第二の端部においてゼロの深さへ減少し得る。一方、この変形においては、上記溝は、ノズルの第二の端部から上流へ短距離を深さゼロまで減少し得る。これは、その端での鋭い端を最小化しすることにおいて特に有益であり、その結果、発熱性を減少することがわかる。よって、結果として起こる、ノズルが詰まる可能性の減少と共に、第二の端部でのノズルに付着する粉体のリスクを減少させることができる。
【0068】
上記発明のノズルは、加工中の製品の表面を水平にする必要が無い、クラッディングの配置を可能とする。つまり、任意の要求される方向で機能するノズルの能力は、非常に十分に、クラッディング工程を実行する自由を増加させる。これが、要求された方向での動作の容易さを犠牲にすること無く、サイズを非常に小さくするノズルの能力、並びにNd:YAG及びダイオードレーザー技術のような、適切なレーザー技術と共に使用する能力と組合わされる場合、そのままでのクラッディング動作を導く多くの事例において実用的となり得る。一例として、動力装置動作における主な問題は、損傷したLPタービンブレードの修理若しくは交換のコストである。上記ブレード自身は、これらの置換若しくは修理のための休止時間と同様に、非常に高価である。従来、上記ブレードは、修理のために取り除かなければならず、一方、上記本発明のノズルは、より少ない、修理のために必要な休止時間で、現場で、その場で修理を可能とする。コスト節約のための見込みは相当あり、これは、ブレードあたりのより低いコスト、並びに休止時間が減少することによる。
【0069】
最後に、様々な変更、修正及び/又は追加を、上記発明の精神と範囲から逸脱することなく、上述した一部の構成及び配置へ導入し得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、レーザー放出ヘッドの出口端上に取付けられるような、本発明によるノズルを概略的に説明するものである。
【図2】図2は、軸方向の断面における、上記発明によるノズルの第一の実施形態を示すものである。
【図3】図3は、図2のノズルの構成要素の断面図である。
【図4】図4は、図2のノズルの構成要素の断面図である。
【図5】図5は、図2のノズルの構成要素間で定められる流路の概略的な図解である。
【図6】図6は、図2に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図7】図7は、図3に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図8】図8は、図4に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図9】図9は、図2〜4の実施形態によるノズルの端面図である。
【図10】図10は、図9のノズルのある構成要素の斜視図であり、その反対端から見たものである。
【図11】図11は、図6に対応し、上記発明によるノズルの第三の実施形態を示すものである。
【図12】図12は、図6〜8による使用時のノズルを示す。
【図13】図13は、変更後の、使用時の図12のノズルを示す。
【図14】図14は、図13のノズルでの使用に変更を加えた、図6〜8にあるようなノズルを示す。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の属する技術分野〕
この発明は、レーザークラッディングに使用されるレーザー放出ヘッド用の粉体放出ノズルに関する。
【0002】
〔背景技術〕
レーザークラッディングプロセスでは、レーザービームが、粉体と基材表面とを融解し、当該融解された2つの材料は混合され、凝固によるコーティング(coating upon solidifying)を形成する。上記コーティングは、基材と比較して改善した摩擦抵抗及び耐食性を有する。即ち、上記プロセスは、上記基材と同じ材料の粉体を使用して、磨耗若しくは侵食した面を再構築することに使用することができる。
【0003】
公知の粉体放出処理では、レーザークラッディングの効率は、レーザー放出ヘッドの方向(従って、レーザービームが放出される方向)により大幅に変化し得る。レーザー放出が下方への垂直方向以外で方向付けられている場合では、放出ヘッドでは、通常、むらのある粉体の分布が生じる。これは、重力の影響が原因であり、レーザー放出ヘッドの下側に分布する粉体が多いことから明らかである。
【0004】
上記本発明は、レーザークラッディングのレーザー放出ヘッド用の改善された粉体放出ノズル、並びに上記下方への垂直方向以外の方向でより効率良く動作する、より大きい自由を可能とする改善されたノズルを提供しようとするものである。
【0005】
〔発明の概要〕
上記本発明によれば、レーザークラッディング放出ヘッド用の粉体放出ノズルが提供され、上記ノズルは、外側のスリーブの内側に配置され且つ外側のスリーブの内部表面と接する外側の表面を有する内部スリーブを含み、上記内部スリーブは、上記ノズルの第一の端部から第二の端部へと広がり且つノズルを通る軸に沿って上記第一の端部からレーザービームを通過させる中央通路を定め、上記スリーブはこれらの接触表面に沿って流路システムを定めるように連携し、当該流通システムに沿って、微細な合金粉体は上記ノズルの上記第二の端部において放出するために通過することができ、上記ノズルは上記第二の端部から離れた位置に注入口を有し、当該注入口を通って、キャリアガスに同伴される上記微細な粉体を、上記ノズルの第二の端部へ流し且つ上記ノズルの第二の端部で放出するために上記流路システムへ供給することができ、上記流路システムは、上記注入口から上記ノズルの第二の端部若しくはその近傍の上記中央通路の回りに間隔を空けられた複数の出口へと広がる、多く分岐した、縦方向に広がる通路の配置を有し、通路の上記配置は、上記注入口から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第一の組の通路と、当該第一の組から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第二の組とを含み、上記第一の組の通路は第二の組の通路から角度に関して(angularly)ずれており、粉体が第一のセットの各通路から流れるように、第二の組の2つの通路と通じている第一の組の各通路は、環状に広がる通路若しくは地下通路により第二の組の2つの通路へ通っている。
【0006】
上記第二の組の各通路は、上記ノズルの複数の出口の各1つに対して広がり得る。もう1つの方法としては、上記第二の組から上記ノズルの第二の端部に向かって伸びる第三の組を設けて、環状に広がる通路若しくは地下通路により、第二の組の各通路は当該第三の組の2つの通路へと通じさせてもよい。上記第三の組の各通路は各出口に対して広がっていてもよく、または、通常は必要ないが、同様に、少なくとも第四の組の通路を設けてもよい。何れの場合にも、複数の出口は、上記ノズルを通る軸の周りに実質的に均一に分布していることが最も好ましい。また、上記出口へ広がる最後の組の通路は、同様に、その軸の周りに実質的に均一に分布している。同様の分布は各組における通路に適用されるが、各組の上記通路は次の組の上記通路から角度に関して(angularly)ずれていることが好ましい。
【0007】
ある組の通路と次の組の通路との間には、当該ある組の各通路と当該次の組の2つの通路との間での連絡をもたらす、環状で、連続的な地下通路があることが好ましい。しかしながら、上記一連の各地下通路を経て、上記次の組の2つの通路と連絡する上記ある組の各通路と共に、環状で非連続な一連の地下通路を提供してもよい。
【0008】
上記第一の組の各通路からの上記粉体の流れは、上記地下通路を通じて上記第二の組の各組の通路へ通ることが好ましい。よって、その配置では、上記第二の組は、上記第一の組における通路の2倍の数の通路を含むであろう。2という因数によるこの増加が、1以上の地下通路がある各地下通路で起こることが好ましい。
【0009】
各組の通路における各通路は、上記ノズルの軸を含む各平面に対して実質的に平行に広がっていることが好ましい。上記地下通路若しくは各地下通路は、上記ノズルの軸に対して垂直の平面に対して実質的に平行に広がっていることが好ましい。
【0010】
上記ノズルは、レーザービームを上記中央通路に沿ってそれを介して通過させ得るレーザー放出ヘッドと、その第一の端部において連結するように適合されている。上記ノズルは、上記中央通路に沿った流れにより、遮蔽ガス(好ましくはアルゴン)を供給するように適合され得る。上記ノズルは、冷却水の流れによる冷却のためにも適合され得る。
【0011】
1つの好ましい配置として、上記ノズルは、ノズル組立部品の一部を含み、当該ノズル組立部品はチューブ状の本体を更に含む。その配置では、上記ノズルは、上記本体の1つの末端部と取り外し可能な状態で接続することができ、上記組立部品が形成される。また、もう1つの末端部における上記本体は、上記レーザー放出ヘッドと取り外し可能な状態で接続され得る。よって、上記放出ヘッドからのレーザービームは、上記本体の中央通路を通って、その後上記ノズルを通って、通過することができる。最も都合よく、上記本体は、上記ノズルを冷却するために冷却水をそれを通じて流すことができるウォータージャケットを特徴付ける。また、上記本体は、供給源から遮蔽ガスを受け取るためのコネクターを有してもよく、当該コネクターは上記本体の中央通路へ通じている。よって、上記遮蔽ガスは、上記ノズルの中央通路を流れる前に、上記本体の中央通路に沿って流れることができる。その上、上記ノズル組立部品は、上記ノズルから放出される粉体の流れの周りでガスのカーテンを形成するように、上記ノズルと最も外側のスリーブ若しくはケーシングとの間のような、上記ノズルの外側の表面の上で、遮蔽ガスの流れをもたらすように適合され得る。
【0012】
上記ノズルが、ノズル組立部品の本体の手段により、レーザー放出ヘッドと接続可能である場合には、上記本体は、供給源から、キャリアガス中に同伴される微細なクラッディング粉体を受け取るためのコネクターを有し得る。よって、上記ノズルの注入口は、上記本体から微細な上記粉体を受け取り得る。
【0013】
上記通路の形状、及び上記注入口から各出口までの上記各流路の長さは、上記粉体の質量流量及び上記粉体の流速が、実質的に各出口で同じとなるようなものであることが最も好ましい。上記質量流量及び流速は、その形状及び流路の長さが実質的に同じであることにより、各出口において同じであることが好ましい。
【0014】
出口の数、従って、通路の上記配置の複雑さは、大幅に変化させることができる。上記ノズルの大きさは、これに寄与する1つの要因である。しかしながら、更なる要因は、上記ノズルが上記ノズルの出口から上記ノズルの第二の端部を越えて互いが環状に融合する粉体の流れを発生する好ましさである。
【0015】
上記流路システムへ粉体がそれを通じて供給され得る上記注入口は、上記多く分岐した配置の通路の注入口の末端部と直接通じていてもよいし、接続通路を介して、上記配置の複数の通路の上記注入口の末端部と直接通じていてもよい。代わりに、上記注入口は、それらの間に部屋を介して多く分岐した配置の少なくとも1つの通路と通じていてもよい。何れの場合にも、粉体を上記流路システムへとそれを通って供給させる1以上の注入口があってもよい。
【0016】
少なくとも小さいノズルの大きさの場合では、上記ノズルは、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つの出口を有する。より好ましくは6つの出口である。
【0017】
特に、大きいノズルの大きさの場合では、最大32またはそれ以上の出口とすることができる。
【0018】
1組の通路からの上記粉体の流れを次の組の更なる通路へと、それにより通過させる、環状に広がる地下通路の上記配置は、大変魅力的であることが認められている。通常、地下通路は、1組の通路から次の組の2つの通路のみへの流れを通すことがより実用的である。しかしながら、上記1組の通路から上記次の組の3以上の通路へ通過する流れにすることも可能である。
【0019】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とは、上記第二の端部で終わるこれらの表面の軸方向の広がりの少なくとも一部の上で、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細としてもよい。また、これら表面は、上記軸に対する垂直面の断面を円形としてもよい。1つの便利な配置では、これらの表面は、上記ノズルの第一の端部近傍からの軸方向の広がりの第一の部分上で円筒状であり、それ以降では、上記ノズルの第二の端部へ円錐状(frustoconically)に先細になる。何れの場合であっても、上記外側のスリーブの外側の表面は、そのスリーブの内部表面の全部の形状に従わせてもよい。しかしながら、上記内部表面が上記ノズルの第二の端部へ先細になる場合には、上記外側の表面のテーパーは、外側のスリーブが、上記テーパーの軸方向の広がりにおいて、第二の端部へ向かって壁厚が減少するように、より角度が大きいことが好ましい。
【0020】
上記流路システムは、上記内部スリーブの外側の表面若しくは上記外側のスリーブの内部表面、即ち、これら表面それぞれの一部を完全に定め得る。よって、各通路及び地下通路は各表面にあるかもしれないが、各通路、及び環状に広がる各地下通路は、上記内部スリーブの外側の表面若しくは上記外側のスリーブの内部表面、即ち、これら表面それぞれの一部を完全に定め得る。しかしながら、実際問題として、上記通路及び地下通路は、上記内部スリーブの外側の表面に、機械加工等によりより容易に形成することができる。
【0021】
上記内部及び外側の表面が、断面が円となるように環状に曲げられている場合では、上記環状に広がる地下通路はアーチ状に広がるだろう。各通路を、その各末端部から広げることができるように、地下通路は円弧形状に広がり得る。しかしながら、別の有用な配置では、アーチ状に広がる地下通路は、これら表面の全部の周囲の周りに広がることができる。よって、上記表面の断面が円形である場合、上記地下通路はドーナツ型の形状である。
【0022】
通路の上記配置では2組以上の通路を有することが好ましい。また、例えば、8つ以上16つ以下のように、少なくとも6つの、ノズルからの出口があることが好ましい。上記出口で終わる通路を有する組である、通路の上記最後の組は、上記出口の数に対応する数の通路を有する。
【0023】
上記ノズルの各形状において、レーザービームの通路の機能を付与する、内部スリーブにより定められる上記中央通路は、好ましくは、その目的のために既知の形状を有するであろう。よって、上記中央通路は、上記ノズルの第一の端部からの全長の初めの一部に沿って、均一な環状の断面となり得るが、それ以降は、上記中央通路は、上記ノズルの第二の端部へ円錐状に(frustoconically)先細になることが好ましい。上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とが、上記ノズルの第二の端部へ先細になる場合、その先細となる部分における角度は、上記中央通路の角度よりも大きい角度であるか、上記中央通路の角度と実質的に同じ角度であることが好ましい。
【0024】
上記本発明によるノズルにより、微細なクラッディング粉体は、キャリアガス(好ましくはアルゴンガス)を使用して、粉体フィーダーからノズル注入口へと輸送される。上記粉体は、上記ノズル注入口から上記流路システムへ入り、複数の粉体の流れを形成する。上記ノズルの出口において、レーザービームを通じて運動するように、上記粉体は加熱され、レーザーによって加熱される基材上に集中される。
【0025】
上記粉体は上記ノズルの流路システムを通って輸送され、実質的に等しい、各出口から放出される粉体の流れを得ることができる。上記環状に広がる通路若しくは地下通路は、部分閉塞を生じる可能性がある粉体の流れのバランスを保つようにする。また、バランスを保つために、各組の通路の長さが、短すぎないことが望ましい。これは、1つの組の通路が短すぎる場合では、当該1つの組の通路から次の組の通路へのバランスを失した粉体の流れが生じ得るからである。上記通路は、それらの最大幅寸法の少なくとも3倍の長さであることが最も好ましい。しかしながら、少なくとも幾つかの組では、上記通路は、十分に長い長さを有し得る。各組の上記通路、並びに各組間にそれぞれ環状に広がる通路若しくは地下通路は、上記粉体の最大粒子サイズの3倍以上である最小の断面寸法を有すべきである。
【0026】
上記ノズルから放出される上記粉体の流れは、複合流れを形成し得る。何れにしても、上記流れは、使用時に、加工中の製品上の焦点に集束する。これは、典型的には、−1mm以上+6mm以下のように、上記中央通路から放出されるレーザービームのための幾何学的な焦点に近い、若しくは僅かに大きいものである。
【0027】
上記ノズルから放出される粉体の流れは、上記ノズルの第二の端部の周りに、円錐状でくさび型の(conical wedge-shaped)溝を形成することにより変更できる。このような溝は、反射されたレーザー光に晒される任意の垂直端を回避すると同時に、粉体の流れを円錐状のカーテンへ集中させることをもたらすことができる。上記くさび型の溝は、上記粉体の全体的な速度を減少させることができ、それどころか、上記溶融プール(melt pool)の中へ上記粉体を供給させることができる。上記溝は、上記ノズルの第二の端部における上記粉体及び上記ノズルの局部加熱を減少させることができ、その結果、溶融粉体によるノズルの閉塞及びノズル自身の損傷を避けることができる。また、上記溝が、例えば、粉体の、単一に集中した、円錐状の周囲のカーテン若しくはシートを形成するような、最初の分離粉体の流れをより近くに集めてもたらす時に、上記くさび型の溝は、上記溝へ向かって移動するように、上記レーザービームを横切って、より均質な(均一に分布した)粉体の流れを形成することができる。これにより、ガス及び粉体の流れは、より保護されることに加えて、より明確に定められ、集中される結果となる。
【0028】
上記出口、並びに上記出口で終わる上記1組の通路が、上記ノズルの上記内部スリーブの外側の表面に形成される場合、上記くさび型の溝は、上記内部スリーブの末端の縁(end margin)の周りに形成される斜面により形成することができる。上記内部スリーブの外側の表面が、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細になる場合、上記斜面は、例えば、上記末端の縁が、外側の表面の主軸方向の広がりにおけるテーパーの角度と関連した、テーパーの角度を有することになる。上記配置では、上記末端の縁の上記軸方向の広がりにおいて、上記内部スリーブの外側の表面が、上記外側のスリーブの内部表面から、V字型の放射状の断面の環状の溝を形成するように分岐するようなものである。上記配置は、上記組の通路が上記出口に広がり、それ以降深さゼロとなるように、深さが減少し、上記出口が、上記溝(即ち、上記V字型の頂点において)の内部の広がりで定められるようなものである。
【0029】
理解されるように、高効率のクラッディングプロセスには、上記粉体の焦点が、レーザー溶融プールの半径内である必要がある。一方、適切なレーザースポット直径が上記板上に現れる限りは、クラッディングが、レーザーの焦点のどちらの側(side)でもできない理由はない。上記レーザースポットは、上記集束レンズと上記加工中の製品との間の距離により専ら支配され、上記ノズルの物理的な長さは、レンズ自身が、粉体の焦点に対して移動することができる場合を除いては、それと一致していなければならない。
【0030】
上記本発明のノズルは、制限のある空間での上記ノズルの利用を容易にすることが要求される場合には、小型化することができる。しかしながら、上記ノズルは、より大きい「主流の」大きさのレーザークラッディングヘッドへ組み込むため、大規模で作製されることにも適している。
【0031】
上記発明をより容易に理解し得るようにするため、ここでの記載は、添付の図面へ向けられる。
【0032】
〔図面の詳細な説明〕
図1を参照して、本発明によるノズル10の概略を説明する。上記ノズル10は、加工中の製品Wのレーザークラッディングに適した配置で、レーザー放出ヘッド12の出口端上に取付けられている。図1の概略的な表示は、ノズル10及びレーザーヘッド12の組合せを大まかに描写する目的のためである。図1の簡略版では、ロックリング14によりヘッド12の出口端へ固定される、単一の全体的な構成単位(single overall unit)として、ノズル10が示される。しかしながら、ヘッド10は、後述するように、チューブ状の本体を含む、組立部品の出口部分を含有することが好ましい。このような組立部品は、特定のクラッディング用途に要求されるような出口部分を変化させることが容易であるため望ましい。
【0033】
上記レーザーヘッド12は、穴16を定める。当該穴16に沿って、レーザービーム18(その供給源は示さず)を放出させることができる。ヘッド12の出口端の近傍には、ビーム18が通過する窓20がある。ヘッド12は、窓20より内部にフォーカスレンズ22を有する。当該フォーカスレンズ22により、ビーム18は、ヘッド12の先端部を越えて、外に向かって焦点Fに焦点を当てることができる。上記ノズル10は、中央通路24を定める。上記レーザービーム19は、当該中央通路24を通過する。上記通路24は、ビーム18と同様に、先細になるが、ビーム18の周囲に環状の隙間を有する。上記焦点Fは、ヘッド12から遠く離れたノズル10の先端部を越えた目と鼻の先にあり、焦点スポットF若しくはその近くで、加工中の製品Wの表面のクラッディングを可能とする。上記焦点スポットFを通り越してクラッディングすることが常套手段であるが、クラッディングは焦点スポットFにおいて、若しくはその前で行うことができる。
【0034】
図1の配置では、コネクター26、28a、28b及び29が示される。上記コネクター26は通路24に通じており、矢印Gにより示される、加工中の製品Wへ向かう通路24に沿ったガスの流れのための遮蔽ガスの供給を接続することができる。上記遮蔽ガスは、クラッディング中に発生する、溶融した金属の酸化から保護するものであり、ガスによっては、加工中の製品Wの表面付近のプラズマの形成を阻止し、形成したプラズマを分散させることができる。低コストであるため、アルゴンが通常使用されるが、ヘリウムが、これらの目的のための遮蔽ガスとして好ましい。コネクター28a及び28bそれぞれにより、クーラント(通常は、通路24の周りのクーラントジャケットを経た水)を流すことが可能となる。矢印Cで示されるクーラントの上記流れは、ノズル10を冷却するためである。コネクター29により、適切な供給源から、キャリアガスに乗った微細な合金クラッディング粉体の供給が可能となる。上記粉体は、レーザービーム18の周りのノズル10から発射する前に、矢印Pに示すように、ノズル10内における通路24の外側を流れる。
【0035】
上記クラッディング粉体は、加工中の製品W上で要求されるクラッディングに適した組成である。もし、上記クラッディングが、磨耗した部分を再構築するものであれば、上記粉体組成は、加工中の製品Wの組成と実質的に同じとすることができ、もし上記クラッディングが、加工中の製品Wに対する磨耗抵抗のような異なる特性をもたらすものであれば、上記粉体組成は加工中の製品Wの組成と異なる組成とすることができる。上記キャリアガスは、上記遮蔽ガスと同じであることが好ましく、とにかく、上記遮蔽ガスの目的を、否定するよりむしろ補完すべきものである。
【0036】
加工中の製品Wのクラッディングでは、レーザービーム18は、ノズル10から放出する上記粉体と加工中の製品Wの表面とを溶融させる。上記2つの溶融材料は、凝固による被覆(coating on solidifying)を形成するように結合し、加工中の製品W上に、積み重なったクラッド層をもたらす。
【0037】
既知の配置では、断面が環状の先細の部屋が、ノズル10に沿った粉体の流れを可能にするために設けられる。しかしながら、このような部屋を有するよりもむしろ、ノズル10は、多く分岐し、コネクター29に隣接した注入口から、ノズル10の出口端における通路24の周りの複数の出口へと広がり、縦方向に広がる通路の配置を有する流路システムを定める。そのシステムは図2〜12を参照して後で説明する。
【0038】
図2では、本発明によるノズル32が示される。ノズル10の構成要素を図3及び4に示す。しかしながら、図2では、ノズル32は、チューブ状の本体34を含むノズル組立部品30の一部として示される。上記ノズル32と組立部品30の本体34とは、ロックリング35により、端と端とが接するように共に固定される上記ロックリング35が、近接した、ノズル32の第一の端部により定められる、外側のフランジ36(図4参照)を本体34に対して締め付けるように、本体34の上に装着される。ノズル32と本体34との間のドエルピン37により、これらが、確実に、正確に角を形成して位置合わせされる。上記組立部品30は、ヘッド38の上に装着され、レーザーヘッド38に対して、本体34により定められる外側のフランジ40を固定する更なるロックリング39の手段により、レーザー放出ヘッド38の出口端上に取付けられるように示される。
【0039】
上記レーザー放出ヘッド38は穴42を定める。当該穴からのレーザービーム(図示せず)は、組立部品30を通過して放出され得る。ヘッド38の先端部には、ビームが通過する窓43がある。また、ヘッド38は、窓43から上流へ遠く離れたノズル32の端を越えた目と鼻の先に、上記レーザービームを焦点へ当てるフォーカスレンズ(示さず)を有する。ヘッド38から、上記集束したレーザービームは、本体34及びヘッド32により定められる通路44の各部分44a及び44bと共に、組立部品30により定められる先細の中央通路44を通過する。
【0040】
組立部品30は、図1のノズル10のコネクター26、28a、28b及び29それぞれに対応するコネクター46、48a、48b及び49を有する。よって、コネクター46は、遮蔽ガスがノズル32の第二の端部から加工中の製品Wへ向かって放出される前に、中央通路44に沿った流れのための供給(示さず)から受け取ることを可能にする。コネクター48a及び48bは、水等のクーラントを、本体34により定められるクーラントジャケット50を通って流れるようにする。上記クーラントは本体34を冷却し、その結果、ノズル32から熱エネルギーを取り出し、ノズル32を冷却する。上記コネクター49は、ノズル32の第二の端部から放出される上記粉体より前に、中央通路44の部分44bの外に向かって、キャリアガス中に同伴される微細な合金クラッディング粉体をノズル32へ供給し、ノズル32に沿って流すことを可能とする。
【0041】
上記ノズル32は、図3に示す内部スリーブ52及び図4に示す外側のスリーブ54を有している。スリーブ52及び54それぞれは、本体34のように、組立部品30及びレーザーヘッド38を経て、縦軸X−Xに対して垂直な、環状の横断面を有する。スリーブ52及び54それぞれは、ノズル32の第一の端部におけるフランジ36から第二の端部へと先細になる円錐形状(frusto-conical form)を有する。上記スリーブ52及び54は、上記第二の端部へ向かって壁厚が減少する。また、スリーブ52の外側の表面とスリーブ54の内部表面とは、本体34上に固定されるノズル32と共に、これら表面が安定して接触するように、実質的に同じ角度で先細になっている。
【0042】
上記ノズル32は流路システムを定める。当該流路システムに沿って、コネクター49を経て受け取られる微細な合金クラッディング粉体は、ノズル32び第二の端部へと流れ、第二の端部から放出される。上記流路システムは、ノズル32の第一の端部若しくはその近接から、ノズル32の第二の端部における通路44の部分44bの周りで一定の間隔を空ける複数の出口への、多く分岐した、縦方向に広がる、通路の配置を有する。図2〜4の配置では、上記通路は、外側のスリーブ54の内部表面、並びに内部スリーブ52の、向かい合った外側の表面に形成される溝により定められる。
【0043】
上記ノズル32は、2つの正反対の注入口56を有する。各注入口56は、ノズル32の第一の端部におけるスリーブ52の端面から斜めに外に向かって、スリーブ52の外側の表面へ広がる短い通路を含む。図3に示すように、注入口56の外側の端は、スリーブ52の外側の表面に形成される第一の環状溝57で終わりである。溝57からの短い距離で、第二の環状溝58はスリーブ52の外側の表面に形成される。溝57と58との間に、2組の縦溝59がスリーブ52に形成される。ここで、各組の溝59は、各注入口56の各側に対して約45°の角度で(angularly)広がっている。上記溝58及びノズルの第二の端部からは、4組の縦溝60があり、各組の各溝60は、溝59の各1つの各側に対して約22.5°の角度で(angularly)広がっている。上記溝59及び60は、X−X軸を含む各平面にあることが好ましい。
【0044】
内部スリーブ52の外側の表面における上記溝57、58、59及び60は、外側のスリーブ54の内部表面により覆われている。よって、上記内部表面及び各溝57〜60は、通路57a、58a、59a及び60aのような、図2に示す対応する通路を定める。それぞれの通路60aは、ノズル32の第二の端部における各出口62で終わる。上記4組の溝60及び通路60aの角度に関する(angular)配置からわかるように、62の8つの出口は、ノズル32の第二の端部における中央通路44の周りで均一に間隔を空けている。
【0045】
コネクター49を経て供給されるキャリアガス中に取込まれる合金粉体は、ノズル32が接して固定される、本体34の端面における溝及びノズル32の隣り合う端面により定められるアーチ形の通路64へ、本体34の通路63に沿って軸の方向に通過する。上記通路64は、その各端において通路64がノズル32の第一の端部における各注入口56と通じるように、約180°環状に広がっている。よって、通路64から、ガスに同伴される粉体は、ノズル32の通路57a、58a、59a及び60aを含む流路システムを介して流れ、最終的には、出口62から放出させることができる。そのシステムを通る流れでは、上記粉体は、各注入口62に入り、2つに分かれ、注入口62に向かって、1組の通路59aの各通路へ、通路57a中を逆方向に環状に流れる。次に、上記粉体は、4つの通路59aそれぞれの中を縦方向に流れ、通路58aへ入る。各通路59aから、上記粉体は2つに別れ、各通路59aにおける、上記組の通路60aの各通路へ、通路58a中を逆方向に環状に流れる。次に、上記粉体は、8つの通路60aそれそれの中を、縦方向に流れ、各出口62からの各流れとして放出される。上記流れは出口62から離れる流れにおいて広がる傾向があり、このこと及び出口62間で比較的近い角度で(angularly)間隔が空いていることより、上記流れは、X−X軸の周りで粉体の環状のカーテンを実質的に形成する。しかしながら、上記ノズル32の先細、従って通路60aの集束により、上記流れは、図2のFに示す焦点に集束する。
【0046】
図5は、図2のノズル32の流れシステムの形状を説明する。上記システム65は、ここでは、粉体が固まっているかのように示し、内部及び外側のスリーブは取り去られている。一方、上記流れシステム65の一部は、図2〜4に関して使用したものと同じ参照数値を有している。
【0047】
図5に示す流れシステム65は、分岐し、縦方向に広がった、注入口から複数の出口へ広がった通路の配置を含む。つまり、上記システム65は、2つの注入口通路56を有する。キャリアガス中に同伴される微細な合金粉体は、供給源から注入口通路56を通ることができる。破線(broken outline)として示すように、上記供給は、コネクター49を経て、通路63に沿って、アーチ形の通路64の周りで、それぞれ本体34中で定められる。上記システム65は、更に、縦方向に間隔が空いた、第一の環状溝57及び第二の環状溝58を、正反対に向かい合った配置で、溝57へ通じる各注入口56と共に含む。上記溝57は、それぞれ90°の間隔で円周方向に間隔が空いた、縦方向に広がる4つの溝59の第一の組により、溝58に通じている。溝58から、縦方向に広がる8つの溝60の第二の組は、8つの出口62へと導かれる。上記溝60は、それぞれ45°の間隔で均一に間隔が空いており、22.5°の間隔で第一の組の溝59からずれている。
【0048】
図2〜4に示めされるように、上記注入口通路56は、内部スリーブ52を通って、第一の端部から、スリーブ52の外側の表面へ斜めに広がる。上記溝57、58、59及び60は、スリーブ52の外側の表面において形成される。上記溝57〜60は、断面がU字型であり、外側のスリーブ54により覆われるとき、D字型の断面の通路をもたらす。上述したように、上記通路56及び溝57〜60によりもたらされる通路は、最小断面寸法が、それを通じて通過する粉体の最大粒子サイズの3倍以上である。同じ最小断面寸法は、コネクター49並びに通路63及び64を含む、通路56からの粉体供給通路上流にも適用される。
【0049】
図5に示す流れシステム65を介する粉体の流れと同時に、粉体は、2つの注入口通路56それぞれから第一の環状溝57へ流れる。溝57では、上記粉体は、各通路56から、その全ての周辺の範囲の周りを十分に溝57を満たすように、向かい合った周方向で流れる。溝57から、上記粉体は、第一の組の4つの溝59それぞれの中へ、第一の組の4つの溝59それぞれに沿って、第二の環状溝58へ流れる。この場合も先と同様に、溝58の流れは、溝59それぞれから溝58を十分に満たすように、向かい合った周方向である。溝58から、上記粉体は、8つの第二のセットの溝60それぞれの中へ、第二の組の8つの溝60それぞれに沿って、各出口62から放出するように流れる。
【0050】
溝57及び58は環状に連続しており、実質的に完全に粉体で満たされているが、好ましい、溝57及び58それぞれの切断される部分を破線(broken outline)で示す。これは、環状に連続した溝のための主要な粉体流路を強調するものであり、また、溝57及び58が環状に不連続である、別の配置を示すものである。よって、環状に連続した溝57及び58と共に、それぞれの通路56は、溝59の各組に対する開口部の間の中ほどで、溝57に通じている。溝56それぞれからの上記主要な流れは、溝57の周りを流れ、各組のそれぞれの溝59へ実質的に等しい比率で流れる。同様に、各溝59は、溝60の各組への開口部間の中ほどで、溝58に通じている。よって、各溝59からの主要な流れは、溝58の周りを流れ、再度実質的に等しい比率で、各組の溝60それぞれへと流れる。よって、破線(broken outline)に示す各溝57及び58の切断される部分は、粉体により満たされ、これらの部分は、主要な粉体流路に少し寄与する。従って、上記の別の配置において、破線に示す切断される部分は、省略して、環状の不連続な溝57及び58とすることができる。
【0051】
図6〜8は、第二の実施形態によるノズル、組立部品及びレーザー放出ヘッドを示す。図6〜8の配置は、大部分で図2〜4のものと対応している。よって、対応する部分は、上述した参照番号に100を加えたものと同じであり、説明は、図6〜8の実施形態が図2〜4のものから異なる細部についてのみ行う。
【0052】
図6〜8では、上記ノズル132は、円筒型の第一の端部から広がる第一の部分と、第一の部分からノズル132の第二の端部へと先細となっている第二の部分とを有するように示される。スリーブ154の先細の部分は、第二の端部へ向かって壁厚が減少しないが、同じ物が、内部スリーブ152及び外側のスリーブ154のそれぞれに適用される。また、ノズル132の上記円筒状の部分は、その第一及び第二の端部と溝158との間で、ノズル132の長さの半分あまりを超える割合を占め、従って、通路158aは、上記円筒状の部分と先細の部分との接合部分において存在する。よって、溝159及び通路159aはX−X軸に対して傾斜していないが、溝158及び通路158aは、図2〜4に対応する外観よりも、溝157及び通路157aそれぞれから更に間隔が空いている。
【0053】
ノズル132は、ロックリング135により本体132上に取付けられ、組立部品130がもたらされる。また、組立部品130は、ロックリング139によりレーザー放出ヘッド138上に取付けられる。ノズル132について言及した相違点以外は、組立部品130及びヘッド138は、図2〜4に示す対応する成分と本質的に同じである。また、通路157a、158a、159a及び160aを含む流路システムは、注入口156へ供給される合金粉体の流れを出口162へ提供するように、図2〜4のシステムとして記載されているように充分に機能する。
【0054】
図9は、軸方向で見た、図2〜4のノズル32によるノズルの第二の端部を示す。出口62の均一な角度での配置を、スリーブ52及び54の各環状の端と同様に示す。上記出口62は、溝60の断面形状を示し、溝57、58及び59の形状に対応させることができる。上記溝は、長さ約40mm以上60mm以下の範囲のノズル32では、例えば、深さが約0.4mm以上1.5mm以下、幅が約1mm以上2mm以下の範囲内とし得る。しかしながら、上記断面は、粉体の分かれた流れの連続段階をもたらす流れの方向で、ある溝から次の溝へ減少させることができる。
【0055】
図10は、フランジ36が定められる第一の端部から見た、図2〜4のノズル32の外側のスリーブ54の内部を示す。スリーブ54の上記内部表面は、流路システムの通路に沿った合金粉体の流れによるスリーブ54の表面の磨耗から生じる粉体の跡を示す。上記跡は、末尾に”c”を加えた、注入口及び各溝の参照数字により特定される。溝57及び58は、環状で連続的であることに留意する。これにもかかわらず、溝57での上記粉体の流れは、各溝56と溝50の各組との間の溝57の部分のみの周りを流れる。同様に、溝58での上記粉体の流れは、各溝59と溝60の各組との間の溝58の部分のみの周りを流れる。
【0056】
図11は、その内部及び外側のスリーブに関して図6〜8と実質的に同じであるノズルを示す。それゆえ、対応する成分は、100を加えた同じ参照数字を有する。よって、図11のノズル232は、内部及び外側のスリーブ252及び254をそれぞれ有する。スリーブ252は、環状の地下通路(gallery)をそれぞれ含み、縦の通路259a及び260aを形成する溝をスリーブ254と共に定める。ノズル232は、そこからのレーザービームが組立部品230を通過することができるレーザー放出ヘッド(示さず)上に取付けられる組立部品と共に、ロックリング235により本体234上に取付けられ、組立部品230を提供する。
【0057】
上記ロックリング235は、細長い形状であり、ノズル232の円筒状の第一の部分と同心である。上記リング235は、ノズル232の円筒状の部分と先細の部分との間の接合部でのスリーブ254により定められる段部に対して固定する。リング235は、ノズル232の円筒形の部分の周りでスリーブ66を密閉するように維持する。
【0058】
図11のノズル232と図6〜8のノズル132との主な違いは、最も外側のスリーブ若しくはケーシング70の配置(provision)である。スリーブ70の円筒状の部分70は、ノズル232の出口端に近いリング235の端上に装着される。リング235の先端部の向こう側では、スリーブ70は、放射状に内部で広がるフランジ70bと、内部から広がるフランジ70bの周辺部とを有し、スリーブ70は、ノズル232の第二の端部へ先細になる円錐状(frusto-conical)の部分70cを有する。外側のスリーブ254と共に、ノズル70は、フランジ70bとリング232の隣接端との間の環状の部屋と、部屋72から広がるノズル232の出口若しくは第二の端部で通じる円錐状(frusto-conical)で環状の隙間とを定める。
【0059】
密封のスリーブ66は、スリーブ254の外側の周辺部の周りを切り取るチャンネル76を覆い、環状の部屋77を定める。遮蔽ガス(同様に、好ましくはアルゴン)の供給は、注入口ポート(示さず)から部屋77へ供給することができる。部屋77から、上記ガスは、スリーブ254を定めるポート78を通過することができ、部屋72の周りを隙間74に沿って流れる。
【0060】
中央通路224から放出するガス及び通路260aの出口端から放出するキャリアガスと同様に、隙間74から放出するガスは、加熱した粉体及び溶融した金属を大気中の酸素から保護することができる。しかしながら、それぞれの状況で、上記ガスは重要な機能を有する。隙間74から放出するガスの状況では、更なる目的は、ノズル232からの粉体の流れの形式及び完全性を高める。隙間74から放出するガスなしでは、粉体の流れは、粉体の流れの形式及び完全性を低下させる、過電流及び乱気流の進行を引き起こす、結果として生じるせん断力と共に、周囲の大気に晒され影響を受ける。粉体と、隙間74から粉体の周りで放出するガスとの流速を適切に適合させることにより、過電流及び乱気流は十分に減少、又は効果的に排除することができる。よって、より層流の粉体の流れが充分に達成され得る。
【0061】
図12は、図6〜11に示すノズル132に対応するノズルから放出される粉体を示す。上記ノズルは、水平配置で示され、水平に放出するにもかかわらず、上記粉体の流れは、説明される相当の距離を越えて重力の影響に抵抗しているように見える。上記ノズルは、垂直の上向きを含む、任意の方向で、同程度の粉体の流れを発生させることができる。上記ノズルは、各流れの通路の出口端から、粉体の各流れを発生するように示される。しかしながら、上記ノズルの出口端からの短い距離で、流れは焦点に向かって集束し、粉体流れの環状のカーテンをもたらすように融合するように見える。
【0062】
図12の説明で最初に使用した上記ノズルは変更され、、図13で説明される、2つの僅かに異なる条件での粉体の流れの形式が見積もられる試みで使用された。上記変更は、倍尺で、ノズルの出口端部分を示す図14において説明する。図6〜8のノズル132に対応する図12のノズル(即ち、変更前の図13のノズル)として、図14のノズルは、図6〜8で使用されるものと同じ参照数字を有する。
【0063】
図14では、ノズル132の内部スリーブ152は、その第一の端部から広がる円柱状の第一の部分と、当該第一の部分から第二の端部へ先細になる第二の部分とを有する。しかしながら、図6〜8の一定の先細とは対照的に、上記先細の部分は、主要部分よりも円錐角が増加して先細になっている末端部80に起因した、2つの円錐状(frusto-conical)の部分を有する。部分80のテーパーは、上記ノズルの第二の端部での深さが事実上ゼロとなるように、通路160aの深さが、部分80に沿って次第に減少する。しかしながら、上記外側のスリーブ154は完全に同じテーパーを有する。結果として、スリーブ154及びスリーブ152の部分80は、それらの間に環状の隙間82を定める。隙間80は、放射状の断面がくさび型であり、上記ノズルの第二の端部で最大となるように放射状の幅が増加している。
【0064】
図13に戻ると、図14で変更される上記ノズルの2つの説明は、密接した、実質的に均一な環状の若しくはカーテン状の流れを含むような粉体の流れを示す。これは、分かれた流れとは対照的に、上記ノズルの第二の端部から粉体が放出するように図12において明らかである。この改善した粉体の流れをもたらすことに加え、スリーブ152の二重デーパーは、ノズル132の組立と分解を容易にする。流れの形状を全ての方向で保持することができるが、図13は、それぞれの説明において、垂直の下方向に置かれるノズルを示す。
【0065】
図13の2つの実例での条件は、レーザービームがそれに沿って通過する中央通路に沿って供給されるガスの流速によって異なる。図13の右の上記ノズルの実例は、左のノズルの説明で使用されるものよりも速い、中央通路に沿ったガス流速により得られる。言及されるように、上記ガスの流れの焦点は、より速いガスの流れ速度と共に、ノズルの第二の端部を更に越えて移動する。中央通路に沿ったガス流速の制御は、レーザービームの焦点の位置に対して、粉体流れの焦点位置を微調整することを援助する。
【0066】
多くの変形が本発明のノズルにおいて可能である。よって、図11に示される最も外側のスリーブ若しくはケーシング70は、図2〜4のノズル32と共に使用するように適合される。また、図11のノズルと同様に図2〜4のノズル32は、図14を参照した記載の通り、変更し、より鋭い先細の末端部を有するようにすることができる。
【0067】
図2〜4のノズル32の変更した形式、又は図6〜8のノズル132のために変更した形式のような、より鋭い先細の末端部が与えられる場合には、上記テーパーは、図14の部分80に対して示されるようなものであってもよい。つまり、より先端の先細の末端部の長さに対して、内部スリーブにおける溝の深さは、ノズルの第二の端部においてゼロの深さへ減少し得る。一方、この変形においては、上記溝は、ノズルの第二の端部から上流へ短距離を深さゼロまで減少し得る。これは、その端での鋭い端を最小化しすることにおいて特に有益であり、その結果、発熱性を減少することがわかる。よって、結果として起こる、ノズルが詰まる可能性の減少と共に、第二の端部でのノズルに付着する粉体のリスクを減少させることができる。
【0068】
上記発明のノズルは、加工中の製品の表面を水平にする必要が無い、クラッディングの配置を可能とする。つまり、任意の要求される方向で機能するノズルの能力は、非常に十分に、クラッディング工程を実行する自由を増加させる。これが、要求された方向での動作の容易さを犠牲にすること無く、サイズを非常に小さくするノズルの能力、並びにNd:YAG及びダイオードレーザー技術のような、適切なレーザー技術と共に使用する能力と組合わされる場合、そのままでのクラッディング動作を導く多くの事例において実用的となり得る。一例として、動力装置動作における主な問題は、損傷したLPタービンブレードの修理若しくは交換のコストである。上記ブレード自身は、これらの置換若しくは修理のための休止時間と同様に、非常に高価である。従来、上記ブレードは、修理のために取り除かなければならず、一方、上記本発明のノズルは、より少ない、修理のために必要な休止時間で、現場で、その場で修理を可能とする。コスト節約のための見込みは相当あり、これは、ブレードあたりのより低いコスト、並びに休止時間が減少することによる。
【0069】
最後に、様々な変更、修正及び/又は追加を、上記発明の精神と範囲から逸脱することなく、上述した一部の構成及び配置へ導入し得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、レーザー放出ヘッドの出口端上に取付けられるような、本発明によるノズルを概略的に説明するものである。
【図2】図2は、軸方向の断面における、上記発明によるノズルの第一の実施形態を示すものである。
【図3】図3は、図2のノズルの構成要素の断面図である。
【図4】図4は、図2のノズルの構成要素の断面図である。
【図5】図5は、図2のノズルの構成要素間で定められる流路の概略的な図解である。
【図6】図6は、図2に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図7】図7は、図3に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図8】図8は、図4に対応する、上記発明によるノズルの第二の実施形態を示す。
【図9】図9は、図2〜4の実施形態によるノズルの端面図である。
【図10】図10は、図9のノズルのある構成要素の斜視図であり、その反対端から見たものである。
【図11】図11は、図6に対応し、上記発明によるノズルの第三の実施形態を示すものである。
【図12】図12は、図6〜8による使用時のノズルを示す。
【図13】図13は、変更後の、使用時の図12のノズルを示す。
【図14】図14は、図13のノズルでの使用に変更を加えた、図6〜8にあるようなノズルを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザークラッディング放出ヘッド用の粉体放出ノズルであり、
上記ノズルは、外側のスリーブの内側に配置され且つ外側のスリーブの内部表面と接する外側の表面を有する内部スリーブを含み、
上記内部スリーブは、上記ノズルの第一の端部から第二の端部へと広がり且つノズルを通る軸に沿って上記第一の端部からレーザービームを通過させる中央通路を定め、
上記スリーブはこれらの接触表面に沿って流路システムを定めるように連携し、当該流通システムに沿って、微細な合金粉体は上記ノズルの上記第二の端部において放出するために通過することができ、
上記ノズルは上記第二の端部から離れた位置に注入口を有し、当該注入口を通って、キャリアガスに同伴される上記微細な粉体を、上記ノズルの第二の端部へ流し且つ上記ノズルの第二の端部で放出するために上記流路システムへ供給することができ、
上記流路システムは、上記注入口から上記ノズルの第二の端部若しくはその近傍の上記中央通路の回りに間隔を空けられた複数の出口へと広がる、多く分岐した、縦方向に広がる通路の配置を有し、
通路の上記配置は、上記注入口から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第一の組の通路と、当該第一の組から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第二の組とを含み、
上記第一の組の通路は第二の組の通路から角度に関してずれており、
粉体が第一のセットの各通路から流れるように、第二の組の2つの通路と通じている第一の組の各通路は、環状に広がる通路若しくは地下通路により第二の組の2つの通路へ通っている、ノズル。
【請求項2】
上記第二の組の各通路が上記ノズルの複数の出口の各1つに対して広がっている、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
上記第二の組から広がる第三の組の通路があり、環状に広がる通路若しくは地下通路により、第二の組の各通路は当該第三の組の2つの通路と通じており、
状況に応じて、上記第三の組からから広がる第四の通路があり、第三の組の各通路は、当該第四の組の2つの通路と通じており、
上記第三の組の各通路、又は、もし設けられるなら第四の組の各通路は、上記ノズルの複数の出口の各1つへ広がっている、請求項1に記載のノズル。
【請求項4】
上記複数の出口は、上記ノズルの軸の周りで実質的に均一に分布しており、
少なくとも、上記出口へ広がる、上記組の通路は、上記ノズルの軸の周りに分布している、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項5】
上記一連の通路の組における通路は、環状の連続通路若しくは地下通路により通じている、請求項1〜4の何れか1項に記載のノズル。
【請求項6】
通路の一連の組の通路は、環状の不連続な一連の通路若しくは地下通路により通じている、請求項1〜4の何れか1項に記載のノズル。
【請求項7】
各組における各通路は、上記ノズルの軸を含む各平面と実質的に平行に広がっており、且つ、環状に広がる、上記ノズルの軸に対して垂直の平面と平行である通路若しくは地下通路により、次の組の2つの通路へと通じている、請求項1〜6の何れか1項に記載のノズル。
【請求項8】
上記ノズルは、レーザービームがそこから中央通路に沿って通過するレーザー放出ヘッドと接続するように、並びに上記中央通路に沿った流れにより遮蔽ガスを供給するように、その第一の端部が適合されている、請求項1〜7の何れか1項に記載のノズル。
【請求項9】
上記ノズルは、その第一の端部で、チューブ状の本体の末端部と取り外し可能な状態で接続され、ノズル組立部品を形成し、
そのもう一方の末端部における上記本体は、レーザービームをそこから上記本体の中央通路及び上記ノズルの中央通路に沿って通過させるレーザー放出ヘッドと、取り外し可能な状態で接続される、請求項1〜7の何れか1項に記載のノズル。
【請求項10】
上記本体は、上記ノズルの冷却のために冷却水をその中に流すことができるウォータージャケットを定め、
上記本体は、
遮蔽ガスを供給から上記本体の中央通路へとそれを介して通過させるコネクターと、
キャリアガスに同伴される微細な合金粉体を上記ノズルの上記流通システムを通る流れのための供給からそれを介して通過させることができるコネクターと、
を有する、請求項9に記載のノズル。
【請求項11】
上記ノズルは4以上約32以下の出口を有する、請求項1〜10の何れか1項に記載のノズル。
【請求項12】
上記第一の組には4つの通路があり、上記第二の組には8つの通路がある、請求項1〜11の何れか1項に記載のノズル。
【請求項13】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とが、上記ノズルの第二の端部で終わるこれら表面の軸方向の広がりの少なくとも一部において、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細になっている、請求項1〜12の何れか1項に記載のノズル。
【請求項14】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とは、上記ノズルの第一の端部近傍からの軸方向の広がりにおける第一の部分では円筒型であり、
それ以降では、上記表面は上記ノズルの第二の端部まで、円錐状に先細になっている、請求項13に記載のノズル。
【請求項15】
上記外側のスリーブの外側の表面は、上記外側のスリーブの内部表面の全部の形状に従っている、請求項13又は14に記載のノズル。
【請求項16】
上記スリーブの表面は、上記ノズルの軸に対する垂直断面が環状である、請求項1〜15の何れか1項に記載のノズル。
【請求項17】
上記流路システムは、上記外側のスリーブの内部表面と結合する、上記内部スリーブの外側の表面に形成される溝により定められる、請求項1〜16の何れか1項に記載のノズル。
【請求項1】
レーザークラッディング放出ヘッド用の粉体放出ノズルであり、
上記ノズルは、外側のスリーブの内側に配置され且つ外側のスリーブの内部表面と接する外側の表面を有する内部スリーブを含み、
上記内部スリーブは、上記ノズルの第一の端部から第二の端部へと広がり且つノズルを通る軸に沿って上記第一の端部からレーザービームを通過させる中央通路を定め、
上記スリーブはこれらの接触表面に沿って流路システムを定めるように連携し、当該流通システムに沿って、微細な合金粉体は上記ノズルの上記第二の端部において放出するために通過することができ、
上記ノズルは上記第二の端部から離れた位置に注入口を有し、当該注入口を通って、キャリアガスに同伴される上記微細な粉体を、上記ノズルの第二の端部へ流し且つ上記ノズルの第二の端部で放出するために上記流路システムへ供給することができ、
上記流路システムは、上記注入口から上記ノズルの第二の端部若しくはその近傍の上記中央通路の回りに間隔を空けられた複数の出口へと広がる、多く分岐した、縦方向に広がる通路の配置を有し、
通路の上記配置は、上記注入口から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第一の組の通路と、当該第一の組から上記ノズルの第二の端部へと縦方向にそれぞれ広がる第二の組とを含み、
上記第一の組の通路は第二の組の通路から角度に関してずれており、
粉体が第一のセットの各通路から流れるように、第二の組の2つの通路と通じている第一の組の各通路は、環状に広がる通路若しくは地下通路により第二の組の2つの通路へ通っている、ノズル。
【請求項2】
上記第二の組の各通路が上記ノズルの複数の出口の各1つに対して広がっている、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
上記第二の組から広がる第三の組の通路があり、環状に広がる通路若しくは地下通路により、第二の組の各通路は当該第三の組の2つの通路と通じており、
状況に応じて、上記第三の組からから広がる第四の通路があり、第三の組の各通路は、当該第四の組の2つの通路と通じており、
上記第三の組の各通路、又は、もし設けられるなら第四の組の各通路は、上記ノズルの複数の出口の各1つへ広がっている、請求項1に記載のノズル。
【請求項4】
上記複数の出口は、上記ノズルの軸の周りで実質的に均一に分布しており、
少なくとも、上記出口へ広がる、上記組の通路は、上記ノズルの軸の周りに分布している、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項5】
上記一連の通路の組における通路は、環状の連続通路若しくは地下通路により通じている、請求項1〜4の何れか1項に記載のノズル。
【請求項6】
通路の一連の組の通路は、環状の不連続な一連の通路若しくは地下通路により通じている、請求項1〜4の何れか1項に記載のノズル。
【請求項7】
各組における各通路は、上記ノズルの軸を含む各平面と実質的に平行に広がっており、且つ、環状に広がる、上記ノズルの軸に対して垂直の平面と平行である通路若しくは地下通路により、次の組の2つの通路へと通じている、請求項1〜6の何れか1項に記載のノズル。
【請求項8】
上記ノズルは、レーザービームがそこから中央通路に沿って通過するレーザー放出ヘッドと接続するように、並びに上記中央通路に沿った流れにより遮蔽ガスを供給するように、その第一の端部が適合されている、請求項1〜7の何れか1項に記載のノズル。
【請求項9】
上記ノズルは、その第一の端部で、チューブ状の本体の末端部と取り外し可能な状態で接続され、ノズル組立部品を形成し、
そのもう一方の末端部における上記本体は、レーザービームをそこから上記本体の中央通路及び上記ノズルの中央通路に沿って通過させるレーザー放出ヘッドと、取り外し可能な状態で接続される、請求項1〜7の何れか1項に記載のノズル。
【請求項10】
上記本体は、上記ノズルの冷却のために冷却水をその中に流すことができるウォータージャケットを定め、
上記本体は、
遮蔽ガスを供給から上記本体の中央通路へとそれを介して通過させるコネクターと、
キャリアガスに同伴される微細な合金粉体を上記ノズルの上記流通システムを通る流れのための供給からそれを介して通過させることができるコネクターと、
を有する、請求項9に記載のノズル。
【請求項11】
上記ノズルは4以上約32以下の出口を有する、請求項1〜10の何れか1項に記載のノズル。
【請求項12】
上記第一の組には4つの通路があり、上記第二の組には8つの通路がある、請求項1〜11の何れか1項に記載のノズル。
【請求項13】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とが、上記ノズルの第二の端部で終わるこれら表面の軸方向の広がりの少なくとも一部において、上記ノズルの第二の端部へ向かって先細になっている、請求項1〜12の何れか1項に記載のノズル。
【請求項14】
上記内部スリーブの外側の表面と上記外側のスリーブの内部表面とは、上記ノズルの第一の端部近傍からの軸方向の広がりにおける第一の部分では円筒型であり、
それ以降では、上記表面は上記ノズルの第二の端部まで、円錐状に先細になっている、請求項13に記載のノズル。
【請求項15】
上記外側のスリーブの外側の表面は、上記外側のスリーブの内部表面の全部の形状に従っている、請求項13又は14に記載のノズル。
【請求項16】
上記スリーブの表面は、上記ノズルの軸に対する垂直断面が環状である、請求項1〜15の何れか1項に記載のノズル。
【請求項17】
上記流路システムは、上記外側のスリーブの内部表面と結合する、上記内部スリーブの外側の表面に形成される溝により定められる、請求項1〜16の何れか1項に記載のノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−505812(P2009−505812A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527263(P2008−527263)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001205
【国際公開番号】WO2007/022567
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508056349)ハードウェア プロプライエタリー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HARDWEAR PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Itc Building(#39),University Of Wollongong,Northfields Avenue,Wollongong,New South Wales 2522,Australia
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001205
【国際公開番号】WO2007/022567
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508056349)ハードウェア プロプライエタリー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HARDWEAR PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Itc Building(#39),University Of Wollongong,Northfields Avenue,Wollongong,New South Wales 2522,Australia
【Fターム(参考)】
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