説明

粉末の形態における安定な乳酸金属塩の製造方法及び安定な乳酸金属塩

本発明は、粉末の形態の安定な乳酸金属塩の製造方法、該製造の生成物、該乳酸金属塩の安定な粉末を含む、食品用の機能性プレミックス、該安定な乳酸金属塩の粉末を含む食品に関する。本発明に従う方法において、乳酸金属塩を含む濃厚物がミキサー/押出機で冷却しながら加工されて、乳酸金属塩の粉末を形成し、次に乳酸金属塩の粉末がカプセル化剤により部分的にカプセル化される。本発明に従うと、粉末の形態のアルカリ金属塩は、少なくとも1年間貯蔵安定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末の形態の安定な乳酸金属塩、特に粉末の形態の安定な乳酸アルカリ金属塩の製造方法、該製造方法の生成物、該安定な乳酸金属塩の粉末を含む食品用の機能性プレミックス、該安定な乳酸金属塩の粉末を含む食品及び化粧料に関する。
【0002】
乳酸金属塩、より特に乳酸ナトリウムは、とりわけ、種々の調味混合物(flavouringmixture)の重要な成分である。粉末形態の調味混合物の製造にとって、粉末の形態の乳酸ナトリウムを使用することができることは重要である。特にオープンパックの貯蔵の間の安定性はここでは重要な基準である。そのような調味混合物における粉末の形態における乳酸金属塩の良好な製造のために、オープンパックにおける粉末の形態の乳酸金属塩の安定性は、好ましくは少なくとも24時間である。貯蔵の間、乳酸金属塩の粉末は、少なくとも1年間、固化を起こすべきではない。
【0003】
他の分野、例えば化粧料及び洗剤における乳酸金属塩の用途のためにもまた、貯蔵してもなお、固化を起こさず、自由流動性を維持する粉末の形態における製品を有することがしばしば重要である。
【背景技術】
【0004】
粉末の形態の乳酸ナトリウムは、濃縮された乳酸ナトリウム溶液の無水エタノールにおける結晶化により現在は製造されている。その高い吸湿性のために、この粉末は制限された安定性を有する。すなわち、非常に速く水分を吸収し、そうするうちに粘凋な流動体を形成する(一般的に1時間内に、しばしばわずか15分後に)。
【0005】
オランダ国特許出願公開第7106959号は、乳酸ナトリウムの水性溶液が噴霧タワーで噴霧乾燥される、粉末の形態の乳酸ナトリウムの製造方法を開示する。この方法では、噴霧タワーの壁にガラス状の生成物が形成され得る。これはまず食塩溶液を噴霧乾燥し、次に乳酸ナトリウム溶液を噴霧乾燥するすることによりおおむね防がれることができる。しかしこの生成物は所望される安定性を欠いている。本発明の出発点は、水を除く異なる方法であり、該方法においては、乳酸金属塩は、よりエネルギー的に費用のかからない方法で粉末の形態で製造される。さらに、該方法により得られた粉末は固化に対して所望される安定性を有することが見出された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の安定性の問題に解決を与え、粉末の形態における安定な乳酸金属塩の製造のための方法であって、
a)乳酸金属塩を含む濃厚物が、ミキサー/押出機の中で冷却により加工されて、乳酸金属塩の粉末を形成する、そして
b)次に乳酸金属塩の粉末が、カプセル化剤により部分的にカプセル化されて、部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末を形成する
ところの方法に関する。
【0007】
食品成分のカプセル化は公知である。例えば、食品業界、例えば乳製品産業、食肉産業、ベーカリー産業、及び菓子産業において広く使用されている乳酸は、食品組成物において被覆された形態で使用されていると、しばしば報告されている。例えば、欧州特許出願公開第527,570号、米国特許第4,262,027号、及び米国特許第4,576,825号を参照されたい。乳酸は通常、液体の形態であるので、固体組成物を得るためには固体基材と混合することが必要である。欧州特許出願公開第527,570号において、それはグルコースと、米国特許第4,497,845号においては固体の担体と、米国特許第4,511,584号においてはマイクロセルロース又は乳酸カルシウムと、そして米国特許第4,511,592号,米国特許第4,772,477号、及び米国特許第6,153,236号においては乳酸は乳酸カルシウム上に敷かれる。米国特許第4,576,825号においては、液状乳酸は、共軸押出法を用いてカプセル化される。乳酸金属塩のカプセル化は、それほど自明ではない、なぜならほとんどの用途においてカプセル化はその機能を損なうからである。例えば食肉用途において乳酸ナトリウムを使用するとき、その抗菌性及び色を保持する性質を有するために、それは添加するとすぐに肉に溶解することが必要である。他の食品及び化粧料における用途においても同じことがいえる。我々は部分カプセル化により、乳酸金属塩が、改善された貯蔵安定性を有する一方で、その機能が害されないことを見出した。
【0008】
すなわち、本発明のために、乳酸金属塩が部分的にのみカプセル化されていることが本質的である、なぜならそうでないと、使用されたときの乳酸金属塩の機能が害されるからである。カプセル化は、貯蔵の間の固化を防ぐために十分であるべきである。一般的にこの部分カプセル化は、部分的にカプセル化された乳酸金属塩の粉末全体の1〜15重量%の範囲の重量でカプセル化剤を使用するとき得られることが見出された。好ましくは、乳酸金属塩の表面の約5〜95%、より好ましくは10〜50%、最も好ましくは乳酸金属塩の粉末の表面の10〜40%がカプセル化される。カプセル化剤の好ましい量は、部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末合計の4〜8重量%の間である。これらの量で、貯蔵安定性が確保され、一方で粉末のテクスチュア、食品におけるその味は悪影響を受けない。
【0009】
適切なカプセル化剤は、水素化オイル、脂肪、ワックス、炭水化物、例えば抗酸化剤、及び糖、たんぱく質、ポリマー、又はそれらの混合物から選択され得る。
【0010】
乳酸ナトリウム溶液を冷却しながら攪拌/押し出して乳酸ナトリウムの粉末を形成することは、国際公開第03/031358号パンフレットに記載されている。しかし、この特許出願において(部分)カプセル化は記載されていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に従うと、乳酸金属塩は好ましくはアルカリ金属塩、例えば乳酸リチウム、乳酸ナトリウム、又は乳酸カリウム、特に乳酸ナトリウム、又は乳酸のアルカリ土類金属塩、例えば乳酸カルシウム、乳酸マグネシウムである。本発明に従う方法において乳酸亜鉛もまた適切に使用され得る。本発明に従うと、粉末の形態の乳酸アルカリ金属は、閉じられた包装において少なくとも1年間安定である一方、オープンパックにおける安定性は少なくとも24時間である。
【0012】
濃厚物の製造に使用される出発物質は、乳酸金属塩の水性溶液又は懸濁物である。乳酸金属塩は一般的に炭水化物の発酵により得られるので、この50〜70%(m/m)、好ましくは55〜65%(m/m)の水性溶液はまず活性炭で処理され、次に該溶液は60〜100%(m/m)、好ましくは80〜100(m/m)、最も好ましくは90〜100%(m/m)に濃縮される。
【0013】
本発明に従うと、押出機/ミキサーにおける加工は、好ましくは110〜170℃、好ましくは130〜165℃の出発温度において行われる。冷却は10〜100℃、好ましくは20℃〜90℃の間である。適切な押出機/ミキサーは、Haake Rheomix600モデル(商標)、Hobartミキサー、Wemer&Pfiederer Models(商標)、APV−Bakerミキサー/押出機、Simon Freres MxT Model、又は先行技術において公知である任意の他の比較可能な押出機/ミキサーである。
【0014】
もしミキサー/押出機の長さを短くすることが所望される又は必要であるならば、濃厚物は前処理として熱抽出器カラム(heat extractor column)においてまず冷却されることができる。この場合、濃厚物は重力の影響下で、熱抽出器カラムにおいて空気/窒素を用いる向流で冷却され、濃厚物は出発温度に関して20〜50℃冷却される。
【0015】
乳酸金属塩粉末は、工程(b)の前に、所望される粒子サイズに、好ましくは円錐形のフロウミル(floumill)又はハンマーミルで好ましくはすりつぶされる。この粒子サイズは、好ましくは800μm未満、特に200〜800μmである。
【0016】
上述された実施態様に従う方法の工程(b)は、カプセル剤及び乳酸金属塩粉末をミキサー、例えばホバート(Hobart)ミキサー、ターブラ(Turbula)、ナウタ(Nauta)又はフォーバーグ(Forberg)ミキサー又は産業スケールのその同等物に添加すること、及び所望される温度で攪拌することにより実行される。自由流動粉末が得られることを確実にするためには、工程(b)(の一部)は、攪拌下で行われることが好ましい。
【0017】
所望される温度は、使用されるカプセル化剤のタイプに依存する。溶融コーティングが所望されるとき、例えば脂肪が使用されるとき、温度は脂肪の溶融を保証するのに十分高くなければならない。好ましくは、カプセル化されるべき粉末の温度は、カプセル化剤の溶融温度より少し上に上げられる。
【0018】
適切なカプセル化手続は、カプセル化剤の添加、乳酸金属塩の粉末の温度を、カプセル化剤の溶融温度より少し、すなわち2〜15℃上の温度に上げること、及び得られた、部分的にカプセル化された乳酸金属塩の粉末を攪拌下、室温に冷却することを含む。
【0019】
金属乳酸塩粉末の安定性をさらにより改善するために、乳酸金属塩は、担体と混合されてもよい。該担体と混合することは、乳酸アルカリ金属塩を含む粉末を直接形成するためのミキサー/押出機での冷却で加工される前に行われ得る。この方法で、出発物質として使用される濃厚物は、相対的に低く、すなわち60%(m/m)に、濃縮されていてもよい。乳酸金属塩は濃厚物を加工した後に、カプセル化工程の前、間、又は後に冷却と同時に、押出機/ミキサーで担体と混合されてもよい。この方法により、併用された押出(combined extrusion)で得られた粉体と比較されて、粉末における乳酸金属塩の高い濃度が得られ得ることが見出された。この方法において、乳酸金属塩:担体の比は、粉末を含む乳酸金属塩の重量に基づいて、少なくとも99:1〜50:50、好ましくは80:20である。
【0020】
本明細書で使用される担体は、好ましくは穀粉、澱粉、シリケート又は乳酸アルカリ土類金属塩である。穀粉は、好ましくは米の穀粉である。澱粉は好ましくはコーンスターチ、小麦澱粉、又はエンドウ豆澱粉である。シリケートは、好ましくは食品グレードのシリカ、例えばDegussa製のSipernat(商標)22S及び50S、及びZeothix265である。乳酸アルカリ土類金属塩は、好ましくは乳酸カルシウムである。この方法により乳酸金属塩:担体の比は粉末を含む乳酸金属塩の重量に基づいて、50:50〜10:90、好ましくは50:50〜40:60の範囲である。
【0021】
粉末の形態の安定な乳酸金属塩の安定性は、押出機/混合物における加工の間、又は工程(b)の前又は間のいずれかに、適する乳化剤、例えば乳酸ステアリルナトリウム又はレシチンを添加することによりさらに上げられることができる。粉末の形態の安定な乳酸金属塩の安定性及び生成物の特徴は、これらの添加剤により調節されることができ、少なくとも24時間の間の安定性という必要条件は常に満たされる。
【0022】
本発明に従う方法で得られた部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末は、少なくとも1年の貯蔵安定性を有し、そのことは該金属塩を新規なものとし、従って、本発明の課題でもある。その安定性のために、本発明に従う乳酸金属塩粉末は食品における使用、食品用の機能性プレミックスにさえ非常に適するようである。通常、プレミックスは、20〜80重量%の本発明に従う乳酸金属塩を含み得る。(機能性プレミックス又はそれではないもののいずれかにおける)本発明に従う部分的にカプセル化された乳酸金属塩は、食品、例えば飲料、スープ、ソース、肉、鶏肉、及び魚、(生のもの(例えばコールドカット、挽肉、及びマリネされた生の肉)、調理された肉(例えば乳化された赤身及びホールマッスル(whole muscle))の両方を含む)において有利に使用され得る。機能性プレミックスのための追加の成分は、スパイス、保存剤、着色剤、及びフレーバー成分等を含む。該プレミックスは、安定な乳酸金属塩を含む粉末を他の成分と混合することにより製造され得、又は部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末の製造の任意のステージにおいて、他の成分が乳酸金属塩に添加され得る。使用される製造方法に関わらず、本発明に従う乳酸金属塩粉末は、種々の用途において使用される前に、好ましくは800マイクロメートル、より特に200〜800マイクロメートルの粒子サイズにすりつぶされる。本発明は、本発明に従う安定な乳酸金属塩粉末を含む食品及び機能性プレミックスにもまた向けられる。
【0023】
本発明はさらに実施例により説明され、該実施例は例示としてのみ理解されるべきであり、制限的であると理解されるべきではない。
【実施例】
【0024】
部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末の一般的な製造
60〜65%(m/m)の乳酸ナトリウムを含む乳酸金属の水性溶液が大気圧下、又は減圧下のいずれかで蒸発されて、90%(m/m)の乳酸金属を含む濃厚物を与えた。追加の実験において、60〜65%(m/m)の乳酸金属を含む水性溶液が、カプセル化剤と混合され、場合により担体と混合された。カプセル化剤は水素化されたパームオイルであった。使用された担体は、シリカであった。濃厚物、及び場合により担体は、Haake Rheomix600モデルミキサー/押出機で加工されて、約42%(m/m)の乳酸金属を含む粉末を与えた。混合時間及び加工温度はそれぞれ5〜30分、及び90〜130℃であった。カプセル化の前に、乳酸金属塩粉末は粉砕されて、200〜800マイクロメートルの粒子を得た。カプセル化はミキサーで行われた。乳酸金属塩粉末の温度は、最初、空気の風の下で70〜80度まで上げられた。次に、温度は約45℃に下げられ、カプセル化剤が添加された。混合物は約10分間混合され、温度は攪拌下、約60℃に上げられた。得られる部分的にカプセル化された粉末は攪拌下、室温まで冷却された。粉末の温度が45℃より低くなったとき、場合により担体が添加された。
【0025】
実施例1
部分的にカプセル化された乳酸ナトリウム粉末の安定性試験
スパイスのブレンド(50/50)が、部分的にカプセル化された乳酸ナトリウム粉末(96%乳酸ナトリウム、4.75%パームオイル、0.25シリカ)を用いて製造され、そして表1に記載された組成を有するフランクフルトソーセージのスパイスミックスが製造された。比較として、スパイスブレンド(50/50)、及び同じフランクフルトソーセージのスパイスブレンドもまた、カプセル化されていない乳酸ナトリウム粉末を用いて製造された。
【0026】
【表1】

【0027】
スパイスブレンドの安定性は、密閉された瓶にスパイスブレンドを充填し、20〜30℃において貯蔵することにより試験された。試料の水分含有量は4.7%であった。
【0028】
20℃において貯蔵すると、部分的にカプセル化された乳酸ナトリウム粉末によるスパイスブレンドは少なくとも117日間、自由流動のままであるのに対し、カプセル化されていない乳酸ナトリウム粉末と混合されたスパイスブレンドは、25日後に凝集のある自由流動性を示し、117日後に少し固化した。
【0029】
30℃において貯蔵すると、部分的にカプセル化された乳酸ナトリウム粉末によるスパイスブレンドは76日後に固化するのに対し、カプセル化されていない乳酸ナトリウム粉末によるスパイスは、25日後に固化した。
【0030】
実施例2
最適なカプセル化
種々の量のカプセル化剤、すなわちそれぞれ10.7,8.7,6.7,4.7,2.7,及び0%を有する、部分的にカプセル化された乳酸ナトリウムの数種類の粉末が、上述された一般的な製造方法に従って製造された。0%のカプセル化剤を有する試料は4%のシリカを含んでいたが、他の試料はシリカを含んでいなかった。実施例1のフランクフルトソーセージのスパイスミックスでブレンドが製造された。スパイスブレンドはそれぞれ20〜30℃において3.1%の水分含有量を有する密閉された瓶に貯蔵された。20℃において貯蔵されると、カプセル化剤なしの試料(この試料はたった1日後に固化した)以外のすべての試料が少なくとも3月間、自由流動のままでいた。
【0031】
30℃において貯蔵すると、0%のカプセル化剤を有する試料は1日目に固化された。2.7%のカプセル化剤を有する試料は、1月後に固化し始めた。より多くのカプセル化剤を有する試料は、少なくとも2月間、自由流動のままであった。
【0032】
さらにスパイスブレンドは、5.4の水分含有量を有する密閉された瓶において30℃で貯蔵された。この水分含有量において、10.7%の試料はべたつき、すなわち、正しいテクスチュアを有しなかった。従って、4〜8重量%のカプセル化剤を有する試料は正しいテクスチュア及び貯蔵安定性を有することが見出された。
【0033】
実施例3
オープンポット中の安定性
種々の比(20:80,67:33,50:50,0:100w/w)を有するスパイスブレンドが、部分的にカプセル化された乳酸ナトリウム粉末(96%の乳酸ナトリウム、4.75%のパームオイル、0.25のシリケート)で製造され、そして表1に記載された組成を有するフランクフルトソーセージスパイスミックスが製造された。比較として、同じ比を有するスパイスブレンドもまたカプセル化されていない乳酸ナトリウム粉末(96%の乳酸ナトリウム、4%のシリカ)で製造され、同じフランクフルトソーセージのスパイスブレンドが製造された。
【0034】
得られた混合物は20℃、及び60%RHで、オープンポット中で貯蔵された。試料は、安定性について視覚観察によりチェックされた。
結果は表IIにまとめられている。
【0035】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末の形態における安定な乳酸金属塩の製造方法において、
a) ミキサー/押出機で冷却下、乳酸金属塩を含む濃厚物が加工されて、乳酸金属塩の粉末を形成すること、及び
b) 次に乳酸金属塩の該粉末がカプセル化剤により部分的にカプセル化されて、部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末を形成する、
ところの方法。
【請求項2】
工程(b)が攪拌下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カプセル化が溶融コーティングにより行われる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
工程(b)の間に、カプセル化剤が添加され、乳酸金属塩の粉末の温度がカプセル化剤の溶融温度より少し上の温度に上げられ、乳酸金属塩の粉末がカプセル化され、そして得られた部分的にカプセル化された乳酸金属塩の粉末が攪拌下、室温に冷却される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)の前に、乳酸金属塩の粉末がより小さな粒子サイズにすりつぶされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
カプセル化剤が、水素化されたオイル、脂肪、ワックス、炭水化物、たんぱく質、ポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
カプセル化剤の量:乳酸金属塩の量の重量比が1:99〜15:85、より好ましくは4:96〜8:92である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
乳酸金属塩の濃厚物が、乳酸アルカリ金属塩の水性溶液を濃縮することにより得られたところの、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ミキサー/押出機における冷却しながらの加工が、130〜170℃の出発温度において実行され、冷却が10〜100℃まで行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
濃縮される前に、水性溶液が活性炭で処理されているところの、請求項4に記載に方法。
【請求項11】
ミキサー/押出機における冷却しながらの加工の間、濃厚物が熱抽出器カラムにおいて、次にミキサー/押出機において冷却される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
乳酸金属塩が担体と混合される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
担体が穀粉、澱粉、シリケート又は乳酸アルカリ土類金属塩である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ミキサー/押出機中において冷却しながら加工される前に、濃厚物が担体と混合されて、乳酸アルカリ金属塩を含む粉末を形成する、請求項9又は10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
乳酸金属塩を含む粉末の重量に基づいて、乳酸金属塩:担体の比が50:50〜10:90の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
乳酸金属塩の粉末の部分的カプセル化の前、間、又は後に、担体が乳酸金属塩の粉末と混合される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
乳酸金属塩を含む粉末の重量に基づいて、乳酸金属塩の粉末:担体の比が、99:1〜50:50の範囲である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法により得られ得る、部分的にカプセル化された乳酸金属塩の粉末。
【請求項19】
少なくとも1年の貯蔵安定性を有する、部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末。
【請求項20】
請求項18又は19のいずれか1項に記載の部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末を含む機能性プレミックス。
【請求項21】
請求項18又は19のいずれか1項に記載の部分的にカプセル化された乳酸金属塩が使用される、食品の製造方法又は食品の保存方法。
【請求項22】
請求項20に記載の機能性プレミックスが使用される、食品の製造方法又は食品の保存方法。
【請求項23】
請求項18又は19のいずれか1項に記載の部分的にカプセル化された乳酸金属塩粉末を含む食品。
【請求項24】
請求項20に記載の機能性プレミックスを含む食品。
【請求項25】
請求項18又は19のいずれか1項に記載の部分的にカプセル化された乳酸金属塩が使用される、化粧料の保存方法。
【請求項26】
請求項15又は16のいずれか1項に記載の部分的にカプセル化された乳酸金属塩を含む化粧料。


【公表番号】特表2008−506378(P2008−506378A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520830(P2007−520830)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053333
【国際公開番号】WO2006/005754
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(306003419)ピュラック バイオケム ビー.ブイ. (40)
【Fターム(参考)】