説明

粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法及び噴霧液の霧化装置

【解決課題】大量生産が可能な超音波式の噴霧熱分解法による金属酸化物微粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】噴霧液の霧化装置内で、金属塩を含有する噴霧液を超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出する第一工程と、該噴霧液の霧化装置から排出される該霧化した噴霧液を、キャリアーガスと共に、熱分解装置に供給して該噴霧液の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物微粒子を得る第二工程と、
を有することを特徴とする粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波式の噴霧熱分解法により、固体酸化物形燃料電池用の燃料極、電解質又は空気極の材料に用いられる粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池のセルは、電解質を燃料極及び空気極で挟み込むようにして構成され、該電解質、該燃料極及び該空気極ともに金属酸化物又は金属で構成されており、全て固体である。
【0003】
該固体酸化物形燃料電池において、該電解質、該燃料極及び該空気極は、通常、粉末状の金属酸化物粒子を、該電解質、該燃料極及び該空気極用の材料として用いて、それを成形後、焼成することにより、製造される。そして、このような該電解質、該燃料極及び該空気極用の材料として用いられる粉末状の金属酸化物粒子を製造する方法としては、従来より、噴霧液の液滴を熱分解炉に供給して、該噴霧液の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物粒子を得る噴霧熱分解法が用いられていた。
【0004】
該噴霧熱分解法には、噴霧液の液滴を発生させる手法の違いにより、スプレーノズル式(特許文献1参照)及び超音波式(特許文献2参照)がある。スプレーノズル方式の噴霧熱分解法には、大量の噴霧液の液滴を、熱分解炉に供給できるので、生産性に優れているという利点を有する。一方、超音波式の噴霧熱分解法には、霧状の微細な噴霧液の液滴を発生させることができるので、微細な金属酸化物粒子を製造できるという利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案公開平5−74634号公報
【特許文献2】特開2008−71668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
固体酸化物形燃料電池の該電解質、該燃料極及び該空気極は、それらの製造に用いられる粉末状の金属酸化物粒子の粒径が小さい程、また、粒度分布幅が狭い程、出力特性等の電池性能が高くなる。
【0007】
ところが、スプレーノズル方式の噴霧熱分解法では、噴霧液の液滴の径を小さくするには限界があるため、微細な金属酸化物が得られず、また、粒度分布幅も広くなってしまうという問題があった。
【0008】
一方、超音波式の噴霧熱分解法だと、微細且つ粒度分布幅が狭い金属酸化物が得られるものの、大量生産ができないという問題があった。
【0009】
従って、本発明の課題は、大量生産が可能な超音波式の噴霧熱分解法による金属酸化物微粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、噴霧液の霧化装置内で、金属塩を含有する噴霧液を超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出すれば、超音波式で大量に噴霧液の霧を発生させても、発生した霧状の噴霧液を効率良く熱分解装置に供給できるので、微細な金属酸化物粒子が大量に得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明(1)は、噴霧液の霧化装置内で、金属塩を含有する噴霧液を超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出する第一工程と、
該噴霧液の霧化装置から排出される該霧化した噴霧液を、キャリアーガスと共に、熱分解装置に供給して該噴霧液の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物微粒子を得る第二工程と、
を有することを特徴とする粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法を提供するものである。
【0012】
また、本発明(2)は、底部に噴霧液を入れるための噴霧液容器と、噴霧液を霧化するための超音波振動器と、を有し、該噴霧液容器の側面にキャリアーガスの導入口が設けられており、該噴霧液容器の上側の中央付近にキャリアーガスの排出口が設けられていることを特徴とする噴霧液の霧化装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、大量生産が可能な超音波式の噴霧熱分解法による金属酸化物微粒子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る該噴霧液の霧化装置の形態例を示す模式的な側面図である。
【図2】図1に示す噴霧液の霧化装置をx−x線で切った端面図である。
【図3】図1及び図2に示す該噴霧液の霧化装置を用いて該第一工程を行っている様子を示す模式図である。
【図4】図1及び図2中の噴霧液容器の底面を上から見た図である。
【図5】図1に示す噴霧液の霧化装置をy−y線で切った端面図である。
【図6】本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法を実施するための粉末状の金属酸化物微粒子の製造システムの模式的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法は、噴霧液の霧化装置内で、金属塩を含有する噴霧液を超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出する第一工程と、
該噴霧液の霧化装置から排出される該霧化した噴霧液を、キャリアーガスと共に、熱分解装置に供給して該噴霧液の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物微粒子を得る第二工程と、
を有する粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法である。
【0016】
つまり、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法は、超音波式の噴霧熱分解法による粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法である。
【0017】
本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法に係る該第一工程は、該噴霧液の霧化装置内で、該噴霧液を、超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の霧化層を発生させつつ、該キャリアーガスを、該噴霧液の霧化層の周辺付近から導入し、該噴霧液の霧化層の上側に排出することにより、該霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出する工程である。
【0018】
該第一工程に係る該噴霧液の霧化装置について、図1〜図5を参照して説明する。図1は、本発明に係る該噴霧液の霧化装置の形態例を示す模式的な側面図である。図2は、図1に示す噴霧液の霧化装置をx−x線で切った端面図である。図3は、該噴霧液の霧化装置を用いて該第一工程を行っている様子を示す模式図である。図4は、図1中の噴霧液容器の底面を上から見た図である。図5は、図1に示す噴霧液の霧化装置をy−y線で切った端面図である。
【0019】
図1及び図2中、噴霧液の霧化装置10は、底部に該噴霧液を入れるための噴霧液容器1と、該噴霧液を霧化させるための超音波振動器7とを有する。該噴霧液容器1は、台座15上に設置されている。該噴霧液容器1の底6には、穴が開けられており、その穴を塞ぐようにして振動膜9が張られている。該超音波振動器7は、該振動膜9に接触して、該噴霧液容器の底6に設置されている。該噴霧液容器1の側面2には、該噴霧液容器1内にキャリアーガスを導入するためのキャリアーガスの導入口3が、該噴霧液容器1の側面2を囲むようにして12個設けられており、該噴霧液容器1の上側4の中央付近には、キャリアーガスの排出口5が設けられている。また、該噴霧液容器1の上側4に、該噴霧液を該噴霧液容器1内に供給するための噴霧液供給管8が設けられている。
【0020】
該噴霧液の霧化装置10を用いて、該第一工程を行う方法を説明する。図3中、先ず、噴霧液11を、該噴霧液供給管8から供給して、該噴霧液容器1の底部に入れ、所定量の該噴霧液11を該噴霧液容器1の底部に溜める。次いで、該超音波振動器7により、該噴霧液11を超音波振動させて霧化させ、該噴霧液11の液面16より上部に、該噴霧液の霧化層12を発生させる。そして、該噴霧液の霧化層12を発生させつつ、該キャリアーガスの排出口5側から該噴霧液容器1内の空気を吸引することにより、該噴霧液の霧化装置10の周囲にある空気を、該キャリアーガスの導入口3から導入し、該キャリアーガスの排出口5から排出する。なお、この場合は、該噴霧液の霧化装置10の周囲にある空気が、キャリアーガス13となる。
【0021】
このとき、該キャリアーガス13は、該噴霧液の霧化層12の周辺付近から導入されるが、該キャリアーガスの導入口3の上下方向の位置は、該噴霧液11の液面16から該噴霧液の霧化層12の上限17の間にあるので、該キャリアーガス13は、該噴霧液の霧化層12の横側から導入され、該噴霧液の霧化層12の中を通って、該噴霧液の霧化層12の上側に向けて流れる。そのため、霧化した噴霧液は、該キャリアーガス13に同伴されて、該キャリアーガスの排出口5へ運ばれ、装置外へと排出される。
【0022】
このようにして、該第一工程を行う。そして、該第一工程を行うことにより、該噴霧液の霧化装置10から、霧化した噴霧液を含むキャリアーガス18として、該霧化した噴霧液を排出させる。
【0023】
該噴霧液の霧化装置10では、該噴霧液容器1を水平方向で切ったときの形状は、正方形であるが、これに限定されるものではなく、円形、長方形、楕円形等が挙げられる。また、該噴霧液の霧化装置10では、該噴霧液容器1の側面2は、底面に対して垂直に伸びているが、言い換えると、上から下まで水平方向で切ったときの形状が同じ大きさであるが、これに限定されるものではなく、例えば、上側程水平方向で切ったときの形状が大きくなったものや、上側程水平方向で切ったときの形状が小さくなったものや、段階的に水平方向で切ったときの形状が変化するものなど、適宜選択される。また、該噴霧液の霧化装置10では、該噴霧液容器1の上側4は、該キャリアーガスの排出口5から該噴霧液容器1の側面2に向かって傾斜しているが、これに限定されるものではなく、水平であっても傾斜してもよく、また、直線でも曲線でもよい。
【0024】
該噴霧液容器1の底6には、図4に示すように、該振動膜9を張るための穴を開け、その穴を塞ぐように振動膜9を張るという加工が施されている。そして、該振動膜9に振動を伝達できるように、該振動膜9に接触して、該超音波振動器7が、該噴霧液容器の底6に設置されている。つまり、該超音波振動器7は、該噴霧液容器1の底6に、該振動膜9を介して接触するように設置されている。なお、該噴霧液の霧化装置10では、該超音波振動器7は、該噴霧液容器1の外側に、該振動膜9を介して、該噴霧液容器の底6に接触するように設置されているが、該超音波振動器7を、該噴霧液容器1に設置する方法は、これに限定されるものではなく、該噴霧液を霧化させることができる方法であればよい。例えば、該噴霧液容器の内側の底に、該超音波振動器を設置する方法が挙げられる。また、該噴霧液の霧化装置10では、該超音波振動器7の設置数は12個であるが、これに限定されるものではなく、該噴霧液の霧化装置の大きさや該超音波振動器の大きさ等により、適宜選択される。また、該超音波振動器の設置位置は、該噴霧液を霧化させることができる位置であれば、これに限定されるものではなく、該噴霧液の霧化装置の大きさや形状等により、適宜選択される。
【0025】
該噴霧液容器1の側面2には、該噴霧液容器1内にキャリアーガスを導入するための該キャリアーガスの導入口3が、該噴霧液容器1の周囲を囲むようにして設けられている。図5に示すように、該噴霧液の霧化装置10では、該キャリアーガスの導入口3は、該噴霧液容器1の周囲を囲むように、各側面2にほぼ均等間隔に設けられている。該キャリアーガスの導入口3の上下方向の位置は、該噴霧液11を霧化させたときに発生する該噴霧液の霧化層12の横側になる位置、つまり、超音波振動時の該噴霧液11の液面16から該噴霧液の霧化層12の上限17の間である。該噴霧液の霧化装置10では、該キャリアーガスの導入口3の数は12個であるが、これに限定されるものではなく、該噴霧液の霧化層12を囲むように設置されていればよく、該噴霧液の霧化装置の大きさや形状、キャリアーガスの導入口の大きさ等により、適宜選択される。また、該キャリアーガスの導入口3の設置位置は、該噴霧液の霧化層の横側から該キャリアーガス13を導入できる位置であればよく、該噴霧液の霧化装置の大きさや形状等により、適宜選択される。
【0026】
該噴霧液容器1の上側には、該噴霧液容器1から、該霧化された噴霧液を含むキャリアーガス18を排出するための該キャリアーガスの排出口5が設けられている。図1及び図2に示すように、該噴霧液の霧化装置10では、該キャリアーガスの排出口5の位置は、該噴霧液容器1の上側の中央又はその付近である。なお、該キャリアーガスの排出口5の位置を示す場合の中央とは、該噴霧液の霧化層12を上側から見たとき(平面視したとき)の中央のことであり、該噴霧液の霧化装置10の場合は、該噴霧液容器1を平面視したときの中央である。そして、該噴霧液容器1の平面形状が正方形の場合は、対角線の交点が該噴霧液溶器1の中央であり、また、該噴霧液容器1の平面形状が円の場合は、その中心が、該噴霧液溶器1の中央である。該キャリアーガスの排出口5の上下方向の位置及び該キャリアーガスの排出口5が設置される該噴霧液容器1の上側4の上下方向の位置は、該噴霧液11を霧化させたときに発生する該噴霧液の霧化層12の上限17より上であればよい。
【0027】
なお、上記では、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法の説明に、図1〜図5に示す該噴霧液の霧化装置10を例示して説明したが、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法に係る該噴霧液の霧化装置は、これに限定されるものではなく、該第一工程を行うことができるものであれば、すなわち、装置内で、該噴霧液を該超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出することができるものであればよい。
【0028】
該第一工程に係る該噴霧液は、該金属塩を含有しており、溶媒に該金属塩が溶解した噴霧液や、平均粒径が0.01〜0.3μmの金属酸化物微粒子及び該金属塩を含有する噴霧液等である。該噴霧液に含有される該金属塩は、熱分解により金属酸化物に変換されるものであればよい。電解質用の金属酸化物を与える該金属塩として、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、ケイ素、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、バリウム及びニッケルから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩が挙げられ、好ましくはイットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、バリウムから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩である。また、燃料極用の金属酸化物を与える該金属塩として、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、バリウム、銅、ニッケル及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩が挙げられ、好ましくはイットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、バリウム、ニッケルから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩である。また、空気極用の金属酸化物を与える該金属塩として、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル、バリウム、クロム、マンガン及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩が挙げられ、好ましくはイットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル、バリウム、クロム、マンガン及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩である。また、他には、インタコネクター用の金属酸化物を与える該金属塩として、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ニオブ、ガドリニウム、ストロンチウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン及びカルシウムから選ばれる1種又は2種以上の金属の塩が挙げられる。また、該金属塩は、電解質用の金属酸化物を与える該金属塩、燃料極用の金属酸化物を与える該金属塩、空気極用の金属酸化物を与える該金属塩、インタコネクター用の金属酸化物を与える該金属塩のうちの2種以上の組み合わせでもよい。なお、該金属塩は、熱分解により金属酸化物に変換されるものであれば、ここに列挙したもの以外でもよい。該金属塩の形態としては、特に制限されず、例えば、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物塩等が挙げられる。
【0029】
該平均粒径が0.01〜0.3μmの金属酸化物微粒子に係る該金属酸化物としては、例えば、電解質用の金属酸化物として、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリウムドープセリア、サマリウムドープセリア、ランタンガレート、バリウムセレネート、バリウムジルコネート、ストロンチウムセレネート、ストロンチウムジルコネートが挙げられ、また、燃料極用の金属酸化物として、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化銅、またこれらと上記電解質用の金属酸化物の混合物が挙げられ、また、空気極用の金属酸化物として、ランタンマンガナイト、ランタン鉄、ランタンコバルタイト、ランタン鉄コバルト、ランタンニッケル鉄、またこれらと上記電解質用の金属酸化物の混合物が挙げられ、また、インタコネクター用の金属酸化物として、ランタンクロマイト、カルシウムチタネート、ストロンチウムチタネートが挙げられる。
【0030】
該金属塩が溶解されている溶媒や、該平均粒径が0.01〜0.3μmの金属酸化物微粒子が分散されている溶媒等の該噴霧液の溶媒としては、特に制限されず、例えば、水、アルコール等が挙げられる。
【0031】
該噴霧液中の該金属塩の含有量は、0.001〜10mol/L、好ましくは0.03〜3mol/L、特に好ましくは0.01〜1mol/Lである。
【0032】
該噴霧液を調製する方法としては、特に制限されず、例えば、該金属塩を該溶媒に溶解させる方法が挙げられる。
【0033】
該第一工程では、該噴霧液の霧化装置内で、該噴霧液を、該超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の霧化層を発生させる。超音波振動を行っている際は、該噴霧液11の液面16は、揺れて上限に波打つため、該噴霧液11の液面16が波打っても、該噴霧液が該キャリアーガスの導入口3から外へこぼれ出ないように、該噴霧液容器1に供給する該噴霧液11の量を調節する。また、該噴霧液は、霧化して装置外へ排出されるので液量が減少するが、該液面16の高さが低くなり過ぎて、該噴霧液の霧化層12の上限17の位置が、該キャリアーガスの導入口3の位置より低くなってしまうと、該霧化された噴霧液は、該キャリアーガス13に同伴されなくなるので、該噴霧液の霧化層12の上限17の位置が、該キャリアーガスの導入口3の位置より上になるように、該噴霧液供給管8からの該噴霧液11の供給速度を調節して、該噴霧液11の液面16の位置を調節する。
【0034】
また、超音波振動により該噴霧液11の液面16の上部に発生する該噴霧液の霧化層12の上限17の位置が、該キャリアーガスの導入口3より上にならないと、該キャリアーガス13を該キャリアーガスの導入口3から導入しても、該霧化された噴霧液は、該キャリアーガス13に同伴されないので、超音波振動を行っている際は、該噴霧液の霧化層12の上限17の位置が、該キャリアーガスの導入口3より上になるように、該超音波振動器7の出力や、該噴霧液11の液面16の位置等を調節する。
【0035】
該第一工程では、該噴霧液の液面より上部に該噴霧液の霧化層を発生させつつ、該キャリアーガスを、該噴霧液の霧化層の周辺付近から導入し、該噴霧液の霧化層の上側に排出する。
【0036】
該キャリアーガスを導入する平面方向の位置は、該噴霧液の霧化層の周辺を囲むようにして配置されるが、導入位置の数は、装置の大きさ等により適宜選択される。
【0037】
該キャリアーガスを導入する上下方向の位置は、該噴霧液の液面から該噴霧液の霧化層の上限の間である。このことにより、該キャリアーガスを、該噴霧液の霧化層の横側から導入できる。そして、該キャリアーガスを導入する上下方向の位置は、該噴霧液の液面と該噴霧液の霧化層の上限との中間位置より下側であることが、より多くの霧化した該噴霧液をキャリアーガスで同伴し易くなるため、好ましい。
【0038】
なお、該噴霧液の霧化層の周辺とは、該噴霧液の霧化層を上側から見たとき(平面視したとき)に、該噴霧液の霧が発生している外縁である。そして、該キャリアーガスを、該噴霧液の霧が発生している外縁又はその近傍から導入するが、平面視したときに、該外縁より外側から、あるいは、該外縁より内側から、該キャリアーガスを導入してもよい。
【0039】
該キャリアーガスを排出する上下方向の位置は、該噴霧液の霧化層の上限より上側であればよい。また、該噴霧液の霧化層を平面視したときの該キャリアーガスを排出する位置は、該噴霧液の霧化層の中央付近であることが好ましい。
【0040】
該キャリアーガスを、該キャリアーガスの導入口から導入し、該キャリアーガスの排出口から排出する方法は、吸引式又は送風式のいずれでもよく、あるいは、両方式の併用であってもよい。該吸引式の場合は、吸引装置により、該噴霧液の霧化装置のキャリアーガスの排出側から該キャリアーガスを吸引することにより行う。また、該送風式の場合は、送風装置により、該噴霧液の霧化装置のキャリアーガスの導入側から該キャリアーガスを送風することにより行う。これのうち、吸引式及び送風式を組み合わせた併用形式が、該噴霧液の霧化装置内で発生させた該霧化した噴霧液を、効率良く装置外へ排出させることができる点で好ましい。
【0041】
該キャリアーガスとしては、通常、空気であるが、特に制限されず、酸素ガス、酸素を含有する窒素ガス等であってもよい。
【0042】
このようにして、該第一工程を行い、該噴霧液の霧化装置から、該霧化した噴霧液を含むキャリアーガスを排出する。
【0043】
次いで、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法では、該第二工程を行う。
【0044】
該第二工程は、該噴霧液の霧化装置から排出される該霧化した噴霧液を、該熱分解装置に導入して、該噴霧液中の該金属塩の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物微粒子に変換する工程である。
【0045】
該第二工程について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法を実施するための粉末状の金属酸化物微粒子の製造システムの模式的なフロー図である。図6中、粉末状の金属酸化物微粒子の製造システム20は、該噴霧液の霧化装置10と、熱分解装置21と、捕集部23と、吸引装置24と、を有し、この順に配管で繋がれている。
【0046】
先ず、該噴霧液の霧化装置10に、該噴霧液11を供給して、超音波振動器により該噴霧液11を霧化させつつ、該吸引装置24で、該熱分解装置21の後段から、該噴霧液の霧化装置10内のガスを吸引することにより、該キャリアーガス13を、該キャリアーガスの導入口から導入し、該キャリアーガスの排出口から排出して、該第一工程を行う。
【0047】
次いで、第一工程行うことにより、該噴霧液の霧化装置10から排出される該霧化した噴霧液を含むキャリアーガス18を、該熱分解装置21に供給することにより、該噴霧液中の該金属塩を熱分解して金属酸化物に変換して、該金属酸化物微粒子を生成させて、該第二工程を行う。
【0048】
そして、該第二工程を行い生成した該金属酸化物微粒子を、該捕集部23で捕集して、該粉末状の金属酸化物微粒子を得る。
【0049】
該第二工程では、該霧化した噴霧液が、該熱分解装置の加熱炉で加熱されることにより、先ず、該霧化した噴霧液から溶媒が蒸発し、次いで、該金属塩が酸化分解して、該金属酸化物微粒子となる。
【0050】
該第二工程に係る該熱分解装置としては、通常、噴霧熱分解法に用いられている装置であればよい。
【0051】
該熱分解装置の加熱炉は、1段の加熱炉であっても、それぞれ設定温度が異なる複数の加熱炉を連結させた多段の加熱炉であってもよい。
【0052】
そこで、該加熱炉が1段の場合、加熱炉の温度は500〜1200℃、好ましくは800〜1200℃である。
【0053】
また、該加熱炉を2段の加熱炉にする場合は、前段の温度は100〜600℃、好ましくは100〜400℃、後段の温度は400〜1200℃、好ましくは600〜1200℃である。
【0054】
また、該加熱炉を3段の加熱炉にする場合、前段の温度は100〜600℃、好ましくは100〜500℃、中段の温度は400〜800℃、好ましくは600〜800℃、後段の温度は600〜1200℃、好ましくは800〜1200℃である。
【0055】
また、該加熱炉を4段の加熱炉にすることもできる。この場合、1段目の温度は100〜400℃、好ましくは100〜300℃、2段目の温度は300〜700℃、好ましくは300〜600℃、3段目の温度は500〜900℃、好ましくは600〜800℃、4段目の温度は700〜1200℃、好ましくは800〜1200℃である。
【0056】
また、更に該加熱炉の設定温度を細分化して、該加熱炉を5段以上の加熱炉にすることもできる。
【0057】
該捕集部23で捕集して得られる該粉末状の金属酸化物微粒子は、つまり、本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法を行い得られる該粉末状の金属酸化物微粒子は、超音波振動器により発生させた霧状の粒径が非常に小さい噴霧液の液滴を、熱分解して得られるものなので、粒径が非常に小さい。該粉末状の金属酸化物微粒子の平均粒径は、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。また、該粉末状の金属酸化物微粒子は、超音波振動器により発生させた噴霧液の液滴を、熱分解して得られるものなので、粒度分布幅が狭い。該粉末状の金属酸化物微粒子の粒度分布幅は、0.05〜20μm、好ましくは0.1〜10μmである。また、該粉末状の金属酸化物微粒子のBET比表面積は、1〜20m/g、好ましくは2〜10m/gである。なお、本発明において、該粉末状の金属酸化物微粒子の平均粒径は、株式会社島津製作所 レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−7000により測定されたものであり、また、該粉末状の金属酸化物微粒子の粒度分布幅は、株式会社島津製作所 レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−7000により測定されたものである。
【0058】
本発明の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法では、該噴霧液に含有させる該金属塩を種々選択することにより、該粉末状の金属酸化物微粒子を形成している該金属酸化物の種類を選択できる。
【0059】
例えば、該粉末状の金属酸化物微粒子に係る該金属酸化物としては、電解質用の金属酸化物として、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリウムドープセリア、サマリウムドープセリア、ランタンガレート、バリウムセレネート、バリウムジルコネート、ストロンチウムセレネート、ストロンチウムジルコネートが挙げられ、また、燃料極用の金属酸化物として、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化銅、またこれらと上記電解質用の金属酸化物の混合物が挙げられ、また、空気極用の金属酸化物として、ランタンマンガナイト、ランタン鉄、ランタンコバルタイト、ランタン鉄コバルト、ランタンニッケル鉄、またこれらと上記電解質用の金属酸化物の混合物が挙げられ、また、インタコネクター用の金属酸化物として、ランタンクロマイト、カルシウムチタネート、ストロンチウムチタネートが挙げられる。
【0060】
このようにして得られた該粉末状の金属酸化物微粒子を用いて、通常、固体酸化物形燃料電池用の電解質、燃料極及び空気極等を製造するための製造方法に従い、微細な金属酸化物粒子により製造される電解質、燃料極及び空気極が得られる。そして、このようにして得られる電解質、燃料極及び空気極は、スプレーノズル方式の噴霧熱分解法により製造される粉末状の金属酸化物粒子を用いたものに比べ、金属酸化物粒子の粒径が小さいため、電池性能が高くなる。
【0061】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
(噴霧液の調製用溶液1)
硝酸ランタン六水和物30.3g、硝酸ストロンチウム6.35g及び硝酸マンガン六水和物28.7gを秤量し、純水に溶解させた、次いで、水溶液量が1000mlになるようにさらに純水を加え、噴霧液の調製用溶液1を調製した。
(噴霧液の調製用溶液2)
硝酸イットリウム六水和物6.13g及びオキシ硝酸ジルコニウム二水和物24.6gを秤量し、純水に溶解させ、次いで、水溶液量が1000mlになるようにさらに純水を加え、噴霧液の調製用溶液2を調製した。
(噴霧液の調製)
噴霧液の調製用溶液1と噴霧液の調製用溶液2を、50ml:110mlの比で混合して、噴霧液を得た。
【0063】
(噴霧熱分解)
次いで、該噴霧液を用いて、図6に示す該粉末状の金属酸化物微粒子の製造システム20(キャリアーガスの導入方式については吸引式及び送風式の組み合わせ)により、粉末状の金属酸化物微粒子の製造を行った。得られた粉末状の金属酸化物微粒子aの組成は、La0.7Sr0.3MnOが45質量%であり、8YSZ(Yが8mol%のイットリア安定化ジルコニア)が55質量%であった。また、得られた粉末状の金属酸化物微粒子aの平均粒径は1.0μm、粒度分布幅は0.1〜3.0μm(D10=0.6μm、D90=1.7μm)、BET比表面積2.7m/gであった。各装置の仕様及び運転条件を下記に示す。
【0064】
<噴霧液の霧化装置>
装置:図1に示す該噴霧液の霧化装置10
噴霧液容器の底面形状:500mm×500mmの正方形
超音波振動器の数:3×4の12個
キャリアーガスの導入口の大きさ及び数:φ8mm、各側面の3個×4面=12個
キャリアーガスの導入口の上下方向の位置:静止状態の噴霧液の液面の3cm上、液面は容器底面から1cm。
キャリアーガスの排出口の大きさ及び数:φ100mm、1個
キャリアーガスの排出口の位置:静止状態の噴霧液の液面より200mm上
<噴霧液の霧化装置の運転条件>
噴霧液の供給速度:10mL/分
キャリアーガス:装置周辺の空気
キャリアーガスの導入方法:キャリアーガスの導入口からコンプレッサーにて送風すると共に、熱分解装置の後段の吸引装置により吸引した。
<熱分解装置>
1段式電気炉:炉内温度700℃
【0065】
(粉末状の金属酸化物微粒子の性能評価)
<空気極層の形成>
上記のようにして得られた粉末状の金属酸化物微粒子a10g、フタル酸ジ−n−ブチル0.5g、分散剤(マリアリム)0.3g、エチルセルロース45cp0.5g、αテレピネオール4gを乳鉢にて30分間混合し、空気極層形成用スラリーを得た。
次いで、得られた空気極層形成用スラリーを、スクリーン印刷法にて、塗布後の膜厚が20μmとなるように成形し、乾燥した。次いで、成形膜を、1200℃で、3時間焼成し、空気極層aを得た。
【0066】
作製した空気極層aについて、空気雰囲気下、800℃での界面抵抗を測定した。抵抗測定には交流インピーダンス法を用いた。その結果、空気極層aの界面抵抗値は160mΩcmであった。
【0067】
(比較例1)
(噴霧熱分解)
噴霧液の霧化装置10に代えて、スプレーノズル式の噴霧装置を用いること以外は、実施例1と同様の方法(キャリアーガスの導入については吸引式及び送風式の組み合わせ)で行い、粉末状の金属酸化物粒子bを得た。得られた粉末状の金属酸化物粒子bの組成は、La0.7Sr0.3MnOが45質量%であり、8YSZ(Yが8mol%のイットリア安定化ジルコニア)が55質量%であった。また、得られた粉末状の金属酸化物粒子bの平均粒径は2.8μm、粒度分布幅は0.2〜25μm(D10=0.5μm、D90=12μm)、BET比表面積は2.5m/gであった。
【0068】
(粉末状の金属酸化物粒子の性能評価)
粉末状の金属酸化物微粒子aに代えて、粉末状の金属酸化物粒子bとすること以外は、実施例1と同様の方法で行い、空気極層bを得た。その結果、空気極層bの界面抵抗値は629mΩcmであった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、微細な金属酸化物微粒子を量産できる。
【符号の説明】
【0070】
1 噴霧液容器
2 側面
3 キャリアーガスの導入口
4 上側
5 キャリアーガスの排出口
6 底
7 超音波振動器
8 噴霧液供給管
9 振動膜
10 噴霧液の霧化装置
11 噴霧液
12 噴霧液の霧化層
13 キャリアーガス
15 台座
16 噴霧液の液面
17 噴霧液の霧化層の上限
18 霧化した噴霧液を含むキャリアーガス
21 熱分解装置
22 金属酸化物微粒子
23 捕集器
24 吸引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧液の霧化装置内で、金属塩を含有する噴霧液を超音波振動器により霧化させて、該噴霧液の液面より上部に噴霧液の霧化層を発生させつつ、該噴霧液の霧化層の周辺付近からキャリアーガスを導入し、該噴霧液の霧化層の上側に該キャリアーガスを排出することにより、霧化した噴霧液を該キャリアーガスに同伴させて該噴霧液の霧化装置から排出する第一工程と、
該噴霧液の霧化装置から排出される該霧化した噴霧液を、キャリアーガスと共に、熱分解装置に供給して該噴霧液の熱分解を行い、粉末状の金属酸化物微粒子を得る第二工程と、
を有することを特徴とする粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記噴霧液の霧化装置が、底部に噴霧液を入れるための噴霧液容器と、噴霧液を霧化するための超音波振動器と、を有し、該噴霧液容器の側面にキャリアーガスの導入口が設けられており、該噴霧液容器の上側の中央付近にキャリアーガスの排出口が設けられている噴霧液の霧化装置であることを特徴とする請求項1記載の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記熱分解装置の後段から吸引することにより、前記キャリアーガスの導入口から、前記キャリアーガスを導入することを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法。
【請求項4】
前記キャリアーガスの導入口の上下方向の位置は、前記噴霧液の液面から該噴霧液の霧化層の上限の間にあることを特徴とする請求項2又は3いずれか1項記載の粉末状の金属酸化物微粒子の製造方法。
【請求項5】
底部に噴霧液を入れるための噴霧液容器と、噴霧液を霧化するための超音波振動器と、を有し、該噴霧液容器の側面にキャリアーガスの導入口が設けられており、該噴霧液容器の上側の中央付近にキャリアーガスの排出口が設けられていることを特徴とする噴霧液の霧化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−222182(P2010−222182A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71277(P2009−71277)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】