説明

粉粒体の解砕整粒装置

【課題】ステータの分解・組み立てが容易な、すなわち、円板ロータおよびステータの洗浄および交換作業が容易な粉粒体の解砕整粒装置を提供すること。
【解決手段】複数枚の円板ロータ32を設置した駆動軸24を軸受ハウジング21で片持ち支持させ、複数本のステータ39をホルダー42に設置してステータアッセンブリ38を構成するとともに、該ステータアッセンブリを軸受ハウジング21に着脱自在に設置し、ケーシング31の側壁に開口31cを形成し、該開口を介して円板ロータ32とステータアッセンブリ38とを収容して、ケーシング31を軸受ハウジング21に着脱自在に設置させたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種装置で造粒又は成形された医薬品,食品,飼料,化学薬品,肥料,粉炭,石灰石,セラミックス材料等の種々の湿潤又は乾燥材料を所定の粒度に整粒する粉粒体の解砕整粒装置に係り、詳しくは、各種装置で造粒又は成形された湿潤凝集物や乾燥塊状物等の目的粒度以上の造粒物(ダマ)を解砕して、一定の粒度範囲に整える粉粒体の解砕整粒装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、医薬,食品分野をはじめとする幅広い分野では、粉粒体の混合,造粒,整粒操作が行われている。そして、製品生成過程における粒度調整作業は、粉粒体の品質向上,流動乾燥時における流動化の向上,ハンドリング改善などのために重要な単位操作の一つとなっており、その作業において解砕整粒装置が使用される。
【0003】
このような粉粒体の解砕整粒装置としては、本件出願人が先に提供したものがある(特許文献1)。
この粉粒体の解砕整粒装置は、水平な方向に配設された駆動軸に間隔をもって固定支持された複数枚の円板ロータと、それらの円板ロータの下方においてその周縁部の板面にそれぞれ対向して設置され、かつ該円板ロータの板面に対してその周縁に向かって間隙を小さくする傾斜面をもった複数個の半円弧状のステータとによって構成し、前記円板ロータの板面と前記ステータの傾斜面とによって粉粒体が滞留するホッパー状の間隙部を構成すると共に、前記円板ロータの周縁と前記ステータとの最狭間隙部によって解砕整粒部を構成したものである。
そして、この粉粒体の解砕整粒装置では、処理する粉粒体を円板ロータの上方から円板ロータの周縁板面とステータの傾斜面とによって画成される間隙部に供給し、最狭間隙部において粉粒体を解砕整粒して下方に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4113222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記粉粒体の解砕整粒装置では、円板ロータおよびステータを洗浄するに際して、それらを分解しなくてはならいが、その複数個のステータがケーシング内に差渡して設置された複数本の固定軸にスペーサを介して組付ける構造であるため、ステータの取り外し,取り付けが煩雑になっていた。また、円板ロータを交換する場合には、まず粉粒体投入ケーシングとケーシング本体とを取り外し、次にプーリからベルトを外し、さらに円板ロータが固定された状態の駆動軸をそのまま保持されている軸受から取り外した後、各円板ロータを駆動軸から取り外す必要があった。そして、円板ロータの取り付けにおいては、上記と反対の手順で行わなければならず、円板ロータの取り外し、取り付けも煩雑になっていた。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みて、ステータの分解・組み立てが容易な、すなわち、円板ロータおよびステータの洗浄および交換作業が容易な粉粒体の解砕整粒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、本発明の粉粒体の解砕整粒装置では、ケーシングの上部供給口から供給された粉粒体を、水平な駆動軸に所定間隔をもって設置された複数枚の円板ロータの周縁板面と、前記複数枚の円板ロータの下方周縁間に設置した複数個のステータとによって画成される間隙によって解砕整粒し、その解砕整粒された粉粒体を前記ケーシングの下部排出口へ排出させる粉粒体の解砕整粒装置において、前記駆動軸を軸受ハウジングで片持ち支持させ、前記複数本のステータをホルダーに設置してステータアッセンブリを構成するとともに、該ステータアッセンブリを前記軸受ハウジングに着脱自在に設置し、前記ケーシングの側壁に開口を形成し、該開口を介して前記円板ロータと前記ステータアッセンブリとを収容して、前記ケーシングを軸受ハウジングに着脱自在に設置させたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記発明において、上記ステータアッセンブリを、上記円板ロータと同心の半円筒状を成し、円板ロータの下方周縁に対応する位置に円弧に沿った複数本の長孔が形成され、それらの長孔間に帯状部が形成されたホルダーの該帯状部に、断面が略三角形状で半円弧状を成すステータを設置することによって形成したものとしてもよい。
この発明によれば、長孔の幅を変えたステータアッセンブリを複数用意しておき、これらを交換することによって、解砕整粒部(最狭間隙部)の間隔調整、すなわち整粒粒度の調整を非常に速やかに行えるようになる。
【0009】
また、上記発明において、上記円板ロータの周縁板面に、円柱状で、かつ一部に平面部を有するピンを、前記平面部が前記円板ロータの周縁に行くにしたがって前記円板ロータの進行方向後方へ向かって傾斜させた状態で立設させるようにしてもよい。
この発明によれば、円板ロータの回転に伴い、ピンの平面部で処理物を円板ロータの周縁とステータとの間隙に押出すので、処理物の解砕整粒効率を高めることができる。
【0010】
また、上記発明において、上記ピンの長手方向中間部を非円柱形に形成するとともに、上記円板ロータに前記ピンの該中間部の断面形状に対応する形状の孔を形成し、該孔に前記ピンの該中間部を挿嵌することによって、前記ピンの平面部を所定の方向を向くように位置決めするようにしてもよい。
この発明によれば、ピンの長手方向中間部を円板ロータの孔に挿嵌するだけで、平面部の位置決めが図れるので、ピンの取り付け作業が容易になる。
【0011】
また、上記発明において、上記ステータをポリテトラフルオロエチレンによって形成してもよい。
この発明によれば、ポリテトラフルオロエチレンは表面が滑らかなので、処理物の付着(堆積)を防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明によれば、ケーシングが駆動軸を覆うように軸受ハウジングに着脱自在に設置されており、ケーシングを容易に取り外すことができ、また、複数のステータを備えたステータアッセンブリが軸受ハウジングに着脱自在に設置されており、ステータアッセンブリを軸受ハウジングから取り外すことによって複数のステータを一度に円板ロータから取り外すことができるので、円板ロータおよびステータの洗浄作業が容易かつ迅速に行なうことができる。
【0013】
また、円板ロータおよびステータを交換する場合に、ケーシングを取り外すだけで、円板ロータを備えた駆動軸の自由端が露出されるため、円板ロータの交換が容易に行なえ、また、ステータアッセンブリを取り外すことによって複数のステータを一度に取り外すことができ、他に用意したステータアッセンブリを取り付けることによって複数のステータを一度に取り付けることができるので、ロータおよびステータの交換を容易かつ迅速に行なうことができ、それによって解砕整粒部(最狭間隙部)の間隔調整、すなわち整粒粒度の調整を速やかに行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置を概念的に示した分解斜視図である。
【図2】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置の縦断面図である。
【図3】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置の円板ロータを示した斜視図である。
【図4】図3に示した円板ロータの分解斜視図である。
【図5】図3に示した円板ロータの正面図である。
【図6】図3に示した円板ロータの側面図である。
【図7】図3に示した円板ロータにおけるピンの植設状態を示したもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図8】図3に示した円板ロータにおけるピンの植設状態を示したもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
【図9】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置のステータアッセンブリで、ステータとホルダーとを分解して示したもので、(a)はステータの斜視図、(b)はホルダーの斜視図、(c)はステータの断面構造を示した(a)図I−I線に沿う部分の拡大断面図である。である。
【図10】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置のステータアッセンブリを示したもので、(a)は全体を示した斜視図、(b)はステータとホルダーとの固定構造を示した(a)図II−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【図11】本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置の解砕整粒部における要部を拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置を、図面に示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図面に示した本発明に係る粉粒体の解砕整粒装置1は、動力部10と、軸受部20と、粉粒体の解砕整粒部30とによって構成されている。
【0017】
動力部10では、モータ11がモータベース12に支持され、出力軸13が水平方向に突出されている。
【0018】
軸受部20では、円筒状の軸受ハウジング21が架台22に支持され、軸受ハウジング21の一端には、矩形状のブラケット23が配設されている。軸受ハウジング21内には、図2に示すように、駆動軸24の両端がボールベアリング25,26によって支持されている。そして、駆動軸24の一端はブラケット23を経て解砕整粒部30へ延設されている。この駆動軸24の延設部24aは、軸芯に対して垂直な断面が矩形に形成されている。また、駆動軸24の他端24bは、カップリング14によってモータ11の出力軸13に連結されている。
【0019】
解砕整粒部30は、上部に粉粒体の供給口31aを有し、下部に解砕整粒された粉体の排出口31bを有する角筒状のケーシング31を備えている。このケーシング31の一側面には、開口31cが形成されている。そして、ブラケット23の解砕整粒部30側の一側面は、その全周縁が一定の深さで切り欠かれていて、ケーシング31は、その開口31cが、いわゆるインロー式でブラケット23の該切り欠き部23aに嵌合され、パッチン錠(ゲートファスナー)やボルト・ナットなど適宜な手段(図示省略)によってブラケット23に固定される。この状態において、駆動軸24の延設部24aがケーシング31内に収容される。
【0020】
駆動軸24の延設部24aには、解砕整粒部30の一方の主要要素である複数枚(実施の形態では5枚)の円板ロータ32が装着される。
【0021】
円板ロータ32は、図3〜図6に示すように、その中心に駆動軸24の延設部24aに対応する矩形孔32aが形成され、両板面周縁に複数個(実施の形態では6個)の円柱状のピン33が等間隔に配設され、それらのピン33の間で、かつそれよりも周縁方向に複数個(実施の形態では6個)の円柱状のピン34が等間隔に配設されている。
【0022】
ピン33は、図4および図7に示すように、長手方向中間部に大径の円柱部33aが形成され、その円柱部33aを円板ロータ32に形成した円形孔32bに挿嵌させ、溶接等によって固着される。また、ピン34は、図4および図8に示すように、長手方向中間部に角柱部34aを有し、両端円柱部にその長手方向に沿って断面D字形状に一部切り欠いた平面部34bを備えている。そして、この平面部34bが、図5および図8に示すように、円板ロータ32の周縁に行くにしたがって円板ロータ32の進行方向後方に向かって傾斜して配置されるように、ピン34は、角柱部34aを円板ロータ32に形成した矩形孔32cに挿嵌させ、溶接等によって固着される。
【0023】
なお、上記実施の形態では、ピン34の長手方向中間部に角柱部34aを形成し、その角柱部34aを同形状に形成した円板ロータ32の矩形孔32cに挿嵌させることによって、平面部34bの向きを所定の方向に向くように位置決めさせているが、ピン34の長手方向中間部の断面形状を非円形に形成するとともに、円板ロータ32にピン34の長手方向中間部の断面形状に対応する形状の孔を形成してもよい。
【0024】
上記のように形成された円板ロータ32は、図2に示すように、それらの間にスペーサ35を介在させて駆動軸24の延設部24aに嵌合させ、さらに、カラー36を介し、ボルト37を延設部24aの端面に螺合締結することによって駆動軸24に固定される。この場合、相隣合う円板ロータ32間の距離は、スペーサ35の厚みによって調整される。
【0025】
また、円板ロータ32の下方周縁外方には、ステータアッセンブリ38が設置される。ステータアッセンブリ38は、図1に示すように、円板ロータ32と同心の半円弧を成し、放射方向の断面が三角形を成すステータ39,40,41と、円板ロータ32と同心の半円筒状を成すホルダー42とによって構成されている。ステータ39は、図9に示すように、断面が二等辺三角形を成し、該二等辺三角形の頂点から底辺に向けて垂直に、同心でかつ連通する内径の大きな円形孔39aと内径が小さな円形孔39bとが複数個(実施の形態では3個)長手方向に沿って形成されている。また、各円形孔39aに直交する円形孔39cが形成されている。一方、ホルダー42は、円弧に沿った長孔43が平行かつ等間隔に形成され、それらの長孔43間にステータ39の底面を取り付けるための帯状部44が形成されている。帯状部44にはステータの円形孔39a,39bに対応する位置に雌ねじ44aが形成されている。そして、ステータ39は、図10に示すように、キャップスクリュー47を用いてホルダー42に固着される。また、ステータの円形孔39aに嵌合する形状のキャップ48にも、水平方向に、上記ステータの円形孔39cと連通する円形孔48aが形成されており、ステータの円形孔39aにキャップ48を嵌合した後、ステータの円形孔39cとキャップの円形孔48aにスプリングピン49を挿通固定することにより、上記ステータ39の各円形孔39aが塞がれる。
なお、上記の方法に代えて、ステータ39の底面全長に亘って複数個の突起を形成し、ホルダー42の帯状部44の、この突起に対応する位置に孔を形成し、ステータ39の突起を帯状部44の孔に挿嵌させ、溶接等によって、ステータ39をホルダー42に固着してもよい。
【0026】
また、ステータ40,41は、図1に示すように、断面が直角三角形を成している。そして、図2に示すように、ステータ40の直角を成す一面がブラケット23にねじ40aによって固定され、ステータ41の直角を成す一面がケーシング31の側壁にねじ41aによって固定される。
【0027】
なお、上記実施の形態では、図1及び図2に示すように、ステータ40,41の大きさをステータ39よりも大きく、具体的には両ステータ40,41の外径はステータ39とほぼ同じで、内径はこれよりも小さく形成している。これは、ステータ40,41の傾斜面の高さを高くし、ケーシング31の側壁およびブラケット23の内面付近に供給された粉粒体を、この部分に停滞することなく速やかに間隙Aへ案内するためである。
また、同様の理由により、ステータ40,41の両端部は、図1に示すように、斜め下方に切り欠かれた形状をしており、ステータ39の両端部は、図9に示すように、左右対象に斜め下方に切り欠かれた形状をしている。
ここで、ステータ39(キャップ49を含む),40,41は、表面が滑らかな材質、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いて形成されていることが好ましい。
【0028】
また、ホルダー42の一端外周面には、図10に示すように、周方向複数箇所にステー45が立設されており、そのステー45には、ねじ挿通孔45aが形成されている。一方、ブラケット23には、図1に示すように、ねじ挿通孔45aに対応する位置に雌ねじ23bが形成さている。そして、図2に示すように、ホルダー42は、ねじ挿通孔45aに挿通させたボルト46をブラケット23の雌ねじ23bに螺合させることによって、ブラケット23に固定される。
【0029】
この粉粒体の解砕整粒装置1では、円板ロータ32,32の約下半分である下方において、その周縁部間にステータ39が配置され、図11に示すように、円板ロータ32の周縁板面とステータ39の傾斜面とによってホッパー状の間隙部Aが画成される。
【0030】
そして、この粉粒体の解砕整粒装置1では、円板ロータ32が回転されている状態で、原料である湿潤凝集物や乾燥塊状物等の粉粒体を供給口31aからケーシング31内に投入すると、その粉粒体は、先ず、ピン33によって粗解砕を受ける。そして、粉粒体の滞留域である間隙部Aに達した粉粒体は、円板ロータ32の回転による遠心力、およびピン34の平面部34aによる押出力によって最小間隙部Bに押出される。そして、最小間隙部Bに押出された粉粒体は、間隙設定に適合した粒子はそのまま通過が許容され、適合しない粒子は、間隙部Aで解砕された後に、最小間隙部Bから排出口へ排出される。
【0031】
また、この粉粒体の解砕整粒装置1においては、円板ロータ32およびステータ39,40,41を清掃する場合には、ケーシング31をブラケット23から取り外し、次いで、ホルダー42をブラケット23から取り外す。すると、円板ロータ32の周縁,ステータ39,40,41は、露出されるため、容易に洗浄することができる。
【0032】
また、この粉粒体の解砕整粒装置1においては、円板ロータ32を交換する場合には、ケーシング31をブラケット23から取り外し、次いで、ステータアセンブリ38をブラケット23から取り外す。次いで、ボルト37とカラー36を駆動軸24から取り外し、駆動軸24から各円板ロータ32およびスペーサ35を順次取り外す。そして、新たな円板ロータ32を、スペーサ35を介在させて駆動軸24に挿嵌し、ボルト37を駆動軸24に取り付けることによって交換する。また、上記したように、円板ロータ32とスペーサ35を駆動軸24から取り外すことにより、これらを精密に洗浄することもできる。
【0033】
また、ステータ39を交換する場合は、ケーシング31をブラケット23から取り外し、次いで、スペーサアセンブリ38をブラケット23から取り外す。そして、新たなステータ39を備えたステータアッセンブリ38をブラケット23に取り付けることによって交換する。
【0034】
また、ステータ40を交換する場合は、ケーシング31をブラケット23から取り外し、次いで、スペーサアセンブリ38をブラケット23から取り外す。そして、ステータ40をブラケット23から取り外し、新たなステータ40をブラケット23に取り付けることによって交換する。
【0035】
また、ステータ41を交換する場合は、ケーシング31をブラケット23から取り外す。そして、ケーシング31からステータ41を取り外し、新たなステータ41をケーシング31に取り付けることによって交換する。
【0036】
さらに、この粉粒体の解砕整粒装置1においては、解砕整粒の粒度を変更する場合には、円板ロータ32の周縁とステータ39,40,41との最小間隙Bを変更しなければならない。その場合には、長孔43の幅を変更したホルダー42に、断面形状および大きさを変更した(具体的には断面二等辺三角形の底辺の長さを帯状部44の幅に対応させて変更した)ステータ39を設置してなるステータアッセンブリ38を用意するとともに、断面形状および大きさを変更した(具体的には断面直角三角形の底辺の長さを変更した)ステータ40,41を用意し、それらを軸受ハウジング21のブラケット23,ケーシング31に取り付ければよい。
【0037】
なお、前記特許文献(特許第4113222号公報)に記載の装置においては、円板の最外周縁の両側板面に半径方向と円周方向に所定間隔を存して回転軸芯を中心に半径方向に2列、上記円板の最外周縁の板面に対向するアダプターの垂直面には円周方向に所定間隔を存して1列、各々スパイク状の突起部が形成されている。本発明の装置にも同様に突起部を形成してもよいが、処理物が医薬品の場合であれば、それらは必ずしも必要としない。
【符号の説明】
【0038】
1 解砕整粒装置
10 動力部
11 モータ
12 モータベース
13 出力軸
14 カップリング
20 軸受部
21 軸受ハウジング
22 架台
23 ブラケット
23a 切り欠き部
23b 雌ねじ
24 駆動軸
24a 延設部
24b 他端
25 ベアリング
26 ベアリング
30 解砕整粒部
31 ケーシング
31a 供給口
31b 排出口
31c 開口
32 円板ロータ
32a 矩形孔
32b 円形孔
32c 矩形孔
33 ピン
33a 円柱部
34 ピン
34a 角柱部
34b 平面部
35 スペーサ
36 カラー
37 ボルト
38 ステータアッセンブリ
39 ステータ
39a 円形孔
39b 円形孔
39c 円形孔
40 ステータ
40a ねじ
41 ステータ
41a ねじ
42 ホルダー
43 長孔
44 帯状部
44a 雌ねじ
45 ステー
45a ねじ挿通孔
46 ボルト
47 キャップスクリュー
48 キャップ
48a 円形孔
49 スプリングピン
A 間隙部
B 最小間隙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの上部供給口から供給された粉粒体を、水平な駆動軸に所定間隔をもって設置された複数枚の円板ロータの周縁板面と、前記複数枚の円板ロータの下方周縁間に設置した複数個のステータとによって画成される間隙によって解砕整粒し、その解砕整粒された粉粒体を前記ケーシングの下部排出口へ排出させる粉粒体の解砕整粒装置において、前記駆動軸を軸受ハウジングで片持ち支持させ、前記複数本のステータをホルダーに設置してステータアッセンブリを構成するとともに、該ステータアッセンブリを前記軸受ハウジングに着脱自在に設置し、前記ケーシングの側壁に開口を形成し、該開口を介して前記円板ロータと前記ステータアッセンブリとを収容して、前記ケーシングを軸受ハウジングに着脱自在に設置させたことを特徴とする、粉粒体の解砕整粒装置。
【請求項2】
前記ステータアッセンブリを、前記円板ロータと同心の半円筒状を成し、円板ロータの下方周縁に対応する位置に円弧に沿った複数本の長孔が形成され、それらの長孔間に帯状部が形成されたホルダーの該帯状部に、断面が略三角形状で半円弧状を成すステータを設置することによって形成したことを特徴とする、請求項1に記載の粉粒体の解砕整粒装置。
【請求項3】
前記円板ロータの周縁板面に、円柱状で、かつ一部に平面部を有するピンを、前記平面部が前記円板ロータの周縁に行くにしたがって前記円板ロータの進行方向後方へ向かって傾斜させた状態で立設させたことを特徴とする、請求項1または2に記載の粉粒体の解砕整粒装置。
【請求項4】
前記ピンの長手方向中間部を非円柱形に形成するとともに、前記円板ロータに前記ピンの該中間部の断面形状に対応する形状の孔を形成し、該孔に前記ピンの該中間部を挿嵌することによって、前記ピンの平面部を所定の方向を向くように位置決めしたことを特徴とする、請求項3に記載の粉粒体の解砕整粒装置。
【請求項5】
前記ステータをポリテトラフルオロエチレンによって形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の粉粒体の解砕整粒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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