説明

粘性調味料容器

【課題】本発明は、粘性調味料の劣化を防ぎ、簡単にすばやく少量でも安定的に注出し、容器を倒しても漏れることのない、デザイン的に優れた粘性調味料容器を提供すること。
【解決手段】本発明は、容器本体1付属の底蓋5内に設けた中央歯車8や歯車9等を回転させることで、歯車9に結合した容器本体1内部の送りねじ軸12が回転し、これに連結支持された押板11が移動する。このことで容器本体1内のフィルム袋状容器で取替式の内容器13に入った粘性調味料を押出し、上蓋2やキャップ3から注出させる構造で、歯車9を回転させる動力源に、手で底蓋1を回転させる手動式、モーター16による電動式、ぜんまい26によるぜんまい式があり、スイッチ22が、容器本体1壁面の輪郭内に形成された粘性調味料容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内にある取替式の注出口付フィルム袋状内容器に入った粘性調味料を、押出し注出するための粘性調味料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マヨネーズ・ケチャップ等の粘性調味料容器は、従来から数々のものが存在していた。例えば、実用新案公開平6−76144には、内容物を出し易くするために注出口を下にして安定して立てておくもの、又、特許公開2004−154506には、容器本体に付属された弾性の中空ボールを指圧して注出を行い、後に注出口の付着調味料を容器内に戻す物などが示されている。
【0003】
一方、特許公開平11−113712には、容器の中にビニール袋を設け、それの底につまみを設けて巻き上げ注出するもの、又、実用新案公開平6−27683には、容器に蛇腹部を設け内容物が少量でも注出できる粘性調味料容器が示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のように、粘性調味料の空気混入による劣化や少量での注出の難しさ、又、容器の変形による見た目の悪さ等の問題点がある。本発明は、粘性調味料の劣化を防ぎ、簡単にすばやく少量でも安定的に注出し、誤って容器を倒しても漏れることのない、デザイン的に優れた粘性調味料容器を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器本体付属の底蓋内部に設けた複数の歯車を回転させることで、歯車に結合した容器本体内部の送りねじ軸が回転し、この送りねじ軸に連結支持された押板が移動する。このことで、容器本体内の取替式の内容器に入った粘性調味料をガイド板に沿って押出し、上蓋やキャップから注出させる構造で、空気混入による粘性調味料の劣化も防ぐことができる。又、押板の移動位置で粘性調味料の容量が解るように容器本体壁面に目盛窓を設けた。
【0006】
前記の取替式の内容器は、フィルム袋状容器で頭部に注出口と底部が凹形に、又、押板を凸形に成形し対応することで少量でも最後まで注出でき、使い切った粘性調味料の内容器は、容器本体と着脱可能な上蓋により、新しい内容器に取替えることができる。
【0007】
一方、上蓋と着脱可能で小さい注出口が付いたキャップで、取外したキャップが留められるように、又、取外したキャップを留めておくことができるキャップ留が底蓋に、互いに凹凸状に成形することで注出中のキャップの散乱を防ぐことができる。
【0008】
上記の粘性調味料容器には、底蓋内部の歯車を回転させる動力源に、手で底蓋を回転させる手動式、モーターによる電動式、ぜんまいによるぜんまい式がある。
【0009】
前記の電動式とぜんまい式には、モーターにより歯車を回転・逆回転させたり、又、ぜんまいにより歯車を回転させたり止めたりするためのスイッチが、容器本体壁面の輪郭内に形成されることで注出操作がより簡単になった。一方、ぜんまい式には、ぜんまいを巻いたり、ぜんまいにより歯車を回転させたり、又、ぜんまいを巻かずに歯車だけを手動で回転させるための切替装置を付けることで操作を可能にした。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、底蓋を回したりスイッチを押すだけの簡単操作で、マヨネーズやケチャップ等の粘性調味料を注出でき、空気混入による粘性調味料の劣化を防ぎ、少量でも安定的に注出が可能になった。又、粘性調味料内容器は取替式なので、容量が無くなればまた新しい内容器の取替えで、より新鮮な粘性調味料が提供できる。一方、誤って容器を倒しても漏れることのない、人にやさしく安全でデザイン的に優れた粘性調味料容器なので、一般家庭だけでなく食事店やレストラン等でも使用できるものになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の粘性調味料容器は、容器本体と着脱可能な上蓋とキャップ、及び、底蓋とで構成された容器である。又、底蓋内に設けた複数の歯車と、それに結合させた容器本体内部の送りねじ軸、及び、送りねじ軸に連結支持された押板とで作動部分を構成する。この作動部分は、底蓋を回すことで、又、モーターやぜんまいによる動力源で、歯車と送りねじ軸を回転させ押板を移動させる。このことで、取替式の内容器に入った粘性調味料をガイド板に沿って押出し、上蓋やキャップの注出口から注出させる構造である。又、押板の移動位置で粘性調味料の容量が解るように容器本体壁面に目盛窓を設ける。一方、本発明には、前記のように手動式や電動式・ぜんまい式粘性調味料容器がある。
【0012】
前記の取替式の内容器は、フィルム袋状容器で頭部に注出口と底部が凹形に、又、押板を凸形に成形して対応することで注出でき、着脱可能な上蓋により、取替えができる。一方、大きい注出口の付いた上蓋と着脱可能で、小さい注出口の付いたキャップを取外した後、留めておくことができるキャップ留が底蓋に、互いに凹凸状に成形して対応することで、注出中のキャップの散乱を防ぐことができる。
【0013】
上記の電動式とぜんまい式には、モーターにより歯付ベルトと歯車を回転・逆回転させたり、又、ぜんまいと回転盤により歯車を回転させたり止めたりするためのスイッチを、容器本体壁面の輪郭内に形成することで注出操作がより簡単にる。一方、ぜんまい式には、ぜんまいを巻いたり、ぜんまいにより歯車を回転させたり、又、ぜんまいを巻かずに歯車だけを手動で回転させるため、切替器とスライド軸・回転歯や回転盤・中央歯車による切替装置を付けることで操作を可能にした。
【実施例1】
【0014】
図1〜4は、手動式粘性調味料容器の断面図・正面図であり、容器本体1aと着脱可能な上蓋2とキャップ3、及び、回転可能な底蓋5aとで構成された容器である。又、作動部分として、底蓋5a内に中央歯車8aと複数の歯車9aとを噛み合せて形成し、容器本体1a内に歯車9aと結合させた送りねじ軸12を設け、それに押板11を連結支持させ移動できる構成とする。この押板11の移動が取替式の内容器13に入った粘性調味料を、容器本体1a内部に形成したガイド板15に沿って押出し、上蓋2とキャップ3の注出口4から注出させる構造とする。又、押板11の移動位置で粘性調味料の容量が解るように容器本体1a壁面に目盛窓14を形成する。
【0015】
前記の底蓋5aは、手で回せるように成形して、回転歯7aを結合させ、容器本体1a底部に凹状の輪に成形した溝に付属させる。又、回転歯7aは中央歯車8aと噛み合せて歯車9aを回転させる構造とする。
【0016】
上記の取替式の内容器13は、フィルム袋状容器で頭部に注出口と底部を凹形に成形し、又、押板11を凸形に成形して対応することで少量でも最後まで注出でき、上蓋2と容器本体1aを着脱可能に形成することで、内容器13の取替えができる。
【0017】
一方、キャップ3は、大きな注出口4が成形された上蓋2と着脱できるように成形する。このキャップ3には小さい注出口4と蓋を形成し、取外したキャップ3が留められるように、又、取外したキャップ3を留めておくことができるように、キャップ留6を底蓋5aに、互いに凹凸状に成形して対応する。このことで注出中のキャップ3の散乱を防ぐことができる。
【実施例2】
【0018】
図5〜8は、電動式粘性調味料容器の断面図・正面図であり、容器本体1bと着脱可能な上蓋2とキャップ3、及び、底蓋5bとで構成された容器である。又、作動部分として、底蓋5b内にモーター16と回転減速のためのウォームギヤ18が、複数の歯車9bと歯付ベルト17により噛み合せて形成することで、連動して回転できる。
以下、手動粘性調味料容器と同じ構造と構成である。
【0019】
但し、モーター16の電池20入ポケットと蓋21を、又、歯車9bを回転・逆回転させるためのスイッチ22aを、容器本体1b壁面に形成する。このことで、粘性調味料の注出と押板11の巻き戻しがスイッチ22aを押すだけの簡単操作でできる。一方、底蓋5bは回転させる必要はない。
【実施例3】
【0020】
図9〜13は、ぜんまい式粘性調味料容器の断面図・平面図・正面図であり、容器本体1cと着脱可能な上蓋2とキャップ3、及び、回転可能な底蓋5cとで構成された容器である。又、作動部分として、底蓋5c内の容器本体1cに台座29を設け、ぜんまい26をのせて端を容器本体1cに固定し、ぜんまい26と芯部で接合した軸である回転盤23を回す構造で、中央歯車8bと複数の歯車9a9bとを噛み合せて形成する。
【0021】
図14は、ぜんまい式粘性調味料容器の切替装置の断面図であり、底蓋5cに形成した切替器24と回転盤23、及び、回転歯7bが結合したスライド軸25と中央歯車8bとで構成される。回転盤23は、中心部を円柱形にくり貫き、一部を回転歯7bと噛み合う形状に成形する。その部分に多角形に成形したスライド軸25が、切替器24のねじ回転により上下に移動する。このことで、回転歯7bを回転盤23や中央歯車8bと噛み合せたり外したりすることで、ぜんまい26を巻いたり、ぜんまい26により歯車9a9cを回転させたり、又、ぜんまい26を巻かずに歯車9a9cだけを手動で回転させることができる切替装置になる。
【0022】
前記の切替器24とスライド軸25は、互いにおねじ・めねじ状に成形し噛み合せて、切替器24を回すことでスライド軸25が上下する構造である。又、回転盤23底部に回転止めの爪溝30を成形し、容器本体1cに設けた回転を止めるための回転爪28との組合わせで、回転爪28に付属したバネやワイヤー27で連動したスイッチ22bにより作動する構造である。又、スイッチ22bは、容器本体1c壁面に形成する。
以下、手動粘性調味料容器と同じ構造と構成である。
【0023】
本発明の粘性調味料容器の形状や大きさは任意である。又、粘性調味料容器の材料は、プラスチック等の通常のものでよい。但し、容器本体1a1b1cはガラスや金属系、及び、セラミックや陶器でもよく、又、回転歯7a7b・中央歯車8a8b・歯車9a9b9c・ウォームギヤ18・ガイド車19は金属系でもよい。一方、スイッチ22a22bの形体は、円形や円柱形でもよく、容器本体1b1c壁面の輪郭内に納められる形体であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の粘性調味料容器は、工業的に量産することが可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】手動式粘性調味料容器の断面図である。
【図2】手動式粘性調味料容器のA−A線に沿った断面図である。
【図3】手動式粘性調味料容器のB−B線に沿った断面図である。
【図4】手動式粘性調味料容器の正面図である。
【図5】電動式粘性調味料容器の断面図である。
【図6】電動式粘性調味料容器のC−C線に沿った断面図である。
【図7】電動式粘性調味料容器のD−D線に沿った断面図である。
【図8】電動式粘性調味料容器の正面図である。
【図9】ぜんまい式粘性調味料容器の断面図である。
【図10】ぜんまい式粘性調味料容器のE−E線に沿った断面図である。
【図11】ぜんまい式粘性調味料容器のF−F線に沿った断面図である。
【図12】ぜんまい式粘性調味料容器の平面図である。
【図13】ぜんまい式粘性調味料容器の正面図である。
【図14】ぜんまい式粘性調味料容器の切替装置の断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1a・1b・1c 容器本体
2 上蓋
3 キャップ
4 注出口
5a・5b・5c 底蓋
6 キャップ留
7a・7b 回転歯
8a・8b 中央歯車
9a・9b・9c 歯車
10 軸
11 押板
12 送りねじ軸
13 内容器
14 目盛窓
15 ガイド板
16 モーター
17 歯付ベルト
18 ウォームギヤ
19 ガイド車
20 電池
21 蓋
22a・22b スイッチ
23 回転盤
24 切替器
25 スライド軸
26 ぜんまい
27 ワイヤー
28 回転爪
29 台座
30 爪溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底蓋内部に設けた複数の歯車を回転させることで、歯車に結合した容器本体内部の送りねじ軸が回転する。この送りねじ軸に連結支持された押板が移動することで、容器本体内の内容器に入った粘性調味料を押出し注出させることを特徴とする粘性調味料容器。
【請求項2】
送りねじ軸に連結支持された押板が凸形に成形されたことを特徴とする請求項1記載の粘性調味料容器。
【請求項3】
内容器は、取替式のフィルム袋状容器で、頭部に注出口と底部が凹形に成形されたことを特徴とする請求項1又は2記載の粘性調味料容器。
【請求項4】
容器本体に、粘性調味料の内容器を取替えるために、着脱可能で大きな注出口が付いた上蓋が付属された請求項1又は2・3記載の粘性調味料容器。
【請求項5】
容器本体内部に、粘性調味料の内容器が破れたりせず順調に押出されるために、ガイド板が形成された請求項1又は2〜4記載の粘性調味料容器。
【請求項6】
上蓋と着脱可能で小さい注出口が付いたキャップで、取外したキャップが留められるように凹凸状に成形された請求項1又は2〜5記載の粘性調味料容器。
【請求項7】
底蓋に、取外したキャップを留めておくことができるように凹凸状に成形したキャップ留が付いた請求項1又は2〜6記載の粘性調味料容器。
【請求項8】
容器本体内の内容器に入った粘性調味料の容量が、押板の移動位置で解る目盛窓が容器本体壁面に付いた請求項1又は2〜7記載の粘性調味料容器。
【請求項9】
底蓋内部の歯車を回転させることに、手で底蓋を回転させることを動力源とする請求項1又は2〜8記載の手動式粘性調味料容器。
【請求項10】
底蓋内部の歯車を回転させることに、電動モーターを動力源とする請求項1又は2〜8記載の電動式粘性調味料容器。
【請求項11】
底蓋内部の歯車を回転させることに、ぜんまいを動力源とする請求項1又は2〜8のぜんまい式粘性調味料容器。
【請求項12】
電動式とぜんまい式の調味料容器で、モーターにより歯車を回転・逆回転させたり、又、ぜんまいにより歯車を回転させたり止めたりするためのスイッチが、容器本体壁面の輪郭内に形成された請求項10又は11記載の粘性調味料容器。
【請求項13】
ぜんまい式容器で、ぜんまいを巻いたり、ぜんまいにより歯車を回転させたり、又、ぜんまいを巻かずに手動で歯車だけを回転させるための切替装置が付いた請求項11又は12記載の粘性調味料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−326637(P2007−326637A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184915(P2006−184915)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(504335895)
【Fターム(参考)】