説明

粘着テープ貼付装置

【課題】ACF貼付装置において、ACFテープの追加のためのスプライシング中も基板に対するACF片の貼付動作を継続可能とする。
【解決手段】ACF貼付装置1は、ACF供給ユニット15と切断ユニット21との間に配置されたクランプ17と、クランプ17と切断ユニット21との間に配置された滞留ユニット19を備える。スプライシングが実行される際にはクランプ17が保持状態となってACFテープ2を固定する。滞留ユニット19に形成されたACFテープ2の折り返し部42の経路長の減少に対応するACFテープ2が切断ユニット2及び圧着ヘッドユニット23へ搬送され、スプライシング中もACF片2eの基板3への貼付動作が継続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電性フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)、非導電性フィルム(Non Conductive Film)のような粘着テープを、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)基板、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel:PDP)基板、フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)、COF(chip on film)のような基板を含む対象物に貼り付けるための、粘着テープ貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD基板、PDP基板、FPCのような基板にACFを貼り付け、貼り付けられたACFに電子部品を圧着して実装する部品実装装置が知られている。この種の部品実装装置は、基板にACFを貼り付けるACF貼付装置を備える。ACFは、離型テープの片面にACFが貼着されたACFテープの形態でACF貼付装置に供給される。具体的には、ACFテープを巻回状態で収容した供給リールが、ACF貼付装置に供給される。ACF貼付装置は、供給リールからACFテープを巻き出し、離型テープを切断することなく粘着テープのみをカットして所定長さのACF片を形成し、このACF片を基板上に貼り付け、さらに離型テープをACF片から剥離させる。ACF貼付装置はこれらの動作を繰り返して基板へのACF片の貼付を連続的に実行し、それに伴って供給リールに収容されたACFテープが消費される。
【0003】
1つの供給リールに収容されたACFテープが完全に消費された後に、未使用のACFテープが収容された新たな供給リールに交換するのでは、交換した供給リールから巻き出したACFテープを複雑な経路に沿って引き回すセッティング作業が必要となる。このセッティングは一般に手作業で実行せざるを得ないので、ACF貼付装置全体の動作を完全に停止する必要がある。これに対して、使用中のACFテープの終端部に対する追加のACFテープの始端部の継ぎ合わせ(スプライシング)を実行し、ACFテープの連続的な供給を確保することが知られている。特許文献1には、このスプライシングを自動的に実行する機構を備え、追加のための未使用のACFテープを収容した供給リールを装置内に貯蔵したACF貼付装置が開示されている。スプライシングは、特許文献1の装置のような自動的な機構によらず、手作業により実行することも可能である。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたものを含め、従来のACFテープ貼付装置には以下の問題がある。
【0005】
ACFテープの追加のためのスプライシング中はACF片の基板への貼付動作を停止する必要があるので、生産効率が低い。特に、LCD基板やPDP基板(以下基板と呼ぶ)の電極部の狭幅化の進行に伴い、0.5〜2mm程度の幅の非常に細いACFテープのスプライシングが要求されている。このような細いACFテープを確実に継ぎ合わせるには、スプライシングのための時間的余裕を充分に確保する必要がある。従って、スプライシング中に貼付動作が停止されることの生産効率への影響が、より顕著化している。
【0006】
使用中のACFテープのみでなく、追加のための未使用のACFテープも貼付動作を実行する圧着ユニットや剥離ユニットと同じハウジング内に収容されている。圧着ユニットは加熱及び加圧によってACF片を基板に貼り付けるので、ハウジング内は必然的に高温となる。本来ACFテープは冷蔵保存の必要があるので、高温のハウジング内での長時間の貯蔵によりACFテープに劣化等の品質低下が生じる。特許文献1には、熱による品質低下防止のために貯蔵中のACFテープの冷却装置を設けることが教示されている。しかし、高温のハウジング内でACFテープを効果的に冷却するためには、複雑かつ大規模の冷却装置を採用する必要がある。
【0007】
前述のように圧着ユニットと同じ高温のハウジング内に、使用中のACFテープと追加用のACFテープが収容されているので、スプライシング、未使用のACFテープを収容した供給リールの補充、使用済みの供給リールの回収等の作業を手作業で実行する場合、作業性が劣る。特に、大型基板を対象とする大型のACF貼付装置の場合、これらの作業のために作業者がハウジング内に入る必要があるので、作業性が著しく劣る。
【0008】
対象物に部品を実装するための粘着テープとして、非導電性フィルム(Non Conductive Film)のようなACF以外の粘着テープも知られている。この種の粘着テープを対象物に貼り付ける粘着テープ貼付装置に関しても、ACF貼付装置と同様の問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2007−189197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、粘着テープ貼付装置において、粘着テープの追加のためのスプライシング中も対象物に対する粘着テープ片の貼付動作を継続可能として生産効率を向上することを目的とする。また、本発明は、粘着テープ貼付装置において、比較的簡易な構成で追加用の未使用の粘着テープの品質低下を抑制することを目的とする。さらに、本発明は、粘着テープ貼付装置において、スプライシング、未使用の粘着テープを収容した供給リールの補充、使用済みの供給リールの回収等の作業を手作業により実行する場合の、作業性向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、粘着テープを対象物に貼り付ける粘着テープ貼付装置であって、離型テープの片面に粘着テープが貼着されたテープ部材を巻回状態で収容した供給リールを複数個備える供給部と、前記供給リールから巻き出された前記テープ部材を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記供給部より前記搬送経路の下流側に配置され、前記離型テープを切断することなく前記粘着テープをカットして粘着テープ片を形成する切断部と、前記切断部よりも前記搬送経路の下流側に配置され、前記粘着テープ片を熱と圧力により対象物に貼り付けた後に前記離型テープを剥離させる貼付部と、前記搬送経路の前記供給部と前記切断部との間に配置され、前記テープ部材の一部を固定する保持状態と、前記テープ部材の固定を解除する解放状態とに切換可能な保持部と、前記搬送経路の前記保持部と前記切断部との間に配置され、前記テープ部材に張力を付与すると共に前記搬送経路に少なくとも1つの折り返し部を形成し、前記保持部が前記保持状態にあるときに前記搬送部により前記テープ部材が搬送されると前記折り返し部の経路長が減少し、この減少した経路長に相当する長さの前記テープ部材が前記切断部及び前記貼付部に向けて搬送される滞留部と、前記搬送経路の前記供給部と前記保持部との間に配置され、使用中の前記テープ部材の終端部と追加の前記テープ部材の始端部とを継ぎ合わせるためのスプライシング部と、前記テープ部材の終端部を検出する検出部と、前記検出部が前記使用中のテープ部材の終端部を未検出であれば、前記保持部を前記解放状態で維持し、前記検出部が前記使用中のテープ部材の終端部を検出すると、前記保持部を前記解放状態から前記保持状態に切り換えると共に、前記搬送部による搬送動作と前記切断部及び前記貼付部の動作を継続させる制御部とを備える粘着テープ貼付装置を提供する。
【0012】
検出部が使用中のテープ部材の終端部を検出して保持部が解放状態から保持状態に切り換えられると、保持部によってテープ部材が固定される。その結果、滞留部で付与される張力や搬送部の搬送動作により付与される張力は、保持部よりも搬送方向の上流側の粘着テープには作用しない。従って、保持部よりも搬送方向の上流側に配置されたスプライシング部においてスプライシングが可能となる。保持部が保持状態にあるときでも、滞留部に形成された折り返し部の経路長の減少に相当する長さのテープ部材が、切断部及び貼付部に向けて搬送される。従って、保持部が保持状態に切り換えられても、切断部における粘着テープ片の形成と貼付部における対象物への粘着テープ片の貼付が継続される。このように本発明の粘着テープ貼付装置は、スプライシング中も対象物に対する粘着テープ片の貼付動作を継続可能である。
【0013】
具体的には、前記滞留部は、前記テープ部材が巻掛けられた2個の固定ローラと、前記搬送経路の前記固定ローラ間に配置され、前記テープ部材が巻掛けられ、鉛直方向に延びるガイドに沿って移動自在であり、自重により前記テープ部材に張力を付与する可動ローラとを備える。
【0014】
代案としては、前記滞留部は、前記テープ部材が巻掛けられた2個の固定ローラと、前記搬送経路の前記固定ローラ間に配置され、上端側に開口を有し、かつ内部が真空ポンプにより真空吸引される吸込槽とを備え、前記真空ポンプの吸引力で前記開口から前記吸込槽内に引き込まれることにより、前記テープ部材に張力が付与される共に前記折り返し部が形成される。
【0015】
スプライシング部における使用中のテープ部材の終端部と追加のテープ部材の始端部のスプライシングは、両面テープのような継ぎ合わせ用のテープを使用してもよく、加熱及び加圧や超音波ホーンによる振動の付与によって重ね合わせた終端部と始端部とを溶融して接合してもよい。また、スプライシング部は、テープ部材の終端部と始端部とを可動のクランプ等を自動的に重ね合わせるものでも、手作業により重ね合わせるものでもよい。
【0016】
好ましくは、粘着テープ貼付装置は、前記切断部及び前記貼付部が収容された第1のハウジングと、前記供給部、前記保持部、少なくとも1つ以上の前記滞留部、及び前記スプライシング部が収容され、前記第1のハウジングと隔壁を挟んで隣接し、前記隔壁には前記テープ部材の前記搬送経路が通る貫通孔が形成されている、前記第1のハウジングとは別空間を構成する第2のハウジングとをさらに備える。
【0017】
貼付部が発生する熱により第1のハウジング内が高温となっても、第1のハウジングと隔壁を隔てて隣接する第1のハウジングとは別空間をなす第2のハウジング内は室温に近い比較的低温で維持される。テープ部材を巻回状態で収容した供給リールを少なくとも1つ以上備える供給部と少なくとも1つ以上の滞留部は、比較的低温で維持される第2のハウジング内に収容されているので、粘着テープの熱による劣化等の品質低下を抑制できる。このように貼付部と、供給部及び少なくとも1つ以上の滞留部とを隔壁で隔てられた別体のハウジングの空間内にそれぞれ収容するという比較的簡易な構成により、追加のための未使用の粘着テープの品質低下を抑制できる。また、この構成により、少なくとも1つ以上の滞留部に滞留する領域の粘着テープの品質低下を抑制できる。
【0018】
また、スプライシング、未使用のテープ部材を収容した供給リールの供給部への補充、使用済みの供給リールの回収等の作業を手作業で実行する場合、作業者は比較的低温で維持された第2のハウジング内に収容されたスプライシング部や供給部にアクセスすればよい。従って、これらの作業を実行する際に作業者が高温に煩わされることがなく作業性が良好である。特に、大型の対象物に粘着テープを貼り付けるための大型の粘着テープ貼付装置の場合、これらの作業のために作業者がハウジング内に入る必要があるので、熱に煩わされないことによる作業性向上の利点が極めて大きい。
【0019】
前記第2のハウジング内を冷却する冷却部をさらに備えることが好ましい。
【0020】
第2のハウジング内を冷却する冷却部を設けることにより、熱による粘着テープの劣化等の品質低下をより効果的に抑制できる。前述のように、第2のハウジングは貼付部が発生する熱により高温となる第1のハウジングに対して隔壁により隔てられているので、第2のハウジング内を冷却するための冷却部は、大規模にする必要も複雑な装置を採用する必要もない。
【0021】
テープ部材の搬送経路は平面視で直線状であってもよい。この場合、前記搬送経路のうちの前記第1のハウジング内の前記切断部から下流側、及び前記搬送経路のうちの前記第2のハウジング内にある前記供給部から前記切断部までの部分は、いずれも平面視で前記対象物の搬送方向と同方向に延びる。
【0022】
テープ部材の搬送経路が直線状であると、第2のハウジングは第1のハウジングに対して平面視で同方向(対象物の搬送方向と同方向)に配置される。
【0023】
また、テープ部材の搬送経路は平面視で折れ線状であってもよい。この場合、前記搬送経路のうちの前記第1のハウジング内の前記切断部から下流側は平面視で対象物の搬送方向と同方向に延び、前記搬送経路のうちの前記第2のハウジング内にある前記供給部から前記切断部までの部分は平面視で前記対象物の搬送方向と交差する方向に延びる。
【0024】
搬送経路が折れ線状であると、第2のハウジングは第1のハウジングに対して平面視で交差する方向(例えば平面視で直交する方向)に配置される。第2のハウジングが第1のハウジングに対して平面視で交差する方向に配置されると、供給部やスプライシング部のメンテナンス時に、作業者側と第2のハウジングとの間に基板の搬送経路が介在しないため、第2のハウジング内に収容された供給部やスプライシング部に対して作業者のアクセスがより容易となり、作業性がさらに向上する。また、第2のハウジングが第1のハウジングに対して平面視で交差する方向に配置する構成は、対象物の搬送方向でのACF貼付装置の小型化に寄与する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の粘着テープ貼付装置は、保持部と滞留部を備えることにより、テープ部材の追加のためのスプライシング中も対象物に対する粘着テープ片の貼付動作を継続可能であり、高い生産効率を実現できる。また、貼付部を収容する第1のハウジングと隔壁により隔てられて別空間を構成する第2のハウジング内に供給部とスプライシング部を収容したことにより、比較的簡易な構成で追加用の未使用の粘着テープの品質低下を防止でき、スプライシング、未使用の粘着テープを収容した供給リールの補充、使用済みのリールの回収等の作業を手作業により実行する場合の作業性が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1及び図2に示す本発明の第1実施形態に係るACF貼付装置(粘着テープ貼付装置)1は、ACFテープ2を用いて対象物であるLCD基板(以下単に基板と呼ぶ)3の電極部3aにACF片を貼り付ける。このACF貼付装置1は、図3に模式的に示す部品実装装置4の一部を構成する。部品実装装置4は基板搬送装置5を備え、基板搬送装置5は基板3を洗浄装置6、ACF貼付装置1、仮圧着装置7、及び本圧着装置8に順に搬送される。洗浄装置6により洗浄された基板3の電極部3aに、ACF貼付装置1によりACF片が貼り付けられる。次に、仮圧着装置7が電子部品(図示せず)をACF片が貼り付けられた電極部3aに対して位置決めし、加熱及び加熱により仮圧着する。さらに、仮圧着よりも高い温度と圧力で本圧着装置8が加熱及び加圧を行うことにより電子部品を本圧着する。
【0028】
図2を参照すると、ACFテープ2はベーステープないし離型テープ2aと、この離型テープ2aの片面に貼着されたACF2bとを備える。離型テープ2aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンのような樹脂製で、幅が0.5mm〜2mm程度、厚みが数10μm程度の長尺で柔軟なテープである。ACF2bはフィルム状の絶縁樹脂材料中に微細な導電性粒子を分散させた素材であり、加圧及び加熱により接着と同時に導電粒子により加圧方向の電気的接続が実現され、それ以外の方向には絶縁状態を維持する機能を有する。図5を参照すると、ACFテープ2の始端部2cでは、スプライシングのための両面テープ9が離型テープ2aに貼り付けられている。また、図10を参照すると、ACFテープ2の終端部2dでは、ACF2b上に終端マークテープ11が貼り付けられている。後に詳述するように、両面テープ9を使用する以外にも種々の態様でACFテープ2のスプライシングが可能である。また、終端マークテープ11に代えてACFテープ2の終端部2dに着色を施してもよい。
【0029】
図1及び図2を参照すると、ACF貼付装置1は、基板3を取り扱う機構として基板保持ステージ12、基板移載ステージ13、及び端部保持ステージ14を備える。基板保持ステージ12は、基板3を受け取って保持すると共に、保持した基板3のX軸方向及びY軸方向の水平方向の移動、並びにZ軸方向の昇降移動、さらにXY平面におけるθ回転移動を行う。基板移載ステージ13は、ACF貼付装置1の搬入位置に搬入された基板3をその下面側から支持しつつX軸方向に搬送し、基板3を基板保持ステージ12に移載する。基板保持ステージ12により、基板3の電極部3aが端部保持ステージ14上に載置される。
【0030】
図1及び図2を参照すると、ACF貼付装置1は、ACFテープ2を取り扱う機構として、概ねACFテープ2の搬送方向の上流側から下流側に向けて順に配置された、ACF供給ユニット(供給部)15、スプライシングユニット(スプライシング部)16、クランプ(保持部)17、終端部検出センサ(検出部)18、滞留ユニット(滞留部)19、テープテンションユニット20、切断ユニット(切断部)21、テープ搬送ユニット(搬送部)22、圧着ヘッドユニット23、剥離ユニット24、及び離型テープ回収ユニット25を備える。圧着ヘッドユニット23と剥離ユニット24が本発明における貼付部を構成する。ACF貼付装置1は、ACF供給ユニット15から離型テープ回収ユニット25に到るACFテープ2の搬送経路を案内する複数のローラ26A〜26Mからなるガイド機構27を備える。
【0031】
ACF供給ユニット15は、ACFテープを巻回状態で収容した複数個の供給リール28を備えている。図4を参照すると、供給リール28は保持プレート29に設けられた支軸31に装着されている。モータ30により支軸31が回転することで、供給リール28からACFテープ2が巻き出される。保持プレート29には、ACFテープ2の巻き出し方向を下向きに規制するローラ26Aと、保持チャック33が設けられている。ACF供給ユニット15には現在ACFテープ2を使用中の供給リール28の他に、未使用のACFテープ2を収容した複数個の供給リール28が予め蓄積されている。具体的には、1つの保持プレート29の供給リール28のみから図4に示すようにACFテープ2が巻き出され、未使用のACFテープ2を収容した残りの保持プレート29の供給リール28は図5に示す待機状態にある。待機状態にある供給リール28の始端部2cのテープ端は、保持チャック33により保持されている。後述するスプライシングの際に、図1において矢印Aで概念的に示すように図示しない機構により保持プレート29が移動し、ACFテープ2を巻き出す供給リール28が交換される。
【0032】
図4を参照すると、スプライシングユニット16は、ACF供給ユニット15の保持プレート29の図において左側に配置されたプレート保持ロッド34を備える。このプレート保持ロッド34は、先端が保持プレート29の一部を保持する突出位置と、保持プレート29の保持を解除する引込位置との間で水平方向に進退する。プレート保持ロッド34の下側には水平方向に移動する上側可動ステージ35が配置されている。また、この上側可動ステージ35と対向して、保持プレート29の図において右側に、水平方向に進退する上側カッタ36とブロック37とが配置されている。ブロック37の下側には水平方向に移動する下側可動ステージ38が配置されている。また、この下側可動ステージ38と対向して、保持プレート29の図において左側に、いずれも水平方向に進退する押圧ロッド39と下側カッタ41が配置されている。さらに、スプライシングユニット16は、ACFテープ2の搬送方向を鉛直方向下向きから水平方向に変換するローラ26Bを備える。本実施形態におけるスプライシングユニット16は、使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cとを、手作業を要することなく自動的に継ぎ合わせる。スプライシングユニット16の動作は、後に詳述する。
【0033】
図2を参照すると、クランプ17は、平面視でACFテープ2を幅方向に横切るようにACFテープ2の上面側と下面側に配置された可動のクランプ部材17a,17bを備える。クランプ17は、クランプ部材17a,17bがそれぞれACFテープ2の上面と下面に当接してクランプ部材17a,17b間にACFテープ2の長さ方向の一部を挟み込んで固定する保持状態と、クランプ部材17a,17bがそれぞれACFテープ2から離れてACFテープ2の固定を解除する解放状態とに切換可能である。スプライシング時を除く通常時には、クランプ17は解放状態である。スプライシング時には、クランプ17は閉鎖状態となる。本実施形態のように、自動的なスプライシングを行うスプライシングユニット16を場合、このスプライシングユニット16自体がACFテープ2の保持機構(本実施形態の場合、下側可動ステージ38と押圧ロッド)を有しているので、必ずしもクランプ17を用いなくともスプライシングユニット16にてスプライシング動作を行うことが可能である。しかし、後述する第3実施形態に関して詳述するように、自動的なスプライシングを行うスプライシングユニット16を用いずに手作業でスプライシングを行う場合、クランプ17を閉鎖状態としてスプライシング動作を行う。
【0034】
終端部検出センサ18は、ACFテープ2の終端部2dの終端マークテープ11(図10参照)を光学的に検出する。終端マークテープ11を確実に検出できる限り、終端部検出センサ18は光反射型と光透過型のいずれであってもよい。
【0035】
滞留ユニット19は主として2つの機能を有する。まず、滞留ユニット19は材質、幅等の条件に基づいて予め定められた張力をACFテープ2に付与する機能を有する。また、滞留ユニット19はACFテープ2の搬送経路に折り返し部42(図6Aから図6C参照)を設ける機能を有する。この折り返し部42はACFテープ2の搬送経路を意図的に迂回させてACFテープ2を滞留させるものである。後に詳述するように、スプライシングを実行するためにACF供給ユニット42からのACFテープ2の供給が途絶えても、滞留ユニット19内に折り返し部42としてストックされている使用中のACFテープが切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23側へ搬送される。つまり、スプライシングを実行するためにACF供給ユニット42からのACFテープ2の供給が途絶えても、滞留ユニット19内に折り返し部42としてストックされている量(滞留量)に相当に対応する一定時間は、滞留ユニット19からACFテープ2が供給されるので、ACF2bの基板3への貼付動作を停止することなく継続できる。本実施形態では、滞留ユニット19は1個であるが、後述の図17Aのように2個以上の滞留ユニットを設けても良い。
【0036】
本実施形態における滞留ユニット19の具体的な構成について図6Aから図6Cを参照して説明する。滞留ユニット19は前述したACFテープ2のガイド機構27の一部としても機能する一対の固定ローラ26C,26Eを備える。これらの固定ローラ26C,26Eの位置は、略同一高さ位置で水平方向に間隔をあけて配置されている。個々の固定ローラ26C,26Eには離型テープ2a側が接触するようにACFテープ2が巻回されている。また、滞留ユニット19は、固定ローラ26C,26E間に配置されて折り返し部42を構成するダンサーローラ(可動ローラ)26Dを備える。このダンサーローラ26Dの下側には、離型テープ2a側が接触するようにACFテープ2が巻き掛けられており、ACFテープ2の移動に対して従動回転する。また、ダンサーローラ26Dは固体された直動ガイド43に沿って鉛直方向に移動自在である。
【0037】
鉛直方向に移動自在であるダンサーローラ26Dは、それ自体の自重により固定ローラ26C,26E間のACFテープ2を下向きに引っ張る。すなわち、ダンサーローラ26Dの自重によってACFテープ2に対して前述の張力が付与される。また、図6Aに示す釣合状態では、ダンサーローラ26Dは固定ローラ26C,26Eよりも下側に位置する。そのため、ACFテープ2の搬送経路のうち上流側の固定ローラ26Cからダンサーローラ26Dを経て下流側の固定ローラ26Eに到るまでの部分では、以下のように搬送経路の向きが変化して折り返し部42を構成する。まず、搬送方向上流側の固定ローラ26Cからダンサーローラ26Dまでは、搬送経路は下向きである。次に、ダンサーローラ26Dの下側部でACFテープ2の搬送経路は下向きから上向きに反転する。さらに、ダンサーローラ26Dから下流側の固定ローラ26Eまでは、搬送経路は上向きである。ダンサーローラ26Dの位置が下方に移動する程折り返し部42の経路長が増加し、ダンサーローラ26Dの位置が上方に移動する程折り返し部42の経路長が減少する。本実施形態ではダンサーローラ26Dの自重によりACFテープ2を下向きに引っ張っているが、ダンサーローラ26Dに連結した引張ばねや低摺動シリンダ(いずれも図示せず)等によってACFテープ2を略横方向ないしは略水平方向に引っ張って折り返し部を形成してもよい。
【0038】
滞留ユニット19は、ダンサーローラ26Dが前述した釣合状態に対応する高さ位置(原点位置)にあるか否か、換言すればACFテープ2の折り返し部42の経路長が予め定められた初期長さにある状態に対応する位置にあるか否かを検出する原点位置検出センサ44を備える。
【0039】
また、滞留ユニット19は、原点位置検出センサ44の上方に、ダンサーローラ26Dが原点位置から過度に上昇した位置(上限位置)にあるか否か、換言すればACFテープ2の折り返し部42の経路長が予め定められ最短長さまで減少したか否かを検出する上限位置検出センサ45を備える。図6Bに示すようにクランプ17が保持状態のときにダンサーローラ26Dが上限位置にあることは、クランプ17でACFテープ2の一部を固定した状態を維持したままで切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23へ向けて搬送できるACFテープ2が使用し尽くされようとしていることを示す。
【0040】
さらに、滞留ユニット19は、原点位置検出センサ44の下方に、ダンサーローラ26Dが原点位置から過度に降下した位置(下限位置)にあるか否か、換言すればACFテープ2の折り返し部42の経路長が予め定められた最長長さまで増加したか否かを検出する下限位置検出センサ46を備える。図6Cに示すようにダンサーローラ26Dが下限位置にあれば、ACFテープ2が途中で切れて分断され(テープ切れ)、その結果折り返し部42の経路長が過度に増加していると推測される。
【0041】
原点位置検出センサ44、上限位置検出センサ45、及び下限位置検出センサ46は、ダンサーローラ26Dが対応する高さ位置にあるか否かをある程度の精度で検出できる限り、具体的な構成は特に限定されない。例えば、光学センサ、磁気センサ等を採用できる。
【0042】
図1及び図2を参照すると、テープテンションユニット20は、ACFテープ2の搬送方向を水平方向から下向きに変換する固定ローラ26Fを備える。また、切断ユニット21は、固定ローラ26Fに対してACFテープ2の搬送方向の下流側に、水平方向に対向する一対の固定ローラ26G,26Iとこれらの間に配置されて直動ガイド47に沿って鉛直方向に移動自在なダンサーローラ26Hを備える。これらのローラ26G〜26Iにより、ACFテープ2に一定の張力が付与されると共に、ACFテープ2の搬送方向が鉛直方向下向きに調整されている。
【0043】
図2及び図7を参照すると、切断ユニット21はACFテープ2の鉛直方向下向きに延びる部分の図において右側に吸着ステージ48を備える。この吸着ステージ48は図示しない真空ポンプの吸引力によりACFテープ2を解除可能に吸着保持する。また、吸着ステージ48と対向してACFテープ2の鉛直方向下向きに延びる部分の図において左側には、継ぎ目検出センサ49、ハーフカッタ51、ACF捨打ち装置52が配置されている。継ぎ目検出センサ49は、スプライシングユニット16で形成されるACFテープ2の継ぎ合わせた部分を光学的に検出する。また、ハーフカッタ51は、離型テープ2aを切断することなくACF2bのみをカットして所定長さのACF片2eを形成する。ACF捨打ち装置52は、ACF2bが有する粘着性を利用して貼り付けることで不要なACF2bを離型テープ2aから剥離させて取り除く機能を有する。
【0044】
図1及び図2を参照すると、圧着ヘッドユニット23は、圧着ヘッド53と昇降装置54を備える。圧着ヘッド53は端部保持ステージ14の上方に配置されており、載置保持ステージ14上に保持された基板3の電極部3aにACF片2eを圧着するための圧着面を有する。圧着ヘッド53はヒータ53aにより所定温度まで加熱されている。昇降装置54は、圧着ヘッド53を昇降させる。
【0045】
図1及び図2を参照すると、テープ搬送ユニット22は、圧着ヘッドユニット23の図において左側に配置されたローラ26Jと、右側に配置されたローラ26Mとピンチローラ22a,22bを備える。ローラ26Mとピンチローラ22a,22bとの間には、チャック55が配設されている。ローラ26Mとチャック55は、ローラ26Jと同期して昇降する。ローラ26J,26Mにより、ACFテープ2の搬送経路は、ACF片2eが下向きとなる姿勢で端部保持ステージ14と圧着ヘッド53との間を通過する。ピンチローラ22a,22bがACFテープ2を挟み込んだ状態で回転してフィード送り動作を実行することにより、ACF供給ユニット15から切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23側へのACFテープ2の供給搬送動作と、端部保持ステージ14の上方からの離型テープ2aの排出搬送動作とが実行される。
【0046】
図1及び図2を参照すると、剥離ユニット24は、テープ搬送ユニット22と同期して昇降すると共に水平方向に移動する一対のローラ26K,26Lを備える。ローラ26Kの下側とローラLの上側に離型テープ2aが巻掛けられている。ローラ26K,26Lと共に移動する位置決めチャック56は、圧着ヘッド53による圧着時に閉状態となり、ACFテープ2のずれを防止する。
【0047】
離型テープ回収ユニット25は、テープ搬送ユニット22によって排出搬送された離型テープ2aを真空吸引により回収する回収槽57を備える。離型テープ2aを回収できる限り、離型テープ回収ユニット25の方式は特に限定されない。
【0048】
ACF貼付装置1は図1にのみ図示するコントローラ40を備える。このコントローラ40はセンサ18,44〜46を含む種々のセンサや操作盤(図示せず)からの入力に基づいて、ACF供給ユニット15、スプライシングユニット16、クランプ17、切断ユニット21、テープ搬送ユニット22、圧着ヘッドユニット23、剥離ユニット24、及び離型テープ回収ユニット25の動作を統括的に制御する。
【0049】
次に、図8を参照して、本実施形態に係るACF貼付装置1の動作を説明する。
【0050】
ステップS8−2において終端部検出センサ18が供給リール28から巻き出されているACF2の終端部2dを検出するまで、ステップS8−1において通常のACF貼付動作が継続される。具体的には、ACF供給ユニット15の供給リール28からACFテープ2が巻き出され、巻き出されたACFテープ2はテープ搬送ユニット22の動作により下流側に搬送される。巻き出されたACFテープ2はスプライシングユニット16と滞留ユニット19を通過して切断ユニット21に搬送される。切断ユニット21のハーフカッタ51によりACF2bがハーフカットあるいはフルカット(切断)され、ACF片2eが形成される。次に、ACFテープ2のACF片2eが形成された部分が圧着ヘッドユニット23の圧着ヘッド53と端部保持ステージ14との間に搬送され、端部保持ステージ14上に保持された基板3の電極部3aに対してACF片2eが位置決めされる。この位置決め後、圧着ヘッド53が端部保持ステージ14へ向けて降下し、離型テープ2aを介してACF片2eを電極部3aに加圧及び加熱する。この圧着ヘッド53による加圧及び加熱によりACF片2eが電極部3aに圧着される。圧着ヘッド53が上昇して初期位置に戻った後、剥離ユニット24のローラ26K,26Lが図1及び図2において圧着ヘッド53よりも右側から左側に水平移動し、その結果ACF片2eのみが電極部3aに残り離型テープ2aは電極部3aから剥離される。その後、ローラ26K,26Lが初期位置に戻り、電極部3aへのACF片2eの貼り付けが完了する。ACF片2eの貼付完了後の離型テープ2aは、離型テープ回収ユニット25に搬送されて回収される。通常のACF貼付動作中、クランプ17は解放状態で維持されている。
【0051】
ステップS8−2の通常のACF貼付動作中、供給リール28からのACFテープ2の巻き出しは、滞留ユニット19が備える原点位置検出センサ44からの信号に基づいて実行される。具体的には、ダンサーローラ26Dが原点位置にないことを所定時間連続して原点位置検出センサ44が検出すると、モータ30が作動し、原点位置センサ44が再びダンサーローラ26Dが原点位置にあることを検出するまで、供給リール28がACFテープ2から巻き出される。また、通常のACF貼付動作中、ダンサーローラ26Dが下限位置にあることを下限位置検出センサ46が検出すれば、テープ切れであると判断できるので、供給リール26からのACFテープの巻き出しを停止する。さらに、通常のACF貼付動作中、ダンサーローラ26Dが上限位置にあることを上限位置検出センサ45が検出すれば、ACFテープ2の搬送不良が生じていると判断できるので、テープ搬送ユニット22による搬送動作を停止する。
【0052】
ステップS8−2において終端部検出センサ18が終端マークテープ11(ACFテープ2の終端部2d)を検出すると、ステップS8−3においてクランプ17が解放状態(図6A)から保持状態(図6B及び図6C)に切り換えられ、クランプ部材17a,17bによってACFテープ2の一部が固定される。クランプ17によりACFテープ2が固定されると、ステップS8−4においてスプライシングユニット16によるスプライシング(供給リール26の交換を含む)が開始される。
【0053】
ステップS8−10として概念的に示すように、スプライシング中もテープ搬送ユニット22によるACFテープ2の搬送動作と、切断ユニット21、圧着ヘッドユニット23及び剥離ユニット24の動作は継続され、基板3に対するACF片2eの貼付動作が継続される。換言すれば、ACF貼付装置1は、ACF片2eの貼付動作を停止することなく、スプライシングを実行可能である。以下、この点について説明する。保持状態となったクランプ17でACFテープ2の一部が固定された結果、滞留ユニット19のダンサーローラ26Dの自重によりACFテープ2に付与される張力やテープ搬送ユニット22の搬送動作にACFテープ2に作用する張力は、クランプ17よりも搬送方向上流側のACFテープ2には作用しない。従って、クランプ17よりも搬送方向上流側にあるスプライシングユニット16において、スプライシングが可能となる。一方、クランプ17が保持状態にあるときでも、テープ搬送ユニット22によりACFテープ2が搬送されると、ダンサーローラ26Dが上方に変位することで滞留ユニット19に形成された折り返し部42の経路長が減少し、この減少した経路長に相当するACFテープ2が切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23に向けて搬送される。従って、クランプ17が保持状態に切り換えられても、テープ搬送ユニット22、切断ユニット19、圧着ヘッドユニット23、及び剥離ユニット24の動作を継続し、基板3に対するACF片2eの貼付動作を継続できる。
【0054】
図6Bを併せて参照すると、クランプ17が保持状態にあるときにダンサーローラ26Dが上限位置まで上昇していることは、切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23に向けてACFテープ2が搬送された結果、滞留ユニット19の折り返し部42が最短長さまで減少しており、クランプ17を保持状態に維持したままでそれ以上折り返し部42からACFテープ2を供給できない(折り返し部42から供給可能なACFテープ2の残量が使用され尽くされようとしている)ことを意味する。従って、クランプ17を保持状態としてスプライシングを開始した後(ステップS8−3,S8−4)、ステップS8−5においてダンサーローラ54が上限位置にあることを上限位置検出センサ45が検出すると、ステップS8−9においてエラー発生としてACF片2eの貼付動作(テープ搬送ユニット22、圧着ヘッドユニット23、及び剥離ユニット24の動作)を停止する。
【0055】
図6Cを併せて参照すると、クランプ17が保持状態にあるときにダンサーローラ26Dが下限位置まで降下していることは、前述のようにACFテープ2がテープ切れを起こしていることを意味する。従って、クランプ17を保持状態としてスプライシングを開始した後、ステップS8−6においてダンサーローラ54が下限位置にあることを下限位置検出センサ46が検出すると、ステップS8−9においてACF片2eの貼付動作を呈しする。
【0056】
ステップS8−7においてスプライシングユニット16におけるスプライシングが終了すると、ステップS8−8においてクランプ17が保持状態から解放状態に切り換えられ、ステップS8−1の通常のACF片2eの貼付動作が再開される。
【0057】
以上図8を参照して詳述したように、本実施形態のACF貼付装置1はクランプ17と滞留ユニット19を設けたことにより、スプライシングユニット16におけるスプライシング中も基板3に対するACF片2eの貼付動作を継続可能であり、高い生産効率を実現できる。
【0058】
本実施形態に係るACF貼付装置1が備えるスプライシングユニット16において実行されるスプライシング動作を、図9Aから図9Fを参照して説明する。まず、図9Aに示すように、上側可動ステージ35が水平方向に移動し、上側可動ステージ35とブロック37が使用中のACFテープ2の終端部2dを挟み込む。次に、図9Bに示すように、上側カッタ36が上側可動ステージ35に向けて突出し、使用中のACFテープ2の終端部2dを切断する。その後、図9Cに示すように、プレート保持ロッド34が引込位置となり、使用中のACFテープ2を収容している供給リール28の保持プレート29は、追加のための未使用のACFテープ2を収容している新たな供給リール28(待機状態にあった供給リール28)の保持プレート29と交換される。保持プレート29の交換後、プレート保持ロッド34は突出位置に戻り、保持プレート29を保持する。次に、図9Dに示すように押圧ロッド39と下側可動ステージ38が互いに近接するように移動し、追加のACFテープ2の始端部2cを挟み込む。その結果、追加のACFテープ2の始端部2cに予め貼り付けられた両面テープ9(図5参照)により、使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cが継ぎ合わせられる。次に、図9Eに示すように下側カッタ41が下側可動ステージ38に向けて突出し、使用中のACFテープ2の終端部2dを切断する。その後、上側可動ステージ35、下側可動ステージ38、及び押圧ロッド39が初期位置に戻り、スプライシングが完了する。図10に、両面テープ9で継ぎ合わされた使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cを示す。
【0059】
図1及び図2を参照すると、本実施形態のACF貼付装置1は、隔壁61で互いに隔てられた2つのハウジング62,63を備えている。一方のハウジング(第1のハウジング)62には、基板保持ステージ12、基板移載ステージ13、及び端部保持ステージ14に加え、テープテンションユニット20、切断ユニット21、テープ搬送ユニット22、圧着ヘッドユニット23、剥離ユニット24、及び離型テープ回収ユニット25が収容されている。他方のハウジング(第2のハウジング)63には、ACF供給ユニット15、クランプ17、及び滞留ユニット19が収容されている。本実施形態では、ガイド機構27(ローラ26A〜26M)によるACFテープ2の搬送経路は、平面視で直線状である。具体的には、本実施形態におけるACFテープ2の搬送経路は、平面視で基板移載ステージ13による基板3の搬送方向と同方向に延びる直線状である。ACFテープ2の搬送経路のうち滞留ユニット19との切断ユニット21間の部分は、隔壁61に形成された貫通孔61aを通っている。
【0060】
図1及び図2に最も明瞭に表れているように、平面視で直線状であるACFテープ2の搬送経路に対応して、ACF貼付装置1の2つの第1及び第2のハウジング62,63は、基板3の搬送方向に沿って横並びに配置されている。言い換えると、作業者10がACF貼付装置1の正面から見て2つのハウジング62,63が左右方向に並んで配置されている。
【0061】
圧着ヘッドユニット23の圧着ヘッド53はヒータ53aにより加熱されているので第1のハウジング62内は高温となっているが、第2のハウジング63は隔壁61を隔てて第1のハウジング62と隣接しているので室温に近い比較的低温で維持されている。複数の供給リール28を備えるACF供給ユニット15は低温の第2のハウジング63内に収容されているので、供給リール28に収容されたACFテープ2のACF2bが熱によって劣化等の品質低下をきたすのを防止できる。このように本実施形態のACF貼付装置1では、ヒータ53aにより加熱される圧着ヘッド53を含む圧着ヘッドユニット23とACF供給ユニット15とを隔壁61で隔てられて互いに別空間を構成するハウジング62,63にそれぞれ収容するという比較的簡易な構成により、追加のための未使用のACF2dの品質低下を防止できる。
【0062】
また、ACF供給ユニット15を比較的低温である第2のハウジング63内に収容したことにより、未使用のACFテープ2を収容した供給リール28のACF供給ユニット15への補充、使用済みの供給リール28のACF供給ユニット15から回収等の作業を作業者が手作業で実行する際にも作業者が高温で煩わされることがない。特に、ACF貼付装置1が大型の基板3にACF片2eを貼り付けるための大型ものである場合、基板3に熱と圧力によりACF片2eを貼り付ける圧着ユニット53が発生する総熱容量は極めて大きくなるので、第1のハウジング62とは別空間を構成する第2のハウジング63にACFユニット15と滞留ユニット19を収容して第1のハウジング62内の圧着ヘッド53が発生する熱に煩わされないことようにすることによる、ACF2の供給やスプライシングに伴う作業性向上の利点は極めて大きい。
【0063】
第2のハウジング63には、第1及び第2のハウジング62,63外の空気を内部に送風するためのファン(冷却部)64が設けられている。このファン64を作動させることで第2のハウジング63外の相対的に冷たい空気が送風して第2のハウジング63内を冷却される。第2のハウジング63内は、相対的に高温になる第1のハウジン62から隔壁61等を介して伝わる熱が蓄積される傾向がある。しかし、ファン64からの送風により、第2のハウジング63内を冷却することで、ACF供給ユニット15の未使用のACF2dの熱による品質低下をより確実に防止できる。第2のハウジング63は高温である第1のハウジング62に対して隔壁61により隔てられた別空間を構成するで、大規模な冷却装置や複雑な冷却装置を使用する必要がなく、ファン64でも十分な冷却効果が得られる。
【0064】
図11はスプライシングユニット16の第1の代案を示す。この第1の代案は、押圧ロッド39(図4参照)に代えて、水平方向に進退する加熱ツール65を備える点が第1実施形態におけるスプライシングユニット16と異なる。第1の代案の動作は、図9A〜図9Fを参照して説明した第1実施形態におけるスプライシングユニット16の動作と同様である。図12Aに示すように、追加のACFテープ2の始端部2cはACF2bが除去されて離型テープ2aのみにより構成されている。互いに重ね合わされた使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cが加熱ツール65の先端と下側可動ステージ38との間に挟み込まれる。その結果、終端部2dの離型テープ2a、ACF2b、及び終端マークテープ11と始端部2cの離型テープ2aが熱溶融し、接合部66が形成される。
【0065】
図12Bから図12Dは、熱溶融により形成される接合部66の種々の形態を示す。図12Bでは、使用中のACFテープ2の終端部2dは離型テープ2aとACF2bにより構成され、追加のACFテープ2の始端部2cは離型テープ2aのみにより構成されており、2つの離型テープ2aと1つのACF2bの熱溶融による接合部66が形成されている。図12Cでは、使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cは共にACF2bが除去されて離型テープ2aのみにより構成されており、2つの離型テープ2aの熱溶融により接合部66が形成されている。図12Dでは使用中のACFテープ2の終端部2dが終端マークテープ11のみにより構成され、追加のACFテープ2の始端部2cは離型テープ2aのみにより構成されており、終端マークテープ11と離型テープ2aの熱溶融により接合部66が形成されている。
【0066】
図13及び図14はスプライシングユニット16の第2の代案を示す。この第2の代案は、押圧ロッド39(図4参照)に代えて、水平方向に進退する超音波ホーン67を備える点が第1実施形態におけるスプライシングユニット16と異なる。第2の代案の動作は、図9A〜図9Fを参照して説明した第1実施形態におけるスプライシングユニット16の動作と同様である。図14に示すように、使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cは共にACF2bが除去されて離型テープ2aのみにより構成されている。互いに重ね合わされた使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cがACFテープ2の厚みよりも大きい突起形状を有する超音波ホーン67の先端と下側可動ステージ38との間に挟み込まれる。超音波ホーン67が発生するACFテープ2の厚み方向の振動による発熱で熱溶融が生じ、その結果、接合部66が形成される。
【0067】
図15を参照すると、ACFテープ2はACF2bを保護するカバーテープないし保護テープ2fを備えてもよい。この場合、切断ユニット21のハーフカッタ51よりもACFテープ2の搬送方向上流で保護テープ2fを剥離する必要がある。例えば、切断ユニット21内のローラ26I近傍に追加のローラ26Nを配置し、このローラ26Nを介して回収リール68で巻き取ることで保護テープ2fを剥離すればよい。
【0068】
第1実施形態では、終端マークテープ11を終端部検出センサ18で光学的に検出することにより、使用中のACFテープ2の終端部2dを検出している。しかし、終端部2dの検出には種々の態様がある。例えば、図16に示すように、供給リール28が装着された支軸31の巻き出し方向に回転を検出する回転量検出センサ69を設け、この回転量検出センサ69の検出値とテープ搬送ユニット22によるテープ搬送量とに基づいて終端部2dを検出してもよい。このことにより、供給ユニット28に巻かれているテープの残量に応じて変化する供給リール28のACFテープのリール半径Rを算出し、終端部2を求めることができる。
【0069】
図17Aから図17Cは滞留ユニット19の種々の代案を示す。
【0070】
図17Aに示す第1の代案では、滞留ユニット19は、第1実施形態と同様の固定ローラ26C,26Eとダンサーローラ26Dにより形成される折り返し部42を2つ備える。2つの折り返し部42を設けたことにより、クランプ17が保持状態にあるときに滞留ユニット17から切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23に向けて搬送できるACFテープ2の量が増加し、ACF片2eの貼付動作を継続しつつスプライシングユニット16あるいは手作業によるスプライシングを実行可能な時間を延ばすことができる。
【0071】
図17Bに示す第2の代案では、ダンサーローラ26Dに代えて、固定ローラ26C,26E間に配置された吸込槽71を備える。この吸込槽71は上端に開口を有し、内部は真空ポンプ72により真空吸引されている。真空ポンプ72の吸引力で開口から吸込槽71内に引き込まれることにより、ACFテープ2に張力が付与される共に折り返し部42が形成される。この第2の代案の場合、原点位置検出センサ44、上限位置検出センサ45、及び下限位置検出センサ46は、折り返し部42の下端部分(ACFテープ2の搬送経路が下向きから上向きに反転する部分)を、例えば光学的に検出する。
【0072】
図17Cに示す第3の代案では、第2の代案の吸込槽71と真空ポンプ72の組み合わせを2組設けている。2つの吸込槽71の内部を1つの共通の真空ポンプ72により真空吸引してもよい。
【0073】
(第2実施形態)
図18及び図19は、本発明の第2実施形態に係るACF貼付装置1を示す。本実施形態では、ACFテープ2の搬送経路は、平面視で基板3の搬送方向であるX方向に対して実質的に直角に折れ曲がった折れ線状を呈する。この折れ線状の搬送経路を実現するために、切断ユニット21内のローラ26Fは作業者10がACF貼付装置1を正面から見たときに左斜め下向きに傾斜している。ACFテープ2の搬送経路のうち概ね第1のハウジング62内に含まれる部分、すなわち搬送経路のうち切断ユニット21からテープ搬送ユニット22、圧着ヘッドユニット23、及び剥離ユニット24を経て離型テープ回収ユニット25に到る部分が、平面視で基板移載ステージ13による基板3の搬送方向と同方向に延びる直線状である。一方、ACFテープ2の搬送経路のうちハウジング63内に概ね含まれる部分、すなわちACFテープ2の搬送経路のうちACF供給ユニット15からスプライシングユニット16、クランプ17、終端部検出センサ18、及び滞留ユニット18を経て切断ユニット21に到る部分が、平面視で基板3の搬送方向であるX方向に対して実質的に直角に延びる直線状である。このACFテープ供給ユニット15から切断ユニット21に到る部分のACFテープ2の搬送経路は、作業者10がACFテープ貼付装置1を正面から見たときに、ACFテープ貼付装置1の背面側に向けて延びている。
【0074】
直角に折れ曲がったACFテープ2の搬送経路に対応して、第2のハウジング63は第1のハウジング62内の基板3の搬送方向に対して平面視で直交する方向に縦置きに配置されている。具体的には、第2のハウジング63はACF貼付装置1の背面側に向けて延びている。
【0075】
縦置きされた第2のハウジング63は基板3の基板搬送装置5から離れる方向に延びているので、作業者と第2のハウジング63の背面側との基板3の搬送経路が介在しない。従って、作業者は、第2のハウジング63内に収容されたACF供給ユニット15、スプライシングユニット16、クランプ17、終端部検出センサ18、及び滞留ユニット19に対して、ACF貼付装置2の背面側から容易にアクセスすることができ、作業性が良好である。また、第2のハウジング63を縦置きしたことにより、基板3の搬送方向のACF貼付装置1の寸法を小型化でき、その結果、部品実装装置4のライン長を短縮できる。本実施形態では、第2のハウジング63はACF貼付装置1の背面側に向けて延びているが、第2のハウジング63をACF貼付装置1正面側に向けて延ばして配置し、それによつって基板の搬送経路を介さずに、作業者がACF貼り付け装置1の正面側より第2のハウジング内に直接容易にアクセスさせるように構成し、正面側からの作業性を向上させても良い。
【0076】
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図20に示すように、ACFテープ2が保護テープ2fを備える場合には、切断ユニット21内のローラ26C近傍に追加のローラ26Nを配置し、このローラ26Nを介して回収リール68で巻き取ることで保護テープ2fを剥離すればよい。
【0078】
図11から図17Cを参照して説明した第1実施形態に関する種々の代案は、本実施形態にも採用できる。
【0079】
(第3実施形態)
図21に示す第3実施形態に係るACF貼付装置1は、手作業によりスプライシングを実行する方式のスプライシングユニット16を備える。このスプライシングユニット16は作業者が手作業により使用中のACFテープ2の終端部2dと追加のACFテープ2の始端部2cを重ね合わせて保持するための治具75と、保持された終端部2dと始端部2cを治具75に押し付けて両面テープ9(例えば図10参照)により継ぎ合わせるためのツール76を備える。また、本実施形態では、ACFテープ供給ユニット28は追加のための未使用のACFテープ2を収容した供給リール28を1個のみ備えている。さらに、本実施形態のACF貼付装置1は、使用中のACFテープ2の終端部2dが検出されたこと、すなわちスプライシングを実行する必要があることを作業者に報知するための警告灯77とブザー78を備える。
【0080】
終端部検出センサ18が使用中のACFテープ2の終端マークテープ11を検出すると、クランプ17が解放状態から保持状態に切り換えられると共に、警告灯77が点灯してブザー78が報知音を発する。使用者が追加のACFテープ2を使用中のテープ2へ手作業で継ぎ合わせている間も、滞留ユニット19から切断ユニット21及び圧着ヘッドユニット23にACFテープ2が供給されるので、基板3へのACF片2eの貼付動作は継続される。
【0081】
ヒータ53aにより加熱される圧着ヘッド53を含む圧着ヘッドユニット23とスプライシングユニット16とは隔壁61で隔てられた互いに別空間を構成する第1及び第2のハウジング62,63にそれぞれ収容されており、スプライシングユニット16を収容している第2のハウジング63は室温に近い比較的低温で維持されている。従って、手作業でスプライシングを実行する際に作業者が高温に煩わされることがない。
【0082】
第3実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
図11から図17Cを参照して説明した第1実施形態に関する種々の代案は、本実施形態にも採用できる。
【0084】
本発明は、前記実施形態限定されず種々の変形が可能である。例えば、本発明は、非導電性フィルムのようなACFテープ以外の粘着テープにも適用可能である。また、本発明は、PDP基板、LCD基板、FPC基板以外の基板を含む種々の対象物に対する粘着テープの貼付に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施形態に係るACF貼付装置を示す模式的な斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るACF貼付装置を示す模式的な正面図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るACF貼付装置を備える部品実装装置の模式的な平面図。
【図4】スプライシングユニットを示す模式的な正面図。
【図5】供給リール及び保持プレートを示す模式的な正面図。
【図6A】滞留ユニット(ダンサーローラは原点位置)を示す模式的な正面図。
【図6B】滞留ユニット(ダンサーローラは上限位置)を示す模式的な正面図。
【図6C】滞留ユニット(ダンサーローラは下限位置)を示す模式的な正面図。
【図7】切断ユニットを示す模式的な正面図。
【図8】本発明の第1実施形態に係るACF貼付装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図9A】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図9B】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図9C】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図9D】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図9E】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図9F】スプライシングユニットの動作を説明するための模式的な正面図。
【図10】第1実施形態におけるACFテープの接合部を示す模式図。
【図11】スプライシングユニットの第1の代案を示す模式的な正面図。
【図12A】第1の代案のスプライシングユニットにより形成されたACFテープの接合部を示す模式図。
【図12B】ACFテープの接合部の他の例を示す模式図。
【図12C】ACFテープの接合部の他の例を示す模式図。
【図12D】ACFテープ接合部の他の例を示す模式図。
【図13】スプライシングユニットの第2の代案を示す模式的な正面図。
【図14】スプライシングユニットの第2の代案を示す模式図。
【図15】ACFテープが保護テープを有する場合の切断ユニット付近の構成を示す模式的な斜視図。
【図16】回転量検出機能を有する供給リールを示す模式図。
【図17A】滞留ユニットの第1の代案を示す模式的な正面図。
【図17B】滞留ユニットの第2の代案を示す模式的な正面図。
【図17C】滞留ユニットの第3の代案を示す模式的な正面図。
【図18】本発明の第2実施形態に係るACF貼付装置を示す模式的な斜視図。
【図19】本発明の第2実施形態に係るACF貼付装置を備える部品実装装置の模式的な平面図。
【図20】ACFテープが保護テープを有する場合の切断ユニット付近の構成を示す模式的な斜視図。
【図21】本発明の第3実施形態に係るACF貼付装置を示す模式的な斜視図。
【図22】本発明の第3実施形態に係るACF貼付装置を示す模式的な正面図。
【符号の説明】
【0086】
1 ACF貼付装置
2 ACFテープ
2a 離型テープ
2b ACF
2c 始端部
2d 終端部
2e ACF片
2f 保護テープ
3 LCD基板(基板)
3a 電極部
4 部品実装装置
5 基板搬送装置
6 洗浄装置
7 仮圧着装置
8 本圧着装置
9 両面テープ
11 終端マークテープ
12 基板保持ステージ
13 基板移載ステージ
14 端部保持ステージ
15 ACF供給ユニット
16 スプライシングユニット
17 クランプ
18 終端部検出センサ
19 滞留ユニット
20 テープテンションユニット
21 切断ユニット
22 テープ搬送ユニット
23 圧着ヘッドユニット
24 剥離ユニット
25 離型テープ回収ユニット
26 ローラ
27 ガイド機構
28 供給リール
29 保持プレート
30 モータ
31 支軸
33 保持チャック
34 プレート保持ロッド
35 上側可動ステージ
36 上側カッタ
37 固定ブロック
38 下側可動ステージ
39 押圧ロッド
40 コントローラ
41 下側カッタ
42 折り返し部
43,47 直動ガイド
44 原点位置検出センサ
45 上限位置検出センサ
46 下限位置検出センサ
48 吸着ステージ
49 継ぎ目検出センサ
51 ハーフカッタ
52 ACF捨打ち装置
53 圧着ヘッド
54 昇降装置
55 チャック
56 位置決めチャック
57 回収槽
61 隔壁
61a 貫通孔
62,63 ハウジング
64 ファン
65 加熱ツール
66 接合部
67 超音波ホーン
68 回収リール
69 回転量検出センサ
71 吸込槽71
72 真空ポンプ
75 治具
76 ツール
77 警告灯
78 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープを対象物に貼り付ける粘着テープ貼付装置であって、
離型テープの片面に粘着テープが貼着されたテープ部材を巻回状態で収容した供給リールを複数個備える供給部と、
前記供給リールから巻き出された前記テープ部材を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記供給部より前記搬送経路の下流側に配置され、前記離型テープを切断することなく前記粘着テープをカットして粘着テープ片を形成する切断部と、
前記切断部よりも前記搬送経路の下流側に配置され、前記粘着テープ片を熱と圧力により対象物に貼り付けた後に前記離型テープを剥離させる貼付部と、
前記搬送経路の前記供給部と前記切断部との間に配置され、前記テープ部材の一部を固定する保持状態と、前記テープ部材の固定を解除する解放状態とに切換可能な保持部と、
前記搬送経路の前記保持部と前記切断部との間に配置され、前記テープ部材に張力を付与すると共に前記搬送経路に少なくとも1つの折り返し部を形成し、前記保持部が前記保持状態にあるときに前記搬送部により前記テープ部材が搬送されると前記折り返し部の経路長が減少し、この減少した経路長に相当する長さの前記テープ部材が前記切断部及び前記貼付部に向けて搬送される滞留部と、
前記搬送経路の前記供給部と前記保持部との間に配置され、使用中の前記テープ部材の終端部と追加の前記テープ部材の始端部とを継ぎ合わせるためのスプライシング部と、
前記テープ部材の終端部を検出する検出部と、
前記検出部が前記使用中のテープ部材の終端部を未検出であれば、前記保持部を前記解放状態で維持し、前記検出部が前記使用中のテープ部材の終端部を検出すると、前記保持部を前記解放状態から前記保持状態に切り換えると共に、前記搬送部による搬送動作と前記切断部及び前記貼付部の動作を継続させる制御部と
を備える粘着テープ貼付装置。
【請求項2】
前記滞留部は、
前記テープ部材が巻掛けられた2個の固定ローラと、
前記搬送経路の前記固定ローラ間に配置され、前記テープ部材が巻掛けられ、鉛直方向に延びるガイドに沿って移動自在であり、自重により前記テープ部材に張力を付与する可動ローラと
を備える、請求項1に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項3】
前記滞留部は、
前記テープ部材が巻掛けられた2個の固定ローラと、
前記搬送経路の前記固定ローラ間に配置され、上端側に開口を有し、かつ内部が真空ポンプにより真空吸引される吸込槽と
を備え、
前記真空ポンプの吸引力で前記開口から前記吸込槽内に引き込まれることにより、前記テープ部材に張力が付与される共に前記折り返し部が形成される、請求項1に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項4】
前記切断部及び前記貼付部が収容された第1のハウジングと、
前記供給部、前記保持部、少なくとも1つ以上の前記滞留部、及び前記スプライシング部が収容され、前記第1のハウジングと隔壁を挟んで隣接し、前記隔壁には前記テープ部材の前記搬送経路が通る貫通孔が形成されている、前記第1のハウジングとは別空間を構成する第2のハウジングと
をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項5】
前記第2のハウジング内を冷却する冷却部をさらに備える、請求項4に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項6】
前記搬送経路のうちの前記第1のハウジング内の前記切断部から下流側、及び前記搬送経路のうちの前記第2のハウジング内にある前記供給部から前記切断部までの部分は、いずれも平面視で前記対象物の搬送方向と同方向に延びる、請求項4又は請求項5に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項7】
前記搬送経路のうちの前記第1のハウジング内の前記切断部から下流側は平面視で対象物の搬送方向と同方向に延び、前記搬送経路のうちの前記第2のハウジング内にある前記供給部から前記切断部までの部分は平面視で前記対象物の搬送方向と交差する方向に延びる、請求項4又は請求項5に記載の粘着テープ貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−283742(P2009−283742A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135091(P2008−135091)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】