説明

粘着フィルム

【課題】光学部材などの表面保護フィルムに適用した場合に、表面保護フィルムを剥離した際に、帯電防止されていない被着体の帯電防止が図れ、かつ、優れた粘着特性を示す帯電防止性粘着フィルム、及び、表面保護フィルムを提供すること。
【解決手段】基材層と、前記基材層の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着フィルムにおいて、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマー、アルカリ金属塩、及び、架橋剤を含有し、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記架橋剤を2重量部以下含有し、前記粘着フィルムの粘着力(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下で30分経過後)が、引張速度0.3m/分において、0.5N/25mm以上であることを特徴とする粘着フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止性を有する粘着フィルムに関する。本発明の粘着フィルムは、静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられる。なかでも特に、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルム、拡散シートなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして有用である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、粘着フィルムに関する。さらに詳細には、光学部材、例えば表面に凹凸を有する(表面が平滑でない)拡散シート等の被着体に対する粘着特性(密着性)に優れ、更に剥離時における剥離帯電圧を抑制した粘着フィルムに関する。
【0003】
一般的に、表面保護フィルムは、粘着剤層を介して被着体(被保護体)に貼り合わせ、被着体の加工、搬送時に生じる傷や汚れを防止する目的で用いられる。例えば、拡散シート等の光学部材に使用する表面保護フィルムは、貼付後、出荷保護や被着体の加工、搬送時に生じる傷や汚れを防止する目的で用いられ、一連の役目を果たすと、表面保護フィルムは不要になり、最終的に剥離されて除去される。
【0004】
表面保護フィルムを構成する基材や粘着剤、およびセパレーターは、プラスチック材料により構成されていることが多いため、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気が発生する。この剥離の際に発生する静電気により、表面保護フィルムに塵や埃が付着し拡散シートやその他光学部材を汚染したり、異物混入という貼り付け状態の不具合欠点を引き起こしたり、被着体内部に封入されている液晶や電子回路が損傷を受けることがある。
【0005】
そこで、上記不具合を防止するため、表面保護フィルムに各種帯電防止処理が施されている。
【0006】
これまでに、これらの静電気の帯電を抑制する試みとして、粘着剤に低分子の界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体(被保護体)に転写させて帯電防止する方法(たとえば、特許文献1参照)が開示されている。しかし、かかる方法においては、添加した低分子の界面活性剤が粘着剤表面にブリードし易く、表面保護フィルムに適用した場合、被着体への汚染が懸念される。したがって、低分子の界面活性剤を添加した粘着剤を、拡散シート等の光学部材用途の表面保護フィルムに適用した場合、光学特性を損なう問題を有している。
【0007】
また、拡散シート等のように表面に凹凸のある(表面が平滑でない)被着体に、表面保護フィルムを貼付した後、出荷や搬送する際に、被着体から表面保護フィルムが剥離してしまうという問題も抱え、高い粘着力が要求されている。
【0008】
上述のように、上記問題点をバランスよく解決できるものはなく、帯電防止性と粘着特性、再剥離が重要となる技術分野において、表面保護フィルムへの更なる改良要請に対応することが課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−165460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような事情に照らし、光学部材などの表面保護フィルムに適用した場合に、表面保護フィルムを剥離した際に、帯電防止されていない被着体の帯電防止が図れ、かつ、優れた粘着特性を示す帯電防止性粘着フィルム、及び、表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、基材層と、前記基材層の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着フィルムにおいて、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマー、アルカリ金属塩、及び、架橋剤を含有し、前記架橋剤を特定量含有し、前記粘着フィルムの粘着力が特定数値以上であることにより、粘着特性に優れ、剥離した際に帯電防止されていない被着体への帯電防止が図れ、被着体への汚染が低減された帯電防止性粘着フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の粘着フィルムは、基材層と、前記基材層の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着フィルムにおいて、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマー、アルカリ金属塩、及び、架橋剤を含有し、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記架橋剤を2重量部以下含有し、前記粘着フィルムの粘着力(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下で30分経過後)が、引張速度0.3m/分において、0.5N/25mm以上であることを特徴とする。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
【0013】
本発明の粘着フィルムは剥離帯電圧(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下)が、剥離速度10m/分において、絶対値が0.5kV以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の粘着フィルムは、前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることが好ましい。
【0015】
本発明の粘着フィルムは、前記粘着剤層が、ポリエーテルポリオール化合物を含有することが好ましい。
【0016】
本発明の粘着フィルムは、光学部材用保護フィルムであることが好ましい。
【0017】
本発明の粘着フィルムは、拡散シート用保護フィルムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粘着フィルムは、粘着特性に優れ、剥離した際に帯電防止されていない被着体への帯電防止を図ることができる。特に、表面に凹凸を有する(表面が平滑でない)拡散シート等の光学部材(被着体)に対する粘着特性(密着性)に優れ、更に剥離時における剥離帯電圧を抑制し、静電気による帯電が深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野において、帯電防止性を有する粘着フィルムや、表面保護フィルムを得ることができ、非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明の粘着フィルムは、基材層と、前記基材層の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着フィルムにおいて、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマー、アルカリ金属塩、及び、架橋剤を含有し、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記架橋剤を2重量部以下含有し、前記粘着フィルムの粘着力(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下で30分経過後)が、引張速度0.3m/分において、0.5N/25mm以上であることを特徴とする。
【0021】
本発明における粘着剤層は、(メタ)アクリル系ポリマーを含有することを特徴とする。また、前記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを構成成分として含有することが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーを使用することは、取り扱いの容易性、粘着力と再剥離性の点から、好ましい。
【0022】
本発明における炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることができるが、炭素数4〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーがより好ましい。たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。これらのアクリル系モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】
前記炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの配合量は、モノマー成分中、50重量%以上が好ましく、60〜100重量%がより好ましく、70〜98重量%が更に好ましい。前記範囲内であると、アルカリ金属塩との良好な相互作用および良好な粘着特性(密着性)を適宜調整することとなり、好ましい。
【0024】
前記炭素数が1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー以外のその他の重合性モノマーは、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。また、これらのモノマーは単独で用いても良いし組み合わせて用いても良いが、モノマー成分(全体)中の配合量としては、その他の重合性モノマーは50重量%未満が好ましい。
【0025】
前記その他の重合性モノマーとしては、たとえば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマー等の粘着(接着)力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。これらのモノマー化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0026】
なお、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成成分として、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸官能基を有するアクリレートおよび/またはメタクリレートを用いる場合は、(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40以下になるように調整することが好ましく、より好ましくは29以下、更に好ましくは16以下、特に好ましくは8以下、もっとも好ましくは1以下である。(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40を超えると、帯電特性が悪くなるため、好ましくない。
【0027】
また、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーの酸価とは、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことをいう。上記酸価が大きな(メタ)アクリル系ポリマー骨格中には、アルカリ金属塩との相互作用が大きいカルボキシル基やスルホネート基等が多数存在することになり、その結果、アルカリ金属塩によるイオン伝導が妨げられ、優れた帯電防止能が得られなくなると推測される。
【0028】
前記(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40以下になる例として、たとえば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸を共重合したアクリル系ポリマーがあげられるが、この場合、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸の合計量100重量部に対して、アクリル酸は5.1重量部以下であることを示す。また、アクリル酸は3.7重量部以下に調整することで、上記酸価を29以下にすることができる。
【0029】
前記スルホン酸基含有モノマーとしては、たとえば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などがあげられる。
【0030】
前記リン酸基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
【0031】
前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリルなどがあげられる。
【0032】
前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
【0033】
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。
【0034】
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などがあげられる。
【0035】
前記酸無水物基含有モノマーとしては、たとえば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などがあげられる。
【0036】
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。ヒドロキシル基含有モノマーを用いることにより、粘着剤層の原料である粘着剤組成物の架橋等を制御しやすくなり、ひいては、流動による濡れ性の改善と剥離における粘着(接着)力の低減とのバランスを制御しやすくなる。さらに、一般に架橋部位として作用しうるカルボキシル基やスルホネート基とは異なり、ヒドロキシル基はアルカリ金属塩およびポリエーテルポリオール化合物と、適度な相互作用を有するため、帯電防止性の面においても好適に用いることができる。
【0037】
前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどがあげられる。
【0038】
前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0039】
前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0040】
前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
【0041】
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が10万以上500万以下が好ましく、より好ましくは20万以上400万以下、さらに好ましくは30万以上300万以下である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、被着体への濡れ性の向上により、剥離時の粘着力(接着力)が大きくなるため剥離工程(再剥離)での被着体損傷の原因になることがあり、また、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が500万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体への濡れが不十分となり、被着体と粘着(表面保護)フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。重量平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
【0042】
また、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)としては、0℃以下(通常−100℃以上)が好ましく、−10℃以下がより好ましく、−20℃以下が更に好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、被着体への濡れが不十分となり、被着体と粘着(表面保護)フィルムの粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
【0043】
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合でき、作業性等の観点から、溶液重合がより好ましい。また、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体などいずれでもよい。
【0044】
本発明における粘着剤層は、アルカリ金属塩を含有することを特徴とする。アルカリ金属塩を用いて、(メタ)アクリル系ポリマー等との相溶性およびバランスの良い相互作用を得ることにより、剥離した際に帯電防止されていない被着体への帯電防止が図れた粘着フィルム(表面保護フィルム)を得ることができる。
【0045】
本発明に用いられるアルカリ金属塩としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる金属塩があげられ、具体的には、Li、Na、Kよりなるカチオンと、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、CHCOO、CFCOO、CHSO、C2n+1SO(nは整数)、(CFSO、(CFSO、AsF、SbF、NbF、TaF、F(HF)、(CN)、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、C19COO、(CHPO、(CPO、COSO、C13OSO、C17OSO、CH(OCOSO、C(CH)SO、(CPF、CHCH(OH)COO、及び、(FSOなどが用いられる。
【0046】
また、アニオン成分としては、下記式(A)で表されるアニオンなども用いることができる。
【化1】

【0047】
前記アルカリ金属塩の配合量については、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、アルカリ金属塩を0.01〜3重量部が好ましく、0.01〜2重量部がより好ましく、0.02〜1重量部配合することが特に好ましい。0.01重量部より少なくなると十分な帯電特性が得られない場合があり、一方、3重量部より大きくなると被着体への汚染が増加する傾向があるため、好ましくない。
【0048】
また、本発明における粘着剤層は、ポリエーテルポリオール化合物を含有することが好ましい。ポリエーテルポリオール化合物を用いてアルカリ金属塩、および(メタ)アクリル系ポリマー等との相溶性およびバランスの良い相互作用を得ることにより、剥離した際に帯電防止されていない被着体への帯電防止が図れ、かつ、被着体への汚染が低減された粘着フィルム(表面保護フィルム)を得ることができる。
【0049】
上記ポリエーテルポリオール化合物としては、エーテル基を有するポリマーポリオールであれば、特に限定されず、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(ジオール型)、ポリプロピレングリコール(トリオール型)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び、これらの誘導体、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのブロック共重合体、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロック共重合体、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのランダム共重合体などのポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのランダム共重合体やブロック共重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0050】
上記ポリエーテルポリオール化合物の分子量としては、数平均分子量が10000以下のものが好ましく、より好ましくは200〜5000のものが好適に用いられる。数平均分子量が10000を超えると汚染が悪化する傾向がある。数平均分子量はGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
【0051】
また、上記ポリエーテルポリオール化合物の配合量としては、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜2.5重量部であり、更に好ましくは0.3〜2重量部である。0.1重量部未満であると十分な帯電防止性が得られにくく、3重量部を超えると被着体への汚染が増加したり、粘着特性が低下する傾向にあり、好ましくない。
【0052】
本発明における粘着剤層は、架橋剤を含有することを特徴とする。上記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性に優れた粘着フィルム(表面保護フィルム)を得ることができる。
【0053】
本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物等が用いられる。中でも、主に適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0054】
上記イソシアネート化合物としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0055】
上記イソシアネート化合物の中でも特に、粘着力と剥離帯電圧特性とのバランスを制御する観点から、イソシアネートのイソシアヌレート変性体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)トリレンジイソシアネートのイソシアネート変性体したイソシアネートのイソシアヌレート変性体(商品名コロネート2030、日本ポリウレタン工業社製)などが好適な例としてあげられる。
【0056】
上記エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0057】
上記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン等があげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)等があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0058】
上記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチル、アセチルアセトンなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0059】
また、本発明において、架橋剤として、放射線反応性不飽和結合を2個以上有す多官能モノマーを添加することができる。かかる場合には、放射線などを照射することにより粘着剤層を形成する原料(粘着剤組成物)を架橋させる。一分子中に放射線反応性不飽和結合を2個以上有する多官能モノマーとしては、たとえば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルベンジル基などの放射線の照射で架橋処理(硬化)することができる1種または2種以上の放射線反応性を2個以上有す多官能モノマーがあげられる。また、前記多官能モノマーとしては、一般的には放射線反応性不飽和結合が10個以下のものが好適に用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0060】
前記多官能モノマーの具体例としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、N,N’−メチレンビスアクリルアミドなどあげられる。
【0061】
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、2重量部以下であり、0.05〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1重量部がより好ましい。含有量が0.05重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤層(粘着剤組成物)の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が2重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、凹凸のある被着体の場合、被着体への濡れが不十分となって密着不足や端部浮きなどが生じることがある。
【0062】
前記放射線としては、例えば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。なお、放射線として紫外線を用いる場合にはアクリル粘着剤に光重合開始剤を添加する。
【0063】
光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であればよい。
【0064】
光ラジカル重合開始剤として、たとえば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ベンジルジメチルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピルー2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2―エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(エトキシ)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0065】
光カチオン重合開始剤として、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始剤は、アクリル系ポリマー100重量部に対し、通常0.1〜10重量部配合し、0.2〜7重量部の範囲で配合するのが好ましい。
【0066】
さらにアミン類などの光開始重合助剤を併用することも可能である。前記光開始助剤としては、たとえば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。重合開始助剤は、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、0.05〜10重量部配合するのが好ましく、0.1〜7重量部の範囲で配合するのがより好ましい。
【0067】
本発明の粘着剤層(粘着剤組成物)には、その他の添加剤を含有していてもよく、例えば、架橋触媒、架橋遅延剤、充填剤、着色剤、顔料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー等を適宜使用することができる。
【0068】
本発明の粘着フィルムは、上記粘着剤層を基材層(支持体)上に形成してなるものである。その際、粘着剤層の原料である粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤層を基材層(支持体)等に転写することも可能である。
【0069】
上述のように任意成分とする光重合開始剤を添加した場合において、前記粘着剤組成物(溶液)を、被着体上に直接塗工するか、または基材層(支持体、支持基材)の片面または両面に塗工した後、光照射することにより粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量400〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着フィルムが得られる。
【0070】
基材層(支持体)上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物(溶液)を基材層に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を基材層上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を基材層上に塗布して粘着フィルムを作製する際には、基材層上に均一に塗布できるよう、前記組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
【0071】
また、本発明における粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ等の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法などがあげられる。
【0072】
さらに、本発明の粘着フィルムに用いられる粘着剤組成物には、従来公知の各種の粘着付与剤や表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することが出来る。
【0073】
上記粘着剤の厚みとしては、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるようにポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の基材層(支持体)の片面または両面に塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。
【0074】
粘着フィルム(表面保護フィルム)を構成する基材層は、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。基材層が可とう性を有することにより、ロールコーターなどによって粘着剤組成物(溶液)を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができる。
【0075】
上記基材層を形成する樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどをあげることができる。
【0076】
なお、粘着剤層と基材層間の密着性を向上させるため、基材層の表面にはコロナ処理などをおこなってもよい。また、基材層には背面処理を行ってもよい。
【0077】
本発明においては、基材層(支持体)としてプラスチック基材が好適に用いられる。プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
【0078】
前記基材層の厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記基材層の粘着剤層貼合面には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等により適宜離型剤処理が施してもよい。
【0079】
また、前記基材層の片面には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理をすることもできる。
【0080】
また、前記基材層は、帯電防止処理されてなるものがより好ましく用いられる。プラスチック基材に施される帯電防止処理としては特に限定されないが、一般的に用いられる基材の少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法やプラスチック基材に練り込み型帯電防止剤を練り込む方法が用いられる。
【0081】
前記基材層の少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法としては、後述する帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法があげられる。
【0082】
本発明の粘着フィルムは、必要に応じて粘着面を保護する目的で、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する基材としては紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。そのフィルムとしては、上記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
【0083】
また、本発明で使用するセパレーター(プラスチック基材)は、帯電防止処理されていてもよい。プラスチック基材に施される帯電防止処理としては特に限定されないが、前記基材層と同様の方法を採用することができる。
【0084】
上記基材層やセパレーターに用いられる帯電防止性樹脂に含有される帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1、第2、第3アミノ基などのカチオン性官能基を有すカチオン型帯電防止剤、スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤、アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性型帯電防止剤、アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤、更には、上記カチオン型、アニオン型、両性イオン型のイオン導電性基を有する単量体を重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0085】
カチオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0086】
アニオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0087】
両性イオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0088】
ノニオン型の帯電防止剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0089】
導電性ポリマーとしては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどがあげられる。これらの導電性ポリマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0090】
導電性物質としては、たとえば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物があげられる。
【0091】
前記帯電防止性樹脂および前記導電性樹脂に用いられる樹脂成分としては、たとえば、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、高分子型帯電防止剤の場合には、樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂成分に、架橋剤として、たとえば、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物を含有させることも可能である。
【0092】
帯電防止層の形成方法としては、たとえば、上述の帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂を有機溶剤もしくは水などの溶媒で希釈し、この塗液をプラスチック基材に塗布、乾燥することで形成される。
【0093】
前記帯電防止層の形成に用いる有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0094】
前記帯電防止層の形成における塗布方法については公知の塗布方法が適宜用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、含浸およびカーテンコート法があげられる。
【0095】
前記帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー、導電性樹脂の厚みとしては通常0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μm程度である。
【0096】
導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などがあげられる。
【0097】
前記導電性物質層の厚みとしては、通常20〜10000Å(0.002〜1μm)が好ましく、より好ましくは50〜5000Å(0.005〜0.5μm)である。
【0098】
また練り込み型帯電防止剤としては、上記帯電防止剤が適宜用いられる。練り込み型帯電防止剤の配合量としては、プラスチック基材の総重量に対して20重量%以下、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で用いられる。練り込み方法としては、前記帯電防止剤がプラスチック基材に用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、たとえば、加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機等が用いられる。
【0099】
本発明の粘着フィルムは、特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられ、なかでも特に、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置およびそれを用いたタッチパネルなどに用いられる偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルム、拡散シートなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして用いることができる。
【実施例】
【0100】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0101】
<アクリル系ポリマーの重量平均分子量の測定>
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
【0102】
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn Super HZ−H(1 本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6ml/分
サンプル注入量:10μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2重量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
【0103】
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度Tg(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tg(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
【0104】
式:1/(Tg+273)=Σ[W/(Tg+273)]
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、W(−)は各モノマーの重量分率、Tg(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
2−エチルヘキシルアクリレート:−70℃
イソノニルアクリレート:−82℃
ブチルアクリレート:−55℃
エチルアクリレート:−22℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃
アクリル酸:106℃
なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
【0105】
<酸価の測定>
酸価は、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)を用いて測定を行い、下記式より求めた。
【0106】
A={(Y−X)×f×5.611}/M
A;酸価
Y;サンプル溶液の滴定量(ml)
X;混合溶媒50gのみの溶液の滴定量(ml)
f;滴定溶液のファクター
M;ポリマーサンプルの重量(g)
なお、測定条件は下記の通りである。
【0107】
サンプル溶液:ポリマーサンプル約0.5gを混合溶媒(重量比:トルエン/2−プロパノール/蒸留水=50/49.5/0.5)50gに溶解してサンプル溶液とした。
【0108】
滴定溶液:2−プロパノール性水酸化カリウム溶液(0.1N、和光純薬工業社製、石油製品中和価試験用)
電極:ガラス電極;GE−101、比較電極;RE−201
測定モード:石油製品中和価試験1
【0109】
<粘着力の測定>
アクリルパネル(三菱レーヨン社製、アクリライト)に、幅25mm、長さ100mmのサイズにカットした粘着フィルムを0.25MPa、速度0.3m/分の圧着条件でラミネートし、評価サンプルを作製した。ラミネート後30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度0.3m/分、剥離角度180°で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
【0110】
本発明の粘着剤フィルムの粘着力としては、0.5N/25mm以上であり、好ましくは0.6〜6N/25mmであり、より好ましくは、0.6〜4N/25mmである。前記範囲内であると、拡散シート等の表面の凹凸を有する(平滑でない)被着体に対しても、十分な粘着特性を示すことができる。
【0111】
<剥離帯電圧の測定>
粘着フィルムを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいた厚み1mm、幅70mm、長さ100mmのアクリルパネル(三菱レーヨン社製、アクリライト)表面に片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。23℃×50%RHの環境下に1日放置した後、下記に示すように所定の位置にサンプルをセットした。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度10m/分となるように剥離した。剥離した粘着フィルムをサンプル固定台に設置し、粘着剤表面の電位を、所定の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。
【0112】
本発明の粘着剤フィルムの剥離帯電圧としては、絶対値が、0.5kV以下であることが好ましく、より好ましくは0.4kV以下であり、特に好ましくは0.3kV以下である。前記範囲内であると、優れた帯電特性を示すことができる。
【0113】
<(メタ)アクリル系ポリマーの調製>
〔アクリル系ポリマー(A)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0.0であった。
【0114】
<帯電防止剤溶液の調製>
〔帯電防止剤溶液(a)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにヨウ化リチウム20重量部、酢酸エチル80重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って2時間混合攪拌を行い、帯電防止剤溶液(a)(20重量%)を調製した。
【0115】
〔帯電防止剤溶液(b)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに過塩素酸リチウム20重量部、酢酸エチル80重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って2時間混合攪拌を行い、帯電防止剤溶液(b)(20重量%)を調製した。
【0116】
〔帯電防止剤溶液(c)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにLiN(CSO1重量部、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体(数平均分子量2000、エチレングリコール基比率50重量%:PEP)14重量部、酢酸エチル60重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って2時間混合攪拌を行い、帯電防止剤溶液(c)(20重量%)を調製した。
【0117】
〔帯電防止剤溶液(d)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにLiN(CSO2重量部、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000、エチレングリコール基比率0重量%:PPG)18重量部、酢酸エチル80重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って2時間混合攪拌を行い、帯電防止剤溶液(d)(20重量%)を調製した。
【0118】
〔帯電防止剤溶液(e)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコにLiN(CSO0.5重量部、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体(数平均分子量2000、エチレングリコール基比率50重量%:PEP)35重量部、酢酸エチル142重量部を仕込み、フラスコ内の液温を80℃付近に保って2時間混合攪拌を行い、帯電防止剤溶液(e)(20重量%)を調製した。
【0119】
<帯電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの作製>
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd−142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調製した。得られた前記帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm、基材層)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ0.2μm)を形成し、帯電防止処理PETフィルムを作製した。
【0120】
<実施例1>
〔粘着剤溶液の調製〕
上記アクリル系ポリマー(A)の固形分100重量部に対して上記帯電防止剤(a)0.5重量部、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネ−ト:C/L)0.5重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ0.03重量部を、それぞれ加えて混合攪拌し、これを酢酸エチルで20重量%に希釈して、アクリル系粘着剤溶液(1)を調製した。なお、前記重量部での記載は、固形分の重量を示している。以下も同様である。
【0121】
〔粘着フィルムの作製〕
上記アクリル系粘着剤溶液(1)を、上述のように作製した帯電防止処理PETフィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、110℃で3分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼り合わせ、粘着フィルムを作製した。なお、前記粘着フィルムの使用時には、前記シリコーン処理を施したPETフィルムを剥離して、使用した。
【0122】
<実施例2>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤(a)に代えて、上記帯電防止剤(b)1.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0123】
<実施例3>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤(a)に代えて、上記帯電防止剤(c)0.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0124】
<実施例4>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤溶液(a)に代えて、上記帯電防止剤(c)0.75重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0125】
<実施例5>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤溶液(a)に代えて、上記帯電防止剤(d)1.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0126】
<実施例6>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤(a)に代えて、上記帯電防止剤(c)1.5重量部を用い、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネ−ト:C/L)に代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、コロネート:C/HX)0.2重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0127】
<比較例1>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤溶液(a)を用いないこと以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0128】
<比較例2>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤(a)0.7重量部を用い、架橋剤としてトリメチロ−ルプロパン/トリレンジイソシアネ−ト3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネ−ト:C/L)2.5重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0129】
<比較例3>
実施例1の粘着剤の調整で帯電防止剤(a)に代えて、上記帯電防止剤(e)3.55重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により粘着フィルムを作製した。
【0130】
前記方法に従い、作製した粘着フィルムの剥離帯電圧測定、および粘着力測定を行った。得られた結果を表1に示す。重量部数はすべてポリマー100重量部に対する固形分比を記載している。
【0131】
【表1】

【0132】
上記表1の結果より、実施例1〜6のいずれにおいても、剥離帯電圧が抑制され、かつ、優れた粘着力を示すことが明らかとなった。これに対して、比較例1では、アルカリ金属塩を配合しなかったため、剥離耐電圧が抑制できず、比較例2においては、架橋剤の添加量が多く、十分な粘着力が得られず、比較例3においては、ポリエーテルポリオール化合物の添加量が多く、こちらも十分な粘着力が得られず、比較例1〜3のいずれにおいても、拡散シート等の光学部材用の表面保護フィルムには適さないことが、明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、前記基材層の少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着フィルムにおいて、
前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマー、アルカリ金属塩、及び、架橋剤を含有し、
前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、前記架橋剤を2重量部以下含有し、
前記粘着フィルムの粘着力(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下で30分経過後)が、引張速度0.3m/分において、0.5N/25mm以上であることを特徴とする粘着フィルム。
【請求項2】
剥離帯電圧(被着体:アクリルパネル、23℃×50%RH条件下)が、剥離速度10m/分において、絶対値が0.5kV以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項3】
前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着フィルム。
【請求項4】
前記粘着剤層が、ポリエーテルポリオール化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着フィルム。
【請求項5】
光学部材用保護フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着フィルム。
【請求項6】
拡散シート用保護フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着フィルム。


【公開番号】特開2012−241154(P2012−241154A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114811(P2011−114811)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】