説明

粘着剤組成物及び粘着シート

【課題】表面抵抗率が5×1010Ω/□以下となる優れた帯電防止性を有しながら、光学用途に十分な透明性、耐久性、耐光漏れ性を兼ね備えた粘着剤層を形成できる粘着剤組成物、ならびに、該粘着剤層を有する粘着シートを提供すること。
【解決手段】モノマー構成単位として1.0〜15質量%の水酸基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、モノマー構成単位としてカルボキシル基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)、リチウム塩(C)、およびオキシアルキレン鎖の繰り返し単位が2〜10であるアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)を含有し、かつ、前記共重合体(B)のカルボキシル基含有モノマーが前記共重合体(A)の水酸基含有モノマーに対して当量比で0.3以上であることを特徴とする粘着剤組成物および同組成物からなる粘着層を有する粘着シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止性を有する粘着剤組成物及び粘着シートに関する発明であり、より具体的には、特に液晶ディスプレイ等に使用される偏光板や位相差板に好適に適用される帯電防止性を有する粘着剤組成物及び粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶セルに偏光板や位相差板等の光学部材を積層して液晶ディスプレイを作製する場合、粘着剤層を介して貼合する方法が好ましく利用されている。このような方法を具体的に説明すると、例えば、光学部材上に粘着剤層を形成して粘着シートを為し、その粘着剤層の露出面側が液晶セルと接するように貼り合せるといった態様が挙げられる。また、前記態様の前段階として、粘着剤層が形成された光学部材からなる粘着シートを得る場合、剥離フィルム上に粘着剤層を形成して、その粘着剤層を光学部材上に転写するという態様も挙げられる。さらに、上記夫々の態様の粘着剤層の露出面は、ゴミ等の付着を防止する観点から他の被着体と貼合するまでは剥離フィルムによって保護する態様も挙げられる。
ここで、前記剥離フィルムや光学部材は、電気絶縁性の高いプラスチック材料により構成されていることが多い。そうすると、前記のとおり各態様において貼合や剥離の工程を伴い、その際に静電気が発生する。特に、剥離によって発生する静電気は、剥離帯電圧と称され大きく問題視されている。
このようにして発生した静電気によって帯電した粘着シートは、周囲のゴミを巻き込むといった問題が指摘されている。さらに、この際に発生した静電気が残ったままの状態で粘着シートを液晶セルに貼付すると、液晶分子の配向に乱れが生じるといった問題も指摘されている。また、上記のようにして生じた液晶分子の配向乱れを回復させることができる場合であっても、回復しない間は次の液晶ディスプレイ製造工程に進めず、製造工程の遅延をもたらすといった問題も指摘されている。このような問題は、特に、近年の液晶ディスプレイの大型化、駆動方式の改良に伴い、大きくクローズアップされるようになってきた。
これらの問題解決に当たり、静電気帯電防止対策として粘着剤層への帯電防止性付与が切望されており、具体的には、表面抵抗率が5×1010Ω/□以下となる粘着剤層を形成する粘着剤組成物が求められている。
他方、液晶ディスプレイの部材である偏光板、特に視野角拡大フィルムなどと一体化してなる偏光板と液晶セルの貼合、偏光板と位相差板の貼合、位相差板相互の貼合及び位相差板と液晶セルの貼合には、様々な環境下にあっても浮き剥れの生じない「耐久性」と、フィルムの収縮・膨張といった寸法変化に伴う応力変化によって引き起こされる光漏れに対する耐性〔以下、「耐光漏れ性」〕を有する粘着剤層を有する粘着シートが求められている(特許文献1)。
以上をまとめると、現在、表面抵抗率が5×1010Ω/□以下という優れた帯電防止性を有しながら、耐久性及び耐光漏れ性を兼ね備えた粘着剤層を形成する粘着剤組成物が求められている。しかし、これまでのところ、そのような粘着剤組成物は切望されながらも現実には得られていなかった。
本発明に関連のある先行文献としては、例えば、アルキレンオキシド基含有反応性モノマーを単量体成分として有する(メタ)アクリル系ポリマーとアルカリ金属塩を含有する粘着剤組成物が挙げられる(特許文献2)。また、ガラス転移温度の異なる2種類のポリマーにリチウム塩を含有させた粘着剤組成物が挙げられる(特許文献3)。いずれの粘着剤組成物も帯電防止性を発揮するためにポリマーを構成するモノマーとして親水性モノマーを多く使用する組成となっている。そのため、最終的に剥して捨てられる表面保護フィルムとしては、前記開示の粘着剤組成物により形成される粘着剤層で十分な性能を有していると考えられるが、本発明のように液晶ディスプレイの構成体の一部を為す場合には、耐久性及び耐光漏れ性が問題となることが十分に予想される。
本発明に最も近い先行文献としては、特開2008−32852が挙げられる(特許文献4)。特許文献4は、水酸基含有モノマーを共重合したアクリル系共重合体、アクリル酸を共重合したアクリル系共重合体、及び多官能性アクリレート系モノマーを含有する粘着剤組成物に各種帯電防止剤を含有させた粘着剤組成物を開示している。該文献に開示する粘着剤組成物により形成される粘着剤層は、耐久性及び耐光漏れ性を有しながら一定の帯電防止性を有する。しかしながら、該文献の粘着剤組成物では各種帯電防止剤の添加を検討したが、十分な耐久性及び耐光漏れ性を有したうえで、表面抵抗率5×1010Ω/□以下という優れた帯電防止性を発揮するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3272921(特開平9−87593)号公報
【特許文献2】特開2007−92056号公報
【特許文献3】特開2008−248223号公報
【特許文献4】特開2008−32852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況の下、本発明の目的は、表面抵抗率が5×1010Ω/□以下という優れた帯電防止性を有するとともに十分な耐光漏れ性や耐久性を有する粘着剤層を形成するための粘着剤組成物、および該粘着剤組成物により形成された粘着剤層を有する粘着シートを提供することにある。
従来の帯電防止性を有する粘着シート類においては、表面抵抗率が5×1010Ω/□以下という優れた帯電防止性を発現させるためには、多量の帯電防止剤の添加が必要となり、耐久性への悪影響が顕著になるため、帯電防止性と耐久性の両立が難しいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、2種類の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用い、一方の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の水酸基の量を特定することにより適度な親水性を付与し、もう一方の(メタ)アクリル酸エステル共重合体中のカルボキシル基とバランスさせ、かつ、所定量のリチウム塩と、特定のアルキレングリコールジアルキルエーテルを含有する粘着剤組成物を使用することにより、該粘着剤組成物により形成される粘着剤層が、液晶セルと光学部材の間、あるいは光学部材間の貼合に十分な耐久性及び耐光漏れ性を有しながら、帯電防止性を飛躍的に向上させることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1)モノマー構成単位として1.0〜15質量%の水酸基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、モノマー構成単位としてカルボキシル基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)、リチウム塩(C)、およびオキシアルキレン鎖の繰り返し単位が2〜10であるアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)を含有し、かつ、前記共重合体(B)のカルボキシル基含有モノマーが前記共重合体(A)の水酸基含有モノマーに対して当量比で0.3以上であることを特徴とする粘着剤組成物、
(2)前記リチウム塩(C)が、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)
2NおよびLi(CF3SO2)3Cからなる群から選ばれる1種類以上で
ある上記(1)に記載の粘着剤組成物、
(3)前記リチウム塩(C)と前記アルキレングリコールジアルキルエーテル(D)のモル比(C)/(D)が30/70〜70/30である上記(1)又は(2)に記載の粘着剤組成物、
(4)前記共重合体(A)100質量部に対して、前記リチウム塩(C)と前記アルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の合計量として1〜20質量部を含有する上記(1)1乃至(3)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(5)前記粘着剤組成物が、さらに、活性エネルギー線硬化型化合物(E)を含有する上記(1)1乃至(4)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(6)前記粘着剤組成物が、さらに、イソシアネート系架橋剤(F)を含有する上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着剤組成物により形成され た粘着剤層を有する粘着シート、
(8)前記粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する上記(7)に記載の粘着シート、
(9)光学部材上に粘着剤層を有する上記(7)に記載の粘着シートおよび
(10)前記光学部材が偏光板又は位相差板である上記(9)に記載の粘着シートを提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の帯電防止性を有する粘着剤組成物および粘着シートは、偏光板と液晶セル、偏光板と位相差板の貼合、位相差板相互の貼合及び位相差板と液晶セルの貼合における貼合部分の耐久性に特に優れており、得られた液晶表示装置において、高温高湿環境下でも光漏れが生じにくく、且つ表面抵抗率が5×1010Ω/□以下となる優れた帯電防止性を有する。それにより、液晶セル等を貼合する際、液晶分子の配向の乱れを生じさせることのない、特に偏光板用等に有用な粘着剤組成物および該組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例、比較例で得られた粘着剤付き偏光板の耐光漏れ性を評価する方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物においては、2種類の異なる官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)および(B)を使用する。
一方の共重合体(A)は、モノマー構成単位として1.0〜15質量%の水酸基含有モノマーを含み、もう一方の(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)はモノマー構成単位としてカルボキシル基含有モノマー含んでおり、カルボキシル基含有モノマーが水酸基含有モノマーに対して当量比で0.3以上となる関係を有し、かつ、リチウム塩(C)およびオキシアルキレン鎖の繰り返し単位が2〜10であるアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)を含有することを特徴としている。
【0009】
まず、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)について説明する。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
通常、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を架橋して形成される粘着剤層に耐久性を付与するために、架橋点となる官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを、官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合させて(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得、これを粘着剤の主剤とすることが行われる。成分(A)においては、水酸基が架橋点となる。
共重合体(A)を調製するために使用される水酸基を含有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられ、これらのうち特に(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが共重合体を容易に製造できる点から好ましい。
共重合体(A)を調製するために使用される官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に制限はなく、例えば、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルを好ましく挙げることができる。ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの(メタ)アクリル酸エステルのうち、特に、(メタ)アクリル酸ブチルが、適度な粘着性能を得ることができるのと、共重合体(A)を容易に製造できる点で好ましい。
【0010】
本発明の粘着剤組成物中の共重合体(A)においては、前記水酸基含有モノマーがモノマー構成単位中1.0〜15質量%であることを要し、1.5〜10質量%であることが好ましく、3〜7質量%が特に好ましい。1.0質量%以上とすることにより、リチウム塩の帯電防止性を引き出し、15質量%以下とすることにより、高温・高湿下での耐久性が低下するのを防止することができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量は通常50万〜250万であり、80万〜200万であることが好ましく、100万〜180万であることがより好ましい。重量平均分子量を50万以上とすることにより、被着体との密着性や高温・高湿下での接着耐久性が確保され、貼り合わせ部分で浮きや剥がれなどが生じるのを防止することができる。重量平均分子量を250万以下とすることにより、粘度増大等による加工適性の低下を防止することができる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率を表す分子量分布(Mw/Mn)は通常20以下であり、1.5〜10であることが好ましく、2〜5であることが特に好ましい。分子量分布が20以下であると、十分な接着耐久性が得られる。なお、上記重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明の粘着剤組成物においては、この(メタ)アクリル酸エステル(A)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
次に、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)について説明する。(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)においても、共重合体(A)と同様、粘着剤層に耐久性を付与するため、通常、架橋点となる官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーと官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体を用いる。共重合体(B)においては、カルボキシル基が架橋点となる。
共重合体(B)におけるカルボキシル基含有モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられ、重量平均分子量100万以上の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を容易に製造できる点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
共重合体(B)におけるカルボキシル基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に制限はなく、共重合体(A)で用いるのと同様のもの、すなわち、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの化合物のうち、共重合体(A)の場合と同様に、特に(メタ)アクリル酸ブチルが適度な粘着性能を得ることができることと、通常、重量平均分子量50万〜250万、好ましく、80万〜200万、特に好ましく、100万〜180万の(メタ)アクリル酸エステル重合体(B)を容易に製造できる点で好ましい。尚、分子量分布(Mw/Mn)も共重合体(A)の場合と同様である。
【0012】
本発明の粘着剤組成物においては、前記共重合体(B)のカルボキシル基含有モノマーが前記共重合体(A)の水酸基含有モノマーに対して当量比で0.3以上となるように共重合体(A)と(B)の量をコントロールする必要がある。
同当量比は共重合体(A)と(B)中それぞれの水酸基含有モノマーまたはカルボキシル基含有モノマーの共重合比で調整してもよいし、共重合体(A)と(B)の配合比を調整することにより行ってもよい。当量比は、好ましくは0.3〜5.0、さらに好ましくは、0.3〜0.9である。
当量比を0.3以上とすることにより、特に耐久性に優れた粘着剤層を形成する粘着剤組成物を得ることができる。当量比を5.0以下とすることにより、粘着力が上昇してリワーク性が低下するのを防止することができる。
【0013】
次に、成分(C)であるリチウム塩について説明する。本発明においては、帯電防止性を付与するためにリチウム塩を含有させる。リチウム塩を構成するリチウムイオンは、各種金属イオンの中でも原子半径が小さく、形成される粘着剤層中を移動しやすく、帯電防止性を発揮させることに優れている。
リチウム塩としては、LiCl、LiBr、LiI、LiBF4、LiPF6、LiSCN、LiClO4、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO23C等が挙げられる。中でも粘着剤組成物との親和性の観点からLiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(CF3SO23Cが特に好ましい。
次に、成分(D)であるオキシアルキレン鎖の繰り返し単位が2〜10であるアルキレングリコールジアルキルエーテルについて説明する。
成分(C)と共に成分(D)を使用することにより、成分(C)のリチウムイオンと成分(D)が錯体を形成することにより帯電防止性を発揮するのに十分な電離状態を有効に作りだすことができ、また、これを維持することができる。さらに、成分(D)は、共重合体(A)および(B)等の粘着剤組成物のその他の成分と成分(C)の親和性を高める役割を果たす。特に、本発明の成分(D)は少量で前記効果を発揮することができることを特徴とする。
成分(D)のアルキレングリコールジアルキルエーテルにおけるオキシアルキレン鎖の繰り返し単位は、通常2〜10であり、3〜8であることが好ましく、4〜6であることが特に好ましい。また、成分(D)におけるアルキレングリコールジアルキルエーテルの両末端の酸素原子と結合するアルキル基は、通常炭素数1〜6であり、1〜4であることが好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
具体的には、オクタエチレングリコールジブチルエーテル、オクタエチレングリコールジエチルエーテル、オクタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジブチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジエチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどが好ましく挙げられ、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが特に好ましく挙げられる。
前記リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の配合割合は、モル比(C)/(D)として、通常30/70〜70/30であり、好ましくは40/60〜60/40であり、特に好ましくは50/50である。
リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の最も好ましい組み合わせの例としては、リチウム塩(C)としてLi(CF3SO22Nを使用し、アルキレングリコールジアルキルエーテル(D)としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルを使用し、モル比(C)/(D)が50/50となるように配合したものが挙げられる。
リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)は、その他の粘着剤組成物の成分と混合する前に、予め混合しておくことが好ましい。予め混合しておくことにより粘着剤組成物との混合を均一に行うことができる。
リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の混合物は、共重合体(A)中に含有させておくことも可能であるし、共重合体(B)中に含有させておくこともできる。あるいは、共重合体(A)および(B)の混合時に添加することもできる。リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の合計の含有量は、共重合体(A)100質量部(固形分換算)に対して、1〜30質量部が好ましく、より好ましくは2〜20質量部、特に好ましくは3〜15質量部である。リチウム塩(C)とアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の合計の含有量を1質量部以上とすることにより、帯電防止性が確保され、30質量部以下とすることにより、リチウム塩の析出を防止し、耐久性の低下及びブリードアウトによる汚染を防止する。
【0014】
次に、任意成分(E)である活性エネルギー線硬化型化合物について説明する。成分(E)を粘着剤組成物に含有させることにより前記共重合体(A)及び(B)等を物理的に架橋することができ、形成される粘着剤層を貯蔵弾性率の高いものとすることができる。
本発明の粘着剤組成物において、成分(E)として用いられる活性エネルギー線硬化型化合物としては、分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを好ましく挙げることができる。
この分子量1000未満の多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、2官能から6官能まで種々の多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることができ、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの2官能型;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどの3官能型;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能型;プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能型;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能型などが挙げられる。
本発明において、これらの多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、骨格構造に環状構造を有するものを含有することが好ましい。
環状構造は、炭素環式構造でも、複素環式構造でもよく、また、単環式構造でも多環式構造でもよい。このような多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えばジ(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート、トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレートなどのイソシアヌレート構造を有するもの、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどが好適であり、特にイソシアヌレート構造を有するものが好ましい。
【0015】
また、成分(E)として活性エネルギー線硬化型のアクリレート系オリゴマーを用いることができる。このアクリレート系オリゴマーは重量平均分子量50,000以下のものが好ましい。このようなアクリレート系オリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリブタジエンアクリレート系、シリコーンアクリレート系などが挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させ、エステル化することにより得ることができる。また、このエポキシアクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシアクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアナートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができ、ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
上記アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、GPC法で測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の値で、上述のように50,000以下が好ましく、より好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲で選定される。これらのアクリレート系オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、成分(E)として(メタ)アクリロイル基を有する基が側鎖に導入されたアダクトアクリレート系ポリマーを用いることもできる。このようなアダクトアクリレート系ポリマーは、例えば、前述の成分(A)の(メタ)アクリル酸エステル重合体において説明した(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に官能基を有するモノマーとの共重合体を用い、該共重合体の官能基の一部に、(メタ)アクリロイル基及び該官能基と反応する基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。該アダクトアクリレート系ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、通常50万〜200万である。
本発明においては、成分(E)として、前記の多官能アクリレート系モノマー、アクリレート系オリゴマー及びアダクトアクリレート系ポリマーの中から、適宜1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、成分(E)の活性エネルギー線硬化型化合物の含有割合は、前記成分(A)と(B)の合計量100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
成分(E)の量を多くすることにより、特に「耐光漏れ性」が向上するが、必要以上に多くすると、粘着剤組成物の他の成分と相分離し、形成される粘着剤層の全光線透過率等の光学的特性を悪化させる場合がある。
【0016】
上記活性エネルギー線硬化型化合物(E)を架橋させるために、紫外線等の光を使用する場合、通常、光重合開始剤が用いられる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その配合量は、前記成分(E)100質量部に対して、通常0.2〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の範囲で選ばれる。
0.2質量部以上とすることにより、得られる粘着剤層において、適度な架橋密度が得られ、20質量部以下とすることにより、ブリードアウトや物性の低下を防止し、かつ、経済性が確保される。
【0017】
次に、成分(F)であるイソシアネート系架橋剤について説明する。
イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート、例えば1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス( イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、例えば1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω、ω’−ジイソシアネート−1、4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート、例えばトリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートヘキサン等のトリイソシアネート、例えば4,4’−ジフェニルジメチルメタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネート等のポリイソシアネート単量体、上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体とから得られる2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の分子量200未満の低分子量ポリオールの上記ポリイソシアネート単量体への付加体、例えば前述した分子量が200〜200,000のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等の上記ポリイソシアネート単量体への付加体等が挙げられる。
成分(F)のイソシアネート系架橋剤は本発明の粘着剤組成物を加熱または加熱と活性エネルギー線架橋をさせる際に前記共重合体中の官能基、すなわち、水酸基やカルボキシル基と反応して前記共重合体同士を化学的に架橋する。
イソシアネート系架橋剤(F)は(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)および(B)中の水酸基およびカルボキシル基の合計量に対してイソシアネート基が0.1〜100モル%となるように使用することが好ましい。
また、成分(F)のイソシアネート系架橋剤は本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層と偏光板との間の密着性を向上させるための密着性改良剤として作用する。
【0018】
次に、成分(G)のシランカップリング剤について説明する。
シランカップリング剤は、例えば、本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層により偏光板と液晶セルを貼合する場合に、粘着剤層の表面とガラス製の液晶セルの間の密着性を向上させるために用いられる。
このシランカップリング剤としては、分子内にアルコキシシリル基を少なくとも1個有する有機ケイ素化合物が好ましく用いられる。
このようなシランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物;3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は前記共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部の量で含有していることが好ましい。さらに好ましくは0.05〜5質量部である。シランカップリング剤の含有量を10質量部以下とすることにより、初期接着力が低下しすぎて剥がれが生じるのを防止し、さらに耐熱性が低下するのを防止する。0.01質量部以上とすることにより、シランカップリング剤の効果を発現させ、高温高湿条件下で浮きが発生するのを防止する。これらのシランカップリング剤は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0019】
次に、本発明の粘着シートについて説明する。本発明の粘着シートは、本発明の粘着剤組成物より形成されてなる粘着剤層を有するものである。前記粘着剤層は、偏光板や位相差板(偏光フィルム、位相差フィルムを含む)等の光学部材上あるいは剥離フィルム上に上記各成分を混合して得られた粘着剤組成物を塗布し、加熱及び/又は活性エネルギー線を照射することにより形成させることができる。
活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、粘着剤層を形成することができる。
活性エネルギー線の照射量としては、好適な貯蔵弾性率、液晶セルに通常用いられている無アルカリガラスに対する粘着力を有する粘着剤層が得られるように、適宜選定されるが、紫外線の場合は照度50〜1000mW/cm2、光量50〜1000mJ/cm2、電子線の場合は10〜1000kradの範囲が好ましい
このようにして得られた粘着剤層は、80℃の貯蔵弾性率〔G'〕が、通常0.1〜10MPa程度であることが好ましく、0.3〜3MPaであることがさらに好ましい。0.1MPa以上であれば十分な耐光漏れ性が得られる。また、10MPa以下であれば十分な粘着力を有する。
一方、加熱により前記粘着剤層を形成する場合、加熱条件としては、40〜150℃程度、10秒〜10分程度であることが好ましい。
尚、加熱は、粘着剤組成物を光学部材あるいは剥離フィルム上に塗布するために使用した希釈溶媒を揮発する際の加熱(乾燥工程)によるものであってもよい。
【0020】
本発明の粘着シートとしては、偏光板や位相差板等の光学部材上に前記粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート、さらに、その粘着剤層の光学部材と接していない露出面側に剥離フィルムを有する粘着シート、あるいは、前記粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートを好ましく挙げることができる。
光学部材上に粘着剤層を有する粘着シートを具体的に得る方法としては、次に示すような方法を好ましく挙げることができる。
例えば、上記成分を混合して得られた粘着剤組成物をトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶剤で20〜50質量%程度になるように希釈して、光学部材上に塗布し、40〜150℃、10秒〜10分で加熱乾燥をすることにより粘着剤組成物からなる層を形成する。次に、粘着剤組成物からなる前記層の光学部材が積層されていない露出面側から前記所定の活性エネルギー線を照射する。これにより、光学部材上に粘着剤層が形成された粘着シートを得ることができる。尚、得られた粘着剤層の露出面は、液晶セル等に貼付するまで、ゴミの付着等を防止する観点から剥離フィルムにより保護されるのが通常である。
また、別の方法としては、上記成分を混合して得られた粘着剤組成物をトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶剤で20〜50質量%程度になるように希釈して、剥離フィルムの剥離層上に塗布し、前記同様に加熱乾燥することにより粘着剤組成物からなる層を形成する。次に、得られた前記層の剥離フィルムと接しない露出面側が光学部材と接するように貼合し、剥離フィルム上から前記所定の活性エネルギー線を照射することにより光学部材上に粘着剤層を有する粘着シートを得ることもできる。
一方、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートを具体的に得る方法を次に説明する。
例えば、上記成分を混合して得られた粘着剤組成物をトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶剤で20〜50質量%程度になるように希釈して、剥離フィルムの剥離層上に塗布し、前記同様に加熱乾燥することにより粘着剤組成物からなる層を形成する。次に、前記層の露出面側も剥離フィルムの剥離面が接するように積層する。その後、前記いずれか、または両方の剥離フィルム上から前記所定の活性エネルギー線を照射することにより粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートを得ることができる。尚、前記活性エネルギー線は、粘着剤組成物からなる層を得た後、剥離フィルムを積層する前の露出面に照射し、その後、剥離フィルムを積層しても良い。
さらに、上記のようにして得られた粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートを用いて、その後、一方の剥離フィルムを剥離して、露出した粘着剤層の表面を光学部材に貼合することにより光学部材上に粘着剤層を有する粘着シートを得ることもできる。尚、粘着剤層と光学部材を貼合する際には、いずれかの表面又は両方の表面をコロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理等の表面活性化処理を行ってもよい。
前記剥離フィルムとしては、特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布し剥離層を設けたものなどが挙げられる。この剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。また、前記の粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートの場合、安定して片方ずつ剥離することができるようにするために、一方の剥離フィルムの剥離力が0.08〜0.15N/25mm程度、他方の剥離フィルムの剥離力が0.01〜0.05N/25mm程度とし、両方の剥離フィルムの剥離力の差が0.01N/25mm以上であることが好ましい。
剥離フィルム上に粘着剤組成物からなる層を設ける方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いることができる。また、前記一連の工程を経て得られる粘着剤層の厚さは、通常、5〜100μmであり、好ましくは10〜80μmであり、特に好ましくは15〜50μmである。粘着剤層の厚さが5μm以上であれば十分な粘着力を有し、また、100μm以下であれば残存溶剤の少ない粘着力の安定したものとなる。
上記のようにして得られた光学部材上に粘着剤層を有する粘着シートは、その後、粘着剤層の表面に剥離フィルムを有する場合は、剥離フィルムを剥して、剥離フィルムを有さない場合はそのまま液晶セルや他の光学部材と貼り合せることにより液晶ディスプレイの一部となる。
【0021】
また、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シートは、貼合後24時間経過後の無アルカリガラスに対する粘着力が、20N/25mm以下であることが好ましい。同粘着力が20N/25mm以下であると、液晶セル等にダメージを与えることなく再剥離が可能である。また、同粘着力は0.2〜20N/25mmの範囲であることが好ましい。この粘着力が0.2N/25mm以上であれば、偏光板等を十分な粘着力でもって、例えば液晶セル等に貼合することができる。
さらに、本発明の粘着剤組成物は、無アルカリガラスに対する粘着力が、貼合後168時間経過した後であっても、20N/25mm以下であることが好ましい。
前記共重合体(A)の水酸基含有モノマーに対する前記共重合体(B)のカルボキシル基含有モノマーの当量比を0.3以上とすることにより、貼合後、24時間後及び168時間後の粘着力を上記範囲内に設定することもできる。
【実施例】
【0022】
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0023】
<実施例1〜11>及び<比較例1〜4>
表1に示す配合組成(固形分換算)の粘着剤組成物を調製して以下の加工手順によりサンプルを調製した。
次いで、ポリエチレンテレフタレート製、厚さ38μmの剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3811』〕の剥離層上に粘着剤組成物〔トルエンを加えて固形分が20質量%になるように希釈〕を乾燥後の厚さが25μmになるようにナイフ式塗工機で塗布した。乾燥温度は90℃、乾燥時間は1分間とした。
その後ディスコティック液晶層(視野角拡大機能層)付偏光板を粘着剤とディスコティック液晶層が接するように貼合した。貼合から1時間以内に剥離フィルム側からUV照射を行って目的とする粘着剤層付き偏光板(以下、単に偏光板)のサンプルを得た。
【0024】
<UV照射条件>
・高圧水銀ランプ〔アイグラフィックス社製〕
・照度300mW/cm2、光量300mJ/cm2
・UV照度および光量計〔アイグラフィックス社製、『UVF-PFA1』〕
<測定項目および評価方法>
(1)粘着力
裁断装置〔荻野製作所社製、『スーパーカッター』〕を用いて上記各例で得られた偏光板を幅25mm×長さ100mmの大きさに切断してサンプルを調製し、剥離フィルムを剥離して粘着剤層の面を無アルカリガラス〔コーニング社製、商品名『イーグル2000』〕に貼付した。貼付後、オートクレーブ〔栗原製作所社製〕に投入して0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧した。
その後23℃、50%RH環境下で24時間放置し、引っ張り試験機〔オリエンテック社製、商品名『テンシロン』〕を用いて以下の条件で粘着力を測定した。
剥離速度:300mm/分
剥離角度:180°
(2)80℃貯蔵弾性率〔G′〕
JISK7244に準拠して粘弾性測定器〔REOMETRIC社製、商品名『DYNAMIC ANALAYZER』〕を用いてねじりせん断法により測定した。
サンプル形態:8mmφ×3mmの円柱
測定周波数:1Hz
測定温度:80℃
(3)耐光漏れ性
裁断装置〔荻野製作所社製、商品名『スーパーカッター』〕を用いて偏光板を233mm×309mmのサイズに調整し、剥離フィルムを剥離して粘着剤層の面を無アルカリガラス〔コーニング社製、商品名『イーグル2000』〕に貼合した。次いで、オートクレーブ〔栗原製作所社製〕に投入して0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧した。
貼合時は無アルカリガラスの表裏に偏光板を偏光軸がクロスニコル状態〔∠45°/∠135°〕になるように貼合した。この状態で80℃、ドライ環境下、200時間放置後、以下に示す方法で光漏れ性を評価した。次いで、明度測定器〔大塚電子社製、商品名『MCPD−2000』〕を用いて図1に示す方法で明度を測定して明度差〔ΔL*=(b+c+d+e)/4−
a〕を耐光漏れ性の指標とした。
a、b、c、d及びeは、それぞれA領域、B領域、C領域、D領域及びE領域のあらかじめ定められた測定点(各領域の中央部1箇所における明度である)で求め、光漏れ性とする。ΔL*の値が小さいほど、耐光漏れ性に
優れていることを示し、通常、ΔL*が4.0未満であれば、液晶表示装置
用として使用が可能である。
図1において、A領域は光漏れが生じない部分であり、B〜E領域は光漏れが生じる可能性のある部分である。
(4)帯電防止性
JISK6911に準拠して下記手法にて粘着剤の表面抵抗率測定を実施した。
サンプルの形態:50mm×50mmのシート状サンプル
粘着剤層の厚み:25μm
測定環境:温度23±2℃
相対湿度50±2%
測定機器:三菱化学社製、HIRESTA-UP MCP-HT450
印加電圧:100V
測定開始から30秒後の値を読み取り、表面抵抗率を測定して帯電防止性の指標とした。
(5)耐久性評価
裁断装置〔荻野製作所社製、商品名『スーパーカッター』〕を用いて上記各例で得られた偏光板を233mm×309mmサイズに調整した。
次いで、剥離フィルムを剥離して粘着剤層を無アルカリガラス〔コーニング社製、『イーグル2000』〕に貼合後、オートクレーブ〔栗原製作所社製〕に投入して5kg/cm2、50℃、20分間の条件で加圧した。その後各耐久性条件下に投入を行い、200時間後に10倍率ルーペを用いて観察を行ない、耐久性は以下の外観変化で評価した。
◎:欠点が発生していないもの。
○:4辺において外周端部0.6mm以上に欠点がないもの。
×:粘着剤の外周4辺のいずれか1辺に外周端部から0.6mm以上に浮き、剥がれ、発泡、スジ等0.1mm以上の異常な欠点があるもの。
耐久性評価の条件は以下の3つである。
(a)90℃、ドライ環境
(b)60℃、90%RH環境
(c)−30℃と70℃、ドライ環境で各30分のヒートショック試験による200サイクル
ヒートショック試験機はエスペック社製、『サーマル ショック チャンバー TSA-101S』である。
各例で得られた粘着剤組成物の配合組成及び特性ならびに粘着剤層付き偏光板の性能の評価結果を表1に示す。
(6)全光線透過率
表1に示す配合組成(固形分換算)の粘着剤組成物を調製し、ポリエチレンテレフタレート製、厚さ38μmの剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3811』〕の剥離層上に粘着剤組成物〔トルエンを加えて固形分が20質量%になるように希釈〕を乾燥後の厚さが25μmになるようにナイフ式塗工機で塗布した。乾燥温度は90℃、乾燥時間は1分間とし、剥離フィルム側と反対側の粘着剤層の露出面側から以下の条件にてUV照射し、サンプルを得た。
<UV照射条件>
・高圧水銀ランプ〔アイグラフィックス社製〕
・照度300mW/cm2、光量300mJ/cm2
・UV照度および光量計〔アイグラフィックス社製、『UVF-PFA1』〕
得られたサンプルは裁断装置[萩野製作所社製、商品名『スーパーカッター』]を用いて、50×100mmサイズに裁断し、剥離フィルムを剥がして、JIS K7361−1に準拠し、日本電色工業(株)製「NHD2000」を用いて測定した。
<実施例12>
表1の実施例1に示す配合組成(固形分換算)の粘着剤組成物を調製して、ポリエチレンテレフタレート製、厚さ38μmの剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3811』〕の剥離層上に粘着剤組成物〔トルエンを加えて固形分が20質量%になるように希釈〕を乾燥後の厚さが25μmになるようにナイフ式塗工機で塗布した。乾燥温度は90℃、乾燥時間は1分間とした。
その後、上記工程により得られた層の露出面にポリエチレンテレフタレート製、厚さ38μmの剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3801』〕の剥離層が接するように積層した。
次いで、剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3801』〕側から下記条件にて紫外線(UV)を照射することにより粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する粘着シートを得た。
<UV照射条件>
・高圧水銀ランプ〔アイグラフィックス社製〕
・照度300mW/cm2、光量300mJ/cm2
・UV照度および光量計〔アイグラフィックス社製、『UVF-PFA1』〕
得られた粘着シートは、その後、剥離フィルム〔リンテック社製、『SP−PET3801』〕を剥し、その粘着剤層面にコロナ処理を行った後、ディスコティック液晶層(視野角拡大機能層)付偏光板のディスコティック液晶層と接するように貼合し、粘着剤層付き偏光板を得た。得られた偏光板については、実施例1と同様にして、耐光漏れ性、帯電防止性、耐久性について評価した。結果は、耐光漏れ性は2.19、表面抵抗率は1.45×1010Ω/□であり実施例1とほぼ同様のものとなった。また、耐久性も全て実施例1同様に十分なものとなった。
【0025】
【表1】

【0026】
表1の結果から明らかなように、実施例で得られた本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シート(粘着剤層付き偏光板)は、比較例におけるそれより十分な耐久性を有しながら表面抵抗率が5×1010Ω/□以下という優れた帯電防止性を有していることがわかる。さらに、共重合体(A)を構成する水酸基含有モノマーの割合を5質量%以上とした実施例5〜11においては、耐久性を維持しながら、表面抵抗率が109Ω/□オーダーに達する非常に優れた帯電防止性を有していることがわかる。
【0027】
表1に記載の使用材料および使用した光重合開始剤は以下の通りである。
(1)(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A):ブチルアクリレート(BA)とヒドロキシエチルアクリレート(HEA)との共重合体〔重量平均分子量:150万、分子量分布:3.5〕
(2)(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B):ブチルアクリレート(BA)とアクリル酸(AA)との共重合体〔重量平均分子量:150万、分子量分布:3.5〕
(3)リチウム塩(C):Li(CF3SO2)2
(4)アルキレングリコールジアルキルエーテル(D):テトラエチレングリコールジメチルエーテル
(5)活性エネルギー線硬化型化合物(E):多官能アクリレート系モノマーであるトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート〔3官能型アクリレート〔東亞合成社製、商品名『アロニックスM−315』、分子量:423〕
(6)イソシアナート系架橋剤(F):トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアナート〔日本ポリウレタン社製『コロネートL』〕
(7)シランカップリング剤(G):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン〔信越化学工業社製『KBM―403』〕
(8)光重合開始剤:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物〔チバ・スペシャルティケミカルズ社製、商品名『イルガキュア500』、使用量:多官能(メタ)アクリレート系モノマー(E)100質量部に対して10質量部〕
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の粘着剤組成物または剥離フィルム上に、もしくは偏光板、特に視野角拡大フィルムなどと一体化してなる偏光板、及び位相差板等の光学部材上に該粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートは、他の光学部材や液晶セルに帯電圧の低い状態で耐久性よく貼合し得ると共に、得られた液晶表示装置が、高温高湿環境下でも光漏れが生じにくいなどの特性を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー構成単位として1.0〜15質量%の水酸基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)、モノマー構成単位としてカルボキシル基含有モノマーを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)、リチウム塩(C)、およびオキシアルキレン鎖の繰り返し単位が2〜10であるアルキレングリコールジアルキルエーテル(D)を含有し、かつ、前記共重合体(B)のカルボキシル基含有モノマーが前記共重合体(A)の水酸基含有モノマーに対して当量比で0.3以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
前記リチウム塩(C)が、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2
およびLi(CF3SO2)3Cからなる群から選ばれる1種類以上である
請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記リチウム塩(C)と前記アルキレングリコールジアルキルエーテル(D)のモル比(C)/(D)が30/70〜70/30である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記共重合体(A)100質量部に対して、前記リチウム塩(C)と前記アルキレングリコールジアルキルエーテル(D)の合計量として1〜20質量部を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
前記粘着剤組成物が、さらに、活性エネルギー線硬化型化合物(E)を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項6】
前記粘着剤組成物が、さらに、イソシアネート系架橋剤(F)を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層を有する粘着シート。
【請求項8】
前記粘着剤層の両面に剥離フィルムを有する請求項7に記載の粘着シート。
【請求項9】
光学部材上に粘着剤層を有する請求項7に記載の粘着シート。
【請求項10】
前記光学部材が偏光板又は位相差板である請求項9に記載の粘着シート。

【図1】
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【公開番号】特開2010−189489(P2010−189489A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33181(P2009−33181)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】