説明

粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を使用してなる積層体

【課題】1.500以上の高屈折率を有するウレタン樹脂を用いてなり、1.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤層が形成可能で、粘着シート、積層体、又は偏光板などの光学フィルム接着用に適した粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】芳香族ジイソシアネート(A)5〜50重量%、重量平均分子量500〜5000のジオール(B1)45〜94重量%、及びジオール(B1)以外のジオール(B2)0.3〜20重量%、を反応させてなる、屈折率が1.500〜1.600であるウレタン樹脂(C)を含む粘着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物に関し、更に詳しくは、偏光フィルム及びその偏光フィルムを用いた液晶パネル、画像コントラスト及び視認性を向上させることができる拡散粘着シート及び液晶表示装置に使用することができる、高屈折率の粘着剤層を形成できる粘着剤組成物、及び、積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
光学用途において、基材と粘着剤との間に生じる屈折率差は、光反射損失の原因の一つとなっている。基材と粘着剤との間で界面反射が生じるためである。特に、入射光の入射角度が50°以上であるような揚合、反射光が急激に増大することが知られており、反射損失が非常に大きくなる欠点があった。
【0003】
この欠点を克服するためアクリル粘着剤に芳香環を導入して屈折率を上げる検討(特許文献1〜3)や、高屈折率材料をアクリル粘着剤に配合する(特許文献4、5)などの検討がなされている。しかし、アクリル粘着剤に芳香環を導入する系では、もともと屈折率が低いアクリル粘着剤の屈折率を1.50付近にするために、多量の芳香環の導入が必要となる。このため、粘着剤の構造が硬くなり粘着力が弱くなるという欠点があった。又、高屈折率材料を配合する系では、配合材料が経時でブリードしてくるなどの欠点があった。
【0004】
そこで、アクリル粘着剤よりも屈折率の高いウレタン粘着剤を利用することが開示されている(特許文献6)。ウレタン粘着剤を使用することによりアクリル粘着剤では1.46〜1.47であった屈折率を1.48〜1.49程度にまで上げることができる。しかしながら、ウレタン粘着剤の屈折率を更に上げるために芳香環を導入すると、アクリル粘着剤と同様、粘着力は弱くなり、1.50以上の屈折率と粘着剤として十分な粘着力とを同時に有する粘着剤を得られないという欠点があった。
【特許文献1】特開2003−013029号公報
【特許文献2】特開2003−193012号公報
【特許文献3】特開2005−105228号公報
【特許文献4】特開2004−117704号公報
【特許文献5】特開2005−154581号公報
【特許文献6】特開2003−292928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、1.500以上の高屈折率を有するウレタン樹脂を用いてなり、1.5N/25mm以上の粘着力を有する粘着剤層が形成可能で、粘着シート、積層体、又は偏光板などの光学フィルム接着用に適した粘着剤組成物を提供することを目的とする。又、該粘着剤を光学フィルムに積層した積層体、及び液晶セル用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定のウレタン樹脂(C)を含有する粘着剤組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、第1の発明は、芳香族ジイソシアネート(A)5〜50重量%、重量平均分子量500〜5000のジオール(B1)45〜94重量%、及びジオール(B1)以外のジオール(B2)0.3〜20重量%、を反応させてなる、屈折率が1.500〜1.600であるウレタン樹脂(C)を含む粘着剤組成物に関する。
【0008】
又、第2の発明は、ウレタン樹脂(C)の重量平均分子量が、20000〜200000である第1の発明の粘着剤組成物に関する。
【0009】
又、第3の発明は、ジオール(B1)が、芳香族ポリエステルジオール、及び/又は、ポリカーボネートジオールである第1の発明又は第2の発明の粘着剤組成物に関する。
【0010】
又、第4の発明は、芳香族ジイソシアネート(A)が、芳香環を2個以上有するジイソシアネートである第1〜3いずれかの発明の粘着剤組成物に関する。
【0011】
又、第5の発明は、芳香環を2個以上有するジイソシアネートが、下記一般式(1)で表されるジイソシアネートである第4の発明の粘着剤組成物に関する。
【0012】
一般式(1)
【0013】
【化1】

(Rは、炭素数1〜10の2価の有機残基を表す。)
又、第6の発明は、ウレタン樹脂(C)が、反応性官能基を有する第1〜5いずれかの発明の粘着剤組成物に関する。
【0014】
又、第7の発明は、反応性官能基が、カルボキシル基である第6の発明の粘着剤組成物に関する。
【0015】
又、第8の発明は、ウレタン樹脂(C)中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)を含む第6又は7の発明の粘着剤組成物に関する。
【0016】
又、第9の発明は、化合物(D)が、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、又は、多官能アジリジン化合物である第8の発明の粘着剤組成物に関する。
【0017】
又、第10の発明は、更にシランカップリング剤を含むことを特徴とする第8又は第9の発明の粘着剤組成物に関する。
【0018】
又、第11の発明は、第1〜10いずれかの発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体に関する。
【0019】
又、第12の発明は、液晶セル用ガラス部材、第1〜10いずれかの発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層、及び光学部材が、順次積層されてなる液晶セル用部材に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の粘着剤組成物は、主成分となるウレタン樹脂の屈折率を1.500以上とすることが可能であるため、前記粘着剤組成物を用いることにより、高屈折率を有する粘着剤層を得ることができる。更に粘着力は1.5N/25mm以上であるので、本発明の粘着剤組成物を使用することにより、高屈折率性と高密着性とを両立した粘着剤層を得ることができる。本発明により、粘着シート、積層体、又は偏光板などの光学フィルム接着用に適した粘着剤組成物を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の粘着剤組成物は、芳香族ジイソシアネート(A)5〜50重量%、重量平均分子量500〜5000のジオール(B1)45〜94重量%、及びジオール(B1)以外のジオール(B2)0.3〜20重量%、を反応させてなる、屈折率が1.500〜1.600であるウレタン樹脂(C)を含むことを特徴とする。芳香族ジイソシアネート(A)が、5重量%未満であると樹脂に導入された芳香環の量が少ないため、高屈折率のウレタン樹脂(C)を得ることができず、50重量%を超えると高屈折率のウレタン樹脂(C)は得られるが、樹脂の構造が硬くなり十分な粘着力を得ることができないという問題が起こる。又、ジオール(B1)が、45重量%未満であると樹脂の構造が硬くなり十分な粘着力を得ることができず、94重量%を超えると樹脂に導入された芳香環の量が少なくなり、高屈折率のウレタン樹脂(C)を得ることができない。又、ジオール(B2)が、0.3重量部未満であると、粘着力と高屈折率化のバランスをとることが困難となり、20重量%を超えると使用できるジオール(B1)の量が減り、結果として樹脂の構造が硬くなり十分な粘着力を得ることができない。更に、ジオール(B1)の重量平均分子量が500未満であると、ウレタン樹脂(C)を合成した際に樹脂が硬くなりすぎて十分な粘着力が得られない。又、ジオール(B1)の重量平均分子量が5000を超えると、樹脂中のウレタン結合の濃度が少なすぎるため、ウレタン樹脂(C)の凝集力が不足する。
【0022】
ウレタン樹脂(C)の屈折率が、1.500未満であると、粘着剤組成物から得られる粘着剤層と、基材として使用する光学フィルムや光学用部材との屈折率差が大きくなる。そのため、浅い角度で全反射が起こり、光の有効的な利用性が低下する。又、屈折率が1.600を超えるウレタン樹脂を合成することは実質的に困難である。
【0023】
本発明に用いられる芳香族ジイソシアネート(A)としては、従来公知のものを使用することができる。又、下記「芳香脂肪族ジイソシアネート」も本発明においては「芳香族ジイソシアネート(A)」に包含されるものとする。
【0024】
芳香族ジイソシアネート(A)としては、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0025】
又、芳香族ジイソシアネート(A)と併用してイソシアネート基を3つ以上有する芳香族ポリイソシアネートを使用することができる。イソシアネート基を3つ以上有する芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を用いることができる。
【0027】
本発明に用いられる芳香族ジイソシアネートの中でも、芳香環を2個以上有するジイソシアネートが、屈折率を上げる目的から好ましい。
【0028】
更に本発明に用いられる芳香環を2個以上有するジイソシアネートの中でも、下記一般式(1)で表されるジイソシアネートが好ましい。
【0029】
一般式(1)
【0030】
【化2】

【0031】
(Rは、炭素数1〜10の2価の有機残基を表す。)
【0032】
上記炭素数1〜10の2価の有機残基としては、直鎖もしくは分岐状のアルキレン基が好ましく、その中でも、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
【0033】
上記一般式(1)で表される化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルブタンジイソシアネート等が挙げられ、その中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは難黄変性であり、かつ屈折率を高める効果が高いため特に好ましい。更に、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは、粘着力を下げることなく屈折率を高める効果がとりわけ高いためより好ましい。芳香族ジイソシアネート(A)は、上記した化合物の混合物であってもかまわない。
【0034】
芳香族ジイソシアネート(A)の市販品としては、例えば、商品名ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業株式会社)、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン工業株式会社)、ミリオネートMTL−C(日本ポリウレタン工業株式会社)、ISONATE143L(ダウケミカル日本株式会社)、コロネート69(日本ポリウレタン工業株式会社)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業株式会社)、ミリオネートMR−400(日本ポリウレタン工業株式会社)、ルプラネートMI(BASF INOAC ポリウレタン株式会社)、ルプラネートMS(BASF INOAC ポリウレタン株式会社)、スミジュール44S(住化バイエルウレタン株式会社)等が挙げられる。
【0035】
本発明に用いられる重量平均分子量500〜5000のジオール(B1)としては、例えば、繰り返し単位を有し、かつ、2個の水酸基を有するポリエステルジオール類、ポリエーテルジオール類、及びポリカーボネートジオール類や、ビスフェノール類にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類等が挙げられる。
【0036】
本発明に用いるポリエステルジオール類としては、公知のポリエステルジオールを用いることができる。ポリエステルジオールとして、例えば、ジオール成分と二塩基酸成分とを縮合反応したポリエステルジオールがある。
【0037】
ポリエステルジオール類の原料として使用することができるジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールなどが挙げられる。
【0038】
又、3個以上の水酸基を有するポリオールを上記ジオール成分と併用することができる。3個以上の水酸基を有するポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0039】
二塩基酸成分としては、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸が挙げられる。
【0040】
更に、ε−カプロラクトン、β−メチル−γ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルジオールも使用することができる。
【0041】
本発明では、芳香環を有するジオール成分や二塩基酸成分を原料として使用した芳香族ポリエステルジオールをジオール(B1)として使用することが、粘着剤の高屈折率化と粘着力との観点から好ましい。
【0042】
本発明で使用するポリエステルジオール類の重量平均分子量は、500〜5000であり、好ましくは1000〜3500である。
【0043】
本発明に用いるポリエーテルジオール類としては、公知のポリエーテルジオールを用いることができる。例えば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体、及びグラフト共重合体が挙げられ、更には、ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合により得られるポリエーテルジオール類、プロポキシル化又はエトキシル化されたポリエーテルジオール類等の、水酸基が2個のものを用いることができる。
【0044】
本発明で使用するポリエーテルジオール類の重量平均分子量は、500〜5000であり、好ましくは500〜3000、特に好ましくは1000〜2500である。なお、必要に応じて重量平均分子量が5000を超えるポリエーテルジオール類を併用することができる。
【0045】
本発明に用いるポリカーボネートジオール類としては、例えば、(1)グリコール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応、(2)グリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応などで得られる。
【0046】
(1)の製法で用いられる炭酸エステルとして具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
【0047】
(1)の製法で用いられるグリコール成分又はビスフェノールとして具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ[5.5]ウンデカン、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等も用いることができる。これらの化合物は1種又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0048】
(2)の製法であるグリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる方法でも、上記グリコールを使用することができる。
【0049】
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、具体的には、クラレ株式会社のクラレポリオールCシリーズを用いることができる。そのなかでもPMHC−1050、PMHC−2050、C−1090、C−2090、C−1065N、C−2065N、C−1015N、C−2015Nは柔軟性があり、粘着剤の原料として優れているため好ましい。
【0050】
本発明で使用するポリカーボネートポリオール類の重量平均分子量は、500〜5000であり、好ましくは900〜2000である。
【0051】
本発明では、ポリカーボネートジオールをジオール(B1)として使用することが、耐熱性の観点から好ましい。
【0052】
又、本発明では、屈折率、粘着力、耐熱性などの物性を調整するために、ジオール(B1)として、上記芳香族ポリエステルジオールと上記ポリカーボネートジオールとを併用することができる。
【0053】
ジオール(B1)は、上記ポリエーテルジオール、上記ポリエステルジオール、及び上記ポリカーボネートジオールの群から選ばれる1つ以上の化合物と、ジオールのモル数以下の上記ジイソシアネートとを反応させて得ることができる末端が水酸基のウレタンポリオールであってもよい。
【0054】
本発明に用いられるジオール(B1)以外のジオール(B2)としては、式量もしくは重量平均分子量が500未満であるアルカンジオール、アルカンジオールの縮合物およびポリオキシアルキレングリコールなどが挙げられる。具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、などを用いることができる。
【0055】
更に屈折率を上げる目的で芳香環含有ジオール、硫黄原子含有ジオール、臭素原子含有ジオールを使用することができる。
【0056】
芳香環含有ジオールとしては、従来公知のものを使用することができる。芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラキノン、ビフェニル、フルオレン、カルバゾールなどの骨格が挙げられる。芳香環含有ジオールとしては、例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
硫黄原子含有ジオールとしては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、2,2’−ジチオジエタノール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルフォン、3,3’−ジメチル4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジニトロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンなどが挙げられる。
【0057】
又、硫黄原子含有ジオールの代わりにジチオールも使用することができる。ジチオールとしては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール、テトラエチレングリコールビス−3−メルカプトプロピオネートなどが挙げられる。
【0058】
臭素原子含有ジオールとしては、従来公知のものを使用することができる。例えば、3−ブロモ−1,2−プロパンジオール、5−ブロモ−1,2−ペンタンジオール、2−ブロモ−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2−ブロモメチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオール、3,4−ジブロモヘキサン−2,5−ジオールなどが挙げられる。
【0059】
更に本発明では、ジオール(B1)、ジオール(B2)と併用して、分子中に3つ以上の水酸基を有する化合物を使用することができる。分子中に3つ以上の水酸基を有する化合物としては、多価アルコールが挙げられ、例えば、トリメチロールエタン、ポリトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン等が挙げられる。
【0060】
本発明においては、ウレタン樹脂(C)が、反応性官能基を有していることが好ましい。この反応性官能基は、カルボキシル基もしくは水酸基であることが好ましく、カルボキシル基であることがより好ましい。
【0061】
ウレタン樹脂(C)にカルボキシル基を導入する方法としては、ジオール(B2)として、カルボキシル基を有するジオールを使用することが好ましい。カルボキシル基を有するジオールとしては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチル酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。特に、反応性、溶解性点からは、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸が特に好ましい。これらは単独使用もしくは併用することができる。ウレタン樹脂(C)にカルボキシル基を導入することにより、基材への密着性の向上、及びウレタン樹脂の硬化性向上に効果がある。
【0062】
本発明においては、ウレタン樹脂(C)の合成にあたり、鎖延長成分を使用する公知の合成法を用いることができる。鎖延長成分としてはジアミンが挙げられる。ここでジアミンとは、2個の一級又は二級アミノ基を有する化合物であり、公知のものを使用することができる。具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミン;
フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;
更に、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、及びポリオキシアルキレングリコールジアミン等を使用することができる。
【0063】
ウレタン樹脂(C)の合成時には、公知の触媒を使用することができる。例えば、三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
【0064】
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられ、これらを単独もしくは併用で使うことができる。
【0065】
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物を挙げることができる。錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
【0066】
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。上記3級アミン系化合物、有機金属系化合物等の触媒は、場合によっては単独でも使用できるが、併用することもでき、特にジオール(B1)としてポリエステルジオール類とポリエーテルジオール類とを併用する場合においては、ジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫とを併用することにより、安定に均一なウレタン樹脂(C)が得られるので好ましい。
【0067】
ウレタン樹脂(C)の合成時に前述のアミンを用いる場合、有機金属化合物触媒は、アミノ基とイソシアネート基との反応を著しく促進する。イソシアネート基とアミノ基の反応は、元来、非常に早いが、有機金属化合物触媒の存在下では、更に反応が促進され、制御が困難になる場合がある。このとき、キレート化合物が存在していると、この有機金属化合物触媒とキレートを形成し、触媒能を調整することにより、アミンとの反応を制御しやすくする。当該キレート化合物としては、アセチルアセトン、ジメチルグリオキシム、オキシン、ジチゾン、エチレンジアミン四酢酸(EDT)のようなポリアミノオキシ酸、クエン酸のようなオキシカルボン酸、縮合リン酸等が挙げられる。キレート化合物の中では、アセチルアセトンが有機溶媒に可溶であり、揮発性を有して必要で有れば除去することが容易であり好ましい。
【0068】
又、当該キレート化合物は、反応後もウレタン樹脂(C)中に残留する。本発明においてウレタン樹脂(C)を粘着剤として使用する際は、更に、硬化剤を添加することが好ましいが、このとき、キレート化合物は、ウレタン樹脂(C)と硬化剤との反応速度をも調整し、結果的に保存安定性の優れた粘着剤を与えることができる。
【0069】
本発明においてウレタン樹脂(C)の合成時には公知の溶剤が好適に使用される。溶剤の使用は反応制御を容易にする役割を果たす。かかる目的で使用される溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アセトン、ベンゼン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジメトルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルミアミド等がある。ウレタン樹脂(C)の溶解性、溶剤の沸点等、アミンの溶解性の点から特に酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンまたはこれらの混合溶剤が好ましい。
【0070】
ウレタン樹脂(C)は、芳香族ジイソシアネート(A)と、ジオール(B1)と、ジオール(B2)とを反応させて得ることができるが、更に、必要に応じてイソシアネート基と反応可能な活性水素を有する化合物(E)を反応させてもよい。イソシアネート基と反応可能な活性水素を有する化合物(E)は、イソシアネート基と反応しうる官能基を有する化合物であり、モノアミン化合物などが挙げられ、ウレタン樹脂(C)中に未反応で残るイソシアネート基と反応して樹脂の反応活性を安定化させる。
【0071】
イソシアネート基と反応可能な活性水素を有する化合物(E)は、ウレタン樹脂(C)の分子量を制御したり、ウレタン樹脂末端の未反応で残るイソシアネート基と反応して樹脂の反応活性を安定化させたりする。
【0072】
化合物(E)としては、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソノニルアミン等のジアルキルアミン類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の水酸基を有するモノアミン類;
モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類;
ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド等のヒドラジド類;
N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン等の、三級アミノ基と一級アミノ基とを有するアミン化合物類;
更にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の、アルコキシシリル基を有するモノアミン化合物も用いることができる。
【0073】
上記の化合物(E)の中でも2−アミノ−2−メチル−プロパノールなどのように水酸基を有するモノアミンは、末端が水酸基である保存安定性に優れたウレタン樹脂(C)を得ることができる。更に、末端が水酸基であるウレタン樹脂(C)は、後述する多官能イソシアネート化合物を硬化剤として添加して架橋させる際に末端の水酸基が架橋部位としての役割も果たすことから好ましい。なお、水酸基を有するモノアミンの場合、アミノ基と水酸基両方が、ウレタン樹脂の末端イソシアネート基と反応可能であるが、アミノ基の反応性の方が高く、優先的にイソシアネート基と反応する。又、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン等の、三級アミノ基と一級アミノ基とを有するアミン化合物は、ウレタン樹脂(C)の末端にカチオン性基を導入するために好適に使用される。
【0074】
本発明のウレタン樹脂(C)の製造方法は、芳香族ジイソシアネート(A)と、ジオール(B1)と、ジオール(B2)、場合によっては更に活性水素含有官能基を2つ以上有する化合物(例えば、ジチーオル、ジアミン等)とを反応させて本発明のウレタン樹脂(C)を得る。任意に溶剤、触媒、および化合物(E)を使用することができる。反応温度は、120℃以下であることが好ましい。更に好ましくは50〜110℃である。120℃より高い場合、反応速度の制御が困難になり、所定の重量平均分子量を有するウレタン樹脂(C)が得られない場合がある。
【0075】
芳香族ジイソシアネート(A)と、ジオール(B1)及びジオール(B2)を合計したジオール成分との配合比は、ジオール成分[ジオール(B1)+ジオール(B2)]中の水酸基1モルに対して芳香族ジイソシアネート(A)中のイソシアネート基が1モル以下であることが好ましい。具体的には、ジオール成分[ジオール(B1)+ジオール(B2)]中の水酸基1モルに対して芳香族ジイソシアネート(A)中のイソシアネート基は、0.5〜0.99モルの範囲内が適当である。
【0076】
本発明のウレタン樹脂(C)の重量平均分子量は、用途に応じて制限され特に限定はないが、好ましくはGPCによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で20000〜200000が好ましい。更に好ましくは、25000〜80000である。重量平均分子量が200000を超えると、粘度が極端に高くなるため扱いにくくなる。逆に重量平均分子量が20000未満になると、粘着剤としての性能を発現できない場合がある。
【0077】
又、得られたウレタン樹脂(C)の溶液粘度は特に制限はなく、好ましくは、500〜10000mPa・s(25℃)である。粘度が前記範囲を外れると、粘着剤組成物を塗工することが困難になる場合がある。
【0078】
本発明の粘着剤組成物は、ウレタン樹脂(C)と、ウレタン樹脂(C)中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)を併用すると凝集力の高い粘着剤となり好ましい。ウレタン樹脂(C)中の反応性官能基としては、水酸基やカルボキシル基が挙げられる。従って、ウレタン樹脂(C)中の反応性官能基と反応しうる官能基としては、イソシアネート基、酸無水物基、エポキシ基、アジリジン基、カルボジイミド基、アルコキシシリル基、メチロール基等が挙げられる。化合物(D)としては、例えば、多官能イソシアネート化合物、多官能アジリジン化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能シラン化合物、多官能エポキシ化合物、N−メチロール基含有化合物、多官能酸無水物などが挙げられるが、これらの中でも、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能アジリジン化合物、更に併用して多官能シラン化合物を使用することが、架橋反応後の樹脂組成物の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
【0079】
本発明のウレタン樹脂(C)と化合物(D)との配合比は、好ましくはウレタン樹脂(C)100重量部に対して化合物(D)0.1〜10重量部である。化合物(D)が0.1重量部より少ないと凝集力が低下し、10重量部より多いと粘着力が低下する場合がある。更に好ましくは1〜5重量部である。化合物(D)の配合については、公知の配合方法を用いることができる。
【0080】
多官能イソシアネート化合物としては、上述した芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートの他に、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0081】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0082】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0083】
又、上記ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体や、イソシアヌレート環を有する3量体等も使用することができる。更には、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なお、ポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のうちのいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。又、ポリオールとジイソシアネートの反応物もポリイソシアネートとして使用することができる。
【0084】
これら多官能イソシアネート化合物のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型または難黄変型の多官能イシソアネート化合物を用いると耐候性、耐熱性あるいは耐湿熱性の点から、特に好ましい。
【0085】
化合物(D)としてポリイソシアネート化合物を使用する場合、架橋反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
【0086】
多官能アジリジン化合物としては、例えば、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
【0087】
多官能シラン化合物としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどのメタクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を2つ有するシラン化合物;
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアクリロキシ基とアルキル基とアルコキシ基を2つ有するシラン化合物;
γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシアルキル基とアルコキシ基を3つ有するシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン;
5−ヘキセニルトリメトキシシラン、9−デセニルトリメトキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどのアルキル基を有するアルコキシシラン;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノアルキル基とアルコキシ基とを有するシラン;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有する化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、ジフェニルジメトキシシラン、1, 3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、ビニルトリス( 2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0088】
本発明の多官能カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが挙げられる。このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
【0089】
N−メチロール基含有化合物としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂が挙げられ、尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、フェノール、クレゾール類、ビスフェノール類等の化合物とホルムアルデヒドとの付加化合物又は、その部分縮合物が挙げられる。
【0090】
多官能酸無水物は、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物であり特に限定されるものではないが、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸二無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などが挙げられる。又、反応中に脱水反応を経由して無水物と成りうるポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸ハーフエステルなどは、本発明でいう「多官能酸無水物」に含まれる。
【0091】
更に詳しく例示すると、テトラカルボン酸二無水物としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、新日本理化株式会社製「リカシッドTMTA−C」、「リカシッドMTA−10」、「リカシッドMTA−15」、「リカシッドTMEGシリーズ」、「リカシッドTDA」などが挙げられる。
【0092】
多官能エポキシ化合物としては、エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。多官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビフェノール・エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、グリセリン・エピクロルヒドリン付加物のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、エチレングリコール・エピクロルヒドリン付加物のポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物には、粘着物性やその他の塗膜特性を調整するために、有機・無機のフィラーを配合しても良い。有機フィラーは、デンプン等の天然物、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系、ポリスチレン系、スチレン-アクリル系、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6−12等のナイロン系、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、4フッ化エチレン等のオレフィン系、ポリエステル系、フェノール系、ベンゾグアナミン系の樹脂微粒子などである。
【0093】
無機フィラーは、クレー、ケイソウ土、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、タルク、カオリン、焼成カオリン、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、擬ベーマタイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、モンモリナイト等である。
【0094】
本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、各種樹脂、カップリング剤、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤及び老化防止剤等を配合しても良い。
【0095】
各種樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリイソブチレン、石油樹脂、ロジン、ニトロセルロース、ショ糖エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、スチレン/無水マレイン酸系共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂等の他、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ホスファゼン樹脂等の紫外線又は電子線により硬化する樹脂があり、これらを1種又は2種以上配合することができる。
【0096】
本発明の粘着剤組成物を使用して、粘着層とシート状基材とからなる積層製品(以下、「粘着シート」という。)を得ることができる。例えば、種々のシート状基材に本発明の粘着剤組成物を塗工、乾燥・硬化することによって粘着シートを得ることができる。粘着シートを構成する粘着層は、「粘着」であるから室温程度でタックを有する。粘着剤組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水を更に添加して、粘度を調整することもできるし、粘着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、水やアルコール等は多量に添加するとウレタン樹脂(C)と化合物(D)との反応阻害を引き起こす可能性があるため、注意が必要である。
【0097】
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、金属板、木材等の平坦な形状のものが挙げられる。又、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。更に表面を剥離処理したものを用いることもできる。
【0098】
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルム等が挙げられる。
【0099】
常法にしたがって適当な方法で上記シート状基材に粘着剤組成物を塗工した後、粘着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、液状媒体を除去したり、粘着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある粘着剤層を冷却して固化したりして、シート状基材の上に粘着剤層を形成することができる。粘着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な粘着力が得られないことがあり、200μmを超えても粘着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
【0100】
本発明の粘着剤組成物をシート状基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては粘着剤組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
【0101】
本発明の積層体は、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の種々の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材に、上記本発明の粘着剤組成物から形成される粘着剤層が積層された状態のものである。粘着剤層の他の面には、剥離処理されたシート状基材を積層することができる。
【0102】
本発明の積層体は、(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に粘着剤組成物を塗工、乾燥し、シート状の光学部材を粘着剤層の表面に積層したり、(イ)シート状の光学部材に粘着剤組成物を塗工、乾燥し、粘着剤層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
【0103】
このようにして得た積層体から粘着剤層の表面を覆っていた剥離処理されたシート状基材を剥がし、例えば、粘着剤層を液晶セル用ガラス部材に貼着することによって、「シート状の光学部材/粘着剤層/液晶セル用ガラス部材」という構成の液晶セル部材を得ることができる。
【0104】
本発明の粘着剤組成物は、ウレタン樹脂(C)を含んでいるため、基材への密着性が向上させており、耐可塑剤性や低温接着性に優れ、発泡体の様な基材に対する密着性が必要とされる用途にも、好適に使用される。特に主鎖骨格に芳香環を含有することができるため、該粘着剤組成物の乾燥及び/又は硬化後の屈折率は、1.500以上の高い値を維持することが可能である。光学部材用フィルムやガラス等の光学用部材に使用される材料の屈折率は、先に述べたように、1.50〜1.58程度のものであり、粘着剤組成物を乾燥及び/又は硬化させた後の屈折率が1.500未満であると光学フィルムや光学用部材との屈折率差が大きくなる。そのため、例えば、該粘着剤組成物から得られる粘着剤層が光学フィルムの一種であるフィルム導光板上に設けられた場合、浅い角度で全反射が起こり、光の有効的な利用性が低下する場合がある。又、光学フィルムや光学用部材との屈折率差を低減するために、本発明の粘着剤組成物の乾燥及び/又は硬化後の屈折率が1.500〜1.600の範囲で制御できることも重要である。特に1.500〜1.550の範囲で制御が可能である。
【実施例】
【0105】
以下に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」、「%」は重量%を示す。
【0106】
[ウレタン樹脂の合成]
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)25.66部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)62.58部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)10.39部、ジメチロールブタン酸1.36部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、40900であった。
【0107】
(合成例2)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにスミジュール44S(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、住化バイエルウレタン株式会社)21.24部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)77.91部、ジメチロールブタン酸0.85部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、93316であった。
【0108】
(合成例3)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)20.55部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)78.59部、ジメチロールブタン酸0.86部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、39036であった。
【0109】
(合成例4)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)30.57部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)58.46部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)9.70部、ジメチロールブタン酸1.27部、トルエン66.7部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、28209であった。
【0110】
(合成例5)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)36.45部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)46.64部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)15.40部、ジメチロールブタン酸1.52部、トルエン66.7部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、23724であった。
【0111】
(合成例6)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)38.06部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)45.45部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)15.01部、ジメチロールブタン酸1.48部、トルエン66.7部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の数平均分子量は、55599であった。
【0112】
(合成例7)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)8.62部、クラレポリオールP−2030(2官能ポリエステルジオール、OH価56.0、重量平均分子量2000、株式会社クラレ製)90.91部、ジメチロールブタン酸0.48部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、69269であった。
【0113】
(合成例8)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)14.81部、クラレポリオールP−2030(2官能ポリエステルジオール、OH価56.0、重量平均分子量2000、株式会社クラレ製)78.12部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)6.25部、ジメチロールブタン酸0.82部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、24958であった。
【0114】
(合成例9)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)11.14部、クラレポリオールP−2030(2官能ポリエステルジオール、OH価56.0、重量平均分子量2000、株式会社クラレ製)88.40部、ジメチロールブタン酸0.46部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、40717であった。
【0115】
(合成例10)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)18.77部、クラレポリオールP−2030(2官能ポリエステルジオール、OH価56.0、重量平均分子量2000、株式会社クラレ製)74.49部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)5.96部、ジメチロールブタン酸0.78部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、30778であった。
【0116】
(合成例11)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)8.58部、クラレポリオールP−2013(2官能ポリエステルジオール、OH価55.7、重量平均分子量2010、株式会社クラレ製)90.95部、ジメチロールブタン酸0.48部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、44131であった。
【0117】
(合成例12)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)14.75部、クラレポリオールP−2013(2官能ポリエステルジオール、OH価55.7、重量平均分子量2010、株式会社クラレ製)78.21部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)6.23部、ジメチロールブタン酸0.82部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、24906であった。
【0118】
(合成例13)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)19.78部、クラレポリオールP−2013(2官能ポリエステルジオール、OH価55.7、重量平均分子量2010、株式会社クラレ製)73.60部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)5.86部、ジメチロールブタン酸0.77部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、24014であった。
【0119】
(合成例14)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)52.77部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)39.04部、ジメチロールブタン酸8.14部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、3205であった。
【0120】
(合成例15)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)1.56部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)96.02部、ジメチロールブタン酸2.42部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、8705であった。
【0121】
(合成例16)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコにルプラネートMI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2−4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、BASF INOAC ポリウレタン株式会社)60.64部、クラレポリオールC−1015N(2官能ポリカーボネートジオール、OH価116.4、重量平均分子量962、株式会社クラレ製)33.13部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)5.50部、ジメチロールブタン酸0.72部、トルエン66.7部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、9200であった。
【0122】
(合成例17)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)3.88部、クラレポリオールP−2013(2官能ポリエステルジオール、OH価55.7、重量平均分子量2010、株式会社クラレ製)95.61部、ジメチロールブタン酸0.50部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、12015であった。
【0123】
(合成例18)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(商品名:タケネート500、三井武田ケミカル株式会社製)1.99g、クラレポリオールP−2013(2官能ポリエステルジオール、OH価55.7、重量平均分子量2010、株式会社クラレ製)95.74部、ND−15(1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物、株式会社クラレ製)2.12部、ジメチロールブタン酸0.15部、トルエン100部を仕込み、100℃まで徐々に昇温し4時間反応を行い、ウレタン樹脂を得た。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、13205であった。
【0124】
[重量平均分子量(Mw)の測定]
Mwの測定は、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
【0125】
(実施例1〜13)
合成例1〜13で合成したウレタン樹脂溶液について、下記の方法で粘着剤組成物を作製し、更に下記試験方法により粘着力、屈折率を測定した。
【0126】
(比較例1〜5)
合成例14〜18で合成したウレタン樹脂溶液について、実施例1〜13と同様の方法で粘着剤組成物を作製し、更に同様の試験方法により粘着力、屈折率を測定した。
【0127】
試験方法は次の通りである。
【0128】
[粘着剤組成物の作製]
上記ウレタン樹脂溶液に、表1に示す硬化剤をウレタン樹脂固形分100部に対し2部を添加した溶液を調整した。なお、硬化剤は、(a)2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート](多官能アジリジン化合物)、(b)TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体(多官能イソシアネート化合物)、(c)1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(多官能エポキシ化合物)を使用した。
【0129】
[粘着シートの作成]
上記で得られた粘着剤組成物を、剥離紙にアプリケーターで、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工し、100℃、2分乾燥し、粘着剤層を形成した。次いで、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(膜厚25μm)と貼り合わせて粘着シートを作製し、室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
【0130】
[粘着力の測定]
上記粘着シートの粘着剤層をPETフィルム上に転写した。次いで、前記PETフィルムを、粘着剤層を介して、厚さ0.4mmのガラス板に23℃、65%RHにて貼着し、JISに準じてロール圧着し20時間後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分;単位g/25mm幅)を測定した。粘着力は表1のようになった。尚、粘着力について、下記の評価基準に基づいて評価を行った。
【0131】
○:「粘着力が1.5N/25mm以上であり、特に光学部材用途として使用可能」
×:「粘着力が1.5N/25mm未満であり、特に光学部材用途として使用するのは困難」
として評価した。
【0132】
[屈折率の測定]
厚さ25μmのPETフィルムに上記ウレタン樹脂溶液を乾燥後の厚みが20μmになるように塗工し、100℃、2分乾燥した。塗工したウレタン樹脂層の屈折率を、アッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて測定した。屈折率は表1のようになった。尚、屈折率について、下記の評価基準に基づいて評価を行った。
【0133】
◎:「屈折率が1.550以上」
○:「屈折率が1.500以上かつ、1.550未満」
×:「屈折率が1.500未満」
として評価した。
【0134】
実施例1〜13及び比較例1〜5の評価結果を表1に示す。
【0135】
【表1】

【0136】
表1に示すように、芳香族ジイソシアネート(A)を5〜50重量%有する実施例1〜13は、屈折率が1.500以上と高く、粘着力も良好であった。特に一般式(1)で表される芳香族ジイソシアネートを用いた実施例9、10、及び、芳香族ポリエステルジオールを用いた実施例13については屈折率が1.550以上と非常に高いのに対し、比較例1〜5は、屈折率、粘着力のいずれかが不良であり、全てが良好となるものは得られなかった。
【0137】
[光学部材積層体の作製]
(実施例14)
合成例1で得られたウレタン樹脂溶液に対して、トルエンを加え固形分が40%となるように調整した。調整したウレタン樹脂溶液250重量部に、更に化合物(D)として、TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体)2.5重量部を加えてよく撹拌して、シランカップリング剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、を0.5部加えてよく撹拌して、本発明の粘着剤組成物を得た。これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を形成した。乾燥後、粘着剤層に、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ多層構造の偏光フィルムの片面を貼り合せ、「剥離フィルム/粘着剤組成物層/TACフィルム/PVA/TACフィルム」なる構成の積層体を得た。次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、粘着剤層の硬化反応を進行させ、粘着加工した偏光板(積層体)を得た。
【0138】
(実施例15〜26、比較例6〜10)
実施例として合成例2〜13、比較例として合成例14〜18で得られたウレタン樹脂溶液をそれぞれ使用した以外は実施例14と同様に粘着剤組成物を得た。更に実施例14と同様にして粘着加工した偏光板(積層体)を得た。
【0139】
実施例14〜26、及び比較例6〜10で得られた粘着加工した偏光板(積層体)について、塗膜の耐熱性、耐湿熱性、光漏れを以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0140】
[耐熱性、耐湿熱性の評価方法]
粘着加工した偏光板(積層体)を150mm×80mmの大きさに裁断し、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面に、それぞれの偏光板の吸収軸が直交するようにラミネーターを用いて貼着した。続いて、この偏光板が貼り付けられたガラス板を50℃−5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、偏光板をガラス板に強固に密着させ、偏光板とガラス板との積層物を得た。
【0141】
耐熱性の評価として、上記積層物を120℃で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層物に光を透過させたときの光漏れを目視で観察した。
【0142】
又、耐湿熱性の評価として、上記積層物を80℃、相対湿度90%で1000時間放置した後の浮きハガレ、および積層物に光を透過させたときの光漏れ(白ヌケ)を目視で観察した。
【0143】
耐熱性、耐湿熱性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価をおこなった。
【0144】
○:「浮きハガレ・光漏れが全く認められず、実用上全く問題なし。」
△:「若干浮きハガレ・光漏れが認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・光漏れがあり、実用不可である。」
をそれぞれ意味する。
【0145】
【表2】

【0146】
以上のように、本発明の実施例14〜26の粘着剤組成物は、耐熱性、耐湿熱性の制御性に優れていることが分かる。これに対して、比較例6〜10の粘着剤組成物では、耐熱性、耐湿熱性の少なくともいずれかが不良であり、両者が良好となるものは得られなかった。
【0147】
本発明の粘着剤組成物は、光学部材用途として好適であるほか、一般ラベル・シールのほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング用等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、又、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ジイソシアネート(A)5〜50重量%、重量平均分子量500〜5000のジオール(B1)45〜94重量%、及びジオール(B1)以外のジオール(B2)0.3〜20重量%、を反応させてなる、屈折率が1.500〜1.600であるウレタン樹脂(C)を含む粘着剤組成物。
【請求項2】
ウレタン樹脂(C)の重量平均分子量が、20000〜200000である請求項1記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
ジオール(B1)が、芳香族ポリエステルジオール、及び/又は、ポリカーボネートジオールである請求項1又は2記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
芳香族ジイソシアネート(A)が、芳香環を2個以上有するジイソシアネートである請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
芳香環を2個以上有するジイソシアネートが、下記一般式(1)で表されるジイソシアネートである請求項4記載の粘着剤組成物。
一般式(1)
【化1】

(Rは、炭素数1〜10の2価の有機残基を表す。)
【請求項6】
ウレタン樹脂(C)が、反応性官能基を有する請求項1〜5いずれか記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
反応性官能基が、カルボキシル基である請求項6記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
ウレタン樹脂(C)中の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物(D)を含む請求項6又は7記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
化合物(D)が、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、又は、多官能アジリジン化合物である請求項8記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
更にシランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項8又は9記載の粘着剤組成物。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層上に光学部材が積層されてなる積層体。
【請求項12】
液晶セル用ガラス部材、請求項1〜10いずれか記載の粘着剤組成物から形成される粘着剤層、及び光学部材が、順次積層されてなる液晶セル用部材。

【公開番号】特開2009−91522(P2009−91522A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265979(P2007−265979)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】