説明

糖尿病性腎症抑制組成物

【課題】 糖尿病性腎症の治療に様々な医薬品が使用されているが、糖尿病性腎症の治療にあまり著しい効果を現わすことが無く、また長期療養が必要であることから、最近では、合成医薬品による治療よりは食生活を通じて透析治療を必要とする進行した病期への進展を出来るだけ抑制するような機能を持った成分又は食品成分に対する研究も注目されるようになってきている。本発明は、幅広い飲食品に使用可能な糖尿病性腎症の改善及び進展抑制効果のある組成物及びそれを含有する飲食品を提供することを目的とする。
【解決手段】 アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有させることにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とする糖尿病性腎症抑制組成物及びそれを含有する飲食品及び医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病性腎症は、タンパク尿、高血圧症、浮腫及び腎不全によって特徴づけられる糖尿病の合併症のひとつで、別名、糖尿病性腎障害、糖尿病性糸球体硬化症及びキンメルスティール−ウィルソン病とも言われている。すなわち、糖尿病性腎症は、慢性の高血糖状態により引き起こされる細小血管障害の一つで、微量アルブミン尿を経て蛋白尿、腎機能障害、高血圧、浮腫などの徴候を示し、慢性腎不全に至る。疾患は進行を続け、慢性腎不全又は重篤な高血圧が現れてから2〜6年で末期腎不全に移行する。
日本における2000年度の腎不全により透析患者数は約3万でその内36.6%が糖尿病性腎症からで、慢性糸球体腎炎32.5%を抜いて3年連続第一位となっており、糖尿病性腎症由来の透析導入を如何に減少させるかが重要な問題になっている。
糖尿病性腎症の病期は、第一期の腎症前期、第二期の早期腎症期、第三期の顕性腎症期、第四期の腎不全期、第五期の透析療法期の5段階に分類できる。一般に糖尿病性腎症は、早期は比較的緩徐に進行し、その病変も可逆性である。しかし、蛋白尿が陽性となる顕性期になると病変は不可逆性となり、急速に腎機能低下を来して末期腎不全に至る。糖尿病初期における腎機能変化の特徴は、微量アルブミン尿と糸球体過剰濾過が挙げられる。第一期及び第二期の早期糖尿病性腎症は、糸球体内圧の上昇が腎症進行に深く関与し、糖尿病性腎症が糸球体血行動態の異常に起因するという糸球体過剰濾過説が言われている。一方、第三期の顕性期腎症は、臨床的にタンパク尿の認められる病気であり、大抵、腎機能が低下しはじめている。疾患は進行を続け、糖尿病患者にタンパク尿が現れると、数年の経過で慢性腎不全へ進行し、慢性腎不全又は重篤な高血圧が現れてから2〜6年で末期腎不全に移行する治療の難しい疾患である。
【0003】
糖尿病性腎症の治療は、基本的には1.血糖コントロール、2.血圧コントロール、3.タンパク制限食の3つを基本とした治療が行われる。血糖コントロールには食事療法、運動療法及び薬物療法があるが、薬物療法には、インスリン抵抗性を改善するメルホルミンやピログリダゾンがあり、インスリン分泌改善薬としてαグルコシダーゼ阻害薬、インスリン及びスルホニル尿素薬がある。最近ではビグアナイド薬とスホニル尿素薬との併用投与もされている。血圧コントロールは、尿蛋白減少効果のあるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤やACE阻害剤とカルシウム拮抗薬やアンジオテンシン1受容体拮抗薬との併用が使用されている。その効果は早期腎症に限られ、進行した腎症ではその効果は期待できない。最近、ロサルタンという降圧薬の投与試験により、末期腎不全に陥る危険性が減少したとの報告がある。しかし、このような治療は最新の注意を払って患者を監視する必要があり、高額の治療費を要したり、しばしば有害な副作用を伴う。
【0004】
このような医薬品が糖尿病性腎症の治療に使用されてはいるものの、糖尿病性腎症の治療にあまり著しい効果を現わすことが無く、また長期療養が必要であることから、最近では、合成医薬品による治療よりは食生活を通じて透析治療を必要とする進行した病期への進展を出来るだけ抑制するような機能を持った成分又は食品成分に対する研究も注目されるようになってきている。
血糖値上昇抑制効果の食品成分としては、バナバ葉の熱水抽出物やアルコール抽出物(例えば、特許文献1参照。)、ツユクサ科に属するオオボウシバナの抽出物(例えば、特許文献2参照。)、ヨモギ抽出物(例えば、特許文献3参照。)が知られている。
血圧上昇抑制や降圧効果のある食品素材としては、米または発芽させた米の抽出物(例えば、特許文献4参照。)、オオバコ科Plantago属植物の種子から採った天然植物ガムであるサイリウム(例えば、特許文献5参照。)、タマネギの薄皮(例えば、特許文献6参照。)が知られているが、これらは、血糖値上昇抑制効果又は、血圧上昇抑制や降圧効果のどちらかにしか効果が無い。
また、アルギニン及びアルギニン組成物(例えば、特許文献7参照。)は、糖尿病による手足のしびれ、冷感及び痛みの改善だけで糖尿病性腎症の進展抑制に関する記載は無い。
【0005】
【特許文献1】特開2000−169384号公報(第2頁)
【特許文献2】特開2002−316935号公報(第2頁)
【特許文献3】特開2004−67600号公報(第2頁)
【特許文献4】特開平7−149658号公報(第1−2頁)
【特許文献5】特開平11−240841号公報(第2−3頁)
【特許文献6】特開2002−171934公報(第2頁)
【特許文献7】特開2000−83623号公報(第1−2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、幅広い飲食品に使用可能な糖尿病性腎症の改善及び進展抑制効果のある組成物及びそれを含有する飲食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは様々な天然植物を利用して糖尿病性腎症の改善及び進行抑制効果のある組成物を捜す目的で、多角的に研究検討した結果、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、又はそれらの酵素処理物に優れた糖尿病性腎症の改善及び進行抑制効果があることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
本発明で得られたアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有する糖尿病性腎症改善組成物は、ストレプトゾトシン(STZ)を投与して誘発させた糖尿病腎症ラットへの投与試験の結果から、血中グルコース濃度及び血中クレアチニン濃度の上昇を抑制する効果が高いことがわかった。
特にアムラーは、昔から人間が日常食生活に使用してきた天然植物なので、従来使用していた薬剤とは違い、副作用が無く安全である。
本発明はアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有する糖尿病性腎症抑制組成物を各種飲食品及び医薬品等に利用して、糖尿病性腎症の進行を抑制することで透析治療を必要とする進行した病期への進展を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願発明に用いるアムラーとは、学名:エンビリカ・オフィシナル(Emblica officinale)又は、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus embilica)といい、トウダイグサ科コミカンソウ属に属する落葉の亜高木であり、インドからマレーシア地域及び中国南部にかけて分布しており、インドが原産地と考えられている。また、各地方又は言語により、各々固有の名称があり、余柑子、油甘、奄摩勒、エンブリック・ミロバラン、アーマラキー、マラッカノキ、マラッカツリー、インディアングーズベリー、アロンラ、アミラ、アミラキ、アミラキャトラ、ネリカイ、ネルリ、タシャ、カユラカ、ケムラカ、ナックホンポン等とも称されている。
【0010】
本発明において、アムラーの部位としては、果実が用いられる。その形態は、特に限定するものではなく、未熟果実、完熟果実、乾燥果実、果汁、果汁粉末等のいずれでも良い。
果汁又は果汁粉末の場合は、そのままでも使用できるが、生果実又は乾燥果実等、水不溶性成分を含む物を使用する場合は、抽出により、水不溶性成分が除去されていることが効果を上げる点から好ましい。
抽出の際、生果実を使用する場合は、種子を除去した後、水を添加又は無添加で、抽出効率を高めるためにミキサー等により破砕、均質化したものを用いることが好ましい。
乾燥果実を使用する場合は、抽出効率を高めるために40メッシュ以下の粒度になるように粉砕されていることが好ましい。
【0011】
抽出方法は、抽出溶媒、抽出温度等、特に限定されるものではなく、抽出溶媒としては、水、塩基、酸、親水性溶媒、アセトンを使うことができる。親水性溶媒はメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの低級アルコールが操作性、抽出効率の点から好ましい。特に好ましくは、水、塩基、酸のいずれかである。
酸又は塩基を抽出溶媒に使用する場合、抽出物を中和させることが好ましい。中和反応によって生成された塩は、透析法やゲル濾過等、公知の方法により、取り除くことができる。水を抽出溶媒として用いた場合には、上記のような中和反応は必要なく、生成された塩を取り除く必要もないため、水を用いることが更に好ましい。
この時使用する酸としては、特に限定するものではなく、大部分の酸を使うことができるが、好ましくは、入手しやすい及び操作性点により塩酸、硫酸より選ばれる1種又は両者の併用である。
また、塩基としては、特に限定するものではなく、大部分の塩基を使うことができるが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムより選ばれる1種又は両者の併用である。
抽出に使用される酸又は塩基の濃度は、抽出物を酵素処理する前であっても後であっても特に限定するものではなく、酸又は塩基の強さによって変化するが、操作性及び抽出効率の点より、0.01〜0.5モルの濃度を使用することが好ましい。
【0012】
上記の抽出において、酵素処理することによって収率や風味の改善ができ、また効果の高いものが得られるので、酵素処理をすることは好ましい。酵素処理する時のpHは使用する酵素の至摘pH及びpH安定性を指標に適宜選択できる。また、処理する時の温度に関しても酵素の至摘温度及び温度安定性を指標に適宜選択できる。本発明の酵素処理に使用する酵素は限定するものではないが、食品工業用に用いるものであれば、特に限定するものではなく、ペクチナーゼ、セルラーゼ、へミセルラーゼ、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、β−アミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、グルタミナーゼ、ヌクレアーゼ、デアミナーゼ、デキストラナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ラクターゼ、タンナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、プルラナーゼ、トリプシン、パパイン、レンネット、ホスホリパーゼA2等より選ばれる1種類または2種類を併用することができる。好ましくは、ぺクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、タンナーゼより選ばれる1種類または2種類を併用することができる。酵素の使用量は特に限定するものではないが、酵素の種類や反応条件によっても異なるが、アムラに対して0.05〜2%使用するのが好ましい。更に、上記の抽出において、抽出残渣に対して再度抽出工程を1回又はそれ以上繰り返すことで、抽出率が向上し、収率が向上するので、好ましい。この場合の抽出に用いる溶媒は、同じでも良いし、別の溶媒を用いても良い。
【0013】
上記の果汁又は抽出物は、そのままでも使用できるが、濾過、遠心分離及び分留により、不溶性物質及び溶媒を取り除くことにより、糖尿病性腎症抑制効果が高くなり、応用範囲も広がるので好ましい。
不溶性物質及び溶媒を取り除いた後、果汁又は抽出液をそのまま又は濃縮した後に親水性溶媒又は疎水性溶媒用いて分配を行い、それぞれの溶媒可溶画分を得る。これら溶媒可溶画分は、更に糖尿病性腎症抑制効果が高くなるので好ましい。親水性溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの低級アルコールが使用でき、疎水性溶媒としては酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、アセトン又はクロロホルムが使用できる。また可溶画分の純度を上げる為には、他の疎水性溶媒による分配を組み合わせることもできる。これら溶媒の濃度としては、特に限定するものではないが、収率及び効果の点より、終濃度として30〜90%が好ましく、50〜80%が更に好ましい。
さらに純度を高める為に、フェノール系、スチレン系、アクリル酸系、エポキシアミン系、ピリジン系、メタクリル系など母体とした疎水性樹脂を用いることも可能である。その場合、樹脂吸着後の溶離液としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール及びアセトンを単独又は水溶液として使用できる。
抽出物及び画分はそのままでの使用も可能だが、必要であれば噴霧乾燥や凍結乾燥等の手段により乾燥粉末化させて使用することも可能である。
【0014】
糖尿病性腎症の治療は、基本的に血糖及び血圧をコントロールすることによる。糖尿病性腎症では、一般に血糖値(血清グルコース濃度)が高く、尿中蛋白濃度が増加する。血清クレアチニン濃度は糸球体濾過能と密接な関係があり、食事や尿量の影響を受けにくいので腎機能障害の指標としてきわめて有用で、腎障害の進行と共に血清クレアチニン濃度は増加する。また、血清アルブミン濃度は、栄養状態の程度を知るのに有用である。さらに近年では、糖尿病患者において血清グルコシル化蛋白が増加することが注目されている。
これらのことから、本願発明において糖尿病性腎症抑制効果は、例えば、ストレプトゾトシン(STZ)を投与して誘発させた糖尿病腎症ラットへの投与試験から、血清グルコース濃度、血清グルコシル化蛋白濃度、血清クレアチニン濃度及び尿中蛋白濃度等を測定し、これらの濃度の低下より、糖尿病性腎症抑制効果を確認することができる。
【0015】
本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物は、飲食品、医薬品、飼料等に応用でき、好ましくは、人が手軽に摂食できる飲食品又は医薬品が好ましい。
本願発明における飲食品とは溶液、懸濁物、粉末、固体成形物等経口摂取可能な形態であれば良く特に限定するものではない。より具体的には、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類、清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の飲料類、パン、パスタ、麺、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品、飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類、ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類等の調味料、加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品、冷凍食品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品等の水産加工品、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品、農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアル等の農産加工品、栄養食品、錠剤、カプセル等が例示される。
【0016】
本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物の飲食品としての摂取量は、本発明の病気の状態、病人の体重、年齢、体質、体調等によって調整されるべきであるが、一般に1日あたり、糖尿病性腎症抑制組成物として0.05g〜20g、好ましくは0.1g〜5gの範囲で適宜選択することができる。これを病気の状態や食品等の形態によって1日1ないし数回にわけて摂取することができる。
【0017】
本願発明において、糖尿病性腎症抑制組成物又は、飲食品等に加工する際に、各種栄養成分を強化することができる。
強化できる栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン(ニコチン酸)、パントテン酸、葉酸等のビタミン類、リジン、スレオニン、トリプトファン等の必須アミノ酸類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラル類及び、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、月見草油、オクタコサノール、カゼインホスホペプチド(CPP)、カゼインカルシウムペプチド(CCP)、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖等の人の健康に寄与する物質類、その他の食品や食品添加物として認可されている有用物質の1種又は2種以上が使用できる。
【0018】
本願発明における医薬品とは、経口または非経口投与に適した賦形剤、その他の添加剤を用いて、常法に従って、経口製剤または注射剤として調製することができる。好ましいのは、経口製剤であり、最も好ましいのは、容易に服用でき且つ保存、持ち運びに便利な経口固形製剤である。
経口固形製剤としては、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等が用いられる。このような固形製剤においては、適宜の薬理学的に許容され得る坦体、賦形剤(例えばデンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例えばデンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなど)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロース、タルクなど)、などと混合し、常法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等を調整することが出来る。経口液状製剤は、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与しての注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保管フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0019】
尚、本発明の薬剤はインスリン製剤、スルホニル尿素系薬剤、スルホンアミド系薬剤、ビグアナイド系薬剤、アルドース還元酵素阻害剤、α‐グルコシダーゼ阻害剤、インスリン抵抗性改善薬、その他血糖降下薬、プロスタノイド関連薬、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、トロンボキサン合成酵素阻害剤、ビタミンB製剤、漢方製剤、カルシウム拮抗剤、利尿剤等の糖尿病の治療に用いる薬剤と同時にまたは時間をおいて併用することができる。インスリン製剤としてはインスリン、中性インスリン、インスリン亜鉛水性懸濁、イソフェンインスリン水性懸濁、プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁、スルホニル尿素系としてはアセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリクロピラミド、トラザミド、トルブタミド、スルホンアミド系薬剤としてはグリブゾール、ビグアナイド系薬剤としては塩酸メトホルミン、塩酸ブホルミン、アルドース還元酵素阻害剤としてはエパルレスタット、α−グリコシダーゼ阻害剤としてはアカルボース、ボグリボース、インスリン抵抗性改善剤としてはトログリタゾン、ピオグリタゾン、その他血糖降下薬としてはナテグリニド、プロスタノイド関連薬としてはアルプロスタジルアルファデックス、リポPGE、リマプロストアルファデックス、ACE阻害剤としてはマレイン酸エナラプリル、漢方製剤としては牛車腎気丸等が挙げられる。
【0020】
以下本発明を、実施例にて詳細に説明するが、次の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0021】
(実施例1)糖尿病性腎症抑制組成物の調製1
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80グラムに、蒸留水2リットルを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2リットルを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせた後、凍結乾燥し、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物A35.0gを得た。収率は43.8%であった。
【0022】
(実施例2)糖尿病性腎症抑制組成物の調製2
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80グラムに、蒸留水2リットルを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2リットルを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせて、減圧濃縮し、200ミリリットルとした。この濃縮液にエタノールを加え、1リットルになるように調製(最終エタノール濃度80%)した後、4℃で24時間静置後、不溶性成分を沈殿させた。沈澱物を遠心分離で分離除去し、上清を減圧濃縮後、水1リットルに再溶解し、濾過して不溶性成分除去後、濾液を凍結乾燥して本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物B12.5gを得た。
同様にして、エタノールの終濃度が20%、40%、60%にして、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物組成物C13.6g,D20.8g,E21.2gを得た。
【0023】
(実施例3)糖尿病性腎症抑制組成物の調製3
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80グラムに、蒸留水2リットルを入れ、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2リットルを入れ、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせて、減圧濃縮し、200ミリリットルとした。この濃縮液に酢酸エチルを加え、500ミリリットルになるように調製(最終酢酸エチル濃度60%)し、よく攪拌後、4℃で24時間静置した後、酢酸エチル層を分離し、減圧濃縮後、濾液を凍結乾燥して本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物F12.5gを得た。
【0024】
(実施例4)糖尿病性腎症抑制組成物の調製4
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末100グラムに、蒸留水2リットルを加え、さらにペクチナーゼ0.1グラム及びタンナーゼ0.1グラムを加えて、55℃で2時間抽出した。その後、90℃で30分間酵素失活させた。その後、1〜3いずれか記載の遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、濾液をスプレードライし、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物G45gを得た。
【0025】
(試験例1)ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病性腎症ラットの作製
ウィスター系雄性ラット(日本SLC、8週齢)に24.0%カゼイン、3.5%脂質、60.5%糖質を含む飼料を与え、1週間予備飼育した後、STZ(50mg/kg)をクエン酸バッファーに溶解して腹腔内注射した。その後も試験が終了するまで継続して上記飼料を与えた。STZを腹腔内注射したラットについて1週間後に尾静脈から採血し、血中グルコース値及び体重を測定して糖尿病性腎症誘発ラットの作製確認をした。
【0026】
(試験例2)糖尿病性腎症抑制効果の確認
平均体重がほぼ等しくなるように、10匹/群としてSTZ誘発した糖尿病性腎症ラット4群に分けた。
1)糖尿病性腎症対照群:0.5%生理食塩液経口投与
2)糖尿病性腎症抑制組成物A投与群:糖尿病性腎症抑制組成物A(20mg/試験開始時体重kg/day)経口投与
3)糖尿病性腎症抑制組成物A投与群:糖尿病性腎症抑制組成物A(40mg/試験開始時体重kg/day)経口投与
4)糖尿病性腎症抑制組成物F投与群:糖尿病性腎症抑制組成物F(20mg/試験開始時体重kg/day)経口投与
上記組成物を0.5%生理食塩液に懸濁して、20日間毎日経口投与した。体重、飲食量、飲水量は毎日測定を行なった。その結果を表1に示す。試験終了前に採血を行い、得られた血液より、定法に基づき血清グルコース値、血清グルコシル化蛋白値、血清クレアチニン値、及び血清アルブミン値を測定した。また、試験終了1日前からの1日分の尿を採取し、定法に基づき尿中蛋白値を測定した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
体重及び飲食量に関する糖尿病性腎症抑制組成物の効果
表1の結果が示すように糖尿病性腎症抑制組成物投与群では、糖尿病性腎症対照群に比べて有意な体重増加が認められ、また、糖尿病性腎症抑制組成物の摂取量増加に伴い体重の増加も認められた。飲食量に関しては、糖尿病性腎症対照群及び糖尿病性腎症抑制組成物投与群の間で顕著な差は認められなかった。
【0029】
【表2】

【0030】
血清及び尿成分に関する糖尿病性腎症抑制組成物の効果
表2に示すようにストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病性腎症ラットにおいて、糖尿病性腎症抑制組成物投与群の血清グルコース値及び血清グルコシル化蛋白量は糖尿病性腎症対照群に比較して有意な低値を示し、血糖上昇を抑制する効果が認められた。また、腎機能に関しても糖尿病性腎症抑制組成物投与群は、糖尿病性腎症対照群に比較して血清クレアチニン値及び尿中蛋白値は有意な低値を示し、腎機能の低下を抑制する効果が認められた。さらに糖尿病性腎症抑制組成物投与群は、糖尿病性腎症対照群と比較して血清アルブミン値は有意な高値を示し、栄養改善効果が認められた。これらの試験結果から糖尿病性腎症抑制組成物は、糖尿病性腎症を抑制及び改善する効果があることが示唆された。
【0031】
(実施例5)糖尿病性腎症抑制組成物含有食品(錠菓)の調製
実施例1で得られた糖尿病性腎症抑制組成物A50g、乳糖30g、DHA含有粉末油脂(サンコートDY−5;太陽化学株式会社製)12g、ショ糖脂肪酸エステル4g、ヨーグルト香料4gを混合し、この混合物をロータリー式打錠機を用いて加圧成形して1錠が300mgの本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有飲食品(錠菓)を得た。
【0032】
(実施例6)糖尿病性腎症抑制組成物含有飲料の調製
実施例2で得られた糖尿病性腎症抑制組成物B5g及び、1/5濃縮グレープフルーツ透明果汁2.1g、エリスリトール30g、クエン酸結晶2.5g、クエン酸三ナトリウム0.5g、L−アスコルビン酸0.5g、乳酸カルシウム1.93g、CCP0.15g、グレープフルーツ香料1.0を水に混合溶解して、全量を1000mlとし、それを100mlの瓶に充填し、キャップで密栓した後、90℃、30分間加熱殺菌をして、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有飲食品を得た。
【0033】
(実施例7)糖尿病性腎症抑制組成物含有飲料(野菜果汁混合飲料)の調製
実施例2で得られた糖尿病性腎症抑制組成物C1g及び、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学株式会社製)3gを市販の野菜果汁混合飲料100mlに添加混合溶解して、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有飲食品(野菜果汁混合飲料)を得た。
【0034】
(実施例8)糖尿病性腎症抑制組成物含有クッキーの調製
実施例2で得られた糖尿病性腎症抑制組成物D4g及び、市販のケーキミックス粉200gを容器に入れた後、バター35gを入れ、木杓子で混ぜ合わせた。それに溶き卵25gを加えて、なめらかな生地になるまで良く練った。小麦粉を振った台の上に生地を取り出し、さらに小麦粉を振って麺棒で5mmの厚さに伸ばし、丸型で抜き、それを170℃のオーブンで10分間焼成して、1個約5gの本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有クッキーを得た。
【0035】
(実施例9)糖尿病性腎症抑制錠剤の調製
実施例3で得られた糖尿病性腎症抑制組成物F20g、結晶セルロース10g、トウモロコシデンプン27.5g、乳糖65g、ヒドロキシプロピルセルロース6.5gを混合し、顆粒化した。この顆粒化物にステアリン酸マグネシウム2.0gを加え、均一に混合し、この混合物をロータリー式打錠機を用いて加圧成形して一錠が130mgの本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有錠剤を得た。
【0036】
(実施例10)糖尿病性腎症抑制組成物含有ヨーグルトの調製
実施例4で得られた糖尿病性腎症抑制組成物G10g、市販の脱脂乳(明治乳業社製。蛋白質含量34%)0.95kg、及び市販の無塩バター(雪印乳業社製)0.35kgを温水8Lに溶解し、均質化し、全量を10Lに調整した。次いで、90℃で15分間加熱殺菌し、冷却し、市販の乳酸菌スターター(ハンゼン社製)0.03kg(ストレプトコッカス・サーモフィラス0.02kg及びラクトバシラス・ブルガリクス0.01kg)を接種し、均一に混合し、100mlの容器に分注,充填し、密封し、37℃で20時間発酵させた後冷却し、本願発明の糖尿病性腎症抑制組成物含有ヨーグルトを得た。
【0037】
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1) アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とする糖尿病性腎症抑制組成物。
(2) アムラー果実、果汁又はそれら抽出物を酵素処理したことを特徴とする前記(1)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(3) アムラー果実、果汁又はそれら抽出物をぺクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、タンナーゼより選ばれる1種類または2種類以上を併用する酵素処理により抽出されていることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(4) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒のいずれかにより抽出されていることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(5) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水により抽出されていることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(6) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から酵素処理により抽出されていることを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(7) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁からぺクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、タンナーゼより選ばれる1種類または2種類を併用する酵素処理により抽出されていることを特徴とする前記(1)〜(6)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(8) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、親水性溶媒もしくは疎水性溶媒により分画されていることを特徴とする前記(1)〜(7)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(9) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、エタノールにより抽出し、そのエタノール可溶成分であることを特徴とする前記(1)〜(8)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(10) エタノールで分画する際のエタノール濃度が、終濃度として10〜90%であり、そのエタノール可溶成分であることを特徴とする前記(9)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(11)エタノールで分画する際のエタノール濃度が、終濃度として30〜50%であり、そのエタノール可溶成分であることを特徴とする前記(9)又は(10)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(12) アムラー果実又は果汁の抽出物、又は果汁から、酢酸エチルにより抽出し、その酢酸エチル可溶成分であることを特徴とする前記(1)〜(8)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(13) 酢酸エチルで分画する際の酢酸エチル濃度が、終濃度として30〜90%であり、その酢酸エチル可溶成分であることを特徴とする前記(12)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(14) 酢酸エチルで分画する際の酢酸エチル濃度が、終濃度として50〜80%であり、その酢酸エチル可溶成分であることを特徴とする前記(12)又は(13)記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
(15) 前記(1)〜(14)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物を含有することを特徴とする飲食品。
(16) 前記(1)〜(14)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物を含有することを特徴とする医薬品。
(17) 前記(1)〜(14)いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物を含有することを特徴とする飼料。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明で得られたアムラー抽出物を含有する糖尿病性腎症抑制組成物は、ストレプトゾトシン(STZ)を投与して誘発させた糖尿病腎症ラットへの投与試験で、血清グルコース濃度、血清グルコシル化蛋白濃度及び血清クレアチニン濃度を低下させる効果が高く、それと共に栄養状態を改善する効果を示し、各種飲食品及び医薬品等に利用して、糖尿病性腎症の進行を防止することで透析治療を必要とする進行した病期への進展を抑制することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とする糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項2】
アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を酵素処理したことを特徴とする請求項1記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項3】
アムラーの果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒、アセトンのいずれかにより抽出されていることを特徴とする請求項1又は2記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項4】
親水性溶媒がメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールの低級アルコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項5】
アムラーの果実又は果汁の抽出物、又は果汁から親水性溶媒もしくは疎水性溶媒のいずれか1種類又は2種類以上により分画されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項6】
疎水性溶媒が酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、又はクロロホルムからなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物を含有することを特徴とする飲食品。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか記載の糖尿病性腎症抑制組成物を含有することを特徴とする医薬品。

【公開番号】特開2006−8528(P2006−8528A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183470(P2004−183470)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】