説明

糸巻取機

【課題】糸継時にトラバースガイドに糸が絡まらない糸巻取機を提供する。
【解決手段】給糸部3と、糸巻取のための巻取ボビン6,7を駆動するモータ41と、給糸部3と巻取ボビン6,7との間に位置するトラバースガイド11を有するトラバース装置5と、給糸部3の糸と巻取ボビン6,7側の糸とを繋ぐ糸継装置14と、給糸部3及び巻取ボビン6,7の糸を捕捉して糸継装置14に導く捕捉案内手段17・20と、糸切断を検知するヤーンクリアラ15及びアナライザ23と、を備える。制御装置は、糸切断を検知するとモータ41とトラバース装置5を停止し、次いで巻取ボビン6,7を逆転させつつ糸継装置14や両捕捉案内手段17・20を作動させる。前記制御装置はトラバース装置5の運転停止制御手段46aを備え、この運転停止制御手段46aは、上糸捕捉案内手段20の作動前にトラバースガイド11がトラバースストローク端部に停止するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸をトラバースガイドで綾振りしながら巻取ボビンに巻き取る糸巻取機の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、給糸部からの糸をトラバース装置で綾振りながら巻取ボビンに巻き取るようにした自動ワインダを開示する。この自動ワインダは、給糸部の糸始端部と巻取ボビンに形成された糸層の糸終端部とを繋ぐための糸継装置と、給糸部の糸始端部を捕捉して糸継装置に導くための下糸捕捉案内手段と、糸層の糸終端部を捕捉して糸継装置に導くための上糸捕捉案内手段とを備え、給糸部から巻取ボビンに至る糸が切断された時に、上記上糸捕捉案内手段、下糸捕捉案内手段及び糸継装置が作動して、給糸部の糸始端部と糸層の糸終端部とを繋ぐように構成されている。この自動ワインダには、円筒形状のドラムに糸綾振り溝を形成した周知の綾振ドラム式のトラバース装置が採用されている。
【特許文献1】特開平6−247629号公報
【0003】
特許文献2は特許文献1と同様の自動ワインダを開示しており、この特許文献2の自動ワインダは、周知の綾振ドラム式のトラバース装置の代わりに、揺動アームの先端に糸と係合して巻取ボビンの回転軸方向に往復運動するトラバースガイドを有するトラバース装置を採用している。この往復トラバースガイド方式のトラバース装置は、綾角固定の前記綾振ドラム式のトラバース装置と比較して、糸の多様な巻取りが可能になるという利点を有している。
【特許文献2】特開2002−114445号公報
【0004】
また特許文献3は、駆動ベルト体を正逆駆動させることによりトラバースガイドを往復運動させるトラバース装置において、いわゆる脱調現象が生じた場合に、それをトラバースガイドの位置センサからの信号で検出し、トラバースガイドをトラバースストローク端部の原点に復帰させる制御が開示されている。この特許文献3では、上記トラバース装置は、仮撚機や、紡糸巻取機、自動ワインダ、紡績機、多重撚糸機を含む種々の巻取機に適用可能である旨が開示されている。
【特許文献3】特開2002−167125号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2の構成は、上糸捕捉案内手段で糸層の終端部を捕捉して糸継装置に導く際に、巻取ボビンと糸継装置との間に位置するトラバースガイドに糸層から引き出した糸が絡み易く、この点で改善の余地がある。
【0006】
なお、特許文献3のトラバース装置は、前述のとおり種々の巻取機に適用可能であることが述べられているが、同文献では仮撚機へ適用した場合が例示されているのみである。仮撚機は、自動ワインダと異なり、糸継装置等を備えていない。従って、上糸捕捉案内手段で糸層の終端部を捕捉して糸継装置に導く際に、巻取ボビンと糸継装置との間に位置するトラバースガイドに糸層から引き出した糸が絡むという上述の問題について示唆がなく、この問題を解決する提案も一切示されていない。特許文献3では、トラバースガイドの原点位置をトラバースストロークの中央に設定しても良いし、トラバースストロークの端部に設定しても良いことが開示されているのみである。
【0007】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、自動ワインダ等の糸巻取機において、糸継装置による円滑な糸継作業を実現し、またトラバースガイドの破損を回避することで生産効率を向上し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の観点によれば、以下のように構成する糸巻取機が提供される。即ち、給糸部と、この給糸部からの糸を巻き取るための巻取ボビンを回転させるための巻取ボビン回転駆動装置と、前記給糸部と前記巻取ボビンとの間に設けられ、前記巻取ボビンへの糸の巻取りの際にその糸を綾振るために該糸と係合して前記巻取ボビンの回転軸方向に往復運動するトラバースガイドを有するトラバース装置と、前記給糸部の糸始端部と前記巻取ボビンに糸が巻き取られて形成された糸層の糸終端部とを繋ぐための糸継装置と、前記給糸部の糸始端部を捕捉して前記糸継装置に導くための下糸捕捉案内手段と、前記糸層の糸終端部を捕捉して前記糸継装置に導くための上糸捕捉案内手段と、前記給糸部から前記巻取ボビンへ至る糸が切断されたことを検知するための糸切断検知手段と、この糸切断検知手段で糸切断を検知した時に前記巻取ボビン回転駆動装置及び前記トラバース装置の運転を停止し、次いで前記巻取ボビンが巻取方向と逆方向に回転するように前記巻取ボビン回転駆動装置を運転しながら前記糸継装置、前記下糸捕捉案内手段及び前記上糸捕捉案内手段を作動させるように前記巻取ボビン回転駆動装置、前記トラバース装置、前記糸継装置、前記下糸捕捉案内手段及び前記上糸捕捉案内手段を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置に前記トラバース装置の運転停止制御手段が設けられ、このトラバース装置運転停止制御手段は、前記上糸捕捉案内手段が作動する前に前記トラバースガイドをトラバースストロークの端部に停止させるように前記トラバース装置を制御する。
【0010】
なお、「トラバースストロークの端部」とは、通常の糸綾振り時のトラバースストロークの最端部付近の位置を含み、前記トラバースストロークから外れた位置も含む。
【0011】
この構成により、上糸捕捉案内手段にて糸層の糸終端部を捕捉して糸継装置に導く際に、巻取ボビンと糸継装置との間に位置するトラバースガイドに糸層から引き出した糸が絡まることを防止することができる。
【0012】
前記の糸巻取機においては、前記トラバース装置運転停止制御手段は、前記トラバースガイドを前記トラバースストロークの最端部又は最端部を越えた位置に停止させることが好ましい。
【0013】
この構成により、糸層から引き出した糸がトラバースガイドに絡まることを一層確実に防止することができる。
【0014】
前記の糸巻取機においては、前記トラバースストロークの中央位置に前記トラバースガイドの往復運動の基準位置となる原点位置が設定され、前記トラバース装置が運転を開始する時に前記原点位置への前記トラバースガイドの復帰動作が行われることが好ましい。
【0015】
この構成により、トラバースストロークの中央位置にトラバースガイドの往復運動の原点位置が設定されているため、トラバースストロークの設定等が容易になる。しかも、トラバース装置が運転を開始する度にトラバースガイドが原点位置へ復帰されるので、トラバースが常に正確に行われるようになる。
【0016】
前記の糸巻取機においては、以下のように構成することが好ましい。前記トラバースガイドがその往復運動方向の片側に糸受入れ開口を有するフック状に形成される。前記トラバース装置運転停止制御手段で停止させられるトラバースガイドの停止位置が前記糸受入れ開口と反対側に位置するトラバースストローク端部である。
【0017】
この構成により、最小のトラバースストローク数でトラバースガイドに糸を係合させることができ、糸の巻取りを素早く再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る自動ワインダの糸巻取ユニットを示す正面模式図及びブロック図である。図2はトラバース制御部によるトラバースガイドの速度制御の様子を示すグラフ図、図3は巻取停止及び巻取再開時の制御を示すフローチャート図である。図4は上糸捕捉案内手段がパッケージ側の上糸を引き出す様子を示す模式正面図及びブロック図である。
【0019】
最初に図1に基づいて、自動ワインダ1の糸巻取ユニット(糸巻取機)2を説明する。この糸巻取ユニット2は、給糸ボビン(給糸部)3の糸4を、トラバース装置5でトラバースさせながら巻取チューブ6に巻き取って糸層を形成し、所定長で所定形状のパッケージ7を形成するものである。図1では糸巻取ユニット2を1台しか図示していないが、このような糸巻取ユニット2が図略の機台上に多数列設されることで、自動ワインダ1が構成されている。なお、巻取チューブ6及びパッケージ7を総称して巻取ボビンと呼ぶ。即ち、糸層が形成されていない巻取ボビンが巻取チューブ6であり、糸層が形成された巻取ボビンがパッケージ7である。
【0020】
糸巻取ユニット2は、巻取チューブ6を着脱可能に支持するクレードル(巻取ボビン支持部材)8と、前記パッケージ7の糸層の周面に接触して従動回転可能な接触ローラ9と、を備えている。前記クレードル8は、前記巻取チューブ6の両端を挟持して回転自在に支持できるように構成されている。また、このクレードル8は揺動軸10を中心に傾動自在に構成されており、巻取ボビン6,7への糸4の巻取りに伴う巻太り(糸層の径の増大)を、クレードル8が揺動することによって吸収できるように構成されている。
【0021】
前記クレードル8の巻取チューブ6を挟持する部分にはパッケージ駆動モータ(巻取ボビン回転駆動装置)41が取り付けられており、このパッケージ駆動モータ41により巻取チューブ6を積極的に回転駆動して糸4を巻き取るように構成されている。パッケージ駆動モータ41のモータ軸は、巻取チューブ6をクレードル8に把持させたときに、当該巻取チューブ6と相対回転不能に連結されるようになっている(いわゆるダイレクトドライブ方式)。このパッケージ駆動モータ41の作動はパッケージ駆動制御部42により制御され、このパッケージ駆動制御部42はユニット制御部50からの信号を受けて前記パッケージ駆動モータ41の運転/停止を制御するように構成している。
【0022】
また、前記クレードル8にはパッケージ回転センサ(巻取ボビン回転角度センサ)43が取り付けられており、このパッケージ回転センサ43は、クレードル8に取り付けられた巻取ボビン(巻取チューブ6、パッケージ7)の回転角度(巻取ボビンが何回転したか)を検出するように構成している。この巻取ボビン6,7の回転角度検出信号は、パッケージ回転センサ43から、前記パッケージ駆動制御部42や前記ユニット制御部50へ送信される。更に、前記回転角度検出信号は、後述するトラバース制御部46へも入力される。
【0023】
また、前記クレードル8にはロータリエンコーダ等からなるパッケージ径センサ(糸層径センサ)44が取り付けられており、このパッケージ径センサ44は、クレードル8に取り付けられた巻取チューブ6に糸4を巻き取って形成される糸層(パッケージ7)の径を、クレードル8の揺動角を検出することで検出できるように構成されている。パッケージ径センサ44で取得された糸層の径は、ユニット制御部50へ送信される。
【0024】
給糸ボビン3と巻取ボビン6,7との間であって前記接触ローラ9の近傍には、前記トラバース装置5が設けられており、このトラバース装置5によって、給糸ボビン3の糸4が綾振りされながら巻取ボビン6,7に巻き取られるようになっている。このトラバース装置5は、トラバース方向に、即ち巻取ボビン6,7の軸方向に往復移動自在に設けられたトラバースガイド11と、このトラバースガイド11を往復駆動するトラバース駆動モータ45と、を備えている。トラバースガイド11は、糸4と係合し糸4を綾振るためのものである。
【0025】
前記トラバース装置5は、支軸まわりに揺動可能に構成した細長状のアーム部材13の先端に前記トラバースガイド11を設けるとともに、このアーム部材13を前記トラバース駆動モータ45により図1の矢印のように往復旋回駆動させる構成になっている。また、前記アーム部材13を駆動する前記トラバース駆動モータ45は、本実施形態においてはボイスコイルモータで構成されている。
【0026】
前記トラバースガイド11は、セラミックを素材として構成されるとともに、トラバース方向の一側(図1における左側)を開放させたフック状に形成されている。前記開放部は、トラバースガイド11の糸受入れ開口11aとなっている。これにより、糸4がトラバースガイド11に係合していない状態でも、トラバースガイド11をトラバース駆動モータ45でトラバースストロークの右端から左端まで移動させることで、糸4がトラバースストローク内のどの位置にあってもトラバースガイド11に自動的に係合して綾振りできる状態になる。
【0027】
上記トラバース駆動モータ45の作動はトラバース制御部46により制御され、このトラバース制御部46はユニット制御部50からの信号を受けて前記トラバース駆動モータ45の運転/停止を制御するように構成している。また、トラバース装置5はロータリエンコーダ等からなるトラバースセンサ47を備えており、アーム部材13の旋回位置(ひいては、トラバースガイド11の位置)を検出して、位置信号を前記トラバース制御部46へ送信できるように構成されている。
【0028】
なお、本実施形態では図1に示すように、巻取ボビン6,7を駆動するパッケージ駆動モータ41と、トラバースガイド11を駆動するトラバース駆動モータ45とは、別々に設けられており、巻取ボビン6,7とトラバースガイド11とは別個独立に駆動(制御)されるように構成されている。これにより、巻取ボビン6,7への糸4の巻取りの際に、プレシジョン巻、ステッププレシジョン巻、ランダム巻等、多種多様な巻き方を実現することができる。
【0029】
図2には前記トラバース制御部46によるトラバースガイド11の速度制御の一例が示され、この図2に示すようにトラバース制御部46は、所定の単位制御パターン(時間区間Toでのパターン)を繰り返すことによってトラバースガイド11を駆動制御するように構成している。この制御パターンを詳細に説明すると、トラバースガイド11は先ず、そのトラバースストロークの中央(制御原点O)から所定の糸綾振り速度Vcを保ちながら一側(図1の左)の端部へ向かい、ストローク端部近傍に差し掛かると前記の糸綾振り速度Vcから減速する。そして、ストローク端部で停止した後は中央側に向かって加速して、前記の糸綾振り速度Vcに到達するとその速度を維持しながらストローク中央(図2に示す制御原点O)へ戻ることになる。こうして一単位の制御が終了し、次の単位の制御では、トラバースガイド11はストロークの他側(右側)の端部に向かって移動するよう制御される。上記のように、一側(左)、他側(右)、一側(左)、・・・と上記単位の制御が向きを反転しつつ交互に繰り返されることで、トラバースガイド11の往復駆動制御が実現されている。
【0030】
このように、制御原点Oをトラバースストロークの中央に設定し、トラバースガイド11を制御原点Oから出発して制御原点Oへ戻ってくる制御単位の繰返しに基づいて制御することで、例えば、糸層の端面が膨らむバルジ現象の防止のために、トラバースのストローク幅を糸層径に応じて増減する制御を行うことが容易になっている。
【0031】
次に、図1を参照して糸継装置14及びヤーンクリアラ15を説明する。即ち、前記糸巻取ユニット2は、給糸ボビン3と接触ローラ9との間の糸走行経路中に、給糸ボビン3側から順に、糸継装置14とヤーンクリアラ(糸監視器)15を配設した構成となっている。
【0032】
糸継装置14は、ヤーンクリアラ15及びアナライザ23が糸欠陥を検出して行う糸切断時、又は給糸ボビン3からの糸解舒中の自然糸切れ時に、給糸ボビン3側の下糸(給糸部3の糸始端部)と、パッケージ7側の上糸(糸層の糸終端部)とを糸継ぎするように構成されている。この糸継装置14としては、例えばスプライサやノッタ等を採用することができる。
【0033】
また、ヤーンクリアラ15は糸4の太さ欠陥を検出するためのものであって、ヤーンクリアラ15の検出部の部分を通過する糸4の太さを適宜のセンサで検出し、このセンサからの信号をアナライザ23で分析することで、スラブ等の糸欠陥を検出して糸欠点検出信号をユニット制御部50に送信するように構成されている。このヤーンクリアラ15には、糸欠陥を検出した時に直ちに糸4を切断するためのカッタ16が付設されている。
【0034】
また前記ヤーンクリアラ15及びアナライザ23は、検知した糸4の太さ変動に基づいて、給糸ボビン3から巻取ボビン6,7へ至る糸4が走行しているか否か、即ち切れているか否かを検知できるように構成しており、糸切れ検出時は糸切れ検出信号をユニット制御部50へ送信するように構成されている。即ち、ヤーンクリアラ15及びアナライザ23は、給糸部3から巻取ボビン6,7へ至る糸4の欠点を検出するための糸欠点検出手段、及び、給糸部3から巻取ボビン6,7へ至る糸4が切断されたことを検知するための糸切断検知手段を構成している。
【0035】
糸継装置14の下側と上側には、給糸ボビン3側の下糸を吸引捕捉して糸継装置14へ導く下糸捕捉案内手段17と、パッケージ7側の上糸を吸引捕捉して糸継装置14へ導く上糸捕捉案内手段20が設けられている。上糸捕捉案内手段20はパイプ状に構成されており、軸21を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側にマウス22を設けている。同様に下糸捕捉案内手段17もパイプ状に構成されており、軸18を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側には吸引口19を設けている。上糸捕捉案内手段20及び下糸捕捉案内手段17には適宜の負圧源が接続されており、先端のマウス22及び吸引口19に吸引作用を生じさせるようになっている。
【0036】
次に、上記の自動ワインダ1の糸巻取ユニット2における巻取ボビン6,7の回転制御及びトラバースガイド11のトラバース制御を説明する。前記パッケージ駆動制御部42やトラバース制御部46はマイクロコンピュータ式に構成されて、図示しない演算手段としてのCPUや、記憶手段としてのROM、RAM等を備えている。また、ユニット制御部50も同様に図略のCPUやROM、RAM等を備えている。これらパッケージ駆動制御部42、トラバース制御部46、ユニット制御部50には、それぞれ図3のフローを実行するためのプログラムを有している。
【0037】
パッケージ駆動制御部42、トラバース制御部46及びユニット制御部50は、糸巻取ユニット2に対する制御装置を構成している。以下で詳しく説明するが、この制御装置は、糸切断検知手段で糸切断を検知した時にトラバース装置5の運転を停止し、巻取ボビン6,7が巻取方向と逆方向に回転するようにパッケージ駆動モータ41を運転しながら糸継装置14、下糸捕捉案内手段17及び上糸捕捉案内手段20を作動させるように、パッケージ駆動モータ41、トラバース装置5、糸継装置14、下糸捕捉案内手段17及び上糸捕捉案内手段20を制御する。トラバース制御部46には、トラバース装置の運転停止制御手段46aが設けられている。このトラバース装置運転停止制御手段46aは、これも以下で詳しく説明するが、上糸捕捉案内手段20が作動する前にトラバース装置5のトラバースガイド11をトラバースストロークの端部に停止させるように、トラバース装置5を制御する。
【0038】
以下図3のフローを説明するが、制御のスタート時において、パッケージ駆動モータ41及びトラバース駆動モータ45は停止されているものとする。また、トラバースガイド11は、トラバースストロークの中央を避けた位置、本実施形態ではトラバースストロークの最端部(以下、この位置を「待機位置」Pと称する)で静止しているものとする。
【0039】
上記トラバースガイド11の停止位置(待機位置P)は、フック形状のトラバースガイド11の往復運動方向の片側に形成されている糸受入れ開口11aと反対側のトラバースストローク最端部に設定されている。即ち本実施形態では、トラバースガイド11は図1の左側に糸受入れ開口11aが形成されているので、トラバースガイド11の停止位置は図1の右端部とされている。
【0040】
制御がスタートすると、トラバース制御部46は、トラバースガイド11を前記の待機位置Pに待機させるように制御する(S301)。
【0041】
そして、パッケージ駆動制御部42では、S101の処理で、ユニット制御部50から運転信号が入力されるまで待機する。同様に、トラバース制御部46でも、S302の処理で、ユニット制御部50から運転信号が入力されるまで待機する。
【0042】
ここでユニット制御部50は、例えば糸継装置14等による糸継処理動作が完了した等の所定の条件が満たされると、当該巻取ボビン6,7への糸の巻取りを開始すべくパッケージ駆動制御部42及びトラバース制御部46へ運転信号を出力する(S201)。この運転信号を検知したパッケージ駆動制御部42では、巻取ボビン6,7の回転を開始するようにパッケージ駆動モータ41を制御し、糸4の巻取ボビン6,7への巻取りを行わせる(S102)。また、トラバース制御部46では、ユニット制御部50からの運転信号を検知すると、待機位置Pにあったトラバースガイド11を先ずトラバースストローク中央の制御原点Oへ移動させ(S303)、その後、図2に示す制御パターンに従って、トラバースガイド11を往復運動させる(S304)。
【0043】
なお、上記のS303の処理で制御原点Oに到達した後、S304のトラバースガイド11の往復運動制御の最初の制御パターンは、前記待機位置Pとは反対側、即ち図1の左側へ向かってトラバースガイド11を移動させるようにする。これによって、巻取開始時にトラバースガイド11が右端(待機位置P)→中央(制御原点O)→左端とトラバースストローク全体にわたって移動することが確保され、糸4を素早く先端のフック部で捕らえて糸4の綾振り動作を開始することができる。
【0044】
パッケージ駆動制御部42では、ユニット制御部50から運転信号が入力されなくなるまで、上述の巻取ボビン6,7の回転駆動を継続する(S102、S103)。同様に、トラバース制御部46では、ユニット制御部50から運転信号が入力されなくなるまで、上述のトラバースガイド11の往復駆動を継続する(S304、S305)。以上により、糸4がトラバースガイド11によって綾振りされながら巻取ボビン6,7に巻き取られていく。
【0045】
なお、上記の巻取時において、巻取状況に関する情報、例えばパッケージ径センサ44によるパッケージ7の径の情報、パッケージ回転センサ43によるパッケージ7の回転速度の情報等が、トラバース制御部46に刻々と入力される。そして、トラバース制御部46は前記のS304の処理で、上記の情報によりパッケージ7の状況を認識し、これに対応させてトラバースガイド11のトラバース速度等を制御する。
【0046】
そして、上記の糸巻取の途中で、図1に図示のヤーンクリアラ15及びアナライザ23が太欠点や細欠点等の糸欠点を検出した場合、ヤーンクリアラ15に付属のカッタ16は直ちに糸4を切断する。またアナライザ23は、糸欠点検出信号をユニット制御部50に送る。そして、上記のようにカッタ16によって糸4が強制的に切断された場合、あるいは、自然糸切れを起こした場合は、ヤーンクリアラ15及びアナライザ23が糸切断を検知し、アナライザ23は糸切れ検出信号をユニット制御部50に対して送る。
【0047】
上記糸切れ検出信号を受信したユニット制御部50は、パッケージ駆動制御部42及びトラバース制御部46に対して継続的に行われていた運転信号の送信を直ちにストップする(S202)。これを検出したパッケージ駆動制御部42は、パッケージ駆動モータ41を減速及び停止制御し、巻取ボビン6,7への糸4の巻取りを停止させる(S104)。また、運転信号が途切れたことを検出したトラバース制御部46は、トラバース駆動モータ45を減速及び停止制御し、トラバースガイド11の往復運動を停止させる(S306)。
【0048】
なお、上述したとおりトラバース制御部46によるトラバースガイド11の往復運動制御は、図2に示す制御原点O→トラバースストロークの一端部→制御原点Oという制御パターンを単位として行われるが、これはS306の処理における減速停止中においても同様であり、上記の制御パターン単位の途中(図2の時間区間Toの途中)で制御が打ち切られてトラバースガイド11がその場で停止することはない。即ち、巻取ボビン6,7の停止とともにトラバースガイド11が停止されるときは、必ず前記の制御原点O(即ち、トラバースストロークの中央)でいったん停止することになる。
【0049】
そして、トラバースガイド11が上述のように制御原点Oで停止された後は、トラバースガイド11をその制御原点Oから前記の待機位置Pへ移動させる(S307)。こうしてトラバースガイド11は、そのトラバースストロークの最端部に静止することになる。
【0050】
上記の制御フローの完了後、パッケージ駆動制御部42、ユニット制御部50、トラバース制御部46はそれぞれ、S101、S201、S301の処理に戻る。パッケージ駆動制御部42とトラバース制御部46は、ユニット制御部50からの運転信号を再び待機する(S101、S302)。
【0051】
この状態で、糸継処理の制御フローが実行される。この制御フローが開始されると、ユニット制御部50は、下糸捕捉案内手段17、上糸捕捉案内手段20及び糸継装置14の駆動装置(図示省略)に作動指令信号を出力するとともに、パッケージ駆動制御部42にパッケージ駆動モータ逆転指令信号を出力する。
【0052】
これにより、糸継処理は次のように行われる。即ち、下糸捕捉案内手段17が図示省略の駆動装置により下方に旋回動作して、給糸ボビン3側の下糸を捕捉しに行き、給糸ボビン3側の下糸を捕捉した後、上方に復帰旋回動作して下糸を糸継装置14に導く。これとほぼ同時に、上糸捕捉案内手段20が図示省略の駆動装置により上方に旋回動作してパッケージ7側の上糸を捕捉しに行き、パッケージ7側の上糸を捕捉した後、下方に復帰旋回動作して上糸を糸継装置14に導く。上糸捕捉案内手段20が上糸を捕捉し糸継装置14に案内するのを補助するため、パッケージ駆動モータ41はパッケージ7を糸の巻取方向と逆方向に回転させる。
【0053】
糸継装置14は、下糸捕捉案内手段17及び上糸捕捉案内手段20によって導かれた下糸及び上糸を繋ぎ合わせる。これにより、糸継処理が完了する。
【0054】
図4は、上記糸継処理の途中の状態であって、上糸捕捉案内手段20が上糸を捕捉後、下方へ復帰旋回動作を開始した状態である。この状態のとき、前記トラバースガイド11はトラバースストロークの中央を避けた端部(待機位置P)に静止しているので、パッケージ7から引き出された上糸がトラバースガイド11に絡まることが防止され、糸継装置14での糸継ミスやトラバースガイド11の破損を防止できる。
【0055】
特に、本実施形態ではトラバースガイド11が破損し易いセラミック材料で構成されているが、上記の上糸の引出し時にトラバースガイド11が当該上糸に干渉しないトラバースストローク端部で待機しているために、トラバースガイド11の破損を効果的に回避することができている。
【0056】
図3のフローの説明に戻るが、上述の糸継処理が完了すると、ユニット制御部50は、パッケージ駆動制御部42及びトラバース制御部46へ運転信号を再び送信する(S201)。これを検知したパッケージ駆動制御部42は巻取ボビン6,7の回転駆動を再開させるとともに(S102)、トラバース制御部46はトラバースガイド11をトラバースストロークの端部(待機位置P)から中央(制御原点O)に移動させた後(S303)、トラバースガイド11の往復移動制御を再開する(S304)。
【0057】
図3の制御フローにおいて、ユニット制御部50は、糸切れ検出信号により運転信号の送信を停止していたが、これに限らず、糸巻取ユニット2の運転スイッチをOFFすることによっても、運転信号の送信を停止する。ただし、この場合は、運転スイッチがONされるまで糸継処理が行われない。
【0058】
以上に示すように本実施形態の自動ワインダ1の糸巻取ユニット2は、給糸部(給糸ボビン)3と、この給糸部3からの糸4を巻き取るための巻取ボビン6,7を回転させるためのパッケージ駆動モータ41と、前記給糸部3と前記巻取ボビン6,7との間に設けられ、前記巻取ボビン6,7への糸の巻取りの際にその糸4を綾振るために該糸4と係合して前記巻取ボビン6,7の回転軸方向に往復運動するトラバースガイド11を有するトラバース装置5と、前記給糸部3の糸始端部と前記巻取ボビン6,7に糸が巻き取られて形成された糸層の糸終端部とを繋ぐための糸継装置14と、前記給糸部3の糸始端部を捕捉して前記糸継装置14に導くための下糸捕捉案内手段17と、前記糸層の糸終端部を捕捉して前記糸継装置14に導くための上糸捕捉案内手段20と、前記給糸部3から前記巻取ボビン6,7へ至る糸が切断されたことを検知するための糸切断検知手段としてのヤーンクリアラ15及びアナライザ23と、この糸切断検知手段で糸切断を検知した時に前記パッケージ駆動モータ41及び前記トラバース装置5の運転を停止し、次いで前記巻取ボビン6,7が巻取方向と逆方向に回転するように前記パッケージ駆動モータ41を運転しながら前記糸継装置14、前記下糸捕捉案内手段17及び前記上糸捕捉案内手段20を作動させるように前記パッケージ駆動モータ41、前記トラバース装置5、前記糸継装置14、前記下糸捕捉案内手段17及び前記上糸捕捉案内手段20を制御する制御装置(ユニット制御部50、パッケージ駆動制御部42、トラバース制御部46)と、を備える。そして、前記トラバース制御部46には前記トラバース装置の運転停止制御手段46aが設けられ、このトラバース装置運転停止制御手段46aは、前記上糸捕捉案内手段20が作動する前に前記トラバースガイド11をトラバースストロークの端部に停止させるように前記トラバース装置5を制御する(図3のS307)。
【0059】
従って、糸継処理時に上糸捕捉案内手段20にて糸層の糸終端部を捕捉して糸継装置14に図4のように導く際に、巻取ボビン6,7と糸継装置14との間に位置するトラバースガイド11に糸層から引き出した糸4が絡まることを防止できる。これにより、糸継装置14の糸継ミスやトラバースガイド11の破損などが防止され、パッケージ7の生産効率を高めることができる。
【0060】
また、本実施形態では、前記の糸切れ時には、図3のS307の処理及び図4に示すように、前記トラバースガイド11がトラバースストローク最端部(前記待機位置P)に停止するように制御される。
【0061】
このようにトラバースストロークの最端部に待機位置Pが設定されることで、パッケージ7側の上糸が引き出される際に、その引き出した上糸の糸道の範囲外の位置にトラバースガイド11があることが確保される。従って、トラバースガイド11に上糸が絡まるトラブルが一層確実に防止される。
【0062】
また、本実施形態においては、前記トラバースストロークの中央位置に前記トラバースガイド11の往復運動の基準位置となる原点位置(制御原点O)が設定され、前記トラバース装置5が運転を開始する時に前記原点位置への前記トラバースガイド11の復帰動作が行われる。
【0063】
このように、トラバースストロークの中央位置に前記制御原点Oが設定されているため、トラバースストロークの設定等が容易になる。また、トラバース装置5が運転を開始する度にトラバースガイド11が原点位置へ復帰されるので、糸4の綾振りが常に正確に行われるようになる。
【0064】
また、本実施形態のトラバースガイド11は、その往復運動方向片側(図1における左側)に糸受入れ開口11aを形成している。そして、前記糸切れ時には、図4に示すように、前記トラバースガイド11は、トラバースストローク中央から前記糸受入れ開口11aの形成側と反対側(即ち、右側)に寄った位置(待機位置P)で停止するように、前記トラバース駆動モータ45を制御している。
【0065】
従って、待機位置P(右端)から他側のストローク端部(左端)までトラバースガイド11を1ストローク分の距離だけ移動させれば、糸4がどの位置にあってもトラバースガイド11に確実に係合させて綾振りさせることができる。従って、トラバースガイド11が待機位置Pを出発してから糸4をキャッチして綾振可能になるまでの時間ないしトラバースストローク数を低減でき、糸の巻取りを素早く再開できるとともに、巻取ボビン6,7への糸4の棒巻き量を少なくすることができる。
【0066】
なお、上記に開示された構成は一例であって、例えば以下のように変更することができる。
【0067】
トラバースガイド11の前記待機位置Pは、トラバースストロークの最端部に設定する必要は必ずしもなく、トラバースストロークの中央を避けた位置(端部)であれば良い。しかし、前記実施形態のようにトラバースストロークの最端部に待機位置Pを設定した場合、上糸捕捉案内手段20によって引き出される上糸がトラバースガイド11に絡まる確率が低くなるので好ましい。更に、待機位置を、トラバースストロークの最端部を越えた位置としても良い。
【0068】
また、本実施形態ではトラバースガイド11は図1の左側に糸受入れ開口11aを備えており、前記の待機位置Pはトラバースストローク中央よりも右端側(最右端)に設定されているが、その代わりに、待機位置Pをトラバースストローク中央より左端側の位置に設定しても良い。しかしながら本実施形態に示すように、待機位置Pをトラバースストロークの中央よりも右側に設定した方が、巻取再開時のトラバースガイド11の最初のストローク(往路)で素早く糸4をキャッチして綾振りでき、巻取ボビン6,7への棒巻き量を少なくできる点で好ましい。
【0069】
また、本実施形態では、ユニット制御部50、パッケージ駆動制御部42及びトラバース制御部46で糸巻取ユニット2に対する制御装置を構成していたが、ユニット制御部50、パッケージ駆動制御部42、トラバース制御部46を一体化しても良い。
【0070】
トラバース装置5は、ボイスコイルモータに構成したトラバース駆動モータ45によってアーム部材13を旋回往復駆動させる構成に代えて、図5に示すように、接触ローラ9の近傍に無端状のタイミングベルト31を配置し、このタイミングベルト31にトラバースガイド11’を取り付けるとともに、当該タイミングベルト31を、例えばパルスモータとしてのトラバース駆動モータ45’によって往復駆動する構成に変更することができる。また、ドラム状のトラバースカムの外周面にカム溝を螺旋状に設け、このカム溝にトラバースガイドを係合する構成等、他の構成のトラバース装置に変更することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動ワインダの糸巻取ユニットの模式正面図及びブロック図。
【図2】トラバース制御部によるトラバースガイドの速度制御の様子を示すグラフ図。
【図3】巻取停止及び巻取再開時の制御を示すフローチャート図。
【図4】上糸捕捉案内手段がパッケージ側の上糸を引き出す様子を示す模式正面図及びブロック図。
【図5】トラバース装置の変形例を示す模式正面図及びブロック図。
【符号の説明】
【0072】
1 自動ワインダ
2 糸巻取ユニット(糸巻取機)
3 給糸ボビン(給糸部)
4 糸
5 トラバース装置
6 巻取チューブ(空の巻取ボビン)
7 パッケージ(糸層付の巻取ボビン)
11 トラバースガイド
14 糸継装置
15 ヤーンクリアラ(糸切断検知手段の一部)
17 下糸捕捉案内手段
20 上糸捕捉案内手段
41 パッケージ駆動モータ(巻取ボビン回転駆動装置)
42 パッケージ駆動制御部
45 トラバース駆動モータ
46 トラバース制御部
46a トラバース装置運転停止制御手段
50 ユニット制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給糸部と、
この給糸部からの糸を巻き取るための巻取ボビンを回転させるための巻取ボビン回転駆動装置と、
前記給糸部と前記巻取ボビンとの間に設けられ、前記巻取ボビンへの糸の巻取りの際にその糸を綾振るために該糸と係合して前記巻取ボビンの回転軸方向に往復運動するトラバースガイドを有するトラバース装置と、
前記給糸部の糸始端部と前記巻取ボビンに糸が巻き取られて形成された糸層の糸終端部とを繋ぐための糸継装置と、
前記給糸部の糸始端部を捕捉して前記糸継装置に導くための下糸捕捉案内手段と、
前記糸層の糸終端部を捕捉して前記糸継装置に導くための上糸捕捉案内手段と、
前記給糸部から前記巻取ボビンへ至る糸が切断されたことを検知するための糸切断検知手段と、
この糸切断検知手段で糸切断を検知した時に前記巻取ボビン回転駆動装置及び前記トラバース装置の運転を停止し、次いで前記巻取ボビンが巻取方向と逆方向に回転するように前記巻取ボビン回転駆動装置を運転しながら前記糸継装置、前記下糸捕捉案内手段及び前記上糸捕捉案内手段を作動させるように前記巻取ボビン回転駆動装置、前記トラバース装置、前記糸継装置、前記下糸捕捉案内手段及び前記上糸捕捉案内手段を制御する制御装置と、
を備えた糸巻取機において、
前記制御装置に前記トラバース装置の運転停止制御手段が設けられ、このトラバース装置運転停止制御手段は、前記上糸捕捉案内手段が作動する前に前記トラバースガイドをトラバースストロークの端部に停止させるように前記トラバース装置を制御することを特徴とする糸巻取機。
【請求項2】
請求項1に記載の糸巻取機であって、
前記トラバース装置運転停止制御手段は、前記トラバースガイドを前記トラバースストロークの最端部又は最端部を越えた位置に停止させることを特徴とする糸巻取機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の糸巻取機であって、
前記トラバースストロークの中央位置に前記トラバースガイドの往復運動の基準位置となる原点位置が設定され、前記トラバース装置が運転を開始する時に前記原点位置への前記トラバースガイドの復帰動作が行われることを特徴とする糸巻取機。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の糸巻取機であって、
前記トラバースガイドがその往復運動方向の片側に糸受入れ開口を有するフック状に形成され、
前記トラバース装置運転停止制御手段で停止させられるトラバースガイドの停止位置が前記糸受入れ開口と反対側に位置するトラバースストローク端部であることを特徴とする糸巻取機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−153554(P2007−153554A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352181(P2005−352181)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】