説明

納豆菌つき卯の花

【課題】
豆腐を製造する過程での副産物卯の花は、大半が産業廃棄物として処理されている。繊維が多く消化は良くないが、それでも少量のタンパク質、脂肪が有るので、食用や飼料として更なる消費、あるいは食用や飼料以外での新たな消費形態が望まれている。また産業廃棄物として、長時間屋外に放置されるとその有用な繊維、タンパク質、脂肪が腐敗して悪臭を放つなど公害の要因になっている。
【解決手段】
前記課題を解決するため、卯の花に納豆菌を着床させて納豆菌つき卯の花を製造する。また熟成させた納豆菌つき卯の花を作陶用の粘土を扱うのと同じ要領で、十分に粘り気が出るまで良く捏ねて、植木鉢の形や小豆球、駒形に加工し、用途に合わせて乾燥、あるいは乾燥して陶器様に焼成した加工品を作る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に浸した大豆を引き砕きその液を煮て布袋でこし豆腐の原料となる豆乳を絞りとつたあとのからで、空木の花のように白いのでこの名前があり、別名きらず、おからとも称される卯の花(以下 卯の花)に納豆菌を着床させ発酵させて製品化した、納豆菌つき卯の花とその加工品に関する
【背景技術】
【0002】
豆腐を製造する過程での副産物卯の花は、「卯の花すし」「卯の花の五目煎り煮」「卯の花汁」「卯の花漬け」などの食用、または家畜の飼料として利用されているが、残りの大半は産業廃棄物として処理されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
豆腐を製造する過程での副産物卯の花は、大半が産業廃棄物として処理されている。繊維が多く消化は良くないが、それでも少量のタンパク質、脂肪が有るので、食用や飼料として更なる消費、あるいは食用や飼料以外での新たな消費形態が望まれている。また産業廃棄物として、長時間屋外に放置されるとその有用な繊維、タンパク質、脂肪が腐敗して悪臭を放つなど公害の要因になっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、卯の花に納豆菌を着床させて納豆菌つき卯の花を製造する。また熟成させた納豆菌つき卯の花を作陶用の粘土を扱うのと同じ要領で、十分に粘り気が出るまで良く捏ねて、植木鉢の形や小豆球、駒形に加工し、用途に合わせて乾燥、あるいは乾燥して陶器様に焼成した加工品を作る。
【発明の効果】
【0005】
卯の花に納豆菌を着床させて納豆菌つき卯の花を製造し、保水材や水の浄化材の原材料に利用できる。また小豆形、駒形に加工して、播種用の野菜や花の種を内包させたり、植木鉢の形に焼成した加工品に苗を植えつけて、種まきや苗の移植を手作業から機械作業に容易に移行できるようにした。更に長時間屋外に放置されると腐敗して悪臭を放つなどの公害の要因を軽減した。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】卯の花の塊を解す目的で熱い水蒸気を吹き付ける。
【図2】解してコンテナに広げた卯の花に納豆菌を振り掛ける。
【図3】上下捏ね機と納豆菌つき卯の花。
【図4】納豆菌つき卯の花の加工品。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0007】
卯の花に納豆菌を着床させて納豆菌つき卯の花を製造する。豆腐を製造する際生じる副産物の卯の花は、豆乳を搾り取った後なので堅い大きな塊になっている。図1は卯の花の塊1に熱い水蒸気3を吹き付けて柔らかくすると同時に、その水蒸気の蒸気圧で卯の花の塊を解し、図2は底の浅いコンテナ5に解した卯の花4を薄く広げ納豆菌7を振りかけて保温室に搬入する。摂氏40度から43度の温度を保持しつつ10時間後に同形のコンテナに上下逆になるようにひっくり返す。再度納豆菌7を振りかけて摂氏40度から43度の温度を保持しつつ10時間後に保温室から熟成室に移動させ、数時間かけて熟成させ納豆菌つき卯の花として完成させる。図3は熟成させた納豆菌つき卯の花8を作陶の粘土を扱うのと同じ要領で上捏ね機9下捏ね機10などで十分に粘り気が出るまで良く捏ねて、図4のように植木鉢の形や小豆球、駒形に加工し、用途に合わせて乾燥、あるいは乾燥して陶器様に焼成し育苗用のポッド12や植木鉢11などの加工品を作る。
【産業上の利用可能性】
【0008】
納豆菌つき卯の花は、保水材や水の浄化材の原材料として利用価値を期待できる。また納豆菌つき卯の花として完成させた後、植木鉢などの加工品をつくることで、産業廃棄物として処理されていた卯の花を減らすことができる。植木鉢や育苗ポッドなどの納豆菌つき卯の花の加工品は、廃棄後土壌に還元できるので環境にも優しい。また請求項2にある上部から散布する納豆菌の代わりに、納豆菌つき卯の花を使用することで製造のサイクルも可能になる。
【符号の説明】
【0009】
1 卯の花の塊
2 水蒸気噴出機器
3 熱い水蒸気
4 解した卯の花
5 底の浅いコンテナ
6 納豆菌振り掛け機器
7 納豆菌
8 納豆菌つき卯の花
9 上部捏ね機
10 下部捏ね機
11 納豆菌つき卯の花の加工品植木鉢
12 納豆菌つき卯の花の加工品育苗用ポッド
13 小豆大の納豆菌つき卯の花の加工品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に浸した大豆を引き砕きその液を煮て布袋でこし豆腐の原料となる豆乳を絞りとつたあとのからで、空木の花のように白いのでこの名前があり、別名きらず、おからとも称される卯の花(以下 卯の花)に納豆菌を付与する目的で、納豆菌を着床させて保温し、発酵させ更に時間をかけて熟成させたことを特徴とする、納豆菌つき卯の花とその製造方法
【請求項2】
納豆菌の着床を容易にする目的で、卯の花に熱い水蒸気を吹き付けて柔軟にすると同時に、吹き付ける水蒸気の圧力で卯の花を解し、薄く広げて納豆菌を振りかけて保温し、発酵させ更に時間をかけて熟成させたことを特徴とする、請求項1記載の納豆菌つき卯の花とその製造方法
【請求項3】
請求項2記載の納豆菌つき卯の花の取り扱いを容易にする目的で、熟成させた後粘土様になるまでよく捏ねて、小豆形、正方形、駒形などに形成し乾燥させたことを特徴とする、納豆菌つき卯の花の加工品とその製造方法
【請求項4】
請求項2記載の納豆菌つき卯の花を育苗や播種などの農作業に利用する目的で、熟成させた後粘土様になるまでよく捏ねて、小豆形、小豆玉形などに形成し野菜の種、花の種などを内包させて乾燥させたことを特徴とする、納豆菌つき卯の花の加工品とその製造方法
【請求項5】
請求項2記載の納豆菌つき卯の花の取り扱いを容易にする目的で、熟成させた後粘土様になるまでよく捏ねて、植木鉢、育苗ポッド、駒形などに形成して乾燥させ陶器のように硬くなるまで焼成したことを特徴とする、納豆菌つき卯の花の加工品とその製造方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−217374(P2012−217374A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85233(P2011−85233)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(391023688)
【Fターム(参考)】