説明

紙幣処理装置および硬貨処理装置

【課題】紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で硬貨の釣銭準備金を作成するにあたり部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる紙幣処理装置等を提供する。
【解決手段】紙幣の処理を行う紙幣処理装置20は制御部70を備えている。制御部70は、紙幣処理装置20において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の処理を行う紙幣処理装置および硬貨の処理を行う硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売業の店舗等に設置される現金管理装置として、様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1には、店舗の売場に設置されているレジスターに収納された売上金等を管理する現金管理装置が開示されている。このような現金管理装置は、店舗の出納係やレジスターのオペレータ等の店員によって操作されるようになっており、レジスターに釣銭として収納されるべき釣銭準備金等の現金の出金を行ったり、レジスターから回収された売上金等の現金の入金を行ったりするようになっている。特許文献1に開示されるような現金管理装置では、釣銭準備金を出金する際には、店員のIDカードを認証した後、タッチパネル式のディスプレイ等によって釣銭準備金の出金パターン(具体的には、金種毎の紙幣および硬貨の枚数のパターン)の1つを選択するか、または金種毎の紙幣および硬貨の出金枚数を入力することにより、紙幣および硬貨からなる釣銭準備金を作成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4385668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような現金管理装置では、紙幣の釣銭準備金を出金する紙幣取扱部および硬貨の釣銭準備金を出金する硬貨取扱部がそれぞれ設けられている。しかしながら、現金管理装置に紙幣取扱部および硬貨取扱部の両方を設けた場合には装置価格が高くなってしまうという問題がある。このため、釣銭準備金を作成するための現金管理装置として、価値がより高い紙幣の入出金処理を行う紙幣出納装置のみが設置され、硬貨の釣銭準備金は手管理されている店舗もある。しかしながら、このような店舗では、硬貨の釣銭準備金の内訳を手管理しなければならないため、作業効率が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で硬貨の釣銭準備金を作成するにあたり部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、硬貨処理装置において硬貨の釣銭準備金を作成する際に、紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、紙幣の処理を行う紙幣処理装置であって、前記紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力する制御部を備えたことを特徴とする紙幣処理装置である。
【0008】
本発明の紙幣処理装置によれば、当該紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、制御部は、硬貨の釣銭準備金に関する情報(例えば、硬貨の釣銭準備金の出金パターンや合計金額、および/または金種毎の枚数)を出力するようになっている。このため、店舗システムのバックヤード領域等に硬貨出納装置等の硬貨処理装置を設置することを省略することができ、コストを低減することができる。また、硬貨処理装置を設置せずに硬貨の釣銭準備金を手管理で作成する場合にも、紙幣処理装置において硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で硬貨の釣銭準備金を作成するにあたり、出力された情報を操作者が確認することにより、操作者に対して部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の紙幣処理装置においては、前記紙幣処理装置は表示部を更に備え、前記表示部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を表示するようになっていてもよい。
【0010】
あるいは、前記紙幣処理装置は印字部を更に備え、前記印字部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を印字するようになっていてもよい。
【0011】
あるいは、前記紙幣処理装置はインターフェースを更に備え、前記インターフェースは、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を前記紙幣処理装置とは別の装置に送信するようになっていてもよい。
【0012】
本発明の紙幣処理装置においては、前記紙幣処理装置は、当該紙幣処理装置とは別に設けられた上位装置に通信接続されており、前記上位装置から前記紙幣処理装置に釣銭準備金の設定情報が送られるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記上位装置から送られた釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0013】
あるいは、前記紙幣処理装置は記憶部を更に備え、前記記憶部には釣銭準備金の設定情報が記憶されるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記記憶部に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0014】
あるいは、前記紙幣処理装置は、紙幣を収納するためのカセットを受け入れるカセット受入部を更に備え、前記カセットにはカセット記憶部が設けられており、前記カセット記憶部には釣銭準備金の設定情報が記憶されるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0015】
この際に、前記カセット記憶部には、前記紙幣処理装置とは別に設けられたレジ釣銭機の在高情報も更に記憶されるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶されたレジ釣銭機の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0016】
また、前記カセット記憶部には、前記カセットに収納されている紙幣の収納情報も更に記憶されるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶された紙幣の収納情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0017】
また、前記紙幣処理装置は、前記カセット受入部に受け入れられた前記カセットの前記カセット記憶部に情報を書き込む書き込み部を更に備え、前記書き込み部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を、前記カセット受入部に受け入れられた前記カセットの前記カセット記憶部に書き込むようになっていてもよい。
【0018】
本発明の紙幣処理装置においては、前記紙幣処理装置は、当該紙幣処理装置とは別に設けられたレジ釣銭機に通信接続されており、前記レジ釣銭機から前記紙幣処理装置に当該レジ釣銭機の在高情報が送られるようになっており、前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記レジ釣銭機から送られた当該レジ釣銭機の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0019】
本発明の紙幣処理装置においては、前記制御部は、前記紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に紙幣の釣銭準備金が不足する場合には、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するときに、不足した紙幣の釣銭準備金の金額に対応する硬貨の金種毎の枚数を、硬貨の釣銭準備金に関する情報に追加するようになっていてもよい。
【0020】
本発明は、硬貨の処理を行う硬貨処理装置であって、前記硬貨処理装置において硬貨の釣銭準備金を作成する際に、紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力する制御部を備えたことを特徴とする硬貨処理装置である。
【0021】
本発明の硬貨処理装置によれば、当該硬貨処理装置において硬貨の釣銭準備金を作成する際に、制御部は、紙幣の釣銭準備金に関する情報(例えば、紙幣の釣銭準備金の出金パターンや合計金額、および/または金種毎の枚数)を出力するようになっている。このため、店舗システムのバックヤード領域等に紙幣出納装置等の紙幣処理装置を設置することを省略することができ、コストを低減することができる。また、紙幣処理装置を設置せずに紙幣の釣銭準備金を手管理で作成する場合にも、硬貨処理装置において紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり、出力された情報を操作者が確認することにより、操作者に対して部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の紙幣処理装置によれば、紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で硬貨の釣銭準備金を作成するにあたり部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0023】
本発明の硬貨処理装置によれば、硬貨の釣銭準備金を作成する際に、紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態による紙幣出納装置が設けられた店舗システムの構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す店舗システムの概略的な機能ブロック図である。
【図3】図1に示す店舗システムにおける紙幣出納装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示す紙幣出納装置の内部構成を示す構成図であって、(a)は、入金部に紙幣受入ユニットが装着されているときの状態を示す図であり、(b)は、入金部に現金搬送カセットが装着されているときの状態を示す図である。
【図5】図3に示す紙幣出納装置の機能ブロック図である。
【図6】本発明に変形例に係る店舗システムの構成を示す構成図である。
【図7】図6に示す店舗システムの概略的な機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態に係る紙幣出納装置(紙幣処理装置)およびこの紙幣出納装置を備えた店舗システムを示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による紙幣出納装置が設けられた店舗システムの構成を示す構成図であり、図2は、図1に示す店舗システムの概略的な機能ブロック図である。また、図3は、図1に示す店舗システムにおける紙幣出納装置の外観を示す斜視図であり、図4は、図3に示す紙幣出納装置の内部構成を示す構成図であり、図5は、図3に示す紙幣出納装置の機能ブロック図である。
【0026】
まず、本実施の形態による紙幣出納装置が設けられた店舗システムについて図1および図2を用いて説明する。図1に示すように、店舗システム1は、店員が顧客との間で実際にやりとりした現金を入出金するフロント領域2と、フロント領域2の現金や商品を管理するバックヤード領域3とに区分けされている。そして、フロント領域2において、紙幣釣銭機51および硬貨釣銭機52からなる現金精算装置50が1または複数設置されている。ここで、各現金精算装置50は、店員によって操作されるようになっており、店員と顧客との間の精算処理が当該現金精算装置50によって行われるようになっている。例えば、各現金精算装置50は、顧客が支払った代金を入金したり、顧客へ支払う釣銭を出金したりするようになっている。各現金精算装置50は、顧客操作型運用の場合は、顧客が代金を直接入金し、釣銭を受け取ることになる。また、フロント領域2において、各現金精算装置50の近傍には、レジスター54やセルフチェックレジスター56が配置されている。また、各現金精算装置50はそれぞれ対応する通信接続部10に通信接続されており、レジスター54やセルフチェックレジスター56も、対応する各現金精算装置50が通信接続された通信接続部10に通信接続されている。また、現金精算装置50の近傍にレジスター54が設けられる代わりに、店員が紙幣や硬貨の手管理を行うドロア60の近傍にレジスター58が設けられ、このレジスター58が通信接続部10に通信接続される場合もある。この場合、ドロア60はレジスター58に通信接続されている。フロント領域2に設けられた各通信接続部10は、バックヤード領域3に設けられた後述する上位端末40に通信接続されている。なお、レジスター54、58としては、POSレジスターやECRレジスター等が用いられるようになっている。
【0027】
また、図1に示すように、バックヤード領域3において紙幣出納装置20および上位端末40がそれぞれ設置されている。紙幣出納装置20は、フロント領域2に設置された現金精算装置50の紙幣釣銭機51へ装填する釣銭としての紙幣(釣銭準備金)を出金したり、紙幣釣銭機51から回収した紙幣を入金したりするようになっている。なお、バックヤード領域3には硬貨の入出金処理等を行う硬貨出納装置は設置されていない。また、紙幣出納装置20は通信接続部10に通信接続されており、この通信接続部10は上位端末40に通信接続されている。また、バックヤード領域3にはサーバー62が設置されており、このサーバー62も通信接続部10を介して上位端末40に通信接続されている。
【0028】
また、店舗システム1において、現金精算装置50の紙幣釣銭機51および紙幣出納装置20にそれぞれ着脱可能となっている、後述する現金搬送カセット35(図1および図2では図示せず)が用いられるようになっている。このような現金搬送カセット35により、紙幣釣銭機51と紙幣出納装置20との間で現金(紙幣)の授受を行うようになっている。なお、現金搬送カセット35は、紙幣釣銭機51や紙幣出納装置20から離脱しているときには当該現金搬送カセット35内に収納された現金(紙幣)を取り出せないようになっている。
【0029】
図2に示すように、上位端末40は、通信接続部10を介してバックヤード領域3に設けられた紙幣出納装置20と様々な情報の送受信を行うようになっている。また、上位端末40は、通信接続部10を介してフロント領域2に設けられた紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52とも様々な情報の送受信を行うようになっている。このため、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52と、紙幣出納装置20との間で情報の送受信を行う際には、送受信される情報は上位端末40を経由するようになる。なお、上位端末40と紙幣出納装置20との間で送受信される情報の内容の詳細、および上位端末40と紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52との間で送受信される情報の内容の詳細については後述する。
【0030】
次に、図3乃至図5を用いて紙幣出納装置20の構成の概略について説明する。なお、図4は、図3に示す紙幣出納装置20の内部構成を示す構成図であるが、図4(a)は、入金部21に紙幣受入ユニット21aが装着されているときの状態を示す図であり、(b)は、入金部21に現金搬送カセット35が装着されているときの状態を示す図である。
【0031】
図4(a)に示すように、紙幣出納装置20は、筐体20aと、入金部21と、出金部22と、操作表示部29(図4では図示せず)と、印字部30(図4では図示せず)とを備えており、入金部21には、紙幣受入ユニット21aが着脱自在に装着されている。ここで、紙幣受入ユニット21aは、入金部21に装着されたときに紙幣出納装置20の外部から紙幣を受け入れて1枚ずつ筐体20a内に繰り出すようになっている。このような紙幣受入ユニット21aは、店員が紙幣出納装置20へ紙幣を手動で入金する場合に用いられるようになっている。なお、図4(b)に示すように、入金部21には、紙幣受入ユニット21aの代わりに、現金搬送カセット35を装着することができるようになっている。現金搬送カセット35が入金部21に装着されたときには、この現金搬送カセット35の内部に設けられた繰出機構により現金搬送カセット35内の紙幣が1枚ずつ筐体20a内に繰り出されるようになっている。
【0032】
また、図4(b)に示すように、現金搬送カセット35にはカセット記憶部35aが設けられており、このカセット記憶部35aには様々な情報が記憶されるようになっている。また、図5に示すように、入金部21には読み取り部21mおよび書き込み部21nが設けられており、読み取り部21mは、入金部21に現金搬送カセット35が装着されたときにこの現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに記憶された情報を読み取るようになっている。また、書き込み部21nは、入金部21に現金搬送カセット35が装着されたときにこの現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに情報を書き込むようになっている。これらの読み取り部21mおよび書き込み部21nは後述する制御部70に接続されており、読み取り部21mにより読み取られた情報は制御部70に送られるとともに、書き込み部21nは制御部70から送られた情報に基づいてカセット記憶部35aへの情報の書き込みを行うようになっている。
【0033】
図4に示すように、紙幣出納装置20の筐体20a内には紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部23が設けられており、この搬送部23の端部23aに、前述した入金部21が設けられている。そして、紙幣受入ユニット21aや現金搬送カセット35が入金部21に装着されたときに、これらの紙幣受入ユニット21aや現金搬送カセット35から繰り出された紙幣は搬送部23の端部23aを介して当該搬送部23により搬送されるようになっている。
【0034】
図4に示すように、搬送部23には識別部24が設けられており、この識別部24によって、搬送部23により搬送される紙幣の金種、正損、真偽等の識別を行うようになっている。
【0035】
また、筐体20a内において複数の収納繰出部25が設けられており、各収納繰出部25はそれぞれ搬送部23に接続されている。各収納繰出部25は、紙幣を金種別に収納するようになっている。より詳細には、識別部24による識別結果に基づいて、入金部21から搬送部23に繰り出された紙幣は当該搬送部23により各収納繰出部25に金種別に送られるようになっている。また、各収納繰出部25は、当該収納繰出部25に収納された紙幣を1枚ずつ搬送部23に繰り出すことができるようになっている。各収納繰出部25は、図4に示すような紙幣を1枚ずつ一対のテープ間に挟み込んだ状態で当該テープを紙幣とともに巻き取るテープリール式の収納繰出部であってもよく、あるいは、紙幣を積み重ねて収納するスタッカ式の収納繰出部(図示せず)であってもよい。
【0036】
また、筐体20a内には回収部26が設けられており、この回収部26は、収納繰出部25に収納された紙幣を回収する際に用いられるようになっている。より具体的には、回収部26には、紙幣を収納する紙幣収納袋(図示せず)が着脱自在に設置可能となっており、収納繰出部25から搬送部23を経て回収部26に送られた紙幣は紙幣収納袋内に収納されるようになっている。また、各収納繰出部25に割り当てられていない金種の紙幣や、対応する金種の収納繰出部25がフル状態のために収納できないオーバーフロー紙幣も回収部26の紙幣収納袋内に収納されるようになっている。そして、回収部26から紙幣収納袋を取り出すことにより、紙幣出納装置20から紙幣収納袋ごと紙幣の回収を行うようになっている。
【0037】
また、図4に示すように、紙幣出納装置20には、機外リジェクト部27および機内リジェクト部28がそれぞれ設けられている。ここで、機外リジェクト部27には、入金部21により筐体20a内に取り込まれた紙幣のうち識別部24により正常な紙幣ではないと識別された紙幣がリジェクト紙幣として搬送部23から送られるようになっており、この機外リジェクト部27によりリジェクト紙幣を紙幣出納装置20の外部に投出するようになっている。一方、機内リジェクト部28には、紙幣出納装置20の外部に投出することのできないようなリジェクト紙幣が搬送部23から送られるようになっており、この機内リジェクト部28にリジェクト紙幣を収納するようになっている。そして、店員等の管理権限のない操作者は機内リジェクト部28内の紙幣を取り出すことはできないようになっている。
【0038】
操作表示部29は、紙幣出納装置20における紙幣の収納状態等の様々な情報を表示するとともに、店員が様々な指令を入力することができるように構成されている。操作表示部29は、例えばタッチパネル式のディスプレイ等から構成されている。また、印字部30は例えばプリンタから構成されており、この印字部30に備えられた印刷用紙に様々な情報を印字することができるようになっている。
【0039】
また、紙幣出納装置20の筐体20a内には、当該紙幣出納装置20の各構成要素の制御を行う制御部70が設けられている。制御部70の構成について図5を用いて説明する。図5に示すように、制御部70は、入金部21、出金部22、搬送部23、識別部24、収納繰出部25、回収部26、操作表示部29、印字部30等にそれぞれ接続されている。そして、識別部24による紙幣の識別結果が制御部70に送られるようになっており、また、制御部70から入金部21、出金部22、搬送部23、収納繰出部25、回収部26、印字部30にそれぞれ指令を送ることによりこれらの構成要素の制御を行うようになっている。また、操作表示部29によって店員等により入力された情報は制御部70に送られるようになっており、また、制御部70から操作表示部29に情報を送ることによりこの操作表示部29で様々な表示を行わせるようになっている。
【0040】
また、図5に示すように、制御部70にはインターフェース72が接続されており、このインターフェース72を介して制御部70は外部装置(具体的には、例えば上位端末40)と情報の送受信を行うことができるようになっている。また、制御部70には記憶部74が接続されており、この記憶部74には紙幣出納装置20の様々な設定情報や、各収納繰出部25に収納された紙幣の金種毎の枚数等の収納情報が記憶されるようになっている。
【0041】
次に、このような構成からなる紙幣出納装置20の動作について以下に説明する。なお、以下に示す紙幣出納装置20の動作は、制御部70が紙幣出納装置20の各構成要素を制御することにより行われるようになっている。
【0042】
まず、紙幣出納装置20に紙幣を入金するときの動作について説明する。具体的には、図1等に示す店舗システム1において、例えば店舗の営業時間後に紙幣釣銭機51から売上金に係る紙幣を回収し、この回収された紙幣を紙幣出納装置20に入金するようになっている。紙幣出納装置20に紙幣を入金するにあたり、店員が手動で紙幣を直接紙幣出納装置20に入金する場合には、紙幣受入ユニット21aを入金部21に装着する。このことにより、紙幣受入ユニット21aは、紙幣出納装置20の外部から紙幣を受け入れて1枚ずつ筐体20a内に繰り出すようになる。一方、現金搬送カセット35に収納された紙幣を紙幣出納装置20に入金する場合には、現金搬送カセット35を入金部21に装着する。この場合には、現金搬送カセット35が入金部21に装着されたときに、この現金搬送カセット35の内部に設けられた繰出機構により現金搬送カセット35内の紙幣が1枚ずつ筐体20a内に繰り出される。
【0043】
紙幣受入ユニット21aや現金搬送カセット35から筐体20a内に繰り出された紙幣は搬送部23により搬送され、識別部24により紙幣の識別が行われる。識別部24により正常な紙幣であると識別された紙幣は、金種別に各収納繰出部25に収納される。一方、識別部24により正常な紙幣であると識別されたが、対応する金種の収納繰出部25がフル状態である場合や、各収納繰出部25に割り当てられていない金種の紙幣である場合には、この紙幣は回収部26に送られる。また、識別部24により正常な紙幣ではないと識別された紙幣(例えば、偽券、斜行券、重送券等)や、識別部24により識別を行うことができなかった紙幣は、リジェクト紙幣として機外リジェクト部27に送られる。このようにして、紙幣受入ユニット21aや現金搬送カセット35から筐体20a内に紙幣が全て繰り出され、各収納繰出部25や回収部26等に紙幣が全て収納されると、紙幣出納装置20における紙幣の入金処理が終了する。
【0044】
次に、紙幣出納装置20から紙幣を出金するときの動作について説明する。具体的には、図1等に示す店舗システム1において、例えば店舗の営業時間前に紙幣釣銭機51に紙幣の釣銭準備金を補充する際に、紙幣出納装置20において所定のパターンの紙幣の釣銭準備金を出金して作成するようになっている。更に詳細に説明すると、紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、現金搬送カセット35を入金部21に装着し、各収納繰出部25から繰り出された紙幣を現金搬送カセット35に収納させるようになっている。紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり、制御部70は、紙幣の釣銭準備金の出金パターン(具体的には、金種毎の紙幣の枚数のパターン)に基づいて、各収納繰出部25から紙幣を繰り出し、繰り出された紙幣を入金部21に装着された現金搬送カセット35に送るよう、紙幣出納装置20の各構成要素を制御する。ここで、釣銭準備金の出金パターンに係る情報は、記憶部74に予め記憶されていたり、あるいは上位端末40からインターフェース72を介して制御部70に送られたりするようになっている。また、店員が操作表示部29により制御部70に対して釣銭準備金の出金パターンに係る情報を入力するようになっていてもよい。更に他の方法としては、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに釣銭準備金の出金パターンが記憶されており、現金搬送カセット35が入金部21に装着されたときに読み取り部21mがカセット記憶部35aに記憶された釣銭準備金の出金パターンを読み取り、この読み取られた釣銭準備金の出金パターンを用いるようになっていてもよい。
【0045】
本実施の形態による紙幣出納装置20では、制御部70は、紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。具体的には、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報は、操作表示部29に表示されたり、印字部30により印字されたりするようになっている。このことにより、店員は、バックヤード領域3において、操作表示部29に表示されたり印字部30により印字されたりした情報(硬貨の釣銭準備金に関する情報)に基づいて、硬貨の釣銭準備金を手管理で準備することができるようになる。また、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を、インターフェース72によって、紙幣出納装置20とは別の装置、具体的には例えば上位端末40やサーバー62に送信してもよい。この場合には、店員は上位端末40やサーバー62のディスプレイ(図示せず)に表示された情報を見ることにより、硬貨の釣銭準備金を手管理で準備することができるようになる。
【0046】
また、前述したように、上位端末40から紙幣出納装置20には、釣銭準備金の設定情報(例えば、釣銭準備金の出金パターン)が送られるようになっているが、紙幣出納装置20の制御部70は、上位端末40から送られた釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。より詳細には、上位端末40から紙幣出納装置20に送られる釣銭準備金の設定情報には、紙幣の釣銭準備金の出金パターンに加えて、硬貨の釣銭準備金の出金パターンも送られるようになっている。このことにより、制御部70は、上位端末40から送られた釣銭準備金の設定情報のうち、紙幣の釣銭準備金の出金パターンについては、当該出金パターンに対応する紙幣を各収納繰出部25から繰り出して、入金部21に装着された現金搬送カセット35に収納させるが、硬貨の釣銭準備金の出金パターンについては、当該出金パターンに係る情報を出力して操作表示部29に表示させたり印字部30により印字させたりするようになっている。なお、制御部70から出力される硬貨の釣銭準備金に関する情報として、硬貨の釣銭準備金の出金パターンではなく、硬貨の釣銭準備金の合計金額が用いられるようになっていてもよい。
【0047】
また、紙幣出納装置20が上位端末40に通信接続されておらず、スタンドアローンタイプ(独立型)となっている場合もある。この場合には、紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を出金して作成する際に、制御部70は、記憶部74に記憶されている釣銭準備金の設定情報(例えば、釣銭準備金の出金パターン)に基づいて、各収納繰出部25から紙幣を繰り出し、繰り出された紙幣を入金部21に装着された現金搬送カセット35に送るよう、紙幣出納装置20の各構成要素を制御する。また、記憶部74に記憶されている釣銭準備金の設定情報として、紙幣の釣銭準備金の出金パターンに加えて、硬貨の釣銭準備金の出金パターンも含まれている場合がある。この場合には、記憶部74に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて紙幣の釣銭準備金を出金する際に、制御部70は、記憶部74に記憶された釣銭準備金の設定情報のうち硬貨の釣銭準備金の出金パターンに係る情報を出力して操作表示部29に表示させたり印字部30により印字させたりするようになる。
【0048】
また、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに釣銭準備金の設定情報が記憶されており、現金搬送カセット35が入金部21に装着されたときに読み取り部21mがカセット記憶部35aに記憶された釣銭準備金の設定情報を読み取り、この読み取られた釣銭準備金の設定情報を用いるときがある。この際に、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに記憶されている釣銭準備金の設定情報として、紙幣の釣銭準備金の出金パターンに加えて、硬貨の釣銭準備金の出金パターンも含まれている場合がある。この場合には、読み取り部21mにより読み取られた釣銭準備金の設定情報に基づいて紙幣の釣銭準備金を出金する際に、制御部70は、読み取り部21mにより読み取られた釣銭準備金の設定情報のうち硬貨の釣銭準備金の出金パターンに係る情報を出力して操作表示部29に表示させたり印字部30により印字させたりするようになる。
【0049】
ここで、カセット記憶部35aには、釣銭準備金の設定情報に加えて、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報、具体的に紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52に収納されている紙幣や硬貨の金種毎の枚数も更に記憶されていてもよい。また、カセット記憶部35aには、現金搬送カセット35に収納されている紙幣の収納情報、具体的には現金搬送カセット35に収納されている紙幣の金種毎の枚数も更に記憶されていてもよい。この場合には、制御部70は、カセット記憶部35aに記憶された釣銭準備金の設定情報に加えて、カセット記憶部35aに記憶された紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報や、現金搬送カセット35に収納されている紙幣の収納情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになる。
【0050】
また、入力部21に設けられた書き込み部21nは、当該入金部21に現金搬送カセット35が装着されているときに、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに書き込むようになっていてもよい。この場合には、紙幣の釣銭準備金が収納された現金搬送カセット35がフロント領域2の現金精算装置50に送られたときに、この現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに記憶された硬貨の釣銭準備金に関する情報を読み取ることにより、店員が実際に手動で硬貨釣銭機52に入金した硬貨の釣銭準備金と、カセット記憶部35aから読み取られた硬貨の釣銭準備金に関する情報とを照合することができる。
【0051】
また、本実施の形態の店舗システム1においては、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報がこれらの紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52から上位端末40に送られるようになっており、更に上位端末40から紙幣出納装置20に紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報が送られるようになっていてもよい。この場合には、制御部70は、上位端末40から送られた紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになる。
【0052】
また、制御部70は、紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を出金して作成する際に、実際に紙幣出納装置20に収納されている紙幣の釣銭準備金が不足している場合には、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するときに、不足した紙幣の釣銭準備金の金額に対応する硬貨の金種毎の枚数を、出力されるべき硬貨の釣銭準備金に関する情報に追加するようになっている。具体的には、実際に紙幣出納装置20に収納されている紙幣の釣銭準備金が例えば1000円分だけ不足している場合には、出力される硬貨の釣銭準備金として、1000円分の硬貨、例えば100円硬貨10枚を、出力される硬貨の釣銭準備金に関する情報に追加するようになっている。
【0053】
以上のように本実施の形態の紙幣出納装置20によれば、当該紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、制御部70は、硬貨の釣銭準備金に関する情報(すなわち、硬貨の釣銭準備金の出金パターンや合計金額、および/または金種毎の枚数)を出力するようになっている。具体的には、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報は、操作表示部29に表示されたり、印字部30により印字されたりするようになっている。また、インターフェース72により、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報が紙幣出納装置20とは別の装置に送信される場合もある。このような紙幣出納装置20によれば、店舗システム1のバックヤード領域3に硬貨出納装置を設置することを省略することができ、コストを低減することができる。また、硬貨出納装置を設置せずに硬貨の釣銭準備金を手管理で作成する場合にも、紙幣出納装置20において硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で硬貨の釣銭準備金を作成するにあたり、操作表示部29に表示された情報や印字部30により印字された情報を操作者が確認することにより、操作者に対して部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、紙幣出納装置20は、当該紙幣出納装置20とは別に設けられた上位端末40に通信接続されており、上位端末40から紙幣出納装置20に釣銭準備金の設定情報が送られるようになっており、紙幣出納装置20の制御部70は、上位端末40から送られた釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。あるいは、紙幣出納装置20の制御部70は、記憶部74に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。あるいは、紙幣出納装置20の制御部70は、現金搬送カセット35が入金部21(カセット受入部)に受け入れられたときに、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっていてもよい。
【0055】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、カセット記憶部35aには、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報も更に記憶されるようになっており、紙幣出納装置20の制御部70は、現金搬送カセット35が入金部21(カセット受入部)に受け入れられたときに、カセット記憶部35aに記憶された紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。具体的には、硬貨の釣銭準備金の設定情報から、硬貨釣銭機52の在高情報を差し引いた分の金種毎の硬貨の枚数や合計金額が、硬貨の釣銭準備金に関する情報として出力されるようになる。
【0056】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、カセット記憶部35aには、現金搬送カセット35に収納されている紙幣の収納情報も更に記憶されるようになっており、紙幣出納装置20の制御部70は、現金搬送カセット35が入金部21(カセット受入部)に受け入れられたときに、カセット記憶部35aに記憶された紙幣の収納情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。
【0057】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、入金部21(カセット受入部)に装着された現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに情報を書き込む書き込み部21nが設けられており、この書き込み部21nは、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を、現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに書き込むようになっている。このことにより、紙幣の釣銭準備金が収納された現金搬送カセット35がフロント領域2の現金精算装置50に送られたときに、この現金搬送カセット35のカセット記憶部35aに記憶された硬貨の釣銭準備金に関する情報を読み取ることにより、店員が実際に手動で硬貨釣銭機52に入金した硬貨の釣銭準備金と、カセット記憶部35aから読み取られた硬貨の釣銭準備金に関する情報とを照合することができる。
【0058】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52から上位端末40を介して紙幣出納装置20に紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報が送られるようになっており、紙幣出納装置20の制御部70は、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するようになっている。具体的には、硬貨の釣銭準備金の設定情報から、硬貨釣銭機52の在高情報を差し引いた分の金種毎の硬貨の枚数や合計金額が、硬貨の釣銭準備金に関する情報として出力されるようになる。なお、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52から上位端末40を介して紙幣出納装置20に紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報が送られる代わりに、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52から直接紙幣出納装置20に紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52の在高情報が送られるようになっていてもよい。また、紙幣出納装置20の制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報が、上位端末40を介して、または直接的に、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52に送られるようになっていてもよい。この場合には、店員が実際に手動で硬貨釣銭機52に入金した硬貨の釣銭準備金と、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報とを照合することができる。
【0059】
また、本実施の形態の紙幣出納装置20においては、制御部70は、紙幣出納装置20において紙幣の釣銭準備金を作成する際に紙幣の釣銭準備金が不足する場合には、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するときに、不足した紙幣の釣銭準備金の金額に対応する硬貨の金種毎の枚数を、硬貨の釣銭準備金に関する情報に追加するようになっている。
【0060】
なお、本実施の形態における紙幣出納装置20は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、制御部70から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報(硬貨の釣銭準備金の出金パターンや合計金額、および/または金種毎の枚数)を、音声により店員に伝えるようになっていてもよい。
【0061】
また、本発明では、バックヤード領域3に紙幣出納装置20が設置される代わりに、紙幣出納装置がバックヤード領域3に設置されず、硬貨出納装置がバックヤード領域3に設置されるようになっていてもよい。このような態様について図6および図7を用いて説明する。
【0062】
図6に示すように、バックヤード領域3において硬貨出納装置90および上位端末40がそれぞれ設置されている。この硬貨出納装置90は、フロント領域2に設置された現金精算装置50の硬貨釣銭機52へ装填する釣銭としての硬貨(釣銭準備金)を出金したり、硬貨釣銭機52から回収した硬貨を入金したりするようになっている。なお、図6および図7に示す態様では、バックヤード領域3には紙幣の入出金処理等を行う紙幣出納装置は設置されていない。また、硬貨出納装置90は通信接続部10に通信接続されており、この通信接続部10は上位端末40に通信接続されるようになっている。また、バックヤード領域3にはサーバー62が設置されており、このサーバー62も通信接続部10を介して上位端末40に通信接続されている。
【0063】
また、店舗システム1において、現金精算装置50の硬貨釣銭機52および硬貨出納装置90にそれぞれ着脱可能となっている現金搬送カセット(図示せず)が用いられるようになっている。このような現金搬送カセットにより、硬貨釣銭機52と硬貨出納装置90との間で現金(硬貨)の授受を行うようになっている。
【0064】
図7に示すように、上位端末40は、通信接続部10を介してバックヤード領域3に設けられた硬貨出納装置90と様々な情報の送受信を行うようになっている。また、上位端末40は、通信接続部10を介してフロント領域2に設けられた紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52とも様々な情報の送受信を行うようになっている。このため、紙幣釣銭機51や硬貨釣銭機52と、硬貨出納装置90との間で情報の送受信を行う際には、送受信される情報は上位端末40を経由するようになる。
【0065】
また、図6および図7に示す態様においては、硬貨出納装置90には、当該硬貨出納装置90の各構成要素の制御を行う制御部92(図6参照)が設けられている。そして、この制御部92は、硬貨出納装置90において硬貨の釣銭準備金を作成する際に、紙幣の釣銭準備金に関する情報(例えば、紙幣の釣銭準備金の出金パターンや合計金額、および/または金種毎の枚数)を出力するようになっている。具体的には、制御部92から出力された紙幣の釣銭準備金に関する情報は、硬貨出納装置90に設けられた操作表示部(図示せず)に表示されたり、硬貨出納装置90に設けられた印字部(図示せず)により印字されたりするようになっている。また、硬貨出納装置90に設けられたインターフェース(図示せず)により、制御部92から出力された紙幣の釣銭準備金に関する情報が硬貨出納装置90とは別の装置に送信される場合もある。このような硬貨出納装置90によれば、店舗システム1のバックヤード領域3に紙幣出納装置を設置することを省略することができ、コストを低減することができる。また、紙幣出納装置を設置せずに紙幣の釣銭準備金を手管理で作成する場合にも、硬貨出納装置90において紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力することにより、操作者が手管理で紙幣の釣銭準備金を作成するにあたり、操作表示部に表示された情報や印字部により印字された情報を操作者が確認することにより、操作者に対して部分的なサポートを行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 店舗システム
2 フロント領域
3 バックヤード領域
10 通信接続部
20 紙幣出納装置
21 入金部
21a 紙幣受入ユニット
21m 読み取り部
21n 書き込み部
22 出金部
23 搬送部
23a 端部
24 識別部
25 収納繰出部
26 回収部
27 機外リジェクト部
28 機内リジェクト部
29 操作表示部
30 印字部
35 現金搬送カセット
40 上位端末
50 現金精算装置
51 紙幣釣銭機
52 硬貨釣銭機
54 レジスター
56 セルフチェックレジスター
58 レジスター
60 ドロア
62 サーバー
70 制御部
72 インターフェース
74 記憶部
90 硬貨出納装置
92 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣の処理を行う紙幣処理装置であって、
前記紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力する制御部を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記紙幣処理装置は表示部を更に備え、
前記表示部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を表示するようになっていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記紙幣処理装置は印字部を更に備え、
前記印字部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を印字するようになっていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記紙幣処理装置はインターフェースを更に備え、
前記インターフェースは、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を前記紙幣処理装置とは別の装置に送信するようになっていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記紙幣処理装置は、当該紙幣処理装置とは別に設けられた上位装置に通信接続されており、前記上位装置から前記紙幣処理装置に釣銭準備金の設定情報が送られるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記上位装置から送られた釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
前記紙幣処理装置は記憶部を更に備え、前記記憶部には釣銭準備金の設定情報が記憶されるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記記憶部に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記紙幣処理装置は、紙幣を収納するためのカセットを受け入れるカセット受入部を更に備え、前記カセットにはカセット記憶部が設けられており、前記カセット記憶部には釣銭準備金の設定情報が記憶されるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶された釣銭準備金の設定情報に基づいて、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記カセット記憶部には、前記紙幣処理装置とは別に設けられたレジ釣銭機の在高情報も更に記憶されるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶されたレジ釣銭機の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項7記載の紙幣処理装置。
【請求項9】
前記カセット記憶部には、前記カセットに収納されている紙幣の収納情報も更に記憶されるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記カセットが前記カセット受入部に受け入れられたときに、前記カセット記憶部に記憶された紙幣の収納情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項7または8記載の紙幣処理装置。
【請求項10】
前記紙幣処理装置は、前記カセット受入部に受け入れられた前記カセットの前記カセット記憶部に情報を書き込む書き込み部を更に備え、
前記書き込み部は、前記制御部から出力された硬貨の釣銭準備金に関する情報を、前記カセット受入部に受け入れられた前記カセットの前記カセット記憶部に書き込むようになっていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項11】
前記紙幣処理装置は、当該紙幣処理装置とは別に設けられたレジ釣銭機に通信接続されており、前記レジ釣銭機から前記紙幣処理装置に当該レジ釣銭機の在高情報が送られるようになっており、
前記紙幣処理装置の前記制御部は、前記レジ釣銭機から送られた当該レジ釣銭機の在高情報も考慮して、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記紙幣処理装置において紙幣の釣銭準備金を作成する際に紙幣の釣銭準備金が不足する場合には、硬貨の釣銭準備金に関する情報を出力するときに、不足した紙幣の釣銭準備金の金額に対応する硬貨の金種毎の枚数を、硬貨の釣銭準備金に関する情報に追加することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項13】
硬貨の処理を行う硬貨処理装置であって、
前記硬貨処理装置において硬貨の釣銭準備金を作成する際に、紙幣の釣銭準備金に関する情報を出力する制御部を備えたことを特徴とする硬貨処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−12056(P2013−12056A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144565(P2011−144565)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】