説明

紙幣識別機

【課題】紙幣識別機の制御部と外部の指示手段とを通信接続する通信インターフェースを単純化でき、自販機等の紙幣が投入される各種装置の小型化を促進できること。
【解決手段】本発明にかかる紙幣識別機は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣の真偽および金種を識別する一連の紙幣識別動作を行う紙幣識別機本体2と、通信I/F15とを備える。紙幣識別機本体2は、制御部24を有し、通信I/F15は、一連の紙幣識別動作の指示情報またはテスト動作の指示情報を送信する自販機制御部10と制御部24とを通信接続する。制御部24は、通信I/F15を介して受信した指示情報をもとに、通常動作モードまたはテストモードのいずれかに設定し、通常動作モードに設定した場合に一連の紙幣識別動作の実行を制御し、テストモードに設定した場合にテスト動作の実行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の真偽および金種等を識別する紙幣識別機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別機が開発され、自動販売機(以下、自販機と称する場合がある)等の紙幣が投入される各種装置に組み込まれている(例えば、特許文献1を参照)。このような紙幣識別機は、一般に、紙幣挿入口から挿入された紙幣を搬入または排出する搬送部と、この紙幣に光を照射して透過光量等の光学情報を検出する光センサと、この光センサによって検出された光学情報をもとに紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別部とを有する。
【0003】
また、自販機等に組み込まれた紙幣識別機は、メンテナンス専用の通信ラインを介して入力されたコマンドに基づいて、例えば特許文献2に示されるように光センサの調整を行い、紙幣を搬入または排出する搬送部の動作を確認し、紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理のテストを行う。この場合、かかる従来の紙幣識別機101には、例えば図12に示すように、2種類のシリアル通信ライン、すなわち、自動販売機の各構成部を制御する自販機制御部102に対する制御用通信ラインと、上述した光センサの調整または紙幣識別処理のテスト等を命令する各種コマンドを出力する外部コンピュータ107に対するメンテナンス用通信ラインとが形成される。
【0004】
なお、この制御用通信ラインは、自販機制御部102の通信インターフェースに接続された通信ケーブル103と、紙幣識別機101の第1の通信インターフェースに接続された通信ケーブル104と、かかる通信ケーブル103,104を接続するコネクタ105と、この通信ケーブル103に配設されたレベル変換器106とによって形成される。このレベル変換器106は、紙幣識別機101と自販機制御部102との間で送受信される信号のレベルを変換する。一方、このメンテナンス用通信ラインは、外部コンピュータ107の通信インターフェースに接続された通信ケーブル108と、紙幣識別機101の第2の通信インターフェースに接続された通信ケーブル109と、かかる通信ケーブル108,109を接続するコネクタ110と、この通信ケーブル108に配設されたレベル変換器111とによって形成される。このレベル変換器111は、紙幣識別機101と外部コンピュータ107との間で送受信される信号のレベルを変換する。
【0005】
紙幣識別機101は、かかる制御用通信ラインを介して自販機制御部102から受信したコマンドに基づいて、紙幣挿入口から挿入された紙幣を搬送し、この紙幣の光学情報を検出し、検出した光学情報をもとに紙幣の真偽および金種を識別する一連の紙幣識別動作を行う。紙幣識別機101は、かかる制御用通信ラインを介して、この紙幣の識別結果を示す紙幣識別データを自販機制御部102に送信する。
【0006】
一方、紙幣識別機101は、かかるメンテナンス用通信ラインを介して外部コンピュータ107から受信したコマンドに基づいて、上述したように光センサの調整、搬送部の動作確認、紙幣識別処理のテスト等のテスト動作を行う。紙幣識別機101は、かかるメンテナンス用通信ラインを介して、このテスト動作の結果を外部コンピュータ107に通知する。外部コンピュータ107は、かかる紙幣識別機101のテスト動作結果を画面に表示する。
【0007】
【特許文献1】特開平4−276894号公報
【特許文献2】特開2005−284391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の紙幣識別機に対する各種メンテナンスを行うために、光センサの調整等の所望項目のテスト動作を命令するコマンドを紙幣識別機に送信するための外部コンピュータを用い、上述した制御用通信ラインの他に、かかる外部コンピュータと紙幣識別機との間にメンテナンス用通信ラインを追加形成しなければならない。かかるメンテナンス通信ラインを形成するためには、例えば図12に示したように、かかる外部コンピュータと紙幣識別機とを通信可能に接続する通信ケーブル、コネクタ、信号レベル変換器、および通信インターフェースを追加しなければならない。このため、紙幣識別機に形成されるシリアル通信ラインが複雑化し、これに起因して、かかる紙幣識別機を内蔵する自販機等の各種装置の小型化が困難になるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、紙幣識別機の制御部に対して各種動作を指示する外部の指示手段とこの制御部とを通信接続する通信インターフェースを単純化でき、自販機等の紙幣が投入される各種装置の小型化を促進できる紙幣識別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる紙幣識別機は、紙幣挿入口から挿入された紙幣を搬入し、前記紙幣の情報を検出し、検出した前記紙幣の情報をもとに前記紙幣を識別し、識別後の前記紙幣を収金または返却するまでの一連の紙幣識別動作を行う紙幣識別機において、前記一連の紙幣識別動作の指示情報を送信する外部の動作指示手段と前記一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の指示情報を送信する外部のテスト指示手段とを紙幣識別機本体に通信接続する通信インターフェースと、前記通信インターフェースを介して受信した指示情報をもとに通常動作モードまたはテストモードのいずれかに設定し、前記通常動作モードに設定した場合、前記一連の紙幣識別動作の実行を制御し、前記テストモードに設定した場合、前記テスト動作の実行を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2にかかる紙幣識別機は、上記の発明において、前記通信インターフェースは、前記外部の動作指示手段および前記外部のテスト指示手段に接続する外部通信インターフェースと、前記制御手段に接続する紙幣識別機本体側の通信インターフェースと、前記外部通信インターフェースと前記紙幣識別機本体側の通信インターフェースとを接続する通信ケーブルと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3にかかる紙幣識別機は、上記の発明において、前記テストモードは、前記一連の紙幣識別動作に関する当該紙幣識別機の各部の調整または動作確認を行う調整テストモードと、前記紙幣を識別する紙幣識別処理のテストを行う識別テストモードと、を含み、前記制御手段は、前記テストモードである前記調整テストモードまたは前記識別テストモードを設定し、前記調整テストモードに対応して前記各部の調整または動作確認の実行を制御し、前記識別テストモードに対応して前記紙幣識別処理のテストの実行を制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4にかかる紙幣識別機は、上記の発明において、少なくとも前記外部の動作指示手段は、当該紙幣識別機を内蔵する自動販売機の動作を制御する自販機制御手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる紙幣識別機によれば、一連の紙幣識別動作の指示情報の送受信とテスト動作の指示情報の送受信とに対して1セットの通信インターフェースを共用できるとともに、この1セットの通信インターフェースを介して受信した指示情報をもとに、紙幣識別機本体の動作モードを通常動作モードおよびテストモードのいずれかに択一的に設定することができる。この結果、紙幣識別機本体の制御部と外部の指示手段とを通信接続する通信インターフェースを単純化できるとともに、自販機等の紙幣が投入される各種装置の小型化を促進できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明にかかる紙幣識別機の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、紙幣が投入される各種装置の一例として自動販売機を挙げ、本発明にかかる紙幣識別機を自動販売機に内蔵した場合について説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機を内蔵した自動販売機の一構成例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、この自動販売機1は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣を識別する紙幣識別機本体2と、紙幣識別機本体2によって識別された真の紙幣を収納する紙幣収納部3と、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣の金額等を表示する表示部4とを有する。また、自動販売機1は、販売商品の中から所望の商品を選択するための選択ボタン群5と、販売商品を収納する商品収納部6と、選択ボタン群5によって選択された商品を商品取出口E2に払い出す商品払出部7とを有する。さらに、自動販売機1は、タッチパネル8と、記憶部9と、自動販売機1の各構成部を制御する自販機制御部11と、紙幣識別機本体2の制御部24(後述する)と自販機制御部10とを通信接続する通信インターフェース(以下、通信I/Fと称する)15と、通信I/F15を介して紙幣識別機本体2に所定の電力を供給する電源部14とを有する。
【0017】
紙幣識別機本体2は、自動販売機1に投入された紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別手段として機能する。具体的には、紙幣識別機本体2は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣を搬入しつつ、この紙幣の情報(例えば紙幣の透過光量等の光学情報)を検出し、検出した紙幣の情報をもとに、この紙幣の真偽および金種を識別する。つぎに、紙幣識別機本体2は、この識別後の紙幣を一時保留するエスクロ処理を行い、この紙幣の真偽識別結果および金種識別結果を示す紙幣識別データを通信I/F15を介して自販機制御部10に送信する。その後、紙幣識別機本体2は、この保留状態の紙幣を紙幣収納部3に搬入(収金)し、または、紙幣挿入口E1から排出(返却)する。
【0018】
このような紙幣識別機本体2は、通信I/F15を介して受信した自販機制御部10からの指示情報をもとに、上述したような一連の動作、すなわち紙幣を搬入してから、この紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理を行い、その後、この識別後の紙幣を収金または返却するまでの一連の紙幣識別動作を実行する。かかる一連の紙幣識別動作を実行する紙幣識別機本体2は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣を搬送する搬送部21と、この紙幣の光学情報を検出する光センサ22と、通信I/F15に含まれる紙幣識別機本体2側の通信I/F23と、紙幣識別機本体2の各構成部を制御する制御部24とを有する。
【0019】
紙幣収納部3は、紙幣識別機本体2によって真券であると識別された紙幣を収金するためのものである。具体的には、紙幣収納部3は、紙幣識別機本体2の搬送部21による紙幣の搬入動作に連動して収納庫の扉を開閉し、かかる搬送部21によって搬入された紙幣を収納する。
【0020】
表示部4は、自動販売機1に投入された紙幣の金額を表示する。具体的には、表示部4は、自販機制御部10の制御をもとに、紙幣識別機本体2によって識別された紙幣の金額を表示する。選択ボタン群5は、自動販売機1の販売商品の中から所望の商品を選択する複数の選択ボタンを有する。選択ボタン群5は、かかる複数の選択ボタンのうちのいずれかが選択された(すなわち押し下げられた)場合、この択一的に選択された選択ボタンに対応する商品の指定情報を自販機制御部10に送信する。かかる選択ボタンに対応する商品の指定情報は、自動販売機1によって販売される所望の商品を指定するものになる。
【0021】
商品収納部6は、自動販売機1の販売商品を収納する。商品払出部7は、この商品収納部6に収納された販売商品の中から選択された所望の商品を商品取出口E2に払い出す。この場合、商品払出部7は、自販機制御部10の制御をもとに、上述した選択ボタン群5を用いて選択された所望の商品を商品収納部6から商品取出口E2に搬出する。
【0022】
タッチパネル8は、各種情報を入出力するためのものである。具体的には、タッチパネル8は、自販機制御部10によって表示指示された情報を表示出力する。また、タッチパネル8は、表示出力した情報の中から選択された情報を自販機制御部10に入力する。かかるタッチパネル8によって入出力される各種情報として、例えば、紙幣識別機本体2の制御部24に対して指示する指示情報(各種コマンド等)、紙幣識別機本体2による紙幣識別データ、紙幣識別機本体2のセンサ(例えば光センサ22)の状態を示すセンサ状態データ等が挙げられる。
【0023】
記憶部9は、自販機制御部10によって保存指示された情報を保存する。また、記憶部9は、自販機制御部10によって読み出し指示された情報を自販機制御部10に送信する。かかる記憶部9に保存される各種情報として、例えば、上述した紙幣識別データおよびセンサ状態データ等が挙げられる。
【0024】
自販機制御部10は、所定の演算処理やプログラムを実行するCPUと、予め各種演算パラメータやプログラムが書き込まれたROMと、演算処理過程の数値や演算パラメータ等を一時的に保存するRAMとを用いて実現される。自販機制御部10は、紙幣識別機本体2、紙幣収納部3、表示部4、選択ボタン群5、商品収納部6、商品払出部7、タッチパネル8、記憶部9、および通信I/F15の各駆動をそれぞれ制御し、各構成部間の情報等の入出力を制御する。この場合、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2の搬送部21によって搬送された紙幣を収納するように紙幣収納部3の駆動(例えば収納庫の扉の開閉駆動)を制御し、紙幣識別機本体2によって真券であると識別された紙幣の金額を表示するように表示部4を制御する。また、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2によって識別された真の紙幣の合計金額(保留状態の紙幣を含めた合計金額)の範囲内の販売商品を選択できるように選択ボタン群5を制御する。さらに、自販機制御部10は、かかる選択ボタン群5によって択一的に選択された所望の商品(すなわち選択ボタン群5のいずれかから入力された指定情報に対応する商品)を商品取出口E2に搬出するように商品収納部6および商品払出部7を制御する。
【0025】
また、自販機制御部10は、例えば、紙幣識別機本体2の制御部24に対し、上述した一連の紙幣識別動作を指示するコマンドを送信し、あるいは、上述した一連の紙幣識別動作に関するテスト動作を指示するコマンドを送信する。このような自販機制御部10は、紙幣識別機本体2に対して外部に配置され、かかるコマンド送信によって紙幣機別本体2に一連の紙幣識別動作を指示する外部の動作指示手段としての機能と、かかるコマンド送信によって紙幣機別本体2にテスト動作を指示する外部のテスト指示手段としての機能とを兼ね備える。
【0026】
このような動作指示手段およびテスト指示手段の各機能を兼ね備えた自販機制御部10は、通信処理部10aと、通常コマンド処理部10bと、テストコマンド処理部10cとを有する。通信処理部10aは、通信I/F15に対して所定の通信接続処理を行い、この通信I/F15を介した紙幣識別機本体の制御部24と自販機制御部10との通信回線を開く。通常コマンド処理部10bは、紙幣識別機本体2の制御部24に対して上述した一連の紙幣識別動作を指示するコマンド(通常動作コマンド)を生成し、かかる通常動作コマンドを通信I/F15を介して制御部24に送信する。テストコマンド処理部10cは、紙幣識別機本体2の制御部24に対して上述した一連の紙幣識別動作に関するテスト動作を指示するコマンド(テスト動作コマンド)を生成し、かかるテスト動作コマンドを通信I/F15を介して制御部24に送信する。
【0027】
なお、かかるテストコマンド処理部10cによって送信されるテスト動作コマンドとして、例えば、紙幣識別機本体2の各構成部の調整または動作確認を行う調整テストモードを設定指示する調整モードコマンドと、紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理をテストする識別テストモードを設定指示する識別モードコマンドとが挙げられる。その他に、かかるテスト動作コマンドとして、例えば、紙幣識別機本体2が保有するセンサの状態を示すセンサ状態データの出力を指示する状態出力コマンド、搬送部21の搬送モータの正転駆動を指示する正転駆動コマンド、搬送部21の搬送モータの逆転駆動を指示する逆転駆動コマンド、搬送部21の搬送モータの停止を指示するモータ停止コマンド、光センサ22の調整を指示するセンサ調整コマンド、搬送部21のプッシャーの1サイクル動作を指示するプッシャー動作コマンド、紙幣識別データの出力を指示する紙幣識別コマンド、エスクロ処理によって保留状態になった紙幣の収金を指示する収金コマンド、エスクロ処理によって保留状態になった紙幣の返却を指示する返却コマンド等が挙げられる。
【0028】
通信I/F15は、上述した自販機制御部10と紙幣識別機本体2の制御部24と通信接続する。この場合、自販機制御部10および制御部24は、例えば通信I/F15を介してシリアル通信を行い、上述した各種コマンドまたは紙幣識別データ等の各種情報を送受信する。このような通信I/F15は、自販機制御部10に接続される外部通信インターフェースである通信I/F11と、制御部24に接続される紙幣識別機本体2側の通信インターフェースである通信I/F23と、かかる通信I/F11,23を接続する通信ケーブルL1とを用いて形成される。
【0029】
通信I/F11,23は、所定の通信プロトコルを有し、上述した通信処理部10aによる所定の通信接続処理に基づいて自販機制御部10と制御部24との通信回線を開く。このようにして、通信I/F11,23は、かかる自販機制御部10と制御部24とを通信可能な状態にする。
【0030】
通信ケーブルL1は、通信I/F11に接続された通信ケーブルL2と通信I/F23に接続された通信ケーブルL3とをコネクタ13によってコネクタ接続して形成される。このような通信ケーブルL1は、自販機制御部10と制御部24とのシリアル通信ラインを形成する。また、かかる通信ケーブルL2にはレベル変換器12が配設され、このレベル変換器12とコネクタ13との間には電源部14が接続される。
【0031】
レベル変換器12は、自販機制御部10と制御部24との間で送受信される信号のレベル(電圧値)を変換し、通信I/F15を介した自販機制御部10と制御部24とのシリアル通信を可能にする。電源部14は、通信ケーブルL3を介して紙幣識別機本体2に所定の電力を供給する。
【0032】
つぎに、本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機の構成について説明する。この実施の形態にかかる紙幣識別機は、上述した紙幣識別機本体2と通信I/F15とを用いて構成される。かかる紙幣識別機本体2は、上述したように、搬送部21、光センサ22、通信I/F23、および制御部24を有する。
【0033】
搬送部21は、自動販売機1に投入された紙幣を紙幣収納部3に搬入(収金)し、または、投入された紙幣を外部に排出(返却)する。具体的には、搬送部21は、例えば、所定の搬送路に沿って紙幣を搬送する搬送ベルト、この搬送ベルトを正方向(紙幣を内部に搬入する方向)または逆方向(紙幣を外部に排出する方向)に循環移動させる搬送ローラ、かかる搬送ローラを駆動する搬送モータ、および紙幣を紙幣収納部3に押し入れるプッシャー等を用いて実現される。このような搬送部21は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣を搬送路に沿って搬入方向(図1を参照)に搬送し、または、かかる紙幣を搬送路に沿って排出方向(図1を参照)に搬送する。また、搬送部21は、真偽および金種が識別された紙幣を一時保留するための保留領域を有し、かかる識別後の紙幣を保留領域に保留するエスクロ機能を有する。搬送部21は、かかる保留領域に保留した紙幣をプッシャーによって紙幣収納部3に搬入し、または、かかる紙幣を紙幣挿入口E2から外部に排出する。
【0034】
光センサ22は、紙幣挿入口E1から挿入された紙幣から紙幣識別処理に必要な情報を検出し、検出した紙幣の情報を制御部24に送信する。具体的には、光センサ22は、所定の光を発光する発光部22aと、この発光部22aによって発光された光を受光する受光部22bとを有する。発光部22aは、LED等の発光素子を用いて実現され、搬送部21によって搬送路内を移動中の紙幣に対して所定の光を照射する。受光部22bは、フォトダイオード等の受光素子を用いて実現され、かかる紙幣を透過した光(発光部22aからの光)を受光するとともに、この光を光電変換し、この紙幣の透過光量を示す光量信号を制御部24に送信する。このような構成を有する光センサ22は、かかる紙幣の透過光量を検出し、検出した透過光量を紙幣の情報として制御部24に送信する。
【0035】
制御部24は、所定の演算処理やプログラムを実行するCPUと、予め各種演算パラメータやプログラムが書き込まれたROMと、演算処理過程の数値や演算パラメータ等を一時的に保存するRAMとを用いて実現される。制御部24は、通信I/F15を介して受信した自販機制御部10からの指示情報(例えば各種コマンド)に基づいて、紙幣識別機本体2の各構成部(搬送部21、光センサ22、通信I/F23)を制御する。また、制御部24は、通信I/F15を介して受信した自販機制御部10からの指示情報をもとに、紙幣識別機本体2の動作モードを通常動作モードまたはテストモードのいずれかに設定する。
【0036】
なお、この通常動作モードとは、上述した一連の紙幣識別動作を行う動作モードであり、このテストモードとは、上述した一連の紙幣識別動作に関連するテスト動作を行う動作モードである。また、かかるテストモードには、上述した調整テストモードおよび識別テストモードが含まれる。
【0037】
制御部24は、紙幣識別機本体2の動作モードを通常動作モードに設定した場合、上述した一連の紙幣識別動作の実行を制御する。この場合、制御部24は、上述した一連の紙幣識別動作を実行するように紙幣識別機本体2の各構成部を制御する。一方、制御部24は、紙幣識別機本体2の動作モードをテストモード(すなわち調整テストモードまたは識別テストモード)に設定した場合、上述した一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の実行を制御する。この場合、制御部24は、かかるテスト動作を実行するように紙幣識別機本体2の各構成部を制御する。
【0038】
このような制御部24は、モード設定部24a、センサ状態検出部24b、光センサ調整部24c、および紙幣識別部24dを有する。モード設定部24aは、自販機制御部10からの指示情報をもとに、紙幣識別機本体2の動作モードを上述した通常動作モード、調整テストモード、または識別テストモードのいずれかに設定する。
【0039】
センサ状態検出部24bは、かかるモード設定部24aによって調整テストモードに設定された場合、自販機制御部10からの指示情報に基づいて、紙幣識別部本体2の各センサ(例えば光センサ22)のセンサレベルを検出し、検出したセンサレベルとそのセンサの位置とを示すセンサ状態を自販機制御部10通知する。この場合、かかるセンサ状態の検出結果は、上述したセンサ状態データとして自販機制御部10に送信される。
【0040】
光センサ調整部24cは、かかるモード設定部24aによって調整テストモードに設定された場合、自販機制御部10からの指示情報に基づいて、例えば光センサ22のセンサレベルを調整する光センサ調整処理を行う。この場合、光センサ調整部24cは、例えば、発光部22aからの光が受光部22bに直接受光された場合の受光レベルと、発光部22aからの光が所定のテスト券を透過した後に受光部22bに受光された場合の受光レベルとを検出し、かかる受光レベルをもとに発光部22aの照射光量を調整する。かかる光調整部24cによる光センサ調整処理によって、光センサ22のセンサレベルは、上述した紙幣識別処理に最適なものに調整される。
【0041】
紙幣識別部24dは、かかるモード設定部24aによって識別テストモードまたは通常動作モードに設定された場合、自販機制御部10からの指示情報に基づいて、紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理を行う。この場合、紙幣識別部24dは、例えば光センサ22によって検出された紙幣の透過光量をもとに、この紙幣の真偽および金種を識別する。紙幣識別部24dは、かかる紙幣識別処理の結果を自販機制御部10に通知する。なお、かかる紙幣識別処理の結果は、上述した紙幣識別データとして自販機制御部10に送信される。
【0042】
つぎに、紙幣識別機本体2の制御部24に対して各種動作を指示する自販機制御部10の動作について説明する。図2は、紙幣識別機本体2の制御部24に対して各種動作を指示する自販機制御部10の処理手順を例示するフローチャートである。自販機制御部10は、通信I/F15を介して制御部24に指示情報(例えばコマンド)を送信し、かかる指示情報によって指示する動作を制御部24に実行させる。
【0043】
すなわち、図2に示すように、自販機制御部10は、まず、タッチパネル8によって入力された指示情報に基づいて、通信I/F15を介した紙幣識別機本体2(具体的には制御部24)に対する通信回線を開く(ステップS101)。この場合、通信処理部10aは、通信I/F11,23に対して所定の通信接続処理を行い、かかる通信I/F11,23と通信ケーブルL1とを介した制御部24と自販機制御部10との通信回線を開く。この結果、自販機制御部10および制御部24は、通信I/F15を介して通信接続される。
【0044】
このように制御部24と自販機制御部10とが通信接続された場合、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2の電源をオン状態にする(ステップS102)。この場合、電源部14は、かかる自販機制御部10によって開設された通信ライン(具体的には通信ケーブルL3等)を介して制御部24に所定の電力を供給する。
【0045】
つぎに、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2の現在の動作モードを確認する(ステップS103)。この場合、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2の現在の動作モードを通知するように制御部24に指示し、かかる制御部24によって通知された動作モード(すなわち通常動作モード、調整テストモード、または識別テストモード)を紙幣識別機本体2の現在の動作モードとして確認する。自販機制御部10は、このように確認した紙幣識別機本体2の動作モードを示す情報をタッチパネル8に表示させる。
【0046】
その後、自販機制御部10は、制御部24に対する指示情報(コマンド)が入力されたか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、自販機制御部10は、制御部24に対して指示する指示内容(例えば紙幣識別機本体2の制御部24に対して指示する動作内容等)の一覧を示すメニューをタッチパネル8に表示させる。かかるメニューの中から所望の指示内容が択一的に選択された場合、この選択された指示内容に対応するコマンドがタッチパネル8によって自販機制御部10に入力される。この場合、自販機制御部10は、コマンド入力ありと判断し(ステップS104,Yes)、かかるタッチパネル8によって入力されたコマンドを紙幣識別機本体2に対して送信する(ステップS105)。かかる自販機制御部10によって送信されたコマンドは、通信I/F15を介して制御部24に受信される。
【0047】
つぎに、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2からのデータ(例えばセンサ状態データ、紙幣識別データ等)が入力されたか否かを判断する(ステップS106)。具体的には、自販機制御部10は、通信I/F15を介して制御部24からデータが入力された場合、紙幣識別機本体2からのデータ入力ありと判断し(ステップS106,Yes)、この入力されたデータをタッチパネル8に表示させ(ステップS107)、且つ、この入力されたデータを記憶部9に保存する(ステップS108)。その後、自販機制御部10は、上述したステップS104の戻り、ステップS104以降の処理手順を繰り返す。
【0048】
一方、自販機制御部10は、上述したステップS104において、タッチパネル8によってコマンドが入力されなければ、コマンド入力無しと判断し(ステップS104,No)、上述したステップS106に進む。その後、自販機制御部10は、このステップS106以降の処理手順を繰り返す。また、自販機制御部10は、上述したステップS106において制御部24からのデータが入力されなければ、紙幣識別機本体2からのデータ入力無しと判断し(ステップS106,No)、上述したステップS104に戻る。その後、自販機制御部10は、このステップS104以降の処理手順を繰り返す。
【0049】
つぎに、紙幣識別機本体2の制御部24の動作について説明する。図3は、自販機制御部10からのコマンドに基づいて動作する紙幣識別機本体2の制御部24の処理手順を例示するフローチャートである。図3に示すように、制御部24は、電源部14によって所定の電力が供給されることによって起動するとともに、紙幣識別機本体2の動作モードをデフォルト動作モードに設定する(ステップS201)。この場合、制御部24は、かかるデフォルト動作モードとして、上述した通常動作モード、調整テストモード、および識別テストモードのうちのいずれかに設定する。
【0050】
その後、制御部24は、自販機制御部10からの指示情報(コマンド)が入力されたか否かを判断する(ステップS202)。具体的には、制御部24は、上述したステップS101において、通信I/F15を介して自販機制御部10に通信接続される。制御部24は、かかる自販機制御部10からのコマンドを受信しなければ、コマンド入力無しと判断し(ステップS202,No)、かかる自販機制御部10からのコマンドを受信するまでステップS202を繰り返す。
【0051】
一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からのコマンドを受信した場合、コマンド入力ありと判断し(ステップS202,Yes)、かかる自販機制御部10からのコマンドによって指定された動作モードを設定する(ステップS203)。
【0052】
具体的には、モード設定部24aは、通信I/F15を介して受信した自販機制御部10からのコマンドが調整モードコマンドである場合、この調整モードコマンドをもとに紙幣識別機本体2の動作モードを調整テストモードに択一的に設定し、かかるコマンドが識別モードコマンドである場合、この識別モードコマンドをもとに紙幣識別機本体2の動作モードを識別テストモードに択一的に設定する。また、モード設定部24aは、かかるコマンドが通常動作コマンドである場合、この通常動作コマンドをもとに紙幣識別機本体2の動作モードを通常動作モードに択一的に設定する。
【0053】
その後、制御部24は、かかるモード設定部24aによって設定された動作モードを判断し(ステップS204)、設定された動作モードに対応して一連の紙幣識別動作の実行または一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の実行を制御する。
【0054】
具体的には、制御部24は、設定した動作モードが調整テストモードである場合(ステップS204,調整テストモード)、一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の実行を制御し、紙幣識別機本体2の各構成部の調整または動作確認を行う調整テスト処理を実行する(ステップS205)。また、制御部24は、設定した動作モードが識別テストモードである場合(ステップS204,識別テストモード)、一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の実行を制御し、紙幣識別処理のテストを行う識別テスト処理を実行する(ステップS206)。一方、制御部24は、設定した動作モードが通常動作モードである場合(ステップS204,通常動作モード)、一連の紙幣識別動作の実行を制御する(ステップS207)。その後、制御部24は、上述したステップS202に戻り、ステップS202以降の処理手順を繰り返す。
【0055】
つぎに、上述したステップS205の調整テスト処理について説明する。図4は、調整テスト処理の処理手順を例示するフローチャートである。制御部24は、紙幣識別機本体2の動作モードを調整テストモードに設定した場合、自販機制御部10からのコマンドに基づいて調整テスト処理を実行する。
【0056】
すなわち、図4に示すように、制御部24は、まず、紙幣識別機本体2の各センサの位置およびセンサレベルを示すセンサ状態データの出力指示の有無を判断する(ステップS301)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが状態出力コマンドであれば、かかるセンサ状態データの出力指示有りと判断し(ステップS301,Yes)、紙幣識別機本体2の各光センサの状態を検出する(ステップS302)。具体的には、センサ状態検出部24bは、紙幣識別機本体2の各光センサ(例えば光センサ22)のセンサレベルを検出し、かかるセンサレベルの検出結果とそのセンサ位置とを対応付けたセンサ状態データを生成する。
【0057】
制御部24は、かかるセンサ状態検出部24bによって生成されたセンサ状態データを自販機制御部10に対して出力する(ステップS303)。かかる制御部24によって出力されたセンサ状態データは、通信I/F15を介して自販機制御部10に送信される。このようにして、センサ状態検出部24bは、紙幣識別機本体2の各センサの現状を自販機制御部10に通知する。
【0058】
つぎに、制御部24は、搬送部21が保有する搬送モータの正転指示の有無を判断する(ステップS304)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが正転駆動コマンドであれば、かかる搬送モータの正転指示有りと判断し(ステップS304,Yes)、紙幣挿入口E1から挿入された所定のテスト券を搬入するテスト券搬入処理を実行する(ステップS305)。
【0059】
その後、制御部24は、かかる搬送モータの逆転指示の有無を判断する(ステップS306)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが逆転駆動コマンドであれば、かかる搬送モータの逆転指示有りと判断し(ステップS306,Yes)、搬送部21の搬送路内に搬入したテスト券を外部に排出するテスト券排出処理を実行する(ステップS307)。
【0060】
つぎに、制御部24は、紙幣の透過光量を検出する光センサ22の調整指示の有無を判断する(ステップS308)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドがセンサ調整コマンドであれば、かかる光センサ22の調整指示有りと判断し(ステップS308,Yes)、かかる光センサ22のセンサレベルを調整する光センサ調整処理を実行する(ステップS309)。
【0061】
その後、制御部24は、搬送部21が保有するプッシャーの動作指示の有無を判断する(ステップS310)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドがプッシャー動作コマンドであれば、かかるプッシャーの動作指示有りと判断し(ステップS310,Yes)、かかるプッシャーの1サイクル動作を確認するプッシャー動作確認処理を実行する(ステップS311)。
【0062】
つぎに、制御部24は、かかる調整テスト処理を完了するか否かを判断する(ステップS312)。この場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが調整テスト処理の終了を指示するものであれば、かかる調整テスト処理完了と判断し(ステップS312,Yes)、かかる調整テスト処理を完了する。なお、制御部24は、紙幣識別機本体2の各構成部の調整または動作確認を一通り行った場合に調整テスト処理完了と判断してもよい。
【0063】
一方、制御部24は、このステップS312において受信した自販機制御部10からのコマンドが調整テスト処理の終了を指示するものでない場合、かかる調整テスト処理を完了しないと判断し(ステップS312,No)、上述したステップS301に戻り、ステップS301以降の処理手順を繰り返す。
【0064】
なお、制御部24は、上述したステップS301において自販機制御部10から状態出力コマンドを受信しなければ、センサ状態データの出力指示無しと判断し(ステップS301,No)、上述したステップS304に進み、ステップS304以降の処理手順を繰り返す。また、制御部24は、上述したステップS304において自販機制御部10から正転駆動コマンドを受信しなければ、搬送部21の搬送モータの正転指示無しと判断し(ステップS304,No)、上述したステップS306に進み、ステップS306以降の処理手順を繰り返す。そして、制御部24は、上述したステップS306において自販機制御部10から逆転駆動コマンドを受信しなければ、かかる搬送モータの逆転指示無しと判断し(ステップS306,No)、上述したステップS308に進み、ステップS308以降の処理手順を繰り返す。
【0065】
また、制御部24は、上述したステップS308において自販機制御部10からセンサ調整コマンドを受信しなければ、光センサ22の調整指示無しと判断し(ステップS308,No)、上述したステップS310に進み、ステップS310以降の処理手順を繰り返す。そして、制御部24は、上述したステップS310において自販機制御部10からプッシャー動作コマンドを受信しなければ、搬送部21のプッシャーの動作指示無しと判断し(ステップS310,No)、上述したステップS301に戻り、ステップS301以降の処理手順を繰り返す。
【0066】
つぎに、上述したステップS305のテスト券搬入処理について説明する。図5は、テスト券搬入処理の処理手順を例示するフローチャートである。制御部24は、紙幣挿入口E1に所定のテスト券が挿入された場合、通信I/F15を介して受信した正転駆動コマンドに基づいて、かかるテスト券を紙幣の場合と同様に搬入するように搬送部21を制御する。
【0067】
すなわち、図5に示すように、制御部24は、正転駆動コマンドに基づいて搬送部21の搬送モータを正転駆動させる(ステップS401)。この場合、搬送部21は、かかる制御部24の制御に基づいて搬送モータを正転駆動し、かかるテスト券を搬送路内に搬入する。かかるテスト券は、搬送部21の搬送路に沿って移動し、例えば光センサ22に到達する。
【0068】
つぎに、制御部24は、かかる搬送部21の搬送モータの停止指示の有無を判断する(ステップS402)。この場合、制御部24は、自販機制御部10からモータ停止コマンドを受信しなければ、かかる搬送部モータの停止指示なしと判断し(ステップS402,No)、このステップS402を繰り返す。すなわち、制御部24は、かかるモータ停止コマンドを受信するまで、搬送部21の搬送モータを正転駆動させる。この場合、搬送部21は、このテスト券の搬入動作を継続する。
【0069】
一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドがモータ停止コマンドであれば、かかる搬送モータの停止指示ありと判断し(ステップS402,Yes)、かかる搬送モータを停止するように搬送部21を制御し(ステップS403)、かかるテスト券搬入処理を完了する。かかるテスト券搬入処理によって、搬送部21は、搬送路内の所望の位置にテスト券を搬入することができる。
【0070】
つぎに、上述したステップS307のテスト券排出処理について説明する。図6は、テスト券排出処理の処理手順を例示するフローチャートである。制御部24は、搬送部21によって搬送路内にテスト券が搬入された後、通信I/F15を介して受信した逆転駆動コマンドに基づいて、かかるテスト券を紙幣の場合と同様に外部に排出するように搬送部21を制御する。
【0071】
すなわち、図6に示すように、制御部24は、逆転駆動コマンドに基づいて搬送部21の搬送モータを逆転駆動させる(ステップS501)。この場合、搬送部21は、かかる制御部24の制御に基づいて搬送モータを逆転駆動し、かかるテスト券を紙幣挿入口E1に向けて搬送する。
【0072】
つぎに、制御部24は、かかる搬送部21の搬送モータの停止指示の有無を判断する(ステップS502)。この場合、制御部24は、自販機制御部10からモータ停止コマンドを受信しなければ、かかる搬送部モータの停止指示なしと判断し(ステップS502,No)、このステップS502を繰り返す。すなわち、制御部24は、かかるモータ停止コマンドを受信するまで、搬送部21の搬送モータを逆転駆動させる。この場合、搬送部21は、このテスト券を紙幣挿入口E1に向けて搬送する排出動作を継続する。
【0073】
一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドがモータ停止コマンドであれば、かかる搬送モータの停止指示ありと判断し(ステップS502,Yes)、かかる搬送モータを停止するように搬送部21を制御し(ステップS503)、かかるテスト券排出処理を完了する。かかるテスト券排出処理によって、搬送部21は、搬送路内のテスト券を紙幣挿入口E1から外部に排出することができる。
【0074】
つぎに、上述したステップS309の光センサ調整処理について説明する。図7は、光センサ調整処理の処理手順を例示するフローチャートである。制御部24は、搬送部21によって搬送路内に搬入されたテスト券を用いて光センサ調整処理を行う。
【0075】
具体的には、図7に示すように、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10から受信したセンサ調整コマンドに基づいて光センサ22を制御し、この光センサ22のセンサレベルを調整する(ステップS601)。この場合、光センサ調整部24cは、発光部22aからの光を直接受光した場合の受光部22bの受光レベルと、このテスト券の透過光を受光した場合の受光部22bの受光レベルとを検出する。光センサ調整部24cは、かかる受光レベルをもとに発光部22aの照射光量を調整する。このようにして、光センサ調整部24cは、かかる光センサ22のセンサレベルを紙幣識別処理に最適なものに調整する。
【0076】
その後、制御部24は、かかる光センサ調整部24cによって調整された光センサ22の調整結果を取得し(ステップS602)、取得した調整結果をもとに、光センサ22を正常に調整完了したか否かを判断する(ステップS603)。具体的には、光センサ調整部24cは、かかる光センサ22の調整結果として発光部22aの照射光量および受光部22bの受光レベルを光センサ22から取得し、かかる発光部22aの照射光量および受光部22bの受光レベルが所定の許容範囲内であれば、かかる光センサ22の調整が正常に完了したと判断する。
【0077】
制御部24は、かかる光センサ22を正常に調整完了したと判断した場合(ステップS603,Yes)、搬送部21の搬送モータを逆転駆動させる(ステップS604)。この場合、搬送部21は、かかる制御部24の制御に基づいて搬送モータを逆転駆動し、このテスト券を紙幣挿入口E1に向けて搬送する。
【0078】
つぎに、制御部24は、かかるテスト券を排出完了したか否かを判断する(ステップS605)。具体的には、紙幣識別機本体2は、紙幣挿入口E1の近傍に、紙幣挿入口E1に挿入された紙幣またはテスト券を検知する光センサ(図示せず)を有する。制御部24は、かかる光センサの検知結果をもとに、紙幣またはテスト券が紙幣挿入口E1に挿入された旨、または、搬送路内の紙幣またはテスト券が紙幣挿入口E1から搬出された旨を認識する。すなわち、制御部24は、搬送部21によって搬送中のテスト券が紙幣挿入口E1に到達していなければ、テスト券を排出していないと判断し(ステップS605,No)、このテスト券が紙幣挿入口E1から排出されるまでステップS605を繰り返す。
【0079】
一方、制御部24は、このテスト券が紙幣挿入口E1に到達した場合、かかる光センサの検知結果をもとに、このテスト券を排出完了と判断し(ステップS605,Yes)、搬送部21の搬送モータを停止させ(ステップS606)、かかる光センサ調整処理を完了する。この場合、テスト券は、紙幣挿入口E1から外部に排出される。
【0080】
なお、制御部24は、上述したステップS603において光センサ22を正常に調整していないと判断した場合(ステップS603,No)、このテスト券を外部に排出せずに光センサ調整処理を完了する。ユーザは、このようにテスト券が紙幣挿入口E1から排出されなかった旨を確認することによって、かかる光センサ22を正常に調整できなかった旨を確認できる。
【0081】
つぎに、上述したステップS310のプッシャー動作確認処理について説明する。図8は、プッシャー動作確認処理の処理手順を例示するフローチャートである。搬送部21は、エスクロ処理を行って保留領域に一時保留した紙幣を紙幣収納部3に搬入する場合、紙幣収納部3に対してプッシャーを往復させる1サイクル動作を行い、この保留状態の紙幣を紙幣収納部3に押し込む。制御部24は、このような搬送部21のプッシャー動作が正常に行われるか否かを確認する。
【0082】
具体的には、図8に示すように、制御部24は、通信I/F14を介して自販機制御部10から受信したプッシャー動作コマンドに基づいて搬送部21を制御し、この搬送部21のプッシャーモータを回転させる(ステップS701)。この場合、搬送部21は、プッシャーモータを回転してプッシャーの1サイクル動作を行う。
【0083】
ここで、かかる搬送部21のプッシャーの往復経路、例えば、このプッシャーの所定の待機位置(原点位置)近傍および紙幣収納部3近傍には、このプッシャーの有無を検知するセンサ(図示せず)がそれぞれ配置されている。自販機制御部10は、かかる紙幣収納部3近傍のセンサ(以下、収納部前センサと称する)の検知結果をもとに、このプッシャーが紙幣収納部3の扉前に位置する旨を認識し、かかるプッシャーの1サイクル動作に連動して紙幣収納部3の扉を開閉駆動させる。一方、制御部24は、かかる待機位置近傍のセンサ(以下、待機位置センサと称する)の検知結果をもとに、1サイクル動作後のプッシャーが所定の待機位置に復帰している旨を認識する。
【0084】
すなわち、制御部24は、ステップS701においてプッシャーモータを回転させている間、かかる待機位置センサの検知結果をもとに、このプッシャーの位置を常時監視する。これと同時に、制御部24は、このプッシャーモータの回転を完了するか否かを判断する(ステップS702)。具体的には、制御部24は、かかる待機位置センサの検知結果をもとにプッシャーが待機位置に復帰していないと判断した場合、このプッシャーモータの回転を完了しないと判断し(ステップS702,No)、このステップS702を繰り返す。この場合、搬送部21は、プッシャーモータの回転を継続してプッシャーを動作させる。
【0085】
一方、制御部24は、かかる待機位置センサの検知結果をもとにプッシャーが待機位置に復帰したと判断した場合、このプッシャーモータの回転を完了すると判断し(ステップS702,Yes)、このプッシャーモータを停止するように搬送部21を制御する(ステップS703)。この場合、搬送部21は、プッシャーモータを停止してプッシャーの1サイクル動作を完了する。
【0086】
その後、制御部24は、例えば、かかるプッシャーの1サイクル動作を完了した後にこのプッシャーが所定の待機位置に復帰した旨を認識すれば、かかるプッシャーの1サイクル動作が正常に行われた旨を確認する。制御部24は、かかるプッシャーの1サイクル動作の確認結果を示す動作確認データを自販機制御部10に対して出力し(ステップS704)、かかるプッシャー動作確認処理を完了する。なお、かかる動作確認データは、通信I/F15を介して自販機制御部10に送信される。
【0087】
つぎに、上述したステップS206の識別テスト処理について説明する。図9は、識別テスト処理の処理手順を例示するフローチャートである。制御部24は、紙幣識別機本体2の動作モードを識別テストモードに設定した場合、自販機制御部10からのコマンドに基づいて識別テスト処理を実行する。
【0088】
すなわち、図9に示すように、制御部24は、まず、紙幣の真偽および金種の識別結果を示す紙幣識別データの出力指示の有無を判断する(ステップS801)。この場合、制御部24は、自販機制御部10から紙幣識別コマンドを受信していなければ、紙幣識別データの出力指示無しと判断し(ステップS801,No)、紙幣識別コマンドを受信するまでステップS801を繰り返す。
【0089】
一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが紙幣識別コマンドであれば、紙幣識別データの出力指示有りと判断し(ステップS801,Yes)、紙幣挿入口E1に紙幣が挿入されたか否かを判断する(ステップS802)。
【0090】
ここで、紙幣識別機本体2は、紙幣挿入口E1に挿入された紙幣を検知する挿入検知センサ(図示せず)を紙幣挿入口E1の近傍に有する。かかる挿入検知センサは、例えば紙幣挿入口E1に挿入された紙幣を光学的に検知し、この紙幣が挿入された旨を示す挿入検知データを制御部24に送信する。制御部24は、かかる挿入検知センサから挿入検知データをもとに、紙幣挿入口E1に紙幣が挿入されたと判断し(ステップS802,Yes)、この挿入された紙幣を搬入するように搬送部21を制御する(ステップS803)。この場合、搬送部21は、搬送路に沿って搬入方向(図1を参照)に、この紙幣を搬送する。
【0091】
なお、制御部24は、かかる挿入検知データを受信していなければ、紙幣挿入口E1に紙幣が挿入されていないと判断し(ステップS802,No)、かかる挿入検知データを受信するまでステップS802を繰り返す。すなわち、制御部24は、紙幣挿入口E1に紙幣が挿入されるまで待機する。
【0092】
つぎに、制御部24は、かかる搬送部21によって搬送される紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理を行う(ステップS804)。具体的には、かかる搬送部21によって搬送される紙幣は、上述した光センサ22に到達する。光センサ22は、かかる紙幣の光学情報(例えば紙幣の透過光量)を検出し、検出した紙幣の光学情報を制御部24に送信する。紙幣識別部24dは、かかる光センサ22によって検出された紙幣の光学情報をもとに、この紙幣の真偽および金種を識別する。この場合、紙幣識別部24dは、例えば、この識別対象の紙幣を真券であると識別するとともに、その金種を一万円札、五千円札、二千円札、および千円札のいずれかであると識別し、あるいは、この識別対象の紙幣を偽の紙幣であると識別する。紙幣識別部24dは、このような紙幣の識別結果を示す紙幣識別データを生成する。制御部24は、かかる紙幣識別データを識別後の紙幣毎に区別して保持管理する。
【0093】
続いて、制御部24は、かかる識別後の紙幣が真券であったか否かを判断する(ステップS805)。この場合、制御部24は、紙幣識別部24dによって紙幣が真券であると識別されれば、この識別後の紙幣(すなわち紙幣識別処理が行われた紙幣)が真券であると判断し(ステップS805,Yes)、この真券であると判断した紙幣を保留状態にするエスクロ処理を実行する(ステップS806)。具体的には、制御部24は、搬送部21の所定の保留領域に識別後の紙幣(真券であると識別された紙幣)を一時保留するように搬送部21を制御する。
【0094】
その後、制御部24は、この保留状態の紙幣の識別結果を示す紙幣識別データを自販機制御部10に対して出力する(ステップS807)。この場合、制御部24は、上述したステップS801において受信した紙幣識別コマンドに基づいて、かかる紙幣識別データを出力したことになる。かかる制御部24によって出力された紙幣識別データは、通信I/F15を介して自販機制御部10に受信される。
【0095】
このように紙幣識別データを自販機制御部10に送信した後、制御部24は、かかる保留状態の紙幣の収金指示の有無を判断する(ステップS808)。この場合、制御部24は、自販機制御部10から収金コマンドを受信していなければ、かかる保留状態の紙幣の収金指示無しと判断し(ステップS808,No)、かかる保留状態の紙幣の返却指示の有無を判断する(ステップS809)。この場合、制御部24は、自販機制御部10から返却コマンドを受信していなければ、かかる保留状態の紙幣の返却指示なしと判断し(ステップS809,No)、ステップS808に戻る。すなわち、制御部24は、自販機制御部10から収金コマンドまたは返却コマンドを受信するまで、ステップS808,809の処理手順を繰り返す。
【0096】
一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが収金コマンドであれば、かかる保留状態の紙幣の収金指示有りと判断し(ステップS808,Yes)、かかる保留状態の紙幣を収金する(ステップS810)。この場合、制御部24は、かかる保留状態の紙幣を紙幣収納部3に収納するように搬送部21を制御する。搬送部21は、かかる制御部24の制御に基づいてプッシャーを1サイクル動作し、保留状態の紙幣を紙幣収納部3に押し入れる。このようにして、かかる保留状態の紙幣は収金される。
【0097】
また、上述したステップS809において、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが返却コマンドであれば、かかる保留状態の紙幣の返却指示有りと判断し(ステップS809,Yes)、かかる保留状態の紙幣を返却する(ステップS811)。この場合、制御部24は、かかる保留状態の紙幣を紙幣挿入口E1から外部に排出(すなわち返却)するように搬送部21を制御する。搬送部21は、かかる制御部24の制御に基づいて、保留状態の紙幣を排出方向(図1を参照)に搬送し、この紙幣を紙幣挿入口E1から外部に排出する。このようにして、かかる保留状態の紙幣は返却される。
【0098】
一方、上述したステップS805において、制御部24は、紙幣識別部24dによって紙幣が偽造券であると識別されれば、この識別後の紙幣が真券ではない(すなわち偽造券である)と判断し(ステップS805,No)、この識別後の紙幣が偽造券である旨の紙幣識別データを自販機制御部10に対して出力する(ステップS812)。この場合、制御部24は、上述したステップS801において受信した紙幣識別コマンドに基づいて、かかる紙幣識別データを出力したことになる。かかる制御部24によって出力された紙幣識別データは、通信I/F15を介して自販機制御部10に受信される。
【0099】
その後、制御部24は、かかる識別後の紙幣(すなわち偽造券であると識別された紙幣)を返却する(ステップS813)。この場合、制御部24は、上述した返却コマンドを受信していなくても、かかる偽造券であると識別された紙幣を紙幣挿入口E1から外部に排出するように搬送部21を制御する。搬送部21は、上述したステップS811の場合と略同様に、この紙幣を紙幣挿入口E1から外部に排出する。このようにして、偽造券であると識別された紙幣は、紙幣挿入口E1から強制的に返却される。
【0100】
以上のように、識別後の紙幣が収金または返却された場合、制御部24は、かかる識別テスト処理を完了するか否かを判断する(ステップS814)。具体的には、制御部24は、自販機制御部10から識別テスト処理の完了を指示するコマンドを受信していなければ、かかる識別テスト処理を完了しないと判断し(ステップS814,No)、上述したステップS801に戻り、ステップ801以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10からコマンドを受信し、かかる自販機制御部10からのコマンドが識別テスト処理の完了を指示するものであれば、かかる識別テスト処理完了と判断し(ステップS814,Yes)、かかる識別テスト処理を完了する。
【0101】
つぎに、自販機制御部10からのコマンドをもとに紙幣識別機本体2の動作モードを設定し、設定した動作モードに対応して紙幣識別機本体2の各構成部を制御する制御部24の動作について具体的に説明する。図10は、紙幣識別機本体2の制御部24の動作を説明するための模式図である。
【0102】
図10に示すように、紙幣識別機本体2の制御部24と自販機制御部10とは、通信I/F15を介して通信接続される。かかる制御部24および自販機制御部10は、通信I/F15を介してコマンド等の各種情報を送受信する。制御部24は、かかる自販機制御部10からのコマンドをもとに、紙幣識別機本体2の動作モードを設定し、設定した動作モードに対応して紙幣識別機本体2の各構成部を制御する。
【0103】
具体的には、まず、自販機制御部10は、紙幣識別機本体2の現在の動作モードを制御部24に問い合わせ、この現在の動作モードを確認する。自販機制御部10は、この現在の動作モードの確認結果をタッチパネル8に表示させる。この場合、タッチパネル8には、かかる紙幣識別機本体2の現在の動作モード(例えば上述したデフォルト動作モード)と紙幣識別機本体2に対する指示内容の一覧を示すメニューMとが表示される。
【0104】
自販機制御部10は、かかるメニューMの中からユーザによって選択された指示内容に対応するコマンドをタッチパネル8から入力する。例えば、自販機制御部10は、タッチパネル8によって調整モードコマンドが入力された場合、通信I/F15を介して調整モードコマンドを制御部24に送信し、識別モードコマンドが入力された場合、通信I/F15を介して識別モードコマンドを制御部24に送信し、通常動作コマンドが入力された場合、通信I/F15を介して通常動作コマンドを制御部24に送信する。制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10から調整モードコマンド、識別モードコマンド、または通常動作コマンドを受信し、受信したコマンドをもとに、紙幣識別機本体2の動作モードを調整テストモード、識別テストモード、または通常動作モードのいずれかに択一的に設定する。
【0105】
紙幣識別機本体2の動作モードを調整モードに設定した場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10から受信したコマンドをもとに、上述した調整テスト処理の実行を制御する。具体的には、制御部24は、上述した正転駆動コマンド、逆転駆動コマンド、およびモータ停止コマンド等をもとに、搬送部21の搬送動作を制御する。この場合、制御部24は、紙幣挿入口E1に挿入されたテスト券TBまたは紙幣Bを用いて搬送部21の搬送動作(紙幣またはテスト券の搬入、停止、排出等)を確認する。
【0106】
また、制御部24は、上述したセンサ調整コマンドをもとに、光センサ22の調整動作を制御する。この場合、制御部24は、上述したように、光センサ22にセンサレベルを自動調整させ、この光センサ22の調整結果を取得する。また、制御部24は、上述したプッシャー動作コマンドをもとに、搬送部21のプッシャー動作を制御する。この場合、制御部24は、かかる搬送部21のプッシャーの1サイクル動作を確認する。
【0107】
さらに、制御部24は、上述した状態出力コマンドをもとに、センサ状態コマンドを出力する。この場合、制御部24は、通信I/F15を介してセンサ状態コマンドを自販機制御部10に送信する。自販機制御部10は、通信I/F15を介して制御部24からセンサ状態データを受信し、受信したセンサ状態データによって示されるセンサ状態(センサ位置およびセンサレベル)をタッチパネル8に表示させる。なお、自販機制御部10は、かかるセンサ状態データと同様に、搬送部21の動作確認結果(プッシャーの動作確認結果を含む)を制御部24から取得し、かかる動作確認結果をタッチパネル8に表示させる。
【0108】
一方、紙幣識別機本体2の動作モードを識別モードに設定した場合、制御部24は、通信I/F15を介して自販機制御部10から受信したコマンドをもとに、上述した識別テスト処理の実行を制御する。具体的には、制御部24は、上述した紙幣識別コマンド等をもとに、紙幣識別処理のテストを行う。この場合、制御部24は、紙幣挿入口E1に挿入された紙幣Bを用い、上述した一連の紙幣識別動作のテストを制御し、搬送部21の搬送動作(紙幣Bの搬入、停止、排出、収金等)、紙幣Bの光学情報を検出する光センサ22の検出処理、紙幣識別部24dの紙幣識別処理等を試験的に実行する。
【0109】
また、紙幣識別部24dは、紙幣挿入口E1に順次挿入される各紙幣Bの光学情報をもとに、紙幣識別処理を繰り返し実行し、かかる各紙幣Bの真偽および金種を試験的に順次識別する。この場合、紙幣識別部24dは、かかる各紙幣Bの識別結果を示す紙幣識別データを順次生成する。制御部24は、かかる紙幣識別部24dによって生成された各紙幣Bの紙幣識別データを通信I/F15を介して自販機制御部10に送信する。自販機制御部10は、通信I/F15を介して制御部24から受信した各紙幣Bの紙幣識別データを記憶部9に保存するとともに、かかる紙幣識別データによって示される各紙幣Bの真偽および金種の識別結果をタッチパネル8に表示させる。
【0110】
なお、かかる識別テスト処理において、紙幣挿入口E1に挿入された紙幣Bは、その真偽および金種が識別された後、紙幣収納部3内に試験的に搬入(収金)され、または、紙幣挿入口E1から外部に試験的に排出(返却)される。
【0111】
一方、紙幣識別機本体2の動作モードを通常動作モードに設定した場合、制御部24は、上述した一連の紙幣識別動作の実行を制御する。この場合、制御部24は、上述した識別テスト処理の場合と略同様に、紙幣識別機本体2の各構成部を制御する。具体的には、制御部24は、紙幣挿入口E1に紙幣が挿入された場合、その都度、かかる紙幣の真偽および金種を識別する紙幣識別処理を実行し、かかる紙幣の識別結果を通信I/F15を介して自販機制御部10に通知するとともに、識別後の紙幣が真券である場合、この識別後の紙幣を収金し、識別後の紙幣が偽造券である場合、この識別後の紙幣を返却する。すなわち、制御部24は、上述した図9に示したフローチャートの処理手順と略同様に、ステップS802〜807、ステップS810,S812,S813の処理手順を繰り返す。
【0112】
この場合、自販機制御部10は、上述した通常動作コマンドを制御部24に送信した後、通信I/F15を介して制御部24から紙幣識別データを順次受信し、受信した紙幣識別データを記憶部9に保存するとともに、かかる紙幣識別データによって示される紙幣の真偽および金種の識別結果をタッチパネル8に表示させる。また、自販機制御部10は、かかる通信I/F15を介して受信した紙幣識別データが真券の金種を示すものである場合、この金種の金額を表示部4に表示させるとともに、上述した紙幣収納部3、選択ボタン群5、商品収納部6、および商品払出部7を制御し、自動販売機1に投入された紙幣の金額に見合った商品を販売する所定の商品販売動作を制御する。
【0113】
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、上述した一連の紙幣識別動作の指示情報を送信する動作指示手段としての機能と上述した一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の指示情報を送信するテスト指示手段としての機能とを兼備する外部の指示手段(例えば自販機制御部10)と紙幣識別機本体の制御部とを1セットの通信I/Fによって通信接続し、この通信I/Fを介して、外部の指示手段から紙幣識別機本体の制御部に一連の紙幣識別動作の指示情報およびテスト動作の指示情報を適宜送信するように構成した。また、かかる紙幣識別機本体の制御部が、この通信I/Fを介して外部の指示手段から受信した指示情報をもとに、紙幣識別機本体の動作モードを通常動作モードまたはテストモード(例えば調整テストモードまたは識別テストモード)のいずれかに設定し、通常動作モードに設定した場合、上述した一連の紙幣識別動作の実行を制御し、テストモードに設定した場合、上述したテスト動作の実行を制御するように構成した。このため、一連の紙幣識別動作の指示情報の送受信とテスト動作の指示情報の送受信とに対してこの1セットの通信I/Fを共用できるとともに、この1セットの通信I/Fを介して受信した指示情報をもとに、紙幣識別機本体の動作モードを通常動作モードおよびテストモードのいずれか一つに択一的に設定することができる。
【0114】
この結果、紙幣識別機本体の制御部に対してテスト動作の指示情報を送信するために従来配置されていた専用の通信I/F一式(制御部等に接続される通信I/F、通信ケーブル、通信レベル変換器等を含む)とテスト動作の指示情報を出力する専用の外部コンピュータとを用いなくとも、かかる共用の通信I/Fを介して一連の紙幣識別動作の指示情報とテスト動作の指示情報とを択一的に送受信することができ、かかる紙幣識別機本体を内蔵する自動販売機等の各種装置の小型化を促進できる。また、紙幣識別機本体が保有する搬送部の動作確認のために従来設けられていた搬送モータの正転操作スイッチおよび逆転操作スイッチ等のメンテナンス用のマニュアル操作部を用いる必要がなくなるので、装置規模の小型化をさらに促進できる。
【0115】
また、かかる共用の通信I/Fを介して一連の紙幣識別動作の指示情報とテスト動作の指示情報とを択一的に送受信し、かかる共用の通信I/Fを介して受信した指示情報をもとに、紙幣識別機本体の動作モードを上述したように択一的に設定できるので、紙幣識別機本体の制御部に対し、一連の紙幣識別動作の指示情報とテスト動作の指示情報とを重複して入力することを防止でき、例えば通常の商品販売時にテスト動作を実行する事態、メンテナンス時に通常の一連の紙幣識別動作を実行する事態等の意図しない紙幣識別機本体の動作および意図しない指示情報の送受信を防止することができる。
【0116】
さらに、通常時(例えば商品販売時等)に一連の紙幣識別動作の指示情報を送受信する1セットの通信I/Fを介してテスト動作の指示情報を送受信できるので、紙幣識別機本体の一連の紙幣識別動作をテストするとともに、この1セットの通信I/Fを介した紙幣識別機本体の制御部と外部の指示手段との通信接続状態も併せてテストすることができ、通常時に近い状態で紙幣識別機本体の動作確認および紙幣識別処理のテストを行うことができる。
【0117】
(変形例)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機を内蔵した自動販売機の変形例を説明する。上述した実施の形態では、紙幣識別機本体2の制御部24に対し、自販機制御部10が、上述した通常動作コマンド、調整モードコマンド、または識別モードコマンドのいずれかを択一的に適宜送信していたが、この変形例である自動販売機では、通信I/F15に外部コンピュータを接続し、この外部コンピュータが、自販機制御部の代わりに調整モードコマンドまたは識別モードコマンドのいずれかを制御部24に送信するようにしている。
【0118】
図11は、本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機を内蔵した自動販売機の一変形例の構成を模式的に示すブロック図である。図11に示すように、この変形例である自動販売機31は、上述した実施の形態にかかる自動販売機1の自販機制御部10に代えて自販機制御部32を有し、通信I/F15に対して外部コンピュータ33が接続される。また、かかる自動販売機31の自販機制御部32には、上述したタッチパネル8が接続されていない。その他の構成は上述した実施の形態と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0119】
自販機制御部32は、紙幣識別機本体2の制御部24に対し、上述した一連の紙幣識別動作の指示情報(例えば通常動作コマンド)を送信する外部の通常動作指示手段として機能する。すなわち、自販機制御部32は、かかる制御部24に対して上述したテスト動作コマンドを送信する外部のテスト指示手段としての機能以外、上述した実施の形態の自販機制御部10と同様の機能を有する。かかる自販機制御部32は、上述した通信処理部10aおよび通常コマンド処理部10bを有し、自動販売機31の各構成部を制御するとともに、通信I/F15を介して制御部24に通常動作コマンドを入力する。このようにして、自販機制御部32は、制御部24に対して上述した一連の紙幣識別動作を指示する。
【0120】
外部コンピュータ33は、液晶ディスプレイ等の表示部、入力キー等の入力部、通信部、および制御部等を備えた据え置き型または携帯型のコンピュータであり、紙幣識別機本体2の制御部24に対し、上述した一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の指示情報(例えばテスト動作コマンド)を送信する外部のテスト指示手段として機能する。すなわち、外部コンピュータ33は、上述した実施の形態の自販機制御部10の代わりに、制御部24に対して上述した調整テスト処理または識別テスト処理の実行を指示する。このような外部コンピュータ33は、通信処理部33aと上述したテストコマンド処理部10cとを有する。紙幣識別機本体2のメンテナンスを行う場合、すなわち、一連の紙幣識別動作に関する各種テスト動作を制御部24に指示する場合、外部コンピュータ33は、通信I/F15(具体的には自販機制御部側の通信I/F11)に接続され、この通信I/F15を介して制御部24に各種テスト動作コマンドを入力する。
【0121】
通信処理部33aは、上述した自販機制御部10の通信処理部10aと略同様に、通信I/F15に対して所定の通信接続処理を行い、この通信I/F15を介した制御部24と外部コンピュータ33との通信回線を開く。この場合、通信処理部33aは、通信I/F15を介した制御部24と自販機制御部32との通信回線を閉じる。すなわち、通信I/F15は、かかる外部コンピュータ33の通信処理部33aおよび自販機制御部32の通信処理部10aによる各処理に基づいて、自販機制御部32および外部コンピュータ33のいずれかと制御部24とを択一的に通信接続する。具体的には、かかる通信I/F15は、通常動作コマンドを送受信する場合、自販機制御部32と制御部24とを通信接続し、テスト動作コマンドを送受信する場合、外部コンピュータ33と制御部24とを通信接続する。
【0122】
このような構成を有する外部コンピュータ33は、上述した実施の形態の自販機制御部10と同様に、通信I/F15を介して制御部24にテスト動作コマンドを送信する。具体的には、外部コンピュータ33は、紙幣識別機本体2の現在の動作モードを制御部24に問い合わせ、この現在の動作モードを確認する。外部コンピュータ33は、この現在の動作モードの確認結果とメニューM(紙幣識別機本体2に対する指示内容の一覧)とを表示する。外部コンピュータ33は、かかるメニューMの中から選択された指示内容に対応するテスト動作コマンドを通信I/F15を介して制御部24に送信する。また、外部コンピュータ33は、上述した自販機制御部10と略同様に、通信I/F15を介して制御部24から受信した各種データ(紙幣識別データ、センサ状態データ等)を表示する。
【0123】
以上、説明したように、本発明の実施の形態の変形例では、上述した実施の形態と同様の動作モード設定機能と一連の紙幣識別動作機能とテスト動作機能とを有し、一連の紙幣識別動作の指示情報を送信する外部の動作指示手段(例えば自販機制御部32)と紙幣識別機本体の制御部とを1セットの通信I/Fによって通信接続し、この通信I/Fを介して、外部の動作指示手段から紙幣識別機本体の制御部に一連の紙幣識別動作の指示情報を送信するように構成した。また、一連の紙幣識別動作に関するテスト動作を行う場合に、このテスト動作の指示情報を送信する外部のテスト指示手段(例えば外部コンピュータ33)と紙幣識別機本体の制御部とをこの1セットの通信I/Fによって通信接続し、この通信I/Fを介して外部のテスト指示手段から紙幣識別機本体の制御部にテスト動作の指示情報を送信するように構成した。このため、上述した実施の形態と同様の作用効果を享受することができる。
【0124】
なお、本発明の実施の形態および変形例では、紙幣の光学情報を検出する光センサ22を透過型光センサにしていたが、これに限らず、所定の光を紙幣に照射してこの紙幣からの反射光を紙幣の光学情報として検出する反射型光センサであってもよい。
【0125】
また、本発明の実施の形態および変形例では、光センサによって紙幣の光学情報を検出し、検出した紙幣の光学情報をもとに紙幣の真偽および金種を識別していたが、これに限らず、紙幣表面の凹凸によって形成されるパターンを検出する感圧センサを用い、かかる感圧センサによって検出された紙幣の情報(紙幣表面の凹凸パターン)をもとに紙幣の真偽および金種を識別してもよい。また、磁気センサを用いて紙幣の情報を検出し、かかる磁気センサによって検出された紙幣の情報をもとに紙幣の真偽および金種を識別してもよい。
【0126】
さらに、本発明の実施の形態および変形例では、紙幣識別機本体2と通信I/F15とを備えた紙幣識別機を自動販売機に適用した一例を示したが、これに限らず、かかる紙幣識別機は、両替機または遊戯装置等の紙幣が投入される各種装置に適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上のように、本発明にかかる紙幣識別機は、一連の紙幣識別動作のテスト機能を有する紙幣識別機に有用であり、特に、自動販売機等の紙幣が投入される各種装置の小型化を促進できる紙幣識別機に適している。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機を内蔵した自動販売機の一構成例を模式的に示すブロック図である。
【図2】紙幣識別機本体の制御部に対して各種動作を指示する自販機制御部の処理手順を例示するフローチャートである。
【図3】自販機制御部からのコマンドに基づいて動作する紙幣識別機本体の制御部の処理手順を例示するフローチャートである。
【図4】調整テスト処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図5】テスト券搬入処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図6】テスト券排出処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図7】光センサ調整処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図8】プッシャー動作確認処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図9】識別テスト処理の処理手順を例示するフローチャートである。
【図10】紙幣識別機本体の制御部の動作を説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる紙幣識別機を内蔵した自動販売機の一変形例の構成を模式的に示すブロック図である。
【図12】従来の紙幣識別機に対して接続される通信ラインを例示する模式図である。
【符号の説明】
【0129】
1,31 自動販売機
2 紙幣識別機本体
3 紙幣収納部
4 表示部
5 選択ボタン群
6 商品収納部
7 商品払出部
8 タッチパネル
9 記憶部
10,32 自販機制御部
10a 通信処理部
10b 通常コマンド処理部
10c テストコマンド処理部
11 通信I/F
12 レベル変換器
13 コネクタ
14 電源部
15 通信I/F
21 搬送部
22 光センサ
22a 発光部
22b 受光部
23 通信I/F
24 制御部
24a モード設定部
24b センサ状態検出部
24c 光センサ調整部
24d 紙幣識別部
33 外部コンピュータ
33a 通信処理部
101 紙幣識別機
102 自販機制御部
103,104,108,109 通信ケーブル
105,110 コネクタ
106,111 レベル変換器
107 外部コンピュータ
B 紙幣
BT テスト券
E1 紙幣挿入口
E2 商品取出口
L1〜L3 通信ケーブル
M メニュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣挿入口から挿入された紙幣を搬入し、前記紙幣の情報を検出し、検出した前記紙幣の情報をもとに前記紙幣を識別し、識別後の前記紙幣を収金または返却するまでの一連の紙幣識別動作を行う紙幣識別機において、
前記一連の紙幣識別動作の指示情報を送信する外部の動作指示手段と前記一連の紙幣識別動作に関するテスト動作の指示情報を送信する外部のテスト指示手段とを紙幣識別機本体に通信接続する通信インターフェースと、
前記通信インターフェースを介して受信した指示情報をもとに通常動作モードまたはテストモードのいずれかに設定し、前記通常動作モードに設定した場合、前記一連の紙幣識別動作の実行を制御し、前記テストモードに設定した場合、前記テスト動作の実行を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする紙幣識別機。
【請求項2】
前記通信インターフェースは、
前記外部の動作指示手段および前記外部のテスト指示手段に接続する外部通信インターフェースと、
前記制御手段に接続する紙幣識別機本体側の通信インターフェースと、
前記外部通信インターフェースと前記紙幣識別機本体側の通信インターフェースとを接続する通信ケーブルと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機。
【請求項3】
前記テストモードは、
前記一連の紙幣識別動作に関する当該紙幣識別機の各部の調整または動作確認を行う調整テストモードと、
前記紙幣を識別する紙幣識別処理のテストを行う識別テストモードと、
を含み、前記制御手段は、前記テストモードである前記調整テストモードまたは前記識別テストモードを設定し、前記調整テストモードに対応して前記各部の調整または動作確認の実行を制御し、前記識別テストモードに対応して前記紙幣識別処理のテストの実行を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の紙幣識別機。
【請求項4】
少なくとも前記外部の動作指示手段は、当該紙幣識別機を内蔵する自動販売機の動作を制御する自販機制御手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の紙幣識別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−15905(P2008−15905A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188191(P2006−188191)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】