説明

紙票添付装置

【課題】紙票供給部の全高が低く、紙票作成のための諸手段の部材交換作業やメンテナンス作業がやり易いことに加えて、紙票のカール状態の如何に関わらず紙票の搬送を安定して行うことのできる紙票添付装置を提供する。
【解決手段】紙票を供給する紙票供給部101と紙票を被添付物に添付する紙票添付部102とを有する紙票添付装置100であって、紙票添付部102が、紙票供給部101から紙票01を引き取って搬送する搬送手段20と、搬送手段20中で略水平の紙票01を上方から被添付物02に向けて押し出して添付する紙票添付手段22と、略水平の紙票01を両面から挟んで駆動転回可能な紙票転回手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙票を被添付物に添付する紙票添付装置に係り、例えば、発送処理情報等の情報を記録して別に作成した紙票を搬送装置によって搬送される被添付物に添付する紙票添付装置や同一装置内で発送処理情報等の情報を記録して作成した紙票を搬送装置によって搬送される被添付物に添付する紙票添付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙票、例えば宛名紙票を新聞社から販売店に発送する新聞束(被添付物)に添付する紙票添付装置としては、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に開示されているようなものがある。
【0003】
特許文献1に示されている紙票添付装置は、新聞束を搬送する新聞束搬送装置を紙票供給部と紙票添付部からなる装置全体が跨いで配置されている。紙票は、新聞束搬送装置によって長辺を前後にして搬送される新聞束の上面に搬送方向に対し長辺を前後にして添付される(図6参照)。
【0004】
特許文献2には紙票を作成して添付する紙票添付装置が示されており、この紙票添付装置は、紙票を作成して供給する紙票供給部と紙票添付部からなり、両者は区分けされ、紙票供給部は新聞束を搬送する新聞束搬送装置の横側に配置され、紙票添付部は新聞束搬送装置を跨いで配置されている。紙票は、新聞束搬送装置によって短辺を前後にして搬送される新聞束の上面に搬送方向に対し短辺を前後にして添付される(図5参照)。
【0005】
特許文献3にも紙票を作成して添付する紙票添付装置が示されており、この紙票添付装置は、紙票を作成して供給する紙票供給部と紙票添付部からなり、両者は区分けされ、紙票供給部は新聞束を搬送する新聞束搬送装置の横側に配置され、紙票添付部は新聞束搬送装置を跨いで配置されている。そして、この紙票添付装置は、紙票供給部に紙票を自重により90°転回させる直立型の紙票転回手段を設け、紙票は、特許文献2に示されるものと同様に、新聞束搬送装置によって短辺を前後にして搬送される新聞束の上面に搬送方向に対し短辺を前後にして添付されるだけでなく、新聞束が、後に説明するように新聞束搬送装置のレイアウトの関係から、その長辺を前後にして搬送される場合には、これに対応して長辺を前後にして添付されることを可能としている。
【0006】
尚、紙票添付に際して紙票は、紙票供給部から紙票添付部に向けて搬送されるが、この搬送は搬送手段中に待機させる紙票数を多くするとともに一枚分の送り出し距離を短くして作動効率を高くし得るように、紙票の搬送は紙票の短辺と平行に行われるのが通常である。
【特許文献1】実公平4−40915号公報
【特許文献2】特公平6−43140号公報
【特許文献3】特公平6−17126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図5、図6は、輪転機によって印刷された新聞束搬送装置の従来のレイアウトを示す図である。輪転機201によって印刷された新聞は、図5に示すように、矢印方向に搬出されて集積装置202によって一定量の新聞束すなわち被添付物02となって、新聞束搬送装置200によって矢印方向に搬送され、紙票供給部301が新聞束搬送装置200の横側に配置され且つ紙票添付部302が新聞束搬送装置200を跨いで配置された紙票添付装置106を経由して搬送される。或いは、図6に示すように、紙票供給部と紙票添付部からなる装置全体が新聞束搬送装置200を跨ぐように配置された紙票添付装置105で紙票01が添付され、包装装置203によって包装材204で包まれ、紙票読取り装置205を経由して搬送される。但し、図6は、図5の装置に加えて、建物の柱等の障害物208の位置関係で、新聞束搬送装置200の搬送方向を90°変換させる搬送方向変換装置206を配置している。
【0008】
前記紙票添付装置105は、紙票供給部と紙票添付部からなる装置全体が新聞束搬送装置200を跨いで配置されるために、及び新聞束搬送装置200で搬送される新聞束02の通過高さを確保する必要があるために、装置全体の高さが高くなり、部材の交換作業やメンテナンス作業がやり難いなどの問題点があった。
【0009】
そのため、紙票添付装置106では、新聞束搬送装置200の横側に紙票供給部301を配置し、新聞束搬送装置200を跨いだ紙票添付部302を紙票供給部301と分割して配置した。これによって紙票供給部301に関して新聞束02の通過高さを確保する必要がなくなった。このように、紙票供給部301の高さを低くしたことで、前記紙票添付装置105の問題点を解消した。
【0010】
他方、近年の輪転機の高速化に伴い、印刷物である新聞の処理高速化が進められ前記紙票添付処理において、新聞束の長、短辺側と紙票の長、短辺側を整合して添付する必要性が生じてきた。これについて、新聞束上の紙票の添付位置関係を示す図である図4(a)、(b)、(c)、(d)及び図5、図6を参照して説明する。尚、図中の矢印は新聞束搬送装置200上の新聞束の進行方向を示している。
【0011】
図5の紙票添付装置106に供給される新聞束02は、新聞束搬送装置200の進行方向に対し短辺を前後にして進行している。この場合、新聞束02上の紙票01の添付位置は、図4(a)の状態、つまり、新聞束02上面の略中央部に新聞束02の長、短辺側と紙票01の長、短辺側が整合して添付された状態となっている。
【0012】
図6の紙票添付装置105に供給される新聞束02は、搬送方向変換装置206で搬送方向が変換された後、長辺を前後にして進行している。そして、新聞束02上の紙票01の添付位置は、図4(b)の状態、つまり、新聞束02上面の略中央部に新聞束02の長、短辺側と紙票01の長、短辺側が整合して添付された状態となっている。
【0013】
ところで、図5における紙票添付装置106の代わりに図6の紙票添付装置105を配置すれば図4(c)の状態にすることができると共に、図6における紙票添付装置105の代わりに図5の紙票添付装置106を配置すれば図4(d)の状態にすることができる。しかしながら、これらの状態では新聞束02上面の略中央部に紙票01の長辺側が新聞束02の短辺側になるように添付されるため、紙票01が新聞束02上面からはみ出た状態で添付されることもある。そのため、紙票01が搬送途中で落下逸失したり、下流側における紙票読取り装置205での紙票01の読取りが不確実になったりするおそれもある。その結果、読み取り結果に基づく発送区分処理ができなくなるという問題点が生じ、採用できない。従って、従来は、図5及び図6のように異なる型の紙票添付装置105又は106を選定して配置する必要があった。
【0014】
この問題を解決すべく、図7に示した特許文献3の紙票添付装置107は、紙票01を新聞束02上面の必要とする添付位置に添付可能にするために、すなわち、前記図4(a)に加えて、図4(b)の状態のように紙票01を新聞束02上面に添付可能とするために、紙票供給部303に直立型の紙票転回手段304を設けている。そして、紙票01を自重で90°転回移動させ、新聞束02への紙票01の添付方向を変更可能にした。従って、従来のように紙票添付装置の型を選定する必要が無く、1型式の紙票添付装置107の配置で良く、そのため、搬送装置のレイアウトを無理無く、且つ、無駄無く行うことができるようにした。
【0015】
しかしながら、前記紙票転回手段304は、紙票01を自重によって回転させるために直立型の形態をとっており、紙票01を紙票01の下端角隅部近傍をシリンダー305と受け部材306で押圧挟持し、この位置を転回支点としている。また、自重による転回であるためにカールの強い紙票01は転回し難く、また、カールの度合いによって転回時間にばらつきが発生する等、紙票01のカール状態によって搬送が安定しないという問題が生じた。更に、直立部分で転回するために、例えば前記紙票添付装置106の紙票供給部301よりも紙票供給部303の全高が高くなり、紙票作成のための諸手段の部材交換作業やメンテナンス作業がやり難いなどの問題点が生じた。つまり、この紙票添付装置107では前記特許文献1に記載された紙票添付装置の課題が完全に解決されてはいなかった。
【0016】
本発明の目的は、紙票供給部の全高が低く、紙票作成のための諸手段の部材交換作業やメンテナンス作業がやり易いことに加えて、紙票のカール状態の如何に関わらず紙票の搬送を安定して行うことのできる紙票添付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、前記従来の技術が抱えていた課題を一挙に解決するために、前記特許請求の範囲に記載した構成を提供するものである。
【0018】
具体的には、本発明の請求項1に記載の紙票添付装置は、
紙票を供給する紙票供給部と紙票を被添付物に添付する紙票添付部とを有する紙票添付装置において、
前記紙票添付部が、前記紙票供給部から紙票を引き取って搬送する搬送手段と、前記搬送手段による紙票搬送中に略水平の紙票を上方から被添付物に向けて押し出して添付する紙票添付手段と、略水平の紙票を両面から挟んで駆動転回可能な紙票転回手段と、を備えたことを特徴としている。
【0019】
紙票転回手段により紙票を押圧挟持し、そこを支点として強制的に転回移動させるようにしたので、紙票の転回移動を確実に且つ予め定めた一定の時間で行うことできる。また、紙票転回手段を紙票供給部でなく紙票添付部に水平若しくはそれに近い状態で配置したために、紙票供給部の全高が低くなり、紙票作成のための諸手段の部材交換作業やメンテナンス作業がやり易くなる。
【0020】
また、本発明の請求項2に記載の紙票添付装置は、請求項1に記載の紙票添付装置において、
前記搬送手段が、前記紙票添付手段の動作する領域を確保するために搬送方向に分断されて設けられ、且つ紙票が前記搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止する第1エアー吹き付け手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
第1エアー吹き付け手段によって紙票が搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止する。その結果、搬送手段による搬送移動の際及び紙票転回手段による転回移動の際のいずれにおいても、紙票はカールの有無に拘らず、搬送手段の分割部を容易且つ確実に越えて移動することができ、紙票の搬送を安定して確実に行える。
【0022】
また、本発明の請求項3に記載の紙票添付装置は、請求項1に記載の紙票添付装置において、
前記搬送手段が、前記紙票添付手段の動作する領域を確保するために搬送方向に分断されて設けられ、且つ紙票が前記搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止する第1エアー吹き付け手段を備え、更に、第1エアー吹き付け手段のエアー吹き付けによって前記搬送手段の分断域を越えた紙票の端部を当該搬送手段に設けられたコンベヤーの搬送面下流側に沿わせる第2エアー吹き付け手段を備えたことを特徴としている。
【0023】
第1エアー吹き付け手段によって紙票が搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止するとともに、搬送手段の分断域を越えた紙票の端部を第2エアー吹き付け手段によってコンベヤーの搬送面下流側に沿わせる。その結果、搬送手段による搬送移動の際及び紙票転回手段による転回移動の際のいずれにおいても、紙票はカールの有無に拘らず、搬送手段の分割部を容易且つ確実に越えて移動することができ、紙票の搬送を安定して確実に行える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の請求項1にかかる紙票添付装置は、紙票転回手段により紙票を押圧挟持し、そこを支点として強制的に転回移動させるようにしたので、紙票の転回移動を確実に且つ予め定めた一定の時間で行うことが可能になった。また、紙票転回手段を紙票供給部でなく紙票添付部に水平若しくはそれに近い状態で配置したために、紙票供給部の全高が低くなり、紙票作成のための諸手段の部材交換作業やメンテナンス作業がやり易くなった。更に、本発明の請求項2及び請求項3にかかる紙票添付装置では、搬送手段による搬送移動の際及び紙票転回手段による転回移動の際のいずれにおいても、紙票はカールの有無に拘らず、搬送手段の分割部を容易且つ確実に越えて移動することができ、紙票の搬送を安定して確実に行えるようになった。従って、従来抱えていた問題点を全て解消し得た。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明の実施の形態を示す概略構成図である。同図において、紙票添付装置100は、紙票供給部101と紙票添付部102とに区分され、紙票供給部101は新聞束02を搬送する新聞束搬送装置200の横側に配置され、紙票添付部102は新聞束搬送装置200を跨いで配置されている。
【0026】
紙票供給部101は、連続紙04を供給する紙供給手段06、紙上に情報を記録する情報記録手段07、及び連続紙切断手段08を備えている。紙供給手段06は、巻取状連続紙支持手段10、ガイドローラー30、第1ドラッグローラー31、第2ドラッグローラー32、紙票搬送手段13及び連続紙紙継手段14を有する。情報記録手段07は、画線形成手段11及び色マーク・色帯印刷手段12を有する。
【0027】
紙票供給部101では、巻取状連続紙支持手段10に巻取状連続紙03及び03’が装着され、一方の巻取状連続紙03の先端は、ガイドローラー30、第1ドラッグローラー31、画線形成手段11、色マーク・色帯印刷手段12及び第2ドラッグローラー32を経て、連続紙切断手段08で切断され紙票01が形成される。形成された紙票01は、紙票搬送手段13の紙票送りコンベヤー44によって紙票添付部102に送り込まれる。
【0028】
他方の巻取状連続紙03’の先端は、ガイドローラー30’を経て連続紙紙継手段14に繋ぎ止めされ、巻取状連続紙03が消耗した時に、巻取状連続紙03の末端に紙継ぎされるべく待機する。
【0029】
また、紙票供給部101には、予め必要な情報が記録されている枚葉紙である前刷紙票05が格納されている前刷紙票収容手段15と、前刷紙票収容手段15から前刷紙票05を取り出す前刷紙票取出し手段16が併設されている。
【0030】
続いて、前記紙票供給部101の各手段の主な構成及び作用を説明する。
【0031】
巻取状連続紙支持手段10において、巻取状連続紙03及び03’が支持部材35(35’)に支持される。連続紙紙継手段14による紙継ぎ後の巻取状連続紙03’は前の巻取状連続紙03の位置に移動されそのまま連続紙04を供給し、次の巻取状連続紙03’が前の巻取状連続紙03’の位置に準備される。尚、括弧内は−方の端の部品を示す。
【0032】
画線形成手段11は、1組のサーマルヘッド38とプラテンローラー39を有し、走行移動する連続紙04上に画線を形成する。
【0033】
色マーク・色帯印刷手段12は、複数の色印刷シリンダー40及びスタンプ41を有し、各スタンプ41を色印刷シリンダー40によりそれぞれ連続紙04に押し付け、色マーク及び色帯を印刷する。
【0034】
第1ドラッグローラー31及び第2ドラッグローラー32はローラー駆動モーター42で駆動され、それぞれ押えゴムローラー33、34との間に連続紙04を挟み、これを送り出す。
【0035】
連続紙切断手段08は、カッター駆動モーター(図示せず)で駆動されたロータリーカッター43で連続紙04を切断し、紙票01を作成する。
【0036】
紙票搬送手段13は、紙票01をその対辺端縁を両側から挟んで搬送する紙票送りコンベヤー44及び紙票送りコンベヤー44を駆動するコンベヤー駆動モーター45を有する。
【0037】
連続紙紙継手段14は、紙継ぎシリンダー36により連続紙04と04’を接触させ、両面テープ37で連続紙04’を連続紙04の後端に紙継ぎする。
【0038】
前刷紙票収容手段15及びこれに併設された前刷紙票取出し手段16は、図示の実施の形態では、紙票供給部101で作成された紙票01に前刷紙票05を重ね合わすように紙票添付部102に送り込み、紙票添付部102で2枚重ねて新聞束02に添付する。又は、紙票供給部101の手段が故障して紙票01が作成できない時などに、前刷紙票05を紙票添付部102に供給する。
【0039】
尚、紙票供給部101は、図示の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、巻取状連続紙支持手段10に装着する巻取状連続紙03、03’に予め必要な情報を記録しておくことによって情報記録手段07を除くことが可能である。また、前刷紙票収容手段15及び前刷紙票取出し手段16に対して適宜な位置、例えば図1において、これら手段の上方に何らかの情報記録手段(図示せず)を併設し、枚葉紙に必要情報を記録可能であるように構成してもさしつかえない。
【0040】
次に、本発明の紙票添付部102の実施の形態を示す概略構成図である図2及び図2のA−A矢視の紙票位置図である図3を参照して本発明の紙票添付部102の各手段の構成及び作用を説明する。尚、図中の矢印は各シリンダーの作動方向、紙票01の転回方向及び各エアーの吹き出し方向を示している。
【0041】
紙票添付部102では、前記したように紙票供給部101から紙票搬送手段13で送り込まれた紙票01が、紙票搬送手段13の下流に設けられた搬送手段20で搬送され、紙票停止手段21で所定位置に停止され、紙票転回手段23で90°転回移動された後、紙票添付手段22によって押圧降下され、被添付物である新聞束02上面に添付される。
【0042】
但し、新聞束搬送装置200のレイアウトにより、紙票転回手段23を作動させる必要がない時、すなわち、紙票01を90°転回移動させる必要がない時は、後に説明するように、紙票転回手段23による転回移動を行わずに次の行程に進める。
【0043】
搬送手段20は、第1搬送コンベヤー手段24を構成する上第1搬送コンベヤー70、下第1搬送コンベヤー72及び下第2搬送コンベヤー73と、第2搬送コンベヤー手段25を構成する上第2搬送コンベヤー71及び下第3搬送コンベヤー74と、を有し、図示しない駆動源から一斉に駆動されるよう図示しない伝動手段で連結されている。また、添付前の紙票01を支持する天板50を有している。下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74はこれらコンベヤー73、74がそれぞれ掛け渡されたプーリーの軸端を支持する連結部材75で連結され、第1搬送コンベヤー手段24の軸76を支点として搬送コンベヤーシリンダー53によって一体となって上下に移動する。尚、天板50には、この下第2搬送コンベヤー73と下第3搬送コンベヤー74の移動を許容する切り欠きが設けられている。
【0044】
紙票停止手段21は、第1ストッパーシリンダー56のロッド先端に第1ストッパー63が、第2ストッパーシリンダー57のロッド先端に第2ストッパー64がそれぞれ取付けられている。
【0045】
紙票転回手段23は、軸受62によって回転可能に支持された押えシリンダー取付軸61、その一端に取付けられた押えシリンダー54を有し、押えシリンダー54には押えゴム58が連結されている。押えシリンダー取付軸61の他端には転回アーム60が取付けられ転回アーム60には転回シリンダー55のロッドが連結されている。前記押えゴム58と対向する位置には、この押えゴム58との間に紙票01を挟んで回転可能な受け部材59を設ける。また、第1搬送コンベヤー手段24と第2搬送コンベヤー手段25の分断域Bに向けてその上流下方からエアーを吹き付ける第1エアー吹き付け手段26と、紙票01の転回後の位置決めのための第3ストッパー65(図3参照)と、第2搬送コンベヤー手段25の上流部上方に第2搬送コンベヤー手段25の上流部に向けてエアーを吹き付ける第2エアー吹き付け手段27と、を有する。
【0046】
紙票添付手段22は、添付シリンダー52のロッドの先端に紙票添付ブロック51が取付けられ紙票添付ブロック51内部には下方に向けてエアーを吹き付ける第3エアー吹き付け手段28を有する。
【0047】
ここで、紙票01を新聞束02の上面に新聞束搬送装置200の進行方向に対し長辺を前後にして添付する際の紙票転回手段23を用いての紙票01のX位置からY位置(図3参照;破線位置)への転回移動の作動を説明する。
【0048】
紙票供給部101の紙票搬送手段13(図1参照)に待機させられている紙票01は、新聞束搬送装置200によって搬送される新聞束02の位置に基づいて出力される添付指令により、紙票搬送手段13及び搬送手段20のクラッチ(図示せず)がONし、紙票送りコンベヤー44(図1参照)並びに上第1搬送コンベヤー70及び下第1搬送コンベヤー72が駆動され、それに伴い、上第2搬送コンベヤー71、下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が動き、更に、図2に示す搬送コンベヤーシリンダー53のロッドが縮まり、軸76を支点として連結部材75が上方向に移動し、連結部材75に連結されている下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が上昇し、紙票01は対辺端縁を上下の各コンベヤーに挟まれ、搬送手段20内への導入が開始される。同時に、紙票停止手段21の第1ストッパーシリンダー56のロッドが伸びてロッドに連結された第1ストッパー63が下降し、ストッパーに向かって移動している紙票01は、第1ストッパー63に当たって停止する(図3のX位置)。尚、紙票搬送手段13の紙票送りコンベヤー44は、紙票01の1枚分を送り出すだけ動作するとそのクラッチがOFFし動作を停止する。
【0049】
その後、第1確認センサー78が紙票01の導入を確認し、搬送手段20のクラッチがOFFし、上第1搬送コンベヤー70及び下第1搬送コンベヤー72の駆動が停止し、それに伴い上第2搬送コンベヤー71、下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74の駆動が停止する。更に、搬送コンベヤーシリンダー53のロッドが伸びて下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が下降し、紙票01と上搬送コンベヤー70、71と下搬送コンベヤー72、73、74との間にわずかな隙間を生じさせる。同時に、図2に示す紙票転回手段23の押えシリンダー54のロッドが伸びて、ロッド先端に取付けられた押えゴム58が回転可能な受け部材59との間に紙票01を挟み込む。また、第1ストッパーシリンダー56のロッドが縮まり第1ストッパー63が上昇する。
【0050】
次に、転回シリンダー55のロッドが伸びて、転回アーム60、押えシリンダー取付軸61(図2参照)を介して押えゴム58が受け部材59との間に紙票01を挟み込んだ状態で回転し、紙票01は略90°転回移動し、第3ストッパー65に当たって停止する(図3のY位置)。この時、第1エアー吹き付け手段26から紙票01の下面にエアーを吹き付け、第1搬送コンベヤー手段24と第2搬送コンベヤー手段25の間の搬送手段20の分断域B(図2参照)を越える紙票01の自由端を浮かすようにして垂れ下がるのを防止し、転回を確実且つ容易にする。
【0051】
図3に示す第2確認センサー79で紙票01を確認後、第2エアー吹き付け手段27から紙票01の自由端を第2搬送コンベヤー手段25(図2参照)に沿って下流に押し拡げつつ、天板50に押し付ける方向にエアーを上方から紙票01に向かって吹き付け、紙票01がカールすることを防ぐ。
【0052】
続いて、押えシリンダー54(図2参照)のロッドが縮まり、押えゴム58と受け部材59による紙票01の挟み込みを止め、同時に、紙票添付手段22の添付シリンダー52のロッドが伸びてロッドに連結された紙票添付ブロック51が搬送手段20の分断域Bを通って下降する。この下降に際し、新聞束搬送装置200上の新聞束02の高さを束高さ検出センサー(図示せず)が検出し、添付シリンダー52のロッドの伸長動作を適宜の位置で停止させ、紙票01を所定の位置にある新聞束02に添付する。この時、第3エアー吹き付け手段28からエアーを紙票01の上面に吹き付け、紙票01が紙票添付ブロック51から離れ易くする。その後、転回シリンダー55のロッド及び添付シリンダー52のロッドが縮まり、元の状態に戻る。
【0053】
次に、紙票01を新聞束02の上面に新聞束搬送装置200の進行方向に対し短辺を前後にして添付する、つまり、紙票転回手段23による紙票01の転回移動を行わず、紙票をZ位置(図3参照;実線位置)に移動して紙票添付手段22による添付を行う場合の作動を説明する。
【0054】
紙票供給部101の紙票搬送手段13(図1参照)に待機させられている紙票01は、新聞束搬送装置200によって搬送される新聞束02の位置に基づいて出力される添付指令により、紙票搬送手段13及び搬送手段20のクラッチ(図示せず)がONし、紙票送りコンベヤー44並びに上第1搬送コンベヤー70及び下第1搬送コンベヤー72が駆動され、それに伴い、上第2搬送コンベヤー71、下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が動き、更に、搬送コンベヤーシリンダー53のロッドが縮まり、軸76(図2参照)を支点として連結部材75が上方向に移動し、連結部材75に連結されている下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が上昇し、紙票01は対辺端縁を上下の各コンベヤーに挟まれ、搬送手段20内への導入が開始される。同時に、紙票停止手段21の第2ストッパーシリンダー57のロッドが伸びてロッドに連結された第2ストッパー64が下降し、ストッパーに向かって移動している紙票01は、第2ストッパー64に当たって停止する(図3のZ位置)。この間、第1エアー吹き付け手段26から紙票01の下面にエアーを吹き付け、第1搬送コンベヤー手段24と第2搬送コンベヤー手段25の間の搬送手段20の分断域B(図2参照)を越える紙票01の自由端を浮かすようにして垂れ下がるのを防止し、紙票01の前記分断域Bを越えて第2搬送コンベヤー手段25への移動を確実且つ容易にする。尚、紙票搬送手段13の紙票送りコンベヤー44は、紙票01の1枚分を送り出すだけ動作するとそのクラッチがOFFし動作を停止する。
【0055】
第2確認センサー79(図3参照)が宛名紙票01の搬入確認後、搬送手段20のクラッチがOFFし、上第1搬送コンベヤー70及び下第1搬送コンベヤー72の駆動が停止し、それに伴い上第2搬送コンベヤー71、下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74の駆動が停止する。更に、搬送コンベヤーシリンダー53のロッド(図2参照)が伸びて下第2搬送コンベヤー73及び下第3搬送コンベヤー74が下降し、紙票01と上搬送コンベヤー70、71及び下搬送コンベヤー72、73、74との間にわずかな隙間を生じさせる。また、第2エアー吹き付け手段27から紙票01自由端を第2搬送コンベヤー手段25に沿って下流に押し拡げつつ、天板50に押し付ける方向にエアーを上方から紙票01に向かって吹き付け、紙票01がカールすることを防ぐ。
【0056】
続いて、紙票添付手段22の添付シリンダー52のロッドが伸びてロッドに連結された紙票添付ブロック51が搬送手段20の分断域Bを通って下降する。この下降に際し、新聞束搬送装置200上の新聞束02の高さを束高さ検出センサー(図示せず)が検出し、添付シリンダー52のロッドの伸長動作を適宜の位置で停止させ、紙票01を所定の位置にある新聞束02に添付する。この時、第3エアー吹き付け手段28からエアーを紙票01の上面に吹き付け、紙票01が紙票添付ブロック51から離れ易くする。その後、添付シリンダー52のロッドが縮まり、元の状態に戻る。
【0057】
尚、前記搬送手段20の延長端末部には、図1及び図2に示すように損紙受80及び有効紙票受81が設けられ、切り換えシリンダー84(図2参照)で切り換え部材82を切り換えてそれぞれ損紙や紙票を誘導し収納する。つまり、前記連続紙紙継手段14で生ずる紙継ぎ部分等の損紙は搬送ベルト83(図2参照)で搬送され、損紙受80に収納される。また、新聞束02の荷崩れ等のトラブル時には紙票供給部101で作成された有効な紙票01は新聞束02に添付されず、有効紙票受81に収納される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の紙票添付装置の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の紙票添付部の実施の形態を示す概略構成図である。
【図3】図2のA−A矢視の紙票位置図である。
【図4】新聞束上面の紙票の添付状態を示す図であり、新聞束上面の略中央部に新聞束の長辺側と紙票の長辺側が整合して添付された状態(図4(a)、(b))、及び新聞束上面の略中央部に新聞束の長辺側に紙票の短辺側が対応して添付された状態(図4(c)、(d))を示している。
【図5】新聞束搬送装置の従来のレイアウトを示す図である。
【図6】新聞束搬送装置の図5とは異なる従来のレイアウトを示す図である。
【図7】特許文献3に示されている紙票添付装置の概略図である。
【符号の説明】
【0059】
X 転回手段を使用する場合の、転回前の紙票位置
(第1ストッパー63で停止した状態)
Y 転回手段を使用する場合の、略90°転回移動後の添付可能な紙票位置
(第3ストッパー65で停止した状態)
Z 転回手段を使用しない場合の、添付可能な紙票位置
(第2ストッパー64で停止した状態)
B 第1搬送コンベヤー手段24と第2搬送コンベヤー手段25の間の搬送手段20の分断域

100 紙票添付装置 205 紙票読取り装置
101 紙票供給部 206 搬送方向変換装置
102 紙票添付部 208 建物の柱等の障害物
105、106、107 紙票添付装置 301 紙票供給部
200 新聞束搬送装置 302 紙票添付部
201 輪転機 303 紙票供給部
202 集積装置 304 紙票転回手段
203 包装装置 305 シリンダー
204 包装材 306 受け部材

01 紙票 42 ローラー駆動モーター
02 新聞束(被添付物) 43 ロータリーカッター
03、03’巻取状連続紙 44 紙票送りコンベヤー
04 連続紙 45 コンベヤー駆動モーター
05 前刷紙票 50 天板
06 紙供給手段 51 紙票添付ブロック
07 情報記録手段 52 添付シリンダー
08 連続紙切断手段 53 搬送コンベヤーシリンダー
10 巻取状連続紙支持手段 54 押えシリンダー
11 画線形成手段 55 転回シリンダー
12 色マーク・色帯印刷手段 56 第1ストッパーシリンダー
13 紙票搬送手段 57 第2ストッパーシリンダー
14 連続紙紙継手段 58 押えゴム
15 前刷紙票収容手段 59 受け部材
16 前刷紙票取出し手段 60 転回アーム
20 搬送手段 61 押えシリンダー取付軸
21 紙票停止手段 62 軸受
22 紙票添付手段 63 第1ストッパー
23 紙票転回手段 64 第2ストッパー
24 第1搬送コンベヤー手段 65 第3ストッパー
25 第2搬送コンベヤー手段 70 上第1搬送コンベヤー
26 第1エアー吹き付け手段 71 上第2搬送コンベヤー
27 第2エアー吹き付け手段 72 下第1搬送コンベヤー
28 第3エアー吹き付け手段 73 下第2搬送コンベヤー
30、30’ ガイドローラー 74 下第3搬送コンベヤー
31 第1ドラッグローラー 75 連結部材
32 第2ドラッグローラー 76 軸
33、34 押えゴムローラー 78 第1確認センサー
35、35’ 支持部材 79 第2確認センサー
36 紙継ぎシリンダー 80 損紙受
37 両面テープ 81 有効紙票受
38 サーマルヘッド 82 切り換え部材
39 プラテンローラー 83 搬送ベルト
40 色印刷シリンダー 84 切り換えシリンダー
41 スタンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙票を供給する紙票供給部と紙票を被添付物に添付する紙票添付部とを有する紙票添付装置において、
前記紙票添付部が、前記紙票供給部から紙票を引き取って搬送する搬送手段と、前記搬送手段による紙票搬送中に略水平の紙票を上方から被添付物に向けて押し出して添付する紙票添付手段と、略水平の紙票を両面から挟んで駆動転回可能な紙票転回手段と、を備えたことを特徴とする紙票添付装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、前記紙票添付手段の動作する領域を確保するために搬送方向に分断されて設けられ、且つ紙票が前記搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止する第1エアー吹き付け手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙票添付装置。
【請求項3】
前記搬送手段が、前記紙票添付手段の動作する領域を確保するために搬送方向に分断されて設けられ、且つ紙票が前記搬送手段の分断域を越える際に紙票端部の垂れ下がりを防止する第1エアー吹き付け手段を備え、更に、前記第1エアー吹き付け手段のエアー吹き付けによって前記搬送手段の分断域を越えた紙票の端部を当該搬送手段に設けられたコンベヤーの搬送面下流側に沿わせる第2エアー吹き付け手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙票添付装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−106458(P2007−106458A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299710(P2005−299710)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000151416)株式会社東京機械製作所 (48)
【Fターム(参考)】