紙葉類処理装置
【課題】搬送路に存在する紙葉類を検出するための部品点数を削減し、コストの低減が図れる紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の紙葉類処理装置は、紙葉類が挿入される挿入口と、挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサ10,13,32と、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部30と、を有する。そして、センサ10,13,32の検出結果と、読取部30の読み取り結果とに基づいて、搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有する。
【解決手段】本発明の紙葉類処理装置は、紙葉類が挿入される挿入口と、挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサ10,13,32と、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部30と、を有する。そして、センサ10,13,32の検出結果と、読取部30の読み取り結果とに基づいて、搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣、カード状の情報記録媒体、バーコードのような情報を記録した紙(以下、これらを総称して紙葉類とする)を処理する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、遊技場やカジノ等では、カード状の記録媒体(磁気カード、ICカード等)に対して、利用者の個人情報や遊技情報など、各種の情報の書込み、或いは、記録されている情報を読み取るカード処理装置(カードリーダライタとも称する)を設置することがある。そして、このようなカード処理装置では、内部に挿入されたカードの存在を把握しておく必要がある。これは、カード処理装置が何らかの要因(停電や故障など)でダウンした場合、復旧時(イニシャライズした際)にカードの存在が把握できないと、カード処理装置の管理者は、復旧時にカード処理装置を開放して、カードの存在の確認作業を行う必要があるためである。
【0003】
このため、例えば、特許文献1には、復旧処理時に、搬送路上にカードが存在しているか否かを、センサを用いて確認する処理を実行するカード処理装置が開示されている。このようなカード処理装置によれば、カード処理装置がダウンした後、復旧に際して管理者は、搬送路上にカードが存在しているか否かの確認作業をする必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−128912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カード処理装置が上記したようにダウンした際、確実にカードの存在を把握するためには、センサの設置個数を増やす必要があるが、搬送路に存在するカードを検出するための部品点数が増加してしまい、コストアップに繋がってしまう。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、搬送路に存在する紙葉類を検出するための部品点数を削減し、コストの低減が図れる紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、紙葉類が挿入される挿入口と、前記挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、前記搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサと、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部と、を有する紙葉類処理装置において、前記センサの検出結果と、前記読取部の読み取り結果とに基づいて、前記搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有することを特徴とする。
【0008】
上記した構成の紙葉類処理装置においては、例えば、装置がダウンした後、センサが紙葉類の存在を検出し、紙葉類の読み取り処理を行う読取部でも紙葉類が存在するか否かの検出処理を行うため、搬送路におけるセンサの設置個数を減らして、装置コストの低減が図れる。
【0009】
また、請求項2に係る発明においては、前記制御部は、前記挿入口から紙葉類が挿入される前に前記紙葉類検出処理を行うことを特徴とする。
【0010】
上記した構成では、紙葉類挿入前に紙葉類検出処理を行うため、二重挿入することがなくなり、搬送トラブルや紙葉類の詰まり等を確実に防止することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る発明においては、前記搬送路で紙葉類を搬送移動させる搬送機構を有し、前記制御部は、前記紙葉類検出処理によって紙葉類が検出された場合、前記搬送機構によって紙葉類を搬送した後、再度紙葉類検出処理を行うことを特徴とする。
【0012】
上記した構成では、搬送機構によって紙葉類の搬送をした後、再度紙葉類検出処理を行うため、例えば、スリップ等が生じて搬送機構で紙葉類を搬送できないような現象が生じても、そのような状態になっていることを確実に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送路に存在する紙葉類を検出するための部品点数を削減し、コストの低減が図れる紙葉類処理装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る紙葉類処理装置の一例(カード処理装置)を示す図であり、全体構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すカード処理装置において、カード収納部を開放した状態を示す斜視図。
【図3】図2に示すカード処理装置を反対側から見た図。
【図4】図2に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図。
【図5】図3に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図。
【図6】図1に示すカード処理装置を側面から見た斜視図。
【図7】カード収納部の概略構成を示す側面図であり、(a)はカードが少ない状態を示す図、(b)はカードが満杯になった状態を示す図、(c)はカード収納部を構成するケーシングを開いた状態を示す図。
【図8】シャッタと押圧部を個別駆動する駆動機構の概略構成を示す図。
【図9】駆動機構を構成するギヤを示しており、(a)は一側面側を示す図、(b)は他側面側を示す図。
【図10】シャッタと押圧部の個別駆動態様を示す図であり、(a)は基準位置を示す図、(b)はシャッタのみを駆動した状態を示す図、(c)は押圧部のみを駆動した状態を示す図。
【図11】カード処理装置の動作を制御する制御部の構成例を示すブロック図。
【図12】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その1)。
【図13】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その2)。
【図14】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その3)。
【図15】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その4)。
【図16】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その5)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る紙葉類処理装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態における紙葉類処理装置は、例えば、ホテルやカジノのような遊技場などに設置される各種の遊技機に関連して設置することが可能となっており、利用者が所有するカード状の記録媒体(以下、カードと称する)を処理する装置(以下、カード処理装置とする)として構成されている。この場合、本実施形態のカード処理装置は、利用者によって挿入されたカードに記録されている情報の読み取り/書き換え、更には、必要に応じて回収/発行可能に構成されている。また、本実施形態のカード処理装置は、複数種類のカード(磁気カード、ICカード、IC/磁気カード)が処理できるように構成されている。
【0016】
最初に図1から図6を参照して、本実施形態に係るカード処理装置の全体構成について説明する。
これらの図において、図1は、カード処理装置を示す図であり、全体構成を示す斜視図、図2は、図1に示すカード処理装置において、カード収納部を開放した状態を示す斜視図、図3は、図2に示すカード処理装置を反対側から見た図、図4は、図2に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図、図5は、図3に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図、そして、図6は、図1に示すカード処理装置を側面から見た斜視図である。
【0017】
カード処理装置1は、各種部材が組み付けられるフレーム1Bを具備するベース1Aを有しており、図示されていない遊技機に関連して設置されると、フレーム1Bに一体形成された前面2が露出する形態となっている。前面2には、カードの挿入、排出が可能な挿入口2aが形成されており、利用者は、所有するカード(磁気カード、ICカード、IC/磁気カード)Cを挿入し、遊技が終了した段階で、カードCは利用者に返却されるか、回収される(本実施形態では、回収されるのは、ICカード、及びIC/磁気カードとされている)。このため、フレーム1Bには、利用者から挿入されたカードを回収して収納することが可能なカード収納部5が設けられている。なお、前記挿入口2aは、反ったカードも対応できるように、中央部分が上下方向に広く開口した湾曲形状にしておくことが望ましい。また、前記カード収納部5に収納されているカードについては、新たな情報を記録して利用者に発行することが可能となっている。
【0018】
前記カードCには、例えば、利用者に関する情報(ID情報)や、遊技価値に関する情報(金額情報)などが記録されており、内部に設置されているリーダライタ(読取部)によって、各種情報の読取り、或いは、書換えが行われる。なお、このような情報は、図示されていない外部装置によって管理され、利用者は、カードに記載された金額情報の範囲内で各種の遊技媒体の貸し出し処理を受けて遊技を行うことができる。また、利用者の遊技情報については、例えば、トラッキング情報としても管理することが可能であり、金額情報については、遊技場以外で利用したり、別途、金額価値に換算できるポイント情報等を付与することも可能である。
【0019】
前記フレーム1Bには、カードを挿入した方向にそのまま搬送可能なカード搬送路6が設けられている。この場合、本実施形態では、挿入されるカードが、磁気カードの場合とICカード(磁気/ICカードを含む)の場合とで、搬送処理が異なるように構成されている。具体的には、挿入されたカードが磁気カードであれば、利用者がカードを挿入すると、所定の位置(カードの後端側が挿入口2aから突出する位置)で挿入が停止されるようになっている。すなわち、磁気カードの場合、装置内部に搬送されることはなく、所定の位置で挿入を停止させ、その位置で情報の読み取り処理(場合によっては、書き換え処理)が成されるように構成されている。
【0020】
このため、カード搬送路6には、挿入されたカードの後端側が挿入口2aから突出する位置で停止させるシャッタ8が設置されており、このシャッタ8は、挿入されるカードの種別に応じて開閉駆動されるようになっている。なお、シャッタ8の具体的な構成、及び開閉駆動の方法については後述する。
【0021】
前記カード搬送路6には、シャッタ8が設置される位置よりも挿入口2a側に、カードの挿入を検知する挿入検出センサ10が配置されている(図6参照)。また、挿入検出センサ10と対向する位置、具体的には、挿入される磁気カードに形成されている磁気情報記録領域(搬送方向に沿って帯状に形成されている)に対応して、磁気情報の読み取り/書き換え処理が可能なリーダライタ(磁気ヘッド)12が設置されている(図3参照)。さらに、シャッタ8が設置される直前位置には、前記磁気ヘッド12によって磁気情報の読み取りの完了を検知する磁気読取完了センサ13が配置されている(図6参照)。この磁気読取完了センサ13は、磁気情報がカードに帯状に添付された磁気シールに記録されていることから、カードを挿入して磁気シールを読み取った位置に応じて配置されている。すなわち、磁気読取完了センサ13が挿入されたカードの先端位置を検知することにより、磁気情報の読み取り終了の信号を生成する。なお、前記挿入検出センサ10、及び磁気読取完了センサ13は、上記した検知処理以外にも、後述するように、カード搬送路6にカードが存在するか否かを検出するカード位置検出センサとしての機能を備えている。
【0022】
前記シャッタ8よりも下流側には、カードの搬送が可能なカード搬送機構15が設置されている。本実施形態のカード搬送機構15は、挿入口2aから挿入されたカードを、挿入方向に沿って搬送可能であると共に、装置本体の内部に位置するカードを挿入口2a側に向けて搬送可能に構成されている。搬送機構15は、フレーム1Bに設置された駆動源である駆動モータ20と、この駆動モータ20によって回転駆動され、カードを搬送可能な複数の駆動ローラ22,23,24を備えている。この場合、駆動ローラ22,23は、前記カード収納部5よりも上流側に設置されており、駆動ローラ24は、カード収納部5の内部に配置されている。
【0023】
前記各駆動ローラ22,23,24は、それぞれフレーム1Bを横架して回転可能に支持される駆動軸22a,23a,24aの中央位置に取り付けられており、駆動軸24aは、その端部に固定されたギヤ24cが、駆動モータ20の出力軸に固定された出力ギヤ20aと噛合することで回転駆動される。また、前記駆動軸24aには、反対側の端部にプーリまたはタイミングプーリ(以下、プーリと称する)24dが設けられており、このプーリ24dは、前記駆動軸22a,23aの端部に設けられたプーリまたはタイミングプーリ22d,23dとの間で搬送ベルト25を介して連結されている。これにより、各駆動ローラ22,23,24は、駆動モータ20の回転駆動によって同期駆動可能となっている。なお、搬送ベルト25は、図に示すように、必要に応じてテンションローラに巻回し、弛緩しないように構成されていても良い。
【0024】
また、前記駆動ローラ22,23,24には、それぞれピンチローラ22p,23p,24pが対向して配置されており、挿入口2aに挿入されたカードは、各駆動ローラとピンチローラとの間のニップ部を介して搬送されて行く。各ピンチローラは、フレーム1Bに回転可能に支持された支軸22f,23f、及びカード収納部5(ケーシング5A)内に回転可能に支持された支軸24fに固定されている。なお、ケーシング5Aに設けられるピンチローラ24pについては、後述するように積層収納されるカードの内、最上のカードに当て付いて付勢力を付与する押圧ローラとしての機能を備えている。
【0025】
前記フレーム1B内には、駆動ローラ22,23が配設される位置の中間部に、挿入されたICカードに埋設されているICチップに対して情報の読み取り/書き換え処理が可能なICリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30が設置されている。この場合、挿入されたICカードは、後端側で駆動ローラ22とピンチローラ22pで挟持された状態、及び、前端側で駆動ローラ23とピンチローラ23pで挟持された状態で一旦停止され、この停止状態で、ICリーダライタ30は、情報の読み取り/書き換え処理を行う。また、前記カード搬送路6には、カード収納部5が設置される手前に、カード位置を検出するカード位置検出センサ32が配置されている(図6参照)。
【0026】
なお、本実施形態の構成では、上記した磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)13、及びカード位置検出センサ32は、取り扱われるカードの搬送方向長さよりも長い間隔で設置されている。そして、上記したICリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30は、各センサ13,32の間に設置されており、上記したセンサ10,13,32がカードの位置を検出できなくても、ICリーダライタ30からカード情報を取得する(カードのID情報を読み取る)ことで、カードの存在を確認できるように構成されている。すなわち、後述する制御部において、所定の制御動作を実施している際に、ICリーダライタ30からカードのID情報を取得するように設定することで、カード位置を検出するセンサの設置個数を減らすことが可能となる。
【0027】
次に、カードを収納するカード収納部5の構成、及びそれに関連する部材について説明する。
カード収納部5は、挿入されるカードを積層して収納する略立方体形状のケーシング5Aを備えている。このケーシング5Aは、後端側に支軸40を保持しており、支軸40がフレーム1Bに回転可能に支持されることで、図1及び図2に示すように、フレーム1Bに対して回動可能となっている。なお、図1は閉鎖状態(ロック状態)を示しており、図2は開放状態を示している。
【0028】
前記ケーシング5Aの前端面の下部には、カードが搬入可能となるように、カード形状に対応する開口41が形成されており、ここから搬入されるカードは、ケーシング内で次第に積み上げられて積層されるようになっている。なお、ケーシング5Aに搬入されるカード、及びケーシング5A内に収納されているカードの搬送については、前記駆動ローラ24によって成される。
【0029】
本実施形態では、ケーシング5A内に搬入されるカードを、下から順に積み上げて行くうように構成されており、前記ピンチローラ24pは、積層されて行くカードの内、最上のカードに当て付いて、積層されるカードを駆動ローラ24側に向けて付勢する機能を有している。具体的には、前記支軸24fの両端は、ケーシング5Aの両側面に積層方向に沿って形成された長孔42から突出して、この突出部分で保持部24hによって抜け止め保持されており、支軸24fは、長孔42に沿って上下方向にスライド可能に支持されている。そして、ケーシング5Aには、支軸24を、常時、下方側(積層されるカード側)に向けて付勢する付勢手段が設けられている。この場合、付勢手段は、ケーシング5Aの両側面の下部に水平方向に沿って張設された付勢バネ45によって構成されており、この付勢バネ45が前記保持部24hの上部側に当て付くように当接することで、支軸24f(ピンチローラ24p)を、常時下方側に向けて付勢している。すなわち、付勢バネ45は、ケーシング5Aの両側面に、水平方向に所定間隔をおいて突設された突起45a(図4参照)に両端が保持されており、その中央付近で保持部24hに当接することで、支軸24fを常時下方に向けて付勢している。
【0030】
また、ケーシング5A内には、積層されるカードの内、最も下のカードを上方に向けて押圧する押圧部50が配設されている。この押圧部50は、前記駆動ローラ24の駆動軸24aの上流側に、駆動軸に沿って所定間隔おいて2箇所設けられており、2箇所設けられている押圧部50の中間位置に前記駆動ローラ24及びピンチローラ(押圧ローラ)24pが配設された状態となっている。
【0031】
前記押圧部50は、ピンチローラ24pによって付勢されている積層カードに対し、付勢力に抗して押圧力を作用させる位置と、押圧力を作用させない位置との間で、積層方向に沿って駆動されるようになっている。この場合、押圧部50が押圧力を作用させる位置に駆動されると、前記ケーシング5Aに形成されている開口41を介して内部に搬入されたカードは、押圧部50によって停止され、積層されているカードの最下端に差し込まれた状態となる。また、押圧部50が押圧力を作用させない位置に駆動されると、積層されているカードは、前記ピンチローラ24pによって付勢され、最も下にあるカードの両サイドが前記ケーシングの開口部分に長手方向に沿って形成されている左右一対のフランジ41aに当て付けられた状態となる(この状態において、最も下のカードは、駆動ローラ24に当て付くように設定されており、駆動ローラ24が駆動されることで、収納されているカードの発行処理が可能となる)。なお、押圧部50の構成、及び駆動方法については後述する。
【0032】
前記カード収納部5内には、カード収納部に収納されているカードが満杯になったことを検知でき、かつ、カード収納部5がフレーム1Bに対してロックされていない(開いている状態)ことを検知する収納部検出センサ35が配置されている。また、カード収納部5内には、カード収納部5内のカードが空になったことを検知するエンプティセンサ36が配置されている。
【0033】
ここで、前記収納部検出センサ35によって、カードの満杯状態を検知し、かつカード収納部5が開いた状態を検知させるための具体的な構成、及び動作について説明する。なお、動作については、図7(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0034】
前記収納部検出センサ35は、フォトセンサによって構成されており、凹状に構成された受発光部35aに対して、後述する可動部材が移動することで検知信号を生成する構成となっている。前記ケーシング5Aの一方の側面の上部には、略T字形状の可動部材53が支点53Aを中心に回動可能に支持されている。可動部材53は、挿入口側に向けて延出する当接部53aを備えており、この当接部53aには、上述した保持部24h(付勢バネ45)が上昇した際に当接するようになっている。この場合、保持部24hが当接するのは、ケーシング5A内にカードが積み上がって行き(これに伴い支軸24fも上昇する)、最終的にカードが略満杯状態となったときに設定されている(図7(a)及び(b)参照)。
【0035】
また、可動部材53は、ケーシング5Aの上面側に屈曲する屈曲部53bを備えており(図5参照)、この屈曲部53bとケーシング5Aとの間には、引張バネ55が配設されている。これにより、可動部材53は、支点53Aを中心として、図7(a)に示す状態で、常時時計回り方向に付勢されている。さらに、可動部材53は、下方に向けて延出する延出部53cを備えており、その先端には、ケーシング内部に向けてL字型に屈曲された屈曲部53dが形成されている。なお、この屈曲部53dは、図7(a)に示す状態で、上記した受発光部35a内に位置するように配置されている。
【0036】
上記した構成において、ケーシング5A内に、カードが一杯に収納されていない状態では、可動部材53は、図7(a)に示す状態にあり、屈曲部53dは受発光部35a内に位置して満杯状態を検知する検知信号を生成することはない。そして、ケーシング5A内に、カードが一杯に収納されてくると、保持部24h(付勢バネ45)が当接部53aに当接し、カードが満杯になった状態で、可動部材53を、支点53Aを中心に反時計回り方向に回動させる(図7(b)参照)。このとき、屈曲部53dも一体的に回動して受発光部35a内から挿入口側にシフトして外れるため、この状態(満杯状態)を検知する検知信号が生成される。一方、このような満杯状態に関係なく、ケーシング5Aが、図7(c)に示すように、支軸40を中心として開放される(ロック解除される)と、上記した可動部材53も一体的に回動されることから、その屈曲部53dも一体的に回動して受発光部35a内から外れ、この状態(ケーシングの開放状態)を検知する検知信号が生成される。
【0037】
以上のように、収納部検出センサ35は、単一の構成で、カード収納部5に収納されているカードが満杯になったこと、及び、カード収納部5がフレーム1Bに対してロックされていない(閉じていない)ことを検知することが可能となっている。
【0038】
次に、図4,図5及び図8から図10を参照して、上述したシャッタ8の具体的な構成、及びシャッタの開閉駆動の方法、並びに、上述した押圧部50の具体的な構成、及び押圧部の駆動方法について説明する。
【0039】
前記シャッタ8及び押圧部50は、同一の駆動源によって駆動されるように構成されており、本実施形態では、フレーム1Bに支持された駆動モータ60の回転駆動によって駆動制御されるようになっている。すなわち、前記駆動モータ60の出力ギヤ60aには、フレーム1Bに回転可能に支持されたカムギヤ61が噛合しており、このカムギヤ61を回転駆動することで、上記したシャッタ8及び押圧部50が駆動される。
【0040】
前記シャッタ8は、図4及び図5に示すように、フレーム1Bに支持された支軸8Aに回動可能に設けられている。シャッタ8は、板状のプレート8aを所定の形状に屈曲することで形成されており、実際に挿入されたカードが当て付いて停止される一対の停止部8bと、一端側において支軸8Aから下方に垂下する係合部8cとを備えている。この場合、シャッタ8と支軸8Aとの間には、支軸8Aに巻回された回動付勢バネ62が配設されており、シャッタ8を、常時、閉じる方向(カードの挿入を阻止する方向)に付勢している。また、この回動付勢バネ62によって、シャッタ8は、支軸8Aに対して多少の遊度をもって回動可能に支持されている。すなわち、このようにシャッタ8の回動に多少の遊度を持たせることで、カードが何等かの原因でシャッタ8の部分で停止しても、カードを傷付けることなく引き抜くことが可能になるとともに、機構部の破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0041】
前記シャッタ8とカムギヤ61との間には、カード搬送路6に沿って延出するリンク部材63が配置されている。このリンク部材63には、一端側に、カムギヤ61の一側面(図9(b)参照)に形成されているカム溝61Aに係合する係合部63aが形成されており、他端側に、シャッタ8の係合部8cが当て付く当接部63bが形成されている。また、リンク部材63には、延出方向に沿って長孔63c,63dが形成されており、この部分に、フレーム1Bに突設されたピン1d,1eが配されることで、リンク部材63は、延出方向に沿ってスライドできるように構成されている。
【0042】
なお、リンク部材63は、図5、図10(a)に示すシャッタ8の閉じ状態(この状態を、カードの挿入を阻止する基準位置と称する)において、D1方向にスライドすると、当接部63bが係合部8cを押圧し、シャッタ8を、支軸8Aを中心にして開く方向に回動させる。また、この状態でリンク部材63がD2方向にスライドすると、シャッタ8は、回動付勢バネ62の付勢力によって係合部8cが当接部63bに当て付くまで回動し、再び基準位置に戻る。
【0043】
前記押圧部50は、図4及び図5に示すように、フレーム1Bに支持された支軸50Aに回動可能に設けられている。この場合、押圧部50は、板状のプレート50aを所定の形状に屈曲し、支軸50Aを中心として、後方側(挿入口と反対方向)に向けて屈曲させた一対の延出部50bの先端に、上方に向けて突出するように配設されている。また、プレート50aには、挿入口側に向けて屈曲したリンク部50cが形成されており、このリンク部50cの先端には、カムギヤ61に形成されているカム溝61Aに係合する係合部50dが形成されている。
【0044】
前記カムギヤ61の一側面に形成されているカム溝61Aは、図9(b)に示すような形状となっており、このカム溝61Aに、前記したリンク部材63の係合部63aが係合し、かつ押圧部50と一体化されているリンク部50cの係合部50dが係合している。この場合、カム溝61Aは、シャッタ8及び押圧部50の一方が動作中に、他方の動作を停止させる形状を備えている。具体的には、シャッタ8を駆動するための係合部63aと、押圧部50を駆動するための係合部50dは、リング状に形成されたカム溝61Aに対して90°の位相差で係合しており、そのカム形状は、カムギヤ61が回転することで、リンク部材63を単独で水平方向に往復動させ、リンク部50cを、それと直交する方向である上下方向に単独で往復動させるようにしている。なお、リンク部50cが上下方向に往復動すると、プレート50aは、支軸50Aを中心にして回動することから、前記押圧部50は、これに伴い上下方向に往復動する。
【0045】
前記カムギヤ61は、基準位置を中心として、±90°回転駆動するように制御され、カムギヤ61に形成されているカム溝61Aは、カムギヤ61の回転に伴い、基準位置、+90°回転した位置、及び−90°回転した3つの位置で、シャッタ8、及び押圧部50を、それぞれ異なる位置となるように駆動制御する。なお、カムギヤ61の他側面には、図9(a)に示すように、一部に切欠部(検知部を構成する)61Cを有するリング61Bが設けられており、フレーム1Bに設置された基準位置検出センサ65の受発光部65aがこの切欠部61Cを検知することで、基準位置を検出するようにしている。
【0046】
ここで、図10を参照して、カムギヤ61が基準位置を中心として、±90°回転駆動された際の上記3つの位置の関係(カム溝61Aの形状)について説明する。
【0047】
図10(a)は基準位置を示している。この状態で、シャッタ8は閉じ位置にあり、かつ押圧部50は、押圧位置(カード収納部5に収納されている最も下のカードに当接し、付勢力に抗してカードを押し上げている状態)にある。
【0048】
図10(a)に示す状態から駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転すると、カム溝61Aは、係合部63aを介してリンク部材63をD1方向に牽引すると共に、係合部50dについては、上下動させることなくそのままの位置で保持する形状となっている(図10(b)及び図8参照)。この場合、リンク部材63がD1方向にスライドすることで、図5に示したように、シャッタ8は、上述した係合関係により、回動付勢バネ62の付勢力に抗して回動され、シャッタ8は開く。すなわち、カムギヤ61をR1方向に90°回転することで、シャッタ8は駆動されて開き、かつ押圧部50は駆動されることなく押圧状態のままとなる。
【0049】
また、図10(b)に示す状態において、再び、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転すると、リンク部材63がD2方向にスライドすることで、図5に示したように、シャッタ8は、上述した係合関係により、回動付勢バネ62の付勢力によって回動され、図10(a)に示す基準位置に戻りシャッタ8は閉じる。なお、押圧部50は駆動されることなく押圧状態のままである。
【0050】
図10(a)に示す状態から駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転すると、カム溝61Aは、係合部63aを牽引することなくそのままの位置で保持すると共に、係合部50dについては、上方に移動させる形状となっている(図10(c)参照)。この場合、係合部50dが上方に移動することで、プレート50aは、支軸50Aを中心にして時計回り方向に回動し、前記押圧部50は、これに伴い下方向に移動して、カード収納部5に収納されているカードは非押圧状態となる。これにより、最も下のカードは、駆動ローラ24に当接した状態となる。
【0051】
また、図10(c)に示す状態において、再び、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転すると、係合部50dが下方に移動することで、図10(a)に示す基準位置に戻り、押圧部50はカード収納部5に積層、収納されている最も下のカードを押圧する。なお、シャッタ8については駆動されることなく、閉じた状態のままである。
【0052】
図11は、上記したカード処理装置の基本動作を制御する制御部の構成を示した制御ブロック図である。
【0053】
カード処理装置1内には、上述した各駆動部材の動作を制御する制御回路基板100が設置されている。この制御回路基板100には、上述したカードの搬送を行う駆動モータ20、シャッタ8及び押圧部50を駆動する駆動モータ60、及び磁気カードに対して情報の読み取り/書き込みを行う磁気ヘッド(リーダライタ)12、ICカードに対して情報の読み取り/書き込みを行うリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30の駆動を制御する機能を有するCPU102、上記した各種の駆動装置の作動プログラム等を格納したROM103、及び制御RAM105が実装されている。
【0054】
前記CPU102には、I/Oポート110を介して、上記した各装置を駆動する駆動回路が接続されており、各装置は、作動プログラムに従って、CPU102からの制御信号によりその駆動動作が制御される。また、CPU102には、I/Oポート110を介して、挿入検出センサ10からカードの挿入(排出)を検知する信号、磁気読取完了センサ13から磁気情報を読み取ったことを検知する信号、カード位置検出センサ32からカードの通過を検知する信号、収納部検出センサ35からカードの収納状態が満杯になったこと検知する信号(或いはカード収納部5が開放されたことを検知する信号)、エンプティセンサ36からカード収納部5にカードがなくなったことを検知する信号、そして、基準位置検出センサ65から基準位置を検知する信号が入力されるようになっており、これらの検知信号に基づいて、上述した駆動モータ20,60、及びリーダライタ12,30の駆動が制御されるようになっている。なお、CPU102は、I/Oポート110を介して、挿入検出センサ10、磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)13、カード位置検出センサ32、及びリーダライタ30からカード位置の存在(カードの残留)を確認する信号が入力され、カードが装置内に残留していることが検出された場合、後述するように、所定の処理を実行する。
【0055】
また、CPU102は、図示しない遊技機本体内に配設された遊技処理を実行する制御回路200に接続されており、遊技機側との間で、例えば遊技価値情報などのデータが送受信されるようになっている。
【0056】
さらに、上記した制御回路基板100のCPU102は、外部装置300との間でデータの送受信が可能となっており、例えば、リーダライタ12,30を介して取得された情報(利用者のID情報や決済情報等)を送信するようになっている。
【0057】
次に、上述したカード処理装置1の制御動作について、図12から図16のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは、カード処理装置1を起動(停電などによって装置が一旦ダウンした後、復旧作業時における再起動を含む)してからの動作について説明する。
【0058】
最初、駆動モータ20を所定量駆動し、カードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS1)。これは、装置を起動(再起動)した際、カードが、カード搬送路上に残留している可能性があるために行う処理である。次に、カード検出処理を行う(ステップS2)。このカード検出処理は、装置を起動(再起動)した際、カードが装置内に存在しているか否かを確実に検出するための処理であり、図16に示すような手順で実行される。なお、上述した各センサ10,13,32及びRFIDアンテナ30の設置間隔が、カードの搬送方向長さを確実に検出できれば、上記したステップS1の処理は省略しても良い。
【0059】
ここで、図16を参照して、カード検出処理について説明する。
上記したように、ステップS1においてカードの搬送処理を実施することで、カードが検出できない位置に存在していても、いずれかのセンサ10,13,32、或いはRFIDアンテナ30によってカードの存在(残留)を検出することが可能となる。
最初、挿入検出センサ10がカードを検出しているか否が判断され(ステップS61)、カードが検出できなければ(ステップS61;No)、カード位置検出センサ13,32がカードを検出しているか否が判断される(ステップS62)。そして、このステップS62において、カードが検出できなければ(ステップS62;No)、RFIDアンテナ30によってカードのIDの読み取り処理を行い(ステップS63)、カードのIDが読み取りできなければ(ステップS63;No)、装置内にカードが存在していないことから、後述する通常の制御動作(ステップS3以降の処理)を実行する。
【0060】
上記したステップS61,62,63の処理において、カードの存在を確認した場合、所定の回数(本実施形態では2回とする)を条件に、駆動モータ20を所定量駆動し、カードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS65;No、ステップS66)。すなわち、このように駆動モータ20を駆動することで、装置を起動(再起動)した際、装置内に存在しているカードを排出して、新たなカードを挿入することが可能となる。
【0061】
一方、上記したステップ61〜63の処理が3回目である場合(ステップS65;Yes)、エラー信号をCPUに送信し(ステップS68)、以後のカード処理を実行しないようにしている。すなわち、このような状況では、排出処理を実行したにもかかわらず、カードが装置内に存在しており、何らかのトラブル(搬送ローラ部分でスリップしていたり、搬送トラブルが生じている等)でカードが搬送できないことから、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信するようにしている。
【0062】
なお、上記したステップS65,66の処理を行うことなく、カードの存在を確認した時点で直ちにエラー信号をCPUに送信処理するようにしても良い。
【0063】
上記したステップS61,62,63の処理において、カードの存在が確認できなければ、引き続き、図12のステップS3以降の処理が行われる。
ステップS3以降の処理では、まず、カード収納部5に配置されている収納部検出センサ35が、可動部材53を検出しているか否かを判断する(ステップS3)。これは図6及び図7(c)に示したように、カード収納部5のケーシング5Aが閉じているか否かを検出するものであり、ケーシング5Aが開いた状態にあると、可動部材53の屈曲部は、受発光部35aから外れることから、可動部材53を検出できない信号が生成され、エラー信号をCPUに送信し(ステップS3;No、ステップS4)、以後のカード処理を実行することはない。この場合、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信し、カード収納部5がロックされていないことを管理者に対して報知するようにしても良い。
【0064】
一方、ステップS3において、収納部検出センサ35が可動部材53を検出すれば(ステップS3;Yes)、その後、カードの処理が実行される。まず、挿入口2aからカードが挿入されることを挿入検出センサ10によって判断する(ステップS5)。挿入検出センサ10がカードの挿入を検出すると(ステップS5;Yes)、磁気ヘッド(リーダライタ)12によって、挿入されたカードの情報を読み取る(ステップS6)。この場合、利用者によって挿入されるカードには、磁気カード、及びICカード(IC/磁気カード)が存在し、挿入されたカードに磁気データが記録されていなければ、それはICカードとして処理を行う(ステップS7;No)。
【0065】
また、磁気データが記録されていた場合であっても、その読み取った磁気データについて、それがICカードであることを特定できるデータ(ICカード判断データ)が記録されていれば、それはICカードとして処理を行う(ステップS7;Yes、ステップS8;Yes)。
【0066】
上記したステップS7、及びステップS8の判断処理において、挿入されたカードがICカードであったことが判断されると、磁気ヘッド(リーダライタ)12の読み取り処理を終了し、シャッタ8の駆動処理(開放処理)を実行する(ステップS10)。上述したように、最初、シャッタ8及び押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあるため、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させる。この場合、基準位置については、基準位置検出センサ65で検知しているため、駆動モータ60の停止位置(回転数)については正確に制御することが可能である。これにより、図10(b)で示すように、シャッタ8が開き、カードロック状態が解除される(ステップS10)。
【0067】
引き続き、駆動モータ20を駆動し、ICカードを所定の位置、すなわち、リーダライタ(RFIDアンテナ)30の位置まで搬送する(ステップS11)。駆動モータ20の駆動の停止制御については、駆動モータ20の回転量を検知して停止制御しても良いし、カード位置検出センサ32によるカード検知信号に基づいて停止制御しても良い。
【0068】
そして、ICカードが所定の位置まで搬送されると、シャッタ8を閉鎖する(ステップS12)。この場合、シャッタ8は、上記ステップS10の処理によって開放された状態にあり(図10(b)参照)、この状態から、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、図10(a)に示す基準位置に戻す。駆動モータ60の停止制御については、基準位置検出センサ65でカムギヤ61の基準位置を検知することで正確に制御することが可能である。これにより、図10(a)で示すように、シャッタ8が閉じ、カードを誤挿入することが防止される(ステップS12)。
【0069】
上記したようにICカードが所定の位置に搬送され、かつシャッタ8が閉じた状態でリーダライタ(RFIDアンテナ)30が駆動され、ICカードに対して情報の読み取り/書き込み処理が実行され(ステップS13)、処理が終了する。なお、以上の処理が終了した段階では、例えば、ICカードを挿入したまま、利用者は遊技機において遊技を実行している状態となる。
【0070】
一方、上述したステップS8の処理において、挿入されたカードが磁気カードであると判断した場合、磁気読取完了センサ13がカードを検出した段階で(ステップS14)、磁気ヘッド(リーダライタ)12の読み取り処理を終了する(ステップS15)。この場合、磁気カードは、シャッタ8が閉じていることによって(図10(a)参照)、挿入位置が規制されており、利用者は、さらに内部に差し込むことはできない。そして、利用者が遊技を終了すると、そのままカードは利用者によって引き抜かれる。この場合、磁気ヘッド12によって、情報の書き換え処理を実行しても良い。
【0071】
図13は、上記したステップS13の終了後、挿入されているICカードを利用者に返却する処理動作(カード繰出処理Aと称する;前記ステップS13の続きの処理となる)を示している。この場合、挿入されているICカードには、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって新たな情報の書き換え処理を実行しても良い。
【0072】
ICカードを返却する場合、上記したステップS12によって、シャッタ8は、図10(a)に示す基準位置にあり、閉じた状態にあるため、最初にシャッタ8を駆動してシャッタ8を開く(ステップS21)。これは、上記したステップS10と同様、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させることでシャッタ8が開き、カードロック状態が解除される。
【0073】
引き続き、駆動モータ20を所定量駆動し、ICカードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS22)。そして、その後、カード搬送路上に、カードが残留していないか否かを検出するために、上述したカード検出処理が実行される(ステップS23)。なお、ここでのカード検出処理は、図16で示す処理の内、ステップS61の処理を除く処理が該当し、カード位置検出センサ13,32及びRFIDアンテナ30のいずれかの位置でカードの存在を検出しているか否かが判断される。この処理において、カードの存在が確認されれば、カードを挿入口2a側に搬送処理したにもかかわらず、そのままカードが残留していることから、何らかのトラブルが生じたものとしてエラー信号が生成される(ステップS68)。
【0074】
そして、挿入検出センサ10がカードを検出したか否かを判断し(ステップS24)、遊技者が挿入口2aから突出したICカードを引抜いて、挿入検出センサ10がICカード未検出となった段階で(ステップS24;No)、再びシャッタ8を閉鎖する(ステップS25)。これは、上記したステップS12と同様、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、図10(b)に示す状態から図10(a)に示す基準位置に戻すことでなされる。
【0075】
なお、挿入検出センサ10が、ICカード検出状態で所定時間を経過した場合、カードの取り忘れ、又はカードの排出が実行されないことから、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信し、処理を中止する(ステップ24;Yes、ステップ26;Yes、ステップS27)。この場合、上位装置300は、ランプ、アラームなどで警告するようにしても良い。
【0076】
図14は、カード収納部5に収納されているカードを利用者に発行する処理動作(カード繰出処理Bと称する)を示している。この場合、カード収納部5から繰り出されるICカードには、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって情報の書き込み処理が実行され、利用者に発行される。
【0077】
ICカードを発行する場合、最初に押圧部50を駆動し、押圧状態を解除する(ステップS31)。上記したように、シャッタ8及び押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあり、押圧部50は、最も下のカードを押圧している状態にあるため、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させることで押圧部は、図10(c)に示すように、下方向に移動し、カード収納部5に収納されているカードは非押圧状態となる。これにより、最も下のカードは、駆動ローラ24に当接した状態となる。
【0078】
この状態で駆動モータ20を駆動し、ICカードを挿入口2a側の所定の位置へ搬送する(ステップS32)。この所定の位置は、リーダライタ(RFIDアンテナ)30に対応する位置であり、駆動モータ20の駆動の停止制御については、駆動モータ20の回転量を検知して停止しても良いし、カード位置検出センサ32によるカード検知信号に基づいて停止しても良い。なお、ステップS32の処理において、カード収納部5から繰り出されるICカードをリーダライタによる書き込み位置へ搬送する場合の搬送停止の条件(駆動モータの停止条件)については、例えば、ICカードの後端がカード位置検出センサ32を通過(未検出になった)ときに設定される。この場合、ICカードの搬送動作を開始してから所定時間経過しても、カード位置検出センサ32が未検出にならないときは、搬送エラーが発生したと判断し、駆動モータを逆転駆動して、ICカードを一度カード収納部5へ戻した後、再度、所定の位置への搬送をするように制御しても良い。或いは、RFIDアンテナ30を、ICカードの存在の検出(ICカードの監視)に利用すれば、上記した所定時間の経過を待たなくても、例えば、ICカードを、駆動モータでNステップ搬送して先にRFIDアンテナ30でICカードが検出できなければ、搬送エラーが生じていると判断することも可能である。このように、ICカードを搬送しているときは、常に複数のセンサによってICカードの存在有無を検出することが可能となる。
【0079】
ICカードが所定の位置に搬送されると、駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させ、押圧部50を、図10(a)に示す基準位置に戻す。すなわち、駆動モータ60の駆動により、押圧部50は上方向に駆動され、カード収納部5に収納されているカードを押圧状態とする(S33)。なお、駆動モータ60の停止制御については、基準位置検出センサ65でカムギヤ61の基準位置を検知することで正確に制御することが可能である。
【0080】
そして、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって情報の書き込み処理が実行され(ステップS34)、その後、図13に示したカード繰出処理Aの動作手順に従い、利用者に対してICカードの発行処理が成される(ステップS35)。
【0081】
図15は、図12に示すステップS13の終了後、挿入されているICカードをカード収納部5に収納する処理動作を示している。
【0082】
収納処理では、最初に駆動モータ20を駆動し、ICカードをカード収納部5側に搬送する(ステップS41)。このとき、押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあることから、ICカードは、ケーシング5Aの開口41を介して最も下にあるカードの下に差し込まれる。駆動モータ20は、所定の回転量に基づいて一旦停止され、ICカードは、上昇している押圧部50の手前で停止した状態となる。
【0083】
そして、この状態で駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、押圧部を図10(c)に示す下方向に移動させる(ステップS42)。これにより、カード収納部に搬入されたICカードは、駆動ローラ24に当接して更に内部に搬入できる状態となる。
【0084】
その後、再び駆動モータ20を所定量駆動し、ICカードを、カード収納部の内部の所定位置(スタック位置)まで搬送する(ステップS43)。引き続き、カード搬送路上に、カードが残留していないか否かを検出するために、上述したカード検出処理が実行される(ステップS44)。すなわち、この処理でカードの存在が確認されれば、それは、カード収納部5にカードを搬送処理したにもかかわらず、そのままカードが残留していることから、何らかのトラブルが生じたものとしてエラー信号が生成される(ステップS68)。
【0085】
そして、ICカードが所定の位置まで搬送された後、駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させ、押圧部50を、図10(a)に示す基準位置に戻す(ステップS45)。これにより、押圧部50は上方向に駆動され、新たに収納されたICカードを押圧し、収納動作が終了する。なお、ステップS45の終了の後、収納部検出センサ35が、可動部材53を検出しなければ、上述したように、カード収納部5に、カードが満杯状態になったことから、満杯信号をCPUに送信する(ステップS46;No、ステップS47)。
【0086】
以上、上述した実施形態の構成によれば、カード処理装置を起動した際、或いは、カード処理装置が停電などによってダウンした後にイニシャライズする際、カード搬送路に沿って配置された検出センサ10,13,32がカードの存在を検出し、更には、カードの読み取り処理を行う読取部(RFIDアンテナ)30でもカードが存在するか否かの検出処理を行うため、カード搬送路6におけるセンサの設置個数を減らすことが可能となり、装置コストの低減が図れるようになる。また、上記したカード収納部5からの繰り出し処理工程で説明したように、RFIDアンテナ30は、例えば、通常のICカードの搬送動作におけるタイムアウト時間の監視等にも利用することが可能であり、よりキメの細かい搬送制御を実現することが可能である。
【0087】
また、上記した実施形態では、図12のステップS1,S2の処理のように、挿入口2aからカードが挿入される前に、カード検出処理を行うため、誤ってカードを二重挿入することがなくなり、搬送トラブルやカードの詰まりなどを確実に防止することが可能となる。
【0088】
また、上述したカード検出処理では、図16に示したように、検出センサ10,13,32、及び読取部(RFIDアンテナ)30において、カードが存在することを検出した場合、駆動モータを駆動してカードを挿入口側に搬送した後、再度、カード検出処理を行うようにしているので、例えば、搬送ローラ部分でスリップ等が生じて搬送機構でカードを搬送できないような現象が生じても、そのような状態になっていることを確実に把握することが可能となる。また、残留しているカードをカード挿入口2a側に搬送するため、カード処理装置が停電などによってダウンした後にイニシャライズする際、確実にカードが排出されることから、新たなカードを挿入して適切な処理を行える状態にすることが可能となる。
【0089】
さらに、上述した実施形態では、カード処理をしている際に、適宜、カードの検出処理を実行しているため(ステップS23,S44)、カード処理中において、カードが、カード搬送路に残留することが確実に防止される。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、搬送路に存在するカードを、搬送路に配置されている検出センサ、及びカード情報を読み取る読取部で検出するように構成されていれば良く、検出センサの設置個数や検出方法など、限定されることはない。また、読取部は、カードに記録されている情報を読み取るものであれば良く、磁気によるリーダライタ、或いは情報を読み取るセンサ(ラインセンサなど)であっても良い。
【0091】
また、上記した実施形態では、複数種類のカード(磁気カード、ICカード)を処理できるように構成されていたが、単一の種類のカードを処理するような装置であっても良い。例えば、図1に示す構成において、磁気ヘッド部分を削除することで、ICカードを処理する装置として構成することも可能である。この場合、上記した磁気読取完了センサ13が、カードの挿入を検知し、かつカードの残留を検知するセンサ(カード位置検出センサ)としての機能を有することとなる。さらに、上述した実施形態では、紙葉類としてカードを例示して説明したが、紙幣など、各種の紙葉類を処理する装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 カード処理装置(紙葉類処理装置)
2a 挿入口
5 カード収納部
6 カード搬送路
10 挿入検出センサ(カード位置検出センサ)
13 磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)
32 カード位置検出センサ
30 RFIDアンテナ(読取部)
C カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣、カード状の情報記録媒体、バーコードのような情報を記録した紙(以下、これらを総称して紙葉類とする)を処理する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、遊技場やカジノ等では、カード状の記録媒体(磁気カード、ICカード等)に対して、利用者の個人情報や遊技情報など、各種の情報の書込み、或いは、記録されている情報を読み取るカード処理装置(カードリーダライタとも称する)を設置することがある。そして、このようなカード処理装置では、内部に挿入されたカードの存在を把握しておく必要がある。これは、カード処理装置が何らかの要因(停電や故障など)でダウンした場合、復旧時(イニシャライズした際)にカードの存在が把握できないと、カード処理装置の管理者は、復旧時にカード処理装置を開放して、カードの存在の確認作業を行う必要があるためである。
【0003】
このため、例えば、特許文献1には、復旧処理時に、搬送路上にカードが存在しているか否かを、センサを用いて確認する処理を実行するカード処理装置が開示されている。このようなカード処理装置によれば、カード処理装置がダウンした後、復旧に際して管理者は、搬送路上にカードが存在しているか否かの確認作業をする必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−128912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カード処理装置が上記したようにダウンした際、確実にカードの存在を把握するためには、センサの設置個数を増やす必要があるが、搬送路に存在するカードを検出するための部品点数が増加してしまい、コストアップに繋がってしまう。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、搬送路に存在する紙葉類を検出するための部品点数を削減し、コストの低減が図れる紙葉類処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、紙葉類が挿入される挿入口と、前記挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、前記搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサと、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部と、を有する紙葉類処理装置において、前記センサの検出結果と、前記読取部の読み取り結果とに基づいて、前記搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有することを特徴とする。
【0008】
上記した構成の紙葉類処理装置においては、例えば、装置がダウンした後、センサが紙葉類の存在を検出し、紙葉類の読み取り処理を行う読取部でも紙葉類が存在するか否かの検出処理を行うため、搬送路におけるセンサの設置個数を減らして、装置コストの低減が図れる。
【0009】
また、請求項2に係る発明においては、前記制御部は、前記挿入口から紙葉類が挿入される前に前記紙葉類検出処理を行うことを特徴とする。
【0010】
上記した構成では、紙葉類挿入前に紙葉類検出処理を行うため、二重挿入することがなくなり、搬送トラブルや紙葉類の詰まり等を確実に防止することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る発明においては、前記搬送路で紙葉類を搬送移動させる搬送機構を有し、前記制御部は、前記紙葉類検出処理によって紙葉類が検出された場合、前記搬送機構によって紙葉類を搬送した後、再度紙葉類検出処理を行うことを特徴とする。
【0012】
上記した構成では、搬送機構によって紙葉類の搬送をした後、再度紙葉類検出処理を行うため、例えば、スリップ等が生じて搬送機構で紙葉類を搬送できないような現象が生じても、そのような状態になっていることを確実に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送路に存在する紙葉類を検出するための部品点数を削減し、コストの低減が図れる紙葉類処理装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る紙葉類処理装置の一例(カード処理装置)を示す図であり、全体構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すカード処理装置において、カード収納部を開放した状態を示す斜視図。
【図3】図2に示すカード処理装置を反対側から見た図。
【図4】図2に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図。
【図5】図3に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図。
【図6】図1に示すカード処理装置を側面から見た斜視図。
【図7】カード収納部の概略構成を示す側面図であり、(a)はカードが少ない状態を示す図、(b)はカードが満杯になった状態を示す図、(c)はカード収納部を構成するケーシングを開いた状態を示す図。
【図8】シャッタと押圧部を個別駆動する駆動機構の概略構成を示す図。
【図9】駆動機構を構成するギヤを示しており、(a)は一側面側を示す図、(b)は他側面側を示す図。
【図10】シャッタと押圧部の個別駆動態様を示す図であり、(a)は基準位置を示す図、(b)はシャッタのみを駆動した状態を示す図、(c)は押圧部のみを駆動した状態を示す図。
【図11】カード処理装置の動作を制御する制御部の構成例を示すブロック図。
【図12】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その1)。
【図13】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その2)。
【図14】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その3)。
【図15】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その4)。
【図16】カード処理装置の制御動作を示すフローチャート(その5)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る紙葉類処理装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態における紙葉類処理装置は、例えば、ホテルやカジノのような遊技場などに設置される各種の遊技機に関連して設置することが可能となっており、利用者が所有するカード状の記録媒体(以下、カードと称する)を処理する装置(以下、カード処理装置とする)として構成されている。この場合、本実施形態のカード処理装置は、利用者によって挿入されたカードに記録されている情報の読み取り/書き換え、更には、必要に応じて回収/発行可能に構成されている。また、本実施形態のカード処理装置は、複数種類のカード(磁気カード、ICカード、IC/磁気カード)が処理できるように構成されている。
【0016】
最初に図1から図6を参照して、本実施形態に係るカード処理装置の全体構成について説明する。
これらの図において、図1は、カード処理装置を示す図であり、全体構成を示す斜視図、図2は、図1に示すカード処理装置において、カード収納部を開放した状態を示す斜視図、図3は、図2に示すカード処理装置を反対側から見た図、図4は、図2に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図、図5は、図3に示すカード処理装置の主要部を分解して示す斜視図、そして、図6は、図1に示すカード処理装置を側面から見た斜視図である。
【0017】
カード処理装置1は、各種部材が組み付けられるフレーム1Bを具備するベース1Aを有しており、図示されていない遊技機に関連して設置されると、フレーム1Bに一体形成された前面2が露出する形態となっている。前面2には、カードの挿入、排出が可能な挿入口2aが形成されており、利用者は、所有するカード(磁気カード、ICカード、IC/磁気カード)Cを挿入し、遊技が終了した段階で、カードCは利用者に返却されるか、回収される(本実施形態では、回収されるのは、ICカード、及びIC/磁気カードとされている)。このため、フレーム1Bには、利用者から挿入されたカードを回収して収納することが可能なカード収納部5が設けられている。なお、前記挿入口2aは、反ったカードも対応できるように、中央部分が上下方向に広く開口した湾曲形状にしておくことが望ましい。また、前記カード収納部5に収納されているカードについては、新たな情報を記録して利用者に発行することが可能となっている。
【0018】
前記カードCには、例えば、利用者に関する情報(ID情報)や、遊技価値に関する情報(金額情報)などが記録されており、内部に設置されているリーダライタ(読取部)によって、各種情報の読取り、或いは、書換えが行われる。なお、このような情報は、図示されていない外部装置によって管理され、利用者は、カードに記載された金額情報の範囲内で各種の遊技媒体の貸し出し処理を受けて遊技を行うことができる。また、利用者の遊技情報については、例えば、トラッキング情報としても管理することが可能であり、金額情報については、遊技場以外で利用したり、別途、金額価値に換算できるポイント情報等を付与することも可能である。
【0019】
前記フレーム1Bには、カードを挿入した方向にそのまま搬送可能なカード搬送路6が設けられている。この場合、本実施形態では、挿入されるカードが、磁気カードの場合とICカード(磁気/ICカードを含む)の場合とで、搬送処理が異なるように構成されている。具体的には、挿入されたカードが磁気カードであれば、利用者がカードを挿入すると、所定の位置(カードの後端側が挿入口2aから突出する位置)で挿入が停止されるようになっている。すなわち、磁気カードの場合、装置内部に搬送されることはなく、所定の位置で挿入を停止させ、その位置で情報の読み取り処理(場合によっては、書き換え処理)が成されるように構成されている。
【0020】
このため、カード搬送路6には、挿入されたカードの後端側が挿入口2aから突出する位置で停止させるシャッタ8が設置されており、このシャッタ8は、挿入されるカードの種別に応じて開閉駆動されるようになっている。なお、シャッタ8の具体的な構成、及び開閉駆動の方法については後述する。
【0021】
前記カード搬送路6には、シャッタ8が設置される位置よりも挿入口2a側に、カードの挿入を検知する挿入検出センサ10が配置されている(図6参照)。また、挿入検出センサ10と対向する位置、具体的には、挿入される磁気カードに形成されている磁気情報記録領域(搬送方向に沿って帯状に形成されている)に対応して、磁気情報の読み取り/書き換え処理が可能なリーダライタ(磁気ヘッド)12が設置されている(図3参照)。さらに、シャッタ8が設置される直前位置には、前記磁気ヘッド12によって磁気情報の読み取りの完了を検知する磁気読取完了センサ13が配置されている(図6参照)。この磁気読取完了センサ13は、磁気情報がカードに帯状に添付された磁気シールに記録されていることから、カードを挿入して磁気シールを読み取った位置に応じて配置されている。すなわち、磁気読取完了センサ13が挿入されたカードの先端位置を検知することにより、磁気情報の読み取り終了の信号を生成する。なお、前記挿入検出センサ10、及び磁気読取完了センサ13は、上記した検知処理以外にも、後述するように、カード搬送路6にカードが存在するか否かを検出するカード位置検出センサとしての機能を備えている。
【0022】
前記シャッタ8よりも下流側には、カードの搬送が可能なカード搬送機構15が設置されている。本実施形態のカード搬送機構15は、挿入口2aから挿入されたカードを、挿入方向に沿って搬送可能であると共に、装置本体の内部に位置するカードを挿入口2a側に向けて搬送可能に構成されている。搬送機構15は、フレーム1Bに設置された駆動源である駆動モータ20と、この駆動モータ20によって回転駆動され、カードを搬送可能な複数の駆動ローラ22,23,24を備えている。この場合、駆動ローラ22,23は、前記カード収納部5よりも上流側に設置されており、駆動ローラ24は、カード収納部5の内部に配置されている。
【0023】
前記各駆動ローラ22,23,24は、それぞれフレーム1Bを横架して回転可能に支持される駆動軸22a,23a,24aの中央位置に取り付けられており、駆動軸24aは、その端部に固定されたギヤ24cが、駆動モータ20の出力軸に固定された出力ギヤ20aと噛合することで回転駆動される。また、前記駆動軸24aには、反対側の端部にプーリまたはタイミングプーリ(以下、プーリと称する)24dが設けられており、このプーリ24dは、前記駆動軸22a,23aの端部に設けられたプーリまたはタイミングプーリ22d,23dとの間で搬送ベルト25を介して連結されている。これにより、各駆動ローラ22,23,24は、駆動モータ20の回転駆動によって同期駆動可能となっている。なお、搬送ベルト25は、図に示すように、必要に応じてテンションローラに巻回し、弛緩しないように構成されていても良い。
【0024】
また、前記駆動ローラ22,23,24には、それぞれピンチローラ22p,23p,24pが対向して配置されており、挿入口2aに挿入されたカードは、各駆動ローラとピンチローラとの間のニップ部を介して搬送されて行く。各ピンチローラは、フレーム1Bに回転可能に支持された支軸22f,23f、及びカード収納部5(ケーシング5A)内に回転可能に支持された支軸24fに固定されている。なお、ケーシング5Aに設けられるピンチローラ24pについては、後述するように積層収納されるカードの内、最上のカードに当て付いて付勢力を付与する押圧ローラとしての機能を備えている。
【0025】
前記フレーム1B内には、駆動ローラ22,23が配設される位置の中間部に、挿入されたICカードに埋設されているICチップに対して情報の読み取り/書き換え処理が可能なICリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30が設置されている。この場合、挿入されたICカードは、後端側で駆動ローラ22とピンチローラ22pで挟持された状態、及び、前端側で駆動ローラ23とピンチローラ23pで挟持された状態で一旦停止され、この停止状態で、ICリーダライタ30は、情報の読み取り/書き換え処理を行う。また、前記カード搬送路6には、カード収納部5が設置される手前に、カード位置を検出するカード位置検出センサ32が配置されている(図6参照)。
【0026】
なお、本実施形態の構成では、上記した磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)13、及びカード位置検出センサ32は、取り扱われるカードの搬送方向長さよりも長い間隔で設置されている。そして、上記したICリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30は、各センサ13,32の間に設置されており、上記したセンサ10,13,32がカードの位置を検出できなくても、ICリーダライタ30からカード情報を取得する(カードのID情報を読み取る)ことで、カードの存在を確認できるように構成されている。すなわち、後述する制御部において、所定の制御動作を実施している際に、ICリーダライタ30からカードのID情報を取得するように設定することで、カード位置を検出するセンサの設置個数を減らすことが可能となる。
【0027】
次に、カードを収納するカード収納部5の構成、及びそれに関連する部材について説明する。
カード収納部5は、挿入されるカードを積層して収納する略立方体形状のケーシング5Aを備えている。このケーシング5Aは、後端側に支軸40を保持しており、支軸40がフレーム1Bに回転可能に支持されることで、図1及び図2に示すように、フレーム1Bに対して回動可能となっている。なお、図1は閉鎖状態(ロック状態)を示しており、図2は開放状態を示している。
【0028】
前記ケーシング5Aの前端面の下部には、カードが搬入可能となるように、カード形状に対応する開口41が形成されており、ここから搬入されるカードは、ケーシング内で次第に積み上げられて積層されるようになっている。なお、ケーシング5Aに搬入されるカード、及びケーシング5A内に収納されているカードの搬送については、前記駆動ローラ24によって成される。
【0029】
本実施形態では、ケーシング5A内に搬入されるカードを、下から順に積み上げて行くうように構成されており、前記ピンチローラ24pは、積層されて行くカードの内、最上のカードに当て付いて、積層されるカードを駆動ローラ24側に向けて付勢する機能を有している。具体的には、前記支軸24fの両端は、ケーシング5Aの両側面に積層方向に沿って形成された長孔42から突出して、この突出部分で保持部24hによって抜け止め保持されており、支軸24fは、長孔42に沿って上下方向にスライド可能に支持されている。そして、ケーシング5Aには、支軸24を、常時、下方側(積層されるカード側)に向けて付勢する付勢手段が設けられている。この場合、付勢手段は、ケーシング5Aの両側面の下部に水平方向に沿って張設された付勢バネ45によって構成されており、この付勢バネ45が前記保持部24hの上部側に当て付くように当接することで、支軸24f(ピンチローラ24p)を、常時下方側に向けて付勢している。すなわち、付勢バネ45は、ケーシング5Aの両側面に、水平方向に所定間隔をおいて突設された突起45a(図4参照)に両端が保持されており、その中央付近で保持部24hに当接することで、支軸24fを常時下方に向けて付勢している。
【0030】
また、ケーシング5A内には、積層されるカードの内、最も下のカードを上方に向けて押圧する押圧部50が配設されている。この押圧部50は、前記駆動ローラ24の駆動軸24aの上流側に、駆動軸に沿って所定間隔おいて2箇所設けられており、2箇所設けられている押圧部50の中間位置に前記駆動ローラ24及びピンチローラ(押圧ローラ)24pが配設された状態となっている。
【0031】
前記押圧部50は、ピンチローラ24pによって付勢されている積層カードに対し、付勢力に抗して押圧力を作用させる位置と、押圧力を作用させない位置との間で、積層方向に沿って駆動されるようになっている。この場合、押圧部50が押圧力を作用させる位置に駆動されると、前記ケーシング5Aに形成されている開口41を介して内部に搬入されたカードは、押圧部50によって停止され、積層されているカードの最下端に差し込まれた状態となる。また、押圧部50が押圧力を作用させない位置に駆動されると、積層されているカードは、前記ピンチローラ24pによって付勢され、最も下にあるカードの両サイドが前記ケーシングの開口部分に長手方向に沿って形成されている左右一対のフランジ41aに当て付けられた状態となる(この状態において、最も下のカードは、駆動ローラ24に当て付くように設定されており、駆動ローラ24が駆動されることで、収納されているカードの発行処理が可能となる)。なお、押圧部50の構成、及び駆動方法については後述する。
【0032】
前記カード収納部5内には、カード収納部に収納されているカードが満杯になったことを検知でき、かつ、カード収納部5がフレーム1Bに対してロックされていない(開いている状態)ことを検知する収納部検出センサ35が配置されている。また、カード収納部5内には、カード収納部5内のカードが空になったことを検知するエンプティセンサ36が配置されている。
【0033】
ここで、前記収納部検出センサ35によって、カードの満杯状態を検知し、かつカード収納部5が開いた状態を検知させるための具体的な構成、及び動作について説明する。なお、動作については、図7(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0034】
前記収納部検出センサ35は、フォトセンサによって構成されており、凹状に構成された受発光部35aに対して、後述する可動部材が移動することで検知信号を生成する構成となっている。前記ケーシング5Aの一方の側面の上部には、略T字形状の可動部材53が支点53Aを中心に回動可能に支持されている。可動部材53は、挿入口側に向けて延出する当接部53aを備えており、この当接部53aには、上述した保持部24h(付勢バネ45)が上昇した際に当接するようになっている。この場合、保持部24hが当接するのは、ケーシング5A内にカードが積み上がって行き(これに伴い支軸24fも上昇する)、最終的にカードが略満杯状態となったときに設定されている(図7(a)及び(b)参照)。
【0035】
また、可動部材53は、ケーシング5Aの上面側に屈曲する屈曲部53bを備えており(図5参照)、この屈曲部53bとケーシング5Aとの間には、引張バネ55が配設されている。これにより、可動部材53は、支点53Aを中心として、図7(a)に示す状態で、常時時計回り方向に付勢されている。さらに、可動部材53は、下方に向けて延出する延出部53cを備えており、その先端には、ケーシング内部に向けてL字型に屈曲された屈曲部53dが形成されている。なお、この屈曲部53dは、図7(a)に示す状態で、上記した受発光部35a内に位置するように配置されている。
【0036】
上記した構成において、ケーシング5A内に、カードが一杯に収納されていない状態では、可動部材53は、図7(a)に示す状態にあり、屈曲部53dは受発光部35a内に位置して満杯状態を検知する検知信号を生成することはない。そして、ケーシング5A内に、カードが一杯に収納されてくると、保持部24h(付勢バネ45)が当接部53aに当接し、カードが満杯になった状態で、可動部材53を、支点53Aを中心に反時計回り方向に回動させる(図7(b)参照)。このとき、屈曲部53dも一体的に回動して受発光部35a内から挿入口側にシフトして外れるため、この状態(満杯状態)を検知する検知信号が生成される。一方、このような満杯状態に関係なく、ケーシング5Aが、図7(c)に示すように、支軸40を中心として開放される(ロック解除される)と、上記した可動部材53も一体的に回動されることから、その屈曲部53dも一体的に回動して受発光部35a内から外れ、この状態(ケーシングの開放状態)を検知する検知信号が生成される。
【0037】
以上のように、収納部検出センサ35は、単一の構成で、カード収納部5に収納されているカードが満杯になったこと、及び、カード収納部5がフレーム1Bに対してロックされていない(閉じていない)ことを検知することが可能となっている。
【0038】
次に、図4,図5及び図8から図10を参照して、上述したシャッタ8の具体的な構成、及びシャッタの開閉駆動の方法、並びに、上述した押圧部50の具体的な構成、及び押圧部の駆動方法について説明する。
【0039】
前記シャッタ8及び押圧部50は、同一の駆動源によって駆動されるように構成されており、本実施形態では、フレーム1Bに支持された駆動モータ60の回転駆動によって駆動制御されるようになっている。すなわち、前記駆動モータ60の出力ギヤ60aには、フレーム1Bに回転可能に支持されたカムギヤ61が噛合しており、このカムギヤ61を回転駆動することで、上記したシャッタ8及び押圧部50が駆動される。
【0040】
前記シャッタ8は、図4及び図5に示すように、フレーム1Bに支持された支軸8Aに回動可能に設けられている。シャッタ8は、板状のプレート8aを所定の形状に屈曲することで形成されており、実際に挿入されたカードが当て付いて停止される一対の停止部8bと、一端側において支軸8Aから下方に垂下する係合部8cとを備えている。この場合、シャッタ8と支軸8Aとの間には、支軸8Aに巻回された回動付勢バネ62が配設されており、シャッタ8を、常時、閉じる方向(カードの挿入を阻止する方向)に付勢している。また、この回動付勢バネ62によって、シャッタ8は、支軸8Aに対して多少の遊度をもって回動可能に支持されている。すなわち、このようにシャッタ8の回動に多少の遊度を持たせることで、カードが何等かの原因でシャッタ8の部分で停止しても、カードを傷付けることなく引き抜くことが可能になるとともに、機構部の破損を未然に防ぐことが可能となる。
【0041】
前記シャッタ8とカムギヤ61との間には、カード搬送路6に沿って延出するリンク部材63が配置されている。このリンク部材63には、一端側に、カムギヤ61の一側面(図9(b)参照)に形成されているカム溝61Aに係合する係合部63aが形成されており、他端側に、シャッタ8の係合部8cが当て付く当接部63bが形成されている。また、リンク部材63には、延出方向に沿って長孔63c,63dが形成されており、この部分に、フレーム1Bに突設されたピン1d,1eが配されることで、リンク部材63は、延出方向に沿ってスライドできるように構成されている。
【0042】
なお、リンク部材63は、図5、図10(a)に示すシャッタ8の閉じ状態(この状態を、カードの挿入を阻止する基準位置と称する)において、D1方向にスライドすると、当接部63bが係合部8cを押圧し、シャッタ8を、支軸8Aを中心にして開く方向に回動させる。また、この状態でリンク部材63がD2方向にスライドすると、シャッタ8は、回動付勢バネ62の付勢力によって係合部8cが当接部63bに当て付くまで回動し、再び基準位置に戻る。
【0043】
前記押圧部50は、図4及び図5に示すように、フレーム1Bに支持された支軸50Aに回動可能に設けられている。この場合、押圧部50は、板状のプレート50aを所定の形状に屈曲し、支軸50Aを中心として、後方側(挿入口と反対方向)に向けて屈曲させた一対の延出部50bの先端に、上方に向けて突出するように配設されている。また、プレート50aには、挿入口側に向けて屈曲したリンク部50cが形成されており、このリンク部50cの先端には、カムギヤ61に形成されているカム溝61Aに係合する係合部50dが形成されている。
【0044】
前記カムギヤ61の一側面に形成されているカム溝61Aは、図9(b)に示すような形状となっており、このカム溝61Aに、前記したリンク部材63の係合部63aが係合し、かつ押圧部50と一体化されているリンク部50cの係合部50dが係合している。この場合、カム溝61Aは、シャッタ8及び押圧部50の一方が動作中に、他方の動作を停止させる形状を備えている。具体的には、シャッタ8を駆動するための係合部63aと、押圧部50を駆動するための係合部50dは、リング状に形成されたカム溝61Aに対して90°の位相差で係合しており、そのカム形状は、カムギヤ61が回転することで、リンク部材63を単独で水平方向に往復動させ、リンク部50cを、それと直交する方向である上下方向に単独で往復動させるようにしている。なお、リンク部50cが上下方向に往復動すると、プレート50aは、支軸50Aを中心にして回動することから、前記押圧部50は、これに伴い上下方向に往復動する。
【0045】
前記カムギヤ61は、基準位置を中心として、±90°回転駆動するように制御され、カムギヤ61に形成されているカム溝61Aは、カムギヤ61の回転に伴い、基準位置、+90°回転した位置、及び−90°回転した3つの位置で、シャッタ8、及び押圧部50を、それぞれ異なる位置となるように駆動制御する。なお、カムギヤ61の他側面には、図9(a)に示すように、一部に切欠部(検知部を構成する)61Cを有するリング61Bが設けられており、フレーム1Bに設置された基準位置検出センサ65の受発光部65aがこの切欠部61Cを検知することで、基準位置を検出するようにしている。
【0046】
ここで、図10を参照して、カムギヤ61が基準位置を中心として、±90°回転駆動された際の上記3つの位置の関係(カム溝61Aの形状)について説明する。
【0047】
図10(a)は基準位置を示している。この状態で、シャッタ8は閉じ位置にあり、かつ押圧部50は、押圧位置(カード収納部5に収納されている最も下のカードに当接し、付勢力に抗してカードを押し上げている状態)にある。
【0048】
図10(a)に示す状態から駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転すると、カム溝61Aは、係合部63aを介してリンク部材63をD1方向に牽引すると共に、係合部50dについては、上下動させることなくそのままの位置で保持する形状となっている(図10(b)及び図8参照)。この場合、リンク部材63がD1方向にスライドすることで、図5に示したように、シャッタ8は、上述した係合関係により、回動付勢バネ62の付勢力に抗して回動され、シャッタ8は開く。すなわち、カムギヤ61をR1方向に90°回転することで、シャッタ8は駆動されて開き、かつ押圧部50は駆動されることなく押圧状態のままとなる。
【0049】
また、図10(b)に示す状態において、再び、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転すると、リンク部材63がD2方向にスライドすることで、図5に示したように、シャッタ8は、上述した係合関係により、回動付勢バネ62の付勢力によって回動され、図10(a)に示す基準位置に戻りシャッタ8は閉じる。なお、押圧部50は駆動されることなく押圧状態のままである。
【0050】
図10(a)に示す状態から駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転すると、カム溝61Aは、係合部63aを牽引することなくそのままの位置で保持すると共に、係合部50dについては、上方に移動させる形状となっている(図10(c)参照)。この場合、係合部50dが上方に移動することで、プレート50aは、支軸50Aを中心にして時計回り方向に回動し、前記押圧部50は、これに伴い下方向に移動して、カード収納部5に収納されているカードは非押圧状態となる。これにより、最も下のカードは、駆動ローラ24に当接した状態となる。
【0051】
また、図10(c)に示す状態において、再び、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転すると、係合部50dが下方に移動することで、図10(a)に示す基準位置に戻り、押圧部50はカード収納部5に積層、収納されている最も下のカードを押圧する。なお、シャッタ8については駆動されることなく、閉じた状態のままである。
【0052】
図11は、上記したカード処理装置の基本動作を制御する制御部の構成を示した制御ブロック図である。
【0053】
カード処理装置1内には、上述した各駆動部材の動作を制御する制御回路基板100が設置されている。この制御回路基板100には、上述したカードの搬送を行う駆動モータ20、シャッタ8及び押圧部50を駆動する駆動モータ60、及び磁気カードに対して情報の読み取り/書き込みを行う磁気ヘッド(リーダライタ)12、ICカードに対して情報の読み取り/書き込みを行うリーダライタ(RFIDアンテナ;読取部)30の駆動を制御する機能を有するCPU102、上記した各種の駆動装置の作動プログラム等を格納したROM103、及び制御RAM105が実装されている。
【0054】
前記CPU102には、I/Oポート110を介して、上記した各装置を駆動する駆動回路が接続されており、各装置は、作動プログラムに従って、CPU102からの制御信号によりその駆動動作が制御される。また、CPU102には、I/Oポート110を介して、挿入検出センサ10からカードの挿入(排出)を検知する信号、磁気読取完了センサ13から磁気情報を読み取ったことを検知する信号、カード位置検出センサ32からカードの通過を検知する信号、収納部検出センサ35からカードの収納状態が満杯になったこと検知する信号(或いはカード収納部5が開放されたことを検知する信号)、エンプティセンサ36からカード収納部5にカードがなくなったことを検知する信号、そして、基準位置検出センサ65から基準位置を検知する信号が入力されるようになっており、これらの検知信号に基づいて、上述した駆動モータ20,60、及びリーダライタ12,30の駆動が制御されるようになっている。なお、CPU102は、I/Oポート110を介して、挿入検出センサ10、磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)13、カード位置検出センサ32、及びリーダライタ30からカード位置の存在(カードの残留)を確認する信号が入力され、カードが装置内に残留していることが検出された場合、後述するように、所定の処理を実行する。
【0055】
また、CPU102は、図示しない遊技機本体内に配設された遊技処理を実行する制御回路200に接続されており、遊技機側との間で、例えば遊技価値情報などのデータが送受信されるようになっている。
【0056】
さらに、上記した制御回路基板100のCPU102は、外部装置300との間でデータの送受信が可能となっており、例えば、リーダライタ12,30を介して取得された情報(利用者のID情報や決済情報等)を送信するようになっている。
【0057】
次に、上述したカード処理装置1の制御動作について、図12から図16のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは、カード処理装置1を起動(停電などによって装置が一旦ダウンした後、復旧作業時における再起動を含む)してからの動作について説明する。
【0058】
最初、駆動モータ20を所定量駆動し、カードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS1)。これは、装置を起動(再起動)した際、カードが、カード搬送路上に残留している可能性があるために行う処理である。次に、カード検出処理を行う(ステップS2)。このカード検出処理は、装置を起動(再起動)した際、カードが装置内に存在しているか否かを確実に検出するための処理であり、図16に示すような手順で実行される。なお、上述した各センサ10,13,32及びRFIDアンテナ30の設置間隔が、カードの搬送方向長さを確実に検出できれば、上記したステップS1の処理は省略しても良い。
【0059】
ここで、図16を参照して、カード検出処理について説明する。
上記したように、ステップS1においてカードの搬送処理を実施することで、カードが検出できない位置に存在していても、いずれかのセンサ10,13,32、或いはRFIDアンテナ30によってカードの存在(残留)を検出することが可能となる。
最初、挿入検出センサ10がカードを検出しているか否が判断され(ステップS61)、カードが検出できなければ(ステップS61;No)、カード位置検出センサ13,32がカードを検出しているか否が判断される(ステップS62)。そして、このステップS62において、カードが検出できなければ(ステップS62;No)、RFIDアンテナ30によってカードのIDの読み取り処理を行い(ステップS63)、カードのIDが読み取りできなければ(ステップS63;No)、装置内にカードが存在していないことから、後述する通常の制御動作(ステップS3以降の処理)を実行する。
【0060】
上記したステップS61,62,63の処理において、カードの存在を確認した場合、所定の回数(本実施形態では2回とする)を条件に、駆動モータ20を所定量駆動し、カードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS65;No、ステップS66)。すなわち、このように駆動モータ20を駆動することで、装置を起動(再起動)した際、装置内に存在しているカードを排出して、新たなカードを挿入することが可能となる。
【0061】
一方、上記したステップ61〜63の処理が3回目である場合(ステップS65;Yes)、エラー信号をCPUに送信し(ステップS68)、以後のカード処理を実行しないようにしている。すなわち、このような状況では、排出処理を実行したにもかかわらず、カードが装置内に存在しており、何らかのトラブル(搬送ローラ部分でスリップしていたり、搬送トラブルが生じている等)でカードが搬送できないことから、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信するようにしている。
【0062】
なお、上記したステップS65,66の処理を行うことなく、カードの存在を確認した時点で直ちにエラー信号をCPUに送信処理するようにしても良い。
【0063】
上記したステップS61,62,63の処理において、カードの存在が確認できなければ、引き続き、図12のステップS3以降の処理が行われる。
ステップS3以降の処理では、まず、カード収納部5に配置されている収納部検出センサ35が、可動部材53を検出しているか否かを判断する(ステップS3)。これは図6及び図7(c)に示したように、カード収納部5のケーシング5Aが閉じているか否かを検出するものであり、ケーシング5Aが開いた状態にあると、可動部材53の屈曲部は、受発光部35aから外れることから、可動部材53を検出できない信号が生成され、エラー信号をCPUに送信し(ステップS3;No、ステップS4)、以後のカード処理を実行することはない。この場合、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信し、カード収納部5がロックされていないことを管理者に対して報知するようにしても良い。
【0064】
一方、ステップS3において、収納部検出センサ35が可動部材53を検出すれば(ステップS3;Yes)、その後、カードの処理が実行される。まず、挿入口2aからカードが挿入されることを挿入検出センサ10によって判断する(ステップS5)。挿入検出センサ10がカードの挿入を検出すると(ステップS5;Yes)、磁気ヘッド(リーダライタ)12によって、挿入されたカードの情報を読み取る(ステップS6)。この場合、利用者によって挿入されるカードには、磁気カード、及びICカード(IC/磁気カード)が存在し、挿入されたカードに磁気データが記録されていなければ、それはICカードとして処理を行う(ステップS7;No)。
【0065】
また、磁気データが記録されていた場合であっても、その読み取った磁気データについて、それがICカードであることを特定できるデータ(ICカード判断データ)が記録されていれば、それはICカードとして処理を行う(ステップS7;Yes、ステップS8;Yes)。
【0066】
上記したステップS7、及びステップS8の判断処理において、挿入されたカードがICカードであったことが判断されると、磁気ヘッド(リーダライタ)12の読み取り処理を終了し、シャッタ8の駆動処理(開放処理)を実行する(ステップS10)。上述したように、最初、シャッタ8及び押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあるため、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させる。この場合、基準位置については、基準位置検出センサ65で検知しているため、駆動モータ60の停止位置(回転数)については正確に制御することが可能である。これにより、図10(b)で示すように、シャッタ8が開き、カードロック状態が解除される(ステップS10)。
【0067】
引き続き、駆動モータ20を駆動し、ICカードを所定の位置、すなわち、リーダライタ(RFIDアンテナ)30の位置まで搬送する(ステップS11)。駆動モータ20の駆動の停止制御については、駆動モータ20の回転量を検知して停止制御しても良いし、カード位置検出センサ32によるカード検知信号に基づいて停止制御しても良い。
【0068】
そして、ICカードが所定の位置まで搬送されると、シャッタ8を閉鎖する(ステップS12)。この場合、シャッタ8は、上記ステップS10の処理によって開放された状態にあり(図10(b)参照)、この状態から、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、図10(a)に示す基準位置に戻す。駆動モータ60の停止制御については、基準位置検出センサ65でカムギヤ61の基準位置を検知することで正確に制御することが可能である。これにより、図10(a)で示すように、シャッタ8が閉じ、カードを誤挿入することが防止される(ステップS12)。
【0069】
上記したようにICカードが所定の位置に搬送され、かつシャッタ8が閉じた状態でリーダライタ(RFIDアンテナ)30が駆動され、ICカードに対して情報の読み取り/書き込み処理が実行され(ステップS13)、処理が終了する。なお、以上の処理が終了した段階では、例えば、ICカードを挿入したまま、利用者は遊技機において遊技を実行している状態となる。
【0070】
一方、上述したステップS8の処理において、挿入されたカードが磁気カードであると判断した場合、磁気読取完了センサ13がカードを検出した段階で(ステップS14)、磁気ヘッド(リーダライタ)12の読み取り処理を終了する(ステップS15)。この場合、磁気カードは、シャッタ8が閉じていることによって(図10(a)参照)、挿入位置が規制されており、利用者は、さらに内部に差し込むことはできない。そして、利用者が遊技を終了すると、そのままカードは利用者によって引き抜かれる。この場合、磁気ヘッド12によって、情報の書き換え処理を実行しても良い。
【0071】
図13は、上記したステップS13の終了後、挿入されているICカードを利用者に返却する処理動作(カード繰出処理Aと称する;前記ステップS13の続きの処理となる)を示している。この場合、挿入されているICカードには、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって新たな情報の書き換え処理を実行しても良い。
【0072】
ICカードを返却する場合、上記したステップS12によって、シャッタ8は、図10(a)に示す基準位置にあり、閉じた状態にあるため、最初にシャッタ8を駆動してシャッタ8を開く(ステップS21)。これは、上記したステップS10と同様、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させることでシャッタ8が開き、カードロック状態が解除される。
【0073】
引き続き、駆動モータ20を所定量駆動し、ICカードを挿入口2a側へ搬送する(ステップS22)。そして、その後、カード搬送路上に、カードが残留していないか否かを検出するために、上述したカード検出処理が実行される(ステップS23)。なお、ここでのカード検出処理は、図16で示す処理の内、ステップS61の処理を除く処理が該当し、カード位置検出センサ13,32及びRFIDアンテナ30のいずれかの位置でカードの存在を検出しているか否かが判断される。この処理において、カードの存在が確認されれば、カードを挿入口2a側に搬送処理したにもかかわらず、そのままカードが残留していることから、何らかのトラブルが生じたものとしてエラー信号が生成される(ステップS68)。
【0074】
そして、挿入検出センサ10がカードを検出したか否かを判断し(ステップS24)、遊技者が挿入口2aから突出したICカードを引抜いて、挿入検出センサ10がICカード未検出となった段階で(ステップS24;No)、再びシャッタ8を閉鎖する(ステップS25)。これは、上記したステップS12と同様、駆動モータ60を回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、図10(b)に示す状態から図10(a)に示す基準位置に戻すことでなされる。
【0075】
なお、挿入検出センサ10が、ICカード検出状態で所定時間を経過した場合、カードの取り忘れ、又はカードの排出が実行されないことから、例えば、外部装置300に対してエラー信号を送信し、処理を中止する(ステップ24;Yes、ステップ26;Yes、ステップS27)。この場合、上位装置300は、ランプ、アラームなどで警告するようにしても良い。
【0076】
図14は、カード収納部5に収納されているカードを利用者に発行する処理動作(カード繰出処理Bと称する)を示している。この場合、カード収納部5から繰り出されるICカードには、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって情報の書き込み処理が実行され、利用者に発行される。
【0077】
ICカードを発行する場合、最初に押圧部50を駆動し、押圧状態を解除する(ステップS31)。上記したように、シャッタ8及び押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあり、押圧部50は、最も下のカードを押圧している状態にあるため、図10(a)に示す状態から駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させることで押圧部は、図10(c)に示すように、下方向に移動し、カード収納部5に収納されているカードは非押圧状態となる。これにより、最も下のカードは、駆動ローラ24に当接した状態となる。
【0078】
この状態で駆動モータ20を駆動し、ICカードを挿入口2a側の所定の位置へ搬送する(ステップS32)。この所定の位置は、リーダライタ(RFIDアンテナ)30に対応する位置であり、駆動モータ20の駆動の停止制御については、駆動モータ20の回転量を検知して停止しても良いし、カード位置検出センサ32によるカード検知信号に基づいて停止しても良い。なお、ステップS32の処理において、カード収納部5から繰り出されるICカードをリーダライタによる書き込み位置へ搬送する場合の搬送停止の条件(駆動モータの停止条件)については、例えば、ICカードの後端がカード位置検出センサ32を通過(未検出になった)ときに設定される。この場合、ICカードの搬送動作を開始してから所定時間経過しても、カード位置検出センサ32が未検出にならないときは、搬送エラーが発生したと判断し、駆動モータを逆転駆動して、ICカードを一度カード収納部5へ戻した後、再度、所定の位置への搬送をするように制御しても良い。或いは、RFIDアンテナ30を、ICカードの存在の検出(ICカードの監視)に利用すれば、上記した所定時間の経過を待たなくても、例えば、ICカードを、駆動モータでNステップ搬送して先にRFIDアンテナ30でICカードが検出できなければ、搬送エラーが生じていると判断することも可能である。このように、ICカードを搬送しているときは、常に複数のセンサによってICカードの存在有無を検出することが可能となる。
【0079】
ICカードが所定の位置に搬送されると、駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させ、押圧部50を、図10(a)に示す基準位置に戻す。すなわち、駆動モータ60の駆動により、押圧部50は上方向に駆動され、カード収納部5に収納されているカードを押圧状態とする(S33)。なお、駆動モータ60の停止制御については、基準位置検出センサ65でカムギヤ61の基準位置を検知することで正確に制御することが可能である。
【0080】
そして、リーダライタ(RFIDアンテナ)30によって情報の書き込み処理が実行され(ステップS34)、その後、図13に示したカード繰出処理Aの動作手順に従い、利用者に対してICカードの発行処理が成される(ステップS35)。
【0081】
図15は、図12に示すステップS13の終了後、挿入されているICカードをカード収納部5に収納する処理動作を示している。
【0082】
収納処理では、最初に駆動モータ20を駆動し、ICカードをカード収納部5側に搬送する(ステップS41)。このとき、押圧部50は、図10(a)に示す基準位置にあることから、ICカードは、ケーシング5Aの開口41を介して最も下にあるカードの下に差し込まれる。駆動モータ20は、所定の回転量に基づいて一旦停止され、ICカードは、上昇している押圧部50の手前で停止した状態となる。
【0083】
そして、この状態で駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR2方向に90°回転させ、押圧部を図10(c)に示す下方向に移動させる(ステップS42)。これにより、カード収納部に搬入されたICカードは、駆動ローラ24に当接して更に内部に搬入できる状態となる。
【0084】
その後、再び駆動モータ20を所定量駆動し、ICカードを、カード収納部の内部の所定位置(スタック位置)まで搬送する(ステップS43)。引き続き、カード搬送路上に、カードが残留していないか否かを検出するために、上述したカード検出処理が実行される(ステップS44)。すなわち、この処理でカードの存在が確認されれば、それは、カード収納部5にカードを搬送処理したにもかかわらず、そのままカードが残留していることから、何らかのトラブルが生じたものとしてエラー信号が生成される(ステップS68)。
【0085】
そして、ICカードが所定の位置まで搬送された後、駆動モータ60を所定量回転して、カムギヤ61をR1方向に90°回転させ、押圧部50を、図10(a)に示す基準位置に戻す(ステップS45)。これにより、押圧部50は上方向に駆動され、新たに収納されたICカードを押圧し、収納動作が終了する。なお、ステップS45の終了の後、収納部検出センサ35が、可動部材53を検出しなければ、上述したように、カード収納部5に、カードが満杯状態になったことから、満杯信号をCPUに送信する(ステップS46;No、ステップS47)。
【0086】
以上、上述した実施形態の構成によれば、カード処理装置を起動した際、或いは、カード処理装置が停電などによってダウンした後にイニシャライズする際、カード搬送路に沿って配置された検出センサ10,13,32がカードの存在を検出し、更には、カードの読み取り処理を行う読取部(RFIDアンテナ)30でもカードが存在するか否かの検出処理を行うため、カード搬送路6におけるセンサの設置個数を減らすことが可能となり、装置コストの低減が図れるようになる。また、上記したカード収納部5からの繰り出し処理工程で説明したように、RFIDアンテナ30は、例えば、通常のICカードの搬送動作におけるタイムアウト時間の監視等にも利用することが可能であり、よりキメの細かい搬送制御を実現することが可能である。
【0087】
また、上記した実施形態では、図12のステップS1,S2の処理のように、挿入口2aからカードが挿入される前に、カード検出処理を行うため、誤ってカードを二重挿入することがなくなり、搬送トラブルやカードの詰まりなどを確実に防止することが可能となる。
【0088】
また、上述したカード検出処理では、図16に示したように、検出センサ10,13,32、及び読取部(RFIDアンテナ)30において、カードが存在することを検出した場合、駆動モータを駆動してカードを挿入口側に搬送した後、再度、カード検出処理を行うようにしているので、例えば、搬送ローラ部分でスリップ等が生じて搬送機構でカードを搬送できないような現象が生じても、そのような状態になっていることを確実に把握することが可能となる。また、残留しているカードをカード挿入口2a側に搬送するため、カード処理装置が停電などによってダウンした後にイニシャライズする際、確実にカードが排出されることから、新たなカードを挿入して適切な処理を行える状態にすることが可能となる。
【0089】
さらに、上述した実施形態では、カード処理をしている際に、適宜、カードの検出処理を実行しているため(ステップS23,S44)、カード処理中において、カードが、カード搬送路に残留することが確実に防止される。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、搬送路に存在するカードを、搬送路に配置されている検出センサ、及びカード情報を読み取る読取部で検出するように構成されていれば良く、検出センサの設置個数や検出方法など、限定されることはない。また、読取部は、カードに記録されている情報を読み取るものであれば良く、磁気によるリーダライタ、或いは情報を読み取るセンサ(ラインセンサなど)であっても良い。
【0091】
また、上記した実施形態では、複数種類のカード(磁気カード、ICカード)を処理できるように構成されていたが、単一の種類のカードを処理するような装置であっても良い。例えば、図1に示す構成において、磁気ヘッド部分を削除することで、ICカードを処理する装置として構成することも可能である。この場合、上記した磁気読取完了センサ13が、カードの挿入を検知し、かつカードの残留を検知するセンサ(カード位置検出センサ)としての機能を有することとなる。さらに、上述した実施形態では、紙葉類としてカードを例示して説明したが、紙幣など、各種の紙葉類を処理する装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0092】
1 カード処理装置(紙葉類処理装置)
2a 挿入口
5 カード収納部
6 カード搬送路
10 挿入検出センサ(カード位置検出センサ)
13 磁気読取完了センサ(カード位置検出センサ)
32 カード位置検出センサ
30 RFIDアンテナ(読取部)
C カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類が挿入される挿入口と、前記挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、前記搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサと、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部と、
を有する紙葉類処理装置において、
前記センサの検出結果と、前記読取部の読み取り結果とに基づいて、前記搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記挿入口から紙葉類が挿入される前に前記紙葉類検出処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記搬送路で紙葉類を搬送移動させる搬送機構を有し、
前記制御部は、前記紙葉類検出処理によって紙葉類が検出された場合、前記搬送機構によって紙葉類を搬送した後、再度紙葉類検出処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項1】
紙葉類が挿入される挿入口と、前記挿入口に挿入された紙葉類が搬送される搬送路と、前記搬送路に紙葉類が存在するか否かを検出するセンサと、挿入された紙葉類の読み取りが可能な読取部と、
を有する紙葉類処理装置において、
前記センサの検出結果と、前記読取部の読み取り結果とに基づいて、前記搬送路に存在する紙葉類を検出する紙葉類検出処理を行う制御部を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記挿入口から紙葉類が挿入される前に前記紙葉類検出処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記搬送路で紙葉類を搬送移動させる搬送機構を有し、
前記制御部は、前記紙葉類検出処理によって紙葉類が検出された場合、前記搬送機構によって紙葉類を搬送した後、再度紙葉類検出処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−98977(P2012−98977A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247061(P2010−247061)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】
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