説明

紙葉類処理装置

【課題】構成の簡素化を図り、部品点数を削減した紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】複数枚の紙葉類を搬送路上に取出す取出し部と、上記搬送路上に搬送された紙葉類から、当該紙葉類の区分先に関する情報を読取る読取り部と、この読取り部で読取られた情報から、当該紙葉類の区分先を判別する判別部と、この判別部での判別結果にしたがって区分ゲート部制御を行い、区分先に紙葉類を振り分ける制御部と、複数段で、複数列のポケットと、これら各ポケット手前の搬送路に設けられたポケット区分ゲートとを有し、上記制御部によって振り分けられた紙葉類を集積する区分集積部とを具備し、各段の同じ列に設けられたポケット区分ゲートを、共通の駆動部で駆動するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、複数枚の紙葉類を取出し、その区分先に関する情報を読取って、区分集積する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の紙葉類を搬送路上に取出して搬送し、当該紙葉類の区分先に関する情報を読取って、区分先となる区分集積部に集積する紙葉類処理装置が用いられる。上記区分集積部は、複数段(たとえば8段)で複数列(たとえば6列)を1ユニットとし、列方向に複数ユニット(たとえば10ユニット)が配置される。
【0003】
すなわち、区分集積部を構成するポケットが、たとえば縦方向に8個で、横方向に60個並べられる。それぞれのポケットに紙葉類を振り分けるためのポケット区分ゲートが、ポケットの数だけ設けられる。各ポケット区分ゲートは、ロータリソレノイドなどの駆動部と連結され、制御部からの制御信号にもとづいて駆動制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−186910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような紙葉類処理装置において、紙葉類の区分集積先となる区分集積部であるポケットおよび、各ポケットに紙葉類を集積するポケット区分ゲートは、必要数を確保しなければならない。しかしながら、ポケット区分ゲートを駆動する駆動部も、ポケット区分ゲートと対になって備えるので、部品点数が多くなってしまう。
【0006】
このような事情から、構成の簡素化を図り、部品点数を削減した紙葉類処理装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態は、複数枚の紙葉類を搬送路上に取出す取出し部と、上記搬送路上に取出された紙葉類から、当該紙葉類の区分先に関する情報を読取る読取り部と、この読取り部で読取られた情報から、当該紙葉類の区分先を判別する判別部と、この判別部での判別結果にしたがって区分先に紙葉類を振り分ける制御部と、複数段で複数列のポケットと、これら各ポケット手前の上記搬送路に設けられたポケット区分ゲートとを有し、上記制御部によって振り分けられた当該紙葉類を集積する区分集積部とを具備し、各段の同じ列に設けられた上記ポケット区分ゲートを、共通の駆動部で駆動するように構成した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る、紙葉類処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る、図1の紙葉類処理装置の左半分を拡大して示す概略図。
【図3】同実施形態に係る、図1の紙葉類処理装置の右半分を拡大して示す概略図。
【図4】同実施形態に係る、紙葉類処装置の主要部を模式的に示す図。
【図5】同実施形態に係る、紙葉類処理装置の区分集積部の概略図。
【図6】同実施形態に係る、紙葉類処理装置の判別部および制御部の動作フローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1は、紙葉類処理装置1の外観を斜視図にして示してある。図2および図3は紙葉類処理装置1の内部構造を概略的に示していて、図2は紙葉類処理装置1の左側半分を拡大して示し、図3は右側半分を拡大して示している。
【0010】
図1に示すように、紙葉類処理装置1は、大きく分けて3つのユニットに形成される。すなわち、向かって左側に配置された供給ユニット2と、中央に配置された区分集積ユニット(区分集積部)4と、向かって右側に配置されたバーコード処理ユニット6を有する。特に、区分集積ユニット4は、紙葉類処理装置1の大部分を占める大きさを有する。
【0011】
図1および図2に示すように、上記供給ユニット2は、処理対象となる複数枚の紙葉類の投入を受付ける投入部11を有する。上記投入部11の図中右端には、投入部11を介してオペレータによって立位で投入された複数枚の紙葉類のうち、右端にある紙葉類から順に搬送路3上に取出す取出し部12が設けられている。
【0012】
上記取出し部12から搬送路3が延びていて、この搬送路3上に取出された紙葉類のうち、金属等の異物を含んでいることが検知された紙葉類を搬送路3から分岐し、排除する排除ポケット13が設けられる。
【0013】
さらに、2枚取り、スキュー、長さ異常などの搬送異常を生じている紙葉類を搬送路3から分岐し、排除する排除ポケット14と、搬送路3を搬送されている紙葉類の表面から、その区分先に関する情報である、区分情報を読取る読取り部15が配設されている。
【0014】
上記読取り部15を介して各紙葉類から読取った区分情報は、判別部で処理され、この区分情報から当該紙葉類の区分先が判別される。すなわち、判別部から制御部へ判別信号が送られ、制御部では段区分ゲートとポケット区分ゲートへ駆動制御信号を送るようになっている。(なお、判別部、制御部、段区分ゲート、ポケット区分ゲートについては後述する)
上記読取り部15から延びた搬送路3は、上記区分集積ユニット4の下端近くを通って、図1および図3に示すように、紙葉類処理装置1の右側に配置された、段パス部18の下側を通ってバーコード処理ユニット6まで延びている。
【0015】
上記バーコード処理ユニット6は、判別部で判別した当該紙葉類の区分先をバーコード化し、この区分先コードを搬送路3に搬送される当該紙葉類の表面に印刷するバーコードプリンタ16を有する。
【0016】
また、バーコードプリンタ16より下流側の搬送路3上には、紙葉類の表面に印刷したバーコードをベリファイリードするバーコードリーダ17が設けられている。そして、バーコードリーダ17を通って延びた搬送路3が区分集積ユニット4の右端に配設された、段パス部18の下端に接続されている。
【0017】
区分集積ユニット4は、紙葉類の区分先となる複数段、複数列の区分集積部、すなわちポケット21からなる。たとえば8段6列のポケット21を1ユニット化し、複数ユニット(たとえば、10ユニット)を、紙葉類処理装置1の長手方向に沿って並設してなる。
【0018】
したがって、ポケット21は、段方向に8個備えられるが、列方向に60個備えられることになる。なお、最も左側の列にある8つのポケット21aは、区分集積ユニット4の各段に搬送された紙葉類のうち、リジュクトすべき紙葉類として排除集積するリジェクトポケットである。
【0019】
図2および図3に示すように、供給ユニット2の取出し部12からバーコード処理ユニット6までの搬送路3上には、紙葉類の通過を検知し、その搬送状態を監視するための複数のセンサSが配設されている。
【0020】
各センサSは、紙葉類が通過される搬送路3を挟んで発光部と受光部を有し、搬送路3を通過する紙葉類がその光軸を遮ることをもって、紙葉類の搬送を検知する。つまり、各センサSは、搬送路3を搬送される紙葉類の先端が到達したこと、および後端が通り抜けたことを検知し、紙葉類の搬送速度から、搬送方向に沿った長さを検出する。
【0021】
さらに、各センサSは、連続して搬送される2枚の紙葉類のギャップ検知にも利用される。つまり、各紙葉類の先端通過時刻を検知し、1枚目の紙葉類の搬送長さを検知することにより、ギャップを算出できる。
【0022】
図1および図2に示すように、紙葉類処理装置1の前面である、供給ユニット2の前面には、オペレータによる各種操作入力を受付けるとともに、オペレータに対する各種操作案内を表示するための操作・表示パネル5が設けられている。
【0023】
この操作・表示パネル5を介して、紙葉類処理装置1の動作モード(たとえば、紙葉類処理装置1の稼動状況の目的に合わせて選択される読取りモード)が設定され、紙葉類処理装置1の運転開始や停止が指示される。
【0024】
図1に示すように、区分集積ユニット4の中央上部には、紙葉類処理装置1の稼動状況をオペレータに知らせるための表示器7が設けられている。この表示器7および上記操作・表示パネル5を介して、紙葉類処理装置1の動作モードや区分指定面が表示され、またポケットの集積満杯やジャム発生等のイベントが表示される。
【0025】
図4は、段パス部18と、区分集積ユニット4とを模式的に示す図である。すなわち、説明の都合上、区分集積ユニット4を、3段で3列のポケットから構成されるものとする。図5は、区分集積ユニット4の一部を示す。
【0026】
はじめに、図4から説明すると、紙葉類Aと紙葉類Bが搬送路3を搬送される。上記読取り部15で読取られた情報から、判別部25が搬送路3に搬送された当該紙葉類A,Bの区分先を判別する。判別部25から制御部26へ信号が送られ、制御部26では判別部25から通知された情報を元に段パス部18を制御し、区分先となる区分集積ユニット4の指定のポケット21に当該紙葉類を振り分ける。
【0027】
なお説明すると、搬送路3は区分集積ユニット4の手前側である段パス部18において、各段のポケット21に紙葉類を振り分けるため分岐搬送路3a,3b,3cに分岐されているが、この搬送路3から分岐搬送路3a,3b,3cに分岐する部位に段区分ゲート29が設けられている。
【0028】
さらに、各分岐搬送路3a,3b,3cに設けられ、紙葉類が集積されるそれぞれのポケット21の手前側にポケット区分ゲート30が設けられる。すなわち、上記区分集積ユニット4は、複数段で複数列のポケット21と、それぞれのポケット21に対向してポケット区分ゲート30を備えている。
所定のポケット区分ゲート30が開くことで、いずれかの分岐搬送路3a,3b,3cを搬送される紙葉類が、所定のポケット区分ゲート30に対応する所定のポケット21に搬入され、区分集積されるようになっている。
【0029】
上記段区分ゲート29には、図示しないロータリソレノイドなどの駆動部(アクチュエータ)が連結され、制御部26からの制御信号を受けて回動角が決定される。したがって、搬送路3を搬送された紙葉類は段区分ゲート29により、何段目の分岐搬送路3a,3b,3cへ行くのかが決定される。
【0030】
ポケット区分ゲート30は、図5に示すようになっている。すなわち、ポケット区分ゲート30が各ポケット21に設けられる一方で、同じ列のポケット21に対して共通のロータリソレノイドなどの駆動部(アクチュエータ)32が、吊り具等の駆動機構33を介して連結される。
【0031】
したがって、ポケット区分ゲート30を介してポケット30を開閉する駆動部32は、制御部26からの制御信号を受けて紙葉類が搬送されてくる分岐搬送路たとえば3aと、紙葉類が搬送されてこない分岐搬送路たとえば3b,3cを、同時に開閉動作するようになっている。
なお、制御部26は各ポケット区分ゲート30に設けられる紙葉類位置検知センサSからも情報を得ていて、判別した紙葉類が今、どこまで到達しているかを判断する。
【0032】
さらに図4に示すように、ここでは段区分ゲート29から各段の1列目のポケット区分ゲート30に至る分岐搬送路3a,3b,3cの距離が、互いに等しくなるよう設定されている。実際には、ポケット21が8段あるので、段区分ゲート29から8段全ての1列目までのポケット区分ゲート30の距離は、互いに等しい。
【0033】
そして、各分岐搬送路3a,3b,3cにおけるポケット区分ゲート30間の距離は、互いに等しく設定される。たとえば、ポケット1−1とポケット1−2におけるポケット区分ゲート30間の距離を、「a」とした場合、ポケット1−2とポケット1−3におけるポケット区分ゲート30間の距離も、「a」に設定される。
【0034】
これは、段が異なっても全ての同様で、ポケット区分ゲート30間の距離が「a」に設定されていて、互いに等しい。
そして、上記取出し部12により紙葉類の取出しピッチは、上記搬送路3上に搬送される紙葉類の先端縁間の距離を「a」として、互いに等しくした。
【0035】
つぎに、上記のように構成された紙葉類処理装置1による、処理動作について説明する。
まず、オペレータの手作業によって処理対象となる複数枚の紙葉類が投入部11を介して紙葉類処理装置1へ投入される。そして、操作・表示パネル5の運転開始スイッチが押されて運転が開始される。
【0036】
投入部11の紙葉類が供給機構によって所定の取出し位置へ供給され、取出し部12を介して搬送路3上に1枚ずつ取出される。取出された紙葉類は、搬送路3を介して搬送され読取り部15を通過する。
【0037】
このとき、異物を含む紙葉類が排除ポケット13へ排除されるとともに、搬送異常の紙葉類が排除ポケット14へ排除され、異物を含まない搬送異常の無い紙葉類だけが読取り部15を通過する。
【0038】
このようにして読取り部15を通過した紙葉類は、ここで区分情報が読取られる。読取られた区分情報は判別部25へ送られ、当該紙葉類の区分先が判別される。この判別信号は制御部26へ送られ、制御部26から段区分ゲート29および各列のポケット区分ゲート30への制御信号となる。
【0039】
なお、読取り部15を通過した紙葉類に対して連続したメール番号が付与され、データテーブルが書き込まれる。さらに、搬送路3上に配設された複数のセンサSを介して、その搬送状態が詳細に監視され、バーコード処理ユニット6に向けて搬送される。
【0040】
バーコード処理ユニット6に搬送された紙葉類は、バーコードプリンタ16を通過し、判別部25で判別された当該紙葉類の区分先コードが印刷される。このようにして印刷されたバーコードは、バーコードリーダ17を介してベリファイリードされる。バーコード処理ユニット6を通過した紙葉類は段パス部18へ送られる。
【0041】
上記段パス部18に送られた紙葉類は、判別部25により区分先が判別され、その信号が制御部26へ送られる。制御部26では、段区分ゲート29の駆動部と、ポケット区分ゲート30の駆動部32へ駆動信号を送る。
【0042】
紙葉類は、段区分ゲート29によって分岐搬送路3a,3b,3cのいずれかを指定され、かつポケット区分ゲート30によって所定のポケット21に区分集積される。段パス部18を通過した時点で排除すべき紙葉類は、各段の最も奥側に設けられたリジェクトポケット21aへ導かれて排除集積される。
【0043】
図6(A)は、判別部25の動作をフローチャートで示し、図6(B)は、制御部26の動作をフローチャートで示す。
はじめに、判別部25の動作を説明すると、ステップS1で処理が開始され、ステップS2で紙葉類が搬送されてくる。ステップS3で紙葉類が判別部25に到着したか否かが選択される。
【0044】
ステップS3で紙葉類が判別部25に到着した場合、すなわちYESであればステップS4へ移って判別部25で判別される。ステップS3で紙葉類が判別部25に到着しない場合、すなわちNOであれば、再びステップS3に戻り、紙葉類が判別部25に到着したか否かが選択される。
【0045】
ステップS4で紙葉類が判別部25で判別された後、ステップS5に移って、判別部25が制御部26へ判別結果を通知する。ステップS5からステップS2の紙葉類の搬送に戻って、再び上述したフローに沿って動作が繰り返される。
【0046】
上記制御部26の動作を説明すると、ステップT1で処理が開始され、ステップT2で判別部25からの通知の有無が選択される。判別部25から通知が有る場合、すなわちYESであればステップT3に移行して、どの紙葉類が目的の集積部(ポケット)に近いか判断する。
【0047】
ステップT2で判別部25からの通知が無い場合、NOのときは再びステップT2に戻って判別部25からの通知の有無を選択する。
ステップT3で、どの紙葉類が目的の集積部(ポケット)に近いか判断したあと、ステップT4に移行して、該当するアクチュエータを動作する。すなわち、目的のポケットに近いポケット区分ゲート30の駆動部32を駆動し、ポケットを開放する。ステップT5に移って、紙葉類が集積されたか否かが選択される。
【0048】
ステップT5で紙葉類の集積が終了した、すなわちYESを確認したら、開放したポケットの区分ゲート30の駆動部32を駆動させポケットを元の状態に戻し、ステップT2に戻って判別部25からの通知の有無を選択する。また、ステップT5で紙葉類の集積が未だなされない場合、NOであれば再びステップT5に戻って紙葉類の集積が集積されたか否かが選択される。
【0049】
ここで、図4から、具体的な2つの例を示し動作説明する。
(例1) 紙葉類Aをポケット2−1に区分集瀬し、紙葉類Bをポケット3−2に区分集瀬する場合。
【0050】
紙葉類Aが搬送路3に搬送され、段区分ゲート29から1段目の分岐搬送路3aに導かれたとき、紙葉類Bは紙葉類Aとは間隙aを存して搬送路3に搬送されていて、未だ段区分ゲート29には到達しない。
【0051】
紙葉類Aが分岐搬送路3aから1列目のポケット1−1に到達したとき、紙葉類Bは段区分ゲート29を通過して、2段目の分岐搬送路3bに搬送されている。紙葉類Aが1列目のポケット1−1を過ぎて2列目のポケット2−1手前に到達したとき、紙葉類Bはポケット1−2手前に到達する。
【0052】
これは、段区分ゲート29から各段の分岐搬送路3a、3b、3cにおける1列目のポケット区分ゲート30までの距離を互いに等しくしたことによる。また、各段における各列間のポケット区分ゲート30相互の距離を互いに等しくしたことによる。そして、取出し部15での紙葉類の取出しピッチは、紙葉類の先端縁間の距離を互いに等しくしたことによる。
【0053】
紙葉類Aがポケット2−1のポケット区分ゲート30手前まで搬送されると、制御部26は駆動部32へ動作指令を発行する。
各列のポケット21に対するポケット区分ゲート30は、駆動機構33を介して共通の駆動部(アクチュエータ)32に駆動される。したがって、制御部26からの制御信号により2列目の駆動部2(32)が駆動され、駆動機構33を介して2列目のポケット区分ゲート30が一斉に回動し、2列目のポケット21の全てが開放される。
【0054】
1段目の分岐搬送路3aに搬送され、2列目のポケット2−1直前に到達した紙葉類Aは、ポケット区分ゲート30がポケット2−1を開放することで、このポケット2−1に区分集積される。同時に、2段目と3段目の分岐搬送路3b、3cで2列目のポケット2−2とポケット2−3が開放される。
【0055】
しかしながら、紙葉類Bはポケット1−2に到達したばかりであり、開放したポケット2−2と2−3の位置に紙葉類が搬送されてこないから、これらポケット2−2,2−3に紙葉類が区分集積されることはない。
これにより、紙葉類Aを集積するために動作した駆動部2(32)の動作に、紙葉類Bが誤って影響を受けることはない。
【0056】
紙葉類Aがポケット2−1に区分集積されるとき、紙葉類Bはポケット1−2上の分岐搬送路3bに搬送される。そして、当該紙葉類Bがポケット2−2に到達したときは、既に駆動部2(32)の駆動信号が解除され、したがってポケット区分ゲート30はポケット2−2を閉塞し、紙葉類Bは分岐搬送路3bをそのまま通過する。
【0057】
紙葉類Bがポケット3−2のポケット区分ゲート30に到達すると、制御部26から駆動部3(32)に駆動信号が出されてポケット3−1,3−2,3−3のポケット区分ゲート30を一斉に開放する。したがって、紙葉類Bはポケット3−2のポケット区分ゲート30により、ポケット3−2に区分集積される。
【0058】
このように、制御部26は各列のポケット区分ゲート30に駆動信号を出して、区分集積するポケットのポケット区分ゲート30とともに、区分集積しないポケットに対向するポケット区分ゲート30までも開放するが、従来のポケット毎にポケット区分ゲートを駆動する駆動部を備えたものよりも、機構の簡素化を図ることができる。
【0059】
(例2) 紙葉類Aをポケット3−1に区分集積し、紙葉類Bをポケット1−2に区分集積する場合。
紙葉類Aが搬送路3から段区分ゲート29に到達したとき、紙葉類Bは段区分ゲート29の手前側の搬送路3に間隙aを存して導かれることは変りがない。
【0060】
紙葉類Aが段区分ゲート29を介して1段目の分岐搬送路3aを導かれ、1列目のポケット1−1のポケット区分ゲート30に到達する直前の位置において、紙葉類Bが段区分ゲート29を介して2段目の分岐搬送路3bに導かれる。
【0061】
紙葉類Bがポケット1−2のポケット区分ゲート30手前に到達するとき、紙葉類Aは未だポケット2−1のポケット区分ゲート30手前に到達するだけで、目的のポケット3−1のポケット区分ゲート30手前には到達しない。
【0062】
紙葉類Bが、紙葉類Aよりも先に目的のポケット区分ゲート30手前に到達した場合でも、制御部26はポケット区分ゲート30にある紙葉類位置検知センサSの位置情報により、駆動部1(32)に対して動作指令を出す。
【0063】
駆動部1(32)は、ポケット1−1,1−2,1−3のポケット区分ゲート30を一斉に開放し、2段目の分岐搬送路3bに搬送される紙葉類Bをポケット1−2に区分集積する。紙葉類Bをポケット1−2に区分集積した後、制御部26は駆動部(32)を元の状態に戻す。
【0064】
このとき上記設定から、1段目の分岐搬送路3aに搬送される紙葉類Aは、ポケット2−1上のポケット区分ゲート30を通過する。そして、紙葉類Aがポケット3−1のポケット区分ゲート30に搬送される直前位置で、制御部26から駆動部3(32)へ動作指令を出す。
【0065】
ポケット3−1,3−2,3−3のポケット区分ゲート30が一斉に開放し、1段目の分岐搬送路3aに搬送される紙葉類Aがポケット3−1に区分集積される。
この場合も、制御部26は各列のポケット区分ゲート30に駆動信号を出して、区分集積するポケット3−1のポケット区分ゲート30とともに、区分集積しないポケット3−2,3−3のポケット区分ゲート30までも開放するが、従来のポケット毎にポケット区分ゲートを駆動する駆動部を備えたものよりも、機構の簡素化を図ることができる。
【0066】
以上、本実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、実施形態の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
3…搬送路、12…取出し部、15…読取り部、25…判別部、21…ポケット、30…ポケット区分ゲート、4…区分集積ユニット(区分集積部)、32…駆動部、29…段区分ゲート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の紙葉類を搬送路上に取出す取出し部と、
上記搬送路上に取出された紙葉類から、当該紙葉類の区分先に関する情報を読取る読取り部と、
この読取り部で読取られた情報から、当該紙葉類の区分先を判別する判別部と、
この判別部での判別結果にしたがって区分先に紙葉類を振り分ける制御部と、
複数段で複数列のポケットと、これら各ポケット手前の上記搬送路に設けられたポケット区分ゲートとを有し、上記制御部によって振り分けられた当該紙葉類を集積する区分集積部とを具備し、
各段の同じ列に設けられた上記ポケット区分ゲートを、共通の駆動部で駆動するように構成した
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
上記搬送路に導かれた紙葉類を、上記制御部の制御信号にもとづいてそれぞれの段に振り分ける段区分ゲートをさらに備え、
この段区分ゲートから、それぞれの段に設けられる1列目の上記ポケット区分ゲートまでの距離を、互いに等しく設定した
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
全ての段において、それぞれの列に設けられるポケット区分ゲート間の距離を、互いに等しく設定した
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
上記取出し部による紙葉類の取出しピッチは、紙葉類の先端縁間の距離を、互いに等しく設定した
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−59725(P2013−59725A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199697(P2011−199697)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】