紙葉類検知装置
【課題】紙葉類の硬さや重さを高精度に検知できる紙葉類検知装置を提供することを課題とする。
【解決手段】実施形態に係る紙葉類検知装置は、紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、この湾曲部を通して搬送される紙葉類が湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続ける。これにより、当該紙葉類の硬さや重さを高い精度で検知する。
【解決手段】実施形態に係る紙葉類検知装置は、紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、この湾曲部を通して搬送される紙葉類が湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続ける。これにより、当該紙葉類の硬さや重さを高い精度で検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、搬送中の紙葉類の硬さや重さを検知する紙葉類検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類検知装置として、搬送路の途中にある屈曲部の外側に設けた検知レバーに紙葉類を突き当てて、検知レバーの位置変動をセンサーで検知して、当該紙葉類に含まれる硬物や異物を検知する装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−232300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように検知レバーを使用した検知装置では、当該紙葉類の中に含まれる硬物や異物の部位が接触したときの検知レバーの位置変動をセンサーのオン/オフ信号として検知するため、情報量が少なく、硬物や異物を高精度に検知できない。特に、この装置では、紙葉類の衝突エネルギーを検知レバーを介して間接的に検知するため検知信号に乗る誤差が大きい。また、紙葉類の搬送速度が速くなると、検知レバーの残留振動がノイズとなり、硬物や異物を正確に検知できなくなる。
【0005】
よって、紙葉類の硬さや重さを高精度に検知できる紙葉類検知装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る紙葉類検知装置は、紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、この湾曲部を通して搬送される紙葉類が湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続ける。これにより、当該紙葉類の硬さや重さを高い精度で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、図1の検知装置を上方から見た平面図である。
【図3】図3は、図1の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の平面図である。
【図5】図5は、図1の検知装置の力覚センサーの内部構造を説明するための概略図である。
【図6】図6は、図5の断面図である。
【図7】図7は、図5の力覚センサーのたわみ板の機能を説明するための説明図である。
【図8】図8は、図5の力覚センサーのストッパーの機能を説明するための説明図である。
【図9】図9は、図1の検知装置の信号処理回路を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図11】図11は、図10の検知装置を上方から見た平面図である。
【図12】図12は、図10の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図12の平面図である。
【図14】図14は、第3の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図15】図15は、図14の検知装置を上方から見た平面図である。
【図16】図16は、図14の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図17】図17は、図16の平面図である。
【図18】図18は、第4の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図19】図19は、図18の検知装置を上方から見た平面図である。
【図20】図20は、図18の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図21】図21は、図20の平面図である。
【図22】図22は、第5の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図23】図23は、図22の検知装置を上方から見た平面図である。
【図24】図24は、図22の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図25】図25は、図24の平面図である。
【図26】図26は、第1の実施形態の検知装置の取付構造を説明するための斜視図(a)および平面図(b)である。
【図27】図27は、第1の実施形態の検知装置の第1の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【図28】図28は、第1の実施形態の検知装置の第2の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【図29】図29は、第3の実施形態の検知装置の第3の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の紙葉類検知装置は、紙葉類の一例として、郵便物の硬さや重さを検知する装置であるが、これに限定されるものではなく、各実施形態の紙葉類検知装置は、郵便物を含むあらゆる種類の紙葉類の硬さや重さを高精度に検知することができる。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(および図3)は、第1の実施形態に係る紙葉類検知装置10(以下、単に、検知装置10と称する)の外観斜視図である。また、図2(および図4)は、この検知装置10を上方から見た平面図である。この検知装置10は、郵便物Mを曲げながら搬送する重なった状態の一対の細長い搬送ベルト2a、2bに沿って配置されている。
【0010】
一対の搬送ベルト2a、2bは、その間に搬送路1を規定するように重ねられて同じ方向に延設されており、ここでは図示を省略した複数のローラーに巻回されて、それぞれ無端状に張設されている。そして、これら搬送ベルト対2a、2bを巻回せしめたローラーを回転させることで、一対の搬送ベルト2a、2bが同じ速度で走行する。なお、ここでは、搬送ベルト2a、2bの一部を図示したが、郵便物Mの搬送経路に沿って複数対の無端状の搬送ベルトが設けられている。
【0011】
また、図1乃至図4に例示した搬送路1の途中には、郵便物Mを曲げて搬送するため、搬送ベルト対2a、2bを湾曲せしめた湾曲部3が設けられている。郵便物Mは、搬送ベルト対2a、2bによって挟まれた搬送路1を介して図示矢印T方向に立位で搬送され、比較的高速(例えば、4m/s)で湾曲部3を通過される。図3および図4には、郵便物Mが湾曲部3を通過している状態の斜視図および平面図をそれぞれ示してある。
【0012】
本実施形態の検知装置10は、搬送ベルト対2a、2bの湾曲部3の内側に配置されている。この検知装置10は、湾曲部3を通過する郵便物Mから与えられる力やモーメントを受ける受部材として、円筒形のローラー4を有する。つまり、このローラー4は、湾曲内側にある搬送ベルト2aに接触している。このため、このローラー4には、搬送路1を介して搬送される郵便物Mから振動や衝撃が伝えられる。このローラー4の図示下方に突出した回転軸4aは、支持部材6を介して後述する力覚センサー5に接続されている。
【0013】
言い換えると、上記搬送ベルト対2a、2bは、湾曲部3において、互いに重ねられた状態で、ローラー4に巻き付けられている。このように、重ねた一対の搬送ベルト2a、2bをローラー4に巻き付けることで、湾曲部3に搬送ニップを形成でき、湾曲部3を通過する郵便物Mに搬送力を与えることができる。
【0014】
ここで言う搬送ニップとは、一対の搬送ベルト2a、2b同士が押し付けられて密着されている部位を指し、重なった状態の一対の搬送ベルト2a、2bをローラー4に巻き付けることで一対の搬送ベルト2a、2bが互いに押し付けあう部位を指す。つまり、内側の搬送ベルト2aがローラー4の外周面に接触した長さの範囲内で一対の搬送ベルト2a、2b同士が密着した部位が搬送ニップである。
【0015】
なお、搬送ベルト2a、2bは、複数のローラーに巻回されて張設されているため、テンションが与えられている。このため、搬送路1を介して郵便物Mが搬送されていないとき(すなわち、搬送ベルトが走行していないとき)でも、ローラー4には、常に、搬送ベルト対2a、2bからわずかな押付力が付与されている。この押付力は、湾曲部3の内側に向かう力である。
【0016】
力覚センサー5は、支持部材6の図示下面に取り付けられ、ローラー4の一端、すなわちローラー4の回転軸4aを受け入れている。そして、この力覚センサー5は、ローラー4が郵便物Mから受ける力やモーメントを検知するもので、その構造は例えば特開2010−230631号公報に記載されたものである。
【0017】
図1および図2に示すように郵便物Mの搬送方向先端が湾曲部3にさしかかったとき、すなわち、当該郵便物Mの搬送方向先端が搬送ニップに突入したとき、図示矢印F1で示す当該郵便物Mの搬送力がローラー4に作用し、ローラー4を真っ直ぐに押す並進力(矢印F2)を生出する。同時に、当該郵便物Mの搬送方向先端が湾曲部3にさしかかったとき、搬送力F1は、ローラー4をねじる方向のモーメント(矢印F3)も生出する。
【0018】
また、図3および図4に示すように郵便物Mが湾曲部3を通過しているときには、当該郵便物Mの硬さに起因して、ローラー4を湾曲内側に押す力F4が作用し、ローラー4を真っ直ぐ内側に押す並進力F5を生出する。このとき、当該郵便物Mの搬送力は、ローラー4をねじる方向のモーメントF6も生出する。
【0019】
すなわち、力覚センサー5は、これらの並進力F2、F5を検知するとともに、上述したモーメントF3、F6を検知し、当該郵便物Mの硬さや重さを検知するための信号を出力する。
【0020】
例えば、比較的軽くて柔らかいはがきなどの郵便物Mが搬送された場合、湾曲部3の湾曲した形状に合わせて郵便物Mが搬送路1に沿って変形することで、当該郵便物Mは比較的スムーズに湾曲部3を通過する。この場合、検知装置10のローラー4が当該郵便物Mの搬送によって押圧されることは殆どなく、力覚センサー5の出力変化も比較的小さなものとなる。
【0021】
これに対し、例えば、比較的硬くて重い郵便物Mが搬送された場合、郵便物M自体のイナーシャが大きいことに加えて湾曲部3の形状に合わせて当該郵便物Mが変形し難くいため、搬送路1から大きく外れて搬送される。この場合、検知装置10のローラー4に対して当該郵便物Mから比較的大きな力が作用する。つまり、この場合、ローラー4が大きく位置変位され、力覚センサー5の出力が比較的大きくなる。
【0022】
図5は、力覚センサー5の内部構造を示す斜視図であり、図6は、その断面図である。図5および図6では、図示簡略化のため、力覚センサー5を支持した支持部材6の図示を省略してある。
【0023】
力覚センサー5は、ローラー4の回転軸4aを途中まで受け入れた略円筒形のケース11を有する。このケース11の内部には、回転軸4aに沿って、2つの円筒形のチャンバー12、13が設けられている。2つのチャンバー12、13の間には、ケース11と一体の隔壁14が設けられている。隔壁14の中央部には、ローラー4の回転軸4aを遊びを有して挿通する貫通孔14aが設けられている。
【0024】
ローラー4に近い側(図示上方)のチャンバー12内には、ローラー4の回転軸4aの途中に固設された円板状のストッパー15が遊びを有して収容され、ローラー4から遠い方(図示下方)のチャンバー13内には、ローラー4の回転軸4aの先端を突き当てて固定した円形のたわみ板16が取り付けられている。
【0025】
たわみ板16は、チャンバー13の軸方向中央でチャンバー13の内壁に固設されており、回転軸4aの移動、すなわちローラー4の変位に伴って、例えば、図7(a)〜(d)に示すようにたわんで変形する。たわみ板16を取り付けたチャンバー13の底には、たわみ板16のたわみ具合を検出するためのたわみ検出器17(図5では図示省略)が取り付けられている。たわみ板16を取り付けたチャンバー13は、たわみ板16が変形したとき、少なくとも、たわみ板16がチャンバー13の内壁に接触することのない大きさに設定されている。
【0026】
例えば、図7(a)に示すように、ローラー4に図示矢印F7方向の力が加えられて、ローラー4が軸方向に押し込まれるように変位したとき、たわみ板16の中央部分が回転軸4aの先端によって下方に押し込まれて変形する。また、図7(b)に示すように、図示矢印F8方向の力が加えられてローラー4が軸方向に引っ張られるように変位したとき、たわみ板16の中央が盛り上がるように変形する。また、図7(c)および図7(d)に示すように、図示矢印F9或いはF10方向の力が加えられてローラー4が傾倒されるように変位したとき、たわみ板16は図示のようにねじられて変形する。たわみ検出器17は、このときのたわみ板16の変形具合を検出し、力覚センサー5の出力として検出結果を出力する。
【0027】
一方、ストッパー15を収容したチャンバー12は、たわみ板16の変形量が許容値を超える前に、例えば、たわみ板16が破壊される前に、図8(a)〜(d)に示すように、ストッパー15の一部がチャンバー12の内壁に接触して回転軸4aの移動が規制されるように、その大きさが設定されている。或いは、ストッパー15の厚さが、たわみ板16の破壊、すなわち力覚センサー5の破壊を防止する厚さに設定されている。
【0028】
例えば、図8(a)に示すように、ローラー4が図示矢印F11方向に比較的長いストロークで強く押し込まれたとき、ストッパー15の下面がチャンバー12の下面12a、すなわち、隔壁14の上面に当接し、ローラー4がそれ以上押し込まれないようにローラー4の動きを規制する。また、図8(b)に示すように、ローラー4が力覚センサー5から矢印F12方向に強く引き抜かれたとき、ストッパー15の上面がチャンバー12の上面12bに当接し、ローラー4がそれ以上引き抜かれないようにローラー4の動きを規制する。
【0029】
或いは、図8(c)に示すように、ローラー4が図示右方向(矢印F13方向)に大きく傾倒されたとき、ストッパー15の図示左上部分がチャンバー12の上面に当接するとともに、ストッパー15の図示右下部分がチャンバー12の下面12cに当接し、ローラー4の動きを規制する。また、図8(d)に示すように、ローラー4が図示左方向(矢印F14方向)に大きく傾倒されたとき、ストッパー15の図示右上部分がチャンバー12の上面12dに当接するとともに、ストッパー15の図示左下部分がチャンバー12の下面12aに当接し、ローラー4の動きを規制する。
【0030】
すなわち、ストッパー15は、ローラー4が許容範囲を超えて変位されようとしたとき、チャンバー12の内壁に当接することでローラー4の動きを規制し、たわみ板16が必要以上に変形されて力覚センサー5が破壊される不具合を防止するよう機能する。
【0031】
図9は、上記検知装置10の信号処理回路のブロック図を示す。
力覚センサー5(たわみ検出器17)に接続された処理装置18には、搬送路1を介して搬送されて検知装置10を通過される郵便物Mの通過を検知する2つのタイミングセンサーS1、S2が接続されている。一方のセンサーS1は、図1乃至図4にも示すように、郵便物Mの搬送方向に沿って湾曲部3の上流側に配置され、他方のセンサーS2は、郵便物Mの搬送方向に沿って湾曲部3の下流側に配置されている。より具体的には、各センサーS1、S2は、搬送路1を挟んで発光部および受光部を有し、その間の光軸を郵便物Mが遮ることをもって当該郵便物Mの先端および後端通過を検知する。
【0032】
処理装置18は、センサーS1の出力に基づいて、搬送された郵便物Mが湾曲部3の搬送ニップにさしかかったことを検知し、センサーS2の出力に基づいて、当該郵便物Mが湾曲部3の搬送ニップを通過したことを検知する。すなわち、処理装置18は、当該郵便物Mが湾曲部3に送り込まれてから通過し終わるまでの間に力覚センサー5のたわみ検出器17から出力される信号を、センサー信号として出力し続ける。
【0033】
トリガーセンサーS1、S2は、少なくとも1つあれば良い。例えば、湾曲部3の上流側のセンサーS1だけを用いる場合、当該センサーS1を介して郵便物Mの搬送方向先端および後端通過を検知する。そして、処理装置18は、当該郵便物Mの搬送速度とセンサーS1の出力に基づいて、当該郵便物Mが湾曲部3を通過し終わる時間を算出し、湾曲部3を通過するタイミングを取得する。
【0034】
以上のように、本実施形態の検知装置10によると、搬送路1を介して搬送された郵便物Mが湾曲部3にさしかかってから湾曲部3を通過し終わるまでの間の検知結果を出力することができ、1通の郵便物Mに対して検知可能なデータ量を極めて多くできる。このため、この検知結果に基づいて、当該郵便物Mの硬さや重さを正確に検知することができる。特に、本実施形態によると、封書内に硬物や異物が混入されていることも正確に検知でき、混入されている位置も特定できる。
【0035】
従来のように、郵便物Mの搬送方向先端を検知レバーに突き当てる検知装置の場合、封書の中にコインなどの硬物が封入されていると、ハンマー現象が生じて正確な検出ができなくなる。しかし、本実施形態の検知装置10では、郵便物Mの先端を検知レバーなどに突き当てるのではなく、搬送ニップに受け入れるだけなので、ハンマー現象が生じることはない。この点においても、本実施形態の検知装置10を用いた場合、検知信号に乗るノイズが少なく、郵便物Mの硬さや重さを正確且つ高精度に検知できる。
【0036】
なお、本実施形態の検知装置10は、搬送ベルト対2a、2bを巻回して張設したローラー4の変位に基づいて郵便物Mの物性を検知するため、タイミングセンサーS1、S2を介して当該郵便物Mの搬送位置を監視することが有効である。
【0037】
つまり、ローラー4には、常にベルト2a、2bから押圧力が作用しているため、郵便物Mが搬送されていない状態でも、ベルトの走行時の振動などが僅かなノイズとして検知されてしまう可能性がある。このため、比較的軽くて柔らかい郵便物Mが搬送された場合など、検知信号のS/N比が低下する。よって、このような不具合を解消するため、本実施形態では、郵便物Mが湾曲部3を通過しているときの信号だけを出力するようにしている。
【0038】
また、本実施形態によると、郵便物処理装置全体を通して郵便物Mを搬送する搬送路1において、全ての湾曲部における搬送速度に対する許容可能な湾曲度を決めるための基準を与えることができる。つまり、各湾曲部に本実施形態の検知装置10を配置して、テスト媒体を搬送することで、適切な湾曲度であるか否かを判断できる。或いは、郵便物処理装置で処理する郵便物Mのうち最も硬くて重い郵便物であると想定される媒体を湾曲部の湾曲度を変更しながら搬送して検知装置10で当該媒体の物性を測定することで、許容可能な湾曲度のしきい値も測定できる。
【0039】
さらに、本実施形態の検知装置10による検知結果と実際に複数通の郵便物Mを搬送したときの搬送ギャップの乱れとの間の因果関係に基づいて、適切なギャップ補正量を決定することもできる。これにより、郵便物Mを高速に搬送して処理する装置において、ギャップ制御の性能を向上させることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図10(および図12)は、第2の実施形態に係る検知装置20の外観斜視図であり、図11(および図13)は、この検知装置20を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置20は、搬送路1を介してローラー4に対向する位置にピンチローラー22を備えた以外、上述した第1の実施形態の検知装置10と同様の構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態の検知装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0041】
ピンチローラー22は、湾曲部3の外側に配置されている。すなわち、ピンチローラー22は、湾曲外側の搬送ベルト2bに接触して配置されている。このピンチローラー22は、湾曲部3を通過される郵便物Mをローラー4に押し付けるように機能する。このため、本実施形態によると、上述した第1の実施形態の検知装置10と比較して、湾曲部3を通る郵便物Mの搬送力をローラー4により伝え易くなり、よりセンシティブな硬さや重さの検知が可能となる。
【0042】
(第3の実施形態)
図14(および図16)は、第3の実施形態に係る検知装置30の外観斜視図であり、図15(および図17)は、この検知装置30を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置30は、湾曲部3の外側に無端状の押えベルト32を備えた以外、上述した第1の実施形態の検知装置10と同様の構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態の検知装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
押えベルト32は、複数(本実施形態では3つ)のローラー34a、34b、34cに巻回されて無端状に張設され、湾曲部3の外側に配置されている。この押えベルト32は、湾曲部3の上流側に配置されたローラー34bと下流側に配置されたローラー34cとの間に掛け渡された押えベルト32の部位が、ローラー4に掛け回された外側の搬送ベルト2bに対して押し付けられるように位置決めされている。このため、この押えベルト32自体が、湾曲部3に沿って郵便物Mを案内するガイド部材として機能する。
【0044】
本実施形態によると、上述した第2の実施形態の検知装置20と比較して、湾曲部3に進入する郵便物Mの搬送方向先端をよりスムーズに搬送ニップへ受け入れることができ、郵便物Mの先端が湾曲部3に突入する際にローラー4に伝えられる衝撃を小さくできる。これにより、特に、比較的軽くて柔らかい郵便物Mの物性(硬さや重さ)をより高精度に検知できる。
【0045】
(第4の実施形態)
図18(および図20)は、第4の実施形態に係る検知装置40の外観斜視図であり、図19(および図21)は、この検知装置40を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置40は、湾曲内側のローラー4の回転軸4aに力覚センサー5を取り付ける代わりに、湾曲外側のピンチローラー22の回転軸22aに力覚センサー5を取り付けた構造を有する。これ以外の構造は、上述した第2の実施形態の検知装置20と略同じであるため、ここでは、第2の実施形態の検知装置20と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0046】
例えば、比較的硬くて重い郵便物Mが湾曲部3を通過する場合、上述したように、当該郵便物Mは搬送路1から大きく外れて搬送される。このとき、上述した第1乃至第3の実施形態のように、湾曲部3の内側に配置されたローラー4に対して当該郵便物Mの搬送力が作用すると同時に、湾曲部3の外側に配置したピンチローラー22にも搬送力が作用する。このため、本実施形態のように、内側のローラー4を固定的に配置すると、郵便物Mの搬送力F1は、概ね外側のピンチローラー22に作用することになる。
【0047】
本実施形態によると、少なくとも搬送ベルト対2a、2bの張力がピンチローラー22に作用しないため、上述した第2の実施形態の検知装置20と比較して、力覚センサー5にかかる搬送ベルト対2a、2bからの不所望な力を無くすことができる。これにより、郵便物Mの搬送力に基づく力やモーメントだけを高いS/N比で検知でき、より正確な硬さおよび重さ検知が可能となる。
【0048】
(第5の実施形態)
図22(および図24)は、第5の実施形態に係る検知装置50の外観斜視図であり、図23(および図25)は、この検知装置50を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置50は、湾曲部3の内側に配置したローラー4の回転軸4aに力覚センサー5を取り付ける代わりに、湾曲部3の外側に配置した押えベルト32を巻回したローラー34aの回転軸に力覚センサー5を取り付けた構造を有する。これ以外の構造は、上述した第3の実施形態の検知装置30と同様の構造を有する。よって、ここでは、第3の実施形態の検知装置30と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
力覚センサー5を取り付けたローラー34aは、押えベルト32を巻回せしめた複数のローラーのうち、湾曲部3から離間した位置に配置された郵便物Mからの搬送力が直接作用されることのないローラーである。このため、本実施形態によると、搬送される郵便物Mから力覚センサー5に与えられる負荷が比較的小さいことに加え、郵便物Mを搬送していないときにこのローラー34aに付与される負荷を小さくでき、郵便物Mを検知するとき以外で力覚センサー5に作用する不所望な力を極力少なくできる。これにより、力覚センサー5の耐久性を高めることができる。
【0050】
以下、上述した第1の実施形態の検知装置10のローラー4および力覚センサー5の取付構造について、いくつかの例を挙げて説明する。
【0051】
(第1の取付例)
上述した第1の実施形態では、図26に示すように、ローラー4と力覚センサー5を同軸に配置したが、本取付例では、図27に示すように、ローラー4と力覚センサー5をオフセットして配置した。いずれの場合も、力覚センサー5は、支持部材6の裏面に固定されているとともに、ベース部材7の図示上面にも固定されている。
【0052】
図27の取付例では、力覚センサー5は、ローラー4の変位を直接検知するのではなく、ローラー4の回転軸4aを支持した支持部材6の変位を検知して、湾曲部3を通過する郵便物Mから付与される力やモーメントを検知する。この場合、郵便物Mの搬送方向に対するオフセットの方向にもよるが、概ね、図26の取付構造と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0053】
(第2の取付例)
図28に示す第2の取付例では、ローラー4の回転軸4aを支持した支持部材6をL字形に折り曲げた構造とした。この場合、ローラー4の回転軸4aと力覚センサー5の中心軸が直交する方向に互いに交差することになるが、例えば、信号検知方向が6軸の力覚センサーを用いることで、図26や図27に図示した取付例と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0054】
(第3の取付例)
図29に示す第3の取付例では、L字形に折り曲げた支持部材6の内側に力覚センサー5を取り付けた構造とした。この場合においても、ローラー4の回転軸4aと力覚センサー5の中心軸が直交する方向に互いに交差することになるが、例えば、信号検知方向が6軸の力覚センサーを用いることで、図26乃至図28に図示した取付例と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0055】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の紙葉類検知装置によれば、搬送路1の湾曲部3に沿って上述した構造の検知装置を配置したため、紙葉類の硬さや重さを高精度に検知できる。
【0056】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0057】
例えば、上述した実施形態では、郵便物Mから付与される力やモーメントを受ける受部材としてローラーや押えベルトを用いた場合について説明したが、これに限らず、搬送ガイドなど他の部材を受部材として用いても良い。
【符号の説明】
【0058】
1…搬送路、2a、2b…搬送ベルト対、3…湾曲部、4…ローラー、4a…回転軸、5…力覚センサー、6…支持部材、7…ベース部材、10、20、30、40、50…検知装置、11…ケース、12、13…チャンバー、14…隔壁、15…ストッパー、16…たわみ板、17…たわみ検出器、18…処理装置、22…ピンチローラー、M…郵便物、S1、S2…センサー。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、搬送中の紙葉類の硬さや重さを検知する紙葉類検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類検知装置として、搬送路の途中にある屈曲部の外側に設けた検知レバーに紙葉類を突き当てて、検知レバーの位置変動をセンサーで検知して、当該紙葉類に含まれる硬物や異物を検知する装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−232300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように検知レバーを使用した検知装置では、当該紙葉類の中に含まれる硬物や異物の部位が接触したときの検知レバーの位置変動をセンサーのオン/オフ信号として検知するため、情報量が少なく、硬物や異物を高精度に検知できない。特に、この装置では、紙葉類の衝突エネルギーを検知レバーを介して間接的に検知するため検知信号に乗る誤差が大きい。また、紙葉類の搬送速度が速くなると、検知レバーの残留振動がノイズとなり、硬物や異物を正確に検知できなくなる。
【0005】
よって、紙葉類の硬さや重さを高精度に検知できる紙葉類検知装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る紙葉類検知装置は、紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、この湾曲部を通して搬送される紙葉類が湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続ける。これにより、当該紙葉類の硬さや重さを高い精度で検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、図1の検知装置を上方から見た平面図である。
【図3】図3は、図1の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の平面図である。
【図5】図5は、図1の検知装置の力覚センサーの内部構造を説明するための概略図である。
【図6】図6は、図5の断面図である。
【図7】図7は、図5の力覚センサーのたわみ板の機能を説明するための説明図である。
【図8】図8は、図5の力覚センサーのストッパーの機能を説明するための説明図である。
【図9】図9は、図1の検知装置の信号処理回路を示すブロック図である。
【図10】図10は、第2の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図11】図11は、図10の検知装置を上方から見た平面図である。
【図12】図12は、図10の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図12の平面図である。
【図14】図14は、第3の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図15】図15は、図14の検知装置を上方から見た平面図である。
【図16】図16は、図14の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図17】図17は、図16の平面図である。
【図18】図18は、第4の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図19】図19は、図18の検知装置を上方から見た平面図である。
【図20】図20は、図18の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図21】図21は、図20の平面図である。
【図22】図22は、第5の実施形態に係る検知装置を示す外観斜視図である。
【図23】図23は、図22の検知装置を上方から見た平面図である。
【図24】図24は、図22の検知装置の湾曲部を郵便物が通過している状態を示す斜視図である。
【図25】図25は、図24の平面図である。
【図26】図26は、第1の実施形態の検知装置の取付構造を説明するための斜視図(a)および平面図(b)である。
【図27】図27は、第1の実施形態の検知装置の第1の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【図28】図28は、第1の実施形態の検知装置の第2の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【図29】図29は、第3の実施形態の検知装置の第3の取付例を示す斜視図(a)および平面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の紙葉類検知装置は、紙葉類の一例として、郵便物の硬さや重さを検知する装置であるが、これに限定されるものではなく、各実施形態の紙葉類検知装置は、郵便物を含むあらゆる種類の紙葉類の硬さや重さを高精度に検知することができる。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(および図3)は、第1の実施形態に係る紙葉類検知装置10(以下、単に、検知装置10と称する)の外観斜視図である。また、図2(および図4)は、この検知装置10を上方から見た平面図である。この検知装置10は、郵便物Mを曲げながら搬送する重なった状態の一対の細長い搬送ベルト2a、2bに沿って配置されている。
【0010】
一対の搬送ベルト2a、2bは、その間に搬送路1を規定するように重ねられて同じ方向に延設されており、ここでは図示を省略した複数のローラーに巻回されて、それぞれ無端状に張設されている。そして、これら搬送ベルト対2a、2bを巻回せしめたローラーを回転させることで、一対の搬送ベルト2a、2bが同じ速度で走行する。なお、ここでは、搬送ベルト2a、2bの一部を図示したが、郵便物Mの搬送経路に沿って複数対の無端状の搬送ベルトが設けられている。
【0011】
また、図1乃至図4に例示した搬送路1の途中には、郵便物Mを曲げて搬送するため、搬送ベルト対2a、2bを湾曲せしめた湾曲部3が設けられている。郵便物Mは、搬送ベルト対2a、2bによって挟まれた搬送路1を介して図示矢印T方向に立位で搬送され、比較的高速(例えば、4m/s)で湾曲部3を通過される。図3および図4には、郵便物Mが湾曲部3を通過している状態の斜視図および平面図をそれぞれ示してある。
【0012】
本実施形態の検知装置10は、搬送ベルト対2a、2bの湾曲部3の内側に配置されている。この検知装置10は、湾曲部3を通過する郵便物Mから与えられる力やモーメントを受ける受部材として、円筒形のローラー4を有する。つまり、このローラー4は、湾曲内側にある搬送ベルト2aに接触している。このため、このローラー4には、搬送路1を介して搬送される郵便物Mから振動や衝撃が伝えられる。このローラー4の図示下方に突出した回転軸4aは、支持部材6を介して後述する力覚センサー5に接続されている。
【0013】
言い換えると、上記搬送ベルト対2a、2bは、湾曲部3において、互いに重ねられた状態で、ローラー4に巻き付けられている。このように、重ねた一対の搬送ベルト2a、2bをローラー4に巻き付けることで、湾曲部3に搬送ニップを形成でき、湾曲部3を通過する郵便物Mに搬送力を与えることができる。
【0014】
ここで言う搬送ニップとは、一対の搬送ベルト2a、2b同士が押し付けられて密着されている部位を指し、重なった状態の一対の搬送ベルト2a、2bをローラー4に巻き付けることで一対の搬送ベルト2a、2bが互いに押し付けあう部位を指す。つまり、内側の搬送ベルト2aがローラー4の外周面に接触した長さの範囲内で一対の搬送ベルト2a、2b同士が密着した部位が搬送ニップである。
【0015】
なお、搬送ベルト2a、2bは、複数のローラーに巻回されて張設されているため、テンションが与えられている。このため、搬送路1を介して郵便物Mが搬送されていないとき(すなわち、搬送ベルトが走行していないとき)でも、ローラー4には、常に、搬送ベルト対2a、2bからわずかな押付力が付与されている。この押付力は、湾曲部3の内側に向かう力である。
【0016】
力覚センサー5は、支持部材6の図示下面に取り付けられ、ローラー4の一端、すなわちローラー4の回転軸4aを受け入れている。そして、この力覚センサー5は、ローラー4が郵便物Mから受ける力やモーメントを検知するもので、その構造は例えば特開2010−230631号公報に記載されたものである。
【0017】
図1および図2に示すように郵便物Mの搬送方向先端が湾曲部3にさしかかったとき、すなわち、当該郵便物Mの搬送方向先端が搬送ニップに突入したとき、図示矢印F1で示す当該郵便物Mの搬送力がローラー4に作用し、ローラー4を真っ直ぐに押す並進力(矢印F2)を生出する。同時に、当該郵便物Mの搬送方向先端が湾曲部3にさしかかったとき、搬送力F1は、ローラー4をねじる方向のモーメント(矢印F3)も生出する。
【0018】
また、図3および図4に示すように郵便物Mが湾曲部3を通過しているときには、当該郵便物Mの硬さに起因して、ローラー4を湾曲内側に押す力F4が作用し、ローラー4を真っ直ぐ内側に押す並進力F5を生出する。このとき、当該郵便物Mの搬送力は、ローラー4をねじる方向のモーメントF6も生出する。
【0019】
すなわち、力覚センサー5は、これらの並進力F2、F5を検知するとともに、上述したモーメントF3、F6を検知し、当該郵便物Mの硬さや重さを検知するための信号を出力する。
【0020】
例えば、比較的軽くて柔らかいはがきなどの郵便物Mが搬送された場合、湾曲部3の湾曲した形状に合わせて郵便物Mが搬送路1に沿って変形することで、当該郵便物Mは比較的スムーズに湾曲部3を通過する。この場合、検知装置10のローラー4が当該郵便物Mの搬送によって押圧されることは殆どなく、力覚センサー5の出力変化も比較的小さなものとなる。
【0021】
これに対し、例えば、比較的硬くて重い郵便物Mが搬送された場合、郵便物M自体のイナーシャが大きいことに加えて湾曲部3の形状に合わせて当該郵便物Mが変形し難くいため、搬送路1から大きく外れて搬送される。この場合、検知装置10のローラー4に対して当該郵便物Mから比較的大きな力が作用する。つまり、この場合、ローラー4が大きく位置変位され、力覚センサー5の出力が比較的大きくなる。
【0022】
図5は、力覚センサー5の内部構造を示す斜視図であり、図6は、その断面図である。図5および図6では、図示簡略化のため、力覚センサー5を支持した支持部材6の図示を省略してある。
【0023】
力覚センサー5は、ローラー4の回転軸4aを途中まで受け入れた略円筒形のケース11を有する。このケース11の内部には、回転軸4aに沿って、2つの円筒形のチャンバー12、13が設けられている。2つのチャンバー12、13の間には、ケース11と一体の隔壁14が設けられている。隔壁14の中央部には、ローラー4の回転軸4aを遊びを有して挿通する貫通孔14aが設けられている。
【0024】
ローラー4に近い側(図示上方)のチャンバー12内には、ローラー4の回転軸4aの途中に固設された円板状のストッパー15が遊びを有して収容され、ローラー4から遠い方(図示下方)のチャンバー13内には、ローラー4の回転軸4aの先端を突き当てて固定した円形のたわみ板16が取り付けられている。
【0025】
たわみ板16は、チャンバー13の軸方向中央でチャンバー13の内壁に固設されており、回転軸4aの移動、すなわちローラー4の変位に伴って、例えば、図7(a)〜(d)に示すようにたわんで変形する。たわみ板16を取り付けたチャンバー13の底には、たわみ板16のたわみ具合を検出するためのたわみ検出器17(図5では図示省略)が取り付けられている。たわみ板16を取り付けたチャンバー13は、たわみ板16が変形したとき、少なくとも、たわみ板16がチャンバー13の内壁に接触することのない大きさに設定されている。
【0026】
例えば、図7(a)に示すように、ローラー4に図示矢印F7方向の力が加えられて、ローラー4が軸方向に押し込まれるように変位したとき、たわみ板16の中央部分が回転軸4aの先端によって下方に押し込まれて変形する。また、図7(b)に示すように、図示矢印F8方向の力が加えられてローラー4が軸方向に引っ張られるように変位したとき、たわみ板16の中央が盛り上がるように変形する。また、図7(c)および図7(d)に示すように、図示矢印F9或いはF10方向の力が加えられてローラー4が傾倒されるように変位したとき、たわみ板16は図示のようにねじられて変形する。たわみ検出器17は、このときのたわみ板16の変形具合を検出し、力覚センサー5の出力として検出結果を出力する。
【0027】
一方、ストッパー15を収容したチャンバー12は、たわみ板16の変形量が許容値を超える前に、例えば、たわみ板16が破壊される前に、図8(a)〜(d)に示すように、ストッパー15の一部がチャンバー12の内壁に接触して回転軸4aの移動が規制されるように、その大きさが設定されている。或いは、ストッパー15の厚さが、たわみ板16の破壊、すなわち力覚センサー5の破壊を防止する厚さに設定されている。
【0028】
例えば、図8(a)に示すように、ローラー4が図示矢印F11方向に比較的長いストロークで強く押し込まれたとき、ストッパー15の下面がチャンバー12の下面12a、すなわち、隔壁14の上面に当接し、ローラー4がそれ以上押し込まれないようにローラー4の動きを規制する。また、図8(b)に示すように、ローラー4が力覚センサー5から矢印F12方向に強く引き抜かれたとき、ストッパー15の上面がチャンバー12の上面12bに当接し、ローラー4がそれ以上引き抜かれないようにローラー4の動きを規制する。
【0029】
或いは、図8(c)に示すように、ローラー4が図示右方向(矢印F13方向)に大きく傾倒されたとき、ストッパー15の図示左上部分がチャンバー12の上面に当接するとともに、ストッパー15の図示右下部分がチャンバー12の下面12cに当接し、ローラー4の動きを規制する。また、図8(d)に示すように、ローラー4が図示左方向(矢印F14方向)に大きく傾倒されたとき、ストッパー15の図示右上部分がチャンバー12の上面12dに当接するとともに、ストッパー15の図示左下部分がチャンバー12の下面12aに当接し、ローラー4の動きを規制する。
【0030】
すなわち、ストッパー15は、ローラー4が許容範囲を超えて変位されようとしたとき、チャンバー12の内壁に当接することでローラー4の動きを規制し、たわみ板16が必要以上に変形されて力覚センサー5が破壊される不具合を防止するよう機能する。
【0031】
図9は、上記検知装置10の信号処理回路のブロック図を示す。
力覚センサー5(たわみ検出器17)に接続された処理装置18には、搬送路1を介して搬送されて検知装置10を通過される郵便物Mの通過を検知する2つのタイミングセンサーS1、S2が接続されている。一方のセンサーS1は、図1乃至図4にも示すように、郵便物Mの搬送方向に沿って湾曲部3の上流側に配置され、他方のセンサーS2は、郵便物Mの搬送方向に沿って湾曲部3の下流側に配置されている。より具体的には、各センサーS1、S2は、搬送路1を挟んで発光部および受光部を有し、その間の光軸を郵便物Mが遮ることをもって当該郵便物Mの先端および後端通過を検知する。
【0032】
処理装置18は、センサーS1の出力に基づいて、搬送された郵便物Mが湾曲部3の搬送ニップにさしかかったことを検知し、センサーS2の出力に基づいて、当該郵便物Mが湾曲部3の搬送ニップを通過したことを検知する。すなわち、処理装置18は、当該郵便物Mが湾曲部3に送り込まれてから通過し終わるまでの間に力覚センサー5のたわみ検出器17から出力される信号を、センサー信号として出力し続ける。
【0033】
トリガーセンサーS1、S2は、少なくとも1つあれば良い。例えば、湾曲部3の上流側のセンサーS1だけを用いる場合、当該センサーS1を介して郵便物Mの搬送方向先端および後端通過を検知する。そして、処理装置18は、当該郵便物Mの搬送速度とセンサーS1の出力に基づいて、当該郵便物Mが湾曲部3を通過し終わる時間を算出し、湾曲部3を通過するタイミングを取得する。
【0034】
以上のように、本実施形態の検知装置10によると、搬送路1を介して搬送された郵便物Mが湾曲部3にさしかかってから湾曲部3を通過し終わるまでの間の検知結果を出力することができ、1通の郵便物Mに対して検知可能なデータ量を極めて多くできる。このため、この検知結果に基づいて、当該郵便物Mの硬さや重さを正確に検知することができる。特に、本実施形態によると、封書内に硬物や異物が混入されていることも正確に検知でき、混入されている位置も特定できる。
【0035】
従来のように、郵便物Mの搬送方向先端を検知レバーに突き当てる検知装置の場合、封書の中にコインなどの硬物が封入されていると、ハンマー現象が生じて正確な検出ができなくなる。しかし、本実施形態の検知装置10では、郵便物Mの先端を検知レバーなどに突き当てるのではなく、搬送ニップに受け入れるだけなので、ハンマー現象が生じることはない。この点においても、本実施形態の検知装置10を用いた場合、検知信号に乗るノイズが少なく、郵便物Mの硬さや重さを正確且つ高精度に検知できる。
【0036】
なお、本実施形態の検知装置10は、搬送ベルト対2a、2bを巻回して張設したローラー4の変位に基づいて郵便物Mの物性を検知するため、タイミングセンサーS1、S2を介して当該郵便物Mの搬送位置を監視することが有効である。
【0037】
つまり、ローラー4には、常にベルト2a、2bから押圧力が作用しているため、郵便物Mが搬送されていない状態でも、ベルトの走行時の振動などが僅かなノイズとして検知されてしまう可能性がある。このため、比較的軽くて柔らかい郵便物Mが搬送された場合など、検知信号のS/N比が低下する。よって、このような不具合を解消するため、本実施形態では、郵便物Mが湾曲部3を通過しているときの信号だけを出力するようにしている。
【0038】
また、本実施形態によると、郵便物処理装置全体を通して郵便物Mを搬送する搬送路1において、全ての湾曲部における搬送速度に対する許容可能な湾曲度を決めるための基準を与えることができる。つまり、各湾曲部に本実施形態の検知装置10を配置して、テスト媒体を搬送することで、適切な湾曲度であるか否かを判断できる。或いは、郵便物処理装置で処理する郵便物Mのうち最も硬くて重い郵便物であると想定される媒体を湾曲部の湾曲度を変更しながら搬送して検知装置10で当該媒体の物性を測定することで、許容可能な湾曲度のしきい値も測定できる。
【0039】
さらに、本実施形態の検知装置10による検知結果と実際に複数通の郵便物Mを搬送したときの搬送ギャップの乱れとの間の因果関係に基づいて、適切なギャップ補正量を決定することもできる。これにより、郵便物Mを高速に搬送して処理する装置において、ギャップ制御の性能を向上させることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図10(および図12)は、第2の実施形態に係る検知装置20の外観斜視図であり、図11(および図13)は、この検知装置20を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置20は、搬送路1を介してローラー4に対向する位置にピンチローラー22を備えた以外、上述した第1の実施形態の検知装置10と同様の構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態の検知装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0041】
ピンチローラー22は、湾曲部3の外側に配置されている。すなわち、ピンチローラー22は、湾曲外側の搬送ベルト2bに接触して配置されている。このピンチローラー22は、湾曲部3を通過される郵便物Mをローラー4に押し付けるように機能する。このため、本実施形態によると、上述した第1の実施形態の検知装置10と比較して、湾曲部3を通る郵便物Mの搬送力をローラー4により伝え易くなり、よりセンシティブな硬さや重さの検知が可能となる。
【0042】
(第3の実施形態)
図14(および図16)は、第3の実施形態に係る検知装置30の外観斜視図であり、図15(および図17)は、この検知装置30を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置30は、湾曲部3の外側に無端状の押えベルト32を備えた以外、上述した第1の実施形態の検知装置10と同様の構造を有する。よって、ここでは、第1の実施形態の検知装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
押えベルト32は、複数(本実施形態では3つ)のローラー34a、34b、34cに巻回されて無端状に張設され、湾曲部3の外側に配置されている。この押えベルト32は、湾曲部3の上流側に配置されたローラー34bと下流側に配置されたローラー34cとの間に掛け渡された押えベルト32の部位が、ローラー4に掛け回された外側の搬送ベルト2bに対して押し付けられるように位置決めされている。このため、この押えベルト32自体が、湾曲部3に沿って郵便物Mを案内するガイド部材として機能する。
【0044】
本実施形態によると、上述した第2の実施形態の検知装置20と比較して、湾曲部3に進入する郵便物Mの搬送方向先端をよりスムーズに搬送ニップへ受け入れることができ、郵便物Mの先端が湾曲部3に突入する際にローラー4に伝えられる衝撃を小さくできる。これにより、特に、比較的軽くて柔らかい郵便物Mの物性(硬さや重さ)をより高精度に検知できる。
【0045】
(第4の実施形態)
図18(および図20)は、第4の実施形態に係る検知装置40の外観斜視図であり、図19(および図21)は、この検知装置40を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置40は、湾曲内側のローラー4の回転軸4aに力覚センサー5を取り付ける代わりに、湾曲外側のピンチローラー22の回転軸22aに力覚センサー5を取り付けた構造を有する。これ以外の構造は、上述した第2の実施形態の検知装置20と略同じであるため、ここでは、第2の実施形態の検知装置20と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0046】
例えば、比較的硬くて重い郵便物Mが湾曲部3を通過する場合、上述したように、当該郵便物Mは搬送路1から大きく外れて搬送される。このとき、上述した第1乃至第3の実施形態のように、湾曲部3の内側に配置されたローラー4に対して当該郵便物Mの搬送力が作用すると同時に、湾曲部3の外側に配置したピンチローラー22にも搬送力が作用する。このため、本実施形態のように、内側のローラー4を固定的に配置すると、郵便物Mの搬送力F1は、概ね外側のピンチローラー22に作用することになる。
【0047】
本実施形態によると、少なくとも搬送ベルト対2a、2bの張力がピンチローラー22に作用しないため、上述した第2の実施形態の検知装置20と比較して、力覚センサー5にかかる搬送ベルト対2a、2bからの不所望な力を無くすことができる。これにより、郵便物Mの搬送力に基づく力やモーメントだけを高いS/N比で検知でき、より正確な硬さおよび重さ検知が可能となる。
【0048】
(第5の実施形態)
図22(および図24)は、第5の実施形態に係る検知装置50の外観斜視図であり、図23(および図25)は、この検知装置50を上方から見た平面図である。本実施形態の検知装置50は、湾曲部3の内側に配置したローラー4の回転軸4aに力覚センサー5を取り付ける代わりに、湾曲部3の外側に配置した押えベルト32を巻回したローラー34aの回転軸に力覚センサー5を取り付けた構造を有する。これ以外の構造は、上述した第3の実施形態の検知装置30と同様の構造を有する。よって、ここでは、第3の実施形態の検知装置30と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
力覚センサー5を取り付けたローラー34aは、押えベルト32を巻回せしめた複数のローラーのうち、湾曲部3から離間した位置に配置された郵便物Mからの搬送力が直接作用されることのないローラーである。このため、本実施形態によると、搬送される郵便物Mから力覚センサー5に与えられる負荷が比較的小さいことに加え、郵便物Mを搬送していないときにこのローラー34aに付与される負荷を小さくでき、郵便物Mを検知するとき以外で力覚センサー5に作用する不所望な力を極力少なくできる。これにより、力覚センサー5の耐久性を高めることができる。
【0050】
以下、上述した第1の実施形態の検知装置10のローラー4および力覚センサー5の取付構造について、いくつかの例を挙げて説明する。
【0051】
(第1の取付例)
上述した第1の実施形態では、図26に示すように、ローラー4と力覚センサー5を同軸に配置したが、本取付例では、図27に示すように、ローラー4と力覚センサー5をオフセットして配置した。いずれの場合も、力覚センサー5は、支持部材6の裏面に固定されているとともに、ベース部材7の図示上面にも固定されている。
【0052】
図27の取付例では、力覚センサー5は、ローラー4の変位を直接検知するのではなく、ローラー4の回転軸4aを支持した支持部材6の変位を検知して、湾曲部3を通過する郵便物Mから付与される力やモーメントを検知する。この場合、郵便物Mの搬送方向に対するオフセットの方向にもよるが、概ね、図26の取付構造と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0053】
(第2の取付例)
図28に示す第2の取付例では、ローラー4の回転軸4aを支持した支持部材6をL字形に折り曲げた構造とした。この場合、ローラー4の回転軸4aと力覚センサー5の中心軸が直交する方向に互いに交差することになるが、例えば、信号検知方向が6軸の力覚センサーを用いることで、図26や図27に図示した取付例と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0054】
(第3の取付例)
図29に示す第3の取付例では、L字形に折り曲げた支持部材6の内側に力覚センサー5を取り付けた構造とした。この場合においても、ローラー4の回転軸4aと力覚センサー5の中心軸が直交する方向に互いに交差することになるが、例えば、信号検知方向が6軸の力覚センサーを用いることで、図26乃至図28に図示した取付例と同様に、郵便物Mの硬さや重さを検知できる。
【0055】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の紙葉類検知装置によれば、搬送路1の湾曲部3に沿って上述した構造の検知装置を配置したため、紙葉類の硬さや重さを高精度に検知できる。
【0056】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0057】
例えば、上述した実施形態では、郵便物Mから付与される力やモーメントを受ける受部材としてローラーや押えベルトを用いた場合について説明したが、これに限らず、搬送ガイドなど他の部材を受部材として用いても良い。
【符号の説明】
【0058】
1…搬送路、2a、2b…搬送ベルト対、3…湾曲部、4…ローラー、4a…回転軸、5…力覚センサー、6…支持部材、7…ベース部材、10、20、30、40、50…検知装置、11…ケース、12、13…チャンバー、14…隔壁、15…ストッパー、16…たわみ板、17…たわみ検出器、18…処理装置、22…ピンチローラー、M…郵便物、S1、S2…センサー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、上記湾曲部を通して搬送される紙葉類が上記湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が上記湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続け、当該紙葉類の硬さや重さを検知する紙葉類検知装置。
【請求項2】
上記湾曲部の内側或いは外側に配置された受部材と、
上記湾曲部を通過する紙葉類から上記受部材に付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する請求項1の紙葉類検知装置。
【請求項3】
当該紙葉類が、上記湾曲部にさしかかってから当該湾曲部をぬけるまでの通過中の状態にあることを検知するセンサーをさらに有し、
上記力覚センサーは、上記センサーを介して上記通過中であることを検知されている紙葉類の硬さや重さを検知する請求項2の紙葉類検知装置。
【請求項4】
上記力覚センサーは、上記受部材が許容範囲を超えて変位しようとする移動を規制するストッパーを有する請求項2の紙葉類検知装置。
【請求項5】
紙葉類を間に挟んで搬送する一対の搬送ベルトと、
これら搬送ベルト対を重ねて巻回せしめたローラーと、
上記搬送ベルト対によって搬送される紙葉類から上記ローラーに付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する紙葉類検知装置。
【請求項6】
紙葉類を間に挟んで搬送する一対の搬送ベルトと、
これら搬送ベルト対を重ねて巻回せしめたローラーと、
このローラーに沿って湾曲した上記搬送ベルト対の湾曲部の湾曲外側に配置された受部材と、
上記搬送ベルト対によって搬送される紙葉類から上記受部材に付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する紙葉類検知装置。
【請求項7】
上記受部材は、上記ローラーに上記搬送ベルト対を押圧するように無端状に配置された押えベルトを巻回せしめたローラーであり、上記力覚センサーは、このローラーの回転軸に取り付けられている請求項6の紙葉類検知装置。
【請求項8】
上記力覚センサーを取り付けた上記押えベルトのローラーは、上記搬送ベルト対を巻回せしめた湾曲内側のローラーから離間して配置されている請求項7の紙葉類検知装置。
【請求項1】
紙葉類を曲げながら搬送する湾曲部の内側或いは外側に配置され、上記湾曲部を通して搬送される紙葉類が上記湾曲部にさしかかったとき、および当該紙葉類が上記湾曲部を通過している間中、当該紙葉類から付与される力やモーメントを検出し続け、当該紙葉類の硬さや重さを検知する紙葉類検知装置。
【請求項2】
上記湾曲部の内側或いは外側に配置された受部材と、
上記湾曲部を通過する紙葉類から上記受部材に付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する請求項1の紙葉類検知装置。
【請求項3】
当該紙葉類が、上記湾曲部にさしかかってから当該湾曲部をぬけるまでの通過中の状態にあることを検知するセンサーをさらに有し、
上記力覚センサーは、上記センサーを介して上記通過中であることを検知されている紙葉類の硬さや重さを検知する請求項2の紙葉類検知装置。
【請求項4】
上記力覚センサーは、上記受部材が許容範囲を超えて変位しようとする移動を規制するストッパーを有する請求項2の紙葉類検知装置。
【請求項5】
紙葉類を間に挟んで搬送する一対の搬送ベルトと、
これら搬送ベルト対を重ねて巻回せしめたローラーと、
上記搬送ベルト対によって搬送される紙葉類から上記ローラーに付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する紙葉類検知装置。
【請求項6】
紙葉類を間に挟んで搬送する一対の搬送ベルトと、
これら搬送ベルト対を重ねて巻回せしめたローラーと、
このローラーに沿って湾曲した上記搬送ベルト対の湾曲部の湾曲外側に配置された受部材と、
上記搬送ベルト対によって搬送される紙葉類から上記受部材に付与される力やモーメントを検知する力覚センサーと、
を有する紙葉類検知装置。
【請求項7】
上記受部材は、上記ローラーに上記搬送ベルト対を押圧するように無端状に配置された押えベルトを巻回せしめたローラーであり、上記力覚センサーは、このローラーの回転軸に取り付けられている請求項6の紙葉類検知装置。
【請求項8】
上記力覚センサーを取り付けた上記押えベルトのローラーは、上記搬送ベルト対を巻回せしめた湾曲内側のローラーから離間して配置されている請求項7の紙葉類検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−187540(P2012−187540A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54340(P2011−54340)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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