紙製包装容器
【課題】小物品入り小袋を複数収納した紙製包装容器において、収納している小物品入り小袋の取り出しを面板部全体の開け閉めを行なうことなく取り出せるようにし、空となった小袋の置き場所をこの紙製包装容器で形成し、小物品入り小袋の取り出しが容易で空の小袋の置き場所となる容器を得る。
【解決手段】背面板部7に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部6側に向けて移動させるとともに小袋クズ回収空間部24を形成する押し付け片23を設け、押し付け片23の倒し込みにより移動して正面板部6が受け止める小物品入り小袋20と対応する天面板部4における正面板部6側の部分に、最前位の小物品入り小袋20の抜き出しが可能に開口した取り出し口部25を設け、押し付け片23の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部24と対応する底面板部5に、小袋クズを小袋クズ回収空間部24に挿入可能な差し込み口部29を設けた。
【解決手段】背面板部7に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部6側に向けて移動させるとともに小袋クズ回収空間部24を形成する押し付け片23を設け、押し付け片23の倒し込みにより移動して正面板部6が受け止める小物品入り小袋20と対応する天面板部4における正面板部6側の部分に、最前位の小物品入り小袋20の抜き出しが可能に開口した取り出し口部25を設け、押し付け片23の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部24と対応する底面板部5に、小袋クズを小袋クズ回収空間部24に挿入可能な差し込み口部29を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少量の菓子類などの小物品が入れられた複数の小袋を収納した紙製包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、チョコレートなどの菓子商品において、少量の菓子を小袋に入れてこれを複数まとめて紙製の包装容器に入れた商品形態とすることが多くなってきていて、その紙製包装容器自体もカバンやハンドバックなどに嵩張らずに入いる大きさのものとなっている。そして、商品の陳列形態においてハンガーラックのハンガーに商品を掛けるものもがあり、少量多種のものを店頭販売するコンビニエンスストアなどでは、その小物品入り小袋を収納した紙製包装容器からなる商品も前記ハンガーに掛け止めて陳列するようになってきている。そのため、紙製包装容器の形状においても、ハンガーに比較的安定的に掛け止めることができるように吊り下げ孔を開けたものも提供されるようになってきている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−056560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した小物品入り小袋を複数収納してなる紙製包装容器では購入者が小袋を取り出すときに、一般的に蓋として機能している天面板部を大きく開く操作が必要となっており、小袋の取り出し操作に手間がかかるという問題がある。また、小袋に入れた小物品が菓子である場合、食するときに空の小袋自体がクズとなってその都度置き場所を探して処分しなければならず、小物品を取り出した後の小袋の取り扱いに対して有効な提案はなかった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、小物品入り小袋を複数収納した紙製包装容器において、収納している小物品入り小袋の取り出しを面板部全体の開け閉めを行なうことなく取り出せるようにし、空となった小袋の置き場所をこの紙製包装容器で形成することを課題とし、小物品入り小袋の取り出しが容易で空の小袋の置き場所となる容器を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、天面板部と底面板部と正面板部と背面板部と左右の側面板部との六面の板部で囲まれてなる収納空間を有する箱体を備え、この箱体の前記収納空間に、少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋を並べ入れて収納している紙製の包装容器であって、前記箱体の正面板部と背面板部との間に並び入れた小物品入り小袋の並設方向を、前記正面板部と背面板部との対向方向と同一方向にして、複数の小物品入り小袋が並設状態で正面板部と背面板部との対向方向に移動可能に設けられ、前記背面板部に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより前記小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部側に向けて移動させて背面板部側の収納空間に箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部を形成する押し付け片が設けられ、前記押し付け片の倒し込みにより移動して正面板部が受け止める最前位の小物品入り小袋の上辺と対応する位置となる箱体上下方向に対向する天面板部または底面板部の何れか一方における正面板部側の部分に、前記最前位の小物品入り小袋の抜き出しが可能に開口した取り出し口部が設けられ、前記押し付け片の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部と対応する前記底面板部または天面板部の何れか一方に、小物品を抜き取った小袋を前記小袋クズ回収空間部に挿入可能な差し込み口部が設けられていることを特徴とする紙製包装容器を提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
そして、本発明において、上記取り出し口部には、正面板部の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分が連続しているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記正面板部の開口部分の周縁に、上記正面板部への小物品入り小袋の押し付けにより開くスリットが設けられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記取り出し口部は、取り外し可能な閉鎖部材で閉じられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記差し込み口部は、箱体内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片で閉じられているものとすることが良好である。
また、本発明において、吊り下げ用孔が開口している吊り下げ板部を備えているものとすることが良好である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明により、背面板部の押し付け片を箱体内部に倒し込むすることで並設状態の小物品入り小袋が正面板部に押さえ付けられ、押し出しの方向で最前位の小物品入り小袋が取り出し口部に対応位置するようになり、その取り出し口部にある前記小袋を簡単に抜き出すことができ、従来のように天面板部全体を開け閉めする必要がない。
また、押し付け片の倒し込みで収納空間の背面板部側に小袋クズ回収空間部が形成され、底面板部または天面板部の差し込み口部から小袋クズを小袋クズ袋回収空間部に入れることができ、置き場所を探すことなく小袋クズをまとめることが簡単になる。さらに、全ての小物品を取り出した段階になってから小袋クズと箱体などの紙材部分とを分別処理し易くなる。
【0007】
請求項2の発明により、正面板部に位置した小物品入り小袋を指先で直接挟み持つ領域が広く確保できるようになり、より確実にその小物品入り小袋の抜き出しが簡単になる。
【0008】
請求項3の発明により、小物品入り小袋が箱体内部から強く正面板部に接するようなことがあってもスリットの部分が開いて正面板部側の開口部分の開口周縁の一部分に大きな応力が集中するのを防止して不用意な裂け目が生じないようにして、正面板部の意匠性を損なわないようにする。
【0009】
請求項4の発明により、取り出し口部が閉鎖部材で閉じられていることで、陳列販売時にゴミなどが箱体内部に入るのを防止できるとともに、その陳列販売時での小物品入り小袋の不正な抜き取りを防止できる。
【0010】
請求項5の発明により、小袋クズ回収空間部に入れた小袋クズが不用意に抜け出るのを差し込み口部の蓋片で防止できる。
【0011】
請求項6の発明により、ハンガーに掛け止める陳列販売に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに本発明を図1から図25に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(第一の例)
図中1は紙製包装容器で、該紙製包装容器1は箱体2とハンガーに掛け止めて吊り下げ陳列するときに利用する吊り下げ板3とを備えているものであり、前記箱体2は容器上下方向で相対する天面板部4と底面板部5、容器前後方向で相対する正面板部6と背面板部7、容器左右方向で相対する二つの側面板部8、9とからなり、六面の板部により内部を収納空間とするブロック状の形態とされ、前記吊り下げ板3にあっては箱体2の背部側から上方に向けて起立した状態となるように設けられている。
そして、第一の例において、紙製包装容器1は箱体2と吊り下げ板3とを含めて一枚のブランクを折り起こして製函されたものである。図3は紙製包装容器1を製函するためのブランクを表現していて、このブランクによる展開状態で示されているように、前記箱体2では、箱体胴部回りに側面板部8と正面板部6と側面板部9と背面板部7とが折り部を介して連接され、背面板部7の前記側面板部9とは反対側の辺に糊代10が折り部を介して連接され、この糊代10が前記側面板部8に貼付されて角柱状の胴部を形成する。
また、箱体胴部を構成する上記四面の板部それぞれの下辺に折り部を介して箱体底部を構成する板材が連接されており、側面板部8、9にフラップ11が連接されて折り曲げられているとともに、背面板部7には内底面板12が連接されて前記フラップ11に重なるように折り曲げられ、さらに、正面板部6に連接された外底面板13が前記内底面板12に重なるようにして折り曲げられ、内底面板12に外底面板13が貼付され、このようにして底面板部5が形成されている。外底面板13は内底面板12の全てを覆うように折り重ねられるものではなく、図2に示すように内底面板12の背面板部7側に沿った領域が表出するように外底面板13の大きさが設定されている。
【0013】
箱体2の箱体上部の構造については、側面板部8、9それぞれの上辺に折り部を介して連接されたフラップ14が折り倒され、正面板部6の上辺に折り部を介して連接された天面板15を前記フラップ14の重なるようにして折り倒して天面板部4が形成されている。そして、箱体2の背部となる上記背面板部7の板材が側面板部8、9と正面板部6との高さ寸法より大となるように上方に延設され、その延設部分を糊代16としていて、前記天面板部4の正面板部6側とは反対側の折り部を介して連接して折り起こした糊代17と貼り合わせている。さらに、前記糊代17に上記吊り下げ板3がミシン目などからなる切り取り部18を介して分離可能に連接されている。前記吊り下げ板3には各種のハンガーを通すことができるように吊り下げ孔19が開口している。
【0014】
本発明の紙製包装容器1では、箱体2の収納空間に少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋20を箱体内部収納物として並べ入れて収納していて、後述するようにこの小物品入り小袋20を箱体2の上記天面板部4全体を開閉することなく個別に抜き出すことができるように設けられており、また、小物品を取り出した小袋クズを箱体2の内部に回収できるようにするための空間が得られ易くした工夫が施されている。
図4に示すように、まず、この第一の例においては複数の上記小物品入り小袋20は正面板部6と背面板部7との間に並び入れられていて、小物品入り小袋20の並設方向を正面板部6と背面板部7との対向方向と同一方向にしている。さらに、小物品入り小袋20の形状は正面板部6の形状に応じた略長方形状とされ、かつ、小物品入り小袋20の周辺と箱体2の内面(天面板部4と底面板部5と側面板部8、9とのそれぞれの内面)とが密に当接し合うことはなく摺接可能に設けられている。よって、複数の小物品入り小袋20が並設状態で正面板部6と背面板部7との対向方向に移動可能に設けられている。
【0015】
第一の例においては箱体2の内部に配置された小物品入り小袋20をその箱体2の背面板部7側から正面板部6側に向けて移動するように押し付ける機能を有している。
図示されているように前記背面板部7には、下端を折り部21とするとともにこの折り部21と上部を天面板部4の内面高さ位置に揃えた切り取りミシン目22とで囲まれた押し付け片23が設けられており、切り取りミシン目22を切断し、必要時に押し付け片23を倒し込むことができるようにしている。この押し付け片23の倒し込みにより背面板部7側に位置している箱体内部収納物である前記小物品入り小袋20に前記押し付け片23が接して、並設状態の複数の小物品入り小袋20を正面板部6側に向けて押すように設けられており、並設状態で押し方向での最前位にある(正面板部6側にある)小物品入り小袋20が正面板部6に押さえ付けられ、この正面板部6が小物品入り小袋20を受け止めるようにしている(図6参照)。
さらに上記押し付け片23は、前記小物品入り小袋を正面板部側に向けて移動させて背面板部7側の収納空間に小物品入り小袋20や後述する後入れ(あといれ)小袋クズからなる箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部24を形成するものである。即ち、箱体2の内部の収納空間では、押し付け片23の押し付けで背面板部7側に小袋クズ回収空間部24が形成可能であり、さらに押し付け片23の倒し込み操作により、その小袋クズ回収空間部24が正面板部6側に拡張可能としているものである。
【0016】
この第一の例においては、押し付け片23の倒し込みにより複数の小物品入り小袋20が正面板部6側に移動してその正面板部6が受け止めた最前位の小物品入り小袋20を上方へ抜き出すようにしている。そのため、天面板部4に取り出し口部25が設けられていて、前記最前位となったときの小物品入り小袋20の上辺と対応する位置である天面板部4における正面板部6側の部分に前記取り出し口部25が閉鎖部材26で覆われた状態にして設けられている。
前記取り出し口部25の前縁位置は天面板部4と正面板部6との間の折り部の位置に揃っている。また、取り出し口部25の箱体前後方向での開き寸法は小物品入り小袋20のの厚さとほぼ同一とされて抜き出しに支承を生じない寸法としている。さらに図5に示すように箱体左右方向の開き寸法は小物品入り小袋20の幅より狭い寸法であり、不用意にこの取り出し口部25から小物品入り小袋20が抜け出るのを防止している。なお、小物品入り小袋20の抜き出しに際しては小袋側が変形して抜け出るようになるものであり、変形可能なフィルム材によって小袋が作成されている。
【0017】
図5に示すように小物品入り小袋20の抜き出しは上記取り出し口部25から上記閉鎖部材26を取り外して開放された状態で行なわれる。そして、商品購入者が指先で、取り出し口部25に対応位置した小物品入り小袋20を摘み持ち易くするために、図示のようにこの取り出し口部25に、天面板部4の中央と正面板部6の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分27が連続している。特に、正面板部6にある前記開口部分27においては、摘み持つときの指先の腹部分を最前位の小物品入り小袋20の面部に当てがい易くするために、小物品入り小袋20の高さ方向(箱体上下方向)において下方に或る程度の長さを持って延設されて広く開口されるようにしている。
さらに、正面板部6の上記開口部分27の下端側の周縁に縦にした短寸のスリットsが連続していて、正面板部6への小物品入り小袋20の押し付けによりこのスリットsが開くようにしている。正面板部6は繰り返して内面側から押さえられるが、スリットsの開きによって前記開口部分27の周縁の局所に応力集中が生じるのを防ぎ、不用意な裂け目ができるのを防止する。
紙製包装容器1を用いた商品が陳列販売されるときなどにおいてゴミなどの侵入が生じないように取り出し口部25を上記閉鎖部材26で閉じており、切り取りミシン目28を介して取り出し口部25及び上下の開口部分27の周辺に連続している。取り出し口部25を開く場合は切り取りミシン目28を切断して閉鎖部材26を取り除くようにする。
【0018】
箱体2の底面板部5には、図2に示すように上記内底板12の外方に表出している部分であり、かつ背面板部7との間の折り部に沿った部分に差し込み口部29が設けられている。この差し込み口部29は前述したように背面板部7との間の折り部に沿って位置していることから、小袋クズ回収空間部24にこの差し込み口部29が対応するようにしている(図4、図6参照)。
差し込み口部29は、小物品を取り出した小袋クズ30を差し込む部分であり、上述したように押し付け片23の倒し込みにより小袋クズ回収空間部24を収納空間での背面板部7側に形成した状態で、小物品を取り出した小袋クズ30をこの差し込み口部29から箱体2の内部に差し入れるようにすることで、その小袋クズ30を小袋クズ回収空間部24にまとめることができる。
差し込み口部29自体は常時開口されているものであってもよいが、内部でまとめられている小袋クズが不用意に抜け出ることがないように、この第一の例においては、箱体2の内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片31で閉じられている。蓋片31自体は内底板12に長いコ字状で不連続のスリット32を入れ、そのスリット32の端部の間に折り部33で連続させ、折り部33の位置を折り元とし背面板部7の下端位置に揃った前縁部分を自由端縁として箱体上下方向に回動できるようにした舌片であり、小袋クズ30を差し入れるときに一旦上方に回動した蓋片31が折り元側の紙材の復元力により閉鎖位置に戻る復元性を有しており、差し込み口部29が開状態が継続しないようにしている。
偏平な小袋クズを入れ易いように上記差し込み口部29は箱体左右方向に横長とされ、開いたときに横長の開口が形成されるようにしているが、吊り下げて陳列している販売の時点で箱体2の内部で背面板部7側にも小物品入り小袋20が位置して差し込み口部29の上に乗ることも考えるので、この差し込み口部29の箱体左右方向での長さ寸法を小物品入り小袋20の幅寸法より小さくしている(図2参照)。
【0019】
上記第一の例での紙製包装容器1において、吊り下げ陳列する場合に吊り下げ板3の吊り下げ孔19にハンガーを通して掛け止めるようにする。商品購入者はその購入後に吊り下げ板3を取り除き、また、箱体2における取り出し口部25を閉じている閉鎖部材26を取り除き、背面板部7にある押し付け片23を倒し込むようにして箱体内部の小物品入り小袋20を正面板部6側に押すようにする。これによって内部の複数の小物品入り小袋20は正面板部6側に移動し、上記最前位の小物品入り小袋20の上辺が取り出し口部25に位置し、この取り出し口部25から小物品入り小袋20を摘み持って上方に抜き出すようにする。以降の小物品入り小袋20の抜き出しも同様であり、押し付け片23の倒し込みによって正面板部6側に小物品入り小袋20が送り出されることとなる。
また、上記押し付け片23の倒し込みによって、箱体2の内部に小袋クズ回収空間部24が形成され、また、小物品入り小袋20の抜き出しに応じて正面板部6側に向けて拡張が可能であるため、底面板部5の差し込み口部29から箱体2の内部に向けて小袋クズ30を差し入れるだけで、前記小袋クズ回収空間部24に小袋クズ30をまとめ置くことができる。
さらに、この小袋クズ収納空間部24に入れられた小袋クズ30は、押し付け片23が背面板部7側に戻った時点で、押し出し方向での最後位にある小物品入り小袋20とともに立ち並び、この小袋クズ30と残りの小物品入り小袋20もともに箱体内部収納物となって、再び押し付け片23が倒し込まれたときには前記小袋クズ30である箱体内部収納物にその押し付け片23が接してこれを正面板部6側に押すようになり、箱体内部収納物全体が正面板部6側に移動し、よって、正面板部6側で残りの内で最前位となっている小物品入り小袋20が取り出し口部25に対応位置するようになる。
【0020】
本発明では押し付け片23の倒し込みによる箱体内部収納物の正面板部6側への移動を行なわせ、正面板部6で受け止められた最前位の小物品入り小袋20を取り出し口部25から抜き出すことができ、また、押し付け片23の倒し込みにより小袋クズ回収空間部24が形成され、差し込み口部29から小袋クズ30を前記小袋クズ回収空間部24に入れることができ、小袋クズ回収空間部24に入れられた小袋クズ30が、再度の押し付け片23の倒し込みに際しては小物品入り小袋ととともに箱体内部収納物として押えされて正面板部6側に向けて移動するようになればよい。そのため、本発明の紙製包装容器1は上記第一の例に限定されるものではない。以下にその他の例を説明する。
【0021】
(第二の例)
第二の例を図7〜図9に示している。この第二の例の紙製収納容器1においては、背面板部7の上部にある糊代16に切り取り部18を介して吊り下げ板3を連接し、天面板部4に折り部を介して連接して折り起こした糊代17を貼り付けるようにしている。他の構成は第一の例と同じである。
【0022】
(第三の例)
第三の例を図10〜図12に示している。この第三の例の紙製包装容器1においては、背面板部7の高さ寸法を正面板部6や左右の側面板部8、9の高さ寸法と同じとしていて、その背面板部7の上辺に切り取り部18を介して吊り下げ板3を連接し、また、天面板部4の正面板部6側とは反対側の辺に折り部を介して差し込みフラップ34を連接していて、製函に際してその差し込みフラップ34が背面板部7の上部内面側に沿って差し入れられる。
この第三の例では背面板部7の内面に沿って差し入れた差し込みフラップ34と押し付け片23とが干渉しないように押し付け片23を設けた位置が下方に下げられている。その他の構成は上述の例と同じ構成を有しているものである。
【0023】
(第四の例)
上述した各例では箱体上方側に取り出し口部25があり、箱体下方側に差し込み口部29があるものを示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下にその他の例を示す。
第四の例を図13〜図16に示している。第四の例は第二の例における取り出し口部25を箱体下方側に位置させ、第二の例における差し込み口部29を箱体上部側に位置させている。図13のブランクで示すようにこの第四の例の紙製包装容器1では、天面板部4の正面板部6側とは反対側の辺に折り部を介して糊代17が連接されて折り起こされ、また、背面板部7の上部が上方に延設されていて、その背面板部7の高さ寸法が他の正面板部6、左右の側面板部8、9の高さ寸法より大きく設定されている。そして、背面板部7の前記延設部分を糊代16とし、この糊代16に前記天面板部4側の糊代17が貼り合わされている。さらに前記糊代16の上辺には切り取り部18を介して吊り下げ板3が分離可能に連接されている。
また、箱体2の下方側では、正面板部6に連接された外底面板13での前記正面板部6との連接部分に沿うようにして取り出し口部25が設けられ、この取り出し口部25に正面板部6に位置する開口部分27が連接されているとともに、外底面板13の中央に向けて凸の開口部分27が連接されていて、切り取りミシン目28により分離できるようにした閉鎖部材26によって取り出し口部25、二つの開口部分27が閉じられている。
このように底面板部5から正面板部6にかけて取り出し口部25と二つの開口部分27とを設けている構成は、上記第一の例での天面板部4から正面板部6にかけて取り出し口部25と二つの開口部分27とを設けている構成をその上下を逆転させて、底面板部5から正面板部6に適用したものとなっている。なお、内底面板12は外底面板13側の上記取り出し口部25と開口部分27とを塞ぐことのない形状としている。
さらに、背面板部7にあっては、その背面板部7と内底面板12との連接部分(折り部)を下端位置とした略コ字状の切り取りミシン目22とこの切り取りミシン目22の端部が位置する背面板部7の略中央部分での端部同士を結ぶ折り部21とによって囲まれてなる押し付け片23があり、この押し付け片23を箱体の内部に向けて折り倒すことで上述した例と同じように箱体内部収納物を正面板部6側に移動させて最前位の小物品入り小袋20を前記正面板部6に押し付け、また、小袋クズ回収空間部24を形成する点も上記例と同じである。即ち、第二の例での取り出し口部25と差し込み口部29との位置がこの第四の例では上下逆転していることから、この例での背面板部7の構成も第一の例の背面板部7の構成を上下逆転させたものとしている。
よって、この第四の例の紙製包装容器1では図15に示すように箱体下方から小物品入り小袋20を抜き取り、箱体上方から小袋クズ30を差し入れるものである。
【0024】
(第五の例)
第五の例を図17〜図19に示す。この第五の例は上記第四の例の変形であり、天面板部4側の糊代17の上辺に切り取り部18を介して吊り下げ板3を分離可能に連接したものである。他の構成は第四の例と同じである。
【0025】
(第六の例)
第六の例を図20〜図22に示す。この第六の例にあっては、上記第四の例や第五の例との箱体上部側の構造が若干変化しているものであって、正面板部6の上部を上方に延設してこの延設部分で吊り下げ板3を形成している。さらに、背面板部7に天面板部4が折り部を介して連接されていて、背面板部7と天面板部4との折り部位置に前縁を揃える蓋片31を有するようにして差し込み口部29が、その天面板部4の背面板部7側の位置に設けられていて、蓋片31の中央部分が突条にして背面板部7側に延設されていて、蓋片31の最初の開閉動作を手で摘み持ちながら行ない易いように図られている。また、天面板部4の他方の辺には折り部を介して差し込みフラップ34が連接され、その差し込みフラップ34が製函時に正面板部6に沿って箱体内部側に向けて差し入れらる。
【0026】
(第七の例)
上記各例においては吊り下げ板3を備えるものであるが、この吊り下げ板を有しない構成とすることも可能である。
その例を第七の例として示していて、図23から図25に示されている。即ち、第七の例にあっては上記第六の例の箱体上部の構造に若干の変化があるものであって、側面板部8、9に連接されて折り倒すフラップ14に重なるようにして、背面板部7に連接されている内天面板36を折り倒し、これに正面板部6に連接されている外天面板35を折り重ねて貼り合わせることで天面板部4を構成しており、内天面板36から背面板部7にかけての差し込み口部29を、上記第六の例での差し込み口部29の構成と同様にしているものである。
これによって吊り下げ板を有しないボックスタイプの紙製包装容器1としているものであるが、他の機能に関しては上記例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る紙製包装容器の第一の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図2】第一の例を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図3】第一の例を展開状態で示す説明図である。
【図4】第一の例を断面で示す説明図である。
【図5】第一の例において取り出し口部を開いた状態を示す説明図である。
【図6】第一の例での小物品入り小袋の取り出しと小袋クズの差し込みを断面で示す説明図である。
【図7】第二の例を展開状態で示す説明図である。
【図8】第二の例を断面で示す説明図である。
【図9】第二の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図10】第三の例を展開状態で示す説明図である。
【図11】第三の例を断面で示す説明図である。
【図12】第三の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図13】第四の例を展開状態で示す説明図である。
【図14】第四の例を断面で示す説明図である。
【図15】第四の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図16】第四の例を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図17】第五の例を展開状態で示す説明図である。
【図18】第五の例を断面で示す説明図である。
【図19】第五の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図20】第六の例を展開状態で示す説明図である。
【図21】第六の例を断面で示す説明図である。
【図22】第六の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図23】第七の例を展開状態で示す説明図である。
【図24】第七の例を断面で示す説明図である。
【図25】第七の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1…紙製包装容器
2…箱体
3…吊り下げ板
4…天面板部
5…底面板部
6…正面板部
7…背面板部
18…切り取り部
19…吊り下げ孔
20…小物品入り小袋
23…押し付け片
24…小袋クズ回収空間部
25…取り出し口部
26…閉鎖部材
29…差し込み口部
30…小袋クズ
31…蓋片
s…スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は少量の菓子類などの小物品が入れられた複数の小袋を収納した紙製包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、チョコレートなどの菓子商品において、少量の菓子を小袋に入れてこれを複数まとめて紙製の包装容器に入れた商品形態とすることが多くなってきていて、その紙製包装容器自体もカバンやハンドバックなどに嵩張らずに入いる大きさのものとなっている。そして、商品の陳列形態においてハンガーラックのハンガーに商品を掛けるものもがあり、少量多種のものを店頭販売するコンビニエンスストアなどでは、その小物品入り小袋を収納した紙製包装容器からなる商品も前記ハンガーに掛け止めて陳列するようになってきている。そのため、紙製包装容器の形状においても、ハンガーに比較的安定的に掛け止めることができるように吊り下げ孔を開けたものも提供されるようになってきている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−056560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した小物品入り小袋を複数収納してなる紙製包装容器では購入者が小袋を取り出すときに、一般的に蓋として機能している天面板部を大きく開く操作が必要となっており、小袋の取り出し操作に手間がかかるという問題がある。また、小袋に入れた小物品が菓子である場合、食するときに空の小袋自体がクズとなってその都度置き場所を探して処分しなければならず、小物品を取り出した後の小袋の取り扱いに対して有効な提案はなかった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、小物品入り小袋を複数収納した紙製包装容器において、収納している小物品入り小袋の取り出しを面板部全体の開け閉めを行なうことなく取り出せるようにし、空となった小袋の置き場所をこの紙製包装容器で形成することを課題とし、小物品入り小袋の取り出しが容易で空の小袋の置き場所となる容器を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、天面板部と底面板部と正面板部と背面板部と左右の側面板部との六面の板部で囲まれてなる収納空間を有する箱体を備え、この箱体の前記収納空間に、少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋を並べ入れて収納している紙製の包装容器であって、前記箱体の正面板部と背面板部との間に並び入れた小物品入り小袋の並設方向を、前記正面板部と背面板部との対向方向と同一方向にして、複数の小物品入り小袋が並設状態で正面板部と背面板部との対向方向に移動可能に設けられ、前記背面板部に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより前記小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部側に向けて移動させて背面板部側の収納空間に箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部を形成する押し付け片が設けられ、前記押し付け片の倒し込みにより移動して正面板部が受け止める最前位の小物品入り小袋の上辺と対応する位置となる箱体上下方向に対向する天面板部または底面板部の何れか一方における正面板部側の部分に、前記最前位の小物品入り小袋の抜き出しが可能に開口した取り出し口部が設けられ、前記押し付け片の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部と対応する前記底面板部または天面板部の何れか一方に、小物品を抜き取った小袋を前記小袋クズ回収空間部に挿入可能な差し込み口部が設けられていることを特徴とする紙製包装容器を提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
そして、本発明において、上記取り出し口部には、正面板部の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分が連続しているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記正面板部の開口部分の周縁に、上記正面板部への小物品入り小袋の押し付けにより開くスリットが設けられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記取り出し口部は、取り外し可能な閉鎖部材で閉じられているものとすることが良好である。
また、本発明において、上記差し込み口部は、箱体内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片で閉じられているものとすることが良好である。
また、本発明において、吊り下げ用孔が開口している吊り下げ板部を備えているものとすることが良好である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明により、背面板部の押し付け片を箱体内部に倒し込むすることで並設状態の小物品入り小袋が正面板部に押さえ付けられ、押し出しの方向で最前位の小物品入り小袋が取り出し口部に対応位置するようになり、その取り出し口部にある前記小袋を簡単に抜き出すことができ、従来のように天面板部全体を開け閉めする必要がない。
また、押し付け片の倒し込みで収納空間の背面板部側に小袋クズ回収空間部が形成され、底面板部または天面板部の差し込み口部から小袋クズを小袋クズ袋回収空間部に入れることができ、置き場所を探すことなく小袋クズをまとめることが簡単になる。さらに、全ての小物品を取り出した段階になってから小袋クズと箱体などの紙材部分とを分別処理し易くなる。
【0007】
請求項2の発明により、正面板部に位置した小物品入り小袋を指先で直接挟み持つ領域が広く確保できるようになり、より確実にその小物品入り小袋の抜き出しが簡単になる。
【0008】
請求項3の発明により、小物品入り小袋が箱体内部から強く正面板部に接するようなことがあってもスリットの部分が開いて正面板部側の開口部分の開口周縁の一部分に大きな応力が集中するのを防止して不用意な裂け目が生じないようにして、正面板部の意匠性を損なわないようにする。
【0009】
請求項4の発明により、取り出し口部が閉鎖部材で閉じられていることで、陳列販売時にゴミなどが箱体内部に入るのを防止できるとともに、その陳列販売時での小物品入り小袋の不正な抜き取りを防止できる。
【0010】
請求項5の発明により、小袋クズ回収空間部に入れた小袋クズが不用意に抜け出るのを差し込み口部の蓋片で防止できる。
【0011】
請求項6の発明により、ハンガーに掛け止める陳列販売に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに本発明を図1から図25に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
(第一の例)
図中1は紙製包装容器で、該紙製包装容器1は箱体2とハンガーに掛け止めて吊り下げ陳列するときに利用する吊り下げ板3とを備えているものであり、前記箱体2は容器上下方向で相対する天面板部4と底面板部5、容器前後方向で相対する正面板部6と背面板部7、容器左右方向で相対する二つの側面板部8、9とからなり、六面の板部により内部を収納空間とするブロック状の形態とされ、前記吊り下げ板3にあっては箱体2の背部側から上方に向けて起立した状態となるように設けられている。
そして、第一の例において、紙製包装容器1は箱体2と吊り下げ板3とを含めて一枚のブランクを折り起こして製函されたものである。図3は紙製包装容器1を製函するためのブランクを表現していて、このブランクによる展開状態で示されているように、前記箱体2では、箱体胴部回りに側面板部8と正面板部6と側面板部9と背面板部7とが折り部を介して連接され、背面板部7の前記側面板部9とは反対側の辺に糊代10が折り部を介して連接され、この糊代10が前記側面板部8に貼付されて角柱状の胴部を形成する。
また、箱体胴部を構成する上記四面の板部それぞれの下辺に折り部を介して箱体底部を構成する板材が連接されており、側面板部8、9にフラップ11が連接されて折り曲げられているとともに、背面板部7には内底面板12が連接されて前記フラップ11に重なるように折り曲げられ、さらに、正面板部6に連接された外底面板13が前記内底面板12に重なるようにして折り曲げられ、内底面板12に外底面板13が貼付され、このようにして底面板部5が形成されている。外底面板13は内底面板12の全てを覆うように折り重ねられるものではなく、図2に示すように内底面板12の背面板部7側に沿った領域が表出するように外底面板13の大きさが設定されている。
【0013】
箱体2の箱体上部の構造については、側面板部8、9それぞれの上辺に折り部を介して連接されたフラップ14が折り倒され、正面板部6の上辺に折り部を介して連接された天面板15を前記フラップ14の重なるようにして折り倒して天面板部4が形成されている。そして、箱体2の背部となる上記背面板部7の板材が側面板部8、9と正面板部6との高さ寸法より大となるように上方に延設され、その延設部分を糊代16としていて、前記天面板部4の正面板部6側とは反対側の折り部を介して連接して折り起こした糊代17と貼り合わせている。さらに、前記糊代17に上記吊り下げ板3がミシン目などからなる切り取り部18を介して分離可能に連接されている。前記吊り下げ板3には各種のハンガーを通すことができるように吊り下げ孔19が開口している。
【0014】
本発明の紙製包装容器1では、箱体2の収納空間に少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋20を箱体内部収納物として並べ入れて収納していて、後述するようにこの小物品入り小袋20を箱体2の上記天面板部4全体を開閉することなく個別に抜き出すことができるように設けられており、また、小物品を取り出した小袋クズを箱体2の内部に回収できるようにするための空間が得られ易くした工夫が施されている。
図4に示すように、まず、この第一の例においては複数の上記小物品入り小袋20は正面板部6と背面板部7との間に並び入れられていて、小物品入り小袋20の並設方向を正面板部6と背面板部7との対向方向と同一方向にしている。さらに、小物品入り小袋20の形状は正面板部6の形状に応じた略長方形状とされ、かつ、小物品入り小袋20の周辺と箱体2の内面(天面板部4と底面板部5と側面板部8、9とのそれぞれの内面)とが密に当接し合うことはなく摺接可能に設けられている。よって、複数の小物品入り小袋20が並設状態で正面板部6と背面板部7との対向方向に移動可能に設けられている。
【0015】
第一の例においては箱体2の内部に配置された小物品入り小袋20をその箱体2の背面板部7側から正面板部6側に向けて移動するように押し付ける機能を有している。
図示されているように前記背面板部7には、下端を折り部21とするとともにこの折り部21と上部を天面板部4の内面高さ位置に揃えた切り取りミシン目22とで囲まれた押し付け片23が設けられており、切り取りミシン目22を切断し、必要時に押し付け片23を倒し込むことができるようにしている。この押し付け片23の倒し込みにより背面板部7側に位置している箱体内部収納物である前記小物品入り小袋20に前記押し付け片23が接して、並設状態の複数の小物品入り小袋20を正面板部6側に向けて押すように設けられており、並設状態で押し方向での最前位にある(正面板部6側にある)小物品入り小袋20が正面板部6に押さえ付けられ、この正面板部6が小物品入り小袋20を受け止めるようにしている(図6参照)。
さらに上記押し付け片23は、前記小物品入り小袋を正面板部側に向けて移動させて背面板部7側の収納空間に小物品入り小袋20や後述する後入れ(あといれ)小袋クズからなる箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部24を形成するものである。即ち、箱体2の内部の収納空間では、押し付け片23の押し付けで背面板部7側に小袋クズ回収空間部24が形成可能であり、さらに押し付け片23の倒し込み操作により、その小袋クズ回収空間部24が正面板部6側に拡張可能としているものである。
【0016】
この第一の例においては、押し付け片23の倒し込みにより複数の小物品入り小袋20が正面板部6側に移動してその正面板部6が受け止めた最前位の小物品入り小袋20を上方へ抜き出すようにしている。そのため、天面板部4に取り出し口部25が設けられていて、前記最前位となったときの小物品入り小袋20の上辺と対応する位置である天面板部4における正面板部6側の部分に前記取り出し口部25が閉鎖部材26で覆われた状態にして設けられている。
前記取り出し口部25の前縁位置は天面板部4と正面板部6との間の折り部の位置に揃っている。また、取り出し口部25の箱体前後方向での開き寸法は小物品入り小袋20のの厚さとほぼ同一とされて抜き出しに支承を生じない寸法としている。さらに図5に示すように箱体左右方向の開き寸法は小物品入り小袋20の幅より狭い寸法であり、不用意にこの取り出し口部25から小物品入り小袋20が抜け出るのを防止している。なお、小物品入り小袋20の抜き出しに際しては小袋側が変形して抜け出るようになるものであり、変形可能なフィルム材によって小袋が作成されている。
【0017】
図5に示すように小物品入り小袋20の抜き出しは上記取り出し口部25から上記閉鎖部材26を取り外して開放された状態で行なわれる。そして、商品購入者が指先で、取り出し口部25に対応位置した小物品入り小袋20を摘み持ち易くするために、図示のようにこの取り出し口部25に、天面板部4の中央と正面板部6の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分27が連続している。特に、正面板部6にある前記開口部分27においては、摘み持つときの指先の腹部分を最前位の小物品入り小袋20の面部に当てがい易くするために、小物品入り小袋20の高さ方向(箱体上下方向)において下方に或る程度の長さを持って延設されて広く開口されるようにしている。
さらに、正面板部6の上記開口部分27の下端側の周縁に縦にした短寸のスリットsが連続していて、正面板部6への小物品入り小袋20の押し付けによりこのスリットsが開くようにしている。正面板部6は繰り返して内面側から押さえられるが、スリットsの開きによって前記開口部分27の周縁の局所に応力集中が生じるのを防ぎ、不用意な裂け目ができるのを防止する。
紙製包装容器1を用いた商品が陳列販売されるときなどにおいてゴミなどの侵入が生じないように取り出し口部25を上記閉鎖部材26で閉じており、切り取りミシン目28を介して取り出し口部25及び上下の開口部分27の周辺に連続している。取り出し口部25を開く場合は切り取りミシン目28を切断して閉鎖部材26を取り除くようにする。
【0018】
箱体2の底面板部5には、図2に示すように上記内底板12の外方に表出している部分であり、かつ背面板部7との間の折り部に沿った部分に差し込み口部29が設けられている。この差し込み口部29は前述したように背面板部7との間の折り部に沿って位置していることから、小袋クズ回収空間部24にこの差し込み口部29が対応するようにしている(図4、図6参照)。
差し込み口部29は、小物品を取り出した小袋クズ30を差し込む部分であり、上述したように押し付け片23の倒し込みにより小袋クズ回収空間部24を収納空間での背面板部7側に形成した状態で、小物品を取り出した小袋クズ30をこの差し込み口部29から箱体2の内部に差し入れるようにすることで、その小袋クズ30を小袋クズ回収空間部24にまとめることができる。
差し込み口部29自体は常時開口されているものであってもよいが、内部でまとめられている小袋クズが不用意に抜け出ることがないように、この第一の例においては、箱体2の内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片31で閉じられている。蓋片31自体は内底板12に長いコ字状で不連続のスリット32を入れ、そのスリット32の端部の間に折り部33で連続させ、折り部33の位置を折り元とし背面板部7の下端位置に揃った前縁部分を自由端縁として箱体上下方向に回動できるようにした舌片であり、小袋クズ30を差し入れるときに一旦上方に回動した蓋片31が折り元側の紙材の復元力により閉鎖位置に戻る復元性を有しており、差し込み口部29が開状態が継続しないようにしている。
偏平な小袋クズを入れ易いように上記差し込み口部29は箱体左右方向に横長とされ、開いたときに横長の開口が形成されるようにしているが、吊り下げて陳列している販売の時点で箱体2の内部で背面板部7側にも小物品入り小袋20が位置して差し込み口部29の上に乗ることも考えるので、この差し込み口部29の箱体左右方向での長さ寸法を小物品入り小袋20の幅寸法より小さくしている(図2参照)。
【0019】
上記第一の例での紙製包装容器1において、吊り下げ陳列する場合に吊り下げ板3の吊り下げ孔19にハンガーを通して掛け止めるようにする。商品購入者はその購入後に吊り下げ板3を取り除き、また、箱体2における取り出し口部25を閉じている閉鎖部材26を取り除き、背面板部7にある押し付け片23を倒し込むようにして箱体内部の小物品入り小袋20を正面板部6側に押すようにする。これによって内部の複数の小物品入り小袋20は正面板部6側に移動し、上記最前位の小物品入り小袋20の上辺が取り出し口部25に位置し、この取り出し口部25から小物品入り小袋20を摘み持って上方に抜き出すようにする。以降の小物品入り小袋20の抜き出しも同様であり、押し付け片23の倒し込みによって正面板部6側に小物品入り小袋20が送り出されることとなる。
また、上記押し付け片23の倒し込みによって、箱体2の内部に小袋クズ回収空間部24が形成され、また、小物品入り小袋20の抜き出しに応じて正面板部6側に向けて拡張が可能であるため、底面板部5の差し込み口部29から箱体2の内部に向けて小袋クズ30を差し入れるだけで、前記小袋クズ回収空間部24に小袋クズ30をまとめ置くことができる。
さらに、この小袋クズ収納空間部24に入れられた小袋クズ30は、押し付け片23が背面板部7側に戻った時点で、押し出し方向での最後位にある小物品入り小袋20とともに立ち並び、この小袋クズ30と残りの小物品入り小袋20もともに箱体内部収納物となって、再び押し付け片23が倒し込まれたときには前記小袋クズ30である箱体内部収納物にその押し付け片23が接してこれを正面板部6側に押すようになり、箱体内部収納物全体が正面板部6側に移動し、よって、正面板部6側で残りの内で最前位となっている小物品入り小袋20が取り出し口部25に対応位置するようになる。
【0020】
本発明では押し付け片23の倒し込みによる箱体内部収納物の正面板部6側への移動を行なわせ、正面板部6で受け止められた最前位の小物品入り小袋20を取り出し口部25から抜き出すことができ、また、押し付け片23の倒し込みにより小袋クズ回収空間部24が形成され、差し込み口部29から小袋クズ30を前記小袋クズ回収空間部24に入れることができ、小袋クズ回収空間部24に入れられた小袋クズ30が、再度の押し付け片23の倒し込みに際しては小物品入り小袋ととともに箱体内部収納物として押えされて正面板部6側に向けて移動するようになればよい。そのため、本発明の紙製包装容器1は上記第一の例に限定されるものではない。以下にその他の例を説明する。
【0021】
(第二の例)
第二の例を図7〜図9に示している。この第二の例の紙製収納容器1においては、背面板部7の上部にある糊代16に切り取り部18を介して吊り下げ板3を連接し、天面板部4に折り部を介して連接して折り起こした糊代17を貼り付けるようにしている。他の構成は第一の例と同じである。
【0022】
(第三の例)
第三の例を図10〜図12に示している。この第三の例の紙製包装容器1においては、背面板部7の高さ寸法を正面板部6や左右の側面板部8、9の高さ寸法と同じとしていて、その背面板部7の上辺に切り取り部18を介して吊り下げ板3を連接し、また、天面板部4の正面板部6側とは反対側の辺に折り部を介して差し込みフラップ34を連接していて、製函に際してその差し込みフラップ34が背面板部7の上部内面側に沿って差し入れられる。
この第三の例では背面板部7の内面に沿って差し入れた差し込みフラップ34と押し付け片23とが干渉しないように押し付け片23を設けた位置が下方に下げられている。その他の構成は上述の例と同じ構成を有しているものである。
【0023】
(第四の例)
上述した各例では箱体上方側に取り出し口部25があり、箱体下方側に差し込み口部29があるものを示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下にその他の例を示す。
第四の例を図13〜図16に示している。第四の例は第二の例における取り出し口部25を箱体下方側に位置させ、第二の例における差し込み口部29を箱体上部側に位置させている。図13のブランクで示すようにこの第四の例の紙製包装容器1では、天面板部4の正面板部6側とは反対側の辺に折り部を介して糊代17が連接されて折り起こされ、また、背面板部7の上部が上方に延設されていて、その背面板部7の高さ寸法が他の正面板部6、左右の側面板部8、9の高さ寸法より大きく設定されている。そして、背面板部7の前記延設部分を糊代16とし、この糊代16に前記天面板部4側の糊代17が貼り合わされている。さらに前記糊代16の上辺には切り取り部18を介して吊り下げ板3が分離可能に連接されている。
また、箱体2の下方側では、正面板部6に連接された外底面板13での前記正面板部6との連接部分に沿うようにして取り出し口部25が設けられ、この取り出し口部25に正面板部6に位置する開口部分27が連接されているとともに、外底面板13の中央に向けて凸の開口部分27が連接されていて、切り取りミシン目28により分離できるようにした閉鎖部材26によって取り出し口部25、二つの開口部分27が閉じられている。
このように底面板部5から正面板部6にかけて取り出し口部25と二つの開口部分27とを設けている構成は、上記第一の例での天面板部4から正面板部6にかけて取り出し口部25と二つの開口部分27とを設けている構成をその上下を逆転させて、底面板部5から正面板部6に適用したものとなっている。なお、内底面板12は外底面板13側の上記取り出し口部25と開口部分27とを塞ぐことのない形状としている。
さらに、背面板部7にあっては、その背面板部7と内底面板12との連接部分(折り部)を下端位置とした略コ字状の切り取りミシン目22とこの切り取りミシン目22の端部が位置する背面板部7の略中央部分での端部同士を結ぶ折り部21とによって囲まれてなる押し付け片23があり、この押し付け片23を箱体の内部に向けて折り倒すことで上述した例と同じように箱体内部収納物を正面板部6側に移動させて最前位の小物品入り小袋20を前記正面板部6に押し付け、また、小袋クズ回収空間部24を形成する点も上記例と同じである。即ち、第二の例での取り出し口部25と差し込み口部29との位置がこの第四の例では上下逆転していることから、この例での背面板部7の構成も第一の例の背面板部7の構成を上下逆転させたものとしている。
よって、この第四の例の紙製包装容器1では図15に示すように箱体下方から小物品入り小袋20を抜き取り、箱体上方から小袋クズ30を差し入れるものである。
【0024】
(第五の例)
第五の例を図17〜図19に示す。この第五の例は上記第四の例の変形であり、天面板部4側の糊代17の上辺に切り取り部18を介して吊り下げ板3を分離可能に連接したものである。他の構成は第四の例と同じである。
【0025】
(第六の例)
第六の例を図20〜図22に示す。この第六の例にあっては、上記第四の例や第五の例との箱体上部側の構造が若干変化しているものであって、正面板部6の上部を上方に延設してこの延設部分で吊り下げ板3を形成している。さらに、背面板部7に天面板部4が折り部を介して連接されていて、背面板部7と天面板部4との折り部位置に前縁を揃える蓋片31を有するようにして差し込み口部29が、その天面板部4の背面板部7側の位置に設けられていて、蓋片31の中央部分が突条にして背面板部7側に延設されていて、蓋片31の最初の開閉動作を手で摘み持ちながら行ない易いように図られている。また、天面板部4の他方の辺には折り部を介して差し込みフラップ34が連接され、その差し込みフラップ34が製函時に正面板部6に沿って箱体内部側に向けて差し入れらる。
【0026】
(第七の例)
上記各例においては吊り下げ板3を備えるものであるが、この吊り下げ板を有しない構成とすることも可能である。
その例を第七の例として示していて、図23から図25に示されている。即ち、第七の例にあっては上記第六の例の箱体上部の構造に若干の変化があるものであって、側面板部8、9に連接されて折り倒すフラップ14に重なるようにして、背面板部7に連接されている内天面板36を折り倒し、これに正面板部6に連接されている外天面板35を折り重ねて貼り合わせることで天面板部4を構成しており、内天面板36から背面板部7にかけての差し込み口部29を、上記第六の例での差し込み口部29の構成と同様にしているものである。
これによって吊り下げ板を有しないボックスタイプの紙製包装容器1としているものであるが、他の機能に関しては上記例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る紙製包装容器の第一の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図2】第一の例を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図3】第一の例を展開状態で示す説明図である。
【図4】第一の例を断面で示す説明図である。
【図5】第一の例において取り出し口部を開いた状態を示す説明図である。
【図6】第一の例での小物品入り小袋の取り出しと小袋クズの差し込みを断面で示す説明図である。
【図7】第二の例を展開状態で示す説明図である。
【図8】第二の例を断面で示す説明図である。
【図9】第二の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図10】第三の例を展開状態で示す説明図である。
【図11】第三の例を断面で示す説明図である。
【図12】第三の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図13】第四の例を展開状態で示す説明図である。
【図14】第四の例を断面で示す説明図である。
【図15】第四の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図16】第四の例を斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図17】第五の例を展開状態で示す説明図である。
【図18】第五の例を断面で示す説明図である。
【図19】第五の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図20】第六の例を展開状態で示す説明図である。
【図21】第六の例を断面で示す説明図である。
【図22】第六の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【図23】第七の例を展開状態で示す説明図である。
【図24】第七の例を断面で示す説明図である。
【図25】第七の例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1…紙製包装容器
2…箱体
3…吊り下げ板
4…天面板部
5…底面板部
6…正面板部
7…背面板部
18…切り取り部
19…吊り下げ孔
20…小物品入り小袋
23…押し付け片
24…小袋クズ回収空間部
25…取り出し口部
26…閉鎖部材
29…差し込み口部
30…小袋クズ
31…蓋片
s…スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面板部と底面板部と正面板部と背面板部と左右の側面板部との六面の板部で囲まれてなる収納空間を有する箱体を備え、この箱体の前記収納空間に、少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋を並べ入れて収納している紙製の包装容器であって、
前記箱体の正面板部と背面板部との間に並び入れた小物品入り小袋の並設方向を、前記正面板部と背面板部との対向方向と同一方向にして、複数の小物品入り小袋が並設状態で正面板部と背面板部との対向方向に移動可能に設けられ、
前記背面板部に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより前記小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部側に向けて移動させて背面板部側の収納空間に箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部を形成する押し付け片が設けられ、
前記押し付け片の倒し込みにより移動して正面板部が受け止める最前位の小物品入り小袋の上辺と対応する位置となる箱体上下方向に対向する天面板部または底面板部の何れか一方における正面板部側の部分に、前記最前位の小物品入り小袋の抜き出しが可能に開口した取り出し口部が設けられ、
前記押し付け片の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部と対応する前記底面板部または天面板部の何れか一方に、小物品を抜き取った小袋を前記小袋クズ回収空間部に挿入可能な差し込み口部が設けられていることを特徴とする紙製包装容器。
【請求項2】
上記取り出し口部には、正面板部の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分が連続している請求項1に記載の紙製包装容器。
【請求項3】
上記正面板部の開口部分の周縁に、上記正面板部への小物品入り小袋の押し付けにより開くスリットが設けられている請求項2に記載の紙製包装容器。
【請求項4】
上記取り出し口部は、取り外し可能な閉鎖部材で閉じられている請求項1から3の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【請求項5】
上記差し込み口部は、箱体内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片で閉じられている請求項1から4の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【請求項6】
吊り下げ用孔が開口している吊り下げ板部を備えている請求項1から5の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【請求項1】
天面板部と底面板部と正面板部と背面板部と左右の側面板部との六面の板部で囲まれてなる収納空間を有する箱体を備え、この箱体の前記収納空間に、少量の菓子類などの小物品が入れられた略偏平な複数の小袋を並べ入れて収納している紙製の包装容器であって、
前記箱体の正面板部と背面板部との間に並び入れた小物品入り小袋の並設方向を、前記正面板部と背面板部との対向方向と同一方向にして、複数の小物品入り小袋が並設状態で正面板部と背面板部との対向方向に移動可能に設けられ、
前記背面板部に、箱体内部に向けて倒し込み可能で倒し込みにより前記小物品入り小袋や箱体内に後入れされる小袋クズなどからなる箱体内部収納物を正面板部側に向けて移動させて背面板部側の収納空間に箱体内部収納物が存在しない小袋クズ回収空間部を形成する押し付け片が設けられ、
前記押し付け片の倒し込みにより移動して正面板部が受け止める最前位の小物品入り小袋の上辺と対応する位置となる箱体上下方向に対向する天面板部または底面板部の何れか一方における正面板部側の部分に、前記最前位の小物品入り小袋の抜き出しが可能に開口した取り出し口部が設けられ、
前記押し付け片の倒し込みにより形成される小袋クズ回収空間部と対応する前記底面板部または天面板部の何れか一方に、小物品を抜き取った小袋を前記小袋クズ回収空間部に挿入可能な差し込み口部が設けられていることを特徴とする紙製包装容器。
【請求項2】
上記取り出し口部には、正面板部の中央とに向けて凸となって指先が差し入れ可能な開口部分が連続している請求項1に記載の紙製包装容器。
【請求項3】
上記正面板部の開口部分の周縁に、上記正面板部への小物品入り小袋の押し付けにより開くスリットが設けられている請求項2に記載の紙製包装容器。
【請求項4】
上記取り出し口部は、取り外し可能な閉鎖部材で閉じられている請求項1から3の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【請求項5】
上記差し込み口部は、箱体内部に向けて折れ曲がり可能な蓋片で閉じられている請求項1から4の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【請求項6】
吊り下げ用孔が開口している吊り下げ板部を備えている請求項1から5の何れか一項に記載の紙製包装容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−189366(P2008−189366A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26949(P2007−26949)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]