説明

素材送出装置、素材送出システムおよび素材送出方法

【課題】放送用の素材を2重化された素材送出装置にコピーして運用する上で、コピーの失敗を早期に発見する。
【解決手段】素材送出装置は、放送用の素材が蓄積された素材サーバに接続され、前記素材サーバの素材を複製して送出する素材送出装置であり、記憶部、整合性確認情報取得部、整合性確認部を備える。前記記憶部は前記素材サーバの素材を複数に分割して送られてきた分割データが記憶される。前記整合性確認情報取得部は個々の分割データについて整合性を確認するための複数の整合性確認情報を異なるルートで取得する。前記整合性確認部は一つまたは所定数の分割データの送信または受信が完了する毎に、前記整合性確認情報取得部により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報を比較することで、前記記憶部に記憶された分割データの整合性を確認し、不整合の場合、エラー情報を出力する。
を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば放送用の映像素材などを送出する素材送出装置、素材送出システムおよび素材送出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば放送業界などでは、再生障害などで番組(放送)の送出が止まらないように、放送用の映像を処理(収録および送出)する映像処理装置を2重化したシステムが導入されている。
【0003】
このシステムは、現用系の装置と待機系の装置に同じ放送用の素材(デジタル映像データ)を用意しておき、現用系の装置に問題が発生したときはいつでも待機系の装置から番組を送出できるようにしている。
【0004】
この種のシステムの場合、現用系および待機系それぞれの装置に全く同じ素材を用意するために、以前は両系に同じ映像を収録し、その映像を各々プレビュー表示することで2重化が正しくできているかを確認していた。
【0005】
しかし、この方法では、労力がかかるため、現在では、一方の装置に入力したファイルをもう一方の装置にコピーして、最終的にコピーし終わった素材について、素材の同一性を確認するためのチェック(ハッシュ値計算など)を行い、かつ実際の映像をプレビューして確認するという手法をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−64454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の手法の場合、コピー動作後の最終的なプレビュー操作で初めてコピーが正常にできたか否かを判定するため、このときにコピーの失敗が発見されると、どこで失敗したかによらず、映像素材のコピー作業を最初からやり直す必要があるという問題がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、放送用の素材を2重化された装置にコピーして運用する上で、コピーの失敗を早期に発見することができる素材送出装置および素材送出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の映像処理装置は、放送用の素材が蓄積された素材サーバにネットワークを介して接続され、前記素材サーバの素材を複製して送出する素材送出装置において、記憶部、整合性確認情報取得部、整合性確認部を備える。前記記憶部は前記素材サーバの素材を複数に分割して送られてきた分割データが記憶される。整合性確認情報取得部は個々の分割データについて整合性を確認するための複数の整合性確認情報を異なるルートで取得する。前記整合性確認部は一つまたは所定数の分割データの送信または受信が完了する毎に、前記整合性確認情報取得部により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報を比較することで、前記記憶部に記憶された分割データの整合性を確認し、不整合の場合、エラー情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の素材送出システムの構成を示す図である。
【図2】素材サーバに蓄積されている映像データファイルの構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】第1実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】第1実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】第1実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図7】第2実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】第2実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図9】第2実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図10】第3実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図11】第4実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図12】第5実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【図13】第6実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の素材送出システムの構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、この実施形態の素材送出システムは、現用系の第1素材送出装置としての素材送出装置100と、待機系の第2素材送出装置としての素材送出装置110と、素材サーバ120と、管理端末130と、モニタ160が接続された映像切替器150と、これらの装置、端末、機器を接続してデータ伝送が可能なネットワーク140とを有する。
【0013】
この素材送出システムの場合、それぞれの素材送出装置100,110が装置単体でも動作可能であるが、素材送出装置100,110に同じ素材を配置することで二重化システムを構成している。
【0014】
すなわち、この素材送出システムは、放送用の素材が蓄積された素材サーバ120と、ネットワーク140を介して接続された素材送出装置100および素材送出装置110とを有し、管理端末130からの制御により素材サーバ120の素材を素材送出装置100と素材送出装置110とにコピー(複製)し、通常時は素材送出装置100から素材を送出し、素材送出装置100に不具合が生じたときに素材送出装置110から素材を送出する。なお素材送出装置100と素材送出装置110とを入れ変えてもよい。
【0015】
素材送出装置100は、制御部101、素材記憶部102、デコーダ部103、ファイル処理部104、メモリ105などを有する。
【0016】
制御部101は、装置内の各部を制御して素材サーバ120の素材のコピーと他の素材送出装置110へのバックアップコピーを行う。
【0017】
より具体的には制御部101は、素材サーバ120に格納されている素材の中から、コピー対象の一つの素材を分割した一つまたは全ての分割データの送信、受信、書き込み、読み出しが完了する毎に、ファイル処理部104により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報を比較することで、素材記憶部102に記憶された分割データの整合性を確認し、不整合の場合、エラー情報を出力する整合性確認部として機能する。
【0018】
分割データの分割単位は、一定の再生時間または分割データのヘッダに含まれる映像分割点を基準とする。
【0019】
また制御部101は整合性が確認された分割データを素材記憶部102から読み出して結合する結合部として機能する。
【0020】
さらに制御部101は分割データの整合性が確認された場合、プレビュー確認が可能な範囲を、ネットワーク140上のプレビュー制御を行う端末である管理端末130へ通知する通知部として機能する。
【0021】
ファイル処理部104により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報とは、例えば素材サーバ120から送られてきたハッシュ値事前計算結果と、素材サーバ120から受信して素材記憶部102に記憶した後、読み出した分割データから素材サーバ120と同じハッシュ計算により生成したハッシュ値計算結果である。
【0022】
また素材記憶部102から読み出した分割データから生成したハッシュ値計算結果の値と、素材記憶部102から読み出した分割データを他の素材送出装置110へ送った応答に含まれるハッシュ値計算結果とである。
【0023】
メモリ105にはコピーされた素材を管理するための素材管理情報105aが記憶される。素材管理情報105aは、分割データの管理No.、素材コード、データサイズ、分割元素材の分割開始位置、分割終了位置、読出開始位置、読出終了位置、解析結果(ハッシュ値計算結果)、素材のヘッダ情報、フッタ情報などの素材を管理するための情報である。
【0024】
素材記憶部102には、映像素材が分割されたファイルまたは分割データのままの形態で記憶(保管)される。すなわち素材記憶部102には、素材サーバ120の素材を複数に分割して送られてきた分割データが記憶される。
【0025】
デコーダ部103は、素材記憶部102からファイルを読み出してデコード処理を行い、映像切替器150へ送出する。
【0026】
ファイル処理部104は、ファイル入力部104a、ファイル処理部104b、インターフェース部104c(以下「IF部104c」と称す)を有する。
【0027】
ファイル処理部104は、個々の分割データについて整合性を確認するための複数の整合性確認情報を、異なるルートで取得する整合性確認情報取得部として機能する。
【0028】
IF部104cは素材サーバ120からネットワーク140を通じて映像素材を受信する。ファイル入力部104aは、IF部104cにより受信された映像素材を送出用として分割されたファイルの形態で素材記憶部102に保存する。
【0029】
ファイル出力部104bは、コピー動作の際に素材記憶部102に記憶された映像素材(複数のファイル)を読み出し、IF部104cからネットワーク140上の素材送出装置110へ送出(転送)するための出力処理を行う。
【0030】
すなわちファイル処理部104は映像ストリームとして送られてくる映像素材を分割した複数のファイルにしたり、素材記憶部102に記憶された複数のファイルを外部出力したりする入出力処理を行う。
【0031】
映像切替器150は、モニタ160での監視用または送出用に、映像の出力を切り換える。映像送出中に現用系の素材送出装置100からの映像に再生障害が発生した場合、映像切替器150は、放送事故にならないよう直ちに待機系の素材送出装置110のデコーダ部113からの映像に切り替える。
【0032】
素材送出装置110は、素材送出装置100と同一の構成を有しており、説明を分かり易くするために符号を110番台にしており、それぞれは対応する各部は同じ機能を有している。
【0033】
図2に示すように、放送用に用いる映像データファイルであるMXFファイルは、ヘッダ部21、ボディ部22、フッタ部23などを備える。それぞれ素材毎にデータサイズが異なる。
【0034】
ヘッダ部21には、映像データファイルのフォーマット形式等の属性データであるメタデータが格納される。事前に付与される映像分割点の情報はこのヘッダ部21に入れられる。ボディ部22には、映像データ本体(映像・音声などの実データ)が格納される。
【0035】
映像データファイルを複製(以下「コピー」という)する際に、このボディ部22が各素材送出装置100、110のファイル処理部104,114により、例えば33msのフレーム周期毎に分割されて、細分化した状態で転送され、それぞれの素材記憶部102,112に格納される。
【0036】
フッタ部23には映像データファイルの終わりを示す情報(インデックステーブル、ランダムインデックパックなど)が格納される。インデックステーブルはGOP(Group of Picture)毎に備えられている。インデックステーブルにはGOPの前のフレームの情報が保持される。
【0037】
図3乃至図6を参照して第1実施形態の素材送出システムに動作を説明する。
この素材送出システムでは、前提として、コピー前に素材サーバ120の側で素材を分割して送ったときの個々の分割データの整合性確認用の情報(一例としてはハッシュ値事前計算結果ファイルなど)を用意しておく。また現用系の素材送出装置100で素材データの整合性を確認するための計算と同じアルゴリズムで、同じファイルサイズ毎に計算した結果を記録しておくものとする。
【0038】
管理端末130では、オペレータが映像素材をコピーするための操作を行うと、管理端末130から現用系の素材送出装置100へ映像素材コピー開始要求が発行される(ステップS101)。
【0039】
映像素材コピー開始要求には、素材コード、サイズ、素材ファイルパス、ハッシュ値事前計算結果ファイルサイズ、ハッシュ値事前計算結果ファイルパス、コピー元、コピー先などの情報が含まれている。
【0040】
素材送出装置100では、映像素材コピー開始要求が制御部101により受信されると、制御部101は、ファイルコピー要求をファイル処理部104へ送る(ステップS102)。ファイルコピー要求には、ハッシュ値事前計算結果ファイルパスが含まれている。
【0041】
ファイル処理部104はこのファイルコピー要求を受けて、ファイル要求を素材サーバ120へ送信する(ステップS103)。ファイル要求にはハッシュ値事前計算結果ファイルパス、読出開始位置[先頭]、サイズなどが含まれる。
【0042】
素材サーバ120は、受信されたファイル要求に対してハッシュ値事前計算結果ファイルを素材送出装置100へ送信し(ステップS104)、ハッシュ値事前計算結果ファイルが素材送出装置100に取得される。
【0043】
素材送出装置100では、ファイル処理部104がハッシュ値事前計算結果ファイルを受信して単純にファイルとして取得し、制御部101へ渡す(ステップS105)。
【0044】
制御部101は、ハッシュ値事前計算結果ファイルを取得すると、そのファイルをメモリ105上に展開する(ステップS106)。
【0045】
その後、制御部101は自装置内のリソース(ファイル入力部104a、ファイル出力部104b、素材記憶部102など)の空き状況を確認し、この確認の結果、リソースに十分な空きがあれば、次のステップへ進む(ステップS107)。
【0046】
エラーフラグをクリアした後、制御部101は二重化された他方の装置である待機系の素材送出装置110へリソース確認要求を送信する(ステップS108)。リソース確認要求には素材コード、サイズなどが含まれる。
【0047】
この例では、素材サーバ120からの映像素材コピー要求の引数のうち、コピー先として素材送出装置110が指定される。コピー元は現用系の素材送出装置100のファイル処理部104が指定されるものとする。
【0048】
リソース確認要求を受け取った待機系の素材送出装置110では、制御部111が自装置内のリソースに空きがあるかを確認する(ステップS109)。
【0049】
制御部111は、リソースが空いていることが確認できると、リソース確認応答を素材送出装置100へ返す。これにより、素材サーバ120の映像データファイルのうち、ヘッダ部21のコピーステップS120が実行される。
【0050】
この場合、素材送出装置100の制御部101は、ヘッダコピー要求をファイル処理部104へ送る(ステップS121)。ヘッダコピー要求には、素材コード、ファイルパスなどが含まれる。この他、管理ナンバー(管理No.)などを含めてもよい。
【0051】
ファイル処理部104はこのヘッダコピー要求を受けて、ファイル要求を素材サーバ120へ送信する(ステップS122)。ファイル要求には、素材ファイルパス、読出開始位置[先頭]、サイズなどが含まれる。なお、ヘッダ部21のサイズが可変のため、サイズとしては、ヘッダ部21の最大値が指定される。
【0052】
素材サーバ120は、受信されたファイル要求に対して、映像データファイルからヘッダ部21を抜き出してファイル化したもの、つまりヘッダファイルを素材送出装置100へ送信し(ステップS123)、送られたヘッダファイルが素材送出装置100により取得される。
【0053】
素材送出装置100では、ファイル処理部104がヘッダファイルを受信して解析を行った後(ステップS124)、そのヘッダファイル(ヘッダ部)をメモリ105に素材管理情報105aとして記憶する(ステップS125)。
【0054】
ヘッダ部21のコピー(素材サーバ120からの受信)が終了すると、ファイル処理部104はヘッダコピー応答を制御部101へ送る(ステップS126)。ヘッダコピー応答には、素材コード、結果、読出完了位置などが含まれる。このヘッダコピー応答を受け取ることで制御部101はヘッダサイズの正しい値を取得できる。
【0055】
ヘッダコピー応答通知を受けた制御部101は、ヘッダ送信要求を、二重化された待機系の素材送出装置110へ送信する(ステップS127)。ヘッダ送信要求には、素材コード、ヘッダ情報が含まれる。
【0056】
素材送出装置110では、制御部111が、ヘッダ送信要求を受け取ると、ヘッダ送信要求に含まれる素材コード、ヘッダ情報をメモリ115に素材管理情報115aとして書き込み(ステップS128)、読み出し確認を行って、確認した結果であるヘッダ送信応答(結果)を素材送出装置100へ返す(ステップS129)。
【0057】
確認した結果としては、素材コード、ヘッダ情報の書き込みが成功したか失敗したかなどの情報(フラグ)が含まれる。成功した場合は「1」、失敗した場合は「0」などのフラグが付される。
【0058】
素材送出装置100では、ヘッダ送信応答(結果)を受け取った制御部101が、映像素材コピー開始応答(結果)を管理端末130へ送信する(ステップS130)。なお一連のヘッダ部コピーステップS120の処理で、ヘッダ部21の読み出しを含むコピー処理に失敗した場合、NG応答の送信(出力)で終了し、以降の処理は実施しない。
【0059】
ヘッダ部コピーステップS120の処理が異常なく終了すると、次に、ボディ部コピーステップS140を実行する。なおこのボディ部コピーステップS140は、分割単位毎に繰り返し実行される。
【0060】
この場合、映像素材の分割単位は、一例として、制御部101に設定されている一定の再生時間とする。この他、図2のヘッダ部21に書き込まれている映像分割点で分割してもよい。
【0061】
最初に、制御部101は、メモリ105にエラーフラグが記憶されているか否かをチェックすることで(ステップS141)、その前に行っていた分割単位毎のコピーが失敗していないかを確認する。
【0062】
エラーフラグが立っていた場合、制御部101は、コピー失敗と判定し、その分割単位のコピー情報をクリアし、素材記憶部102にコピー途中のデータが存在した場合はそのデータを素材記憶部102から削除し、再度コピーを試みる。そして、コピー動作を規定回数行い、それでもコピーを失敗した場合は、異常を管理端末130へ通知し、処理を終了する。
【0063】
すなわち、エラーフラグが立っていたら、その分割単位は再度送受信処理を実行し規定回数失敗したときはエラー終了する。
【0064】
コピーが失敗していなかった場合、制御部101は、次に受信するデータ(この場合、ボディ部22の初めのデータ)の分割番号と位置を確認した後、ファイル処理部104に指定時間分の映像データのコピー要求を送る(ステップS142)。このコピー要求には、素材コード、ファイルパス、読出開始位置、サイズ(再生時間)、書込先(素材記憶部の情報)などが含まれる。
【0065】
ファイル処理部104はこのコピー要求を受けて、ファイル要求を素材サーバ120へ送信する(ステップS143)。ファイル要求には、素材ファイルパス、読出開始位置、サイズなどが含まれる。
【0066】
素材サーバ120は、受信されたファイル要求に対して指定部分のファイル(ボディ部22の分割データ)を読み出し、素材送出装置100へ送信する(ステップS144)。
【0067】
素材送出装置100では、ファイル処理部104によってファイル(ボディ部22の分割データ)が受信されると、ファイル処理部104はその受信されたファイルの解析とハッシュ値計算を行う(ステップS145)。ここでの解析は、受信されたファイルが映像データファイル(素材)の要求部分のファイルであるかどうかといった解析である。
【0068】
ファイルの解析およびハッシュ値計算の後、ファイル処理部104は制御部101にファイル(ボディ部22の分割データ)を渡す。
【0069】
制御部101は、渡されたファイルからボディ部22の分割データを抽出し、フレーム単位にデータを素材記憶部102へ書き込む(記憶する)(ステップS146)。なおファイル処理部104が受信した分割データを素材記憶部102へ直接書き込んでもよい。
【0070】
また、ファイル処理部104は、コピー応答を制御部101へ送る(ステップS147)。このコピー応答には、素材コード、結果、読出サイズ、ハッシュ値計算結果などが含まれる。
【0071】
制御部101は、コピー応答を受け取ると、受け取ったコピー応答に含まれるハッシュ値計算結果と、メモリ105に事前に記憶しておいた素材サーバ120から受信された該当分割データのハッシュ値事前計算結果とを比較し、一致するか不一致かを判定する(ステップS148)。
【0072】
この判定の結果、互いのハッシュ値計算結果が異なれば、制御部101は、次のコピー要求を行わずに、不一致として、管理端末130へエラー通知を出力した後、処理を終了する。
【0073】
また判定の結果、互いのハッシュ値計算結果が一致すると、続いて、制御部101は、バックアップコピー要求を予備系の素材送出装置110へ送信する(ステップS149)。このバックアップコピー要求には、素材コード、書込開始位置、サイズなどが含まれる。
【0074】
すなわち、素材送出装置100において指定時間分の分割データを素材記憶部102に書き込んだ後、書き込み結果として、データの最後がどこだったかといった情報を記憶しておき、次の読出開始位置を取得することで、予備系の素材送出装置110へはデータサイズを指定してコピーを行うことができる。
【0075】
予備系の素材送出装置110では、バックアップコピー要求が制御部111により受信されると、制御部111は、リソースを事前に確保するためファイル入力部114aと素材記憶部112の状況を確認する。そして、ファイルの受信および記憶が可能であれば、ファイル受信準備応答(結果OK)をデコーダ部113へ送る(ステップS150)。なお、素材送出装置100においてコピー応答を返した時点で、次の分割単位のコピーを予備系へのバックアップコピーと並行して開始してもよい。
【0076】
素材記憶部112の記憶準備ができると、制御部111は、受信開始要求をファイル入力部114aへ送る(ステップS151)。この受信開始要求には、素材コード、書込開始位置、サイズ、書込先の素材管理情報などが含まれる。
【0077】
ファイル入力部114aは、受信開始要求を受けると、受信準備を行い(ステップS152)、受信準備が整うと、受信開始応答を制御部111に返す(ステップS153)。この受信開始応答には、素材コード、結果:OKなどが含まれる。
【0078】
制御部111はこの受信開始応答を受けてバックアップコピー応答(受付結果)を現用系の素材送出装置100へ送信する(ステップS154)。
【0079】
現用系の素材送出装置100では、制御部101が、バックアップコピー応答(受付結果)を受信すると、バックアップコピー要求をファイル出力部104bへ送る(ステップS155)。このバックアップコピー要求には、素材コード、読出開始位置、サイズ、読出先の素材管理情報、コピー先情報などが含まれる。
【0080】
ファイル出力部104bはバックアップコピー要求を受けると、バックアップコピー応答を返す(ステップS156)。バックアップコピー応答には、素材コード、結果(受付OK)などの情報が含まれる。
【0081】
バックアップコピー応答の後、ファイル出力部104bは、素材記憶部102から該当するファイル(ボディ部の分割データ)を読み出して(ステップS157)、ファイルの内容を解析する(ステップS158)。
【0082】
読み出したファイルの内容が、ボディ部22の分割データであれば、そのファイル(ボディ部の分割データ)を予備系の素材送出装置110へ送信する(ステップS159)。
【0083】
ファイル送信の後、ファイル出力部104bは、解析結果通知を制御部101へ送る(ステップS160)。この解析結果通知には、素材コード、結果、解析[計算]結果などが含まれる。
【0084】
制御部101は、受け取った解析結果通知から、自装置(素材記憶部102)へのコピー処理が正常に行われたか否かを判定し(ステップS161)、判定結果を応じて処理を続けるか中止する。例えば判定結果がNGの場合、エラーフラグを立て(設定し)、処理を中止する。また判定結果がOKの場合は、コピー処理を続ける。
【0085】
予備系の素材送出装置110では、現用系の素材送出装置100からのファイル(ボディ部22の分割データ)がファイル入力部114aにより受信されると、ファイル入力部114aは、ファイルの内容を解析する(ステップS162)。
【0086】
受信したファイルの内容が、ボディ部22の分割データであれば、ファイル入力部114aは、そのファイル(ボディ部の分割データ)を素材記憶部112に書き込む(記憶する)(ステップS163)。なおファイル入力部114aが受信したファイル(ボディ部22の分割データ)を制御部111へ渡し制御部111が素材記憶部112へ書き込んでもよい。
【0087】
ファイル(ボディ部の分割データ)を素材記憶部112に書き込んだ後、ファイル入力部114aは、受信完了通知を制御部111へ送る(ステップS164)。受信完了通知には、素材コードが含まれる。
【0088】
制御部111は、受信完了通知を受け取ると、ファイル出力部114bへデータチェック要求を送る(ステップS165)。データチェック要求には、素材コード、読出開始位置、サイズ、読出元の素材記憶部112の情報などが含まれる。
【0089】
ファイル出力部114bはこのデータチェック要求を受けて、要求を受け付けたことを示すデータチェック応答を制御部111へ返す(ステップS166)。データチェック応答には、素材コード、結果(受付OK)などが含まれる。
【0090】
そして、ファイル出力部114bは、データチェック要求されたデータを素材記憶部112から読み出し(ステップS167)、内容を解析し、ハッシュ値の計算を行い(ステップS168)、解析結果通知(計算結果通知)を制御部111へ返す(ステップS169)。解析結果通知(計算結果通知)には、素材コード、解析結果[計算結果]などが含まれる。
【0091】
制御部111は解析結果通知(計算結果通知)を受けて、現用系の素材送出装置100の制御部101へ解析結果通知(計算結果通知)を送信する(ステップS170)。この解析結果通知(計算結果通知)には、素材コード、この装置でのコピー結果、解析結果[計算結果]などが含まれる。
【0092】
すなわち、予備系の素材送出装置110の側では、素材記憶部112に書き込んだデータを再度読出し、ファイル出力部114bでそのデータのハッシュ値を計算し、現用系の素材送出装置100の制御部101へ計算結果を返す。
【0093】
現用系の素材送出装置100では、制御部101が、自身が計算したハッシュ値計算結果の値と予備系の素材送出装置110から送られてきた解析結果通知(計算結果通知)に含まれるハッシュ値計算結果の値との2つの値を比較して、一致か不一致かを判定し(ステップS171)、互いの値が異なっている場合、ボディ部コピーステップでのエラーフラグをメモリ105に設定、つまりエラーフラグを立てる。なおメモリ105にエラーフラグが設定された場合、制御部101は管理端末130へエラー通知を出力する。
【0094】
なお、素材記憶部102や素材記憶部112に一度書き込んだデータを読み出して、ハッシュ値を計算した上で、互いの値を比較するのは、書き込み済みのデータにエラーがないことを確認するためである。
【0095】
現用系の素材送出装置100では、ボディ部コピーステップS140の処理が異常なく終了すると、次に、フッタ部コピーステップS180を実行する。
【0096】
この場合、素材送出装置100の制御部101は、フッタコピー要求をファイル処理部104へ送る(ステップS181)。フッタコピー要求には、素材コード、ファイルパス、読出開始位置、サイズなどが含まれる。
【0097】
ファイル処理部104はこのフッタコピー要求を受けて、ファイル要求を素材サーバ120へ送信する(ステップS182)。ファイル要求には、素材ファイルパス、読出開始位置、サイズなどが含まれる。なお、フッタ部23のサイズが可変のため、サイズとしては、フッタ部23の最大値が指定される。
【0098】
素材サーバ120は、受信されたファイル要求に対して、映像データファイルからフッタ部23を抜き出してファイル化したもの、つまりフッタファイルを素材送出装置100へ送信し(ステップS183)、送られたファイルが素材送出装置100により取得される。
【0099】
素材送出装置100では、ファイル処理部104がフッタファイルを受信して解析を行った後(ステップS184)、そのフッタファイルの情報(フッタ情報)をメモリ105に素材管理情報105aとして記憶する(ステップS185)。
【0100】
フッタ部23のコピー(素材サーバ120からの受信)が終了すると、ファイル処理部104はフッタコピー応答を制御部101へ送信する(ステップS186)。フッタコピー応答には、素材コード、結果、読出完了位置[終端]などが含まれる。
【0101】
フッタコピー応答通知を受けた制御部101は、フッタ送信要求を、二重化された待機系の素材送出装置110へ送信する(ステップS187)。フッタ送信要求には、素材コード、フッタ情報が含まれる。
【0102】
待機系の素材送出装置110では、制御部111が、フッタ送信要求を受け取ると、フッタ送信要求に含まれる素材コード、フッタ情報をメモリ115に素材管理情報115aとして書き込み(ステップS188)、読み出し確認を行って、確認した結果であるフッタ送信応答(結果)を素材送出装置100へ返す(ステップS189)。
【0103】
確認した結果としては、素材コード、フッタ情報の書き込みが成功したか失敗したかなどの情報(フラグ)が含まれる。成功した場合は「1」、失敗した場合は「0」などのフラグが付される。
【0104】
素材送出装置100では、制御部101が、フッタ送信応答(結果)を受信すると、映像データファイルの全てのデータのコピーが終了したことを示す映像素材コピー結果通知を管理端末130へ送信する(ステップS190)。映像素材コピー結果通知には、素材コード、結果が含まれる。
【0105】
このようにして素材サーバ120の映像データファイルすべてのコピーが成功する場合に、管理端末130から素材送出装置100または素材送出装置110に対してコピーされた映像のプレビュー再生ステップS200を実行するよう指示し、プレビュー再生された映像を人間が実際に視聴して最終的な確認を行う。
【0106】
なお素材送出装置100と素材送出装置110とで保存されているデータが同じであることはコピー時に確認済であるため、プレビュー再生はいずれか一方の装置で行ってもよい。
【0107】
プレビュー再生ステップS200では、管理端末130において、オペレータによりプレビュー再生の操作が行われると、管理端末130は、例えば素材送出装置100に対してコピー済みの映像のプレビュー再生を実行するようプレビュー要求を送信する(ステップS201)。このプレビュー要求には、素材コード、再生開始位置、再生時間、再生速度などが含まれる。
【0108】
素材送出装置100では、制御部101が、プレビュー要求を受け取ると、プレビュー応答を返した後(ステップS202)、映像再生要求をデコーダ部103に送る(ステップS203)。この映像再生要求には、素材コード、再生開始位置、再生速度などが含まれる。
【0109】
この再生要求を受けたデコーダ部103は、映像再生応答(結果)を返した後(プS204)、要求を受けたデータを素材記憶部102から読み出し(ステップS205)、デコード処理して(ステップS206)、デコード処理した映像データをモニタ160へ出力する(ステップS207)。
【0110】
このようにこの第1実施形態によれば、素材サーバ120を複数に分割した個々の分割データとその整合性確認情報であるハッシュ値事前計算結果ファイルを素材サーバ120から現用系の素材送出装置100へ送り、素材送出装置100では、素材サーバ120から受信されたハッシュ値事前計算結果ファイルと素材サーバ120から受信された個々の分割データから生成(算出)したハッシュ値計算結果とを比較して整合性を確認し、互いが不整合の場合、エラーを出力するので、素材サーバ120から現用系の素材送出装置100へ素材をコピーしている途中でコピーが失敗したことがわかり、コピーエラーの際のコピーのやり直しを早い段階で行うことができる。
【0111】
(第2実施形態)
続いて、図7乃至図9を参照して第2実施形態を説明する。なお第2実施形態を説明するにあたり、同じ処理ステップには同一の符号を付しその説明は省略する。
【0112】
この第2実施形態では、素材サーバ120から整合性確認情報であるハッシュ値事前計算結果ファイルを送らずに、素材サーバ120から現用系の素材送出装置100がコピーして素材記憶部102に記憶したボディ部22の分割データを予備系の素材送出装置110へコピーする際に、素材記憶部102から読み出した分割データからハッシュ値計算を行いその計算結果と、予備系の素材送出装置110へコピーした結果としての応答(解析結果通知)に含まれるハッシュ値計算結果とを比較して整合性を確認する。
【0113】
すなわち、この第2実施形態の場合、管理端末130から映像素材コピー開始要求が発行され(図7のステップS101)、素材送出装置100に受信されたとき、素材送出装置100の制御部101は、ファイルコピー要求を素材サーバ120へ出すのではなく、映像素材のコピー要求をトリガにして、自装置内のリソースの空き状況を確認する(ファイル処理部104・ファイル出力部104b・素材記憶部102)。
【0114】
また、制御部101は、分割単位毎のコピーが成功したかどうかを判断するためのエラーフラグをクリアする(ステップS107)。この要求で二重化された予備系の素材送出装置110は、映像素材コピー要求の引数のうち、コピー先として指定される。コピー元は、素材送出装置100のファイル処理部104が指定される。
【0115】
次に、素材送出装置100の制御部101は、予備系の素材送出装置110に対して、リソースに空きがあるかを確認するためリソース確認要求を送信する(ステップS109)。
【0116】
リソース確認要求を受信した素材送出装置110の制御部111は、自装置内のリソースの空を確認し、その結果として、リソース確認応答を素材送出装置100へ返す(ステップS110)。
【0117】
素材送出装置100では、リソース確認応答を制御部101が受信することで、素材送出装置110側にリソースが空いていることを確認できる。その後、制御部101は、ヘッダ部コピーステップS120を実行する。ヘッダ部コピーステップS120は第1実施形態と同様であり、ヘッダ部コピーステップS120の中で、コピーが失敗すると、以降のボディ部コピーステップを実行することなく異常終了する。
【0118】
次に、素材送出装置100の制御部101は、ボディ部コピーステップ(図8のS140)を実行する。
【0119】
このボディ部コピーステップS140では、第1実施形態と同様にボディ部22のコピーが分割単位毎に行われる。
【0120】
この中で、素材サーバ120から分割データが素材送出装置100のファイル処理部104により受信されると、ファイル処理部104は、受信された分割データの解析を行うが(図8のステップS301)、この際、第1実施形態とは異なり、受信された分割データのハッシュ値の計算は行わず、ここではデータ構造の解析を行う。
【0121】
受信された分割データの内容を解析した結果、受信データが、素材サーバ120から送られてくるべき素材の分割データであれば、ファイル処理部104は、受信データをフレームごとに素材記憶部102に記憶する(ステップS146)。
【0122】
受信データを記憶した後、ファイル処理部104は、制御部101にコピー応答を送る(ステップS302)。このコピー応答には、素材コード、解析結果、読出サイズなどが含まれるものの、ハッシュ値の計算を行っていないことから、ハッシュ値計算結果は含まれない。ここまで終了すると、素材サーバ120に対して次の分割データのコピー要求を行うことができる。
【0123】
コピー応答を受け取った制御部101は、予備系の素材送出装置110に対してバックアップコピー要求を行い(ステップS149)、素材送出装置110側で受信準備ができ(ステップS152)、バックアップコピー応答が返ってくると、ファイル出力部104bは、素材記憶部102からバックアップ対象の分割データを読み出して(図9のステップS157)、その内容(データ構造)の解析とハッシュ計算を行い(ステップS303)、解析結果通知を制御部101へ送る。
【0124】
内容を解析した結果、データ構造に異常がなければ、ファイル出力部104bは、素材記憶部102から読み出した分割データをファイル(ボディ部の分割データ)として予備系の素材送出装置110へ送信する(ステップS159)。解析結果通知には、素材コード、読み出した分割データの解析結果、ハッシュ値の計算結果などが含まれる。
【0125】
制御部101は、解析結果通知を受け取ると、解析結果通知に含まれるハッシュ計算結果をメモリ105に一時保持(記憶)する。
【0126】
ファイル(ボディ部の分割データ)を受信した予備系の素材送出装置110では、そのデータを素材記憶部112に書き込んだ後、ファイル出力部114bがそのデータを読み出し、ハッシュ値の計算を行い、解析結果通知を現用系の素材送出装置100へ送信する。この解析結果通知には、素材コード、読み出した分割データの解析結果、ハッシュ値の計算結果などが含まれる。
【0127】
現用系の素材送出装置100では、解析結果通知を受信した制御部101が、解析結果通知から予備系の素材送出装置110側のハッシュ値計算結果を抽出し、メモリ105に予め一時保持しておいた自装置側のハッシュ値計算結果とを比較・判定する(ステップS304)。
【0128】
2つの値を比較した結果、異なっている場合、制御部101は、エラーフラグをメモリ105に設定、つまりエラーフラグを立てる。メモリ105にエラーフラグが設定された場合、制御部101は管理端末130へエラー通知を出力する。なお、一度書き込んだデータを読み出して比較するのは、書き込み時にエラーがないことを確認するためである。
【0129】
すべての分割単位でコピー成功した後、最終的に人間が実際に映像を再生して確認を行う。素材送出装置100/素材送出装置110のデータが同じであることはコピー時に確認済であるため、プレビュー再生はどちらか一方の装置で行うだけでよい。
【0130】
このようにこの第2実施形態によれば、素材サーバ120から整合性確認情報であるハッシュ値事前計算結果ファイルを送らずに、素材サーバ120から現用系の素材送出装置100がコピーして素材記憶部102に記憶したボディ部22の分割データを予備系の素材送出装置110へコピーする際に、素材記憶部102から読み出した分割データからハッシュ値計算を行いその結果と、予備系の素材送出装置110へバックアップコピーした結果の通知に含まれるハッシュ値計算結果とを比較して整合性を確認し、互いが不整合の場合、エラーを出力するので、素材サーバ120から現用系の素材送出装置100へ素材をコピーし、素材送出装置100から素材送出装置110へコピーしている途中でコピーが失敗したことがわかり、コピーエラーの際のコピーのやり直しを早い段階で行うことができる。また素材サーバ120での個々の分割データのハッシュ値の事前計算が不要になり、コピーを早く始めることができる。
【0131】
(第3実施形態)
続いて、図10を参照して第3実施形態を説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態との違いで説明する。
【0132】
第3実施形態では、第1実施形態のステップS171または第2実施形態のステップS304において現用系の素材送出装置100と予備系の素材送出装置110との間でコピーしたデータの整合性が確認された後、素材送出装置100から管理端末130へ映像素材整合性確認通知を送信する(ステップS305)。この映像素材整合性確認通知には、素材コード、その素材を再生して確認できる範囲(再生可能範囲)が含まれる。
【0133】
管理端末130では、受信された映像素材整合性確認通知に含まれる再生可能範囲から、データの整合性がとれた範囲のデータがわかるので、管理端末130のオペレータは、その範囲と再生対象の素材送出端末を指定して再生操作を行うことで、プレビュー要求が対象の素材送出装置へ送信される(ステップS201)。プレビュー要求には素材コード、再生開始位置、再生時間、再生速度などが含まれる。
【0134】
プレビュー要求を受信した素材送出装置、例えば素材送出装置100などは、素材サーバ120からデータをコピー途中であっても、確認のための部分的なプレビュー再生を先行して行うことができる。
【0135】
そして、すべての分割単位で素材のコピーを成功した後、最終的に人間が実際に映像を再生して確認を行う。なお、素材送出装置100/素材送出装置110のデータが同じであることはコピー時に確認済みであるため、プレビュー再生はどちらか一方の装置を指定してプレビュー再生するだけよい。
【0136】
このようにこの第3実施形態によれば、現用系の素材送出装置100と予備系の素材送出装置110との間で分割データのコピーが成功したことが確認される毎に管理端末130へ映像素材整合性確認通知を送ることで、管理端末130では、いずれかの素材送出装置100,110へプレビュー再生を指示することで、素材のコピー途中であってもコピーしたデータの範囲を指定してプレビュー再生が可能となり、コピーした素材の目視確認を早く始めることができる。
【0137】
(第4実施形態)
続いて、図11を参照して第4実施形態を説明する。なお第4実施形態では、上記第1実施形態乃至第3実施形態との差分で説明する。
【0138】
この例では、素材サーバ120のファイル転送能力が高い場合を想定し、素材サーバ120の素材を分割して複数の素材送出装置100,110へ並行に送信し、各素材送出装置100,110にて受信された各々の分割データから整合性確認情報を生成し、生成した整合性確認情報を管理端末130か、いずれか一方の素材送出装置100へ送り、互いの整合性確認情報を用いてコピーした分割データの整合性を確認する。
【0139】
素材サーバ120のファイル転送能力が高い場合、管理端末130から、複数の素材送出装置100、素材送出装置110それぞれへ同時にコピー開始要求を行い(図11のステップS101)、素材サーバ120の素材について、ヘッダ部、ボディ部、フッタ部を順に各装置へ並行してコピーする。
【0140】
ボディ部について分割データを各装置へコピーしたときには、それぞれの装置でハッシュ値を計算し保存しておく(ステップS306,ステップS308)。
【0141】
そしてコピー対象の素材のすべてのデータのコピーが終了したときに、映像素材コピー結果通知を各素材送出装置100、110から管理端末130へ送信し(ステップS401)、管理端末130では、受信した映像素材コピー結果通知に含まれる解析結果を用いた比較判定でコピー成功か否かの判定を行う(ステップS402,ステップS403)。つまり管理端末130では分割データの解析結果を用いて分割単位毎に素材の整合性確認を行う。
【0142】
互いのデータが一致しコピーが成功した場合(ステップS402、ステップS403のYes)、管理端末130から、所望の素材送出装置100(または素材送出装置110)へプレビュー要求を発行することで(ステップS404)、その部分のデータについては、いずれか一方の素材送出装置100(または素材送出装置110)のデータをプレビュー再生(S200)して、コピーしたデータが正しいか否かを視聴確認することができる。
【0143】
なおステップS402,ステップS403の素材整合性確認ステップにおいて、互いのデータが不一致となった場合、その部分のデータについては、素材送出装置100と素材送出装置110との両方のデータを確認して、正しい映像が記録されている方を確かめる必要がある。
【0144】
この場合、どちらか一方でも素材が正常にコピーされていれば、直ちにその装置から素材の送出が可能となる利点がある。なおデータのコピーが失敗した側の装置は、失敗部分を再度コピーしデータを確認することになる。
【0145】
このようにこの第4施形態によれば、素材サーバ120のファイル転送能力が高い場合、素材サーバ120から各素材送出装置100、110それぞれへ同時に並行してコピーを行い、各素材送出装置100、110から映像素材コピー結果通知を管理端末130が受け取って整合性確認を行うことで、どちらか一方でも素材が正常にコピーされていれば、その素材送出装置100(または素材送出装置110)から直ちに素材を送出することができる。
【0146】
なお素材送出装置100、素材送出装置110が複数のファイル処理部104、ファイル出力部104bを持つ場合、ボディ部の読み出しを並行して行うことができる。
【0147】
この場合の問題点は、順番に読む場合と異なり、正確なフレームの区切りがわからないことであるが、フレームの先頭とは限らないある一定サイズ毎にコピー要求を行い、ファイル処理部104で、指定位置から最初に見つけたフレームの先頭からコピーする、などのルールを設けてコピーを行うことで、上記問題を回避できる。
【0148】
このようにすることで、素材サーバ120のパフォーマンスが、各素材送出装置100、110のファイル処理部104,114aと比較して非常に大きい場合などに処理効率が向上し有効である。
【0149】
(第5実施形態)
続いて、図12を参照して第5実施形態を説明する。なお第5実施形態では、上記第4実施形態との差で説明する。
【0150】
素材サーバ120のファイル転送能力が高い場合、管理端末130から、複数の素材送出装置100、素材送出装置110それぞれへ同時にコピー開始要求を行い(ステップS101)、素材サーバ120の素材について、ヘッダ部、ボディ部、フッタ部を順に各装置へ並行してコピーする。
【0151】
そしてボディ部をコピーしたとき、個々の分割データのコピーが終了したときに、それぞれの装置でハッシュ値を計算し保存するとともに(ステップS306,ステップS308)、コピーが終了したことを示す映像素材コピー結果通知を、その都度、各素材送出装置100、110から管理端末130へ送信し(ステップS501)、管理端末130で分割単位毎の素材整合性を確認する(ステップS502,ステップS503)。
【0152】
互いのデータが一致した場合(ステップS503のYes)、管理端末130から、所望の素材送出装置100(または素材送出装置110)へプレビュー要求を発行することで(ステップS504)、その部分のデータについては、いずれか一方の素材送出装置100(または素材送出装置110)のデータをプレビュー再生すれば、コピーしたデータが正しいか否かを確認することができる。
【0153】
そして、コピー対象の素材のすべてのデータのコピーが完了したときに、各素材送出装置100、110で保持しておいた分割単位毎の解析結果をまとめて映像素材コピー結果通知として管理端末130へ送信する(ステップS505)。
【0154】
またステップS503の判定ステップにおいて、互いのデータが不一致となった場合(ステップS503のNo)、その部分のデータについては、素材送出装置100と素材送出装置110との両方のデータを確認して、正しい映像が記録されている方を確かめる必要がある。
【0155】
この場合、どちらか一方でも素材が正常にコピーされていれば、直ちにその装置から素材の送出が可能となる利点がある。なおデータのコピーが失敗した側の装置は、失敗部分を再度コピーしデータを確認することになる。
【0156】
このようにこの第4施形態によれば、素材サーバ120のファイル転送能力が高い場合、素材サーバ120から各素材送出装置100、110それぞれへ同時に並行してコピーを行い、各素材送出装置100、110から映像素材コピー結果通知を管理端末130が受け取って整合性確認を行うことで、どちらか一方でも素材が正常にコピーされていれば、その素材送出装置100(または素材送出装置110)から直ちに素材を送出することができる。
【0157】
このようにこの第5実施形態によれば、分割単位毎に素材のコピーが完了すると、各素材送出装置100、110から映像素材コピー結果通知を管理端末130へ送信し、管理端末130でデータ整合性を確認する。そして整合性確認の結果、互いが整合すれば、所望の装置の側でその部分からプレビュー再生を行うことで、素材コピー途中の早い段階で視聴確認を行うことができる。
【0158】
(第6実施形態)
続いて、図13参照して第6実施形態を説明する。なお第6実施形態では、上記第2実施形態との差分で説明する。
【0159】
第6実施形態では、第2実施形態の判定ステップS304において分割データのコピーが成功したことが判定された場合に、分割ファイルを結合する処理を加えたものである。
【0160】
すなわち、第6実施形態では、制御部101は、受信された解析結果通知に含まれる解析結果(ハッシュ値計算結果)とメモリ105に予め記憶しておいたコピー時の分割データのハッシュ値計算結果とが一致するか否かを判定し(ステップS304)、不一致の場合、分割データのコピーが失敗したものとして(ステップS601のNo)、コピー失敗通知を素材送出装置110へ送信し(ステップS602)、素材送出装置110に再度コピーを行わせる(ステップS603)。
【0161】
一方、互いのハッシュ値計算結果が一致し、分割データのコピーが成功した場合(ステップS601のYes)、制御部101はコピー成功通知を素材送出装置110へ送信すると共に(ステップS604)、結合許可要求を管理端末130へ送信する(ステップS605)。
【0162】
結合許可要求に対して管理端末130から結合許可応答が受信された場合(ステップS606)、制御部101は、これをトリガにして素材記憶部102に記憶されていた複数の分割データを結合する(ステップS607)。
【0163】
このようにこの第6実施形態によれば、素材送出装置101のデータと素材送出装置110のデータとの整合性が確認された場合に管理端末130へ結合許可要求を送り、許可された場合に分割データを結合するので、素材サーバ120の保存形態で素材送出装置101および素材送出装置110に素材話保管することができる。
【0164】
上記第1実施形態乃至第6実施形態によれば、素材サーバ120に格納された放送用の素材を2重化された素材送出装置100,110にコピーして運用する上で、コピーの失敗を早期に発見することができる。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0166】
例えば上記実施形態では、素材サーバ120に格納されている素材の中から、コピー対象の一つの素材を分割した一つずつの分割データに対してハッシュ計算を行ったが、所定数の分割データをまとめてハッシュ計算を行い整合性確認情報を生成してもよい。
【0167】
また上記実施形態に示した各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
【符号の説明】
【0168】
100,110…素材送出装置、101,111…制御部、102,112…素材記憶部、103,113…デコーダ部、104,114…ファイル処理部、104a,114a…ファイル入力部,104b,114b…ファイル出力部,104c,114c…インターフェース部(I/F部)、105,115…メモリ、105a,115a…素材管理情報、120…素材サーバ、130…管理端末、140…ネットワーク、150…映像切替器、160…モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送用の素材が蓄積された素材サーバにネットワークを介して接続され、前記素材サーバの素材を複製して送出する素材送出装置において、
前記素材サーバの素材を複数に分割して送られてきた分割データが記憶された記憶部と、
個々の分割データについて整合性を確認するための複数の整合性確認情報を、異なるルートで取得する整合性確認情報取得部と、
一つまたは所定数の分割データの送信または受信が完了する毎に、前記整合性確認情報取得部により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報を比較することで、前記記憶部に記憶された分割データの整合性を確認し、不整合の場合、エラー情報を出力する整合性確認部と
を具備することを特徴とする素材送出装置。
【請求項2】
前記整合性確認情報は、前記素材サーバから送られてきたものと、前記記憶部から読み出した分割データから生成したものであることを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項3】
前記整合性確認情報は、前記記憶部から読み出した分割データから生成したものと、前記記憶部から読み出した分割データを前記他の素材送出装置へ送った応答として得たものであることを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項4】
前記整合性確認部により整合性が確認された分割データが全て受信されたときに結合する結合部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項5】
前記分割データの分割単位は、一定の再生時間であることを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項6】
前記分割データの分割単位は、分割データのヘッダに含まれる映像分割点であることを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項7】
前記整合性確認部により分割データの整合性が確認された場合、プレビュー確認が可能な範囲を、前記ネットワーク上のプレビュー制御を行う端末へ通知する通知部を具備することを特徴とする請求項1記載の素材送出装置。
【請求項8】
放送用の素材が蓄積された素材サーバと、ネットワークを介して接続された複数の素材送出装置とを有し、前記素材サーバの素材を複数の素材送出装置に順次または並行して複製し、いずれか一方の素材送出装置から素材を送出する素材送出システムにおいて、
前記素材送出装置は、
前記素材サーバの素材を複数に分割して送られてきた分割データが記憶された記憶部と、
個々の分割データについて整合性を確認するための複数の整合性確認情報を、異なるルートで取得する整合性確認情報取得部と、
一つまたは所定数の分割データの送信または受信が完了する毎に、前記整合性確認情報取得部により異なるルートで取得された複数の整合性確認情報を比較することで、前記記憶部に記憶された分割データの整合性を確認し、不整合の場合、エラー情報を出力する整合性確認部と
を具備することを特徴とする素材送出システム。
【請求項9】
前記素材サーバの素材を分割して複数の素材送出装置へ並行に送信し、各素材送出装置にて受信された各々の分割データから整合性確認情報を生成し、いずれか一方の素材送出装置へ送り、互いの整合性確認情報を用いて整合性を確認することを特徴とする請求項8記載の素材送出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−195799(P2012−195799A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58816(P2011−58816)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】