説明

紡績機の作業箇所の分配

【課題】
安価に製造され得るクロス巻取り包装体を製造する紡績機を準備すること。
【解決手段】
この発明は、複数の均一に互いに間隔を置いた巻取りステーション(1)を備えて、巻取りステーションの間隔aが互いに巻取りステーション(1)の場所の必要性によって形成され、並びに二つの延伸機構作業箇所(3)を包含する延伸機構(2)と延伸機構作業箇所(3)に後方配置された紡績装置(7)を備えて、クロス巻取り包装体を製造する紡績機、特に空気紡績機に関し、延伸機構(2)がリング紡績機の延伸機構上ロール用の連続振り子支持体を備えていて、各延伸機構(2)の延伸機構作業箇所(3)の相互の間隔bが巻取りステーション(1)の間隔aより僅かに少なく、そして隣接した延伸機構(2)の互いに並んで位置する延伸機構作業箇所(3)の相互の間隔cは間隔bが間隔aより僅かに少ないのと同じ値だけ間隔aより大きいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の上位概念によりクロス巻取り包装体を製造する紡績機に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の上位概念による紡績機は先行技術から十分に知られている。ドイツ特許出願公開第4015636号明細書(特許文献1)は、多数の紡績箇所の均一に互いに間隔を置いて機台に配置されている紡績機を記載する。紡績箇所には、それぞれに延伸機構が繊維ベルトを延伸させるように付属されている。この場合には、延伸機構の配置は、隣接した延伸機構作業箇所の相互の間隔が二つの隣接した紡績巻取りステーションの間隔にそれぞれに一致するように、選定される。これにより首尾一貫した垂直な繊維ベルトに関連した糸案内が紡績箇所と付属延伸機構作業箇所の間に達成され、それにより紡績箇所に供給された紡績された糸が一貫して延伸機構ロールと紡績箇所の間に一列に保持されている。
【0003】
欠点として、紡績巻取りステーションの区分に調和された延伸機構の区分が延伸機構の特殊な寸法化、特に振り子支持体を必要とし、それにより製造費用が上昇することが明らかになる。さらに、延伸機構の延伸機構作業箇所の区分の拡大が延伸機構上ロールに作用する曲げモーメントの増加を奏し、それは一致する反動モーメントを発生させる特に振り子支持体の適切な説明によって補償されななければならない。延伸機構の別の成分も、拡大する負荷に適合されななければならなく、それは同時に製造と保守では費用の上昇をまねく。
【0004】
ドイツ特許出願公開第19625306号明細書(特許文献2)から、延伸機構の延伸機構作業箇所の間隔は圧縮紡績では特に篩ドラムによって大きくなるので、間隔が作業箇所の区分を超過させて、それ故に紡績箇所が完全には覆われ得ないという問題に遭遇されるリング紡績機が知られている。そのために、延伸機構がより密に配置されて、すべての紡績箇所に覆うことができる。
【0005】
選択的に、ドイツ特許出願公開第19726694号明細書(特許文献3)では、二つの平行な繊維ベルトが同じ延伸機構ロールによって共通に加工されることによって、圧縮紡績用の場所の必要性の問題に遭遇した。繊維ベルトのそれにより生じる僅かな間隔が引き続いてリングスピンドル区分に拡大されるにちがいない。即ち、補強された繊維ベルトが各一つの転向ロールを介して、区分差によって発生した傾斜引張が延伸機構にまで合流しないように転向される。繊維ベルトのそのような応力は、リング紡績の際に紡績の際に発生した真の回転がこの転向箇所まで戻されることによってのみ、安定な紡績処理を保証できる。例えば空気紡績であるような他の紡績方法のために、そのような方法が使用できない。その上、糸破断の際に両紡績箇所が業務を停止されなければならなず、というのは、紡績箇所が補強された繊維ベルトを加工するからである。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第4015636号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第19625306号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第19726694号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、安価に製造され得るクロス巻取り包装体を製造する紡績機を準備することを基礎としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、この発明によると、請求項1の特徴とする特徴事項によって解決される。
【0008】
この発明の好ましい構成は、従属請求項の対象である。
【0009】
請求項1によると、延伸機構上ロール用の連続振り子支持体を備える延伸機構がリング紡績機により形成されていて、各延伸機構の延伸機構作業箇所の相互の間隔bが巻取りステーションの間隔aより少なく、そして隣接した延伸機構の互いに並んで位置する延伸機構加工箇所の相互の間隔cは、間隔bが間隔aより少ない同じ値だけ間隔aより大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
これは、延伸機構のこの発明による配列はリング紡績機の延伸機構上ロール用の標準化された連続振り子支持体の使用を可能とし、多数の部材数で製造され、それで安価に自由に使える利点を有する。これにより先行技術に使用された紡績機に比べて紡績機の製造の際における費用利点が巻取りステーションより大きい区分を有する延伸機構に関して巻取りステーションの区分に適合した延伸機構を生じる。延伸機構における延伸機構作業箇所のより狭い区分は延伸機構にて連続振り子支持体によって配置されたロール対のより良い案内を可能とする。これにより糸値の改良が達成される、というのは、巻取りステーションの区分に適合されない延伸機構作業箇所がより短い連続振り子支持体に基づいてロール間のより良い繊維ベルト案内を可能とし、その上、均一押圧が延伸機構作業箇所のロール対上に及ぼされる。特に紡績装置が延伸機構作業箇所と並んでいる。
【0011】
さらに、紡績装置から付属巻取りステーションまで案内する糸を巻取りステーションの間隔aだけ引き離す転向手段が設けられている。この転向手段は、紡いだ糸が巻取りステーションと一直線に並んで走行するように延伸機構に付属された空気紡績ノズルにより紡いだ糸を転向させるのに用いられる。
【0012】
転向手段によって空気紡績ノズルから生じる糸がいつも延伸機構作業箇所の連続振り子支持体の上ロールの締付け線に供給されることが達成される。
【0013】
好ましくは、転向手段が僅かな表面粗度を有する。この表面粗度は、生じる放出速度では糸と転向手段の間に生じる摩擦がなおざりにできるように選定されている。この形式では、転向すべき糸の損傷が発生する摩擦に基づいて回避され得る。特に、転向手段がロール或いは同様なものとして形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明は、次に図1に図示された実施例に基づいて詳細に説明される。図1には、クロス巻取り包装体を製造する繊維機械、特に空気紡績機の概略的部分図が図示されている。この空気紡績機は、繊維機械の両側に機械縦方向において並んで配置されている多数の紡績巻取りステーションを包含する。紡績巻取りステーションでは、この実施例では空気紡績ノズル7とこの後方配置された巻取りステーション1が重要である。二つの隣接した互いに配置された巻取りステーション1の間に生じる間隔aが区分を意味し、巻取りステーション1のそれぞれの中点から出発して、相互の間隔を与えられる。この場合には、この間隔aがすべての機械縦方向において並んで配置されている巻取りステーション1のために同じであり、巻取りステーション1の場所の必要性によって形成される。
【0015】
巻取りステーション1には、それぞれに一つの延伸機構2が付属されていて、この延伸機構は、それぞれに一個のみの出力ロール3aが図示されている多数の振り子支持体に配置された上ロールを備える対状に配置された延伸機構作業箇所3を有する。延伸機構2は延伸機構2の区分に与えられる相互の間隔dを有する。隣接した延伸機構2の二つの互いに隣接した延伸機構作業箇所3が、出力ロール3aのそれぞれの中点から測定されて、互いの間隔cを有する。延伸機構2の二つの延伸機構作業箇所3が相互の間隔bを有する。
【0016】
この発明によると、延伸機構2の配列は、各延伸機構2の延伸機構作業箇所3の相互の間隔bが巻取りステーション1の間隔aより僅かであるように、行われる。この場合には、隣接した延伸機構2の並んで位置する延伸機構作業箇所3の相互の間隔cは、延伸機構作業箇所3の間隔bが間隔aより僅かであるのと同じ値だけ巻取りステーション1の間隔aより大きい。延伸機構2に使用された振り子支持体では、リング紡績機の延伸機構上ロール用の連続振り子支持体が重要である。この場合には、二つの隣接した延伸機構2の間隔dは特に二つの隣接した巻取りステーション1の間の間隔aの二倍に一致する。
【0017】
空気紡績ノズル7はそれぞれにその付属延伸機構作業箇所3と一直線に並んでいる。それは、空気紡績ノズル7の間隔が互いに交互にbとcになり、この僅かな偏差が許容できることを意味する。紡績糸5を引き出してそれぞれの巻取りステーション1に供給するのに用いられる巻取りステーション1の領域に配置された退去ロール或いは締付けロール8の間隔から空気紡績ノズル7から生じる糸の間隔の偏差を少なくとも減少させるために、空気紡績機には、それぞれに第一と第二転向手段4、6がそれぞれのコイル箇所に付属されている。
【0018】
転向手段4、6は、それぞれの巻取りステーション1と延伸機構2の延伸機構作業箇所3に保管された空気紡績ノズル7に案内された付属糸5の間に延伸機構2と巻取りステーション1の配列に一致して、整合させるのに用いられる。
【0019】
この場合には、転向手段4、6によって糸5の経過は、紡績糸5の実質的に一直線に並んだ経過から出発して、空気紡績ノズル7から流出の際にこれら5が或る角度だけ第一転向手段4によって偏向されるように、変更される。引き続いて、第一転向手段4までずれて配置された第二転向手段6によって糸5が同じ角度だけ戻し転向されるので、糸5が巻取りステーション1と一直線に並んだ経過を有する。それ故に、いつも、糸5の退去ロール或いは締付けロール8の締付線と一直線に並んだ経過が締付け隙間において達成される。転向手段4、6の際に、転向手段4、6に生じる摩擦によって糸5を損傷しないために、表面が出来るだけ僅かな粗度を有するロール或いは同様なものが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】クロス巻取り包装体を製造する繊維機械、特に空気紡績機の概略的部分図を示す。
【符号の説明】
【0021】
1.....巻取りステーション
2.....延伸機構
3.....延伸機構作業箇所
3a....出力ロール
4.....第一転向手段
5.....糸
6.....第二転向手段
7.....空気紡績ノズル
8.....退去ロール或いは締付けロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の均一に互いに間隔を置いた巻取りステーション(1)を備えて、巻取りステーションの間隔aが互いに巻取りステーション(1)の場所の必要性によって形成され、並びに二つの延伸機構作業箇所(3)を包含する延伸機構(2)と延伸機構作業箇所(3)に後方配置された紡績装置(7)を備えて、クロス巻取り包装体を製造する紡績機、特に空気紡績機において、延伸機構(2)がリング紡績機の延伸機構上ロール用の連続振り子支持体を備えていて、各延伸機構(2)の延伸機構作業箇所(3)の相互の間隔bが巻取りステーション(1)の間隔aより僅かに少なく、そして隣接した延伸機構(2)の互いに並んで位置する延伸機構作業箇所(3)の相互の間隔cは間隔bが間隔aより僅かに少ないのと同じ値だけ間隔aより大きいことを特徴とする紡績機。
【請求項2】
紡績装置(7)が延伸機構作業箇所(3)と一直線に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の紡績機。
【請求項3】
転向手段(4、6)が設けられ、これら転向手段は紡績装置(7)から付属巻取りステーション(1)まで案内する糸(5)に対して巻取りステーション(1)の間隔aだけ引き離れていることを特徴とする請求項2に記載の紡績機。
【請求項4】
転向手段(4、6)が僅かな表面粗度を有することを特徴とする請求項3に記載の紡績機。
【請求項5】
転向手段(4、6)がロールとして形成されることを特徴とする請求項3或いは4に記載の紡績機。

【図1】
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【公表番号】特表2009−540141(P2009−540141A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514650(P2009−514650)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001923
【国際公開番号】WO2007/147456
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D−42897 Remscheid, Germany
【Fターム(参考)】