説明

紡績機械用の集束装置

【課題】連結箇所の領域における付加的なシールエレメントが不要で、吸込み装置内部における最適な空気ガイドを保証する吸込み装置を提供する。
【解決手段】繊維材料Vを空気動力学式に集束するための、紡績機械2の双子ドラフト装置2zにおける交換可能な2つの吸込みユニット10,10aから集束空気を吸い込むための吸込み装置であって、吸込みユニットの流出開口O1,O2は、平らな当接面A1,A2を備えた方形に閉じられた各1つのフランジF1,F2を有していて、当接面A1,A2は、共通の連結箇所KSにおいて互いに並んで、吸込み管22の、方形に形成された共通の1つの開口Oの周囲を閉じられた平らな当接面Aに、接触しており、フランジF1,F2は吸込みユニットの流出開口で、吸込み管の開口を完全に覆っていて、保持手段17を介して押圧力をもって吸込み管の当接面に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の吸込み装置、すなわち、繊維材料を空気動力学式(aerodynamisch)に集束するための、紡績機械の双子ドラフト装置における交換可能な2つの吸込みユニットから集束空気を吸い込むための吸込み装置であって、繊維材料が各1つの吸込みゾーンを介して、互いに向かい合って位置していてパーフォレーションを備えた回転する集束エレメントによって案内され、各集束エレメントに配設された吸込みユニットが、吸込み開口を備えていて、該吸込み開口が、各吸込みユニットに組み込まれた吸込み通路に接続され、かつ吸込みユニットに配設されていて吸込み管を有する吸込みエレメントに接続されており、該吸込みエレメントを通して、吸込みユニットを介して吸い込まれた集束空気が、吸込み装置から排出され、各吸込み通路の流出開口が、連結箇所における吸込み管の開口に向かい合って位置しており、吸込みエレメントがガイドと保持手段とを有していて、該保持手段を介して吸込みユニットが各集束エレメントに対して保持及び固定される形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
実地においては種々様々な構成が公知であり、交換可能な吸込みユニットが、例えばパーフォレーションを備えた吸込みドラムのような集束エレメントにおいて使用される。集束エレメントは通常吸込みスリットを有しており、この吸込みスリットは一方では吸込み通路と接続されていて、かつ他方では、吸込みドラムのパーフォレーションを備えた箇所に向かい合って位置している。吸込みドラムの吸込み通路は、組み立てられた状態において吸込み管と接続されていて、この吸込み管を介して吸込み空気は、負圧源に接続された中央の吸込み部に導かれる。
【0003】
例えばDE10145444A1に基づいて公知の上記形式の装置では、そこで使用されている吸込み挿入体は、吸込みドラム内への挿入のためにまず吸込みドラムの間においてガイドを介して中間ポジションにもたらされ、この中間ポジションから相前後して側方に、各吸込みドラムの内室内へと所定の作業ポジションに移動させられる。次いで、通路を備えたカバーが閉鎖され、これによって吸込み挿入体はその作業ポジションにおいてロックされる。カバーの通路を介して吸込み挿入体の両方の吸込み通路は、同様に通路として形成されているハウジングと接続されており、このハウジングを介して吸込み空気は中央の吸込み部に排出される。図示された装置では、3つの連結箇所が吸込み挿入体の吸込み通路とカバーの通路とハウジングとの間に必要である。しかしながら個々の通路の間における各連結箇所は、非シール性のおそれがあり、ひいては装置の周囲から異物を含む周囲空気を吸い込むおそれがあり、これによってフライと呼ばれる飛散繊維が当該箇所において吸い込まれることがあり、汚染や堆積を惹起することになる。また繊維部分が非シール性の箇所において吸込み通路内に達することもある。さらにこのような非シール性に起因して、吸込みスリットの領域において負圧が低下し、最終的には吸込みドラムにおける吸込み作業が低減してしまう。このような不都合を回避するために、開示された解決策では、シールエレメントの取付けが必要であり、このことにより装置はさらに複雑になり、コストが高くなる。さらにシールエレメントは、定期的にその機能を検査する必要がある。さらにまた、カバーの通路を介した空気ガイドは最適でないこと、及び通路の内部において空気乱流の生じるおそれのあることが、判明している。
【0004】
上記公知の構成を改良するために、DE102005044967A1において提案された吸込み装置では、吸込みユニットの吸込み通路は直に(中間通路なしに)吸込み管と連結されている。この場合吸込み管はその端部に別個の丸い2つの吸込み通路を有しており、この両吸込み通路は、1つの共通の吸込み管にまとめられる。吸込み管に設けられた支持プレートと該支持プレートに設けられたガイドとを介して、吸込みエレメントはその運転ポジションへと移動させられ、或いは該運転ポジションから除去される。このような構成により、連結箇所のうちの1つを、最初に述べた公知の構成に比べて節減することができる。さらにこの構成によって、吸込み装置内部における空気ガイドを改善することができる。しかしながらこの解決策においても依然として、なお存在する連結箇所において当該連結箇所を周囲空気に対して十分に隔てるためもしくはシールするために、処置を施すことが必要である。例えばこの解決策においても、連結箇所の領域に相応なシールエレメントを設ける必要があり、これによって同様にこれらの移行箇所は複雑もしくは高価になり、定期的な保守を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE10145444A1
【特許文献2】DE102005044967A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゆえに本発明の課題は、公知の解決策における欠点を排除して、連結箇所の領域における付加的なシールエレメントが不要で、吸込み装置内部における最適な空気ガイドを保証し、かつ簡単に扱うことができる吸込み装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭に述べた形式の吸込み装置において、吸込みユニットの流出開口は、平らな当接面を備えた方形に閉じられた各1つのフランジを有していて、当接面は、共通の連結箇所において互いに並んで、吸込み管の方形に形成された共通の1つの開口の、周囲を閉じられた平らな当接面に、接触しており、フランジは吸込みユニットの流出開口で、吸込み管の開口を完全に覆っていて、保持手段を介して押圧力をもって吸込み管の当接面に保持されるようになっている。
【発明の効果】
【0008】
「周囲を閉じられた平らな当接面」という概念は、方形の開口が、それ自体閉じられた面によって取り囲まれているということを意味している。押圧力の作用下で吸込み管の開口の平らな当接面に接触している、フランジの平らな(同様にそれ自体閉じられた)面によって、吸込み装置を周囲に対して隔てる十分なシール面が、連結箇所の領域において得られる。さらに吸込みユニットは容易にかつ迅速に取付け及び取外しが可能である。
【0009】
さらに本発明の別の態様では、吸込み管の当接面の領域における吸込みエレメントと保持手段とは、該保持手段のロック位置において吸込みユニットのフランジの覆われていない外側面が覆われるように、成形されている。このように構成されていると、フランジの外側に向けられた外側面の周囲を完全に取り囲んで延びる付加的なシール面が得られる。すなわち大きなシール面にもかかわらず、当該領域において非シール性が発生するような場合でも、吸込み装置の周囲に存在する繊維フライの繊維は、吸込み装置内に達するのに、フランジの領域において90°の変向を実施することが必要になる。これにより、この連結箇所における吸込み装置の領域への汚染の侵入を困難にする付加的なバリアを得ることができる。
【0010】
フランジの外側面における付加的な離隔手段を得るために、本発明の別の態様では、吸込みエレメントは、吸込み管の方形の開口の狭幅側に対して間隔をおいて、側部に設けられたウェブを有しており、該ウェブに少なくとも部分的に、吸込みユニットの互いに並んで位置するフランジの、前記ウェブに向いた外側面が、ロック位置において接触している。
【0011】
フランジの取り付けられたポジションにおいてフランジに対して作用する押圧力を生ぜしめて、フランジの当接面を吸込み管の開口の当接面に確実に接触させるために、本発明のさらに別の態様では、吸込みユニットのフランジの、ロック位置を占めていて互いに向かい合っている外側面は、該フランジそれぞれの当接面に対して、90°よりも小さな角度をもって延びており、保持手段は中央ウェブを有していて、該中央ウェブは鋭角を成して延びる自由な縁部を備えていて、該縁部はロック位置において、フランジの互いに向かい合っている外側面の間に係合する。
【0012】
取り付けられた状態においてフランジの互いに向かい合っている外側面がくさび形を成すように形成されていて、このような外側面が、保持エレメントのくさび形に形成された縁部と共働することによって、一方では前記当接面の間においてクランプ力が生ぜしめられ、かつ他方ではくさび作用によって保持エレメントを介して力が生ぜしめられ、この力は、フランジの互いに向かい合っている面を互いに離反する方向に押圧する。これによって、フランジの互いに向かい合っている外側面とは反対側に位置する、フランジの外側に向けられた外側面は、開口の側部に設けられたウェブに押し付けられる。そしてこれにより、フランジは、ひいてはフランジにそれぞれ結合された吸込みユニットは、そのポジションにおいて吸込みドラムに対して堅くロック及び固定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】双子ドラフト装置(Zwillingsstreckwerk)のドラフト装置ユニットと本発明のように構成された連結箇所とを備えた、リング精紡機の紡績箇所を示す側面図である。
【図2】互いに並んで位置する2つの集束装置を、図1の矢印Xの方向から見た拡大図である。
【図2a】図2のN−N線に沿った断面図である。
【図2b】図2aの矢印Yの方向から見て、フラップの旋回箇所を示す部分図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す図である。
【図4】図3の矢印Wの方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1には、紡績機械(リング精紡機)の紡績箇所1が、シリンダドラフト装置2zの互いに並んで位置する2つのドラフト装置ユニット2のうちの1つと共に側面図で示されている。ドラフト装置ユニット2はそれぞれ入口ローラ対3、中間ローラ対4及び出口ローラ対5を備えている。中間ローラ対4の中間ローラには、各1つのエプロンが巻き掛けられて案内されており、これらのエプロンはそれぞれ、図示されていないケージ(Kaefig)を取り囲んで図示の位置に保たれる。前記ローラ対3〜5の上側ローラは押圧ローラとして形成されていて、旋回可能に支承された押圧アーム(図示せず)に軸を介して回動可能に支承されている。
【0016】
ローラ対3〜5の下側ローラは、図示されていない駆動装置と結合されている。この場合、個別駆動装置を使用することも、他の駆動形態(歯車、歯付きベルト等)を使用することもできる。駆動される下側ローラを介して押圧ローラもしくはそのエプロンは摩擦によって駆動される。ローラ対4の周速度は、ローラ対3の周速度よりも幾分高いので、ドラフト装置ユニット2に供給された繊維材料(スライバL)は、入口ローラ対3と中間ローラ対4との間においてプレドラフトされる。繊維材料Lのメインドラフトは、中間ローラ対4と出口ローラ対5との間において行われ、この場合出口ローラ対5は、中間ローラ対4に比べて著しく高い周速度を有している。出口ローラ対5は図示の実施形態では集束装置(Verdichtungsvorrichtung)VVを備えている。
【0017】
集束装置VVは、軸8を介して駆動される吸込みドラム6から成っている。この吸込みドラム6には、該吸込みドラム6と共にクランプ箇所P1を形成する押圧ローラ9が対応配置されている。図2の拡大図から分かるように、吸込みドラム6と、該吸込みドラム6に対して同軸的に対応配置された吸込みドラム6aとは、その周囲に配置された開口OEを備えている。押圧ローラ9に接続して、つまり押圧ローラ9の後ろにはクランプローラ7(撚り止めローラとも呼ばれる)が設けられており、このクランプローラ7は吸込みドラム6;6aの周囲に接触していて、吸込みドラム6;6aと共にクランプ箇所Pを形成している。クランプ箇所P1とクランプ箇所Pとの間には吸込みゾーンZが位置しており、この吸込みゾーンZにおいて、クランプ箇所P1から供給された繊維材料Vは、吸込み空気の影響によって集束される。この集束過程は一般に知られており、既に先行技術文献に開示されている。従ってここではこれについての詳しい説明は省く。
【0018】
吸込みゾーンZの上にはカバー13が設けられており、このカバー13は集束プロセス時における空気案内のために働く。
【0019】
クランプ箇所Pを介して下方に向かって送られる集束された糸Gは、糸ガイド43を介して略示されたリング精紡機に供給される。リング精紡機はリング39とロータ40とを備えており、糸Gはコップ42を形成するために巻管41に巻き上げられる。リング39はリングフレーム44に固定されており、このリングフレーム44は、紡績プロセス中に昇降運動を行う。
【0020】
各吸込みドラム6,6aの集束ゾーンもしくは吸込みゾーンZの領域における吸込み空気を発生させるために、吸込みドラムの内部には吸込みユニット10,10aが配置されており、この吸込みユニット10,10aは特に、図1のXの方向から見た図2の拡大図から分かる。図面を見易くするために図2では、入口ローラ対3、中間ローラ対4及び押圧ローラ9並びにクランプローラ7は図示を省かれている。吸込みドラム6の吸込みユニット10は吸込みスリット(吸込み開口)11を有しており、この吸込みスリット11は吸込みドラム6の内側において、開口OEが吸込みドラム6の周囲に配置されている領域に対向して位置している。
【0021】
吸込みスリット11は、吸込みユニット10の内部に設けられた吸込み通路12と接続されており、この吸込み通路12は、吸込みユニット10に設けられたフランジF1の流出開口O1において開口している。吸込みドラム6に対して同軸的に軸8には、別の吸込みドラム6aが設けられており、この別の吸込みドラム6aには吸込みユニット10に対して鏡像的に配置された吸込みユニット10aが設けられている。吸込みユニット10aはこの場合吸込みスリット11aを有しており、この吸込みスリット11aは吸込み通路12aに開口している。吸込み通路12aの流出開口O2は、吸込みユニット10aに結合されたフランジF2に配置されている。
【0022】
特に図2の拡大図である図3から分かるように、フランジF1,F2は吸込みユニット10,10aの取り付けられた状態において当接面A1,A2で吸込み管22の当接面Aに接触している。フランジF1,F2は互いに直に並んで隣接して当接面Aに接触しており、この場合互いに向かい合うように方向付けられた外側面FGは、互いに直に隣接して位置している。外側面FGはそれぞれ各当接面A1;A2に対して角度cだけ傾けられていて、角度bを有するくさび形の自由空間Kを形成している。組み立てられた位置においてこの自由空間K内には中央ウェブ26が進入しており、この中央ウェブ26はフラップ(保持手段)17に固定されていて、このフラップ17は軸18を中心にして旋回可能に吸込みエレメント15に取り付けられている。中央ウェブ26はこの場合縁部27を有していて、この縁部27は角度bをもってくさび形の自由空間Kに係合している。吸込み管22は吸込みエレメント15に固定されている。
【0023】
吸込みエレメント15にはさらにガイド16が固定されていて、このガイド16は互いに間隔をおいて取り付けられたスライドレール14を有している。これらのスライドレール14を介して吸込みユニット10,10aは、該吸込みユニット10,10aに取り付けられた、ガイド16におけるガイドウェブ21を介して、図3に示した運転位置に移動させられる。このようなガイドウェブの類似の実施形態は、例えばDE102005044967A1にも開示されている。
【0024】
吸込みユニット10,10aのための保持手段として働く旋回可能なフラップ17は、その自由端部にロック体28を有しており、このロック体28は閉鎖されたポジションにおいてガイド16の切欠き29に係合し、フラップ17をこの位置において所定のプレロード下でこのロックされたポジションにおいて保持する。この際に同時に縁部27を介して圧力がフランジF1,F2の外側面FGに加えられ、これによって斜めの外側面FGに対して押圧力が発生し、この押圧力は両方のフランジF1,F2を互いに離反させる方向に作用する。しかしながらこの離反は、ウェブ32,33によって阻止され、これらのウェブ32,33は、当接面Aの側部の領域において方形の開口Oの狭幅側の領域に設けられている。すなわちフランジF1,F2の外側面Fは前記押圧力によってウェブ32,33に押し付けられ、これによってフランジF1,F2もしくは該フランジF1,F2と結合された吸込みユニット10,10aはその位置で軸方向において吸込みドラム6,6aの軸8に対して固定される。このことは特に図2a(断面N−N)から分かる。ウェブ32,33の下にはウェブ31が配置されており、このウェブ31はウェブ32,33と結合されている。そしてこのウェブ31によってフランジF1,F2の下側の外側面Fは覆われる。
【0025】
特に図2aの一部を拡大して示す図2bの部分図から分かるように、上側の外側面FとフランジF1,F2の側部の外側面Fの一部とは、相応に成形されたフラップ17によって覆われる。この場合軸18に接続してフラップ17にはウェブ23,24が設けられており、両ウェブ23,24はフランジF1,F2の側部の外側面Fをウェブ32,33に到るまで覆っている。軸18、つまりフラップ17がそれを中心にして旋回可能に配置されている軸18は、吸込みエレメント15に固定されている。図2bからさらに分かるように、フラップ17に固定されている中央ウェブ26は、外側面FGの全長にわたって延在している。これによって内部の外側面FGの間の領域におけるシールは、該外側面FGが両者を離反させるような押圧力によって間に僅かな間隔を有するような場合であっても、保証される。吸込み管22は先細になる端部46を有しており、この端部46は円形の管端部47に開口している。この管端部47にはフランジ48が設けられており、このフランジ48を介して吸込み管22は、軸受エレメント30の溝50内に受容されかつ支承されている。通常ゴムから成っている軸受エレメント30は、環状溝49を介して機械フレームMRに固定される。軸受エレメント30内への管22の取付けを補助するために軸受エレメント30には導入補助EFが設けられており、この導入補助EFはシールド状に管22のほぼ半周にわたって延びている。吸込み管22の管端部47に接続して、軸受エレメント30には別の管34が固定されており、この別の管34は連結装置35を介して中央の吸込み通路37と接続されている。この吸込み通路37は負圧源UPに接続されている。
【0026】
吸込みユニット10,10aの取付け及びロックは、極めて簡単に行われ、かつ迅速かつ問題なく実施することができる。この場合各吸込みユニット10,10aは、該吸込みユニット10,10aに固定されたガイドウェブ21を介して、各スライドレール14におけるガイド16の上で相前後して、図2(もしくは図3)に示された位置へと移動させられ、この移動は、当接面A1;A2が当接面Aに接触するまで行われる。次いで、なお開放位置を占めているフラップ17が、軸18を中心にして図4に示されたロック位置へと旋回させられ、この際に一方ではロック体28は切欠き29内に係止され、かつ他方では中央ウェブ26の縁部27がフランジF1,F2の両外側面FGの間に移動させられる。そして中央ウェブ26を介して、一方では当接面A1に向かってフランジF1,F2に対して作用する押圧力が生ぜしめられ、かつ他方ではフランジF1,F2は、吸込みエレメント15の側部のウェブ32,33に向かって押圧される。これによってフランジF1,F2は、ひいては吸込みユニット10,10aもその位置において固定され、吸込み通路12,12a及び吸込み管22の内室は、連結箇所KSの領域において外部に対して隔てられる。フランジF1,F2の外側面Fを、ウェブ31,32,33及びフラップ17に固定されたウェブ23,24によって取り囲むことにより、フランジF1,F2の領域における、周囲を閉じられた付加的なシール面が生ぜしめられる。
【符号の説明】
【0027】
1 紡績箇所、 2 ドラフト装置ユニット、 2z シリンダドラフト装置、 3 入口ローラ対、 4 中間ローラ対、 5 出口ローラ対、 6,6a 吸込みドラム、 7 クランプローラ、 8 軸、 9 押圧ローラ、 10,10a 吸込みユニット、 11,11a 吸込みスリット、 12,12a 吸込み通路、 13 カバー、 14 スライドレール、 15 吸込みエレメント、 16 ガイド、 17 フラップ(保持手段)、 18 軸、 21 ガイドウェブ、 22 吸込み管、 23,24 ウェブ、 26 中央ウェブ、 27 縁部、 28 ロック体、 29 切欠き、 30 軸受エレメント、 31,32,33 ウェブ、 34 管、 35 連結装置、 37 中央の吸込み通路、 39 リング、 40 ロータ、 41 巻管、 42 コップ、 43 糸ガイド、 44 リングフレーム、 46 端部、 47 管端部、 48 フランジ、 49 環状溝、 50 溝、 A,A1,A2 当接面、 b,c 角度、 EF 導入補助、 F 外側面、 F1,F2 フランジ、 FG 外側面、 G 糸、 K 自由空間、 KS 連結箇所、 L 繊維材料、スライバ、 MR 機械フレーム、 OE 開口、 O 開口、 O1,O2 流出開口、 P,P1 クランプ箇所、 UP 負圧源、 V 繊維材料、 VV 集束装置、 Z 吸込みゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料(V)を空気動力学式に集束するための、紡績機械(2)の双子ドラフト装置(2z)における交換可能な2つの吸込みユニット(10,10a)から集束空気を吸い込むための吸込み装置であって、繊維材料(V)が各1つの吸込みゾーン(Z)を介して、互いに向かい合って位置していてパーフォレーション(OE)を備えた回転する集束エレメント(6,6a)によって案内され、各集束エレメント(6,6a)に配設された吸込みユニット(10,10a)が、吸込み開口(11,11a)を備えていて、該吸込み開口(11,11a)が、各吸込みユニット(10,10a)に組み込まれた吸込み通路(12,12a)に接続され、かつ吸込みユニット(10,10a)に配設されていて吸込み管(22)を有する吸込みエレメント(15)に接続されており、該吸込みエレメント(15)を通して、吸込みユニット(10,10a)を介して吸い込まれた集束空気が、吸込み装置から排出され、各吸込み通路(12,12a)の流出開口(O1,O2)が、連結箇所(KS)における吸込み管(22)の開口(O)に向かい合って位置しており、吸込みエレメント(15)がガイド(16)と保持手段(17)とを有していて、該保持手段(17)を介して吸込みユニット(10,10a)が各集束エレメント(6,6a)に対して保持及び固定される形式のものにおいて、
吸込みユニット(10,10a)の流出開口(O1,O2)は、平らな当接面(A1,A2)を備えた方形に閉じられた各1つのフランジ(F1,F2)を有していて、当接面(A1,A2)は、共通の連結箇所(KS)において互いに並んで、吸込み管(22)の、方形に形成された共通の1つの開口(O)の、周囲を閉じられた平らな当接面(A)に、接触しており、フランジ(F1,F2)は吸込みユニット(10,10a)の流出開口(O1,O2)で、吸込み管(22)の開口(O)を完全に覆っていて、保持手段(17)を介して押圧力をもって吸込み管(22)の当接面(A)に保持されることを特徴とする吸込み装置。
【請求項2】
吸込み管(22)の当接面(A)の領域における吸込みエレメント(15)と保持手段(17)とは、該保持手段(17)のロック位置において吸込みユニット(10,10a)のフランジ(F1,F2)の覆われていない外側面(F)が覆われるように、成形されている、請求項1記載の吸込み装置。
【請求項3】
吸込みエレメント(15)は、吸込み管(22)の方形の開口(O)の狭幅側に対して間隔をおいて、側部に設けられたウェブ(32,33)を有しており、該ウェブ(32,33)に少なくとも部分的に、吸込みユニット(10,10a)の互いに並んで位置するフランジ(F1,F2)の、前記ウェブ(32,33)に向いた外側面(F)が、ロック位置において接触している、請求項2記載の吸込み装置。
【請求項4】
吸込みユニット(10,10a)のフランジ(F1,F2)の、ロック位置を占めていて互いに向かい合っている外側面(FG)は、該フランジ(F1,F2)それぞれの当接面(A1,A2)に対して、90°よりも小さな角度(c)をもって延びており、保持手段(17)は中央ウェブ(26)を有していて、該中央ウェブ(26)は鋭角(b)を成して延びる自由な縁部(27)を備えていて、該縁部(27)はロック位置において、フランジ(F1,F2)の互いに向かい合っている外側面(FG)の間に係合する、請求項3記載の吸込み装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−23808(P2013−23808A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−164993(P2012−164993)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】