説明

細胞を含む複合性の生物学的媒体において一過性のプロテイン分解活性の濃度を測定するための方法

凝固中の血液又は血漿の試料において、試料中に出現し、試料から消失するトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定するための方法が提供され、その方法は、シグナル基質を前記試料に加えるステップであって、前記シグナル基質が、生成したプロテイン分解活性による反応後に形成された変換産物の量に関連する検出可能なシグナルを引き起こすステップと、前記試料において、時間内のシグナル発生をモニターして曲線を得るステップと、試料の大部分が液体のままであり、細胞の沈澱が阻害されるような高密度の状態で血餅の形成が起こるように前記試料を頻繁に混合するステップとを含み、前記モニターするステップ及び混合するステップを交互に繰り返し行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断の分野におけるものであり、より詳細には、血液又は他の体液中に一過性に存在する生物学的に活性な酵素の濃度の経過をリアルタイムでモニターするための方法、及びこの方法で用いるためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
体液には、血液においては凝固系、線維素溶解系、及び補体系、並びに消化器分泌液においては消化酵素など、プロテイン分解酵素の活性化及びその後の不活性化によって働く、いくつかの生理学的に重要な生化学系が存在する。これらの系の生物学的機能を評価するには、時間内にこのようなプロテイン分解活性の経過を追跡することができることが重要である。このような系が妨げられると、冠状動脈梗塞、脳卒中若しくは致死的な出血(血液凝固及び繊維素溶解)、全身性の感染症及び自己免疫疾患(補体系)、又は食物吸収の妨害(消化器分泌液)などの致死的な疾患が引き起こされ得るので、このような機能の評価は診断上最も重要である。
【0003】
現況技術にしたがって血漿又は血小板に富む血漿においてトロンビン生成を決定する方法では、血漿は数分後にゲルに変化する。これは、フィブリノーゲンの不溶性フィブリンへの変換による。このフィブリンは重合し、その結果事実上実際の血餅であるフィブリンの網目構造が形成される。この血餅は、トロンビンが生成される液体(即ち、血漿又は血清)を含むスポンジに類似している。このトロンビン生成の間、シグナル基質は、シグナルを産生する脱離基に変換される。ゲルは比較的透明であるので、凝固中の血漿で時間内に蛍光シグナルを記録するのが可能である。しかし、全血で測定する場合、シグナルの量はかなり低減され(典型的には、透明な血漿で測定した量の5%未満であり)、赤血球のあらゆる運動がシグナルに大いに影響を及ぼす。形成されたフィブリンの網状組織(ゲル)は赤血球を捕らえ、しばらくすると、ゲルの不均質性をもたらし、その結果ゲル内部に捕獲された液体がフィブリンの網状構造の外側に存在する液体から分離される「血餅退縮」が起こる。「スポンジ状の網状構造」の像の後、血餅退縮はスポンジの部分が搾り出されるのに類似した状況をもたらす。これは、測定が殆ど不可能であるという影響をシグナルに及ぼす。
【0004】
WO03/093831は、血漿又は血小板に富む血漿において、トロンビンの活性をリアルタイムで測定するのに適する技術を記載している。この技術には、前記生物学的媒体にシグナル基質を加えることが含まれる。プロテイン分解酵素は基質を変換することができ、基質の脱離基を好適な技術で測定することができる。これは、蛍光、光学密度、NMRなどの測定であってよく、その選択は主にシグナルの性質による。蛍光を用いる場合は、原理上、血小板に富む血漿又はフィブリンを含む血漿などの濁った溶液において測定するのが可能である。全血、即ち血小板、白血球、及び赤血球を含む血漿における測定も可能である。しかし、赤血球の存在は、シグナルに対する大きな妨害的な影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、全血において、信頼性ある簡単な様式でトロンビン生成をリアルタイムで測定する方法が依然として必要とされている。本発明は、そのような方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、今や驚くべきことに、実質的にWO03/093831に記載されているように、頻繁に混合を行う条件下で、凝固中の血液又は血漿においてプロテイン分解活性、特にトロンビン活性の測定を実施する場合、血餅はゲルとして形成されないが、より高密度の血餅として形成され、それによりフィブリンの網状構造の外側に実質的に全ての液体が残ることを見出した。
【0007】
したがって、本発明の一態様では、凝固中の血液又は血漿又は他の体液の試料において、試料中に出現し、試料から消失するプロテイン分解活性、特にトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定するための方法であって、
a)シグナル基質を前記試料に加えるステップであって、前記シグナル基質が、生成したプロテイン分解活性による反応後に形成された変換産物の量に関連する検出可能なシグナルを引き起こすステップと、
b1)前記試料において、時間内のシグナル発生をモニターして曲線を得るステップと、
c1)試料の大部分が液体のままであり、細胞の沈澱が阻害されるような高密度の状態で血餅の形成が起こるように前記試料を頻繁に混合するステップと
を含み、
前記ステップb1)及びc1)を交互に繰り返し行う方法
を提供する。
【0008】
詳細な好ましい一実施形態では、前記方法は、以下のさらなる代替のステップ:
d)ステップa)に規定したシグナル基質に対して一定の知られている安定なプロテイン分解活性を有するが他の面では不活性である手段を、プロテイン分解活性が誘発されない第2の同時並行の試料に加えるステップと、
e)ステップa)に規定したのと同じシグナル基質をステップd)に加えるステップであって、前記シグナル基質が、知られている安定なプロテイン分解活性を有する手段による反応後に検出可能なシグナルを引き起こすステップと、
b2)前記第1の試料及び前記第2の同時並行の試料においてシグナル発生の時間経過を決定して、各経過から曲線を得るステップと、
f)前記曲線を比較して、第1の試料において時間内のプロテイン分解活性の経過を得るステップと、
c2)前記第1の試料の大部分が液体のままであり、各試料中における細胞の沈澱が阻害されるような高密度の状態で前記第1の試料における血餅の形成が起こるように、前記第1及び第2の試料を頻繁に混合するステップと
を含み、
前記ステップb2)及びc2)を交互に繰り返し行う。
【0009】
本発明の別の一態様では、本発明の方法を実施するためのキットを提供する。
【0010】
これら及び他の態様を、以下により詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】血餅の形成の間頻繁に混合した96ウェルプレート(上)、及び混合しなかった別の96ウェルプレートの選択したものを撮影した図である。上の写真では、各ウェルに高密度の血餅が形成しているのが見られる。下の写真では、透明な血漿が濁ったゲルに変化している。混合はオービタルを描く振盪を5秒間行い、これを20秒毎に繰り返した。写真は、全血を使用する場合、仮定できることがやはり起こるということの例を示すものであり、振盪の条件下では血餅はより高密度である。
【図2】全血におけるトロンビン生成の測定の典型的な例を示す図である。反応混合物は、健常志願者からの全血、並びに組織因子0.5pM、蛍光発生性の基質(ZGGR−AMC 400μM)、及び塩化カルシウムを含んでいた。96ウェルプレート蛍光光度計で蛍光を測定し、時間内のトロンビンをシグナルから計算した。
【図3】トロンビン検量線とヘマトクリットの初速度(1分当たりの蛍光単位)との間の関係を示す図である。トロンビンの標準物質は、トロンビンのα2−マクログロブリン(α2−M)との複合体であり、これは蛍光発生性の基質(ZGGR−AMC)を変換することができるが、トロンビンの血漿性の阻害物質(抗トロンビンなど)によって阻害されず、これは凝固プロセスに関与しない。トロンビンの標準物質は基質を変換し、測定されるフルオロフォアは蛍光光度計で測定される蛍光シグナルを産生する。活性の量は全試料において等しいが、初速度はヘマトクリット(全血の細胞体積と全体積との比率)によって異なる。ヘマトクリットはドナー間でかなり異なるので、トロンビン標準物質の初速度をこれらの差を補正するのに用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で用いられる「頻繁に混合を行う条件」とは、反応が起こる容器又は容器内の液体を、細胞など、液体中の液体及び非液体の物質がより均一に分散するように動かすことを意味する。明らかに、実質的に均一な分散が好ましい条件である。例えば、トロンビン生成が起こる容器のオービタルを描く振盪を行うことによって、血餅はゲルとして形成せず、むしろより高密度の血餅として形成し、その結果網状構造の外側を実質的に全て液体のままにする。これは、やはり、液体の内側をマグネチックスターラーを回転させることによって、又は当業者には知られている別のタイプの撹拌器によって実現することができる。その結果、血餅退縮のシグナルに対する壊滅的な影響はもはや生じない。
【0013】
トロンビン生成が起こる容器、通常キュベットは、普通は透明であり、基質の変換によって産生されるシグナルを記録することができる温度制御された装置内に配置されている。容器又はキュベットの上部又は底部から蛍光の測定を行う場合、赤血球の沈澱はシグナルにさらなる妨害性の影響がある。容器の底部又は上部からではなく、側部から測定すれば沈澱の影響は低減される。或いは、血餅が形成した後又は形成する間に、沈澱する細胞が液体の内部を再度上昇するように繰り返し混合することによって、沈澱を防ぐことができる。例えば、1秒以内に蛍光シグナルの測定を繰り返し、各々その後数秒間オービタルを描く振盪をすれば、全血でトロンビンの測定を行うのに十分である。シグナルの量が実質的に低下するという欠点は、蛍光シグナルを受ける光学系の好ましい位置付けと組み合わせて、蛍光プローブの最適波長を選択することによって部分的に克服することができる。
【0014】
測定すべき試料における時間内のシグナル発生のモニター及び試料の混合を、その決定が完了するまで交互に繰り返し行う。全体の測定は、通常約10分から90分を要する。混合及び決定の交互の操作の頻度は、通常、1分当たり約3回から8回となる。混合は、通常、各回約3秒から5秒かかる。決定は、通常、各回10〜80ミリ秒の範囲である。方法は、本明細書を読めば当業者には十分明らかである。さらなる詳細は、特に、本明細書に参照によって組入れられるWO03/093831から得ることができる。
【0015】
本発明による方法は、血小板に富む、血小板の少ない、又は血小板のない血漿を含めた、凝固中の血液又は血漿において、プロテイン分解活性、特にトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定するのに特に適しているが、凝固活性を示すことがある他の体液、例えば、唾液、血清、尿、脳脊髄液、精液、及び糞便にも用いてもよい。
【0016】
本発明は、上記に述べた方法を実施するためのキットをさらに提供する。このようなキットは、好都合には、適切な容器又は他の従来の包装手段に以下の成分:
既知濃度のαM−トロンビン複合体、
既知濃度のトロンビン、
蛍光、光学密度、NMRなどの知られている技術によって測定することができるシグナルを産生することができる、用いられるシグナル基質の脱離基を含む溶液、
凝固反応を開始させるための、トロンボプラスチン、組織因子、エラグ酸、又はカオリンを含むトリガー試薬、
特に、止血−血栓系の特定の異常に遭遇し、又はそれが予期される場合に、トロンビン濃度の経過の判定を促進する添加剤[適切な添加剤は、例えば、とりわけ第V因子ライデンの診断に有用なトロンボモジュリン若しくは活性化プロテインC、又は特定の抗血栓若しくは抗血小板薬である]、
シグナル基質を含む試薬、
コンピュータ上でプログラムを実行した場合に、上記に規定した方法によって決定したトロンビン活性曲線を計算するためのコンピュータのメモリ中に直接ロード可能なソフトウエアプログラム、
指示マニュアル
を含む。
【0017】
キットは、適切には凍結乾燥した試薬を含むことができる。
【0018】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、これらは、あらゆる点で本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。
【実施例】
【0019】
a.内部キャリブレーションを伴わない実験の典型的な構成
典型的には、実験を以下の通り行う。トリガー試薬(20μL)を96ウェルプレートのウェルに加える。トリガー試薬は、低濃度の組織因子(通常、最終濃度0.5pMと20pMの間)を含む。通常50μLと150μLとの間の、本実施例では80μLのクエン酸を加えた全血を加え、蛍光発生性の基質(例えば、Z−GGR−AMC)及び塩化カルシウム(通常200μMと600μMとの間、最終濃度それぞれ14mMと17mMとの間、今回の場合はそれぞれ400μM及び16.7mM)の混合物を加えた後最終的に反応を開始する。数分(遅延時間)後トロンビンの産生が開始し、濃度はそのピークに達するまで上昇し、次いで再び下降する。典型的な曲線に関しては、図2を参照されたい。時間内に追跡される蛍光の第1の誘導体(例えば、励起波長355nm及び発光波長460nmで測定)は、時間内のトロンビンの量の妥当な尺度であるが、時間内のトロンビンの濃度を適切に計算するためにシグナルのさらなる補正を行うことを勧める。これらの補正の性質は当業者にはよく知られており、したがって、補正方法をここで詳細に述べる必要はない。
【0020】
b.内部キャリブレーションを伴う実験の典型的な構成
全血の試料を、試料A及び試料Bの2つの試料に分割する。試料Aを、トリガー(希釈した組織因子)を含む96ウェルプレートのウェルに加え、試料Bをキャリブレーションした量のα2−マクログロブリン−トロンビン複合体を含むウェルに加える。この複合体はアミド分解活性を有するが、血漿の阻害物質によって阻害することができない。両方のウェルに蛍光発生性の基質を加え、試料Aはトロンビンを産生するがBは産生しない(トロンビン産生は阻害され、又はクエン酸を加えた試料はカルシウム再沈着しない)。キャリブレーションした量のα2−マクログロブリン−トロンビンによる基質の変換によって試料B中で生じた蛍光から、試料Aにおける時間内のトロンビンの濃度を計算することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝固中の血液又は血漿の試料において、試料中に出現し、試料から消失するプロテイン分解活性、特にトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定するための方法であって、
a)シグナル基質を前記試料に加えるステップであって、シグナル基質が、生成したプロテイン分解活性による反応後に形成された変換産物の量に関連する検出可能なシグナルを引き起こすステップと、
b1)前記試料において、時間内のシグナル発生をモニターして曲線を得るステップと、
c1)試料の大部分が液体のままであり、細胞の沈澱が阻害されるような高密度の状態で血餅の形成が起こるように前記試料を頻繁に混合するステップと
を含み、
前記ステップb1)及びc1)を交互に繰り返し行う、上記方法。
【請求項2】
以下のさらなる代替のステップ:
d)ステップa)に規定したシグナル基質に対して一定の知られている安定なプロテイン分解活性を有するが他の面では不活性である手段を、プロテイン分解活性が誘発されない第2の同時並行の試料に加えるステップと、
e)ステップa)に規定したのと同じシグナル基質をステップd)に加えるステップであって、前記シグナル基質が、知られている安定なプロテイン分解活性を有する手段による反応後に検出可能なシグナルを引き起こすステップと、
b2)前記第1の試料及び前記第2の同時並行の試料においてシグナル発生の時間経過を決定して、各経過から曲線を得るステップと、
f)前記曲線を比較して、第1の試料において時間内のプロテイン分解活性の経過を得るステップと、
c2)前記第1の試料の大部分が液体のままであり、各試料中における細胞の沈澱が阻害されるような高密度の状態で前記第1の試料における血餅の形成が起こるように、第1及び第2の試料を頻繁に混合するステップと
を含み、
前記ステップb2)及びc2)を交互に繰り返し行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プロテイン分解活性が、トロンビンを含む凝固因子活性の活性化、線維素溶解因子活性の活性化、及び補体系成分活性の活性化からなる群から選択される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
シグナル基質が脱離基を含む化合物からなる群から選択され、前記脱離基から、プロテイン分解酵素による反応後に検出可能な変換産物が形成される、請求項1〜3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
シグナル基質がZ−Gly−Gly−Arg−AMCである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
検出可能な変換産物が、分光法、特に蛍光、光学密度、又はNMRによって決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
脱離基が、蛍光基、発色団、又は水素イオンを放出する基である、請求項4〜6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
検出可能な変換産物が、p−ニトロアニリド、又は7−アミノ−4−メチルクマリンである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一定の知られている安定なプロテイン分解活性を有する手段が、α−マクログロブリン−トロンビン複合体、スタフィロコアグラーゼ−プロトロンビン複合体、及びγトロンビンからなる群から選択される、請求項1〜8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
プロテアーゼ活性化因子を、シグナル基質を加える前に前記第1の試料に加える、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
プロテアーゼ活性化因子が、カルシウムイオン、リン脂質、組織因子、可溶性組織因子、トロンボプラスチン、カオリン、及びエラグ酸からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の生物学的試料が、プロテイン分解系に対するその影響を試験するための試験中の薬剤をさらに含む、請求項1〜11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記プロテイン分解系が止血−血栓系である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
薬剤が抗血小板薬又は抗凝固薬などの抗血栓薬である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
抗血栓薬が、ヘパリン、デルマタン硫酸、直接トロンビン阻害薬、例えばヒルジン、アルガトロバン、又はメラガトラン、及び第Xa因子阻害薬、例えばダニ抗凝固プロテイン、トロンボモジュリン又は活性化プロテインCなどのプロテインC経路活性化薬からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
以下の成分:
既知濃度のαM−トロンビン複合体、
既知濃度のトロンビン、
蛍光、光学密度、NMRなどの知られている技術によって測定することができるシグナルを産生することができる、用いられるシグナル基質の脱離基を含む溶液、
凝固反応を開始させるための、トロンボプラスチン、組織因子、エラグ酸、又はカオリンを含むトリガー試薬、
特に、止血−血栓系の特定の異常に遭遇し、又はそれが予期される場合に、トロンビン濃度の経過の判定を促進する添加剤[適切な添加剤は、例えば、とりわけ第V因子ライデンの診断に有用なトロンボモジュリン若しくは活性化プロテインC、又は特定の抗血栓若しくは抗血小板薬である]、
シグナル基質を含む試薬、
コンピュータ上でプログラムを実行した場合に、上記に規定した方法によって決定したトロンビン活性曲線を計算するためのコンピュータのメモリ中に直接ロード可能なソフトウエアプログラム、
指示マニュアル
を含む、請求項1〜15までのいずれか一項に記載の方法を実施するためのキット。
【請求項17】
凍結乾燥した試薬を含む、請求項16に記載のキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2010−508036(P2010−508036A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535030(P2009−535030)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009528
【国際公開番号】WO2008/052795
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508359594)トロームビノスコープ ベスローテン フェンノートシャップ (2)
【Fターム(参考)】